運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-03-04 第13回国会 衆議院 議院運営委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月四日(火曜日)     午前十一時四十分開議  出席委員    委員長 石田 博英君    理事 倉石 忠雄君 理事 福永 健司君    理事 山本 猛夫君 理事 土井 直作君       飯塚 定輔君    岡西 明貞君       鹿野 彦吉君    川本 末治君       島田 末信君    高塩 三郎君       田渕 光一君    柳澤 義男君       石田 一松君    小林 運美君       長谷川四郎君    梨木作次郎君       林  百郎君    羽田野次郎君  委員外出席者         議     長 林  讓治君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 上林與市郎君         事 務 総 長 大池  眞君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  菅野内閣官房長官より法律案提出予定等に  ついて説明聽取  検察官適格審査会委員及び同予備委員の選出に  関する件  外国為替管理委員会委員長任命につき同意を求  めるの件  社会保障制度審議会委員推薦に関する件  緊急質問取扱いに関する件  懲罰動議取扱いに関する件  本日の本会議議事に関する件     ―――――――――――――
  2. 石田一松

    石田委員 それでは、本日の議院運営委員会を開会いたします。  初めに、共産党の梨木君より、法案提出見込み並びに行政協定議事録公表について、官房長官出席を求められておりますが、官房長官は事故がありますので、かわりに副長官出席されております。あらかじめ発言を求められております範囲で、御発言願いたいと思います。なお梨木君の御出席のために三十分も待ちましたので、質疑等も簡略にお願いいたします。
  3. 梨木作次郎

    梨木委員 前会に、本会議提出法案についての政府の計画を伺つたのでありますが、それによりますと、三月上旬までに相当の法案がすでに提出されるはずでありますが、まだその運びに至つておりません。どういうことになつておりますか、法案提出状況を伺いたい。
  4. 菅野義丸

    菅野政府委員 ただいまのお尋ねにお答えいたしますが、先般この委員会において申し上げましたように、法案提出につきましては、政府は今鋭意促進をいたしておりまして要綱は少くとも二月中に内閣の方に出すこと、それから提出は本月の中旬くらいまでにすること等を原則的にきめまして作業をして参つたのであります。その結果、大体この国会に今後出します法案は、現在までに国会提出したものを除きまして、百五十件ばかりになる予定でございます。それで、目下司令部に出しておりますものが四十三件ございます。これは間もなく国会提出できると思います。あとのものにつきましては、極力急いでおりまして、先般申し上げました原則に対する例外をなすようなものがありますが、これらのものに対しましても極力早く出すようにいたしまして、詳細な提出予定日時等につきましては、今各省と相談してきめております。いずれ書面にして近くお目にかけることができると思いますが、それによつて了承願いたいと思います。三月中に審議を要するもの、すなわち四月から実施になる予定法律案につきましては、特に提出を急いでやつておるような次第でございまして、目下関係各省折衝、調整しておりますので、しばらく御猶予を願いたいと思います。以上でございます。
  5. 土井直作

    土井委員 今おつしやつたものを、数字で簡単にお知らせ願いたい。
  6. 菅野義丸

    菅野政府委員 ちよつと数字を申し上げます。現在までに提出いたしましたのが四十三件ございます。そのうち成立が七件でございますので、現在両院にかかつておりますものは三十六件であります。衆議院が二十件で、参議院が十六件という数字でございます。司令部のオーケーが参りまして、印刷ができ次第すぐ出せるものが四件ございます。目下司令部に申請中のものが三十九件、こういう数字になつております。すでに提出済みのもの以外に、大体百五十件ばかりの法律案が予想されております。しかしこれは極力関係の省と折衝いたしまして、少くするように今内閣で努力しておるところでございます。詳細な予定表は、いずれつくりましてお目にかけたい、こういうように存じております。
  7. 土井直作

    土井委員 閣議決定をいたしたものはないですかね。
  8. 菅野義丸

    菅野政府委員 閣議決定の分は、本日十一件あります。その前までに八十六件やつております。その八十六件の内訳が、ただいま申し上げましたような提出四十三件、目下司令部に出しておるものが四十三件、ちようど半分半分で八十六件、本日十一件やりましたので、閣議決定をいたしたものは九十七件、こういう数字になるわけでございます。
  9. 梨木作次郎

    梨木委員 名前はどうなるか知りませんが、いわゆる団体等規正法あるいは特別保安法というような法案は、閣議決定を経たものの中に含まれておるかどうか、あるいは含まれておらないとすれば、いつごろ提出予定であるかを伺つておきます。
  10. 菅野義丸

    菅野政府委員 団体等規正法というようなものは、閣議決定にはなつておりません。従いまして、これはいつということはまだわかりません。あるいはまた出すか出さぬかということもまだ未定になつておる次第でございます。
  11. 梨木作次郎

    梨木委員 そうすると、最近新聞でも報道されております特別保安法というものですが、実質的な団体等規正法を法制化するといいますか、これは今のお話だと、いつ出すかわからぬ、提出するかどうかもわからぬ、こういうように聞いてよろしいのですか。
  12. 菅野義丸

    菅野政府委員 仰せの通りでございます。
  13. 林百郎

    ○林(百)委員 行政協定に関する諸立法があるわけですね。それは副長官は御承知のことと思う。これはこの国会中に提出する予定政府はしておるのですか。それとも臨時国会でもお開きになるのですか。
  14. 菅野義丸

    菅野政府委員 行政協定に関する必要な諸立法は、講和条約の発効前にこの国会に出したいと思つて、今準備を進めております。しかしながら、中にはまだ先方と折衝を要するものがございますので、まだ立案の運びになつておりませんが、できるだけこれを早めまして、この国会に出したいという希望を持つて準備を進めておる次第でございます。
  15. 梨木作次郎

    梨木委員 そうすると、行政協定を締結するに至るまでの議事録でありますが、これは新聞の報道によりますと、希望者には配付するというようにわれわれ問いおるのでございます。これはどうしても国会議員として見ておかなければならぬものでありますが、これはどういうふうにされますか、そこのところを伺いたいのであります。
  16. 菅野義丸

    菅野政府委員 先般岡崎大臣から、今御質問のようなことにお答えしたはずでございますが、ただいま議事録を調製中で、ございましてでき上りませんが、でき上りましたら、岡崎大臣お話したように、御希望の方に配付したい、こういうように考えます。
  17. 梨木作次郎

    梨木委員 いつごろろ配付運びになりますか。
  18. 菅野義丸

    菅野政府委員 ちよつと完成の予定は私聞いて参らなかつたのでありますけれども、できるだけ早くというように考えております。
  19. 林百郎

    ○林(百)委員 それの御希望の方はというような、何かカレンダーでも配るようなことでなくて、これは各国会議員が重大な関心を持つておるものですから、できるだけ印刷して各議員に配るというようにしたらどうか、またこの議運皆さんの御意見で、そういうような内部の申合せ、あるいは希望という形で、まとめていただいた方がいいと思いますが、どうでしようか。
  20. 石田博英

    石田委員長 全体の御要求であれは、御要求従つて取扱いたいと思いますが、それはまた別個の問題であろうと思います。
  21. 林百郎

    ○林(百)委員 この際ちようど長官か来ておるし、そういう希望もあると思うから……。
  22. 石田一松

    石田委員 これは副長官の問題ではないので、全体において必要であるというならば、皆さんの御意向がそういうことであれば、そういうように伝達いたしますが、政府の方としては、希望の人にお渡しすると言つておりますから……。
  23. 林百郎

    ○林(百)委員 どうでしよう、各議員の方も党にはかつていただいて、議運でまとめた方がいいわけでしよう。そういうことについて、適当なときに、この処置について各党意見を聞いて、議運で一応意見をまとめて、政府に伝達するということではかつていただければ、すぐ何もきようということではないから……。
  24. 石田博英

    石田委員長 御意見があれば、またそれはそういうお取扱いもいたしたいと思いますが、何かはかに
  25. 石田一松

    石田(一)委員 ちよつと今のことに関連して伺いたいと思いますが、これには冊数の制限があつて希望者がたくさんあるのに、抽せんとか優先順位とかいうようなことで配付しないということになりますと、いくら希望しても、もらえない者はもらえない、もらえる者はあとから出したつてもらえる。こういう不公平が生ずると思います。そこでこの点は希望ですが、よほど政府においても十分な考慮を払つて、もしそういう部数制限がある場合には、公平に、各党政調会に渡すというような方法を講じてもらいたい。
  26. 土井直作

    土井委員 今石田君が言うのは、部数制限があるかないかという問題ですが、それを先に伺つたらどうですか。
  27. 石田一松

    石田(一)委員 希望者にのみということですから……。
  28. 石田一松

    石田委員 菅野君、お答えになりますか。部数制限があるかどうか、希望者に渡すという問題について……。
  29. 菅野義丸

    菅野政府委員 議事録は何分にも非常に厖大なものでございまして、印刷にも相当日数がかかるのであります。なるべくならば少数の者にというようなお考えから、岡崎大臣がこれにお答えしたのだと思います。しかし御希望の方には、漏れなくお渡しするように考えております。
  30. 林百郎

    ○林(百)委員 もう一つ簡単なことですが、先ほどの行政協定に基く諸立法について、どういう立法をするかということがわかりましたならば、なるべく早く表にでもして配つていただきたい、その点を希望いたします。
  31. 菅野義丸

    菅野政府委員 承知いたしました。
  32. 石田博英

    石田委員長 それでは菅野長官に対する質疑はこれで終ります。     ―――――――――――――
  33. 石田博英

    石田委員長 次に、社会保障制度審議会委員推薦の件を御協議申し上げます。事務総長から御説明を願います。
  34. 大池眞

    大池事務総長 社会保障制度審議会委員大石武一君が辞任いたしておりますので、その補欠をお願いいたしたいのであります。それから青柳一郎君と福田昌子君の任期が、三月の四日にたしか満了をいたすはずに相なつております。従いまして、その補欠をお願いいたしたいと考考えておるわけであります。結局三人になるわけですね。そこでただいままでの委員は、衆参両方で五人ずつになつておりまして、衆議院の五人は、自由党が三、改進党が一、社会党が一ということで、三、一、一の比率で出ておつたのであります。そこで自由党の方が、ここで大石君と青柳一郎君のお二人減りますので、その補充を二名出していただきたい、こう考えるわけであります。社会党の方で、今まで出ておられました福田昌子君が任朝満了いたします。が、社会党がその後二つになりました関係で、福田君は今二十三控室の方に所属せられております。ところが三、一、一のその一名の補充は、二十三の方へは割当が参りませんで、社会党の方へ参りますから、それも御了承願いたいと思います。これは御承知通り各党から御推薦を得ましたものを議長推薦をいたしまして、内閣が委嘱をするということでありますから、本議場で決定をする問題ではございません。その点も御了承を願います。なお社会党の方から、福田昌子君に対する補充の一名、自由党の方から大石武一君と青柳一郎君の二名に対する補充を申し出ていただくようにお願いいたします。
  35. 土井直作

    土井委員 ただいまの問題については、この前ちよつと問題がありましたのですが、私の方から二十三の田中委員に、なるべく早いうちに福田君の辞任をしてもらいたい。それからもう一つあるのでありますが、それは任期あと二年ばかりある。それは佐々木更三君がやつておるものでありますが、二十八年まで任期がある。そこで、実はその問題を田中君の方へもお願いしおつたのでありますが、なかなか簡単に、それじや辞任いたしましようということにならぬものですから、任期まで一応――そんな委員を二人、三人とる、とらないというようなことを言つておる必要はないと思いまして、待つておるわけであります。従つて福田昌子君の任期満了に伴う後任者ととては、わが党としては岡良一君を推薦しております。そういう関係でありますから、岡良一君の御推薦方議長にお願い申し上げる次第であります。
  36. 石田一松

    石田委員 ちよつと土井君、今の福田昌子君の件については、先ほど私の方から上林君に御了承を求めて、御賛成を得ております。それから今のもう一人の佐々木更三君云々のお話でありますが、これは御本人の辞任がなければ、委員会議題になりませんから、これは今回は保留を願います。
  37. 土井直作

    土井委員 それは暫定的に一応話をしておりますが、当人がやめないというものを、ふところから辞表をとつて行くわけにも行かぬから、徳義にまかせておるのですが……。
  38. 石田博英

    石田委員長 それではただいまの社会保障制度審議会委員推薦の件は、事務総長報告通り了承することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 石田博英

    石田委員長 御異議がありませんから、さよう決定いたします。後任者推薦については、次回の議院運営委員会までに御決定おきを願います。     ―――――――――――――
  40. 石田博英

    石田委員長 次に検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙の件を議題に供します。これは前会において御協議を申し上げ、本日までに御返事をいただくことになつていたものであります。事務総長の御説明を願います。
  41. 大池眞

    大池事務総長 これは前に御説明申し上げました通り、現在の委員松木弘君と柳澤義男君と鈴木義男君、この三君が二月十八日に任期満了いたしておりますから、その補充をお願いいたしたい、こういうことになつております。松木君と柳澤君は自由党、それから鈴木義男君は社会党でございますが、議員比率割当から申しますと、鈴木義男君がおやめになりましたので、補欠関係は当然自由党の方へ割当になるということをこの前御説明申し上げておいたのであります。前回の委員会では、社会党鈴木義男君にその割当をわけてくれぬかというお話がございまして、自由党の方でお考えおき願つて次会までに御返事があることになつておりました。それから予備委員西村直己君と尾関義一君のお二人がおやめになりましたので、その後任金原舜二君と山口好一君、これは両方とも自由党でございますが、補充をいたしたい、こういう申出であります。
  42. 石田博英

    石田委員長 自由党の方はよろしゆうございますか。
  43. 倉石忠雄

    倉石委員 検察官適格審査会委員割当につきましては、社会党さんの方からたつての御希望がございますようでありますから、今回は鈴木義男君にお讓りするのに異議ありません。
  44. 土井直作

    土井委員 ありがとうございました。
  45. 石田博英

    石田委員長 それでは、自由党の方に割当てられたる委員の一名を、鈴木義男君にお譲りするということであります。それではこの件も本日の本会議に上程することに決定いたします。
  46. 林百郎

    ○林(百)委員 松木君と柳澤君は重任ですか。
  47. 石田博英

    石田委員長 そうすると、御三君とも重任ということになりますね。     ―――――――――――――
  48. 石田博英

    石田委員長 次に外国為替管理委員会委員長木内信胤重任につき同意を求めるの件を議題に供します。
  49. 大池眞

    大池事務総長 これは今木内さんが委員長をやつておりますが、その任期が三月十五日に切れてしまうことになりますので、木内君を再び重任いたしたいということで同意を求めて来ております。三月十五日に任期満了でございますから、三月十五日までにおきめ願えればいいわけでありますが、各党が御異議がなければ、重任のようでありますから……。
  50. 林百郎

    ○林(百)委員 これはきようやりますか。
  51. 石田博英

    石田委員長 できればきようやります。
  52. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方はきようでもけつこうでありますが、外国為替制度そのもの占領下制度であつて占領が終了されたら、当然廃止すべきものであるという意見を持つておりますから、個人の関係にかかわらず反対いたましす。
  53. 石田博英

    石田委員長 賛成反対にかかわらず、本日上程には御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 石田博英

    石田委員長 御異議がありませんから、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  55. 石田博英

    石田委員長 次に緊急質問取扱い議題に供します。これは開会前に各党お話合いを願つてつたのでありますが、緊急質問は二十二件提出されておりますけれども、これはいずれもすでに大分緊急性を喪失したと思われる向きもございますので、この際これは全部一括して御撤回を願いまして、新しい緊急なる問題について別個に愼重に御協議提出を願うことにいたしたいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 石田一松

    石田(一)委員 これは出し直すかどうか知りませんが、一番最後の二十二は、二十一までと違つて緊急性がないことはない。たいへん緊急性がある問題だと思うのですが……。
  57. 石田博英

    石田委員長 それももちろん別にあらためてお出し願うように……。
  58. 林百郎

    ○林(百)委員 こういうように了解したらいいですね。一応撤回をして、新しく緊急性を持つもので、各党でぜひこれはというものを出して、それを愼重に検討し直すということですね。
  59. 石田博英

    石田委員長 私の申しましたのは、提出するについて愼重に願いたいということでございます。検討はもとより愼重であります。
  60. 林百郎

    ○林(百)委員 それでいいですね。
  61. 石田博英

    石田委員長 それでは別に御異議がありませんから、さように決定いたします。     ―――――――――――――
  62. 石田博英

    石田委員長 次に決議案取扱い議題に供します。決議案次会に延期することにいたしたいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 石田一松

    石田委員 御異議がありませんから、さように決します。     ―――――――――――――
  64. 石田博英

    石田委員長 次に懲罰動議取扱い議題に供します。ただいままで提出せられておる懲罰動議も、あまり長くなりますので、結論をつけなければいけないと思いますが、ちよつとただいままで出ております懲罰動議について、事務総長から御説明願います。
  65. 大池眞

    大池事務総長 一月二十六日、川崎秀二君を懲罰委員会に付するの動議提出になりました。これはその日に事件が起つたわけであります。それから二月十九日に、風早八十二君の懲罰動議が出ておるわけです。ただいま申し上げました通り、二件だけ懲罰動議が出ておりますので、御報告をいたします。
  66. 石田博英

    石田委員長 一件ずつ御協議願います。最初に川崎秀二君の懲罰動議について、お諮りをいたします。
  67. 倉石忠雄

    倉石委員 これは本日の本会議に上程して、処置せられんことを希望いたします。
  68. 石田一松

    石田(一)委員 私は、この問題について先般もいろいろと話し合つたことでありますので、あらためてこの際党としての意見を申し述べるということもどうかと思いますけれども、ただここに一言だけ申し上げたいと思いますことは、ただいま事務総長から御報告なさいましたように、この懲罰案件は一月二十六日の問題で今日はすでに三月のおひな祭りも済んで、だんだんと春めいて来ようという時候でございます。まあ気のきいた化けものならひつ込んでおるのです。(笑声)これも要するに、絶対懲罰にしなければならぬということが濃厚であるからこそ、動議が出ておるのでございましようけれども、それならばすでに今日まで幾たびも上程する機会があつたと思う。それを今日まで延期にするという形で延ばしておいて、予算案が通過し、しかも行政協定というような大問題が一応けりがついたというような形を見済まして、何だかこれは政治的に政略的に懲罰動議が出されておるような考えがわれわれには持たれてしかたがないのであります。私は川崎君のあの当日の行動というものについてもよく知つております。これは本会議において議事進行に関して文書をもつて発言の通告をしておる。しかも次に上程さるべき本会議議題に直接影響のあることに関する議事進行発言なんであります。結局あの際議長は、当然川崎君に発言を許すべきであつたが、これが多少手違いがあつた。川崎君は当然許さるべきものとして壇上上つた。それが事務総長の指示か、あるいはどういうからくりが途中にあつたか、議長の手元に届いていない。それがために、議長は次の人に発言を促した。ここに川崎君の行為懲罰に値するものということになるのでありまして、この点は、私は何も過去のことを申し上げるのではありませんが、現に衆人環視の中で、きわめて多数で暴力行為をやつた者さえが、この民主国会では懲罰委員会に付されておらぬのであります。にもかかわらず、一つの事務的な手続のあやまちのために、川崎君がどんどん壇上に許されるものとして上つて行つたということのみで、これをしかも一箇月、二箇月放置状態に置いて、今日これを懲罰に付するということは、あまりにも私は血も涙もないやり方であると思う。こういう点は、與党においても多数でありますから、やろうと思えばいつでもやれることでありますが、特に慎重にまたいろいろとその当時の状況等を御判断くださいまして、なるべくならば、これを撤回していただきたいと私は思うのであります。この点は強く與党の方々に要望する次第であります。私の意見を申し述べただけであります。
  69. 土井直作

    土井委員 ただいま石田君からもお話がありましたが、当日の状況につきましては、ここにおられる各委員諸君十分御存じだと思うのであります。演壇占領したというような形にはなつておりますが、悪意に出ておるわけではなく、事務的な手続が完了されておると思つて、当然の権利と思つて川崎君が出ておられたのであります。しかしこのこと自体は、厳密に言いますれば、懲罰に値する内容を持つておると私どもも思うのでありますが、事態はすでに時効にもなつておると思われるほど非常に長くなつております。従つて懲罰をするということ自体が目的ではないのでありまして、そういうことが再び繰返されないようにすることが議運としては一番大事なことだと思うのであります。そこで、これを單に撤回するとか不問に付するとかいうことは、動議を出されております議員からいえば承服できないことではないと思いますので、川崎君にこの議院運営委員会に御出席願つて、一応その釈明を聞いて、よかつたならばそれを了承して、動議撤回していただくというような処置をとつていただいたらどうか。要するに、これは前例のないところではないのでありまして、かつてもそういう事態取扱いをしたこともありますので、この際そういう寛大な処置をとるということについて、與党側としても十分ひとつお考えを特にお願い申し上げたいと思うのであります。
  70. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方も、これは予算委員会のことはよくおわかりかと思うのでありますが……。
  71. 土井直作

    土井委員 今は川崎君のことですから……。
  72. 林百郎

    ○林(百)委員 私は土井君がおつしやつたように、川崎君と風早君を区別する必要はない患う君れくの常識からいつて、本会議にかけて堂々と身上弁明をして、反対賛成討論をして………。
  73. 石田一松

    石田委員 討論はありません。
  74. 林百郎

    ○林(百)委員 いずれかきまれば、そういうことになるが、それほどのことをやらないでも、前例があるように、議運でそれぞれの当該の人に来てもらつて、当時の事情や身上釈明をさせて、それによつて適当に弾力性のある処置をしたということも今まで例があることですから、そういうお取扱いを願いたい。そういう弾力性のある処置をとられんことを、自由党諸君にもお願いするわけです。
  75. 石田博英

    石田委員長 上林君、いかがですか、御意見ありませんか。
  76. 上林與市郎

    上林與市郎君 反対です。
  77. 石田博英

    石田委員長 羽田野さんはいかがですか。
  78. 羽田野次郎

    羽田野委員 何しろ演壇占領したということばかり考えると、懲罰に値すると思うが、それならそれだけになぜ早くやらなかつたかとも思うし、二箇月もこれまで放置しておいたということは、それほどに懲罰に値しないのだということの意味において、反対したいと思います。
  79. 石田博英

    石田委員長 委員長といたしましては、できるだけ円満に解決をいたしたいと存じましたし、またただいま林君の言われたような弾力性のある処置をいたしたいと思つて、実はなるべく議題にするのを延ばして、自発的に弾力性ある処置に出られることを期待いたしておつたのでありますが、本日までそういう同意が求められなかつたのでいつまでこれを放置しておくこともどうかと思いましたから、これをきようお諮りしたわけであります。ところで自由党の方はいかがですか。野党側はこの際もつと弾力のある処置をとつてもらいたという御希望が強いようでありますが、どうでございましようか。
  80. 石田一松

    石田(一)委員 ちよつと委員長與党諸君発言をなさいます前に、今委員長の言葉を聞いておりますと、委員長自体は、この問題についてまことにわれわれとしてはものわかりのいい考えを持つていらつしやるというような意思表示をなさつたのであります。それで今日まで、自発的な、円満解決の弾力性のある処置をとろうとするような方向を自発的にとつてもらえなかつたということで、委員長より今日これを議題にされたという御説明でありますので、私はわが党の川崎君のためにかつてを申してまことに恐れ入りますが、せめてこの際五分間ほど休憩をしていただいて、五分間後に再開をなさいまして、これを再び議題として解決されんことを切にお願いしたいと思います。
  81. 倉石忠雄

    倉石委員 委員長から提案者に、これを撤回したらどうかといつたような意味の御発言がありますけれども、提案者の方では撤回をする意思はありません。私個人としては、非常に情において忍びないのでありますが、提案者の高木松吉君、柳澤義男君、その他賛成者の諸君には、十分協議をいたして参つたのでありますから、撤回をする意思はございません。そこでいろいろ石田一松君からお話がございましたが、事案の内容については、ここでいろいろお話をすべき筋合いのものではありません。ただ本日はこれを懲罰委員会の議に付するということを決定していただけばいいのでありまして、私どもは事案の内容については、追つて懲罰委員会において黒白を明らかにして、もし皆さんの言うように、事案が懲罰に付する必要のないものであるということを委員会決定されれば、非常にわれわれとしても喜ばしいことであります。従つて、本日これを上程するという意思については、かわりがございません。
  82. 石田一松

    石田(一)委員 ただいま自由党国会対策委員長であるところの倉石君が、この議院運営委員会において、川崎君あるいは他の一名の人の懲罰問題を、懲罰委員会に付するかどうかをこの際ここで決定してもらいたいということをおつしやいましたけれども、この委員会は、懲罰問題を懲罰委員会に付するかどうかということを議決するところではなくて、今日これを本会議議題にするかどうかということが問題なのであります。そういう考え方でここでやられては、懲罰に付される人も迷惑だと思いますから、ぜひその点は、思い違いだつたら訂正していただきたいと思います。
  83. 石田博英

    石田委員長 それは石田一松君の発言通りと思います。そこで、石田一松君から五分間ばかり休憩をしてくれという申出がありますが、いかがですか。
  84. 倉石忠雄

    倉石委員 どういう理由ですか。
  85. 石田一松

    石田(一)委員 今までその理由を言つたのですが、先ほど申し上げました通りに、與党の方の委員発言の前に、委員長自身の考え方の中には、私たちとしては相当円満な、弾力性のある解決をしてもいいというような一つの気構えがあるようにも思えたが、それができなかつたので、今日議題としたとおつしやつておるので、ここで五分ばかり休憩をしていただきたいということを私は要求したのです。
  86. 石田博英

    石田委員長 ちよつと誤解があるようでありますから申し上げますが、私がただいま申し上げたのは、現在までなぜ保留をしておつたかというと、保留をしている間に、先ほどおつしやつたような弾力性のある処置発言があるのではないかということを期待して、なるべく円満にと思つてつたのであります。何しろ一箇月ばかりたつても、なお今日そういう行為が自発的に見られなかつたので、やむを得ず議案が出ておりますから、委員長としてはこれを取上げざるを得ないというので議題にしたのであります。従つて現在の心境々申し上げたのでは、ございません。
  87. 林百郎

    ○林(百)委員 倉石君にも相談ですが、たとえば風早君の場合も、いずれ問題になると思いますが、このようなことで、ここで懲罰に付するときめることが、対外的にどういうふうに見られるかということも考えて、従来お互いに良識ある処置をして来た場合もあるのです。議院運営委員会でもう一度そういう努力をするだけに、そんなに日をたくさん延ばす必要もないと思うんですがね。もう一度その努力をして、それでも自由党の強硬の人たちが了承されないならばやむを得ないと思いますが、これだけのことはやられてみてはどうですかね。
  88. 倉石忠雄

    倉石委員 石田議院運営委員長は、議員の一身上の身分の問題については、きわめて愼重であります。われわれにも、委員長の方からきわめて詳細な御意見が発表されまして、私どももその点については十分愼重に考慮いたしたのであります。しかしここで川崎君のおやりになつ行為についていろいろ論議しておつたつて、時間ばかり食うだけであります。きわめて慎重に考慮をいたしました結果、これは本会議に早くまわすべきものであるということに意見決定いたしましたので、私個人ではいかんともしがたいことでありますから、さようにひとつ御了承願います。
  89. 石田一松

    石田委員 それでは御意見はいろいろ対立して、それぞれ御態度のあることであると思いますから、満場一致というわけには参らないと思いますが、でき得べくんばそういうことは避けたいと思いましたけれども、やむを得ませんから採決いたします。
  90. 石田一松

    石田(一)委員 休憩していただけませんか。
  91. 石田博英

    石田委員長 與党の方はいかがですか。
  92. 倉石忠雄

    倉石委員 反対いたします。
  93. 石田博英

    石田委員長 それではやむを得ません。採決をいたします。高木松吉君、柳澤義男君、両君提出議員川崎秀二君を懲罰委員会に付するの動議を、本日の本会議に上程するについて反対諸君の挙手を願います。     〔反対者挙手〕
  94. 石田博英

    石田委員長 挙手少数。それでは本日の本会議にこれを上程することにいたします。  次に、議員風早八十二君を懲罰委員会に付するの動議を本日の本会議に上程するについてお諮りいたします。提出者の御発言を願います。
  95. 倉石忠雄

    倉石委員 風早八十二君の懲罰動議は、有田二郎君、田嶋好文君の提出でありますが、これもただいまの川崎君の懲罰と同様に、われわれは愼重取扱いを考慮いたしたのでありますが、本日の本会議に上程せられんことを希望いたします。
  96. 梨木作次郎

    梨木委員 風早君の懲罰動議の問題でありますが、どういうことを問題にされておるのかよくわからないのであります。おそらく、過般わが党の横田甚太郎君が、吉田首相に対する質疑の途中において発言を中止された問題に関連して、何か動議が出されておるのではないかと思うのであります。しかしこれは私は現場におつて実情をつぶさに知つておるのでありますが、横田“君は、與えられた持時間内において吉田総理に対して質問したのでありまして、それに対して吉田総理が答えない、他の閣僚がかわつて答えようとした。そこでそれは困るというようなやりとりがあつた。その途中で、まだ時間があるのに、委員長が横田君の発言を中止したのであります。そこでわが党の風早君が、その措置に対して委員長に警告を発し抗議をするために委員長席に行つて、その問題に関しての発言をしたのであります。こういうことは委員会においてはしばしばあることでありまして、これを一々取上げて懲罰に付するということは、従来の慣例にも反します。しかも実際は、委員長委員会の運営そのものが、従来の慣例に反した異例な処置をとり、委員質問権を無視し、あるいは蹟噛するような処置をとつたことに原因がある。こういうことを一々懲罰に付するということは、国会質問あるいは国会審議を円滑にする上に、まことに遺憾なことであります。従つてその点につきましては、提案者におきましても、今後の委員会の運営の上からも、こういう問題くらいで懲罰に付するということについては愼重な考慮を願いたいと思うのであります。しかもこの点につきましては、途中この問題に関連しまして、自由党の庄司委員さんから議事進行発言がありまして、委員長に善処方を求めているのであります。ところが委員長の方から何らの意思表示がないうちに、突如懲罰動議が出ているのであります。この点に関連しまして庄司さんが私の方の党へ参られまして、この点について正式の申入れがあつて、何か委員長の方から申出がありましたでしようかということでありました。ところが、前にすでにあなたの方から懲罰動議が出ておるじやないかと言いましたところが、庄司さんは非常に意外な顔をされておりました。そして、それじやもう一ぺん党に帰つて調べてみますということだつたのです。ところがお調べになつて、やはり懲罰動議が出ておる、それではやむを得ない、こういうような経過をたどつておるのであります。この点は私どもの方でも、提案者の方も、風早君に何かそのときの処置について遺憾の点があるならば、双方話し合つて、こちらも善処方についてはやぶさかでないのでありますが、そういう手続を経ないで、突如これが出ておるということでありますから、この事案につきまして懲罰に付するということについては、愼重再検討を希望するわけであります。
  97. 林百郎

    ○林(百)委員 新しい国会になつてから、委員会懲罰事犯というのは、例の選挙のときだつたかにお二人が負傷したということがあつたでしよう。その事例がどういう事犯だつたか聞かせていただきたいと思います。これは事務総長に伺いたいと思います。
  98. 大池眞

    大池事務総長 あのときは懲罰動議が出ておりますか。
  99. 石田博英

    石田委員長 出ておりますね。
  100. 林百郎

    ○林(百)委員 あのときは、委員長と小委員長が負傷されたということですね。今度の程度のことで懲罰なつたことはないと思うのです。どの程度のものか内容は知らないのですが……。
  101. 石田博英

    石田委員長 それは速記録あるいは文書破棄をした件について、懲罰なつたという事例はございます。
  102. 林百郎

    ○林(百)委員 新しい国会になつて委員会でこんなことで懲罰するということはなかつた思う。
  103. 石田一松

    石田委員 林君の方の御意見はわかりましたが、他の党の御意見を伺いたいと思います。改進党はいかがですか。
  104. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 撤回すべしという意見です。
  105. 石田博英

    石田委員長 社会党はいかがですか。
  106. 土井直作

    土井委員 社会党としては、懲罰のごとき不祥事を皆無ならしむるために努力すべきであつて、前段申し上げましたような意味で、與党撤回していただくように希望します。
  107. 石田博英

    石田委員長 羽田野さんはいかがですか。
  108. 羽田野次郎

    羽田野委員 撤回希望します。
  109. 石田博英

    石田委員長 これも対立した意見でありますが、自由党委員の方は、野党側の意見を聞いて、お考え直しになるというようなことは、ございませんか。
  110. 倉石忠雄

    倉石委員 提案者並びに賛成者に、そういうお言葉もあるかもしれないということで御協議いたしましたが、撤回する意思は毛頭ございません。
  111. 石田博英

    石田委員長 それでははなはだ遺憾でございますが、やむを得ませんから採決をいたします。有田二郎君、田嶋好文君提出議員風早八十二君を懲罰委員会に付するの動議を、本日の本会議に上程するに反対諸君の挙手を願います。     〔反対者挙手〕
  112. 石田博英

    石田委員長 挙手少数。それではこの事案を本日の本会議に上程いたします。     ―――――――――――――
  113. 石田博英

    石田委員長 次に本日の本会議議事についてお諮りをいたします。事務総長
  114. 大池眞

    大池事務総長 本日の議事の順序を申し上げたいと思います。先ほどおきめ願いました検察官適格審査会の委員及び同予備委員の選出、それから外国為替管理委員会委員長木丙信胤君の再任の件、この二つは議長発議で参りますから、最初にお願いを申し上げます。  それからただいま御決定になりました懲罰事案二件につきましては、議院構成の問題でもございますので、先例に基きまして、その次の日程に入る前にお上げになりまして、それから日程に入る。こういうのが普通の順序でございます。  そこで日程の一から三までは大蔵委員長佐藤重遠君が報告をされまして、それに対して共産党が反対で、反対討論が高田富之君であります。これは起立採決。それから日程第四は厚生委員会理事丸山直友君が報告をされまして、共産党が反対で起立採決。日程第五、第六は水産委員長川村善八郎君が報告をされまして、第五は全会一致でございます。第六は共産党が反対で起立採決。これで全部終りであります。
  115. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 懲罰動議には討論はありませんね。
  116. 大池眞

    大池事務総長 ありません。そこで懲罰動議の採決の問題でございますが、懲罰に付すべしという動議を出されております川崎君と、風早君の方から身上弁明の申出があれば、懲罰動議説明をされた後身上弁明が、ございまして、討論しないで採決をいたすことになつております。そこで身上弁明をやるかやらぬかということと、採決方法を起立でやるかどうするかということを御決定願いたいと思います。
  117. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 私の方では一身上の弁明はやります。
  118. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方もやります。
  119. 梨木作次郎

    梨木委員 採決は記名でやつてもらいたい。     〔「起立採決」と呼び、「賛成」と呼ぶ者あり〕
  120. 石田博英

    石田委員長 起立採決という申出もあります。共産党から言われたことは、成規の申込みに達しませんので、それでは採決は起立でいたすことにいたします。  身上の弁明は、身上弁明の範囲を逸脱しない範囲においてお願いをいたします。本会議は一時半ですか……。     〔「一時でいいです」と呼ぶ者あり〕
  121. 林百郎

    ○林(百)委員 今委員長から言われた身上弁明の範囲を越えないようにということは、これはわれわれ常識でわかると思いますので、事故を起さないように……。
  122. 石田一松

    石田(一)委員 それは議長におまかせいだしたらどうですか。
  123. 石田博英

    石田委員長 それでは本会議は一時からにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十五分散会