○中野
四郎君 私は、今までの
お話のあらましを聞いてみて、皆さん方におのおの主張するところがあることは了とします。しかしながら、
お話を総括して言えば、この
懲罰に付する動議は、私は
反対だ
つたのです。むしろ議場内における
発言に対して、
議長が一応整理したものを、さらに
懲罰委員会に付するというようなやり方は、私は納得できなか
つたのでありまするが、それは過去のことなんです。一応これが多数決できま
つて、
懲罰委員会にかか
つて、そうして
議事日程に載
つて、出て来てからも数日を経ておるのです。
先ほど懇談中の
石田一松君の
お話を例にあげては、たいへん惡いのですけれども、
前例もなるほどありましよう。しかしながら
前例でも、これは惡い例でありまして、惡例なんです。私の今日申し上げようとすることは、決して
風早君や林君を責めるものじやなくして、議会の権威のために、特にこの問題はすみやかに
上程すべしというのであります。その
理由は、先ほどからいろいろ
お話のありましたうちで、
請暇ということが大分
議論にな
つております。われわれは、少し前の国会において、このことでは苦い経験をなめておるのです。すなわち、
会期末に
懲罰事犯があ
つて、
懲罰に付せられた者が、
病気その他の
理由で、どうしても出て来ない。これがために、本
会議では一応
日程に上げられながら、それを執行することができなか
つたという、非常に権威を失墜した事実があるのであります。議会全体の問題を言うのです。今度の
風早君、林君の場合におきましても、
会期が今月一ぱいという
状態下において、
病気で六日間の
請暇をし、あるいは所用のために届出を出して休んでおるというのですが、それなら、これを
上程する
機会はおそらくあるまいと思うのです。
日程に載せても、
本人の事故のためにこれを決することができないというのでは、衆議院の権威那辺にありやと私は言わざるを得ないのであります。
従つて、これは
議員の
身分に関することでありまするから、
日程を繰上げて、まず第一番にこれを決するのが正しいと思いまするが、ただここで、もう一点申し上げなければならぬことは、今
田中織之進君の
お話を聞けば、きわめて軽い処置だと言
つておりまするが、
共産党にと
つても、また
議員としても、自分の
発言をうそをつきました、間
違つておりましたなどと訂正することは、これはたいへんな問題なんです。そこで先ほどどなたかが心配しておられたように、拒否して読まない場合はどうするかといえば、残念ながら、
国会法、衆議院規則には何ら罰則はないのです。端的に言えば、議院の品位を傷つけるという一点しかないのであります。しかし、こういうような大事な問題に対して、
日程に載せられながら、これを裏でやみ取引で抹殺し合
つたり、あるいは一応こうして議題になりながら、そういう
理由のもとに
会期中全然これが本
会議の議題に付せられないことになるならば、一体議会の
議決というものは、どこに権威があるか。こういう見地から、私は、
両君にはお気の毒ではありまするけれども、本日すみやかに
日程を繰上げて第一番に
風早君、林君の
懲罰事犯に関する件を議題とすることに対して賛否を問う必要があると思います。