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1952-05-20 第13回国会 衆議院 運輸委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月二十日(火曜日)     午後二時二十五分開議  出席委員    委員長 岡村利右衞門君    理事 黒澤富次郎君 理事 滿尾 君亮君    理事 山崎 岩男君 理事 原   彪君       岡田 五郎君    尾崎 末吉君       關谷 勝利君    玉置 信一君       坪内 八郎君    畠山 鶴吉君       飯田 義茂君    山口シヅエ君       江崎 一治君    石野 久男君       木村 俊夫君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  細田 吉藏君         海上保安庁長官 柳澤 米吉君         一等海上保安監         (海上保安庁海         事検査部長)  松平 直一君         運 輸 技 官         (船舶局長)  甘利 昂一君  委員外出席者         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君 五月二十日  滿尾君亮君が理事に補欠当選した。     ————————————— 五月十九日  鶴岡大鳥間鉄道敷設請願松浦東介君紹  介)(第二八三三号)  同(志田義信紹介)(第二八九八号)  湯沢、本荘間鉄道敷設請願飯塚定輔君紹  介)(第二八三四号)  鶴岡間沢間鉄道敷設請願志田義信君紹  介)(第二八九七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長補欠選任  船舶安全法の一部を改正する法律案内閣提出  第二〇九号)  請願  一 名古屋、瑞浪間に内燃車運転請願早稻    田柳右エ門紹介)(第二〇一三号)  二 新庄、余目間及び念珠関、吹浦間にデイゼ    ルカー運転請願志田義信紹介)(第    二三六八号)  三 杉安、宮崎間にガソリンカー運転等請願    (川野芳滿紹介)(第二三九五号)  四 延岡、日の影間にガソリンカー運転請願    (川野芳滿紹介)(第二四一九号)  五 三石、笠岡間に内燃車運転請願(逢澤寛    君外六名紹介)(第二五二〇号)  六 明石、姫路間電化請願堀川恭平君外三    名紹介)(第二四二一号)  七 浜原、備後十日市間鉄道敷設請願大橋    武夫紹介)(第一九五九号)  八 出雲今市備後十日市間鉄道敷設請願(    大橋武夫紹介)(第二〇一四号)  九 東京中央卸売市場荏原、淀橋及び豊島三分    場に鉄道貨物専用引込線敷設請願岡田    五郎君外二名紹介)(第二〇三八号) 一〇 掛川、御前崎間鉄道敷設請願神田博君    外一名紹介)(第二一〇八号) 一一 一宮、多治見間鉄道敷設請願江崎真澄    君紹介)(第二二〇八号) 一二 桐生、熊谷間鉄道敷設請願松井豊吉君    紹介)(第二三二二号) 一三 吉野生、江川崎間鉄道敷設請願高橋英    吉君紹介)(第二三二三号) 一四 五新鉄道敷設促進請願前田正男君紹    介)(第二三六七号) 一五 日南線全通促進請願田中不破三君紹    介)(第二三九六号) 一六 志佐、吉井間鉄道敷設請願西村久之君    紹介)(第二四五六号) 一七 名羽線全通促進請願篠田弘作紹介)    (第二五一九号) 一八 伯備線施設改善強化に関する請願(星島    二郎君外六名紹介)(第二五六四号) 一九 山形市より柏倉門伝村を経て荒砥町に至る    間に鉄道敷設請願松浦東介紹介)(    第二六〇一号) 二〇 長倉村より茂木町を経て大子町に至る間に    鉄道敷設請願尾関義一紹介)(第二    六一七号) 二一 新庄清水間鉄道敷設請願圖司安正君    紹介)(第二六七四号) 二二 鶴岡間沢間鉄道敷設請願圖司安正君    外一名紹介)(第二六九三号) 二三 岡崎、多治見間鉄道敷設請願千賀康治    君外四名紹介)(第二七六〇号) 二四 小千谷、越後滝谷間の浦柄地内に停車場設    置の請願田中角榮紹介)(第六〇号) 二五 清水大踏切にこ線橋架設請願西村直己    君紹介)(第六四号) 二六 西牧内地内に停車場設置請願中野四郎    君紹介)(第一八四号) 二七 六日町、五日町両駅間に停車場設置請願    (田中角榮紹介)(第二二八号) 二八 伊豆多賀駅のプラットホーム修築に関する    請願小松勇次紹介)(第四一一号) 二九 伊豆多賀駅舎移転に関する請願小松勇次    君紹介)(第四一四号) 三〇 菅原神社地区藤阪簡易駅設置請願(淺    香忠雄紹介)(第五三七号) 三一 六日町、五日町両駅間に停車場設置請願    (田中角榮紹介)(第五七九号) 三二 宇佐美駅プラットホーム修築に関する請願    (小松勇次紹介)(第六五七号) 三三 長崎構内施設整備擴充に関する請願(    本多市郎紹介)(第七八九号) 三四 北野隧道東口に関川駅設置請願小西英    雄君紹介)(第八一五号) 三五 三重村今福地内に駅設置請願大澤嘉平    治君紹介)(第八四八号) 三六 茨木駅北方ガード切下げ並びに幅員擴張に    関する請願井上良二紹介)(第九三八    号) 三七 長野原駅整備擴張請願小淵光平君紹    介)(第九七一号) 三八 朝倉、あわ及び多の郷三駅に昇降場等設置    の請願長野長廣紹介)(第九九七号) 三九 尻内駅構内化部こ線橋架設請願山崎    岩男紹介)(第一一一九号) 四〇 土山、加古川間に駅設置等請願岡田五    郎君紹介)(第一二一二号) 四一 魚橋停車場設置等請願岡田五郎君紹    介)(第一二七一号) 四二 伊東線熱海和田地区駅設置請願(畠    山鶴吉紹介)(第一六九八号) 四三 向山駅を貨物取扱駅に昇格請願山崎岩    男君紹介)(第一七九四号) 四四 別所村地内に駅設置請願岡田五郎君紹    介)(第一八七九号)四五 市の川部落駅設置請願外一件(松野頼    三君紹介)(第二一〇九号) 四六 姫路改修に関する請願堀川恭平君紹    介)(第二二三五号) 四七 五稜郭駅構内輸送家畜給水施設設置の    請願小平忠紹介)(第二五五一号) 四八 小川原信号所旅客取扱駅に昇格請願(    山崎岩男紹介)(第二五六一号) 四九 清水川駅舎新築並びに上りホーム改造の請    願(山崎岩男紹介)(第二五六三号) 五〇 和忠地内に簡易駅設置請願近藤鶴代君    紹介)(第二六一八号) 五一 長崎線における雲仙号平坦線運行に関す    る請願田口長治郎紹介)(第三一一    号) 五二 長崎線に寝台車及び食堂車増結に関する請    願(田口長治郎紹介)(第三一三号) 五三 長崎東京間に特別急行列車復活請願(    田口長治郎紹介)(第三一四号) 五四 水郡線に列車増発請願圓谷光衞君紹    介)(第三四七号) 五五 八高線に列車増発請願高間松吉君紹    介)(第六九八号) 五大 品鶴線旅客電車運転請願菊池義郎君    紹介)(第六九九号) 五七 北條駅に準急列車停車請願川端佳夫君    紹介)(第七八八号) 五八 東京、神戸間に特別急行列車増発請願(    首藤新八紹介)(第一一一七号) 五九 上野、青森間に急行列車運転請願外二件    (清藤唯七君外二名紹介)(第一五三五    号) 六〇 山陰線急行列車運転等請願田代文久    君紹介)(第二〇六九号) 六一 取手地先利根川鉄橋改修に伴う常磐線電車    を佐貫駅まで延長の請願小野瀬忠兵衞君    紹介)(第二四二二号)     —————————————
  2. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 これより会議を開きます。  船舶安全法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。岡田君。
  3. 岡田五郎

    岡田(五)委員 直接本法案関係はないのでありますが、最近私の仄聞いたすところによりますと、船員法に基きまして無線通信関係乗組員が一定数乗ることになつておるようでありますが、現状船員法で定められた定員以上に船舶に乗り組んでいるように聞いておるのでありますが、かような実情であるかどうか、御説明願いたいと思います。
  4. 松平直一

    松平政府委員 今の御質問でございますが、そういうことは聞いております。去年の通常国会船舶職員法改正を提出いたしましたが、そのときに通信土定員をいろいろきめていただいたわけであります。この定員をきめますのには、今回提出いたしております新しい安全法のいろいろの規定は織り込んできめたわけでございます。ところが職員法定員最低員数をきめておりますので、実際の実情に応じまして、それ以上乗せることは決してとめておるわけでございません。むしろその員数は組合と船主側団体協約と申しますか、そういうような関係からきまつて参りますので、最低員数を割つていることはございませんが、それを上まわつていることはあり得ると思つております。
  5. 岡田五郎

    岡田(五)委員 政府委員も御承知のように最近国際海運界のみならず、国内海運界実情はむしろ下向きの状態にあるわけであります。また日本商船隊海運界は、船価高あるいはコ  スト高というようなことで、国際競争また国内各種交通機関との運賃競争というような面につきまして、相当再検討すべき段階にあると私は思うのでありますが、かような面から考えますと、造船單価切下げを要する合理化方策ということを講ずることも必要でありまするとともに、乗組員法規に抵触しない程度にできるだけ節約いたしまして、企業合理化をはかり、もつて国際競争及び国内競争に立ち向うことが必要である、かように私は信じておるのであります。ところが今承つておりますと、法規通り定員を割つておることはないが、法規以上の人間を乗せておる。しかもそれは団体交渉その他の労働関係約束に基いてやつておると、こういうような話を今承つたのでありまするが、かような面について、法規は私はもちろん最小限度の線であるとは思いまするが、かような面につきまして、法規に抵触しない範囲において、できるだけ海運経営合理化節約をはかる、こういう意味において、かような面につきましての剰員の節約というようなことが、実情としてできるものであるかどうか。法律はともかくとして、実情人員節約ということは、労働強化、あるいは一部の方に言わせれば、労働の搾取と言われるかもしれませんが、そういう段階に追い詰める実情にあるのかどうかというような面を、簡単でもけつこうですから御説明願いたいと思うのであります。
  6. 松平直一

    松平政府委員 実は通信士の問題につきましては、船舶職員法最低人員をきめておりますが、それ以外にもう一つ電波法がございます。電波法の方で、通信の問題としてまた別の定員をきめておるのでありますが、これが実は職員法で定めました定員よりも上まわつているわけでございます。それで私の方では前回の職員法改正の場合にこの問題を取上げたのでありますが、電波庁の方では次の機会に必ずこの点は再検討いたすという約束なつておりますので、ただいまの御質問の点は、電波法の方の改正が行われますると、大体御趣旨に沿えると考えるわけであります。
  7. 岡田五郎

    岡田(五)委員 それではこのたびの改正法律案條文に移りまするが、第十三條の二といたしまして、主務大臣は所部の職員のうちより船舶検査官を命ずると、こういうことで、船舶検査官が表向きになつたのでございますが、大体現在船舶検査事務に従事する者がどの程度いるのか、また船舶検査事務をどういう形で一部民間に委任しておられるのか、その辺のところをこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
  8. 松平直一

    松平政府委員 船舶検査官数字は、全国四十箇所の必要な場所に、それぞれ検査官を配置しておるのでございます。全体としましては百八十一名それに関連しまして事務要員が付随しておるわけでございますが、この百八十一人の船舶検査官が置いてある場所は後ほど申し上げますとして“どのくらいの船舶検査をやつておりますかという点でございますが、お手元に実は安全法改正関係統計資料表というのが差上げてございますが、これの五ページをごらんいただきますと、これに非常に詳しく載せてございますが、検査をいたしております船は、汽船におきまして六千四十八隻、帆船におきまして一万三百五十一隻と、こういう数字なつております。  それでもう一つの御質問民間団体の問題でございますが、御承知通り船舶検査に関しましては、各国とも條約関係においては、国が最終責任を負つておりまするが、実際の運用にあたりまして、船級協会というものがございます。イギリスがロイド、アメリカがAB、フランスがBV、その他主要な海運国がみんな船級協会というものを育て、それが検査も執行しておるわけでございます。協会の発達は、これは安全ということも含まれておりますが、大体保險関係から出発して発展して参りましたもので、たまたまやることが同じである。政府最小限度の安全を確保する意味においてやるのでありますが、協会は保険の関係から、やはり安全ということも考えますが、政府検査協会検査と、協会の方が政府検査より上まわつた検査をしております場合は、同じことをいたします関係上、その協会の機構なり実際なりが適当な場合は、二重検査を避ける意味におきまして、一方の検査を承認して一方を省略するという形をとつておるわけであります。そのかわりそういう協会業務で代行します場合は、政府といたしまして相当監督行つて、ただいまの代行を承認しておるという形につなております。
  9. 岡田五郎

    岡田(五)委員 大体わかりましたが、なお船舶検査が、排水装置あるいは消防装置あるいは操舵その他船舶重要部分船舶全体のみならず重要部分についても検査をやられるようでありますが、これらの重要部分製造過程においても検査をおやりになつておるのか、これらの重要部分のでき上り状態検査をしておられるのであるか。その検査実情を簡単でけつこうでございますが、御説明願いたいと思います。
  10. 松平直一

    松平政府委員 製造検査と申しまして、製造過程において検査をする制度がございます。安全法の第六條に、三十メートル以上の船舶の場合は、製造に着手をしたときから検査をするということになつておりますので、過程検査をいたしております。
  11. 坪内八郎

    坪内委員 ちよつと海上保安庁長官に、この法案と関連してお尋ねいたしたいと思いますが、それは主として海上警備上の問題でございまして、実は私は長崎県でございますが、すでに御承知と思いますが、東支那海に最近海賊らしいものが現われまして、そうして長崎県の業者を捕縛するとか、あるいは生命を脅かすというようなことで、健全な操業ができないということで、地元といたしましては非常にそういつた生業権なり生活権を脅かされる、これに対して海上保安庁からの警備船というものをひとつ配置して、そうして安全な操業ができるようにしてくれぬかというような強い要望が、現実にずつとありまして、二、三日前も水産委員会において、私は委員外発言警備部長にも御要望申し上げておつたのでありますが、幸いにして長官がおいででございますので、この法案と直接の関係はございませんけれども、人命の安全あるいは正常な操業をはかるために、どうしてもそういつた海上保安庁の処置をこの際必要とするような段階にございますので、その辺の関係の御意見を伺つて、それから二、三お尋ねしてみたいと思うのであります。
  12. 柳澤米吉

    柳澤(米)政府委員 ただいまのお話東支那海方面あるいは九州方面におきますところの漁船の問題につきまして、第一は東支那海方面におきます外国における漁船拿捕という問題であります。本問題につきましては、講和條約が発効して日本独立いたしまして、その後マッヵーサー・ラインの撤廃という問題が起つて参りましたが、独立後におきましては東支那海方面における拿捕船の問題は起つておらない。これは諸種事情があると思うのでありますが、独立後におきましては現在まで起つておらない状態でございます。なお島嶼付近におきまする諸種治安の不安の状態、この問題につきましても、われわれの方として相当考えておるのでありますが、巡視船その他の配備状況につきましても、九州方面相当大きな力をさいております。数量を申し上げますと、現在の海上保安庁警備方面に使つております船舶勢力は、巡視船が九十二隻ございます。この九十二隻のうち、九州方面に配置しております巡視船の数は二十八隻であります。なおその他の準巡視船あるいは港内艇と称するもので、警備に使用しておるものが全国で二百五隻であります。このうち九州方面に配備しておりますものが六十隻であります。こういうふうに九州方面におきますところの各種海上における治安状況を勘案いたしまして、おもな勢力としてこの方面相当力を入れておるということは御了察願いたい、かように考えておる次第であります。
  13. 坪内八郎

    坪内委員 ただいま長官お話では、九州方面に特に慎重にいろいろそういつた面を配慮くださつておるということはよくわかつたのですが、講和発効後におきまして拿捕船がないというようなことでございましたが、昨日も私の地元からひんぴんとして電報が参りましたが、拿捕される危険があるので、命からがら操業を中止してもどるというような現状がございますので、いずれ御報告があるのじやないかと思いますが、そういう状態でありますので、この際海上保安庁警備船を配置してもらいたいというような強い要望があるわけであります。従つて九州方面相当数警備船を配置していただいておることはよくわかるわけでありますけれども、東支那海は国際的ないろいろな事情、国際的な関係の諸国を刺激しないような関係から、警備船を配置していないのではないかと思いますので、この際配置していただくことにできないものかどうかということが第一点、それから先般来いろいろ審議いたしました海上保安庁警備隊の問題で、外国から船を借り入れてこれを警備船に充てるというようなお話もございましたが、これも近々具体化すると思いますけれども、そういつた船は今後東支那海方面警備上の船に充てられるようなことになるのであろうかどうか。この二点をお伺いしたいと思います。
  14. 柳澤米吉

    柳澤(米)政府委員 海上保安庁といたしましても、現在の方針といたしましては、いたずらに外国を刺激するような方法はとりたくないというふうに考えております。しかし人命及び財産等保護のためには、海上保安庁巡視船もこれをぜひ行わねばならぬと考えております。従いましてそういう必要性があると認められたる場合には、ただちに出動いたしまして、これらの警戒に当るというふうに考えておる次第であります。  なお第二にお尋ねになりました新設された海上警備隊船舶でございまするが、これらの船舶もそういうような事態が起りましたときには、もちろんこれを使用するわけであります。これらの船舶配置状況につきましても、その点を十分勘案して配置するというふうに考えております。
  15. 坪内八郎

    坪内委員 お話で安堵いたしましたが、何とぞそういう面で大いに考慮を拂つてつていただきたいということを要望いたします。そこでこういつた警備上の問題につきましては、水産庁とも連絡をとつてくださいまして、警備に当るのであるかどうか。水産庁からもそういつた関係について拿捕あるいは警備上の問題で連絡があると思いますが、そういう連絡のもとに行われるのであるかどうかということ、それから水産庁監視船というのがあると思いますが、その監視船国内操業漁船が諸取締り法規違反しないように監視するのがおもな任務であろうと想像いたしますが、そういつた監視船も、警備上の仕事をするのであるかどうか、その点を二点だけ御説明願いたいと思います。
  16. 柳澤米吉

    柳澤(米)政府委員 これはわれわれ、の方で現在諸種警備的の配船その他を行います基礎的の考え方といたしまして、講和條約発生以前から、農林省水産庁及び外務省あるいは建設省というものと寄合いまして、種々連絡し相談をいたしております。現在におきましても、この連絡機関は頻繁に行つております。もちろんただいま御質問の漁業問題に関する限り、水産庁方針、主としてわれわれの方としては、その方針にのつとつてわれわれの方の計画を樹立するというふうなやり方をやつておる次第であります。なお水産庁におきまするところの漁業監視船というものは、お説の通り国内におきますところの日本漁船その他が違反をしないようにということが、もつぱらの目的で就業しておるものでございます。従いましてこれらの船舶は、日本漁船違反しないような取締りを主たる目的としてやつておりますので、われわれの方の巡視船はもちろん違反をしないような取締りもやりますが、同時に人命及び財産保護ということをつけ加えてやつております。農林省監視船の場合におきましても、この監視船通信網その他を持つておりまして、状況は時々刻々と連絡をするという状態なつております。従いまして違反その他の監視を行う以外に何もしないということになりますと、これはその他の業務につきましても、関連事項といたしまして始終連絡はとつておる次第であります。しかし主たる目的といたしましては、農林省監視船は、違反のないような取締り面業務を行うということに相なつております。
  17. 坪内八郎

    坪内委員 ただいま私が申しましたことにつきまして、先ほどから水産庁としてもいろいろ御配慮いただくお言葉がございまして、多少安心いたしたのでございますが、現在は東支那海方面監視船が出ていないわけです。そこでこの監視船警備船も配置するように近くなるのでありましようか、その点お伺いしたい。
  18. 柳澤米吉

    柳澤(米)政府委員 東支那海方面におきましては、現在のところ主として水産庁監視船がこれに当つておるわけであります。海上保安庁の方といたしましては、その足らざるところを補う意味におきまして、農林省とよく打合せしまして、両々相まつてというふうな打合せをやつておるわけであります。なお海上保安庁といたしましては、情勢のいかんによりましては、相当監視船を配置したいというふうに考えておるわけでございます。
  19. 坪内八郎

    坪内委員 よくわかりました。そこで御承知と思いますが、そういつた東支那海におきまして操業拿捕された船あるいは人命というものにつきましては、国実的にも何ら補償がないような現状であります。さらにまた拿捕された漁業権は、これは喪失いたしまして、水産庁で再び漁業権を再交付するというようなことも行つていない現状なのであります。従つて拿捕された業者あるいは拿捕された船員の家族、そういつたものは非常に大きな打撃を受けますので、これは何らかの方法を講じなければならぬということがかねがね要望されておるのでありますけれども、そこまで至つていないのでありまして、せめてこの際そういつた生命上の危険あるいは不安がないように、操業ができるように、ただいまお話のように十分御配慮くださいまして、万全を期していただくように要望いたしまして、私の質問を終ります。
  20. 玉置信一

    玉置(信)委員 私関連して柳澤長官に一、二お伺いしておきたいと思います。すでに海上保安庁にも情報があつて、それぞれの取締り上の手は打つておられると思いますが、講和発効直後において北海道稚内に根拠を持つ底びき漁船が数隻拿捕されておるのでありますが、この拿捕された船は何隻ありまして、その後の経過はどういうふうになつておるかまたこうした取締りに対してどういうふうなお考えを持つておられるか。  第二問は講和発効の今日でありますから、当然公海自由の原則にのつとつて日本は公海で漁船操業ができると思うのでありますが、これはどういうように解しておられますか。それから公海の問題につきましては、私どもの知る範囲におきましては、国際公法上九海里と私は記憶しておるわけですが、これに対してソ連側の方では十二海里説をとつておるようであります。この公海上の差をどういうように見ておられるか、将来漁船の出漁にあたりまして、公海自由という原則が頭にありますと、ややもするとやはりそうした問題でもあるいは間違いが起きはせぬかと思うのですが、この点についてお伺いしておきたいと思います。
  21. 柳澤米吉

    柳澤(米)政府委員 講和発効後におきましての拿捕船問題でありますが、先ほど申し上げました通りに、東支那海方面においては現在まだそういう問題が発生しておりません。北海道方面におきましては、講和條約発効直後におきまして、そういう事件が起きております。私の記憶によりますと、直後ただちに起きまして、現在までに三隻ございます。なお一昨日でありましたか、一隻行方不明というものがございます。これらも出先機関の調査の結果、ソ連側に行つておるのだというふうに考えます。これを入れまして約四隻というふうになつております。これらの船舶につきましては現在調査中でございますが中には機関その他の故障によりまして漂着したものもあるように見ております。なおその原因その他につきましては調査中でございますが、われわれの方といたしましては、大体ソ連側を刺激するような地域まで行くことをしないようにということが、まず大切ではないかというふうに考えておるわけであります。従いましてわれわれの方としましては、そういう注意を漁船に與えるという意味をもつて水産庁の方と打合せをいたしまして、巡視船を現在派遣してその附近を常に哨戒させておる状態でございます。今後におきましては、そういう事態は多分非常に減少するのではないかというふうに考えております。巡視船の配置も稚内方面におきましては、稚内に現在三隻ございます。これらを常に警備させるというような状態であります。  なお第二の公海上における問題でございますが、公海におきましては他の国際上の法規の制限のない限り、われわれの方としましては、自由に漁撈はできるものというふうに解釈いたしておるわけであります。  第三の領海の範囲の問題でございます。この領海の範囲につきましては、国際法上三海里ということに相なつておるわけであります。これをどういうふうに取扱うかという問題は、今後の国際関係の問題と考えられる次第でありますが、われわれの方としてはいたずらにそういうことによつて刺激をするような漁船操業方法ということはしない方がいいのではないかという考えでもつて、勧告をしておるような次第であります。
  22. 江崎一治

    江崎(一)委員 日本の漁業者にとつては、東支那海の漁撈の問題と北洋漁業は非常に重大だと思うのです。そこで今領海の問題がありましたが、国際法においては三海里というように御説明がありましたけれども、ソビエト側の主張はたしかもつと広いように記憶しておるのであります。そういう点について海上保安庁は知つておられるでしようか。
  23. 柳澤米吉

    柳澤(米)政府委員 海上保安庁としては、そういう点については何ら正式には承つておりませんが、常識的に新聞その他を見ますと、ソ連側においては十二海里を主張しておるということを承つております。しかしながらソ連側ではたして十二海里を目途として、それの中に入つたものを拿捕するのかどうかという点につきましては明確でございません。しかしながらわれわれの方としてはほかで操業ができて、漁撈ができるものならば、いたずらに刺激をして近寄つて漁業をしなくてもいいじやないかというような方針で指導しておる次第でございます。
  24. 江崎一治

    江崎(一)委員 まだ日本とソビエトとは正式に交渉する機関もないのだから、そういつた領海の主張その他については最近知らぬけれども、大体十二海里くらいの主張らしいというふうにお話があつたようですが、その十二海里以内に入つて操業して、トラブルを起すことについてはなるべく避けたいという御方針ですか、もう一ぺん確認しておきたいと思います。
  25. 柳澤米吉

    柳澤(米)政府委員 なるべくそういう事態を起さないように避けて行きたいというふうに考えております。
  26. 江崎一治

    江崎(一)委員 実際かにの漁撈問題にしましても、相当陸に接近いたしませんと、実際はとれないのです。ですからこれは十二海里ということになりますと、非常に日本の船は條件が悪いわけです。でありますから、欲と二人連れといいますか、必ず三海里以内に入るに違いない。そういうことによつてよくトラブルを起すので、そういうことについては海上保安庁で十分に御注意願いたい。聞くところによりますと、接近している船が魚をとるのではなくて、実は写真をとるということで、精密な写真機を持つて領海に入つたというような例があると聞いておりますが、そういうようなことについてどういう御方針取締りをするか伺いたい。
  27. 柳澤米吉

    柳澤(米)政府委員 海上保安庁としましては、今まで写真機その他を持ちまして、接近して撮影したいというような事実はございませんし、そういう意図も持つたことはございません。普通の漁船その他におきましても、そういうことはないというふうに考えております。
  28. 江崎一治

    江崎(一)委員 この漁業問題については、一刻も早くソビエトと正式な交渉ができる段階に至りませんと、トラブルが跡を絶たないと思います。そういう点、政府におきましては一刻も早く、ここまでなら大手を振つて大丈夫という確信を持つて漁撈ができるように、ひとつ十分な交渉をするための努力を類いたいと考えます。これは要望です。  次は船舶安全法について御質問いたします。今度の船舶安全法の一部改正によつて、旅客船並びに総トン数五百トン以上の貨物船にこれが擴大して適用されるということになるわけですが、この改正によつて新しくこの安全法が適用される範囲は、船で総トン数どのくらいになりますか。
  29. 松平直一

    松平政府委員 お手元に差上げました先ほどの資料の十五ページ「総トン数五百トン以上の船舶隻数表」というものがございますが、これをごらんいただきますと非常に詳しく載つておりますが、総計九百五隻ということになつております。
  30. 江崎一治

    江崎(一)委員 そうしますと、通称八八といつておりました八百八十トン型の戰標船については、安全法でどういうことになりますか。
  31. 松平直一

    松平政府委員 今度適用になりますのは、国際航海に従事するものだけでございます。五百トン以上のうち、国際航海に従事しないものは従来通りでございます。現在のところ御質問の八八は、ほとんど国際航海をやりておりませんから、従つて適用はないわけであります。
  32. 江崎一治

    江崎(一)委員 ついでにちよつとお伺いしておきます。いわゆる八八というあの戰標船は通称ドラムカンといわれ、日本の近海航海でも非常な危険を伴う船だそうですが、こういうものの処置について船舶局としてはどういうふうに考えますか。
  33. 甘利昂一

    ○甘利政府委員 私からお答えいたします。今おつしやつたのはおそらくE型だろうと思います。E型の船腹につきましては、特に今近海で動いているものは、能率も比較的悪く、装備の上においてもいろいろ非難の的になつているようであります。しかし実際問題として規定の上で特に緩和して行くとか、あるいは條件を付して航海をさしているというようなことはありませんので、全般として質が悪いということは言えるかもしれませんが、今お話のように、非常に危険だというようなふうには私ども考えておりません。しかし経済的な面において、相当運航能率が悪いということも聞いておりますが、近海における船腹が相当不足しまして、どうしてもそれを代替しなければならぬ、あるいは船腹を擴充しなければならぬというふうな機会には、できるだけこれを廃止して新しいものにとりかえるとか、あるいはこれを改装するというふうな措置を講じたいと思いますが、何分にも金融の回転が悪いものですから、船主自身としてこの船を改装するということはなかなか困難であります。しかし政府としましては、これを改装するには財政措置なり、あるいは何らかの金融措置を講じなければ非常に困難だと思いますが、そういう機会が来ましたならば、できるだけ早く金融的措置を講じましてこれを改装しい、こういうふうに考えております。
  34. 江崎一治

    江崎(一)委員 今度は無線関係通信士の問題ですが、電波法との定員の開きがあるわけです。これは早急に擴充されるおつもりですか。またしばらく暫定でも認可されるおつもりですかどうですか。
  35. 松平直一

    松平政府委員 定員相当の開きがあるとおつしやいますが、少いとおつしやるのですか。この問題は、昨年の国会に船舶職員法の全面改正案を提出いたしまして、そのときに御説明いたしました通りでありまして、そのとき無線通信士に関する定員なり資格なりは、全部四十八年の安全條約の條件を織り込み済みであります。
  36. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 ほかに御質疑はありませんか。——なければ、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  これより討論に入りますが、討論の通告もありませんので、これを省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。  これより本案に、ついて採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を望みます。     〔総員起立〕
  38. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決いたしました。  なお委員会報告書につきましては、委員長に御一任をお願いしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議な」と呼ぶ者あり〕
  39. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。     —————————————
  40. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 これより請願の審査に入りますが、審査の方法は前回通りといたしますから御了承願います。  日程第九、第四〇、第四一、及び第四四を一括議題とし、紹介議員の説明を求めます。岡田五郎君。
  41. 岡田五郎

    岡田(五)委員 本請願の要旨は、東京都の中央卸売市場の荏原、淀橋、豊島の三分場は、東京都民の大多数に対しまして蔬菜、果実及び漬物類を供給する重要な青果卸売市場でありますが、市場として最も重要な施設でありまする鉄道貨物専用引込み線が設備されていないので、そのためこれらの市場の機能発揮の上に非常に支障を来しておるのでございまして、この支障のためにこうむりまする消費者及び生産者の損害が多大なものがあるのであります。つきましては、先ほど申し述べました三分場に対しまして、ぜひ鉄道貨物専用引込み線を敷設していただきたい。かようなのが請願の要旨なのでございます。何とぞ時節柄いろいろと経費のかかる重要な工事もあることと存じまするが、右事情を御勘案いただきまして、御採択のほどをお願い申し上げる次第であります。  次に土山、加古川間に駅設置等請願に関する問題でございますが、この請願の要旨は、国鉄の主要幹線の電化が着々と進められておりまするときに、幸いに本年度の昭和二十七年度事業として浜松、姫路間の電化工事が予算約二十五億で着手することが御決定になつたのであります。つきましては山陽線の西明石、姫路間の電車運転も、その一区間として一日も早く実現せられることを希望いたすのであります。なおこれに関連いたしまして、山陽線の土山駅と加古川駅の中間の距離は約七キロありまして、もし電車運転が開始せられるといたしまするならば、その中間に平岡町新在家に新駅を設置していただきまして、これら区間の非常に多い交通量と物資輸送量から見まして、ぜひこれが駅の新設を希望いたす次第であります。右事情御勘案願いまして、新駅設置のほどをお願い申し上げる次第であります。  次に先ほど御請願申し上げました西明石、姫路間電化の促進の問題に関連して、さらに新駅の設置をお願いいたしたいのであります。これは大久保、士山間に魚住駅を設置していただきたい。かような請願の要旨になつておるのでありますが、この間も先ほど請願いたしました土山、加古川間と同様駅間距雑は六・六キロありまして、相当長距雑の区間に相なつておるのであります。ぜひ電車運転化とともに、この間、すなわち明石市魚住町付近に魚住駅設置をお願い申し上げる次第であります。  次に、さらに先ほど御請願申し上げました西明石、姫路間電化に関連いたして、山陽線の曽根駅と御着駅との駅間の距離が約四キロになつておるのであります。その間に別所村付近に電車駅を設置していただきたい、かようなのが本件の請願の趣旨でございます。  以上西明石、姫路間電化を御請願申し上げますとともに、この電化に伴いまして、長距離区間を持つた現在駅中間に、以上請願申し上げました三駅設置方を御希望申し上げる次第であります。何とぞ慎重御審議の上、本請願の御採択あらんことをお願い申し上げる次第であります。
  42. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 本案に対する政府の鮮明を求めます。
  43. 細田吉藏

    ○細田政府委員 請願第九号でございますが、東京中央卸売市場の荏原、淀橋、豊島三分場に鉄道貨物専用引込み線敷設の請願でございますが、これは私が申し上げますまでもなく、市場の機能を果します上に、鉄道の専用線が入る必要があるということにつきましては、私どもといたしましても十分痛感いたしておる次第でございますが、何分にもこの三分場とも専用線を引くというような考えは全然なしに分場が設けられたというようなことでございまして、専用線を引込むといたしますと、商業地区あるいは住宅地区を相当長距離にわたつて横断しなければなりませんから、厖大な工事費を必要といたしますので、実施は非常に困難ではないかというふうに考えております。運輸省並びに国有鉄道といたしましても、この三分場につきまして引込線を引きますことにつきましては、ただいままで計画いたしたこともなかつたような次第であります。  それから次の四十号の問題でございますが、これは四十一並びに四十四とも関連を持つておる問題でございますが、まずこの関連事項でございます電車の運転についてでございますが、御承知通り山陽線西明石、姫路間の電化につきましては、東海道本線並びに山陽線の電化の一環といたしまして、二十七年度も浜松、姫路間の一部工事を実施いたしておるような次第でございまして、資金の許します限りできるだけ早い機会に実施をいたす考えでおるわけでございますが、本区間の電車運転につきましても今後十分研究いたしたいと考えておる次第でございます。  駅設置の問題でございますが、土山、加古川間につきましては駅間距離が六キロ九分ございまして、御要望の地点はそのほぼ中間に位しております。ただ駅設置は現在の国有鉄道の要員事情その他から、早急にはむずかしかろうかと考えておりますが、電化をいたし、特に電車化をいたします場合には、相当駅の増設ということを考えなければならぬのではないかと考えておりますので、その際に十分研究をいたしたい、かように考えておる次第でございます。  次の四十一号でございますが、これは宝殿、曽根間四キロメートルありまして、この駅設置につきましては、前に申し上げましたと同様な事情で、距離はさらに前のものよりは短かいのでございますが、電化の際にこれまた四十号同様に十分研究いたしたいと考えます。  最後の別所村地内の問題でございますが、これも曽根、御着間の四・一キロの中間に位する別所村に駅設置の御要望でございまして、これまた同様電化の際に、以上の二つともあわせまして十分研究いたしたい、かように考える次第でございます。
  44. 岡田五郎

    岡田(五)委員 ちよつと簡単に御答弁いただけばけつこうでございますので、関連して御質問申し上げておきたいと思います。電化につきましては、電化小委員会におきまして詳細検討をいたしておりますが、ちようどいい機会でございますので、運輸省の御所見を拝聴いたしておきたいと思うのであります。すなわち電気機関車によるいわゆる電化という問題は、輸送力の擴充強化という問題と、長距離の電化区間による電気機関車のロング・ランニングというような見地からいたしまして、東海道線の東京、名古屋間あるいは東京、米原間という問題は、輸送力擴充の面において考えなければならぬ問題であることは、政府委員も御承知であろうと思うのであります。ここで私の聞きたいことは、いわゆる六大都市と衛星都市間における旅客輸送の問題を、どういうように国鉄経営の面において考えておられるかという問題に関連いたしまして、これら六大都市と衛星都市との間のいわゆる電車運転化という問題につきまして、国鉄は今後の交通競争に逢着する場合についての覚悟をいかに持つておられるか。自動車競争に浸蝕されるが、これら近距離旅客輸送をいかがなさるつもりであるか。電車運転によつて、いわゆるフリーケント・サービスによつてこれら自動車競争に耐え得る一つの近距離旅客輸送対策を持つておられるか。すなわちこれらの区間の電車運転をどういうふうに重大視し、考えておられるか、ちようどいい機会でございますので、ひとつつておきたいのであります。
  45. 細田吉藏

    ○細田政府委員 ただいまの御質問は、六大都市とその衛星都市との交通電車化をどう考えるかということだと思いますが、ここに問題になつております具体的な、たとえば西明石、姫路間の電車化をいたすかどうかという点につきましては、ただいまいろいろ検討いたしておりまして、はつきりした結論にまだ到達しておるわけではございませんが、全般といたしましては——もちろん範囲につきましてどの程度までやるかは別といたしまして、ある一定の限界はあると存じますが、東京、大阪といつたような大都市を中心といたしまして、相当な範囲まで電車化をいすという、大体の方向といたしましてはそういつた気持だいろいろ進めておるようなわけでありまして、さしあり問題になつております二十六年度電化をいたしました高崎線につきまして、ある程度そういつた方針が現われて、これの電車化というような方向で研究いたしておるような点、あるいは常磐線を先年一部延長いたしましたような点、あるいは湘南電車を東海道にさらに延長いたしておるような点、こういつたような点から十分おわかり願えると思うのでありますが、ある限界をもちまして電車化を促進いたさなければならぬというふうに大体考えております。具体的にどの範囲まで電車化するかというような点につきましては、この当面いたします西明石、姫路間についてもはつきり結論までは出ておりません。大体非常にあいまいなお答えのようでございますが、そういつたふうに考えております。
  46. 岡田五郎

    岡田(五)委員 請願の西明石、姫路間の具体的な問題につきましてお話をいただきまして、私といたしまして非常に光栄に存ずる次第でございますが、私はこの点について抽象的にひとつ運輸省の考え方をお聞きしておきたいのであります。と申しますのは、電化といろいろ唱えられておりますが、いわゆる東海道線のような電気機関車をもつて長距離を運転ずる電化は非常に重大視し、非常に慎重に検討されることも必要であろうと思うのでありますが、六大都市とその衛星都市との間の電車運転、あるいはローカル線のデイーゼル自動車、ガソリン・カーの運転、こういう問題は国鉄の他の競争機関との対抗上、今後の経営上において当然急務としてなさなければならない事業ではないか、私はかように考えるのであります。従いまして私の感じを率直に申し上げて、その成否をお確かめいただきたいのでありますが、ローカル線におけるデイーゼル自動車の運転と同じような安易な考え方で——安易という言葉はあるいは間違つておるかもしれませんが、六大都市と衛星都市との間の電車運転というのを考えていただくわけには行かないか、かように考えるのであります。ややともいたしますと、この電化々々という声のために、かように安易に考えるべき電車運転化が非常に重大視されて、かえつて実現難になるという傾向を私非常に心配いたすのであります。むしろローカル線におけるデイーゼル自動車の運転と同じような気持で、六大都市と衛星都市との間の電車運転を考えていただく方が、実現性が非常に早いのではないかというように私は感ずるのであります。この点につきましての感じをひとつお聞かせいただけますならば、私たちの今後のこれらの問題に対する請願方法もまたお教えいただけることに相成ると存じますので、感じでよろしゆうございますから、お聞かせいただきたいと思います。
  47. 細田吉藏

    ○細田政府委員 重ねてのお尋ねでございますが、運輸省並びに国鉄といたしまして、六大都市と近郊の衛星都市との間の電車化をいたすという方針は、必ずしも明確にきまつておるわけではございません。私見だけ申し上げますならば、先ほども申し上げましたように、また部分的にはすでに具体的な事実となつて現われておりますように、ある限界にございますが、電車化をいたすべきであるというふうに考えておる次第でございますが、方針的には今申し上げましたように、はつきりきまつたものはございませんので、これ以上私といたしましてはお答えをいたすことはできませんので、さらに責任あるお答えは大臣、次官からお答えを申し上げさしていただきたいと思います。
  48. 坪内八郎

    坪内委員 この際簡単に関連してお尋ねしておきたいと思います。これから審議する請願の中にも、駅の新設の請願はなくさんあると思います。講和発効前までは、駅設置についてはCTSのいろいろな意見があつて、七キロ以上なくてはならない、八キロ以上なくてはならない、また資材その他財源の関係から一切手をつけなくて今日まで来て、その間にはわれわれも強い要望をした案件が相当つたのでありますが、そういう関係で立消えになつておつたような状態でございますが、講和発効後いよいよ日本独立して、自主的にいろいろこういつた行政を行うことになりますと、そういう新設の駅設置は将来どういうふうになるのでありましようかというのが第一点、それから第二点は、これに対する予算措置が二十七年度、あるいは将来予想される補正予算、あるいは二十八年度予算においても考慮されておるのかどうかということをお尋ねしておきたいと思います。
  49. 細田吉藏

    ○細田政府委員 新駅設置の問題につきましては、この請願にもたくさん出ておるわけでございますが、もちろんCTSのいろいろな御指示なりあるいはサゼスチヨンは問題がなくなつたわけでございますが、今後国鉄といたしましては、新駅をいかに設置するかという点は、もちろん技術的に駅設置が可能であるかどうかということが大前提であることは申すまでもございません。たとえば勾配区間で、ほとんど技術的にできないというようなところにつきましては、これは問題がないわけであります。それから国有鉄道がみずから工事をいたしまして駅を設置するという点につきましては、これはよほど事情の変更等がありまして、必要性の大きいもの以外は問題にならないのではないかというように考えておる次第であります。ただ請願にもたくさん出ておりますものは、地元で設備費を負担をしていただいてつくるという駅でございますが、これにつきましては、工事関係の費用はもちろん見る必要はないわけでございます。ただこの際最も問題となりますのは経常費の、特に人員の面でございます。国有鉄道の輸送数量は終戰以来逐次上昇いたしておりますが、定員におきましてはすでに御承知のように、年々かなり切り詰めて参つておるような次第でございまして、非常にきゆうくつな状態なつております。むしろ駅設置をいたすかどうかにつきまして一番問題になりますのは、今後そうした定員事情がこれを許すかどうかということにあるのではなかろうかと考えておる次第であります。二十七年度の予算、おそらく二十八年度もいかがなりますか、大体同様になるのじやなかろうかと思うのでありますが、新駅を設置いたすための定員を、特別にどれだけ見るということを計算に入れて定員を組んでおるわけではございません。ただ実際問題といたしましては各般の合理化をいたしまして、定員を満たして新駅設置に備えるという形に相なつておる次第でございます。従いまして、今後とも全然駅設置をやらぬことはもちろんないわけでございますが、かなり定員の面から制限を受けまして、必要度の大きなものから逐次駅設置をして行かなければならぬのじやなかろうかというように考えておる次第でございます。
  50. 坪内八郎

    坪内委員 新駅設置の件につきましていろいろ御説明がありまして、ほぼ納得いたしましたが、今お話がございました通り、わが自由党におきましても、党の基本的な方針といたしまして、行政機構の改革、あるいは出先機関の整理、あるいは人員の整理というようなことを慎重に考慮いたしておりますので、ただいまお話のような方面にもこれが関係を生じて参りまして、簡單に新駅の設置はできない情勢にあることもよく承知いたしておるのであります。しかしながらわれわれが今党において考えておるところの行政機構の改革、あるいは人員の整理という問題につきましては、不要不急の、いわゆるあり余つた人員の整理を行おうというのが大体の眼目でありまして、一切そういうことをやらないという趣旨のものでないことは御承知通りであります。そこでそういう関係もありますのでこの問題は慎重にやつていただきたいと思いますが、従来まではこの新駅を設置する場合は、創設費のごときは地元負担にして、そうしてあとの人件費その他を国鉄が持つというような行き方で来た例もございますが、これからの新駅設置の場合も、やはり駅庁舎の建築、あるいは敷地の整備というような創設費は、やはり要望する地元に持たせるような方針であるのかどうか、この際参考までに聞いておきたいと思います。  それからもう一点は、これは毎国会ごとに問題になることでございますが、請願というものはいろいろな形で現われて参りまして、国民の要望、国民の輿論からいたしましたならば、この請願は非常に慎重に取扱わなくちやならぬと考えておることは、各委員も同意見だと思います。しかるに御承知通り以前は選挙などが非常に頻繁に行われた関係上、財源の伴うことであろうがあるまいが、とにかく国民が出した請願は何でもかでも十ぱ一からげに採択をするというような傾向がございまして、非常におもしろくない傾向もやや見受けられたように思われます。従つて建前から行きますならば、請願を採択いたしましたならば、それを行政官庁に浸透せしめて、これが実現をはかるということが、私は実際正しい運営の方法じやないかと思うのであります。従つてこの請願の内容につきましては、財源を伴うこともございますので、財源とにらみ合せて、実際に実現可能の面から、この請願を採択して行くということが望ましいのでございますけれども、現在までは諸般の事情から、そういう財源の措置ができないものでも、一応請願が採択されるといつたようなことに相なつて来ておりますので、この点にはわれわれも深く反省して、新たな角度から、これを検討しなくちやならないと痛切に感じておるのであります。そこで前の鉄道監督局の局長であつた足羽君のごときはそうでございましたが、われわれがるるこういつた委員会請願に対する審議、あるいはそれらの要望を申し上げ、また請願を採択したあかつきには、それを実際の行政面に具現してもらうという建前で進んで審議をして参りますけれども、現在の細田政府委員におかれましても、われわれの要望をただ聞く程度であつて、これが実際の施設とか、そういつた予算の編成とかいうことについて、何らわれわれの言うたことが、末端のそういつた関係の面に浸透しないのじやないかということを心配するものであります。従つてこういうわれわれの要望を、鉄道監督局の国有鉄道部長細田政府委員は、どういう形でこれを浸透せしめて、国会でこういう請願を出した、こういう意見があつたというようなことで、具体的には浸透させるようなことに相なるのかどうか。あるいはここの委員会に出て、ただわれわれの言うことを聞き置く程度で、ただそれを記録にとどめて、水に流して、国会を出て行かれるということであれば、これは貴重なる時間を費して、いろいろなことをやつても何にもならぬ、かように考えます。この点が非常に大事な点だと思いますので、あなたはわれわれの要望した点を、どういうように国鉄内に持つて帰られて、これを具現することになるのかどうか、この二点をお尋ねしたいと思います。
  51. 細田吉藏

    ○細田政府委員 まず第一の点でありますが、国有鉄道がその工事経費を用いまして、新駅を設置いたすことに相なるかどうかという点でございます。が、これは先ほども申し上げましたように、非常に情勢の変化等によりまして、国有鉄道自体としても考えなければならぬといつたような、駅を設置するという場合も、理論的には起り得るとは思うのでございますが、実際問題といたしましては、相当年数を経て荒廃しております駅の建物、あるいは戰災をこうむりましてまだ復興しでおらない、あるいは中間復興といたしまして、簡單な設備で間に合せておるもの等がございますので、おそらく鉄道で駅舎に金をかけるといたしますならば、そういつた荒廃した建物とか、あるいは戦災にあつてまだ復旧しておらないものといつたようなものが、重要度を比較検討いたしますと、まず大体論としてはそちらが重要になつて来るのではなかろうかと考えますので、おそらく実際問題として国鉄が工事経費の一部を使用いたしまして駅を設置するというような場合は、よほどの例外的な場合以外にはないのじやなかろうか、かように考えておる次第でございます。  それから次の請願あるいは陳情について、聞き流しではないようにというお話でございますが、これはもとよりお説の通りでございまして、すでに国有鉄道の者も、もちろんこの席上でいろいろ承つておるわけでございますが、なお私どもといたしましてもさらに国有鉄道に、かような請願があり、こういつた点について国鉄としてどう処理するかというような点につきましては、常にこれを連絡いたしておるわけでございまして、決してこれについて單にここで通り一ぺんの御答弁を申し上げておるような気持は毛頭ございません。具体的な問題で、ちつとも進捗しないじやないかといつたようなおしかりを、あるいは受けるような事案もなきにしもあらずだとは思うのでありますが、実現の問題につきましては、私どもとしてはすでに答弁の中でも、非常に困難でございましよう。あるいは予算が許しますならば実施いたしますということを申し上げておるのも、これまでにも多かつたと思うのでありますが、そういつ具体的な進行の状況につきましては、いつでも私どもの方からお答えを申し上げることができると考えておる次第でございます。なお今後とも一層ただいま御注意がありましたような点につきましては、十分運輸省並びに国有鉄道の施策に反映いたすように努めたい、かように存ずる次第であります。
  52. 坪内八郎

    坪内委員 ただいま詳細な御説明がございまして、私も納得するものでございますが、従来からのいろいろな例、あるいは前々からのいきさつを反省いたしますと、ただいま政府委員お話なさつたような関係で、考慮するということになつておるのでありますけれども、実際問題としては、ただ聞きおく程度になつておつたというようなこともなきにしもあらずでありまして、私が小言を申し上げるのではなくして、そういつた点に何か機関的にあるいは国鉄の行政の運用面、あるいは機構上に、何か矛盾なり遺憾の点があるのじやないかというようなことも考えますので、そういう点は十分ひとつ考慮にお含みくださいまして、十分われわれ国会の意思を行政の上に反映させていただくようにお願い申し上げる次第であります。そこであと、同僚委員の質疑もございましようから、簡単にお尋ね申し上げます。先ほど予算関係についてお尋ねいたしたのですが、はつきりしなかつたように思います。私のお尋ねは、新駅の設置をする場合に、その創設費のごときを、あるいは資材関係などについて、新駅を設置してもらう地元民の負担といいますか、積極的なそういう協力ということが、過去においてはいろいろあつたわけでありますが、そういうことが将来もやはりあるのかということをお尋ねいたしました。それからもう一つは、CTSが国鉄ににらみをきかしておつた時分は、駅と駅との間隔は大体七キロ以上の間隔がなければ、新駅の設置はできないのだというようなことで、いろいろの基準がございましたが、そういう基準には今後とらわれないのかどうか、この二点をちよつと参考までにお尋ねしておきたいと思います。
  53. 細田吉藏

    ○細田政府委員 第一の点でございますが、今後とも新駅設置をいたしますような場合には、やはり従前において行つて来ておりましたような、地元の御協力を仰がざるを得ないのではなかろうか、かように考えております。それから駅設置の場合の駅間距離等の点でございますが、これにつきましては、必ずしもCTSだけの考え方ではないのでございまして、駅設置の御要望が非常にたくさんあるわけでございますが、それを全部受入れることが、いろいろな事情でできないという際に、それの優先順位を考えて行くことになるわけでございまして、その際に大体汽車の区間においては、駅間距離が、七、八キロ、これも場所によりまして非常に違うと思います。北海道のような地域と、本土の非常に人口が稠密しておるような地域とは違うと思いますが、大体におきまして七、八キロ程度、これも電車区間あるいは気動車等につきましてはこれまた違いますが、大体そういつた一応の基準というものを設けまして、審査をいたす一つの便宜的な方法にいたしておるような次第でございまして、締対にこれ以下ならばやらないというような基準ではございませんが、一応比較考量いたします際の基準といたしましては、内部的には持つておるわけでございます。そういつたわけでございますので、CTSがそう言つたからという問題でなくて、一応の基準らしいものは、請願駅を審査いたす際に、検討するものさしといたしましては持つておるわけであります。
  54. 原彪

    ○原(彪)委員 先ほどの請願の議題が電化でありますので、電化の問題について一言御質問申し上げたいと思います。本年度予算は、御承知のように初め工事費勘定六百億が削減されたために、当局が考えておるような電化の計画がことごとく挫折してしまつたようなかつこうだと思うのですが、わずかに浜松と米原間の残工事の一部をやる。われわれに言わしむれば、電化なんというものは具体的な問題はほとんど毛ほどもないと申し上げたい。すでに浜松と米原間は前年度予算に十分上つてつて、その残工事にすぎない一部分の予算というよりほかはありません。常磐線の電化についても、これは前の国会においても再三再四御質問を申し上げ、しかも運輸大臣であられた山崎さんが、また郷土出身の代議士として常磐線電化促進の議員連盟の会長までしておられて、それであつてなおかつ常磐線の電化が何ら行われなかつたということは、むしろ私は工事費勘定の予算獲得の政治力の欠陷じやないかと思うのであります。先ほど岡田委員が言われた衛星都市という問題でありまするが、岡田委員は六大都市の衛星都市ということを言われたのですが、私は少くとも衛星都市というものを考える場合には、東京を主としての衛星都市と考えたいのであります。数年前から運輸省では、東京都を中心に四十キロなり六十キロなりの大体の予定線を設けて、衛星都市の電化の計画をお立てになつておつたのであります。現在ではこの衛星都市の大体の東京からのキロ数は、どのくらいの御予定になつておるか、まずそれを承りたいと思うのであります。
  55. 細田吉藏

    ○細田政府委員 東京からの、衛星都市をどの辺まで考えるかというお話でございますが、私の承知いたしております限りにおきましては、何キロまでを衛星都市と考えるか、あるいはどこの都市までを衛星都市と考えるかというようなことにつきまして、はつきりきまつたものはないように存じておりますが、あるいは一部に事務的にそういうことを考えておつたかもしれぬと思いますが、少くとも運輸省あるいは国有鉄道として、公式にこれは衛星都市なり、何キロまでは衛星都市なりというようなきまつたものはないように承知いたしております。
  56. 原彪

    ○原(彪)委員 東京を中心としての通勤区域、あるいは住宅区域としての大体の目安というものを、運輸省としては置くべきではないかと私は思うのであります。前には何キロということがあつたと私は記憶しております。ただいまの御答弁で、ないそうでありますが、そういう点で衛星都市としての御計画も、運輸省としてはお持ちになるべきではないかと私は思うのであります。それから先ほどの坪内委員の御質問、これはまことにごもつともだと思うのです、ここで聞きおく程度で、どういうようこれを、下部といつては申訳ないのですが、下部に申達するかという問題ですが、この前の国会でも足羽政府委員に対して、私は常磐線の車が非常に古くて、東海道線とは天国と地獄だということまで申し上げて、これの改造方を申し上げたのでありますが、今もつてぎしぎし車体が音のする、まるで馬小屋のような客車を使つております。山崎委員も石野委員も常磐線はお乗りになりますからよく存じておると思います。何とかこういう車体も、聞きおく程度じやなしに、早急にひとつ直していただくように……。まさに東海道線と比載してごらんなさい、天国と地獄でございますから。国鉄に運賃のよりよき収入を與えておるような常磐線でありますし、これはそういう採算の面から見たつて、また憲法で保障された平等の権利からいつても、公共の福祉のために、国鉄がおやりにならなければならぬことだと思うのですが、現在の状態では、乗る人はみんな不服です。ここから出ておる沿線の代議士は何をしておるかと、われわれしりをたたかれる始末です。特に細田さんは前に管理課長をやつた方でありますから、常磐線は通暁された方だと思いますのでこの点は十分御考慮願いたいと思います。
  57. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 本日は請願の審査でありますので、関連質問はあらためていただくことに願います。御了承願います。     —————————————
  58. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 次に日程第三九、第四三、第四八、第四九、以上四件を一括議題とし紹介議員の説明を求めます。山崎岩男君。
  59. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 尻内駅構内北部に跨線橋架設の請願、青森県三戸郡上長苗代村長松倉芳郎君外一名本請願の要旨は、東北本線尻内駅は、青森盛岡間の主要駅で、八戸市の表玄関をなしているが、八戸市を基点に上長苗代村を縦断し、五戸を経て青森へ結ぶ県道にある同村尻内駅北部踏切りは、戰時中、駅構内擴張と輸送力増強の目的で閉鎖されたため、同村は二分され、正規の新道を、迂廻する時間的空費、不便は多大なものがある。ついてはすみやかに尻内駅構内北部踏切り閉鎖のかわりとして、跨線橋を新設されたいというのであります。  次に、向山駅を貨物取扱駅に昇格請願であります。請願者青森県上北郡下田村長跨田光成外八名、本請願の要旨は、東北本線向山駅は、現在旅客駅として臨時に貨物取扱いをなしているが、一昨年より当駅附近に国営開拓事業が実施され、十和田村より百石町に至る広大な平野は着々と美耕地と化しつつあり、また農林省青果物特別指定村である六戸、百石、下田各村の農耕地は、当駅を中心とした地域に最も多いのであるから、従来のトラック運送による多大の損失を除去するため、当駅を貨物取扱駅に昇格されたいというのであります。  次に、小川原信号所旅客取扱駅に昇格請願請願者青森県上北郡浦野館村長阿部留吉外一名本請願の要旨は、東北本線小川原信号所は、沼崎駅より四キロ、古間駅に約六キロの地点にあつて、現在同信号所に停車する列車を利用する者は一日平均四百人を越えているが、同信号所は、旅客を取扱わないことを原則とするので、客車の停車回数も少く、また乗車券は沼崎駅もしくは古間駅で求めなければならない不便があるばかりでなく、実質において乗車距離に比し倍額の賃金を要するなど、その不利不便は実に耐えがたいものがある。ついてはすみやかに同信号所を旅客取扱駅に昇格されたというのであります。  次に、清水川駅舎新築並びに上りホーム改造請願請願者青森県東津軽郡東平内村長船橋茂外二名、本請願の要旨は、東北本線清水川駅は、昭和二十五年貨車取扱普通駅に昇格したのであるが、同駅舎は、大正十三年に信号所として建築された老朽、狭隘な建物で、乗降客の収容はもちろん、事務執行上も多大の支障を来しており、加えて上りホームは昭和十一年古まくら木を組み合せてつくられたものであるため、腐敗はなはだしく、利用上きわめて危険である。ついては同駅のもつ公共性を考慮し、すみやかに駅舎新築とホームの改造を実施されたいというのであります。
  60. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 以上四件に対する政府の意見を聞きます。細田政府委員
  61. 細田吉藏

    ○細田政府委員 請願三十九号でございますが、これは旧踏切り道の位置の付近に跨線橋を新設いたしますと、構内の見通しが悪くなりまして、列車の運転、構内作業に支障を生じますので、設置する場所、あるいは設計等につきまして種々研究いたしておりますが、現在の予算事情では早急な実施は困難な実情にございます。  次に向山駅の問題でございますが、これは若干の勾配もございます。距離といたしましては、下田から五キロ三分、古間木から四キロ七分で、非常に駅間の距離が長いのでありまして、貨物輸送の面につきましては、地元はなかなか御不便であると存じでおります。ただ貨物取扱いをいたしますためには、前に申しました駅構内の勾配変更その他に非常に多額の費用がかかります。なお前に申しましたが、要員の増加も考えなければなりませんので、これも目下のところ早急実施は困難であろうと思う次第であります。  次の小川原信号所でございますが、これにつきましては信号所がすでにあるわけでございますので、ここで旅客取扱いをいたすかどうかという点でございますが、これにつきましては早急研究いたしたいと考えておる次第でございます。     〔委員長退席、黒澤委員長代理着席〕  それから最後の清水川駅駅舎新築並びに上りホームの問題でございますが、これは請願の御趣旨にございますように、相当老朽、狭隘であることはよく承知しておるわけでございますが、駅本屋の改築につきましては、先ほど申し上げましたようにその重要度に従いまして順次実行いたしておりますので、早期の着手なかなか困難でございます。なお乗降場につきましては、二十七年度の予算をもちまして、全部ではございませんが、特にひどいところについては修理をいたすことにいたしておる次第でございます。
  62. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 尻内駅構内北部に跨線橋架設の件でございますが、これは戦時中に地方民の要望とか利便とかいうものをまつたく無視いたしまして強権を発動して踏切りを閉鎖してしまつたというのが実相なのでございます。従いましてこれは学校に通う子供が非常に困難を来しているのです。跨線橋さえあれば学校に行く子供たちが非常に便利で、新道をつくりましても、車馬というようなものがことごとくその新道を通つておるのでございますから、子供の通学のために、役場へ通う村民のために、跨線橋がほしいのです。本来ならばこれは跨線橋といつたものでなく、地下道を通していただかなければ、車馬の通行上、運輸交通したいへん便利が悪いのですけれども、それまでお願い申し上げるということは、当局のいろいろな財政上の関係もありますので、御無理してはならない、こういう考えをもつて、迂回はしておりますけれども車馬だけは新道を通つておるのでございます。しかしながら跨線橋の問題だけは、尻内駅から八戸駅に至りまする駅前のへ々、ここには約二百戸くらいの戸数があるかと思いますが、その人々が役場に通うのにはどうしても新道を通つて行かなければならない。これはたいへん不便なのでございます。従いまして、これは御相談でございますが、地元においても多少の負担をしてもいい、何とかこの際この問題を解決をつけていただかなければ困る。このこことについては、今井管理課長さんか管理部長さんの当時、こういうことを断行されたのでありますので、今井管理課長さんがこの問題を解決つけてくださることになつておつたのですけれども、残念なるかな、新潟の鉄道監理局長さんに行つてしまつたので、御本人はタッチすることができないのが、この仕事をはかどらせる点においてたいへん不便になつて来たわけです。どうか政府委員におかれましては、この点を十分勘案されまして、地方民の負担も考えますから、すみやかに御解決のできるように、ひとつお骨折りのほどをお願い申し上げる次第であります。この点はいかがでしよう。
  63. 細田吉藏

    ○細田政府委員 ただいまの尻内駅構内の跨線橋の問題につきましては、山崎委員からさらにお話がございまして、私どもも参ります前に、この点について国有鉄道と一応打合せをいたしたのでございますが、さらに地元の負担等のお話もございますし、研究いたしまして、適当な機会にお答えを申し上げたいと思います。
  64. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 どうかよろしくお願い申し上げます。  それから向山駅の件でございますが、これにつきましても、貨物の関係という重大問題がありますので、これ、も勾配上の関係で多少の費用がかかることであるならば、地元民においても多少負担を考慮してもよろしい、こういう関係なつております。  それから信号所の関係は、これは駅員を置かないでも、無札でもつてつて、それに車掌さんが切符を売るという仕掛ができないものでしようか。それができればこれはたいへん便利だと考えております。  それから清水川駅の問題は、これは昭和二十七年度において多少のことはやつてくださるようなお話でございますが、これもたいへん腐朽しておりましてこの間私出向いて見て参つたのでありますが、列車が着いてお客さんがおりると、足を穴の中につつ込むようなおそれがあるんです。これを早くやらないと、お客さんにけがをさせるというようなことも生じまするので、どうかすみやかに処置を講ぜられるようにお願い申し上げます。
  65. 細田吉藏

    ○細田政府委員 信号所で切符を発売しないで、車内で車掌が扱うということを全然やつておらないわけではございません。やつておるところもございます。これはその区間の交通量、列車の長さというようないろいろな点を勘案いたしまして、実施いたしておる面もございます。特にガソリン動車のごときは、駅員無配置の駅を設置するというふうにいたしておるわけであります。その点もあわせて考慮したいと思います。それからただいま特にお話のホームの改造につきましては、工事を促進いたすようにいたします。
  66. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 よろしくお願いいたします。     —————————————
  67. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 次に日程第一、第一一、第二三を一括議題とし、紹介議員の説明を求めます。岡村利右衞門君。
  68. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長 紹介議員が出席がないので、私から御説明申し上げます。  請願の第一は、名古屋、瑞浪間に内燃車運転請願であります。  本請願の要旨は、国鉄名古屋駅を起点とする中央線は、通勤者並びに一般乗客の数と車両運行の比率においては、まれに見る混雑区間であるが、ことに名古屋、瑞浪間は、東海道線、関西線のような並行線がないため、はなはだしい混雑を呈しておりまして、ときとして不慮の災厄により人命を失うこともある現状で、特に春秋の行楽期における混雑は言語に絶するものがあるのであります。ついては中央線名古屋、瑞浪間に内燃動車を運転されんことをお願いするというのであります。  次に日程第一一、本件も紹介議員の出席がないために、私から御紹介申し上げます。一宮、多治見間鉄道敷設請願、本請願の要旨は、尾張北部の平野は、古来より農産、工産及びその加工産業が発達し、戰後においては、各産業は異常な発展を遂げ、加うるに戰時中よりの疎開移住の集中、また小牧飛行場の所在等の関係で、人口の増加著しく、従つて交通は繁多をきわめ、東海道線または中央線を迂回している現況では、不利不便はなはだしく、当地方産業の興隆も望み得ない。ついては交通運搬の繁多を緩和し、物価集散の隘路を打開するため、東海道一宮駅より小牧町を経て、尾張北部一帯を縦貫し、中央線多治見駅に至る区間に鉄道を敷設されたいというのであります。  なお請願第三二も、紹介議員の出席がないために、私から説明申し上げます。岡崎、多治見間鉄道敷設請願、本請願の要旨は、東海道線岡崎駅を起点とし、挙母市、瀬戸市を経て中央線多治見駅に連絡する岡崎、多治見線鉄道敷設に関しては、大正十五年以来関係住民の熱望するところであり、鉄道省の調査も完了していたが、日支事変、大東亜戰争のため中絶し、戰後再び多年の懸案を実現すべき時期に至つた。同線は四市二町数村にわたり、沿道は天恵の生産に恵まれ、地下資源の運搬、乗官の利用等すこぶる重要な路線である。ついては岡崎、多治見間に鉄道敷設を促進されんことを望みます。
  69. 細田吉藏

    ○細田政府委員 初めの名古屋、瑞浪間に内燃自動車運転の件でございますが、本件に関しましては、昭和二十六年度及び二十七年度の新製気動車の運転区間を選定いたします際に、候補線の一つといたしまして検討いたしたのでございますが、新製気動車の両数が、何分にも二十六年度五十両、二十七年度は三十五両といつたような非常に僅少な両数で、十分要望にこたえることができなかつたような関係で、実現を見ておりません。今後気動車の増備と相まちまして、なるべく早く入れるようにいたしたいと考えております。  それから一一の一宮、多治見間の問題でございますが、本区間は東海道本線の尾張一宮から小牧を経て中央本線多治見駅に接続する線であります。鉄道敷設法の予定線には該当をいたしておりません。経適地といたしましては、一宮、小牧間は平坦地でございまして、工事は比較的容易と思われます。ただこの区間におきましては、現在請願の線と並行いたしまして、名古屋鉄道が営業しております。小牧から多治見までの間はおおむね山間部でございまして、ことに愛知、岐阜の県境付近には、相当長大な隧道ができるほか、土工量もかなり大きいのではないかというふうに考えております。いずれにいたしましても、鉄道敷設法予定線に該当いたしておりません線につきましては、さきの第四回鉄道建設審議会において、国会の請願あるいは陳情といつたものも非常に多いので、検討をいたすというような結論に相なつておりますので、その機会に検討いたされることに相なるかと存じます。  次に二三の岡崎、多治見間鉄道敷設の件でありますが、本区間はもちろん鉄道敷設法の予定線でございまして、ただいまこれが先行といたしまして、国鉄自動車が運行いたしておる線でございます。この線の重要性につきましては、ただいま岡村委員からもお話がございまして、つけ加える余地がないと思います。線路の経過番は、岡崎挙母間は矢作川の流域で、地形は非常に平坦でありますが、矢作川を渡りますためにやや長大な橋梁を要します。瀬戸、多治見間は丘陵の起伏が多くて、隧道もかなりでき、また橋梁もできるのではないかと考えております。本線につきましては、先ごろ開かれました鉄道建設審議会におきましても、一応予定線のうちの九線が審議の対象となつたのでありますが、その中には入つておつたような次第でございまして、今後の新線建設全体の状況とにらみ合せて、請願の御趣旨をできるだけ尊重いたしたいと考えております。
  70. 石野久男

    ○石野委員 前から懸案のございました新駅の問題に関連いたしまして、先ほど細田部長から、新駅の問題については鉄道当局としては、日常経費、特に人員の問題が非常に重要だというお話があつたわけであります。しかもまた鉄道建設については、既設のものの老朽化をなるべく防いで行きたい、また戰災の復興を先にしたいということ応、これも了とされると思うのであります。そこで問題は人員の問題で、せつかく地方の協力を得て新駅が開始された場合に、わずか一人か二今の人員のことが非常に効果が薄らいでいるという実例がございます。そこでこの際細田部長によく承つておきたいと思いますが、たとえば端的に申しますと日立駅の場合でございます。日立駅は新駅が旧駅から約二、三百メートル違つた方向にできまして、その結果として、前に跨線橋上にありました改札所が閉鎖されているのでありますが、これはわずか一名か二名従業員の定員を増加すれば使えるのでございます。利用者の側からしますれば、あの改札所は日立製作所の日立工場の従業員及び需線工場の従業員約二万名の人が朝晩呑吐されるところでありますが、これが閉鎖された結果、迂回線をまわつて来なければならぬために、通勤の時間だけでも十数分くらい違つて来るという状態なつておるのであります。しかもその上に混雑するという事態が出ております。こういう場合には、あるいは人員の問題は非常に重要ではありましようけれども、せつかく町の方でも協力してこの新駅ができたのですから、新駅の効果の上るまでの期間というものは、利用度の高いところはサービスしてやらなければいかぬと思います。この点につきましては、水戸の監理局にもいろいろ事情がありまして、監理局長はいろいろ苦慮しながら、定員関係でできないやに聞いておるのでありますが、この際国鉄の上部を通じて、この問題を第三者が見ても妥当のように早急に解決してくださるような御意図があられますか。それともそれはどうも無理なんだという御意思なんでありましようか。一応当局の御意見を聞かせていただきたいと思います。
  71. 細田吉藏

    ○細田政府委員 ただいまお話のございました日立駅の問題につきましては、私も現地をよく承知いたしておるような次第でありまして、ただいまお話のありましたごとく、だれでもが納得する解決方法というものは見出せるものと確信いたしております。この点につきましては、具体的な問題でありますので、さつそく国有鉄道を呼びまして、十分私の方で検討いたしたいと思います。なお全般の問題といたしまして、先ほど申し上げましたが、運輸量が増加いたしておりますにもかかわらず、定員を減らして参つておりますので、各鉄道監理局に割当てる人間が非常にきゆうくつになつておるのです。従つてこれは全般の議論でございますが、もちろん各監理局でそれぞれの駅へどう配置するかという点につきましては、十分慎重にやつておるとは存じますけれども、往々にして必ずしも地方の監理局の配置の仕方が妥当でないというような場合も、これまでの例であるのであります。たとえばよく踏切りが問題になるわけでございますが、非常に重要な踏切りが、定員が苦しくて人が置けない。それで障害、事故を起すという例もあるわけでありまして、各監理局といたしましても慎重にやつておるとは存じますが、そういう点につきましては、今後とも私どもの方でこまかいところまでひとつにらんで参りたい、かように考えておる次第であります。日立駅の問題につきましては、先ほど申しましたように具体的な問題として研究したと思います。     —————————————
  72. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 次に第五一、第五二及び第五三を一括議題とし、紹介議員の説明を求めます。坪内八郎君。
  73. 坪内八郎

    坪内委員 この三つの請願につきましては、紹介議員の田口君が見えないので、最も関係の深い私が結論的に請願の要旨を申し上げて御採択を願いたいと思います。  第一の請願は第三一一号、長崎線における雲仙号平坦線運行に関する請願でありますが、現在長崎東京間の急行列車である雲仙号を、いろいろな観点からスピード・アップするために、博多、長崎間を一時間半短縮されるから、平坦線すなわち有明海岸の平坦線にこの雲仙号を切りかえられないかという請願であります。従つてその見通しについて御説明願いたいと思います。  次の請願の三一三号、長崎線に寝台車及び食堂車増結に関する請願、これは非常に深刻な問題でありまして、今度新しく栄転された細田鉄道部長にぜひひとつつていただきたいと思うのです。大体これは三年越しの私の要望であつて、かつて石井部長のときには引受けましたと言つてつてなかなか実現せぬ。この請願は現在の雲仙号に寝台車及び食堂車をつけてくれということでありますが、これは採算がとれない。また車両が足りないのだということで実現を見なかつたわけですが、採算の面からいいましても、あるいは近くダイヤ改正があつたり、あるいは車両の増結ができることになりますれば、そういう観点からこれは実現させてもいいのじやないか。しかも御承知通り飛行機がこれに連絡があるという関係から、雲仙号の急行は利用者が非常に多くて、われわれは月に何回も乗りておりますが、場合によつては席がないという状態であります。そこで九州には霧島号があつて、これには一等寝台もあり、二等寝台も食堂車もある。こういう点から鹿兒島の急行云々ということではありませんけれども、平等な国鉄の行政という面からいいましても片手落ちじやないか。だから鹿兒島の急行に一等寝台をつけるならば、せめて長崎の急行にも二等寝台をつけるとか、そういつた平等の観点からやつていただきたい、かように考えるわけであります。これは今度新しくかわられた細田さんに、ぜひすみやかにやつていただきたいと思うわけです。  それから最後の長崎東京間の特別急行列車の復活の請願ですが、これは長崎が置かれている経済的な立場、地理的な関係からいつて、かつて日華貿易が盛んなころは特急が通つたこともあるので、近き将来においてそれが実現すると思いますので、その点も十分考慮して促進していただきたい、こういう請願であります。  このうち特にすみやかに解決していただかなくちやならぬ点は、全部の請願がそうでありますけれども二番目に申し上げました寝台車と食堂車を何とかひとつ考慮してもらいたい。三年越しの要望なのですが、いまだこれが聞き置く程度であつてちつとも進捗しないのですが、そういう点を御説明願いたい。あわせて当委員においてはぜひこれを御採択願いたいと思います。
  74. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 ただいまの御説明に対し、政府より説明を求めます。細田政府委員
  75. 細田吉藏

    ○細田政府委員 まず第一の雲仙号長崎本線経由から平坦線経由にしてもらいたいという請願でございますが、これにつきましては御趣旨にもございます通り、時間的にも約一時間の短縮に相なるわけであります。また勾配等の関係から見ましてもこれは有利でございまして、本線であるわけであります。ただこれまで山方面つておりましたのは、佐世保との関係だけでございまして、佐世保の方はここを通した方が早くなるということで、こうなつておつたのでございます。この点につきましてはただいま国有鉄道におきましても、いろいろダイヤの変更につきまして検討いたしております。十分請願の御趣旨を尊重いたしまして検討中でございます。  次の寝台車及び食堂車の増結でございますが、雲仙号に寝台車及び食堂車をつけることにつきまして、私は実はこちらへ参ります前に国有鉄道の輸送局の次長をやつておりまして、一応この方面の仕事をいたしておつたわけでありまして、この必要性につきましては十分承知をいたしておりますし、またこれまで、石井前部長のお話がございましたが、石井さんからも非常にやかましく言われておつた問題なのでございます。遺憾ながら車両がありませんので、つける必要は感じながらつけておらなかつたという実情でございまして、進駐軍から解除の車等の関係がどういう形になりますか、まだ事務手続が進行いたしておるところでございますので、はつきりした見通しは立ちませんけれども、車が許しますならばぜひともつけるようにいたしたいという線に沿つて、いろいろ今研究をいたしております。  次の三番目の特別急行でございますが、これにつきましては現在の機関事情あるいは客車の事情、また線路の事情等から、以前にもございまして必要性はあると思うのでございますが、早急に実施はむずかしいのじやないだろうか、かように考えておる次第であります。現在特別急行は御承知東京、大阪間に二本ございますが、これをさらに延長いたすかどうかというような点については研究いたしておりますが、ただちに東京長崎間の特急増設ということは、相当困難じやないかと思います。
  76. 坪内八郎

    坪内委員 御説明よくわかりました。そこで二番目の急行雲仙号に寝台車と食堂車をつける件ですが、車両その他の関係でもしやむを得なければ、二等寝台でも早急につけてもらいたいと思います。鹿兒島県の方にはしかられるかわかりませんが、鹿兒島急行には一等、二等寝台があるので、車両が足りなければこの鹿兒島県の二等寝台を長崎雲仙号につけることはできないのかどうか。あの車の二等寝台は、利用者は少いということも聞いております。われわれは運輸委員をしておりますので、地元関係者からこんなことも解決できないのかということで、立場上非常に困つております。それから寝台車、食堂車は現在のところ長崎までつけてもらわぬでもいいのであつて、さしあたり博多までつけていただくような処置ができないかどうか。その辺参考までに御意見を伺つておきたいと思います。
  77. 細田吉藏

    ○細田政府委員 ただいま鹿兒島線に運転いたしております霧島から、寝台車をはずしまして雲仙号につけろということは至難ではなかろうかと考えます。利用が悪いというお話でありますが、私どもの調査いたしましたところでは、かなりの利用率がございまして、これをはずしますことは実際問題としてまず不可能に近いのではなかろうかと考えております。なお博多までの打切りにするかどうかという点につきましては、十分研究いたしたいと思います。
  78. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 次に日程第四二を議題とし、紹介議員の説明を求めます。畠山鶴吉君。
  79. 畠山鶴吉

    ○畠山(鶴)委員 本請願の趣旨は、伊東線熱海和田地区駅設置請願であります。これは熱海市長の請願であります。熱海市は御承知通り国際観光温泉文化都市として、さきに特別法によるところの都市になつておりますので、あらゆる点から非常に乗客も多い。現在熱海は急坂地でありまして、駅前のあの広場でお客を取扱うことは、いろいろの面かろ非常に困難を生じ、また煩瑣をきわめております。売上げのことを申し上げては恐縮でありますけれども、一日の売上げが二百万、三百万円という多額であります。そのお客を熱海の現在の駅では、とうてい受入れることはできないことは周知の通りであります。それで熱海和田地区に仮駅を新設してもらいたいということは、伊東線に所属いたしますので、言いかえれば枝線になつておりますから、駅をつくりましても時間的また交通上大して不便がないだろうという見解からお願いするわけであります。御承知通り熱海駅から和田地区へ参りますには、ハイヤーに乗りましても一人が三百円とられる。山を三山も越えて和田地区へ参りますが、この和田地区というのは熱海の発展の上には大きな役割を持つておりますし、現在人口にいたしましても、三千人以上四千人近い人が住んでおるような関係から、交通の利便をはかり、狭隘な熱海市を緩和するために、伊東線に所属いたします新駅をつくつてもらいたいというのが本請願の趣旨であります。この点をぜひおくみとり願いたいと存じます。  同時にこれに関連しまして、熱海市民といたしまして一番重要であります新丹那トンネルでございます。あれは七分できたといいましようか、半分できたといいましようか、相当な金をかけて工事に着手して、戦争の結果現在これを中止しておりますが、現在の交通面から、あの新丹那トンネルを何とか活用をして、現在でいつたならば有料道路として、これを建設省なり運輸省会議の上に使う方法はないか。この点につきまして地元要望がありましたので、私は建設委員会の方へこれを請願いたしておりますが、機会があつたら一応運輸省あるいは国鉄の方針伺つてみたいと思つておりました。しかし国でやることでありますから、どちらがつくりましても権利争いというようなことはなかろうと思います。箱根の山は天下の險という、あの險を越すだけのりつぱなトンネルができかかつて、これを放置しておくことははなはだ不便である。  それからもう一つこれに関連しまして、熱海し梅園の問題ですが、あの梅園は熱海から十国へ通ずる今後の発展の一番重要地帯であり、現在四千八になんなんとしておる住民があるのであります。この新丹那トンネルをつくるためにあすこへ大きな工事場をつくつたために、あの梅園関係の人が熱海市と遮断されておりまして、狭いところを一まわりまわつて来なければ町へおりて来ることができないのでありまして、あの現在の来宮の工事場の区域に、せめてガード下へ人間が通るだけでもいいから道をつくつていただきたいということは、梅園方面の住家の切なる叫びでありますので、この機会にこれらすべてを包含してひとつお考えを願いたいと同時に、和田地区に対する伊東線の新駅を新設されたいことを私はお願いし、また委員会におきましては、これをお取上げの上御採択を願いたいと存ずる次第であります。
  80. 細田吉藏

    ○細田政府委員 請願の一六九八号、和田地区駅設置でありますが、これは来宮から約一六キロ、伊豆多賀から三・二キロの地域でございますが、隧道の切れ目でございまして、隧道から隧道の間がわずかに二百十九メートルしかないという、非常に狭い隧道を出てすぐまた隧道に入るという地域でございます。なおこの区間は曲線も半径八百メートルという相当なカーブ、勾配も千分の四という勾配でございまして、御請願の趣旨はよくわかるのでございますけれども、技術的に見ましてここに駅を設置いたしますことは、よほど大きな金をかければ別でございますが、実際問題として非常に困難ではなかろうかと考えておる次第でございます。  なお関連してお話がございました第二隧道でございますが、これはすでに御承知通り東海、山陽の彈丸列車を通すために、丹那の隧道があれだけ手こずつた隧道でございましたので、今度は先に工事にかかつたような次第でございます。東海道の広軌幹線をどうするかということは、実は非常におかしなことでありますが、今のところはつきりやめたというわけにもなつておらないような次第でありまして、御承知のような状況で工事を中止しておるわけであります。ただ東海道の彈丸列車はともかくといたしまして、線路増設を必要とするかどうかという問題につきまして、ただいま運輸省並びに国有鉄道で相当研究いたしております。なお承りますところによりますと、東海道の自動車道路というような問題も出ておるのでございまして、そういつた各般の点を考えまして、結論を見出さなければならぬ非常に大きな問題だと存じます。この点は帰りまして、私ども大臣あるいは国鉄総裁の方針をきめてもらわなければならぬと思つておりますが、いずれにいたしましても、なるべく早い時期にこれをどう利用するかという点はきめなければならぬと考えておる次第であります。なお梅園関係の方々の御迷惑につきましても、よく承知いたしておるのでございますが、これは具体的な問題でございますので、御趣旨はよくわかりましたので、十分研究いたしたいと存じます。     —————————————
  81. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 次に日程第二ないし第六は、内燃機関及び電化関係でありますので、一括議題とし、政府より意見を求めます。
  82. 細田吉藏

    ○細田政府委員 ディーゼル自動車につきましては、先ほども申し上げましたが、新造両数が非常にわずかでございますので、今後資金面の裏づけをいたしまして、大いに増車いたしたいと考えておりますので、その際にできるだけ請願の御趣旨に沿うように研究いたしたいと思います。なお全国から相当たくさんの希望がございますので、順位その他につきましては、慎重に検討をいたしたいと考えておる次第でございます。  それから明石、姫路間の電化につきましては、先ほども岡田委員の御紹介請願でお答え申し上げたのでございますが、すでに姫路までは、件名としては上つておるわけでございまして、電車化につきましても先ほど申し上げましたように、十分研究いたしたいと考えます。     —————————————
  83. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 日程第七、第八一第一〇、第一二ないし第二二は、鉄道敷設関係でありますので、一括議題とし、政府より意見を求めます。
  84. 細田吉藏

    ○細田政府委員 建設線につきましては、すでに二十七年度実施をいたすことに相なりました十一線につきましては、国有鉄道総裁から認可の申請がありまして、これを認可いたしました。さらに建設審議会の答申で、十六線を補正予算もつて実施するようにという御答申がございまして、これにつきましては、今後予算の補正をまつてできるだけすみやかに工事にかかりたいと存じております。この請願のうち第七、第一四、第一五、これがその十六線のうちへ入つております。なお第一三につきましては、二十七年度実施の十一線の中に入つておる次第であります。なお予定線に入りておりません線につきましては、先ほど申し上げましたように、近く建設審議会で審議をいたす予定に相なつております。     —————————————
  85. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 次に日程第二四ないし、第三八、第四五、第四六、第四七、第五〇は、駅設置関係でありますので、一括議題とし、政府より意見を求めます。
  86. 細田吉藏

    ○細田政府委員 駅設置につきましては、先ほど来いろいろ申し上げておりますが、要員事情あるいは建設の場所が技術的に駅設置可能であるかどうかという点を十分検討いたしまして、今後研究いたしたいと存じております。     —————————————
  87. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 次に日程第五四ないし第六一は、列車運転関係でありますので、一括議題とし、政府より意見を求めます。
  88. 細田吉藏

    ○細田政府委員 五四、五五につきましては、列車回数が非常に少くて御不便をおかけしておるわけでございまして、これにつきましては、列車増発機会に十分御趣旨を尊重いたしまして考えたいと存じます。  五六につきまして、品鶴線と申しまして、品川から新鶴見へ行つております貨物線に、電車を運転してくれという請願でございますが、これは貨物の線路容量の関係から実現が至難であろうかと考えております。  五七につきましては、乗降人員関係からこれを準急を停車をいたすということは、この駅をとめますと他にもたくさんとめなければならぬ駅がございますので、これも他の駅との振合い上困難ではなかろうかと存じます。  それから東京、神戸間特別急行列車の増発、これは大阪までの特別急行を神戸に延長という請願でございますが、ただいまの神戸駅の事情、それから特急に使用いたしております車両の事情等から早急には困難でございますが、特急を山陽線方面に延長いたすという点につきましては、研究をいろいろ進めておるような次第でございます。  それから五九の、上野、青森間急行車列の運転でございますが、これは秋田まで参つております急行列車を、青森まで延ばしてもらいたいという請願でございます。秋田までの列車でもすでに相当混雑いたしておりまして、青森まで延ばすことになりますと、さらに混雑の度合いを増すのではなかろうか。かえつてその方を心配いたしておるわけでございまして、これは戰前から秋田行きの急行になつておりますし、むしろ延長いたさない方がいいのじやなかろうかというふうに考えております。  それから山陰線の急行列車の運転でございますが、これは必要性請願に書いてございます通りあると思いますが、車両等の事情から早急に実現できません。車両の整備等と相まちまして、請願の御趣旨を尊重いたしたいと考えております。  それから常磐線の電車の延長でございますが、これにつきましてはただいまのところ計画いたしておりません。常磐線の電化をさらに土浦あるいは水戸あるいは平まで延長するという点につきましては電化の大きな計画の一環といたしましては検討いたしております。さしあたり佐貫まで延長するということは、変電所の関係その他で、ここだけ切り離してやるということは至難ではなかろうかと考えております。
  89. 坪内八郎

    坪内委員 相当時間も経過いたしましたので、簡單に請願の取扱い方について、委員長にも要望いたしたいし、さらにまた政府委員の方にもひとつぜひ考慮をしていただきたいと思います。問題は、請願の取扱い方でございますが、この点について私先ほど基本的な問題であるので、御質問をして御意見を伺つたのでありますが、この点については他の同僚委員の意見もありまして、もう少し締めくくりをしようというときに、議事進行の関係で、請願の議題を取上げられたのでございますが、この際私はぜひ締めくくりをしたいかように思つておるのであります。  政府当局におかれましては、請願につきまして長時間にわたつていろいろ御所見をお聞かせいただきまして、まことにわれわれ恐縮にかんがえております。また熱心な御答弁ぶりについても敬意を拂ろものでございますが、先ほど私が請願の取扱い方についてお話申し上げました通り、この請願の取扱いは、当運輸委員会のみならず、国会全部の各委員会、議長初め各議員が反省をしなければならぬ大きな問題じやないかということを考えておるのです。そこでいろいろな事情で、こういつた形で請願の審議、採択ということになつて、今日に至つておるのでありますが、理想を言えば、財源もあり、実行が可能なものを委員会で採択して、その採択した線に基いて、関係各省なり、あるいは担当の行政事務を取扱つておる面で、これを具現して行くということが理想でなければならぬわけです。しかるにこの請願の取扱い方はもら十ぱ一からげで、事実はそうじやないにいたしましても、結論的には、運輸省の鉄道監督局の鉄道部長が当委員会へ来て、関所みたいな形で受けとめて、聞きおく程度で、そのままにして帰るというような形になるので、これは実際われわれが真剣に取り扱つておる熱意からいたしますと、なるほどその実現については財源を伴うことだし、いろいろむずかしい問題があるので、簡単でないということはわかりますけれども、結論的にはまつたく聞きおく程度になつてしまつておる。これではどうもならぬので、私はこの際もう少し委員長初め当委員会といたしましても、国会全部が反省をするということが建前だけれども、それまでに当委員会だけでもこの請願の取扱いを、もう少し科学的に検討しなければならぬということを考えております。そういうことについては、政府委員においても心得ておられると思いますが、すべてごういつた長時間にわたつて熱心に質疑をしておる紹介議員の請願などについては、特別に私は考慮してほしいと思う。これは全部の紹介議員がそれぞれの立場で時間がないために、紹介議員として説明に来ることも不可能な状態にあることも想像されますし、またそういう点もよくわかつておるのですけれども、せめて熱心に紹介議員の一人として、その紹介議員としての立場から、請願を趣旨説明なり要望なり申し上げる点につきましては、委員会が採択いたしましたならば、それを政府当局も十分あらゆる角度から検討を加えて、これを具現することに協力してもらうというような行き方に、ぜひしていただきたい。従つて熱心に紹介議員として説明などしておる議員の紹介の案件、請願につきましてはぜひひとつ十分考慮になつてもらいたいということを、私はまず要望いたしたいのであります。聞くところによりますと、細田鉄道部長、非常に鉄道行政のエキスパートであつて、名部長だというように伺つております。さらにまた監督局長の荒木局長は、俊敏だというふうにいろいろうわさがあるのであります。前の石井部長も非常に御健闘されて、努力された点は認めますけれども。この際私は、この請願の取扱い方というものを、もう少し違つた意味で考えてほしいというように思うわけであります。ちよつと話がよそにそれますけれども、通産省と運輸省が、最近航空問題の生産問題、あるいは一元的な問題につきまして、所管争いをいたしたのですが、結論的には通産省に対して運輸省の役人は政治力がないのだというようなことが、新聞やあるいは町のうわさにあります。そこで私はそういうことは考えておられると思いますが、運輸省なり国鉄側が、われわれと密接な関係をとつて、もう少し政治力を発揮してほしいということも、要望申し上げる次第であります。そういうようなことは、御賢明な政府委員は十分お考えでございましようけれども、こういつた請願関係なども十分ひとつ考慮されて、これを適切妥当にてきぱきとできる面は処理していただくということになりますと、おそらく今度新しく栄転された細田部長も、これは将来は、まことに恐縮ですけれども、国鉄の総裁候補でもあろうし、また大臣候補としてでも私は行かれる方であると思う。こういう請願の取扱いがまずいから、政治力を疑われるということになりますので、この点は荒木局長と相談なさつて、熱心に紹介議員としてやつておるような議員には、その請願などについて、積極的に何かメモでも書いて連絡してくれるというようなことが、いわゆる政治力になる。それで初めてお互い意気相通じて、大いに政治力を発揮して、いろいろな目的を達し得るということになろうかと思います。賢明な政府委員に申すまでもないことでございますけれども、どうも今までのいきさつから行きますと、われわれが議員に当選以来数箇年の間、この請願のことを取扱て来ておりますけれども、そういう点で非常に大きな欠陥があるように拝見したり、あるように思われますので、名部長の細田政府委員にこの際新たな角度で、請願というものの取扱いを、他の委員会と別個に十分考えてほしいということを私は強く要望いたすものであります。なおまた委員長におかれましても、この請願の取扱い方については、慎重な上にも慎重を拂つてくださいまして、基本的な態度を先にきめて、それによつて審議をするということになれば、審議の議事進行もすみやかに行くことは申すまでもないことでございますので、そういう点もあわせてひとつ検討いたしてもらいたいと思います。そういう点についてこの際細田政府委員のお考えをもう少し私は聞きまして、締めくくりをしておきたいと思いますので、ひとつそういう点についての希望を伺つておきたい、かよに思う次第であります。
  90. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 ただいまの坪内委員の御要望はしごくごもつともの御意見でありますので、委員長理事とも相談の上、適切妥当なる措置を講じます。
  91. 細田吉藏

    ○細田政府委員 ただいまの坪内先生の御意見は、私に関します限りを除きまして、非常にごもつともな御意見でございまして、いろいろこれまでのやり方等につきましても反省させられる面が非常に多いのであります。今後十分御趣旨に沿うようにいたしまして、手取り早くできることはできる、できないことはできないというようにはつきりした結論を出しまして、できますならば、重大な問題につきましては紹介の議員の方まで御連絡申し上げるとか、あるいはそのほかの適切な措置をとりたいと考えております。  なお先ほど私ちよつと申し上げようと思つたのでございますが、聞き捨てにいたしておるかおらぬかというような一つの証左といたしまして、新線建設に関する国会の請願を第一回からずつと取上げましたものも一表にいたしまして、建設審議会でも御議論願つておりますし、それからガソリン・カーの問題につきましても、やはり第一回からの請願がどういうふうにあるかというような点、それからこれに対する鉄道監理局の意見はどうかというような点も一覧表でできております。それから国鉄関係請願の中で駅設置の点につきましても、これは第何回国会の衆議院なら衆議院、参議院なら参議院でどう取上げて、どなたが御紹介なつておるかというようなものもちやんとこしらえまして、検討いたしておるような次第でございます。おもな項目についてはそういつたやり方でやつておりますので、なお今後ともそういう点十分御連絡もいたしまして、お説の御趣旨にできるだけ沿いたい、かように考える次第でございます。よろしくお願いいたします。
  92. 畠山鶴吉

    ○畠山(鶴)委員 私がちよつとこの際お伺いしたいことは、今坪内委員から私ども痛切に感じた言葉を質問されましたので、これは一つの例ですが、ちよつと申し上げておきたいと思うことがあります。ついこの間でありますが、伊東線熱海駅の接続しますところの上屋を、私運輸省と国鉄にお願いに行つたその場合に、予算がないからというので、無理に予算を地方民から出さした。ところが、今度は一箇月ばかりでできてしまつた。それでそのあとで東鉄あたりの管内へ行くと、これは委員紹介してできたんじやない。われわれが骨を折つてこしらえてやつたんだから、われわれにうまい酒の一ぱいも飲ませろというようなことで、かんじんの交渉に行つた委員をそつちのけにしてしまつて、知らぬ顔をしているような事実が、つい一箇月ばかり前の話であるわけです。これは細田部長さんにもちよつとお願いしたことです。まあ予算でも出してくれるならというので、予算を出して、できてしまつたら、知らぬ顔をしているという、これはこまかいことですが、実例がありますので、これらの点も別に手柄、功名を争わなくても、地方民とすれば、できればけつこうなんですが、今坪内委員が言われたことに内容的に大きな関連をいたしますので、御参考に一言私は申し上げるのですが、どうぞこの点も御了承願いたいと思います。     —————————————
  93. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 この際お諮りいたします。先日委員玉置君、畠山君、滿尾君及び山崎岩男君が委員を辞任せられた結果、理事、小委員長及び小委員に欠員な生じましたので、補欠選任を行いたいと存じますが、これを委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 黒澤富次郎

    ○黒澤委員長代理 御異議なければ、さよう決します。  それでは理事滿尾君亮君、観光小委員長玉置信一君、小委員玉置信一君、畠山鶴吉君、滿尾君亮君、鉄道電化促進に関する小委員山崎岩男君、航空に関する小委員滿尾君亮君、山崎岩男君を指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時六分散会