○守島
委員 私がこれから質問し、意見を述べようとすることは、数日来の問題で、私から見ますとほとんど尽きておると思うのであります。いろいろ詳しく、またくどくど述べられまして、趣旨は十分にわか
つておると思いますが、どうも専門的な話が出たりなんかするので、
朝鮮の方々が誤解をされたり、あるいは危惧の念を抱いておられるような点が大分多いようでございますから、ごく簡単にもう一ぺんむし返して御質問申し上げます。
実は、どなたかほかの
委員からもたびたび
お話がございましたように、
朝鮮の方は共産主義に反対である、
朝鮮の共産党にも反対である、むしろわれわれと同じ穏健な思想の持主である。ですから
日本の
国籍を離れて向うの
国籍をとるには、やつぱり向うが統一した国にな
つてからとりたい。これは感情として認めなければならぬ、相当是認しなければならぬ
考えだと思います。その
人たちは今度
日本の
国籍をなくなされて、向うの
国籍をとるときに、
大韓民国の
国籍をとるということはどうもやつぱり何だかいやだ、
朝鮮全体が一緒に
なつたときにとりたい。そこでしばらくの間は無
国籍でも行きたい、こう言われる。これはもつともでございます。ところがわが方は、
朝鮮において
大韓民国を唯一の国家として認めている。北鮮の
政府と称するものなんかわれわれは全然認めておらぬ。ですから今度の
交渉でこつちの
国籍がなくなる。そうするとこれは当然
大韓民国の
国籍をとらなければならぬ。皆さんの感情はわれわれは非常に察するけれども、しかしながら筋違いのことはわれわれはできぬ。ですからあの
人たちは全部
大韓民国の
国籍をとられる——これはやむを得ないことでございますが——と仮定をいたしますと、その
人たちの間にはどうしてもとるのはいやだという方がある。そこでその感情にとらわれて、新たな
国籍をとられない人が非常にたくさん出る場合があるかもしれぬ。私はないことを希望いたします。希望いたしますが、あるかもしれぬ。それからこういう説があります。私はそれはほんとうではないだろうと思いますけれども、今の
大韓民国の
代表部は、今まで
大韓民国側からの
登録を得ていない人は、これは新たに行
つても受付けない。お前
たちはこれは北の方の共産党に協力しておるのだから、受付けないというような態度である。私は絶対にそういうことはないだろうと思いますが、今度の
交渉でもそういうことがないように十分その点は
交渉していただきたいと思います。もしまた
大韓民国の
代表部、追
つて韓国大使館になる大使館が、そういう理由で
証明書を出さぬ、旅券を出さぬということになれば、これはとんでもないことであ
つて、非常にたくさんのことができるわけだ。私が了解するところでは——了解しないところでもいい、これは常識でございますが、
日本政府がたくさんの韓国の方を無理やりにめちやくちやに韓国に返そうというようなことは全然ない。好意を持
つて優遇して、そうしてごく少数の人はやむを得ませんが、ほんとうに穏健な方はなるべく
日本にとどま
つて、そうして
日本人と協力していただくことを
政府は希望しておられるだろうと思います。ですが、今のそういう誤解があるのと、また今申します
大韓民国の
代表部、また大使館に
なつたときの大使館が、今までと
つていないものはもう旅券を出さぬというようなことをしきりに危惧の念を抱いておりますから、万一結果といたしまして、この韓国との条約ができましたあと、多数のそういう韓
国籍をおとりにならない方が出ますときには、これは何とか
政府が特例をお
考えにならなければ私はならないものだと思います。その点もきのうあたり、おとといあたり
政府から御
答弁がございましたけれども、もう一度そういう点について、
政府の明確なる御返事をいただきたいと思います。