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1952-04-19 第13回国会 衆議院 議院運営委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月十九日(土曜日)     午後零時五分開議  出席委員    委員長 石田 博英君    理事 倉石 忠雄君 理事 土井 直作君       岡延右エ門君    岡西 明貞君       鹿野 彦吉君    川本 末治君       島田 末信君    田中  元君       田渕 光一君    中川 俊思君       柳澤 義男君   山口喜久一郎君       長谷川四郎君    松井 政吉君       梨木作次郎君    林  百郎君       羽田野次郎君  委員外出席者         議     長 林  讓治君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 田中織之進君         事 務 総 長 大池  眞君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  委員派遣承認申請の件  議員団派遣に関する件  緊急質問取扱いの件  本日の本会議議事に関する件     ―――――――――――――
  2. 石田博英

    石田委員長 それでは本日の運営委員会を開会いたします。  最初に、委員派遣承認申請の件を議題にいたします。事務総長より御説明を願います。
  3. 大池眞

    大池事務総長 地方行政委員会から、今回の鳥取市の火災に関して実情調査をいたしたいということで、大泉寛三君、河原伊三郎君、床次徳二君、門司亮君の、四君の派遣承認要求が参つております。
  4. 石田博英

    石田委員長 ちよつと懇談に移します。     〔速記中止
  5. 石田博英

    石田委員長 それでは懇談をとじます。  鳥取市の火災に対する委員派遣の件は、今後関係委員会から、同様な要求が出て来るであろうというような事情も考えられまするし、また委員派遣についての本委員会の従来の建前から申しまして、また北海・道の震災に対してとつた処置前例にものつとりまして、人数その他は後ほど御相談を申し上げるといたしまして、本院全体から見舞議員団を派遣することにいたしたいと存じますが、これについて御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 石田博英

    石田委員長 それではさよう決定いたします。  次に、人数及びその配分についてお諮りをいたします。ちよつと懇談に移します。     〔速記中止
  7. 石田博英

    石田委員長 それでは懇談をとじます。  御議論を整理いたします。今長谷川君から、五人という提議がございました。それについて共産党から、人数をきめる前に、各党から一人ずつ出さなければならないという原則を先に立てろという御議論であります。そこで、人数をきめる前に、林君のそういう原則をきめなければならぬという御提議についてお諮りいたします。林君の御意見賛成諸君挙手を願います。     〔賛成者挙手
  8. 石田博英

    石田委員長 挙手少数。よつて林君の御提議は否決されました。  次に、長谷川君から御発言がありました、見舞団は五名とするということをお諮りいたします。
  9. 倉石忠雄

    倉石委員 私どもは、長谷川君の御提案賛成します。
  10. 土井直作

    土井委員 わが党も賛成します。
  11. 石田博英

    石田委員長 他の会派はいかがですか。
  12. 林百郎

    ○林(百)委員 それは同じことだから……。
  13. 石田博英

    石田委員長 同じ種類の御議論は、すでにきまつておることでありますから、一事不再議であります。  長谷川君の御提議について採決をいたします。見舞団は、その員数を五名とするということに賛成諸君挙手を願います。     〔賛成者挙手
  14. 石田博英

    石田委員長 挙手多数。よつて派遣委員は五名と決しました。  次に、その配分についてでありますが、事務総長より御説明を願います。
  15. 大池眞

    大池事務総長 それでは申し上げますが、先ほども申し上げました通り、五名の配分は、先例によりまして自由党が三、改進党が一、社会党が一、こういうことになります。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 石田博英

    石田委員長 それでは、さよう決定いたします。  次に、見舞金の件をお諮りいたします。見舞金前例通りでよろしゆうございますか。ちよつと懇談にいたします。     〔速記中止
  17. 石田博英

    石田委員長 懇談をとじます。
  18. 長谷川四郎

    長谷川委員 前回北海道の場合は、その程度が、と言つてはまことに失礼でございますけれども、そういうようなことも考え、さらに北海道の場合は、宮城、岩手の方までまわつて来ましたのですが、今度は鳥取市のみでございますから、大体三百円くらいに決定していただくのが妥当かと思います。皆さんにお諮り願いたいと思います。
  19. 石田博英

    石田委員長 長谷川君の御提議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 石田博英

    石田委員長 では、さよう決定いたします。  見舞団の構成その他については、各派において御選考の上、御報告を願います。
  21. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 これは地方行政委員会から出て来たことですが、選考の場合には、その点を御勘案願つて関係の深い委員会から選考していただきたいと思います。
  22. 石田博英

    石田委員長 御希望の御意見でありますので、特に採決はいたしません。これは御自由であります。     ―――――――――――――
  23. 石田博英

    石田委員長 次に、緊急質問取扱い議題にいたします。  緊急質問は、ただいまお手元に議案を配付させておりますが、そのほかに一件追加されておるようでありますから、それを事務総長から御説明願います。
  24. 大池眞

    大池事務総長 ただいまお手元に配付いたしましたものには、すでに提出済み緊急質問四件が載つております。が、それ以外に、本日林百郎君から、国会陳情団に対する官憲暴行並びに国会面会室へのスパイ潜入及び官憲国会面会室破壊に関する緊急質問というのが提出されております。
  25. 石田博英

    石田委員長 それでは順次取扱いをお諮りいたします。  最初に、一から三まではどうでしようか。提案者の御意向を伺いたいと思います。
  26. 土井直作

    土井委員 きようは留保いたしましよう。
  27. 石田博英

    石田委員長 それでは一から三までは、本日は保留いたします。  次に、四の北海道野付郡における村八分事件に関する緊急質問についてお諮りいたします。これは、すでに前会提案理由説明願つて、本日は各派の御態度を御決定願うことになつておるのであります。各派の御態度を伺います。自由党はいかがですか。
  28. 倉石忠雄

    倉石委員 ちよつと懇談に願いたいと思います。
  29. 石田博英

    石田委員長 懇談にいたします。     〔速記中止
  30. 石田博英

    石田委員長 懇談をとじます。
  31. 倉石忠雄

    倉石委員 懇談中に、林さんからるる御説明を承りまして、よく事情はわかりました。なかなかむずかしい問題のようでありますから、法務委員会において十分に御検討を願いたいと思います。
  32. 石田博英

    石田委員長 改進党はいかがですか。
  33. 長谷川四郎

    長谷川委員 今せつかく調査中だというような林さんの御意見もあるようであります。法務委員会十分納得の行くように論議を尽して、なお足りない場合に本会議においてやるというふうに願いたいと思います。
  34. 石田博英

    石田委員長 社会党はいかがですか。
  35. 土井直作

    土井委員 同感。
  36. 石田博英

    石田委員長 社会党二十三控室はいかがですか。
  37. 田中織之進

    田中織之進君 この問題は、新聞紙にも報道されて非常に大きな問題になつており、政治的立場のいかんを問わず、取上げなければならぬ重要な問題だと思います。私ども人権問題を取扱つておる立場から言つて、同様な事件が全国にもなきにしもあらずでありますから、この際本会議においてこの問題を明らかにすることに賛成したいと思います。
  38. 石田博英

    石田委員長 農民協同党はいかがですか。
  39. 羽田野次郎

    羽田野委員 法務委員会の方で、慎重に検討された上のことでよいと思います。
  40. 石田博英

    石田委員長 大体各派の御意見がわかつたようであります。
  41. 林百郎

    ○林(百)委員 もしそういうことでしたら、私ども法務委員会でやつてみまして、法務委員会でなお不十分だとか、あるいはこれはやはり基本的人権問題で重要だから、本会議で最後に政府責任ある態度をたださなければならない必要のある場合にはただすことにして、一応留保しておいていただきます。
  42. 石田博英

    石田委員長 提出者から、留保するという御意見がございました。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 石田博英

    石田委員長 では、さよう決定いたします。法務委員会で十分御質疑が済むまで留保でありますから、毎日お諮りはいたしません。  次に、第五の国会陳情団に対する官憲暴行並びに国会面会室へのスパイ潜入及び官憲国会面会室破壊に関する緊急質問についてお諮りいたします。
  44. 梨木作次郎

    梨木委員 ただいま議題になつておる、わが党から出しておる緊急質問の問題でありますが、これは昨日、約三百名の学生諸君国会に来て、破壊活動防止法案反対に関する陳情行つたのであります。ところが、その陳情を終えて帰りかかつて国会の正門前にさしかかつたときに、突然約二、三百名の武装警官がこの陳情団に襲いかかつて、非常な暴行を加えたのであります。この事実が一つと、もう一つは、その後これらの警官の暴状につきまして、さらに国会議員陳情したいということで、衆議院面会室にこれらの学生諸君陳情に来た事実があるのであります。ところで、その面会室議員面談中具体的には、自由党田淵議員やわが党の林議員がこの陳情団と面会しておつたのでありますが、その面談をする際に、非常に学生諸君暴行を加えられて興奮しておる事態もあつたし、もう時間もおそくて他の陳情者もいないのであるから、あの面会室からは、学生陳情者議員衛視諸君を除いては、他の諸君は出て行つてほしいという申入れをして、衛視の方でもその点了承されまして、そうして陳情を聞いておつたのであります。ところが、そのうちに学生諸君の間から、この中に私服警官が入つておるということで、私服警官はさきの申合せと違うから出て行つてもらいたいという要求があつたらしいのであります。こういうことで、出て行つてくれ、出ないというようなことがあつた際に、その面会室の横のガラス戸をぶち被りまして、何を感違いしたか、待機しておつた武装警官が乱入しておるのです。私その現場におりませんでしたが、実際ひどい乱暴狼藉行つておるのであります。大体こういう事態について私たち質問したいのでありますが、ここで私たちが非常に重要視しなければならぬことは、国会へいろいろなことで陳情に来る、その陳情に来た人が帰る際に、なるほど院外ではあるかもしれませんが、こういうように警察官がひどい暴行を加えるということになると、国会陳情ができない、陳情の自由を完全に抹殺されるようなことになるということが一つと、もう一つは、面会室私服警官が潜入するようなことでは、警官によつて監視されるというようなことになつて、これでは国民が自由に議員と面会し、陳情することができなくなる。これではまつた民主主義を破壊すると私は考えます。この点が非常に重要だということと、もう一つは、そのとき目撃していた人の話によりますと、武装警官が、実は何か急を聞いてやつて来たんでしよう。ところが、そこでもじもじしておつたらしいのです。するとこの中の私服衛視が、君ら何をもじもじしておるのか、議長の命令じやないかというようなことで扇動して、この武装警官が一齊にガラス戸をぶち破つてつて来た。これは私は、とんでもないことだと思うのです。こういうような一連の事実を見ますと、このことを放置しておきますならば、まつた国民はうかく国会陳情することができないということになつて国会自身の機能を麻痺させることになり、民主主義の危機を感ぜざるを得ない。この点をぜひとも政府当局質問して政府責任を明確にし、民主主義を守る立場から、この問題を重要視して取上げておるわけでありますから、ぜひとも各党においても御賛成を願いたいと思います。
  45. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 今、梨木君の御意見でありますが、何か感違いされておるようです。ということは、院内における行動は、これは法務総裁質問する性質じやない。院外の問題は、それは法務総裁質問する性質も残されておると思います。しかしこれは、おおむね議院秩序に関する問題ですから、院内警察及び秩序に関する小委員会の方で論議さるべきであつて、本会議に持つて行くなんということは少し逸脱しておるように思うのです。その点は何かひとつ御相談してください。
  46. 林百郎

    ○林(百)委員 ちよつと、その点補足いたします。山口さんの意見もごもつともですが、実はきのうは、私も田淵さんもおりまして、その場所に田中織之進君も、社会党赤松君もおりましたが、それはのいてくれまして、衛視も、外では議院の規則があるから中に入れと言つて、中に入つて田淵さんと私が聞いておつた。そこに私服がいた。それを出す出さないというのが悶着だつたのですが、そこには衛視がおり、われわれ議員がおる。そこでこのまま放置するならば治安の責任が持てないから何とかせいと、私たちに相談してくれて入るなら別ですが、われわれが陳情を聞いておるときに、ガラス戸をバリバリ破つてつて来る。こういうことでは、国会権威も何もなくなるわけです。だから、入る警察官にそういう訓練をしておるのかどうか、一体どこに行つても、そこの主管者に何らの連絡なくして侵入する権利があるのかないのか、そういう点をはつきりさせたいのです。
  47. 石田博英

    石田委員長 懇談にいたします。     〔速記中止
  48. 石田博英

    石田委員長 大分御議論も尽きたようでありますから、懇談をとじます。  大体の御意向は、本委員会の中にできております院内警察及び秩序に関する小委員会で十分調査した方がよかろうという御意見のようでありますし、これ以上さらに採決等をやる必要もないと思いますから、共産党の方におかれても、そういうふうにおとりはからいになつたらいかがですか。
  49. 林百郎

    ○林(百)委員 梨木君も言われますように、私たち警察官態度とか、いろいろなことで政府責任を追究しようと思いましたが、皆さんそういう御意見でありますならば、きようは土曜日ですから、月曜日にでも院内警察及び秩序に関する小委員会で必ずやつていただくように委員長においてとりはからつていただくならば、われわれも考えてもいいと思います。
  50. 石田博英

    石田委員長 委員会において決定したことは、委員長責任を持つことは当然であります。
  51. 大池眞

    大池事務総長 今の問題に関連して申し上げます。院内警察及び秩序に関する小委員会は、運営委員長もその一員になつておりますが、他の委員はまだ各派から申出がございません。各派の方々は、あるいは従来通りとお考えかもしれませんが、従来通りならそれでけつこうですから、至急にお申出を願いたいと思います。人数は、委員長を含めて十名ですから、あとの九名を配分いたしますと、自由党が六、改進党、社会党共産党がそれぞれ一でございます。
  52. 石田博英

    石田委員長 それでは、できるだけすみやかに御報告を願います。
  53. 林百郎

    ○林(百)委員 月曜か火曜に開くようにとりはからつていただきたいと思います。
  54. 石田博英

    石田委員長 できるだけすみやかに開会するようにいたします。     ―――――――――――――
  55. 石田博英

    石田委員長 次に、決議案取扱いの件を議題にいたします。事務総長から御説明を願います。
  56. 大池眞

    大池事務総長 決議案は、領土に関する決議案だけがまだ残つておりますので、これをお諮り願いたいと思います。
  57. 石田博英

    石田委員長 この決議案は、本日は留保するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 石田博英

    石田委員長 では、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  59. 石田博英

    石田委員長 次に、本日の本会議議事の件をお諮りいたすのでありますが、その前に、前回の本会議におきまして生じました木村法務総裁答弁に関することについて、社会党二十三控室の方から、議題にしてもらいたいという希望がございます。従つて、この件の取扱いをお諮りいたします。まず最初に、田中織之進君の発言を許します。
  60. 田中織之進

    田中織之進君 一昨日の本会議におきまして、わが党の赤松勇君が、破防法案提案説明に対しまする質問行つたのであります。この質問終つて岩本議長も、木村法務総裁から当然答弁があるものだという前提のもとでありましよう、法務総裁を呼び出されて、総裁演壇中央近くまで進んで参つたのであります。見ましたところ、答弁の要旨でも書かれた紙きれも持つてつたように見受けたのであります。ところが、たまたま改進党の椎熊委員が、これは質問じやないんだから答弁の要はないというような意味のことを、議席を離れて、演壇の近くに寄つて発言をいたしておつたのであります。そのために法務総裁うしろへしりぞいたわけではありますまいけれども、どうしたわけか、法務総裁自分の席へもどりまして答弁をしない。そこで私らが議長のところへ参りまして、答弁要求したのであります。それに対して副議長から重ねて法務総裁に、答弁があるかどうかということを尋ねられたようでありましたが、法務総裁が手を振つて答弁をしないという意見を表示されたとみえて、岩本議長から、法務総裁答弁はないそうですという報告があつて、その次の議事に進んだ事件であります。この事件は、少くとも破防法というきわめて重要な案件に対して、特に本会議において説明を求め、各派質問を認めるということが当日の運営委員会で決定をいたされまして、特に提案説明に立つた法務裁総に対する質問を、わが党の赤松委員が他の五名の諸君とともに行つたわけであります。それに対して法務総裁が、副議長からの指名によつて演壇中央まで進んだというところは、当然答弁意思があつたものとわれわれは見受けたのであります。それにもかかわらず、たとい椎熊君の答弁の要なしという不規則発言があつたとはいえ、これに対して答弁を全然しないということは、われわれ国会議員に対しまする法案提出の当面の責任者たる法務総裁態度として、われわれ承服のできないところであります。これは、ただ単にわが党の赤松議員に対する重大なる侮辱でありまする祭りなかなか、われわれ国会議員質問権に対する政府側の重大な冒涜だといわざるを得ないと思うのであります。その意味合いにおいて、この問題に関しまして、法務総裁がいかなる意思で、赤松君の質問に対して答弁を一旦はしようとして途中でやめたかという、事の次第を明確にしてもらいたい。  それから、この問題の一つの原因になつておると見られる椎熊議員の、質問ではないんだから答弁の要なしという、この不規則発言の問題であります。この問題に対して、後ほど椎熊議員とお目にかかつたときには、椎熊君は椎熊君としての見解を表明せられており、ことに自分議場内交渉係として議長に注意をしようと思つて出かけたのだという重大な意見を述べておつたのでありますが、たとい議場内交渉係という職責にあるとはいえ、少くとも法務総裁が、答弁意思あるからこそ議長指名従つて演壇中央にまで歩を進めておるときに、これを阻止するかのごとき行動をとることは、議員としての行動にもとるものだと考えるわけであります。  この二点の問題につきまして、これはただ単に、ただいま申し上げました一赤松議員に対する問題だけではなくて、議員全体の質問権に対する権威をあらしめるという観点から、ことに議長から指名をされて演壇中央にまで出て来たのを、ゆえなくして答弁もせずにもどるというようなことについては、これはおそらく部外者が見ましても、こういうみつともない姿はないと思うでしようし、議院全体の品位の上からも、この点は法務総裁に対して重大な反省を求めなければならぬ案件だと思いますので、議院運営立場から、全般の問題について議長の諮問に応じて審議いたしまする本委員会としては、ぜひともこれを議題として取上げていただきたいというのが、私どもの方のこれを提案いたしました理由でございます。
  61. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 田中君の御意見では、今椎熊君の不規則発言に基くということでありますが、椎熊君の不規則発言を難詰する権能は私らにはない。議員院内において何を発言しようと、それが院の権威を冒犢するとかなんとかいうことであれば別ですが、椎熊君は椎熊君の自由の立場から発言したので、その採否を法務総裁がさように感じたのか、あるいは椎熊君の不規則発言によらずして、演壇まで行つたが、いや、これは答弁の必要なきも百のだと思つてひつ込んだものか、それはおのずから別個の問題である。いわんや政府が、おおむね意見として、それに対して発言しないということは、これは今後ともあり得べきことであつて、これを非難することは当らぬ。だから、かかる問題をいまさら論議する必要はないと私は思います。
  62. 林百郎

    ○林(百)委員 御承知の通りに、破防法は、非常に大きい国民的な関心のもとに、百万人にも及ぶような労働者が抗議の意思を表わしておるというような重要な法案で、これは議運の取扱いとしても、予算初めほかの重要案件と同じように慎重な取扱いをしようとして、本会議においてやつたことなんですから、これに対して各党の代表が質問しておるのに、山口委員が言うように、答えようと答えまいと、それは法務総裁のかつてだというようなことは、みずから国会権威を抹殺しておることだと思うのです。それは、国務大臣とか、政府委員であれば、少くとも国会の慣例は十分知つておるはずです。こういう重要な案件取扱いに対して、椎熊君が手を振つたことが動機かどうか知りませんが、答弁をしない、質問を無視するということは、明らかに国会権威を無視するものだと思うのです。そういう意味で、政府反省を求めなければならぬ。政府としてできるだけの誠意を示さなかつたら、国会はまつたくさる芝居になつてしまうのです。それを言おうとしておるわけです。
  63. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 そこで、国会権威を重んじようとするならば、やはり国会議員は、意見を述べる機会は幾多ありますから、なるたけ政府答弁ができるように、質疑議題のときには、質疑を中心として運営して行つていただきたいと思います。私もきのうは聞いておつたが、赤松君の発言は、おおむね意見が多かつた。そういうことでなくして、やはり国会権威をなお高からしめようとすれば、やはり質疑のときには質疑をやる。それに対して、おおむね意見だと思えば答えない。共産党は常に法廷においても熟否権というのを使われておるが、政府といえども黙して答えざることもある。だから、答えないということを取上げて論議するのは当らぬ。法務総裁の裁量は自由であります。これをさらに、なぜ答えぬかと言うても、答えぬというものは答えぬ。だから、答えやすいように質疑をすればいい。そういうふうに時間をもう少し有効に議員が使うように、お互いに心がくべきものであると私は思うのです。
  64. 石田博英

    石田委員長 いろいろ御議論が出たようでありますが、だんだん時間も迫つて参りますので、私からひとつ皆さんにお諮り申し上げたいと思います。それは、今与党の山口喜久一郎さんの御意見もございますし、それに反対の御議論もございましたが、やはり議会の円満なる運営建前から申しますと、できるだけ国務大臣には懇切丁寧な答弁を願うのが建前であると存じます。従つて、懇切丁寧な答弁を願いたいということは、議院運営委員長といたしまして、本委員会において議論の出たことを申し伝えて、善処いたしたいと存じます。椎熊君の行動については、これは本人もここにおられませんことですし、さらに議員の主観に基いた言動でございますので、御本人がいらつしやらないところで取扱うことはできない。また同時に、質疑討論にわたりがちだという現象は、最初申し上げました国務大臣に親切な答弁を願うということのためにも、やはり質疑質疑範囲内に限定すべきものである。従つて発言者におかれても、質疑質疑討論討論として、議長において許された発言性質範囲内にとどめるべきが至当ではないかと存ずるのであります。従つて、本問題の処置といたしましては、国務大臣に対しては、前段に申し上げました処置委員長として行います。それからなお本委員会において、質疑及び討論は、それぞれ議長において許された範囲内において行うということでやつていただくということを申し合せて、この問題についての解決といたしたいと私としては考えるのでありますが、いかがでございましようか。
  65. 林百郎

    ○林(百)委員 よくわかりましたが、私が問題にしたのは、一旦あそこに答弁するといつて法務総裁が出て来たのに、椎熊君が手を振つたのが動機かどうか知りませんが、しりぞいたという、これは非常に重大だと思うのです。委員長も言われるように、立法府が十分行政府意見を問いただすことができなくて、答えるか答えないかは、それは行政府の自由だというような山口委員意見のようでは、極端に言えば、立法府の存立意義はなくなると思うのです。この点は委員長として厳重に政府に伝達してもらいたい。そうでなかつたら、立法府の存在意義はなくなつて、フアツシズムと同じことになると思うのです。
  66. 石田博英

    石田委員長 今の林委員の御発言の趣旨も、あわせて委員長として政府に申し伝えます。
  67. 田中織之進

    田中織之進君 本問題を提起いたした私どもとして、委員長立場において御処置くださるということについては、その限りにおいて異存はございません。ただ赤松君の発言質問範囲を越えておつたかどうかという問題につきましては、少くとも質問の前段において、政府にたださんとするところは明確に提示をしております。ただ法案の撤回を求める点においては、質問の形式になつておらなかつたという点で、言葉の足りない点は本人も認めておることだと思うのです。しかし、この問題については、少くとも岩本議長指名に基きまして法務総裁演壇に出られたというところには、法務総裁として何らかの答弁意思があつたということをわれわれ今日においてもなお信じておるのであります。その意味で、いつの機会とは申しませんけれども赤松君の質問した事項に対しまする法務総裁答弁がないということであればいたし方ございませんけれども、私どもは、少くとも法務総裁が副議長指名によつて演壇中央まで進んだということについては、十分何らかの答弁意思があつたものと見受けまするので、適当な機会に法務総裁から赤松君の質問事項に対して答弁をしていただくよう、その点もあわせて委員長から法務総裁にお伝えを願いたいと思います。
  68. 石田博英

    石田委員長 ただいまの田中君の御発言の趣旨も、あわせて法務総裁に伝えて、御趣旨に沿うよう努力をいたします。  それでは、私から申し上げましたような処置をいたすことによつて、本問題の解決といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 石田博英

    石田委員長 では、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  70. 石田博英

    石田委員長 次に、本日の本会議議事の点をお諮りいたします。事務総長より御説明を願います。
  71. 大池眞

    大池事務総長 それでは本日の本会議議事日程について御報告を申し上げますが、日程第一から第四までの四件は、大蔵委員会理事佐久間徹君が御報告になりまして、日程第一と第二は共産党反対、日程第三と第四は、社会党共産党社会党二十三控室の三派が反対でございます。そうして日程第一から第四までにつきまして、共産党の高田富之君が反対討論をいたされます。そこで、この採決にあたりましては賛成の派が違いますので、日程第一と第二を最初採決して、それから日程第三と第四を採決するというふうに、二回にわけてお願いしたいと思います。  次に、日程第五と第六は、一括して厚生委員会理事丸山直友君が報告をされます。これは全会一致の案でございます。  日程第七は、運輸委員長岡村利右衞門君が報告をされまして、反対共産党で、討論はございません。  それから日程第八は、農林委員会理事の平野三郎君が報告をされまして、これは全会一致でございます。  これで日程の第一から第八までは一通り済みますが、運輸委員会から、海上警備隊の職員の給与等に関する法律案が上つて参りましたので、本日の日程に追加して緊急上程を願いたいということでございます。これは共産党反対でございますが、労農党、無所属は、欠席をしておりまして態度がわかりません。この一件だけ緊急上程をお願いいたしたいと思つております。本日の議事日程については、以上でございます。
  72. 石田博英

    石田委員長 本日の本会議議事日程については、ただいまの事務総長説明を了承するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 石田博英

    石田委員長 それではさよう決定いたします。     ―――――――――――――
  74. 石田博英

    石田委員長 次に、梨木君から発言を求められておりますので、この際梨木君に発言を許します。
  75. 梨木作次郎

    梨木委員 十七日の本会議の傍聴席に、―これは新聞記者席だそうでありまするが、よく外国人が傍聴する席であります。そこに、新橋の島村ホテルの元女中で、高橋光江さんという人が入つてつたのであります。あそこへは、外国人が傍聴する場合は、日本人と違つて自由に出入できることになつておるそうでありますが、しかし米兵がそういう人を連行するような場合も同じような扱いをするということは、醜態だと思うのであります。これは高橋光江さんに聞きますと、その米兵に、きよう写真をとりに行こう、一緒に行かないかと言われて来たということでありますが、これはまことに重大だと思いますので、今後こういう扱いは絶対にやめていただくように、この運営委員会でお取上げになつていただきたいと思います。
  76. 林百郎

    ○林(百)委員 ちよつと補足しますが、これはお互いにわれわれが自分の家内を傍聴させるにも、ちやんと院内の規則によつて厳重な手続をふんでやつておるのに、そういう人が貴賓席にすわつておるということでは、われわれあそこにいること自体いやらしく思うわけです。
  77. 石田博英

    石田委員長 ただいまの御発言はごもつともと思います。なお、たとえば通訳とか、あるいはそういう種類の人の取扱い方も考えなければなりませんが、これは本院において取扱い上注意いたすことにいたしたいと存じます。     ―――――――――――――
  78. 石田博英

    石田委員長 次に、次回の本会議についてお諮りいたします。次の定例日は火曜日の二十二日でありますけれども、ただいまの模様では、月曜日中に委員会の審査を終了する議案の見当がつきません。従つて、月曜と火曜の二日を休んで、二十三日に開くことにいたしますか、それともその次の定例日である二十四日にいたしますか。     〔「次回の定例日」と呼ぶ者あり〕
  79. 石田博英

    石田委員長 それでは二十四日、木曜日に開くことにいたします。     ―――――――――――――
  80. 石田博英

    石田委員長 次に、もう一つお諮り申し上げたいことがございます。それは、例の平和条約発効記念式典の式次第についてであります。これについて事務総長より御説明を願います。
  81. 大池眞

    大池事務総長 これは、この前議長に御一任という御決定で、相談をいたしました結果、やはり平和条約の発効という事実をとらえた方が無難だというようなことで、日本国独立というようなお話もありましたが、平和条約発効並びに日本国憲法施行五周年記念式典ということで、二つを合せた意味でお願いすることになりました。そこで、この平和条約発効並びに日本国憲法施行五周年記念式典の式次第でありますが、これは従来通り、従来通りと申しますと、全員参列というあとに、衆議院議長が式辞を述べ、次に参議院議長、その次に内閣総理大臣、最高裁判所長官、東京都知事の順で式辞を述べ、そのあと東京都議会議長の発声で日本国の万歳を三唱して陛下には御帰還あらせられる、こういう形になつております。その通りに一応式次第をお願いすることになつておりますが、その際に、平和条約発効というような事実が加わりましたので、場合によりますれば陛下からお言葉を賜わるようなことがあるかもしれない。これはあるかないか、きまつておりませんが、あるといたしますれば、五人の方の式辞が済みましたあとにお言葉を頂戴して、万歳を三唱する。こういうことで、これはきまり次第差込みますから、御了承を願いたいと思います。そういうことで式次第はお願いしたいと思いますが、ただ内閣の方に、こういうお話がありますので、一応皆さんの御意見を伺いたいと思いますのは、もし陛下のお言葉があれば、これを承つて、そのあと君が代を合唱して、それから黙祷でもしてみることが必要ではないか、これはどういうものだろうかというようなお話がございます。この君が代の合唱並びに黙祷を式次第の中に入れるか、従来通りにするか、一応御意見を承つた上にいたしたいと思います。
  82. 石田博英

    石田委員長 各派から順次御意見を承ります。
  83. 長谷川四郎

    長谷川委員 平和条約発効の日は、非常に私たちにとつて喜びの日であります。また喜びの半面、犠牲者に対して哀悼の意を表さなければならぬと思います。この日にあたつて、これらの人々に対して黙祷を行うことは、われわれ生き残つた人間の義務であると考えますので、これを行つていただきたいと思います。君が代の合唱も、もちろんけつこうでございます。
  84. 土井直作

    土井委員 ただいま、式次第の内容等については従来通りということでありまして、さらに陛下からお言葉があつた場合に、君が代の合唱及び黙祷ということでありますが、黙祷の問題は、いわゆる平和条約発効で独立いたしまする日本といたしまして、しかもこういう結果になつたということについては、いわゆる敗戦によつてたくさんの方々が犠牲になつておりますから、これに対して喜びの半面、われわれがやはり哀悼の意を表する必要があると思いますので、黙祷に対しては決して異議はございませんけれども、君が代を歌うという問題につきましては、この前のような事態を招来しますれば、かえつて威信を傷つけるような形にも見えますので、その問題については、にわかに賛意を表するわけには行かないと思います。
  85. 梨木作次郎

    梨木委員 私どもの方は、講和条約には反対し、この講和条約というものは決して日本が独立するのではなくて、まつたく隷属化する屈辱的な条約であるということから、実は祝典どころか、弔いであると思います。この式典を催すこと自体反対であります。もちろん君が代とかなんとかがその式典の中で行われることは、絶対に反対いたします。
  86. 田中織之進

    田中織之進君 講和条約に反対という立場は別といたしまして、式典が行われるということは一つの既定の事実に属する問題であります。特に問題になつておる黙祷と君が代の問題ですが、黙祷については、ただいま土井君が、述べられたと同じ意味で、別に異議はありません。君が代の問題については、これが正式の国歌であるかどうかという点も問題があるわけでありますので、この点については私どもの方は賛成できません。
  87. 土井直作

    土井委員 ただいま承りますと、五月二日に新宿御苑で慰霊祭が行われるそうでありますから、そういうような点がありますれば、黙祷並びに君が代の合唱等は省略して従来通りにやる方がよかろうと思います。  なお、この際ちよつとお伺いしておきたいのですが、この間斎藤茂吉さんがつくつた式典歌がありました。あれはやるのですか、やらぬのですか。
  88. 大池眞

    大池事務総長 それは、まだはつきりしておりません。あれは式次第に入つておりませんが、式次第の前後に、合唱と申しますか、奏楽せられるということであれば……。
  89. 土井直作

    土井委員 奏楽をやるということですね。
  90. 羽田野次郎

    羽田野委員 黙祷は異議ありませんが、君が代の合唱の問題は、今土井さんの言われたような意味で、賛成できません。
  91. 倉石忠雄

    倉石委員 私どもとしては土井君の御提案賛成いたします。
  92. 石田博英

    石田委員長 大体の御意向がわかつたようでありますから、その御意向に基いて、事務当局に御折衝を願います。     ―――――――――――――
  93. 林百郎

    ○林(百)委員 なお、日ごろ委員長が非常に関心を持つておられる例の議員立法の問題ですが、本日わが党の方から、野田当該責任大臣の出席を求めました。委員長もこの問題については非常に重大な関心を持つておるからという私的な話もあつたようであります。われわれとしては、ぜひ近い適当なときに、当該責任者である野田建設大臣に対して当議院運営委員会へ出席を求めて、この問題についての責任をただしたいと思いますから、その機会を持つよう委員長においてとりはからつていただきたいと思います。本日は委員長の私的なお言葉もありましたから、一応考慮しておきますが、その希望を強く申し上げておきます。
  94. 石田博英

    石田委員長 御発言は承りました。
  95. 長谷川四郎

    長谷川委員 前回破防法案を連合審査するということになつておりますけれども、なるべく早くやつていただきたいと思います。
  96. 石田博英

    石田委員長 本日の本会議は一時三十分でいかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 石田博英

    石田委員長 それでは本日の本会議は一時三十分に開会いたします。  本日の運営委員会はこれにて散会いたします。     午後一時十二分散会