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1952-02-06 第13回国会 衆議院 運輸委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月六日(水曜日)     午後一時二十二分開議  出席委員    委員長 岡村利右衞門君    理事 黒澤富次郎君 理事 滿尾 君亮君    理事 山崎 岩男君 理事 淺沼稻次郎君       稻田 直道君    岡田 五郎君       尾崎 末吉君    片岡伊三郎君       關谷 勝利君    玉置 信一君       坪内 八郎君    畠山 鶴吉君       前田  郁君    山本 猛夫君       江崎 一治君    石野 久男君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 村上 義一君  出席政府委員         運輸政務次官  佐々木秀世君         運輸事務官         (大臣官房会計         課長)     辻  章男君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (船員局長)  山口  傳君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      荒木茂久二君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  細田 吉藏君         運輸事務官         (自動車局長) 中村  豊君         運 輸 技 官         (港湾局長)  黒田 靜夫君         海上保安庁長官 柳沢 米吉君         航空庁長官   大庭 哲夫君  委員外出席者         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部財政課         長)      鈴木  滋君         日本国有鉄道総         裁       長崎惣之助君         日本国有鉄道副         総裁      天坊 裕彦君         日本国有鉄道参         事         (自動車局長) 片岡 義信君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ————————————— 二月五日  委員山本猛夫辞任につき、その補欠として小  西寅松君が議長指名委員に選任された。 二月六日  委員小西寅松辞任につき、その補欠として山  本猛夫君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  昭和二十七年度運輸省及び国鉄関係予算に関す  る件     —————————————
  2. 岡村利右衞門

    岡村委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き昭和二十七年度運輸省及び国鉄関係予算に関し質疑を続けます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。岡田五郎君。
  3. 岡田五郎

    岡田(五)委員 最近日本国策といたしまして、外航用船舶増強ということが大きく取上げられておるのであります。しかも首相の施政演説また安本長官施政演説におきましても、日本商船隊拡充ということが特に取上げられまして、声明せられておるのでございます。しかるにこの新造船建造資金調達の面におきましていわゆる財政支出による見返り資金支出市中銀行からの融資によりまして新造船を進めておる現状でありまするが、一方飜つて見返り資金状況考えますると、毎年々々見返り資金運用額というものが先細りといいますか、少くなつて来た。また一面市中金融融資は、一般通有性とはいいながら、オーバーローンの傾向がますますはげしくなつておりまして、ことに造船融資船舶融資に対するオーバーローン状況は、他の産業に比較いたしまして非常な程度になつておるのであります。かような金融資金運用の面から考え合せますると、今後の新造船相当程度自己資金によるという方法も、またあわせなければならない事情にあるかのように私たちは推察いたすのであります。幸いにいたしまして、このたび前国会から提出審議されております企業合理化促進法が制定せられまして、関係各省におきましてはそれぞれ業種を指定しておられるのであります。すでに通産省関係におきましては、種々の業種が指定されておるようでありますが、運輸省関係におきましてはいかなる業種を指定しておられまするか、また指定せんとしておられまするか、この点をまず承りたいのであります。
  4. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 企業合理化促進法は、御承知通りまだ参議院で審議中でございまして、目下大蔵省が中心になりまして、これはいかなる業種適用するかということを協議中でございます。ところで大蔵省は、これが多種類の業種適用されますると、減税額が相当多量になりますので、これをできるだけ少いものに押えたいというので、関係省打合せをしておるのでございまするが、なかなか意見の一致を見ていないのであります。運輸省といたしまして、これが適用になりますのは、一応話がついておりますのは、造船、それから車両工業、それに船舶につけまするレーダーとか、そういう特殊の器具、こういうものだけに適用しようじやないか、こういう大蔵省側意見でございましてこのほか荷役機械設備、それに私の直接関係いたしております新造船に対する適用ということが、今までの話合いでは全然見込みがないという状況であります。
  5. 岡田五郎

    岡田(五)委員 今承りますと、大体造船工業車両製造工業船舶用レーダーその他の特殊な装備品というようなのものにつきまして、一応話がまとまつておるように承つたのであります。先ほど来申し上げますように、日本外航用船舶増強という問題は、講和條約後における日本の大きなる国策一つであると私は考えるのでありまして、あらゆる方途を講じましてこの外航用船舶拡充方策を樹立しなければならない、かように私は私見といたしまして持つておるのでございますが、先ほど来申し上げまするように、自己資金調達唯一最善方法といたしまして、私はこの企業合理化促進法案適用品種といいますか、業種といいますか、それに当然船舶を加えるべきである、かように考えるのでありますが、政府委員におきましてその必要性はいかなる理論的な根拠、いかなる数字的な根拠、いかなる今後の自己資金調達上における便宜といたしまして最善方法として考えられるか、もう少し詳細にこの機会に御説明を願いたいと思います。
  6. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 これを適用いたしました場合の減税額につきましては、一応の数字は持つておりますけれども、なお詳細調査中でございます。ちよつとここでその数字を述べることを控えさせていただきまして後刻御連絡申し上げることといたしたいのでございますが、その金額は相当の額に上りまして、明年度三十万トン建造計画を途行いたしまする場合における財政資金状況、並びに市中銀行造船金融現状から見まして、どうしてもこれを実行しなければ、来年度計画の実施の円滑を期し得ない、こういう状態に追い詰められているのでございます。各国の例を見ましても、欧州各国はいずれも新造船につきましては利益がある場合、初年度で全部償却する、あるいは五〇%まで償却する。またイタリアのごとき、三箇年は新造一般については所得税を免除するという方策をとつているのでございまして、この企業合理化促進法新造船適用されますならば、税法上の取扱いが日本欧州各国並になるという次第でございます。また海運企業の実態からいたしまして、非常に景気の変動の激しい事業でありますので、利益がありましたときに一度に償却させるということが、最善方法でございます。従いまして私どもといたしましては、今後の新造計画の円滑なる送行、将来における海運企業の安定、国際競争力の強化という観点からいたしまして、どうしてもこの法律の成立するように持つて行きたい、かようにせつかく努力中でございます。しかし先ほど申しましたようになかなかむずかしい点があるのであります。いずれにしても国会の御協力を得なければ、目的が達せられないのではないかと考えておりまして、御協力を得たいと考える次第であります。
  7. 岡田五郎

    岡田(五)委員 政府委員からいろいろ御説明をいただきまして、抽象的にまた観念的に納得ができるのでありますが、大臣のいろいろと本会議におきまして御答弁をせられておるところを拝聴いたしますと、二十七年度は少くとも三十万トンの新造計画をもつて進みたい、かようにお考えになつておるということであります。かりに三十万トン新造計画で進むとすると、現在一応割当てられた見返り資金百四十八億、あるいは現在の市中銀行船舶に対する融資状態というようなところから勘案いたしまして、どの程度自己資金によつてこれらの資金不足を補つて行かなければならないか、また企業合理化促進法案指定業種として指定せらるるとすれば、どの程度のいわゆる自己資金というものが捻出できるかというような点を、多少具体的な数字を示して御説明いただきますれば、私は企業合理化促進法案適用重要性といいますか、緩急の程度がはつきりとつかめると考えます。減税額そのものにつきましては、いろいろ考え方によりしまて数字の異同がありまして、あるいは今ここで御発言になる余裕がないかもしれませんが、先ほど来申し上げまする諸点につきまして、仮定を三十万総トン建造するとして、資金状態はどうなるかという点につきまして、具体的にお示しを願いたいと思うのであります。
  8. 岡田修一

    岡田(修)政府委員 三十万トンの船舶を今年度と同様の船価で建造するとしますと、来年度所要資金が四百三十五、六億になるわけです。これはいろいろな見方がございまして、それぞれ専門的立場から申しますと御批評があるかと思いますが、そのうち船会社が自分でかせいで銀行の方に返す金並びに増資して得る金、これが約二百六十億、かように相なつております。そのうち政府関係開発銀行あるいは復金からの借入金への返済がございますので、実際市中銀行に返つて行つてたび造船に出るであろうと思われますのが二百二十二億、それにかりに見返り資金トン当り七万円出るといたしますと、これに所要財政資金が百四十八億になります。しかし実際上きまつておりますのは百四億でございまして、四十四億の見返り資金がはたして追加になるかどうかということは、来年度財政状況から見まして、非常に疑問があるわけでございます。なおかりにその四十四億がふえるといたしましても、市中から現在以上に貸出増を受けなければならないのが五十九億、約六十億、市中造船金融現状でございますが、昨年の九月末で約三百億、市中銀行長期金融の二〇%を占めておりまして、他の産業から隔絶した高い率でございます。これが本年の三月末になりますと、大体三百五十億近くになるのであります。従つて市中銀行ではもうこれ以上造船には貸出増をすることができないと、機会あるごとに述べておるのでございます。御承知通り七次後期の造船が非常にごたごたいたしましたのも、この市中銀行造船に対する金融が、それ以上困難だというところにあつた次第であります。従いまして来年度三十万トンを途行いたします場合に、二つの難点があります。財政資金を四十数億かりに増加しても、市中銀行はさらに六十億増す、この百億余の資金をどう調達するかという二とが問題でございます。この企業合理化法適用されますと、その二割ないし三割程度が軽減されるのではないか、かように考えておるのでございます。こういう方策が実施されまして、しかもこれが船舶適用されないとなりますと、私どもは反面の逆効果をおそれておるのでございます。すなわちこれに藉口して、それでなくてもむずかしい市中金融機関が、政府において何らめんどうを見ていない、従つてわれわれは金融面において特に考える必要はない、こういう口実に使われはしないかということをおそれておる次第でございます。せつかくこういう法律が実施されるときでありますので、国会の御協力を得て実現に持つて行きたいと考えております。
  9. 岡田五郎

    岡田(五)委員 この際委員長にお願いを申し上げたいのであります。これは動議を提出するという形になるかどうかわかりませんが、先ほど来政府委員からいろいろ御説明を承り、また私たち運輸委員として、国会議員として、国策にまた運輸方面政策審議に参画いたしておる者として、現在日本において解決すべき重要な国策一つは、何といいましても外航船舶拡充というか、日本商船隊拡充ということであると私は考えるのであります。しかもこの重要な商船隊拡充を、具体的に効果的に解決するための資金調達の有効なる方法といたしまして、この企業合理化促進法適用業種船舶を指定することが、適切なる方策であると私は思考いたすのであります。かような観点からいたしまして、当運輸委員会におきましても、自由党はもちろんのこと、各政党に対しまして運輸委員会意見のほどを何らかの方法をもつて表示するような運びにしていただきますことを、運輸委員の一人岡田五郎といたしまして、非常に希望いたす次第でございます。この点申し上げて委員長のおとりはからいを願います。
  10. 岡村利右衞門

    岡村委員長 岡田委員の御趣旨はよくわかりましたので、理事と相談いたしまして何らかの措置をとりたいと思います。
  11. 岡田五郎

    岡田(五)委員 国鉄総裁もおいでになつておりますし、運輸大臣もお出ましになつておりますので、一言伺つておきたいと思います。国鉄法第四十二條の二に、国有鉄道鉄道債券発行することができるという規定があるのであります。この問題は、いろいろな客観情勢のもとにおいて国鉄法が改正されまた公布されて数年になりましたが、いまだに実行に至らなかつた。ところが過般の国会における補正予算審議の際におきまして、山崎猛運輸大臣から、鉄道債券発行したい、その手続は目下研究中であるというようなお話がありまして、私たちの希望といたしましては、むしろ過般の補正予算の際に、鉄道債券発行をして、鉄道工事関係資金不足を補うべきではないかというようなことまで、心中ひそかに期待いたしておりました。ところがいろいろな事情がありまして、鉄道債雰発行手続、その他鉄道債券発行実行にまで移らずして、本国会至つたのであります。ところが二十七年度予算書を見ますと、鉄道債券発行額は一文も数字が上つていないのであります。これはいかなる政治的事情行政的事情といいますか、客観的事情によるものでありますか、ちようどいい機会でありますので、新大臣また国鉄総裁の御所見をひとつざつくばらんに伺いたい。またこの間の事情をお漏らしいただけるならば、率直にお漏らしいただきたいと存ずるのであります。
  12. 村上義一

    村上国務大臣 国鉄工事費予算は、御承知通り本年度はわずかに三百七十八億であります。二十七年度におきましてもわずかに四百十六億しかないのであります。いろいろの理由がありまするが、私の端的に見るところでは、この工事費を大体倍もしくは二倍半にしなければ、国鉄はほんとうの復興ができない。また一面建設線の、地方の熾烈なる要望にこたえることも不可能である。また合理化として最も有効適切であり、石炭資源の保存という面からも強く要望されている電化工事にいたしましても、実に遅々としておりまするが、結局この遅々たる歩みで進んでいては、国鉄合理化もいかなる時期に達成し得るかわからぬと考えるのであります。特に戰時中から終戰後におきましても、国鉄車両を初め諸設備が非常に老朽化しておるということは、断言してはばからないところであります。世間から四等車あるいは五等車を運転しているという批判をずいぶん受けておりますが、大体東海道線は相当の復興を見ました。電化さえできれば完成なれり、復興なれりと思うのであります。その他の幹線においても、なお復興工事をまつべきことが多いのであります。いわんや地方の支線に至りましては、皆様よく御承知通りであります。そういう事態で、国鉄工事費は躍進的に増額をしなければならぬというように私は痛感いたしております。それでありますから、実は私就任と同時に、来年度予算もほぼ決定まぎわになつておりましたが、今岡田さんの御指摘のごとく、一般会計から投資をするか、しからずんば鉄道公債発行するか、これによつてたんす預金をマーケットに持つて行くこともでき得るので、鉄道公債発行が相当必要であることを主張いたしたのであります。聞くところによりますと、超均衡予算関係上、鉄道公債発行することが許されないということ、それからいま一点は、一方において鉄道公債あるいは電話公債ということで単独に発行して行つては、債券市場を乱すおそれもあるという点が言い得るようであります。もうまさに決定せんとする予算閣議で、私も真にやむを得ないと思つたのであります。しかし今日の国鉄現状を黙視することはできませんし、近き将来に必ず格段なる方途を見つけて、国鉄に活を入れぬければ、息吹きを吹き返すことはできないのではないかと考えておる次第であります。どうぞひとつ御経験に富んでおられる運輸委員の方々、運輸委員会としても、御協力くださるようお願い申し上げる次第であります。
  13. 岡田五郎

    岡田(五)委員 簡単に二、三お尋ねしたいのであります。大蔵大臣の御出席をいただかないと、あるいははつきりしたことをつかめないかもしれないと存ずるのでありますが、大体本年度工事費への一般会計というか、資金運用部からの繰入金百十億と、かようになつておるのであります。政府からいただきましたいろいろの資料を総合いたしますと、二十六年度の本予算及び補正予算を合せますと、たしか預金部資金からは百三十五億繰入れられておつた。そのほかに例の二十億というものが一般会計から入つてつたと思うのであります。さようなことから勘案いたしますと、二十六年度は合計百五十五億、百六十億近くの一般資金が、鉄道関係の方に流用というか、利用されておつたのでありますが、先ほど申し上げましたように、本年度は百十億しか預金部から繰入れられていない。しかも私たち個人的かもしれませんが、鉄道から配付されました「国鉄はたして復興したりや」というパンフレットを見ますと、必ずしも復興していない。今運輸大臣がおつしやいますように、鉄道復興するためには、相当多額の金を支出し、相当充足しなければならない鉄道現状にある。かような鉄道現状及び二十六年度工事費予算額と、二十七年度予算国鉄工事費関係を勘案いたしますと、鉄道債券発行によつて——あるいは発行方法によつては大きな数字は期待できないかもしれませんが、できるだけの金をたんす預金から引出して、眠れる資金を活用するという面からしても、鉄道債券発行というりつぱな道が、せつかく国鉄法によつて設けられておるのに、すでに二年間開かれていないのであります。幸いにいたしまして独立国家にもなり、鉄道復興に一日を急ぐ現在の折からにありますれば、このとざされた扉を開かれて、できるだけ利用せられることが、政府のとるべき方策ではないか、かように私は考えるのであります。先ほど運輸大臣お話を承ると、一面におきましてこの鉄道債券発行によつて民間資金の吸収を、国鉄が相当やり過ぎるのではないか、吸い上げはせぬか、こういう面の懸念からいたしまして、鉄道債券発行も思いとどまられたがごとく承るのでありますが、さような民間資金を相当多額吸収するという懸念のもとにおいて、鉄道債券発行を思いとどまられたのかどうか、その辺のところをひとつざつくばらんにお教え願いたいのであります。
  14. 村上義一

    村上国務大臣 民間資金を吸い上げるということがよい悪いは別問題としまして、民間資金、むしろたんす預金のごときはこれを有用に用いるということこそ、必要なのじやないかと私も考えております。民間資金を吸い上げるということがよくないからといつて公債発行をやめたというのではないと私は考えております。これはまつたく今の政府方針と申しますか、ひとり鉄道公債のみならず、電話公債でも認めないという方針をとつているのでありまして、そのよつて来るところは、前刻申し上げました超均衡予算ということから来ておると思います。しかしながら岡田さんが必要性を強調なさるごとく、私も必要を強く感じておる次第であります。必ず近き将来において実現せしめたいと念願しておる次第であります。重ねてお願いしますが、切に皆さん方の御協力をお願いしたいと思います。
  15. 岡村利右衞門

  16. 坪内八郎

    坪内委員 運輸大臣にお尋ねいたしたいと思います。私は新線建設の問題につきまして運輸大臣に質問しようと思つてつたやさきに、同僚岡田君から鉄道債券の問題が出ましたので、この際もう少し明らかにしておきたいと思うのであります。ただいま運輸大臣お話を承つておると、その他の関連産業にも影響があることであるから、鉄道債券については支障があつてとりやめたようなお話でありますが、聞くところによると、大体大蔵大臣がこれには全然反対であつたのだというようなことも漏れ承つておるのであります。運輸大臣といたしましては、ただいまお話のようなお考えからして、強力にこれを促進したけれども大蔵省の方でこれがだめになつたのであるのだろうか、運輸省としては完全に意見が一致したけれども、その点で力盡きたということであつたのかどうかという点を、はつきりしていただきたいと思うのであります。  さらにまた新線建設は前々の国会から、いつもいろいろと議題なる問題でありますけれども、いまだに新線建設審議会委員も、欠員のままに放置されておるというような現状でもあるし、運輸大臣は将来のこういつた線建設の抱負あるいは運営について、どういつた考えのもとに進んで行こうとするのか、この際お尋ねしてみたいと思うのであります。
  17. 村上義一

    村上国務大臣 ただいまの鉄道公債についての前段の御質問でありますが、実は私の就任してこの問題に直接関係します前に、鉄道公債発行して工事資金を捻出するという問題は、もうすでに消えておつたような次第であります。もちろん私は非常に必要に感じたものですから、その当局案に対して繰返し質疑もいたしたのでありますが、前刻申し上げましたように、とにかく政府が墨守して行かんければなりません超均衡予算という点に困難がある次第で、いかんともしがたいと考えた次第であります。  なお次に建設線の問題でありますが、今日の国有鉄道の約四割ぐらいの路線は、赤字で運営せられておるということは御承知通りであります。さりとて国土の総合開発の見地から言いまして、また経済自立等観点から申しまして、建設要望はきわめて熾烈なものがあるのであります。この要望にこたえて進んで行くということは、もちろん必要なことであると思うのであります。ただ問題は建設資金にあると思うのであります。二十六年度におきましては、御承知通り全体の工事費の中から約五億円を捻出して、津軽線赤穂線窪川線の三線を昨年末までに完成したような次第であります。二十七年度におきましては、非常に足りない工事費のうちでありまするが、とにかく二十億という金を建設費に充当するということに相なつておる次第であります。この二十億の金額で一体何線工事に着手できるか。合理的な工事進行方法をもつてするならば、これは線路の地形その他客観情勢によつて異なりますが、七、八線ないしせいぜい十線程度じやないかと思います。今日いわゆる建設線と称しております帝国議会当時に予算を付して帝国議会協賛を経ておつた、すなわち建設予定線からピック・アップしたものが、四十八線あつたのであります。その延長は大体二千六百キロ、このうちで今日までに完成したのはわずかに九百二十四キロにすぎないのであります。工事を中止しておりまするものが四百八十キロ、約手二百キロは未着手の現状であるのであります。これも地形によつて建設費は非常に異なりますが、一キロ当り大体五千万円と仮定しますると、残つた千六百八十キロに対しまして八百四十億の金がいる。帝国議会当時にすでに両院の協賛を得た線だけでそういうことであります。もちろんその後の推移によりまして、客観情勢も変化しておりますので、この建設線以外の路線でも、急速に着手しなければならない性質のものももとよりあると思います。とにかく残つておる建設線だけでも八百四十億を要する。十年計画にしましても、年々八十四億を要するという次第なのであります。先刻来話のありますように、資金をいかにして捻出するかということが、一つの直面しておる課題だと思うのであります。建設審議会お話もありましたが、聞くところによりますと、大体欠員を埋めていただくように内定しておるようにも伺うのであります。この欠員が正式に充足されましたあかつきは、ただちに審議会を開いていただいて、公正妥当な答申を実は期待いたしておる次第であります。
  18. 坪内八郎

    坪内委員 大臣の御答弁で大体了承いたしましたが、新線建設の希望の路線とか、そういつた内容につきましては、当委員会におきましてもこれは重要な問題でありますので、われわれも十分内容は承知いたしております。そこで問題は財源でありますので、この財源ということが常に国会ごとに問題になるのであつて、ただいま運輸大臣お話を聞くと、鉄道公債の問題は、自分が就任するときはすでに立消えになつてつたので、何とも手のつけようがないというようなお話であつたが、しからば長崎国鉄総裁は、この問題をぜひとも軌道に乗せようということで、どの程度大蔵省と折衝したのであるかどうか、その点をまず総裁にひとつお尋ねいたしたいと思います。
  19. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 ただいま大臣からお話がございましたように、実は私ども鉄道公債をやつていただきたいということで、当時の運輸当局と——御承知のように、実は私は大蔵省には運輸省を通じなければできないわけでありますから、運輸省にもお話をしました。と申しましても、実際は非公式にいろいろとお話を申し上げたのでありますが、ただいまのお話のように均衡予算とか、いろいろな理由から、容易ならざる大問題であつたので、運輸当局を総動員してやつていただいたのでありますが、どうもうまく行かないということであります。しかし将来におきましても望みは捨てません。どうかして財源を幾らかでも生み出すために、そういう方法その他いろいろな方法をこれから考えて行かなければならぬ、かように考えております。
  20. 坪内八郎

    坪内委員 長崎総裁お話によると、これまた相当努力はしたけれども、どうにもならなかつたというお話でありますが、御努力してくださつたことにつきましては、われわれは敬意を表するのであります。しかし予算の編成問題につきましては、いろいろと努力をなさつたであろうと思いますが、そういつた努力をするかたから、二十七慶は、われわれ当委員会といたしましても、少くとも百億くらいは新線建設予算を確保したいという強い意見を、前年度におきましては持つてつた。そういう意見があつたにもかかわらず、この問題が思うように行かなかつたことにつきましては、われわれはまことに残念に思つておる次第であります。しからば今年度予算の二十億というものは、そういつた面とにらみ合せて、僅少であることは申すまでもないのであつて、どういう経過によつてそういつた線が出たかということも、あわせてこの際聞いておきたいと思います。
  21. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 当初百億くらいというようなお話もございまして、われわれもいろいろ考えたのでございますが、せめてそれに近いようなものがほしいと思い、民間の協力というようなことも考慮に入れまして、鉄道公債発行ともいろいろにらみ合わせて、皆さんのお話のような財源で、内定額を立てて参つたわけであります。ところが財源の面でいろいろ難点出て参りまして、結局公債の発行予算均衡の問題から困る。それから建設費にいたしましても、少くとも希望の七割くらいのものはぜひほしい。そうしますと来年はどうしてもふくれますから、百億くらいになるだろう。その辺のところがいいのじやないかと思いまして、大分奮闘をいたしましたけれども、どうも財源がそのくらいしか出ない。最後に私は半分でもよいからと言つて、よろしく頼んだのですが、どうしても資金運用の面から申しまして、出すわけには行かぬからというので、大体そのように内定したような経過でございます。
  22. 坪内八郎

    坪内委員 総裁の御努力のほどは、ただいまの御答弁でうかがい知つたのでありますが、この際もう一度大臣にお伺いしておきたいことがあります。政府としても将来補正予算を組むということは考えてないようでありますし、またわが党といたしましてもそのようなことは考えてないのでありますけれども、もし将来補正予算でも組むということになりますと、この新線建設の財源並びに鉄道債券の問題は、さらにそういつたときにあらためて十分考慮するような方針を持つておられるのかどうか、その点を運輸大臣にお尋ねしておきたいと思います。
  23. 村上義一

    村上国務大臣 今後あらゆる機会、しかも早き機会をつかまえて、この工事費の財源を軌道に乗せたいと念願しておる次第であります。もし補正予算を組むというような機会がありますならば、何とかして財源を、豊富ということはとうていできぬと思いますが、まずまずという程度にはぜひ捻出をはかりたいと考えておる次第であります。
  24. 坪内八郎

    坪内委員 私が申すまでもなく新村上運輸大臣は、運輸行政並びに鉄道行政につきましては、歴代の大臣のうちでも随一だというようなことで、われわれも非常に意を強くいたしておりますので、この際ぜひともそういつた考えのもとに、この問題の解決に努力されるよう強く希望申し上げまして、一応私の質問はこれで終ります。
  25. 岡村利右衞門

    岡村委員長 尾崎君。
  26. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 鉄道の新線建設につきましては、今の質問並びに御答弁で一応わかつたのでありますが、建設の問題に関連してなおわからない点が二、三ありますので、御答弁願いたいと思うのであります。それは二十七年度の総予算を見ますと、その中に電源開発に対する相当の用意がなされておるのであります。特に電源開発に対しましては、資金の面からも千二百億というものを二十七年度中に確保したい、また一方石炭の増産対策にいたしましても二百億の資金を確保する、こういう計画が立つておるのみならず、さらに電源開発のために貯蓄債券等を発行するということで、一面におきましてはこれがいわゆる資本の蓄積にもなるし、一面におきましては今言つたような産業開発の大きな問題にもなる、こういうねらいで進んでおるようであります。ところがこの電源開発の問題等と比較をいたしまして、鉄道の新建設ということはゆるがせにすることのできない、いわゆる経済開発のために大事な問題なのでありますが、当初は百億か少くとも七十億程度は、大蔵省の方から何とか考えてやろうというような空気であつたように私どもは見ておつたのであります。ところが予算編成のまぎわになつて今御答弁になつた二十億という程度になつたということですから、その間に鉄道の新建設ということに対する認識が、大蔵省その他の方面に足りなかつたのではないかと思われる節があることが一つ、それともう一つは、今申しますように電源開発に対しては債券等を発行する方針で進んでおるのでありますから、鉄道の新建設の債券の発行ができないことはないと思われますので、この二つの点についてもう一段進んだところを、おさしつかえない程度で御答弁をいただきたいと思うのであります。
  27. 村上義一

    村上国務大臣 大蔵省方面において、鉄道建設必要性について認識が欠けているのじやないかという点が、御質問の要旨だと思うのですが、これは程度問題だと思うのであります。必要なことは大蔵大臣初めよく承知しておられ、また各大臣も同じく考えておられると思います。ただその認識の程度がそれぞれ違つているということはいなめないと思うのであります。この点そうお答えするよりほかしかたがないのじやないか。結局そういう問題から、今日の電源不足をいかに解決するかという電源開発事業費との振合いというお話でありますが、やはり電源開発に対する緊要性と鉄道建設の緊要性との間の、それぞれの認識に差等があるのだということはいなめないと思うのであります。
  28. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 そこで次の補正予算機会を待つなどということではなくて、今から認識をさらに強めさせるということに向つての、特段の御霊力を希望いたしておきます。これはすでに大臣も御承知通りに、第七国会以来鉄道の新建設に関しましては、衆議院でも二回にわたる決議、最初は建設の決議、次の国会においては建設促進の決議と、その次の運輸委員会におきましては建設審議会をつくれという動議、こういうことを経て衆議院一致となつて、しかも二回目の鉄道建設促進の決議案のときは、たいていの問題には反対する共産党までが賛成したという、国民一致の強い要望なのでありますから、これらを認めない、いわゆる認識が低いなどということは、まことにもつてのほかのことでありますので、それらのことを強く推進していただきたいということと、もう一つは、先ほど坪内委員からも述べられたようでありましたが、全国から新線を建設してもらいたいという強い陳情がある中に、特に私どもの注目すべき問題は、新線建設の非常に強い要望のある地方におきましては、もし鉄道建設公債が発行されるようであれば、自分たち地方建設をする経費に充てる公債は引受けてもよろしい、こういう県議会あるいは関係市町村議会の決議を持つて陳情しているものが、相当の数に達しておるのであります。ひとり国鉄並びに政府に頼んで建設をいたしたいということのみでなくて、道が開かれるならばみずからの負担においてでも建設してもらいたいという、強い要望があるのであります。これらの点から考えますれば、電源の開発はもとよりすべての産業のもとでありますから大事ではありますけれども鉄道の新建設といえども、電源の開発に劣らないということが言えるのでありまして、国民は今申しましたように、さように強く建設のことを要求しておるのでありますから、それらのことを強く反映せしめて、大臣総裁も積極的にそれらのことを進めていただいて、新線の建設に対しましては、さつき御答弁になつた七、八線か十線程度というのでなくて、もつと積極的に御盡力をいただきたい。そうすることが独立後の新日本の経済力の充実というか、強い力になることを疑わないのでありますから、それらのことを特に希望いたしたいのでありますが、従来よりももつと数倍する力をもつておやりくださるお覚悟ができるかどうか。まことに蛇足のようでありますが、あらためて御決意のほどを伺つておきたいのであります。
  29. 村上義一

    村上国務大臣 きわめて御熱意ある御鞭撻をこうむりまして、まことに感謝にたえません。もちろん私の熱意も人後に落ちない覚悟であります。この財源をつくる。そうして建設といわず、電化といわず、また今日老朽化している車両その他の諾設備の取替工事という方面に邁進して、国鉄の使命を果して行きたいという念願を持つている次第であります。
  30. 岡村利右衞門

  31. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいま新線建設に関しまして、鉄道公債発行の問題を取上げられて、熱心なる質疑がかわされたのでありますが、大臣の御答弁、国鉄総裁の御答弁によつて、大体私どもも了解することができたのであります。だがこの問題は私ども国会議員といたしまして、今日まで六箇年間待ちこがれて来た問題であります。なぜかと申しますならば、大臣承知通り、戰時中におきましては、軍部の偉大なる圧力によりまして、内政上のこういう問題について、国民の代表であるところの国会が無視されて来ていることは大臣も御承知通り、まつたく無視された戰時中を経まして、終戰直後における今日までの日本状態というものは、どういうものであつたかと申しますならば、占領政策の今日までの機構でございます。従いまして国鉄において考えたことであつても、政府において考えたことであつても、とにかくその時の権威というものに圧倒されて、私たち国民の要望というものが通らなかつた。待ちこがれました平和條約というものも締結されて、今度初めて日本が完全なる独立国になり、その第一歩を踏んで行くところの根幹となり、大動脈となる今度の予算なのであります。この予算の中にわれわれが十年間待ちこがれていた内政費というものをうんと組んで、そこでこの鉄道の問題を解決するための予算を組まなければならぬことは当然であります。従いまして国民の要望であると同時に、われわれ国会におきましても真摯なる今日までの要望を述べて来たことは大臣承知通り、しかるにわずか二十億の金、これは三階から目薬といつたようなまことに残念なる金なのであります。従いましてその要求するところが非常に多いのであります。先ほど大臣の御答弁の中に、超緊縮予算、超均衡予算というお言葉を使われたのでありますが、その超均衡予算のために圧倒せられて、この国民待望の新線建設というものが犠牲になることは、まことに残念この上もないことです。しかるに政府はどういうことをやつているかと申しますと、市町村といつたような公共団体に対しましては、公共事業性によつて起債を認めている。りつぱに起債を認めまして、長期償還でもつて大蔵省から金を貸している。しかるに国家そのものの仕事であるところの、この国有鉄道の偉大なる事業に対しまして、政府がそういう圧力を加えて、公債さえも認めないということは何たることですか。われわれは政府に対しまして、與党の立場においてまことに残念この上もない次第であります。電源開発の仕事ばかりではない。公共事業であるということになれば、水道に対しても許している。学校に対しても許している。河川改修に対しても、橋梁に対しても許している。しかるに国民の大動脈であるこの新線建設に対しまして、公債すらも認めることができないということは、政府の失当と言わざるを得ない。この間私は岡野国務大臣がこういう声明を新聞に発表したのを見た。何だと申しますと、市町村に対しまして單独の公債の起債を認める、こういうことを岡野国務大臣が発表しております。これは岡野国務大臣が発表する以上は、閣議において相当議論された上で発表されたものだと思う。その閣議の席上に村上運輸大臣が列席されておつたと思いますが、その点お尋ねいたします。おられましたかどうか。おられたならば、この市債あるいは府県債というものを單独で発行することを認めたということに、多分御協議あそばされたことと思うのでありますが、その点をお尋ねいたします。
  32. 村上義一

    村上国務大臣 ただいま最後にお尋ねの点につきましては、私はそれは承知いたしておりません。
  33. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 そうすると岡野国務大臣は、府県あるいは市町村の財政逼迫という点から、これはどうしても單独の起債を認めなければならぬという立場から、これから政府は案を立てようという心構えを発表したものと見ざるを得ないのでありますが、私は遺憾ながらその当時の新聞を今日持合せて参りませんので、それを今大臣に申し上げることができませんが、かりに市債なりあるいは町村債なりを單独で認めようとする心構えがあつたとするならば、この日本国有鉄道というものに対して、公債を発行することを認めないというようなことはあり得ない。そこ第ほどからだんだんの御意見が出ました。それに対しまして熱心なる御討議があつたのでございますから、これ以上私は御質問申し上げるということも、蛇足を加えるばかりでございますので申し上げませんが、どうかそういう事態になつて来ておる際、国鉄に対するところの公債というものを一切認めないというようなことは、政府の片手落ちです。しかも十年間この方圧迫に圧迫を加えられて来まして、私ども国会の権威というものが今ようやつとこれから立ち上つて、これから国会自体の意思というものを、国民の意思の代表としてここに反映することができるようになつた待望の平和條約締結、この時期においてすら、なおかつ均衡予算のために圧迫を受ける。これはまことに残念この上もないことなのです。ドツジ公使が参りまして、日本経済再建五箇年計画というものを立てた。その五箇年計画というものは昭和二十六年度きりで終り、昭和二十七年度からは日本独自の立場から、経済再建をやつて行かなければならぬ。その経済再建の大動脈が国鉄なのです。先ほども枠内議員からお話があつたのでありますが、国鉄事情に最も精通され、薀蓄の深い大臣であられますから、どうぞひとつ国鉄総裁と連繋をとられて、この点に一路邁進せられんことをお願い申し上げたい。  そこでこの機会に私はもう一点、国鉄総裁にお尋ね申し上げたいのでありますが、新線建設に関しまして、国鉄内部にはこういう流れがあるということを私は聞いた。これは新しい鉄道を敷設するということはこの際やめて、むしろ今までの既設のものに対して充実をはかつて行くのがほんとうじやないか。従いましてこれから鉄道を敷設してみたところで、先ほど大臣のお言葉の中にもあつたように、四割からの赤字線がある。そういうものをやつてみたところでこれはしかたがあるまい。そこで独立採算の立場からして新線建設というようなものは一応御破算にしておいて、その他今までの既設のものに対するところのものを一切充足して行くのがほんとうだという意見が、国鉄の内部に流れておる空気であるやに私は聞いたのであります。そういうことがはたしてあるかどうか、総裁から御答弁願いたい。
  34. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 山崎委員のだんだんのお話、まことにありがたく拝聴いたしました。ただいま御質問の既設線と新線の問題、そういう意見と申しますか、考え方というものは、ずつと古くからあるのでございます。いわゆる改主建従、建主改従という思想でございますが、しかし何がございましても大臣もいらつしやいますが、私といたしましては国有鉄道の使命、日本の公共企業体としての使命、両方の面から考えて、新線の建設にも、また旧縁の改良充実というものにも、力を盡して行かなければならぬと思います。先ほど委員からお話がありました電源開発の問題にいたしましても、これはやはり交通機関と重要な関連のある問題でございまして、それらの問題はたといその線だけでは採算がとれず、一応赤字であるとか、黒字であるとかいうことがありましても、それはぜひやらなければならぬ。またこれからできる線も、必ずしも未来永劫赤字であるということは言えないのでありましてこれは日本再建のために、日本経済発展のためにやらなければならぬという場合におきましては、やがて将来において既設の線にもいい影響を與えることになりましようし、その線自体としてもりつぱな成績になるということになりますから、いますぐの問題では解決がつかない。長い目で見る、また広い視野において考えなくてはならないと思いますから、そういう議論がありましても、私の考えはそうでありますから、ここ当分の間はそのつもりで新線建設には選択をして参りたいと考えております。
  35. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 長崎総裁から御懇切なる御答弁をいただきまして安心しましたが、東北、北海道といつたような積雪の地帯になりますると、鉄道だけが命の綱である。これがなかつたならば、バスも通わず、自転車も通らず、まことに難澁を遂げていることは、総裁御自身が東北の御出身であられるから、身をもつて御体験のことと思うのであります。どうかそういう観点に立たれまして、この際国鉄内部におけるそういう議論を拂拭せられるように、御指導のほどをお願い申し上げたいのであります。  それから大臣にお尋ね申し上げたいのでありまするが、もはや平和條約も締結され、批准も終つたようなわけでありまして、もう完全独立も間近なのでありまするが、いまだに私ども日本政府並びに国会は、C・T・Sの拘束を受けているのか、もはやC・T・Sというものは解散して、そういうものの拘束は受けないようになつている状態か、お尋ねいたします。
  36. 村上義一

    村上国務大臣 お示しの通りC・T・Sはすでに解消せられまして、T・Sだけになつております。これはもつぱら軍事輸送の任務を持つている次第であります。従いましてC・T・Sが活躍しておられたときとは雲泥の相違があるということは、はつきり申し上げ得ると思います。
  37. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 そこで大臣にお尋ね申し上げたい。まあ私どもとしてはやれやれという形でありますが、先ほど私が申し上げました通りに、もう解放されたのでありまするから、国会の権威というものは、国民の輿論を反映する機関であり、憲法も国権の最高機関と定めている。そこで議会人であられる大臣にこういう愚問を発するのは、まことに私自身としても汗顔の至りなんですが、大臣といたされまして、本委員会あるいは国会の決議を尊重せられるということに対して、どういうお考えであられるか、この際承りたい。
  38. 村上義一

    村上国務大臣 先刻もお示しの通り、衆議院においても、鉄道建設につきましては数回の特別の御決議ができております。参議院においても同様であります。これらの決議につきましては、政府は十二分に尊重して進まなければならぬものと心得ております。
  39. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 村上大臣から、まことにごりつぱなるところの御答弁を排聽いたしました。そこで私はこの際に申し上げておきたい。村上大臣国会議員の立場に立つておられた際に、わが委員会におきましては、議員提案で国鉄法一部改正法律案を上程し、衆議院におきましてはこれを協賛したのであります。ところが、残念ながら参議院において流産したのであります。これにつきまして私はとやかく申し上げるのではない。こういう法律案をなぜ出さなければならなかつたかという経過の問題であります。こういう法律案を出すということは、われわれ国会議員としても、まことに容易ならざる立場からやつたものである。御承知通りどもは自由党に所属しておりまするが、自由党におきましては総務会にかける、あるいは政務調査会にかける、代議士会にかける、そうしてこういう法律案を私ども自由党所属の代議士から提案いたした。世論ごうごうたるものがあつたのでありますけれども、敢然として私どもはそれをなし遂げた。なさねばならぬ理由があつたからです。ところが私がただいま見るところでは、さすがに運輸大臣運輸省におけるはえぬきの方であられまして、学識経験はもちろん、まことに多年の御経験を積まれておる偉大なる工キスパートである。さらにまた国鉄総裁は、すいもからいもかみわけられましたまことに苦労人である。單なる官僚ではない。単なる官僚であつたから、私どもはいろいろな点からして、国鉄法の一部改正案というものを出さなければならぬ立場に立つた。しかるに長崎総裁は御苦労された結果、私どもとしましては、まことにかつきり行くことを今発見しておるのであります。そこでこの際大臣並びに国鉄総裁は、緊密なる連絡をとられまして、わが運輸行政のために、国鉄将来のために、一段と努力をあそばされ、しかもわれわれ委員会の決議を重んじて、国会としての権威を尊重してくださるということになれば、私ども何をか言わんや。必ず大臣国鉄総裁の手足となつて、新線建設のためにも、その他の工事費のためにも、満腔の敬意と熱意を込めてやつて行こうということを申し上げることができるのでございます。まことに御答弁ありがとう存じました。  この機会に私は海上保安庁の関係について長官にお尋ね申し上げたいと思います。二月一日の毎日新聞でありますが、これによりますと、海上保安庁の関係について、身分組織等の関係、増員の関係、艦艇の関係予算関係、こういうふうに分類いたしまして、ある程度のことを報じておるのであります。これについて、ひとつ考えをお示しくだされば幸いと存じます。
  40. 柳沢米吉

    ○柳沢政府委員 新聞にどう書いてありましたか、詳しくは存じておりませんが、海上保安庁といたしましては、現在の海上保安庁の船舶だけでは十分でないという意味において、しからば将来どのくらいの船舶が必要かということを考えてみますと、港内艇を除きまして、将来確保すべき船は、五十トン以上の船で約三百五十隻いるのではないか、かように考えております。このうち四月一日まで、すなわち今年度末までに持ち得る船舶を現有と考えますと、これが百六十四隻ということに相なります。従つてなおこのほかに百九十隻程度船舶を必要とするわけでございます。これに対しまして、極力船舶の建造その他を急ぎたいと考えております。なおこの船舶の建造をやつて行きますにつきましては、予算上その他の問題が相当にございますので、来年度せいぜい五、六十隻程度しか建造ができないではないか、かように考えております。新聞紙上にどういうことが書いてあつたか、詳しく存じませんが、海上保安庁においては、大体以上のようなことを考えておる次第であります。
  41. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 人員はどのくらいに増強するつもりでございましようか。
  42. 柳沢米吉

    ○柳沢政府委員 海上保安庁においては、現状の人員は約一万三千の定員がございます。来年度約六千の増強をすることになつております。
  43. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 この海上保安庁関係における地方監部を設けられるというふうに報道されておるのでありますが、その点について、どういうところを根拠地にされるかということは、まだわかつていないでしようか。わかつておりましたら、さしつかえなかつたらお聞かせ願いたい。
  44. 柳沢米吉

    ○柳沢政府委員 海上保安庁といたしましては、来年度船舶増強されるに従いまして、基地の増加ということは考えております。どういう名称になるか、現在はつきりしておりませんが、基地の増加という点につきましては、どうしてもある程度増加せねばならぬというふうに考えております。しかもこの基地の今後の設定の仕方につきましては、でき得る限り現在商港として使つております地域をじやまをすることのないようにということを、第一に念願しております。第二に、しからば金をかけて基地の新設をやるといいますと、予算のこともありますし、むだの金を使う必要はないのでありまして、基地の建設ということはもつぱら控えたいと考えております。以上申し上げましたような理論に基きますと、結論としてでき得る限り遊休の施設を使いまして、これによつて新しい基地を設けたいというふうに考えております。
  45. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 ただいまの長官のお説でございまするが、なるべく新しい施設や何かはやめまして、既設のものを利用して行くというお話で、これはまことにありがたいことなんですが、これをやりますることのためには、私は大蔵省と海上保安庁との関係の連絡が、非常に欠けているのじやないかと思うのですが、大蔵省の方の関係では今までの既設の建物でも、あるいはまは土地でも、いろいろな物件をどんどん売つて金にかえることに汲々としている。ほとんど昔の海軍の基地などの建物は売り拂われておるのです。今残つておるものもあるのですが、たとえば重油のタンクであるとか、あるいは揮発油のタンクであるとか、そういうものであつてもどんどん売つて金にかえることに汲々としている。これは今のうちに早く手を打たなければ、今長官のお話のようになるべく既存のものを使つて、商港のようなものはなるべく避けたいということはお説ごもつともでありますが、そういうことが不可能になると思いますので、もしおやりになるのならば、早く大蔵省と手を結ばれる必要があると思うのですが、いかがなものでございましようか。
  46. 柳沢米吉

    ○柳沢政府委員 その点につきましては事務当局といたしましては、大蔵当局と十分緊密に連絡をいたしまして、各地区におきまして将来基地となるべき点の確保については、緊密な連絡をとつております。
  47. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 そこで私は昨年の八月に運輸委員会の八名の委員の方々とともに、北海道並びに東北地区のいろいろな国政調査をやつたのでございます。その際長官のごあつせんによりまして、パトロール船に便乗させていただきまして、函館から大間まで参りました。それは浮遊機雷の関係をよく調べてみたい。それからこれにどんなレーダーや何かがとりつけてあるのか、またどういうふうな活動をしておるものであるかといつたような点について、身をもつて体験する必要がある。また判断する必要があるというので、函館から大間まで渡つてつたのでありますが、そのとき乗せていただきましたところのパトロール船は、まことに優秀なものであつて日本に一ぱいか二はいよりしかないというような優秀なものであるということでございましたけれども、あの船は東北、北海道の荒波にはどうも向きそうもない。少し脆弱過ぎるのではないかと思います。北海道だとかあるいは津軽海峡といつたようなところの冬季間の荒波のところで、しかも暴風雪のまつただ中に行くのには、どうも脆弱ではないか。海上保安庁のパトロール船ということになれば、海難救済もやらなければならぬ。しかるにパトロール船自身がすぐほかの船に助けてもらわなければならないようなものを小樽あたりで使つてつても、それではほんとうの海難救済といつたようなことができない。そこでこれはどうしてもこの船の増強ということも講じてもらいまして、りつぱな船でもつてつてもらはなければならぬ。しかもこれは国鉄総裁あるいは運輸大臣等に本委員会でたびたび要望したのでありまするが、津軽海峡におけるところの浮遊機雷という問題は、まだ数年間はこの脅威にさらされると思う。してみればこの浮遊機雷というものがある以上は、連絡船によつて安心して北海道への渡航ができないということになる。それに対する処置ということを考えてみれば、どうしても陸奥湾あるいは津軽海峡に面したようなところにパトロール船の基地を設けまして、徹底的にこれに対するところの処置を講じていただかなければならぬ。これは北海道の道民も、あるいは東北地方その他の旋行者も、異口同音に考えて発表しておるところなのであります。これに対して何か処置があるかお尋ねしたい。
  48. 柳沢米吉

    ○柳沢政府委員 北海道方面におきます保安庁の巡視船の状況は、先ほど山崎先生からお話がありまして、保安庁の船が救助に行けないというようなお話がありましたが、現在海上保安庁におきましては、おかげさまをもちまして新優秀船が着々とできて来ておりますので、不満足ながら現在におきましては太平洋数千海里の外にありまして、二、三千トン級あるいは六、七千トン級の船の難航、難破しておるものを救助に出かけて、その都度相当の成績を改めている状態であります。  なお津軽海峡における浮遊機雷の件につきましては、現在といえども万全の策をとつておるのでありますが、海上保安庁といたしまして、しからばその付近に基地を設けるかどうかという点につきましては、先ほど申し上げました通り商港にあまりじやませず、旧施設を使うという点におきまして、陸奥湾内あるいは津軽海峡に面して、優秀な基地があることと存じます。それらの基地につきましては十分考慮いたしまして、保安庁の出先基地の拡充ということがあります場合には、相当に考慮すべきものと考えている次第でございます。
  49. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 もう一点長官にお尋ねしたいのでありますが、航路標識の件であります。津軽海峡におけるところの濃霧と風雪の関係からして、あの太平洋岸、わけて大三沢の海岸、八戸から尻屋崎に至る海岸は、非常に難航路でありまして、あそこで一万トン級の船が二、三年間の間に二、三隻擱坐しておるのであります。そういうところに対して燈台の施設がない。これを設けなければ、国家的にいかに大きな損であるか、何隻もの船があそこで坐礁して、そうして破裂してしまつたような船もありますし、幾多の人命を失つているのです。しかるにこういうことに対しまして海上保安庁は、ただ海難の救済を心がけることをやつて、未然に防ぐ処置の心がけがない。これはどうしたことですか。新規予算に盛られているところを見ると、まことに微々たるものであります。これによつて一体どのくらいの燈台を設けられるお考えか、お伺いいたしたい。
  50. 柳沢米吉

    ○柳沢政府委員 はなはだ御説の通りで、私どもといたしましても非常に遺憾なわけでございますが、御承知通りにわが国の航路標識というものは、世界で一番遅れているわけでございます。従つて予算面におきましても、逐年非常に少いものでございます。しかし去年に比べまして、来年度はやや多くしていただいております。しかしながらこれをわれわれが将来どういうふうに考えるかということを申し上げますと、航路標識の燈台の新設、これはこれから建てなくてはならないものが四千四百ばかりございます。これを現在のように来年度大きいもの、小さいものをまぜまして、約十八の新設を認めていただいております。この数字でこの数を割りますと、御承知通りに約二百年かかるわけでございます。その金額で行きますと、大体百四十年程度かかる。これではとうてい問題にならないということで、相当にわれわれは努力しておるのであります。この数字はどこから出るかと申しますと、大体日本の海岸を二海里に一基の燈台をつける。すなわちアメリカの燈台の程度にしたいということで、百四十年ないし二百年かかるわけであります。これを一歩しりぞいて四海里くらいの程度にしたならばどうなるかというと、これが約七十年近くかかります。その他のものにつきましても、電波標識にしましても六十年くらいかからなければ完成できないという状態で、非常に困難をきわめております。  お尋ねの来年度は十八基新設でございますが、人間のつく、やや大きいものは、全国で二基しかできないわけでございます。その他の十六というものは、人のいない小さなものでございます。お尋ねの大三沢付近の燈台というものは、これも相当利益のあるものでございまして、この状態もわれわれの方としては十分考えておるのでございますが、一年の海難の金額が、二千九百万円の海難があるというふうに考えられておるわけでございます。これらの海難のあるものに対して、燈台ができますれば、そのうちの約半分近く、千三百万円は助かるものと考えておるのであります。これで行きますと、燈台の建設費がたとい千三百万円かかつたとしましても、一年でそのかけた金額だけのものを回収することができるという状態になるのでございます。こういう効果率のあるものでさえも、全国の燈台の中で考えてみますると、十一番目に当るという状態でございます。従いまして本燈台は、順序が来ますればなるべく早く建てたいということを考えておりまするが、来年度はぜひ御協力によつて建てるようになりたいというふうに考えておりますし、またその意味におきまして本年度調査費を出しまして、あの付近の燈台の建設につき来年度の準備をしたい、かように考えております。
  51. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 まことに現段階においては百四十年から二百年といつたような歳月、これは天文学的な数字といわねばならない。こういうような状態であつては、まことに国家の重大なる行動を阻害するこれより重大なるものはないと考えるのですが、燈台の関係ということになりますと、人里離れた所に設けられるのでありまして従つてどうも人の目につかないものでありますから、私ども代議士の立場においても、選挙のときですから行くことがない。従いましてどうも論議されることが少いものですから、つい大臣におかれても、鉄道の方面には一生懸命かかるけれども、この方面のことはなおざりにするというような傾向がありはせぬかと思う。私の聞いたところによりますと、どうも燈台に二人でも三人でも人を使うと人件費がかさむから、それでとりやめになるということを聞いたのですが、そういうことがありますか。もしあるとすれば、燈台がないことのために何百人もの人間が生命を失つておるのでございますから、これはまことにゆるがせにならないことだと考えるのでございますが、そういうことがあるかどうか、大臣ちよつとお尋ね申し上げたい。
  52. 村上義一

    村上国務大臣 燈台の位置が人里離れたところにあつて、あまり月につかぬ。まことにお示しの通りであります。私も燈台は今までに数回しか訪問しておりませんが、とにかくまことにじみな仕事を人里離れた土地でいたしておりますので、いつ訪問しましても同情禁じ得ざるものがあるのであります。しかし今お話のごとく人をつけなければならぬからつくらない、こういうことはないと私は確信いたしております。もちろんその場所々々で、光芒をキヤツチせしめなければならない。距離のいかんによつて、大きいもの小さいものを、おのずから適当に計画するのであります。相当の範囲にわたつて標識を航行中の船舶に示さなければならぬという使命のある箇所では、これはもう金はかかつても大きいものをつくる、人をつけるということになつておる次第であります。一に計画に沿つて進んでおる次第であります。
  53. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 お話を承りましたが、当委員会にも燈台設置に関する請願がたくさん出ております。ところがこの請願の特色は、請願をしたその仕事ができ上るということによつて地方民がたいへんな潤いを受けるかというと、そうではない。これはまつた地方民には関係ないのですが、難船とか遭難者ということを考えるあまりに、その地方の人が請願するのですから、この請願というものはまことに特色があるものと思う。そういう請願を立てる地方民というものは、まことに見上げた考えではないかと思うのでございますから、この燈台設置に関する請願のあることについては、どうか当局におかれましても十分その真意をくみとられまして、何とぞひとつ適切な措置を講ぜられるようにお願い申し上げたいのでございます。  次に、今航路標識の点をお尋ね申し上げましたから、もう一点ついでに港湾局長さんに、避難港の問題は今度の新予算でもつて何港ぐらいつくることができるのか、避難港は運輸港でございますので、当委員会でも切実なる叫びがあがつておるようなわけでありますから、ちよつとお尋ねをいたします。
  54. 黒田靜夫

    ○黒田政府委員 避難港につきましては、二十七年度新しく四港を考えております。北から申し上げますと青森県の尻屋、千葉県の名洗、それから福岡県の、離れ島になつておりまする大島と、それから日本海の方の島根県の七類でございます。
  55. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 これはどのくらいの予算でもつて着手することになつておりましようか。
  56. 黒田靜夫

    ○黒田政府委員 非常に僻陬の地でございまして、初年度から多額の工費を投じて工事を開始することが、諸種の事情からむずかしい次第もありまして、二十七年度におきましてはとりあえず諸種の準備工事を始めることといたしまして、おのおのおよそ一千万円程度をもつて着手いたすことに相なつております。
  57. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 来年度においてはどのくらいの見込みでございましようか。
  58. 黒田靜夫

    ○黒田政府委員 来年度におきまして、各港一千万円でございます。
  59. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 一千万円の程度でもつて工事にかかるということになれば、何年でこれが完成することになりましようか。
  60. 黒田靜夫

    ○黒田政府委員 各避難港におきましては、工事費の総額はそれぞれ立地條件によつて違うのでございますが、多額を要するものは二億五千万円とかあるいは三億円程度になりますし、また簡單にできますものは、四、五千万円程度で完成できる見込みのものもございます。
  61. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 どうぞ何分にもこの避難港は重大な問題でございますから、大臣におかれましてもこの完成のために、一段と御努力のほどをお願い申し上げたいのであります。私の質疑はこれで終ります。
  62. 岡村利右衞門

    岡村委員長 玉置君。
  63. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 私はこの場合鉄道予算、これに関係する公債の問題、それから航空施設関係予算、海上保安関係予算について、大臣並びに総裁にお伺いをしておきたいと思います。しかし大部分先ほど来の各委員の発言によりまして盡きておるのでありまして私前回の委員会において、実はきよう大臣総裁出席された場合に質問するようにということで、この問題を留保しておつたのでございますが、前段申し上げましたように大分詳細に質疑がありましたので、ごく簡單に基本的な問題をお伺いしてみたいと思うのであります。先ほど来大臣並びに総裁の御答弁を伺つておりますと、何となしに物足らないような気がするわけであります。しかしこれまた先ほど来お話がありましたように、村上運輸大臣はかつて運輸省出身であり、しかも満鉄王国の鉄道部長であり、理事という要職につかれて、あの厖大な満鉄の経営の面に当つた権威者であります。長崎国鉄総裁は、これまた先ほど来お話のありましたように、運輸省出身にして、官僚にまれに見る政治性のある権威者であるということを私どもは伺つておるわけであります。かような名コンビにおいて、しかもこのエキスパートのスタツフで仕事をやるということになれば、たいていの仕事はなし遂げ得るのじやないかという期待を私どもは持つているわけであります。もとより無から有を生ぜしめろというような無理な要求はいたしませんが、現段階において、まは今日までの運輸行政、国鉄経営の面から見まして、このお二人のゆたかな政治性を生かすことによつて、ある程度国会の希望するものが実現し得られるであろうと期待をいたしておるわけであります。ところが先ほどの長崎総裁の御答弁によりますと、部内におけるいろいろな意見のあることは、昔から建主改従とか改主建従というような気持があつたというお言葉でありました。もとよりそういうことも私ども承知をいたしておりますし、また最近において私が国鉄の当局に当つてみまするのに、やはり新設をするという場合においては、株主である政府がこれにどんどん金をつぎ込んでくれなければできないのだと、はつきりしたことを言つておるわけであります。しかしこれは坪内委員あるいは山崎委員、それから尾崎委員よりもいろいろお話がありましたように、今日の独立後における国家の事情からいたしましては、どうしても新線はある程度建設しなければならぬということは、国民多数の輿論であります。ところが先ほどの御答弁によりますと、大蔵省との折衝の過程、あるいは閣議の模様等、きわめて消極的であります。もつと熱意があつてしかるべきでないかと私は考えるのでありますが、翻つて静かにこれを考えますと、お二人とも鉄道出身であります、エキスパートであるだけに、仕事をやる場合には良心的にものをやろうという考えを持つことが当然だろう、従つてそうした部内における良心的な示唆というか、要求等によつて国会の希望するがごとき熱意をもつて予算獲得の面にお働きできないのじやないか、私は一面においてかような危惧の念を持つておるものであります。大臣並びに国鉄総裁におかれましては、今後国会が、国民の税によつて国家が投資しておる鉄道の資本、すなわち私どもは国民の代表、株主の代表の立場において、当委員会において何らかの予算の措置をとろうとした場合に、これに対して協力し、強力に断固たる決意をもつて、さらに政府に当る御意思があるかどうか。これが第一点。  第二点といたしまして、新線建設に対して、先ほどの大臣の御答弁によりますと、審議会の公平なる決定にまつて、これを実行に移すということでありましたが、一切をあげて審議会に新線建設の帰趨をおまかせするのであるかどうか。私は前段申し上げましたいろいろな観点からして、おそらく国鉄自体においてある程度の基本的な案ができ、これを提案いたして審議を請うという形式になるのではないかと思うのでありますが、審議会独自でこれを決定することに対して、国鉄は異存がないのであるか、この三点を先に伺つて、続行いたしたいと思います。
  64. 村上義一

    村上国務大臣 いろいろお示しをいただきまして、まことに感謝にたえません。一番最初申し述べましたごとく、国鉄がその使命を果すという立場から申しますると、巨額の資金が必要であるということは、よく皆さんも御認識くださつていると思うのであります。その巨額の資金をいかにしてつくり出すかということが、直面しておる課題だと思うのであります。これにつきましてへその熱意において私は決して人後に落ちない覚悟でありまするが、人を説いて賛成を求めるには、やはり納得せしめるだけの準備が必要だと思つております。私から見れば一番最初に申し上げました通り、二十七年度予算は半分にも足らないと実は考えておるのであります。どうしても閣僚を納得せしめる、またその間に説破し得る準備をできるだけ早くいたしたい、こう考えておる次第であります。ぜひともこの機会を拜借して、皆様の御協力を前もつてお願いしておく次第であります。  なおもう一点、私に対して建設審議会の御質問がありましたが、もちろん建設審議会に対しては、各種のデータを調製して委員各位のお手元に差出します。しかしいかにしてどう決定するかという決定方法もまた審議会でおきめになることなのであります。現在のところ運輸大臣としましては、諮問案を審議会に出し、その諮問案の内容については、審議会は順応してくださるはずであります。その諮問についていかに答申案を出すかという方法、範囲、これまた審議会が責任を持つておきめになるようになつております。以上お答え申し上げます。
  65. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 今の問題に関連してお伺いしたいのであります。審議会の伴ですが、審議会ですべてをきめるということで、一切を審議会の方にゆだねたような形になつておるようですが、審議会は昨年の九月ごろ小委員会が開かれて、その後一回も開かれておらないと思うのです。私もたまたまその審議会の一員でありますが、審議会は総会が一回か二回開かれまして、小委員会がつくられて、小委員会をつくつたままで九月から現在に来ておると思います。現に吉武君が委員長をされておると思うのでありまして、吉武君は昨年大臣に就任されたから、委員長は今ない状態にあると思います。政府の方ではこういうものを政府の諮問機関としてつくられながら活用されておらないところに、非常な矛盾があるのではなかろうかと私は思います。今お話を聞いておりますと、これは大臣がかわりましたからとやかく言うことはいかがかと思いますが、せつかく審議会をつくつて諮問に付しながら、諮問に付したものに対して何ら回答を求めない。従つて委員会及び委員会においては、資金の面、さらには国土総合開発に関連してどこの新線がいいかということについて、単なる今までの新線にとらわれないで、新しいことも考えながらやつたらどうかということで、大体議論をしておつたわけであります。議論をしておりまするが、一ぺんもその会合を開かない、会長の補充もしない。これで協力をしておるのだといつても、少し無理だろうと思うのであります。一体いつごろ会長を補充されるのか。二十億の金を出されるについても、当局及び国有鉄道と両方で折衝するよりも、審議会において大蔵省関係者に対して、一体幾ら金が出るかということで、一面においてはこの計画と関連してやつて行けば、相当上げたと思うのであります。せつかく衆議院の方で議員提出の形において審議会をつくつたのに、活用されないでその金がとれない。大臣がかわつておるのにこういうことを申し上げるのはいかがであろうと思いますが、しかし事務当局はかわつておらぬと思う。たまたま監督局長はかわりましたけれども、系統というものは残つておるはずであると思うのであります。監督局は審議会の仕事を扱うのでありますから、一体監督局の事務当局はどういう考えをもつて活用されたかということを、一応聞いておきたいと思います。また会長をつくる場合に、一つは運営の上から、一つは利権的な問題があるから、政党人が会長になつてはいけないというような議論があつたのであります。しかし私は議員の中には物事を利権的に考える者はないと考えておりますから、その問題は問題にはいたしません。しかし党内の事情でなつた人は、党内事情でやめなければならぬということになるだろうと思うのであります。民間から多くの人が行つておるのでありますから、民間人を会長として出すべきだというのを、あえて吉武君を出しておいてあとを補充しない。今のお話を聞いておりますと、大いに協力をして審議会とも相談したいというが、われわれは何も相談を受けておりません。その点で私は少し努力が足りないと思うのでありまして、できた審議会ならもう少し御活用あつてしかるべきだと思うのであります。たとえば会合をやる場合において、大蔵省の起債の関係あるいは金を出す関係の人を呼びまして、一面においては安本の者も呼んでおきまして、これで一体どうだと言えば、私はもつと率が上つたと思うのであります。二十億だけでは少し努力が足らぬ、できた機関をあまり活用しておらないと思うのであります。監督局の方についてはもつと活用の余地があると思うのでありますが、どういう理由で活用されなかつたか、伺つておけば仕合せだと思うのであります。
  66. 村上義一

    村上国務大臣 ただいま淺沼さんからお話がありましたが、淺沼さんも審議会委員として、当初からお骨折りを願つておるのであります。私の承知しておるところでは、運輸省当事者においては、すみやかに欠員を補充願つて、一日も早く審議会を開いて、諮問に結論を出していただきたいと念願しておるように承知しております。私も直接お願いをいたしたことも最近にあるのであります。淺沼さん御承知通り、総会は二、三回しか開かれなかつたようでありますが、小委員会は数回にわたつて開かれたようにも聞いております。ともかく私はまた聞きのことでありますから、当時の官房長であり、現在の監督局長である荒木政府委員から、直接経過をお聞き取り願いたいと思います。
  67. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 実は私官房長であつたわけでございますが、御承知のように審議会の総会が二回、小委員会が二回開かれて、以後開かれていないわけでありまして、今度就任いたしまして、どういうわけで休んでおるのかただしましたところ、当時の事情として、二回目の審議会の際に、大体どのくらいにするかということでしたが、やはり予算のわくがわからないと雲をつかむような話であるから、予算の輪郭がつくまで少く待つたらどうかという意見が出て、はつきりした決をとつたわけではないのでございますが、大体そういうような空気だつたので、実はそのままになつておる。しかし当時の会長であり小委員長である吉武さんは、建設費予算をとることについて、陰に陽に非常に御講力をいただいたと思つております。
  68. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 吉武君が個人的にやられることは個人の行動であつて審議会ということになれば、審議会の意思によつて行動されなければならぬと思うのであります。従つてこれは前の監督局長ではありませんからしかたがないと思いますが、今の答弁は納得行きません。審議会全体として納得の行くような行動をしていて、それで予算がとれないという結果なつたのでありますれば、それはやむを得ぬということで納得は行きますけれども、そうでなく、一、二の運輸省関係の人が大蔵省と折衝して金額がきまつてから、地方の新線をつくれという要求に対して、政府の代弁者になつて予算がこれだけしかとれなかつたから、これでがまんをしろと言い訳をする歯どめの役割に使われる立場以外には置かれぬということになると、これはほんとうに審議会を活用する姿ではないと思う。この審議会ができたのは、もつとスムースに民主的にやれというためであるのに、この運用そのものの中に、監督局の独善的な傾向が残つておると思う。もう少し民主的な運営をやつてしかるべきだと思います。なるほど会長の活躍は認めます。しかし会長の審議会ではございません。全体として動くべきであると思います。審議会にはそれぞれ関係各省次官が出ておるのでありますから、その人に御出席つて大蔵省は一体幾ら出せるのだということを、その席上で聞くことが一番いいやり方であります。こういう点において非常に納得の行かない点がありますが、ここでこれ以上申し上げてもしかたがないと思いますので、私は審議会の方で防波堤になることはごめんこうむるということを申し上げて、私の質問を終ります。
  69. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 新線建設の場合におきまして、現在の国鉄当局の考え方として、あるいは運輸省としても、かつて施設をしてあつた線路をとりはずした、また路面が完成しておつたところ、着手をしてやめたところというような順序に、新線建設方針を立てておると聞いております。これは一応ごもつともだとは思うのであります。しかしながら今日の国内事情、すなわち戰後において、しかも今後独立国家として経済再建をはかる上におきましては、單にかような順位だけできめられるものではないと考えるわけであります。先ほどの御答弁のように、新線建設予算をとる上におきましても、超均衡予算というような文字を使つて、この希望が達成されなかつたという考え、こういう今日の国内事情があるので、従つて地方におきましても、かつて鉄道を敷いた当時の状態とは、経済的にも産業的にも異なる面が大分あります。しかも今日では国内治安の面において、非常な国費を投じて治安維持に任ずるという方針さえ確立しつつあるときであります。従つて治安の面からも考慮しなければならぬと考えるのでありますが、それに対してあくまで順位一点張りで行くお考えであるか、それとも国内事情、治安事情等も勘案してやるお考えがあるかないかということを、大臣並びに国鉄総裁にお伺いをいたします。  次は大臣にお尋ねいたしますが、航空施設関係予算において、簡単に拾つたのですが、二億円余りをこれに計上してあります。これを見ましても航空事業に対しては、政府としても相当熱意を示しておるようであります。言うまでもなく今後文化国家を建設して行く上におきましては、こうした航空機の利用によつて、人の問題以外に、物資の輸送までも飛行機によるということになるのでありましよう。従つて今後の航空事業というものは、国家の財政その他あらゆる面の充実と並行して、高度の利用性をはかられなけばならぬと思うのでありますが、運輸大臣は今後の航空事業に対しまして、さらに別個の航空会社を樹立してまでやる意思があるのかないのか。また国鉄と同様、航空運輸の事業も当然公共性を多分に含んでおるものであり、また持たせなければならない事業でありますが、この公共性について、航空事業にいかなる構想あるいは考慮をめぐらしておるかどうか。  次はこの予算を見ますと、観光事業に対しまして、前年度に比し三千万円余増額いたしております。そうして文化国家再建の一連として、独立後の日本の観光事業を振興させるようにうたつてあるのであります。私もこれに対してはもちろん賛成であります。年来観光日本建設を主張した一人でありますが、しかし先般アメリカに渡つて各地を視察して参りましたところ、この予算説明にあるごとき、いわゆる外客誘致の問題につきましては、多分に私疑問を持つてつて来た一人であります。現在の日本の観光地におけるさまざまな施設の状況をながめて、はたして外人を多く誘致できるかという点に対して、政府はどういう考えを持つておられるか。もとより外人の来日することは、外貨獲得の上において、日本再建に相当貢献することであつて、もちろん双手を上げて賛成するのでありますが、この予算説明によりますと、観光連盟であるとか、あるいは交通公社をして、こういう事業をせしめるとのことである。しかしながらこの観光連盟、さらに日本交通公社が、どういうようなことによつて外客誘致の事業をなそうということを申し出ておりますかどうか。その内容等を聞かせていただけばまことに幸いであります。同時に国内観光の面においても、現在どういう構想を持つておるかということも、つけ加えてお尋ねいたしたいと思います。  最後に海上保安の問題であります。海上保安拡充計画について、増員並びにこれに伴う予算措置はどうなつておりますか、伺いたいと思います。
  70. 村上義一

    村上国務大臣 航空の件につきまして、まずお答え申し上げたいと思います。現在は御承知通り国内航空運送事業会によりまして、きわめて狭い範囲の活動が許されておるだけで、製造、修理、組立て、また運航等は、全面的に禁止されております。しかし平和條約が発効しましたあかつきは、何らの制限がないはずであります。ただ国際民間航空機構の様式、方法等は、たしか五十三箇国であつたろうと記憶いたしますが、ほとんど全世界にわたつて守り拔かなければならないものでございます。これを守るということにつきましては、平和條約の十二條C項に明記されてある次第であります。これらに従いまして近く航空法の制定を願いたいと考えて、せつかく法案の準備中であるのであります。この航空法案におきましては、現在の国内航空運送事業会はただ一つの会社ということになつておりますが、一つの会社と限定せず、数個の会社が経営し得る建前はとつておるのであります。しかしながら現在の日本航空会社ですらも、かなり大きい赤字を毎月出しておるのであります。もちろんこれにつきましては、オペレーシヨンの関係者、また整備関係者をみな米国人、要するにノース・ウェスト・エア・ラインの職員がやつておりまして、人件費も日本人に比較しては相当高いということは、もう顯著な事実であります。今日の日本航空会社とノース・ウエストとの間の運航契約は、足かけ五箇月にわたりまして、原価計算によつて料金をきめたのであります。しかしながら飛行機だけはさしあたり購入せんければなりませんでしようが、日本人がすべて管制もやるし、また操縦も修理もやる、また整備もやるということになつて行きますれば、よほど原価は安くなるだろうと考えております。要するに現在のところ、毎月数百万の赤字を出しておる現状であります。政府でもある程度は援助もしておりますけれども、諸外国に比してかなり貧弱なのである。もつとも着陸する飛行場をただで使つているということは、非常な大きい援助と言わなければなりませんが、二十七年度予算において特に三千万円を使つて、学校を建設して養成するかわりに、これは各国とも政府が養成学校はつくつておるのですが、それをするかわりに、さしあたつて整備の技術員だとか操縦者だとか、こういう少数の人を大体二十名見当でありますが、四箇月ばかりの期間で、過去の経験を持つておる人をアメリカに留学せしめる、こういう計画を立てまして、これに要する経費の半分だけを政府が補助する、結局二十名の中の七分の三か、あるいはどの程度になるか、これは日本航空会社の者が行くことになると思いますが、結局日本航空会社がさらに赤字をふやすということに相なります。要するにこういうことで、今後政府はなすべき援助は大いにして行かなくちやならぬとは思いまするが、需要供給の関係もあります。今日の航空運賃は非常に高過ぎるという声もよく耳にいたすのでありますし、その他のサービスにおいて非常に改善すべき点が多々あることは私も確認しております。要するに検査設備、修繕工場なしに仕事をやつておるということが、最も欠陥の大なる原因だと思うのであります。これについても講和條約発効の時期を待つておれぬ問題だと思いますので、数目前に、特別の措置を講ずることを認めてくれという書面を、実は連合国軍に発送したような次第でありまして、多分今までの内談によりまして、許されることと期待いたしておるのであります。  なおお尋ねの今後の問題につきましても、もちろん、航空路の拡張ということは必要だと思うのであります。一般の民間の希望に沿つて、適当なコースをふやして行かなければならぬと思うのであります。しかし第二会社、第三会社を認めるということは、法律は認めておりましても、この企業の実態からいたしまして、とてもそろばんに乗らないと思うのであります。しかしながらそれは時期の問題じやないかと考えます。ある時期まで至りまして、需要が多くなれば、同一の航空路に二つのラインが動いても、ちつともさしつかえないのじやないかと考えるのであります。飛行場の運営についても、幾多の準備が必要だと思います。また航空路の拡張につきましても、航空燈台の設置、標識の設置の問題、飛行場の運営でも、ラジオ・ビーコンの施設でありますとか、あるいは有線、無線の通信施設等、いろいろ必要といたすのでありまして、将来航空を自主的に発達せしめるにつきましては、幾多の措置を急いでなさなければならぬようであります。  次に観光についてでありますが、戰前にニューヨークまたはヨーロッパの方に宣伝事務所を持つてつたのであります。その後長きにわたつて閉鎖いたして、今日に至つておるのであります。少くともツーリストのマーケットでありますニユーヨークヘ宣伝事務所を持ちたい、同種にいろいろ日本にやつて来る人のあつせん、また日程の相談に乗り、旅費の相談に乗るということもぜひなして、安心して日本に渡来せられるようにしなければならぬと思います。またアメリカでも、御承知のように在外事務所が各地に設けられておりまして、これらの外務省の所属員も、いろいろ宣言については協力を願うことができるのであります。ただいろいろ込み入つたインフオーメーシヨンを求められると、一々日本に電報することはできないので、せめて一箇所でも米国の市内に宣伝事務所がほしいという話も、前から聞いておりまして、この点につきましても辛うじてニユーヨークに一箇所設ける。もちろん三千万円ぐらいの金では、あるいは屋根裏に近いようなオフィスじやないかと考えますが、まずもつて一石をそこに置いたという考えで、来年度からスタートを切りたいと考えております。  なお受入れ態勢についての御意見がございましたが、今のとこは観光事務については運輸省が所管しておりますが、観光地点と申しますと、東京とか横浜あるいは京都、大阪とかいう都市内の観光を除きますと、大体において国立公園と密接な関連があります。その国立公園が今のところは厚生省の所管に相なつております。また国立公園内のドライヴ・ウエイその他の道路という問題になつて参りますと、建設省の所管になつておるというような次第で、来年度予算に賃取り道路費として十五億を計上されておりまするが、これは主として箱根、日光の中における観光道路の建設費に充当することになつております。特に伊勢、志摩国立公園のごときは、ほとんど自動車をかる道路がないと言つていいくらいで、どうも現状ではあすこをツーリストによく理解してもらう、楽んでもらうことができない事情になつております。すこぶる遺憾でありまするが、とにかく今後は、所管はどこであろうとも、そういう点に力を十分いたして、受入れ態勢を整えて行きたい。  また日本ではガイドというものに、ツーリストは相当悩まされる。ガイドにつきましては、もとより試験をし、登録せしめ、また常時種々のインフオーメーシヨンを與え、時勢に遅れないように、教養もガイド組合を通してやつておることは事実でありまするが、とにもかくにも一日千円という給料、それから宿泊料をツーリストが負担せなければならぬということで、日本の旅行は非常にアトラクテイヴではあるけれども、旅費が高くつくという非難をしよつちゆう聞いておる。これを安からしめることが第一であるが、ホテルが足りない。需要供給の関係で、ホテルの宿泊料が高いということが原因だと思います。要するにいろいろの施設も必要でありますが、半面において旅費を安からしめるという措置を講ずることも、きわめて大事な点だと思つておるのであります。そういう線に沿つて、今後微力ながら力をいたしたいと思つておるような次第でございます。  それから新線の順位についてお話があつたと思います。撤去線あるいは中止線のみをとるのではないかというふうに御理解になつているやに、私間違いかもしれませんが、お聞きいたしたのであります。これは撤去線を第一にするとか、次には工事中止の線を拾うとか、こういうことはおそらくないと思います。あるいは未着手の建設線をとらえる場合もありましようし、またさらに進んで、今まで予定線でもないところが情勢の変化によつて非常に必要だということになれば、もちろん審議会で採用になることと私は信じておるのであります。要するに現段階において最も必要なところという点を選定せられると思いますし、またぜひそういうことにお願いをしたいと私は考えておるのであります。
  71. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私の方の建設運輸大臣の認可を要するのでありまして、運輸大臣の御方針できめたものでなければ認可にならぬわけですから、その点誤解のないようにお願いしたいと思います。私は委員をしておりますから、審議会の模様もよくわかりますし、審議会の意のあるところは全部わかるようになつておりますのでその点非常に都合がいいのであります。
  72. 岡田五郎

    岡田(五)委員 先ほどの玉置委員からの航空に関する御質問並びにそれに対する御答弁の中に、最近飛行機の修理また部品の供給というような問題が起つて来て、数日前関係方面に書面を出した、こういうお話があつたかのように思うのでありますが、この飛行機の修理または部品の製造、ひいてはまた航空機そのものの生産——これは近きにありとは考えられませんが、一応観念的に航空機生産事業というような問題も、考えておかなければならないと思うのでありますが、これに対して運輸大臣はどういう御所見をお持ちになつておりますか。新聞の報ずるところによりますと、政府部内においていろいろと意見もあるようでございますので、現在のところ運輸大臣とし毒どういう御所見を持つていらつしやるかという点を、簡単でもけつこうでございますから、この機会に承らしていただきたいと申しますのは、当委員会においても、航空関係を非常に重要視しまして、航空に関する小委員会が設置せられることになつたのであります。今後小委員会においてそれらの問題を審議、調査、また研究いたします上においても、大臣の御所見を承つておく必要がある、かようにも考えますがために、御質問申し上げる次第でございます。
  73. 村上義一

    村上国務大臣 航空機の製造は、現在使つておりますダグラスDC4あるいはまたマーチン202というような飛行機の製造も必要でありましようし、さらに海上保安庁が今後哨海上必要とするようなもつと小型の飛行機、あるいは單に運送事業のみでなしに、漁群発見のためとか、あるいは観光事業とかいう見地から、最も適当なヘリコプターの製作が必要だと私は思つております。しかしながら何分にもこの製工業は莫大なる資本を要する次第でありまして、平和條約発効と同時にただちにこれが設立されるだろうということは、どうも期待が持てないと思うのであります。実現するような健全、着実な計画がここにあるとすれば、まことに国家のためにけつこうだと思つておるのであります。
  74. 岡村利右衞門

  75. 滿尾君亮

    滿尾委員 同僚議員からすでに総括的な問題がすべて論議されましたので、私は今回御提案になりました運輸省並びに国鉄予算について、若干のお尋ねをいたしたいと思います。  第一に運輸省予算でございますが、陸運局の所管である道路運送審議会は、巷間伝えられております各種委員会の整備の範疇に考えられているのであるかどうか、あの範囲外に立つているのかどうか、御所見を伺いたいと思うのであります。なおこの委員会の従来の運営の様子を見ておりますと、経済的な面において著しく待遇が悪い、あるいは旅費等も非常に不十分である。委員会に参りますと足が出るというようなことで、それらの付随的なことが委員会の正しい機能を発揮する上において、少からず障害があるように私は見聞しており、従来も当委員会においてそのことに言及したのであります。今回の予算は若干の増額を見ているようでありますけれども、これで一体事務当局としては十分な活動が期待できるとお考えになつているのであるか、ちよつと御説明をいただきたいと思います。
  76. 中村豊

    ○中村(豊)政府委員 第一の御質問は、各種委員会の整備が問題になつているが、道路運送審議会はそれと同じようなものかというお話でありますが、現在問題になつているのは行政組織としての委員会でございますので、この道路運送審議会の性格は運輸大臣の諮問機関でございますから、あの整備の対象にはただいまなつておりません。  それから第二の御質問の手当の問題でございますが、たびたびの予算折衝の結果、委員長が千六百五十円、委員が千四百五十円の二十日分、このくらいの手当になりましたので、これならばまあまあ運用上支障ないだろう、かように思つております。
  77. 滿尾君亮

    滿尾委員 ただいまの政府当局の御答弁は、大体わかつておるのでありますけれども、その御見解は非常に狭少に失する。千六百五十円を二十日分もらつたところで幾らになるか、三万三千円である。この道路運送審議会の取扱いまする仕事の性格は、非常に重大な国民の権利義務に関係があることであつて、いわば憲法上の権利に密接なるつながりを持つておりますので、この待遇が悪いということになると非常に問題がある。これをもつて満足せられないで、さらに増額の努力を今後続けていただきたいと希望するわけであります。ことに問題なのは旅費の点でありますが、旅費の予算は前年より相当増額になつておりますかどうか。  また同じ陸運局あるいは本省の自動車局の予算で、石油の統制の経費が上つておりますが、石油の統制は、二十七年度予算から見ると、これは一箇年間存続せられるものとわれわれは了承してよろしいのでありますか、お伺いいたしたい。
  78. 中村豊

    ○中村(豊)政府委員 道路運送委員の旅費は、前年度二百九十万円に対して二十七年度は二百四十四万円ばかりで、八割四分二厘に減額されております。この点は運用上非常に困難を感ずると思いますけれども、できるだけ会期を集約しまして、合理的な運用によつて何とかやつて行きたいと思つておるわけでございます。  次に石油の統制の問題は、統制を存続するという前提において予算が組まれております。
  79. 滿尾君亮

    滿尾委員 道路運送委員の旅費の予算が増額ではない、あべこべに減額されているという御説明は、実に驚くべきことであります。かようなことでは絶対にこの面の行政事務が円滑に途行されないと私は思う。あるいはいろいろの弊害がここに発生して来るおそれがある。これは運輸大臣とされましてもこの点に力を注がれまして、何らか補正される道を講じていただきたいと考える次第であります。もし旅費も十分にやらぬような審議会なら、これはやめた方が害がない。審議会を開くのも非常に時間的間隔を置いて、人民の申請いたしました書類が、審議会の旅費がないためにいたずらにつかねられているというようなことになりましては、私は本末転倒のことだと考えますので、この点について大臣の深甚なる御考慮を求めます。  次に海員の問題でありますが、私は先般アメリカから帰りましたときに、日本の貨物船に乗りまして、親しく海上に勤務している諸君の日常の生活がどうであるかということを、ほんとうに寝食をともにいたしまして体験して、今まで自分の認識不足であつたことを非常に嘆いたのでありましたが、先ほどの大臣お話にもありました通り、わが国の将来の運命をになうものの一つの柱は、確かに海運国策にある。ことに外航船の海運の振興にあると思うのであります。今直接に聞いてみますると、わが国の海員は自分の職業をほんとうに天職として、なかなか満足しておらぬようであります。国家があるいは社会が、この海員の諸君に対して期待しておりますその重要な職責に比べて、いろいろ物質的な精神的な待遇において、彼らは不満を持つているように私は見たのであります。物質的な面はこれまたいろいろありましようが、特に精神的な待遇方法において、運輸大臣は海員諸君を優遇せられる何らかの具体的な方策をお持合せでございましようか。また今回御提示になりました予算の中に、その片鱗ても具体化されたものがあるのでありますか、ちよつと見ただけではわからぬようでありますが、お伺いいたしたいと思います。
  80. 村上義一

    村上国務大臣 海員の特殊性、またその犠牲的精神によつて、いろいろな努力を日夜拂いつつある。普通人とは異なつた生活環境に甘んじて、その天職に邁進しているということについて、非常に御理解あるお説を伺いまして、まことに感銘する次第であります。これにつきまして海員諸君は、やはり陸上において働いている人も同様でありますが、一層向上心に燃えているのであります。この向上心を充足するというためには、どうしても教養ということが大事でありまして、海員の養成、訓練、以前にも高等商船学校なるものがありました。船員大学というもの等で、教育の機会を一層與えるということは、ぜひとも国家としてなすべきことである。もちろん大学は今日文部省の所管に入つております。ただ特殊の訓練につきましては、各地において最善を盡しているような次第であります。その他特別の待遇の改善ということについて、今ことさらお答えする点は遺憾ながらないのであります。ただここで申し述べたいことは、今遺族援護の問題に関連してでありますが、戰争中陸軍にあるいは海軍に船舶運営会の手によりまして、海員はそれぞれその船とともに運命を決するという最初からの決意をもつて、砲弾あるいは爆弾下において作業をしておつたのであります。とにかく非常に多くの犠牲者を去る大戰においては出したことは御承知通りであります。そしてその当時も乗り組んでおります船のボーイ、あるいは料理人というような人たちは、大体において軍属になつておりました。しかし船長、事務長以下のほんとうの船員は、当時は軍属の取扱いをしていなかつた。陸軍も海軍も、けがをした。もし戰死をしたならば、ただちに軍属として靖国神社にまつる。またその功労に対しては軍人及び軍属と同じく、勲章をもつて報いるというような約束でありました。現に金鵄勲章を持つておる者は相当多数おるのであります。しかるにこれらの船員がややもすると認識外に置かれて、いわゆる遺族援護の範囲外に、これらの犠牲者の遺族が置かれんとするような意見をよく伺うのであります。まことに遺憾にたえないことであります。こういうことこそまずもつて報いるところがなければ、どういうことをやつても泡沫にひとしい結果になるだろうと思うのであります。これらの点につきましてもぜひともひとつ皆さん方の御協力を、この機会にお願いする次第であります  なお前刻海上保安庁の予算関係について御質問があつたのを失念いたしまして、はなはだ御無礼いたしました。ついでながらと言つては失礼ですけれども、今お答えしておきたいと思うのであります。海上保安庁の業務は、大体において航海安全業務と海上治安業務、この二つにわかれるのであります。海上治安業務につてのお尋ねだつたと解釈いたします。これらの仕事は御承知のように密入国の取締り、また密貿易の取締り、密漁業の取締り、さらにこれらに関連して海上における犯罪の予防、逮捕、鎭圧というようなことをさすのであります。同時にわが国の漁船の保護、マッカーサー・ラインを解消するということになりますと、今後非調印国との間に相当トラブルが起ることを憂慮いたしておるのであります。これらの問題に直面して処理するものが、いわゆる前刻もお話が出ておりました警備員の、また警備の巡視船なのであります。警備員は二十六年度におきましては大体九千八百人、もう一方の航海安全業務の方は約三千人であります。合計約一万二千人と前刻も長官がお答えいたした次第であります。この警備救難関係、つまり海上治安の業務に対して六千人二十七年度は増員するということに相なつております。これに関連しましてもちろんこの人件費とそれから巡視船、巡視船は実力を持たなければならぬことは御承知通りでありますが、今何ら実力を持つていないといつても過言ではないのであります。どうしてもある程度の装備を持たなければ——不当な犯罪行為をなす船に対して停船命令を出すのには、大砲を打つよりほかにないのであります。ときには空砲ということも考えられます。実力を持つてやらなければ合図一つができ得ないということは、御想像にかたくないと思うのですが、そういつた警備上の装備が船に必要なのであります。これらの装備をまず不十分ながら一わたり備えるという経費も入つております。そういつた意味で、二十六年度は総額六十二億でありましたが、二十七年度は九十二億に増額されております。その三十億というものは、もつぱら海上治安業務に従事する六千人の増員と、パトロール船の装備に充てるということに相なつておる次第であります。
  81. 滿尾君亮

    滿尾委員 大臣から海員の過去の戰役における遭難着たちに対する思いやりのある言葉を聞いて、私感銘したのでありますが、生き残つた船員の話を聞いてみても、戰争中二度や三度は海に落ちて生き残つたたちばかりであります。今回の予算にはあまり具体的な優遇方法考えられていないようでありますが、やはり相当具体的にお考えになることが必要ではないか。なるほど三十万トンの外航船をつくりますけれども、船をつくつても人をつくらなければ、やはり日本海運というものは伸びることができないと思うのであります。私の見聞しました一つの例を申しますと、アメリカの政府はアメリカの海員に対して、航海中のタバコを非常に安く供給しておる。それをアメリカの船員に供給するだけではない。アメリカの港に入つて来る日本船舶の船員にも、税金をとらない非常に安い特殊なタバコを出しておる。但し船が港に入つている間は、そのタバコを持ち出して売るという人が出て来るといけませんので、それを金庫の中に入れて封鎖しておりますが、船が港から出ると、ただちにそのタバコを船員に供給しておる。日本の専売公社はそれだけの雅量がない。ひとつ本家本尊の運輸省がまずそういうことからお始めになつて、金の面というよりも、精神的な面において、国策の第一線に出る人たちでありますから、優遇する方法を具体的にお考えいただくようにお願いいたしたいのであります。  次に海上保安庁の問題でありますが、私伺いたいのは、幹部職員の教育ということを、どういう段階でやつておられますか。昔の海軍の軍人を相当御採用になつておるのかどうか、今後ますます増大する部隊を構成して行くのに、どういう方針でやられるつもりであるか、あるいはその教育のイデオロギーと申しますか、理念をどこに求めておられるかということをお伺いいたしたい。
  82. 柳沢米吉

    ○柳沢政府委員 御質問の海上保安庁の教育理念の点でございますが、海上保安庁といたしましては、海上保安庁法に規定された業務の根本理念として、人類愛ということを基礎に置いております。しかもそれの進む線といたしましては、人命の尊重ということを基盤として進むようにやつております。御承知通りに、たとえば海上で大きな船がしけにあつて難破いたしましたときに、小さな船で出て行つて救助をするという場合に、職員を出すということは、よほど職員の間に信念がない限り出て行けないのであります。この信念をつくるために努力して参りましたが、近来その精神が相当末端までしみておりまして、近ごろにおきましては、その命令に躊躇する人間がないという状態に立ち至つております。この教育の根本理念はそこにあり、将来もまたそういう理念で進んで行きたい、かように考えております。  なお教育の状況は、海上保安大学校及び海上保安学校、海上保安訓練所、この三段階にわけて訓練をしております。海上保安大学校といいますのは、新制高等学校を出ました人間を幹部として養成するために、四年間の教育を施すことになつております。海上保安学校は舞鶴にございまして、職員の再教育ということを目途としてやつているものであります。なお海上保安訓練所は呉にございまして、ここでは新しく入つた下級の人の訓練をやるというふうにしております。この教育の間に、今申しました基本理念をすつかり浸透させたいと考えております。
  83. 滿尾君亮

    滿尾委員 次に運輸大臣にお尋ねしたいのであります。先ほどから新線建設問題についてはいろいろな角度からお話がありまして、もう私が多言を要しないところでございまするけれども、言大臣のお言葉のうちに、国鉄の線路の四割近くは採算のとれない線であるというようなお言葉があつたのであります。実は自分が国鉄の出身でありながら、そういうことを言うのはおかしいようでありますけれども、従来の国鉄の幹部に流れておりまする一つのイデオロギーは、国有鉄道でありながら、物の考え方をとかく商業主義に立脚して考えるのが専門的立場である、そういう気分があるように思うのです。大臣が過去におかれてその面の一番のエキスパートであられるだけに、そのお考えがやはり強く出ているのでないか、これは釈迦に説法でありまするが、そういう懸念を持つのであります。そのことが新線建設に対して、あるいは閣議におかれ、あるいはその他の部面に対して、運輸省なり国鉄なりの打つて出るその感じが、どうしても商業主義の線から抜けられないような感じが漂いはせぬかという杞憂を抱いている。私の意見では国有主義ということは、平たく申せば国有鉄道の線路は能率のいい道路である。公共事業費を道路にどんどんつぎこんでも、だれもその道路でそろばんがとれるかどうかということを議論した人はおらぬ。ところが鉄道の場合になりますると、とたんに採算主義的反省を加える。そう考えることがいかにももつともらしい、専門家的である、こういうような一種の病気がありはせぬかと私は懸念している。御本尊がそういうような気持でおられる、財政資金はなかなかとれない。ここのところは一体道路の建設とどこが違うのか、あるいは公共事業費の中には、都市に散らかつている葉つぱを掃いているような失業救済の金も入つている。目を大局に注いで、いかなる金の使い方が最も資本の効率を上げるか。そこで商業主義になりますが、国鉄へ投ずる金がほかの面へ投ずる金よりもより資本の蓄積になり、より建設的であるということに徹して考えました場合に、道路に使うだけの金は国鉄で使つてもいい、確かに私はそう考えるのでありますが、この点につきまして大臣の御見解をもう一度確かめておきたい。私は明日あるいはこの次の機会に、池田大蔵大臣にぜひこの件を伺いたいと思つておりまするがゆえに、はなはだくどいようでございまするが、本日運輸大臣の御見解を承つておきたいと考えます。
  84. 村上義一

    村上国務大臣 先刻四割ほどは赤字の線であるということを申しましたのは、昨年国鉄から発表せられましたデータに基いて申し上げたにすぎないのでありまして、これらは申し上げるまでもなく、満尾さんはよく御承知でありまするが、全国の鉄道、要するにこれはレールウェイ・ネットと昔から申しております。すべて中幹線は大幹線のヒーダー・ラインである。また地方の支線は中幹線のヒーダー・ラインであるということも、この採算方式に立脚しても考えることなのであります。ただ一つの線だけをとつて論ずることの誤りであるということは、私もつとにこれは主張しておるところなのであります。この点あるいは先刻簡単に申しましたがゆえに、滿尾さんの誤解を招いたかと存ずるのであります。私としてはそういう考えは持つておりません。ただ今商業義にいろいろものを考えるということをお話になりましたが、これは独立採算制ということを国会がきめて、そうして国有鉄道にその定規を與えられたという点について、私は再考をせねばならぬ点があるのじやないかということすらも実は考えておるのであります。もちろん私は今国有鉄道の部内におきまして、公共性と企業性とが両立せぬ。二本建であるから非常に経営がまずい、こういう説をよく聞くのであります。私はこれは一体をなすものであつて、初めて公共性を満足させ、初めてそこに国有鉄道という企業性が成り立つのだ。また国有鉄道の使命を果し、国有鉄道の企業が成り立つところに、初めて公共性を成り立たしめなくてはならぬ。決して両者は別のものではないという考えを私は抱いておるのであります。従いまして滿尾さんがお話になり、御指摘くださつたような考えは、私は持つておりません。
  85. 滿尾君亮

    滿尾委員 大臣の御答弁を得ましてありがとうございました。  今度は国鉄予算について若干お尋ねをいたしたいのでございますが、まことに事務的な技術的なお尋ねで恐縮でございますけれども、これは予算審議でありまするから、お許しをいただきたいと思うのであります。この歳入歳出予算年度比較表、第一表を見まして、貯蔵品購入の項目で、前年は実に百億に上るものがあつたのでありまするが、今年は全部ゼロになつて、どこかにつけかえになつておる。予算編成のテクニックが、今年度は革命的な変更を来しておるように思うのでありまするが、この点についての御説明一つもなかつたのですが、この点について御説明をいただきたいと思います。
  86. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 二十五年度予算におきましては、この形式で組まれたのでございますが、二十六年度だけ司令部の示唆がありまして、別個の形式をとつたのであります。今度またそれがむだな手数であるということで、中間勘定の通り抜けをやめまして、二十五年度と同様の形式に復帰した、こういうことでございます。
  87. 滿尾君亮

    滿尾委員 こうすることの実益ということに触れてお話をいただきたい。それとたとえばもう一つまことにこまかいことで恐縮でございますけれども、第二表の三で見ますと、不用施設及物品売却収入が出資勘定、工事勘定の方だけになつて、損益勘定では全然落してある。ここでも何かテクニック上つけかえがしてあるようでありますが、どういうわけでこういう編成方をされるのであるか、御説明が願いたい。
  88. 鈴木滋

    ○鈴木説明員 お答え申し上げます。前の貯蔵品の関係でございますが、これは御説明申し上げました通りに、二十五年度はこの形をとつております。この点につきましては、貯蔵品は二十六年度の前年度予算額の表を見てもおわかりになりますように、重複勘定になつております。現実の問題といたしましては、工事経費なり、損益勘定なりで決算をするという形になつておりまして、元の勘定では重複した形になつていたわけであります。  それからもう一つ御指摘になりました不用施設及び物品売却收入でございますが、これは元来工事勘定所属のいわば固定資産及び物品を売却した収入でございますから、この点で一応工事勘定の方の所属という形になります。
  89. 滿尾君亮

    滿尾委員 収益勘定からちつとも出ないのですか。
  90. 鈴木滋

    ○鈴木説明員 収益勘定からも出ます。収益勘定から出ます部分は不用施設及び物品売却収入として出したわけでございませんで、雑収入に掲げてございます。
  91. 滿尾君亮

    滿尾委員 それでは今年の事業計画でございますが、人トンキロの増加でここに出ておりますけれども、これは列車キロに換算すると、何パーセントくらいの増高を見込んでおられるのであるか。また今年度のいつごろに時刻改正等を御計画になつているか。いるとすればどんな見通しを持つておられるか、お伺いいたしたい。
  92. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 列車キロにいたしますと、三億二千八百万キロでありまして、対前年度の五%の増加を示しております。  時刻改正につきましては、いつごろやるかということについては、まだこれはきまつておりません。
  93. 滿尾君亮

    滿尾委員 私このたびアメリカを見学して一番心を打たれましたのは、アメリカの機関車はディーゼル・エレクトリック・ロコモチーブになつているわけであります。この機関車を使いますと、ただちに電化の効果が上る。もちろん日本としては重油を買わなければならぬので、燃料の点で不利ではございますけれども、ただいまのように電化予算が少くて、遅々として幹線の電化が進まない。こういう情勢ではここにディーゼル機関車を入れると、たちまち東京、鹿児島間の電化が完成したのと同じ効果が上るように考えるのでありますが、国有鉄道におかれてもディーゼル・エレクトリックの機関車の試作を御計画になつたということを伺つておりますが、本日いただいた予算書にはどこに入つているか。車両の面には入つていないようでありますが、これについての国鉄の研究なり、御計画を伺いたい。
  94. 細田吉藏

    ○細田政府委員 お答え申し上げます。ただいま御指摘になりましたように、デイーゼル・エレクトリックが非常に能率が高い。アメリカにおきましても各社ともそういう方向へ非常に進んでいるということは、私どももよく承知いたしております。本年度はとりあえず三両だけつくりましてこれを使用いたしたいということで、車両費の機関車の中に三両入つているわけです。この成績を見まして逐次今後増強して行きたいと考えております。
  95. 滿尾君亮

    滿尾委員 これは国鉄総裁から御答弁をいただきたいのでありますが、わが国の鉄道は究極的には水力電気の資源を活用いたしまして、電化すべきものだと思います。しかしながら今のような客観情勢において電化が急速に伸びないとすれば、それが完成いたしますまでの間、三年なり、五年なりの期間、急速にディーゼル化したならば、大体サービスの面、利用者の面、あるいは国鉄の運営経費節約の面から申しましても、石炭を操作いたします経費がうんと減りますから、その経営合理化の面から申しましても、非常にけつこうでなかろうかと考えるものであります。総裁は幹線の輸送について、特に旅客輸送について、全般的にこれをディーゼル化するだけの御決意があるかないかをお伺いいたしたい。
  96. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 デイーゼルが世界の鉄道の寵兒であるということは申し上げるまでもないのでありまして、その点わが国鉄の研究はたいへん遅れておるのであります。しかしデイーゼルは世界の鉄道の寵兒だと申しましても、大体においてはスタンダード・ゲージ、いわゆる四フイート八インチのレールのところで使つておるのであります。わずかにたしか南アメリカのアルゼンチンだつたかどこでしたか、メーター・ゲージにデイーゼルを使つております。しかし三フイートー六インチのレールの上に乗せたディーゼルは、私はまだないように思います。そういうような次第でありまして、最初からそううまく行くかどうかわからないものを計画いたしましてもだめでありますから、さしあたりはまず三両つくりまして、その成績を見、それを改善して、成績がよければ漸次油の入手とも見合いましてこれを進めて参りたい。これはひとり国鉄だけでなくて、御承知のように南方の方は三フィート六インチのレールのものもたくさんありますから、その方へのエキスポートの材料にもなるのではないかと思いますから、これは私は大いにその方面の当局とも力を合せまして、デイーゼル・ロコモチープはぜひ試作させ、使つて見て成績を上げて行きたいと思います。
  97. 滿尾君亮

    滿尾委員 ディーゼル・ロコモチーブについて御認識があるようでありまするが、このディーゼル・ロコモチープの問題について、特に技術関係の人を海外べ勉強にやるお考えはないかどうか。今回の予算の中で海外留学の費用を見込んでおられるかどうか、お伺いいたしたい。
  98. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 ディーゼル・ロコの問題は、アメリカに参りましてもやはり四フィート六インチのレールですから、これはどれだけ研究の対象になるかわからない。ところがたまたま今民間の車両業者のあるもの、あるメーカーが相当研究いたしまして、プランも持つているのがありますから、それを共同で試作するという態勢にいたしたいと思います。なお将来におきまして、デイーゼル・ロコの動向あるいは進歩の研究というような点については、今ほかの研究目的で外国に行つている者がありますから、命令すればすぐできるわけです。
  99. 滿尾君亮

    滿尾委員 デイーゼル・ロコの問題は一例でありまして、国有鉄道がほんとうに進歩したりつぱな鉄道になるためには、相当数の人が計画的に年々歳々海外の新知識を取入れることが、絶対に必要だと私は思うのであります。従つて国鉄ほどの世帶になりますれば、継続的に計画的に海外留学生をお出しになることが必要だと思うのでありまするが、本年度予算ではさような心構えが用意されておりますかどうかをお伺いいたしたい。
  100. 荒木茂久二

    ○荒木政府委員 若干考えてあるようでございますが、御存じのように現在はドルが非常に不足いたしておりまして、そういつた面の外国へ行く人のドルを組むということの計画は、一四半期ごとに外貨予算を組んではおるが、非常にきゆうくつになつております。同時に渡航審査会で厳重な審査をいたしますから、必ずしも容易に行けるわけではありませんが、そのように努力いたします。
  101. 滿尾君亮

    滿尾委員 電化の問題でございますが、予算書を拝見いたしますると、東京を中心に各幹線鉄道を漸次電化せらるる御方針のようであります。しかしこれは考えようでありまして私は電化区間の将来の取上げにおきまして、この方針だけでは非常に不公平だと思う。どうしても、非常な山岳地帯であつて、勾配がきつくて隧道も多いという区間だけでも取上げて、電化する必要のある線はピツク・アツプ式に若干お考えになることが必要ではなかろうかと思う。すべて幹線の延長の線だけをやつて行くというのでは、国有鉄道としてほんとうに全国民の要望にこたえるのに片寄つた御判断ではなかろうか。若干の不経済はありましても——昔のことを申しても、横川の電化区間、つまりあの軽井沢のところの勾配線に対して特別にやられたことがあるのでありますから、そういうような御考慮をなさるお考えはないかどうかをお伺いいたしたい。
  102. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 ごもつともでございます。かつてはそういう考えがあり、特に戰後におきましては御存じのように、福島、米沢間が電化されたのでありまして、決して幹線に片寄つてやるということではありませんが、目下のところにおいては、予算関係上、まず東海道線はある程度完成した方がいいのではないかということを考えているわけでありまして、決して御指摘のような、隧道区間を除いて考えているというようなことはございません。
  103. 滿尾君亮

    滿尾委員 今度は国営自動車についてお伺いいたしたいのであります。国営自動車は、その誕生の歴史にかんがみますと、国鉄建設線の先行、代行あるいは短絡、培養といつたような一種のわくがあつたのでありますが、その後国鉄が公共企業体になり、国有主義の実体はかわらぬにいたしましても、独立採算制等のわくが設定せられまして、相当いろいろな変更があつたわけであります。従つてこの国営自動車運営の理念というものにも、若干の変更があつてしかるべきだと思うのでありますが、現在どういうような理念を持つておられますか、お伺いいたしたい。
  104. 片岡義信

    片岡説明員 ただいまお話がございましたように、国鉄といたしましては終戰後におきまして、国鉄の経営の一つである自動車線を延長するということについて、どういうものであろうかということを考えた時期もあつたのであります。現在におきましては、今お話がございましたような従来の経過におきまして、この代行、それから鉄道の予定線に対して自動車を伸長して行くという方向を考えておるのであります。また短絡の線は滿尾さんも御承知通り、同じ方針考えております。なお公共性という点で考えましてその後の自動車の全体の発達にかんがみまして、鉄道のレールの面の運行というものと調整して、公共的に考えて、この調整の関連において自動車を延長して行くということが適当であると考えます場合は、一般の自動車の発達ということと、現在の民間の事業というものとの諸種の事情を考慮しまして、鉄道の運行と関連して広げて行くということについても考えておるような次第でございます。なお貨物に関しましては、レールの面における貨車の能率をよくするというような面について貢献するものがあるという場合におきましては、貨車の代行について考えて行く、実施して行くということを、われわれの方向として考えております。なお観光の面等につきまして、今後の日本の観光の方針に従いまして、この面についてわれわれの国鉄自動車を運行することが適当であると考えられます場合には、われわれの国鉄自動車を運行し、延長して行くことが適当であろうというふうに考えております。こういう方向で考えておるのでありますが、全体の実施するかしないかに関しましては、お話申し上げますまでもなく、運輸省の方で、民間の認可と準じまして承認を得て実施する、こういうことにいたしております。
  105. 滿尾君亮

    滿尾委員 ただいまの説明員のお話は、必ずしも明確でなかつた。従来の考え方は大体そのままあり、それ以上にプラス・エックスがある。そのエックスの面が私にはどうもぴんと来ないのでありますが、本日は追究することをやめまして、あとでゆつくりお話を伺うことにいたします。  それから予算の面で拝見いたしますと、七億の新車の購入費がありまするが、民間のバス事業と比べて、近来は必ずしも国営自動車の車両がりつぱだとは言えない立場にある。この点はいろいろ民間ほど自由な活躍ができないような事情もおありだろうと、私はお察ししておるのでありますけれども、何といたしましても、バス事業は車体にその生命があるのでありまするから、この七億でどのくらいの更替をお考えになつておるのであるか。また続いての自動車線設備費というのは、本年度の新線拡張の費用と考えてよろしいのであるかどうか、お伺いいたします。
  106. 片岡義信

    片岡説明員 七億の予算をいただいておるのでありますが、先ほどお話がございましたように、国鉄自動車の車両現状は、今仰せのごとく、必ずしも民間よりもいいということにはならないと、私の方も実際を調べまして考えております。車両の購入に関しましては、ただいまわれわれ来年度予算の実際の実行に関しまして、部内で打合せをいたしておる次第であります。われわれの車の現状があまりよくないということに関しまして、できるだけの車両を新しく購入するということに考えて行こうと思つております。なお設備資金に関しましては、吟仰せのごとく考えておるわけであります。
  107. 滿尾君亮

    滿尾委員 最後に、国鉄総裁にお伺いいたしたいのであります。本日長時間にわたつて、新線建設をめぐつて最も熱心な論議が行われたのでありますが、当委員会の希望の存するところを、総裁はよく御了解くださつたと思います。われわれはこの問題に関して、二十億のわくが非常に不十分であるということを、各人が痛切に感じておりまするので、この面に対して当委員会の今後の努力を傾倒いたしたいと考えておる次第であります。できればこの次大蔵大臣にいろいろお尋ねいたして、われわれの方案を立てたいということを、寄り寄り相談いたしておるような次第でありますが、それとは別に、この問題を解決するもう一つ方法がある。それは総裁がここで一大決心をせられて、国鉄合理化を徹底していただく。私はこの間アメリカの鉄道の経営を拝見いたしまして、アメリカの最近数年間における鉄道合理化が、いかに徹底しておるものであるかということについて、いささか驚いて帰つて来た。一つの例を申し上げますと、バルチモア・アンド・オハイオの会社では、一つの状袋を十二回往復して使えと言つて、初めから欄が区切つてあるのであります。あれほど紙を濫費し、ぜいたくなアメリカで、鉄道会社だけは、一ぺんの使用で捨てるベからず、一つの状袋を十二回往復に使えと言つてつております。従業員なんかも、最近数年間に百万人くらい減つたのじやないかと思つておりますが、非常な合理化の徹底ぶりであります。ここで総裁合理化を徹底していただいて、大まかな話でございますが、二千億の予算のうち一%だけ節約していただけば、二十億がここに出て来る勘定になる。そうすると、もともとの二十億と合せて四十億の新線建設の費用ができます。総裁におかれてはかようなことをお考えになる余地がございましようかどうか、お伺いしたい。
  108. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 国有鉄道にこの上幾ばくの合理化の余地ありやいなやという問題でございますが、これは私はないとは申しません。若干は必ずあると思います。ただしかしその場合において、その節約額が建設資金にまわされ得るものでございますか、あるいは今日減価償却なり特別補充取替費というものが非常に少いのでありますから、それにまわすのが合理的であるのか、これはよほど考えなくてはならぬと思います。さらに労働基準法等の関係考えまして、決して労働搾取などしてはならぬのでありますし、また状袋の話がございましたが、これは向うの紙がよほどいいから十二回も使えるのであつて、こちらの紙のようなものであつては使えないと思います。それは一例でございますから、必ずしもそれでなくて、合理化、能率の増進ということについては、できるだけ今後努力いたします。但しこれを新線建設にまわすべきかどうか、むしろ減価償却などの少い部分にまわすべきではないかというようなこともございますので、その点は愼重に考えさせていただきたいと思います。
  109. 岡村利右衞門

    岡村委員長 まだ質問の通告者がございますが、本日はこの程度にとどめ、明日午後二時より継続いたします。     —————————————
  110. 岡村利右衞門

    岡村委員長 前回の委員会において、設置することに決定いたしました各小委員会の、小委員長及び小委員の選任につきましては、委員長に一任になつておりましたので、それを発表いたします。  観光小委員長に玉置信一君、小委員に    片岡伊三郎君 玉置信一君    坪内 八郎君  畠山鶴吉君    前田  郁君  滿尾君亮君    山口シヅエ君  木下  榮君    飯田 義茂君航空に関する小委員長に尾崎末吉君、小委員に    岡田 五郎君  尾崎 末吉君    關谷 勝利君  滿尾 君亮君    山崎 岩男君  山本 猛夫君    河本 敏夫君  原   彪君    淺沼稻次郎鉄道電化促進に関する小委員長岡田五郎君、小委員に    稻田 直道君  大澤嘉平治君    黒澤富次郎君  岡田 五郎君    山崎 岩男君  木村 俊夫君    原   彪君  江崎 一治君    石野 久男君を指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十八分散会