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国務大臣(周東英雄君)
只今手許に人絹等に使われるパルプの用材の数量を持ち合わせておりませんから、あとで調査の上
報告しますが、私どもは今の森林資源の生長量に比して過大な伐採量があ
つて、このまま行けば十数年のうちに山は坊主になるということを防ぐ
意味は、単にパルプだけの問題ではないのでありまして、パルプ、そのパルプには、紙原料及び人絹、スフ等の繊維資源としてのパルプ、それから燃料というものを含めて全部を
考えておるわけであります。パーセンテージにいたしますと、繊維に使われるパルプの量は、むしろ全体の数量の中から見れば少いのです。私ども大きく
考えて、やつぱり建築用材或いは然料というものに使われる木材を、どういうふうに新らしく転換して行くかということを大きく
考えないといけないのじやなかろうか。先ほどお示しのように木炭の代りに戦争中にや
つておりました亜炭、コーライトのごときは、今日相当に研究が進んで、少し手遅れでありましたけれども、亜炭、コーライトというものの性質から見て、立派に木炭の代用になるのみならば、もつと有効な素質を持
つておるもののようであります。それはすでに工業化されております。こういうふうな面なり、或いは煉炭、或いは豆炭というようなものも、これは
考えて行きつつ、而も山林経営の上からいえば、パルプのほうに使わせるということは
一つの行き方だと思います。建築等につきましては、金がまだありませんので、徹底して行われないことは遺憾といたしますが、
政府の任宅金融公庫を通じて出す金の使い方においては、できるだけ集団的な建築、家屋については、耐火的な建築を進めて行くように今建設省でや
つております。これは
予算上の措置として現実の問題です。将来やはり大都市の建築等につきましては、セメント・ブロツク或いは圧縮ブロツクですか、セメントの用途につきましても、まるまる今の鉄筋を造るところのその中へすつかり埋め盡してしまわないので、中を空洞にしたセメント・ブロツクを造
つておる。これが最近の建築学上の実際であります。研究のもたらした結果であります。こういうことをすることによ
つてセメントを使う場合における経費を節約し、而も強い而も健康的な建築ができるそうであります。そういう方面へ持
つて行きつつ、建築用材を節約するという方向へ持
つて行く。それからパルプにいたしましても、最近のごとく竹材のごときを使
つてこれを工業化して行きましたので、そういう方面に向けてパルプの節約をするというような、あらゆる総合的な立場に立
つて木材問題を解決しなければ、パルプの問題は、人絹スフに対するパルプの問題だけで解決は付かないように思
つております。余談でございましたが
ちよつと
報告いたします。