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1952-02-13 第13回国会 衆議院 経済安定委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月十三日(水曜日)     午後二時十分開議  出席委員    委員長 前田 正男君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 有田 喜一君    岩川 與助君      小野瀬忠兵衞君    圖司 安正君       福田 喜東君    細田 榮藏君       苫米地英俊君    河野 金昇君       土井 直作君    横田甚太郎君  出席政府委員         経済安定事務官         (財政金融局         長)      阪田 泰二君         経済安定事務官         (貿易局長)  板垣  修君  委員外出席者         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      福田 久男君         大蔵事務官         (銀行局保険課         長)      狩谷 亨一君         経済安定事務官         (大臣官房情報         課長)     長谷部照正君         経済安定事務官         (財政金融局産         業資金課長)  鹽谷 忠男君         専  門  員 圓地與四松君         専  門  員 菅田清治郎君 二月八日  委員寺本齋君及び宮原幸三郎君辞任につき、そ  の補欠として森曉君及び苫米地英俊君が議長の  指名で委員に選任された。 同日  委員松本太郎君は死去された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  資金計画外貨予算並びに金融政策に関する件     —————————————
  2. 前田正男

    前田委員長 これより経済安定委員会を開会いたします。  議事に入ります前に御報告を申し上げます。  御承知通り委員会委員でありました松本太郎君は、去る二月八日病のため不幸にも逝去されました。まことに悲しみにたえません。同君は去る第十回国会以来数回に及び本経済安定委員会委員であられ、昨年九月には米国、サンフランシスコにおきまして開催されました対日平和会議に、講和全権代理として大いに活躍されましたことは、諸君も御承知通りであります。また同君農民協同党中央執行委員長の要職にあられ、多年の経験に基き、着実な研鑚の道を進んでおられ、今後ますますわが民主政治のため、はたまた経済再建のため、同君の多彩なる活躍を期待いたしておつたのでありますが、今後永久にこの席に同君の姿を見出すことができなくなりましたことは、われわれといたしましてまことにさびしく、また痛惜にたえない次第であります。  ここに松本太郎君の長逝に対しまして、本委員会といたしましても深く哀悼の意を表するとともに、同君の御冥福をお祈り申し上げる次第であります。  この際横田委員より議事進行に関し発言を求められております。これを許します。横田甚太郎君。
  3. 横田甚太郎

    横田委員 資料のことで簡單質問します。私は経済安定委員会に以前にもおりましたが、最近におきまして特に感じますことは、資料出し方が特にけちだということ、それから出し方が非常に遅いということ、出された資料が、われわれが知るには非常に不向きに整理されている。こういう点について、今後必要な資料だけは十分もらえるかどうかということです。もらえる場合には、相当な日にちを置いてもらえるのかもらえないのか、このことを一応承つて質問に移りたい。
  4. 長谷部照正

    長谷部説明員 情報課長から御説明申し上げます。資料は従来三十五部委員部の方へ出しておりまして、その配分は委員部におまかせしてございますが、部数がもし足りないようでございましたらふやすことは可能でございます。それから提出の期日が少し遅いというお話でございます。これは従来とも努力しておりますが、今後ともなるべく早くお渡しできるようにいたすつもりであります。内容につきましては各現局が努力しておると思いますが、今後とも個々資料について御指摘くだされば、またできるだけ御要望に沿うようにいたしたいと思います。
  5. 横田甚太郎

    横田委員 では個々資料でこちらから要求すれば要求に応じたい、こう言つているのですね。私は要求に応じた例としてここに持つているのですが、これはたしか昭和二十六年、二十七年度産業資金需給見通しについてというので、昭和二十七年の一月十一日の日付で、安本財政金融局産業資金課から発行している。これは持つている人があるにもかかわらず、私たち名前まで示して要求したときにどうしてもらえないのですか。それでいただきましたのは、ここに出ておりますような薄つぺらなものなのです。年がら年中数字を並べて、これをひねつてごまかすことばかりやつているあなたたちが、こんなに薄いものをどうして出したのですか。これはいただけるのか、いただけないのか。出さないのだつたらなぜ出さないのか。何を基準にして隠す資料と、また出していい資料とがあるのか、それを承りたいのです。
  6. 鹽谷忠男

    鹽谷説明員 産業資金課長としてお答えいたします。ただいまの御指摘の一月十一日付の資料は、執務参考用にかりに私の方でつくりましたもので、内容につきましてはすべて未確定のものでありますために、これを公表して、こういうものだというふうに、はつきりした、確定的な意義を持つものではございませんので出してはおりません。しかしその第一表というか、一番上の資料は、その後内部で検討いたしまして、現在においては一応その程度資料としてまとまつておりますので、これは国会あて提出いたしたわけであります。
  7. 横田甚太郎

    横田委員 確定的な意義を持つところの資料でない、これはよくわかるのです。確定的な意義を持つところの資料でないために私たちはほしいのです。一例を申し上げますと、今度の予算の中に組まれましたところの千五百億という金がある。これは予算委員会において名前を明らかにしますが、たしか農林省関係予算であつて農林省畜産局予算であります。これは畜産局要求がなかつたにもかかわらず、金を握るところの大臣の要請によつて組まれた。そして仕事が始められた。しかも始められた所が大臣出身地であつて、選挙が間近い、こういう例があるのです。だからきまつた数字において、私たち質問しても答弁に落ちがないようになつてからの資料ならいらないのです。われわれ野党は一年間自由党にかつて気ままにやられて、しやくにさわつてしかたがないから、きようはそれを爆発さそうと思つて来ておるのですよ。こういうふうな形においてきまるまでの資料要求した場合に、くれるのかくれぬのか。いわんや日本国会があつてアメリカ人出しやばつて非常にかつてな金の使い方をきせ、政治進行を害しているような状態のもとにおいては、特に日本のまじめな官僚が組んだところの数字並びに方針というものをわれわれはほしいのです。そういうことは少し余談になるから強く言わないが、こういう形において、確定的な資料でないゆえに、私たちは審議の上においてなおほしくなるような場合があるのですが、今後そういう場合においてはどういうふうにしてくれるのですか、出すのですか、出さぬのですか。
  8. 前田正男

    前田委員長 横田委員にお尋ねしますが、今の名前をあげられました資料要求されるのですかどうですか。
  9. 横田甚太郎

    横田委員 相手の出方次第で要求いたします。
  10. 鹽谷忠男

    鹽谷説明員 ただいま御説明いたしましたように、あの資料は私たちのごく少数内部参考資料でございまして、安定本部の中でも別に各局に配付した資料ではございません。ただ私たちの課員の作業を一応総合して印刷したものでございます。これは産業資金課の一同が持つておりまして、勉強の材料にしただけでございます。こういうような意味資料は、しよつ中つくつたり改訂したりしておりまして、たとえば安本の中でも各局と相談いたします場合は、それらの資料から一応結論を引出したもので検討するわけでございます。常々そういうものが外に出されておるわけでもございませんので、その資料の性質によると思いますが、その程度に了解いただきたいと思います。
  11. 横田甚太郎

    横田委員 具体的にこの場合にどうなるのですか。これはもらえるのですか、もらえないのですかということを言うのです。
  12. 鹽谷忠男

    鹽谷説明員 その資料内容は、今横田さん手元に持つておられますが、実は各会社別にいろいろなところから集めた資金需要を一応まとめたものでありまして、各会社内容につきまして世間に公表するということにつきましては、ことに金融関係ではあまりございませんので、今のところこれを広く外に出す考えはございません。
  13. 横田甚太郎

    横田委員 それでは、簡單に言いますと、出さないという意味ですね。そう解釈していいのですね。そうなつて来ますと、私、伺いたいのです。ここに出されましたところの各会社への割当、これは発表していいものかどうかは、あなた方の基準できめるべきであつて、私たちはこれを知りたいのだ。なぜかというと、実に奇々怪々たる資本蓄積日本において行われておるのです。だからよけい知りたい。そこで一歩譲つて資料を出すか、出さないか。この資料とこの資料と対比いたしましたときに、こちらの数字は非常にこまかいことが書かれているのです。自由党政調会に参加していた方はわかるでしようが、野党がこれを見てわかるか。私は結論として言いたいことは、あなたの態度は野党質問を封ずるものなんだ、自由党に奉仕することなんだということです。だから、私はそういうことに対しては不服ですから、あらためてこの委員会において、この資料に関する限り断じて譲らずに、今これをもらうというところの要求をします。もしもらえないのでしたら、定足数の点において少しごねたく思います。これをもらえなければ承知ができませんから、そう御覚悟願います。
  14. 前田正男

    前田委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  15. 前田正男

    前田委員長 では速記を始めてください。  ただいま横田委員から御要求がありましたけれども、これに対しましては、委員長において適当に政府と処理いたしたい、こう思つておりますから、御了承願いたいと思います。
  16. 土井直作

    土井委員 今の資料提出の問題に関連して、ちよつと政府委員にお伺いしたいのですが、横田君が今示されましたような資料は、先ほどの御答弁によりますと、きわめて少数の庁内の限られた人だけが持つておるということでございます。そういうまだ外部に公表することのできないような、きわめて少数の人だけのデータとして持つておるものが、横田君の手に厳然として入手されておる。こういうことについての庁内における統制とかいう問題については、どういうお考えを持つておるのか。言いかえるならば、文書になり、あるいは一冊のプリントになつているもので、しかも少数の限られた範囲のものが庁外に出て入手されておるということは、私たちから言うと、それ自身が非常に不可解なことなんです。秘密にし、出すべきものでないならば、もつと嚴重に処理して行くべきであり、またそれが外部に出さわたというならば、部数がきまつておるでしようからそれはわかると思うが、出したものについてどういう処置をとられるか。それくらいの嚴格な面がなかつたら、意味をなさないと思いますが、それに対する見解を、ひとつこの機会にお伺いいたしたいと思います。
  17. 阪田泰二

    阪田政府委員 ただいまお話資料につきましては、先ほど鹽谷説明員から申し上げた通りでありまして、あくまでも参考用につくりましたもので、外部に出すだけの固まつたものではないという点も一つあるわけでありますが、一つには、やはり内容としていろいろ各会社資金需要高というようなものが出ておりますので、あまり外部に出すのには適当なものではないというふうに考えているわけであります。どういうふうな徑路で外部に出ましたか、その辺私どもとしては非常に遺憾に思う点がございますが、十分取調べましてまた御返事申し上げたいと思います。
  18. 土井直作

    土井委員 問題は、ただに経済安定本部だけではなくて、たとえば特に特審局とかあるいはまた法務府とかいうような方面でも、問題が事前に漏洩されて、いろいろな面において非常な支障を来しているという事態を私は知つておるのであります。しかしわれわれは決して秘密主義で問題を処理してもらいたいということは考えていない。あくまでも公明正大に公開して事柄を処理してもらいたいという希望を持つておるのでありますが、国家のために、あるいは国民全体の利益を確保するために、絶対的に秘密にしなければならぬような問題もあるでしようし、また捜査その他の面においては、治安とか生命財産とかいうようないろいろな面で、特に秘密にしなければならぬ事柄が前に漏洩しているということ、国家機構の中にいわゆるバチルスのようなものが入つてつて、常にそういうようなふしだらな結果が招来されるということは、はなはだ遺憾である。これは経済安定本部だけの問題として議論するのではないのでありますが、いやしくも外に出すことはいけないというような書類であるならば、これについての嚴重なる処理というものがなされなければならぬ。ただいま政府当局答弁がありましたから、それ以上追究する必要はありませんけれども、そういうようなことがまま行われるということは、決して国家のためにも、また行政運営の上においてもよろしいことではないと思われるのであります。その点についてはさらに厳重な方法をもつてつてもらいたい。どういう方法をとられるかということについてはただいま説明があつたように、適当な処置をされるというのだから、その適当な処置をされてから、この委員会において御報告願つてもよいし、またそういうことは公開の席で報告することははばかりがあると考えられるならば、本員のところまで適当な機会に御通告を願いたい。このことだけを敷衍しておきます。
  19. 横田甚太郎

    横田委員 今の土井さんの意見は事務的に非常にけつこうだと思います。そこで私ほんとうに思うのはこれは自由党の人もそうだと思うが、私たち国会出していただいて非常にくやしいことがある。それは新聞にはすべてのことが報道されておるのに、国会議員の知らぬことが多いのです。そこが一番の疑問だ。予算委員会においては行政協定内容に端的に現われておる。これはこの委員会関係がないと言われるならば、この問題に返つて来て論議してもよい。要は国会議員でありながら発表してもらえずに新聞とか雑誌にはたくさん出ておる。それは一体どこから出ておるのかというと、資本主義社会制度のもとにおいて、もうかりさえすれば何でもやりたい、金さえ出せば何でもやりたい、この根性から来ておるのであつて、何もあなたの方で番がよかつたとか悪かつたという問題ではない。いわんやまじめに日本という一つの国の財政のこと、金融のことを考えている人が、こうやればよいと思つているときに、外国人におどかされてこうやるのではない、こうやるなと言われれば、新聞に自分の腹案を発表したくなるのは事実です。このことについては私はこれ以上は申しません。だが要は新聞にたくさん発表しておきながら国会に出さない、この資料出し方については、事あるたびにこういう形において私は追究したいと思います。だからそういう点を含めて委員長は適当に処置してもらいたい。
  20. 前田正男

    前田委員長 それでは資金計画外貨予算並びに金融政策に関する件について、その調査を進めます。まず政府当局よりその説明を聴取いたしたいと存じます。阪田政府委員
  21. 阪田泰二

    阪田政府委員 先般私ども財政金融局から、総合資金需給見込国民所得、それから産業資金、それらに関する資料をお手元に配付してございますので、大体資料につきまして、来年度財政金融その他に関する総合的な見通し等につきまして、一通り説明申し上げたいと存じます。  まず昭和二十七年度総合資金需給見込という書類が配付してございますが、それをごらん願いたいと思います。この昭和二十七年度総合資金需給見込でございますが、これは毎年このような方式によりまして一箇年度間、あるいは各四半期の資金需給見通しを立てておるわけであります。大体この表の構成といたしましては、政府資金民間収支におきましてどの程度の受払いの関係になるか、あるいは金融機関、これは一般銀行相互銀行等金融機関、あるいは開発銀行輸出銀行、それから農林漁業特別会計、こういうものを含んだものを意味しておるわけでありますが、そのような金融機関関係におきまして収支関係がどのようになるか、それから住宅金庫とか閉鎖機関とかその他の機関資金繰り、この三つのものをそれぞれ検討いたしてみまして、その結末が通貨発行高にどう響くか、こういうような構成でつくりました表であります。  まず第一の政府資金の対民間収支から申し上げますが、一番上の欄にございますように、昭和二十七年度は二十億円の支払い超過になる、こういう見通しを立てておるわけであります。御承知のように予算面におきましては一般会計収支均衡いたしておりますし、資金運用部見返り資金関係、これも両方総合いたしますと均衡いたしておるわけであります。従いまして政府資金の対民間収支は、そういう面からだけ見ますとちようどとんとんになるわけでありますが、いろいろと収支の前年度からのずれ、あるいは翌年度にずれるもの等がございますので、実際の見通しを立ててみますと、大体この程度支払い超過になる。ほとんどとんとんに近い数字でありますが、そういう数字が出て来るわけであります。前年度の八百四十五億の引上げ超過という数字に比べまして、来年度は大体とんとんに近い状態になる。政府関係からの民間資金運用に及ぼす影響は、総括してみるとほとんどないといつたような形になるわけであります。  それからその次の金融機関資金収支でございますが、これは大体先ほど申し上げましたように、一般銀行相互銀行開発銀行輸出銀行あるいは農林漁業特別会計その他のものを包含した数字であります。  第一に収入の面でありますが、預金増加についてはなかなか予測がむずかしいのでありますが、御承知のように今般無記名定期預金制度が認められる等、貯蓄をふやす、資金蓄積をはかるというような方法も講ぜられるわけでありまして、そのような点を考え、来年度は五千四百七十億程度預金の純増加があると見込んだのであります。大体この預金増加数字は、国民所得のうちでどの程度のものが税金として引去られ、残りの中からどのくらいの部分が貯蓄されるであろうと、いうような大まかな見当をつけて、これをにらんで見ているわけでありますが、二十六年度におきましては、国民所得から直接税を控除したものに対しまして、銀行預金郵便貯金その他を含めた総体の預金増加額が大体一四%程度になつております。二十七年度の大体予想せられる国民所得から、以上のような計算をして算定したこの五千四百七十億という数字は、ただいま申し上げました一四%よりもやや率がよく一四・五%程度になると見込んでおります。その次の政府投融資、これは金融機関に対する投融資をあげたわけでありますが、その内容といたしましては開発銀行に対する百二十億の出資、輸出銀行に対する七十億、国民金融公庫に対する五十億、農林漁業特別会計関係の二百億、会計四百四十億、こういう数字になつております。第三の政府預金は、政府預託金がございまして、二十六年度はその引上げをいたしましたので、百五十億円の引上げという数字になつておりますが、二十七年度預託金がないと見込んで、ゼロになつております。それから金融債関係は、大体昨年度におきましても五百億余の発行があつたのですが、明年度においても、勧銀、興銀、農林中金、商工中金等がございますが、大体五百億円程度発行されるというふうに見込んだわけでございます。その他の資金は、地方公共団体預金であるとか、いろいろその他の預金関係、さらに金融機関自体の増資その他の資金の受入れを見込んであるわけであります。合計いたしまして、金融機関としてはここに七千五十五億の資金の受入があるのでございますが、下にあるように支出関係で七千二百二十五億というものが見込まれておりますので、差額の百七十億は日銀からの信用供与にまつという形になるわけであります。  支出の方でありますが、貸出しについては別途産業資金についての見通しを差上げてございますが、大体そういうものによりまして、金融機関から貸し出される設備資金運転資金等増加額をここにあげたわけであります。有価証券保有額につきましては、金融機関によつて引受ける社債株式金融債三つがこの中に入つているわけでありまして、最近の株式社債発行状況、来年度における五百億の金融債発行というような実態を見て、金融機関でこの程度保有増があると見込んだのであります。その他の資金じりは一応ゼロと考えまして、結局政府関係で二十億の支払い超過になり、金融機関関係におきましては、日銀から百七十億の信用供与を受ける、合計して百九十億が通貨増加になり、昭和二十六年度末で四千六百五十億という通貨状態を見込んでおるわけでありまして、二十七年度末すなわち来年三月末には四千八百四十億の通貨発行額になるであろう、こういう見通しをあげたわけであります。  次に産業資金供給見込みについて申し上げます。ただいま御説明いたしました総合資金需給見込みのうち、六千三百四十八億の金融機関の貸出しを見込んでありますが、この数字産業資金供給見込み外部資金のうちの開発銀行農林漁業特別会計輸出銀行一般金融機関出しというものを含めた数字ちようど一致することになつておりまして、先ほどの数字もその部分におきましては内訳になるようなことになつております。それで明年度産業資金供給見込みでありますが、ここにありますように、需給見込みといたしましては自己資金外部資金とにわけて考えております。自己資金といたしましては利益金の中から社内保留せられるもの、さらに減価償却によつて留保されるもの、この二つを自己資金ということにいたしまして、外部資金といたしましては、株式社債その他金融機関からの借入金を考えておるわけであります。この表にありますように、明年度は、自己資金としては設備資金が二千四百億、運転資金が八百四十五億、合計二千二百四十五億、外部から調達される資金が、設備資金二千五十億、運転資金五千八百八億、合計七千八百五十八億ということになりまして、合計設備資金で四千四百五十億、運転資金で六千六百五十三億、合計一万一千百三億、こういうように大体見通しを立てたわけであります。大体戰後企業が、自己資金が少くて外部資金に依存する割合が非常に多くなつて来ておるといわれるわけでありますが、明年度見込みにおきましては、産業資金資金調達額の総額の中で自己資金が占める割合は、二十六年度の二五・八に比べまして二十七年度は二九・六%とやや向上しておりまして、健全なる方向に向つておるということが考えられるわけであります。なおこの自己資金による資金調達の比率は、二十四年度はたしか一五・六%くらいのものだつたと記憶しておりますが、そのころに比べれば最近では非常に自己調達割合がふえて、改善されて来たということが言えると思います。  それから外部資金でありますが、これは見通しを立てるのにいろいろむずかしい点もあるわけでありますが、株式につきましては二十六年度は大体六百五十億の新規の発行がされるというふうにほぼ確実に見通されるわけでありますが、二十七年度においても最近の株式市場状況等から考えまして、少くとも本年度と大体同額程度発行がされる見込みであります。社債につきましても最近金融機関のオーバー・ローンその他によりまして資金が欠乏しておりますので、発行があまり容易ではないのでありますが、しかし月大体三十億程度、本年度に近い程度発行が可能であるというふうに見込みました。見返り資金の四百六十億は、電力関係に三百億、造船関係に百四十億、中小企業関係に二十億、合計四百六十億、これは予算にも組まれておりますが、これだけが出る見込みであります。農林特別会計予算及び見返り資金運用部のものについて二百億程度のものを見込みました。開発銀行も先ほど申し上げましたように、本年度一般会計その他から百二十億の資金が出資されますが、こういうものと従来の開発銀行及び復興金融公庫等において貸し出したものの回収金等を合せて二百三十億の貸出し開発銀行としてはなし得るというふうに見たわけであります。輸出銀行は本年度七十億というものが一般会計及び見返り資金から出されますが、それと前年度からの繰越金、回収金等を合せて百十億というものが貸し出されるわけであります。資金運用部関係は、直接資金運用部資金から産業に対して供給されるものだけあげましたもので、ここでは高速度交通営団に対する十億の貸出しがあげられておるわけであります。電源開発関係につきましては、これは近く具体的な案ができ上ると思いますが、特殊開発機関に対して一般会計から五十億、資金運用部の貯蓄債券発行によるものが六十億、計百十億の資金供給される見込みであります。復興金融公庫は回収だけになつております。その他一般金融機関の貸出しとして、先ほど申し上げましたように、五千八百八億というものが見込まれております。大体設備資金供給額を見ますと、前年度の四千五百五十六億に対して二十七年度は四千四百五十億でありまして、やや減少いたしておるわけであります。昭和二十七年度においては、御承知のように電力あるいは造船、石炭といつたものの設備資金を重点的に融資して参るわけであります。また電力等については昭和二十七年度は、電源開発計画によりまして、本年度に比へて相当資金供給額が増加するはずでありますが、総体としてはその他のいろいろの不急不要の資金を押え、また繊維関係、化学関係その他においては、もはや設備拡充が二十六年度ほど資金需要はないようにも見られますので、大体この程度の金額でまかなわれるものという見込みを立てたわけであります。運転資金の面については、昨年の七千四百十六億の増加に対して、今年度は六千六百五十三億の増加でありますから、これもやや少く見てあるわけであります。あとで国民所得見通しのときにも申し上げますが、明年度においては、鉱工業生産は昨年度と今年度の比率ほどには増加いたしません。また物価の関係にも大きな動きはないものというふうに見込んでおりますので、その面から来る運転資金需要の増は少いわけであります。しかし企業のいろいろ資金繰りの関係の正常化その他に伴つて、この程度資金需要はやむを得ざるものというふうに考えるわけであります。大体産業資金関係についてはこのような見通しを立てているわけであります。  次に明年度国民所得の推計につきまして簡單に申し上げておきたいと思います。昭和二十五年度乃至二十七年度分配国民所得推計という表につきまして御説明申し上げます。安定本部におきまして、国民所得調査室におきまして、過去の国民所得の実績の調査をやつております。またそういうような資料を元にしまして、現在あるいは将来の国民所得の推計ということもやつているわけであります。今回も従来の例によりまして昭和二十七年度国民所得の推計をいたしてみました。ここにございますように、昭和二十七年度は五兆三百四十億の国民所得になつておりまして、三十六年度に比べて八・一%の増加になる。こういうような推計をいたしたわけであります。この国民所得の推計につきましては、たびたび国会に御提出いたしておる。この前国会に御提出いたしました資料におきましては、最初の欄の昭和二十五年度国民所得は三兆五千二百五十億、こういう数字になつておつたはずであります。この場合におきましては、大体二十四年度国民所得が詳細に調査されておりましたので、それに基きまして二十五年度、二十六年度を推計して参つたわけですが、最近二十五年度国民所得がいろいろの統計資料がそろいまして一応でき上りましたので、今回はそれを基礎にしまして、二十六年度、二十七年度を推計いたしたのであります。この前三兆五千二百五十億と考えておりました二十五年度国民所得は、今回のやや確定的に近い調査では三兆五千八百十一億ということになりまして、約六百億ばかり増加いたしております。それを元にしまして、いろいろ生産の推移、物価の上昇あるいは雇用、賃金の状態、こういうものを指数に使いまして、二十七年度数字を推計いたしましたのがこの表であります。推計するのに使いましたいろいろの経済資料につきましては、その表の次に主要経済指標として掲げてございます二番目にありますように、明年度の鉱工業生産としましては昭和二十七年度一四〇・六という数字になりまして、本年度に比べまして、その下に書いてありまするように九・二%の伸びがあるというふうに一応見込みを立てております。二十五年度、二十六年度を比べますと、鉱工業生産は二割七分七厘ふえているわけでありますから、伸び方としてはややとまつて来たように思われるのであります。それから物価の関係等につきましては、CPIはこの四行目にありますように一六三・二、今年度に比べまして四・四%の増加というふうに見込んでおります。これは大体現在までの趨勢を見まして、本年の三月のCPIを推定いたしました。大体そのCPIの姿で一年中推移する、横ばいになるというふうに考えました数字がこの一六三・二であります。その次の卸売物価指数につきましては、大体三月末を推定して、そのままの状態で一年中というような考えをとつております。米価は予算に計上されておりますのと同様、生産者価格としては二五五のパリテイで計算しているわけであります。消費者価格としては上ることを見込んでおります。その他雇用、賃銀等につきましては、現在までの雇用及び賃金の趨勢、それから来年度におきまする産業生産活動の見通し等を取入れまして、大体雇用におきましては一・二%の増加、賃金におきましては一割の増加というふうに見込んだのでございます。こういうような指数を使いまして、過去の実績をいろいろ分析して、それをそれぞれ延長しました結果、第一表にありますような結論が出て来たわけであります。ごらん願いますと第一の勤労所得におきましては二兆二千五百億、前年に比べまして一割八厘の増加というような結果になつております。個人業種所得におきましては五・九%の増加、それから個人賃貸利子所得におきましては二割五分二厘の増加、法人所得につきましては一・六%の増加——法人所得の増加が個人業種の所得の増加等に比べて少いのは、一見ちよつと妙に感ぜられるわけでありますが、これは主として税制の改正あるいは資産再評価等の関係によりまして、法人の減価償却の額あるいは準備金として、いろいろ積立金等が二十七年度におきましては相当増加を見込まれますので、そのようなものを控除したものを法人所得にあげましたので、かような結果が出たわけであります。そういう関係を二十六年度とかわらないものと考えますと、大体個人業種所得と同じような増加率になる見込みでございます。  大体以上総合資金の計画、及び産業資金国民所得等につきまして概要を御説明申し上げましたが、なお御質問がございますればお答え申し上げたいと存じます。
  22. 前田正男

    前田委員長 次に板垣政府委員
  23. 板垣修

    ○板垣政府委員 私より外貨予算につきまして概略御説明申し上げたいと思います。お手元に御配付いたしました資料は、輸入貨物外貨予算実施状況表という一枚の紙と、それから本日お配りしました自動承認制外貨予算実施表——これは実は明日の提出資料の中にございましたが、これは外貨予算と一括して御説明する方がいいと思いましたので、本日御配付申し上げました。それと、この横になりました、英語で書いてあります輸入貨物外国為替予算、この三つを差上げてあるはずでございます。  御承知のように日本外貨予算は現在四半期別に組まれております。従いまして現在実施中の一—三月の外貨予算を中心として全般的な関連において御説明申し上げたいと存じます。最初に過去の輸入貨物外貨予算実施状況を御説明申し上げたいと思います。  わが国の外貨予算制度は、御承知のように一昨年の一月から始まりまして、ちようど二箇年ばかりの経験を経たわけでありますが、それが過去においてどういうような実施状況になつておるかというのを一表にしたのがお手元に配付した資料でございます。これをごらん願いますと、昭和二十五年の一—三月から始まりまして、一番上の欄に百万ドル單位で原予算が書いてございます。従つて合計のところをごらんになりますと一億三千百万ドルというのが最初につくつた予算、それがその次の欄の修正予算で一億二千二百万というふうに少し減つておりますが、次の表が輸入公表額——これは予算がきまりますと、通産省で輸入公表いたします。その額が次の欄に書いてございます。一—三では七千四百万ドル、これは非常に少いのであります。それから次が輸入承認証の交付額、この輸入承認証交付額に基きまして輸入業者が申請をいたしまして、それに対して輸入承認証を与えるわけであります。それが実際の買付実績になつて現われて来るわけであります。その額が次に書いてあるわけであります。次にパーセンテージといたしまして、修正予算と輸入公表額の比率がBAと書いてありまして、その次には輸入公表額と輸入承認証交付額のパーセンテージがCBと次の欄に書いてあります。このBAとCBで見ますと実施状況のパーセンテージがわかると思います。一昨年の一—三におきましては、何分制度早々でございましたのでふなれがございまして、円滑を欠いたわけでございます。従いまして原予算から修正予算の場合には減つておる。これは実はふえるのが普通でありますが、この期だけは減つております。見積りが不正確であつたために、そういう点をあとで修正して減額したのであります。そういうことが起つて、従つて消化状況もあまりよくないのでありまして、BAで見ますと六〇%、CBで見ますと八八%程度の消化しかなかつたわけであります。これがその後だんだんと経験を積みまして、次の予算では大分改善をされまして、一番最後のもので八六%だけの消化状況になつたわけであります。ところが御承知のように、次に朝鮮動乱が起りまして、ひとつ輸入を促進しなければならぬということになりまして、七九において相当予算制度の改善が行われたわけであります。第一には自動承認制度というものを創設いたしました。それ以前は大体資金割当方式によりまして、品目別に需要者に対して金額を割当てておつたわけでありますが、自動承認制というものをしきまして、全体の金額は一億ドルとか何とかございますが、その範囲内におきましては、その中に載つておる品目ならば、業者が入れようと思えばすぐ自動的に許可がおりるという制度が創設されまして、相当輸入の促進に資したのであります。それからもう一つ、今まではノー・コンデイシヨン、船積み期不指定という制度しかありませんでしたが、ここに初めて長期予算制度をしきまして、ずつと四箇月、五箇月先のものまで買えるというような制度予算上に創設したのであります。これによつて輸入が非常に円滑になつて参りました。七—九におきましては相当の消化状況を示し、ことに十—十二に至りますと消化率は九二%と上昇して参つたのであります。ところが、一昨年の十—十二までは予算制度上におきまして輸入促進策を講じましたけれども、それでもまだ実際面には効果が現われて参りませんでした。従つて年度末においては相当のポンド、ドル等の外貨保有高が増加したのは御承知通りであります。従つてもつと思い切つて買付をしなければ、相当世界的に原料の買付競争が起つておりますので、原材料の確保に困難を来すという情勢に至りまして、次の年の一—三になりまして思い切つて輸入促進を講じたのは御承知通りであります。裏の方に一—三のものが書いてございますが、この期に思い切つて金額を増加いたしまして、修正予算のところでごらん願いますと、九億二千四百万というレコード破りの大きな金額がこの期に組まれたのであります。しかしその消化率を見ますと、BAのところで九八%、CBのところで九五%、ほとんど公表額の全部が消化されたという状況で、非常に物資が円滑に輸入されたのであります。しかし一方その反動がありまして、輸入が少し行き過ぎであつた、輸入過剰というような状況を呈したのは御承知通りであります。多少思惑も入つたと思われるのでありますが、輸入過剰の傾向を示しました。続きまして三月ごろから起りました国際的な景気の中だるみによつて物価の下落が始まりました。これによつて、多量に入れた業界も、非常に金融的に手詰まりを生じて来たというような状況が起つて参つたのであります。その影響が一期おきまして七—九ぐらいから非常に顯著に現われて参つたのであります。一方一—三に非常に外貨を使いまして入れましたので、今度は政府の外貨も減つて来た。従つてその手持ち外貨の面からも、多少締めなくちやならぬという事情が両方の面から起りまして、七—九以降は相当外貨予算も縮小の形をとつたのであります。一方業界の方の輸入余力も非常に停滞いたしまして、外貨予算を組んでもそれを十分に消化できなかつたということが出て参つたのは御承知通りであります。一番下の率をごらんになりましても四—六が七六%、七—九が七八%、さらに十—十二におきましては買付期であるにかかわらず七四%というような低率を示して参つたのであります。こういうような状況で一—三を迎えたのでありますが、この一—三については後に申し上げますが、その前に自動承認制の方をちよつと御説明申し上げます。  自動承認制度は今申しましたように一昨年の七—九で初めて創設されまして、物資輸入に非常に大きな役割を示して参つたのでありますが、これの運用がなかなかむずかしいのでありまして、一—三のように買付が非常に殺到いたしますと、バツク・グラウンドになつて参ります金が足りなくなつてストップになる、一方は開いておつても輸入意欲がないときには非常に金が余るということで、なかなかその運用はむずかしいのでありますが、これによりますと七—九の方は、創設のときで、出初めでありましたので、あまり大きな金額ではありませんでしたが、二十六年の一—三をごらんになりますと、非常に大きく総額の中で約半分を占める四億七千万というものが、自動承認制として予算的措置が講ぜられたのであります。最後のところに品目がありますが、最初は六十五品目で、十—十二が百二十六品目、これが一—三におきましては百七十五という最高の品目になつておるわけであります。それが次の四—六になりまして、多少金額的にも減りましたし品目も減りましたが、七—九に至つて非常に激減したのであります。金額的には二番目の欄にあります一億二百万、わずか一九%という少い金額になりましたし、品目の数からいいましても百三十九という少い品目になります。その後金額におきましても品目におきましても多少増加しておりますが、まだこれが十分に活用されて、輸入が非常に円滑に動いたという状態には立ち至つておらないのであります。  次に一—三の予算の問題でありますが、お手元に配付した表のような形で予算が組まれまして、これによつて通産省の輸入公表が行われ、そうしてこの中で通産省が、たとえば業者への資金の割当などをいたします。最後のところにずつと品目がたくさん並んでありますが、これがいわゆる自動承認制の品目でありまして、これをたとえばドル地域からは入れてはいけない、ポンド地域だけだ、あるいはポンドもドルも両方から買つてよいというような輸入公表が通産省において行われるわけであります。これによつて買付が行われるわけでありまして、この内容について一々御説明申し上げるわけには参りませんので、これと離れまして一応全般的な問題だけを御説明申し上げたいと存じます。  第一に今期の予算を通じて問題になりましたのは、御承知のように昨年の十月ごろから、ポンドが非常に累積して来たというような問題がございまして、そのポンド対策の一環として、今期以後予算をどういうふうに組んで行くかということが一番問題になつたわけであります。全般的の問題はきまりませんでしたが、予算の上におきまして、これはオープン・アカウント地域も入りますが、ポンド地域からの輸入を大いに促進する予算を織り込もうということになりまして、それを根本的の予算編成方針にしたのであります。その結果自動承認制の品目も相当拡大いたしましたし、また内容的にも、従来あまり入れない形でありました加工的な原料までも入れようということになりまして、チーズとか、食肉とか、家畜というようなものまでも入れることになつたわけであります。これは金額としては大きくありませんが、こういう品目が入つたということは今までと非常にかわつておる点であります。そのほかバター、油脂類、マーガリンは今のところ懸案で解決しておりません。それから資金割当の方も、ポンドの方には相当潤沢に割当措置をとりまして、総額におきまして三億六百万ドルというレコード破りの記録的な予算を組んだのであります。それからオープン・アカウント地域も多少交えまして、一億八千百万ドルの予算を組みました。これに従つて十—十二の予算と比較しますと、今期におきましてはポンド地域の予算が全体の四二%を占めております。それに対しまして前の方の予算では三五%ということになつて、ポンド地域の比率が上つたのであります。従来はもちろんドル地域からのパーセンテージが一番大きいのでありますが、今期になつてドル地域よりもポンド地域の予算の方が、比率においても大きくなつたのでございます。しかし三億六百万ドルというのはポンドにすると一億ポンド以上の数字でございまして、これが今期においてどの程度消化されるかという点が、今後のポンド対策にも関連しまして非常に大きな問題になつております。予算上ポンド外貨をつけましても、実際は国内の輸入金融の面が非常に大きな問題でありまして、その点に対策を講じないと輸入はなかなか促進しないという面もございます。いろいろと制度的のことを考えておりますが、一応日銀の融資あ  つせんを強化する、ポンド地域からの輸入については、あつせんを援助するという形で出発しているわけであります。現在までの輸入状況を見ますと、まだ途中でありましてあまり基準にならぬと思いますが、案外よい成績を示しております。二月七日における自動承認制の受付状況を見ますと、ドルにおきまして大体予算の三三%、ポンドにおきまして二〇%、オープン・アカウント四八%という進捗状況を示しております。従つてドル地域、オープン・アカウント地域は相当出足がよいと言えます。しかしポンド地域の方は二〇%でありますからまだ十分とは言えませんが、そもそもの予算額が非常に一大きいのでありまして、現在までのポンドの買付金額は二千六百九十六万ドルという数字になつております。全体の比率としてはまだ低いけれども、割に出足はいいと言えるのではないかと考えるのであります。  しからば今後の四—六以降の予算編成方針はどうあるべきかという問題につきましても、現在いろいろと研究中でございます。と申しますのは、ポンド対策の関係ももちろん推進しなければならないと同時に、最近ドルも相当あることでありまして、昨年末のドルの手持ちが五億八千万ドルくらいで、相当のドル手持ちもあります。従つてこれを有効に効率的に使い得る道があるならば、ただちにドルを使つてもいいのではないかという考えもありまして、どういうふうにドル資金の効果的な使用ができるかということにつきましては、具体的に私の方でも研究しており、関係省と協議をしたいと存じているのであります。  一方予算編成の技術面におきましても、過去二箇年の経過にかんがみまして改善する余地があるということであります。第一は、予算の期間の問題でありまして、先ほど申しましたように四半期ごとに組んでおりますが、これは輸入業者の方からいえば不便な制度でございます。しかしドル地域の方は、四半期予算を広げるについてはまだ不安な点もございますので、ドルの方は今のところ四半期を継続する考えでございますが、ポンド地域などにつきましては、思い切つて一箇年くらいの予算、自動承認制などにつきまして、年間の予算にしてもいいのではないかという考え方を持つておりまして、この点につきましては関係省と協議をしたいと存じております。それから予算編成の手続等につきましては、たとえば貿易外の予算などにつきましても、従来は日本独得の方式で、いろいろ項目を並べているのでありますが、非常にわかりにくい面もございますので、独立後は国際的に資料を合せる必要がございますので、国際通貨基金で採用しております国際収支の項目表などに、なるたけ近づけて整理をする、そういう技術的な面につきましては研究を続けているわけであります。  最後に外貨予算に関連しまして重要物資の需給状況はどうなつているかと申し上げますと、二十六年の年間を見まして当初の計画通り実施ができたと考えられるのであります。  主食について見ますと、当初の年間計画が三百二十万トンでございます。現在までの到着の実績及び三月末までに到着するであろうと見込まれる全体の数字が、三百二十四万トンということになつております。従いまして大体計画をちよつと上まわる数字になつております。需給上からいつても予定通りで心配ない状況にあるということが言えるのであります。来年度は三百五十万トンくらいの輸入計画になつておるわけであります。  それから砂糖を見ましても、砂糖は年間当初計画が六十万トンでございましたが、これに対して約五十万トンばかり年度末までに輸入ができる。計画よりは多少下まわつておりますが、最近台湾などと相当輸入契約もできましたし、実際三月末のストツクを推定いたしますと、十二万五千トンもございますので、昨年度よりもストック上ずつと上まわつております。従いまして需給上何ら心配はないということか言えるのであります。  次に石油でございますが、これはなかなか問題がありまして、日本側としてもできるだけ石油を入れたいという希望が非常に強かつたのでありますが、関係方面との均衡がなかなかむずかしくて思うように入らなかつた。しかしながら現有関係方面と了解しておりますベースは、十月以降に原油の処理能力は五万七千八百バーレルということで話がついておるのでありますが、御承知のように石炭不足などにかんがみて重油転換という新しい要素が入つたために、この数量では足りなくなるという状況にあるわけであります。この一—三の予算においても新しいベース・アップの予算は組まなかつた。現在総司令部と交渉中であります。もしこれがうまく行かないとしますと、新しい七万一千五百バーレルは達成できないかもしれませんが、ペース・アップの点はちよつとむずかしいかもしれません。しかし大体において今年の六月までの操業には、そう大きな支障はないということか言えるのであります。  次は綿花でございます。綿花は当初の年度計画が百七十五万俵でありましたが、その後国内の紡績設備の拡張がございまして、百八十三万俵と少し大きくなりました。そのうちで米綿は百二十万俵ということになつております。今日までの状況を見ますと多少下まわつておりますが、年度末までにこれに近いところの百六万俵の米綿が入る予定になつております。御承知のように綿花については昨年の暮に四千万ドルの綿花借款ができまして、この方は全部一—三の予算で組んでおります。これが入りますと綿業界としては金融上非常に緩和するという利点があるわけであります。ただ今後綿花についてはいろいろ問題がございまして大体年間百二十万俵というところが妥当であろうと思いますが、御承知のように設備が非常に拡充して参りまして、六百五十万錘という大きな数字になりまして、これに食わせるだけの原綿が外貨予算上確保できるかということは、なかなか問題が残つておるのであります。この点は今後の情勢の推移に応じて、予算上からも研究しなければならぬと考えておるわけであります。  次は鉄鋼原料の鉄鉱石、粘結炭でございますが、これも大体計画を上まわる状況でありまして、鉄鉱石については計画の三百八十万トン、もちろんこの数字では足りなくなりましたけれども、これに対して到着見込み及び推定は、四百万トンを越える数字でありまして、大体需給の適合を得ております。粘結炭については当初計画の百八十万トンに対して、到着見込みが二百万トンちよつと越えるという状況でございまして、この点も問題はないというふうに考えられます。  塩につきましても、当初計画百五十万トンに対しまして到着見込みは百八十万トン、これは記録的な入荷でございます。こういうような状況でございまして塩については全然心配ない状況でございます。  ただ最後に一点問題になりますのは、大豆、ゴム、原皮でございまして、これは御承知のように一—三で非常に入れ過ぎたためにばつたり輸入がとまつてしまつた。予算上においても七—九の予算においては、この品物については予算的措置を講じませんでした。その後十月から予算的措置を講じましたが、だれも買いに来ない。外貨をほとんど使つていない、大豆はわずかに現在一万一千トンしか買付けておりません。生ゴムにつきましても一万トン、原皮が一千トンという程度で、ほんとうのつなぎの買付けをやつておる程度でございます。従つて需給上からいいますと、一—三に一度入つたもので間に合うのでありますが、これが四月、五月ごろになると、そうしたストックもなくなるのではないかというように私どもは推定しておりますが、これの品物につきましては、一面国内金融の面等からの問題がございまして、そう簡單に輸入ができないというような事情があるわけでありまして、この点はいろいろな面からの施策を講ずる必要があるというふうに考えておるわけであります。一応簡單説明を終ります。
  24. 前田正男

    前田委員長 これにて本件に関する説明は終りました。引続き質疑があればこれを許します。
  25. 多田勇

    ○多田委員 最初に産業資金供給見込についてお尋ねしたいのですが、一般金融機関産業資金に対する供給見込みが、前年度よりも本年度の方が減少しております。たとえば産業資金あるいは運転資金にいたしましても、現在資金的に相当枯渇しておるようであります。本年度においてすら相当きゆうくつな金融状態を、来年度はさらに引締めるというようなことで、日本経済の再建が可能だという見通しを持たれておるのか、その点について御説明を願いたい。
  26. 阪田泰二

    阪田政府委員 金融機関資金供給額は、前年度に比べてやや減つておるような数字が出ておりますが、このような見方をいたしますにつきましては、金融機関にどのような資金が調達されるか、また資金需要としてはどういうものがあるかというような点も、いろいろと検討いたしました上で、金融機関資金繰りの問題としましては、先ほどの総合資金需給見込み関係の表をごらん願いますとおわかりになりますように、大体非常にオーバー・ローンというようなことが言われておるわけであります。明年度につきましても、総合いたしましたところで、日本銀行から百七十億の信用供与を受けるというような数字に一応なつておるわけであります。しかしこの数字も二十六年度の千五百二十八億日本銀行から信用供与を受けるという数字に比べれば非常に減つて来ておるわけであります。一般預金増加額は、先ほど申し上げましたように、いろいろの施策なり金融機関の努力によりまして来年度は相当多くを期待できるのじやないかと考えておるわけであります。さようなわけでありまして、金融機関面におきましては、来年度は、十分とは言えませんが、やや極端なオーバー・ローンの状態は、本年度よりも是正されるような方向に行くのじやないか、総体としてはこういうように見通しておるわけであります。  それから資金需要の問題でありますが、これにつきましては、ことに設備資金につきましては、本年度におきまして、開発銀行その他市中銀行からもかなり融資をいたしました実績、従来のいろいろ各方面で立てられました計画等も検討いたしまして、来年度いろいろ話がありますものの内容の大きなものにつきまして、現在検討いたしておるわけであります。明年度は電源関係におきまして、資金需要が大体本年度の倍近い大きな額になるわけでありますが、他の方面におきましては依然として、造船その他の関係、鉄鋼関係、石炭関係ども、本年度に引続きまして相当大きな設備資金が必要とされるわけであります。一方からいいますると、たとえば繊維関係その他一応増設計画が一巡いたしまして、明年度ではさほど大きなものが見込まれないというような業種もあるわけであります。いろいろと総合いたしまして、大体明年度は、この程度需要になるであろうということを見込んだわけであります。設備資金供給といたしましては、政府資金あるいは市中銀行におきましても、現在の勧銀とか興銀とかいうような長期資金を多く扱つておる銀行等におきましては、さらに明年度は引続きこの方面の供給に当つてもらわなければならぬが、市中銀行その他一般の市中金融機関設備資金供給をほとんど期待しないで済む程度に、全体の資金需給見通しを立てて参りたい、こういうような考え方で現在なお検討中であります。全体としての私どもの見ております大体のところは、そういうふうになつておるわけであります。
  27. 多田勇

    ○多田委員 これは見解の相違になると思いますのでこれ以上御質問申し上げません。産業資金の中で復金の回収金が載つておりますが、現在復金の未回収金がどの程度であつて、どの程度の期間にこれを回収する予定であるか、あるいはまた完全に回収できるのか、どの程度回収不能があるのか、その点について御説明を願いたいと思います。
  28. 福田久男

    福田説明員 ただいまお尋ねの復興金融金庫の融資残高は、資料は少し古うございますが、昨年の十一月末で八百三億八千万円でございます。これが最高であつた当時では、たとえば昭和二十三年の末では千三百十九億円に上つておつたのでございます。その後二十四年度において原則として融資を停止したので、逐次回収に向いまして、二十五年度末に八百六十八億六千九百万円となり、それが昨年の十一月末で八百三億八百万円ということになつております。  御承知のように、復興金融金庫は日本開発銀行の方に、今年の一月の十六日に吸収されたのであります。この八百億の回収がいつどの程度回収され、いつなくなるかということにつきましては、はつきりしたことは申し上げられないのでありますが、大体二十七年度における回収予定額は八十数億と予定いたしております。もちろん元本がだんだん少なくなるに従いまして回収額は多少減るかもしれませんが、大体今申し上げました八百億に対して残高で申しますと八十億でありますから、その割合を一応目安として考えていただくことで御了承願いたいと思います。
  29. 多田勇

    ○多田委員 昨年の十一月末に八百三億の残高で、二十七年度で八十億ということになると大体一割、この調子で行きますと、かりに完全回収が可能だというような状態になるとすれば、十年かかるということになりますが、おそらく二十七年度に八十億程度しか回収見込みを立てないということは、もう回収不能になつている分が相当あるのではないかというふうに考えられるのであります。現在害いろいろ整理をする段階において、回収不能に陷つたところの金額が出て来ておるはずでありますが、大体どの程度現在まで回収の不能があるか、その点について御説明を願いたい。
  30. 福田久男

    福田説明員 元来復興金融金庫の貸付は、御承知のように長期の貸付でございまして、中には業種によつて途中で返済が困難になるものも出て来ることは、普通の銀行でもあり得ることだと思うのです。正確に数字ちよつと把握困難でありまして、また景気の変動によりまして回収が進捗したり、あるいは多少停滞するという事態も起り得ると思います。はつきり数字的にも申し上げられないのでありますが、昭和二十六年度における復興金融金庫の予算におきましては、五億ないし六億程度償却が計上されまして、その見合いとなつている貸付について償却の処理が行われたのであります。今後におきましては、情勢の推移によつて個別の債権に関しましてよく検討した上で、開発銀行当局において処理されることになると思いますが、今どの程度という金額につきましては、申し上げるだけの確信のある資料を持ち合せておらないので、御了承を願いたいと思います。
  31. 多田勇

    ○多田委員 ただいまの資料は、きようお持ちにならないのですか、それともまだ安定本部の方に資料がないのですか、どつちなのですか。
  32. 福田久男

    福田説明員 個別の債権について、それが今の段階において、償却すべきやいなやということにつきましては、非常に慎重な検討を要する問題であろうと思いますし、また私どもとしても、そういつた個別債権について処置することが最も望ましいのでありますが、銀行の誠意ある管理、回収に期待をいたしておるのでありまして、正確な数字を、私どものところでは把握いたしておらないのでございます。
  33. 多田勇

    ○多田委員 外貨予算の点についてひとつお伺いしたいのです。今、四半期ごとに予算を組まれているために、相当貿易業者は困つておるというような御説明がございましたが、実際四半期ごとの外貨予算では、正常な貿易が行われないというのが貿易の常識になつておるようであります。幸いポンド地域につきましては、年間予算が組まれるというようなお話でございますが、ドル地域につきましても、年間予算でやつていただくということについて、どういうような支障があるのか。現在世界的な物価の変動によつて、四半期ごとに予算を組まれたために、あるいは相手国が価格のつり上げをするというようなことも行われているようであります。あるいはまた、たとえば先ほどお話がありました砂糖につきましても、四半期ごとの予算関係で、台湾と年末かに契約しました砂糖が、トン当りCIFの百二十五ドルかで契約したそうでありますが、すぐその直後わずかの期間に、キューバと契約したものが、比較にならない安い価格で契約をしているというようなことになりますと、せつかく砂糖を輸入して参りましても、台湾から輸入します砂糖について、はたして貿易業者が国内消化を考えて輸入するかどうかというような危険も考えられますし、幸いに砂糖はまだ統制になつておるので、そういつた損害の心配はないかもしれませんが、砂糖の統制が解除された後においてこういつた状態が展開されますと、相当正常な貿易を阻害する結果になると思うのでありますが、四半期ごとに外貨予算をどうしても組まなければならないという理由、何とか年間予算で進めるという見通しが、最近立てられないかどうか。
  34. 板垣修

    ○板垣政府委員 外貨予算の編成が、理想としては年間予算であるべきことはその通りであります。確かに現在小刻みに予算を組んでおるために、輸入業者として商機をつかめないような事情があることは、私ども十分承知しております。ただドル地域につきまして、今のところこれを半年なり、一年に伸ばすことについてやや不安を感じておりますのは、結局国際間の経済状勢の変動が非常にはげしいということであります。最近ややドルの手持ちがゆたかになりましたので、あるいはその点の心配は、さしあたりの目先としてはないかもしれませんが、これがまたいつどうなるかわからぬ。ことに特需の収入がどうなるか、特に来年度以降につきましては、その点はほとんど予測を許さないという状況にありますときに、かりに年間に切りますと、その間急にドルの収入の状況が悪くなつたというような場合、もちろん緊急の処置として応急手段はとられましようが、手のつけられない状況になる心配がある。その点だけが一番大きな心配になつておる点であります。ただ現在のドルの手持ちゆたかを勘案いたしまして、ドルにつきましても一年はむずかしいにしても、半年ぐらいにできないかどうか、御趣旨に沿いまして十分研究を進めたいと思います。
  35. 多田勇

    ○多田委員 いま一つ小さな問題で伺います。自動車の輸入について相当程度大きな制限を加えている。国内企業との見合いもありまして、相当制限を加えなければならぬという事情があるかもわかりませんけれども、自動車の輸入について相当商機が動いておるという状態にもかかわらず、外貨予算のわくが非常に少いということを聞いておりますが、その点についておわかりでしたならば御説明願いたい。
  36. 板垣修

    ○板垣政府委員 自動車などにつきましては、主として今お話の国内産業との面もございますので、そう野放図にたくさん入れることはもちろんできないということで、制限の措置をとつておりますが、ただポンド対策なども加味いたしまして、ポンド地域からの自動車の輸入は、相当ゆるめたいというふうに考えております。ただしかしボンド地域からの自動車を入れれば、ドル地域からの自動車もほしいという希望も聞いております。しかし一方国内産業の面、またドル手持ちの状況などを勘案いたしまして、さしあたりそう多量に自動車を入れてよいかどうかという点は、国内産業政策の面とかみ合せて研究を進めて行きたい、かように思います。
  37. 多田勇

    ○多田委員 大蔵省の保險課長が見えておりますので、保險について二、三お尋ねいたします。  保險の資金運用の状況については資料承知いたしておりますが、保險の料率について二、三御質問申し上げたいと思います。主として損害保險の料率でありますが、損害保險料率が非常に高いということで、これはいろいろな方面で問題になつておるようであります。保險料率は料率算出団体の算出に基いて、大蔵大臣が料率を認可するという建前をとつておるようでありますが、非常に複雑な計算方法をとつておるために、はたして適切な料率ができておるかどうか。従来のロスを十分に勘案されておると思うのでありますが、実情から見ますと相当高過ぎるということで、非難といいますか問題になつておるように聞いております。たとえば食糧公団あるいはその他で自家保険をやつておつた実例から考えまして、自家保險でやります場合の損害は、保險料を支払つた場合の支出の何十分の一にしか当らないというようなことで、そういつた実情から考えてみますと、全国的な保險会社の保險料率は、さらに引下げることが産業界のためにも必要ではないかというような意見がございますが、それに対する大蔵省の御意見をお伺いいたしたいと思います。
  38. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 ただいまお尋ねがありました損害保險料率の引下げにつきましては、大蔵省といたしましても従来そのつもりでもつて処置して参つております。火災保險料率につきましては、昨年度におきまして二回にわたつて保険料の引下げをいたしたわけであります。また今後におきましても御趣旨の線に沿いまして、極力引下げられるものについては引下げて行きたいと考えております。また、ただいま申しました二回にわたつてといいますのは、火災保險の中の一般住宅保險についてのものでございますが、近く私どもの方といたしましても、工場物件につきましても引下げることが可能ではないかと見ておりまして、適当な機会を見て処置したい、かような方針で参つております。戰後の状況といたしまして、事務費がかさむというような点から、かなり割高になつておる点は確かに事実でございますし、また一方損害の発生率も非常に上つておりまして、最近やや上昇がとまつて来ておる。こういう状況もありますので、これらもにらみ合せまして、今後適正な料率に持つて行きたいと思つております。
  39. 多田勇

    ○多田委員 いま少し質問したいのですが、最後に損害保險料率の算出の方法を、もう少し具体的に資料としてお出し願いたいということと、各保険会社の、主として損害保險会社利益率、そういつた点について資料をお出しいただきまして、次の委員会質問いたしたいと思います。
  40. 前田正男

    前田委員長 他に御質疑はございませんか。
  41. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 先ほど来二十七年度の総合資金需給についての御説明を聞いたのですが、その中に外資の関係一つも触れられておらないのです。政府は外資導入について相当工作をされており、しかも相当望みがあるようにしばしば聞かされておりますが、外資導入に対してその後どういう見通しになつておるか、また現在どういう折衝を重ねつつあるか、その点をお伺いしたい。
  42. 板垣修

    ○板垣政府委員 私の所管でもありませんが、一応私の承知しております限りのことを申し上げますと、今の外資委員会で扱つております個々的な外資導入はずつと行われておりますが、いわゆる大きな意味の外資導入については、しばしば叫ばれておりますにもかかわらず、現在まで何らの実現を見ていないのでございます。しかしこれは非常に大きな政治的交渉の問題でありますので、私たちといたしましては、これがどういうふうに進行しておるか全然承知しておりません。しかしながら、御承知のように日米経済協力というような問題が最近大分表に出て参りまして、これとの関連におきましてあるいは相当程度の外資導入が実現する日が来るかとも考えておりますが、それは、その時期につきましても、折衝の状況につきましても何ら承知いたしませんので、ちよつとお窓口えいたしかねます。
  43. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 この問題は相当大きい問題で、政府委員に聞くことは無理かとも思います。また場合によれば秘密会でもやつてもらうような必要があるかもしれませんが、われわれがこの資金需給見通しをつけ。あるいはまた産業資金の問題を論ずる際に、この外資の問題に触れなくてはほんとうに意味をなさない。かような意味におきまして責任ある大臣の御出席を求めて、この点をできるだけ明らかにしていただきたいということを要求いたしまして、きようは質問を留保いたします。
  44. 前田正男

    前田委員長 ただいまの有田委員の御希望は、できるだけ早い日に実現するように、委員長の方といたしましては努力をいたします。  他に御質疑はありませんか。——別に御質疑もないようでありますので、本日の質疑はこの程度とし、この際参考人招致の件についてお諮りいたします。  ただいま調査を行つております資金計画外貨予算並びに金融政策に関する件につきまして広く各界の人の御出席を求め、本委員会においてその参考意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 前田正男

    前田委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決しました。  なおその参考人の氏名は、委員長手元に、興国人絹パルプ株式会社社長の金井滋直君、千代田銀行頭取の千金良宗三郎君及び日本銀行副総裁の二見貴知雄君、以上三名の方々にいたしたいとの御希望が出ております。ただいま申し上げました三名の方々をそれぞれ参考人として出席を求めるに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 前田正男

    前田委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決しました。なお参考人招致に関する手続等につきましては委員長に御一任を願います。  本日はこの程度にとどめまして、次会は明十四日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十三分散会