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1951-11-29 第12回国会 参議院 予算委員会地方財政平衡交付金に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十九日(木曜 日)    午前十一時三十七分開会   ————————————— 昭和二十六年十一月二十二日予算委員 長において小委員を左の通り指名し た。            石坂 豊一君            泉山 三六君            石原幹市郎君            加納 金助君            高良 とみ君            西郷吉之助君            荒木正三郎君            内村 清次君            松浦 清一君            岩木 哲夫君            木村禧八郎君            岩間 正男君 十一月二十六日小委員長互選の結果左 の通り決定した。    委員長     内村 清次君 十一月二十四日委員泉山三六君辞任に つき、その補欠として、岩沢忠恭君 を、予算委員長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     内村 清次君    委員            石坂 豊一君            石原幹市郎君            岩沢 忠恭君            加納 金助君            高良 とみ君            西郷吉之助君            荒木正三郎君            松浦 清一君            岩木 哲夫君            木村禧八郎君            岩間 正男君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君    国 務 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    地方財政委員会    委員      木村 清司君    地方財政委員会   事務局財務部長  武岡 憲一君    地方自治政務次    官       小野  哲君    大蔵省主計局長 河野 一之君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十六年度一般会計予算補正  (第一号)(内閣提出、衆議院送  付) ○昭和二十六年度特別会計予算補正  (特第一号)(内閣提出、衆議院送  付) ○昭和二十六年度政府関係機関予算補  正(機第二号)(内閣提出、衆議院  送付)  (地方財政平衡交付金に関する件) ○本小委員会の運営に関する件   —————————————
  2. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは只今から地方財政平衡交付金の小委員会を開きます。只今池田大蔵大臣岡野国務相、それから今日は野村地方財政委員長が御不快のために木村地方財政委員が代理に出ておられます。質疑を始めて下さい。
  3. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 当予算委員会分科会として平衡交付金の問題に関する当小委員会結論を出したいと思うのに先立ちまして、もう予算委員会質問の機会もないと考えますので、特にこの際只今趣旨によりまして、大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、それは御承知のごとく両院決議において、地方財政窮乏を救う最低限度として平衡交付金百億の増額起債五十億の枠増大許可等に関して政府にこれを両院院議を以て要求いたしていることは、而も與党議員も挙げて賛成をいたしていることの事態は今国会始まつて以來事態考えられ、それだけ地方財政におきましても、関連する地方事務におきましても重大な関心が払われるはもとより、国会においてもその議員の職責上、或いは国会の権威上これにつきましては適当な処置を是非処理してもらわなくてはならんという絶対的要素であると考えるのでありますが、大蔵大臣はこの処置に対して補正予算修正をする意図がない、又起債の五十億の枠も困難であるということは本会議及び予算委員会その他の委員会でしばしば述べられておるのであります。併しながらこの問題は、大蔵大臣のそういう見解及び態度、或いは政府のそういう態度のみで放つて置く問題ではないのでありまして、当予算委員会におきましても院議趣旨に照らし、且つ地方財政実体調査し、更に地方行政委員会におきましても、地方財政の内容を検討したる結果、最低限度只今院議で決定した要求は絶対必要だという深い信念と強い要求態度を堅持しておるのでありますが、そこで大蔵大臣は若し補正予算修正が困難だということであるならば、我々は補正予算要求、改訂するのが第一の希望であるし、これを大蔵大臣要求いたしますが、これがどうしてもできないのかどうかということを先ず第一に何度ながらのことでありますが、伺うのが第一点。  そこで第二は、若しそれができないというのであれば、この平衡交付金の百億、及び起債枠五十億の増額の問題、総計百五十億の地方財政窮乏収拾措置としての政府措置はどのような方法考えがおありかどうか、おありならばその具体的な点をこの際明らかにして頂きたい、この点をお尋ねいたします。
  4. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 平衡交付金増額につきましての両院決議に対しましては、その際私から申述べた通りでございます。又予算委員会におきましても、岩木委員の御質問に対しまして御答弁申上げたのでありまするが、重ねての御質問でございますのでお答え申上げます。  第一のこの補正予算を撤回いたしますか、或いは政府として修正して出すという考え只今のところございません。  然らば次の問題は、補正第二号を出すかという問題と思いまするが、この点につきましては、只今のところ検討を加えておるのでありまするが、なかなか困難だと思います。私は先ず第一にやはりルース台風のことを考えなければならん。ルース台風につきましては金融措置をいたしまして、早急の災害復旧に手を着けておるのでありますが、こういうことを考えますると、補正第二号ということもなかなか困難ではないかと思います。これは併し今後の情勢を見なければはつきり申上げられません。やはり中央、地方財政を勘案いたしまして善処いたしたいと検討を続けておりまするが、只今のところはつきり申上げられない状態であります。然らば地方財政窮乏をどうするか、百億の平衡交付金、五十億の起債というお話でございましたが、この財政窮乏をどうするかという問題になつて参りますと、主としての問題はやはり地方公務員或いは学校の先生等の俸給の問題が主たる、第一の問題だと思います。第三には税収入その他の問題、他の経費の問題があつてどれだけ不足するかということは、今後の調査その他によりまして、非常に苦しくてやり切れんところもありましようし、又何とかやり切れるところもありましよう。こういうこの実体がだんだんわかつて参りますにつれまして、非常にお困りのところの分につきましては、私は金融的措置で切抜けて行くよりほかにないのじやないか、こういう考えでございます。
  5. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 補正第二号がなかなか困難で、まだ今のところ見通しがつかない、若し補正予算第二号が策定できるという場合には平衡交付金等を織込む考えであるかどうか、それからそれがどうしても困難な場合には金融措置考えなければならんが、金融措置考えるまだ前提條件としては今大蔵大臣公務員教職員等の給料の問題、その他税収入その他の経費の問題を更に検討せねばならん、検討した結果において必要度金融措置をとろう、こういうように解釈されるのでありますが、でこれはいろいろ議論になるかも知りませんが、今日地方財政窮乏実体は、当初大蔵省が百億の平衡交付金増額を認めるという段階に至つたのはやはりそれを調査したから至つたんだろうと思う。それとも、調査の徹底をまだ欠いておるという意味か、そのときに大体の輪郭はわかつておると思う。いやしくも総理府の外局であるし、内閣一環組織である地方財政委員会が権威ある調査をして、そうしてこれらの答申を両院及び政府提出をいたしておる。それを今日、すでに数十日も経過した今日においてなお検討中というような姿で……荏苒ではありますまいが、放つておるような感じを受取れる態度というものは非常に不可解と私たちは思つております。速かに御多忙であろうが、事務局その他を御督励せられて地方自治体のこうした実情調査されて、大よそ結論はもう出ておることと思うのであります。で、これらを調査してから後に必要度金融措置を講ずるというのでありまするが、先ずこれを速かに地財委及び自治体、大蔵省等調査を緊急総合化して結論を出して頂くということが第一であります。そこで我々といたしましては、両院においてはすでに地財委要求、及びおのおの勧告地方自治体財政実体を、それぞれの衆参両院議員が知つておりまするからこそここに與野党を通じての院議決定なつたゆえんのものは、大体地方財政窮乏というものは研究の必要はあり、調査の必要はありましようとも、異議のないものであつて、で、これには八十何億の節減費も現に地財委としてやつておるような実情等も見て最低限度百五十億の要求は当然だと見ておるのでありますから、研究に名を借りて荏苒日を延ばすがごとき印象を受けることにつきましては、何とか改めて頂く点はないかどうか。それから次に金融措置と言われますが、この金融措置ということは具体的にどういう金融措置を講ぜられようとするのであるか、この点をお尋ねいたします。
  6. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 我々の調査では一応御審議願つておりますような百億の増加、又地方起債増加によつて賄えるという結論を出したのであります。然るところ両院におきましてああいうような決議がありましたので、今後十分検討をいたしまして善処すると、こう申上げておるのであります。で、地方庁並びに財政委員会或いは大蔵省におきましても今後十分できるだけ広い範囲の調査をして見たいと思います。その結果によりまして適当な措置をとる。で、差向き考えておりますのは、金融措置というのは、やはり預金部と申しますか、資金運用部のほうから繋ぎ資金を出す、こういう考えであります。
  7. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私は今、大蔵大臣の御答弁に対して地財委当局にも関連して質問いたしたいと思いますが、ちよつとそれをあと廻しにいたしまして、差当り預金部資金資金運用部資金繋ぎ資金として考えるということでありますが、これはこうした赤字補填意味を持つた繋ぎ資金か、ただ單なる資金意味でありますか、それをお尋ねいたします。
  8. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 赤字補填と申しまするか、とにかく財政不足でございますので、その緩和といたしまして出すわけでございます。
  9. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 不足であるからその緩和ということは今私が申上げた通り赤字補填するを意味しているのか、繋ぎ資金ということ何でありますか、その辺をもう一度承わりたい。
  10. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 赤字が出ておるのでございまするから、それを補填するのであります。その補填の仕方が繋ぎということになるか、或いはほかのものになるかという問題だと思いますが、赤字補填繋ぎ資金を出す、こういうことでございます。
  11. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そこで不足分を出すという、赤字補填意味繋ぎ資金を出すということは、赤字補填することを主体として繋ぎで出す、こういうことでありますから、赤字補填解釈いたされると思いますが、御異議があつたら言つて頂きたい。それから問題は、これから調査してどれだけ不足か、それは結果が出てからということが前提にあると思うのでありますが、そこで地財委責任者にお尋ねしますが、一体地財委両院議長及び総理大臣要求された赤字実情財政窮乏不足については、今大蔵大臣がかようなことを言われておりますが、これに対して所感、態度は如何でありますか。
  12. 木村清司

    政府委員木村清司君) 当委員会といたしましては意見書に書いてある通りと存じますが、政府大蔵当局におかれましても実体につきまして我々と見解を異にするところがあるようであります。それにつきましては事務当局間において実体をなおよく一層調査されまして、今後調整をとられることは非常に望ましいことだと思います。
  13. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そうすると地財委のほうはなおよく調査して調整をとられることが望ましいということは、地財委が出しておる数字というものはなお検討の余地あるというものをあなたのほうは出しておる、こういう意味ですか。
  14. 木村清司

    政府委員木村清司君) そういう意味でなくて、実体をなおよく調査されるならば、多分私ども意見に同調せられることと存じます。実体調査が不十分じやないかと私ども考えております、政府方面における。地方自治体調査につきましては私どものほうが正確であつて政府、なかんずく大蔵当局の御調査のほうが不十分ではなかろうかというふうに私ども考えております。
  15. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 地財委がその本來の業務である地方財政調査をして、それに対する勧告をしておる、こういう信念のある態度答弁、それから国会においても衆参おのおの地方行政委員会においても、予算委員会でも検討した結果、地財委のこれらの要求は正しいものだという解釈をいたしておる。併し大蔵省はまだそれが得心行かないのだということを言つて、今日その後何十日にもなつておる。こういうこの事態に対して大蔵大臣はなお調査せねば得心が行かないということについては、多少受ける感じとしては、大蔵大臣がおつしやつたような説明で、そういうことを何か言い延ばしておるというような感じに受取れますが、如何ですか。
  16. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) そういうお感じをなさるのは止むを得ませんが、我々としては我々のできるだけの調査をいたしまして予算審議を願つておるのであります。その後におきましてああいう決議がありましたので、お答えしておるように、決議趣旨に基きまして両者の財政事情を勘案して善処したい、こういつた調査を今後も続けるつもりでおるのであります。
  17. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 地財委がなお節減繰延を八十何億しも、百五十億の赤字があるというものに対して、それでは大蔵省はどの程度目安……何十パーセントといいますか、目安というのはどの程度までは呑めるかという問題、国の財政の問題は別個として、これは正しいものと思われますかどうか。
  18. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) それは我々の予算編成のときには、閣議でやつて行けるという見込を立つたのであります。
  19. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 補正予算編成当時にはあれでやつて行けると思われたそうでありますが、その後こうした要求が根強いほど地財委から、或いは衆参おのおの委員会において調査というか、これは適正なものだという判定をいたしたのであります。それから余りにもこの金額の開きが、十億、二十億ぐらいの食い違いならいざ知らず、いやしくも百五十億からの食い違いで、あのままでやつて行けるという解釈は、どういうところを根拠にして大蔵省はやつておられるのか……。
  20. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 我々は我々でできるだけの調査をいたしまして結論を出したのであります。その後におきまして不十分だと言われますので、それならばどれだけ不十分かということを検討してでないと結論を申上げられません。
  21. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 その結論というのは、いつお出しになるのですか。
  22. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) はつきりいつというわけには行かない、調査あとでないとだくさんの相手があることでございますから、今、いつどれだけという結論を申上げられません。
  23. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 迫る年の瀬も越せないという地方財政窮乏、これが国民生活、社会不安の問題などに関連する重大な時期的な問題であつて、すでにこの地方財政の問題を大蔵省が審議検討されてから第二補正予算を組まれ、そうして第二補正予算を出してから後においても、相当の日数を要しておられるのですが、大体およそ目安をつけないというと、地方財政の前途というものは真暗になつてしまうと私は思うのでありますが、もう少し進捗する方法があるものと違うのですか。
  24. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 迫る年の瀬に対しまして、非常にお困りなら、いつでも適当な措置を講じます。これは個々の問題でございます。あなたのお話の問題は全体の問題でございます。地方自治庁或いは財政委員会意見を聞きまして、適当な措置を講じたいと思います。
  25. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それじや地方財政委員会にお尋ねいたしますが、大蔵大臣は今お聞きのような工合に、個々の問題に対しては、地財委自治庁等の申出によつて善処する、そうして検討はなお続行中で、結論はいつ出るかわからんという、こういう態度措置に対して、地財委としてはどういう考え態度が持たれますか。
  26. 木村清司

    政府委員木村清司君) 性別に委員会のそういうことに関する態度決議して参つたわけじやありませんから、正式にそういうお答えを申上げるわけに行かんと思います。速かに政府におかれまして調査を完了して、善処せられんことを要望する次第であります。
  27. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 岡野国務大臣にお尋ねいたしますが、地方自治行政担当責任者といたしまして、今お聞きのような工合に、大蔵大臣はこれから審議調査して、結果が出ないと何とも言えない、それから年の瀬で困るものについては応急的に自治庁及び地財委から申出があるものについては金融措置考えよう。それに対して地財委のほうは速かにやつてもらいたいと、こういうようなことで、余りにも地方財政窮乏実体と、院議によつて決定されたこの重大な事態に対処する双方の熱意というものが極めて私は低調と言わざるを得ない。こうしたことでこの事態は収拾できるものではない。それで地方財政担当責任者として、且つ閣内にあられる自治庁所管大臣としてこれに対してどういう要求態度が持たれますか、お伺いしたい。
  28. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答え申上げます。その点につきましては、今大蔵大臣が申上げました通りに、この際補正予算を出すとか、又それをどうするとかということができない情勢にありますから、どうしても地方財政委員会が特別困つているものにつきましては救済策を講じなければならぬと思います。そういうことでございますから、今研究しつつあるのです。大蔵省でも研究しつつあるし、それから又地方財政委員会でもこれは出せと言つて頑張つているのでありますが、併しその検討を待つてつて年の瀬を越せないかも知れません。それで私は大蔵大臣とよく協議いたしまして、いつでも困つた団体があれば、そのときに繋ぎ融資を出せと、又大蔵大臣は出しましようと、こういうことにはつきり了解がついておりますから、私は苦しい団体がありましたならば、早速こちらに言つて來てもらつて、その点については繋ぎ融資を出そうと考えております。
  29. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記をとめて。    〔速記中止
  30. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて。
  31. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 岩木さんの質問に対して大蔵大臣赤字補填としての繋ぎ融資というお話でしたが、これは繋ぎ融資と言えば短期の融資でありますから、例えば明年度予算において百億なら百億融資した場合にはそれに対して赤字補填としてという意味ならば、あと財政的措置を講ずると、そういう意味に解してよろしいのですか。
  32. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 赤字言つてもいろいろな種類がございますので、赤字歳入歳出不足赤字というのでございます。その赤字のよつて來たる原因によりまして、措置を講じなければなりません。例えば黒字の出ている地方団体もあるというときには、先ず第一、既定の平衡交付金で賄うわけでございましよう、それで賄い切れんときに財政上これをどうするかということになつて來ると思います。
  33. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 從來いわゆる赤字融資というものは復金あたり赤字融資ということをよく言われたのです。それで復金あたりのいわゆる赤字というものは、例えば公定価格を引上げなければ引合わぬような場合に、政府が低物価政策をとつた場合に当然財政的に措置しなければならない補助金補給金をやらなければならぬものを一先ず金融的に融資した、そこであとでこれを財政的に補助金とか、補給金とかという形で出した、これはいわゆる赤字融資です。ですから地方財政の場合も、一時來年三月まで百億なら百億融資する、それを又二十七年度予算平衡交付金を増すことによつてそれでこの融資を返させると、こういう形でなければ真の意味赤字融資ということにならないと思うのです。ただ一時立替えるというだけでは、あと地方財政において金融負担に弱つてしまいますのですから、実際の救済にならないのです。そういう來年度において仮に百億出せば百億平衡交付金を増して、その借金を返済できるような形において融資する、こういう行き方でなければ意味もありません。そういう意味に解してよろしいのですか。
  34. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 必ずしもそうは行きません。市町村の赤字のよつて來たる原因がどうか、こういう問題もありますそれからそれが当然の厳格な意味赤字で、どうしても平衡交付金を殖やさなければならんようなものならば殖やさなければなりますまい。併しそれは全体の平衡付交金の枠を殖やすという意味ではありません。他のほうで黒字があつて、これまで出しておつた平衡交付金を出さなくてもいい、もつと減らしてもいいという町村もあるかもわからないのであります。その点は実体をよく調べてからでないとあとの方策は請ぜられないのであります。
  35. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、今まで問題になつている点と大分外れているのですね。そういう意味赤字融資ということで岩木さんが質問されたのではないと思うのですよ。それならば、今百億が問題になつているのは、赤字に対していわゆる平衡交付金を百億増額してもらいたいということで問題になつている。その平衡交付金の代りに融資ということが問題になつているのだから、若しかそうでないとまるきり食い違いになつて來る。これはあと方法検討されたいと思うのです。  もう一つ、簡單ですから質問したいと思うのですが、大蔵大臣は先ほど岩木さんの質問に対して、これから調査するとか、検討するとか言われておりますが、この間のお話では問題は財源にあるのだと、こういうお話つたのです。ですから一応調査は済んで、問題はどこから財源を出すかという問題が、金融から措置するか平衡交付金を増すか、こういうことに私はなつて來たと思うのです。それで財源の問題について一つ伺いたいのですが、外為会計は三百億ここで一般会計から年度末に繰入れなければならないかどうか。今日の日本経済新聞を見ますと、相当外為会計は、日銀ユーザンスを十一月から改正して……、これによりますと相当二百五十億の引揚超過になる、こういうことが予想されているというのです。それでもなお三百億を一般会計から繰入れなければならないかどうか、外為のほうに余裕かできて來るのではないでしようか、この点どうなんですか。
  36. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) この前事務当局並びに私から説明いたしました点を変えるような事情はまだ起つていないのであります。從いまして三百億円の繰入は必要だと考えております。
  37. 岩間正男

    岩間正男君 繋ぎ融資なるものについて詳しくこれはお聞きしたいのですが、大体個々の問題についてどうしても避けられないものは年末でもあるから、これに対して補填するという、こういうお話でありましたが、これはどうなんですか。大体地財委のほうの調査ではそういうものが集まつて集計されて、そうして最低ぎりぎりのところで百五十億ということが出たのではないか。それはここでやると、こういうことなんですけれども地財委のほうの考えとしてはその点どうなんですか、集計した結果でしよう、どうなんですか。
  38. 木村清司

    政府委員木村清司君) 我々の考えとしましてはやるべき仕事をやるという前提になつておりますから、つまりやるべき仕事を、例えば公共事業も大体全部やるという計算の下にやつておりまするから、從いまして若しやるべき仕事をやらないで繰延べるということにいたしますれば、現実の赤字というものは全部出るということになるかと思いますけれども、つまり赤字という意味はですね、本來公共団体としてやるべきことをやれずにやらぬということを前提として我々は予算が足らないということを申上げたのであります。
  39. 岩間正男

    岩間正男君 さつきの大蔵大臣答弁でも明らかなように、ベース・アツプによるところのいろいろなそういう問題が出て來て、どうしてもここでそういう措置というものが必要になつて來た。やるべきそういう事業もあるかも知れませんが、当面の問題は相当大きなウエイトを占めているベース・アツプの問題ですよ。そういうものについての赤字が出て來る、こういうことになると思うのですが、これはどうなんですか。地財委要求として勧告書を出された、大体その主格は今までどうしてものつ引ならない最低これだけやらなければ大変なことになる、やるやらないの問題よりも、そういうところで、ぎりぎりのところで出されたはずだ、それはどうなんです。
  40. 木村清司

    政府委員木村清司君) その通りであります。
  41. 岩間正男

    岩間正男君 そうでしよう。そこで個々というふうに問題を戻しても、個個のものは当然私は相当大きく必要になつて來ると思う。ここにそういう繋ぎ資金でやるということであつても、大体どの限度を以て認めるか、蔵相はどういうふうに考えるのか、枠を大体考えないで、ここに來たと言つたが、仮に百億というよりももつと殖えるかも知れない。そういう場合はどうなるのですか。
  42. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は先ほど來申上げましたように、大蔵省の計算では全体として大体これで賄える、こういう確信の下に出しておるのであります。然るところそれでは足りないというお話でございまするから、足りないところには一応繋ぎで出しておく、こういうのでございます。実情地方財政委員会個々の村々についてお出しになつたかどうか知りませんが、我我は全体として考えておるのであります。從いまして全体では賄いがついて、個々の場合については賄いがつかんところもあると思います。だからそういうものは、この際でございますから、岩木委員の言われたように年末が越せない、こういうようなことがあつてはいけませんから、個々の問題として、片付けて行く、そうして調査を、だんだん進めて行く、こういうのであります。
  43. 岩間正男

    岩間正男君 大体私が話しましたように、個々の問題を集積してああいう要求をしているのですから、当然個々のものは全部出て來ると思うのです。ここでそういう態勢が一つ示されれば私のほうは間に合うとか、そういうような生やさしい調査に基いて案というものが作られたはずがないと思います。自然個々でもなんでも同じことになると思うのです。最後に行つて、そういう点から政府としてどれだけの枠を見るか、或る場合は個々という形でそれが調整して行つても、恐らく百五十億程度のものが私は出て來る、こういうふうに考える。それともう一つそういうような年末を控えて、あと一月であります、その間に個々の問題を調査して出すということになれば、年末に間に合うか、そういうことになれば非常に操作三困難だと思うのです。そうすると非常に切迫した年末には間に合わない。こういう形で事態は遷延して見送られる、こういうことが予想されているように思うのでありまして、どうなりますかその点……。
  44. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) この点も財政委員会の問題だと思いますが、先ず今回殖やしました百億円の平衡交付金増額、並びに起債をどういうふうに地方財政委員会はお分けになりますか。やはり大数観察的に今までの資料でお分けになろうと思います。私の見るところでは、地方財政委員会が各市町村の予算がこうなつておるというので、お出しになつた数字ではないと思います。やはり大数観察からやつておられる。而して今度の平衡交付金の分け方をどういうふうにするかによつて、困る町村はどれだけ出るかということが出て來ると思います。そういうことをやつて見て初めて一万余りの団体が年末に困るとか、或いは年度末に困るとか、こういう問題が起きて來ると考えるのであります。これが私は実際的な考え方だと思います。
  45. 岩間正男

    岩間正男君 それでは私は政治ではないと思うのです。少とも大蔵省がやる場合はそれに対して一つの粋をきめて、そうして平衡交付金で非常に足りない、こういうものに対しては、少くともこの程度の枠というものは政治的にこれは必要だ、こういう形でやるのでなければ、個々に頼んで來たものは、こういう何とかしてやろうという形では、実は非常にばらばらになる。こういうものは実際的には間に合わない。單に一つのゼスチユアーとして使われることになるのでありまして、これはいやしくも一国の財政の上から考えて当然一つの枠というものが考えられなければ、私は措置として非常にまずい、こういうふうに思うのです。どうですか。
  46. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) そこで私は我々のところで調査した結果に基きまして、平衡交付金を百億円出せば賄い得る、起債も百億円出せば切抜けられるというので御審議願つておるのです。そこで足らんと言われるから、足らんならもう少し調査して見ましよう。こういうのです。今の繋ぎの分は、個々の問題でございますから、年末が越せないという場合におきましては、適当に善処する、こう言つておるのであります。
  47. 岩間正男

    岩間正男君 時期的に間に合いますか。
  48. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 時期的に問に合うように苦しいところから申入れがあれば処置するのです。
  49. 岩間正男

    岩間正男君 地財委はどうですか、そういうことはどうですか。
  50. 木村清司

    政府委員木村清司君) 百億円の配分もあり、恐らく私は年末よりも年度末のほうが窮屈になるのではなかろうかと私自身は考えておりますが……。
  51. 高良とみ

    高良とみ君 極めて短時間でありますから、急いでお伺いしますが、大蔵大臣が今度の補正予算にお出しになつたものの上に、当委員会要求し、或いは決議いたしましたように、追加をすることは、インフレーシヨンの原因になるというような御懸念があつての、そういう御答弁があるものと察するのでありますが、主な理由は財源がないというところにあるのでありましようか、それともインフレの御心配からでありましようか。そのことを先ずお伺いします。
  52. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) その原因が給與改訂その他に基くものならば、これはもうインフレーシヨンとか何とかいう問題でございません。私は千五百円のベース・アツプというものは、国家公務員考えております。そうして地方公務員もそれに倣つて今まで多かつたものは減らしてもらう、こういうのでありまして、その点は私は問題はないと思います。今の平衡交付金を更に殖やすかどうかということは、一方では財源の問題と、一方ではどこの府県、どこの市町村が枠がどれだけ足らんかということを再検討しなければならん、又どこの府県、どこの市町村はどれだけ収入が増加して、既定の平衡交付金をどれだけ減額し得るか、こいうことも考えなければいけないのであります。そこで私はこれは皆国民の血税でございますから、大蔵大臣としてはこういう要求があるからそれじやすぐ出しましよう、こういうわけのものじやないのであります。多いところは減らしてもらうし、少いところは埋め合わす、併しそういう個々検討を一万余りの分についてやるということはなかなか困難でございます。私は地方財政委員会においても恐らく各府県、各市町村を個別におやりになつたものではないと思います。そこで私はこういう財源不足のとき、而も国民の血税でございますから合理的にやらなければいかん、それにはやはり大蔵大臣として相当調査をしてかからないと、これが甘過ぎてもいかんし、又辛過ぎてもいけない、そういうところによほどの考慮をしなければならないというので再検討をいたします。そうして殖やすべきものは早急に殖やしますが、その間でもお困りの分については繋ぎ融資で行くというこういう考えでおるのであります。
  53. 高良とみ

    高良とみ君 国民の血税であるということを常に御考慮願うことは私どもも納税者として希望するところでありますが、そこでちよつとこの委員会、その他でも常に了解し得ないことは、いつも今のように各町村の財政についての調査をする、調査をするとおつしやいますが、そのために地方自治庁あり、地財委あり、それぞれの大きな大勢の公吏をお持ちになつたところの機関がありますので、又大蔵省は更に個々の町村に至るまでの調査をされると言われるときに、納税者といたしましては、そういう三つの大きな組織があつて、そうしてそれが幾ら調査をしても意見が合わない、それから又調査したものを信頼しない、又それがちぐはぐであるということは実に遺憾に感ずるのであります。そうするともう地財委も要らないし、地方自治庁も要らないし、大蔵省一本で財政面は少くとも御調査なつたらいいのじやないかというふうに考えるのでありますが、如何でありましようか。(岩間正男君「その通り」と述ぶ)政治性がないということをお考えになれば、大蔵省が政治性があつて地財委なり、市町村は政治性がないというふうにお考えになるのか、金銭の面についてはまあ共に同じ懐から出ておる血税である、その点お答えを願いたいと思います。
  54. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 機構の問題につきましては、政府としても簡素なものにして正確さを期さなければいかんと思います。何分にも地財委ができまして日も浅いし、又相手の町村が非常に多いのでありますから、こういう実体調査をどう進めるかということは検討を要しなければならん問題と思います。併し我々のところでは別な出先機関を置きまして、そうして地財委でお調べになつたことと、我々の調べたことと一致するようにはいたしますが、なかなかそれは一致しない場合があるのであります。私は地財委のほうも各府県市町村につきまして、全部をおやりになつたのではないと思います。我々のほうも例えば給與の問題にいたしましても、七十万人程度のものを対象にいたしまして、そうして七万人程度のものを突き合わして、そうしてこの国家公務員との比較をしたわけなんです。これも資料はやはり県庁からもらつておるのでございますが、同じ事情でもなかなか突き合いにくいので、これはもうだんだん年がたつにつれて意見が一致して來ると思いますが、何分にも両者ともまだ意見の不一致があるのでありますが、これはだんだん年と共によくなつても参りましようし、又よくならんとすれば機構的に考えなければならん点があると思います。
  55. 高良とみ

    高良とみ君 そうしますと、あとで、財源がないというお話でありますが、私どもの納税したもののうちからインベントリー・フアイナンスにも入つております、その他財源の面においてはないと言われるが、どの程度にないのか、どうしてもないのか、勿論資金部の資金も同じ懐から出ておるものでありまして、そうして地方の町村の財源の枯渇しております苦しい状態は御存じだと思うのでありますが、それになお逐次調査に時間がかかるということも、地方は、殊に町村の実情、まあ府県もありますが、その点から考えまして財源がないということの根拠をもう少しはつきり御説明して頂きたいと思います。
  56. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) インベントリー・フアイナンスを私得手勝手にやつておるのではございません。インフレ対策としての現内閣の根本施策でございますが、そこで議論になりますが、その根拠の、インベントリーをしなければならんということにつきましては、もうたびたび年來主張いたしておるのであります。インフレになつてもいいからインベントリーをやめろという議論がありますが、私大蔵大臣をしておる間はやめないと、こう言うのでありますが、で、今お話がありましたように、三百億円要るか要らんかという問題は、これは議論もありましようが、見通しの問題であります。輸出入が非常に減つたりすれば要らない場合もあります。併し私は、今の貿易政策から言つてこれだけは要るんだ、こういう結論を出しておるのであります。で、これは今度市町村のほうにつきましても、これはなかなか財源の多い市町村もあるということは私は御承知だと思います。そういうようなところはやはり平衡交付金の分け方で加減して行かなければならない、こういう考えでおりますので、全体の問題をきめます場合におきましては、もつと個々の問題もきめなければならない。だから地方財源のみならず、中央の財源につきましても再検討を加える、こう言つておるのであります。
  57. 高良とみ

    高良とみ君 それから、地方公務員のほうが均らして俸給が多い、或いはその中でも特に教員はほかよりも多いというようなことに対しまして、大蔵大臣は、それはもつと調査しなければならないとお思いになつておるのか、或いはそれは誤謬であると考えておられるのか、その点を、先ほどお話があつたものですから伺います。
  58. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私は大蔵省調査を信用いたしております。從いまして教員につきましては三百七十五円、一般公務員は四百数十円と、こういう調査を信じております。併しこれは平均したものでございまして、県によりましては違うのでございます。国と同じようなところもありますし、国よりうんと高いところもあります。これは平均でありますから、だから知事会議の答申にも、或る知事は自分の県は高くないのだとこう言う、或る知事は、平均よりも高いところのものは黙つておる、こういうことで不服だと、こういうのですが、我々は個々の点については平均しておるからあの数字のことは信用いたしております。
  59. 岩間正男

    岩間正男君 国民の血税々々ということを言われるのでありますが、同じくインベントリーの問題も、国際通貨基金の問題も、開発銀行の問題も皆血税であります。從つてこの場合には平衡交付金の場合だけは血税であるから、うんと調べなければならないというわけでありますが、先ほどの例の外為の場合だとか、木村君の指摘されたような点は非常に検討される必要がある、これは再検討して欲しいと思う、同じ国民の血税でありますから……。 私はその点を要求いたします。大蔵大臣、そんな都合のいいときだけ、下からのそういう国民ののつぴきならない要求があるときだけは、国民の血税だ血税だと言つて、そうして一方の政府の厖大な投資関係、八百億円に上る投資には今まで真剣に良心的に検討を加えていない。我々はその点の再検討を望みます。委員長、今の問題を取上げてもらいたい、再検討してもらいたい。通貨基金とか、そういうふうなもののいろいろな問題について再検討をして欲しいと思う。同じ問題、国民の同じ血税だ、平衡交付金だけが血税になるのじやない。そういうことでは言い逃れにならん。一体血税々々と言われるけれども、我々は考えざるを得ない。
  60. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) それは平衡交付金の問題とは違います。勿論国民の血税でインベントリー・フアイナンスも出しております。これは検討の要はありません。私は検討の要はないと考えているのであります。併し平衡交付金につきましては、両院決議でありますから十分増額するかしないかということについて、財源その他を見て検討しますと言つている。
  61. 岩間正男

    岩間正男君 どうして検討できないのですか、同じことじやないですか。そうして今変動が起つている、起つているから検討して欲しいと言つている。例えば外為の問題、そういうものをあなたはすでに出して、そういうものをきめてしまつたのですか。祭壇に祭り上げてしまつたのですか。そういう点には触れられない。現在問題になつている予算編成の問題、來年度予算の中に国内費を優先するかという問題ですよ。枠をきめてしまつてちやんときめて、何ともならないというふうにどうして追い込まれているのですか。我々は再検討要求します。
  62. 内村清次

    委員長内村清次君) ちよつと岩間君、再検討の問題は、これ又あとで小委員会でも検討いたしますし、又予算委員会もまだあとにありますから、その点一つ各委員のほうで検討するというふうにお願いします。
  63. 岩間正男

    岩間正男君 併し蔵相にも検討するように一つ……。
  64. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 大臣もお急ぎのようですから、私駄目を押すと言いますか、結論的な質問をもう一点しておきたいと思います。で、先ほど來私及び同僚委員質問に対して、大蔵大臣等の御答弁を総合いたしまして、政府はこの地方平衡交付金増額及び起債五十億の問題については、答弁の状態から窺われますように誠意がない、こういう判断をしなければならん。で、百億を増額したので十分と思つたが、その後又足らんというならこれから検討しよう、それから越年その他の緊急止むを得ざるものは、個々にその実情を見て出しても見よう、こういうことを言われている点は、私は両院院議決議及び予算地方行政の衆参委員会を通じての実情と相反する態度だと思うのです。それから第二は繋ぎ資金であつて、來年度財政措置は考慮するものもあるかも知れんけれども、そうでないものもあるという工合言つていることは、極めて地方財政地方自治体の不安を釀成するものであつて、或いは繋ぎ資金に幾分は借りても、それが借金となるのか、財政補填をしてくれるのかわからんというようなことでは、なかなか困難な地方財政の理事者といたしましては非常にこの措置は取扱いにくい問題であつて、借りられたり、借りられないというようなことで、非常にこの問題は将來錯綜する問題が出て來る。それから個々に当つて調査するということは、大蔵省が当然国の財政、収入支出責任担当機関としてのとるべき態度はわかりますけれども、あたかもこれが上級機関、或いは特権機関かのような程度の印象を受ける、或いはそういう方策をやるということは私はどうかと思う。いやしくも地方財政委員会地方実体調査して、検討の上に検討を重ねて、当初よりこれだけ足りないということを言つている。その当時にこれで百億で十分だと見た大蔵省の想定をなお蒸し返して來たから、それじや検討しようということに、将來の大蔵省態度というものはもう言わなくても窺い知ることができるのであつて、そうして幾分の止むを得ざるものの少額くらいのものは面倒見ようが、それ以外のものは見れない、而もこれは繋ぎ融資であつて、來年度財政措置には考慮されるかどうかわからんというふうなあやふやな態度をつまびらかに検討しようと思えば年末にも間に合わん、急場の間に合わんというようなことが展開されるということは甚だ私は遺憾至極だと思う。それからいずれも国民の血税であると言つておるのでありますが、これは仰せの通りであります。但し今日このシヤウプ勧告、税制勧告以來の地方税のやり方につきまして、或いはその税収の問題につきまして、或いは地方自治体のこれの分け前の状態につきましても極めて不均勢であるために非常に困難な地方自治が、とりわけ市町村側に多く出ておるということは税種、税制から考えましても総括的に私は大臣もわかる問題だろうと思うのです。そこで地方税は今日地方住民の負担限度以上の問題で、徴税の部分から現われておる。国税の実体と、地方税の実体というものは、これはどうしても大蔵大臣は御存じであろうと思う。であるから地方税がもうこれ以上増徴できないと、ですから地方財政窮乏するならば地方税を増徴するか、或いは国の助成を仰ぐか、或いは一時的に資金を借りるか、この三つにかかつておる。おるとして資金を借りる部面も、地方財政の支出を仰ぐ部面も大蔵省は掌握しておる。この地方税の収納率を高めるということも、今申上げました通り地方住民の徴税能力というような限度以上なものができて地方税はこれ以上増徴できない。こういう事態から地方自治体が止むに止まれず最低限度要求を国民の一人として地方自治を安定せしめて、国の中央、地方の行政の一体としてこれを要求することは当然であつて、これが両條約承認後の日本の治安或いは生活安定或いは日米協力、あらゆる角度におけるこれが基盤である、地方財政地方自治というものが基盤であるということからそれを考えますならば大蔵大臣はこれに対して国のものは国民の血税であるといつた考え方に終始するのではなく、これは総合的にその他の問題等も考察されなければならん。で、こういうようなことでこの大蔵大臣のこうした問題に対してとらんとする態度というものについては我々は了承はできない。いやしくもこういう両院決議により国を挙げてのこういう要望事項に対して、今私から申上げたような大蔵省の当局者としてのとらんとする態度は到底地方自治体地方住民も全般を通じても満足はできない。もとより満足ということはできなくしても、どうしても了承はできない措置、だと深く私は感ずるのでありまするから、大蔵大臣といたしましては、こういつた問題につきましては、私は最後的にお尋ねいたしておきたいのでありますが、今まで私が申上げたような工合大蔵大臣としての態度は極めて我々は不可解であるし、了承のできない点が多々あつて、このままの状態では地方自治、地方財政というものは非常な困惑、或いは破滅と申しますか、地方治安の上におきましても、憂慮すべき事態が現われると思うのでありますが、こうした問題に対しても大蔵大臣はどういうお考えを持つておるかということをお伺いしたい。
  65. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 今まで御答弁したような方針で行きたいと思います。
  66. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私は本日大蔵大臣に御出席を頂きまして、先ほどからいろいろ皆さんから御質問があり、大体本日は大蔵大臣も今後地方実体を明らかにして、困つているところには金融措置、その他の善後措置を取りあえず講ずる、更に地財委、或いは岡野国務大臣等よりも大蔵省とよく打合せて今後の遺憾ない措置を期したいというような御答弁があつたのでありまして、地財委から出ておりまするいろいろの資料も一応大数観察に基いたものであり、又平衡交付金の分配その他についても更にそのやり方等もあると思うのでありまして、これは三者の間でよく検討されまして真に困るところに対しては今後善処すると、適当なる措置をとると大蔵大臣もここで言明されているのでありますから、私はこれで大体皆さんがたの質問もすでに何回となく繰返されている問題でありまするので、一応ここらで質問を終りまして、更に我々の間で懇談して結論を出したら、どうかと思いますが、如何でしようか。
  67. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 ちよつと大蔵大臣もう一点だけ……。ルース台風災害復旧に対する金融措置を考慮しているということを言われましたが、それは具体的にどういう程度で、どういう方法でやられるか、その内容なり構想をこの際明らかにしてもらいたいと思います。
  68. 内村清次

    委員長内村清次君) ルース台風の問題は、これはちよつと大きな問題でもありますから……ちよつとそれでは……。
  69. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) ルース台風につきましては早速建設大臣を派しまして、実地視察し、又資料を集めております。これがまあ十二月の十日過ぎになるのではないかと思いますので、実はそれまで待てませんので五十億円を出しまして、そうして取りあえず実績の報告が來るまで五十億円出そうと、こういうのであります。それから、ちよつと速記をとめて下さい。
  70. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  71. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて下さい。それでは石原委員から先ほど大蔵大臣に対する質問はこの程度で打切つてというような提案が出されておりますが、皆さんよろしうございますか。
  72. 岩間正男

    岩間正男君 今の、大蔵大臣に再考慮を求めておりますから……無論必要があれば又出てもらはなければならん、これを明らかに確認しておきたい、そういう意味ですよ。
  73. 内村清次

    委員長内村清次君) その点は又この委員会で出席をして頂くか、或いは又本委員会もありますから、その点はあとで話合いをいたしまして決定をするということにして、一応今日の大蔵大臣の質疑はこれにて打切るということでよろしうございますね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 内村清次

    委員長内村清次君) それではさようにいたします。
  75. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 岡野国務大臣にお尋ねしますが、今のような状態で、非常に私工合が惡いと思うのですが、岡野国務大臣におかれまして、いろいろ今まで予算委員会なり、地方行政委員会なりで弁明された金融措置というふうなこともあるのですから、もう少しこの際池田大蔵大臣ともあなたが協議されて、予算委員会なりにおいてもう少しはつきりした弁明ができないかどうか、この上とも御考慮を煩わしたいと思います。その点は今のままでもありますといろいろ予算全般に対する態度というものについて、なかなか厳しいものが出て來やせんかと思うのです。で、あなたとなさいましても更に今後、今後というか、今日午後ですね、池田大蔵大臣とも相談されて、もう少し形のある声明ができないかどうかを一つお願いしたいと思います。
  76. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記をとめて下さい。    午後零時三十九分速記中止    —————・—————    午後零時五十三分速記開始
  77. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて。皆さんにお諮りいたしますが、この小委員会のこの上の続行につきましてどのようにいたしますか
  78. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほど財源の問題について外為会計のことを大蔵大臣に伺つたのですが、実は若し年度末二百五十億引揚超過になると、その上に三百億インベントリーをやつたらこれは大変なデフレになる。そこでその問題を一応別として、この外為会計において、そんなに余剰が出るものかどうかは、一応何か外為の人にでも計数的に、実際的にちよつと意見を聴取したいのです。その点ですね、その点を一つ……。
  79. 内村清次

    委員長内村清次君) これは木村委員はこの小委員会でそれを検討したいとおつしやるのでございますか。
  80. 木村禧八郎

    木村禧八郎君  一番問題は財源ですから、財源が一番問題になつておりますね、ですから今日でも政府委員で結構です。むしろ具体的に聞きたいわけでございます。計数的に聞ければ、そう何も時間を延ばすとか延ばさんじやない、一応財源が一番問題になつて政府はどうしてもないというのですからそこで一つ聞いておきたいと思います。
  81. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 質疑を打切るかどうか、態度をきめるかどうかに先立ちまして、地財委責任者にもう一点お聞きしておきたいことがあります。それは今大蔵大臣がいろいろお話がありました、それに対して私からも意見でありましたか申したような次第で、我々としてはとても不安で満足といいますか、了承はできない、こういう考えなんですが、地財委のほうは一体どういう、大蔵大臣の先ほど來のああいつた態度、方針に対して、どうお考えですか。
  82. 木村清司

    政府委員木村清司君) 私ども意見書を出しました上においても意見書を変更する必要はないと思つております。從いましてその当然の結果としまして意見書をお容れにならないことを不満に思つておる次第であります。
  83. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 地財委のほうにおきましても不満の意を表せられておるということにつきましては、当委員会大蔵大臣との質疑はかなりもうこの点は済んだと思いますけれども、まだ最後の点が残つておるかどうか知りませんが、こういう事態についてはなお一つ、当委員会は今木村さんのおつしやつたような財源の問題、そうしてこれが当然政府が考慮されないという事態から生ずる予算に対する本院の態度等を考えまして、内政問題殊に地方自治の問題に対して、政府は軽視しているというような事態が、将來の日米関係の上におきましても由々しき事態考えられますので、今早急に結論を出すということじやなくして、一応一つあとで懇談会か何かのようなもので一つ懇談をされて、そして更に会議を続行するか、或いは私たちはこの点はなお司令部との折衝が完了しておりませんので、司令部の折衝等も、なお残された問題もありますから、やることが事実ならば、両院決議趣旨は飽くまで我々が遂行するのが責任ある態度ではないかと思いますが、如何でしようか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  84. 内村清次

    委員長内村清次君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  85. 内村清次

    委員長内村清次君) 速記を始めて下さい。それでは小委員会は暫時休憩をいたしまして、再開は二時と一応きめておきます。    午後一時八分休憩    —————・—————    午後六時五十分開会
  86. 内村清次

    委員長内村清次君) 只今から小委員会を再開いたします。速記をとめて下さい。    午後六時五十一分速記中止    —————・—————    午後七時十四分速記開始
  87. 内村清次

    委員長内村清次君) それでは速記を始めて下さい。明日は午前十時からとして、本日はこれにて散会いたします。    午後七時十五分散会