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1952-06-21 第13回国会 衆議院 議院運営委員会 第66号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二十一日(土曜日)     午後三時十五分開議  出席委員    委員長 石田 博英君    理事 倉石 忠雄君 理事 福永 健司君       岡延右エ門君    岡西 明貞君       鹿野 彦吉君    菅家 喜六君       島田 末信君    高塩 三郎君       田中  元君    田渕 光一君       中川 俊思君   橋本登美三郎君       柳澤 義男君   山口喜久一郎君       石田 一松君    椎熊 三郎君       小林 運美君    長谷川四郎君       土井 直作君    松井 政吉君       梨木作次郎君    竹村奈良一君       羽田野次郎君  委員外出席者         議     長 林  讓治君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 佐々木更三君         議     員 中野 四郎君         議     員 黒田 寿男君         議     員 小林  進君         事 務 総 長 大池  眞君         衆議院参事         (事務次長)  西澤哲四郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  回付案取扱いの件  国会法第十三條の解釈に関する件  本日の本会議議事に関する件     ―――――――――――――
  2. 石田博英

    石田委員長 それでは本日の議院運営委員会を開会をいたします。  初めに、回付案取扱いの件を議顧にいたします。
  3. 椎熊三郎

    椎熊委員 回付案議題にする前に、本日の本会議を招集せられた問題について、御相談を申し上げたい。それは……。
  4. 石田博英

    石田委員長 ちよつとお待ちくださいませんか。今せつかく議題にしたのだから、これをどうするかということをきめまして、その次に議題にいたしたいと思います。最初に、地方税法の一部を改正する法律案取扱い議題にいたします。
  5. 倉石忠雄

    倉石委員 地方税法の一部を改正する法律案参議院回付案については、本日これを上程していただきたいと存じます。
  6. 石田博英

    石田委員長 地方税法の一部を改正する法律案は、自由党賛成ですか。
  7. 倉石忠雄

    倉石委員 回付案賛成いたします。
  8. 石田博英

    石田委員長 自由党賛成、改進党はいかがですか。
  9. 椎熊三郎

    椎熊委員 これをどうして自由党賛成になつたのですか。きのうまで、自由党水田政調会長がわが党に来まして、どうしても予算を膨脹せしめるような参議院修正には賛成しがたい、院議尊重建前から、三分の一でこれをけりたい、従つて反対してもらいたいという交渉があつたのであります。われわれの方では、これが回付案になつて以来、衆議院ですら予算を膨脹せしめるような改正行つて送付した法案であつて、さらに参議院でもつて衆議院修正には手を加えておらぬが、その上にわずかばかりの修正をして返して来た、この参議院修正は、衆議院送付案よりもよりよくなつておるという見地から、われわれはこれに賛成するということを主張して来たにもかかわらず、約一箇月近くもこれを自約党の都合で握りつぶされております。これらも会期延長しなければならぬ事態原因一つになつておる。それを突如として本日は賛成して、参議院修正をのむ、しかも昨日から今日にかけて両院情勢が險惡な空気にあるにもかかわらず、あえて本会議を開会して、これをうのみにするというのは、私は政治行動として了解に苦しむ点があるので、自由党賛成をするに至つたいきさつについて御説明願いたい。そうでないと、われわれは昨日と今日で、まるでだまされておるような形になる。
  10. 倉石忠雄

    倉石委員 ただいま回付案に同調するということについて、私どもの意向を徴せられたのでありますが、ただいま椎熊さんがおつしやいましたように、われわれは地方税法改正案については、非常に重大なる問題であると存じましたので、昨日まで、これに対してそれぞれの機関をもつて慎重に検討を加えておつたわけであります。初めからこれに同調しないという態度をきめておつたということはないのでありまして、これは御承知のように非常に広汎にわたる修正であります。そこでわれわれは慎重に検討をいたしました結果、今日に至つて、われわれは同調してもさしつかえないという結論を得ましたので、参議院修正に同調するということになつたのであります。これは、私どもの方の党の態度として決定いたしたものであります。     〔発言する者多し〕
  11. 石田博英

    石田委員長 ただいま各派態度を順次伺つておるのであります。他の発言は、この件が済んでから伺います。     〔発言する者多し〕
  12. 石田博英

  13. 石田一松

    石田(一)委員 ただいま地方税法の案とかいうものが議題になつて、この委員会審議されておりますが、もうすでに運営委員等も御承知のように、昨日のこの委員会においてまた本衆議院において議決した会期の問題について大きな疑義がある。(発言する者多し)ちよつとお持ちください。これをいかに取扱うか、法案手続等についての実質的な審議をしたということが、会期延長を何ら異議なく承認したという既成事実になるというおそれが多分にある。こういうことでありますので、やはり一応これは疑義を解明したあとで――決して私は会期延長が無効だとかなんとかということは言いません。私は国会法等も十分調べていろいろ研究しておりますが、一応こうしたことについて、今後疑義が残らないような方法をとつておいて、それから実質的審議に入る方が、私は議事を進める上に妥当な方法であると思います。     〔発言する者多し〕
  14. 石田博英

    石田委員長 静粛に願います。私が通常の通り議事運営をいたしておりますのは、回付案についてで、昨日の会期延長につきまして疑義が起つておるということは、新聞紙上においてけさ拝見はいたしました。しかしそういうことを正式に私の方に申出があつたということは聞いておりません。     〔「議長に申し上げておりますよ」と呼び、その他発言する者多し〕
  15. 石田博英

    石田委員長 議長に対する申入れは、本日の本会議を延ばしてもらいたいという申入れと承つております。本日の本会議を延ばしてもらいたいということは、やはり当然会期延長せられたという事実の上に立つてでなければ、延ばさないとかいうお話は受取れない。疑義があるならば、明らかに出席せられない、無視されるという態度に出られるのが当然でございます。ここにちやんと御出席になつて、しかも延ばしてやるという御議論がある以上は、私の方は正式に議論になつておるとは思いません。  それからいま一つは、私はそういうものの疑義は、新聞紙上では拝見をいたしましたが、(発言する者多し)現在までの国会法制定当時におきまする質疑応答、及び審議経過、それから過去昭和二十四年だつたと思いますが、同様事例がございます。こういうことはすでに何度も議論されて、確認をせられておることでございます。従いまして新聞紙上疑義疑義として、記事としては読みましたけれども、何ら疑義をはさむべきものがないと思う。また何ら疑義を申出られたことも私は承つておりません。従つて回付案議題にしておるのであります。その他の発言は、この件が片づきましてからこれを許します。改進党の御態度を承ります。
  16. 椎熊三郎

    椎熊委員 改進党はもとより修正案賛成です。われわれが賛成したがゆえに、自由党が困つて、今日まで握りつぶしておつたゆうべ事態の変化によつて、われわれに屈服せざるを得ない情勢が出て来た。君らは、ゆうべの九時ごろまで水田君がわれわれに迫つてつたにかかわらず、突如としてこの態度の豹変は、政治的に君らの行動ははなはだおかしなことで、この案に対する忠実な態度ではない、こういうように思う。一箇月もかかつて反対したものがゆうべ事態から急にこれをのむという……。
  17. 石田博英

    石田委員長 わかりました。社会党はいかがですか。
  18. 土井直作

    土井委員 私は回付案に対する態度決定する前に……。
  19. 石田博英

    石田委員長 それ以外の発言は許しません。     〔発言する者多し〕
  20. 石田博英

    石田委員長 共産党はいかがですか。     〔発言する者多し〕
  21. 石田博英

    石田委員長 社会党左派はどうですか。     〔発言する者多し〕
  22. 石田博英

    石田委員長 労農党発言はございませんか。     〔発言する者多し〕
  23. 石田博英

    石田委員長 それでは回付案取扱いについては、発言がございません。従つてお諮りいたします。地方税法の一部を改正する法律案を、本日上程するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。  次に、日本開発銀行法の一部を改正する法律案回付案取扱い議題にいたします。
  25. 倉石忠雄

    倉石委員 本案については、本日は留保せられんことを望みます。     〔発言する者多し〕
  26. 石田博英

    石田委員長 本案は、本日留保に御異議ございませんか。     〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
  27. 石田博英

    石田委員長 さように決定いたします。  次に、南方連絡事務局設置法案取扱い議題にいたします。
  28. 倉石忠雄

    倉石委員 本案は、本日は留保せられんことを望みます。
  29. 石田博英

    石田委員長 本案は、留保に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 石田博英

    石田委員長 さように決定いたします。それでは回付案取扱い決定いたしました。(発言する者多し)他に御発言がありますれば許します。石田一松
  31. 石田一松

    石田(一)委員 ……。     〔発言する者多し〕
  32. 石田博英

    石田委員長 石田一松君御発言ありませんか。
  33. 石田一松

    石田(一)委員 あります。私は今ここで退席すれば、また昨日の会議みたいなことが起ることを恐れて、われわれは野党側の主張を主張したいのです。要するに会期の問題については非常に疑義があるので、この疑義を解明されない間に、一方的に運営委員長がこれを議題にして、多数をもつてこれを強引におやりになるのでは、運営委員会を開かなくても開いても同じ結果になるのです。ここで話合いをつけてやろうというのが運営委員会の本旨であるならば、そうした強引な方法をおとりにならないで、回付案回付案会期の問題は会期の問題でやつて発言する者多し)やかましい。発言を得てやつておるのじやないか。そういうときにこの問題を解明することが――審議に入るか入らないかということが問題なんですから、やはり一応この際多数党の襟度で聞いて、それから入つてもらいたい。今までのやり方は誤りですよ。     〔「こんなことをしなくても解明できるじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕
  34. 石田博英

    石田委員長 静粛に願います。――静粛に願います。ただいま石田一松君から、昨日の会期延長について疑義があるという申込れがございました。従つてこの件を議題にいたします。
  35. 石田一松

    石田(一)委員 昨日この運営委員会において、参議院側から、十日間の延長参議院決定した、こういうことで、参議院議長から衆議院議長に報告があつたということを議題として、運営委員会は、一昨日の運営委員会において運営委員長が諮られた常任委員長会議における結果を一応了承した。われわれはしなかつたのですが、多数でこれが決定して、咋旧の運営委員会は十日間の延長を一応議決した。しかし昨日からきようあたり新聞、あるいは参議院の各党とわが党あたり連絡を聞いてみますと、昨日の参議院運営委員会におきましては、野党が総退場した後に――まだ会期を幾日延長するかということが決定しないうちに野党が退場しておるにもかかわらず、これを與党並びにその他の会派でもつて一方的に決定した。そのことを参議院規則の二十二條ですか、これに照してみますると、私たち参議院のことを云々する資格はありませんけれども、おそらくこれは正当な手続をふまれた参議院決定でない、私たちはそういうふうに考えられる。それを正式なものとしてわれわれが受けてやつたところに、私は瑕疵があると思う。そこで、参議院並び衆議院規則よりか国会法の方が優先するのであつて、事実の問題としては、衆議院国会法十三條によつて優先的に会期決定する権限を持つておるのでありますから、それを云々するのではありませんけれども、昨日この運営委員会決定あるいは本会議決定には、その決定に至るまでの過程において相当な瑕疵がある。参議院の本会議に、これが議題ともならなかつた会期の問題が議題にもならなかつたものが、いわゆる国会法の十三條によるところの両院議決が一致しなかつたということに相当するかどうか。これらの問題等につきましては、今後もありますので、これは十分この運営委員会等においても検討をして、今後に疑義を残さないような方法で、この運営がなされなければならぬ、私はこう考えますので、ぜひそれを皆さんに諮つて十分論議をして、それをどういうふうに所置するか、そのことを私はこの運営委員会決定してもらいたい、こういうように考えるのであります。
  36. 石田博英

    石田委員長 問題が二つにわかれておるのであります。一つは昨日の参議院における議院運営委員会審議経過について、こういうお話でございます。これは本院といたしましては、他院審議の状況については、とやかく申す筋ではございません。われわれといたしましては、参議院議長佐藤尚武さんから、本院議長林讓治氏に対して申入れがございまして、本院議長林讓治氏からその旨議院運営委員会にお諮りになりましたので、それを議題にいたしたのであります。従つて参議院における審議経過等の問題は、本委員会議題とはいたしません。しかし国会法十三條の解釈について疑義があるというお話でございます。この件につきましては……。
  37. 石田一松

    石田(一)委員 それに疑義があるというのです。決定に至るまでの過程において……。
  38. 石田博英

    石田委員長 それでは国会法第十三條の解釈について疑義があるというお話でございますから、それについて議題にいたします。
  39. 椎熊三郎

    椎熊委員 委員長は悪いくせで、何か議題を圧縮して限定してしまうことは、当委員会の性格からいつてよくないと思う。これは別として、私は関連しておるから発言するのだが、参議院審議内容等は、当院が干渉すべきでないということは一応了承する。しかしながら参議院行動といえども、当院と関連したものに対しては、私どもは見のがしてはならぬ。そこで国会法の命ずるところによれば、会期場延長等は、参衆両院議長において協議する。その後に議決する。その協議前提として、常任委員長会議を開いて、その意見を聴取するということが明文の上にあると私は記憶しておるのです。私どもの調査するところによれば、参議院議長は、参議院常任委員長会議を開いてそのことを諮問しておりませんし、そのことは懇談会なる席上でも議題になつておらぬということです。そうすると、参議院議長が当院議長協議になつた行動前提條件が欠けておるということ、これは、ことは参議院のことではあるが、当院と折衝という関連性のある問題だから、無視してはならぬ。他院のことだからどうでもいいというような問題とは違う。従つてそういう瑕疵のある問題によつて、強硬にきめられた会期延長についてはすでに十二條、十三條の解釈そのもので、今日の会期延長が無効だというのではない。これを決定する前提の問題に非常に疑義があるので、これを解明した後、スムーズに行つてもいいじやないか、われわれは、衆議院だけがきめて、参議院はどうでもいいというのではない。今日の会期延長は、それは主として参議院原因がある。そうして大事な法案を通過させたいという熱意があるなら、冷却期間でも何でも置いて、参議院に、冷静な判断ができるような状態にしておいて、あなた方は政府提出法律案をなるべくたくさん全部を通させたいということが念願であるなら、そういうことを無理をして、それの阻害になるような行動をして何の得になるか。それはきのうも言つたように、與党政府に対する不親切噂もあり、ただ強行して、頭数でつつぱりさえすれば何でもできるという誤つた感覚が、かえつて惡い原因になるのである。こういう瑕疵のあることから来ておるのだから、そこで私が言うのは、本日は回付案の上程などをきめる前にそういうことを話し合つて、われわれは、当院としては会期十日をきめた以上は、院議尊重建前をとつて、それは一応認めますが、そこに疑義があるならば、それが了解がつくようなこと容進めたらどうですか。それだから私は野党連合を開いて、今朝以来議長に申入をしておる。その申入れは、本日の状態は、参議院としては委員会も満足に開かれない、本会議も開かれない、運営委員会も開かれない、という状態行つては、両院制度を持つ建前からは、議会政治というものが円滑に行つておる状態でないのだから、少くとも本日のところは本会議を開かずに、冷静期間を置いた方がよいということが、われわれの念願です。(「必要なし」と呼ぶ者あり)あなた方が必要がないと認めたなら、それは多数あるのだからできましよう。しかし冷静にみんな了解して、君たち発言する者多し)みんな冷静にこの問題を判断して、了解の上でやるようにした方がいいのだ。     〔発言する者多し〕
  40. 石田博英

    石田委員長 静粛に願います。     〔「あなた一人でそんなに言い過ぎじやないか」と呼び、その他発言   する者多し〕
  41. 椎熊三郎

    椎熊委員 そういうむちやな発言をしてはよくない。われわれの崇拝する先輩じやないですか。
  42. 石田博英

    石田委員長 御発言をお慎しみ願います。静粛に静います。
  43. 椎熊三郎

    椎熊委員 そこで私の言うのは、議長に頼んだのはそのことです。何も十日の延長が無効だというのではない。両院をスムーズに進めるためには、われわれも努力するから、きようのところは、本会議を開いては向うを刺激するだけで、ちつとも効果がない。(発言する者多し)そういうことでなしにやつたらどうかといとのです。     〔発言する者多し〕
  44. 石田博英

    石田委員長 ちよつと待つてください。私が今お諮りをいたしておりますことは、国会法十三條の解釈疑義があるということで、お諮りをしておるのであります。参議院の問題は、重ねて申し上げますが、参議院代表者議長であります。その代表者から本院に申入れたことを、やはり参議院決定と本院は解釈せざるを得ません。参議院が他の議決をされて、あらためて、昨日参議院議長が申出たことは、あれは瑕疵があつて間違いであるということを申出られたら、そのときには議題になりましようが、本院といたしましては、参議院議長が正式に申し出でられる以上は、それを信頼する以外に道はございません。従つてこの件についての議論発言を許しません。国会法第十三條における疑義に限定して議題といたします。  さらに申し上げますが、これは法律解釈論でございます。従つて政治的な議論、たとえば與党のために、野党のためにといつたようなお考えをいただくような趣旨の発言は、これを許しません。十三條の解釈だけを許します。
  45. 椎熊三郎

    椎熊委員 議事進行について――委員長は何の問題で発言を許したとか、何の問題に限定するとか……。
  46. 石田博英

    石田委員長 議事の整理のためであります。
  47. 椎熊三郎

    椎熊委員 こういうことは関連しておる。そういうことでは問題を解決するために、何にもならぬ。お慎みください。
  48. 石田博英

    石田委員長 私は、そうは思いません。
  49. 椎熊三郎

    椎熊委員 それが無理なことですよ。現に関連して発言をしておる、そういう問題を抑圧するのはよくない。
  50. 石田博英

    石田委員長 十三條の解釈疑義があるということでございますが、(発言する者多し)他の御発言がありますか――あなたの発言議題になつておるのでありますから、あなたの発言は許しません。
  51. 倉石忠雄

    倉石委員 ただいま十三條の解釈についての椎熊君の御意見を承つておりますと、法律的解釈に何ら疑義がないということを明確に言つておられるのであります。椎熊君のその御意見については、われわれもまつたく同感であります。それであればこそ、参議院の昨日の会議録を見ましても、議院運営委員会におきましては十日間の会期延長決定したということを、参議院の書類は明確に書いておりますし、本日の参議院の公報を見ましても、十日間の延長決定されて、そうして左記の常任委員会を開催するからという通知も、平常通り出ておるのであります。そこで十三條は、もはやまつたくこれは疑義のないことでありますから、それに基いて行動をとるということは、われわれ衆議院側もては、少しもさしつかえのないことと思う。ただ椎熊君の御発言の中に、委員長がそういうことは議事進行上よしてもらいたいという御発言であるにもかかわらず、参議院議長の申出に……。
  52. 石田博英

    石田委員長 参議院についての発言は許しません。倉石君の発言は許しません。(「委員長公平」と呼ぶ者あり)十三條の解釈について、他に御発言がありますか。
  53. 梨木作次郎

    梨木委員 今、倉石君の御発言もありましたけれども国会法十三條の解釈につきまして、今、椎熊君の方からの発言を私よく聞きとれなかつたのでありますが、憲法並びに国会法二院制度をとつておる建前から申しまして、衆議院参議院に優先するという建前をとつておることは当然であります。しかしながら会期の問題については、第十三條で、両院議決決定することになつております。ところで参議院につきましては、延長の問題については何らの意思表示議決というものがないのであります。十三條では両院一致議決に至らないときには、衆議院によるとありまして、参議院が何らの議決をしておらない場合におきましては、衆議院議決が……(発言する者多く、聴取不能)そういう建前をとる。これは二院制度建前から申しまして、そういう解釈は成り立たないと考えることこそが、憲法とさらに二院制度をとつておる精神から行きまして、これは当然だと思う。でなければ何ら参議院というものは、国会会期決定する意味におきまして発言権がないということを肯定することになる。これは私は憲法建前から行きまして、とらざるところだと思う。しかも私はこの際、けさほどわれわれが議長に面会を申し入れまして、そうして十三條の解釈の問題並びに参議院におきまして議決されてはおらない。(発言する者多し)従つてその状態のままで、衆議院会議運営いたして参りまするならば、これは国会運営全体が円滑に行くとはとうてい期待できないから、この件についての議長見解を伺つておるのでおります。ところが先ほど議長のお使いとして西澤次長が参られまして、この点につきましては議院運営委員会において何分の回答があるやに私は承つたのであります。従つてこの件について議長がどのような努力をされたが、しかも衆議院においては十日間の議決をしておるが、参議院は何らの議決をしておらない。この状態のままで国会運営して行くということは、これはまつた国会運営を混乱に陥れることになりますから、その点について議長としての見解を伺いたい。     〔発言する者多し〕
  54. 石田博英

    石田委員長 ただいま議長使いとして、今朝、野党各派から議長に申し入れられたことについての返事を、西澤事務次長各派に伝えたそうでありますが、その西澤事務次長各派に伝えられた言葉内容を、ちよつと西澤君に伺いたいと思います。
  55. 西澤哲四郎

    西澤参事 先刻、私、野党各派に伺いまして、議長のお使いとして申し上げた言葉をもう一度申し上げておきたいと思います。議長としては、ただいまの段階におきましては、今朝の申入れに対しまして、ただちに応じかねる事情にあるように思われます。つきましては本日の議事につきましては、あらためて運営委員会において御協議願いたいと思います。こういうことを私申し上げたと記憶いたしております。
  56. 石田博英

    石田委員長 議長の御意思もその通りでありますか。
  57. 林讓治

    林議長 その通りであります。
  58. 石田博英

    石田委員長 従つて委員会において、本日の議事についてお諮りをしておるわけであります。
  59. 石田一松

    石田(一)委員 私は、この際国会法十三條の解釈につきまして、先例、慣例、前例等について事務総長ちよつとお伺いしておきたいと思うのです。この後段の「両議院一致議決に至らないときは」というこの解釈は、衆議院は、もちろん昨日の本会議記名投票までして議決されておりますが、参議院では、なるほど運営委員会では野党各派が退場したとはいいながら、残された定足数のある運営委員会決定されたでありましよう。しかし、参議院の本会議においてはこれが決定に至らない、議題にも上らなかつたということは事実なんです。「両議院一致議決に至らないときは」ということは、参議院では全然これが本会議議題にもなつていなかつたというときにも、やはり両議院一致議決に至らなかつたというものの中に含まれる先例があるかどうか。そのことについて、ちよつと事務総長からお聞きしたいと思います。
  60. 大池眞

    ○大池事務総長 ただいま石田委員から御質問でございますから、一応申し上げます。ただいま先例を含み、前例があるかという御質問につきましては、前例は今度が初めてで、そういうことはないのでございますが、立法当時は、ちようど中野さんも委員つたと思います。一番最初に委員は二十人おられまして、これは各派から出ておられましたので十分おわかりだと思いますが、起案をしていただきまして、それが特別委員会国会法委員会というのにかかつて、正式に御決定を願つたのであります。その際に、会期のことであるから、両院の一致の議決があつた場合に定めるのが原則である、会期延長の場合もまたしかりということで、それが十一條と十二條に書いてございます。十三條には、そういうのが原則だけれども、かりに両院議決が一致しない場合が起るわけであります。一方は会期延長よろしい、幾日間がよろしい、他方は、よろしいが、日が違つておるという場合と、会期延長する必要はないということで否決をする。そういう場合があり得る。それから衆議院の方で議決したけれども参議院の方は議決に至らなかつた議決をしなかつたという場合と、今度は参議院議決をしたけれども衆議院の方が議決に至らなかつた場合、こういう場合がいろいろ起るわけであります。その場合を全部含めまして、議決が一致した場合は十一條と十二條で決定するけれども、一致の議決に至らなかつた場合には、一院で議決したけれども、一院では議決がない場合も含めるということで、あらかじめ議論がありました。これは当時の参議院事務総長をやつておりました小林さんも、会期のことについては両院でやるのだから、そういうばかなことはあり得ない、衆議院が優先的なことをしないようにしてくれという申入れがあつたのでありますが、万々一そういうこともあり得るのだということで、十三條の逐條説明のときにも、九十一回の帝国議会の二十一年十二月十九日の委員会に私が出て、これは説明員として説明しております。私は、その当時の起草委員の諸君のあとの整理を全部させられておつた関係で出ておりますが、「両議院一致議決に至らないとき」とありますのは、これは必ずしも参議院衆議院議決が一致しないときだけをさすのではなくて、衆議院議決したが、参議院議決しなかつた場合も予想しておりますということを、はつきり御説明を申し上げております。(「それは事務総長見解だ」と呼ぶ者あり)ただ私はその当時の状態を申し上げただけであります。     〔発言する者多し〕
  61. 倉石忠雄

    倉石委員 事務総長解釈論だとおつしやいますけれども、第五国会において両院法規委員会が、当時藤井新一君という委員長のもとに開かれまして――長くなりますから結論だけ申し上げますが、左派の羽仁五郎君などもここに出席して賛成しておられます。その結論は、藤井新一君は「では速記を始めて。……参議院議決に至らないときは、衆議院議決によるというような解釈をして行きたいと思います。これに賛成の方の挙手を願います。多数でございます。よつてそういうような解釈をいたすことに御異議ないと認めます。」これは第五国会両院法規委員会において決定をしておるものであります。先ほどのは、国会法制定当時の事務総長の説明ではありますが、こういうように、そういうことが明確になつておることは、先ほどの椎熊君がお認めになつた通りであります。
  62. 石田博英

    石田委員長 石田一松君が発言を求められておりますからこれを許します。石田君。
  63. 石田一松

    石田(一)委員 今の事務総長並びに倉石君から、第五国会等の両院法規委員会審議速記録等をお読みくださいました。これは一応了承いたします。そこで衆議院会期延長議決した。その議決したいわゆる過程ですが、参議院のことは言うなとおつしやるから、参議院とは申しません。その議決するに至るまでの過程において、何か瑕疵を認める……。
  64. 石田博英

    石田委員長 その発言は許しません。それは瑕疵があると参議院が言うて来た場合にのみ議題になります。
  65. 石田一松

    石田(一)委員 これは衆議院として瑕疵があると確信を持つて言える場合なんです。参議院から言つて来ようと来まいが、衆議院は左右されるものじやない。われわれは、衆議院議院運営委員として、これについて疑義がある、瑕疵があると思つた場合にでも、この十三條の解釈は生きるかどうかについて、もう一応両院法規委員会等において決定づけられることが、今後の混乱をなくすゆえんである。こういうふうに私は申しております。
  66. 石田博英

    石田委員長 そのことは議題にいたしません。というのは、本院は正式に参議院議長から本院議長に対して申入れを受領しておるのであります。従つて本院としては、他院代表者申入れを信ずる以外に道はございません。それに瑕疵がございますれば、参議院からあらためて申入れられたときにのみ議題になります。従つてこれについての重ねての発言は許しません。
  67. 梨木作次郎

    梨木委員 今、大池事務総長から、両院議決の問題について、参議院議決しなかつた、あるいは衆議院議決しなかつた場合の先例はないという報告がありましたのですが、私はこの問題に関連して申し上げます。たしかこれは第五国会だと思うのでありますが、やはり会期延長の問題につきまして、参議院におきましては、延長議決に際しまして、非常に混乱がございました。そうして実は議長が入つたけれども議長席につけない。その間隙をねらつてと申しますか、松島副議長議長席に着かれて、その間会期延長の問題を議題にされたのであります。それが非常に混乱しまして、結局指二本土げて、何か可決されたというようなことを(「そんなことはない」と呼び、その他発言する者多く、聴取不能)そのときに、たくさん議員諸君が押し寄せまして、何かここで多数の懲罰者が出て、結局これは議決があつたという(発言する者多し)ということでこの問題が処理されておる。これほど大きな犠牲を拂いながら、参議院議決の体裁を整えておるということ、これはやはりわれわれは非常に重要視しなければならぬ。これは一つの先例としまして、やはり参議院議決がなければ、この十三條の適用はできつこないのだという、こういう先例は、私はやはりこれを尊重する必要があると思う。この面からしまして、やはり單なる解釈だけでなく、やはり先例上からも、参議院議決前提とすると言えると思う。こういうような点から、やはり参議院議決がない場合は、十三條の、衆議院議決を優先せしめるということはないということを私は主張したいのです。
  68. 石田博英

    石田委員長 論議は一応二つ出ております。一つは第十三條の解釈におきまして、両院議決が違つた場合にのみ言えるのであつて、一院において議決がなかつた場合は、これを適用すべきでないという御議論でございます。他の御議論は、十三條の規定は、参議院において議決のない場合も含めたという、二つの解釈でありますが、他の解釈がございましたら、御発言を願います。それ以外は発言を許しません。
  69. 黒田寿男

    ○黒田寿男君 どうも委員長のように、あまり何もかも限定されましては、ちよつと話がしにくいのでありますが……。
  70. 石田博英

    石田委員長 議事進行のために……。
  71. 黒田寿男

    ○黒田寿男君 今大池事務総長から第九十一議会におけるこの問題についての取扱いの話がありましたし、それからまた倉石委員の方から、両院法規委員会における過去のこの問題に関する意見の御紹介がありました。私はむろんその通りであつたと思いますけれども、この問題が過去において論ぜられましたときには、現実の問題はなかつたのであります。仮定論として、万一そういう場合があつたときはどうするかという頭で、両院法規委員諸君が……。     〔発言する者多く、聴取不能〕
  72. 石田博英

    石田委員長 静粛に願います。
  73. 黒田寿男

    ○黒田寿男君 ところが今回初めて現実に……。     〔発言する者多し〕
  74. 石田博英

    石田委員長 静粛に願います。
  75. 黒田寿男

    ○黒田寿男君 今回初めて……。     〔発言する者多し〕
  76. 石田博英

    石田委員長 静粛に。
  77. 黒田寿男

    ○黒田寿男君 今回初めて、こういう現実に問題が出て来た……。     〔発言する者多し〕
  78. 石田博英

    石田委員長 静粛に願います。
  79. 黒田寿男

    ○黒田寿男君 私はかりにこういう問題が起つた場合に、両院法規委員会を開いて論ずる場合と、こういう問題がまだ現実に問題でなかつたときに論じたのでは違うと思います。従つて私はおそらく参議院両院法規委員諸君も、こういう新しい事態が起つてから、両院法規委員会でこの第十三條の解釈をあらためて論議するということになれば、また新事態に相応したような議論も出ると思う。そこを、私どもやはり二院制を認めておりますので、十分参議院の立場を考慮して、私は單に過去においてこういう取扱いがあつたということだけではピンと来ないと思います。やはりここに新事態が発生いたしましたことに基いて、このなまなましい感覚のもとに、さてわれわれはどう解釈するかということを、もう一ぺん冷静に議論してみる必要があると思います。それからもう一つ参議院の方は言うなと盛んに委員長からそういう御発言がありましたけれども、私は衆議院議決が有効無効ということを論ずる限りにおいては、それに触れざるを得ないのであります。私どもの言うことは、決して間違いないと思います。
  80. 石田博英

    石田委員長 黒田さんに御注意申し上げます。私の申し上げておりますのは、本院といたしましては、参議院議長申入れを信ずる以外には方法がございません。参議院議事内容について、一々その内容にわたつて本院が検討するという権能もなければ、そういう立場にもないのであります、現在の段階で、本院で承つておりますのは、参議院議長から正式に衆議院議長に申出があつただけで、それをくつがえす参議院の申出がないのであります。従つて他院のことについてこれ以上の発言は許さないという建前をとつております。
  81. 黒田寿男

    ○黒田寿男君 そのことが有効か無効かに関係があるのだから、従つて……。
  82. 石田博英

    石田委員長 そのことにわたる発言は禁止いたします。黒田君の発言を禁じます。  それではお諮りをいたします。御議論が盡きたようでありますから、お諮りをいたします。(発言する者多し)第一に、国会法第十三條の解釈におきまして、(発言する者多し)参議院議決がなかつた場合において、国会法第十三條の一院だけ議決したものをもつて有効と認めるということに疑義がある、こういう申出でございました。(発言する者多し)その申出に賛成、すなわち参議院において議決のない場合においては、衆議院の一院の議決では無効であると考えられる諸君の挙手を求めます。(発言する者多し)挙手はありません。従つて国会法第十三條の解釈は、現在までの両院法規委員会議決並びに国会法審議の際における質疑応答内容にかんがみまして、参議院において議決せざる場合においても、本院一院だけの議決をもつて足れりということに決定をいたしまして御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 石田博英

    石田委員長 さよう決定いたします。  従つて本日の議事についてお諮りいたします。本日の議事は、先ほど御決定願いました地方税法の一部を改正する法律案参議院回付案議題にいたします。他は火曜日の定例の本会議に……。     〔発言する者多く議場騒然、聴取不能〕
  84. 石田博英

    石田委員長 御異議なしと認めます。従つて本日の本会議は四時十五分に開会をいたします。  本日はこれにて散会をいたします。     午後四時散会