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石田委員長 御質問でございますからお答え申し上げますが、実はこれは公式に運営
委員長として私が
衆議院議長たる林
議長に対して申し入れたわけではありません。ただ私自身が、政府では任期一ぱいやるという御議論もありまし
ようし、また世上ではそういう議論にかかわらず
解散機運というものが非常に高ま
つておる。そういう場合、
解散がもしなされるならば、その
解散の時期等は昭和二十八
年度、つまり来
年度の予算の編成、成立ということを十分勘案してなされなければならないと私は考えたわけでございます。その点について議論をする人が全然今までありません。これは従来あるいは片山内閣、芦田内閣のときに、占領下におきまして当初から一年を通算した予算が立てられないで、四月分、五月分あるいは大月分と、こま切れで立てた例がありますが、今日の
ように完全に独立をいたしました時代におきましては、こま切れの予算を
提出する、あるいはしなければならない
ような事態を生むということは、これは
国会としても政府としても、当然
国民に対して相済まないことでなければならない。そこで
解散の時期等については、そういう予算成立に十分な日にちということを考えなければならない。もちろん、
解散しないで任期一ぱいやるということに
なつて、
選挙前に来
年度の予算を成立させるという方針ならば別問題でありますが、もし
解散ということを考えるとするならば、その
解散の時期等は、二十八
年度予算を成立させる最小限の日にちというものを考えてやらなければならぬ、こう思いまして、それを事務的に――事務的にと申しましても、
事務当局の御意見を聞いたわけではありませんが、現行法規上私の私見を
衆議院議長と
自由党の総務会長である益谷秀次氏に申し入れたのであります。その私見はこういうことでございます。つまり昭和二十八
年度予算というものを
年度末、すなわち三月三十一日までに成立せしめますためには、
衆議院は二月末日に議了しなければならない。
衆議院の審議に要する日にちは、本予算におきましては、従来休日を入れて三十五日から四十日近くかか
つております。そういたしますと、少くとも一月二十日には、つまり新
年度の休会明けには予算案が
国会に
提出されていなければならない。予算編成に要する作業の日にちは、最小限考えて三十日と見ましても、年末年始の休暇が十日間あります。そういたしますと、四十日間。そこで十二月十日には予算編成作業に入る。総
選挙の結果でありますから、いずれの党派が内閣を組織するかわからないが、そのときまでに新内閣の政策というものが
決定しなければ予算編成作業に入れない。そうすると、新内閣組織から政策
決定までの間というものは、最小限十日間ぐらい見なければなりませんから、十二月一日には料内閣が成立していなければならない。そうすると、
国会が召集せられまして、総理大臣の指名が行われて内閣が成立するまでは、やはり最小限十日くらいは見なければならない。そうすると十一月二十日には
国会が召集されていなければならない。現行法規によりますと、
選挙法規によりますと、
選挙終了から新しい
国会召集までは三十日以内ということに
なつております。三十日全部必要でないとして、できるだけ端折るといたしましても、
選挙管理
委員会で当選が確定して、召集
手続をや
つて十分間に合うには、やはり一箇月かかる。そうすると十月二十日には
選挙が終了していなければならぬ。
選挙運動の期間は、今度の改正
選挙法が成立するといたしましても二十五日ありますから、九月二十五日には告示が行われなければならない。そこで
解散がもし行われるとするならば、二十日より前に
解散が行われなければ、予算成立というものはこま切れになる危険があります。そういうことであ
つては、現在の政府は、
あとのことはどうでもいいということになるかもしれないが、そういう考え方で
解散問題というものを処理してもら
つては困るので、そういう点、十分考えなければならないということを非公式に御注意申し上げたのであります。そこが新聞紙に漏れて記事に
なつたということであります。