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1952-02-13 第13回国会 衆議院 外務委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月十三日(水曜日)     午前十時二十四分開議  出席委員    委員長 仲内 憲治君    理事 近藤 鶴代君 理事 佐々木盛雄君    理事 並木 芳雄君 理事 戸叶 里子君       菊池 義郎君    中山 マサ君       守島 伍郎君    小川 半次君       松本 瀧藏君    山本 利壽君       林  百郎君    黒田 寿男君  出席国務大臣         労 働 大 臣         厚 生 大 臣 吉武 惠市君         国 務 大 臣 大橋 武夫君  出席政府委員         賠償政務次官  入交 太藏君         総理府事務官         (賠償庁次長心         得)      河崎 一郎君         外務政務次官  石原幹市郎君         外務事務官         (大臣官房長) 大江  晃君  委員外出席者         外務事務官         (アジア局付) 三宅喜二郎君         厚 生 技 官 斎藤  正君         專  門  員 佐藤 敏人君         專  門  員 村瀬 忠夫君     ――――――――――――― 二月十二日  委員林百郎君辞任につき、その補欠として加藤  充君が議長指名委員に選任された。 同月十三日  委員加藤充辞任につき、その補欠として林百  郎君が議長指名委員に選任された。 同日  近藤鶴代君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 二月七日  奄美群島日本への完全復帰に関する陳情書  (第三〇二号)  在外同胞引揚完了に関する陳情書  (第三〇三号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  ポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する  件に基く賠償庁関係命令措置に関する法律  案(内閣提出第一〇号)  千九百十二年一月二十三日にへーグで、千九百  二十五年二月十一日、千九百二十五年二月十九  日及び千九百三十一年七月十三日にジユネーヴ  で、千九百三十一年十一月二十七日にバンコツ  クで並びに千九百三十六年六月二十六日にジユ  ネーヴで締結された麻薬に関する協定、條約及  び議定書を改正する議定書並び附属書への加  入について承認を求めるの件(條約第一号)  国際情勢等に関する件     ―――――――――――――
  2. 仲内憲治

    仲内委員長 ただいまより外務委員会を開会いたします。  まず理事補欠選任の件についてお諮りいたします。理事近藤鶴代君が去る二月四日一たび委員辞任されましたので、理事が一名欠員となつております。それゆえ、この際理事補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例によりまして委員長より指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 仲内憲治

    仲内委員長 御異議がなければさように決定いたしまして、近藤鶴代君を再び理事指名いたします。     —————————————
  4. 仲内憲治

    仲内委員長 次にポツダム宣言受諾に伴い発する命令に関する件に基く賠償庁関係命令措置に関する法律案議題といたします。本案に関する質疑を許します。並木芳雄君。
  5. 並木芳雄

    並木委員 私は特定財産管理令廃止するという項目でお尋ねをいたします。これによりますと、戦犯関係事務平和條発効とともに日本政府に移されなくては、どこに行くかということはわからないのですけれども平和條約が発効したときに、戦犯関係の管轄はどういうふうになつて行きますか、それをまずお尋ねいたします。
  6. 入交太藏

    入交政府委員 この特定財産管理令によりまして、戰犯人の財産につきましてはこれを押えておつたのでありますけれども、ここに講和條約が発効いたしますれば、今度のこの法案によりまして廃止になるわけでありますから、もうその押えることは解かれることになりまして元に返ることになるわけであります。
  7. 並木芳雄

    並木委員 平和條約第十一條によりますと、「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。」とあります。ですからこれで刑の執行というものは少くとも日本政府がやらなければならないと思いますが、やる場合にどの機関がこれを管轄するのか。
  8. 入交太藏

    入交政府委員 ただいま出ておりまする特定財産管理令によりましての財産処分に関しての事柄は、今申しましたように廃止になりますが、お尋ね犯罪人処置というようなことにつきましては、これは別になりますので、私の方の賠償関係とは別に離れることになると思います。
  9. 並木芳雄

    並木委員 石原外務次官、その点わかつておりませんか。つまり戦犯関係事務はいつから日本政府に移管されるのか、この政府説明書を見ますと、「平和條発効後は、当該條約には特定人逮捕等を要求する明文が特に規定されておらず、かつ、現在発せられている連合国最高司令官の指令も、当該條約発効と同時にその効力を消滅するから、現在の特定財産管理を継続する必要はなくなる。」これはこの通りでございましよう。従つて戦犯の処理についても、われわれとしては当然同じような疑問が出て来るのです。戦犯はどうなるか。こういう問題です。
  10. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 私の承知しております範囲では、平和條発効と同時に、これらの事務法務府の方で所管するようになるのではないかと思つております。
  11. 並木芳雄

    並木委員 この際お伺いしておきたいのですけれども、現在戦犯として服役中の者は何人くらい、そうしてどこに服役しておるか、それをお伺いします。
  12. 三宅喜二郎

    三宅説明員 現在内地服役中の者は千三百一名でございます。それから外地のうちで、マニラにおいて服役中の者は百十三名でございます。濠州のマヌス島において服役中の者は二百三十四名でございます。これは昭和二十七年一月一日現在の数字でございます。
  13. 並木芳雄

    並木委員 そのほかに仮釈放または刑期の満了前に釈放された者の数がわかつておると思いますが、それをお尋ねいたします。
  14. 三宅喜二郎

    三宅説明員 ただいま申し上げました数字のうちで、仮出所されて、自宅で服役中の者は三百七十三名でございます。それから松沢病院に入院中の者が一名でございます。すでに仮出所されてしまつたものの総計が五百二十一名でございます。
  15. 並木芳雄

    並木委員 これらの者に対する、條約発効後の戦犯関係は、刑の執行以外には一切なくなるものと了解しておるのでございますけれども、そう考えてよろしいかどうか。——質問の点が了解しにくかつたかもしれませんから、もう一度申し上げますが、要するに、極東国際軍事裁判所関係戦犯に関する訴追審理その他一切のことは、講和條発効とともに消滅する、残るのは日本政府によるところの刑の執行、あるいはまたこの平和條約第十一條にあるところの減刑その他の事柄以外にはないものと了解しておりますけれども、その通りであるかどうか、こういう点であります。
  16. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 大体その通りでいいのだと思つております。
  17. 並木芳雄

    並木委員 政府として、こういう戦犯服役中の者その他の人々に対して條約発効を契機として、恩赦を行うことを考えておられるかどうか、その点をお伺いいたします。
  18. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは別の機会に、法務総裁の方からお答え願う方がいいのではないかと思つております。
  19. 並木芳雄

    並木委員 もう一点だけお伺いしておきます。外地服役中の戦犯内地に移送してもらいたいという声をずいぶん聞いておりますけれども、これらに対する政府考え並びに処置はどういうふうになつておりますか、お伺いいたします。
  20. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 外地に残つておりますのは、フィリピンと濠州のマヌス島の二箇所であると思うのでありますが、それらの国々の対日感情の問題であるとか、いろいろのことがございますので、折衝するにいたしましても、その好機をつかまえてなるべくやりたいというふうに今考えておるわけであります。もちろんできるだけすみやかにこちらに帰り得まするように、いろいろの機関を通じまして今努力をしておるわけであります。
  21. 林百郎

    ○林(百)委員 関連して……。特定財産管理令によつて管理しておる財産は、どんなものがどのくらいあるのですか。
  22. 河崎一郎

    河崎政府委員 現在管理しております特定人財産は、主として家屋、貯金、郵便年金保険金等でございまして、総額は数十万円に上つております。
  23. 仲内憲治

    仲内委員長 本案に関する質疑はこの程度といたしまして、次に移ります。     —————————————
  24. 仲内憲治

    仲内委員長 次に、千九百十二年月二十三日にへーグで、千九百二十五年二月十一日、千九百二十五年二月十九日及び千九百三十一年七月十三日にジュネーヴで、千九百三十一年十一月二十七日にバンコックで並びに千九百三十六年六月二十六日にジュネーヴで締結された麻薬に関する協定、條約及び議定書を改正する議定書並び附属書への加入について承認を求めるの件を議題といたします。本件に関する質疑を許します。並木君。
  25. 並木芳雄

    並木委員 麻薬の年間の需給量はどういうふうになつておりますか。
  26. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 厚生省から参つております説明員の方からお答え申し上げます。
  27. 斎藤正

    斎藤説明員 現在は、原料終戦当時持つていました阿片コカイン原料としてモルヒネ等をつくつております。大体終戰当時麻薬手持ち相当ございましたので、終戰以来、ある麻薬についてはその手持ちでまかなつて参りました。ただコデインだけは年々不足しておりましたので、若干つくつております。大体の消費量を申し上げますと、一番大きいものがコデインでございます。コデインが約一トン五百、それからモルヒネが約二百五十キロ、コカインが約百六十キロ、それからジオニンが約十二キロ、それから商品名パビナールと申しますジヒドロコデイノンというのが約二、三キロ使われております。終戦後つくつておりますのは、コデイン阿片アルカロイド塩酸塩と二つでありますが、コデインは大体年によつて違いますが、七百キロから千キロずつつくつております。それから阿片アルカロイド塩酸塩の方は、大体百二十キロぐらいつくつております。大体以上であります。
  28. 並木芳雄

    並木委員 輸入状況、あわせて密輸入ルート、どういうところからどんなふうに密輸入されておるか、そういう状況について説明願いたいと思います。
  29. 斎藤正

    斎藤説明員 輸入は、先ほど申し上げましたように、合法的な輸入と申しますと、終戰後朝鮮から約二十五トンを、これは政府が直接輸入したわけでございませんが、ある事情で輸入の形になりましたが、それだけでございます。これは阿片でございます。それと密輸ルートと申しますか、これは何しろ品物が小そうございまして、密輸の現場で見つけるということはなかなか困難でございます。的確にはどこということは申し上げかねますが、今まであつた大きな例でございますと、天津でつくられたものが香港を経由して呉に入つたことがございます。今考えられています密輸入ルートと申しますと、朝鮮を経由しての小さい船による密輸入、それから香港を、また上海を経由しての大きな船による密輸入等がございます。大体その密輸入する人は、若干の日本人も含まれていますが、第三国人が多いようでございます。
  30. 並木芳雄

    並木委員 その取締りはなかなかむずかしいと思いますけれども十分取締りの実績が上つておるかどうか、取締り状況について、どういうふうに当局はこれに対して処置しているか、それをお尋ねしたいと思います。
  31. 斎藤正

    斎藤説明員 密輸入については、厚生省としては、大体陸の上だけでございまして、海上の方は海上保安庁等と密接な連絡をとつて、できる限り海上で見つけていただくように協力をお願いしております。それから普通の品物と違いまして、かさが小さいので、場合によつては港へも入つて参りますが、それから港じやない、一般海岸へも陸上げされる場合が相当多いようでございますので、港の方は税関と密接な連絡をとつてこれが防止に努めております。それから一般海岸線等については国警または、大体西日本の方が多うございますので、そういつた方面の自治警連絡をとつて取締まつております。それと、主として上るのは、現状においては、私たちから言いますと、ざこがよけい上つて来るわけでございますが、これは麻薬犯罪は、現行犯でないと、現物を所持しておりませんと、あと黙秘権を行使されますと、どうも元の方が出ない傾向があります。それで大量つかまえて現物をとつたような場合には、現物分析等をして、どこから入つたものか、その品質等その他によつて元をきわめようとしております。去年は大分密輸入として神戸等で押えられました。そういうのは大体札つきの船というのがございまして、何何丸、何々号が入つて来るとその場合は大体持つて来る、そういうふうに考えられますので、大体密輸入があつたかないかということは、私の方としては現物をとらえる前に、まずそのやみ価格から密輸入があつたかどうかということを大体察知して、方々へ手配いたします。やみ価格がうんと下落したような場合には、相当密輸入のあつた証拠でございます。今まで申し上げたことは、——日本密輸入されますものは主としてヘロインでございます。申し落しましたが、ヘロインというものは、ジアセチル・モルヒネと申しまして、阿片の製品の麻薬のうちで一番害毒の多いものでございます。大体密輸入されますうちの九〇形以上はこのへロインでございます。
  32. 並木芳雄

    並木委員 価格に換算してどのくらいの値段のものが今まで密輸入されておりますか。
  33. 斎藤正

    斎藤説明員 価格は、これはやみ価格では小売価格卸売価格——というと語弊がございますが、まずその価格を申し上げます前に、どうして売られるかと申し上げますと、大体〇・〇四か〇・〇一くらいの小さな薬包紙——皆さんがお医者さんへ行つてもらわれるような、ああいう薬包紙に包んで乳糖等をまぜて売るわけでございます。それで大体〇・〇四の包みが一包四百円か五百円でございます。〇・〇一が大体百円でございます。従いまして一グラムが一万円ということになります。しかし五グラムのびん一本になりますと、これを取引する場合は、普通の価格でありますと、五グラム一本一万五千円でございます。今までに一番大きな没収されましたものは神戸で約三キロ没収いたしました。やみ価格にして約三千万円ということになります。
  34. 並木芳雄

    並木委員 取締りのときに、連合軍の官憲が厚生省のお役人の方その他と一緒に行く場合がありますけれども、あれはどういうわけで行くのですか。
  35. 斎藤正

    斎藤説明員 これは犯罪者の中に連合国人の入つた場合でございます。
  36. 並木芳雄

    並木委員 麻薬弊害は私どもも痛感しておりますけれども、実際においてどういうふうな実害状況であるか。終戰後かなり方々でこの弊害の話を聞くのでありますけれども当局として調べた実害の模様について御報告願いたいと思います。
  37. 斎藤正

    斎藤説明員 戰前日本におきましては、麻薬中毒者と申しますと、大体医療上麻薬を連続して使用したがために、その病気はなおつてしまつたが、麻薬中毒だけが残つた、そういう事例が相当多うございまして、戰前中毒者といいますと、大体そういつた理由中毒なつたものでございました。従つて年齢等も若い者は割合に少く、どちらかというと中年以上の者が多うございました。ところが戦後の麻薬中毒者と申しますと、これは主として二十代、中には十代、十二、三のもございますが、そういうふうな若い青年暦に多くなりました。それでその中毒になります原因は、戰前と違いまして、好奇心からやる。好奇心から麻薬を使用した結果、中毒者になるというのがほとんどでございます。それで的確な数字中毒者のことでございまして、なかなか把握しにくいものでございますが、大体私の方のリストへ載つております中毒者の数は五千人でございます。しかしこれは一たび麻薬に関して何らかの違反を犯してつかまつた者の数でございましてその他の麻薬中毒者の数は、大体その十倍くらいあるのじやないかというふうに考えられます。それでこういうふうな青年暦の中に多い、またやみ価格が高い。そういう点から麻薬を得んがために金が必要になりますので、金を得んがために社会的な相当害悪をなしている、公安を乱している者が相当ございます。麻薬を買う金を得んがためには——中毒者というのは、中毒になつてしまいますと、麻薬が切れるときになりますと、自制心その他ほとんどなくなりまして、麻薬を得んがためには何でもする。まあこういつたの麻薬中毒者の特質と申しますか、そういう性質になるものでございまして、その一々の具体的な例、そういつた点はあれですけれども、とにかくそういう害毒は非常に大きいものと思われます。
  38. 並木芳雄

    並木委員 並々ならぬ事柄であろうと私は思います。そこで当当としては、今後の取締りをさらに厳重にして行く必要があるのでありますが、今度のこの條約議定書その他への加入にはもちろん私ども賛成でございまして、これに加入したあかつきにおいて、当局としてはどういうような構想を持つて、これらの條約、議定書などに定められたところの線に沿つて行くか、そういう計画を知りたいのです。  それからこの取締りについては、たとえば厚生省中心なつただけでは手薄であるというような点を感じておらないかどうか。アメリカでは例の連邦捜査局ですか、FBIが麻薬取締りに当つておるとかいうことを聞いておりますけれども日本においても、何かもう少し徹底して取締りができる方法を講ずる必要があるのではないかと思うのです。そういうような点について政府の所見をお伺いしておきたいと思います。
  39. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 この條約に加入いたしまする点は、この前の提案理由のときに申し上げましたように、従来国際連盟機関でありましたものが、今度国際連合に移りましたので、あらためてこれに加入するということになつたのでありまして、国内法制整備であるとか、その他のことは別段これに加入することによつて改正というようなことはないのでありますが、今回のこの加入によりまして、再びあらゆるいろいろな情報を国際機関を通じて入手することができるようになりますし、それらに基きまして、さらに新しいいろいろの措置も講ぜられて行くと思うのであります。これらの点につきましては、関係各省緊密に連絡をとりまして、一段の整備をいたして参りたいと存じます。  後段の取締りの問題につきましては、これは厚生省当局においても、いろいろ構想を持つておられることと思うのでありますが、必要がありましたならば説明員の方からお答え申し上げます。
  40. 斎藤正

    斎藤説明員 将来の構想というとちよつとあれでございますが、現在の取締り制度を申し上げます。麻薬取締法の五十二條の二によりまして、麻薬取締官制度を設けてございます。これは麻薬特別司法警察員でございます。それでこれが法律上二百五十名以内ということになつております。現在は約百九十名おります。この百九十名を各都道府県に、小さい県に二名、大きい県で二十名近くずつ、その麻薬に関しての治安の悪いところには多く、大した必要でもないところには二人程度を駐在させております。この駐在する麻薬取締官を監督する意味で、全国を八つにわけて、その上に地区麻薬取締官事務所、これを札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡この八箇所に設けまして、その各地区内の麻薬取締官の監督に当らせております。この八つ地区事務所を監督するのが厚生省麻薬課でございます。それでこの麻薬取締官は、結局麻薬だけについての司法警察権がございまして、麻薬に対する専門の捜査機関ということになります。もちろん一般警察官麻薬犯罪について捜査等はできるわけでありますが、従来はもちはもち屋というので、ある程度麻薬取締官にという傾向がありましたのですが、その麻薬治安状況が悪くなりまして、麻薬害毒というものが相当大きいものであるということを警察当局でも認識されまして、麻薬について現在は相当力を入れられておるようでございます。私の方としては国警なり自治警なりの御協力を得て、取締りに当つて行きたいと思うのであります。
  41. 並木芳雄

    並木委員 よろしゆうございます。
  42. 仲内憲治

  43. 戸叶里子

    ○戸叶委員 麻薬弊害が大きく、その濫用は愼まなければならないと思います。ここで私一つ思い出しますことは、ちようど終戦後二年目だつたと思いますが、突如として麻の栽培禁止ということが司令部から言われました。それは関西で第三国人が麻から麻薬を製造していたために、日本の麻を栽培してはいけないということを言われましたのですけれども生産農民やあるいはまたその麻に直接関係のある人たちの熱心な嘆願によつて、それは解除されて、幸い麻の栽培は禁止されずに済みました。しかしもしもまたこういうようなことが起きた場合に、わずかの人のすることによつて、また麻全体の栽培禁止というようなことになりますと、これは大問題になると思いますが、そういうような点はないかどうかを一応伺つておきたいと思います。
  44. 斎藤正

    斎藤説明員 おつしやる通り、現在麻は厚生大臣の免許さえ受ければ栽培し得るようになつておりますが、将来の麻の栽培を禁止されることはないと思います。ただわれわれといたしましては、現在日本の麻が麻薬として相当使われ出しております。従つてこういつたものが海外に流れ出るということになりますと、日本麻薬に関する信用というものは悪くなりますので、私たちとしてはそういう外に出ることのないように、密輸出されることのないように万全を期したいと思います。栽培が禁止されるということはないと思います。それから今国会に麻の取締り法律を多少かえまして、一般農家負担義務を軽くしたいと考えております。
  45. 仲内憲治

    仲内委員長 ほかにございませんか。——本件に関する質疑はこの程度にいたします。
  46. 仲内憲治

    仲内委員長 次に国際情勢等に関する件を議題といたします。質疑通告順にこれを許します。並木君。
  47. 並木芳雄

    並木委員 七日にリッジウエイ大将日本側政府大臣との会談が行われましたけれども、これは今度の行政協定関係があるかどうか。伝えられるところによると、治安関係の話が主になつたということでありますが、どういう話合いが行われたのであるか、明らかにしていただきたいと思います。
  48. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは当日出席されました関係閣僚お尋ね願いたいと思うのでありますが、私の承知しておりますところでは、行政協定とは関係がなかつたのではないかと思つております。
  49. 並木芳雄

    並木委員 そうすると、国内治安問題の話であつたというふうに了解してよろしゆうございますか。
  50. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 先ほど私がお答えしたところで御了承願いたいと思います。
  51. 並木芳雄

    並木委員 私は、この点も岡崎大臣がきよう御出席できないかもしれないということを聞いたので、昨日質問を通告しておいたのです。そして外務次官が出席されるならば了承するというふうに話しておいたのですけれども、やはりどういう話合いが行われたかということを、国会議員の立場からしても知りたいのですから、できるだけここでその点について説明してもらいたいと思います。
  52. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 私の承知しておりますところでは行政協定とは直接の関係はなかつたように聞いておるのでありまして、その他の問題につきましては、当日出席されました関係大臣が出られました節に直接お聞取り願いたいと思います。御質問行政協定とは直接関係なかつたように聞いております。
  53. 並木芳雄

    並木委員 私のは主として行政協定中心としての質問ですが、まず駐留軍に提供される土地、建物などの借上料買上代金というものが問題になると思うのです。これは私ども考えでは駐留軍側てつまり米国側で負担すべきものと思うのですけれども、この点はどういうふうになつておりますか。
  54. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 行政協定の問題は、御案内のごとくただいま折衝の過程でございましていましばらくいたしますれば、大体の妥結ができましてまとまることと思うのであります。従いまして、まだその間の折衝中でありますので、私がここでお答え申し上げますことも、はつきりしたことは言えない点がたくさんあると思うのでありますが、そういうことを前提として一応御了承おきを願いたいと思うのであります。ただいまお尋ねの点もまだ最終決定までには行つていないようでありますが、その問題は大体日本政府の負担となるのではないか、こういうようなことでございます。駐留の場合はどこの例もそういうようなことではないかと思います。
  55. 並木芳雄

    並木委員 それについてどうのこうのという議論は拔きにして、それは直接岡崎さんが当つておられるので、次官とそれで論争することは不可能と思いますから、次の問題を聞いておきます。  しからば物資の調達、労務の提供の場合、その費用はこれまたアメリカ側が負担するものと思いますけれども、どうなつておりますか。
  56. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはまだ調達の方法なり調達自体そのものが決定していないのでありますから、何とも言えないのでありますが、これらの問題はあるいは両国が均分して半分ずつ、こういうようなことになるではないかと思います。これは私のまだ思うという程度であります。
  57. 並木芳雄

    並木委員 特調関係の政令に要求物資使用収用令、土地工作物使用令というのがありますけれども、これが今度廃止されることになつております。これにかわる法律ができるのかどうか、その点。
  58. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 とにかくこれらにかわる法律ができるのでありまして、單行法になりますか既存の法律の改正になりますか、そこはわかりませんが、とにかく新しい法律ができて皆様方の御審議を願う、こういうことになると思います。
  59. 並木芳雄

    並木委員 そうすると、やはり今までのように調達命令による制度が存続されることになりますか。私ども日本人の建前から、命令による調達ということは、極力避けてもらいたいと思うのでありますけれども、要求物資使用収用令あるいは土地工作物使用令というようなものが法律となつてかわつて出るとすれば、命令による調達という制度も残るのではないかと心配されるのでありますけれども、この点について御説明願いたいと思います。
  60. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは今後できまする新しい法律の内容で決するわけでありまして、調達命令というようなことはおそらくないのではないか。ただ土地収用とかそういう問題は起り得るかもしれませんが、今までのような調達命令式のものはなくなるのではないかと思います。いずれにしましても、これからできまする法律で皆様方の御審議を願う、こういうことになると思います。
  61. 並木芳雄

    並木委員 私どもはぜひそうありたいと願つております。そこで、たとえば物資の調達あるいはその他の土地、建物などの借上げ、買上げなどに対しては、日米間で協議して対等の契約関係でやつてもらいたいと思うのです。対等の契約関係に入ると思つていいかどうかという点についてお尋ねいたします。
  62. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは大体ただいまお話になつたような線で行くのじやないかと思います。
  63. 並木芳雄

    並木委員 今まで接収されたり、買い上げられたり、借り上げられたりした土地、建物などは、條約発効とともに一切返還をされて、新しい契約に切りかえらるべきものであると思いますけれども、そうなりますかどうか。
  64. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 とにかく基礎になります法令がかわるのでありますから、それによつて決せられて行くわけでありまして、大体御趣旨のような考え方で行くのではないかと思いますが、これらの問題はまだ最終決定にまで至つておりませんので、もうしばらくお待ちを願いたいと思います。
  65. 並木芳雄

    並木委員 その場合、接収されたり買い上げられたりしておるときには、これは元の所有者に返還されるか、買いもどされるかすべきであると考えますけれども、いかがですか。
  66. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 お尋ねの中の買上げというような問題があつたかどうか、これはちよつとわからないのでありますが、いわゆる借用といいますか、使用されておるようなものにつきましては、大体御趣旨のような考え方で進められるのではないか、かように思つております。
  67. 並木芳雄

    並木委員 それはちよつと説明しておかないとわからないのですけれども、つまり接収の場合に、ただ接収して代金を拂わないということがあり得るというふうに、占領直後政府の答弁などにも出ておつたことがあるのです。ところがそうでなく、接収はするけれども、必ずこれに対しては代価を拂う、それをはつきりさせるために、私は今買上げという言葉を使つたのです。現に農地などを、接收という言葉でしようか、買い上げる場合には、最近は当時者の了解のもとに、契約という形をとつております。一方的な調達命令でなく、契約という形で農地などを買い上げております。それを私はさしたのです。それを広い意味ではあるいは接收と呼ぶかもしれません。そういう意味ですから、御了承ありたいと思います。こういう事務は、特別調達庁が廃止したあとは、どの機関で行うことになりますか。
  68. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 特調のようなものが廃止されるか、これにかわつて何か新しいものができるか、そこもまだきまつてないようでありますが、やはり調達事務相当あるのでありますから、何かこういう機関が必要であるということは考えられておると思います。
  69. 並木芳雄

    並木委員 物資とか労務とかの調達について、今までの占領中におけるがごとくやや一方的に出されますと、日本の経済なり労務関係に重大な影響を及ぼすと思うのです。今後は総合的な計画が当然なされなければならないと思う。これがなされるかどうか。なされるとすれば、日米合同委員会でやられるのか、あるいはどの機関でやられるのかについてお尋ねいたします。
  70. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これは今後日本経済とのやはり調整をはかつて行く必要はあると考えられますので、お話のような問題は、必要であるとは思うのでありますが、しかしこれが予想されております合同委員会でこういうことまでやるのか、あるいは何かほかの会合を持つてやるのかどうか、そこまではまだわからぬようでございます。
  71. 並木芳雄

    並木委員 今までの買上料あるいは借上賃というものが、どういう基準でなされたのか知りませんけれども、ずいぶん実際に即しておらないのです。もつとざつくばらんに言えば、安過ぎる。中には減価償却で計算して、ゼロに近いような数字が出るようなことがある。これは今後は当然土地收用法などの場合に準じてこれを借り上げる、あるいは別途に法律をつくつて措置をしないと、憲法のいわゆる財産の保護ができないのじやないか、こういうことを心配しておりますけれども、いかがですか。
  72. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 大体お話の点同感でございまして、そういう趣旨に沿いまして、いろいろ折衝されておることと思います。
  73. 並木芳雄

    並木委員 総司令部が現在の第一相互ビルから他に移転するという報道がありますけれども、どこに移転するか内定しておりますか。
  74. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはまだわからぬようであります。
  75. 並木芳雄

    並木委員 立川に防空本部ができ、横須賀に海軍本部ができるということも、まだわかつておりませんか。
  76. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 同様であります。
  77. 並木芳雄

    並木委員 それはどこできまるのですか、どの機関できまることになりますか。今の行政協定できめられますか。
  78. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはやはり両国で協議してきめるべき問題であろうかと思います。
  79. 並木芳雄

    並木委員 いわゆる別表に記載されることになりますか。
  80. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 先ほど申し上げましたように、こういう問題はやがて決することと思いますので、いましばらく時間をかしてもらいたいと思います。
  81. 並木芳雄

    並木委員 駐留地付近の市町村は、最近危険を感じておるのです。といいますのは、B二九が二度も墜落したりしておるので、現在でも戰々きようきようとしておるのですが、米軍が引続き駐留するに伴つて、その周辺の市町村区域を特別指定地区のようにして、危険の防止あるいは財政の援助を與えるような措置でもとらないといけないと思いますが、そういう考慮は拂われておるかどうか。
  82. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 特別指定地区とかどうとかいうことはわかりませんが、とにかく将来損害があります際に、その損害補償の問題等のことにつきましては、ただいま十分そういうことを念頭に置いていろいろ折衝しておるようであります。
  83. 並木芳雄

    並木委員 駐留軍によつて損害が生じた場合に、その補償費用はアメリカの負担になりますか。
  84. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 この問題は、ただいままだ折衝中の問題でありますが、今までのいろいろの例から申しましたならば、両国で何らかの形で割合をきめて負担して行くのではないかと思うのであります。
  85. 並木芳雄

    並木委員 日本政府としては、どういう案で臨んでおりますか。
  86. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはただいま交渉中の問題でありまして、何とも言えないわけであります。
  87. 並木芳雄

    並木委員 何とも言えないというのは、日本としては案がないということですか。
  88. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはまだ折衝中の過程でありますので、ここで申し上げる段階ではないと思います。
  89. 並木芳雄

    並木委員 損害補償については、非常にこれから微妙な問題が生ずると思う。現に占領中においてもずいぶん出ておるのですから。そこで私はどうしてもこれは立法措置によつて、国民の生命、財産を保護し、これに対する代価を支拂うような措置をとる必要があると思うのでありますけれども政府はどういうふうに考えておられますか。
  90. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはまだ何とも決定してないところでございますが、御意見を十分拝承、参考にいたしまして、将来の問題としたいと思います。
  91. 仲内憲治

    仲内委員長 並木君、まだ続きますか。大橋国務大臣は時間が限られていますので……。
  92. 並木芳雄

    並木委員 よろしゆうございます。
  93. 仲内憲治

  94. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 私は大橋国務大臣に警察予備隊のことに関連いたしましてお尋ねしたいと思います。私は簡単に一問だけ質問いたしておきます。  実は昨日の吉河特審局長の説明なるものが昨日の夕刊の全紙を飾つておるようでありますが、この吉河特審局長の説明によりますと、日本共産党の警察予備隊に対する破壞工作というものが、つまり予備隊の内部から予備隊を破壊するという工作が、きわめて露骨に行われておるということを当局の言葉として言明されておるわけであります。こういう共産党の警察予備隊に対する破壞工作に対して、大橋国務大臣はどういうふうな対策をもつてこれに臨もうと考えられておるかという点。先般の委員会におきましても、私は木村法務総裁にも申しておいたわけでありますが、この吉河特審局長の説明をまつまでもなく、今日の段階におきましては、私は共産党そのものの持つ非合法性についても、十分考えなくちやならぬ段階に到達しておるのではなかろうかということを申したわけであります。これらの点につきまして、予備隊を担当しておられます大橋国務大臣といたしましては、どういふうな処置を講じ、もつて健全な予備隊の発達をはかるというふうにお考えになつておるか、という点をまず承りたいと思います。
  95. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 警察予備隊に対しまして共産党が働きかけをいたしておるという風評は、私もまたいろいろな機会に承知いたしております。警察予備隊といたしましては、その使命にかんがみまして、一党一派の道具となりまして、ことに党派的な騒擾反乱の計画に加担をするというようなことがあつては、断じて申訳ない次第でございまして、この点につきましては、政府といたしましては創立当時から、特段の注意をしなければならぬと考えて参つた次第であります。  これに対する予備隊側の対策といたしましては、まず第一に隊員として採用いたします際に、健全なる隊員を獲得するということを主眼とすべきであります。その身元等につきましても十分に調査をいたしますとともに、まず六箇月間仮入隊という形をとつておるのでございます。この間におきまして、その思想動向等におきまして、隊員としての適格性において疑いありと認められる者につきましては、これを解職いたすという措置をとることといたしております。  それから隊内の規律につきましては、特にこれがための係員を置きまして、常時健全なる隊紀の維持ということのために努力をいたさせておるわけでございます。隊員の一般的な動向等につきましては、監督者と相まちまして、これらのものが常に留意をしておるところでございます。  第三に隊員に対します教育の点におきましても、かような部外からの働きかけに対しまして、断固としてその本分に邁進すべきような、そうした隊員としての資格をつけ得るよう教育上においても留意をいたす、こういうような措置をとつておるわけでございます。  すなわち、第一には入隊に対しての隊員の選考、第二は入隊後の動向について十分な留意をいたすということ、第三には教育指導の面において注意をする、これらの措置を警察予備隊といたしてはとつておるわけでございます。と同時に、除外よりの情報につきましては、特審局並びに警察当局等と十分に連絡をいたしまして、予備隊に対する破壞工作についての必要な情報を入手し、これに対処する措置に誤りなからしむるように努めている次第でございます。
  96. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 もう一点だけ承つておきます。数日前の新聞報道によりますと、社会党左派におきましては、警察予備隊の増強が憲法違反であるという立場から、最高裁判所に提訴するということと、もう一つには、予備隊に応募する者に対して、これを拒否せしめるような運動を強力に展開するということを、社会党左派の野溝書記長の声明として出しているようであります。もとより予備隊の増強が、はたして憲法違反なりやいなやという問題について、最高裁判所を通じて合法的な手段によつて、彼らの主張をなさることはけつこうなことであります。しかしながら警察予備隊というものが今日合法的に認められておりまするときにおきまして、これに入隊する者に対して積極的な拒否運動を強力に展開するというようなことになりますと、さなぎだに最近の重大な時局下にかんがみまして、文字通り内外から来る脅威に対して、われわれの祖国を防衛しなければならぬ重大な責任を持つた予備隊員に応募せんとする者に対して、これを拒否せしめるような宣伝等の工作を強力に全国的に展開するということになりますと、場合によりましては、隊員の頭数だけをふやしてみたところが、中に入つて来まする隊員が、きわめて懐疑的な気持で隊員の中へ入つて来るというような憂いもないわけではございません。従つてそういつた拒否運動というものが影響いたしますところは、私はまことに憂うべきものがあると考えるわけであります。よろしく政府といたしましては、これに対して最も有効適切な措置を講じなければならないじやないかど私は考えておるわけでありますが、この拒否運動に対して、政府はどのようなお考えを持つておるか、またどのような対策を講じようとしておるかという点につきまして、所信を承つておきたいと思います。
  97. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 まことにごもつともな御質問と存ずるのでございます。すでに共産党におきましては、警察予備隊創立当時より、隊員に応募する者に対して、むしろこれを阻止するような動きかけをいたしておるような実例もあつたのでございます。今回社会党左派の諸君がそういう態度を決定せられたということを、私も新聞で承知をいたしたわけであります。もとより社会党左派の諸君のなされることでございますから、合法的なわく内においておやりになることに違いないということについては、私も十分に確信をいたしておる次第でございます。しかしながら予備隊の制度を維持し、またこれを強化拡充いたして参ろうという政府といたしましては、これにつきまして無関心であることを露ないことは当然と申さなければなりません。政府といたしましては、ただいまこれらの運動の成行きにつきまして、十分な関心を持ちまして注視をいたしておる次第でございます。もしその運動が宣言の通りに軌道に乗り、相当手広く行われるということになりますならば、政府といたしましても、これに対抗いたしまして、予備隊を守り育て上げるために、必要な努力をしなければならぬと考えております。現在におきましては、幸い共産党のそうした運動にもかかわらず、予備隊の七万五千の隊員は、ことごとく予備隊の使命を守り、その使命を達成し、これに挺身することについて大なる生きがいを感じ、高らかな意気を持つて訓練をいたしておる次第でございます。私どもといたしましては、合法的にやられます阻止運動というものはむろん禁止、弾圧するということはとうていできないのでございますが、しかしこれに対して予備隊を強化して行くことのために必要な事柄は、予備隊の内外を通じて政府としても当然考えなければならない、こう思うのであります。また賢明なる国民諸君は必ずやかような動きに対しては、正しい批判をなされることを政府は確信をいたしております。
  98. 仲内憲治

    仲内委員長 小川半次君。
  99. 小川半次

    ○小川(半)委員 大橋国務大臣お尋ねしますが、政府は、従来から警察予備隊の海外出動は、絶対にあり得ないという解釈をとつておられたのにかかわらず、昨日政府の発表するところによれば、自衛上なれば海外出動も可能であるという解釈を発表されました。最初の方針と今回の方針はまるつきり違つておりますが、一体いかなる動機でそういう解釈を持つようになつたか、明らかにしてほしいのであります。
  100. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 政府は昨日自衛のために海外に出動することがあるという発表をいたしました事実はございません。
  101. 小川半次

    ○小川(半)委員 しかし全国にすでにそういう報道がなされている以上、ある根拠があると私たちは一応見なければならぬと思いますし、国民もおそらく政府はそういう解釈をとつたものと見ていると思います。私がなぜそういうことを申し上げるかといいますと、この間の一月二十六日の本会議の議場で、私は本年の十月に警察予備隊は任期満了となる、同時に十月にはこの警察予備隊は、あるいは防衛隊というか、保安隊というような名称にかえられて、制度がかわるに違いないから、政府の方針を承りたいと申し上げたところ、あなたはそのときに、絶対に現在の制度をかえないと言つたでしよう。警察予備隊は警察予備隊として今後も行くということをあなたは答弁されたにもかかわらず、それから四日後の三十一日に吉田総理大臣は、警察予備隊の制度をかえて保安隊とするということを明言された。わずか四日間の間にこれだけの狂いがある。国民は政府の言うことを信頼できないのです。いつでもうそをついている。だから、国民に一応あいまいな感じを與えないように、自衛権の解釈が違うならば、違うということを明らかにしてほしい。一体海外出動というのは、あるいは中国とかあるいはソビエトとか、そういう他国の領土へ行くことをも自衛権の発動の範囲内にあると政府は解釈されるのか、こういう点をはつきりしてほしいのであります。
  102. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 御質問は二点になつておると思うのであります。  第一は、海外に予備隊を出動せしめるかどうかという点、この点につきまして、なるほど昨日新聞紙上におきまして、政府は海外出動をさせるようなことを考えるかもしれないという報道が載つてつたことは、私も新聞記事として拝見をいたしております。しかしながらこれは政府の公式の発表によつたものにもあらず、また政府のいかなる公式の機関から口外されたことでもございません。従いまし、昨日所管大臣であります岡崎国務大臣から、これはまつたく事実無根であるという報告を私は受けておるのでございます。また私自身といたしましても、いまだかつて予備隊を海外に出動せしめることを考えたこともございませんし、またそういうことはあり得ない、こう考えておることは従来通りかわりございません。このことをはつきり申し上げておきます。  第二の点は、自衛上の措置として予備隊を海外に派遣し得るかどうかという問題です。この点につきましては、まず自衛権の性格を考えてみなければならないのでございます。自衛権と申しますものは、言うまでもなく国際法上の観念でございまして、独立国家が急迫不正の侵害に対して、自国の自衛上必要なる措置をとることができるといういわゆる一種の正当防衛、国家としての正当防衛、これを国際法上自衛権といつているのだと思います。従いまして、この自衛権の発動として、一国が他国の領土にまで国権を及ぼし得るかどうかということにつきましては、国際法上一つの問題でございまするが、私の勉強いたしました当時の国際法の教科書によりますと、さような場合もあり得るということが書いてあつたように記憶をいたしております。しかしこの点はなお御研究の必要があれば、ひとつ外務省から十分にお聞き取り願いたいと存じます。そこでこの問題について、かりに自衛権の効果として日本の国権を一時的に領域外に及ぼし得るということが国際法上認められたる場合において、その自衛権の作用といたしまして、警察予備隊を現実に海外に出動せしむるかどうかということが、今度は国内法上問題になると思うのでございます。これは国際法上の問題でなくして、国内法上の問題でございます。この国内法上の問題といたしましては、先ほど申し上げましたるごとく、今日の警察予備隊令の規定といたしましては、国内の治安の確立維持ということを警察予備隊の使命といたしております。従つて、その使命はあくまで国内においてのみ果さるべきものである、こういうふうに政府といたしましては、現在の予備隊令を解釈いたしておるのでございますから、たとい自衛権として海外に日本の実力を及ぼすことが国際法上許される場合におきましても、政府といたしましては、今日の警察予備隊なりあるいはこれが改組されまする保安隊というものを、海外に自衛権行使のために出動せしめるということは、国内法上適法にあらず、こういう解釈をいたしております。
  103. 小川半次

    ○小川(半)委員 国内法上から見れば、これは今あなたもおつしやる通り、現在のわが国の警察予備隊は、海外に出動することが許されないことになつております。国際法上の解釈は、これは一応あなたは自衛権の名のもとに他国へ戦争に行く場合でも、これは国際法上自衛権の発動の範囲なりということであれば、そういう場合も認められた、そういう学説もあるという御説ですが、これはまあごく少数なものであつて結局この解釈の生れたのは、勝てば官軍負ければ賊軍というような、要するに当時の国際的な最も強い地位にあつた国々が、そういう解釈をとつたものであろうと私は今記憶しておるのですが、それは別といたしまして、とにかく現在の日本の警察予備隊の制度としては、絶対に海外に出動してはならぬということに国内法はなつておるのですから、政府はあくまでもこの解釈を堅持してもらいたいと思います。  そこで私は、あるいは政府も同様の心配があるだろうと思うのですが、もしそういう場合に駐留軍から海外出動に協力してくれ、日本の警察予備隊というか、保安隊というか、これはどうでもいいのですが、駐留軍から、日本の警察予備隊も駐留軍協力して出動してくれという要請を受けた場合に、政府はいかなる態度をとるか。
  104. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 駐留軍日本に駐留いたしまして、日本の平和並びに安全のために働いてくれまする以上は、これに対して協力をするということは、建前として当然の事柄だと存じます。しこうしていかなる協力をなすべきかということは、これはおそらく行政協定において定められるものと考えるのでございます。しかしながらその場合におきましても、駐留軍に対する協力ということは、あくまでも国内法の許す範囲においてのみなさるべきものである、こう考えるのでございます。もしどうしてもいろいろ事情から、現在の国内法の認めておる以上の協力をなすことが必要である、こういうことに相なりまするならば、総理もたびたび国会において申し上げておりますごとく、行政協定を実施するために新しく法令の改正が必要になれば、それは国会の御審議を経て法令の改正せられたる後に、そういう義務を現実に負担するような趣旨で行政協定を取結びたい、こう言つておられるわけでございまして、現実にはさような問題は今少くとも警察予備隊の関係については、行政協定の交渉においても起つておるようには私は聞いておりません。従いまして、もちろん駐留軍への協力という必要がありましたところで、今日政府といたしましては、そのために警察予備隊が海外に出動するというようなことは、全然考えておらない次第でございます。
  105. 黒田寿男

    ○黒田委員 関連してちよつとお尋ねします。ただいま大橋国務大臣は、警察予備隊の任務に関しまして、駐留軍といかなる協力をするかということは、行政協定で決定せられるものであると思うと、こうおつしやつたように承りましたが、そうお考えになつておりますか。
  106. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 現実に行政協定においてそういうことは問題になつておらないと思います。しかしながら御質問の趣旨は、駐留軍において警察予備隊の協力を必要とする場合において、向うからこういう協力をしてくれという申込みがあつた場合にどうするか、こういう御質問でございますから、これはすなわち駐留軍の駐留についての一つの日本側の受入れ態勢すなわち條件でありますから、そういう問題はかりに必要があれば行政協定としてまず考えられなければならぬ問題ではないか、しこうして行政協定において現実にはそういうことが問題になつておることは私は承知しておらない、こういうお答えをいたしました。
  107. 黒田寿男

    ○黒田委員 もう一点だけ、その点ですが、私どもが今まで政府の御説明として承つておりました範囲から申しますと、行政協定の内容は、アメリカ合衆国の軍隊の日本国内及びその附近における配備を規律する協定をきめるためだ、決してそれ以上のものには行政協定は触れないのだ、こういう説明を今まで繰返して聞かされておつたのですが、事実上どうなるかは別といたしまして、観念上からいえば、大橋国務大臣のお話から行けば、配備を規律する條件以外のもの、すなわちいかなる協力をなすかというような問題まで、行政協定できめる。現実にそのことが問題になつていないにしても、観念上はそういう問題は行政協定できめれる範囲の中に入るのだ、こういうようなお考えのようでありますけれども、今まで政府から承つてつた説明と違うように思いますが、行政協定というものがそれほど重要な問題でありますならば、私どもまた行政協定というものに関して、考え直しをしなければならぬと思いますが、これはどうでありましようか。
  108. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 私はかりに警察予備隊が駐留軍から協力を求められたという場合においては、それは行政協定という形において処理さるべきものであろう、こういうことを申し上げたのであります。従いまして行政協定というものは、本来配備を規律する條件を内容とするものでございますから、予備隊の協力というものも配備を規律する條件という内容に限られるべきものである、こう思うのでありますが、しかしこの点はお答えを申し上げました主たる点ではございませんので、言葉も私特にそういう点を意識して申し上げたわけではございません。私の申し上げたかつたことは、現実には行政協定においてもそういうことは問題になつておらないし、また行政協定以外においても、海外出動とか、予備隊の駐留軍に対する協力ということは問題になつておらない、こういうことを申し上げたかつたわけでございます。それ以外の点について、あるいは誤解を生じた点がございますならば、私の真意ではございません。
  109. 黒田寿男

    ○黒田委員 ちよつとその点はもう少しはつきりしておきたい。
  110. 仲内憲治

    仲内委員長 時間もありませんから、また別の機会に……。大橋国務相は十二時に参議院の本会議に出席しなければならぬのですから……。
  111. 黒田寿男

    ○黒田委員 その点の疑問が解けないものですから、もう一点だけ……。
  112. 仲内憲治

    仲内委員長 関連でそう時間をとられたら、整理がつきませんから……。
  113. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 それではちよつと申し上げますが、警察予備隊と駐留軍との関係が、はたして行政協定であるかどうか、こういうことは私の関係したことではないのでございまして、それはすなわち安全保障條約の解釈の問題でございます。私の所管事項でもございませんので、もしその点について私が外務当局から説明されたことと食い違いがあつたとすれば、その点はお忘れおきを願いたいと思います。
  114. 小川半次

    ○小川(半)委員 大橋国務大臣にさらにお尋ねします。あなたのいろいろ御答弁を承つておりますと、私はちよつとピントが合わぬところがあるので、これをはつきりしておかなければならぬと思うのですが、要するに駐留軍から警察予備隊が協力の要求を受けた場合に、国内的においてはこれはもちろん協力するが、海外出動の場合は政府はこれを拒む、こういう考え方を現在持つておられるように承知してよろしいか。
  115. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 予備隊の海外出動については、いかなる筋から要求がありましても、政府としてはお断りをいたしたい、こういう考えであります。
  116. 小川半次

    ○小川(半)委員 了承しました。これは過去の戦争は、自衛権の名のもとにおいて戦争が拡大された点などを考えてみるときに、われわれは国内的の問題については、これは当然警察予備隊は相当強力にあるいは武装しなければならぬとも思いますが、いやしくも海外に出るという場合には、これは自衛権を逸脱した場合であるから、現在の政府考え方を堅持していただきたいと思います。  もう一つお尋ねしたい点は、政府は警察予備隊の任期満了に際して保安隊とするという御意見のようですが、この保安隊の統帥権というものは一体だれが持つのか、この点を明示していただきたいのであります。
  117. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 これは一の行政組織でございますので、内閣総理大臣の最高の指揮のもとに立つものと思います。
  118. 小川半次

    ○小川(半)委員 これは将来いろいろ研究の余地があるのですが、やはり統帥権は国会にあるという、大体そういう解釈のもとに研究を進められて行く方が私は適当じやないかと思いますから、一応この機会にちよつと申し上げておきます。
  119. 黒田寿男

    ○黒田委員 関連して……。大橋国務大臣の御答弁が明瞭を欠いておりますから、私は一つだけはつきりお聞きしたいのですが、私どもは大体安全保障條約第三條にきめてあります両国間の行政協定というものは、これもはつきり書いてありますように、「アメリカ合衆国の軍隊の日本国内及びその附近における配備を規律する條件」をきめるものである。これ以外のものではないと私ども考えている。しかるに大橋国務大臣は、警察予備隊とアメリカ駐留軍との協力関係までも行政協定できめるように言われましたから、政府の従来の説明とは違う。これは私は非常に大切な点であると思う。もし違うなら違う、自分の考え方の表現が正確でなかつたとおつしやるならばそれでもいいと思う。あくまでも警察予備隊とアメリカ駐留軍との協力関係を、行政協定できめるんだという御見解なら、私は相当重要な問題であると思いますから御質問した。決して何でもない問題ではない。
  120. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 わかりました。黒田君の御質問の御趣旨よくわかりました。私の申し上げたかつたことは、現実において警察予備隊と駐留軍との協力ということは現在問題になつておらぬ、こういうことを申し上げたかつたわけでございます。従つてそれは行政協定の相談がただいま取運び中でございますが、その中においてもそういう話があるということを私は承知しておらない。それからそれ以外の方法においても、そういう問題が現実に問題になつていることは承知しておらない、こういうことだけを申し上げたかつたのでありまして、その他の事柄は、私が申したことで何かほかの意味があるような表現がありましたとすれば、それは私の真意と違つた点でございますから、この点があつたならばお忘れおき願いたいと思います。
  121. 黒田寿男

    ○黒田委員 お忘れおき願いたいという答弁でありますから、これ以上申し上げません。
  122. 仲内憲治

    仲内委員長 林百郎君。
  123. 林百郎

    ○林(百)委員 私もその点で、安全保障條約の中にある駐留アメリカ軍を使用することのできる一つの條件、「外部の国による教唆又は干渉によつて引き起された日本国における大規模の内乱及び騒じよう」というのは、具体的にはどういう場合を考えられておるか、まずその点をお聞きしたい。
  124. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 條約の解釈につきましては、外務大臣または法務総裁からお開き取りを願います。
  125. 林百郎

    ○林(百)委員 これはこの條約によりますと、日本の自衛権に與える援助を含めてということがあるのでありますから、こういう場合には当然日本の警察予備隊が出動することを前提として、それに援助を與えるために、日本に駐留するアメリカ軍にまつことを許されるという趣旨から、どういう場合がこの規定されている大規模の内乱騒擾であるかということは、治安国務相であるから一応の見解を特つていなければならぬ。そう逃げるわけには行かないと思います。
  126. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 直接治安の問題でございましたら、私からお答え申し上げるべきだと存じますが、事は講和條約の條文の解釈でございますから、しろうとの私でなく、専門家である外務大臣または法務総裁からお聞き取り願いたいと思います。これが政府の公式のお答えになると思います。
  127. 林百郎

    ○林(百)委員 参考までに石原政務次官にお聞きしたい。
  128. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 一応安全保障條約の第三條の文字通りに解釈されてけつこうじやないかと思います。
  129. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで大規模な内乱及び騒擾ということには、かつてはこういうことがあつたのか、具体的にはどういう場合がどうかということを聞いている。字句だけではわからない。具体的の條件はこれこれこういう場合には駐留するアメリカ軍の出動を要請しなければならない場合である。具体的な場合と條件を聞いているわけです。
  130. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 いずれよく調べましてお答えいたすことにいたしますが、これまたどういうことがあるかわからないという予想のもとにいろいろ考えられていることでありますから、以上をもつてお答えといたします。
  131. 林百郎

    ○林(百)委員 私は外務政務次官が最も重要な安全保障條約の、日本に駐留するアメリカ軍隊が出動する場合のことは全然考えておらない、答弁することができないという無責任さには驚いているわけですが、そうしますとかりにそういうことがあつた場合に、「日本国政府の明示の要請」という「明示の要請」というものは、具体的にはどういう形の明示の要請が行われるのでありますか。どこの機関がどういう形でどこへ出すのか。
  132. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 これはいろいろな重要な関連がありますので、また別の機会に調べてお答え申し上げます。
  133. 林百郎

    ○林(百)委員 どうも驚いた次第であります。そこで大橋国務大臣にお聞きしたいのでありますが、あなたの解釈としては、自衛権の範囲内で日本の防衛隊なりあるいは警察予備隊が、そういうある自衛組織を持つことになるのでありますが、それが自衛の範囲内で海外へ出動することも考えられるというように私たちが受取つていいわけですか、あなたの答弁から……。
  134. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 先ほど申し上げました点は、私が学生時代に学校で先生から習つた国際法の知識をちよつと申し上げただけなのです。従いましてこれは政府の公式の見解ではございません。政府の公式の見解についてお問合せがあるといたしますならば、外務大臣または法務総裁からお聞き取りを願いたいと存じます。
  135. 林百郎

    ○林(百)委員 一月二十四日の日本経済に大橋国務相談として、予備隊の海外派遣は国際情勢にかかるとありまして、「国際情勢の推移によつて警察予備隊の海外出動の問題が出たときには、予備隊を軍隊化すると同時に、憲法改正が問題となつて来る。予備隊が今のままで海外に出動することはあり得ないが、かりに出動した場合は国際的には軍隊として認められる。」このあなたの談話の中で「国際情勢の推移によつて警察予備隊の海外出動の問題が出たときには」ということがありまして、自衛権の範囲内で警察予備隊が海外に出動するという問題が考えられるようにここへ談話を出しているのですが、これはどういう談話ですか。
  136. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 新聞の記事は新聞社にお聞きを願います。
  137. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、あなたはこういう新聞の談話はしたことはないというのですか。二十三日午前、内政記者団との会見で話をしたことはないというのですか。
  138. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 二十三日の午前に内政クラブの記者団と会見はいたしておりますが、その会見において言つたことは、そのまま録音にとつてあるわけではございませんので、それを記事として書いたのは新聞社でありますから、その記事についての説明は、一応新聞社にお問合せを願うことが望ましいと存じます。
  139. 林百郎

    ○林(百)委員 そういう無責任きわまる厚顔無恥な答弁をする大橋国務大臣には私も驚き入つている次第であります。そこで、これも昨日の毎日新聞に出ているのでありますが、ラスク氏と岡崎国務相との間に「日本が直接侵略を受けた際は、事と次第によつては、保安隊が自衛権の発動により、駐留軍協力して海外に出動し得るとの了解点に達したことである。」こういうことがあるのであります。岡崎・ラスク会談の中でも、日本の保安隊が直接侵略を防衛するという名目で、駐留軍協力して海外に出動することが考えられる。またそういう場合についてのとりきめは、別個の了解事項をもつてしたいという話合いが出ているといつていますが、この点についてはあなたは何ら聞知しておりませんか。
  140. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 私の承知いたしておりますことは、そういう会談はなかつた、その報道に該当するような事実はなかつたということを岡崎国務大臣から承つております。
  141. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると行政協定の中には了解事項はない。行政協定以外の了解事項はないというようにわれわれは聞いておいていいですか。
  142. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 それは所管大臣からお聞き取りを願います。
  143. 林百郎

    ○林(百)委員 その次の問題ですが、今度はどうしてもあなたの権限内の問題だと思うのだが、駐留する米軍が国内で行動する——国外で行動する場合もそうでありますが、当然日本の防衛隊なりあるいは保安隊が、これに協力する場合があると思いますが、その協力の態勢はどうなる。たとえば指揮権あるいは統帥権というようなものは、日米合同というような形か、あるいはどちら側が持つか、どういうような構想を現在あなたは持つておるか、この点を聞いておきたいと思います。
  144. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 その点については何らまだ具体的な話合いはございません。
  145. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、いつ、どういうように話し合うわけですか。すでに安全保障條約の中には、大規模の内乱及び騒擾が起きた場合には、日本に駐留するアメリカの軍隊が出動する。それに対しては日本治安、防衛上、国内における自衛力もこれと協同するということが当然第一條には含まれておるのでありますが、米軍が行動し、そして日本の、あなた方のいういわゆる自衛力なるものが行動するという場合の調整あるいは指揮権の関連、こういうものを今もつてあなたが考えないというのはどういうわけです。すでに安保條約で明確に規定されておるその問題について、行政協定が進行して、来週には調印があるというのに、国内の治安の最高責任者であるあなたが、まだ何も考えないという無責任なことが言えますか。
  146. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 考える必要にまだ差追つておらないと考えております。
  147. 林百郎

    ○林(百)委員 そういうそらとぼけた話があなたはよくできるものですね。安全保障條約で最も重要な問題は、日本に駐留するアメリカの軍隊が、どういう場合に日本の人民に銃を向けるかということでしよう。しかもそれに日本の警察も協力するのでしよう。外国の軍隊が日本人に銃を向けることについて、日本の国務大臣考えないというなら、あなたはやめたらどうです。まつたく売国国務大臣だ。(「それは共産党だ」と呼ぶ者あり)共産党であろうと何党であろうと、外国の軍隊が日本の国内で銃を向けるという場合はどういう場合であるか。日本の国内の防衛組織とどういう関連を持つか。指揮権はどうなるかということを国会で説明ができないようだつたら、国務大臣をやめたらどうです。あなたはどこまでもそんな無責任な答弁をするのですか。
  148. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 たいへん林百郎君は興奮して涙を流しておられますが、非常にまじめなお話だろうと思つて敬意を表しておるのであります。林君は、アメリカ軍が日本国内において行動する場合には、アメリカ軍が日本の国民に銃を向けるのだという前提でお話をなさつておられますが、アメリカ軍が日本国内において行動するのは、日本の国民に対してよそから銃を向けるものがあるから、それを守るために行動するのでありまして、御心配のようなことはございません。
  149. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、アメリカ軍が日本に行動する場合は、よそから日本国民に銃を向ける場合だというが、それは具体的に何です。
  150. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 そういうものがあるといけないので、ああいう條約をつくつておるわけであります。
  151. 林百郎

    ○林(百)委員 いけないのでというなら、どういう場合かということを説明したらどうです。どういうものが日本の国内に入つて来て、日本の国民に銃を向けた場合、アメリカの軍隊もまた日本の国民に銃を向けるかということを説明したらどうです。
  152. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 この点はもう林君が  一番よく御存じで、私は、どういうものであるか、林君に習いに行きたいと思つておるくらいであります。(笑声)
  153. 仲内憲治

    仲内委員長 林君に申し上げますが、大橋国務大臣は……。
  154. 林百郎

    ○林(百)委員 ちよつと待つてください。あなたは何をさしておるか知りませんが、たとえば中国、ソビエトがいつ日本に侵略するということを言つておりますか。むしろ日本におるアメリカの飛行機が中国へ飛んで行つておる、あるいは朝鮮へ飛んで行つておるじやないか。そして朝鮮へ飛んで行く飛行機が日本の国内で落ちて、爆弾が破裂して日本人が死んでおるじやないか。侵略しておるのはむしろ日本におるアメリカの軍隊が、中国、ソ同盟を仮装敵として侵略してこそおれ、中国やソビエトがいつ日本に侵略するということを言つておりますか。やつておるならばその根拠を示してください。そんなことを封じておいて、日本の国をアメリカの軍事基地にするために——いかにも仮装敵、中国やソビエトの軍隊が入つて来るようなことを言つていながら、実際は日本の国を軍事基地としてアメリカへ提供しておるじやないか。そして日本の基地からアメリカのB二九がどんどん飛んで行つておる。つい最近は埼玉県で、朝鮮へ二百五十キロ爆弾を四十積んで行く飛行機が落ちておるじやないか。あなたがそんなことを言うなら、アメリカの軍隊が日本人に銃を向けなければならないような、そんな事態を起すような勢力がどこから入つて来るか。ここではつきり言つてごらんなさい。
  155. 菊池義郎

    ○菊池委員 今林君の聞こうとしたことを私も実は聞こうと思つているのですが、つまり駐留軍日本の予備隊とは、大規模な内乱、騒擾の場合には、必ず協力、連繋しなければならない場合が生ずるわけでありますが、そういう場合の両方の行動を規律するものは何でありましようか。そのとき、そのときの話合いによるのでございましようか、どうでございましようか。
  156. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 実は現在米軍はすでに駐留いたしておりますが、これは條約上の駐留軍として駐留しておるのではなく、ポツダム宣言受諾に伴う占領軍として駐留しておるのであります。将来これが占領軍でなく、駐留軍として駐留する場合に、どういう條件になるかということは、ただいま行政協定において相談中であると存ずるのでございます。従いまして駐留軍として駐留する米軍と、必要があつて警察予備隊が国内において共同の目的のために行動をするという場合において、この両方の行動が齟齬しないように打合せをしながらやつて行くということは、これはもう当然その必要が考えられるわけでございますが、その点につきましては、私行政協定において、はたしてそういう話合いが進んでおるものやらどうやら、その内容を承知いたしておりません。また本来そういう事柄は、行政協定の中においてあらかじめとりきめられるべきものかどうかということも承知いたしておりません。しかしながらいずれにいたしましても、現実に駐留軍として駐留が始まつた場合におきましては、駐留軍のわが国の国内治安確保という目的もあるわけでございますから、その場合の行動につきまして、警察予備隊ばかりでなく、わが警察機関、そういうものとの協力関係をどうするかということは、これは何らかの方法によつて打合せをする必要があろうと存じます。それが行政協定であるかないか、私は存じません。実際上そういう必要はあろうと思いますが、しかし現実にはまだそういう打合せをする段階にはなつておりません。
  157. 菊池義郎

    ○菊池委員 共産党が反乱、暴動を起す場合には、全国一齊に蜂起して、五人とか十人ずつ団体を組んで、そしてゲリラ戦術に出るということは、責任ある当局からかつて報告されたことがありましたが、全国一齊に蜂起して五人とか十人ずつ隊を組んで、そういうゲリラ戦術をやられますというと、とても予備隊やあるいは駐留軍が、これが防衛に当ろうといたしましても、駐留軍や予備隊は大きな団体とか、百人とか二百人とかの団体でもつて戦うわけでありますからして、この暴動を鎮圧することは非常に困難であろうと思う。それでそういう場合においては、国民全体が協力する態度をとらなければならぬと思うのですが、こういうことに対するところの政府考え方はどうでございましようか。
  158. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 お述べになりましたように、そうした場合にはほんとうに国民的な協力というもの以外に対策はなかなか立ちがたいと思います。そういう問題につきましても、十分に今後研究をいたして行きたいと考えております。
  159. 菊池義郎

    ○菊池委員 往年の隣組とかあるいは警防団とか、そういうようなものを組織するような必要を感じておられないでしようか、どうでしようか。
  160. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 ただいま具体的にどうこうという組織をつくろうという考えはまとまつておりませんが、しかしお示しの点は確かに重要な問題であると存じますので、あらゆる角度から十分に研究さしていただきたいと存じております。
  161. 菊池義郎

    ○菊池委員 それから保安隊員を採用する場合に、必ず町村長の推薦する者に限るという規定を設けるということでありますが、そういうように局限いたしますと、町村長がもし社会党の左派であるとか共産党であるとか——共産党が町村長になるような場合はめつたにありませんが、そういう場合に困ると思うのであります。これについて何かお考えはございましようか、どうでしようか。
  162. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 町村長に隊員の募集について推薦をお願いするという問題は、私現実にはまだ深く研究いたしておりません。おそらくこれが新聞紙等に伝えられましたのは、予備隊の事務当局において、さような点の研究を今いたしておるためではないかと存じますが、もともとこの趣旨と考えます点は、多数の応募者を一々身元を調査するということも容易ではございませんので、一応町村長が責任を持つていただける方ならば、優先的に隊員として採用してもよろしかろうではないかという程度考え方から、採用の際の調査のお手伝いを町村長にお願いをするという意味で、町村長の推薦というようなことを考えたのではなかろうかと思うのでございます。しかしながらそれは町村長が真に信頼できるという場合でなければなりません。御指摘のような弊害もあると存じますので、この点はなお十分に研究いたしたいと存じます。
  163. 林百郎

    ○林(百)委員 政務次官にお聞きしますが、私が実は先ほど大橋国務大臣に声を大きくしてお聞きしたのは、日本と国府亡命政権との間のこのとりきめについて、国際的に非常に問題がいろいろ出て来ておる。御承知の通りに、北京にある中華人民共和国政権としては、どうしても台湾を解放しなければならないということは、これはもう中国の人民にかたく誓つているところであります。ですからいずれ台湾の解放戰というものは起きて来ると思う。ところがあすこにいるショウ石政権としては、逆に機会あらば大陸へ反攻しなければならない、要するに反撃して大陸へ上陸しなければならないということを、常に主張しておるのであります。従つて台湾で問題が起きると、将来どうしてもあすこで、台湾の解放の問題にからんで、重大な紛争が起きて来ることは、これは当然だと思う。たとえばダレス氏が一月二十一日、アメリカの上院の外事委員会で、「われわれは中国で自然に変化の起るのを待つていることはできない。このような変化を起させるためには、自由世界、特に米国がアジアでとつている消極的な、まつたく防衛的な政策を乗り越えた政策をとる必要がある。そのためにはかたい決意が必要であり、チャンスがあり次第このかたい決意を実行に移す。」要するに軍に台湾を守るということばかりではなくして、台湾から一歩積極的に共産主義勢力あるいは人民勢力を押えるために、反攻に出なければならないというようなことを、一月二十一日の上院外交委員会で、ダレスが主張しております。それから同じくトルーマン・チャーチルの会談において、チャーチルが十七日、アメリカの下院の議場で開かれた上下両院合同会議に臨んでまた「西欧諸国は台湾が占領されることは許さぬだろう。」要するに台湾が中華人民共和国政府によつて解放されることは許さぬだろうということをはつきり、これは本年一月十七日のアメリカ下院の議場で演説しておるのであります。それから同じくデユーイが「しかしフィリピンは一九四一年のように台湾が敵の手中に陷れば非常な危険にさらされ、おそらく完全に防衛不能にはなるだろう、真珠湾奇襲の翌日クラークフーイルドを空襲し、地上にあつた米軍機を破壊した日本の爆撃機は、当時日本の手中にあつた台湾からやつて来た。コレヒドールを爆撃した飛行機も台湾から来た。台湾はフィリピンから約二百二十マイルである。以上のように広い観点から考えれば、われわれが太平洋地域を部分的に保持することは不可能である。」要するにどうしてもフィリピンを守るためには、台湾が中華人民共和国政府によつて解放されることは許しがたいということをデューイも言つておるのであります。また台湾の陳誠行政院長は昨年十二月二十一日の演説で「吾人の台湾における努力と進歩は、大陸人民の勇気と信念を強化した。大陸反攻が実行されれば、大陸では反共の大潮流が起り、迅速に共匪政権を打倒し去るであろう。」  「吾人は決して外国軍隊の中国における作戦を希望するわけではない。吾人は必要な軍備と経済援助さえ得るならば、ただちに大陸に反攻できるのだ。中国大陸の收復によつて、アジアの安全は保護せられ、西方の危機は緩和されるであろう。」こういうことを陳行政院長は言つているのであります。同じく本年一月の演説では「大陸反攻を望んでいない者は一人もないのである。われわれの任務は重大であり、団結と奮闘こそわれらが勝利を得る基本的要素である。」こういうことを主張しているのであります。ここで明らかに中国、ソビエトあるいはこうした人民民主主義諸国と、いわゆる資本主義、帝国主義諸国との間に台湾の問題をはさんで、将来非常な大きな紛争が起きるということは、想像し得るのであります。ところが最近台湾と日本は條約を結びたい、しかもその條約の内容を見ますと、これは昭和二十七年二月十日の日本経済でありますが、この中日双務平和條約の内容の中には、「国府は日本が自衛のためにとる措置に反対しておらず、日本がアジアの集団的安全保障に貢献することを希望する」要するに台湾政権としては日本をも含めて、台湾の集団的安全保障を取結びたい。要するに台湾を防衛するために日本の戦力も使いたいということを、中日双務平和條約の中で、台湾の国府亡命政権が言つております。また二月六日の毎日新聞によりましても、国府亡命政権との講和條約の中に「安全保障措置としては、将来日本が防衛力を増大して太平洋安全保障機構に参加し協力する。」という條項を一つ入れてあるのであります。こうなりますと、台湾で紛争が起きることは火を見るよりも明らかだ、その紛争の起きる台湾と日本が地域的集団安全保障のとりきめをするということになれば、これはどうしても日本の警察予備隊、あるいは保安隊がこの紛争に巻き込まれるということは、これは火を見るよりも明らかだと思うのであります。しかも大橋国務大臣はわれわれには口を緘して何も言いませんが、新聞記者諸君に対しては、日本の防衛隊の海外派遣ということは考えられる、しかも昨日の各新聞は「保安隊の海外出動、自衛上ならば可能」という見出しで、こういう、これは何号活字か知りませんが、おそらく新聞社としては最大の活字で報道しているのであります。これを單に、新聞記事に対しては責任が持てないということだけでは、無視することはできないと思うのであります。しかもわれわれの持つている情報によりますと、警察予備隊は帝国製麻に対して三億円の南方向けのキャンプを注文しておるのであります。こうなるとわれわれは、政府がいかに強弁しようと、日本の保安隊、あるいは防衛隊が将来太平洋における地域的集団安全保障の一環として、台湾、朝鮮、遠くはヴエトナムまで派遣する可能性が、どうしてもわれわれには考えられるのであります。そういう意味でわれわれは日本のとうとい青年諸君の人命を、日本と直接関係のないアメリカのアジアにおける政策の一環として、台湾やヴエトナムでむなしく白骨をさらしたくないということを私は考えるから、真剣に大橋国務大臣質問したのでありまする石原次官は大橋国務大臣みたいに人も悪くないから、ああいうふうに不誠意な答弁はしないと思いますから、お互いに胸襟を開いて、立場は違うけれども、やはり日本の国の将来のことを考え日本の国の青年諸君のことを考え、われわれの子孫がむなしく台湾やヴエトナムでまた白骨をさらすことのないようにということを考えますれば、この問題はどうしても私は見のがすことができないのであります。そういう意味で私は石原次官にこの問題についての誠意ある回答を求めたい。そこで具体的に回答のしいいようにこういうことをお聞きしたいのです。  今度の台湾との講和條約といいますか、あるいは限定された講和條約の中に、安全保障の問題もあるのかどうか、また台湾側の国民政府の亡命政権の中に、政府側の意向としてそういう希望が伝えられているかどうか、まずその点をお聞きしたいと思います。
  164. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 ただいま林委員から、紛争が将来当然起ることを前提とされてお話があつたのでありますが、先ほどのいろいろ引例されましたような話も自由国家群においては、そういうことが起らないように極力やつて行ごうという立場から、いろいろ研究をされておる問題と思います。それからまた中国の中のいろいろのことを論ぜられたのでありますが、それはもともと他国の国内問題でありますが、それが国際の平和と安全に影響するというような場合には、国連憲章の原則に従いまして、また日本国憲法の許す範囲内において国連に協力して行くと、こういうことになるのではないかと思います。予備隊の問題等については、先ほど大橋国務大臣からも、海外出動はいかなる場合も断るということを、ここで明言されておるのでありまして、国務大臣からもきわめて明瞭な答弁があつたわけであります。台湾との條約はこれから交渉されるので、内容はまだきまつていないところでございまして、ここでまだ申し上げる段階ではないと思います。
  165. 仲内憲治

    仲内委員長 林君にちよつと……。厚生大臣が見えまして、時間ももう限られて、並木君の質問も残つておりますから、留保してこの次の機会に願います。
  166. 林百郎

    ○林(百)委員 今の問題の結論だけ一つ。そうすると台湾との講和條約の交渉の中には、安全保障のとりきめはするのですか、しないのですか、あるいは台湾側からそういう希望があるのかないのか、それをはつきり聞いておきたいと思います。ないからないでけつこうです。あるいはそういう可能性があるのか、台湾側からそういう希望があるのか、それをお聞きしておきたいと思います。
  167. 石原幹市郎

    石原(幹)政府委員 台湾との條約は、先ほども申し上げましたように、これから一切交渉が始まるのでありまして、まだここで何ものをも申し上げる段階ではないと思います。
  168. 並木芳雄

    並木委員 私は吉武労働大臣厚生大臣お尋ねしたいと思います。駐留に伴う労働問題、あるいは補償問題についてでありますが、まずその前に、つい六日前の二月七日の夜、B二九が埼玉県入間郡金子村というところに墜落して、相当の被害を出しておりますので、この点についてお伺いしておきたいと思います。昨年の十一月十八日の夕刻、同じB二九が墜落して、その事故があつてからわずかに三箇月足らずの間に、またも不幸な事故が起つた、しかも非常に近接するところで起つております。今度は日本人だけでなく、アメリカの搭乗者の中にも死者を出したとのことでございます。私ども再度にわたつたこういう事故に対して、心から同情と哀悼の念を禁じ得ないものでありますが、この前後二回も起つた事故の実情調査の結果がどうであつたか。そしてこれに対して政府としてはどういうふうな救済の方法を講じたか、また現に講じつつあるか、それをまずお伺いしたいと思います。
  169. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 お話のごとく、昨年の十一月十八日に砂川村に飛行機墜落の事故がございました。それからことしになりましては、二月のたしか八日に金子村に事故があつたのであります。前回は重傷が一名で、軽傷が十名でございまして、家屋の被害といたしましては、全焼が四戸と大破が十八戸、それから中破が六戸と小破三十戸であつたようでございます。今回の事故はまだ調査中でございますが、大体今までの調査では、死者が一名と行方不明が三名になつておりまして、家屋の被害は全焼が七戸と小破が相当つたようでございます。これの救済の処置は、御承知のように、閣議了解事項がございまして、療養給付と、傷害見舞金と、死亡見舞金と、それから家財の見舞金と、住宅見舞金とがございます。従来の砂川村の方はすでに処置が済んでおりますが、今までの分では少し金額が低くはないかということで、昨年の暮れに閣議了解事項を改めまして、相当増額をいたしております。従つて金子村の方につきましては、まだ調査中でございますので、交付は手続中になつておるかと思います。さような状況でございます。
  170. 並木芳雄

    並木委員 昨年の閣議の了解事項の内容についてお知らせ願います。
  171. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 閣議の了解事項は、療養給付と療養費につきましては、従来は六箇月でございましたが、今回の改正で一年に改めております。それから傷害見舞金は、今まで四段階にわけておりましたのを、十四段階にわけまして、従来は最高が二十四万円でありましたのを、今度は六十七万円まで上げたのであります。それから死亡見舞金の方は、従来最高が二十万円でございましたが、それを今回は五十万円に改めたのであります。それから家財見舞金の方は、従来最高二万円でございましたのを、今回は二万円までは十割を差上げまして、二万円以上につきましては、その部分について五割を補償するという関係でございます。それから住宅見舞金の方は、従来最高四万円でございまして、しかも八割しか支給いたしませんでしたが、今回は四万円までは十割を支給いたしまして、四万円を越える分については五割を支給するということに改めたのであります。
  172. 並木芳雄

    並木委員 お見舞金の制度というものであるために、やはり実際の被害に対する弁償というわけには行かないだろうと思いますけれども、これは何とかして見舞金でなく、補償の制度に改めることができないのですか。私は生命、財産に及ぼすこういう被害に対しては、行政措置の見舞でなく、すみやかに立法措置を講じて、法律で補償制度というものを確立すべきものであると強調したいのでありますけれども、その点、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  173. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 見舞金とはなつておりますが、大体普通行われているものを基準にいたしまして、今申しましたような改訂をして支給をいたしておるわけであります。
  174. 並木芳雄

    並木委員 平和條発効とともに、駐留軍が続いてとどまることになります。そうすると、また同じような事故が不幸にして起らないとも限りません。またその他の場合でも、あるいは交通の事故、いろいろの事故によつて駐留軍の行為によつて生ずる生命、財産の損傷というものが起ると思うのです。これに対してはつきりした態度を政府としてはとつてもらいたいと思うのです。平和條約の第十九條で、今までの損害に対しては日本としては請求権を放棄してしまいましたけれども駐留軍が安全保障條約によつて駐屯する、それに対する関係というものは、新たな観点から見られることができる。政府としては行政協定、あるいはその他の協定によつて、損害の補償についてどういうふうに話を進めておられるか、これをお伺いしたいと思います。
  175. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 お話のように独立後は、今までのようにというわけにも行かないと思います。そしてその分は行政協定の審議の中におきましても、おそらく審議中のことと思いますが、私はその方は直接関係しておりませんから存じませんが、先ほど参議院本会議における同じ質問に対し、岡崎国務大臣は、目下行政協定の審議中で考えている。その際の考えとしては、国際慣行によつて考える、かように答弁をしておつたと思います。
  176. 並木芳雄

    並木委員 犠牲をこうむつた人は全国的に見ると、相当今までもあると思います。私は急いで立法措置を講じて、そして連合国からは賠償はとれなくなつてしまいましたけれども政府としてこれを補償する、その場合に占領開始当時にさかのぼつてやるべきではないかと思うのです。そういう点を、大臣は考慮されておるかどうか、お伺いしたいと思います。
  177. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 この点も先ほど参議院の本会議で質問がございまして、岡崎国務大臣は遡及はしないと答弁をしたように存じております。
  178. 並木芳雄

    並木委員 大臣としては、それでは私は非常に物の足りないじやないかと思います。ことに戦争遺家族の問題などもつて来ておる今日、こういう犠牲をこうむつた方々も、やはり一種の戰争犠牲者であろうと思うのです。ですから遺家族などに対しては、やはり特別の考慮が拂われなければならないと思うのですけれども、吉武厚生大臣としては、どういうふうにお考えになりますか。
  179. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 従来の分は、過去はともかくといたしまして、先ほど申しましたように、なくなられたときには、やはり死亡見舞金として、最高五十万円という額を支給をし、それぞれの処置を講じておりますので、独立いたしましても、遡及してそれをどうするということは考えておりません。
  180. 並木芳雄

    並木委員 では私はちよつと進駐軍労務者の関係について、この際伺つておきます。それは駐留軍に切りかわるために、現在の進駐軍の労務者の立場というものが、どうなるかということについて、不安の念を抱いている者があるのでございます。これはむしろ労働大臣としての吉武国務大臣お尋ねすることになりますが、駐留軍で働く日本人の労務者は、どういう形の雇用関係に入ることになりますか。私が今まで聞いた範囲では、米軍直用でありますと、いろいろのトラブルが起りますので、日本政府がこれを国家公務員として雇つてもらいたい。そして身分の保障などをしてもらいたいというのが大多数でございます。その点どういうふうに立案されておりますか。
  181. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 この問題は、月下行政協定に関する審議中でございまして、どうなるかはまだわかりません。しかし筋合いといたしましては、駐留軍の使いまする雇用関係は、直接雇用されるのが筋だとは思うのでありますが、しかしながら組合その他の意向を聞いてみますと、そういうよりも間接の形式の方がいいのだという御希望の点もございますので、その点は十分考えて、いいように処置して行きたいと、こう思つております。
  182. 並木芳雄

    並木委員 米軍直用の方が筋だという点は、つまり費用がアメリカ側から支携われるという点なのですか。
  183. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 費用ばかりではございません。およそ労務関係におきましては、直接使用する者が使用する関係にあるのでありますから、建前からいうならば、使うところとの関係は、使う人と使われる人との間に雇用関係が生ずるというのが、建前であるということを申し上げただけであります。
  184. 並木芳雄

    並木委員 もし米軍直用になりますと、アメリカ軍の軍属というようなふうになるのですか。それとも他のどういう身分で雇われることになりますか。
  185. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 そういう点は、行政協定の審議できまつて行くことでありますが、私今まで聞いているところは、そういう軍属とかなんとかいう関係に入るとは聞いておりません。
  186. 並木芳雄

    並木委員 ではもう一点だけ……。今の費用の点ですが、米軍に使われます日本人の要員の費用は、駐留軍の方で持つ、こういうふうに了解してよろしゆうございますか。
  187. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 そういう費用の負担の面も、目下行政協定の中で審議中でございますから、どうなりますかは、まだわかりません。
  188. 林百郎

    ○林(百)委員 実はB二九の墜落の問題ですが、私この前川崎とそれから埼玉県の金子村と両方実地に見て来たのでありますが、これは賠償が全然政府側が誠意がないということです。これは問題外としてその前提として現場の処理の問題ですが、直接米軍が来て処理的問題をするために、日本の住民との間に非常に不便な問題が起きているわけです。たとえば埼玉県の金子村の問題ですが、大体現場から五百メートル以内までは、全然人を入れなくて、中にいる住民を五百メートル以外へ立ちのきをさせているわけです。自分の家が焼けないで残つている人まで、五百メートルの範囲内、大体百二十戸ぐらい、二百人ぐらいの人ですが、五百メートルから外へ全部立ちのきさせて、たき出しでよその家で食べているのです。そこで問題が二つほどあります。第一は村の助役さんの家がその立ちのきの範囲内にあるために、ただちに村で緊急会議を開いて処置をしたいというのに、その必要な書類を自分の家へ行つてつて来ることができない。村の助役だから責任のある立場にあるというけれども、相手が米軍のために、全然話も通じないし、家へ行くことがなかなか困難である。行つてもわずか二、三分か何かで非常に不便を感じているということを、村の当局者が言つたのでありますがこれが一つ。もう一つは、五百メートルの範囲内に豚や鶏いろいろの生きものを飼つておるのでありますが、これにえさをやりに行くこともできない。それで米軍の方ではこう言つているのだそうです。生きものよりは人間の命の方が大事だから、まだ爆弾が、四十個もあるうち破烈したのが七、八個で、処理未済のものが十四、五個、あと十二、三個はどこへ行つたかわからないのだから、それを処理するまではどうしても中に入れないということのために、生きものを自分の家で飼つているにもかかわらず、それにえさをやるために入ることができない。子供が三、四人五百メートル以内に入つたら、ただちに米軍につれて行かれてしまつたということで、非常に困つている。われわれは根本からいえば、そんな物騒な飛行機が、日本の室を通ること自体に反対ですが、こういう場合に、その現場の処置の実権は日本側が握つて日本側から米軍に交渉するならするということにして、そこの処置日本側が自主的にするような方法がとれないものかどうか。しかもわれわれ国会議員ですら入れないのです。日本の警察官が親切に案内してくれましたら、アメリカのCPというのが来まして、林という人がいるか、これからすぐ出て行けということで、親指でこうです。それで銃の中に弾を入れてがちやんがちやんと安全装置をはずしている。国会議員日本の国の領土の中に入れない。これは爆弾も何もなかつた川崎の問題です。国会議員が実情調査すらできないというのが現状です。将来飛行機が幾台落ちるかしれませんが、近ごろ非常に落ちる率が高い。そういう場合に、現場の処理方法は原則として国本側が責任を持つてつて、あと賠償の問題だとか、必要な資材の問題とか、爆弾の処理の問題とかいう、そういう軍事的な問題は向うがやる、こういう手段がとれないかどうか。これは厚生大臣の職務範囲外だというならば、あなたは吉田内閣の国務大臣として、あなたの意見を、まず賠償の前の問題として聞いておきたいと思います。そうでないと非常に不便です。まずその点をお聞きしておきたい。
  189. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 五百メートル以内に入れないという処置を講じたという点は、私まだはつきりは存じませんが、おそらくそういうふうな処置はとられるだろうと思います。それは御指摘になりましたように、非常に危険です。先ほども質問が出ましたが、実は付近の者がかけつけて行つて死亡されたという話も聞いたのであります。ですからこういう処置はよほど気をつけてやりませんと、ただ落ちたからといつてかけつけて入る、そのためにまたかえつて被害が拡大をするということは、これは決して望ましいことではございません。不便な点はいろいろあるでありましようけれども、危険な場合には、これをできるだけあらかじめ防止するための処置を講ずるということは、私は当然であろうと思います。ただ墜落のときの処置について、日本側がどれだけ関係をしてやるようにしたらいいかというような点は、なお私の方でも取調べてみたいと思います。
  190. 林百郎

    ○林(百)委員 危険を防止することはいいのです。しかしその主導権は日本の警察や、日本の消防が持つているのです。それから日本の村役場があるのですから、日本の警察と消防と村役場に責任を持たせて、住民との関係日本のそういう機関を通じてするように円滑にしなかつたら、国会議員ですら現場を見れないじやないですか。だから、そういう場合には、そういう現場の措置日本機関が責任を持つように切りかえることができないかどうかということを聞いているのです。危険なことはあたりまえです。朝鮮へ行く前にこんなところへおつこつちやつたのです。二百五十キロの爆弾を四十個も積んで飛んだものがおつこつちやつたのだから、そんなことはあなたに言われなくてもよくわかつている。その処置がなかなかスムーズに行かない。三日も四日も自分の家の豚や鶏にえさもやれなく百姓がみすみす見ていなければならぬということでは困るから、日本政府並びにその機関に責任を持たせることができないかどうかということをまず聞いているのです。あなたは日本の国務大臣ならやると言つたらどうですか。
  191. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 それが危険であるかないかということは、その土地をよく知悉している人でなければわからないのであります。従つてその責任ある人があぶないからと言うならば、やはりその人の意思を尊重してやらないと、うつかりほかの者が、日本の領土だから、日本がかつてに行つたつて、それはどういう処置をすればいいか、どれくらいの危険性があるか知らない者がかつてなことをやるということは、私はかえつていいことじやない、かように存じます。
  192. 林百郎

    ○林(百)委員 問題は、そんなめんどうな飛行機を日本に置くからいけないのです。今後何年いるか知りませんが、そんなものを置かないようにまず考えなければなりません。そこで次の問題ですが、新聞あるいはラジオで聞きますと補償の問題も、日本の大蔵省側と厚生省側と数字の点やいろいろのいきさつがあつて、まだ十分の補償がしてないと言つていますが、私が聞きたいのは、この前横田に落ちた飛行機の損害の総計と、それに対する政府の補償をしたかしないか、幾らしたかという事実。それからこの前川崎に一つ落ちた。これは栗林の中に落ちて、三十年もかかつてやつと栗がなるようになつた栗林がずつと焼けてしまつているわけです。佐藤さんというお百姓さんですが、この辺の栗林の損害や何かを幾らと見積つて幾ら補償したか。それから今度の金子村の損害を幾らと見積つて幾ら補償したか、たとえば金子村なら大体焼けたのが七戸焼けた、どう見てもあれは突然のことですから、家は焼かれ、着物は全部焼かれ、家財道具は全部焼いておる。一戸当り平均二百万円と見ても七戸で千四百万円、横田では二百万円平均として二千八百万円ぐらいだと思います。ところが政府の見解を聞きますと、大体二百万円だという。十四戸で二百万円というと平均してわずか十万か十五、六万でしよう。家は焼かれ、家財道具は焼かれ、着物は焼かれ、しかも人命まで失つてそれくらいの補償では、これはどうにも補償にはならぬと思うのです。これは当然日本政府が金がなかつたら米軍にでも要請して拂うなりなんなりしなければいかぬと思う。そこで私は今の三つの昨年の暮れに起つた横田と川崎と金子村ですね、これで政府は幾らと損害を見積もつて幾ら補償金を渡したか、渡さないかそれを聞きたい。  もう一つ補足しますが、金子村なんか、村ではどうにも処置できないというのです。県へ行つても県でも予算がないというのです。そうすると国で補償してもらわなければならぬ。ところが現実に金は消防にたき出しをしなければならない、それから警察にたき出しをしなければならない、避難民の家を建てなければならぬ、避難民にふとんや着物を渡さなければならぬ、現に目の前に金がいるわけです。ところが村でも予算がない、県でも予算がない、国はなるべく小切手で二束三文で処置したいという形ですから、末端の機構に行くほど損害がしわ寄せされて非常に苦労しているわけです。この点について厚生大臣はどう考えている。今言つた具体的の数字と、弁償した額と、それから末端にそういう経済的な負担がしわ寄せされることに対する適切な処置と、これをあなたに聞いておきたい。
  193. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 この前の十一月十八日の事故につきましては、一応支給が済んだと聞いております。これはどのくらいの金額かは私まだ存じませんから調べて……。
  194. 林百郎

    ○林(百)委員 至急に書類にしてちやんと出してください。
  195. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 ただ新基準によるものが若干残つておるわけでありますが、それは政府の手は離れて、今東京都の方の手に移つて、支給の手続をしているというふうに聞いております。
  196. 林百郎

    ○林(百)委員 横田ですね。
  197. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 そうです。それから後の金子の方の分はまだ調査中でございまして、支給の手続には至つておりません。
  198. 林百郎

    ○林(百)委員 川崎はどうですか。
  199. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 川崎はまだ問いおりませんが、これも取調べて申し上げます。
  200. 仲内憲治

    仲内委員長 黒田寿男君。あと五分ばかりしかございませんからどうぞ
  201. 黒田寿男

    ○黒田委員 吉武厚生大臣お尋ねいたします。このB二九が落ちまして損害を受けました場合に、なぜ日本政府が見舞金を出さなければならぬのか、私にはちよつとその根拠がわからぬのであります。アメリカ軍が出したらいいじやないかと思われるのでありますが、その点を伺いたい。
  202. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 これは私どういうのか存じませんが、現在のところ日本政府の方で出すということになつております。
  203. 黒田寿男

    ○黒田委員 吉武さんでお答えできなければ、別な政府の代表に承ります。ついでに質問したのですけれども、それでは私は質問をやめます。
  204. 仲内憲治

    仲内委員長 本日はこれにて散会いたします。  次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後零時五十七分散会