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1952-03-15 第13回国会 衆議院 運輸委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年三月十五日(土曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 岡村利右衞門君    理事 滿尾 君亮君 理事 山崎 岩男君       稻田 直道君    岡田 五郎君       關谷 勝利君    玉置 信一君       坪内 八郎君    中野 武雄君       畠山 鶴吉君    前田  郁君       木下  榮君    江崎 一治君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 村上 義一君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  細田 吉藏君  委員外出席者         運 輸 技 官         (鉄道監督局施         設課長)    宮沢 吉弘君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 三月八日  委員石野久男君辞任につき、その補欠として岡  田春夫君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 三月十四日  昭和二十六年十月の台風による木船災害復旧  資金融通に関する特別措置法案關谷勝利君  外一名提出衆法第四号) 二月二十八日  枝幸港拡張の請願林好次紹介)(第一〇七  四号) 三月七日  土山、加古川間に駅設置等請願岡田五郎君  紹介)(第一二一二号)  浜松、米原間電化促進請願江崎真澄君紹  介)(第一二一三号)  弟子屈本別間鉄道敷設請願伊藤郷一君  紹介)(第一二六八号)  志佐吉井間鉄道敷設請願西村久之君紹  介)(第一二六九号)  穴水飯田間鉄道敷設促進請願益谷秀次君  外一名紹介)(第一二七〇号)  魚橋停車場設置等請願岡田五郎紹介)  (第一二七一号)  明石、姫路間電化促進等請願岡田五郎君紹  介)(第一二七二号) 同月十日  小型貨物自動車運送営業免許簡易化に関する  請願降旗徳弥紹介)(第一三八七号) 同月十四日  小型貨物自動車運送営業免許簡易化に関する  請願山口六郎次紹介)(第一四五八号)  同(尾崎末吉紹介)(第一四五九号)  同(原健三郎紹介)(第一四六〇号)  同(内海安吉紹介)(第一四六一号)  同(中村純一紹介)(第一四六二号)  同(山口好一紹介)(第一四六三号)  びわに対する貨物運賃等級引下げに関する請願  (坪内八郎紹介)(第一五〇四号) の審査を本委員会に付託された。 同月十一日  伊勢志摩国立公園地内伊勢神宮前に自動車駐車  場設置に関する陳情書  (第八三七号)  木船事業育成振興に関する陳情書外一件  (第  八五五号)  同  (第八五六号)  同(  第八五七号)  同  (第八五八号)  観光局設置に関する陳情書外三件  (第八六一  号)  同(第八六  二号)  同  (第八六三号)  鉄道貨物運賃割引措置に関する陳情書  (第八六四号)  大阪市のトロリーバス路線認可促進に関する陳  情書(第八六五号)  三江線全通に関する陳情書  (第八六六号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  捕獲審検所検定の再審査に関する法律案(内  閣提出第四七号)(予)  昭和二十六年十月の台風による木船災害復旧  資金融通に関する特別措置法案關谷勝利君  外一名提出衆法第四号)   請願  一 吉備線福山まで延長請願星島二郎君    外五名紹介)(第六三号)  二 貴生川加茂線全通促進請願河原伊三郎    君紹介)(第一四六号)  三 八雲、熊石間鉄道敷設請願冨永格五郎    君外三名紹介)(第二九〇号)  四 越美南線延長に関する請願武藤嘉一君紹    介)(第二九一号)  五 長崎、諌早間の鉄道平坦線に切替えの請    願(田口長治郎紹介)(第三一五号)  六 三戸千曳間鉄道敷設請願山崎岩男君    紹介)(第三二〇号)  七 蟹田三厩間鉄道敷設促進請願山崎岩    男君紹介)(第三二一号)  八 大湊大間間鉄道敷設請願山崎岩男君    紹介)(第三二二号)  九 田名部尻屋間鉄道敷設請願山崎岩男    君紹介)(第三二三号) 一〇 道南西海岸線鉄道敷設請願山崎岩男君    紹介)(第三二六号) 一一 遠江二俣、明知間鉄道敷設請願岡村利    右衞門紹介)(第三六四号) 一二 吉備線福山まで延長請願(逢澤寛君紹    介)(第四〇八号) 一三 赤穂線全通促進に関する請願外一件(逢澤    寛君紹介)(第四〇九号) 一四 越美南線延長に関する請願早稻田柳右エ    門君紹介)(第四一〇号) 一五 大間鉄道敷設促進並び大間国営修築等    の請願山崎岩男紹介)(第四一二号) 一六 大畑鉄道敷設促進請願山崎岩男君紹    介)(第四一三号) 一七 日田線全通促進請願(守島伍郎紹介)    (第四六七号) 一八 金田一、久慈間鉄道敷設請願山本猛夫    君紹介)(第五〇〇号) 一九 橋場線雫石橋場間復活等に関する請願(    山本猛夫紹介)(第五〇二号) 二〇 魚沼線復活促進請願田中角榮紹介)    (第五〇三号) 二一 釧路、美幌間鉄道敷設促進請願伊藤郷    一君紹介)(第五七六号) 二二 白棚線復活促進請願圓谷光衞紹介)    (第五七七号) 二三 日田線全通促進請願村上勇君外一名紹    介)(第五七八号) 二四 日高富川十勝清水間鉄道敷設請願(伊    藤郷一君紹介)(第六五八号) 二五 猪谷松本間鉄道敷設請願土倉宗明君    紹介)(第七〇一号) 二六 水戸、波崎間鉄道敷設請願橋本登美三    郎君紹介)(第七〇三号) 二七 阿仁合線を比立内まで延長請願石田博    英君紹介)(第七八七号) 二八 猪谷松本間鉄道敷設請願    (岡村利右衞門紹介)(第八一四号) 二九 日南線全通促進請願田中不破三君紹    介)(第八一六号) 三〇 石巻、柳津間鉄道敷設請願角田幸吉君    外一名紹介)(第八四九号) 三一 上山田、川崎間鉄道敷設請願淵上房太    郎君紹介)(第八六〇号) 三二 余市、余別間及び岩内、古平間鉄道敷設の    請願小川原政信紹介)(第八六一号) 三三 岡崎、多治見間鉄道敷設請願千賀康治    君紹介)(第八九七号) 三四 日南線全通促進請願外十件(田中不破三    君紹介)(第九〇三号) 三五 長野原、上田間鉄道敷設請願小淵光平    君紹介)(第九七〇号) 三六 中津川、下呂間鉄道敷設請願岡村利右    衛門君紹介)(第一〇八号) 三七 北見枝幸雄武間鉄道敷設請願林好次    君紹介)(第一〇七六号) 三八 隼人、大泊間鉄道敷設請願前田郁君紹    介)(第一一一三号) 三九 飯山、新井間鉄道敷設請願倉石忠雄君    紹介)(第一一一五号) 四〇 弟子屈本別間鉄道敷設請願伊藤郷    一君紹介)(第一二六号) 四一 志佐吉井間鉄道敷設請願西村久之君    紹介)(第一二六九号) 四二 穴水飯田間鉄道敷設促進請願益谷秀    次君外一名紹介)(第一二七〇号)     ―――――――――――――
  2. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これより会議を開きます。  捕獲審検所検定の再審査に関する法律案議題とし、まず政府より提案理由説明を求めます。村上運輸大臣。     —————————————
  3. 村上義一

    村上国務大臣 それでは捕獲審検所検定の再審査に関する法律案提案理由について、お聞き取りを願いたいと存じます。  戰時におきまして交戰国が交戦権に基いて敵艦、敵貨及び中立国の一定の船舶並びに戰時禁制品を、その国の捕獲審検所検定をもつて捕獲し得ることは、戰時国際法上一般に認められているところでありまして、わが国におきましても太平洋戰争中、旧捕獲審検令に基いて捕獲審検所が設置されまして、国内法たる海戰法規従つてこれらの検定行つた次第でありますが、今般の平和條約第十七條によりますと、わが国が戰争中行いましたこれらの検定について、いずれかの連合国から再審査要請がありました場合にはこれを再審査して、その審査の結果検定国際法に違反すると認められるときはこれを修正し、また前の検定をもつて捕獲された物件所有権を旧所有者たる連合国人に回復すべきことが明らかになつたときは、平和條約の第十五條に従いまして返還すべきものは返還し、補償すべきものは補償しなければならないことになつておるのであります。そこで検定の再審査要求に対する受入れ態勢を整備することは、平和條約を誠実に履行するわが国の意思を明らかにするために必要なことと考えますが、これがためには立法措置が必要になつて来るのでありまして、これがこの法律案を提案いたした理由であるのであります。  次にこの法律案の内容の概要をお聞き取り願いたいと思うのであります。まずこの法律案全体の構成について申し上げますと、この法律案連合国要求があつた場合における旧捕獲審検所検定の再審査に関する事項についてのみを規定いたしております。再審査の結果、返還あるいは補償すべきこととなつた場合の措置につきましては、この法律には規定いたしておらないで、連合国財産返還等に関する政令または連合国財産補償法によるごとといたしたのであります。  次に検定の再審査のために、この法律におきましては関係行政機関の職員及び学識経験者のうちから、内閣総理大臣の任命する委員長及び六八の委員をもつて組織される捕獲審検審査委員会昭和二十六年十月十一日の閣議諒解の線に沿い、運輸省の外局として設けるにとといたしました。  第三にこの法律案におきましては、この委員会は、日本政府連合国からの再審査要請を受理したときは、遅滞なく検定の再審査を開始しなければならないものとし、この再審査国際法従つて行わなければならないものといたしました。  第四にこの法律案におきましては、この審理の結果検定国際法に違反すると認めるときは検定を取消し、しからざるときはこれを容認しなければならないものといたしますとともに、検定を取消したときは検定によつて国所有となりました物件所有権は、捕獲当時の所有者たる連合国人に回復されることといたしました。所有権の回復があつた物件返還または補償については前に申し述べた通りであります。  最後に、捕獲審検の再審査の義務について、平和條約におきましては期限がございませんが、事柄の性質上平和條約の効力発生後比較的短期間の間に連合国要請が出盡すものと予想せられますので、この法律期限を一応三年といたしました。  以上がこの法律案概要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを望みます。
  4. 岡村利右衞門

    岡村委員長 本案に対する質疑次会に譲ります。
  5. 岡村利右衞門

    岡村委員長 次に昭和二十六年十月の台風による木船災害復旧資金融通に関する特別措置法案議題とし、提案者より提案理由説明を求めます。蘭谷君。     —————————————
  6. 關谷勝利

    關谷委員 ただいま議題となりました昭和二十六年十月の台風による木船災害復旧資金融通に門する特別措置法案提出理由を御説明申し上げます。  木船は、国鉄及び汽船と並んで、わが国内輸送にきわめて重要な役割を果しつつあるのでありますが、昨年十月に襲つたルース台風木船にも甚大な被害を與えたのであります。この法案ルース台風による木船災害復旧資金融資を円滑にすることを目的としたものでありまして、融資機関木船事業者に対し復旧資金融資をするときは、その融資につき政府損失補償及び利子補給の契約を結ぶごとができるようにいたしたものであります。すなわち復旧資金総額の限度を三億八千万円とし、これについて政府は、融資機関のした融資ごとに年四分の利子補給を行うとともに、融資機関ごとにその融資総額の三割以内の損失補償を行おうとするものでありまして、二十七年度予算中にはこれに要する予算措置も講ぜられている次第であります。  このような特別の措置によりまして、ルース台風による甚大な被害復旧を促進し、もつてわが国内輸送に支障なからしめたい所存であります。  何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  7. 岡村利右衞門

    岡村委員長 本案に対する質疑次会に譲ります。     —————————————
  8. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これより請願審査に入りますが、その前に審査の方法につきお諮りいたします。出席された紹介議員のみより説明を承るごととし、それ以外につきましては政府より意見を求めたいと存じますが、その取扱いに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岡村利右衞門

    岡村委員長 それではさようにとりはからいます。請願日程第六ないし第一五及び第一六を議題とし、紹介議員より説明を求めます。
  10. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 三戸千曳間鉄道敷設請願、第三二〇号、請願者青森上北野辺地町長吉田昌三郎外十五名、本請願要旨は、青森三戸三戸駅から五戸を経て上北三本木、七戸、三町を経て千曳駅に至る沿線約二十八マイルは、二十箇町村からなり、人口十七万余で、東北本線から遠ざかり、物資の集散及び交通の不便は少くない。沿線には近く市制となる三本木町を初め、政治、文化中心地七戸町、五戸町があり、地下資源農林資源に恵まれ、十和田湖の電源開発と相まつて鉄道敷設による産業の発展は必至である。ついてはすみやかに三戸千曳線敷設を促進されたいというのであります。ちなみにこの請願は、鉄道敷設法の中にすでに明記されておりますところの予定線と相なつておるわけでございます。
  11. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これに対する政府説明を求めます。
  12. 宮沢吉弘

    宮沢説明員 本区間は、ただいま御説明にもありましたように、鉄道敷設法予定線に該当しておりまして、沿線林農産資源が豊富でありますほか、三本木町とか七戸地方は馬の産地として著名なところでございます。途中の経過地といたしましては、相当に起伏が多い区間でございまして、途中には長大墜道も数箇所できるのではないかと考えられております。相当工事費は多額を要するのではないかという見通しがついておりますが、過去において着工いたしたことはございません。いずれ本年度におきましては審議会にもお諮りいたしまして、建設線にはきめられて行くだろうと見ておる次第でございます。
  13. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいまの御説明がありましたが、本線青森県の中央部を貫通するところの重要な路線でございまして三本木国営開墾を初めといたしまして、将来青森県の開拓の中心地となりますところがこの沿線にあるのでございます。従いまして重要な産業路線としまして、これは将来必ず生きて来なければならぬ経済線であると考えますので、何とぞ今後ともこの線につきましては御調査をくださいまして、すみやかに本請願要旨を達せられるようにお願い申し上げます。  次に蟹田三厩間鉄道敷設促進請願、第三二一号、請願者青森市長横山実外八名、本請願要旨は、津軽半島の豊富な資源を開放し、北海道松前郡との交通によつて地元民文化の恩典を浴させるために、また国鉄が毎年使用するまくら木の供給源開発の意味においても、すみやかに蟹田三厩間の鉄道敷設されたいというのであります。この路線昭和二十六年度中におきまして青森蟹田間二十七キロの間に、鉄道の絶大なる御支援によりまして十一月五日に営業を開始した路線でございます。営業の結果は非常に良好でございまして、鉄道といたしましてもこの鉄道敷設いたしましたところの趣旨を達成することができ、また地方民といたしましても、数十年来の念願を達することができましてたいへんな感激でありますことは、これは国鉄当局におかれましても、運輸省当局におかれましても御承知通りであります。だが蟹田までの鉄道通つたのでございますけれども蟹田からさらに三厩まで約二十七キロの間を完成していただきますならば、対岸北海道との交通は非常に短縮されることに相なるのでありまして、おそらくは対岸松前とこの三厩間というものは、一時間くらいの程度でもつて機帆船による交通の便利を得られるのではなかろうかと考えておるのでございます。どうか新線建設を取上げられるにあたりまして、この路線を何とぞひとつ蟹田から三厩まで延長していただきたい、これが青森県民百万の熱望するところでございます。何とぞひとつ慎重に御審議くださいまして、この路線敷設を達成せられ、県民の要望を達成せられるよう、おとりはからいのほどを申し上げたいのでございます。
  14. 岡村利右衞門

    岡村委員長 この件に関し、政府より御意見を承ります。
  15. 細田吉藏

    細田政府委員 ただいま御説明がございましたように、蟹田までの開業は昭和二十六年度において実施いたしたわけであります。これをさらに三厩まで延長するという点につきましては、本年度実施いたしました新線使命を、さらに生かすということになるものと考えております。御承知のように建設審議会も近く始まるごとになつておりますので、御検討願います候補線のうちの有力なものと考えております。
  16. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいま新線建設審議会に上程されますところの候補の有力なものとして御指摘くださいましたことは、まことに紹介議員として感激にたえないものがあるのでございます。何とぞ当局におかれましては、この線を三厩まで延長されることによつて、この線の持つところの本来の使命を達成することができるように、新線建設審議会等におかれましても十分に力説いたされまして、どうぞ地元民の熱意をひとつこの際おくみとりくださいまするように、さらにまた経済再建日本の大動脈といたしまして、この路線が十分にその使命を達することのできるように、何とぞ御援助のほどを申し上げたいのでございます。
  17. 岡村利右衞門

    岡村委員長 この点に関しまして、私も昨年夏同地方を視察いたしまして、この線の重要なことを十分認めたのでございます。この点政府におかれましても十分お認めくださいまして、ぜひとも近いうちに建設あらんことを切にお願いいたす次第であります。
  18. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 次に大湊大間間鉄道敷設請願、第三二二号、請願者青森下北田名部町長中村喜洋志外八名、本請願要旨は、青森下北半島は、石炭砂鉄等鉱産資源、ひば等森林資源、いか、こんぶ等水産資源を有する一大宝庫で、国土総合開発特定地区として申請しているが、これら資源開発のためには大湊大間間の鉄道敷設が急務であり、北海道との交流、本州中央市場との直結のためにも、本鉄道敷設は重要な役割を有する。ついては大湊大間間に鉄道敷設されたいというのであります。次に田名部尻屋間鉄道敷設請願、第三二三号、請願者青森下北川内町長斎藤慶吉外八名、本請願要旨は、青森下北半島は、石炭砂鉄等鉱産資源、ひば等森林資源、いか、こんぶ等水産資源を有する一大宝庫であるが、終戰時まで海軍要塞地帯であつたため、未開発のまま温存されていた。郡町村会及び県当局国土総合開発特定地区に申請中であるが、今回下北開発工業株式会社石灰石からセメントを、新報国製鉄株式会社砂鉄から鉄ならびにチタン、バナヂウムを田名部町にある旧特殊鋼管工場を使用して製造計画中である。ついては右鉱区は東通村尻屋附近にあるので、田名部尻屋間に鉄道敷設し、農、水、林、畜等各種生産物輸送並びに住民の交通に便益をはかられたいというのであります。
  19. 岡村利右衞門

    岡村委員長 この件に関して政府より御意見を求めます。
  20. 細田吉藏

    細田政府委員 まず初めの大湊大間間の鉄道の件でございますが、この区間鉄道敷設法予定線に入つておりません。私どもといたしましても十分な調査をまだしていないのでありますが、ただいま御指摘になりましたように、林産、鉱産水産資源が非常に豊富であることは承知しております。ただ工事について考えてみますと、相当地勢の急峻なところでございまして、長大な隧道ができるのではないかというふうに考えております。今後この点は調査いたしまして、さらに全般の問題として敷設法予定線以外のものをどうするかという点を検討いたさなければならぬかと考えております。  それから田名部尻屋間の問題でございますが、これまた予定線ではございません。産物についてもいろいろ今お話がございましたが、相当開発と申しますか、交通不便なところで、相当資源は豊富でございます。なおこの線は、おおむね海岸線を走つておりますので、工事は容易じやなかろうかと思つておりますが、輸送状況等を今後調査いたしたいと考えております。
  21. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいま御答弁がありましたように、この二件の請願は、鉄道敷設法の中にいまだ記載されていないところのものでございます。従いまして私ども国会といたしましても、今後の日本経済再建のために最も役立つところの経済開発という点を眼目といたしまして、鉄道敷設法の一部を改正して行かなければならない。かような観点に立つて、当委員会においてもいろいろな立場から研究を遂げておるようなわけなのであります。この地方は長いこと要塞地帶として海軍並びに陸軍がこれを温存して参りまして、まつたく斧鉞を加えないといつた場所が多いのでございます、従いまして幸か不幸か今日までこの資源が未開発のままに放置されておつたのでありますが、しかしながら終戰後日本の荒廃せる国土を再建して、日本を何としても自立経済に持つて行かなければならないという観点に立てば、要塞地帶として今日まで隠されて来た当地方は、今後の日本のために、まことに偉大な血脈たる役割を果すものであると私ども考えて、いささか慰めておるような次第であります。本県の石灰石推定埋蔵量約二十億トンでありまして、ただいまこれは室蘭の富士製鉄輪西工場が用いておるのでございます。先ほどの請願者趣旨にもありましたように、田名部地区には下北開発株式会社セメント工場ができ上りまして、本年の十一月ごろから煙を吐くような段取りに相なつておるわけでございます。従いましてこの石灰石を持つて来て、これに電力を加え、人間の力を與う限り加えまして、セメントあるいはビニール、あるいは人造ゴム、そういうものの材料に用いて行かなければならぬというので、青森県当局においても国土総合開発の一環として、これをぜひ開発していただきたい、こういう趣旨請願を出しているわけでございます。また硫化鉄鋼についても、これは大正年間阿部城鉱山というのが全国第三位の銅山として世に宣伝されたことがあるのでございますが、この地域にはいまだ硫化鉄鋼の現存せるものが非常に多いのでありまして、現に阿部城、大場の二つの鉱山が月産二千トンくらいを産出しておる次第でございます。なおまた石炭は今休止のやむなきに至つておりますが、猿ケ森という地帯には三百五十万トンの石炭埋蔵量があるのでございます。川内地方には亜炭が約二百万トン埋蔵されておるような実情も判明しておるわけであります。それからこの地方には莫大な数量の砂鉄があるので、ございまして、戰時中にはこの砂鉄をもつて日本特殊鋼管株式会社砂鉄の精錬を行つて参りました。ただいまチタンあるいはバナジウム等を是が非でも生産しなければならぬ状況にありますので、この地区における砂鉄というものはフット・ライトを浴びて参りまして、中央地方事業家がどんどん足を運んで、ただいまその埋蔵量等調査研究を遂げているようなわけでありまするが、その推定埋蔵量は約一千万トンといわれているのであります。また恐山という霊境がございまして、これは硫黄山でまことに名高いところでございまするが、そこにありますところの硫黄も数千万トンといわれているのでございます。その他森林資源といたしましても五千万石と推定されるものがここにあるのでございます。こういういろいろな日本経済再建に重要な資源開発するためには、何としましても国有鉄道敷設ということが重大な要件と相なるのでございまするから、どうぞ今後当局におかれましては、この点を十分御調査くださいまして、地方開発のため、日本経済再建のために一段と御努力あられるようにお願い申し上げる次第でございます。
  22. 岡村利右衞門

    岡村委員長 この両請願につきましても、委員長は昨年当地方へ視察に参りまして、ぜひとも近日中に鉄道敷設の必要があると認めて参りました。この点政府当局におかれましても十分御了解あらんことを切にお願い申し上げます。
  23. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 次に道南西海岸線鉄道敷設請願、第三二六号、請願者北海道檜山郡江差町長谷口太一外二十三名、本請願要旨は、北海道松前松前町より檜山郡江差町を経て瀬棚郡瀬棚町に至る区間、すなわち既設国有鉄道福山線終点から江差線終点を経て瀬棚線の終点に至る延長約百七十六キロメートルの間に鉄道敷設すれば、関係地方産業振興、文化の向上並びに住民の増進の増進はもちろん、北海道の総合開発上に大なる役割を果すことができる。ついては道南西海岸運輸交通上の命脈である同線の敷設を実現されたいというのであります。この線も、鉄道敷設法の中に一部編入されているところと、ないところとあるのでございまして、やがては鉄道敷設法の一部を改正いたしまして、この路線を取上げなければならない問題かと存ずるのでありまするが、この道南地区北海道開発の歴史の上から見ましても、非常に早く開けたところでございます。実は私のごときも父親とともにこの地区に住居をいたしまして、開拓の仕事をやつてつたのであります。後年仕事の都合上、私は郷里の青森県に帰りましたが、青年時代からこの地方の開墾のために、私ども親子が力を注いで参つた地区でございます。非常に早く開けたところでございますけれども鉄道の恩恵は今日まで受けて参つておりません。そこで鉄道敷設することが、道南地区開発に非常に役に立つ基礎と相なるのでございますから、何とぞこの鉄道敷設に関しましても、当局におかれましては十分御調査を遂げられまして、請願者趣旨を達成せしむることのできるように、お取上げのほどをお願い申し上げるものでございます。
  24. 岡村利右衞門

    岡村委員長 この件に関しまして政府当局意見を求めます。
  25. 細田吉藏

    細田政府委員 ただいま御説明がございましたように、この路線は道南の日本海の方面を縦断いたす線でございまして、各種の資源が非常に豊富であるという点につきましては、先般来しばしば地元の方々にもおいでをいただいて、よく承知いたしている次第でございます。ただいま御説明もございましたように、小島大澤から大島までは建設予定線でございまして、路盤工事が一部完成しております。ただその他の区間、大島から以北の区間は全然敷設法予定線に相なつておりません。北海道開発の問題といたしまして、その重要な一環として今後調査をいたしたい、かように考えております。
  26. 岡村利右衞門

    岡村委員長 この件に関しましても、委員長は昨年当地方に参りまして、十分視察して参りました。その線もぜひとも必要なものと認めますので、政府当局においても御留意あらんことを切にお願いいたします。     —————————————
  27. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 大間鉄道敷設促進並び大間国営修築等請願、第四一二号、請願者青森下北郡風間浦村長永井武三郎外十三名、本請願要旨は、現在本州、北海道の連絡は青森函館を結ぶ青函連絡航路一線のみで、現下の両港運送能力より推定するに貨客の運送上万全を期しがたい実状である。ここにおいて本州、北海道の最短距離に位する大間、函館間に新航路を新設すれば、まさに数時間を短縮することができ、また燃料等の節約も多大である。ついては大間、函館間に新航路を開設するとともに、大間港を国営で修築し、かつまた大間鉄道をすみやかに完成されたいというのであります。  次に大畑鉄道敷設促進請願、第四一三号、請願者青森下北大間町長中嶋徹夫外十三名、本請願要旨は、大畑鉄道工事は、大畑、大間間二十九キロのうち柔畑まで十六キロの至難の基礎工事が完成し、十三キロの比較的平易な工事を残して中止となり現在に至つているが、わが国産業経済の振興旅客の増加は北海道との最短距離による連絡に最も大きい期待がかけられ、かつ下北郡ことに北通町村の莫大な海産物、林産物、鉱石の輸送文化の興隆は、かかつてこの鉄道開通のいかんにある。ついては該鉄道をすみやかに敷設されたいというのであります。この鉄道は、第四一二号におきまして大間鉄道敷設促進となつておりまするが、この大間鉄道と申しまするのは、実は御承知の第四一三号の請願にございまする大畑鉄道敷設促進のことなのでございます。これは大間町から大畑まで参りまするので、そのためにここに大間鉄道というような名前を使つたのでございまするが、鉄道敷設法の中には大畑鉄道なつておるのでございます。これは同じ趣旨のことなのでありまするが、この請願趣旨は、大間港という港が函館の対岸にございまして、この港は運輸港といたしまして、ただいままで二箇年ばかり運輸省で金をつつ込んで、相当の浚渫をやり、あるいは岸壁等をつくり上げておるのでございます。これに約百メートルぐらいの防波堤を築造いたしますると、約五百トンぐらいの旅客船なら接岸することができるような仕組みに相なつておるのでございます。この防波堤ができ上りますれば、函館との交通に非常な便益を與えることに相なるのでございまして、五百トン級の船ならば、一時間半ぐらいの航程で函館から大間に達することができるのでございます。従いましてただいまその目的のもとに運輸省の港湾局におきましては、莫大な金をかけまして港湾の修築をやつているようなわけであります。この港湾の修築ができ上りますれば、これは北海道との運輸交通上重大な影響をもつて来るという観点に立つて、ただいまのこの大畑鉄道敷設促進ということが取上げられる問題かと考えるのでございます。大畑まではおかげさまで鉄道が通つておりまして大畑から桑畑までの間約十六キロというものは、土工工事等におきましてももうりつぱにでき上つております。トンネルも開通しております。また鉄橋等もりつぱにかけられておるのでございまして、これにただ線路さえ敷けば、桑畑までの十六キロは鉄道を運行することができる状態になつておるのでございます。従いましてこの港と鉄道とは、唇歯輔車の関係に立つのでございまして、港ができ上れば鉄道鉄道ができ上れば港という段階になつておるのでございまするが、私ども地方民といたしましては、青森県内に先ほど私が申し上げました、ただいまの蟹田鉄道三厩への延長もお願い申し上げておる関係がありまして、この大畑鉄道に関しましては、まず先に港をつくつてほしい、その港ができ上つてからひとつただいまの大畑鉄道をひつばつていただきたい、こういう請願趣旨なのでございます。ですから、地方民といたしましては、この重要なる路線二本を一度にお願い申し上げることは、他地区に対するいろいろな関係もございますので、お願い申し上げておりません。まず港をつくつて、それから鉄道を通してもらいたい。こういう非常に穏健なお願いでございますから、その点十分お含みくださいまして、この鉄道促進のためにいろいろごあつせんくださいますようにお願い申し上げる次第でございます。
  28. 岡村利右衞門

    岡村委員長 この件に関し政府より意見を求めます。
  29. 細田吉藏

    細田政府委員 ただいま御説明もございましたが、下北大間間四十九キロのうち、下北、大畑の十八キロは開通しておりまして、残余のうち大畑、桑畑間約十七キロは土工工事が完成しております。残りの大間までの約十四キロは、線路の設計は済んでおりますが、着工はいたしておりません。本線下北半島の林産資源水産資源開発におきまして非常に重要性を持つているものと運輸省としても考えております。  なお請願の四一二号の方にございます函館との連絡航路の問題でございますが、これにつきましてはすでに御承知と思いますが、現在の本州方面の連絡航路を青森だけに依存することについては、相当きゆうくつがあるのでございまして、港を東北本線大湊に設備をいたしてございますが、まだ使用開始をいたしておりません。最近におきまして青森の連絡設備といつたようなものと関連をいたしまして、これの使用をどうするかということをただいま検討いたしております。なお大間と函館とを結ぶということにつきましては、現在計画はいたしておらないのでありますが、本線が全通いたしました場合は、考慮研究をいたす必要はあろうかと考えております。ただ本線としてこれを使うという場合には、線路の規格その他につきまして相当難点ができて参りますので、その点を十分に考慮した上でなければできないかと考えております。
  30. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいま部長さんからの御説明でございますが、本線としてこれを御採用願いたいということは、私どもの方といたしましてもお願い申し上げているのではございません。ローカル線でけつこうでございまして、とにかくこの港を利用する、さらにまた港を利用するためには鉄道鉄道を利用するためには港、こういうような唇歯輔車の関係にございますので、港は運輸省がもう現にやつているのでございますし、鉄道といたしましても大畑まですでに竣工しておるのでございますから、この路線につきましても十分に御検討を加えられまして、一日も早く地方民の熱望を達することができるようにおとりはからいのほどをお願い申し上げたいものでございます。
  31. 岡村利右衞門

    岡村委員長 この件に関しましても、ちようど昨年当地方へ視察に参りまして、十分その必要なことを認めた次第でありますから、政府当局におかれましてもこの点十分御留意あらんことを切にお願いいたします。     —————————————
  32. 岡村利右衞門

    岡村委員長 次に日程第三八、隼人、大泊間鉄道敷設請願議題とし、紹介議員より説明を求めます。前田君。
  33. 前田郁

    前田(郁)委員 隼人、大泊間鉄道敷設請願につきまして、ちよつとお願い申し上げたいと存じます。この線は隼人から古江につなぎまして新線になるわけでありますが、さらに鉄道予定線として南の方の川北というところまで予定線なつております。さらにこれを大泊まで延ばしてもらいまして、これを敷設してもらいたいというわけであります。この線は九州では古くから取上げられていてしかも非常に重要な線として今日まで私どももいろいろとお願いをして参つたのであります。     〔委員長退席、山崎(岩)委員長代理着席〕 この地区は御承知通り総合開発の特別地区の十九箇所の一つとして取上げられまして、鹿児島県におきましては数年前より大隅開発の問題として、県でも相当莫大な金を入れて開発計画をやつております。今度は国家が取上げて、この未開発地区をば開発して行こうというわけであります。御承知通り台湾を失いました今日においては、日本のしようのうの約八割というのはこの大隅が産地であります。それから木ろうのごときも、日本の生産額の五割はこの地区であります。それから御承知通り千古斧鉞を知らずという大森林がありまして、そうしてここで切り出すところの坑木が、ほとんど北九州に参つている次第であります。なお大阪方面にも木材が搬出をされているのであります。こういう林産物その他の農産物の資源が非常に豊富ではございますが、何しろ古江までしか鉄道が参つておりませんので中途半端であつて、貨車繰りが悪いために、せつかくの林産物、農産物を送ることができない、こういうわけで実は非常に困つているわけでありまして、先年来猛烈な運動をいたしておつたのでありますが、こういう国際情勢でありまして、なかなか新線敷設もできないのであつたのでありますが、ようやく新線建設審議会もできますし、なお自由党側の委員も昨日きまつたようでありまして、これから小委員会等において本格的に取上げられることと思うのであります。それでありますからこの古江から隼人、古江までは大体国鉄の方で考えられているのでありますが、これを私どもは大泊まで延ばしてもらいたい、こういうわけでありまして、三万町歩の林産物が南の方にありまして、今後またこれが開通しますれば——ただいま一番しまいの大泊港は運輸省が力を入れている。昨年も日本全国で一港だけ新設いたしているのであります。そしてこの大泊港を一港だけ坂上げたということは、ここに鉄道敷設される、なお国道が開発される、そうしてさらに種子ヶ島と連結をして行く。こういうためにこの大泊港が昨年度一港だけ新設港として取上げられたわけでありまして、非常に重要な利益があるわけでありますから、どうかひとつ隼人、大泊間の鉄道敷設としてこれの採択をお願いしたいと存ずる次第であります。なお国鉄当局、また運輸省当局の方からも、特にこの線に対してお力添えをお願いしたいと存ずる次第であります。
  34. 山崎岩男

    山崎(岩)委員長代理 本件につき政府より意見を求めます。
  35. 細田吉藏

    細田政府委員 ただいま御説明もございましたが、本区間のうちで古江、高須間はもう開業いたしております。なお川北から大泊までの南の方の延長予定線に該当しておらないのであります。ただいま御説明もありましたが、この地域も非常に農産、水産、林産各方面の資源が豊富なだけでなくて、沿線の人口も相当多く、都邑も相当大きいものがあるのでありまして、いろいろ御不便を見ておられることは、私どもよく承つているような次第でございます。先ほど来申し上げました通り建設審議会審議願うことになると思うのでありますが、特に古江以北につきましては私ども調査をいたしておりますが、南の方につきましては予定線に入つておりませんので、実は調査をいたしておらないのであります。なお隼人、古江の間は、申し上げるまでもなく国営自動車を現在運転しております。     —————————————
  36. 山崎岩男

    山崎(岩)委員長代理 次に日程第一一、第二八及び第三六を一括議題とし、紹介議員説明を求めます。岡村委員
  37. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 日程第二五、第二八について説明を申し上げます。本請願要旨は、国有鉄道高山線猪谷駅から岐阜神岡町を経て中央本線松本駅に達する信飛鉄道敷設に関しては、過去四十数年間地元民の熱望して来たところであるが、講和條約の成立した今日、世界有数の鉱山、電力資源及び大森林を有する飛騨地方開発上、この鉄道使命は一層その重要度を加え、一刻の逡巡をも許さない事態に立ち至つております。ついては、地方文化の向上並びに地方産業発展のため、すみやかに同区間鉄道敷設あらんことを切にお願いするものであります
  38. 山崎岩男

    山崎(岩)委員長代理 本件につき政府より意見を求めます。
  39. 細田吉藏

    細田政府委員 本区間のうちの猪谷と船津の間は鉄道敷設法予定線なつております。また松本から川渡り付近、この間が予定線に該当しております。そのまん中のところは山岳地帯でございますが、これは予定線に入つておりません。これは鉱産資源といたしましては非常に豊富な地域でございまして特に鉛、亜鉛とついつたような基礎物資が相当豊富にある。ただ地形が、これは申し上げるまでもなく非常に險岨なところでございまして、相当長大な隧道また橋梁もかなり多くあるというようなことで、巨額な工費を要するのではないかとり考えております。必要性につきましては、請願趣旨にもございます通り重要かと考えておりますが、敷設法予定線にない点、それから工事としましては非常に難工事であるということを申し上げたいと思います。
  40. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 この鉄道の困難のことは十分認めておりますが、猪谷、神岡間だけをぜひとも確立せられんことを切にお願いするものであります。この間は大体二十一キロでございますので、工費も相当かかりますが、地元においても非常に熱意を持ちましてある程度の負担は負うということを申しておりますので、ぜひともこの熱意をお買いくださいまして、この鉄道の完成を一日も早くせられるよう切にお願いするものであります。次に日程一一をお願いいたします。本請願要旨は、中部日本の宝庫である奥三河一帯、静岡県北部山岳地地帯、岐阜県東南部一帯に埋蔵されている資源はきわめて豊富であるが、これらの資源交通の不備に災いされ、その開発は遅々として進まない。しかるに遠江二俣駅より明知駅間に鉄道敷設すれば、延長わずか八十キロで静岡、愛知、岐阜三県の資源地帯を縦貫し、人的交通資源開発上に寄與するところきわめて大であります。ついてはすみやかに前記鉄道敷設せられんことを切にお願いするものであります。
  41. 山崎岩男

    山崎(岩)委員長代理 本件につき政府より意見を求めます。
  42. 宮沢吉弘

    宮沢説明員 ただいま御請願にございました区間は、大体鉄道敷設法の予定路線に該当しておりますし、沿線には相当の林産資源がございます。また途中田口とか岩嶽とかいう相当の都邑もありますけれども経過地は非常に急峻な山間部でありまして、起伏も屈曲も非常に多く、この区間も先ほどの区間と同様に、隧道も橋梁も非常に多い区間ではなかろうか、従いまして工事費としても相当巨額に上るのではないか、かように考えられる次第でございます。われわれといたしましても今後十分調査研究いたしたい、かように考えておる次第であります。
  43. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 この線の工事費の多額なことは十分認めておりますので、今年度におきましてはぜひとも調査費をお出しあらんことを切にお願いいたします。  次に第三六について申し上げます。本請願要旨は、中央線中津川駅と高山線下呂駅間を結ぶ国有鉄道敷設は、戰争勃発のため中絶のやむなきに至つたが、産業の振興、資源開発並びに観光のために、ぜひとも本線敷設されたいというのであります。
  44. 山崎岩男

    山崎(岩)委員長代理 本件につき政府よりの意見を求めます。
  45. 細田吉藏

    細田政府委員 本区間敷設線の予定線に該当しております。沿線は林産、鉱産等豊富でございます。ただ沿線の人口は非常に稀少ではないかと考えておりますが、経過地としましては、川に沿つておりますので、一般に平坦のようでございます。ただ塞ノ神峠と舞台峠というのがありましてその付近が相当急峻になつております。本件につきましてもまだ詳細なる調査をいたしておりませんために、至急調査しまして研究いたしたいと考えておる次第であります。一
  46. 岡村利右衞門

    ○岡村委員 この線につきましても、詳細なる調査がまだないとのお話でございますので、ぜひとも今年度におきまして調査費を十分お出しくださいまして、十分な御調査あらんことを切にお願いいたします。     —————————————
  47. 山崎岩男

    山崎(岩)委員長代理 次に日程第一ないし第五、第十二ないし第一四、第一七ないし第二七、第二九ないし第三五、第三七、第三九ないし第四二を一括議題とし、政府より意見を求めます。
  48. 細田吉藏

    細田政府委員 ただいま一括上程となりました請願の個々のものについて全部御説明申し上げますと、相当長時間にもなりますので、一般的に申し上げたいと思います。  この中には赤穂線、日田線、越美南線というような、ほかにもございますが、予定線に含まれておるものもありますし、また予定線に含まれておらないようなものにつきましても、何回か請願が出ております。この中ですでに相当詳細な調査をいたしまして、来るべき建設審議会において御審議願うことになつておるものも相当散見いたすのでありますが、まだ未調査のものも大分ございます。また予定線に該当しておらないものもございます。これらの未調査のものあるいは予定線にないような区間につきましては、今後請願の御趣旨を十分わきまえまして研究をいたしたい、かように考えておる次第でありますが、個々の問題につきまして何かございますれば、なおお答えを申し上げることにいたします。簡単でありますが一応御説明申し上げます。     〔山崎(岩)委員長代理退席、委員長着席〕
  49. 岡村利右衞門

    岡村委員長 私から一言申し上げますが、岡崎線につきまして、実は私はこれを視察したのでありますが、この地方は非常に平坦地であり、また岡崎と挙母、瀬戸、多治見をつなぐ路線であります。この路線は大体五十キロであります。五十キロでこの四つをつなぐことは、平坦線でありますので経費もかからないし、また非常に重要であると思いますので、この点ぜひとも早く完成されんことを切にお願いする次第であります。
  50. 細田吉藏

    細田政府委員 岡崎線につきましては御承知通り、国営自動車路線第一号の路線であります。私ども十分調査いたしておるような次第であります。
  51. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 運輸省の国有鉄道部長さんの御出席をいただきましたこの機会におきまして、鉄道敷設法の一部改正という点について御意見を承りたいと思うのでございます。ただいま上程されました請願のうちにも、予定線なつておりますのと、また予定線なつておりませんものとございましたことは、先ほどの細田政府委員からの御説明にも明らかでございますが、つきましては今日の日本の国情からいいまして、経済開発という重点に立つて、ぜひともここに鉄道敷設してほしいという国民の熱望が頻繁に本委員会請願なつて上程されておるわけなのでございます。つきましてはこの問題をこのままでもつて投げておくわけには行かない。何としてもこれは国民の要望するところを私どもも達してやりたいものと、今かように考えておるわけでございまして、さればこそ私どもは国会が休会となりますと、国政調査という手段をもつて各地に出向きまして、いろいろ実情を調査し、そうしてまた地方民のいろいろな熱望を聞いて参つておるのであります。その結果といたしまして、これはどうも鉄道敷設法を改正いたしまして、予定線でないものであつても、将来日本経済再建のためには役に立つものである、こう断定することのできたものに対しましては、これを取上げて何とか処置を講じなければならない、かように考えておるのでございます。当委員会といたしましても、委員の諸君が寄り合いますたびにこの問題を論議し合つておるので、ございまして、何とか鉄道敷設法を改正いたしまして地方民の要望することをかなえてやらなければならぬ。そのためには何としても鉄道敷設法を改正いたしまして、そうしたいろいろな希望を織り込んでやらなければなるまい、こういうような結論を持つておるわけでございますが、当局といたしましてこの点について、当局案として鉄道敷設法を改正せられる御意思がございますでしようかどうか、その点を承りたいと思います。
  52. 細田吉藏

    細田政府委員 ただいまの御質問は非常に重大な御質問でございまして、大臣からお答え願わなければならぬ性質のものだと思つておりますが、事務当局の考え方としてお聞きを願いたいと思います。鉄道敷設法予定線につきましては、相当長い期間触れておりません。その間に今回の戦争があつたわけでございまして、先ほど陸海軍のお話もございましたが、日本の情勢もいろいろかわつてつておると思います。この請願の件を見ましても、相当多数その後の情勢の変化による新線の要望、敷設法の別表を改正の要望が出ておるわけでありまして、この点につきましては新しい見地から見直す必要があろうかというふうに考えておりますが、本件に関しましても、いずれ建設審議会でこの問題を右にするか左にするかの御答申をいただいて、大臣が決定するのだというふうに考えておる次第であります。ただいまのところではこれに対しまして私どもの方で具体的に準備を進めるという段階に至つておりません。これは未成線あるいは敷設予定線調査に追われておるものでありますから、事務的にそこまで参つておりませんが、そういう方針の決定と相まちましていろいろ調査をし研究をいたしたい、かように考えておる次第であります。
  53. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいま政府委員から御説明を承つた次第でございますが、私ども委員会に対しまして第一回国会から請願されました予定線なつていないもの、すなわちまだ敷設法の中には記載されておらないところのものであつて、しかも地方民が非常に要望しておるところの路線、その取扱いをどういうふうにしたかということを、いろいろ私ども委員会の専門の委員の方々にお願いしまして調査いたしましたところ、六十線以上あるのであります。そこでこれはどうしても捨ててもおかれませんし、何とかこれを具体化しなければならないという考え方を持つておりますので、もしも政府当局においてこれを改正せられるという積極的な御意思がなければ、私ども委員会において議員提出として、この敷設法を一部改正する心構えを持つておるような、次第でございます。従いまして私どもの方といたしましてもいろいろな観点に立つてただいま研究を進めておりますから、また政府当局ともいろいろ御懇談申し上げる機会もあるかと思いますので、その際には何とぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。  なお新線建設につきまして、先ほどから政府委員の御説明も承つたのでありますが、今年度の予算といたしましては何と申しましてもわずかに二十億円の金であります。この二十億の金をもつていろいろな方面から要望せられております新線に着手するということは、ちようど娘一人に婿八人といつたぐあいで、まことに容易ならざる立場でございましよう。そこで私ども與党といたしまして自由党の政務調査会におきましてはこの問題を取上げて、いろいろな角度から研究して参つたのでありますが、二十億では何としても国民の要望するところに沿いかねるものがございますので、せめてあと二十億今度補正予算でも上程される際に、何とかこれはまかなつてもらわなければならないということに意見が一致いたしまして、自由党の政務調査会案としては、さらに二十億を追加する、それは私ども何としても大蔵大臣にお願い申し上げまして、次の国会の補正予算の際にはぜひとも二十億を新線建設のためにまかないを立ててもらわなければならないということに話合いをい  たしまして、実はその結論を得た次第なのであります。従いまして自由党の方からも政府並びに国鉄方面にいろいろなお願いがあるかと思いますが、新年度において着手せられます路線を選定される際には、二十億ではなくて四十億の線でもつて御選定を願いたい。そういう意見が私ども党内において結論づけられておるわけでありますから、その点ひとつ御了承くださいまして、新線建設候補線を定められる際には、どうかひとつ二十億でなく四十億の線で御選定を願いたいということを、この機会に政府にお願い申し上げたいと存じます。この点について御意見はございませんか。
  54. 細田吉藏

    細田政府委員 御意見をお求めになりましても、私ども四十億というものは本式に承つておりません。さようなことにはつきりなりますれば、ただいまお説のような線に相なるかと思つておりますが、ただいまのところではまだ何も承つておりませんので、何とも申し上げかねる次第でございます。
  55. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 これは近く自由党の方から必ず申込みのあることと私ども期待しております。ただいまもう三月も半ばを過ぎようとしている際でございまして、新年度にあと旬日を出ずして入るわけで、これから着手しなければならないと思いますが、新線建設の点につきましてこのくらいの程度の予定を組んでいるということが、政府委員の方でもしもおわかりでございましたら、この際お漏らし願いたいと思います。
  56. 細田吉藏

    細田政府委員 政府の事務当局といたしましては、どの線とどの線をつくるとか、あるいは何線くらいつくるとかいつたような案はつくつておりません。また予定線全部について調査をいたすということにつきましても、数も百以上にもわたつているような次第でございますので、第一回国会以来いろいろ御議論になりましだり、あるいは請願がございましたり、そのほかに地方で非常に要望の切なるもの、また私どもの方で交通系路上から考えてこれをつなげば非常によくなるというように、いろいろな観点からある程度のものを選定いたしまして、調査をいたしておるだけでございます。あくまでも客観的な調査をいたしておるわけでございまして、建設審議会でそれに基いて御議論願、なお私どもが一定のものを調査いたすと申しましても、その判断についてまた問題もあろうかと思います。もちろんそれにつけ加えてこういう点は調査しなければ困るというような議論も出て来るのではないかと思います。その線につきましても私ども絶対的のものとは毛頭考えておりません。必要があればさらに追加をして調査をいたす、このように考えておるわけでございまして何線くらい、二十億円ならどうする、四十億円ならどうするということについては毛頭考えておらない次第でございます。
  57. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 御説明を承つた次第でございますが、御承知通り鉄道工事に着手いたしましていまだその竣工を見ない未成線というのがまだ二十三、四線残つておるはずであります。そういうような点も坂上げてやらなければならぬ次第でございますし、さらにまた二十六年度において御当局の御英断によつて着手いたされましたところの青森県の津軽線、青森から蟹田まで、それから赤穂線、窪川線、こういう路線が三線よいあんばいに着工を見て、ただいま地方民が非常に喜んでおりますことは、先ほど私申し上げた通りでございますが、こういう線も実はまだ中途半端の路線で、ございまして、これに命脈を與えようとするならば、もう少し延長してもらわなければ、その目的を達することができない実情になつておるのでございます。私は窪川線の状況、赤穂線の状況を見て参つたのでございますが、これはもう少し延ばしていただかなければ、その本来の目的を達することはできない、まして私どもの県の津軽線のごときに至りましても、蟹田から三厩まで延ばすことによつて、この線を敷設いたしました目的を達することになりますが、中途半端で帯に短かしたすきに長しといつたような状況なつておりますので、この点は政府といたしましても慎重に御研究くださいましてぜひともこの線の延長をいたされるようにごくふうあそばされまして、新線建設委員会等につきましても十分資料を提供されて、この路線の最後の目的を達せしめるように御配慮のほどをお願い申し上げます。この点について政府当局の御意見を承りたいと思います。
  58. 細田吉藏

    細田政府委員 先ほど津軽線について少し申し上げましたようなわけでございまして、候補線といたしまして何と申しましてもまだ未成線、それから最近敷いたようなところは私どもといたしましては最も重点を置いて調査をいたしております。どのように御決定を願うかは、私ども答申を待ちましてから検討いたしたい、かように考えております。
  59. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 何とぞよろしくお願いいたします。私はこれで終ります。
  60. 岡村利右衞門

    岡村委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会