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1952-03-18 第13回国会 衆議院 経済安定委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月十八日(火曜日)     午前十一時四分開議  出席委員    委員長 前田 正男君    理事 志田 義信君 理事 有田 喜一君    理事 中崎  敏君       岩川 與助君   小野瀬忠兵衞君       圖司 安正君    奈良 治二君       福田 喜東君    細田 榮藏君       苫米地英俊君    村上 清治君       横田甚太郎君  出席政府委員         経済安定政務次         官       福田 篤泰君         経済安定事務官         (産業局長)  近藤 止文君  委員外出席者         経済安定事務官         (産業局産業政         策課長)    樋詰 誠明君         専  門  員 円地与四松君         専  門  員 菅田清治郎君     ————————————— 三月十八日  国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時  措置に関する法律案内閣提出第八一号) 同月七日  石油統制撤廃に関する請願(江崎真澄君紹  介)(第一一九七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時  措置に関する法律案内閣提出第八一号)     —————————————
  2. 前田正男

    前田委員長 これより会議を開きます。  本日は、ただいま委員会に付託となりました、国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時措置に関する法律案議題といたし、まず政府より提案理由説明を求めます。福田経済安定政務次官。     —————————————
  3. 福田喜東

    福田政府委員 ただいま議題となりました、国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時措置に関する法律案の、提案理由について御説明申し上げます。  終戰後物資需給が、きわめて逼迫していた昭和二十一年に、臨時物資需給調整法が制定せられ、重要物資需給を調整し、産業回復をはかつて来たのでありますが、貿易規模の拡大と産業の復興に伴い、漸次物資需給状況は緩和して参りましたので、割当配給統制もその大部分を撤廃して来たのであります。しかるに朝鮮事変の勃発に伴う国際情勢緊迫化と、海外諸国における軍備の強化は、重要物資国際的需給の逼迫を招き、国内資源に乏しく、重要原材料の多くを海外に依存しなければならないわが国における物資需給状況にも、軽視し得ない影響を及ぼすに至りました。この間、昨年二月には国際原料会議が設立せられ、国際的供給不足物資生産増加消費節減、及び公正な国際的配分各国政府に勧告し、わが国もすでにこの勧告を受けております。また、米国を初めとして各国とも、国際的供給不足物資国内統制及び輸出統制を漸次強化し、これらの物資輸入国においても、輸出国におけると同様の消費規正を行うことを要請しているのであります。  わが国はすでに国際原料会議各種委員会に参加し、国際的供給不足物資消費節減と、公正な配分に協力しているのでありますが、これがためには、国内においても国際的供給不足物資割当使用制限等措置をとり、消費規正を強化することが必要であります。なかんずくわが国資源がなく、大部分輸入に依存しなければならない物資については、その消費規正を強化しなければ、輸入をすることも困難な状況であり、国内における在庫も漸次枯渇し、需給もきわめて逼迫して参つておりますので、需給調整措置を緊急に行う必要があると考えております。  右のような事態に対処して、国際的供給不足物資需給を調整するとともに、その供給不足が、国民経済の正常な運行に、重大な支障を及ぼすおそれのあるような、特に重要な物資についても、緊急に需給調整措置をとり得ることとし、もつて国民経済の健全な発展をはかるとともに、あわせて国際的物資下足状況を緩和し、国際経済の円滑な運行に寄与するため、この法律案を提出する次第であります。  なお、臨時物資需給調整法は、主務大臣命令に委任する範囲が、きわめて広くなつておりましたが、かかる広汎な権限はすでに必要がなくなりましたので、本年四月一日をもつて失効させたいと考えております。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださるよう、お願いする次第でございます。  なお資料説明につきましては、近藤局長より説明いたさせます。
  4. 前田正男

    前田委員長 次に補足説明を、政府委員より求めます。近藤政府委員
  5. 近藤止文

    近藤(止)政府委員 ただいま政務次官から、国際的供給不足物資等需給調整に関する臨時措置に関する法律案の、提案理由の御説明を申し上げましたが、これに関連したしまして、お手元に差上げてございます資料につきまして、多少具体的の問題につきまして、御説明を申し上げたいと存じます。  ただいま提案理由で御説明を申し上げましたように、臨時物資需給調整法は、昭和二十一年の制定でございまして、きわめて臨時的な立法といたしまして、その有効期限は一年ごとに更改されて参りまして、本年の三月三十一日をもちまして、現在の法律が失効することに相なつておるのでございます。その間に統制をいたしました物資は、非常に広汎にわたつておりまして、特に経済回復、安全ということのために、供給不足する物資につきましては、すべて省令の手続によりまして、その割当配給あるいは制限禁止等措置が行われたのでございますが、その後逐次経済回復に伴いまして、統制をいたしております物資範囲が、だんだんつぼまつて参りまして、現在におきましては、お手元資料といたしまして、臨時物資需給調整法に基く現行命令一覧表、それから臨時物資需給調整法に基く割当配給統制物資一覧表というものが差上げてございますが、一時に比べますと、その品目の数も非常に少くなつております。かつ現在におきましては、規則上一応品目指定がございますけれども、すでにその統制を停止いたしておりますものが相当多数にございまして、現在割当配給を行つております物資は、指定生産資材といたしましては、石油関係ニツケルコバルト、それからソーダ灰及び苛性ソーダ用の塩、燐鉱石カーボンブラツク石綿、この程度のものが現在割当配給対象なつておりまして、また指定配給物資の方におきましては、砂糖業務用の酒、医薬品石油及び石油製品、こういうものが統制対象なつておるのでありますが、これらの品物のうち、今後におきましてもなお統制を継続することを必要と思われます物資は、先ほど提案理由説明のときに申し上げましたように、国際割当物資あるいはアメリカにおける輸出制限物資、そういつた品目につきましては、なお需給関係相当逼迫いたしておりますし、これを輸入に仰がなければなりません情勢簡單には解消いたしませんので、継続いたす必要があると思われるのでございますが、石油、それから塩あるいは燐鉱石あるいはカーボンブラツク石綿の類、それから配給物資といたしまして、砂糖業務用の酒あるいは医薬品、同時に石油製品、こういつたものにつきましては、今後なお相当期間にわたりまして、統制を継続するという必要性が、現在においてはなくなつて来ておると考えられるのでございまして、そういう観点から従来の臨時物資需給調整法といつた意味法律は、これをこの際廃止いたしまして、新しい情勢に対応いたしました新規な法律をこの際立法いたしたい、かつこの新しい法律におきましても、実はこれはどこまでも臨時措置といたしまして、これを規正して参る考えでございまして、單に新法におきましても、法律有効期限はこれを一箇年に限定することにいたしておりますし、また新しい法律におきましては、その需給調整いたします対象となります品目につきまして、これをできるだけ狭い範囲に限局をいたしまして、従来のように供給不足する物資であれば、すべて統制対象になるというようなことをいたしませんで、できるだけ局限された範囲物資について需給調整を行い得ることにいたしますし、また同時に割当配給というような、相当細目にわたりまして嚴格統制の行われる物資につきましては、これを法律別表に掲上いたしまして、それらの品目を追加いたします場合におきましては、法律改正手続を要するということにいたしまして、広範な権限を委任するという形を避けた次第でございます。従いまして新しい法律対象なつておりまする品物は、第一が、先ほど提案理由説明にございましたように、国際的な——現在国際割当物資と申しておりますが、国際原料会議におきまして、日本輸入なりあるいは輸出につきましての割当を受けております物資、これが第一の範疇のものでございます。  それから次には、日本における生産がきわめて少うございまして、どうしても外国から輸入をしなければならぬ、しかもその輸入する場合におきまして、相当強力に輸入要請をいたさなければ、国内に入つて来る見込みがない、そういつた関係から、同時に輸入は認めるけれども、その入つて来ましたものについて、それが不要不急用途に流れることを防止するというような厳重な条件がついて参りますような物資、これはアメリカにおきまする ○IT物資輸出制限物資、こういう物資につきまして需給調整をいたす、それからもう一つ、これは必ずしも国際割当物資なりOITの範疇には入りませんでも、国内供給が非常に不足いたしまして、その需給調整措置をいたしませんような場合におきましては、国民経済の正常な運行に著しい支障を生じますばかりでなく、公共の利益をも阻害するというようなおそれがありますものにつきまして、この需給調整措置をいたすということにいたしておるのでございます。しかもその場合におきまして、割当配給まで持つて参りますものはすべて法律別表に掲げますし、制限禁止程度のものにつきましては、こういつた物資範囲をしぼりまして、これを臨時措置として実行して参る、こういうように、法律におきまして規正をいたします対象を局限いたした次第でございます。こういう立て方にいたしまして、しからば今後におきましてどういつた物資につきまして、制限あるいは禁止、あるいは割当配給を行うかと申しますと、さしあたり割当配給を実施いたそうと考えております品物は、法律別表にございますように、ニツケルコバルトタングステンモリブデン、白金、この五品目を、さしあたり割当配給対象品目に予定いたしております。これらの品目のうちで、使用制限をこれに伴いますものは、ニツケルコバルトタングステンモリブデン、こういつたものを予定いたしておりますが、そのほかにも先般来いろいろ問題になつております銅製品製造制限、つまり奢侈的な品物ぜいたく品に類するようなものにつきましての製造につきまして、これを制限するという措置を実施して行かなければならぬかと思つておりますが、現在のところでは、大体そういつた品目を予定いたしておりまして、従来割当配給なり、あるいは制限を行つております品目につきましては、さしあたりのところといたしましては、これをこの法律によりまして規正をいたす必要がないのじやないかというように考えておる次第でございます。従いまして臨時物資需給調整法は、この三月三十一日で法律が失効いたしますので、その際に現在実行いたしておりますこの割当配給措置が、解消いたします品目相当多いのでございまして、あるいはこの新しい法律附則に、過渡的に、経過的な措置を要する品物につきましては、一応従来の物調法を六月三十日まで有効にいたしまして、その期限を三月延ばすようにいたす附則経過規定がございます。これはたとえて申しますと、砂糖統制は四月一日からこれを撤廃いたすわけでございますが、現在砂糖につきましては、家庭用切符を発行いたしておるものがございまして、これが四月一日から全部この規則が無効になるということにいたしますと、現在家庭に配つております切符の中で、現物化をいたしませんものが出て来るおそれがございます。そこで家庭用砂糖につきましては、価格の問題も実はきまつておりますし、いわゆる自由市場におきまして買いますよりは安い公定価格で手に入れることができますし、またある地区消費者がこれを現物化いたし、また他の地区では切符配給その他が遅れました関係で、現物化ができないというようなことがありますと、非常に不均衡を生じますので、こういつたものが、一応家庭に配りました切符現物化するまでの期間、従来の物調法の効力を有効に残しておこう、こういつた趣旨で経過的の規定を置いておるものがあるわけでございます。その経過的の措置をいたしております品物は、附則の第三号に列挙してあるのでございますが、ただいま申し上げました砂糖需給調整規則関係、それから規則の名前がたくさん並んでおりますが、品目といたしましてはガソリン、燈油、軽油、重油という石油製品の中で、現在統制の残つております品目につきましては、これらのものはなお三箇月間の有効期限を付しまして、六月一ぱいでこの統制がおしまいになる、この関係は現在すでに第一・四半期割当をいたしておりまして、その割当によつて現物化をいたします期限が六月一ぱいまでございますので、その経過的な意味におきまして、これを有効にいたしたわけでございます。  それからそのほかにくす使用制限規則というのがございますが、これはくすの木をしようのう用以外に使うことができない。現在しようのうは専売品なつておるのでありますが、くすの木を伐採いたしましてこれを他の用途に充てるということを制限いたしまして、すべてこれはしようのう製造用に充てなければならぬ。天災地変その他の場合を除きましては、そういつた制限を現在やつておるのでございますが、この関係専売公社の方におきまして、現在くすのしようのうの専売の問題につきまして、根本的な考え方をいたしておられるようでございますので、その成案ができますまでの間、一応くす使用制限規則というものを残しておく、つまり六月末まではこれを残しておくということであります。  それから外国自動車譲受規則というのがそのほかに載つておりますが、これはいわゆる輸入中古自動車譲受けの問題でございまして、これは一—三月、つまり第四・四半期における外貨資金割当を現在定めておるのでございます。その為替資金関係は、六月末までその資金割当が有効ということになつておりますので、その有効な外貨資金関係だけを六月末まで延ばして行くというような経過規定を置きまして、いずれも新しい法律の方には乗りかえずに、従来の物調法によりましてこれを処理いたすということにいたしておるわけでございます。そういつたことで、大体臨時物資需給調整法関係の法令を整理いたしました。そうして現在新しい要請に基きまして需給調整措置を必要といたしますものを、新しいこの国際的供給不足物資等需給調整臨時措置に関する法律案に盛り込むことにいたした次第でございます。  なおそのほかに、お手元に「昭和二十七年度重要物資生産見透し」という表を差上げてございますが、これは大体二十五年度の実績、二十六年度の実績等に比べまして、二十七年度がどのくらいの生産見通しになるかという作業の結果をお目にかけた次第でございまして、この見通しから参りますと、大体二十六年度の生産実績に比べまして、平均して七、八%の生産増という結果になるわけでございます。電力あるいは石炭、あるいは石油関係、そういつたいわゆる動力源不足の問題がありますけれども、現在の供給見通しから参りますと、重要物資生産はその程度まで伸び得る可能性があるように思われるわけでありまして、従来物調法によりまして相当嚴格統制をいたしました品物も、今後におきましては大体需給のバランスがとれるものと考えられるわけでございます。御参考までにこういつた資料をお目にかけた次第でございまして、なお御質問によりましてこまかい点その他をお答え申し上げたいと思います。これで一応補足説明を終ります。
  6. 前田正男

    前田委員長 これにて政府説明は終了いたしました。横田委員より議事進行に関し発言を求められておりますので、この際これを許します。横田君。
  7. 横田甚太郎

    横田委員 本法案審議日程を承りたいと思います。
  8. 前田正男

    前田委員長 日程につきましては、先ほどの理事会におきまして、本案に対する質疑はあす午後一時より及び明後日の午前十時より行い、その間さらに必要があれば委員会を開くことにいたしますが、一応その程度質疑をいたしまして、来る二十五日の火曜日の午前十時より討論採決に入るというような申合せをいたしました。一応お答えを申し上げます。
  9. 横田甚太郎

    横田委員 委員長に伺いたいのですが、委員長定足数について一体どういうようなお考えを持つておられますか。
  10. 前田正男

    前田委員長 この問題につきましては、従来の慣行によりまして、各党から御了解がありましたならば、定足数関係なく、定足数があつたものとして委員会を開いております。
  11. 横田甚太郎

    横田委員 それはなじまなくともよい過去の慣例によくなじまれた委員長は、紳士であることはよくわかりました。そのわかつた結果として出来ました紳士が判断しました委員会は、日本の現下の国民から見たときに、非常に物笑いの種になつているということについて、ただの一回でも新聞なり雑誌なりを読んで、悩まれたり考えられたりしたことがありますか、ありませんか、ということを伺いたい。
  12. 前田正男

    前田委員長 私といたしましても、極力国会議員立場から、国会を尊重して、議員の方がその本分に励んでいただきたいというふうに常に考えておるのでありまして、われわれ委員会を開きますときには、昨日も全委員事務局より電話でもつて御通知をお願いし、できるだけ御連絡を申し上げておるような次第であります。
  13. 横田甚太郎

    横田委員 議員は大体議会へ来るのを欲しておるのですよ。さればこそいつあるかわからぬところの選挙に備えて、外で事前運動をやつておるのです。選挙運動をやるということは、すなわち議会へ来たいからやるのです。ところが議会に来ても議案がなかつたら議員は何をするのかということになる。そこでこの委員会だけにしぼつてお尋ねいたしますと、臨時物資需給調整法というものはこの月一ぱいで終るのです。そうすると、これに対しましては野放しの統制撤廃はできない。自由党のほらを吹かれた自由経済そのままをやることもできないから、法的に何か処置を講じなければならない。としますと前回の委員会は、私の記憶に間違いがなかつたら、たしか二十七年の二月二十八日に終つておる。それから今日まで二十日以上ある。去月散会したその二十八日に、私は、やがてこの法案が出るのだから、可及的すみやかに資料委員手元に渡すようにということを言つておいたはずです。ところが私は専門委員室に参りましても、経済安定の政府委員室に参りましても、資料という資料はほとんどない。そうすると議会へ出て来るということは遊びに来るという結果になる。しかたがなるからみな帰るのです。議員資料につられ、法案につられて、審議したいがためにここに来るのです。ところが資料がない。なぜ出せる資料を出さないで今日まで放つておかれたか。特に経済安定委員会に出ておるところの経済安定本部役人たちは、頭脳的な公務員だといわれておるが、その人たちはどうも資料の出し惜しみをする。しかも委員長が先に申されました十八日に委員会を開いて、十九日と二十日に質問をやりまして、二十五日に討論をする。これは既定の事実であつて、これを延ばすことは、実に吉田さんに自由党の解散を承認させるようなものであつて、とてもできるものではない。なぜ議員になるたけ法案を知らせないというところに押し込むのですか。そこで私は委員長に聞きたい。政府役人——次官もおられるけれども、なぜ資料をこういうふうにおそくまで出されなかつたかということについて詳細に説明してもらいたい。私は前のときにも資料については申し上げたはずです。
  14. 前田正男

    前田委員長 お答えいたします。本法案につきましては、われわれの方、また政府与党立場からいろいろと研究いたしておりましたが、結論を得るまでに相当の時間がかかりまして、ようやく昨日おそくなりましてから関係方面了解を得て、本日開会前にやつと上程できたというようなことでありまして、それまでの間に十分の準備ができなかつたことを非常に残念に思つているわけでございます。従いまして先ほど申し上げました通り、初め私が考えておりました日程通りには進まないというような理事会のお話もありまして、二十五日に討論採決をするというふうに少しく延期をいたしたわけであります。
  15. 横田甚太郎

    横田委員 そういたしますと、私たちの党は、自由党のように陰険な特審局を持つていないので、今委員長が言われた自由党党内事情のことはわからないとしておきませう。だからこの点についてはとやかく言わないが、二十五日の討論採決ということになるのですね。
  16. 前田正男

    前田委員長 はいそうであります。二十五日の午前十時から討論採決いたしたいという予定であります。しかし理事会申合せでありますから、さらに申合せで変更することもあると思いますが、現在のところは二十五日の午前十時からやるという申合せなつております。
  17. 横田甚太郎

    横田委員 その点についてはきようはあつさりしておきますが、こういう点について伺つておきたいと思います。この法案は非常に重要なんです。なぜと申しますと、戰争中に統制の結果だれがいためられたかということを考えていただきたい。まじめな国においては統制とか配給とかいうものは、多数者の生活を保護いたしまして、少数表の不当な利得を押えて、健全な国をつくるのがその統制配給の使命であつたにもかかわらず、日本統制配給は逆でありまして、一部の富をふやすがために多数者を困らしておる、強奪している、盗んでいる人たちを保護するために統制が行われた。だから非常に不可解なんだ。今度も砂糖の問題が出たんですが、砂糖の例をとりますならば、ことしの正月におそらく委員長は東京の百貨店へ行つて見られたと思う。そのときには町には砂糖を買えない大衆がたくさんいる。しかも配給砂糖も買えない大衆があるにもかかわらず、百貨店砂糖の売り場は品切れなんです。いわゆる社用族公用族というような手合いの家の台所には、砂糖の洪水であります。あるいはあんたたちがとりました経済安定本部関係のいろいろの問題のうちにおいても、石油統制撤廃は非常に大きな問題になつている。こういうような問題は十分に時をかせいで、自由なる判断のもとに私はやられるべきものであると思う。弾圧法規なんかに対しまして、非常に血道を上げて論争いたすような傾向がありますけれども、その弾圧の基礎になるのは、経済的な配分がうまく行かないから起ると思う。ことの原因に対しては素通りだ。皆が困つているにもかかわらず、困つておらない人たちがますます困らないような結果になつて行つて、多数者を既得権のもとに押えつけようとするところに問題がある。だから今度の場合は十分に審議をやりませう。  最後に委員長に要求しておきたいと思うのです。それは「世界」四月号に、清水さんという日本良識者が書いている言葉があります。「そこで、私は国会速記録を取寄せて読んでみました。簡單新聞記事でも窺はれることですが、速記録を読んでみて、全く想像以上であることに呆れました。野党の議員の真面目な質問にも拘らず、政府の答弁は、申合せたように、冷淡なものであります。曖昧なものであります。不真面目なものであります。鼻の先であしらふやうなものであります。せせら笑つてみるやうなものであります。胡麻化しであります。嘘と思ふ人は、どうか、速記録を読んでみて下さい。彼等は、八千五百万の日本人の生死に関する問題、この日本の独立に関する問題を廟笑を以て遇しています。これを読んで怒らない日本人がいるでせうか。」というのが国会のありさまなんで、この現状をはつきり見て、日本のこの現状をなくするためには——いかに自由党に所属しておろうとも、委員長相当の覚悟を持つて委員会の運営をやつていただかない限りにおいては、治安費を幾ら組んでも、結局自由党の政権の崩壊は早いということになつて来る。この点は十二分に御考慮を願いたい。われわれの意見というものは、外で国民よりたくさん聞いて来るのです。その聞いて来たものをそのままあれしたのでは、普通の立会演説会みたようになつてしまう。そういうわけに行かないのが議会制度です。たとえば私が聞いて来た農業問題を、この経済安定委員会に持つて来たら不似合いなものになつて来る。法案は可及的すみやかに出していただかない限り、外から得て来た民衆の感覚とは非常にずれて来る。その点をうんと考慮してもらいたい。こういう意味合いから重ねて申しますが、今後はもつと資料は早く出していただきたい。そして今度の法案の出し方は非常にふまじめであつた、意地悪であつたということをまず御承認願いたい。これだけをもう一回尋ねておいて委員長の答えによつては再び質問いたします。
  18. 前田正男

    前田委員長 御意見にわたることは聞き置くことといたしますが、議事進行に関する問題については、御希望に沿うようにできるだけ善処いたしたいと思つております。この法案の提案については、われわれ極力急いで提案するように努力いたしたのでありますが、先ほど御説明いたしましたようなことで、やつと間に合つたような状態であります。その点は先ほども申し上げましたように、理事会申合せで初めの予定を幾らか延ばしたいと思つておりますから御了承願いたいと思います。
  19. 横田甚太郎

    横田委員 極力お急ぎになつた結果がこうなつたのですか。
  20. 前田正男

    前田委員長 そうです。
  21. 横田甚太郎

    横田委員 そうするとこれよりもつと悪い場合があるわけですね——今後はこれより悪くなることは排除していただきたい。三月末になつて失効になるようなことにでもなつたら、それはまつたくあなたのところの怠慢であつて法律がないということは政府自体が責任を負うべきであつて、野党が責任を負う必要はない。
  22. 前田正男

    前田委員長 もちろんその通りでありますので、われわれとしては最善の努力をいたしまして、ようやく本日提案に間に合つたような次第でありますから御了承願いたいと思います。
  23. 中崎敏

    ○中崎委員 関連して……。これから安定本部でこの国会中に提案されようとする法律案を、わかつている範囲で御説明してもらいたい。
  24. 福田喜東

    福田政府委員 すでに本委員会で上りましたものには、御承知のようにポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く経済安定本部関係命令措置に関する法律案があります。なお外資に関する法律の一部を改正する法律案、これは今司令部と折衝中でございます。これはなるべく早く急いで許可をとるようにいたしたいと思います。それから国土総合開発法の一部を改正する法律案、これも急いで提案いたしたいと考えております。なおそのほか物価庁関係経済安定本部設置法の一部を改正する法律案も今準備をいたしております。それから御承知のごとく電源開発促進法案につきましても、いろいろ多角的な折衝が行われておりますが、今いつごろということは申し上げかねます。これらの諸法案につきましては、なるべく早く提案いたしたいと思つております。
  25. 中崎敏

    ○中崎委員 先ほど共産党の委員から発言がありましたように、資料はなるべく早く出してもらいたい。そうして自由党党内事情もあり得ると思うのですが、そうした問題を乗り越えて、国会国会立場においてわれわれ審議しなければならないと存じますので、そうした問題があつてもこれはひとつすみやかに解決してもらつて、また場合によつてはそういう問題とは関係なく、政府政府独自の立場においてすみやかに法案を整備してもらつて、そして資料等もなるべく早目にやつてもらわぬと、実際の審議の上に幾多の障害があると思うのです。ことに電力関係法案は、日本経済に重大な関連のある問題でありますので、ひとつ早急にこれらの資料、あるいは具体的な法案を出してもらわぬと、またそれぞれ選挙にあまり気を配つて審議が遅れたら、重大な法案がおろそかになることは非常に遺憾だと思いますので、十分その点は御考慮願いたいと思います。
  26. 前田正男

    前田委員長 今の中崎さんの御希望に対しまして、委員長もできるだけ努力いたしたいと思います。
  27. 横田甚太郎

    横田委員 電源開発法案経済安定委員会に出るのですか、通産委員会に出るのですか、これがはつきりしないのですが、高橋通産相はばかの一つ覚えのように、本会議でも、電力の統制問題を聞かれたり、停電問題を聞かれたりすると、その点は通産省の関係じやない。——ある専門員に聞きますと、これは通産委員会へ出るのだということを言つておりますが、これはどちらに出るのですか。
  28. 前田正男

    前田委員長 お答えいたします。これは議長の権限によつて決定されるわけであります。いずれ議院運営委員会へ諮つてきめられるのじやないかと思つておりますが、いずれにしましても、経済安定本部と通産委員会両方に関係のある問題でありますので、議運できめて、議長の権限で決定されるのじやないかと思います。
  29. 横田甚太郎

    横田委員 それじやきまつていないのですね。  最後に一つだけ希望を述べておきたいと思う。大体国会の実情を見た識者はこう言つています。これは見た識者が言つておると同時に、われわれも考えなければならぬ問題だと思うのですが、自由党においては最もよく考えてもらわなければならぬ問題です。その例といたしましては自由党議員国会に自主権がある。その一つの例といたしまして、議員立法というものがあるのだといつて、喜んで議員立法を議員の方から出してみたところが、説明がうまく行かぬので、結局政府の官僚の手に返つてしまつた。これが一つの話題になつておるのです。こういう条件のもとにおいて、国会へ傍聴に来た人たちが言つておるのです。われわれ野党議員質問したのに対して大臣が答えに困つたときに、政府の役人が教えに行く。教えに行く方が的確である。そのときに、また教えに行つただけではいけない。本人が答える態度は、物腰がやわらかで、非常に巧妙で、陰険な答えをしておる。こう言つておる。だから、これを見ておると、国会というものは、政府の役人がついておつて——そこで笑つている安本の役人たちが運用しておる。あるいはそのほかの官僚が運用しておる。簡單に申しますと、こう言つておるわけです。だから、岡崎国務大臣、あるいは大橋国務大臣、あるいは池田大蔵大臣というような人たちも、こういうふうな卑屈な物腰の中で、長い間ばかな議員の愚劣なやりとりを見て来ておる。だから、いつかはやわらかいいすにすわつて国会論議をちよろまかしてやろうという考え方で今日まで来ておる。こういうことを言われておるのです。これは共産党、自由党を問わず、すべての党派において、国会がもし国権の最高機関であるならば、最もよく考えなければならぬ問題で、これは外部からのまじめな批判です。こういうような意味合いにおきましても、單に資料は早く出しますというような口約束だけでなくて、必ず実行するようなまじめさを持つてつていただきたい。これだけを希望条件にしておきます。
  30. 前田正男

    前田委員長 できるだけ御希望に沿うように善処を願うことにいたしまして、本日はこの程度にし、明日は午後一時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十四分散会