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田中(角)
委員 私は、
建設行政のうち、二、三日前に発令された
建設省の
人事の問題について
建設大臣に私の気持を申し上げ、所信をただしておきたいと思うわけであります。もちろん
人事は
所管大臣の権限でありまして、
人事の問題に対して
立法府が発言するということはいろいろ
誤解を招くおそれがあります。なお
與党委員からそういう発言がありますと、特に間違われやすいので、私としては十分戒心をし、しかも
人事権に容喙をしたり、
行政権に容喙をするような立場に立
つて御
質問申し上げるのではないということを
前提として御
了解にな
つていただきたい、こう
考えるわけであります。
建設省の
人事に関しては、岩沢君が立候補当時本
委員会で問題にな
つたことが一回あります。場合によ
つては懲戒免官という激論まで出ました。
與党の
議員からこのような問題が出たことは、歴史をひもといて見てもない、こう私は思
つております。
建設委員会というのは、御
承知の
通りもう五、六年も
與党、野党を問わず、同じ人がずつと本
委員会の
委員として専念しております。その
意味で
建設省とは非常に深いつながりもありますし、またお互いが非常によく
了解し合
つているわけであります。私は、岩沢君当時の問題のような根拠や感じでこの問題を申し上げるわけではありません。住宅局長の依願免官の問題、及び八嶋都市局長の住宅金融公庫への転出の問題に対しては、私たち
関係局に
関係のある
立法を急いでおります立場から御
意見を伺うというのではなく、爾後の処置もしていただかなければならないという
意味から
簡單に申し上げておきたいと思います。
いろいろなことを申されておりますが、ざつくばらんに言うと、都市局長八嶋君はやり過ぎる、住宅局長大村君はやりたがらない、こういうふうなことも一部に仄聞するのでありますが、こういうことを私は
考えておりません。しかし過去四箇年にわた
つていろいろな問題がありました。
建設省の住宅局
関係のうち公営住宅法、建築
基準法、建築士法その他二十年、三十年にわた
つて懸案であ
つた法律案を本
委員会の手でずつと片づけて参りまして、
最後に公営住宅法が残
つているだけであります。この公営住宅法だけ早く通して、われわれ自身も
建設省機構の改草に対して、住宅局は建設局に改むべきものだ、しかも住宅局などという名称を掲げておりますので厚生省との権限紛淆問題が起るのだ。私たちも、
建設行政の一元化をやらなければ
行政機構の改革はできない、こういう観点等いろいろな角度から検討して来てお
つたのでありますが、すでに
議員立案として何とか
提案の運びにな
つたというときに、住宅局長の更迭があ
つたわけであります。それと同時に、都市局長の住宅金融公庫転出は、もうすつかり
法案ができ上
つた住宅局と違いまして、今厚生省との間に水道法、公園法等いろいろな問題があり、私たち
議員立法するとい
つても
建設省の
関係局課から長い間いろいろの資料提供を求めたり、緊密な
連絡をと
つて来たのであります。やつと今の段階では、水道法も公園法も何とか話をつけなければならない。いろいろな問題はあ
つても
行政整理を行い、
行政の簡素化を行い、
建設行政の一元化をやるという大目的のためには、各省のセクシヨナリズムに左右されずに何とかまとめて行きたいという
最後のどたんばにおいて、後任局長もおきめにならないうちに八嶋君を転出せられた。私は八嶋君からも、大村君からも、その後の事情を何も聞いておりませんが、
新聞を見て、
建設大臣やるわいと実は思
つたのです。
建設省でなく、通産省では、
大臣が半年間も事をわけて話をしても辞表を出さない。出さないでおいて、蛭川君のように、
自由党の
内閣でありながら、ま
つたく
反対の声明を行う、こういうことで遂に懲戒免官までやらなければならぬ。これをやらない
大臣に
行政機構の改革などできるものかということをわれわれ自体も
考え、また
国民もそう
考えているときに、
建設大臣はすぱつと思い切
つて整理をせられておりますので、それに対しては私たち全面的に賛成もし、また応援もいたしたい、こう
考えておるのであります。いろいろな
機構改革の
立法になりますと、暗躍し、
自分たちの部局を残し拡充するために、いろいろな
議員に対して渡りをつけてまでも権限縮小という問題には徹底的に
反対する。自分が現在持
つておる部局が他の省に統合せられることは大きな国家目的に沿
つてお
つても
反対をするというのでありまして、しかもそういう
官僚の希望に沿
つて事をする
議員もしありとすれば、これはたいへんな問題とさえ
考えておるときに、思い切
つておやりにな
つた建設大臣の行為は、
自由党の
行政整理を担当せられておる
大臣として、まず自分の省からということでお手並は非常にりつぱだと思
つております。ただ先ほど申し上げましたようにわれわれが四、五年間もかか
つてようやくにしてまとめ上げて来た水道法や公園法や耐火建築助成法が今、日の目を見んとするときに、厚生省のいろいろな
関係もあり、やり過ぎるから飛ばさなければならないというように、
実情を知らない第三者がこういう観点でうわさをしておるように
考えて来ると、次官
会議や閣議ではまとまらないというものは、
議員立法で行わなければ
行政機構の改革はできないという信念を持
つております。こういうときに、そういう
議員がお
考えにな
つておる大目的に沿うと首を切られるから、お世話はできません、御
連絡もできませんということになるとたいへんです。これは特に私がそう申し上げなくても八嶋君は
建設大臣の御親類であるので、まず御親類からすぱつと切
つたのでありますから、私はそんなことは
考えてはおりませんが、われわれが
立法の途中にあるだけに、こういうものに対しては
立法をや
つておる私たちに御相談ではなく、内意を漏らしていただけなか
つたかということを
考えておるわけでありますが、
人事は秘密でありますので、漏らさない方が一番いいのであります。漏らせば
反対があ
つてできなくなるのでおやりにな
つたのであ
つて、私たちから当然このくらいな
質問や
意見が出ることは御
承知でおやりにな
つたのであることは私も推察をするのにかたくはないのでありますが、とにかくわれわれに直接
関係があります
人事異動でありましたので、特に都市局長の後任は早急におきめにな
つていただいて、私たちの
立法に支障を来さないようにしていただきたい、こう
考えておるわけであります。先ほど申し上げました
通り立法府が、特に
與党が
政治的な立場と感覚から
人事権に容喙し、
行政権に干渉するというような立場からではなく、
委員会の現在までのいきさつと事情によ
つて希望を申し述べたのでありまして、これが跡始末に対しては万遺憾なきを期していただきたい、こう希望を申し上げます。