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1951-10-17 第12回国会 参議院 郵政委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月十七日(水曜日)    午後二時十八分開会   —————————————   委員氏名    委員長     岩崎正三郎君    理事      中川 幸平君    理事      柏木 庫治君           池田七郎兵衞君            石坂 豊一君            黒川 武雄君            城  義臣君            三木 治朗君            島村 軍次君            深川タマヱ君   —————————————   委員の異動 十月十二日委員黒川武雄君辞任につ き、その補欠として大島定吉君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩崎正三郎君    理事            中川 幸平君            柏木 庫治君    委員            城  義臣君            三木 治朗君   国務大臣    郵 政 大 臣 佐藤 榮作君   政府委員    郵政政務次官  山本 猛夫君   事務局側    常任委員会專門    員       生田 武夫君    常任委員会專門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政省大臣官房    人事部長    八藤 東禧君    郵政省簡易保險    局長      白根 玉喜君    郵政省貯金局長 小野 吉郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○郵政事業運営実情に関する調査の  件(郵政事業運営実情に関する調  査報告書に関する件)(郵政省関係  予算提出予定法律案及び行政整理に  関する件) ○公聽会開会に関する件   —————————————
  2. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) それでは只今から委員会開きます。  先ずお諮りを願いたいことは、委員会では郵政事業運営に関する調査を閉会中も継続して調査して参りましたが、これに関しましてはまだ完全に調査を終わつてないのでございますので、一応ここに多数意見者署名をして、その経過並びに結果を報告して見たいと思うのであります。これは本院規則第五十五條によりまして、報告書議長に提出することになつているのであります。でその経過の概要はお手許に刷物を通して差上げてあるわけでありますが、これを御承認願つて署名を願いたいと、かように存じますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) ではさよう決定いたします。只今報告書の内容に御賛成の方の御署名を願います。   —————————————
  4. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) いろいろ皆さんからの御質問があると思いますが、暫く委員会も開いておらなかつたので、先ず冒頭に大臣から郵政関係事情を徴したいと思いますが、大臣の御発言を願います。
  5. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) では私から郵政省当面の問題につきまして御報告申上げることにいたします。  去る七月に開かれました本委員会におきまして、御挨拶かたがた一応業務につきまして御報告申上げて置きましたので、本日はその後問題となつて参りました人員整理行政機構改革の問題、それから又最近案の決定を見ました本年度補正予算と、これに伴います郵便料金引上げの問題、主としてこれらの点につきまして御報告をいたしたいと存じます。  先ず、人員整理行政機構改革問題でありますが、御承知通り政府におきましては、政令改正のための諮問委員会の答申に基きまして、先月下旬来、連日のごとく閣僚懇談会開き具体案練つて参つたのでありますが、本月五日の閣議におきまして漸く人員整理につきましてはあらかたの線が固まつたのであります。  郵政省につきましては電気通信省、それからこれは公社でありますが、国鉄、その他の現業官庁と同様、現業部門は五%、管理部門は二十五%、これを整理目標とすることに落着いたのであります。閣議決定も見まして、定員法改正も正式に皆さんの御審議を頂くように相成つているのでありまするが、その結果、郵政省関係におきましては、現在の定員二十五万九千八百七十四名に対しまして一万四千五百七十八名を減員することになり、新らしい定員は二十四万五千二百九十六名となるのであります。  人員整理行政機構改革、この機構改革の点につきましては、目下政府におきまして折角検討中で、未だ結論を得る段階には至つておりませんが、これらの点につきまして私の日頃考えておりますところをこの機会に若干申上げて御批判を得たいと存ずるのであります。  講和條約も滞りなく締結せられ、いよいよ我が国独立国家として国際社会に復帰できる段階に立至つたのでありますが、私から申上げるまでもなく、自主、自立後の我が国の前途には、いろいろ重要、且つ困難な問題が予想されるのでありまして、特に財政経済面負担増加は避けられない情勢であります。今日の国力から考えますと、決して生やさしいことではないのであります。  かような観点からいたしまして、行政規模なり官庁機構というものも、国力相応のものを持つて再出発することが当然のことと存じます。  人員整理の問題もかような意味合いから取上げられたのであります。併しながら、人員整理につきましては、二年前すでに大鉈が振われておりますので、更に只今申上げましただけの定員削減をいたしますことは、これはなかなか容易なことではないのであります。又人員整理は、一般官庁現業官庁においてはみずから事情が違うわけであります。  我々がお預りしております事業は、管理者自身である我々が、勝手に事業規模決定し得るような仕事ではないのでありまして、仕事の量は国民大衆利用者自身決定するものであります。而も業務性質上、機械力を利用できる部面が極めて限られており、專ら人力によつて運営されておる関係もあり、單純な人員整理は、当然サービス低下とならざるを得ない、かような特殊性を持つております。かように考えますと、この事業官庁における人員整理というものは非常にむづかしいいものがあるのであります。  ただ、ここで私が申上げたいことは、今日国が経営しております事業、即ち郵便或いは電気通信、更に又公社なつておりますが、鉄道、これら国民日常生活、或いは産業経済活動に極めて密接な関係を持つている事業状態を考えてみますと、戰前においてはサービスも行届き、事業経理の面におきましても健全であり、国民から非常に喜ばれておつたのであります。ところが、これらの事業の現在の状態はどうかと申しますと、御承知通り、遺憾ながらなかなか、国民の要望に応え得るまで完全にはなお立直つておらないのであります。成るほど終戰直後のあの混乱状態から見ますれば、極めて顯著な復興振りを見せておるのでありますが、戰前に比べますとまだまだ、不充分で、もつともつと、よくしなければならないと痛感しているのであります。殊に経理の面におきましては更に工夫、改善を要することも少くないと思うのであります。ただ私がここで特に申上げたいことでありますが、元来郵便に関する料金公共事業料金として、政策的に特に低く定められており、いささかも含みというものがなく、ぎりぎりのものでありますので、物価が高騰し、人件費が高くなりますと、これがてきめんに事業收支バランスに響いて参り、終戰後のごとく物価が引続いてだんだん上つて来るという状況の下では、いつも経理面が苦しく、赤字に悩まされて来ておりますことは御承知通りであります。従いまして毎年のごとく、料金値上げの問題が頭を出して参るのも止むを得ないものがあるのであります。併しながら、かように理論的に割切つてみましても、国民日常生活産業活動と密接な関係にある事業性質から申せば、とにかく料金は成るべく安くするのが望ましいに違いないのであります。  私は郵政省並びに電気通信省の両事業を預るものといたしまして、是非ともこれら事業をして、国民経済活動なり日常生活の上から見まして、十分お役に立ち得るようその機能を十分に発揮できるようにいたしたい、かような強い念願を持つているのであります。又従業員諸君給與の面におきましても、今日のところこれらの貴い事業遂行の衝に当つておりながら、なかなか思うような給與ができておらない。独立採算の原則は立てられているけれども、この事業自身経理状態から見れば、いつも赤字が出て、一般会計から金を借りなければならない。従つて従業員に対する給與改善等も思うようにできておらない。この状態については誠に残念に思つている次第であります。かように考えまして、この際事業基礎を強固にし、従業員自身が安心してこの仕事に奉仕できるようにし、更に又独立後の日本が当然当面するいろいろな難問題にぶつかりましても、この事業基礎が搖ぐことのないような強固な基盤をこの機会是非とも作り上げたいと実は念願いたしているのであります。かような意味におきまして、一面においては難問題ではありますが、人員整理を行い、他面現行の郵便料金を是正いたしまして、事業基礎を強固にし、将来の発展を約束し得る立派な基盤を培いたい。かように考えておるのであります。委員各位におかれましてはどうか私の意のあるところを扱み取り下さいまして、いろいろと御批判を頂き、又格段の御教示、御支援を賜りたいと存ずる次第であります。  次に本年度補正予算でありますが、これにつきましては前回七月の本委員会におきまして、一応当時我々が考えておりました構想を申上げておきましたが、その後大蔵省方両と協議折衝を重ねました結果、漸く固まり、去る五日の閣議におきまして案の決定をみたのであります。  ここで補正予算案についてその大要を御説明申上げますと、先ず歳出面でありますが、十月から平均千五百円のべース・アップを実施するために必要な人件費増加が、郵政事業特別会計全体で約二十八億円、これに物価騰貴による物件費増加約十六億円、これは本予算單価、この單価は昨年六月当時の、物価を基準にしたものでありますが、これに対しまして平均二十一%程度値上りを見込んだのであります。それから陸上運賃値上りによる集配運送料増加約十七億円、これは平均四十七%増であります。昇給原資等規定人件費不足分といたしまして約十三億円、更に本予算におきましては年末手当半月分予算に計上いたしておりましたが、ベース・アップの時期が遅れたという事情もありまして、これを〇・八ヶ月分支給することになりましたので、この不足額約七億円、今回決定いたしました行政整理のため必要な退職手当が約四億円、その他雑件といたしまして約七億円、これらを全部合計いたしまして約九十二億円の増加と相成るのであります。地方におきまして行政整理及び閣議決定に基く既定経費節減が約六億円程度でありますので、これを差引いたしますと、結局約八十六億円の補正増と相成るのであります。この八十六億円のうち、郵便事業負担となるべき経費は約五十一億円であります。そこでこの五十一億円の財源をどこに求めるかの問題でありますが、この点につきましては前回委員会で申上げたのでありますが、先ず第一に一段と経費節減を図り、最少の経費で最大の効果を挙げるよう工夫することは申すまでもないのであります。併しながら何分にも人件費経費総額の七〇%近くも占めております関係上、節減と申しましてもその幅は極めて限定せられ、而もこの五十一億円は、只今ちよつと申上げました通り閣議決定いたしました既定経費節減分を差引いたしました、その上での数字でありますので、勢い財源の大部分は一般会計からの繰入れなり料金の値上に待たざるを得ないのであります。ところで一般会計からの繰入れにつきましては、御承知通りすでに本予算におきまして、郵便事業に三十四億円の赤字補填を受けることになつておりますが、一般会計では減税財源の問題や、いわゆる平和條関係経費を賄わなければならないというなかなか苦しい事情がありますので、これ以上一般会計負担を増すことは困難な状況でありますのと、先に申上げました通り事業経営基礎を固くし、事業将来の発展の礎石を築くという趣旨におきまして、この際は止むなく郵便料金引上げを行うことに決意した次第であります。即ち追加緒費五十一億円のうち、その六十八%に当る約三十五億円は郵便料金値上げで賄い、残額十六億円近くは、郵便物数が最近順調に増加の傾向を示しておりますので、この利用物数増加による收入自然増加でカバーする。かような見通しを立てているのであります。それではどの程度まで値上げをする計画かと申しますと、明年度以降は一般会計からの借入れが期待できない見通しでありますので、これを織り込みまして、封書が十二円、はがき四円、日刊新聞紙等発行人等が差出すもの一円、百グラムについてこの程度にいたしたいと考えておるのであります。只今申上げました通り一般会計からの赤字繰入れは本年度限りで打切られる情勢であり、且前年度値上げを見送りました関係もありますので、今回の郵便料金引上げは、率といたしましては平均五六%程度となるのでありますが、これでも收支バランスの上からは最小限度に切り詰めたものになつておるのであります。いずれ近日中にも料金値上げ、その他に必要な郵便法の一部改正法案の御審議をお願いいたす際、案の詳細につきまして御説明申上げるはずでございますが、何とぞその際は実情を御了察願いまして、よろしく御審議下さるようお願い申上げて置く次第であります。  次に今国会におきまして御審議をお願いする予定なつております法律案でありますが、これは四件ほど予定いたしております。只今申上げました郵便法郵便貯金法、郵側振替貯金法、それから郵便為替法のそれぞれ一部を改正する法律案、この四法案であります。改正案の詳細につきましては、いずれ法案の御審議を願う際御説明申上げるはずでありますが、その要点だけを極く大づかみに申上げて置きますとと、先ず郵便法の一部改正は、料金値上げのほか郵便物種類体系改正年賀郵便特別料金市内郵便制度の設定、その他二、三の点につきまして改正することにいたしております。  次に郵便貯金法改正は、利率引上げと、一人の預金者貯金総額最高限度引上げるこの二点であります。我が国自立達成のため資本の蓄積が緊急の課題となつております今日、長期安定制に富んだ郵便貯金増強を図りますことは是非とも必要であり、又本年度から新たに発足いたしました郵便貯金特別会計経理を健全化し、事業の円滑な発展を期します上にも貯金残高増加こそ基本的要件であります。かような事情に鑑みまして、かたがた市中金融機関預貯金利子も先月一日から戰後七回目の引上げが行われ、定額郵便貯金につきましては、去る六月一日から幾分利率引上げをいたしたものの、郵便貯金利率は総じて割安となつておりますので、この際利率引上げと、預入最高限度引上げを行いたい。かように考えた次第であります。  ただここで問題となりますのは、利子引上げに伴う資金コスト増加であります。前回も申上げました通り本年度当初予算におきまする資金コスト運用利廻関係は八厘三毛の逆鞘で、約十五億円の歳入不足なつておるのでありますが、利子引上げを行いますと、預金額が飛躍的に増大しない限り、赤字は殖えることとなり、更にべース・アップ物件費等増加を見込みまずと、郵便貯金特別会計におきましても本年度更に十五億円余の歳入不足を生ずることとなるのであります。このうち利子引上げによる分は約一億円で、これは十一月一日から通常郵便貯金年三分九厘六毛、積立貯金年四分二厘、定額貯金は年四分二厘乃至五分五厘まで引上げるという改正案による計算であります。この赤字増加額は今回の補正予算一般会計から追加繰入れを受けることに相成つたのでありますが、これで当初予算の分十五億円と合せまして、合計約三十億円を一般会計から歳入不足補填金として繰入れを受けることになるのであります。なお今後の問題として、この赤字を解消し、郵便貯金特別会計も一人立ちできるようにいたしますためには、資金運用利廻、即ち資金運用部預託金に対する利子引上げをいたすこともいずれ考えて行かねばならないと思つている次第であります。以上の郵便貯金法改正の案は只今関係方面と手続中であります。従いましてまだ最終的決定という段階にはなつていない点を御了承おき願いたいと思います。  郵便振替貯金法郵便為替法の致正につきましては省略させて頂きます。  なおこの四法案のほかに保險金額最高度引上げ等のため、簡易生命保險法の一部改正についても只今折角検討中でありまして、いずれ成案の上は委員各位の御審議をお願いすることにいたしたいと存じております。  以上を以ちまして私の報告を終りたいと存じますが、なお詳細の点につきましては、御質問によりお答え申上げたいと存ずる次第であります。
  6. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 御質問ございませんか。
  7. 柏木庫治

    柏木庫治君 大臣にお尋ねしますが、今の郵便料金値上げによつて独立採算が漸く得られるというお見込ですか。
  8. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 只今計画いたしましたこのことによりますれば、今後の物価変動等の点を見込まなければ、郵便といたしましてはやつて行けることだと思います。
  9. 柏木庫治

    柏木庫治君 簡易保險料金引上げという問題もありましたが、簡易保險郵便貯金額は、或いは被保險者の数は上向ですか、低下ですか、今までの現状と大臣のお見込如何ですか。
  10. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 局長説明いたさせたいと思います。
  11. 白根玉喜

    説明員白根玉喜君) 先ず私どものほうの主管の簡易保險の点について増嵩しておるかどうかというお尋ねに対しましてお答え申上げます。  件数といたしますと、実は戰前少額契約をそのままにすることにつきましては、事業費コストが高くなりますので、終戰以来少額契約整理いたしまして、これは大体約三千万件になつておるのでございます。その後終戰後は成るべく高額契約を獲得するようなことにいたしておる次第でございますので、件数にいたしますと、実は少額契約整理関係もございまして、戰前との比較を申しますと、件数は相当減つておるのでございます。九千万件が五千万件に減つておりますが、これはそのうちで少額契約整理した面が入つておるのであります。それらの関係もございまして、実ほ比較考量がなかなかむずかしいのでございますが、現在の大づかみに申上げますと、簡易保險伸び工合戰前比較して決してよいとは言い得ないのでございまして、我々といたしましては、更に独立採算の実行を期するために、戰前比較いたしましてまだ順調でございませんので、更に力を入れまして、一面簡易保險の募集しやすい環境を何とか考えまして、戰前の水準に達したいと、かように存じておる次第でございます。
  12. 小野吉郎

    説明員小野吉郎君) 郵便貯金状況について申上げますと、終戰当時におきましては、いろいろ経済界変動もあつたのでございますが、余りよい成績を挙げておりません。二十三年あたりから大体順調に経過して参つてつたのでございますが、昨年度朝鮮事変の勃発によりまして、予定の四百億純増目標達成できなかつたわけでございます。前年度は二百二十億の達成でございまして、八十億は未達成のような状況なつております。この状況は本年度当初におきましてもこれが響いておりまして、相当憂慮される状況であつたのでございますが、六、七月頃から漸次回復いたしまして、八月頃につきまして申上げますと、毎年の例から申しますと、異例の増強を来しておるのでありまして、四十八億八月だけで殖えております。九月は、或いは銀行方面利子引上げが九月一日から行われておりますので、郵便貯金もこれと併行して利子を考慮しなければならないのでありますが、いろいろな関係で遅れて参つた、そういつた関係も響いておりましようか、九月は成績が八月に比べまして二十二億減の二十六億しか殖えておりません。今年度目標は四百億円でありますが、今日までのところで申しますと、約二百五十億を達成いたしております。勿論毎年の例から申しますと、年度前半期よりも後半期はどちらかと申しますと貯金伸びは惡いのでございまして、そういう面から考えますと、四百億達成がせいぜいではあるまいかと考えております。勿論補正予算では四百六十億の純増を期待しておりますが、堅く見まして実際にできるところは四百億見当ではあるまいかと、かように考えております。現在の現在高は丁度千七百九十億くらいになつております。来年度増強見通しにつきましては、本予算におきまして五百億の純増を期待しておるのでありますが、この達成には相当の努力を要するのではないかとかように考えられる次第でございます。
  13. 三木治朗

    三木治朗君 今度べース・アップ改正があるのでありますが、その額は人事院勧告したものと同様なんですか、お伺いいたします。
  14. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 先ほど申しましたごとく、政府といたしまして実施しようといたしますものは、千五百円のべース・アツプでございまして、而も十月からこれを実施するということになつておりますので、人事院の示しました案そのものとは相当の開きがあるのであります。ただ政府といたしましては、一面減税の案を考えておりますので、その減税の点も考慮に入れなければならないかと思います。それからもう一つは、何と申しましても予算総体といたしまして縛られておる面もあります。それからもう一つは、人事院が調べましたときの物価指数政府の最近得ました資料等と比べて見ますと、ややそこにも開きがあるようであります。その結果人事院勧告通りではないのであります。
  15. 三木治朗

    三木治朗君 人事院勧告によりますと、八月一日に遡つてということになつておりますが、それが十月というと二月の開きがある。これは相当大きな問題だと思うのですが、年来賞與を半分というものを殖やしてそれを補うという御説明だと思いますが、そうなんですか。
  16. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 只今説明申上げました減税のほうは、大体八月に遡る予定にしております。その点が一つ公務員に対しまする利益の点かと思いますが、それからもう一つは年末に半月分を計上いたしておりましたのを、〇・三殖やして〇・八にした。これは補うという意味もありますけれども、完全に補填ということとは違うのではないか、公務員生活状況なり又年末の支出等を勘案いたしまして、特に増額をいたしたような次第であります。いろいろな事情を勘案した結果、かように御了承頂きたいと思います。
  17. 三木治朗

    三木治朗君 特定局電信電話に従事しておる者はこのべース・アップの改訂の恩典に浴さないというようなことを聞いておるのですが、それは若しそうであつたとすれば非常に気の毒でもあり、業務上に支障を来たす虞れも多分にある。それらに対して特に何らかの御配慮がありますかどうか。
  18. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 今の特定局従業員のうち定員化が遅れておる面があるわけです。この面は郵政省としまして非常な問題でありまするので、私も就任早々から是非ともこれが定員化を図りたい、かように考えて参つておるわけでありますが、今回又定員減にぶつかつて参りまして、なかなかそれも実現が困難な状況なつております。いずれ機会を得て是非ともこれは定員化して行かなければならない、定員化して行きますれば、只今言われるような御心配はなくなるわけであります。その経過的な期間におきまして、十分これらの従業員実情等をも勘案いたしまして、私どものほうでは善処いたしたい、かように考えておるような次第であります。本来から申せば何と申しましても、定員化してかような心配はないようにすることが私どもの責任だと思います。その点が遅れておるということは誠に残念に思います。
  19. 三木治朗

    三木治朗君 今度の行政整理の問題に、現業公務員は五分というお話でありましたが、これは一般を通じて五分、今特定局のお話が出ましたので、特定局というのは相当数があるのもありますけれども、二人や三人乃至一人くらいのところもあるかも知れませんが、至つて少数の者が数多くあるのでありますが、この二人や三人、一人というところでは、五分ということになれば、「これは整理のしようのない局が多数あるわけであります。特定局は全体の半分以上あるわけでありますから、これはその中には多少数の多いのもありますけれども、そうすると平均して五分という割当は、この特殊事情によつて相当割引されなければならないものだと、こう考えるのですが、その負担はことごとく他の従業員にかぶつて行くという結果になるように思われるのでありますが、そういう点に関して十分御折衝があつたでしようか。
  20. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 今のお話至極御尤もな御議論だと思います。管理部門なり、現業部門に分けること自身が、実は相当議論の存するところでありまして、普通言われております管理部門と言えば、地方局以上の官庁を以て管理機構と称し、それ以下の機関を現業とする、そうすると管理機構と見られるところで勤務する者は全部管理人員であります。現業機関に従事するところの者は全部現業人員だと、かように申しますると、必ずしもそうではないのでありまして、予算を作りますような場合におきましては、いわゆる現業部門の中におきましても、管理人員だと考えるという庶務、会計等をやつておる者を管理要員と実は見ておるわけであります。予算の建前の数字から見ますと、大体総定員から見て管理要員はその一割くらいになつておるというのが、予算を作るときの考え方であります。併し今回の人員整理という面から見ますると、この予算編成上の考えをそのまま採用するわけに参らない。只今申上げました管理機構に従事するうちにも、純現業に携つておる者もあるわけであります。この郵政省におきましても、計算ばかりやつておるところもありますし、或いは又本省におきまして切手の出納をしておるところもありますし、或いは又守衛なり運転手等の純現業部門もあるわけであります。従いましてこういうような純現業部門に従事すると考えられる者は、管理機構従業員の中から現業のほうへ落したわけです。もう一つは今御指摘になりました二人、三人ということを申されましたが、現業の機関は全部これは現業として考えなければならない、郵便局長は管理要員だから、管理者だからこれに二五%を適用すると申せば、とんでもない結果に実はなつて参るわけであります。従いましてこれは現業として一律に考えて行こう、併しこの議論をどの程度まで細かにするかということは、実施の面から見ましても、いろいろ議論の存するところであります。そこで私ども只今申上げるような大綱に基きまして、定員の割り振り等から消化可能なりやいなやというような観点に立ちましていろいろ議論をいたしたわけであります。先ほど申しました五%なり或いは二五%と申しますのも、一応の標準にしたという点で、大体整理可能と申しますか、この程度是非とも整理せざるを得ないだろうというような観点に立つてその数をきめたようなわけであります。従いましてお尋ねの定員が三名以下ならどうというような細かな点は、実は考慮の中からこれを省略いたしまして、総体として実施可能な問題なりやいなやということで工夫をいたしておるような次第であります。
  21. 三木治朗

    三木治朗君 先だつて来地方の視察に行つていろいろ伺つたのでありますが、郵便局長を訪問した際に、組合関係からいろいろ陳情があつたわけでありますが、無論現在においてもすでに労働過重のきらいが多分にあるのであります。人員整理等をする余地は全然ないということを盛に聞かされて参つたのでありますが、まあいろいろ業務の合理化その他において節約ができるものもあろうかと考えますけれども、相当仕事の量は今の程度で精一ぱいという感じを多分に受けて参つて来たようなわけであります。ところで整理の方法ですが、成るべく犠牲を少く済ます、又仕事に差支えも来たさないという建前から言えば長期欠勤者、これはどこでも相当あります。そういう人などを第一に挙げるかも知れませんが、そのほかに希望退職者というような者も募れば相当たくさんあるのじやないかと思いますが、その程度整理が済めば大変いいと思うのですが、お見込まどうですか。
  22. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 一万四千名以上になりますので、今お挙げになりましたその程度ではなかなか賄えないのです。本年の当初から人員整理ということが考えられておりますが、現業官庁ではありますが、特に人員の補充等については努めてこれは避けるようにして参つておりますので、その欠員も三千五百名ぐらいの欠員がある。そこえ以て来て只今言います長期欠勤者であるとか希望退職者等を募つて、そうして実施案を作りたいと思うのです。そこで実施の時期等を今から予定することはなかなか困難でありますが、今回の国会の御審議を得ようとする退職金の減税案そのものも、恐らく実施は一月一日以降になるのじやないかという感じを持つております。一般会社等もさようにするようであります。今までのところで話合つておりますものは、退職金のうちから十五万円を全然課税しないで差引きます。そうして残りの半分について、例えば三十万円もらう人は十五万円を差引いて残りの十五万円の半分、七万五千円に対して特別な税率をかける、非常に思い切つた減税になりますが、この実施の時期がどうも今のところでは一月以降になるらしい、かように考えるわけであります。そうしますと一月以前に、定員法通過後一月以前にやめる人たちどういう措置をとるかという一つの問題があるわけであります。従つてこれらにも特別な好意ある処置をとるといたしましても、更に年末の賞與金交付の問題もある、これも恐らく十二月一日現在の人に対して賞與金を交付することになりはしないかと思いますが、退職する人はそれだけ率が低くなりましよう。かたがたそんなことを併せ考えますと、時期的に少し遅れることになるのじやないか。さように考えますと、できるだけこれらの期間中に準備をいたしまして、只今三木委員の言われるように、特別処置のとられておるこの際に、新陳代謝の意味も含めまして、できるだけ希望者を募ると言つちやおかしいですが、希望退職を主に考えて参りたい、実ほかように考えております。従いまして只今から如何なる整理具体案を持つているかと言われましても、まだちよつと時期が早いように思いますが、この点お許しを願います。
  23. 柏木庫治

    柏木庫治君 今の長期欠勤者の問題ですが、何によるのでありますか、病気ですか。
  24. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 病気でございます。これは相当の数あるわけでございまして、これが長期欠勤者の今回の行政整理の対象には直接はしないわけですけれども、長期欠勤者という者は、やはりこの行政整理というような場合には整理の対象になるわけであります。従つて病気で苦しんでおる人に特別又傷めつけたようなことになるわけですから、今回はさような処置をとらないで、長期欠勤者、三ヵ月以上休むといいますか、そういう人にとりましては、これを定員のそとへ外す。そうして所定の期間これが給與を支給して行く。これは定員外にするようにいたすわけであります。現在はそれらの人が定員を食つておるわけですから、これらの人たちだけは定員外になることによりまして、実際の整理には影響ない。こういう見方をしておるわけであります。従いまして長期欠勤者が直ちに整理の対象にならず、又私どものほうとしてはそれだけは整理定員減のうちから直接に手を下さなくて済むわけでありますので、非常に工夫をしてくれたと思つております。数も相当の数でありまして……。
  25. 柏木庫治

    柏木庫治君 運動に携わるために欠勤するというような者はありますか。
  26. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 運動にという者は今はないわけでありまして、これは專従者はどうなつておりますか……。
  27. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 專従者は定員の中に入つております。專従休暇となつております。
  28. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) これは組合專従者は、私が鉄道にいます時分は、鉄道には非常に多かつたのでありまするが、その後よほどその行き方については各省とも批判を受けまして、その数はよほど減つて参つておると思います。
  29. 柏木庫治

    柏木庫治君 よほどといいますと、具体的の数字はどういうものですか。
  30. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 大体非常にに少くなつておりまして、全国合せまして、各種の部門を合せまして四、五百くらいではないかと思いますが、その後減つたわけであります。
  31. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 只今の專従者のことはいずれ詳しく調べた上でお話いたしたいと思います。
  32. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 大臣に伺いたいのですが、例の人事院から勧告を出しておる特別俸給表でございますね。政府は大体あれを呑みそうですか。
  33. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 特別号俸は人事院が出して参りました案を政府も承認しようということを申しておるわけです。ただ比較的特別号俸は程度の低いものでありますので、只今当面しております昇給、給與の頭打ちを解消する程度のように思いますので、本質的な問題としての解決はまだできておらないだろう、かように考えます。
  34. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 郵政事業、電通、專売等を含めるのでありますが、現業職員に対して特別号俸表を設けよというのは、たしかこの前の議会でございましたか、当院で御決議になつたと思います。さような御決議もありまして、先般も新給與改定に関する人事院勧告で、現業職員に対して特別号俸を設定するということを希望するというようなことがはつきり謳われておりますが、その際におきまして、本年六月頃でありましたか、郵政省から人事院に対しまして理想案を示しておつたのであります。いろいろその後の折衝の経過におきまして、少くも丁度当院の御決議にありましたように、現業職員の特殊性を認めるのだという大きな原則をはつきりいたしまして、予算措置等を非常に要しますが、とにかくそれの実現に支障を来すようなことを成るべく避けるというふうな針で人事院のあの勧告が取上げられたようであります。只今までのところ私どもの漏れ聞いておりまする範囲内では、あの号俸表を若しも実現されましたならば、少くとも現業職員の現在の大きな悩みでありまする給料の頭打ちというものは解決されるが、予算的措置が必要だというところが問題点になつているようでありますが、只今折角内閣のほうで審議中であると承わつております。一日も早くその大原則でも確立されるということを私ども切望しておる次第でございます。
  35. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) ほかに質問ございませんか。
  36. 城義臣

    ○城義臣君 私ども郵政委員をいたしております関係で、いろいろ新聞雑誌等の資料をお送り頂いておるのですが、その中に全逓の機関誌が必ず来るのです。言論の自由だから勝手と言えば勝手なんですが、少くと全逓もという名称である限りには、郵政業務関係しておる諸君が皆そういう考えだと私は思わないけれども、相当激烈な文字を使つて、いわゆる或る種の目的遂行のための宣伝機関をいたしておるような気がするのです。これは一部の……、私は率直に言いたいが、一部の者がそういう思想で一つの政治活動をするということについては、これは止むを得ないのだけれども一般の世間の者は、僕はあれは非常に誤解を受けるのではないか、こう思うのです。よく全官公労とかいうような名前……、僕はあえて言うが、僣称して、一少数の者が大多数の意見であるかのごとき言動をとつている。これは僕はいわゆる民主主義の精神にもとるものである。少数者が多数者であるがごとき錯覚を一般国民に與えしめるということは、誠に僕は憂えることである。こういうようないつも印象を受けるのです。これに対して少くとも善意の第三者である国民全体の者が、あれを公平な眼で批判が必ずしもできるとは思えない。郵政関係業務に従事している者は皆何かそういうふうな傾向であるというふうな誤解を持たしめることは、僕は非常に国民が迷惑するのみならず、郵政関係公務員というものが無用の誤解、そしりを受けるのではないか、こういうような僕は意見を持つておるのです。これに対して一つどういうふうな御見解でいられるか、必ずしも大臣じやなくてもいいのですが、当のそういう面に対する責任のあるかたからの御見解をこの際承わつておきたいと思います。
  37. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 只今城先生から非常に御好意あるお諭しを受けまして、私人事部長でございますが、部内における職員団体の監督、交渉等の責任に当つております。  お話のようなことはよく承わりまして、いやしくも誤解を受けないように、或いは一部誤つた動き方のために多くの従事員、或いは郵政省自体が誤解を受けないよう万全を期しまして一つ話合いをいたしたいと、かように考えております。ただこの際甚だ的外れかも知れませんが、最近組合、全逓従業員組合ですが、非常に考え方が、こういうふうに私は受取れるのです。やはり国民輿論、簡單に申しますれば民主主義でございますか、先生がおつしやいました……。こういうような大きな政治原則に則つて、少くとも自分たちの考えていることの決して誤つた、過去におけるような一部の党派のような行動はとらない。やはり大事な郵政事業を責任を持つてつている従業員として、一つ公衆に対して積極的に建設的に協力して行きたいという考えは、指導者たちははつきり持つているようであります。併したまたま私どもの或いは手落ちでありますとか、或いは場合によりますると、いろいろ感情の行き違いもありまして、或いは今城先生の御指摘になつたようなことがあつたのかも知れませんが、さような際におきましても、決して他の目的に利用されたり、或いは要らざる誤解を受けたり何かしないように今後とも十分私といたしましても注意をし、組合の幹部にもさように申しておきます。
  38. 城義臣

    ○城義臣君 蛇足ですが一言申上げて置きます。私お諭しのつもりではないので、ただ国民の信託に応える、いわゆる公務員としての本質的な問題から考えて、今のままでは十分その点の欠点は、何と言いますか、責任者のかたがたと言わず、逓信従業員のかたは十分理解していらつしやると思うけれども、理解していられればいられるだけ速かにそういうことに対しては正しい軌道に乘るように誘導すると申しまするか、自覚を持つてもらいたい。正しい民主主義に則つた運営に運ぶということに、僕は時間の問題、極端に言えば……。例えばこの講和問題或いは安全保障の問題等についても、一方的の意見のみを取上げてこれを強いる態度というものは、甚だしく僕は国民から非難を受けると思う。僕も国民を代表している一人としてこのことを一つ十分銘記されたい、こう思うのでありますます。
  39. 柏木庫治

    柏木庫治君 どういうふうに編集をしているか、編集者が全逓のああいう運動をしてああいうふうに……、実際は新聞雑誌その他に携わる者は、一つの特色を持つた、過激な者が率いて行く、出しやばつて行く、歓迎されるような傾きがあるのですがね。だから実際は全逓全体の意思を代表せずに、極く少数の過激者が編集しているというふうな……。編集者は全逓の中の公幸な人か、一方に片寄つた人か、あなたの見たところどちらですか。
  40. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 私の主観と申しますか、甚だ至らぬところでございますが、先ず最初に先生のおつしやいました過激という点でございますが、考え方或いは思想、そういつたような最も過激なることにつきましては、御承知通り元来いわゆる赤色追放と申しますか、ともかく或る政治目的のために職場の秩序、業務運行ということを阻害しているという者を職場より排除するということは、今日におきましても厳として残つている。又一方には公務員法及びそれ以下の各種の人事院規則によりまして、公務員の政治活動に関するところのいろいろな規定もあるわけであります。その二つの間におきまして現在動いているのが、私ども考えまして一般公務員の動き方だと思います。お話しの新聞に過激というふうな……、先ほど城先生からお話がありましたのですが、誠に反省しなければならんことがあるかとも存じまするけれども只今までのところ、私は公務員法に牴触し、又は一方の職場排除の方針に牴触するというようなことにつきましては、未だそのようなことはないと、こう考える次第であります。
  41. 柏木庫治

    柏木庫治君 それでは全逓の編集者ですね、あれは大臣を最も親しい我らの仲間である、仲間の一人だと思つておりますか、彼は敵だというふうに実際の考え方ですか、そういうことがそれにどういうふうに現われているか、あなたが公平に御覧になつて、全逓の編集者は大臣、次官その他の者に対して、お互いに相手を尊敬して、正しいあり方を発表しているとあなたはお思いになるでしようか。一方に片寄つておるとは思わなくて、過激……私の過激というのは必ずしも共産党を言うのでなく、例えば佐藤大臣はこういうところは非常にいいところがある、こういうところは僕たちと合わんというところがあれば、それはいいと思うほうのことはいつも片目をつぶつて、欠点のほうばかり眺めて、いいほうを眺めてないような書き方をするか、両眼を開き両耳を開いて、誰が見てもこれは公平に書いてあるなというような印象か、あなたはどちらに見えるか。
  42. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) 丁度私は組合関係を私の職責といたしまして、絶えず接触いたしておりますので、何と言いますか、只今の敵という言葉、私まだその全逓新聞を見ていないのですが、さようなことにつきまして、これがいわゆる法律とか規則とかいう問題でないと……、そういう先生のお考えらしくて、それが敵だなんと言うのは不穏当ではないか、かようにおつしやつた筋だと思うのですが。
  43. 柏木庫治

    柏木庫治君 いや、そうじやないのだ、僕の言うのは、敵という言葉は非常に不穏当ですが、本当に両眼両耳を開いて、そういうかたがたに接しておるか、長所を見るほうはつぶつて、自分のいわゆる欠点と思うほうに目を見開いて、而もそれを何人にも相談せずに一方的に自分らの考えを臆面もなく文字に現わすということで……、私は実は下さつたもの全部は見ませんが、三、三編見ましたが、これは片目揃いだな、而も欠点だけを見るほうの目を見開いているというように感じられて、私ども非常に不愉快に感じたのです。だから私思うのに、見るなら公平に見てですね、城君の言われた一般大衆が見て、成るほどいいもの、惡いもの、成るほどと言われるような編集の仕方、それが私は本当の編集の仕方だと思うのですが。
  44. 八藤東禧

    説明員(八藤東禧君) よくわかりましてございます。実は私ども交渉しておりますときも、よく両方でそういうことがありまして、あとでお互にそれを取消し合つたり、或はお互に行過ぎがあつたりすることを認め合つたりすることはよくあるのでありまして、特に例えばそういう行き過ぎがあつたときの場合には、私どものほうからも、或は当事者のほうからも問題にいたしまするし、一つ相共に国民のどなたから御覽になつて頂いても立派な公務員になるというように、ますます努めて行きたいと思います。
  45. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 組合並びに組合活動の実態につきまして、委員の皆様が非常な熱意を以てこういう委員会を通じてその御高見を御披瀝になりましたことは、私非常に感激するものであります。従いまして大臣といたしまして、就任以来組合等といろいろ会見を持ちました私の感じを申しますると、過去において私の経驗いたしました組合交渉とは格段の相違が現在あるように思います。過去におきましては、もう全然話合つても駄目なものだ、或は自分たちの要求は鬪い取るんだと、こういうような感じで実はぶつかつて参つていたように思いますが、最近は交渉そのものの経過等から見ますれば、管理者の立場或は勤労者の立場においてそれぞれの意見の相違は当然あることだろうが、勤労者の立場から見て勤労者の利益擁護と申しまするか、利益擁護の立場においてこれこれのことを交渉するんだ、同時にそれは事業そのものが可愛いんだと、かような意味合いで行動しておるように実は見受けるのであります。で、その点は基本的な問題については只今人事部長が申しましたように、赤色追放と申しますか、これが実施されてから後に、組合自身も非常に反省をして参つたのではないかと思います。ただ最近困つた問題が起りましたのは、先ほど御説明申上げました行政整理の問題につきましては、遺憾ながら立場が相違いたしておりますので、只今交渉は決裂の状況なつております。組合側から見れば、行政整理についても交渉を持つて、その交渉の結果、できるかできないかをきめたいというのが組合側の主張であつたかに見受けるのでありますが、私はこの郵政省人員整理というか、行政整理の問題は、管理者の責任において処理すべき事柄で、組合の諸君と交渉を持つて結論を出すべき筋のものではないと、従つて組合側からいろいろ申出がありましたが、自分は管理最高責任者としてかくかくの結論を下し、これを実施に移すということを申したのでありますので、その結果、組合側は自分たちの意見を全然取入れてくれない大臣では交渉決裂だということで、行政整理に関しては只今決裂の状態なつております。  それから給與等の問題につきましては、組合側からも要求が最近の大会の決議に基いて当然行われることになつておるわけであります。従いまして私が就任当初の組合との関係とは異つて、最近においては対立する問題が出ておりますので、その意味におきましては、組合自身で組合としての鬪争の体系も整えておるやに聞くのでありますのでその機関誌である全逓等に掲載される事柄も、そういう意味においては、或る程度つておることが想像ができるのであります。併し私自身、実は全逓にどういう記事が出ておりますか、詳細に読んでいるわけではないのであります。これは勿論批判をすることができないのであります。総体から申しますれば、今日の組合活動は、私が鉄道で経験いたしたときのような事柄はなくて、よほど組織だつて来た、かように実は感じております。できるだけ私といたしましては、私自身管理者の最高責任者であるし、組合側も最高責任者はきまつておるわけでありますので、それらの間において交渉を持つことが望ましいではないか、殊に現業として非常に苦しいといいますか、余裕のない勤務をしております諸君らとのいわゆる団体交渉といいますか多数の諸君との交渉は成るべく避けるように実はいたしておるような次第であります。いろいろ御高見を伺いましたので、私どもとしても御意見有難く思つてはおりますが、只今申上げましたように、事柄が組合の機関誌でありますために、なかなか管埋者としても十分のインフルエンスを及ぼし得ない点がある。この点は御了承願いたいし、特に最近の問題でお気付きになつたといたしますれば、行政整理その他当面しておる問題もありますので、この点は、或る程度組合のために私が弁護したいような気がする問題であります。而してもう一つ、城委員から御指摘になりました講和会議等の政治活動につきまする意見が組合鬪争の方式として採用されることは、私どもとしては勿諭賛成しがたいことであります。でありますが、この点はいろいろもののはずみ等もありますので、組合の諸君のほうでそこへ筆が向うことも、或いはいろいろその繋がりもありますので、或る程度許されなければならないのではないかと、かような感じもいたします。私の感じを率直に御披露申上げた次第であります。
  46. 柏木庫治

    柏木庫治君 私はその組合員の目的を達する一番いい方法は、やつぱり争いによつて達するのではなくて、談じ合いで達したほうが結諭においていい。だからどちらも親しめるようなすべてをあり方にして行けばよかろうと言うたのに過ぎないのであります。  この辺でどうですか、一応打切つて、懇談会でもやられたら……。
  47. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) その前にちよつと、これは厚生関係の共同募金のほうから聞かれておるのですが、例のお年玉はがき、あれを一体今年はどうしてくれるか、政府の様子を聞いてくれと言われるのですが、そういうことを話される段階に達しておりますか。
  48. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 郵便法の一部改正案ももうすでに国会に送らなければならない時期になつておるわけでありますが、只今お尋ねになりました年賀郵便の点につきましては、まだ最終結論を出しておらないために、法案の提出が遅れておるような次第であります。できるだけ早く、今明日のうちにも政府閣議決定をいたしたいと実はあせつておるような次第であります。その年賀郵便料金がいずれに決定いたしましても、共同募金の関係のものだけは昨年同様取計う考えでおりますので、年賀郵便料金決定とは別に共同募金の関係におきましては、これはお約束いたして差支えないように思います。それだけ申上げて置きます。   —————————————
  49. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) わかりました。それでは大体質問はこれで終つたようでございますが、今大臣の御説明の中にありました郵便料金値上げに関する法律が近く出ると思いますが、この問題は相当の重要性のある問題であると思いますので、実はこれに関連して公聽会をやつてみたいと、かように考えておるのですが如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) では法案委員会に付託になりましたら公聽会を開くこととし、公聽会の時日とか、公述人の選定、そういつたことに関しては委員長に御一任願えれば結構だと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) さよう決します。今日は実は大蔵関係からも出てもらおうと思つたのですが、諸種の事情により大蔵省側が出席できませんので、残念ながらこの程度で打切ろうと思いますが、如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) ではこれを以て散会いたします。    午後三時三十四分散会