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国務大臣(
根本龍太郎君)
統制撤廃に関する
措置要綱を
検討する間における、閣議におけるいろいろの議論をここで申上げることはできません。併しながらこの
措置要綱につきましては、今御指摘のように、
政府の
方針といたしましては主食の
統制撤廃の基本
方針を堅持しまして、これが具体的
措置としまして御指摘のように麦については一月一日から、米については四月一日からこれを実施する
方針と決定してお
つたことは事実でございます。併しながらこの
方針を具体化するためには、幾多の諸條件が具備されなければなりませんので、その諸條件の整備のために
関係閣僚並びに
事務当局がいろいろ
検討し、一案を持
つてお
つたのでございまするが、この点に関しまして
大蔵大臣が先にドツジ氏といろいろ交渉した結果、更に又最後には
経済閣僚の周東大臣、私、三人とも参りまして、いろいろと我々の主張を
中心として交渉した結果、原則についてはドツジ氏も了承しているのであるけれども、具体的な
措置についてはこれは非常に及ぼす範囲が広汎であり、且つ重大であるために、総司令部としては今直ちにこれに最後的
意見を申上げる段階ではない、
従つてこの点はもう少し時間をかけて
研究すべきであるという、両者の
意見が決定いたしましたので、先般
政府声明として出したように、米の
統制撤廃に関しては、
政府の
方針は堅持する、併しながら時期、
方法につきましては、供出の状況その他、その及ぼす影響等を
考えて、これを考慮する。本年の供出量につきましては、二千五百五十万石を確保する、これが完遂するまで、又時期が熟するまでは配給は継続する。これが第二項でございまして、麦につきましては米と趣きを異にしておりますので、これについては配給総量等の諸点をも勘案して、別途
研究しておる。こういう声明で、
政府の態度を公式に
国民に申上げた次第でございます。
なお、今回の知事
会議に当りましては、更にこの
政府声明が若干不明確な点があるという点が指摘されまして、これに対して
政府の統一した
意見を求められたということで、これにつきましては私から
政府を代表いたしまして明確に、本年からはもとより来年の十月末日までは配給は続け、供出におきましても現行の食管法においてこれは供出をお願いするわけでありまするので、従いましてこれにつきましては
統制を継続する
前提において供出をいたさせたいということを明確にいたした次第でございます。