運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-11-28 第12回国会 参議院 文部委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十八日(水曜 日)    午後二時二十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            高田なほ子君            若木 勝藏君            木内キヤウ君    委員            川村 松助君            木村 守江君            荒木正三郎君            和田 博雄君            堂森 芳夫君            梅原 眞隆君            高良 とみ君            高橋 道男君            山本 勇造君            岩間 正男君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君   政府委員    文部省管理局長 久保田藤麿君   説明員    文部省管理局学    校給食課長   宮川 孝夫君   —————————————   本日の会議に付した事件教育及び文化に関する一般調査の件  (報告書に関する件)  (学校給食に関する件) ○継続調査要求の件   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それではこれより本日の会議を開きます。未了報告書及び継続調査に関する件についてお諮りいたします。教育及び文化に関する一般調査についてはまだ調査が完了いたしませんので未了報告書を提出することとし、その文案の作成その他の手続きは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 御異議ないと認めます。この報告書には多数意見者署名を付することになつておりますので、御異議のないかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     岩間 正男  高田なほ子     木内キヤウ  堂森 芳夫     若木 勝藏  高良 とみ     木村 守江  和田 博雄     川村 松助  高橋 道男   —————————————
  4. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 次に本調査は、今期国会開会中においても終了いたしませんので、閉会中も継続して調査するこことし、要求書を提出いたしたいと存じますので、文案その他の手続きは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 御異議ないものと認めます。   —————————————
  6. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 給食の汚職の問題について政府委員がお見えになつておりますので、御質問のあるかたは……。
  7. 岩間正男

    岩間正男君 この全貌につきましてはやはり資料を一応頂いたのでありますが、資料で、この前お願いした点でまだ十分でない点もあると思うのです。それで結局今日でこれはお伺いすることは終るかどうかわからないのでありますが、若し終らないときはこれは又機会を見て、成るたけ早い機会にこういう問題の真相を明らかにする必要があると考えております。昨日の質問とダブルかとも思いますが、私丁度ほかに用がありましておらなかつたのですが、そこでこの頂いた資料完全給食実施方針について……、その中でいろいろ問題はあるようですが、やはり今度の問題で、この前も明らかにされたように、その第十の指定業者選考、「学校給食責任者は夫々指定業者選考にあたつて責任をもつて最低価格により、諸法規に適合し、十分な奉仕のできるものを選ばなければならない」、この方針が今度の大豆事件で活かされていないのであります。この方針と反するような方針がとられた、こういうことはこの前の質問でも明らかだと思うのですが、これについてどうしてそういうような事態に行かなければならなかつたということは一応お伺いしたのでありますが、これについて、これがうまく行かないということについて、これはどういうふうな責任を感じておられるか、実施方針と随分、或る意味ではまるで反したような方法でこの大豆の取扱が行われた、こういうことについて、文部省としてやはり一つ責任を感じておると思うのですが、これはどうですか。
  8. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 完全実施方針に全く反してそういうことが行われているという前提にお立ちの下に、お話になつておるように見えるのでありますが、私ども完全実施方針に、できるだけこの問題を近寄せて解決して行きたいという建前においては、全然変つておらないのでございまして、特にこの油にしろ、味噌醤油にしろ大平油脂の場合は直接業者としての選定でございます。醤油のほうの関係部分は、又味噌関係部分はいずれも一緒でありますが、これはやはり下請業者を使つて行くという意味において代行業者選定でありまして、直接その人自体加工仕事をしたわけでありますが、その人が直接の業者というのではなくて、文部省に代つて多くの業者をとりまとめて行く代行業者選定であるという点を今一つ加味して御判断を頂きたいと思つております。今現在この仕事が誠にスムーズに行つておりませんそもそもの理由は、この責任者たち身柄を拘留されておるということ、それから資金関係が十分でなかつたということ、この二点にこの仕事が困難を来たしております理由は盡きると思つております。殊にこの資金関係部分は、大豆とこの油と味噌醤油関係が一連に動くように私どもが予定したにかかわらず、その両方責任者両方とも拘束されたという、又ひつかかつて来ておりますので、もう彼らが釈放される時期も非常に近かろうと思われますのと、今一面こういう事件がたまたま持上りましたために、地方関係者が足踏みをしてしまつた甚しき至つて契約の不安を考え実施を取止めるというようなことが根本にございますので、この問題の一応の全貌がはつきりしますと同時に、又身柄を拘束されている人々が出て来ますと同時に、今後の処理に対する態度といつたようなものが明白になるはずでありますから、又そこから新らしい動き方が出て来るはずでありまして、途中経過としていろいろな困難があろうと思いますけれども、無事円満にこの仕事を解決させたいと考えております。
  9. 岩間正男

    岩間正男君 只今お話し代行業者を選ばなくちやならなかつた、そこが無論我々は聞きたいところであり、この間も問題になつたところだと思うのです。代行業者だけを選ばないでこの方針に準じてやれば、こういうことは起らなかつた、こういうことになるわけでしよう。
  10. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) この部分は、この仕事岩間先生どの程度に御理解になつておるかということでおわかりになろうと思いますけれども代行業者を持たないでは、こういう仕事は事実できないのでございます。と申しますのは、学童から先前金で金を取る方法一つ、それからもう一つは、文部省予算なり或いは運転資金なりを持つておりますれば、直接そうした仕事をやるのに代行業者の必要はないのでございますが、事実前金を取るということはできませんし、文部省予算を持つた運転資金を持つたりするということのないこの事務上の扱いから申しますと、誰かそういう金銭関係責任を負つてくれる人、いわゆる代行業者がない限り、この仕事は動けないのでございます。従つてこの代行業者はいずれの人を選ぶかというところに問題はありますが、代行業者を持たなければならんということについては、これは動かぬことであります。
  11. 岩間正男

    岩間正男君 その点について、これはまあ動かんというふうにきまつておるような話なんですが、これは何ですか、文部行政として検討されたことはあるのですか。つまり金融措置というようなものを何とか考える、そういう方面でこれは政治的に打開するというような方法考えれば、これは全然方法はないというふうには考えられないのです。ところが今言つたように、こういうような代行業者というようなもので以て、まあいろいろな面から制約されて、そこにどうしても請負で以てそこへ持つて行かなければならない、こういうことが今度の事件でも発生しておる大きな原因なんです。そうするとこれはこれについてやはり事件が起つたからそういうことに気がついたと言えばそれまでですけれども、併しよく往々にして、こういう問題というものは、事件を発生させる一番大きな原因なつておると思うのです、従来も……。だからそれを何とか金融措置とか、そういう方面で、これを打開する、こういうような点について文部省努力されたかどうか。そういう面では非常に今までもきまつた方式だけで、非常にイージーにこういうことが運営されるというふうな方向はなかつたのですか。
  12. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私ども代行業者を使わずに文部省が直接やれるような方式、又運転資金というようなものを持つておりまして、それを操作するごとによつて行ける方法があれば、一番それがよろしいと思つて、かねがねそういう問題については努力をして来ておりますが、何しろ相当大きな金額を要します。特に粉ミルクにしろ玄麦にしろ、こうした臨時放出物資にしろ、そういう関係のものは一切運転資金で賄うということになりますと、今私ども考えで大まかな計数を申しましても、何十億という大きな資金でなければ動きません。それからこれは非常にむずかしい法律論になるので、又今のところ私どもまだ明確な線をよう持合せておらんくらいでありますが、私どもがこの業務をやります関係が、国の事務として直接やつておるのでなくて、たまたま司令部の好意によるこういう物資委託事務という考え方でこれを処理いたしておりますために、その委託事務の限度において金融的な措置をつけるということは、これは理論的にも又実際的にも非常にむずかしい問題でございます。例えば百万とか二百万程度のものでありますれば、文部省信用において、国の事務ではございませんが、恐らくその途はそう困難ではないと思いますが、何千万、場合によると何億といつたような関係の取引になります可能性のあります、こうした大きな扱いというふうな場合には、代行業者責任において処理させるということのほうが、一応実施上非常に便利でもありまするし、又一面その人の責任を、又その人の信用をどう考えるかということに、私ども判断を取りつけるということで行くほうが先ず穏当でないか、運転資金が取れ、又そういう予算的に始末ができるという場合を除いては、止むを得なかつたのではないかというふうな考えであります。
  13. 岩間正男

    岩間正男君 これはですね。無論文部省が斡旋するとか何んとかでやられる方法で、直接それを担当するということではない、当然これは児童の代表教育庁教育庁代表がそれをするというような形になるのですが、こういうような実情に対して、いわば新らしい事態とも思えるので、そういう事態に対しては、やはり何らかの金融措置を同時に考えるというような方向で仔細にこれを検討してみるか、又そういう段階では、最初からもうそういうような大きな請負請負わせるという、こういう考えで進むか、こういうことの検討は殆んどされなかつたのは事実でしよう。例えばこういう問題については、大臣に相談してやるというような段階になると、なんせ二億ですか、二億二千万円ですね、そのくらいのもので、併しこれは運転資金として大きな金額が要るわけでもないと思うのですが、そういう点について一応検討するというような、そういうことがなくて、文部省があり来たりのそういう方法で以て請負わせるという、こういう安易な途を選んで行つた。こういう形になると思うのですが、ここがやはり文部行政一つの盲点になつて来るのであります。つまりそういうような面の、経済的面というものをよく打開する、打開する努力という、そういう点はやはり非常にほかの問題についても少いのじやないか、そうして結局は、目的と反するような方向に追い込ませるような、そうして一つの安易な方向に追い込んで行く。ここが私はやはり天野文政というような一つ方向を、今まで財政問題、給與財政の問題などと関連して考えられるが、とにかく検討しなかつたことは事実ですね、こういうような問題については……。そうするとそういう方法でやると頭からきめてかかつたと、こういうようなことですね。
  14. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 先ほども申しましたように、一応運転資金という問題は、毎年これはその都度予算的な始末をしたいということで努力をいたしておりますが、まあ幸い必ずしも運転資金がなくても大過なく一応動かして来ており、又こういう物資扱い方といつたような一つの浅常識であるかも知れませんが、こういう代行業者運転ということによる便宜ということも利用できておりますので、その点が努力が足らなかつたのじやないか見られれば、それまでかも知れませんが、一応そうした線であと部分についてあらゆる努力をするという考え方をして来ておつたわけであります。
  15. 岩間正男

    岩間正男君 これは運転資金はどれくらい要る計画でしたか、文部省見通しとしては……。
  16. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) こういう臨時物資計画のことについては、それほど嚴格なことを考えておりませんでして、玄麦粉ミルク、この関係で大体七、八億の運転資金を必要としております。
  17. 岩間正男

    岩間正男君 この運転資金の問題は、これはないのですかね、これはやはり大体まあそういうことを検討されていないと、これは当然金融問題まで行かないのは当り前なんです。全部面倒くさいことは業者のほうに任せると、そこに今度の問題が発生した一つ原因を我々は考えるわけです。この点は文部行政そのものが観念的にこれは行われて行くということの具体的な例とも考えられるので、今後やはりそういう問題についてもう少しやはり経諸的にタッチするということは非常に重要ではないかとこう思うのです。ところでこの請負つた土屋という人は一体どれくらいの資金操作ができる人なんですか。そういうことの検討も一応なされたと思うのですが、文部省がそれほど重要な、文部省ではできない、とてもそういう金融措置ができないとこういうことで以て請負わせる限りは、相手の請負土屋某という人に対してどれくらいの能力があるかということを検討されなければ筋は合わないと思うのですがこの点どうです。
  18. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私どもの承知できます範囲での調査では、かなり運転操作は困難であろうという程度に見ておりましたが、最後に本人が如何なる手段によるにかかわらず、文部省の期待に副いますという誓約書を一応取りまして、私ども調査と睨んで見て、大体運転できるであろうという見通しをつけたわけでございます。
  19. 岩間正男

    岩間正男君 資金計画はどうですか、出させたのですか。
  20. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私どもできるだけ資金関係に援助を契約後してやりたいという気持でおりましたけれども、事実そうしたこともできませんでしたし、その当時彼が出しておりました資金計画から申しますと時間的な関係が丁度地方から金の集ります期間を私どもは大体九十日というふうに原則的にすべての物資について計算しております。彼の大体の計算では三十日、一カ月範囲で金が集まつて来るというような建前なつておりまして、その辺にかなり両者の懸隔がございまして、だんだんそれを近寄らせてとにかく九十日の操作で以て間に合せましようという意味誓約書を取つたわけでございます。
  21. 岩間正男

    岩間正男君 どうも私はほかの官庁とか、そういうもののこういう請負なんかのときの様子は知らないのですが、事実どうあろうとも、これは殿様芸じやないですか。これは少くとも資金計画というやつを取らないで……。殊に資金問題というのは非常に重要だと思う。止むを得ず土屋を選んだ、こういうことなんですから当然資金計画の運営の方法というものは最大のこれは問題になつていなければならん。文部省では委託するとき、その資金計画の内容というものについて一応検討することなく、漠然とした、今言つたような三十日以内になんとか回収ができるだろう。そこでなんとかやりくりができるだろう、或いは又さつき言つたようにどんな形でもこれを遂行する。こういう形のものは、これはその人はこういうものを請負つて、そうして一つ仕事にして行くという限りは、こういう請負を取りたいですから、何とでもそこは言い拔けるかも知れない。併し問題はやはりその人の経済能力、それから資金の運用の限界、或いは信用限界、こういようなものについて文部省は実態を調査して、そうしてそれに対して、而もこれは一千万にも近い子供の問題に関連する問題なんですから、これは私は少くともそういうような検討を十分しない限りは、こういう業者を選ぶことはできないのじやないかこういうふうに思うのですが、これはどうですか。これは殿様芸ということを認められますか。
  22. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その当時先ほど申上げましたように三十日計算が九十日計算に持つて行くといつたような関係のところが、言わば文部省関係が集金の上で非常に遅い。ほかの官庁あたり関係の例から見ますと誠に私どもとしてはむしろ非常に困つておる現状でございまして、大体三十日計算ぐらいで返つて来るのが一つ常識のように私は考えております。幸いそれを九十日まで延期してなお且つそれに堪え得るという態度がそこにあつたというところの認定が、殿様芸と言われればそれは止むを得んことかと考えますが、むしろ先ほど来申しますように今日動き方がどうあるかということの基本線が、直接の資金の問題にあるのでなくて、その資金操作をする肝心の人間の交流にあるという部分も眺めて頂いて、必ずしもその部分だけのマイナスが今日の形をなしておるものであるというように御認定頂かないほうが、正鵠ではあるまいかといううことでしようかな。資金計画とか、製造見積とか、いろいろ見積書を出すわけでしよう。必ずや資金計画見積というのはこれは重要な私は一つの要素になると思うのですよ。ところがそれが今言つたように誠にたあいもないような一つのお互いのなんといいますか、話合い、肚というようなことできまつたとでもいうか、それは出す資料がないわけですね。資金計画、そのとき土屋が出した見積書というのは文部省にないわけですね。
  23. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) この提出した資料の中には出して置きませんでしたと思いますが、当時契約をいたします時分には、いろいろな意味での資金計画というものは必ず取つておるはずですから、一番最初に私が見ましたのは確かに三十日計算で出て来ましたもので、三十日ではとても文部省請負いかねるから少くとも九十日以上という線で行かなければならんということで話合いをしたのは記憶しております。そこで話合いのついたところが九十日以内に、九十日まで延びることは止むを得んぞという形において資金計画両者の上においてでき上つたと記憶しております。
  24. 岩間正男

    岩間正男君 それは資金計画全体の、代金を回収するとかいうようなそういうようなことについてじやなく、全体のどういう資金をどういうふうにやつてそれをどう廻して行くかというような一つ見通しというようなもの、それの検討ということは私は非常にこれは重要だと思うのですが、そういう点で土屋という者を余り信用し過ぎた、こういう点があるのじやないですか。これは資料としていずれそういう見積書のようなものを出されておれば、もう一度これは面倒でも頂きたいと思う。これはやはり重要ですよ。先に行つて今後こういう問題を起さないようにするためには、今後やはり文部行政の中にしつかりしたそういう経済的な、基礎的な條件だけは確立しないと、これはどんな形かで又起りますよ。これは非常に私は大きいと思います。この点は要求したいと思います。
  25. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その関係書類は勿論正確に私どもは用意いたしておりまするが、今関係筋のほうに押牧されておるわけでありまして、資料を今出すわけに行きませんのでありますが、それぐらいの計算なり、それぐらいの建前は十分とつてございます。
  26. 岩間正男

    岩間正男君 何か写しの資料でも手に入ればやつて頂きたい。  それからこの土屋製造能力ですけれども、この製造能力資料によると大体月産四千五百石ですが、醤油が……。そうすると、四千五百石というようなことだと、これは大体土屋だけでできるのじやないですかな。契約はどうですか。
  27. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) この月産能力の問題は、いろいろそこに見方を持たなければなりませんので、例えば日本一大きいという醤油会社がすぐこうした場合における生産能力の基準になるかと申しますと、たまたま向うの計画がその時期に自分のところの本来の業務とどういう関係にあるかという時期的な関係計算に入れないと、そのときの月産能力というものは出て来ないのでございます。如何に大きいから、当然そこに操作がきくのだというわけのものでございませんで、それ自体、それ自体仕事を予定に入れていつまでにどれだけのものが出せるかというそのときの能力というものを考えなければならんと思つております。殊に私ども一つの店、一軒だけにそういう加工を委託しておるのでございませんで、代行業者であり、同時に加工業者であるという二重の性格土屋の場合持つたわけでございますが、多くの地方関係業者をそれに参加させるという建前をとつたわけでございます。
  28. 岩間正男

    岩間正男君 そういう建前最初からこれは文部省話合があつたのですが。つまり土屋製造能力と、それからそれで大体何とかやつて行けばやつて行けるのを分散させるのだこういうことで、そういうことは先からそういう計画を認めたわけですか。
  29. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 勿論その考え方に立脚しておりまして、下請業者選定といつたようなことについても、契約一つの重大な項目にいたしております。従つてこれは先ほど来申しますように代行業者としての性格と彼自身が加工をいたしまする部分のための二重の性格をたまたま持つているということでございます。
  30. 岩間正男

    岩間正男君 どうもそこのところは先に行つて、いわゆる中間マージンの問題ですね。いわゆる中ばねというようなことで問題が起つて来る一つ原因なつておるので、こういう問題はもつとやはり検討する必要があつたのじやないかと思う。要するにそこに集中したということが一番この問題の中心になるわけなんですが、その集中するに必要だということは、操作を非常に容易ならしめる、或いは資金の面からいつてもそういう点を容易にする、こういうことでこれはやられたと思うのですが、やはり業務としては、その行末までよく見届けて行き届いたというわけに言えないと思うのです。  それからこの土屋味噌については、自家工場はこれは持つていないのですね。これはなぜその自家工場を持つていない土屋味噌契約をされたのですか。
  31. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 第一の点はいささか見解の相違になるかと思いますが、土屋味噌工場を持つていないかどうかは、これは長野県の軽井沢に工場を一応のものを持つておりまして、その意味においては加工業者一つあるはずでございますが、恐らく長野味噌工業組合連合会、この單位の中に包含されておるものと考えております。
  32. 岩間正男

    岩間正男君 ここの中に入つておりますか……土屋との契約期間はどうなつておりますか。これは何ヶ月ですか。
  33. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 契約は五、六の期間において始末をするという形になつておつたのでありますが、先般も申しましたように、油については非常に急いだがよろしいということでありましたが、味噌醤油はこの期間始末をいたしますと夏、又は残暑の時期という形になりますので、これを繰延べまして少くとも九月以後に味噌醤油の線を出そうというふうに契約を、これは書類にはなつていなかつたと思いますが、話合いで九月以後にしようということにとりきめたはずでございます。
  34. 岩間正男

    岩間正男君 これもどうですか、これはやはり話が、契約書ではないのですね。
  35. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 味噌醤油に関して時期を繰下げたのは、私のところで話合いをしたのを私は記憶しております。あと書類にしたかどうか、今は関係書類がございませんから自信がございませんが、多分書類にはなつていないかと思います。
  36. 岩間正男

    岩間正男君 これは問題だと思うのですね。
  37. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 今のは訂正いたします。書類にしてあるそうです。
  38. 岩間正男

    岩間正男君 やはり今の話のやつですね……。  それからその次に伺いたいのは大半の製造能力ですね、これは油抽出が月一千トンですか、圧搾能力が三百七十五トン、これはどうなんですか、これは資料はどうなつていたかな大平のやつは……。
  39. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 大豆業者関係のというのに出ております。月産大豆処理能力……。
  40. 岩間正男

    岩間正男君 これはそうですね、大平月産大豆処理能力一千トン、それから圧搾能力……、そこでお聞きしたいのですけれども、大平が若松工場以外に三工場契約をしていますね、これはどうなんですか、大平を通じてそういうような又契約をしたのですか、それともあの大平の下請なんかこれは関係があるのか、これはどうなんですか。
  41. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これは文部省関係において契約ができておるばずでございます。
  42. 岩間正男

    岩間正男君 直接ですか。
  43. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 直接のはずでございます。
  44. 岩間正男

    岩間正男君 それからこの資料で見ますと、この資料にはロスの計算がないようですね。大豆輸送で、各工場でお出しになる場合のロスの計算は、これには全然ないようですが、これはどうなんですか。
  45. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) ロスの関係は、この前申上げました通り、輸送と加工の全過経を含めて五%ということになつておるはずでございます。
  46. 岩間正男

    岩間正男君 これには出ていないじやないですか。ロスの結局放出大豆総量四千四百トン、これはどういうようなんですか。
  47. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これには出ていないのは、この資料の第一頁に……、この資料にございませんかも知れませんが、今申上げた五%は間違いありませんし、大体の計数の上にはそういう計数が全部出ておるはずでありますので、内容的にそういうように五%という線が出ておるはずでございます。
  48. 岩間正男

    岩間正男君 ロスの問題は後に廻しましよう。それからこの大豆油の、生大豆に対する搾油量ですね、これは七〇%ですか、これはどうなんですか。七〇%という数字は検討されたのですが、契約に当つて……。
  49. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これはお届けしております資料の連合軍総司令部経済科学局から来ております。メモランダムに、規格の割合がここに出ております。これにあてはまれば、いいということになるわけであります。
  50. 岩間正男

    岩間正男君 これは実際はどうなんですか。
  51. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 実際にはどうかと言われますが、これはあまいか、からいかという意味ですか。
  52. 岩間正男

    岩間正男君 そうです。
  53. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 一応私どもはこの規格が正当なものというふうに考えております。
  54. 高田なほ子

    高田なほ子君 それにちよつと関連して久保田さん……、この生大豆は受取つた以上は、すでに学童のものですね。
  55. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その点も非情に嚴格に申しますと、果して学童のものであるかどうか、放出を願い出て許可を受けた私の立場において、管理させられた限度のものであるかどうか。司令部関係者がいつも口頭で申添えました言い分は、少くとも学童の口に入るまでは学童のものでなくて、関係筋に所有権があるのだという気持でやつてくれろということは再三聞かされております。又この点は今度の事件でもつと明確に嚴格になるものであると考えておりますが、この点はまだ今現在のところ、先ほど岩間さんのおつしやつた管理局長が勝手にやるのは怪しからん、又教育長ならまだいいのだとか言われるのと性質を同じくするわけですが、その点については十分私どものほうでも研究はしてあつたわけです。その当時の解釈として大蔵省、それから私のほう、人事院の法制局、会計検査院、こういう関係でいろいろ論議をしておつたのでありますが、結局のところ必ずしも明確にならないということで、このメモランダムに出ておりますように、文部省は既定の方針に従い配給を実施し、使用する責任を有するという文面があるのですが、この点から見て、その意味において管理局長がそういう意味の個人的資格においてやれというような了解でやつたということになるのでございまして、この点はいま少し明確になる、法律的な話合いがいずれ遠からずはつきりする、さような意味では幸いな機会が出て来たというふうになるのでありまして、今のところ所有権関係は、明確にこうだと申し切るには少し私どもとして躊躇いたしておるところでございます。
  56. 高田なほ子

    高田なほ子君 管理の大まかな責任は原則的に負うというようなお話ですが、それは別に固く縛られているものじやないというふうな見解をとつているようですが、こういう抽出率をこのスキャップ・メモで紐つけされるということは、これは文部省としてもプレゼントなるが故に原則は尊ぶけれども、そうでなくてもまあいいだろうという見解をとつているようですが、今岩間さんの御質問はこれに関連していることなのですが、そのメモランダムにあるような抽出率ですかがとられたわけじやないのでしようか。これが嚴格に守られておるわけではないのでしよう。大平油脂契約した場合に、この抽出率、これがスキャップメモにある率を厳格にそれを実施するようには契約されておらないのでしよう。
  57. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 嚴格に守られております。
  58. 岩間正男

    岩間正男君 併し大体スキヤツプとのあれは何%ですか。
  59. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) メモによりますと、一五・三六%です。
  60. 岩間正男

    岩間正男君 そうするとかなりありますが、各工場別に見てもいいのだが、大体大平油脂の場合は、例えば一五%じやないですか。二千百七十一トンに対して……。
  61. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) この計数の細かい点を御計算願うとわかると思いますが、ここで五%のロスが計算から出て来る。五%のロスを省いて頂いて、一五・三六の比率にするとこの数字が出て参ります。
  62. 高田なほ子

    高田なほ子君 脱脂大豆の生産量との数字が合わない、私の計算が間違つておるのか知らんが、このスキャップ・メモの数字と、脱脂大豆生産量の数字と合つていない。
  63. 岩間正男

    岩間正男君 これはロスを見てのなにですか。このメモには、これは何もロスのことを書いていませんね。これはどうなのですか。
  64. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) メモにはロスの点はございません。
  65. 岩間正男

    岩間正男君 これはおかしいではないですか。それはやはり四千四百トンに対するこれは一五・三六%じやないですか。このメモで計算すると……。
  66. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私どものその当時取調べましたロスの計算の仕方は、普通脇指大豆が、アメリカ大豆の場合には大体一〇%から八%のもの、それから五%乃至八%のものという種類に承知いたしておりまして、この抽出量と申しますか、こういうものの計数なんかも一応司令部に我々は報告の義務を持つておりますので、一応報告はしてございます。それらの観点から見て、そのとき特別のオブジエクシヨンがないところを見ますと大体それは承認された数字であつて、又それが一般常識的なことであろうと思うわけであります。
  67. 岩間正男

    岩間正男君 どうもここのところはわからないな。これだけではこれは何に対しての抽出率かね。どうとでも解釈できますね。ロスを含む総量に対してと解釈するのがメモランダムだと思います。一五・三六%の既定割合によつて、この問題はあとでもいいのですけれども、このロスを含めばそういうことになるのですか。これは計算し直さなければならないが、我々の計算したところでは、大体大平若松が一五%、鶴見が一四%、それから神奈川の入江工場が一二%、それから神奈川が一五%、皆まちまちである。これはどうなのですか。まちまちだというのは、こういう状態で、非常にここに差額があるのですが、こういうものは認めるのですか。全体を通じて要するに一五・三六、こういう抽出率であればいいのですか。それともこれは、甚だしいのは一二%というのもある。こんなふうに工場によつて差が出て来る。そういうものは認めるのですか。計算がなかつたから我々計算して見たのですが、抽出量と渡した総量ですね。これも各工場、四工場について当つて見ると大体そういう数字が出て来る。こういうふうなむらがあるのはどういうわけですか。
  68. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私、直接計算をしておりませんで、どういう形が出るのか自信がありませんが、それぞれの電位のところで一五・三六の枠がかかつて来なければならんはずのものと承知しております。若しその辺が怪しいようであれば、そこを又再検討いたしますが、そういう線が出て来ないのが理窟でございます。
  69. 岩間正男

    岩間正男君 例えば神奈川の入江工場なんか、そうすると仮にロスを見ても、これはどういうことになりますか。ロスを見れば大丈夫メモの数字が出ていますか。これも今計算して見ればわかるのだが四百トン渡しておいて、そうして抽出量が四八・三六八トンですか、こういうことになつている。これはどうですか。スキャップ・メモに到達しないところがあるように思う。これは総量との比重を見ると二%ですね。間違いなく……。これはロスを見ても達しないじやないですか。神奈川のやつを見て下さい。ちよつと計算して見て下さい。これは資料の違いか。
  70. 高田なほ子

    高田なほ子君 こういう嚴格な抽出率がスキャップメモで出ているのですが、当然こういう嚴格な数字が出される以上は、ロスなんというものも一応標準が出るのじやないですか。こういうものについては政府のほうじや五%というロスを組んだ。ところがこれには何にもないというお話なんですが、そういうのは常識として五%ということになつておるのですか。
  71. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) ロスをきめるきめ方は、先ほど申したように一割から八分までの一つの種類のものと、八分から五分までの種類のものとが、このアメリカ大豆のロスのきめ方の基準でありまして、五%と申しますのは、それの最低をとつたわけでございます。
  72. 岩間正男

    岩間正男君 今のはどうなんですか。入江工場なんかはスキヤツプ・メモより遙かに遠いね。
  73. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 入江工場のは丁度正確な数字でございます。
  74. 岩間正男

    岩間正男君 そうなりますか、この計算が……。四十八を三百八十で割つたのですよ。我々の計算ではならん。一二・六何ぼです。
  75. 宮川孝夫

    説明員(宮川孝夫君) 三百八十に五三六をかけますと出ます。
  76. 岩間正男

    岩間正男君 四十八を三百八十で割るのだ。そうすると十二・六%にしかならない。そうでしよう。
  77. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 三百八十に一五・三六をかけるのが本当じやないですか。その比率でどれくらいのものが出るかというのですから。
  78. 岩間正男

    岩間正男君 三百八十に……計算違いか、これはおかしいな。
  79. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 率ですからね。
  80. 岩間正男

    岩間正男君 三百八十に一五・何ぼを掛けてごらんなさい、五十八以上になる、四十八なんぞじやとても問題にならない。そうでしよう。大変な違いです。何ぼ計算しても同じだよ。掛けようが割ろうが。我々の数字では十二・六ですよ。これは仮にロスを見ても規格違反だよ。十二・六にしかならないよ。どうなんですか、こういうような標準まで行かないような所は……。
  81. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これは五十八の間違いのようですね。
  82. 岩間正男

    岩間正男君 数字の間違いか、そうであつてくれればいいけれどもね。それではここは再検討してもらうことにしましてどうも併しそれでもまちまちなんですが、各工場のあれが。そういうものを検討されたのですか。大平油脂を通じてそれで大体そういう所を信用するという恰好で行つたのですか。そうじやなくてそういうものをつつ能率まで検討すると、こういうところまで行つたのですか。やはり設備とかで抽出率が変つて来ると思うし、非常に精巧な近代的な機械を持つている所は抽出率も非常に多いと思う。だからそういうことの検討はどうです。これはスキヤツプ・メモの線を確保するために、そういうような検討を十分にされてこれはされたのか。さつきのお話ではこういうものと文部省は直接契約されたということですが、これはどういうことなのですか。
  83. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 一五・三六を嚴格に守れるかどうかという意味合の調査なり、検討はいたしております。
  84. 岩間正男

    岩間正男君 そうしますと私たちの今の問題について残つた疑点として、ロスを入れての抽出率であるかどうかということ、それから抽出率がやはり各工場でいささか違いがあるのだろうけれども、そういう点についてこれはどういうふうなことになるのか、今工場能力については検討されたと言うのですが、現われた結果については、仮に今のは誤植だとしてもちよつと違うのです。無論違つて来るのは現状としてあるのだろうけれども、少くとも最低基準線というものは守られると、そういう形をとられるべきだと思う。もう一つそういうものと関連して来るのは、油の何といいますか、搾油寧ですか、そういうようなものは、これはどうなんですかね。
  85. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 先ほどの四八・三六八は五八に直して頂くとこの全部の計の所一切が合つて来るそうであります。四は五の間違いというふうに御訂正を願います。
  86. 岩間正男

    岩間正男君 原簿にあつたのですか。今計算して合つたというのではないのですか。
  87. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 計を押えてありますから……。それからロスの問題ですが、ロスを入れてこういう抽出量を出すという意味合のことは、私どもの今までの常識上ではございません。それからこの計数のものは、いずれも抽出量の分を嚴格に守つておる数字ででき上つておるはずでございます。
  88. 岩間正男

    岩間正男君 それではその点はまだ検討する問題を持つておると思いますが、それでは次に移ります。この味噌のピンはねの問題ですが、味噌契約価格が一樽千五百五十八円二十三銭、下請が千二百九十二円、こういうことになるのですが、そのマージンが二百六十六円二十三銭、大体これは二〇%ということになりますね。それから醤油では契約が一樽七百六十三円六十銭、下請が六百十四円何がしと、こういうことになつておつて、その差が百四十九円六銭、これは全体の契約になりました二四%、その価格は全体計算するとどういうことになりますかこれは文部省のほうでも調査ができておりますか。
  89. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 只今の点でありますが、これは契約の仕方の内容によつて非常に差が出て来るのでありまして、味噌の場合も醤油の場合も特に代行業者の負担においてやります分、輸送費、検査旅費といつたような負担をどちらにかけるかによつてつて来るのでございます。これは代行業者に扱わせる建前をとつてあります関係上、普通の商業上の利益を出しております。味噌は、六百十四円に対して九分二厘、醤油の場合には九分八厘といつた單位を中心に見て頂きませんと、單に契約の価格の点だけでなくて、その価格のきめ方は、先ほど申しましたように負担のかけかたによるのでありますから九分二厘というところから一応計算を立てたわけであります。
  90. 岩間正男

    岩間正男君 これ、なんですか。運送、そういうほかの雑費、そういうものは代行業者が扱うという、それには九分二厘ですか、これは九分二厘かかるのですか。
  91. 宮川孝夫

    説明員(宮川孝夫君) 今岩間さんの御指摘になりました契約の下請との差額というものが二百六十六円味噌の場合あるじやないか、醤油の場合百四十九円あつじやないかというのでは、これは單純過ぎまして、それぞれのところに輸送費、それから検査旅費といつたようなものがかかつておりますが、これの負担をどちらが持つかということによつて、これを下請業者が持つということになれば、下請業者の下請価格のところに加算されて行きますから、その比率は多くなつて来るのであります。たまたま普通に、こうした面で出します普通商業上の利益といつた部分が、味噌の場合は百四十四円二十銭、醤油の場合には七十五円八銭これが物価庁の一応の基準になつておりまして、これに対する我々のやりました契約関係がどういう工合になつているか。それを下廻る九分二厘であるとか、醤油の場合には九分八厘である、こういう立て方をしたわけであります。
  92. 岩間正男

    岩間正男君 そこで下請が問題になつて来るわけですが、原則的に言いますとね、……併しどうですか、そういう費用を引いても、どういうことになりますか。これでこのマージンは、この計算はできますか。……今の雑費ですか、そういうやつね、検査費とか輸送費ですか、そういうものを入れて差引いても利益があるわけですね。そういうものについて検討されたのですか。
  93. 宮川孝夫

    説明員(宮川孝夫君) それが只今申したように、一般の商業上の利益として物価庁の基準が百四十四円二十銭、それから醤油の場合には七十五円八銭というものが、一応公認されている形があるわけであります。
  94. 岩間正男

    岩間正男君 これは物価庁か何か入つてますか。
  95. 宮川孝夫

    説明員(宮川孝夫君) 勿論人づております。
  96. 岩間正男

    岩間正男君 これは公認と、こういうわけなんですか……。
  97. 高田なほ子

    高田なほ子君 脱脂大豆の使途の価格相殺用というところに脱脂大豆の所要量が出ているのですが、この相殺とそれからどういう関係があるのですか、これは……。富士醤油の負担となつた輸送料というものと、この相殺となつている非常に多量な脱脂大豆の所要量というものとの関係が、ちよつと私らにはわからない。相殺というと、こういう脱脂大豆の所要量の中に、それを相殺するために含まれているように考えられるのですが、
  98. 宮川孝夫

    説明員(宮川孝夫君) これは先般も申上げましたように、何とかして学童の負担を小さくしようとするために相殺をするわけでありまして、代金を支拂つてやる代りに、その大豆粕を廻すわけであります。そうするとそこに現金ができますから、その現金で学童たちの負担部分を幾らかでも減らして行こう。これは大豆粕が必要以上にたくさんありまして、醤油味噌の所要量よりもたくさん作る必要がございませんから、そういう換算をして、又大豆粕を長く保存するということの危険を避ける一つの手段であります……。
  99. 岩間正男

    岩間正男君 これがつまりさつき挙げたのと私は根本的に矛盾するのじやないかと思うのです。下請による商業利益は認める、こういうことになつているのですから、この精神等から考えれば、非常に違うのじやないかと思うのです。最低価格によりそういうものでやれ、こういうことになつているのですけれども、商業利益を下請というような形で以て認めている、ここのところはまあどういうことになつたのだか、もう少し伺いたいのですが、あとでも……。これはどうなんですか。
  100. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 簡單に……。
  101. 宮川孝夫

    説明員(宮川孝夫君) これは如何なる場合においても、代行業者を使うという建前は止むを得んのでありまして、代行業者を使わなければできないという意見は基本的に初め申上げたようなことになつておりますから、その点はまあ見解の相違になると思います。
  102. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは暫時休憩いたします。    午後三時二十七分休憩    —————・—————    午後四時二十五分開会
  103. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは休憩前に引続き会議を開きます。文部大臣が出席されましたから御質問のあるかたは御発言を願います。
  104. 岩間正男

    岩間正男君 連日大臣を煩しまして非常にお忙しくて又お疲れのところを相済まなく思つておるわけでありますが、まあ我々議員の職責としまして又我々もこういう非常に会期末を控えまして疲労もいたし、非常に多忙な中でございまして、その中でもなお問題を明らかにしなければならない、これは議員の当然の職責としていたしておるのでありますから、その点御了解を頂きたいと思うのであります。そこで今日お伺いいたしますことは、給食に関する大豆のいわゆる世の中で不正事件といわれておりますところの問題についてでありますが、只今は事務局のほうから今まで二回ばかり大体の経過についてはお伺いしたのであります。資料も出して頂きまして、これについてまだ検討の途中なのであります。資料もまだ不完全なところもありますし、そういう点でこれは最終的な質問はいずれ又の機会に申上げたいとこういうふうに思うのでありますが、今日は二、三点につきまして大臣の御意見を質しておきたい、そういうふうに思うのであります。そこでまあこの実態は今検察当局のほうで調査が進められておると思うのでありますが、我々はこれにまつわるそういう検察の部面の問題、これも非常に関心を持つております。関心を持つておりますが、私たちがこの問題を坂上げたそもそもの動機、こういうものはむしろ検察面というよりも、文部行政の面におきましてこういうような問題の運営並びに経理の面、こういう点で而も教育的にこの問題点がないかどうか、こういうことを十分検討しまして、今後文部行政のそういう運営に資したい、幾分でもそういう力になりたい、こういう点からこれはお伺いしておるのであります。  そこで第一の点でございますが、第一に今度のこの大豆の不正事件なるものが起りました原因でありますが、これにつきまして大臣はこれは大体この事件をどういうふうに御覧になり、又いわゆる不正事件なるものが起つたところの原因、こういうものについてどういうふうにお考えなつていらつしやいますか。又これを今後どのようにまあ処理しようとお考えなつていられますか。この点を先ず概括的にお伺いしたいと思います。
  105. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 申すまでもなくこういう事件文部省に起つたということは私は非常に重大なことだと思つております。且つそれが給食というようなそういう事柄に関係しておるということにおいては、非常に残念に思つております。事件の経過というのは今調べ中でわかつておりませんですが、それが全体わかつた上は、私はもう断然とるべき責任をば、それぞれのところのものがとるというような線に向つて、はつきりした解決をして、そうして今後こういうことが二度と起らんようにしたい。それには又組織とか、人とか、そういうようなことについても十分な改革をしたいと思つております。その原因ということになりますと、私はどうもこれが原因だと、はつきり言うほどの材料をも自分にありませんし、ここで、これが原因なんだと、こういうようにはどうも言いかねるということを御了承頂きたいと思います。
  106. 岩間正男

    岩間正男君 この原因の問題でありますけれども、これは私たちも今調査中なんでありますから結論を得ておりません。併し今までのこの委員会における調査の中で、大体出て来ましたのは、元来この大豆の取扱というようなものは、当然これは給食にからまるのでありますから、曾つて文部省が出したところの、これは文部次官の名で以て各都道府県教育委員会宛に出されておりますところの昭和二十六年二月二十二日の、これは訓令でありますか、こういうものによつて完全給食実施方針について、こういうような精神で当然これは進められべきだ、こういうふうに思うのでありますけれども、こういう点はどうも実情を調査して見ますというと、この方針とまるで違反するような方法でなされておる。つまりその問題は契約の問題であります。業者請負の問題でありますが、この請負については、当然これはこの指導要領によりますというと、請負をする主体は、今までは各都道府県の教育庁代表者の教育長、こういうことになつておつたのでありますが、今度は文部省がこれを総括してやる、こういうことになつておる。請負方式については当然これは競争入札、こういうことで以て、最も安いコストで以て生徒の負担を軽減する、利益を図る、こういうような方針でこれはなされねばならないというようなことが、この方針書に示されておるのでありますが、それが今度の場合は全然別な方式で以て、殆んどこれは関係方面の推挙した業者、この業者に殆んど指名的に請負わせておる。そうしてそれを文部省が総括してやつておる。こういうところに一つの点は大きくあるのではないか、こういうふうに思うのでありまするけれども、こういう点については大臣はどういうふうにお考えなつていらつしやいますか。
  107. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) まあそういう点に不備なことがあつたというふうに思つて、そういう点も一つ改めなければならないのじやないかと思うのであります。
  108. 岩間正男

    岩間正男君 なおそれに関連しまして、この業者製造能力の問題、或いは又資金の面であります。資金計画といいますか、こういうような仕事を果して行く上においてどうもその点が、先ほどの久保田局長のお話の線では非常にまあ不明瞭な形が出ておる。はつきりした業者のそういう計画についてはこれは確認がされていないようなんであります。こういうことから今度の事態が起つておるのでありますが、殊に私は一つ大きな問題としては、約二億を突破するような相当大きなこれは仕事になるわけでありますが、これに対して資金面で操作ができない。そこで止むなくこれは大口の業者請負はして、こういう問題をそちらのほうに一任するというような形以外にない。そういうことはやはり非常に大きな今度の問題を惹起した原因なつていると思いますが、それでこういう面から考えましても今後の文部省責任を以てこういう仕事にタッチして来るというような場合には、そういう方面の解決が非常にこれは重要じやないかと思うのでありますけれども、こういう点につきましても大臣はどういうふうに従来お考えなつていられ、又今度の問題を契機としてどういうふうな方法をおとりになるのでありますか。この
  109. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 金額が非常に大きいので これはよほどやはり警戒せにやならんということは私も考えていたのですけれども、併しそこまで自分の注意が行届かず、すべて事務当局に委せておつたものでこういうことが起つて来たのですが、併しそのいろいろな組織とか、そういうことにはまだ非常に考えなければならん点が多いと思つております。
  110. 岩間正男

    岩間正男君 それから業者に対するこれはやはりもつと検討の仕方ですね。それから最初お伺いしたのは、これはどうでございましようか。この方針ですね、給食の完全実施方針というものはこれは守らるべきだと思うのですが、大豆に関する限りはこういう方針から外れたような方向で、今申しましたような請負方法がとられているのですが、この点はこれはどういうことですか。
  111. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) これは局長がそのほうがいいのだということだつたのです。そのときになぜそのほうがいいのだとか、もつと詳しくそれをやればよかつたかも知れませんが、私はこういうことは局長にもう委せてやつていいことだと思つていたから、局長がそういうほうがいいのだと言うたので、そういうことにしておつたのですけれども、今になつ考えればその点はもつと吟味することが必要であつた思つております。
  112. 岩間正男

    岩間正男君 先ほども久保田局長はそういう点をこういうふうに述べられたのでありますが、これがいいのだ、こういう点では非常にこれは私は單純にそう言い切れない問題があるのではないかと思うのでありますが、止むを得ずそうなつたとむしろ言うのじやないかと思うんですがね。この資金計画ではつきりしない、当然そうなれば何かそこで問題は起つて来る。それから製造能力のない業者が下請を当然……。そうなりますと自分で引受けて置いて下請をする、その下請から相当なぴんはねが起つて来る。これは商業行為だというので、先ほど久保山局長は一応公認されるのだろうというような説明をしたのでありますが、これは我々の調査によりますると、こういうような下請によるぴんはねという形では、相当莫大なこれは利益が業者の懐ろに舞込む。こういう形になるのでありまして、そうしますと、やはりこの実施精神から見ますというと、飽くまでもこの最低価格で、そうして十分にこの児童のためになるような、こういう線はどうも守られそうにはない。ところがそういうところについて十分な検討がされないで、そうしてこれが、このほうがいいのだということで、これは局長は答えておるのでありますけれども、我々はこれは一応もつともつと検討の必要もありましようけれども、これはまあ了解できない点ではないかと思うのであります。更に又この業者、この業者は殊に会津若松であります。会津若松というようなそういう業者請負わせることによつて当然起つて来るところの運送賃、或いは又貨車が非常に少いのですから当然まあ滞貨する、そういう形で倉入料或いは又荷卸料、何揚料、こういうようなものも非常に嵩んで来る。そうしてそれと更に今度は地方に配付しますときに、運賃が二、三重に嵩んで来る。こういうような事件つては、これは私は十分に文部省が子供のために図るというような線を最初から検討しておれば、そういうことによつて相当大きな負担が子供にかかるということは避けられることであります。少くとも避けられる。それにはやはりもつと他に方法はないというふうには考えられないと思うのでありますが、そこのところが非常にやはり今後の問題点になると思うのであります。そういう点でもつとやはりこういう事件については、事前にやはり方法をもつととれる、こういうふうに思うのですが、文部省はやはり何といいますか、或いは私はさつき殿様芸だと言つたのでありますが、こういう実態をもう少し綿密に調査して、具体的な方策を立てて、こういうことが起らないように努力をするという面を確立する必要があるのではないか。こういう点はこれは今後の問題になるのでありますが、私はやはり今度の問題に関連して、どうしても明らかにしなくちやならないし、今後の文部行政においてこれは十分な関心を拂わなくちやならない、こういうふうに思うのであります。でまあいろいろお聞きしたいこともあるのですが、細部に亙りますからそういう点は一応省きまして、これによつてつて来る教育的な影響というものを大臣はどういうふうにお考えなつておられますか。  それから又先ほどのお話では、これは一応質した上で責任のあるものは責任をとらせる、こういうようなお話でありましたが、大臣自身としては又これはどういうふうにこの責任をお考えになるのでありますか。こういう点、これはやはり一応明らかにされることが必要だと思います。殊にまあ文部省の中からそういうような検束者を出し拘留されている、それが今調査されている、これは今起つておりますところの官庁の広汎な不正事件、こういうやはり一つの空気の中にやはり醸成された問題じやないか、何せ今年の一月から九月までの間に一万三千件というような恐らく日本の歴史始つて以来ないような尨大不正事件を出しているのであります。こういうような問題は我々は文部省だけはまさかそういうことはないだろうと思つて期待しておつたのてありますが、文教の中心であり、責任の最も主体であるところの文部省にこういうことが起つたということが、やはり二重の意味で私は批判されているど思うのですが、こういう点について大臣はどうお考えになりますか、一応この点お聞きしておきたいと思います。
  113. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 今おつしやいます通りにこれがただの官庁でなく文部省において起つたということは、私も非常に残念で、それが社会に及ぼす影響というものも非常に大きいと考えております。で全貌が明らかになつた上に善処をしたい考えでございます。
  114. 岩間正男

    岩間正男君 それからもう一つお聞きしたいのでありますが、やはりこれは道徳実践要領の問題と関連して参るのでありますけれども、しばしばこれは今までも繰返えされたと思うのでありますが、こういう問題が明らかに処分されないうちに、やはりこれは文部省としてはああいうような道徳憲章のようなものが大臣の個人名であろうが、どうであろうが、お出しになる、こういうことは非常に自己矛盾に陷るのではないかと思うのであります。やはり手を洗い浄めて、然る後にこれはそういうことをなさるなら、なさるべきじやないか、こういうふうに思うのであります。それと関連しまして、これは大臣は道徳実践要領の問題につきましては、新聞で伺いますというと、これはまあ多くの人の世論を聞いてみて、或いはそのためでありますか、どうですかわかりませんけれども、非常に不評判であれば、これに対して引込めていいというようなことを何か計者団に話されたような記事を昨日見たのでありますけれども、これと関連して私は少くとも先ず文部省内のこういう問題をもつと明らかにして、そうしてこういう一つの疑惑や不正の形の中にあつて、こういうことが論じられることはやはり前後矛盾するのではないか。こういうように思いますので、この点どういうようにお考えになりますか。それから先ほど記者団になされました声明の点につきまして関連してお伺いしたいと思います。
  115. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 文部省区にそういうことがあるのにかかわらず、道徳に関した何らかの声明を出すというようなことは妥当ではないではないかという御意見も私はよく考えるつもりでおります。それから又私はもともとこれは国民諸君のために何かためになりはしないか。国民諸君が生活をして行く座右に置いて何か参考になりはしないかという考えから出ている。ことなんですから、それが世間の識者によつてそういう点について却つて利するところが少いのではないか。場合によつたら害もありはしないかということであれば、私としてはそれを愼重考慮するということは当然だと想つております。何も害を加えるという考えは少しもないのであつて、虚心坦懐よく考えてみた上で善処をしたいという考えでございます。
  116. 岩間正男

    岩間正男君 やはり世の中に與える影響からして、文部省内でこういう事件が起つておる際でありますから、やはり文相が一方でその道徳についてああいうようなものをお出しになつても、むしろ私は逆効果になる可能性が強いと考えます。先ほどのお話では文部省のこういう不正問題については、もつと明らかにされて、それからあの問題について検討されるというようなお話でありますから、そういうふうに是非これはなさつたほうが私は筋が立つのではないか。少くとも文部省に関する限りはそれが最も妥当な方法じやないか、こういうふうに考えるわけであります。大体以上で私の質問は終ります。
  117. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御発言はございませんか。他に御発言ございませんければ、文部大臣に対する質問はこれで打切ります。  それでは本日はこれを以て散会いたしますが、道徳実践要領という表題はどのようになりますか、これは愼重に検討したいという関係上参考人を更にお呼びしたいと思いますが、それは次の国会開会劈頭にいたしたいと思つております。御了承願います。それではこれを以て散会いたします。    午御四時四十九分散会。