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1952-03-07 第13回国会 衆議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月七日(金曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長代理 理事 田中 角榮君    理事 鈴木 仙八君 理事 村瀬 宣親君    理事 前田榮之助君       逢澤  寛君    淺利 三朗君       宇田  恒君    上林山榮吉君       瀬戸山三男君    高田 弥市君       増田 連也君    河口 陽一君       玉井 祐吉君  出席政府委員         建設政務次官  塚原 俊郎君  委員外出席者         建設事務官         (住宅局住宅企         画課長)    鬼丸 勝之君         建 設 技 官         (住宅局建築防         災課長)    村井  進君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 二月二十三日  委員内藤隆辞任につき、その補欠として篠田  弘作君が議長指名委員選任された。 三月一日  委員前田榮之助君辞任につき、その補欠として  松尾トシ子君が議長指名委員選任された。 同月三日  委員松尾トシ子君及び上林山榮吉辞任につき、  その補欠として前田榮之助君及び高橋英吉君が  議長指名委員選任された。 同月四日  委員高橋英吉辞任につき、その補欠として上  林山榮吉君が議長指名委員選任された。 同月六日  委員上林榮吉辞任につき、その補欠として  高橋英吉君が議長指名委員選任された。 同月七日  委員高橋英吉辞任につき、その補欠として上  林山榮吉君が議長指名委員選任された。 同日  前田榮之助君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 二月二十三日  五行川改修工事施行請願佐藤親弘君外一名  紹介)(第八八二号)  海部郡地帶地盤沈下災害復旧費国庫補助の請  願(江崎真澄紹介)(第八九九号)  琵琶湖総合開発に関する請願淺香忠雄君紹  介)(第九〇〇号)  拝島橋架設促進請願栗山長次郎紹介)(  第九〇四号)  日勝道路開設促進請願高倉定助紹介)(  第九四一号)  木津用水口改修工事施行請願江崎真澄君紹  介)(第九六九号)  太子、草津間道路開設等請願小淵光平君紹  介)(第九七三号)  国道一号線中浜松市の幅員拡張工事反対に関す  る請願松岡駒吉君外一名紹介)(第九七四  号)  大沢山地内下有無川に砂防工事施行請願(鹿  野彦吉君紹介)(第九七五号) 同月二十八日  中部日本横断道路国道編入等請願江崎  真澄紹介)(第九九九号)  県道下呂、飯田間を国道編入請願岡村利  右衞門紹介)(第一〇〇〇号)  岐阜県道五十八号線及び五十六号線中下呂、坂  下間改修工事施行請願岡村利右衞門君紹  介)(第一〇〇一号)  川内村地内の子吉川に護岸工事促進請願(村  上清治紹介)(第一〇〇二号)  勝賀野川河川附替え工事促進に関する請願(長  野長廣紹介)(第一〇〇四号)  県道大野見窪川線地盤沈下復旧に関する請願(  長野長廣紹介)(第一〇〇五号)  番田橋永久橋架替え請願門脇勝太郎君  紹介)(第一〇一九号)  国府川改修附帶工事として松の木橋架設請願  (門脇勝太郎紹介)(第一〇二〇号)  県道森倉線中中野、森間改修工事施行請願(  門脇勝太郎紹介)(第一〇二一号)  上浦幌上川上、二股間道路開設促進請願(伊  藤郷一君紹介)(第一〇三二号)  石鳥谷町地内の北上川に改修工事施行請願(  淺利三朗君外二名紹介)(第一〇五〇号)  奧田川改修工事施行請願長野長廣紹介)  (第一〇五一号)  足ヶ谷隧道開さく請願長野長廣紹介)(  第一〇五二号)  鴨島白鳥本町線道路改修工事施行請願(三木  武夫紹介)(第一〇七九号)  御所村地内宮河内谷砂防工事施行請願(三  木武夫紹介)(第一〇八〇号)  幌別川河川切替え工事促進に関する請願林好  次君紹介)(第一〇八一号) 三月三日  琵琶湖総合開発に関する請願河原伊三郎君紹  介)(第一一一一号)  南隅地区県道予定線開設促進に関する請願(  前田郁紹介)(第一一二五号)  府県道川越東京線改修工事施行請願福永健  司君紹介)(第一一二六号)  大隅海岸道路改修工事促進請願前田郁君紹  介)(第一一二七号)  福山、宮崎間の府県道国道編入請願(前  田郁紹介)(第一一二八号)  佐多、大根占間の県道改修工事施行請願(前  田郁紹介)(第一一二九号) の審査を本委員会に付託された。 二月二十七日  府県道関川府屋線改良工事促進に関する陳情  書  (第七三〇号)  府県道北中、府屋線及び中継、府屋線改良促進  に関する陳情書  (第七三一号)  里川橋架替えに関する陳情書  (第七三二号) 三月四日  防火建築帯造成促進に関する陳情書  (第八〇六号)  河川水利使用許可権国移管反対に関する陳  情書(第八〇七号)  横浜西区内土地建物接収解除に関する陳情  書(第八〇八号)  災害復旧特別法の制定に関する陳情書  (第八〇九号)  ルース災害融資金利子補てんに関する陳情書  (第八一〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長補欠選任  小委員及び小委員長選任に関する件  委員派遣に関する件  住宅緊急措置令等廃止に関する法律案内閣  提出第三四号)(予)  十勝沖地震による被害状況に関する     ―――――――――――――
  2. 田中角榮

    田中委員長代理 これより建設委員会を開会いたします。  本日は委員長が不在でありますので、私がかわつて暫時委員長の職務を行います。  本日の日程に入ります前に理事補欠選任についてお諮りいたします。すなわち前田榮之助君は去る三月一日委員辞任せられ、三月三田再び本委員となられたのでありますが、同君は理事でありましたので、これが補欠選任を行わねばなりません。理事補欠選任につきましては、前例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中角榮

    田中委員長代理 御異議なしと認めます。それでは理事前田榮之助君を指名いたします。  次に小委員及び小委員長補欠選任についてお諮りいたします。すなわち前田榮之助君は三月一日、上林山榮吉君は三月六日に委員辞任され、それぞれ三月三日、三月七日に再び本委員となられたのでありますが、前田榮之助君は道路河川水道及び耐火建築助成に関する各小委員であり、上林山榮吉君は道路及び耐火建築助成に関する各小委員であり、また水道に関する小委員長でありましたので、これらの小委員及び小委員長補欠選任を行わねばなりません。小委員並びに小委員長補欠選任につきましては、前例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中角榮

    田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつて道路水道及び耐火建築助成に関する各小委員には前田榮之助君、上林山榮吉君を、河川に関する小委員には前田榮之助君をそれぞれ指名いたします。水道に関する小委員長には上林山榮吉君を指名いたします。  この際お諮りいたします。宅地建物取引業に関する調査のため小委員会を設置いたし、調査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中角榮

    田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさよう決しました。  次にただいま設置せられました小委員会の小委員の数並びに小委員長選任についてお諮りいたします。小委員の数は十五各となし、小委員及び小委員長前例によりましてこれを委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田中角榮

    田中委員長代理 御異議なしと認めます。よつて小委員に    淺利 三朗君  内海 安吉君    上林山榮吉君  鈴木 仙八君    瀬戸山三男君  田中 角榮君    西村 英一君  松本 一郎君   藥師神岩太郎君  中島 茂喜君    増田 連也君  村瀬 宣親君    前田榮之助君  池田 峯雄君    田中織之進君以上を、小委員長には瀬戸山三男君を御指名いたします。     —————————————
  7. 田中角榮

    田中委員長代理 次に住宅緊急措置令等廃止に関する法律案内閣提出第三四号を議題とし、前会に引続き質疑を行います。前田榮之助君。
  8. 前田榮之助

    前田(榮)委員 住宅緊急措置令につきまして当局より御意見をお伺いいたしたいと存じます。  住宅緊急措置令については、昭和二十八年三月三十一日までを一応の期限として、現在使用しておる家屋明渡しを行いまして、庶民住宅公営住宅に収容する方針のように承つたのでありますが、庶民住宅については現在でもなお不足をしておる状態で、緊急措置令による引揚者等庶民住宅に収容するということになりますと、庶民住宅建設については特別ないかなる措置を講じようと考えておられますか、まずそれからお伺いいたしたいと思います。
  9. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 二十七年度の公営住宅建設計画につきましては、予算計画といたしまして約二万五千戸に内定いたしております。この二万五千戸を全国的に配分いたします場合に、ある程度こういう特殊の優先入居の問題にからむ割当考慮したいと考えておるのであります。率直に申しますと、この二万五千戸建設計画は昨年度とほぼ同様でございまして、これをもちましては現在の住宅に対応するものとしては不十分でございますけれども、逐次この公営住宅建設を増加して行くより方法がございませんので、このわく内でできるだけ今回の緊急措置令による優先入居の分を考えて行きたいと思うのであります。
  10. 前田榮之助

    前田(榮)委員 緊急措置令による住宅必要世帶数からいいますと、一千七百七十六世帶となつておるようでありますが、ことにそれは、東京都、神奈川県、千葉県、長野県のようでありまして、これらの四都県に対して別にわくをつくつて緊急措置令の分としてこの会堂住宅わくを配分するということに相なりますか、その点お伺いしたいと思います。
  11. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 この緊急措置令による優先入居分わくとしてはつきり配分するというわけではございません。しかしながら東京都と神奈川県は、今回の緊急措置令による收容世帶の最も大きい地方でありますが、この両公共団体に対しましては個別的に相談をいたしまして、二十七年度の公営住宅割当戸数の中で収められるように話合いを進めつつあります。東京都につきましてはすでに了解を得ております。神奈川県につきましては建設戸数わくの問題だけでなくて、いわゆる建設財源でありますところの起債問題等につきまして、政府としての一段と積極的な努力をしなければならないというので、横浜市等から建設財源の点について要望が出ておりますが、なお横浜市等につきましては一都市自体について現在入居しております部分を買収するようなことにも話合いを進めておるようなわけであります。結局特別なわくとしてはつきりしたものは示しませんが、一般の二十七年度の公営住宅建設割当の中でやつていただくように了解をつけて行きたいと考えております。
  12. 前田榮之助

    前田(榮)委員 今御説明になりましたように、東京都、神奈川県等においてそれぞれ了解ができますならばこの上ないと思いますが、これについては今お話になつたように、地方起債というものについても政府相当考慮しない限りは、地方庁といたしましても事実上困難になるのではないかと思いますので、この点特に起債についても特別な考慮を拂われるように希望いたしておきますが、このほかにこれに類似した住宅東京都内におきましても相当あるようであります。私最近承りましたものでも、たとえば両国の元税務署燒ビルのあとに四十一世帶からおるそうでありまして、これは大蔵省管財局の方でいろいろその措置について努力されておるようでありますから、大体何とかなるものだと承知いたしておるのでありますが、そのほか深川地方におきましては、やはり旧学校等についてもすでに使用いたしておるものを私見受けたわけでございますが、これは緊急措置令によらないもののように承つておるのであります。そういうものが大体幾らあるか御調査できておりますならば承りたいと思うのであります。  それにつけ加えまして、そういう住宅緊急措置令を早くしなければならないということから、あるいはそういうものがあとまわしになつて、早く安定した住宅に住みたいという国民相当おるにもかかわらず、現在の公営住宅のいわゆるわくを別につくらないで行うということによつて、非常な無理が出て来やせぬかと考えるわけでございますが、そういう緊急措置令によらないで、それに類似した住宅に住んでおるものについては、どういう御処置をなさるお考えでございましようか、それを承りたいと思います。
  13. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 ただいま前田委員の御質問通り、この緊急措置令によりまする使用権の設定あるいは勧奨によります以外に、国の建物を転用いたしましたり、その他民間のいろいろな建物を転用いたしました住宅が今日なお相当ございまして、これらのうちには非常に不良化しておるものもございます。また早晩立ちのかなければならないような場所に建てられておるものもございます。これらの全部の数字につきましては、今ここにこまかいはつきりした数字を持ち合せておりませんので、御希望があれば後に差上げたいと思います。全般的に不良住宅化しておるもので、近いうちにこれをどこかに転住させなければならないというものが若干ありますし、また場合によつては補修をしなければ持たないというものもございますので、これらにつきましては全国的に、ことに大都市に相当多いので、これを調査いたしまして、次の、つまり再来年度におきまして、ある程度予算措置を講じて行きたいと思つておるのであります。ただそのうち特に引揚者住宅につきましては、引揚擁護庁の方におきまして、住みかえさせるための住宅建設計画を立てておるのでありまして、昭和二十六年度におきまして七千戸余り、二十七年度の予算におきまして、二千七百戸の住みかえのための建設計画予算化しておるのであります。今回の法案は、いわゆる旧令によりまして強権発動したもののみを扱つておりまする関係上、これらに対しまして、強制立ちのきをいたしまするために、いわゆる立ちのき先として公営住宅への優先権考えた次第でございます。
  14. 前田榮之助

    前田(榮)委員 そういたしますると、優先的に緊急措置令による住宅割当てなければならぬ必要なものに対して、東京都、神奈川県等に御交渉になつて、その処分を行われることになつた場合において、一般公営住宅は非常に嚴密な抽籤等によつて割当等を行われておるようでありますが、この際におきましても申込数と実際でき上つた住宅との比率は非常な競争率になつておるのでありまして、従つてそういう抽籤等を行わないで優先してやられるということになりますと、都や県においても非常に苦慮されることを思うのでありますが、この千七百七十六世帯については、抽籤等は行わないでそれを優先割当をされることになると思うのでありますが、そう解釈して間違いございませんか。
  15. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 ただいま前田委員の御質問の、また御意見通りでございまして、この優先入居の分は抽籤等を行いません。
  16. 前田榮之助

    前田(榮)委員 そうでありますならば、最初申し上げましたように、東京都の九百二十五世帶、神奈川県の八百十三世帶、この九百二十五戸と八百十三戸の分は、公営住宅の各都道府県の割当二万五千戸の中から差引いて、優先的にわくの外にした形での割当をすべきではないかと思うのでありますが、なぜそういうことをされないのでございますか。
  17. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 実は今までの公営住宅入居者の選定の方法といたしましても、こういう特殊な立ちのきを迫られている事例に該当するものにつきましては、ある程度一般抽籤と切り離して優先的な入居を認めているのが実情でございまして、結局今までこの緊急措置令によりまして、契約期間が切れるとか、あるいは使用権存続期間が満了し明渡しを要求されているものにつきましては、ある程度までは優先的に入れております。そのやり方を、二十八年三月末までに一応片づけてしまおうという趣旨でございますから、特別にそう別のわくをはつきりきめないでもさしつかえないと考えております。もう一つわくをきめることが多少実情に沿わぬ点がありますのは、必ずしもこの千七百七十六世帶員全部公営住宅に入るとは限りませんので、なおこれは実情をよく検討する必要がありますけれども、大体この七割程度のものが公費住宅に収容されることになるのではないかと見当をつけておるのであります。従いましてできるだけ公営住宅に入る優先をさせる分を少くしまして、本人の意思によりまして適当な立ちのき先を見つけた人はそちらに行つていただくことはごうもさしつかえないわけでありますから、そのように進めて行きたい。従つてはつきりこのわくをきめない方がかえつて実情に適するとも考えらつれるのであります。
  18. 前田榮之助

    前田(榮)委員 この前もお尋ね申し上げたのでございますが、入居者は従来平均三百円そこそこの家賃であつたものが、今度はこれが安いので八百円、普通で千四、五百円というようなことに相なろうと思うのであります。そういたしますと、これは千七百七十六世帶員中全部ではもちろんないのであつて、中には非常に生活の困難な者があろうと思うのであります。千七百七十六世帶の人々生活状態、すなわち収入状態がどうなつておるか、こういうこと等についても相当考慮を拂わなければならぬと思うのであります。そういう調査ができておるかどうか、これはこの間、今申し上げた両国税務署などの問題でいろいろ調査をいたしたのでありますが、いわゆる家計の收入いかんということがこれらの人々の将来に対して非常に問題になるのでありまして、大体両国だけでも三人世帯で、月収五、六千円あるいは五人世帶で一万円前後、こういうのが大体こういう家を使つている人々の通例のようでございます。中には相当收入の人もたまにはあるようですが、こういうことについて十分御調査なさらないと——表面上は片がついているようでありましても、これらの人々生活を特に脅威せしめるということがあつてはならないと思いますが、そういう御調査がなされているかどうか。それからそれに伴うて、たとえば引越料であるとか、その他の生活援護等予算的処置を行う考えがあるかどうか、こういう点をお尋ね申し上げたいと思うのであります。
  19. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 現在緊急措置令によつて使用権の設定されました住宅入居している者の生活程度は、全体的に一応調査いたしたものをお手元に差上げてあると思いますが、少し大まかな調査になつておりまして、第一種公営住宅に入り得る程度收入のある者、これは大体月收二万円以上の階層でございますが、これと第二種公営住宅に入り得る程度收入の者、さらに生活保護法適用を受けておる者と、この三種に区別して調査いたしたのでございますが、その結果は、第一種公営住宅に入り得る程度の者が計八百六十二世帯、第二種公営住宅に入り得る程度の者が八百三十六世帶、生活保護法適用を受けているのが七十八世帶でございます。なお第二種の中には相当生活の困難な者もいるわけでございますが、御承知のように、公営住宅としては、生活困窮者も含めて、国民のあらゆる階層を対象にして、第一種と第二種の区別しか設けておりません。生活保護法適用を受けなければならないような困窮者に対しては、結局公営住宅家賃負担能力のない人が多いわけでありますので、こういう人については、厚生省の扱いになつている生活保護法適用によつて住宅扶助を支給してもらうように、厚生省側話合いをつけておるのであります。さらにその住宅扶助だけでも間に合わない場合も若干出て来ると思いますが、そういう場合には結局その公営住宅を経営する地方公共団体におきまして、家賃の減免の措置を行う、公営住宅法に基いて実施してもらうように指導いたしておるのであります。なおこの引越料等の御指摘がございましたが、この点はこの法律の立案の過程におきまして、私の方としましても生活困窮者の場合には引越料を何とかめんどうを見なければならないのではないかということを考えたのでございますが、全体の金額としてはそう大した額になりませんので、どうしても引越料も抑えない生活困窮者に対しましては、その地方公共団体におきましてめんどうを見るように指導いたしたい。この法律には直接規定しておりませんけれども、行政的な指導でめんどうを見てもらうようにしたいと考えておるのであります。
  20. 田中角榮

    田中委員長代理 お諮りいたします。住宅緊急措置令等廃止に関する法律案に対する質疑を中断することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 田中角榮

    田中委員長代理 異議なしと認め、そのようにいたします。     —————————————
  22. 田中角榮

    田中委員長代理 委員派遣承認の件を議題といたします。十勝沖地震による災害調査のため、本委員会より委員を派遣いたしたいと思いますが、開会中でありますので、人選並びに手続等委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 田中角榮

    田中委員長代理 御異議なしと認めます。それでは委員長においてしかるべくとりはからいます。     —————————————
  24. 田中角榮

    田中委員長代理 この際十勝沖地震による災害状況に関し、政府側より被害状況並びにこれに対してとつた処置の経過につきまして説明を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 田中角榮

    田中委員長代理 それでは十勝沖地震による被害状況に関する件を議題といたします。政府側より説明を求めます。塚原建設政務次官
  26. 塚原俊郎

    塚原政府委員 十勝沖震災状況について御説明いたします。三月四日午前十時三十四分ごろ突如北海道太平洋岸一帯襲つた地震は、十勝沖地震と名づけられ、開道以来六十年来の激震でありまして、そのはげしさは大正十二年の関東大震災の二分の一、また昭和二十三年福井大震災の二倍に達して、全道十四支庁の各地に相当被害を與えたものと思われます。  現在までに各地域別に判明したところによれば次の通りであります。被害甚大と思われる地域、すなわち強震地域釧路十勝日高支庁管内で、被害相当あるものと思われる地域、すなわち中震地域は根室、空知、石狩、胆振、渡島各支庁管内でありましで、若干の被害があると思われる地域、すなわち弱震地域は網走、上川、後志、檜山各支庁管内となつております。  震源地襟裳岬南東方七十キロの北緯四十三度、東経百四十四度と発表されております。最大の被害をこうむつた釧路、浦河では第一回、これは午前十時二十二分ごろですが、それから百四十五回にわたつて余震を記録しており、また札幌におきましても実に四十三回を記録しておる次第でございます。  その被害状況を申し上げますならば、罹災者総数は二万九千五百名、人の被害、死者二十二名、行方不明四書重軽傷者五百七十二名、合計五百九十八名になつております。家屋被害につきましては全壊が七百十三戸、半壊が五千九百八十戸、流失三百五十一戸、床上浸水二百七十六戸、倒壊小破二千六百七十戸、計九千九百五十戸になつております。なお非住家被害相当ある模様ですが、通信機関杜絶のため詳細は不明であります。また公共建物、特に学校被害中、現在判明いたしたものは次の通りであります。道立高等学校につきまして申し上げるならば、全壊が一校、倒壊破損二十一校、小学校全壊半壊等相当被害がある模様であります。  以上は六日午後六時までに判明したものでありますが、被災各地とも鉄道を初めとし、各種の通信施設や交通機関が杜絶し、わずかに札幌の道庁用無線通信による情報があるのみで、現地では徒歩連絡による所が相当多く、人、建物被害も今後さらに増加するものと思われる次第であります。  次に土木施設の被害状況について申し上げますならば、河川道路、橋梁等の各土木施設を通じ、被害状況の把握は前に述べました通り、通信機関の杜絶に基因して、非常な困難をきわめており、またその上に積雪等のために、調査不能な状態の所も多く、現在まで判明したものは次の通りであります。河川四十三箇所五千七百万円、道路二百七十八箇所二億六千五十万円、橋梁百三十七箇所三億七千百五十万円、合計四百五十八箇所六億八千九百万円。  その内訳を地区別に申し上げますならば、日高地区におきまして河川九箇所九百五十万円、道路三十五箇所一千九百万円、橋梁二十九箇所四千六百万円、合計七十三箇所七千四百五十万円であります。  十勝地区におきましては、河川十箇所一千三百万円、道路八十箇所一億一千八百万円、橋梁二十二箇所四千八百五十万円、計百十二箇所一億七千九百五十万円であります。  次に釧路地区におきましては、河川十九箇所二千六百五十万円、道路百三十六箇所一億一百万円、橋梁五十七箇所二億九百五十万円、合計二百十二箇所三億三千七百万円であります。  そのほか網走、根室、胆振等におきましては、河川五箇所八百万円、道路二十七箇所三千二百五十万円、橋梁二十九箇所六千七百五十万円、合計六十一箇所九千八百万円であります。  以上は速報による概数でありまして、これらに対しましては、今後調査の進捗と同時に、相当増加するものと考えられます。  なお岩手、福島、宮城各県におきましては、それぞれ被害があるものと予想されますが、目下判明しておるものは次の通りであります。岩手県管内では、道路三十三箇所千五百五十万四千円、海岸一箇所二十万円、合計三十四箇所千五百七十万四千円。福島県管内では橋梁一箇所四百万円。宮城県管内では海岸一箇所七十万円。右被害につきましては津波による海岸線の土木工作物が大部を占めておるようであります。  以上に対しまする建設省の対策といたしましては、ただちに係官を現地に派遣いたしまして、被害状況調査いたしておりますが、とりあえず道路橋梁等の被害につきましては、応急復旧をいたしまして、交通の確保をはかり、さらに恒久的対策は慎重に検討を加えまして、適切な設計を樹立いたしたいと存じます。また河川につきましては、被害地域は融雪時期を控えております関係上、この出水に対処いたしまして、被害の増大を防止するために、緊急に重要箇所の復旧をいたしたいと考えておる次第であります。  なおこれら災害復旧に対しまする資金につきましては、国庫負担金は本年度すでに全額支出済みで、残余がありませんので、とりあえず所要の資金は融通の方法を講じまして、来年度予算成立後は両予算に計上してありまする昭和二十七年発生災害に対する経費八十億円の中から支出する予定であります。  以上であります。
  27. 田中角榮

    田中委員長代理 ただいまの説明に対し質疑を許します。
  28. 淺利三朗

    淺利委員 ただいまの報告で北海道も全貌はわからないのでありますが、三陸方面におけるものは土木被害だけの報告でありますが、それ以外の全貌はまだわかりますまいか。もしおわかりでありましたならば、その点を御報告願いたいと思います。
  29. 塚原俊郎

    塚原政府委員 三陸方面につきましては、五日に係官が出張いたしまして、県庁等を中心にいたしまして、今調査中であります。詳細の報告はまだ入つておりません。
  30. 河口陽一

    ○河口委員 北海道、東北地方の震災についてはただいま御報告を受けたのでありますが、御承知の通り、北海道は全国まれに見る地震のない地帯であります。従つて今回の損失も相大庭大になつておりますが、北海道道民のこれに対する精神的な動揺もまことに大きいと私考えるのでございます。これらに対して参議院の方はすでに院議をもつて議員を派遣されておるようであります。本院においてもそれぞれその手配が進められておりますが、広汎な地域で、積雪地帶でありますから、交通の点も非常に不自由と考えますので、なるべく広汎に御調査つて、道民の慰問並びに対策等を十分御検討願いたいと存ずる次第であります。
  31. 村瀬宣親

    村瀬委員 ただいまの河口委員の発言に関連して伺つておきたいのでありまするが、河口委員の言われました通り、北海道へは各委員会ともよく調査に参りますけれども、たいてい夏の気候のよい時ばかり見に行きまして、ほんとうの北海道の実態をみな見てないのでありますから、この際大いに慰問激励をかね、また北海道の実態調査のためにも、奮つて出張を計画すべきだと思うのであります。先ほどお諮りになつて決定をいたしました委員の派遣は当委員会として派遣なさるのでありますけれども、ただいま河口委員から、参議院においては参議院の議員団として出すようなお話でありましたが、衆議院の方はどういうふうなぐあいになつておりますか。
  32. 田中角榮

    田中委員長代理 ちよつと速記をとめて……。     〔速記中止〕
  33. 田中角榮

    田中委員長代理 速記を始めてください。  ただいまの河口、村瀬両君の御意見はごもつともでありますので、他の委員会との関連もありますが、このたびの事件に関しましては本委員会は特別の関心を有しておりますから、御意見に沿うように委員長において努力をいたします。
  34. 村瀬宣親

    村瀬委員 先ほど予算関係の点にあまりお触れにならなかつたのでありますが、大体毎年、去年も当該年度の災害に充てるための予備費を八十億円とし、二十七年度で衆議院を通過いたしました分も八十億円となつておるのであります。その金額についてはいつも当委員会で論議の対象となり、最もはなばなしい議論の行われるところであります。そこで八十億円の二十六年度予算はもう全然なくなつて、いろいろな短期融資とかつなぎ資金とかでくめんをして参つておるのでありますが、むろん北海道等は地理的條件から申しましても、すぐに本格な復旧工事を始めるということは雪解けその他で困難と思いますけれども、応急処置というものは当然金を要するのでありまして、それらに対してどのような予算措置をお考えになつておるか、いま少し詳しく伺つておきたいと思います。
  35. 塚原俊郎

    塚原政府委員 応急処置といたしましては、建設省に関しては道路、橋梁等とりあえず復旧作業を急いでおりまして、交通の確保等をはかつております。そのほかの予算等の措置につきましては、これはきわめて重大な問題であります。野田大臣も政府を代表してただいま御視察中でありまして、九日にはもどられると思いますので、一応閣議等においてきまると思います。私の考えとしてはこれを一時的なものとしておざなりにやることは絶対反対でありますから、今の御質問の趣旨は強く大臣にも、また閣議等にも反映するように申し伝えたいと思います。詳しいことは私の口からちよつと申し上げかねます。
  36. 村瀬宣親

    村瀬委員 希望をかねて申し上げておきますが、北海道の災害としてはこれは前代未聞の大きな問題であります。また国家としても時ならぬときにこういう大きな災害が起こつたのでありまして、いつもの年の予算は、たいてい当該年度の九月かの二百十日を中心にしての台風を予定して八十億あるいは六十五億というものを公共事業費の予備費として今まで計上しておつたのであります。二十六年度の災害が終つたとみなが安心しておるときに、ルース台風も非常に握れたのでありますけれども、さらにこういう突発的な災害が起るということは、今後の公共事業費の予備費の運営上にも新たなる一つの考え方をせねばならぬという問題も提起されたのでありますが、何よりも理想としては、補正予算をもう一度組むというくらいの心構えになるといたしますれば、それほど政府も力を入れてくれるのかというので、罹災した三陸地帯の人々あるいは北海道の道民もまた意気新たに復旧に励むと思います。補正予算というようなことは年度の終りでなかなか実施が困難でありますけれども、事はそれくらいに重大であるという点を認識なさつて、その上でつなぎ資金を放出するとか、その他の方法によりまして、時機を失せず十分の予算措置を講ぜられるよう、特に要望をいたしておく次第であります。
  37. 塚原俊郎

    塚原政府委員 私が先ほど積極的に対策を講ずると申し上げましたのは、もちろん補正予算等の意味も含んでおるのであります。ただ本日私から、こういうところからこれだけの金ということは申し上げにくいので、閣議等に十分反映するように努力したいと考えております。
  38. 田中角榮

    田中委員長代理 十勝沖地震の報告に関する件は以上をもつて終ることとし、先ほどに引続き住宅緊急措置令等廃止に関する法律案質疑を続行いたします。村瀬宣親君。
  39. 村瀬宣親

    村瀬委員 簡単に二、三の点について質問してみたいと思います。  ただいま議題になつております法律案は、その関係府県は東京都、神奈川県、千葉県、長野県の一都三県に限るものであると了解してよろしいのでありますか。
  40. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 お答えいたします。御意見通りであります。
  41. 村瀬宣親

    村瀬委員 第四條を見ていただきたいのでありますが、第四條の終りの行に「当該居住者に対して十日以上の期間を定めて建物等の明渡を命ずるものとする。」とあるのであります。これはいろいろな手を盡して期間を定めてなお明渡ししない者に対しての條項でありますから、一概に無理とは必ずしも考えられませんが、普通の法案の通念としては、十日間以上でありますから、あと平年でも十箇月でもいいわけではありましようが、十日間の期間で明渡しを命ずるというような点は、運用のいかんによつて相当苛酷にもなると思うのでありますが、立案の趣旨を説明願いたいと思います。
  42. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 第四條の十日以上の期間ということをきめました趣旨は、そのことを直接申し上げる前に第三條の二項をごらんいただきたいのでございまするが、起業者が居住者を立ちのかせようとする場合は、その入居者に対しまして一箇月前に予告をしなければならないということになつているのであります。こういう予告をいたしまして、逐次入居者立ちのかせる。そのことを昭和二十八年三月三十一日までに実施してもらうのでありまして、しかもこの三十八年三月末というのは、それまでの期限でございますけれども、なるべく早目に跡始末を済ましたいというふうにこの法律の運用方針として考えているのであります。従いまして、この二十八年三月末までにどうしても入居者が残つて立ちのかないというような場合には、これは入居者におきましてもやむを得ない事情もありましようけれども、期限が明示されております関係上、十日で明渡しを命ずることもやむを得ないのではないか。入居者の立場になつてみましても、約一年間の間にこの法律が施行されますと、もはや立ちのかなければならないということは十分周知されるわけでございますので、その間起葉者におきまして、あらゆる手を盡して、しかも最後の期限が来た場合でありますから、十日間の余裕で立ちのきを命じてもやむを得ない。かように考えた次第でございます。
  43. 村瀬宣親

    村瀬委員 これは運用よろしきを得なければ問題だと思うのでありますが、同時に第六條との関連であります。第六條の第一項の第二号には、「公営住宅法第十七條に規定する入居資格を欠く者」というふうに出ておりますが、「公営住宅法第十七條に規定する入居資格を欠く者」で、現在この法案に該当するものがかなりおるでありましようか。つまりいろいろ他の方へ入りたい、公営住宅に入りたいと思つても、大層資格を欠くために入れない——独身の場合でありますとか、いろいろの場合があると思いますが、そういう者に十日間の期限を定めて、さあ出よと言つても、公営住宅法ではそれにひつかかつて入れないというような場合、まれとは思いまするが、そういうような場合のいろいろな運営方法をお考えであるでありましようか、そういうものは一切これには該当していないというのであれば、この問題は大して心配はないと思います。それらの関連を伺つてみたいと思います。
  44. 鬼丸勝之

    鬼丸説明員 第四條の明渡しの命令の期間と、第六條のいわゆる立ちのき先の問題との関連でございますが、ただいま御意見のございましたような、公営住宅に入れない、公営住宅としての立ちのき先が認められないというケースは、ごくわずかでございまして、先ほどちよつと申し上げました生活保護法適用を受けておる者の、そのまた一部になると思うのでございます。この第四條の十日の期間を定めて明渡しを命ずる場合と申しますのはこの六條の趣旨から申しましても、当然立ちのき先のある者について考える趣旨でございまして、従いまして公営住宅優先入居ができない若干の者につきましては、これは別に、他の県の施設なり、あるいは県で別にあつせんをさせまして、立ちのき先をきめた上でこの明渡しを命じたい、かように考えております。
  45. 村瀬宣親

    村瀬委員 わかりました。
  46. 田中角榮

    田中委員長代理 本日の質疑はこの程度といたしまして、次会は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。     午前十一時五十六分散会