○重盛
壽治君 そうすると、さつきから聞いておると大変受身のようだが、例えばゼネスト禁止法というようなものは、これは私は
労働省のほうが中心で
考えてそうしてやるべき筋合いのものじやなかろうか、方法は成るほど大橋法務総裁が作られるかも知らんが、こう受身で向うでや
つて持
つてくればそれから
考えてやるというような気持に聞えるが、実際にやる意思はあるのかないのか。私は勿論やる意思はないと思うが、押付けられて来たら
研究しようという
程度のところにおられるのじやないかというふうに
考えるのだが、時間的には実際の問題として今度のやつには間に合わんということだけは、これは常識的にははつきりしておるのですわ。
そこで
一つお願いしておきたいことは、これは私が今更言わんでもわか
つておるのだが、私の知
つている埓内では、
保利さんの最近の本
会議における答弁、本日のお話を聞いてお
つても、どうも全く
政府の
一つの
機関の中へすつぽり入り込んでしま
つての御答弁のように聞えるのですがね。これは私は改めて歴史を言わんでも
労働省が設置されたということは、
政府において單なる
政府の
一つの
機関ということでなくて、将來
日本の再建のためには
労働者のいわゆる勤労階級の指導、これの
労働組合の育成助長ということ、こういうようなことが中心であり、勤
労力を以て
日本の再建をしなければならない。それには
労働省が率先してこれの任務に当らなければならないものだらう、いわゆる勤労階級の
労働者の
保護機関というような形で誕生したものが、いつか知らんまにすらすらと、こう
政府の一環であり池田大蔵
大臣の一言の下にその下に動くような恰好は、
保利さんはそうでもなかろうですけれ
ども、そういう姿が最近見受けられておるのですがね。
労働三法の改正の問題等、これは私
どもこの間あたりいろいろ廻
つて来たのですけれ
ども、これには改正の余地があるかも知れません。併し
政府の
考えており、まあ今
審議会のや
つておるような
経過では、時間がないので
内容に触れることは省略いたしますけれ
ども、好ましいものではなかろう、このように
考えられる。これも十分今申上げましたような角度に立
つて、何と言
つても大蔵
大臣は金ばかり言
つて予算の面ばかりしぼりつけるけれ
ども、逆に
労働者が進んで欣然として
協力するというような態勢をつくるのには一体どこでやるかと言えば、
労働省でやる以外にないと私は思う。これは完成すれば蔓亮の四億の問題を、
一つ一つの例を挙げてみても、専売が四億をもろうて本当に欣然と働くということにな
つて四億が八億になり、十二億になるというようなデータがそろ
つてある。これは
一つの例でありますが、すべてがそういう方向づけがなされて国民全体が一致した、
日本の再建の方向に向えるという
状態にあるときに、何か而も
講和条約が結ばれて
独立する、これから何か明るくなるのではないかというと気分を国民全体に與えているときに、団体等規正法、ゼネスト禁止法を作るというようなこと、これは
法律を作る方面はそういう立場でいいかも知れないが、
労働省のこととしてそういうことをして、
労働者に不安動揺を與えるということはけしからんという態度を、はつきりやはり打出してや
つてもらわなければならん重要な段階に来ておるというように私は
考えるのですから、
一つ労働省設置当時の本来の姿に立返
つて一つ十分に頑張
つて頂きたいと、そういう意味合かう言うならばゼネスト禁止法というものを頭からおつかぶせて
労働者が反対しておる、これは
労働組合と
政府とせり合
つておることだけでも
日本の大きなマイナスにな
つて来るということを私は
考えるので、そういう点で
一つ一言御要望を申上げておく次第であります。
従つてこういうゼネスト禁止法や団体等規正法というようなものを、
労働三法に対しても
労働三法を変えることを、一字一句変えることに私は反対いたしませんけれ
ども、
労働者の
最初の基本であるところの
労働組合を育成助長して行くという、あの観念の上に立つた
一つ改正を打出してもらいたいということをこの際強くお願いしておきます。