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1952-02-20 第13回国会 衆議院 決算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十日(水曜日)     午後一時四十八分開議  出席委員    委員長 中垣 國男君    理事 大上  司君 理事 菅家 喜六君    理事 三宅 則義君 理事 畠山 重勇君       奧村又十郎君    田中 角榮君       高橋 權六君    高間 松吉君       竹山祐太郎君  出席政府委員         国税庁長官   高橋  衞君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局公団清         算室長)    辻畑 泰輔君         通商産業事務官         (通商振興局経         理部長)    石井由太郎君         通商産業事務官         (資源庁炭政局         長)      中島 征帆君         検  査  官 岡下 忠一君         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大澤  實君         鉱工品貿易公団         清算人     齋藤 大助君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四  年度政府関係機関收支出決算     —————————————
  2. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまから決算委員会を開きます。  昭和二十六年度政府関係機関収入支出決算を議題とし、本日は公団決算中、配炭公団以下続いて審議を進めます。  報告書二百二十三ページ、配炭公団の審査に入ります。予算経理報告番号七三〇ないし七三二、架空の名義で支拂いこれを給與等に充当したもの、報告書二百二十四ページ、物件、報告番号七三三、売渡契約の解除により差損を生じたもの及び不正行為報告番号七三四ないし七三七、職員不正行為に因り公団に損害を與えたもの、以上八件を便宜一括して公団関係者から説明を願います。辻畑説明員
  3. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 配炭公団関係の御説明を申し上げます。  七三〇の件につきましては、昭和二十二年度につけもの資金といたしまして同年初冬に配炭公団北海道小樽配炭局職員総額百九十四万八千五百円の貸付をいたしました。さらに翌二十三年初冬に同公団終合より同一名目総額三百四十八万円の要求がありまして、現地公団におきましては、当時の事情といたしまして、やむを得ないものと認め、右二件とも昭和二十四年三月末に必ず返済する約束にて貸付をしたのでありますが、返済期において、公団組合側より、右貸付金全額職員に支給するよう強硬な要求がありました。返済可能性のないことが明らかになつたので、小樽配炭局におきましては、公団本部指示なくして、現地限りの操作といたしまして諸掛りの水増しによりまして、この穴埋めをいたしたのであります。また二十三年度末におきましても、組合より年末資金総額百九十四万五千円の要求がありまして、現地公団の当事者は、組合側要求に屈しまして現地限りの操作といたしまして、これまた前と処理を同じくいたした次第でございますが、右貸付行為は、配炭公団定款に反するばかりでなく、経理上の操作は、明らかに不正行為であります。本件はすべて公団本部指示なくして、現地において独断的に処理いたしたものでありまして、公団本部及び通産局への監督不行届きの結果、かかる不祥事件の発生を見たことは、まことに遺憾とするものでございます。  七三一につきましては、会計検査院検査報告通りでありまして、本件清算公団におきます前途不安な職員の動向を察してやつたことではありますが、まことに遺憾なことでございます。この七三〇、七三一件はやみ給與の性質を持つのでありまして、これにつきましては、本委員会におきまして大蔵大臣が答弁された線によつて、今後善処いたしたいと思つているのでございます。  七三二につきましては、本件昭和二十四年一月以降、配炭公団貯炭激増の傾向にありまして、これに対します対策樹立、売掛金の強行取立て措置公団廃止に伴う諸問題につきまして、現地において諸会議を開催する必要があつたのでありますが、会議費目か僅少でありましたため、事務費予算大蔵省承認なくして流用支出いたしたものであります。右の事情ではありますが、明らかに公団定款及び公団等予算決算に関する法令違反でありまして、まことに遺憾のことでございます。御了承お願いいたしたいと思います。  七三三につきましては、詳細な資料をお手元に別途配付御提出申し上げた次第でありますが、配炭公団清算事務所保有貯炭につきましては、総司令部指示によりまして、昭和二十五年三月までに全部一掃しなければならなかつたので、三月末残炭は、各支部ごと一括処分することといたしまして、東京支部管内三月末残炭は、同管内石炭販売業者をもつて協同組合組織して、その協同組合にこれを処分することに方針を決定いたしました。よつて組合はそのころより設立準備を開始いたしましたが、同組合よりは準備の都合もありまして、三月末残炭については、四月以降の商談により契約する等のことで、数量の減少を来さないよう公団に対し厳重に申入れがありまして、公団もこれを了承したのであります。本件中央石炭販売株式会社との二千二百三十二トンの契約は、新潟臨港貯炭場所在一甲九級粉炭でありますが、調査の結果、実際の商談開始は四月に入つてからでありまして、実際の契約締結日も四月中旬であるのに、現地新潟支所におきましては、本部方針が先ほど申し上げましたように三月末以降の新契約を停止することになつていたので、取扱上三月二十五日に契約成立したもののように整理したことが判明した次第であります。これはまつた本部方針が当時末端にまで徹底いたさなかつたのでありまして、東京支部としては、協同組合よりの以上のような一般的な要請もあり、公団組合との約束に反する本件のごとき契約を取消すことになつたのでありまして、中央石炭としてもこの契約の取消しを了承したので、三月末貯炭一括東京石炭協同組合処分するという既定方針にのつとりまして、同組合に同炭を処分することなつたのであります。それで中央石炭との当初の契約と、東京石炭協同組合との契約との間には、相当金額的に相違があるのでありまして、この点が特に問題でありますが、中央石炭との契約単価をもつて東京石炭協同組合に折衝を開始いいたしましところ、組合側ははるかに安値を主張して容易にまとまらなかつたのでありますが、結局組合側の主張をいれまして、同炭が東京石炭協同組合一括引受炭となる場合におきましては、その処分価格は他の三月末一括処分炭価格を決定した公団貯炭最終処分価格裁定委員会によりまして裁定されました算定方式にのつとつて算定した価格によるのやむを得ないものと思料いたしまして、低い単価で算定いたしました次第でございます。本件につきましては、事情右通りであります。諸般の事情の進め方に不手ぎわなものがありましたが、公団結了または解散当初の事情からいたしまして、やむを得なかつたものと認められるのでございまして、御了承お願いいたしたいと思います。  次に、不正行為に関します七三四の件につきましては、旧配炭公団小樽配炭局中村某が、当時留萌支局会計係長の職にありまして、昭和二十三年の十二月二十日より昭和二十四年九月末までに、炭代百二万一千五百九十四円六十五銭を横領したものでありまして、まことに遺憾とするところであります。本人は二十五年六月懲役三年の判決を受けて目下服役中であります。この中村五郎横領いたしました百二万一千五百九十四円六十五銭の回収につきましては目下服役中でありますし、かつ無資産でありますので、回収がきわめて困難な状況にありますが、これが回収方法につきましては、本人及び旭川刑務所長と協議の結果、現在ではその返済の道がつかないため、出所後極力返済に努める旨の申出がありますので、刑囚保護の見地よりいたしまして、すえ置貸し等の方法によりまして、将来回収するような手続をとりたい、こう思つております。  それから本件は、今の中村某ともう一件は伏見某関係でありますが、伏見某横領金二十二万四千円の回収につきましては、公団清算結了昭和二十六年の三月一日までに、六万九百円を弁済せしめまして、回収未済額が十六万三千円になつておるのでありまして、これも今後鋭意回収に努力いたしたい所存でございます。  七三五の件につきましては、東京配炭局小林某が、昭和二十四年七月から十月の間に、炭代九十一万四千七十二円を横領、費消したものであります。まことに遺憾でありますが、これはその後公団清算結了までに全額弁済済みとなつたのでございまして、現在残額はない実情であります。  七三六の件につきましては、神戸支所職員が、昭和二十四年十一月から十二月の間に、部外者であります西野というものと共謀いたしまして、二回にわたり公団貯炭三百十七トン、二十二万一千九百円を不法積み出し売却したものでありまして、本人藤林某昭和二十五年二月二十五日に懲戒処分いたしました。また昭和二十五年七月十八日に懲役一年の判決がありました。昭和二十四年七月三十日までに十一万六千七百九十円を弁済いたしまして、残額は十万五千百十円でありますが、この金額弁済につきましては、藤林、それから西野も無資産であり、両人とも、最低生活をいたしておりまして、回収が非常に困難な実情ではありますが、将来回収に努力いたしたいと存じておる次第であります。  七三七の件につきましては、福岡配炭局坂本某が、昭和二十三年十月から昭和二十四年四月に至る間に、炭代百三十二万三千七百九十二円を横領したものであります。このうち坂本横領金百三十二万三千七百九十二円は、その後の調査によつて、実は百四十二万七千二百七十一円が正確であるということになりまして、その金額を確認いたしまして、公団結了昭和二十六年三月一日までに、そのうち十六万四千八百二十五円を弁済いたしました。回収未済の百二十六万二千四百四十六円につきましては、本人より毎月三千円ずつ返済するという約束をさせまして、回収に努力いたしておりましたが、本人懲役三年の判決を受けて目下服役中でありまして、かつ無資産でありますので、現在のところはそのままになつておるのでありますが、将来本人服役終了後十分努力いたしたいという所存でございます。  以上御説明申し上げます。
  4. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまの説明に対して、直接監督に当られた通産当局から説明を求めます。
  5. 中島征帆

    中島説明員 配炭公用の末期におきまして、いろいろな不在事件が起りましたことは、はなはだ申訳なく思つております。事件内容並びにそれに関します意見につきましては、ただいま清算者の方からお話のあつた通りで、それ以外につけ加えるべきことはあまりないのでありますが、このうちで初めの経理上の不正措置と、あとの労の職員不正行為、この二つの分につきましては、通産省といたしましては、安定本部経理承認をする場合に会議を受ける、その際一応これに対する意見が出るわけであります。その際にこういう事件内容を十分承知しておりましたならば、また意見出しようもありました。また事実といたしまして、当然それまでに十分経理的な監督もいたしまして、こういうふうなことを未然に防ぐということが、必要なわけであつたのでありますけれども、当時配炭業務監督に追われまして、そこまで手がまわらなかつたことはたいへん遺憾に考えております。  中ほどの七三三の事件につきましては、これは先ほどお話のありましたように、公団残炭処分がはなはだ急がれました関係上、残つた炭値段をいかにするかということにつきまして、当時清算中の公団価格査定委員会裁定委員会というものを設けまして、それには売手側である配炭公団清算人買手側であります各販売業者代表と、それから官庁側といたしまして安本、大蔵省通産省というふうなところから関係者が出、そのほかに中立委員といたしまして全然売買関係のない石炭専門家を委嘱いたしまして、個々に査定をいたしたわけであります。従つて、その際十分に事情を検討の上この程度が適当であろうという結論報告いたしておりまして、配炭公団といたしましては、それにのつとつた線で売り渡しておるというような関係になつておりまして、事実上初めの契約と、あと契約との差額が出ておりますが、これは実際の炭の処分価格をこう査定した結果、こういうふうになつたということで、実はやむを得ないのではないかと私ども考えております。
  6. 中垣國男

    中垣委員長 会計検査院の方に何か御意見ありますか。
  7. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 七三〇から七三二まで及び七三四から七三七までは、会計検査院報告に関しまして別に意見もないし、またそれぞれの御説明もありましたので省きますが、七三三であります。これはただいまも御説明がありましたように、配炭公団清算終了期に際して一括処分を急いだ、そのためにこうした処置をとられたことは、了承できるのでありますが、ここに掲げました件は、記述してあります通りに、二十五年三月に中央石炭販売株式会社と正規に契約を締結されまして、一応売り拂い契約がまとまつてつた。それを後になつてキヤンセルしまして、改めて安い値段東京石炭協同組合に売つておられる。それがたまたま本件だけ一括処分の中から漏れておつたのを加えたというような御説明でありますが、契約内容を見ますと、契約月日その他には、あるいはあとになつてさかのぼつたという点もありましようが、数量的に見まして、三月中央石炭販売株式会社売買契約をされておるのが総額七千二百三十一トンあるのであります。そのうちから一甲九級粉炭の二千二百三十二トンというものだけをキャンセルされて引抜いておる。そしてそれを東京石炭の方に売つておられるのでありますが、東京石炭の方も、当初の契約数量は十四万トンでありまして、それにはこの二千二百三十二トンという数量は入つていなかつた。つまり後になつて、過去に契約が成立したものを引抜いて来て、東京石炭の方へ安い値段で加えて行つたというように、資料を見ますると見られるのでありまして、その売買契約を解除し、そして差損を生じた処置は妥当でない、こういうふうに考える次第であります。補足いたします。
  8. 中垣國男

    中垣委員長 この際質疑を願います。
  9. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は委員長を通じまして政府に申し上げます。本日は重要なる案件を審議するときでございまして——毎回重要でない案はないわけでありますが、特に先々委員会から継続いたしておりまするやみ給料、これにつきまして国税庁長官出席要求いたしておりまするが、いつごろ来まするか、これをまず第一に伺いたい。  第二番目に、下岡検査官がおられまするが、大蔵省からは主計局長もしくは主計局次長出席しなければならぬと思つておりまするが、出席しないことは非常に怠慢であります。こういうふうでは、実際のわが国の経済財政を担当する大蔵省に誠意が認められない、こう言われてもしかたがないわけですから、委員長から厳重に催促せられまして、本委員会出席させ、しかる後に質疑を継続いたしたいと存じます。委員長の答弁を求めます。
  10. 中垣國男

    中垣委員長 お答えいたします。国税庁長官は、ただいま交渉中でありますから、三十分ぐらい後には必ず来ると思います。それから主計局長並びに次長の方は、予算委員会の方に出ておつて、しばらく予定がつきません。
  11. 田中角榮

    田中(角)委員 二、三点伺いたいと思います。各省関係は大体済んだようでありまして、いよいよ各種公団批難事項に入つて参たわけでありますが、私たちはこの公団というものに対しては、非常に深刻な考えを持つておるわけであります。私は、公団設立に対して反対を唱えた一員でありまして、私などそのために、この種のものには、事件関係しまして、刑事訴追を受けたこともあります。しかし、そういう意味で感情的に申し上げるのではありませんが、私たちの立場から言うと、日本の現状で計画的な経済を行うということに対して、ただ観念的なイデオロギー的な意味から反対をしたのではなく、当時の日本実情にそぐわない組織に対しては、国損を来すおそれがあるということで、相当な根拠に立つて反対をしたわけであります。各種公団整理もいよいよ最終段階に至つたわけでありまして、そして公団関係方々としては、なるべく早く清算を終り、こういう会計検査院から批難をせられたり、国会の問題になることから、一日も早くのがれたいというお気持はあるでありましよう。私たちも、この問題は今まであまり申し上げなかつたのでありますが、各種公団最終整理にあたつて、これが功罪というものは、ひとつはつきりして、顯彰すべきものは顯彰し、追究すべきものは断固として追究しなければならぬと考えておるわけであります。そしてこれが内容に対しては、国民に明らかにする義務を有する、こういうように考えております。この種のものに対して、まだ日本には、こういう組織がいいのだと言つておるような政党の方々も、いまだにありますが、私はこういう問題に対して、少くとも今までの実績を明らかにしたい、こういうふうな考えを持つております。かつて不当財産取引調査特別委員会及び考査特別委員会でも、この種の問題は論議をせられ、また刑事問題としても、いろいろな問題があつたのでありますが、私は特にそういう観点から、相当の資料要求もいたしたいし、今まで各省のただ単なる批難事項審議ということよりも、一歩進めて掘り下げてみたいという考えを持つておるわけであります。その意味において、まず第一番目に委員長資料要求お願いします。これは、單に配炭公団だけでなく、各種公団全部の赤字の総額を、年次別に本委員会報告せられたい。  第二は、各種公団に対して、設立から清算事務完了までに、日本行政庁から転出をした人々の正式な氏名及びその数、当時の職階、これもはつきりと本委員会資料を提出せられたい。  それからこれは、あとから検査院にもちよつと伺いますが、配炭公団を含む各種公団全部の不正事件及び不当不法支出によつて国損を来した金額を、年次別報告せられたい。以上三点をお願いをしておきます。  委員長にもう一つお願いをしておきたいことは、この種公団は、すでに先ほど申しました通り、二十四年度、二十五年度で大体決算が終ると思います。この決算委員会が終了するまでの間、今までのようにただ一通り審議だけで終ることなく、公団に関しては、後に機会を求めて一括結論を出されるようにはからわれたい。以上のことを要求しておきます。  七三〇に対して関係者に御質問申します。商工省から配炭公団及び各種公団転出をした人たちがあるかないか、あつたらその数を御答弁願います。
  12. 中島征帆

    中島説明員 詳しい数字は存じておりませんが、私の記憶しておる範囲におきましては、一人あつたかと思いますが、その他にもまだあることはあります。
  13. 田中角榮

    田中(角)委員 これは先ほど申し上げました一括の中に、当然御報告さるべきでありますから、この件はこれでおしまいにいたします。  次は、組合不当要求を拒絶できず、不当支出行つて国損を来した責任者に、通産当局はいかなる処分行つたか。しかも公団本部としては、いかなる処罰処分がなされておるか。
  14. 中島征帆

    中島説明員 これが発覚いたしましたのが、大分事件あとでありまして、従つて通産当局としては、責任者処罰等処置はとつておりません。それから配炭公団本部も、もともとその当時これを知つておりませんでした関係で、おそらく何もしていなかつたのではないかと私は記憶しております。
  15. 田中角榮

    田中(角)委員 当時の社会情勢といたしまして、組合が非常に強い権力を持つておりましたときでありますので、この種の問題は、公団といわず、各種官庁にもあつたわけでありますこういう問題は、ただ批難するだけで、検査院おしまいになつておるのですが、今後こういうものに何とか処分を求めるお考えがあるのでありますか。こういうものは検察権を発動しなければどうにもならないというけれども、ある意味において、これは一種詐欺です、完全な詐欺かもわかりません。しかもこれは共同詐欺です。国家権力を背景にした相当悪質な詐欺だ、こう思うのですが、これを処罰す出るのに、今の検査院法改正とか、その他の法律の改正があるならば、明確なる所信を披瀝されたい。
  16. 下岡忠一

    岡下会計検査院検査官 ただいまのところでは、今田中委員お話では、一種詐欺とかおつしやいましたが、私は法令には触れると思います。ところが、私どもの方と検察庁との間の話合いと申しますか、検察庁の意向を聞いてみますと、今の刑事政策では、あの当時のああいう事情下において、自分ふところに入れるような事件については容赦なく起訴する。ところが、こういう刑罰法に触れておつても、自分ふところを肥やさないものについては、大体起訴を見合せるような方針であるように当時承つておりました。そういう意味で、私どもの方も、たしか通告しなかつたのではないかと記憶しております。
  17. 田中角榮

    田中(角)委員 その通りであります。私も社会通念上、考えましてだけ申し上げておるのではない。今までこの種のものは、悪質以外のものはほとんど不起訴になつております。また起訴なつたものでも、特殊なもの以外は有罪の判決は受けておりません。判例としては少いようであります。これは知つておりますが、私は今予算委員会に傍聴に参りましたら、電通省関係で、相当なけんまくで自由党の大臣がやられておる。佐藤電通大臣は、三拝九耳であります。これは所管大臣処罰を行わない、刑法上の訴追を受けなくても、行政処分で退職を命ずる、免官を命ずる、幾らでも処罰方法があるのですが、それを行わないというなまぬるいところに、この種の問題が起きるのであります。こういうことをこのままにしておいてはいかぬ、そう思います。こういう問題はいろいろありました。ですから、今度のものに対しては、一切切つてしまう、一切白紙にする。そのかわりに、これからは厘毫仮借もしてはならぬ、こういう考えを個人的な意見としては持つておる。これなどは職員給與に充当したというのですから、まだかわいいところがあるかもしれませんが、飲み食いした金まで、伝票を切りかえてやつておる。これが一つの会社ですと、すぐ背任横領でぶち込まれておる。なぜ官吏なるがゆえにやらないか。検察庁は、同じ官庁同士だからやらぬのだというのであつたならば、断固として検察庁行つてみたいと私は思つております。この種のことを手がけられておるあなた方は、こういうものは、少くとも一般国民に対して刑事訴追がやられておる尺度よりも、もつと厳格なる尺度をもつてやられなければならない。議員などは、小さなことをやつても大きく書かれます。これは議員一般国民代表であるために、ある意味においては、小さなものでも断固として糾明せられなければならぬ。これと同じように、国家職員は、国費の執行を委任されておるのですから、これの執行に対しては厘毫仮借もしてはならぬ。ところが、こういうことをしよつちうやつています。当時の事情やむを得ず、御了承ください。——まつたくこれは社会の罪だと言つておる。そんなことを言われて許すわけには行きません。こういう説明がありますか。私は與党議員として少し発言が強いかもしれませんが、必ずしも今與党大臣が徹底的にやられておるがゆえに言うのではありません。私どもは、翼賛議員ではなく議決議員である。会計検査院は、ただ違法性を指摘するだけにとどまる、事件の小さいこの種のものは、検察庁起訴しないということになつたら、一体国民のだれがこの問題を糾明すればいいのか、国政調査権を発動して、国会がこれを糾明する以外にありません。私はいつも言うのですが、こうしてあなた方国家の中枢機関におられる方々が、この決算委員会に出て来られても、どうも委員の方は同じ顔がちらりほらりというのですから、何とかうまく言えばそれで済むのだというようなお考えであるかもしれませんが、これは議員そのものも自省をしなければなりません、私自身それを認めます。前の予算委員会決算委員会のみしがなかつた旧憲法時代と違いまして、今は各種委員会がありますので、決算委員会を軽視するようなかつこうがあります。しかも新憲法に移るときに、現在の会計検査院は成功だとあなた方は思われたかもしれないが、旧憲法と新憲法とのあいのこのようなものによつて、法律的の背景がないために、会計検査院本来の使命を全うできない。ただ違法性を指摘すればそれでいいのだということであるのだつたら、私が今まで考えておつたように、多少の権限の紛淆はあるかもしれませんが、経済調査庁でも、また他の法律でもつくつて、どんどん監査を行つて国損を来さないようにしなければならないと私は思う。今の方もそう言われたし、この中にもそういう表現がありますが、当時の事情やむを得ず、よつてそのままにした、あとから調べたときはすでに時を失しておつたの処罰を行いませんでした——処罰を行わなかつただけでなく、この人たちは本省に栄転して局長になり次官になり、やがて衆議院議員に出て来て大臣にもなりたい。一体こういうことが許されますか。私はいつでもそういうことを各省に言つておるのですが、こんな強い発言をしたことは一ぺんもありません。きつと五年の議員生活で、初めてだろうと思います。なぜ私がこんな強い発言をするのか、佐藤君がいじめられたから反撥的に言うのではありません。これほど国損を来しておつて、当時の事情やむを得ない、御了承願いたい、これまつた社会の責任です、その裏には政治の貧困、自由党の責任があると言われたのでは、こんなものを受取るわけには行きません。もう一回私が今申しました趣旨に対して、関係者の御説明を願いたい。
  18. 下岡忠一

    岡下会計検査院検査官 ただいまのことについて、ちよつと申し上げますが、予算執行職員等の責任に関する法律、あれが大分検査院の今までの足らないところを補つてくれておるようですが、私、個人として考えますと、いろいろ意見はございますが、ただ理想といたしましては、検査院報告したものを、決算委員会あたりでお取上げ願いまして、徹底的に御糾明願うのがいいのじやないか。特に各省から、事情を了としてくれというようなことを書いてありますが——これは私個人の考えかもしれませんが、検査院が事務的にいかぬと言つたことを、ぬるいという御鞭韃がございました。私どもは單に法令に違背していることばかりでなく、必ずしも法規に違背しておらなくても、実質的に国民の税金をむだ使いしたということは、この中でやはり申しておるのであります。これに対して、各省からは事情を了としてくれということをおつしやる場合に、十分決算委員会でその事情をよくおくみくださいまして、私どもの方の考えが間違つているかどうか、またその事情が当つているかどうかということを、こちらでひとつ十分御検討くださいました上で、徹底的に御糾明なさり、あるいはまた私どもが足らなくて、刑事訴追を要するものがあれば、どんどんこちらの方でおとりはからいを願いたい。今の法制上は、そういうふうにできているのじやないかと思います。それ以上のことをもつとやつたらどうかというように、われわれ内輪の会議では言つておりますけれども、どうもそこまでは、現在の法制としては出過ぎているのじやないかと考える場合がございます。その点ひとつ御了承願います。
  19. 高橋權六

    高橋(權)委員 今下岡さんは、田中委員が熱心に質問しているのに、ピアノの練習をやるようじやいかぬ。なぜまじめにお聞きにならぬのです。田中議員でも私らでも同じです。人が熱心にまつ赤な顔になつて質問しているならば、なぜあなたもまつ赤な顔になつて聞かぬのか。ピアノの練習をしている、手遊びをしている。昔だつたら、すぐ私らの父母は定規で手をぶんなつつた。魂が抜け作だ。私らはだてにやなんかで衆議院議員になつたのではない。まして私は與党在野とまで言われるくらい、いつも私の気にいらぬことばかりだ。われわれは国民代表としてここに出ているのだ。それで私は、自由党の部屋で麻雀と碁、将棋をやつたら、二階から碁盤をほうり出す。それで死んだら、それを持ち込んだやつに殺人罪の責任を持たせろと言つた。ある議員、大物と言うかもしらぬが、その人が、自分たちの娯楽機関をやめさせぬでもいいじやないかと言うから、黙れと一喝、しかりつけてやめさせた。わが自由党では碁、将棋、麻雀をやつていない。しかし院内では、委員長の室内、あるいは他党派の部屋において、碁、将棋をやつている。それであるから、われわれ議員を、みなそんな碁、将棋にふけるなまけ者と語解をしてはいかぬ。私は少し声を痛めておるけれども、ほんとうに私らは皆さんの師表として行かなければならぬ。今田中議員の言うのは、もう少し責任を持たせてはどうか。私をして司法官たらしめたなら、そういうやつは重罪に処するくらいに主張したい。しかし、その職にない。われわれ残念であります。今ちようど行政整理をやろうという場合だから、そういう者をどんどんやめさせてしまえば、費用もいらない。経費がいることは、われわれ国民のために重税と化けて来るのだ。それで田中議員は少しおとなし過ぎる。もう少しつつ込まなければならぬと私は思う。そのまじめな話の最中に手遊びしている。ピアノの練習は、うちに帰つてからできる。あなたの習慣かもしれないが、手でこういうことをやつている。このことについて、もう少し詳しく説明して、今後あなた方その衝に当つた方は、その連中は行政整理にふさわしいものだと私は思うが、そういうお考えがあるかないかを、ちよつと答弁していただきたいのであります。
  20. 下岡忠一

    岡下会計検査院検査官 ただいまのは、ちよつと釈明させていただきますが、もしピアノを練習しているように見えたとすれば、たいへん申訳ありません。私はピアノもできませんし、決してそんな意味ではなかつたのであります。その点、もしそう見えたとすれば、陳謝いたします。
  21. 高橋權六

    高橋(權)委員 そういう連中に対しての処分のお考えを聞きたい。
  22. 下岡忠一

    岡下会計検査院検査官 先ほども田中委員に申し上げました通り、私どもできる最大のことを今やつておるつもりでおります。
  23. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は大蔵委員決算委員でありますから、国税庁長官がおいでになりましたので、よく検査報告書をごらんになつて御答弁を願いたいと思与のでありますが、公団というものがありまして——公団は戦後できましたものでありまして、不正がしばしばあるわけでございまして、新聞をにぎわしておりますことは、御承知の通りでございます。昭和二十五年の四月ごろからでありまするが、会計検査院は、昭和二十四年度決算検査報告に、各種公団経理の乱脈ぶりを掲げて、その中には多額のやみ給與があるという報告をしておるわけでございまして、すでに何十ページにわたりまするこの中に、そうしたものがたくさんあるわけであります。会計検査院大澤局長もここにおいでになりますが、やみ紬與という言葉を使われておるのでありまするが、この言葉をかりに簡単に表現いたしますると、どういうことになりまするか、給與でないということになるかもしれませんが、実際はそれをやつているわけです。その額は約三億円前後であると思うのでありまするが、当委員会におきまして、各公団関係者は、この給與には源泉徴収所得税は納付してないと、かように説明しておりますが、はなはだけしからぬこと至るとわれわれは思うのであります。公団は法人ではありますが、法人税は課税していないと私は考えております。会社などで法人税を納めまするときは、法人税の申告書の内容などによりまして、どの程度給與が役員並びに職員に拂われておるかということがわかるわけでありまして、ことに源泉徴収所得税が正しく納付せられているかどうかということにつきましては、お互いに連絡を取合いまして、はつきりする方法があると思うのでございます。そのようにやりますればけつこうでありますが、この公団に対しましては、まあまあ信頼てよかろうというような簡単なことであつたのでありましようか。この公団は、前にも申し上げましたように、法人税に関する限り、税務官庁関係ないような、野放しになつているように考えておるのでありますが、特に御注意を煩わしたいと思います事柄は、こういうようにわかのわからぬ給與を支拂つてつて、それでよろしいものであるかどうか。またはたして国税庁長官が、そういう源泉徴収を怠つてつていいものであろうか、悪いものどあろうか、私どもは非常に疑わしいのでありまして、不幸にいたしまして三億円程度の給與を携われておるのは、これは脱税と見る方が私は正しいと思うのでありまするが、国税庁長官はどう考えておられるか、承りたい。
  24. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 源泉徴収によるところの所得税は、單に法人についてのみならず、国家機関等につきましても、全部これは徴収いたしておることは、皆様よく御承知の通りであります。しかして法人税を徴收しない場合におきましても、各機関について、たとえば公共団体または国家機関につきましても、それぞれ抜取り的に監査をいたしまして、そして全体の漏れをなくするというふうにして参つておるのであります。公団につきましても、幾分そういうふうな拔き検査をやつて参つたのでありますが、不幸にしてこういうふうに二十四年度の分につきまして、相当大きな漏れがあつたということは、まことに遺憾とするところであります。この公団関係で最も大きな課税漏れになつておりました給與は、肥料配給公団にあるように私ども承知しておるのであります。この肥料配給公団の課税漏れになりました事実関係を申し上げますと、昭和二十三、四年度におきまして、この公団では職員給與のベース・アップを見越しまして、数次にわたりまして、仮拂金というような形で差額を支給いたしまして、ベース・アップをした後に、それを相殺するという経理をして来たようでありますが、事前において仮拂いいたしました金額が相当大きかつたために、これを相殺し切れない金額を生じたのであります。ところがその相殺不能の金額を、その後の給與等によつて整理すればよかつたのでありますが、それもその当時の事情——どういう事情でありましたか、とにかく相殺されないで、その金を帳簿の上では、関係先立てかえ金というような名前、あるいは資産名義によつて架空資産を計上いたしまして、表明を糊塗いたして参つているようであります。しかもその間時日が経過しましたために、回収の見込みがなくなつたようでありまして、解散直前の事業年度の二十五年の三月末日に、雑損失に振りかえて計上して来たのであります。大体雑損失に計上いたしました金額は、二億一千万円程度であると承知いたしております。しかしてこれに対する税務の調査の結果を申し上げますと、昭和二十三、四年度には、実は一応調査したのでありますが、資産名義によるところの架空資産を計上しておるというようなことのために、その当時には、はつきりとその事実をつかむことができなかつたのであります。これははなはだ遺憾とするところであります。そうしてその後、この問題が一般に問題になりましてからは、ただちに調査を開始しまして、ある税務署では一部これの徴収をしておるのでありますが、全般的にはすでに公団関係の帳簿が二十五年の四月に検察当局に引上げられたということのために、この調査ができなくなりまして、自然に時間が経過するの余儀なきに至つたような次第であります。今後の措置といたしましては、今後関係資料の収集をまちまして、至急に清算人に対して不足税額の納税告知を行いまして、その不足税額の徴収をいたしたいと考えるのであります。大体その雑損失に計上しました金額は、ただいままでの調査では二億一千万円余りでありますが、そのうち課税漏れの給與として私の方で調査してお力ますものは、一億三千二百円程度であると考えるのであります。その差額はすでに税務署その他におい調査して、徴収済みになつておるであります。
  25. 三宅則義

    三宅(則)委員 この会計検査院昭和二十四年度決算検査報告書というものは、すでに国税庁長官のところにも、昭和二十六年二月もしくは三月ごろに届いたかと思うのであります。そういうものが届いたならば、すぐにこのやみ給與等につきましては、幕僚あるいは下の方の官吏に命じまして、調査せられたと思います。が、その調査は十分やられたかどうか。手ぬるいという話もあるのですが、そんなことはなかつたかどうか、ひとつ承りたいと思います。
  26. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 先ほども説明申し上げました通り、この関係諸帳簿が、二十五年の四月に検察庁に全部引上げられたのでありまして、これの調査をその当時実行することが困難な事情にあつた次第でございます。従つて相当その調査がなし得るときになりまして、初めて調査をいたした次第であります。
  27. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は税を取立てることは、三箇年以内は有効であると確信いたしておるのであります。公団のことにつきましては、昭和二十四年度でございますが、公団は五公団も六公団もあるわけでありまして、二十五年度中に四公団、二十六年度に入りましてから継続解散されております関係上、この税につきましては急速にやらなければ手遅れになるというおそれがあるわけであります。すでに会計検査院からも注意の検査報告などがありますから、税務行政上決してむだにしてはいかぬと思うのであります。長官もさだめし練達堪能の方でありましようから、これを活用されて、十分取立てられると思いますが、その心構えを承りたいのであります。
  28. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 先ほど三宅さんからお話になりました、所得税に対するところの更正決定をなし得る期間は五年間でございます。これが昭和二十六年度の新しい税法からの分については、三年経過しましたら更正決定はできないということになつております。これはそれ以前でございますから、五年の期間でございます。肥料配給公団に関しては、肥料配給公団は相当の剰余金がございますので、税金のとり漏れということは、ただいまのところ絶対に心配ございません。
  29. 三宅則義

    三宅(則)委員 このやみ給與に関しましては、公団ばかりではないのであります。わが衆議院の行政監察特別委員会でも取扱いましたが、この中にも入つている。これは東北の地方建設局の不正行為事件、たとえて言えば、北上川下流工事で幽霊人夫賃が百八十何万円、二番目の最上川上流工事は六百万円、同じく下流工事については八百万円を、それぞれ超過勤務手当、あるいは接待費等といたして、これを拂つているわけでありますが、こうなつて行きますと、国税庁は、大蔵省の会計法第四十六條によりますところの監査、会計検査院の会計検査資料等をなるべく早く手に入れられまして、そうしたような不始末を早く片づけるようにいたしまして、もしとつていないのだつたならば、早くこれを取立てる。たとえば前述の東北地方建設局の事件につきましては、一体どういうふうにやられましたか。御記憶でありますか。御記憶がなければ、あとで調べて答弁願いたいと思うのでありますが、どうなつておりますか。
  30. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 工事費をごまかすと申しますか、幽霊人夫を使つて不正な金を支出しました場合においては、現実に本人の所得者はないわけでざいますから、そういう場合においては、所得税を課税することはいかがかと考えるのであります。むしろそれは犯罪に関する関係の問題でありまして、そのほんとうの結末というものがはつきりいたしました上で、その納税義務の有無ということについてきめたいと考えております。
  31. 三宅則義

    三宅(則)委員 幽霊人夫をもつてつた分については、所得者がないと言われますが、その局に当られた最高責任者、あるいは会計誤長等は、十分責任を痛感されなければならぬ。国家の費用でありますならば、むだをしましても、やみをしましても、らさしつかかえない、民間のものでありますならば、早速縛られる。こういうことは少しく不均衡であると思いますが、長官はどう考えておられますか承りたい。
  32. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 税の関係におきましても、もしもそれが実質上の給與であつて、そして源泉徴収すべきところの税をごまかしておるという事実があれば、それはもう当然脱税として追究すべきものであると考えます。
  33. 三宅則義

    三宅(則)委員 まだ長官の方には、よく意味が徹底しないようであります。私は決して長官一人を責め立てるわけではありませんが、税務並びに国家財政を勘案いたしまして、こういうふうに国家の一機関がみずから脱税をいたしましたり、あるいはやみをいたしておるということは、徹底的に糾弾しなければならぬ。これは国税庁長官といたしましても、嚴重に大蔵大臣を通じまして、あるいは総理大臣にこれを申し上げ、あるいは検察当局にもこれを申すということは、当然であると思う。私どもは、非常にりつぱな、人格の高い高橋長官と信じておりますが、もう少し手ぬるくないように、真剣にやつてもらうことこそ、本決算委員会といたしましては、厳重に要望いたしたいと思う次第でございます。これに対するお心構えをひとつ承りたい。
  34. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 御承知の通り、最近年々源泉徴収によるところの所得税の税収入額がふえて参つておりますが、本年度におきましても約千三百億余円を収入するような予算に相なつております。従つて国税の中で、源泉所得税というものは、非常に大きなウエートを持つておる次第でございます。従つて、これがもしも漏れている、またはその他に流れているというようなことがありますれば、これは税の負担の公平という面から見まして、非常に重大な問題でございますので、私どもは冒頭に申し上げました通り、絶えずそういうふうな情報の収集をいたしまして、そして監査を励行しておるのであります。その監査の重点は、もちろん一番漏れの多そうな方面に向けることは当然でありますが、国家機関についても、これは常時やつておるのでありまして、その実績もときどき伺つております。しかしながら、従来からの経過を見てみますと、ちようど労働攻勢の非常にはげしかつたところの二十二、三、四年のころには、これが相当大きく摘発されて参つたのでございますが、その後漸次給與体系が整備されますとともに、官公庁につきましては、割合にそういうふうな漏れが少くなつて来ている現状でございます。その点は税務行政に非常に喜ばしいことであるというふうに考えておるわけでございます。
  35. 三宅則義

    三宅(則)委員 私はこの際ひとつ国税庁長官に申し上げたいと思います。実は大蔵委員会で聞こうと思つておりましたが、きようこちらへおいでになりましたから、関連いたしますから聞いておきますが、税の収入源、これは法人につきましては、法人のカードができておるはずであります。個人につきましても、もちろんそうしたような人名カードができておると思いますが、いつも決算期が参りましたならば、その決算期ごとに、結局収入がどれだけあつたか、支出がどれだけあつたか、差引利益がどれだけあつたかと定があるものと思つております。これは私企業、個人企業もしくは会社等におきましては、必ずお得意様名簿というものがあるのです。税の方にも必ずお得意名簿があるはずでありますが、こういうものについて、個別的に税金を収入したような場合には、これに御記入なさるような慣習でありましようか。ただ書類のみに基準をおいてやつておられますか。私どもは税の円滑を期する意味におきまして、御得意様名簿というものをつくつてもらいたい。法人等については、特にきまつておりますから、何年にはいつ入つたか、何年にはいつ入つたかというような御得意の名簿ができておつて、それに記入いたしますならば、手落ちもなし、不公平も減ると思いますが、これに関して国税庁長官は、こまかいことでありますが、どういうふうにやつておりますか。
  36. 高橋權六

    高橋(權)委員 税務行政に関しましては、三宅さん非常に詳しくいらつしやいますので、どうも私が御説明申し上げますと、釈迦に説法のような感じがいたしますが、その点のお許しを願いまして、一応御説明申し上げます。法人税に例をとつて申し上げますと、各法人の決算期ことの帳簿をもちろん備えております。これは申告した所得が正しいかどうかということについての帳簿——調査簿と申しまして、別に備えておりまして、そうして申告がありますと、その害の結果をいろいろな書面上の審査によつて一応審査をする。そうしてその審査の段階において、どうも不満足であれば、必ず実施に臨んで調査をいたしまして、そしてということを把握いたしまして、そしてそれに基いて更正決定をいたします。一方申告がありますると、必ずこれを徴収簿に記入いたします。法人が申告いたしますると同時に、納税義務がそこで確定いたしますので、それだけの金額は徴収簿に必ず記入されるのであります。しかしてその計上された申告税額というものが納付されますると、それが消し込みされまして、それだけつまり納税義務が果されたということに相なるのであります。しかしてまた更正決定が行われますと、その更正決定された増減額というものが、新しく納税義務が発生する次第でございますので、その発生した金額を徴収簿に記入いたしまして、その前の申告額に合計いたしまして、そしてさらにそれに対して、いつどれだけの納入があつたかということを詳しく記帳いたしておる次第でございます。
  37. 三宅則義

    三宅(則)委員 私が今まで質問いたしましたのは、各種公団等にも、やはりお得意名簿というものがちやんとできておつてどれだけの年度にどれだけの徴収をした。たとえば給與所得に対しまする源泉徴収をいたしておつたかということを、きちんとやつておきますと、これは少かつた、多かつたということがよくわかりますから、そういうように納税義務者に対しましては、親切と熱意を披瀝いたしまして、負担の公平を期するために、よく精査いたしまして、記入することを希望いたします。  次に衆議院の行政監察特別委員会におきましても、専売公社事件関係いたしまして、日本装器株式会社、株式会社専友社、専売需品株式会社などといたしましては、相当割のよい取引を専売公社との間にやつた事件があるのであります。これは昭和二十四年と二十五年のうちに終了しておるようになつておるのでございますが、そういう事業年度分の課税につきましては、どういうふうに考えておられますか。また役員、職員等の給與に関しまする課税状況も、この点は本日御答弁ができなければ、文書でもよろしゆございますが、そういうものに対しまするいわゆる給與所得等について、適当にとつておるかどうかということを検討いたしたいと思いますから、これを御提出願いたいと思うのでありますが、いかがでありましようか、承りたいと思います。
  38. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 専売公社関係の、たとえば塩回漕会社その他のものに関しましては、当院の行政監察委員会において、詳しくお調べになりました。私どもの方の職員も、直接その場にお呼び出しに相なり、詳しい御報告を申し上げたようでございますし、私が何らかのことを申し上げますと、あるいは間違うと因りますから、その方にお譲りいたしたいと考えるのであります。あの当時の記録に細大漏らさず網羅しておると思うのであります。もしその点で不足がございましたら、差上げることにいたしたいと思います。
  39. 三宅則義

    三宅(則)委員 国税庁長官がおいでになりまして、いろいろ質問いたしたのでありますが、私ども決算委員会といたしましては、国の損を少くいたしまして、公平なる国民の税負担をやりたい、こういう念願でございます。でありますから、不正の起つた事件、ことに給與もしくは税の徴収面につきましても、いやしくも国家の事業でありましても、あるいは国家関係ありますものにつきましても、法の命ずるところによつて、十分にやつてもらいたい。そうでなければ、一般の民間との比例が合わぬわけであります。私どもはそういうような国家みずからが、もしくは政府関係機関自身がやみ給與をいたしましたり、脱税をいたしておるということは、非常におもしろくないと考えるわけでありまして、この救済策といたしましては、私どもはぜひとも道徳の回復といいますか、あるいは精神的の修養も必要でありましようが、税行政面として、長官はどういうふうにいたしたならば、そうしたようなものが予防できるか、御試案がありましたならば、この際本委員会に発表されたいと存じます。
  40. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 税務行政を扱う者といたしましては、税務行政が適正妥当に行われることを希望することはもちろんでありますが、税をいただいておりますと、税の高いこと、並びに納税者がいかに困難な状況にあるかということが、ひしひしと身に感ぜられるのでございます。従つてその納められた税金の行方というものについても、おのずから非常に重大な関心を持たざるを得ないというのが、私どもの気持でございます。従つて政府に緊密な関係を持つておりまする法人等につきましても、私どもは十分関心を持ちまして、税の調査については、相当注意を拂つて参つておるつもりでございます。先ほど申し上げましたところの、専売公社関係の問題につきましても、税務当局としては、相当突き進ずだ調査をして参つておるつもりでございます。
  41. 三宅則義

    三宅(則)委員 今国税庁長官の御答弁がありましたが、会計検査院下岡検査官にお尋ねをいたしたいと思う。会計検査院は、本日問題となりました税に関しまする事項、すなわち源泉徴収に対して徴収漏れの事項が公団にあつたわけでございますが、こういうように発見いたした以上は、これが是正の措置を講じ、その結果は検査報告書に掲載すべきものであると思うのでありますが、それをしていらつしやらないことになつております。まつたくその職責を全うするゆえんでないと思つておるのでありますが、検査官としては正確にこれを指摘いたしまして、そういうようなあやまちのないように、十分検討を加えて本委員会説明されたいと思いますが、下岡検査官のお気持を承りたい。
  42. 下岡忠一

    岡下会計検査院検査官 お答え申し上げます。租税の方は、私どもの租税の検査の課でもつて担当しておりまして、こちらの公団の方の検査のもので、こういうものを見つけましたら、すぐ租税の課の方に移しておりまして、この徴收のことについてはそちらの方で研究して、必要があれば国税庁の方へは警告も発し、御注意も申し上げておるはずでございますが、本件については、私詳しいことは実は記憶いたしておりません。もし必要があれば、調査いたします。
  43. 三宅則義

    三宅(則)委員 われわれとは別個の立場から、政府各機関を監督しておるのが会計検査院であると思つております。会計検査院の職責は重かつ大であり、国民は信頼と熱意を傾けてこの発達を願つておるわけでございますが、いやしくもそういうように国家機関の内部におきましてあやまちがありましたり、不正があつた場合におきましては、きわめて迅速にこれを是正せしめることが必要であると思うのであります。たとえて申しますならば、四半期ごとに、あるいは半期ごとにこれを検査いたしまして、早く国税庁長官なり、あるいは大蔵大臣なり、あるいはその他の各大臣にこれを報告いたしまして、そうしたあやまちが少くなるように是正するのが、会計検査院の職責だと思つておりますが、下岡検査官の御所見を承りたい。
  44. 下岡忠一

    岡下会計検査院検査官 ただいまの御説ごもつともでございまして、そういうふうになるように、今せつかく努力はしているつもりでありますが、足らぬ点はまた十分御鞭撻願います。私ども一生懸命やるつもりでございます。
  45. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 会計検査院で各会計の検査をなさいます際に、自然税に関連する問題も出て参ります。私どもも二十四年度の部分につきましても、税の徴収不足というようなことについて、ずいぶん件数の多いという御指摘も受けておるのであります。しかしながら、それらの問題につきましても、検査報告書という形によつて御指摘を受けるというのは、これはほんとうに事後の処置でございまして、実は発見の都度御指摘を受けまして、私どもその都度それを訂正して参つておるのでございます。またその他の関係につきましても、たとえば、非常に古いことになりまして恐縮でございますが、戦時補償特別税のごときは、会計検査院資料をもつぱら利用させていただくということによつて、あの税の徴収を完全になし得たというふうに考えております。その他の関係につきましても、常時検査院からは非常な御注意と御連絡をいただきまして、税務行政上にも非常に御協力を得ておることを、この際申し上げておきます。
  46. 大上司

    ○大上委員 まず私の質問の主体は、高橋国税庁長官です。さいぜんから三宅委員のいろいろな御質問に対する御答弁を伺つておりますると、明るい答弁でなしに、やや逆な答弁もあつたようにうかがえたのですが、そこで主観的な問題は抜きまして、ただいま審議中のものに限定して御質問申し上げます。  まず第一に、この昭和二十四年度歳入歳出決算検査報告書をお読みになつたと思いますが、事実お読みになつたかならないか、それをお尋ねいたします。
  47. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 実は部下から報告を受けてはおりますが、一字一句は全部私自身通読はいたしておりません。
  48. 大上司

    ○大上委員 私は同じ質問を大蔵大臣にしたのですが、いやしくも大臣でなくして、行政の長官としては、どうも了解に苦しむ答弁なりと考えます。なぜなれば、この決算報告には、特にあなたの部下の汚職事件が出ております。それから源泉徴収の徴収漏れも出ている。それから納税者の一番恐ろしいというか、そろばん玉一つの違いを起して、つまり計算誤謬から起つて来たところの批難事項等も出ている。だから、私の言うのは、他の公団その他のことを読んだかとは聞いておらぬ。いわゆる大蔵省所管事項で、しかも税務当局の行政長官として心得てもらわなければならないものがたくさんあるのだから、それをお尋ねしているので、もしも読んでおられぬ、部下からお聞きになつたとするならば、申訳ありませんけれども、私はまた質問を留保しなければならない。読んで勉強して来てもらつてから、私は質問することにします。  なおつけ加えておきたいのは、この間大蔵大臣は、二十万通も来ているから読めないと言われたので、これは了承できます。これは当然しかたがないが、行政長官としてこれを読んでいないというようなことになると、私は質問を留保して、あらためて読んで来てもらつてから質問いたしましよう。
  49. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 大上さんにちよつと申し上げますが、私が全部は読んでいない、部下から説明を聞いていると申し上げましたのは、この決算に関するところの説明書全部についてのことを申し上げたのであります。と申しますのは、たとえば肥料公団とか、そうした公団関係につきましては税の関係が出て来るが、そういうふうな関係について部下から説明を伺つたのであります。しかもこの説明書は実はずいぶん早く出ておりますので、出ました当時に、私は税に関する関係は読んでおります。しかしながら相当時間がたつておりますので、今追究されますと、あるいは答弁に困ることがあるかと存じますが、その点は御了承願います。
  50. 大上司

    ○大上委員 租税関係は読んでおられると言うから、質問を続けます。いわゆる肥料公団その他公団がたくさんありますが、さいぜん三宅委員の御質問に対して、肥料公団等について特に申しておられましたが、さすれば油糧公団はどのように聞いておられますか、まず御答弁を求めます。
  51. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 公団のうち現在清算中のものが、価格調整公団と油糧、砂糖配給公団と二つあります。しかして先ほどのやみ給與と申しますか、そういうふうな性質の給與に当るものが、価格調整公団につきましては二千八百六万円、油糧、砂糖配給公団には千二百六万円、それから清算結了になつておりますものは飼料配給公団、これが四百九十五万円、食料品配給公団が百五十五万円、配炭公団が七百八十一万円、こういうふうに相なつております。
  52. 大上司

    ○大上委員 他の委員からも質問があるそうですから、簡単にやります。大体今の御答弁でわかりましたが、そこで長官として、決算関係があるからお尋ねするのですが、昭和二十五年四月より公団等については、検察庁に書類を引上げられて、これが調査その他ができない、万やむを得ない事情から、徴収ができていないという発言が、ただいまあつたように思うのです。そこでわれわれがお伺いしたい点は、そういうふうなことでは、私は税負担というものの円滑を欠くと思う。われわれは法理論家じやないからわかりませんけれども、当然徴収し得べきものであるにもかかわらず、いわゆる検察庁が書類を引上げられたので調査ができなく、徴收ができないということは、何かそういう法律があるのか、またはそういう法律と同一効力を有するものが何かあるのか、あればその名前を承りたい。
  53. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 私が先ほど申し上げたのが、言葉が足りなかつた点があろうかと思いますので、つけ加えさせていただきたいと思います。検察庁が引揚げております際におきましても、それは私どもとしては、検察庁に十分連絡をとりまして、そうしてその帳簿を見せてもらい、その事実に基いて適当な徴税上の措置をとるべきであるというふうに考えております。しかしながら、それが犯罪の捜査上非常に困難があるというふうな場合におきましては、私詳しい法律は存じておりませんが、遠慮すべきものじやないかと思います。もしもそれが時効が発生して、または今しなければとうてい徴収し得ないというような事情があれば、これは十分にその点も説明いたしまして、協力を得て徴税の実を上げる、そういうふうにすべきが当然じやないかというように考えております。
  54. 高橋權六

    高橋(權)委員 私は眼鏡をかけていませんから、見誤りかもしれませんが、私が大蔵当局と会計検査院に対して要望するのは、この政府説明書の百八十六ページから百八十七ページの一番下の、二十五年十二月末現在被害額として、合計九千六百三十七万六千二百五十二円三十九銭、こうなつておる。それから百八十八ページに、気の長いことには、昭和二十六年十月から昭和三十年三月までの回収などと、徳川家康よりよほど気の長い人が大蔵省にはおるかもしれぬが、計四千二百十三万円と書いてある。それから実質上回収不能となるものが五千二百六十七万二千円と書いてある。差引計算すると、私はノー・グラスだから見誤りかもしれぬが、差額が百五十七万四千円も出る、私頭が悪いので誤算であつたら許していただきたい。こういうことの目に見えぬ答弁はあまりありがたくないから議事の進行上もう一ぺん勉強して来てもらつてまじめにやつてもらわぬといかぬ。それに私らもくたびれておりますから、きようはこのくらいで打切つて、もう一ぺんよく勉強なさつてから御答弁さつた方がよくないか。まだ言いたいこともありますが、いつも私がやり出しますと、ちよつと当局が来ておりませんからとか、この次にやれとか、実に私は不満でたまらない。特に三宅委員のごときは、経理に明るい方であるから、私の言うことが間違つておるかどうかちよつと見たらわかると思う。
  55. 中垣國男

    中垣委員長 ちよつと委員長からお答えいたしますが、決して高橋委員の発言をとめたり、そういうことじやございません。
  56. 高橋權六

    高橋(權)委員 それはわかつておりますが、こういうことのわからぬ説明では、私は納得できないという一つの引例にすぎないすべてがこういういいかげんの答弁と、いいかげんの数字でやつておられる。そういうことをやつておるから、下級官吏が上司の人はごまかしやすいということでごまかして、あとでわかつてわれわれに心配させる。これでは国民代表であるわれわれ衆議院議員としては許すことができない。特にまじめ一方の私としては許さたない。私はノー・グラスでもこれを見つけた。計算してごらんなさい。計数的には三宅先生のように明るくありませんけれども、私もやはり代数、幾何、三角函数、みなやりました。こういうことのわからぬような人たちの答弁は、私は承服ができないから、よく勉強してまじめな答弁をしていただきたい。碁や将棋なんか打つている者は、こういうところには気がつかない。
  57. 中垣國男

    中垣委員長 高橋委員に申し上げます。あなたの御要望はもつともだと思いますので、各説明員が勉強してここに出席されるように、私から要望いたしたいと思います。  次に大上委員から質問の継続の申出がありますのでこれを許します。大上委員
  58. 大上司

    ○大上委員 次に国税庁長官にお尋ねいたします。まず公団に対する事後の御処置を、徴税法上どのようにとられたか。たとえばいかなる御通牒を発せられたか、どのような会議を催されたか、そうしてこの問題の処理にどのような態度で臨まれたか、それを行政事務的にお尋ねいたします。
  59. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、不足税額なり、徴収すべき税額が、はつきりして来ましたので、これをただちに説明、納税告知いたしまして、清算人から徴収することにいたしたいと考えます。
  60. 大上司

    ○大上委員 長官のお答えは、私の質問と食い違つております。私の言うのは、どのような方法をとられたか、もちろん通牒を出して徴収なさるということは当然ですが、そうじやない。私の言い方が悪かつたかもしれませんが、行政事務という言葉を使つたけれども、国税庁としてどのような事務的処置をおとりになつたか。ここでおわかりにならぬようでしたら、後日資料を頂戴したいと存じます。  その次にもう一つ、なるほどさいぜん三宅委員に対して、国税庁といたしましては情報の収集または回収、監視等を十分やつておる、このような御発言があつたのですが、そこでお尋ねしたいのは、これに要するところの費用と申しますか、出張すれば出張費用がいる、旅費等も支給してやらなければいけない。従つて国税庁全体のいわゆる徴税費用のパーセンテージを聞かせてもらいたい。もしここでわからなければ、資料として頂戴したい。  その次に、公団関係の源泉徴収というか、いろいろあるのですが、われわれ常識的に考えても、長官が法人の名前、数字等をごらんになつて決裁するとは、だれも思つておりはせぬ。これを最終的に処理し得るところの、決裁権を持つておるところの階級、たとえば直税部長とか、あるいは源泉徴収課長とかいう役職がありますが、これに該当する名前を頂戴したい。大阪国税局調査課の山崎主査が行監に来たように、後日その人たちに来てもらつて質問してみたい。それだけの資料を頂戴したいと思います。  国税庁長官に対する質疑はこれで打切ります。
  61. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 ただいま御要求になりました資料は、できるだけ早急に作成してお手元に届けたいと考えます。ただ徴税費に関しましては、大上さんはこの点はよく御存じだと思いますが、何と申しましても職員の数も、行政整理をしたと申しましても五万何千人おります。それから源泉係と申しましても、源泉係の職員だけがその徴税に当るのではございませんので、それを区分して徴税費がどのように計算されるかということは、私どもやろうとしたこともございましたけれども、事実上ほとんど不可能に近い状況でございます。ただ全体としては徴税費は二十六年度は百四十一億円になつておりますが、それが二十六年度の収入予算額に対しましては二・六三%に相なつております。しかして二十七年度の予算は百三十二億円、約十億円の減少に相なつております。これが租税収入に対する割合は二・二%というふうに、相当パーセンテージにおいて減少と相なつております。何と申しましても、税を徴収する場合において、あまり大きな徴税費をかけるということは、好ましいことではない、年々節減をして行きたい。ことにアメリカにおける実績を見てみますると、大体〇・六%ぐらいの程度である。英国の徴税費が一%ちよつとの程度どいうふうな点から考えまして、できるだけ徴税費を減らして行きたい。しかも少い人間でもつて効率的に十分能率を上げてやつて行きたいというふうに考える次第でございます。ただ個々の仕事にどれだけの経費がいつたかということは、区分計算することは非常に困難であるということを、御了承願いたいと思います。
  62. 大上司

    ○大上委員 これで打切ろうと思つたけれども、もう一つ関連してお尋ねいたします。長官は国の歳入全体に対する徴税費のパーセンテージをおつしやつておられるのですが、もちろんよくわかりましてあわがたいのですが、私のお尋ねしておる資料要求点は、たとえば民法三十四條の規定によるところの特殊法人、または公団、一般営利法人と、法人に対するそういう部類わけする課があるはずです。そこでこういうものに対するところの源泉徴収費、たとえば百四十一億円の源泉徴収費の中から、情報または調査等に要したところのその内訳を聞きたい。従つて、もちろんこれは会計年度の既往にさかのぼつておるから、すぐわかると思うのですけれども、ちよつと私の言い方が小さいかもしれないから、これは長官の顔を立てて撤回しましよう。
  63. 田中角榮

    田中(角)委員 関連して一つだけ伺つておきますが、職員給與を不当に拂つたという場合、拂つた人からとるのではなくて、受けた人からとるのじやありませんか。これはこういう問題があるのです。大体この事件は、特に民間においては簡単に済まされそうですが、私たちは小さい金額のことを申しておるのではなくて、いわゆる厳密な法律の適用をしなければならない、こういうことから御質問申しておるのです。大体何十人にか配られたものを、その人間からとることは不可能だから、こういうような場合には配炭公団からとる、これは一番簡単な話であります。ところが、この公団の余剰金は当然政府が収納されるものであつて、この中から大蔵省がとつてみたところで、どうにもならぬのです。だから、それは不当な利益を受けた、いわゆる給與の受給者からとるのであつて、それはむずかしかろうと、相当な手を盡してとるべきである。ましてや、この不当な支出というものは、当時の相当行き過ぎた組合運動の一つの現われであります。家がないから家を買え、車がないから車を買え、生活できないから月給を増せ、暮れが越せないから越冬資金を出せ、こういうのです。これをそのままずつと残しておいたら、酒が飲みたいから酒を出せ、こういうことになる。そうなつたらどうしようもないから、これに一つの線を引いたらどうですか、こう言うのです。実は自由党は、実際時の政府をとつておりますし、責任者でありますので、相当労働組合のことも考えておるのでありますが、労働組合など、特に官庁労組などは、自由党は反動であり、ボスであり、労働三法などはただちに改悪するのだ、その張本人は自由党だ、こういうことを言われておつて、まことに心外であります。そういうことを言われるから、反動的に、このくれたものを取上げよう、こういうのではありませんが、これはいわゆる受けた者からとるべきである。しかもこれを読んでみますと、事情やむを得ない、御了承くださいとは言つておりますが、私たちの根にはそれがあるのであります。これは行き過ぎた労働運動の結果です。それを押え切れない。押えればゼネストをやる、仕事がやれなくなる。もちろんあなたの部下でもつて、全財という相当なごついのがありまして、大蔵省のあなたの所管の中でも批難せられたものが、先年度の批難事項等にはあつたようであります。これはやむを得なくてこういうふうなものを出したのですとか、それからこの前のものだと思うのですが、どこかでもつて年末に非常に強制徴収を行わなくちやならないというので、やむを得ず住宅をつくるために予算費目を流用したものがある。こういうのはもらつた人からとるべきであつて、当然国庫に収納さるべき余剰金の中からとりますから、とりはずれはありませんでは、どうかと思うのですが、この見解を明らかにしていただきたい。
  64. 高橋衞

    高橋(衞)政府委員 労働争議のはなはだしい時代におきましては、協約が締結になるまでの過程として、貸付金というような形、または仮拂金というような形で支給せられる事例が、相当多いのであります。しかしてそういう場合に、はたしてそれが給與であるか、貸付であるかということを、私どもはまず第一に判定しなければならないのであります。過去の実績に徴しますと、多くの場合、それは実質上給與になることが普通であります。そういうときに貸付という名前を使おうと、または仮拂いという名前を使おうと、そのときにおける給與として税法を適用して参つたのであります。そしてこの公団の場合におきましては、これは私どもの監査が十分に行き届かなかつたということのために、後になつて発見いたしたのであります。これが給與であるかいなかという問題は、もつぱら税の関係じやなしに、むしろ公団の当局者と公団職員との間の問題に相なることと思うのであります。私どもの決定は、公団の当局者が、それについて職員に対する求償権を放棄して、これはやむを得ないのだというふうに観念されるならば、これは給與であつたとして税を徴収するほかはない。しかも税法によれば公団が徴収義務者でございますから、当然責任は公団自身にあるのであります。そういうふうな見地からいたしまして、公団に対して不足税額の納税を実施するというように考えておる次第であります。私ども職員につきましても、過去においてそういうことがあつたというお話でございますが、私は記憶が悪いのか、実はそういう実例は記憶いたしておりません。ただあの当時全国的に家屋が非常に拂底しており——私はその当時広島の局長をいたしておりましたが、特にあそこは原爆によつて住宅がない、しかもその当時予算がないという関係からいたしまして、幾分費用を流用いたしまして宿舎をつくつて、あそこに住まうところの応急措置を講じたことがございます。これは私自身実は会計検査院から御指摘を受けまして、非常に陳謝陳弁これ努めた次第でございます。そういう事例はまことに申訳ないと思いますが、給與に関してそういう事例は、私は今のところ記憶いたしておりません。
  65. 田中角榮

    田中(角)委員 高橋さんもおしかりを受けられたというお話でありまして、御自分がそうであつたから御同情になるというわけでもないでしようが、公団ばかりでなく、こういうことははつきりしておかないと——先ほどの御発言ではいろいろな粉議が起きるだろうと思いましたので、特に税法上の建前から当然こうでなければならないという御発言がほしかつたから伺つたわけであります。これは実際、税として公団責任者からからぼんぼんとつた方がいいのです。貸付金であるか給與であるかというようなことは、これは議論をすれば、そういう議論が成り立つだけであつて、国はもちろん余剰を出した公団から貸金としてとつて来ればいいのです。それならば全額とれますが、給與とする場合には税金だけしかとれないのですから……。とつたものを、金額返せといつても、それはなかなか無理ですし、一億円の金をとるために、三億円も給料を拂われてはかないませんから、やはり生きた政治というものは、すばやくやる。しかもこれが昭和二十一年、二十二年ごろのものを二十七年ごろにとりますと、実際悪いことした方は得ないのです。何しろ、とにかく米が百両のときに金をごまかしておいて、五千両になつてから何分か拂うんじや、これは正しい政治とはいえません。こういうものはやはり間髪を入れずとる。これは一般的にやみ給料というのはたくさんあつたのですから、課税漏れはありますが、私はこういうものに対して何とか取立ててしまえば、だれか拂つてくれるのだ。会社でもそうです。私は労働者が、ただ金銭的な問題だけでなく、何とか共謀してひとつ脱税しよう、日本の労働者の中にこういう不健全な思想を伸ばして行くということはよろしくない。だからやはり適用するものは厳密にこれを適用して、早く取立てるものは取立てる。これは、公団が納付の責任者でありますからと言いますが、今の状態で私がこういうことを申し上げないと、何とか済んでしまいそうでありますので、特に申し上げるのです。少い金でももう使つてしまつた給料の中から税金を納めるということは、響くのです。金を出すことに響くのではなく、精神的に響くのです。こいつは出したくない、とつたものは絶対吐き出したくないものです。もちろんせつない生活の中ですから、確かに吐き出したくないのは人情であります。それを運用することによつて、遵法精神を高揚するということができたならば、これは大いにやるべきだ。こういう観点からこの種の問題に対しては、嚴然たる態度をとられんことを要望します。
  66. 畠山重勇

    ○畠山(重)委員 私はこの七三三号に関して、先ほどの大澤局長の説明では、中央石炭販売会社に当時七千幾らの石炭約束するはずだつたのが、そのうち受渡しが相当できて、残余の二千二百三十三トンがこういう結果になつたという、そのてんまつに対して不明朗な点があるという御説明のように伺いました。そうしますと、先ほど配炭公団説明者のお話と大分食い違いがあるようですが、その点について、真相をはつきりしていただきたいと思います。
  67. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 七三三について御説明申し上げます。お手元に差上げました書類につきまして、初めはその後の実情について御説明いたした資料をつけておきましたが、その次は二十五年度の結了時におきます配炭公団の貸借対照表を、この間要求がありましたからつけておきました。その次は配炭公団の全体の分の一覧表、この前三宅委員のたびたびの御要求もありまして、やつとでき上りました。その次のところに石炭売買契約書というものがございますが、この中で、四枚目の表の一番下のところに、新潟石炭株式会社の臨港D甲九の粉炭として、数量として七百二十三トンの問題が出ております。これ以外のものは解決したのですが、この七百二十三トンと、それからその次にまた石炭売買契約書がございまして、その次にもう一つ契約番号第二五三号、売買契約書というものがあります。そこを見ていただけまわかりますが、そこの売買契約書の中の数量が二千二百三十二トンでございまして、これが問題の分であります。この二千二百三十二トンと申しますのは、先ほど申し上げました七百二十三トンと、それからすぐそのページの反対側のページのうしから四行目に「新潟石炭、臨港D、一甲九粉」というのの中に千五百九トンというのがあるのでありますが、この二つの合計が二千二百三十二トンで、この問題が起つているのであります先ほど検査院の御指摘もありましたし、また通産省の方からも申し上げたのでございますが、これの二つを一緒にしました二千二百三十二トンにつきまして、先ほど私から申し上げましたように、本部方針といたしまして、極力三月一ぱいに売る、その後のものは一括して処分するということになりましたので、この二つを一括いたしまして、ここで処分いたしましたのが、事実新潟においては四月やりまして、三月にさかのぼつた関係上——あの当時の実情といたしまして、石炭が非常に値下りをしたということは、これは全国的にあつたと思うのでありますが、それらの事情のために相手方の受入側の意向によりまして、その当時価格査定委員会におきまして、査定いたしました金額で、公団処分いたしました実情であるのであります。その当時の実情については、先ほど価格査定委員会の方で御説明がありましたが、公団側といたしましては、その当時そういう実情でなければ、はかし得なかつた実情にあるので、その点御了承願いたいと思います。  これは一般的な、全般的なものになりますが、この際特につけ加えておきますと、配炭公団が二十四年の九月十五日に解散いたしました当時は、石炭におきましては五百二万七千トンありましたのが、それから二十五年の三月までに三百四十一万九千トンはかしまして、二十五年の三月末に百六十万八千トン残つてつたのでありまして、そのほかにコークスが二十四万トンほど残つてつたのでありますが、これを一括して、どうして各地区ごとに処分するかというのを、先ほど申し上げました最終処分委員会にかけて価格を決定して処分することになりましたので、その点御了承願いたいと思います。
  68. 畠山重勇

    ○畠山(重)委員 大澤局長の先ほどの御説明では、私の受けた感じは、当時七千二百余トンを中央石炭株式会社に予約したような意味の御説明のように伺いましたが、その点いかがですか。
  69. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいま公団清算室から御配付になりました資料を拝見していただくとわかると思うのでありますが、中央石炭に対しまして二口の契約がありまして、その二口の総数量が七千二百三十一・五トンになつておるのであります。これが契約ができているわけですが、そのうちのただいま清算室長の方からお示しになりました二口を合せて、二千二百三十二トンというのだけを解約いたしまして、そうしてこの東京石炭の方へ持つて来たということになつておりますので、初めの御説明のように、新潟の分も一括して東京石炭に引取らせることにしたから解約した、そういうことになつてつたのを、うつかり新潟にやつてしまつたから解約したというならば、ほかの新潟の所在の分が今の契約の中にあるのでありますから、それも一緒に解約してそちらへ持つて来たということになれば、御説明も一応通ると思うのですが、ただそのうちの一つの品種のものだけを解約して持つて来たということになりますと、その理由が、古いことでもあり、検査に参りました当時の関係者がいなかつた関係で、はつきりした理由はわかりませんでしたが、何か一番いい炭だけをひつこ抜いて、そしてこちらへ安く売つたのじやないか。これは一つの想像ではありますが、とにかく全体契約の中の一品種だけを解約して安く売つたということは、妥当な経理じやない、こういうふうに考える次第であります。
  70. 畠山重勇

    ○畠山(重)委員 ただいま大澤局長の御説明にもありましたが、まつたく七千幾らのうち二千二百三十二トンというものが、特定に残されたということに対して、その当時の扱つた責任者は何という方であられるか。また中央石炭株式会社なるものの信用度はどんな程度であるか、この際伺いたいと思います。
  71. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 はなはだ恐縮でございますが、七三三につきまして、大蔵省公団清算室としての引継ぎ書類といたしまして、書類的には、先ほど申し上げました実情にあるのでありますし、私も当時この配炭公団が解散になつたときは、福岡の財務局長をしておりましが、福岡地区におきましても、相当値下りの関係で、いろいろな問題が起つてつたようであります。だから、この問題についても、やはり当時委員会にかけて正式の手続をしたのでありまして、その点ただ清算人が個人的な意向でやつたのではございませんで、ただ手違い上そういうことになりましたし、またあの当時どんどん値下りしたことも事実でありまして、そういう書類的にこういうことを引継いだことについて、われわれとしては一応了承しておつたのであります。ただその当時の実情ということになりますれば、その当時の関係者を呼びまして、実情を具体的に聞くということになるのでありまして、今私から申し上げたことで御了承願えばなんでございますが、そうでなければ、あらためて調査いたしまして、御報告申し上げたいと思います。
  72. 畠山重勇

    ○畠山(重)委員 ただいま、値下りであつたから、当時の実情やむを得なかつたというような、はなはだ遺憾な答弁でありまするし、当時の実情からいつて、国の財産を経理するにあたつては、そうい考え方ではまことにいけないと存じます。委員長におかれて、これを徹底して調査をせられるように、おとりはからいを願いたいと思います。
  73. 田中角榮

    田中(角)委員 関連して私もこの問題についてちよつと聞きたいと思つてつたのですが、これはもう私たち質問とか答弁とかを煩わして言うというのではなく、ざつくばらんに言つて、おかしい、この一言で盡きると思います。私も鉄道の社長でありまして、石炭には相当苦しんで、やつと電化したところであります。石炭問題に対しては、私も石炭国管案当時から相当研究もし、数字も握つておるつもりでありますが、昭和二十五年三月当時——実際の売渡しは四月だそうでありますが、一千円以下の石炭というのは、私は聞いたことがありません。一時値下りをしたことはありますが、私はこういう数字を見たことはないのです。それは半官庁式な組織でありますから、こういうこともある。この間も郵政省でしたか電通省でありましたか、六百万円のものを買つて、十五万か十七万で売り拂つた。こいつは非常にいいものだと思つてつたけれども、あまりいいものじやないので、スクラップとして売り拂つたのです。公入札を行つたというが、公入札を行つたけれども、とても問題になりません。一人は三万円、一人は七万円、最高が十七万何千円であつた。十五万円以上の予定価格を上まわつたから売り渡しました。これは実に合法的であり、一見非難のしどころはないのですが、どうも一般的に聞いて、ぴんと来ない、臭いというのではありません、ぴんと来ない。一般的に、公団というものが相当大きな国損を来しておるのですから、普通からいえば、配炭公団は、こんなものは一つもやらないで、七三三だけずつと掘り下げて二、三日やつた方が、私は決算委員会の趣旨が徹底されると思うのです。畠山さんも今言われましたので、あえて私は申し上げませんが、これは事件にならなかつたのですか、もう一つは公入札は行つたのですか、これをお聞きしておきます。あとはもう追究いたしません。
  74. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 これはお手元にさしあげてあります説朗書のうちの、百七十九ページに、価格査定内容については書いてありますから、私先ほど一々読み上げなかつたのでありますが、ここにありますように……。
  75. 田中角榮

    田中(角)委員 いやわかります。それはもういいのです、私も読んでおりますから……。
  76. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 一応その点、この査定委員会によつてきまつたということになつておるのでありまして、当時の通産省の方で十分監督もされておりましたことでありますから、通産省とよく話しまして御答弁いたしたいと思います。
  77. 中垣國男

    中垣委員長 この問題につきましては、私の方でどうも了解しがたいところもありますし、なおまた畠山委員から要望もありましたから、理事会に附議したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 中垣國男

    中垣委員長 御異議なしと認めます。そのようにとりはからいます。
  79. 大上司

    ○大上委員 そこで配炭公団の問題ですが、資料をひとつお願いしたいと思います。辻畑さんの方から、さんぜん委員会々々々ということが相当出ておりましたが、この委員会の当時のメンバーと、現在の職業と、それからでき得れば、炭価決定に至るところの委員会における模様の資料をちようだいしたい、これをお願いしておきます。
  80. 中島征帆

    中島説明員 承知いたしました。     —————————————
  81. 中垣國男

    中垣委員長 それでは次に報告書二百二十五ページ、鉱工品貿易公団、物件、報告番号七三八ないし七四一、物資の管理当を得ないもの、報告番号七四二、商品の売渡に当り処置当を得ないもの及び不正行為報告番号七四三、職員不正行為に因り公団に損害を與えたもの、右六件を一括して公団関係者から説明を願います。
  82. 齋藤大助

    ○齋藤説明員 七三八号ないし七四三号、物資の管理当を得ぬもの、あるいは商品の売渡しにあたり処置当を得ないもの、職員不正行為により公団に損害を與えたもの、この六件につきまして、会計検査院から指摘いたされましたことにつきましては、まことに遺憾でございます。申訳がないと存じております。逐次御説明申し上げたいと存じます。  七三八号は、株式会社金木商店に対する自転車及び部品の拂下げ契約額一億二千五百九十余万円のうち七千五百五十三万円余が契約未履行となつていたものでございまするが、右に関しましては、昭和二十五年十二月末に金木商店との間に公正証書をとりかわしまして、その結果未取引の現品在庫分は一応公団に引取りまして、原契約を解除の上千二百五十九万余円の違約金をとる。この違約金は昭和二十七年三月末日までに納付する、次に契約残の七千五百余万円の物資は、その性質上一般の拂下げは困難でありますので、該部品に適合した部品を持つております金木商店に対して拂い下げるということにいたしまして、その価格は農林省の申出価格、自転車業者及び自転車検査協会の評価等に基きまして、その代金は二千五百万円といたしたのでありまするが、右に対しまして以後一千七百万円の入金がありまするが、現在八百万円がまだ、残となつております。  次に七三九号の酒戸産業に対する問題でございまするが、これは酒戸産業に委託保管中の結束用綿テープひも類の一部が同社によりまして、無断に処分されましたために、一千九百五十万円余の損害を受けまして、うち一千二百万円が未填補となつているものでございます。その損害額の回収につきましては、同社と公団との間にかわされました和解に関する覚書に基きまして、同社の動産及び不動産につきまして、抵当権を設定いたしまして、逐次この差押え競売の申立てをやつておるわけでありまするが、現在におきましてもさらにこの入金促進方督促中でございます。  それから七四〇号でございますが、これは高陽紙株式会社に委託保管中のみつまたの六百三十万円余が、同社によりまして無断処分された事件でございます。そのうちで六百二十一万円が未回収となつておるのでありまするが、同社の役員五名に対するところの財産を差押えまして、この競売売得金としまして八万九千余円を得ただけでありまして、今後の解決は、これ以上はなかなか進まないのではないかと心配する次第であります。  次に七四一号でございまするが、これは中部森林株式会社に委託保管中の木材を、同社が無断使用したために四百五十七万円余の損害を受けたものでございます。この回収のために、昭和二十五年九月、損害賠償の請求をいたしまして、二十六年の三月に公団勝訴の判決があつたのであります。ところが、この中部森林が第二会社であるところの新日本林業を興しまして、この新日本林業が、中部森林の持つております債権の百万円を取立ててこれを公用に充てるというはずであつたのでございますが、新日本林業が公団に対する債表を引継ぎませんので、今年の一月三十日に、旧中部森林の役員三名を、検領で告訴するとともに、新日本林業株式会社が社外行為をもつて債務を引受けないのかどうかということにつきまして、検察庁で取調べをいただいているわけであります。  次に七四二号でございますが、これは公団昭和二十四年三月及び八月に文部省、厚生省、通産省関係の団体に分配するために、文部省の教育施設局長外七名と売渡し契約を結びました輸出向けの自転車二十八インチのもの二万三千四百四十四台を代金一億七千百万円余で引渡したのでありまするが、その後代金が順当に入つて参りません。現在におきまして約五千五百万円が未収となつておるというふうな状態であります。これにつきましては、厚生、文部両省が、公団契約相手方となつておりますので、両者に対しまして、公団といたしましては督促中でございます。  次に七四三号の、職員不正行為に因り公団に損害を與えたものこれはいわゆる公団の鉱産部、農水産部、物資処理部、軽工品部、この四部の事件としまして、ことに鉱産部事件というのは、いわゆる早船事件といたしまして、世間をお騒がせしましたことは、まことに申訳ないことであると存じておりまして、この善後始末につきましては、公団としましても奔走しているような次第であります。当時早船外十二名が三億五千六百万円余を流用いたしたのでありますが、その事件の発覚当時は、一億六百万円余りが被害額として残つたのでありまして、逐次回収いたされまして、現在におきましては、被害額残額が九千万円余となつております。この被害額のうちで、ことに協和銀行に対しますところの手形七千万円につきましては、訴訟を起しまして、これを回収して被害残額を少なからしめようとしたのでありますが、証人側の真正な証言をしないというような点、つまり協和銀行に対しますところの、有利な証言をしたというようなことから、これは公団側が敗訴となりました。まことに残念でありますが、そんなような次第であります。しかしながら早船等に対しますところの損害賠償の問題は別個としまして、これは二月の十五日に認諾調書を作成された次第であります。経過は大体以上のようであります。
  83. 中垣國男

    中垣委員長 通産当局より現在までに同公団監督された大要につき、説明を求めます。通産省通商振興局経理部長石井由太郎君。
  84. 石井由太郎

    ○石井説明員 ただいま会計検査院から御指摘のありました点並びに鉱工品貿易公団清算人から御解明のありました点につきまして、通産省の所見を申し上げます。  第一に、御指摘でありました酒戸産業、中部森林、高陽製紙等の諸会社は、いずれもかつての原材料貿易公団等に輸出原材料を政府が買付いたしまして、その現物を当該商社に保管させておきましたところ、これを領得いたしてしまつたというのが原因でございまして、法律的には背任、横領等の罪科に問われてしかるべきものだと考えておるのであります。これに対しまして、公団側におきましては、国損回収ということを中心といたしまして、でき得る限り経済的な実害の少いようにということを念願いたしまして、あるいは公正証書を作成し、あるいは担保権、抵当権の設定等によりまして、逐次回収をはかつておる次第でございまして、国損をでき得る限り少くするという見地に立ちます限り、これらの措置を今後も続行して行くのが一番よろしいと考えております。但し、中部森林のごときは、まつたく誠意を欠きまして、尋常に返済する意思がございませんので、これは横領罪をもつて問議を行う必要があると考えております。  それから金木商店に対しまして品物を渡したのが御指摘になつております。本件は、当時農林省方面の御要求によりまして、指定された商社であります金木商店に一億二千五百万円余の自転車を渡し、五千万円余が入り七千五百万円が未收入金になつておるという事案に対しまして、当初契約額の一割程度の損害金を支拂わせまして解約し、解約いたしたものを金木商店に当時の時価をもつて販売するという措置を講じたのでありますが、当時の輸出用の自転車等の価格が暴落いたしました状況に照しまして、このほかにやりようがなかつた考えます。ただ遺憾なことには、金木商店はたまたま公団その他が現物を保管させておりました倉庫等を欺きまして、持ち出しておつたという事実が発見されましたので、これに対しまして公団等におきましても、窃盗その他の罪科をもちまして公訴に及ぶという手続をいたしたのであります。その当時持ち出しましたものは、簿価で約六千万円で、金木商店の状況と申しますのは、債務総額が、政府の方の債務を除きましても約九千万円の債務を負つておりまして、有形の資産はすべて銀行その他の抵当権、担保権に入つておるという状況でござまいして、これを横領あるいは背任等の罪で問議いたしましても、おそらく政府として収得し得ますものは、あるいは破産等の申立てをいたしたにしましても、たかだか五、六百万円という状況でございましたので、いわゆる示談をもつて二千五百万円の現金を納めさせることを公団は話したのでありまして、国損を少からしめるためには最善を盡しておつた考えております。  また厚生、文部両省の自転車取引につきましては、相手方が何分にも厚生、文部というお役所でございまして、公団も非常に苦慮いたしておるところでございまするし、われわれもこれに関與いたしまして促進いたしておりますが、現在の状況では、全部の金を拂わせるということには、なかなか行きかねるのであります。従いまして、渡しました自転車を現物で返せということを強く要求しておるのでございますが、現物の配給先等の追究が、相手方が非常に緩慢でありますために、いまもつて現物が返つて来ないという状況にございます。しかしこの点につきましては、両省に強く当りまして、現物弁償ないしは金額弁償をさせようと考えております。  なお最後に早船等の公団関係職員がみずから不正を行いまして、国損をかけました点は、まことに私どもといたしましても、監督不行届きでございまするし、また職員の心構えその他にも、当時若干ゆるんでおつたものがあるのではなかろうかと、深く自省いたしておるのでございます。本件につきましては、当時の役職員あるいは監督責任者でありまする総裁、副総裁あるいは部長といつたような人々に対しまして、公務員法による懲戒が行われております。また通産省の当局者といたしましても、当時の監督の任にありました通商振興局長に対しまして戒告が行われておるような事情に相なつております。
  85. 中垣國男

    中垣委員長 先ほど理事の方から、本件は慎重に審議を進めたいから、本日は時間の関係で延期されたいという申出でありましたので、本日はこの程度といたしまして、この際資料の御要求があれば申し出ていただきたいと思います。
  86. 大上司

    ○大上委員 まず一点といたしまして、本案につきまして会計検査院から補足的な説明がございませんから、資料等も変則的なものを要求するかもしれませんが、お願いしたいと思います。本事案を見ておりますと、ほとんど保管中に、あるいは保管委託中にという事件が多いのだから、監督者の立場として一体どのような保管の方法をとつてつたのか、どのような契約をなさつてつたのか。それから検査番号七四二号につきましては、次会に契約担当者の文部省教育施設局長をお呼び出し願いたい。それから第七四三号の事件につきましては、協和銀行の手形七千万円が敗訴になつたというのですが、この敗訴になつた原因、理由等をお知らせ願いたい。これだけお願いしておきます。
  87. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま大上委員から資料要求があつたわけでございますが、この問題は、委員長先ほどお話になりました通り、全国の新聞をにぎわしました奇怪事件で、鉱工品貿易公団といいますと、これは不正の元祖である、かように言われておるようでございますから、徹底的に御審議願いたいと思います。ここにあがつておりまする各関係の係官もしくは当事者等も、でき得べくんばこの委員会に呼んでいただいてこの審議をしたいと思いますから、これを委員長要求いたします。
  88. 中垣國男

    中垣委員長 ただいま竹一山委員から、審議の関連事項としまして発言が要求されておりますから、これを許可します。
  89. 竹山祐太郎

    ○竹山委員 私は一つお願いを申し上げたい。それは今世間を騒がしたという御発言がありましたが、それ以上と考える電通の問題であります。私は途中でかわりましたから、今日までの審議の経過を存じませんで発言することは恐縮でありますが、すみやかなる機会において、この問題もぜひ取上げて、決算委員会としては当然やらなければならぬ問題と思いますから、これはなるべく時期を失しないように、国会の権威において希望を申し上げておきます。
  90. 大上司

    ○大上委員 ただいまの竹山さんの御発言ですが、これは特に決算委員長を非常に長くおやりになつて、本委員会の運営については練達の士でありますから、従つてただいま御提案になりましたところの電通省等の汚職事件については、本決算委員会において対象とするところの報告書がまだ出ておりません。従つて当問題は、竹山さんを入れて特に本委員会は円満にして行く、それから各委員の発言を十分に重んじるということで、後日理事会等に一応諮つて、正式なテーマとして出していただきたい。
  91. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまの大上君の御動議を採決したいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 中垣國男

    中垣委員長 異議なきものと認めます。
  93. 三宅則義

    三宅(則)委員 竹山祐太郎委員からお話がありましたから、この際明確にするために申し上げます。本委員会はこれで結了いたしました後も、ずつと自由な立場におきまして、各問題につきまして十分に検討いたしまするから、各省大臣あるいは次官等もここに招致いたしまして検討いたし、日本決算につきまして十分な検討を加えることを、委員長に要望いたす次第であります。
  94. 中垣國男

    中垣委員長 三宅委員の御意見はよくわかりました。  本日の日程を延期しまして、本日の委員会はこれで散会いたします。     午後四時十二分散会