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1952-06-10 第13回国会 衆議院 経済安定委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十日(火曜日)     午前十一時二十六分開議  出席委員    委員長代理 理事 永井 英修君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君       有田 二郎君    岩崎 與助君      小野瀬忠兵衞君    田中 萬逸君       圖司 安正君    福田 喜東君       渕  通義君    細田 榮藏君       村上 清治君    笹山茂太郎君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     横田 正俊君         総理府事務官         (公正取引委員         会事務局総務部         長)      古内 廣雄君  委員外出席者         專  門  員 圓地與四松君         專  門  員 菅田清治郎君 六月十日  委員森曉辞任につき、その補欠として田中萬  逸君が議長指名委員に選任された。 同日  委員田中萬逸辞任につき、その補欠として森  曉君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  事業団体法の一部を改正する法律案内閣提出  第一六七号)     —————————————
  2. 永井英修

    永井委員長代理 これより会議を開きます。  前会に引続き、事業者団体法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては、前回の委員会におきまして一応質疑を終了し、自由党多田勇君より修正案提出され、その趣旨説明も終了しておりますので、本日はただちに本案及び修正案一括議題とし、討論に入ります。討論通告順にこれを許します。多田勇君。
  3. 多田勇

    多田委員 ただいま議題となりました政府提出事業者団体法の一部を改正する法律案並びに議員提出にかかる事業者団体法の一部を改正する法律案に対する修正案に対し、自由党を代表して賛成意見を申し述べます。  事業者団体法改正問題は、本法昭和二十三年六月の第二国会に提案されたときから始まつていると言つた方が正しいかと思います。当時団体法の審議中にも、独禁法があればその拡張補完立法たる本法は不必要であり、特殊性を持つわが国経済実態に沿わず、中小企業を圧迫する結果をもたらすものとして論難されたものであります。それだけに本法が二十三年七月に実施されて以来四箇年を経過した今日、その制定の当初においてすでに問題となつておりました点、すなわち日本経済実態に沿わないものがある点が認められて、政府から改正案提出されるに至つたことはまことに当然のことであります。けれどもここに至るまでには、国際的な諸情勢に制約されて、四箇年の日時を要し、平和条約発効の今日に至つて、ようやくこの程度改正をなし遂げ得たものであることを忘れたくないのであります。政府改正案では、第二條定義條項適用範囲を限定し、事業者共同金業体である会社などを本法適用から除外して、本来の事業者団体である産業団体同業組合のみを本法対象としたことは、当然のことではありますが、大きな前進であります。さらに第四條の許容活動條項例示條項に改めて、第五條禁止行為條項との間に、従来とかくの論議をかもしていた中間領域の問題を取除き、さらに公正取引委員会認可行為をも削除して、第五條禁止行為以外はすべて自由としたことも妥当な措置であります。また第五條禁止行為條項から、公正かつ自由な競争の秩序を直接侵害するおそれのない行為規定を削除したことも、一歩前進と言えるのでありますが、これだけでは団体法改正独禁法保護法益と一致さすべきであるとの考え方からは、必ずしも満足できないのであります。  そこでこれらの点を改正する目的をもつて提案されたものが、政府案に対する議員提出修正案だと思うのであります。この修正案には、昭和二十五年の第七国会以来、本委員会に設置されて来ました事業者団体法に関する小委員会並びに事業者団体法等経済法令に関する小委員会の成果が盛り込まれているので、ただいまの段階でなし遂げることができる最大限の修正であると思われるのであります。この修正によつて政府案による改正にさらに一歩を進めていることは、きわめて妥当の措置として賛成できるのであります。すなわちこの修正案は、第二條定義條項において、共通の利益を増進することを主たる目的とするもののみを本法対象とするように、事業者団体定義にさらに限定を加え、第五條禁止行為條項においては、独禁法保護法益と一致させるために、独禁法保護法益以上に拡大している條項に緩和を加え、予備予防段階行為営業行為を削り、第六條においては適用除外団体届出義務を廃止したことは、小委員会数箇年の努力を生かし得たものと言えるのであります。この意味において、私は修正案並び修正案を除く政府原案賛成するものであります。  ただ、最後に一言申し述べておきたいことは、わが国の当面している最近の諸情勢は、団体法並びにその母法である独禁法を、本質的に再検討すべき時期に到達しているということであります。団体法改正は、今回をもつて終りと思いますが、引続いて団体法の廃止を含めた独禁法改正が、近い機会に当然登場すべき段階だと思うのであります。われわれも十分検討を加えるつもりでおりますが、政府においても、この点に留意されて、すみやかにこれらの経済法規の再検討にとりかかられるよう希望してやまないのであります。  以上をもつて私の賛成意見を終ります。
  4. 永井英修

  5. 笹山茂太郎

    笹山委員 ただいま議題となりました政府提出事業者団体法の一部を改正する法律案及びこれに対する議員提出修正案に対しまして、改進党を代表しまして意見を表明するものであります。  まず、議員提出修正案に対しまして賛成するとともに、修正條項を除く政府原案に対しまして賛意を表するものでございます。このたびの改正によりまして、従来業界各方面から要望されておりました適用団体範囲について、同業組合あるいは純然たる産業団体にこの適用範囲を限定しまして、会社等営利団体を除外したことは、産業界の活発なる活動を促進する点から考えまして、まことに機宜を得たことと存ずるのでございます。  もともとこの法律は、わが国経済民主化を急ぐのあまり、日本経済実情に適しない制度を相当包含しておるのでございまして、制定以来漸次改善されて来た点は認めるけれども、主たる目的であるところの零細事業家共同活動、すなわち協同組合によらざるこれらの中小企業家活動が、この法律のために相当制限せられて来たことはいなめない事実であると思う。これらについてはさらに実情に沿うように、今後、改正せらるることを要望するものであります。さらにまた今回の改正によつて、従来の規定にある許容活動あるいは要認可行為及び禁止行為が、相錯綜して難解をきわめ、当業者をして適従に混迷を感じさせた点が相当あるのでございますが、今回の改正によりまして、若干改善せられた点はありますけれども、われわれの希望としましては、さらに一歩を進めまして、この許容活動を單なる例示規定とすることなく、この規定全部を削除しまして、禁止規定との紛淆のなきように、明確な線を引いていただきたいと存ずるものでございます。  以上をもつて私の賛成意見とする次第であります。
  6. 永井英修

    永井委員長代理 これにて討論は終局いたしました。  これより事業者団体法の一部を改正する法律案並びに本案に対する修正案一括議題として採決を行います。その採決の順序は、まず多田勇提出による修正案採決いたしました後、原案について採決いたします。  まず多田勇提出による修正案採決いたします。本修正案賛成諸君起立を求めます。     〔総員起立
  7. 永井英修

    永井委員長代理 起立総員。よつて修正案は可決いたしました。  次に、ただいま修正を決しました部分を除く原案について採決いたします。ただいま修正を決しました部分を除く原案賛成諸君起立を求めます。     〔総員起立
  8. 永井英修

    永井委員長代理 起立総員。よつて本案修正議決せられました。  なお本案に対する委員会報告書の作成は、先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 永井英修

    永井委員長代理 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三十六分散会