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中山福藏君 なお
一つ附加えておきますが、これは最高の地位に達しますと、
一つの監督の地位に人はもう大体常識だけで動ける
立場に立つようになる、大綱を把握しておればそれで自分はや
つて行ける、そういう人に対して一々試験を……次官とかあなたもお苦しみに
なつたという
お話ですが、その常識だけで生きて行ける
立場にある人に対してくだらない試験をやるということはこれは全く滑稽です。又弁護士なんかも
伊藤さんなんかは特別に優秀な
能力を持
つておるように私は伺
つておるのですが、弁護士なんかも何十年とや
つておると、小さいところを忘れても、下に立つところの弁護士を使
つて大体の骨組さえ知
つておればや
つて行けるわけです。そうして又それを忘れたぐらいの弁護士でないと味が出て来ない。実際はそれによ
つて又社会というものの平穏と申しますか、円滑なる交渉ができて来るというように私自身は
考えております。まあ私の
考え方に時代遅れかも知れませんが、私はそう思
つておりますね。すべての
事務というものは、そういうものではないかそう思
つております。それでこれはもう
人事院の試験科目なんかにおいてはよほど
考えてや
つて頂く必要があるし、又
人事院総裁そのものも私は頭を疑
つておるので、実際は露骨に言うと、そういう連中が寄
つてたか
つて試験の題目をこしらえる、これは実に国家としてよほど
考えてもらわなければならん重大な案件だと私は思います。
それからそれはそのくらいに打ちとめておきまして、もう
一つお尋ねしておきたいのですが、これはまあ卑近な
一つのお尋ねですが、執達吏ですね、これは執達吏も含まれるということを
只今おつしやつたようですからお尋ねしておきますが、戰時中に執達吏の統制が行われた、それで大阪なんかは四カ所の執達吏が一カ所です。現在はだんだん高利貸の先を行くというようなやり方なものですからして、これになる人が嫌が
つて現在あの大きな都市に四人しかいません。それが非常に威張るようにな
つて来た、四人しかいないものですから……。それ以外にはその人に撥ねつけられると頼みようがない。私は先だ
つてそういう実際の場面に逢著して非常に困つたのですが。四人から断わられるというと、
裁判上の判決権も執行するということができないという
立場にある。それで而も、これは先般この法務
委員会でも恩給の点について
協議を私
どもは要求されて、そうして
一般職の人と同じように恩給をやるということすらもきめてあるんですが、それがまるで威猛高にな
つて裁判官と同じような
立場をと
つて、もう劍突くですべての依頼を断わ
つておる、だから判決を受けても何にもならんという
実情に立至
つておる、こういうふうな事柄についてどういうふうに
改正して行かれるおつもりか、
一つそういう点もお伺いしておきたいと思います。あなたは
職員の中に入
つておるとおつしやつたから、ついでに聞いておきたい。