○中村(俊)政府
委員 クーポンは
先ほど満尾先生からお示しがございました
ように、
運輸省と通産省とよく相談してやつたことなんでありまして、通産省を——言葉は悪いかもしれま
せんが、しきりにおしかりにな
つておるのでございますが、
運輸省といたしましても非常に
責任は痛感いたしておる次第でございます。けれども、最初二千枚のクーポンを出しますときにも、過去の経験から見ましても、当然その中の五十枚や百枚のものがからになるであろう、これは公平を期しますために、非常に多くの部分を抽籤をいたしますので、抽籤をすればお金のない方にも当る。たいへん失礼な言い分でございますが、国
会議員でクーポンに当られた方の中にも、お金がないから買えないと御相談に
なつた方もあるくらいでございますので、これが従来の二千六百枚のときの経験から見ましても、五十枚や百枚はあるだろう、しかしその残りは当然消化されるのだという
考え、その裏には当時の事情からいたしまして、当然百万ドルのドルのまだかなりの部分が残
つておりますし、またドルで買うこともできたのでありますから、
考えておつたのでありますが、それがいつの間にか事情の
変更——これは
運輸省としてははなはだ申訳ないのですが、事情が知らないうちに
変更にな
つてたな上げにな
つておつた。そこで六月十日の午後に当
委員会で
滿尾先生から
お話があり、本間通産政務次官から明日とい
つても無理だけれども、処置するという御
答弁がありました。この御
答弁はひとり通産省ばかりでなくて、半分の
責任者であります
運輸省にも
適用されることだと存じましたので、翌十一日午前中通産省に参りまして車両
部長のところでよく打合せをいたしました。また同日の午後大蔵省にも参りまして、大蔵省とも打合せをいたしました。こまかい
内容は申し上げま
せん。十二日には通産省の通商局長にお願いをしまして、通商局、振興局、機械局と打合せをいたしまし
ようということを十一日にきめておいたのでございますが、通産省の御都合で十二日には
会議ができずに、十三日の午前中打合せを通商局長のところで、通商局、振興局、機械局及び
運輸省の
自動車局といたしまして、とにかく七十六万ドルのドル
はつけることにいたそう、こういうことに相なりました。私ども
運輸省の側はにさらに同日の午後、この車を売
つてくれる相手方である司令部へ参りまして、当面の向うの
責任者でありますGIセクシヨンのアンダーソンという人に頼みました。私ども約束して参りましたとき、通産省の
自動車課長の佐々木さんも
行つておりましたが、一緒に
行つてもらえばよかつたのですが、すぐ帰
つてしまいましたので、私どもと向うと打合せをしましてお頼みしましたことは、ドルをつけるから車を売
つてくれ、この点はよろしいという回答を得ました。なお私どもの
見解では、ドルをつけただけではなかなか急速には動かないだろう、
先ほど申します
ように、一応円では車を売らない、車ばかりでなく、他の物も売らないという
状態でありますので、円で買うことも認めてほしいということを申しましたところが、それは話はわかるが、
自分だけではきめかねる。特にこれは経理の主任官、憲兵司令部とも打合せをしなければいけないという返辞だつたのでございます。そこで通産省の方に対しましては、こういう話だから早くドルをつけてや
つてくれということは頼んであつたのでありまして、もちろん御
承知かと存じますが、駐留軍が無関税で参ります
自動車——
自動車に限りま
せん。そのほかの物を
日本に売り渡すときには、日米行政協定の第十一条の六項の
日本とアメリカの両当事者の合意した
条件がなければ
処分してはならない、この合意する
条件はまだ成立していない。これは特に
日本側の通産省、大蔵省、
運輸省の各省の
意見が実はまだ一致しておりま
せん。しかしそういう少し長いものにわたるものは別といたしまして、このクーポンを処理いたしますための事情もよく司令部に
説明いたしまして、それはよくわかつたということでございましたので、この部分だけを抜き出しまして処理すれば早くできるかと思うのでございます。また昨日の総務会に私もすみつこにおりましたので、よく
承知しておりますが、実はドルそのものをつけることは
運輸省の
仕事ではございま
せんので、や
つていただけたものだと了解しておりました。き
ようは私司令部に参りま
せんので、ほかの者を代理にやりましたところ、私の頼みましたところの円繰りの問題も、多分今晩中くらいには決済がとれるだろうという返事をいただいておりますが、いずれにいたしましても、第十一条六項の暫定的な協定をいたしま
せんと、向うとしても命令が出せないのだ。これは当然日米合同
委員会にかけなければいけま
せん。日米合同
委員会は明日でございますが、これが延びますと多分一週間延びるのだろうと思います。そういつた事情で
先ほど私が申し上げました
ように、五十枚や百枚はもともと抽籤の
関係でだめになるということは覚悟しておりますが、非常に多くの部分、五百枚とか八百枚とか、現在現物化していない部分が、今月中に現物化するということは非常に困難というよりも、まず不可能と申し上げた方が率直だろうと思います。この点は私どもといたしましても
責任は重々痛感はしておりますが、少くとも前回二千六百枚を出しました当時の
ように、八十何パーセント、九十パーセント近くのものが現物化することは、遺憾ながら現在の進み方ではできないだろうと思いまして、これはまことに申訳ない、これはおわび申し上げなければならないということを率直に申し上げる次第でございます。