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山崎国務大臣 お答えいたします。現在の
日本の
海運のあり方は、御説の
通りにきわめて
戰前の
実力に比較して貧弱なものであるのであります。従いまして御指摘のような
計画に向
つて、これを
一つの
海運政策として推進いたしたいというのが、
政府の意図するところなのであります。先般もこの席上でありましたか、あるいは参議院の同じような席上でありましたか、
海運に対して、このたびの
講和條約、あるいはそれ以外の面において、何らかの
規模制限というようなものが国際的に現われているかというお尋ねがあつた場合にお答えしたのでありますが、それは絶対にありません。ただ
現実の問題は、国内における
資金の
制約を受けておるだけであるということをお答えいたしたのでありますが、今日なお
海運界に対する
制約は
資金面だけであります。また一方、
造船業の問題でありますが
造船能力はあるいは極端に申せば八万総
トンの
能力があるとも言い得るのでありましようが、
現実の問題としては、おそらくその半分くらいの量が最も有効に働き得る限度ではないかと
考えておるのであります。従いまして今日の
日本の
要求は、
海運力の充実の
見地から行きますれば、それくらいの有効な
造艦能力というものはきわめて妥当、適切なものであり、できることならばこれにもう少し力を加えたものであ
つてほしいというくらいに
考えておるのであります。実際そういうふうな
造船の
実力でありますから、これを特に
政府が
圧縮を意図する、積極的にこれに
圧縮を加えて行くという
気持はないのでありまして、むしろ進んで質的に向上させて行かなければならないものではないかとさえ
考えておるのでありますから、これに
資金面から
制約を加えて行くという意図は毛頭ないのであります。ただ
資金そのものがまことにきゆう
くつなる
状態にあるために、余儀なくそういう角度から見れば、そういう結果になるがごとき感を呈するかもしれないのでありますけれ
ども、
政府としては
日本の
造船能力をきわめて妥当な
程度に保たしめる、その質はますます向上せしめて行かなければならないものである、これが私
ども政府として
考えておる
造船事業に対するねらいであり、また
政策であるのであります。