○佐々木説明員
価格の問題につきましては、コスト即売値ということは、何の商売でも必ずしもその通りでないようなこともございますので、コストといたしましては、ただいま私が申しました
程度にボディー代として約五割
程度下るといたしまして、最終売値といたしましては、二割から三割ぐらいは下るであろうということは、数学的には申し上げられるのでありますが、これは商売の問題でございまして、プレス
生産を実現いたします前に
価格が下るということも商売の問題としては考えられますし、また逆にコストとして三割なら二割下
つても、売値の方は市場その他の
事情で三割まで下げられないということもあろうかと思いますので、その点につきましては相当大幅な値下りというものが理論的には可能であるという
程度を、役人としてはお答えすることになるのではないかと思います。
それから品質の問題でございます。品質の問題は、現在大体指摘されておりますのは、ボディーがすぐがたがたになるという点が
一つ、これは戰争前のダットサンのようなプレス
生産にいたしますれば、これは不満足でありますが、現在二十年昔のダットサンをまだ使
つているという
程度には、少くとも丈夫ないいものができるという見込みは立てられると思います。それから電気まわり、スプリング、その他アクセサリーのような面におきまして、まだまだ
性能的に不満足であるということを、各
方面から御指摘になるわけでございますが、こういう点につきましては本年度に約千五百万円ほどの金ではございますけれども、主としてこういう評判の悪い部品
関係の方に、これらの金を補助金として本年度は出すことに予定しておりますので、この効果がいつごろ現われまするか。これは私どもなるべく早く効果が出せるということで、いろいろと手配をしておりますけれども、この金で十分な
性能改善の期待ができないということであれば、その面につきましては
通産省の中の貿易の方をや
つております方々にお願いをいたしまして、やむを得ざる
最低必要限度の材料ないしは完成部品のようなものは
輸入をしてもらうということで話をしておりますが、そういうことになりますと、またその面からの直接的な
性能改善の効果が上るのではないかというふうに考えております。
それから
輸出というようなことでございましたが、これは現在の
トヨペットあるいはダットサンというふうな名前で、ただちにこのプレス
生産が開始されても、これらの車が
輸出されるというところまでは、正直に申し上げまして私どもは期待できないように考えております。これはとにかく二年半という期間で、一応
外国製品の
性能あるいは
価格の面にまで追いついている最中でございまして、これが追いつければ、
輸出ということは当然考えられると思いますけれども、追いつくまでの間においては、
外国車と同じようなものが
国民に供給できるというのがまず当面の目標でございまして、
輸出ということはそれからだというふうに考えざるを得ないのでないかと思います。
それから需給の
関係でございます。これは
運輸省の方ともいろいろと事務的な打合せをいたしておりますが、この前、参議院でございましたか、やはりそういうような
お尋ねがございまして、本年度におきましてはトータルとして一万一千台
程度の
乘用車の需要見込みだというような
運輸省の御意見もありました。われわれといたしましては、この
数字を尊重するというような基本的な態度でございます。これに対する供給量といたしましては、本年の
乘用車の
国内生産が六千両でございますので、あとの五千両というものは今までや
つておりましたような旧型の
輸入入手、あるいは
新車につきましてはポンド圏からのものを手配しておりますが、こういうもの、それから軍の拂下げのものというようなことで、大体今の一万一千台という
数字はどうやら満たせるというふうに私どもの方では考えております。