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1951-10-29 第12回国会 参議院 郵政委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十九日(月曜日)    午後三時十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩崎正三郎君    理事      柏木 庫治君    委員            石坂 豊一君            城  義臣君            瀧井治三郎君            三木 治朗君            島村 軍次君           池田七郎兵衞君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  佐藤 榮作君   政府委員    郵政政務次官  山本 猛夫君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省経理局長 中村 俊一君    郵政省経理局主    計課長     佐方 信博君   事務局側    常任委員会専門    員       生田 武夫君    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○郵便法の一部を改正する法律案(内  閣提出・衆議院送付) ○郵便為替法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) それでは只今より郵政委員会を開会いたします。  本日の議案、郵便法の一部を改正する法律案と、郵便為替法の一部を改正する法律案でありますが、その両案でございまするが、これは衆議院のほうから修正されてこちらへ参つたのです。従つてそれを原案として御討議を願いたいのでありますが、何かこの両法案について御質疑がありましたならば、大臣その他政府委員に御質問を願います。実はこれは御承知通り、この前予備審査で一応の質問がありましたけれども、更に衆議院から修正されたものが原案となつて参りましたので、改めて御質問もあろうと思いますので、特に御質問を願います。
  3. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 ちよつと大臣がお見えになりましたのでお尋ねしたいのでありますが、丁度この法案は来月一日から実施されるように承わつておりますが、値上げいたしますと、相当料金のその変更が一般国民大衆に徹底しません間は、相当不足なんかの事故が過去におきましても起ることがあつたのでありまして、それが何月から上るのだということを十分に国民に徹底さすということが私は是非とも必要なことだと思います。かような観点から申しますと、余り速急にやるよりも多少期間をあけ、そうして何月何日からこれをやるのだというような徹底さす期間を多少あけたほうがよくはなかろうか、こういうふうに考えますが、その点大臣はお考えありますか、お伺いしたい。
  4. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 滝井さんの御意見一応至極御尤もであります。御承知のように今回の法案実施期を目前に控えまして、非常に審議期間等も短く提案いたしましたことは、国会に対しまして誠に申訳なく思つておるわけであります。併し原案ができまして、それを関係方面とも了承をとり、その他に相当の時日を要しました結果が提案の遅れた主な原因であります。その点私ども非常に申訳なく思つておるわけでありまするが、一般への周知といたしましては、最近鉄道、それから電信電話郵便と三つの官営事業が引続いて上げられますので、内容についての宣伝は相当十分ではないかと思うのであります。ただ今回只今委員長からもお話がありましたように、政府原案衆議院修正をされまして、又重ねてそういう意味合新聞報道等も大々的に出ておりますので、周知の方法といたしましては、この意味において割に徹底して参つたのではないかと思います。ただどものほうの事務の問題といたしましては、実施期までに相当の日数があることが、只今の御意見通り望ましいことには違いないのであります。併し一面今回の実施が、経営上の赤字補填と言いますか、それをカバーするという意味のものでありますので、できるだけ早い機会にこれを実施したい。従いまして皆様方にもお願いをいたしまして、御審議を急いで頂いているような次第であります。事務的には別に困らないので、ただ利用者に不便を与えては相済まない、かように思つております。従いまして当初起るところの間違い等取扱いにつきましては、現場における取扱いにつきまして、特に注意をいたす考えであります。
  5. 石坂豊一

    石坂豊一君 その衆議院修正案通りにしますと、予算収入に幾らほど違いが生じますか。
  6. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 予算といたしましては、私ども殆んど差がないという考え方をいたしておるのであります。もう少し附加えて申しますれば、葉書を一円値上げすることが大体封書を二円上げることに匹敵するのであります。その他の範囲、その他の部分における訂正等は総体といたしましては、これは殆んど影響がないと言いますか、大したことを考えなくてよろしい、こういう数字であります。
  7. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) ほかに御質問ございませんか……。それでは質疑はこれで尽きたと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは先ずこの郵便法の一部を改正する法律案について討論に入りたいと思います。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにして御意見をお述べを願いたいと思います。
  9. 柏木庫治

    柏木庫治君 私は衆議院から廻つて来ました修正案全部に賛成をいたすものであります。これは四円と十二円を五円と十円にするということは、この法案を見ると同時に私が声を大きくして言い出したことで、衆議院が私の声を聞いてやつたのじやないか、こう実際思うのであります。私は決して衆議院のこの修正にというのではなくて、参議院郵政委員として私の独自の立場から、そう考えているのでありまして、結果が一致したということになるのであります。私はまあ日本独立国なつた。個人々々がやはり成るべく国費のお世話にならないよう独立してやつて行くべきだ。従つてその大きな団体の郵政省も、できるならば独立採算制で行くべきじやないか。極く端的にさつき油井委員がおつしやられたのでありますが、郵便料の値が上るのだということだけ考ええますと、甚だ好ましくない。又いずれにしても上ることは好ましくないわけでありますけれども、同時に一枚々々郵便を出す人が大衆から納めた税金お世話にならなければならない。でありますから、値を上げなかつたならば、一本手紙を出す人は、葉書を出す人は、三円弱のものを他人のお世話になつているという形なんです。ここだけは本当に国民全体に、この際郵便は上るけれども、若し上らなかつたら、自分たち税金を出して補つてつたのだということを知りましたならば、皆心から納得すると思うのであります。同じく自分たちが出しておいて、而も独立心を皆失わせておつたのだとも言い得られるのであります。それから実際問題といたしましては、郵便を出すのは大衆ではありません。この平均にいたしましたならば、極く細民は一カ年に三本か、五本出すのでありまして、個人々々を言うたら政治家が一番たくさん出すだろうと思う。私はよく皆反対する人の声を聞きますと、大衆利益のためにと申しますけれども、実際は大衆の出す税金で特殊の者がむしろ助けられているという傾きになりますので、私は出す人個人々々がみずからの責任と力において独り歩みをするという意味で、この値上げ賛成をいたすものであります。
  10. 城義臣

    城義臣君 私も衆議院から回付されました修正案賛成をするものであります。理由は前の提案理由郵政大臣から説明を承つたとき、若干の質疑をいたしまして、その当時は今回修正になりました五円、十円というのが四円、十二円になつておりましたが、やはり私どもも、その節他委員諸君からも、なぜこういう半ばの付いたものにしているかというような質疑があつたのでありますが、やはり声としては、いろいろ理由はありましようけれども、五円、十円ということのほうが能率的でもあるのじやないか、ただ私が心配いたしましたのは、若しそういうふうに五円、十円と修正することによつて、折角値上げをする目的、即ち所要財源に十分充当するに足るだけの収入が得られるかどうか、こういう点を心配いたしたのでありますけれども只今大臣の御答弁によりましても、何らその方面については心配がないというご説明であります。以上簡単でありますけれども、そういう意味合におきまして、私は衆議院から送付されました原案賛成いたすものであります。
  11. 三木治朗

    三木治朗君 私は遺憾ながらこの法案に対しまして反対をいたします。と申しますのは、この値上げ独立採算制の基礎に立つて値上げをせざるを得ないというそのこと自体に反対するものであまりす。大体郵便事業は、郵便預金及び簡易保険等の、自分のところで運用すれば相当利益を上げ得るものは、ことごとく資金運用部にとられてしまつて、昔からのことを言えば、いろいろこの郵政事業というものは各方面事業を担当しておつて相当黒字を出し得る状態にあつたものを、儲かるものを片端から取上げてしまつて、そうして儲からない郵政事業だけで以て独立採算を強いるということは、これはとんでもないことだと思うのであります。而も鉄道などのような公団組織になつておるものであれば、これは独立採算制をとることも止むを得ないが、政府みずからやつている事業で、先ほど公述人からお話がありましたが、新聞等原価計算は六円余りにもなろうというものを八円でこれをやつて行く、その負担は一般需要者にかぶせて来ておるというような点、これは勿論郵便事業というものは非常に公共性のあるものであつて、これは原価計算でやるべき筋合のものでないことは明らかでありまするが、併しそれを一般が負担するということは、どうしても納得の行かない点であります。而もこの値上げによつて一般会計からの繰入金を今後頼らないというお話でありますが、この郵便事業の性質から言つて、どうしても一般会計からの繰入れを当然要求すべき筋合いのものであると固く信じておるものであります。而も今日の日本郵便事業の現状というものは、列国に比して非常にサービスその他の点においても、或いはすべての施設においても、又郵便局の山間地至るところに設置されておらないという点、いろいろな点で大いに改善すべき点がたくさんある。これらを考えますときに、一般会計からの繰入金を待つのでなければ、或いは郵便貯金簡易保険自分の手で運用することになるのでなければ、とても日本郵便事業が立派なものに、世界に伍した恥ずかしくないものにして行くことは到底不可能と考えます。こういう意味から言つて、今度の郵便料金及び為替料金値上げ、共に独立採算立場から、一般会計の繰入れを待たずして行うということは、私のどうしても承服のできないところであります。日本郵政事業の将来のために私はこれであつてはいけないと思う。どこまでも一般会計からの繰入れを主張いたします。そうして郵政事業そのものの持つている、本来のものを持つて行くということの建前をとるべきが正しい、かように考えまして本案反対するものであります。
  12. 石坂豊一

    石坂豊一君 私は発言するつもりではなかつたけれども、尊敬する三木さんが本案に対する意見を申されましたので、私は柏木君の提案通り衆議院修正賛成するものであります。併し私も本心は実は郵便ただにしてやりたい、鉄道ただで乘せてやりたい、こういう考えでありますけれども、これはさようにいたしますと、用のない者でも余計汽車に乘る、用のない者でも手紙を出すというようになることは困る。外国でも如何に社会主義の制度をとつているところでも、やはりこの郵便切手には税をとり、汽車にはただは乘せておらないのであります。而して我が国の各種の料金を比較して見ますと、郵便料くらい安いものは実はない。驚くべき安いものであつて葉書一枚ニ円、我々は互いに交換するところの名刺は安いので一枚一円五十銭、高いのになると二円五十銭も使つている。中には葉書買つて名刺にするほうがよほど儲かるというようなこともあるのであります。私は極めて停車場から遠い田舎に住んでおりますが、実に気の毒にも郵便局から一里半ございますが、そこまで一枚の葉書を村々の人に配つて行きますが、実際どうも大変なものであります。その困難をあえてしながら……。郵便局赤車は実際は火の車になつてつて、国庫から大いに補助金を出さなけばならん。かくのごとき状態は長くするものではございません。私は誠に平素三木君には敬意を表しているのでありますが、本日に限つて反対意見を申上げまして、この修正案に絶対賛成をし、且つ私らはこの郵政に対して当局の諸君は長い間忍んで安い料金国民の希望に応ぜられておつたことを感謝すると同時に、幾分でも郵政事務の拡充、内容の充実ということに裨益することがあつたならば幸いなりと信じているものであります。よつて本案賛成の意を表するものであります。
  13. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) ほかに御意見はございませんか。それではこれで討論は終局したものと認めます。従つて異議がなければ、採決に入ります。郵便法の一部を改正する法律案衆議院送付原案通りに可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  14. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 多数と認めます。よつて本案衆議院送付原案通り可決すべきものと決定いたしました。なお本会議における委員長口頭報告内容は本院規則第百四條によりまして、あらかじめ多数意見者承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本委員会における質疑応答討論要旨及び表決の結果を報告することにつきまして、御承認を願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) さよう決定いたします。つきましては、本院規則第七十二條によりまして、委員長議院に提出する報告書には多数意見者署名をすることになつております。本案を可とされたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     柏木 庫治  石坂 豊一     城  義臣  瀧井治三郎     島村 軍次
  16. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 署名漏れはございませんか。……。署名漏れはないものと認めます。   —————————————
  17. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 次に郵便為替法の一部を改正する法律案について、その点は先ほど質問にも含まれておりましたので、その点は質問は略しまして、それぞれ御意見かございましたならば、賛否の御意見を伺いたいと思います……。別に御意見がないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 御異議ないと認めます。それでは採決に入ります。  郵便為替法の一部を改正する法律案原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  19. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 多数と認めます。よつて本案原案通り可決することに決定いたしました。委員長報告はやはり先ほどの第百四條によりまして、この討論質問要旨を述べることにいたしまして、皆様の御了解を得たいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) さよう決定いたします。それでは本院規則第七十二條によりまして、委員長議院に提出する報告書には多数意見者署名をすることになつておりますので、本案を可とされましたかたは、これ又順次御署名を願います。   多数意見者署名     柏木 庫治  石坂 豊一     城  義臣  瀧井治三郎     島村 軍次
  21. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 署名漏れはございませんか……。署名漏れないと認めます。  それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後三時三十八分散会