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1952-02-08 第13回国会 衆議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月八日(金曜日)     午後一時四十分開議  出席委員    委員長 中垣 國男君    理事 大上  司君 理事 三宅 則義君    理事 畠山 重勇君    奧村又十郎君       高間 松吉君    多武良哲三君       田中 角榮君    船越  弘君       井之口政雄君  出席政府委員         経済安定事務官         (総裁官房会計         課長)     小笠原喜郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (価格調整公団         清算人)         大蔵事務官         (管財局公団清         算室長)    辻畑 泰輔君         農林事務官         (食糧庁総務部         監査課長)   高橋  清君         経済安定事務官         (物価庁長官官         房庶務課長)  塚本  茂君         検  査  官 下岡 忠一君         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大澤  實君         食糧配給公団総         務局長     渡邊 五六君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四  年度政府関係機関収入支出決算     ―――――――――――――
  2. 中垣國男

  3. 小笠原喜郎

    小笠原政府委員 昭和二十四年度歳出決算に対する会計検査院検査報告事項の、価格調整公団にかかるものにつきましては、一、架空名義支払うなどの方法によりこれを給与等に充当したもの、一、不当にプール運賃相当額支払つたもの、一、石材買取代金を過大に支払つたもの、一、資金管理当を得ないもの、一、職員不正行為により公団損害を与えたもの、以上でありまして、中には当時の社会情勢からいたしまして、同情に値するものもないではありませんが、国費を軽々しく取扱いましたことは、会計検査院の御報告通りでありまして、はなはだ遺憾に存ずる次第であります。  なお価格調整公団昭和二十六年四月一日解散いたし、その後大蔵省におきまして清算事務を取扱つておられますので、本事件経過てんまつにつきましては、大蔵省の係官より詳細御説明を願うことにいたします。どうか事情御賢察の上よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
  4. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は本日決算委員会の開会にあたりまして、下岡検査官の御出席は了といたします。私の堅持いたします事柄は、予算決算は並び称せられる委員会であります。国の最後の結末をつけるのは、決算委員会であると思いますから、ぜひ検査官の御出席を求めておるわけであります。検査官は、たしか三人おると思いますから、三人のうちかわるがわるでけつこうでありますが、必ず一人は御出席を願います。こういう線を堅持いたします。もし御出席のないときには、その日は散会、これを主張したいと思います。  次に、今度は大蔵省に申し上げることでありますが、やはり大蔵省も、主計局長並びに次長が二人おります。合せて三人が主計局の担任であると考えております。このうちどなたか一人は必ず出て来る。もちろん本日も予算委員会があるわけでありますが、次長が二人、局長が一人おるわけで、三人ですから、そのうち一人は必ず出て来まして、本委員会の空気を察し、また国を憂い、国民に対して申訳ないという信念を明らかにいたし、また国損を起さないようにせしめますためには、会計検査院はもちろんのこと、大蔵省自身も出て来まして、これに対しまする善後策なり、あるいは改善策を講ずることが当然であると思います。以上二問題を中心に申し上げておきますから、今後もぜひこの事柄を実行してもらいたいと思います。  次は、質問をいたします上におきまして、第一に申し上げたいと思います事柄は、およそ公団というものは、独占事業でありまして、相當な幅をもつて配給をいたしましたり、あるいはこれを国民に渡しておるわけでありますから、必ず欠損ということはないはずであるにもかかわりまぜず、この報告書によりますと、御承知の通り配炭公団におきまして三十億円、食糧配給において十七億円、石油配給において十一億円の純欠損を生じておる。こんなべらぼうなことはないはずでありまして、これには政府当局もしくはこれにかかつております従業員の不始末、不徹底、これが主たる原因であると思いますから、これは軽々しく承認は相なりません、かように考えますから、もう少しはつきりした説明を求めます。
  5. 中垣國男

    中垣委員長 先ほどの説明に対しまして、会計検査院当局の御説明を先に伺います。
  6. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいま議題なつております価格調整公団事項でございますが、その前に一言公団全般検査しました結果をかいつまんでこの二百一ページから二百二ページにかけて記述してあります点を簡単に申し上げますと、二十四年度までの十五公団の損益を通算してみますと、ここに掲げてありますように、五億三千九百余万円の損失と、こういうことになつております。これが二十五年度になりますと――まあ理由あとから申上げますが、利益が相当生じまして、二十五年度までを通算いたしますと、脚八十億の利益なつている。そして二十六年度といいますか、最後清算過程におきましても、まだ今のところ見込みとしましては十億ぐらいの利益で、合せて九十億ぐらいの利益で、十五公団の全部の清算が完了するのではなかろうか、こう考えられます。  以上は一般的でありますが、二十四年度までを見ますと、ここに書いてありますように、肥料配給公団とか価格調整公団食料品配給公団酒類配給公団とかいうものは、相当な利益をあけております。一方ただいま三宅委員からも御指摘になりましたように、配灰食糧配給石油配給では欠損を示しております。元来公団建前からいたしまして、いわゆる公団経費に相当するものを公団マージンとして加えて、配給統制をやつていたのでありますから、正確に行われれば、利益もなければ損失もないというので終るのが、いわば当初からの建前であつたと思います。それがこうした大きな利益か一方に出、また損失が出ました原因を分析してみますと、大体において利益の出ましたのは、価格改訂によります価格差益――これが当初のうちは、価格差益処理規則とかいう規則がありまして、その都度別途に国庫納付をしておつたのでありますが、それが二十五年の一月からと記憶いたしますが、規則が廃止されまして、あと公団剰余金にそれが入つて行つたというのが、利益の出たおもな原因であります。それから欠損の出ましたのは、ただいま三宅議員が御指摘になりましたような、職員のいろいろな不正行為なども一つ原因なつておりますが、全体の比率から見ますと、一番大きな原因は、配炭公団におきましては、二十五年の三月、暖冬異変当時からの相当な貯炭量を持つて、これを早急に処分しろということになりまして、これを処分した点が、この欠損としては大きな原因であろうと見ております。それから食糧配給公団欠損は、これもやはり食糧事情の好転によりまする、いわゆるかんしよ、ばれいしよ等いも類売買におきまして、あるいは配給辞退が多くて腐つてしまつたというようなことが、大きな原因なつておると見ております。それから石油配給公団欠損は、そうした売買上の欠損が出たということは、あまりないのでありますが、結局最後に、今まで接収的に使用しておりました外国商社の施設を、それぞれ修繕して返還することになり、あるいはそのほか、初めの公団マージンに予想した以上に輸送費などがかかつたというようなことが、おもな原因で、この欠損が出ているようにわれわれは検査の結果見ております。  公団経理上の不当事項につきましては、これから数回にわたり委員会で御審議になると思いますが、その概略をかいつまみましたのが、ここに書いてあるように、資金市中銀行に貯留させて、これをほかに融資しておる。また売掛金回収ということに対する努力が十分でない。それから架空名義支払いまして、これを職員給与とか、会議費とか、そういうものに充てておる。それから商品管理が十分でなくて、管理者にこれをほしいままに使用されているというような事態が多い。それから不正行為によりまして、職員売上げ代金等を領得することが多い。こういうようなことが、公団経理全般を通じての一つの通弊として見られるのであります。  なぜこうしたことが出るか、原因はいろいろあると畳ますが、こうした最後不正行為が出ましたのは、主としていわゆる公団解散末期といいますか、二十四年度以降の現象でありまして、公団が解散する、あと就職口もなかなかないというようなことから、まあ今のうちにというような気のゆるみが職員の中に出たことも、一つ原因ではなかろうかというように考えております。また同時に、公団というものの経理機構が、いわゆる官庁経理に徹するでもなく、いわば一種の、中途半端なかつこうになりまして――この資金というものが、官庁資金でありますれば、日本銀行に必ず還元する、そうしてまたそれぞれの現金というものは、出納官吏その他責任者管理にゆだねるということになつておりますのが、その法制が十分でなかつたというような点が、一つ原因であろうと思つております。これは二十五年の六月でありましたかの法律によりまして、公団資金は全部日本銀行預託金にするということになりまして、また同時に、公団職員にもいわゆる出納職員というような制度をそれぞれ確立いたして、やつたのでありますが、その末期におけるいろいろな経理機構が十分でなかつたというのが、一つ原因ではなかつたかと思つております。  それからなおつけ加えて書いてあります点は、公団予算決算というものが、当初は国会審議の対象にはなつていなかつた。それが二十四年度から予算をつくつて国会の議決を経て、決算も提出される、こういうことになつたのでありますが、その切りかえ時といいますか、当初の予算というものをどういう方向でつくるかということが、いろいろと各公団まちまちでありまして、ある公団では現金決算で作成してしまつた。ある公団ではいわゆる発生主義決算で結了してしまつた。こうしたまちまちの点がありまして、それがここに記述してある点でありますが、結局結論といたしますと、二十四年度の決算は、一応発生主義で統一するということになつたのであります。でありますが、ここに書いてありますように、二十三年度から繰越した未収金とか未払金、これは発生主義でいえば、前年度の分でありますから、決算に上らぬのが普通でありますが、その点の趣旨徹底を欠いて、ある公団では、これを入れて決算した、ある公団ではこれを除外して決算した、こういうようなまちまちな点が出ております。またたとえば産業復興公団不正保有物資処分とか、あるいは船舶公団工事用資材処分というようなものを、各公団独立会計特別会計で処理しておりましたものが、当初から予算に計上されてなく、従つて決算からも脱漏しておつた、こういうような事態も出ておるわけであります。そうしてまちまちな点がありました点をここに掲げてあるのであります。これも二十五年度からは、いわゆる現金主義決算ということで統一することになりましてほぼ予算決算制度は二十五年度からは確立されているようにわれわれは見ております。  長くなりましたが、公団全般のことが必要と思いまして申し上げました。それから価格調整公団の点についての御説明を申し上げます。六七一号は、運賃名義で二千八百五十万円ほどを支出し、また預金の利子を正規に受入れずに四百八十八万円ほど保有し、それから延滞利息として徴収しておるものを正規に雑収入に受入れずに、百七十万円ほど別途保有し、合せて三千五百十万円という金を保有しまして、職員給与に二千八百万円、ほとんど全部を充てたわけであります。そうして残りの七百万円というものは、二十五年度におきまして雑益として公団収入にあげております。これはいろいろな事情があつたと思いますが、少くとも架空名義運賃として払つたものを給与に充てるというのが、第一妥当ではない。当然収入にあげるべき利子とか延滞利子というものを、収入にあげずに経理したのは妥当でないというので、ここに掲げた次第であります。  次の六七二号は、少し記述が簡単で、あるいはおわかりにくいかと思いますが、当時の価格調整公団砂利売買の操作、といいますのは、砂利プール価格で購入いたしまして、これを公団の負担において所要地に運びまして、そうして購入したプール価格プール運賃を加えまして、それに多少の公団手数料を加えた価格で売りもどす、こういう方法をとつてつたわけであります。本件に掲げた場合には、その一部、そうして徴収したプール運賃のうち、一万三千トンに該当するプール運賃業者に返してしまつた、こういう事態でありまして、何ら返す必要はないではなかろうかというのが趣旨であります。これにつきましては、なぜこういうことになるかと言いますと、価格調整公団の方の弁明書に記載されてありますところは、初め、たとえば百トンで売買契約を結んだ。ところが実際に納入になつたものが九十トンである場合には、プール運賃を九十トンで買取り、変りもどしをやりますから、十トン分の運賃はどこからも入つて来ない。しかも運輸業者には百トンとして払うから、その十トン分というものは業者から過去において取立てておつた。だから今度は逆に、余つたときに、返してやるという処置をとつたという説明なつておるのでありますが、その取立てておつたということを立証する資料は、われわれが検査した範囲におきましては発見できない。ただ返したという事実だけはわかつておりますので、またりくつから言いましても、返すということがりくつに落ちないと考えまして、ここに掲げた次第であります。  それから六七三号の点は、これは四百八十円という買取価格が、物価庁指示できまつておりますのを、いろいろな條件が悪いというような理由物価庁申請すれば、あるいは許可になつたかもしれませんが、ほしいままに一存で五百八十円という値段をきめて、それを買取つた。これは妥当でない、こういう点であります。  六七四号と六七五号は、公団資金を他に流用したものでありまして、六七四号の方は、売掛金入金なつて来たのを正規に受入れずに別途融資しておりまして、その融資利子をもつて職員交通費厚生費等に充てた、こういう事態であります。それから六七五号の方は、三十万円程度の石材買つたのに対しまして、百十万円のものを買つたというように書類を作成しまして、そうしてそれだけの金を払つた。しかしこれは売りもどしでありますから、当然それは金を回収したわけでありますが、その期間その業者に対して融資した結果になつておる、これが妥当でないということになつております。さきの六七四号は利子だけを使われてしまつたという案件でありまして、六七五号の方は、融資した金額は全部回収されております。この間公団手数料などで多少は公団に、利子といいますか、金額は余分に入つておる結果になつております。  次の六七六号は、職員不正行為によりまして、商品代金として入つておるものを自己のほしいままに、自己のために領得したものでありまして、その後多少入金をしましたが、現在におきましても、約百三十二万円のものがまだ回収未済という状況になつております。  以上かいつまんで御説明申し上げます。
  7. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまの検査院説明に対しまして、価格調整公団清算人辻畑泰輔君の御説明を願います。
  8. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 価格調整公団清算人として御説明申し上げます。六七一号の、架空名義支払うなどの方法によりこれを給与等に充当したものにつきましては、会計検査院検査報告通りでありまして、はなはだ遺憾でありますが、現在御指摘の二千八百六万三千三百四十八円は、当時の熾烈な労働攻勢に対処しようとして公団職員に対する生活資金の貸付、給与ベース改訂の際の事後調整により生じました給与過払い、並びに公団経費不足等のために支出したものでありまして、支払い残額の七百三万六千九百二十円につきましては、二十五年度の決算の際に雑益として公団に入れておるのでございます。それからなおこの二千八百六万三千三百四十八円の件につきましては、検察当局において取調べ中であるということを、この際申し上げておきます。  それから不当にプール運賃相当額支払つたものにつきましては、価格調整公団臨時処理部仙台支部において、宮城県砂利販売協同組合に、進駐軍向け砂利納分に対するプール運賃相当額二百三十二万四千七百九十一円を支払つたことは、会計検査院の御報告通りであります。右の事情は、公団が過去におきまして検収減量に対します運賃を同組合から徴収したため、過納分に対しますプール運賃相当額を同組合支払つたものであつて、形式的に見れば遺憾の点があるが、実質的には事情やむを得なかつたということでありまして、なお責任者については厳重な注意を当時促しておつたのであります。  それから次の、石材買取代金を過大に支払つたもの――これは会計検査院の御報告通りでありまして、原因元石砂部仙台支部におきまして、内部連絡不十分により生じましたもので、はなはだ遺憾であります。過払い金に対しまする会計検査院の御指摘は、その後回収のために工藤組と折衝を重ねまして、次の理由によりまして、公団債権としないことに昭和二十六年三月に理事会の決議で処理済みであるのであります。それは当時物価の値上りによりまして、関係資材買取価格改訂の必要が生じましたので、適正価格の積算の上、昭和二十四年八月物価庁あて申請書を提出いたしまして、いずれも認可を得た買取価格買取りましたところ、たまたま工藤組石材の対価の改訂だけ申請を脱漏いたしまして、その後追認を受けます手続を怠りまして、検査院の御指摘を受けるに至つたことははなはだ潰憾でありますが、すでに年度経過後のことでありますし、買取価格改訂追認は不可能であります。またその買取価格適正価格に積算した価格で取引した関係もありまして、事情やむを得ないというので、以上の処置をとつた次第であります。  それから資金管理当を得ないものにつきましては、会計検査院検査報告通りで、まことに遺憾でありますが、御指摘商品代金は、すでに回収済みでありまして、また責任者森某は、大阪地方裁判所において刑事事件として公判中のところ、昭和二十五年十二月二十八日に第一審有罪として判決があつたのであります。それから次の件につきましては、公団が旧債権回収する手段として融資方法をとつたことは、会計検査院指摘通りで、はなはだ遺憾でありますが、なお旧債権会計検査院の御報告通り、全額回収しておりまして、責任者につきましては、厳重に注意を促した次第でございます。  それから職員不正行為により公団損害を与えたものでございますが、これは会計検査院検査報告通り職員不正行為によりまして公団損害をこうむつたことは、はなはだ遺憾でありますが、この二百七十三万二千六百十三円のうち、補填されたものが九十八万円あるのであります。この件は大体三つにわけて考えられるケースだと思つておるのでありますが、そのうち四十三万二千六百十三円につきましては、相手方の商社と交渉いたしまして、その後昭和二十六年二月二十八日、右金額を他の債権と一括いたしまして和解証書をつくりまして、その債権を確保して回収努力しておる次第であります。それからもう一つの三十万円につきましては、山田某北海電機株式会社声掛金から、昭和二十四年十二月十三日に領得いたしましたのでありまして、これは検察当局において取調べておりましたが、不起訴の決定になつたのでありますが、公団といたしましては民訴の提起をいたしまして、請求中でございます。次に残りの二百万円につきまして、そのうち百万円は菅沼自身関東建材会社融資によりまして、何したのでありますが、この件については目下刑事事件で起訴されて、刑事事件に係属中でございます。残りの百万円のうち、六十三万円は回収になりましたのですが、残額の三十七万円は、先ほど申しました三十万円と同じく、山田に対して民訴によつて確認請求中でございます。
  9. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまの説明に関しまして、直接監督の任に当られた物価庁より説明を願います。
  10. 塚本茂

    塚本説明員 第一部長ちよつと所用がありまして、官房庶務課長がかわつて御答弁いたします。  ただいま安定本部並びに公団清算人から御説明がありました通り物価庁としても、はなはだ遺憾に思つております。ただ先ほど御両人からもお話があつた通り、多少事情もあるようでございますから、十分ごしんしやくの上、御審議を願いたいと思います。
  11. 三宅則義

    三宅(則)委員 私はくどいようでありますが、委員長に申し上げ、委員長から会計検査院並びに政府当局に厳重に申し入れられんことを希望いたします。私の心配しておりますのは、国民の血税によりまして、こうした事柄を補填しておるということになるわけでございますから、私どもはぜひ会計検査院からは検査官に毎回御出席を願うこととし、なお総括的に予算を出しますのは大蔵省でありますし、決算を見守りますものもやはり大蔵省でございますから――予算委員会等におきましては、大蔵大臣初め各局長出席しない場合には必ずやつておりません。そういう関係上、先ほど申した通り主計局長河野君、次長東條君、次長石原君、三人がおるわけでありますから、三人のうちどなたか一人は必ず御出席願う、こういう線を堅持したいと思います。会計検査院責むるに嚴にいたしまして、大蔵省責むるに緩であつてはならぬ。やはりお互いに両々相まちまして、国を思い、国民を愛する念に燃えて御出席願いたい。こういう線を第一に堅持いたしますから、委員長においてさようおとりはからいくださらんことを要望いたします。
  12. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまの三宅委員の御要望は、もつともだと思いますので、御要望に沿い得るように努力をしたいと思います。
  13. 三宅則義

    三宅(則)委員 今、会計検査院並びに政府当局の御説明がありましたが、六七一号の架空名義支払いをいたして、これを給与に充てた。こういう事柄は、社会情勢等がまだ秩序を回復しておりませんでした関係上、真実を隠して、虚偽な名目で経理するという事柄は、会計的見地からいたしますと、まことに悪質きわまりないものといわなければならぬのでございます。この事件の問題といたしまして、二千八百余万円のうち、その内訳を見ますと、どういうふうになつておりましようか、また二千八百余万円が所得税を課税されて給与しておるものでございましようか、ないしよでこれを給与したものでありましようか、その辺等もはつきりと御説明を願いたいと思うのでございます。一応その方から先に質問いたします。
  14. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 当時の書類は、今持ち合せておりませんが、税金はとつていないのじやないかと思います。
  15. 三宅則義

    三宅(則)委員 清算室長というような重要な役割を演じ、また本委員会出席された人が、書類もない、見ないと言うに至りましては、言語道断である、かように思いますから、この清算室長辻畑泰輔君に対しましては質問を中止いたしまして、保留いたします。主計局長もしくは次長が来たときに質問いたしますから、さよう御承知を願います。今の説明では、多分とつていない。もちろん私もとつていないと思いますが、少くとも清算室長というような権威ある地位におる者が、用意もなく本委員会出席するがごときは、はなはだ不穏当と存じますから、次会に保留をして、主計局長もしくは次長と帯同したときに、答弁を要求いたします、さよう御了承願います。  次は、なお説明書によりますと、二千八百余万円中、生活資金の貸付、給与ベース改訂の際の調整費としてやつてつたと言つておりますが、そういう費用はどのくらい生活資金に貸しましたか、給与ベースとしてはどのくらい上げたことになつておりますか。債権としてもどう処理されたか、これまた続いて質問いたします。答弁がなければ、次の機会に主計局長と同時に答弁を求めます。
  16. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 本件につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、検察当局において取調べ中でありまして、その結果によつて善処いたしたいと思います。
  17. 三宅則義

    三宅(則)委員 政府の答弁はまことに不謹愼きわまるものである。私は満足しません。ことに本委員会においては大上委員のごときは、公団に関しまする調査小委員長といたしまして、十分に検討しておりますから、あとで嚴重なる質疑応答をとりかわされることと思つております。こういうような公団というものは、国民の疑惑の的であり、将来を戒める唯一の委員会が本委員会であると思いますから、この事柄は簡単に一日、半日で片づけるべきものではない。でありまするから、もつと掘り下げて十分に国民を納得せしめるような意味の説明を求めたい。かような意味をもちまして、委員長におかれましても、これはもう少し厳重に責任あろ答弁、もう少し内容をうがつた応答、こういう点を堅持しなければ、せつかくの本委員会架空になると考えますから、その事柄を、特に委員長を通じまして、もう少し責任ある者をひつぱり出し、また政府当局も、もう少し責任ある答弁をなされんことを、特に要望いたす次第でございます。
  18. 井之口政雄

    ○井之口委員 昭和二十四年度は、ここにも述べられております通り、十五公団の中から五公団が解散され、また二十五年度になりますと、さらに四公団が解散されるというふうで、自由党の内閣として、公団を廃止して自由経済にするという過程の中にあつた時代であります。そうしてここにまとまつて公団経理報告されておりますから、この際やはりこの公団なるものについても、われわれは決算委員会といたしまして、大体の功罪の点を明らかにしておくことが、最も必要であります。また政治的な問題としても、これは当然そういうふうに取上げなければならぬ問題だと思う次第であります。そこで昭和二十四年度におきまして――これは吉田内閣の時代でありまするが、十三公団もあつて、日本の重要なる物資の集散を一手に引受けておるところのこの大事業が、決算において何らの利益がなくして、純欠損総額が十四億七千八百万円もここに算定されておる次第であります。これは驚くべき事実の暴露でありまして、この一箇年間にこれらの十三公団で十四億七千八百万円も欠損を出しておる。しかもそれ以前の分を通算してみると、四億九千二百万円に純欠損が減るのでありますから、その以前において幾分の利益があつて、そうしてこの十四億七千八百万円を埋めていることに、これは結果において立ち至つたのであります。してみると、吉田内閣のときに猛烈な欠損額が現われたということになる。これに対して会計検査院の方では、特に何らかの原因があつたのか、この年度においてかくも大きな欠損額が現われをいうことに対しては、いろいろな粛正をもつて標語とされた吉田内閣としては、まるで反対の結果を現わしておるとしか思えないのですが、その点について、これらの欠損額を出すいかなる原因があつたのか、ひとつ説明願います。
  19. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいまあげられた計数は、会計検査院からあとから訂正報告を差上げました分で、多少かわつておるのでありますが、十三公団欠損は十四億七千九百余万円であります。百万円違つております。通算しました分が五億三千九百余万円であります。  そこで二十四年度になぜそう出たかという御質問でございますが、これは一番大きな原因が、配炭公団で六十一億の赤字を出しておる。いわばそれに盡きておるのであります。あと利益がありましたが、配炭公団の六十一億の赤字が大きな原因であります。その配炭公団の赤字の原因は何であつたかというと、先ほど申し上げました貯炭処理、これは当時正確な数字を覚えませんが、トン当り平均二千数百円で購入しました石炭が、最後の残炭処分になりますと、早急処分しろという関係方面からの指示もありました関係で、平均しますと、千円を割つた値段で処分してしまつておる。そういう関係が一番大きな原因なつております。
  20. 井之口政雄

    ○井之口委員 そういたしますと配炭公団の大きな欠損は、特に二十四年度において吉田内閣のときには成立しなかつたもので、やはり前から成立していたもの、こういうふうに御認定ですか。
  21. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 吉田内閣のときかどうかということになりますと、ちよつと何とも申しかねますが、結局配炭公団としましては、二十四年度まで、事業が完全に行つておりますときには、それぞれ相当の利益をあげまして、二十三年度が三十四億の利益をあげております。二十二年度は発足当初三億三千万円の損失を来しております。それが二十四年度におきまして六十一億という赤字になつた、こういうことになつております。
  22. 井之口政雄

    ○井之口委員 それで二十四年度において生じた欠損額であるということは明瞭になりました。しかしこの公団制度が実施せられてからずつと通算して、二十四年度までで一切の公団の総決算で五億三千九百万円の純欠損を出したということは、これは会計検査院が先ほども言われました通り、これはほとんど想像もつかないくらいの大きなものである。むしろ幾分の手数料その他のものがあつて損失するということはないような仕組みになつておるのに、こうしたものが出て来ておるということは、これは明らかに公団制度というものが官僚的な機構を持つために、こうした腐敗、堕落ということが生じて来る原因だと思われるのであります。そこでそれならば、この公団制度というものを廃止して自由経済にしたならばそれがなくなるかといえば、自由経済にしてしまつたならば、なおさらもつと弊害が起つて来る。この公団制度で五億三千九百万円からの純欠損なつておりますが、これは單に五億三千九百万円くらいの欠損でなくして、当時の事情をよく考えてみると、物価はインフレーシヨンの傾向をたどつてつて、どんどんと高騰して行つております。でありますから、そこに大きくやみ売買ということが可能となる原因がある。なお事実やみ売買が行われておつた。これは世間の非難を受けておりますが、会計検査院のかかる欠損指摘としてあげられておるものは、たとえば市中銀行資金を滞留させた、専断的な方法融資していた。あるいは商品売上げ代金の回収努力が十分でなかつた、あるいは架空名義によつて予算目的外の支払いをしていたというふうなことくらいしかあげられておりませんが、このほかにやみ売買によつて厖大な利益を得ておる、この厖大な利益を得て、なおかつここに純欠損が出て来ておるのでありますから、この組織がいかに腐敗し堕落し、人民の膏血をしぼつて人民を物価高騰の中に苦しめた組織であつたかということがわかるのであります。そうして事実統制経済をやつても、やみ経済が横行しておりまして、そのやみ経済によつて国民はみな苦しんだのでありますから、これはやはり統制とはいうものの、実質は自由経済だつた。今日統制がはずされて、いよいよその自由経済が現われて来て、弱肉強食で、ばくちが盛んになつて投機が盛んに行われるようになれば、ますます国民は塗炭の苦しみに立ち至る結果になるとわれわれは思うのでありますが、会計検査院においては、このやみで売買された公団の不正という点に対しては、全然目をおつぶりになつたかどうか。その点も少々調べようとなすつたことがあるのかどうか、その点をちよつと聞いておきたいと思う。
  23. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいまの御質問は、公団自体がやみをやつたというのではなくして、公団から買い受けた商社がやみをやつた。こういう御質問かと思いますが、会計検査院といたしましては、公団そのものは検査いたしましたですが、公団の買受先の会計までは、権限から言いましても、検査の権限もありませんし、そこまで帳簿を調べるということもいたしておりませんので、その点において、やみがあつたのかどうかということにつきましては、端的に申し上げますが検査をしなかつた、こう申し上げるよりしかたがないと思います。
  24. 井之口政雄

    ○井之口委員 たとえば、直接公団からやみで流さぬにいたしましても、トンネル会社をつくつてそこに出しておいて、そこからやみで流すというような方法もある。そういう場合には、全然今日の会計検査院制度をもつてしては、取締ることはできなかつたものであるということを確認してよろしいですか。全然無力であつた、ただ形式的に帳簿の上だけしか調べることができなかつた。それ以上は会計検査院として実質的にこの公団が不当な利得を隠し、国民に大欠損を与えたという、これについて何ら会計検査院としては防ぐ方法はなかつた。こういう意味でございましようか、
  25. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいま申しましたように、会計検査院法の建前から言いまして、国からものを買い受けた会社の会計を検査するということは、検査院の権限としては与えられておりません。従いまして、そういう意味においては、それまでの力はなかつたということになりますかどうですか知りませんですが、そこまでは力を注ぎ得なかつたということになるわけでございます。
  26. 井之口政雄

    ○井之口委員 それではそれは完全に政府の責任として承ることにいたします。この肥料配給では二十一億千百余万円の利益をあげているようであります。ところが肥料というものは、これは農民に対して供給されるところのものでありまして、むしろこういう方面において大きな利益があげられて、そうして配炭その他の石油とかいう点において欠損が現われているということを考えてみまする場合に、農民に対するところの訣求はこの公団制度の中においてもすぐ現われる、こう思うのであります。この肥料配給はむしろとんとんぐらいに行つて、そうして真に農民の生産意欲を増進し――あの当時でありますと、食糧問題が窮迫しておつたのでありますから、その食糧の増産を奨励するために、肥料というものはできるだけ安く供給すべきものであるが、これは独占価格があつてなかなか安くならぬ。やみは横行する。その上に配給公団ですらも肥料の点では他の公団に比較いたしまして非常な利益をあげているということがうかがわれるのでありますが、そういう特殊の利益をあげているところのこの肥料公団に対しては、どういうお考えでありましようか。会計検査院検査してみてあとで感じられる点を、ちよつと承つてみたいと思います。
  27. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 肥料配給公団の二十一億の黒字は、分析してみますると、二十二年度発足当初は二億一千万円の赤字になつております。それから二十三年度は上期において三億六千万円の赤字、下期において五億の黒字がありまして、二十四年度通算しますと一億四千万円の黒字。でありますから二十一億というものの大半は二十四年度におきまする利益金がこれに出ているわけであります。なぜそれが出たかと申しますると、先ほど申しました、従来は価格改訂による差益は、価格差益としてそれぞれ国庫に別途に納付しておつた、ところがそれがこの期におきまして価格改訂をやりまして、差益というものを別途納付せずに公団剰余金として出て来た。そこに原因があるのであります。結局、そうしますと、ではその価格改訂というものが、高過ぎたのではないかということになろうかと思いますが、この方は物価庁が決定いたしました価格によりまして売買を行われた。会計検査院といたしましては、その価格は守られておるかどうかという点をきわめて来た次第であります。
  28. 井之口政雄

    ○井之口委員 大分明らかになりましたが、二十四年度においてこの肥料配給公団利益が大分増加して参つております。このいろいろな差益金の点に関しましては、たとえ、よしそれが公団にとめ置くというような規則なつたところで、やはり価格差益金に対するところのその他の法令がありまして、これは政府が税金なり何なりの形で収納するような仕組みになつていたと思うのでありますが、その辺今の会計検査院の意見に対して、大蔵省当局の意見をちよつと聞かせていただきたいと思います。
  29. 中垣國男

    中垣委員長 ちよつと井之口委員に申し上げますが、ただいまおもにやつておりますのは価格調整公団の件でありまして、肥料関係のものはまだやつておりません。
  30. 井之口政雄

    ○井之口委員 価格調整公団の各論に入るにあたりまして、これからずつと公団が出て来るのでありますから、公団全体を通じての特徴について、今質問しておる次第でありまして、当然これは政治的な開顕であります。單にわれわれ決算委員会は、帳簿のしりの数字の一銭一厘の違いだけを査定するものではなくして日本の組まれた大きな財政が、その法通り行われておるかどうか、單にそういう点を調べるだけでなくして、やつた結果がいかなる結果になつておるか、その目的としたものに適合しておるかどうかという点も、われわれ研究してみなければ、国の財政の決算を承認することはできなくなるのであります。そのために今こうして聞いておる次第でありまして、この点は委員長も了承していただきたいと思います。公団はここで大体結論が出かかつておるところでありますから、そういう点、ひとつ会計検査院なり当局に御返事が願いたいのであります。
  31. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいまの御質問に、ちよつと補足して申し上げておきます。価格差益として個々の差益金は国庫に納付させるが、二十四年度からは価格差益もその他の利益も一括して剰余金として、これは配当するのではなくして、やはり国庫に納付させておるのであります。この点において表面上二十一億という黒字が出たということは、二十三年度までは価格差益として別個に処理しておつたのが、剰余金の方に入つて来た、そういうことになつておるのでありましてその点ちよつと補足して申し上げておきます。
  32. 中垣國男

    中垣委員長 三宅委員が質問を留保した点を除きまして、一応価格調整公団の審査を終りたいと思います。  次に酒類配給公団の審査に入ります。報告書二百五ページ、酒類配給公団不正行為報告番号六七七、職員不正行為に因り公団損害を与えたもの――本件について公団関係者からその説明を求めます。辻畑説明員
  33. 辻畑泰輔

    辻畑説明員 酒類配給公団職員不正行為により公団損害を与えたもの――この点につきましては、会計検査院検査報告通りでありまして、まことに遺憾であります。本件犯人力武某は、昭和二十五年十月三十日、長崎地方裁判所において懲役二年の判決を受けました。当時の責任者支所長は、昭和二十五年六月十二日解職になつております。なお損害金八十六万二千四百三十円につきましては、本人が無資力で回収の見込みがないので、公団といたしましては欠損損失で処理いたしておりますが、しかし相手方に対しましてもできるだけ回収努力いたすことにいたしております。
  34. 中垣國男

    中垣委員長 本件に関し、会計検査院側の補足説明があれば伺います。
  35. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 申し上げることはありません。
  36. 中垣國男

    中垣委員長 質疑を許します。――それでは酒類配給公団の審査を終りました。  次に報告書二百六ページ、食糧配給公団予算経理報告番号六七八、売買差益積立金の一部を予算外に経理したもの――本件につき公団関係者から御説明を願います。食糧配給公団総務局長渡邊五六君。
  37. 渡邊五六

    渡邊説明員 それでは御説明申し上げます。この士売買差益金につきましては、この差益金の留保及びその処置につきましては、すべて当時の食糧庁長官の御指示に従いまして処置をいたしたようなわけでございます。それでその一部を、当時非常に食糧事情が悪くございまして、アメリカから輸入されましたコーンミールの調理等を指導いたさなければならなかつた。そういうような調理の宣伝、指導というような費用に、これもすべて関係当局の御指示に従いまして支出をいたしたようなわけでございます。なおその残り八百十七万余円は、二十五年の十二月に、やはりこれも食糧庁長官の指示を受けまして、公団収入に繰入れたような次第でございます。
  38. 井之口政雄

    ○井之口委員 この食糧配給公団は、前回は二十四年度までの総括として十七億三千余万円の欠損を生じておりますが、先ほどの会計検査院のお話では、大体いもを腐らせたというような御説明であつたと思います。十七億もいもを腐らせたとあつては、まつたくこの公団の責任は、もう話にも何にもならぬくらいの感じがわれわれはするのであります。しかもここでコーンミールの調理指導費に一千万円近くの金を使つて、コーンミールの食べ方、調理の指導をやつているなどということは、これはその実質上に立ち入つてみますと、驚くようなことになりはせぬかと思うのであります。どうしてこんなにたくさんの金がかかつたものか、ちよつと御説明を願いたいと思います。
  39. 高橋清

    高橋説明員 この問題は先ほど公団渡邊局長から御説明がありましたが、食糧庁といたしまして一応御説明を申し上げたいと思います。  コーンミールの問題は、まず第一に、使いました小麦粉の單価の問題を中心にしまして、パンを小売いたします際に、パンを幾らで売つたらいいかという計算をいたしまして、その結果端数が出ました。その端数を公団に留保させましたことが発端であります。その発端によりまして、会計検査院から指摘を受けましたように、厖大な金額を留保をいたす結果になつたのでありますが、その後進駐軍からの、非公式な覚書でありますが、要請がございまして、先ほど御説明がありましたように、コーンミールの加工及び配給に関する諸施設をやれ、そしてその結果について報告をしろ、こういう通牒がありましたので、その費用に一部これを使用いたしたのであります。さらに残額につきましては、次に、できましたパンの価格の調整の際に、一定のマイナスが出ましたので、そのマイナスを補填するような形にいたしまして、その残額を全部消費者のところに実質上返した形にいたしたのであります。しかしながらこれらは、会計検査院の御指摘のように、予算の使い方といたしましては、相当適当でないようでございますので、検査院の御指摘がありますと、ただちにそういう措置を停止いたし、先ほど申しましたようなマイナスの分だけ公団のマージンを減しましてこれに充当するような計算をいたしまして、それで補填をいたしたわけであります。この点御了承を願いたいと思います。
  40. 井之口政雄

    ○井之口委員 ただいまの説明は、六七八号の通り説明なつたと思います。私が今質問しておりますのは、そういう価格差益金が不当に別途に積み立てられていたという会計検査院指摘の点ではなくて――もとよりそれに関連はいたしますが、一千万円近くからのこうした国費が、コーンミールというものの食べ方を伝授するために使われた。それほどしなければ、これは食べられないものか。それほど不衛生的なものを日本は押しつけられて買わされたのか。日本の一般大衆の口に合わないようなものを押しつけられたものだから、しかたなしに、それを何とか食べこなさなければならぬというので、いろいろな食べ方の講習会を開く、そういうふうな費用として使われたのかどうかということを聞いているわけであります。その点、当時買い入れられたコーンミールの実質並びにその調理の方法について伺いたい。
  41. 高橋清

    高橋説明員 輸入コーンミールの品質につきましては、すでに皆さんが御承知のことでございまして、私どもが説明をするまでもなかろうと思うのでございます。ただその金の使い方でございますが、調理の方法は、全国的に講習会を開きまして、その道に堪能なる講師を派遣し、各支所で大体五十人なり百人なりを集めまして、講習会を開いてやつた費用でございます。コーンミール自体の品質等については、すでにおわかりのことでございますので、この際申し上げることを差控えます。
  42. 井之口政雄

    ○井之口委員 当時日本は非常に食糧に困つてつて、その食糧に困つているところにつけ込んで、まるで人間の食えないようなもの、むしろ豚でもいやがるというふうな雑穀を、外国から日本に押しつけられたという事実も、その当時あつたのであります。あるいはのりにして、土とこねて壁をはるものにしか外国では使われないものが、日本に輸入されて来たりなんかして、それでもつて非常に高価な費用を払い、これがエロア資金、ガリオア資金なつて現われ、今日厖大な対日援助費の元利払いをしなければならないというところにまで立ち至つておるのであります。これはこういう一箇所をわれわれが拝見いたしましても、その当時日本においてもつと腰をすえて食糧問題を解決し、農民を育成するような方法をとらなかつた結果が、こうして現われておる。肥料は高く売るわ、日本の農民からはふんだくり供出をさせるわ、外国からは高いものを買うわ、食えないものを食うような方法を考えるために、一千万円近くの金をもつて講習して歩かなければならぬ。まつたくこういう政治をやつていたのでは、日本がつぶれる大もとだということは、この一事をもつてもわかるのであります。将来こういうことのないように、ひとつ大いに日本の独立した食糧政策を立てて行くことが、これから必要であると痛感される次第であります。この辺で終ります。
  43. 三宅則義

    三宅(則)委員 私はせつかく会計検査院から下岡検査官がおいでになりましたから、検査官にお尋ねしたい。事務当局の御説明もあつたわけでありまするが、国の決算を見守るところの責任の地位にある下岡捜査官は、こういう各種公団等につきましての不正事件、あるいは誤りを犯しました事柄等、その当を得ないものが山積しておるわけであります。こういう食糧公団初め各種公団は、民間と官の中間を行くものというようにも考えられるわけでありますが、これを何とか監督し、もしくはこれを未然に防ぐ方法はなかつたであろうか、ひとつ検査官の御意見を承りたい。
  44. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 御答弁申し上げます。かつて私ここでも申し上げたことがあると思いますが、公団発足当時、民のいいところをとつてやるような御計画であつたようなのが、それがうまく行かなくて、中途で非常にめんどうくさい国の経理の、何と申しますか非常にむずかしい規則なつたようでありまして、これを未然に防ぐ方法があつたかどうかということは、私もはつきり申し上げられませんが、準備期間があまり短いためにごたごたのあつたこと、それから世帶が官なら官の方だけでなされればよかつたんじやないか、民なら民にすつかりまかせて民でやればよかつたんじやないかということを痛感しております。要するに一番大きな原因は、寄合い世帯であつたということ、その他いろいろな原因はあるようでございますけれども、それを防止する方法と申しますか、これは日本はまだ何といつても官尊民卑の国だと私は思つております。それで官にすつかりやらせた方がみんな言うことを聞く。戰時中の統制なんかは――私はちつとも統制論者じやございませんけれども、戰時中の統制は、何とかかんとかいろいろ悪口を言われましたけれども、日本の国民はまた官尊民卑について来るんじやないか。これは私の漠然たる考えですが、そんなふうに感じております。
  45. 三宅則義

    三宅(則)委員 下岡検査官のお話でございますが、私は総裁なり責任者の責任が軽んぜられておる、こういう点を考えておるのです。たとえば各種公団の総裁、副総裁等が、あるいはひつぱられましたり、その幕僚でありますところの係長以下がまたごまかしておる。上も下もまるで腐つておる。これが総括的な結論であると思うのです。これは、もつと責任を重んずる。という精神――もちろん官尊民卑もごさいましよう。しかしながら、私は責任ということを注文いたしますならば、たとえて申しますと会社におきましては社長、専務というものが全責任を持つてその会社を預かつておる。ところが公団になりますと、その責任がない。上がないから下もない、両方ないからむちやくちやである。こういう線が出て来るのでありますが、これについて下岡さんはどう思つておられますか、もう一ぺん承りたい。
  46. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 お答え申し上げます。純然たる官の組織にすれば、官は官で官の綱紀がございますし、ちやんとした規則もあつて、それに縛られて、総裁は総裁なりの責任をお感じになつて、ちやんとした経理が行われただろうと思いますし、またもし純然たる民間であれば、民は民なりに全責任を持つて経営なさるという組織ができただろうと思います。そこのところが中途半端であつたんじやないかと私は感じております。
  47. 三宅則義

    三宅(則)委員 あまりつつ込むこともどうかと思いますし、これはいずれまた機会もありましようと思いますが、もう一言会計検査院検査官に御注文いたしたいと思うのであります。これは公団のことでありますから、必ずしも一年過ぎなければならぬというわけでもありますまい。もう少し早く事前検査もしくは四半期ごとに検査をなさつたならば、こうしたような誤りは少かつたんではなかろうかと思うのでありますが、その当時の組織、あるいは人間、あるいは知識、経験等において不十分であつたために、そうしたような厖大な欠損を生ずるようなところまで行つたのでありましようか。それともどういう事情でこういうふうに、早く言うとだらしなく経理が行われておつたか、これについて御感想を承りたい。
  48. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 ただいま私が申し上げたような事情で、非常に経理が紊乱したのであろうと思います。検査院検査態度としては、これはいつぞやもこの席でも申し上げたことがありますが、率直に申し上げまして、公団経理は、私どもの方の検査院では、こういう発生主義的な面の検査には、十分の経験もございませんし、それと、率直に申しまして、初めの一年間ぐらいは、私から言わせれば検査じやなくて調査である。これはまた検査院の陣容としてやむを得なかつたと思うのでありますが、それが一年くらいたつて陣容が整い、検査院の者がよく勉強いたしまして、だんだん実質的な検査ができるようになつたと思います。何分にもたくさんの公団が急に出て来まして、これが今までの官庁経理とはまるで違つた経理である。公団の方でも非常に困難なすつたと思うのでありますが、私どもの方も急に人をふやして行くわけにも行きませんし、徐々にやつたところにもつて来て、経験もなかつたということが、率直に申し上げられると思います。その後の経過に徴しますと、公団関係の課なんかも、出資検査課も二つにふやしまして、だんだん人数も増しましたし、こういう方面の経理の研究も行き届き、係員も非常に勉強してくれまして、少し私自慢申し上げたいのでありますが、公団検査については、後には検査院が相当指導的にずいぶんお役に立つたんじやないかと思つております。検査院の内部といたしましても、公団経理検査の経験が、ほかの出資団体、そのほか政府の企業会計、たとえば鉄道とか、ああいうものの検査なんかに非常に裨益したと私自身信じております。
  49. 三宅則義

    三宅(則)委員 しつこいようでありますが、もう一言つけ加えさせていただいて、これに関連をいたして政府もしくは会計検査院当局要望いたしたいと思うのであります。もちろん会計検査院というところは、政府の諸事業、あるいはこれに関係を持ちまする事業の監督、会計監査、こういうことをしておられるわけであります。われわれ国民といたしましては、まず第一に会計検査院を信頼する。会計検査院のためには、相当費用も出さなければならぬ、また優秀なる官吏もしくは検査官、あるいは検査官という名前ではありませんでしようが、これを監査する職員、こういうものがなければならぬと思うのでありまして、これにつきましては、すでに先回も下岡検査官に承つたと思いますが、よその行政整理に反比例いたしまして、むしろ行政整理どころではなく、行政を拡充いたしまして、一般の信任を高めることが必要であると思つておるわけでありますが、今までの陣容をさらにふやしまして、国民の信頼をかち得るようによく監督し、また監査いたしまして、そういうあやまちのないようにしていただきたいと思います。これに対しまして、ついででありまするが、一応下岡検査官から検査官の態度を御説明願いたい、こう考えます。
  50. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 検査の仕事は、私も政府の関係検査の仕事は、経験がございませんからわかりませんが、ただ人をふやしただけでは、なかなかほかの事務と違いまして、できにくいものでございます。私どもの方としては、新しい憲法が出まして、急に人数がふえました関係上、質のよくなることに重点を置きまして、中でも研修とかを一生懸命やり、大分その成績も上つて参りましたが、この前も、たしか急激にそうふやしてみても効果はないということを申し上げたと思いますが、大分充実して参りまして、そろそろもう一つ拡充させていただいて、大きいものにしたいと私ども考えております。ただ、今度の行政整理の関係で、検査院もおつき合いせいというので、多少おつき合いを申し上げましたけれども、この次の年度あたりから、だんだんといい人に入つていただいて、質的にも、また量の方もふやしていただきたいということは熱望しております。
  51. 三宅則義

    三宅(則)委員 あまりしつこくなるようですが、もう一言つけ加えて申し上げます。書類の煩雑ということは防ぎたいと思うのでありますが、わかりやすくするために例を申し上げます。会計経理の基準であるところの決算書につきましては、税務行政においては二通、三通出すようでありますが、会計検査院も早くおとり願いまして、実際の行政機構でやつております事柄と、監査機構であるところの会計検査院とが、並んで早く見るということをやりますと、早くこの業績がわかると思うのであります。おそらくそういうふうにしていらつしやると思いますが、半年も一年もたつてから書類を見るということではいけませんから――私は税務行政の例で申したのでありますが、書類が参りますとともに、会計検査院の方にもすぐにこれが届くというふうにいたしましたならば、早くこれが見られるということになりますし、この決定等についても、不当な場合においては、不当であるということが指摘できるわけでありますから、書類を簡素化せしめるとともに、早く会計検査院にまわすということにいたしたならば、未然に防ぐ率も多いと思うのでありますが、検査官はどう思つておりますか、承りたい。
  52. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 今の御意見のように努力はしておるのですが、なかなかそう行かない面も大分あるようであります。私どもは始終そう行くように鞭撻しております。
  53. 中垣國男

    中垣委員長 次に報告書二〇六ページ、物件、報告番号六七九、甘しよ粉加工に因り損失を生じたもの、資金管理、六八〇、資金管理当を得ないもの、不正行為、六八一ないし六九五、職員不正行為に因り公団損害を与えたもの、右一括説明願います。食糧配給公団総務局長渡邊五六君。
  54. 渡邊五六

    渡邊説明員 御説明を申し上げます。六七九号の点につきましては、当時大阪の食糧事情が非常に悪いので、これに対処するために、四国でつくりましたほしかんしよを大阪にまわす計画のもとに、これを製粉いたしたわけでございますが、このいも粉は、配給いたしまして後、一般の消費者の受けがどうも悪うございまして、配給辞退が続出し参り、そうこういたしておる間にこの処分が困難になりまして、遂に二百万円ほどの欠損を生じたわけでございます。その間の加工、配給におきます関係諸機関の連絡等におきましても、遺憾な点があつたわけでありますが、将来再発をいたさないようにということで、関係者に嚴重なる注意を喚起いたしておいたわけでございます。  それからその次の六八〇の事件でございまするが、これは公団本部におきまして、銀行預金等を取扱つておりまする係職員が、取引先の銀行の者と心得違いをいたしまして小切手を発行いたしました。これにつきましては、さつそく善後措置を講じまして、不幸中の幸いではございましたが、公団には全然被害なしに全部回収をいたしたわけでございます。なおその被害を公団に与えんといたしました本人は、検察庁の取調べを受けまして、さらに告発されて、第一審におきましては昨年の十月判決を受けまして、懲役一年半、追徴金十万円という処刑を言い渡されまして、目下控訴中に属しております。なおこの善後措置につきましては、当時直接監督の地位にありました会計課長は、ただちに降職いたしますと同時に、間もなく他に論旨転職をいたさせたわけでございます。それから本人は発見と同時に懲戒免職に付したわけでございます。  なお六八一号ないし六九五号につきましては、一括御説明を申し上げまして、さらに必要に応じまして各事件について御説明を申し上げたいと思いまするが、何分数が多うございますのと、内容がほとんど共通的な犯罪事実でございますので、一括して御説明を申し上げたいと思います。  御指摘をこうむりました十五件の不正事件は、いずれも三十万円を越えるものでございまして、部内の職員がかような不正をいたしましたことは、われわれ当時の監督者といたしまして、まことに恐縮いたす次第でございます。その十五件の金額を総括いたしますと四千八百四十八万円ばかりでございまするが、それをだんだん精査いたしまして、最後の確定金額は四千八百四十二万三千九百二十六円二十三銭ということに相なりました。爾来その犯人につきましては、それぞれ嚴重なる処分をいたすと同時に、その被害金につきましては、全力をあげて回収に努めておるわけでございまして、今日までにその四千八百万円のうち、回収いたしましたものが約三千万円ばかりございますから、六〇%ばかりを回収いたしたようなわけでございます。残りの分につきましては、それぞれ即決和解もしくは公正証書等の債務名義をいずれもとつて、今日までその回収に努めております。ただかような不正事件につきまして、犯人が公金を費消するというような場合におきましては、多くは濫費して弁済が非常に困難な状況になつておるものがあります。また、あるいはこの年度ではなかつたかもしれませんが、公団の今までの例を見ますと、あるいは自責の念に耐えかねて自殺をいたすとかいうようなことで、まつた回収不能になつておるようなものでございますが、回収可能なるものにつきましては、十分回収努力をいたして参つておるような次第でございます。
  55. 中垣國男

    中垣委員長 ただいまの説明に対して、面接監督に当られた農林省当局よりその説明を求めます。食糧庁総務部監査課長高橋清君。
  56. 高橋清

    高橋説明員 ただいま渡邊局長から、こまごまと御説明がありましたので、私から附加するものはほとんどないと思うのでありますが、ただ全体といだしまして、決算委員会が開かれるごとに、こういう不正の問題を皆さんにお見せいたすのは、非常につらい思いをいたしております。私どもといたしましては、十分注意いたしまして、不正の発生の防止に全力を盡す、こういうことを申し上げておきます。
  57. 中垣國男

    中垣委員長 会計検査院から意見がありますか。
  58. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 もう盡されて、ことに補足するすることはないのでありますが、特に多い不正行為に関しまして、この内容を分析しますと、ただいま渡邊局長の方からもお話がありましたが、ほとんど同じようなケースでありまして、結局売掛金回収したものを、書願の上では回収未済にしておきまして、その金を浮かして使つてしまつた、これが多いのであります。その原因は、公団の発足当時におきます経理機構といいますか、経理制度が確立していなくて、従来の営団等の慣習に従いまして、いわゆる売掛制度、後払い制度で仕事をやつてつた、そこに大きな欠陷があつたのでは一なかろうか。これがその後二十五年の一月でありましたが、法律の改正によりまして、公団の物品も国の物品と同じように、CODの原則といいますか、代金引きかえ、または代金前納によつて物品を引渡す、こういうことになりまして、その後こうしたことは逐次なくなりました。現に清算段階に入りましての物品処分も相当ありましたのですが、その分に関しましては、こうした事例が少くなつた。このことを今になつて飜つてみますならば、もつと早く公団に関しましても、国の物品と同じように、代金引きかえまたは代金前納というように、法制をこうしておつたら相当防げたのではないか、こういう感じがするわけであります。補足して申し上げます。
  59. 中垣國男

    中垣委員長 この際質疑を願います。
  60. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は、先ほど申しておきましたが、本日大蔵省主計局長並びに次長等の御出席がなければ後日に讓つて質疑いたしたいと思います。  そこで、六八一ないし六九五、この問題につきまして先ほど来御説明があつたわけでありますが、いずれもこれは一件三十万円以上のものだけで、すでに十五件もありまして、四千八百余万円の損害があつたわけであります。ここに報告なつていない相当こまかい分もあつたと思いますが、会計検査院の方ではそういうものをオミツトしてしまつたのですか。それともどういうふうになつておりますか、これ以外のはないのですか。
  61. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 この検査報告を作成いたしますときにわかつておりました件数が、件数としまして百五十七件、金額にしまして二百七十九万円でありました。なぜこれをオミツトしたかと言いますと、これは検査報告の大要と申しますか、事項としまして、こうした事項があるというのを詳細に書くのは、ページ数が多くなるといつては語弊がありますが、多くなりますので、その点をただいま補足説明で申し上げようと思つて忘れておつたのですが、この委員会の席上での説明に譲り、三十万円以上のものだけでもと思つて記述したので、別に他意はないわけであります。
  62. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の御説明では二百万円というものが報告漏れになつたわけでありますが、少額のものは、たとえば二十五万円とか二十三万円でありますか承りたい。
  63. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 当時審議しましたとき、今ちよつと計数を持ち合せておりませんが、二十六万円程度のものもありました。そこでどこで報告の線を切るかといろいろ考慮いたしまして、大体現在の三十万円というところを一応の線として切ろうと考えて切つたのでありまして、御質問のように三十万円から少し下の二十六万円程度のもあります。少いものになりますと、もちろん一万円とか二万円とかいうのもあるわけであります。合せまして百五十七件で二百七十九万円、平均しますと十二万円ほどのものになるわけであります。
  64. 三宅則義

    三宅(則)委員 明細なものをお持ちになつて来ることは、あるいは無理かもしれませんが、なるべく本件に関係のあるものは持つて来ていただいた方がよいと思います。はなはだ御迷惑ですが、そういうようになるべく親切にやつていただきたい。もし資料がありましたならば、参考までに出していただけばけつこうだと思つております。  次に下岡検査官に、こういう数十件あるいは数百件もの件数が起らないような何とか監督の方法はなかつたものか率直に承りだい。
  65. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 その前に、先ほどの説明を訂正いたします。一件一万二千円であります。  それからこうした多くの件数をどうして防げなかつたか、これは検査を担当しているわれわれの最も苦慮するところでありまして、何とか未然に、あるいは進行中に発見したいと絶えず念願しているところであります。ただ何分にも食糧配給公団の全国の配給所、出張所その他を合せますと、その件数が厖大なものになりまして、全部出張して検査をする余力がない。またこれは表面上は商品を売つて、それが売掛金なつているというかつこうで、相手方に入金したかどうかを確かめないと、実際にそれが横領されているかわからない、こういうような困難がありますので、大きな売掛金に対しましては、拔き検査的に相手方の商社に、あるいは電話で問い合せるとかいうようなことで収入の納否を確かめて参つたのであります。この食糧配給公団に関して掲げたものには、そうした結果発見したものはありませんが、後ほど御審議いただきます肥料配給公団の例などには、これを確かめたところ、相手方が納付しているということを、不正行為の進行中に発見いたしまして、検察庁に移管するという手続をとつたものもございます。ただいまの点、三宅さんのおつしやる通りでありまして、絶えずそれには努力しております。特に清算段階にありますので、ますますこうしたことが出はしないかという懸念がありまして、昨年来なるべくそうした末端の方を強く見ようというような気持でやつておる次第であります。
  66. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の大澤局長のお話でありますが、ここに二千五百万円が大阪と書いてあり、大阪が非常に多いが、これは繁華な都市であるから多いのであるか、それとも人間が腐つているのか、その辺はどうでありますか。
  67. 渡邊五六

    渡邊説明員 それでは私からこの二千五百万円の大きな金額に上りましたことを、ちよつと御説明申し上げたいと思います。実はこれは加工の原料の副産物の代金を収入いたしております係が、他に流用いたしました金額でございますが、この二千五百万円という金額は、月初めあたりに入金したものを他に流用いたしまして、そうしてその月中あるいは月末の帳面の締切りのときには、それを返済しているというようなことを、数回繰返したわけであります、そのために返済金額といたしましては非常にかさんだのであります。しかしその大部分は回収されておるのであります。最後の発見の時の分が焦げつきになつたようなわけであります。それでこの金額が著しく大きくなつておりますが、そういう次第でございます。実は最後金額と申しますと、残額百五十六万六千六百六円の回収不能になつておりますが、そういうわけでございまして、結局最後に百五十六万六千余円が焦げつきになつて、今日滞つておるわけであります。
  68. 三宅則義

    三宅(則)委員 この食糧配給公団は、国民一般に非常に関心のある問題です。国民の食糧を預かつておるのでありますから、私が申すまでもなく、重要欠くべからざる公団である。そういうものが食糧の上前をはねて、手前がいいことをする、あるいは濫用するということは、これはごく悪質なものであると思う。こういうものについては、検察当局に委託せられましたり、あるいは回収努力せられておるようですが、その結果及びその方向等につきましてわかつたことがありましたら承りたい。この報告書を見ましても一人か二人でやつておる。数人でやつたというよりも、むしろ一人か二人ということになつておりますから、これはあまりに公団等にまかせ過ぎたということが言えるであろうと思うのです。これは監督者といたしまして、まことに手ぬかりであつたと私は思うのでありますが、当局はどう思つていらつしやいますか、承りたい。
  69. 渡邊五六

    渡邊説明員 この分につきましては、実はさつそく本人を帶同いたしまして検察庁に自首いたさせましたし、同時にこの公団の身分上の処分もいたしたわけであります。この会計制度につきましては、ずいぶんと注意は払つてつたのでございますが、何分やり方が巧妙でありましたために、ついかような不始末を生じたようなわけであります。当時も経済調査庁の方には絶えず監督をしていただいて、ほとんどしよつちゆう来て見ていただいておりましたし、また特に大阪はああいう土地柄でもありましようか、検察庁の方もかなりきびしい監視の目をつけておられたわけです。二十四年はたしか一度帳簿・書類等たいへん調べられたこともあります。そういうわけで、この経営の内容につきましては、かなり関心を払つていただいておるわけであります。これはまことに遺憾でございましたが、そういうわけでございます。特に大阪の経理部長は業界の出身の者ではございますが、非常に良心的なまれに見る人格者であります。その部下の中にかような事件が発生したということで、経理部長も非常に恐縮しておるようなわけでありますが、私どももその経理部長については満腔の信頼を払つてつたようなわけであります。また場所柄としましても注意を要するので、その経理部長も、絶えず非常に細心な監督の注意を払つてつたのであります。この点は、ほんとうに発生したことは遺憾でありますが、御了承願いたいと思います。
  70. 三宅則義

    三宅(則)委員 今度は、検査院下岡検査官にお願いかたがた御質問をするわけであります。私は先年大蔵委員会において会計職員に対しまする身分のことを審議いたしたのでありまして、上長長官にも責任があるという法律をつくつたわけでありますが、どうも考えてみますと、その担当者のみに責任があつて、上の方はほとんど無責任であるということになるわけです。謎責はせられるかもしれませんが、その講責せられた人が栄転するというような、考えてみますと、はなはだ常識を疑われるようなことが往々あるわけであります。一般の法人、個人等におきましては、むしろ上長長官が最後まで責任を負つておるわけであります。もちろん国家機関のことであり、また公団のことでありますから、最高の地位にあるところの総裁、副総裁が全部責任をとるというわけにはむろん行きますまいが、もう少し上の方に責任を持たせる方法はなかつたかどうか。これは、民間会社でありましたならば、相当上の方の人が責任を持つてやるわけでありますから、公団等におきましても、上の方の――たとえば各支所長であるとか、その次の人であるとかいうくらいの人が、当然責任を持つていいのであります。にもかかわりませず、ずつと末端の方の、虫めがねで見るような者が責任を負つて、上の方の人はてんとして恥じない。これが過去の国家経済あるいは公団等の経理に対する通有性であると思つている。これはまことにいけない法律、いけない制度であると思つております。会計検査院検査官といたしましては、その責任はむしろもつと上の方にも十分負わせるという方法を講じなければ、いつまでたつてもこれは直らないと思うのでありますが、検査官はどう思つておりますか承りたい。
  71. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 お答え申し上げます。上の方に責任があるということについては、これは会計検査院の各批難事項について、責任者はだれかということをみな検討いたしまして、――たとえば今おつしやつたように、支所長の責任などは、みな一応われわれの方で検討するのでありますが、法律上どうも結局責任があるけれども、このくらいの責任だということになりまして、ここで追究しない場合の方が多いのでございます。しかし予算執行職員等の責任に関する法律ですか、あれが一昨年から施行されましてから、今度の二十五年度の検査報告などは、よほど愼重に責任者を追究しておりますし、あれができて上の方の責任もよほど追究できるようになつたようでございますが、遺憾ながら過去においては、一応追究するにしても、その辺の根拠となるべき法律がありませんでしたので、どうもそこまで追究するということができかねておつたようでございます。
  72. 三宅則義

    三宅(則)委員 これは検査官の個人的意見でもけつこうですから、もし意見がありましたならば承りたいのですが、会計職員というものは、今までどちらかというと能率の悪い、あるいは頭の低い、と言つては失礼ですが、どちらかといえばレベルが上の方ではない者が会計職員であつた。会計職員こそ普通の人以上に重い地位につかせ、最も厳格な責任を負わせ、俸給のごときも一割も二割も高くていいと私は思うのである。ところがどこの官庁においても、どこの公団等におきましても、おそらく会計職員というものは、頭の切れない者がやる。頭が足りないということはないが、どちらかというと頭があまり活撥でない人がやつている。こういうおそれがあるのでありますから、官庁といたしましては、第一線に立ちまする会計経理職員は、優秀な、またへ格の高い者、相当信用の置ける者を置かなければならぬと思うのでありまして、俸給もむしろ一割、二割高くてもよいという考えを私は持つております。同時にまた、責任ある地位の、会計職員の中の部長とかあるいは課長等も、これと関連して相当責任を持つということになれば、自分の首が危ういから、そういう人にまかせておけないということになるわけでありますが、これに対して検査官はどう思つておりますか。もつと上の方に責任があるということを、十分認識してもらいたいと思いますが、どう思いますか。
  73. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 御趣旨はよくわかりました。ただいま会計職員の待遇のお話がありましたが、ちようど予算執行職員等の責任に関する法律のできるとき、何とか待遇をもつと一般職員よりもよくすることができないものかということを、私も個人としては相当努力したつもりでありますけれども、あの当時には向うさんなんかの考えもありまして、――アメリカでは会計職員というものは非常に地位が高いのだ、非常に地位が高いから、何もそんなに待遇をよくする必要はないのだ。だから今度の法律で地位を高くすれば、おのずから尊敬されるようになるじやないかというような、そんなことを言われまして、なかなか現実しなかつたような次第でございますが、私個人としては何とか地位を高めるようにしたいものだと念願しております。私どもよくわかりませんが、官庁の会計職員が、今三宅委員のおつしやるように、程度が低いとは必ずしも思つておりません。私直接関係はありませんけれども、なかなか優秀な方もあられるようです。ことに最近は会計職員の研修とか、あるいは事務に対する研究の態度なんか、非常にまじめになつて来られた。これは終戰直後と今は、大分事情が違つて来ておると思います。これは民間も同じことでございまして、終戰直後は民間の経理も大分乱れておつたようでございますが、それと同じような、いい方向にだんだん向つて行つでおるということは言えると思います。  それから上の方の責任の問題も、官庁の上の者は責任がないといわれますが、民間でも最近までは、小さな会社の重役なんかも、案外自分のところの経理などに至つてはわからない、民間の会社も終戰面後は乱れておつたようでございますが、最近だんだん改善されて来ております。これを両方比べるとすれば、官庁の方がルーズかどうか――通常官庁の方が無責任でルーズだと言われておりますが、これは方向としては会計経理はだんだんいい方向に向つておる。会計検査院不当事項というものがだんだんふえているということは、検査徹底ということによることが多いのでありまして、それでは会計経理がこんなに不当事項がふえているから、会計に関する汚職なんというものは、どんどん実際にふえているのかといえば、私はそうは思わないので、経理事務はやはり改善の方に向つておる、こう断言できるんじやないか、そう思つておるのであります。
  74. 大上司

    ○大上委員 三宅君から相当質問があつたので、二、三角度をかえてお尋ねいたします。  検査報告番号六七九号ですが、これを見ておりますと、昭和二十三年の四月に二十二年産のかんしよ五万一千貫余りを無断で加工した。が、その後政府から売渡しが受けられなかつたために留保した、こうなつております。そこでまず公団側にお尋ねしたいのは、留保せねばならぬところのへいわゆる政府から何か命令があつたはずです。どういうものがあつたのか、それをちよつとお尋ねしたいと思います。
  75. 渡邊五六

    渡邊説明員 それは事務連絡の不十分のために、先に正式なる許可を得ずに加工をいたしまして、正式手続が後まわしになつたために、処分をいたすことができなかつたということでございます。その間の詳細につきましては、実はその微妙なるところにつきましては、私は当時直接関係をいたしておりませんので、ただいまのお尋ねに対して十分なるお答えはできませんが、そういう正式払下げの手続がうまく参りません、そのためにぐずぐずして遅れてしまつたということに聞いております。
  76. 大上司

    ○大上委員 そこでいろいろ批難事項が出ていますが、私は逆にまた公団の方にのみ、あながち責任があるんじやない、政府それ自体または監督者等において、齟齬またはその他いろいろな支障によつて一定の実行する期間に間に合わなかつた等において起るんじやなかろうか。特に食糧というのは大体腐蝕しやすい、いわゆる腐りやすい、こういう性質を持つておる。鉱工品とはおのずから違う。そこで今度は政府当局にお尋ねいたしますが、この間のいきさつを政府当局からひとつ説明を、求めてみます。
  77. 高橋清

    高橋説明員 このいもの問題でございますが、御指摘のように、実は政府と公団との連絡が悪かつたのはもちろんでございますが、昭和二十二年のかんしよの出が悪く、愛媛から出たかんしよが遂に割当量に達しませんもので、昭和二十三年になつて出ましたのを処置いたした。従いまして二十二年と二十三年のものとの関連が確実についておらなかつたことも、私どもの一つのミスをするもとになつたと思うのであります。しかしこれは当時の事情といたしましては、香川の方では、輸送途中に香川に到達した際に、大阪の事情が悪くて、途中で加工をする方が早く食糧になるだろうということで、食糧公団が途中で政府に相談なくやつてしまつたというところに問題が出て参つたのであります。しかし食糧事情といたしましては、当時はそういうことも間々ございまして、両方唇歯輔車の関係で食糧の難関を突破いたしたのでありますから、食糧公団だけを責めるわけには参りません、私どもも責任がございますが、いずれにいたしましても、両者の間が確実に事務的に関連がついておらなかつたということが、この原因なつたわけでありまして、この点はまことに申訳がないと存じます。
  78. 大上司

    ○大上委員 もう少し掘り下げて聞いてみましよう。昭和二十二年産のかんしよ、五万一千貫を無断で加工したので、譲り受けられなかつた。そこで二十四年四月ごろになつて、二十三年産の一年前に入つて来たところの値段で売つたのでは、諸般の事情から見た場合に、当然公団としては赤が出るでしよう。それで金額自体をなぜ二十四年四月に至り、二十三年産のかんしよの価格で売つてつたのか、これを対象にしたのは、二十三年産のかんしよではなかつたにもかかわらず、一年間かんしよの価格それ自体がずれておる。それを政府自体からお尋ねしてみたいと思います。
  79. 高橋清

    高橋説明員 今ははつきりいたしておりませんが、二十三年に物が実質的に公団に行きまして加工されまして、その伺い出が二十四年に入りました際には、二十四年の処理をいたしませんと、会計上の処置として適当でないことになりますので、当該年度の処理をいたしたものと存じますが、なお書類を調べて御返答をいたしたいと思います。
  80. 大上司

    ○大上委員 そこで会計検査院にお尋ねしますが、ただいま高橋さんの御説明によりますと、いわゆる年度を追い越して参ると、その年度で買上げ、または売渡しをせなかつたら、会計法上ぐあいが、悪いということを特に発言があつたように思います。いずれ速記を調べましたらわかると思います。検査官並びに大澤局長もお聞きであつたと思いますが、その間は会計検査院としては、今日も院法といいますか、お取扱い上どうなつておりますか。
  81. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 本件の食糧配給公団といいますのは、二十三年の三月に、従来の食糧営団から改組されたと言つたら語弊がありますが、発足したわけです。二十三年産のほしかんしよというのは、いわば初めは公団の取扱い外であつた。でありますから、食糧庁としても公団に売渡しの手続はなかつた。いわゆる食糧庁保有のものを公団が保管しておつたという状態である。それを加工したわけです。それで今度値段がきまりましたのは、二十四年四月になつて売つたときの値段といいますか、食糧配給公団に食糧庁から売る値段は、二十三年産前のほしかんしよは幾らにする、こういうことで初めて食糧配給公団へ売る値段というものがきまりました。そのときは二十三年産も二十二年産も売るものは同じ値段で売る、こういうことになりまして、結局、二十二年産で売らざるを得ぬといいますか、当然告示からいいましても売ることになるというのが実情であると、当時の検査担当官から聞いて承知しております。これも結局先ほど大上委員の二十三年産で売るならば、そんなに損はなかつたのじやないかという御疑問でありますが、たしか二十三年産だけの公団へ売渡す価格というものがなくて、二十三年産以前と一緒に固まつて売り渡したものと記憶しております。しかしほかのものの売値からいたしまして推算してみますれば、二十三年産として売れば、公団としての損失はなくて済んだのではないかという概数は出ておると承知しております。
  82. 大上司

    ○大上委員 大澤さんにお尋ねいたしますが、これは私の聞き漏らしかもしれぬのですが、いわゆる六七九号が、二十三年三月に営団から公団に発足した当座である。そうなりますとこの二十三年の四月ごろ、ごろという言葉がありますが、これは三月かもしれません、三月の三日以前かもしれない。しかし常識から判断すると、これは大体無理した検査方法じやないかということを初めて私は発見します。ということは営団といたしましては検査対象外じやないかという考えを私は持つておるのです。営団の場合はおそらくどうなるかわかりませんが、営団または公団等においても検査対象になつておるならば、これはおのずから論は別ですが、営団の場合は、どうも会計検査院が御調査なさる対象外じやないかというふうに私記憶しておるのです。そうなると本件については、最初の起りがいわゆる批難事項として当然上るべき性質のものじやないと思うのですが、お教え願います。
  83. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 四月ごろ、といいますのは、はつきりしたことはわかりませんが、少くとも公団発足後であることははつきりしております。結局公団発足後にその品物、いわゆる食糧庁の品物を、発足した公団が営団から引継ぎまして保管しておつた。それを公団になりましてから加工したものである。結局公団検査をいたしまして、これがわかつたのでありまして、営団の方の書類その他は、先ほどからのお話にありましたように、検査院としては地方食糧営団は検査の対象外でありましたから、営団の書類は見ておらぬわけであります。すべてが営団から引継いだものでありましても、加工その他の処置公団発足後の処置であります。
  84. 大上司

    ○大上委員 ただいま私の質問に対して、高橋さんから将来調査の上で回答するという一項があるように思いましたが、これは次の機会に回答を待つて、さらに質問を続けたいと思います。  その次にひとつお尋ねしたいと思いますが、これは三宅君が相当聞いておりましたので、私は略してもいいのですが、その次の六八一号、この不正行為でございます。なるほどながめてみますと、非常に多い。特に金額を三十万円以上で切つたということもよく了承いたしました。なおこれ以外に百五十七件金額にして二百万円前後があるという御説明があつたのですが、そこで公団側にお尋ねしたいのは、会計検査院が御指摘をなさつた、いわゆる浮び上つたその以下のものが、まだあるはずだと、私は常識的に見て思うのです。大体そういう件数が幾らあつたか、これをひとつお尋ねしてみたいと思います。
  85. 渡邊五六

    渡邊説明員 職員の不正等の事故につきましては、公団だけで処理をしまして、会計検査院に御報告をいたさないという事件は全然ございません。全部大小となく、自転車一台盗まれたものでも御報告いたしております。
  86. 大上司

    ○大上委員 もう一つお尋ねしますが、いわゆる毎年度報告書が上つて参りますので、特に昭和二十四年度の決算報告書だけを対象にしてお尋ねすることは少し酷過ぎるとも思いますが、前段はこのくらいにしておいて、そこでこの二十四年度に上つておりますのは、肥料公団として見受けられるのが二件、飼料公団が五件、配炭公団は四件となつております。そのほかにもちよいちよいあると思いますが、このようにたくさんの不正行為が出て来ておるのは食糧公団だけだ。それはもちろん監督者の問題もあろうし、また職員の素質もあるだろうし、公団の大きさ、出張所等のスタッフによると思いますが、なぜこのように多かつたのか、結局はこの組織上よりも、監督者それ自体――公団の幹部といいますか、常識的に考えて重役級というか、理事級というか、これが職員それ自体を十分指揮し得なかつたのじやないか、無能者じやなかつたか、こういう感じを受けるのです。そこでその当時の公団の役員となぞらえるお方はどういうお仕事を現在やつておられるか、これを聞いてみたいと思います。
  87. 渡邊五六

    渡邊説明員 他の公団との比較におきまして、検査院の御指摘を受けました件数が非常に多いことにつきましては、ただいまお話のありました通りでございますが、それにつきまして、まことに弁明がましいことで恐縮いたしますが、他の公団との比較を私からも申し上げてみたいと思います。これは決してかように多いことが当然だと申し上げる意味ではございませんで、ただごしん上やくいただく意味におきまして一応申し上げます。  公団が十五団発足いたしました当時の状況――これは統計でなく私聞きましたことでありまするから、必ずしも正確ではないと存じますが、職員の数が、十五公団で当時十三万五千人というふうに聞いております。そのうち八万五千人が食糧配給公団で占めておつたのでございます。二十四年にはたしか八万七千人にふえております。かりに十二万五千人の人数が正しいといたしますと、そのうち八万七千人は食糧配給公団が占めておつた。また全国の事業所にいたしましても、これらの事故を発生いたしましたその事業所の数は、各府県に支局を持ち、その下部には御承知の配給所というものも、当時直営配給所が約一万ばかりございましたし、それから代位配給所と申しますものが約一万一千ぐらいあつたかと思います。そのほかたくさんの精米所もございます。貯蔵所もございます。それからまたその支局と配給所の中間には、支所あるいは地方事務所というような事業所も、たくさんに配置いたしております。八万七千人の職員がこれに従事いたしておつたようなわけで、また事業分量にいたしましても、一日の取扱い量が金額にいたしまして約十億円、年間二千六百億円ぐらいの事業をいたしておりました。かような点から――もちろん私ども当時からやはり理事の一人でございまして、その統率よろしきを得なかつたから、かような事件が起つたことには違いございませんが、この事件が発生を見たというわけでございます。この点は、他の公団との御比較をされる場合、一応お含みおきを願いたいと思います。  次に当時の職員は、今どういう状況にあるかというお尋ねでございましたが、当時の総裁は、前に農林省の役人をいたしておりました梶原茂嘉氏でございます。それから副総裁は、大阪の業界出身で公団設立以前は大阪の食糧営団理事長をしておつた方で、木谷久一氏でございます。この総裁、副総裁は、現在全国食糧事業協同組合の会長、副会長をいたしておりまして、やはり食糧事業には非常に盡力をいたしておるわけでございます。その下におきまして、理事者といたしましては総務局長を私がいたしておりまして、現在でも清算事務を専門にいたしておるようなわけでございます。それから経理局長は、本日ここに参つておりますが、やはり清算事務に專念いたして、最初から最後まで公団事務を処理いたしておるわけであります。そのほか業務の方では、最初は岐阜県の食糧営団理事長でありました小倉孫吉氏が配給務局長をいたしていましたが、中途でかわりまして、その下におりました業務第一部長の川田稔君が配給務局長になられまして、現在ではその局を廃止いたしましたので、公団整理事務には直接当つておりませんが、しかし陰に陽に協力をしておるわけであります。仕事といたしましては、やはり全国食糧事業協同組合関係の仕事をいたしております。そのほか、藷類局長は病気になりまして、目下静養中でございます。藷類局廃止とともに隠退いたしまして、病気を静養しておるというわけであります。澱粉局長は、これも澱粉局の廃止とともに局長を退きまして、その後清算事務に協力しておりましたが、現在では全然身軽になりまして、食糧関係から一応身を引いておるようなわけであります。また包装資材局長、これもやはりみな理事でございますが、包装資材局が廃止になりまして、藷類、澱粉、包装資材、この三局を統合して第二業務局というのを形成いたしましたが、この第二業務局長をいたしておりました。この第二業務局が昨年清算の中途で結了いたしまして、廃止になりました。それとともにやはり残務の整理に当つておるようなわけでございます。当時の理事者といたしましては、健在なる者は清算事務にまで残つて、みなこの跡始末に協力して参つたようなわけであります。
  88. 大上司

    ○大上委員 最後一つお尋ねいたします。よくわかりましたが、そこでお尋ねしたいのは、各公団の純欠損総額が会計検査院から昨年十一月三十日調べで出ている。当然本委員会決算報告書も来ておりますが、食糧配給公団で十七億円の欠損が出ている。この原因は大体いも類の腐敗であることは、われわれも前から調査書させていただいて了承したのですが、そこで期せずして検査報告番号六七九号も、金額は小さいけれども、また営団から移行した直後とは言いながら、やはりかんしよ類の扱い方によつて欠損が出ている。そこで政府にお尋ねするのですが、これは輸送、または認許可事務上の連絡等において、また法律上の欠陷のために生れたものか。そうじやなくて、さいぜんの渡邊さんのお話のように、八万何がしというようなたくさんの人間がおつたために、いわゆる公団内部の組織上から生れた連絡の不十分か、どちらが主たる原因か、これをまず第一点としてお伺いしたい。  その次にお尋ねしたい点は、その際に、この公団のいわゆるかんしよ等に対して使われた法律の名前を全部知らせてもらいたい。同時に法律的効果を有するところの省令、告示、事務規程、内部規程、あるいは通牒等の名目を知らせていただきたい。
  89. 高橋清

    高橋説明員 ただいまの御質問でございますが、第一点の、この原因はどこから来ておるかという御質問に対しまして、お答えを申し上げます。第一点のこの原因の探究は、簡單にはなかなか出て来ないと思うのでありますが、昭和二十二年産のかんしよの割当が完全に供出を終らなくて二十三年の二月になつて出たので――当時の昭和二十二、三年の交通事情なり、電話の事情なりは、御承知のように非常に円滑でなかつたために、連絡が不十分で、この点は非常に相済まぬことでありましたが、そういうことが私は物理的に不可能であつた原因だと思う。しかしながらその物理的な原因を克服するために、最高の努力をして、その上でこれを解決すべかりしものであることは、申し上げるまでもないのでありますが、当時の事情としては、一生懸命にやりましても、なかなか汽車にも乗れないし、電報、電話等も不完全な時代でございましたので、まず物理的な原因が第一等である、かように申し上げるよりはかなかろうかと思います。  それから第二点の、いろいろ資料の問題でございますが、あとで整理をいたしましてお出しをいたしたいと思います。
  90. 大上司

    ○大上委員 そうなると、もう一つ御質問せなければならぬことは、なるほど当時のことを思い出してみることにやぶさかでない、われわれもわかつておるのですが、さすれば昭和二十二年度のかんしよの供出が非常に遅れた。これについては運輸または電話、通信等にもいろいろ支障があつた。これはよくわかるのですが、そこでお尋ねしておるのは、いわゆる運営、計画、立案、実施等は一体どちらがなすつたのか。いわゆる政府側に責任があるのか、公団側に責任があるのか、その点をお尋ねしておりますので、ただいまの高橋さんの御説明では、單なる前段にすぎないのであつて、満足なる御回答とは認めませんから、さらにお尋ねいたします。
  91. 高橋清

    高橋説明員 回答が不満だというので、おしかりを受けましたが、それを先ほど来調べておりましたら、ちようど当時の電報案が出て参りました。これを一応申し上げますと、昭和二十四年の三月に、この不良いもの措置に対しまして、食糧公団に面接に売るいも粉は政府で買わない、それでよろしいという通牒が電報で出ております。従いまして、本件は当初大上委員からも示唆されたように、食糧庁の問題ということだけにはならないのでありまして、私はこの起案を見まして、食糧事務所が正確に割当の期間に割当のものを、公団に引渡さざりしことの遺憾の点もございますが、出ましたものをただちに加工をしまして、物の存在がどこにあるかがはつきりしなかつたような形にいたしておいた点では、私どもだけの責任だとは考えておらないのであります。  さらに先ほど調べましてと申し上げました価格の問題でありますが、これはいも粉でございましたので、二十三年のいも粉というものは、二十四年にも同じ値段で売却をしているように書いてございますので、御了承を願いたいと存じます。
  92. 大上司

    ○大上委員 これもまたわかつたようでわからぬのですが、いずれこの問題等は、さらに留保事件になるのではないかと思いますので、一応打切ります。  最後にお願いしたい点があります。資料の要求ですが、まずこれは公団清算執行庁の大蔵省にお願いしたいのです。  まずこれを進める上において、今日まで会計検査院から公団のいわゆる検査報告についてというような一つのパンフレットはちようだいし、われわれ非常に参考になつたのですが、現在清算を執行中のものにおいて、こういう点が非常に清算するのに支障がある、こういう既存の法律があるので、これが非常にしにくいというような法律の名前、現在全部生きておる分でけつこうですから、それを出していただきたい。  次にもう一つ資料としてお願いしたい点は、各公団ごとにおける清算事務完了のもの以外の、現在も清算続行中のものも、なるべく今日に近い年度の試算表と申しますか、貸借対照表というか、そういうものをちようだいしたい。それだけをお願いしておきます。  それを二つだけお願いしておいて私の質問を打切ります。
  93. 中垣國男

    中垣委員長 本日はこの程度とし、次会は二月十三日午後一時から開会し、大上委員の質問を留保された部分及び肥料配給公団、飼料配給公団食料品配給公団について審査の予定であります。  これにて散会いたします。     午後四時五分散会