運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-11-22 第12回国会 参議院 文部委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十二日(木曜 日)    午前十時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            高田なほ子君            若木 勝藏君    委員            川村 松助君            高良 とみ君            高橋 道男君            荒木正三郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   政府委員    文部省管理局長 久保田藤麿君   事務局側    常任委員会専門    員       石丸 敬次君    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君   —————————————   本日の会議に付した事件教育及び文化に関する一般調査の件  (学校給食に関する件)   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それではこれより本日の会議を開きます。  議題に上つておりまするのは、文部省学校給食問題にからんで忌わしい事件が起つているかのことく伝えられておりますこの給食問題に、将来も続けてやらなければならない大切な問題でありまする矢先に、世間疑惑を結くようなことが発生したのは、非常に我々遺憾とするところでありますが、私ども文部委員会としては、この点を明らかにして、世間の不安を除くように善処したいと思いますので、その点皆様の隔意なき質疑を頂き、善処いたしたいと思います。関係局長が出席されておりますので、各位から御意見の開陳を望みます。
  3. 高田なほ子

    高田なほ子君 学童給食の問題についではどなたも異存なくこれが完全実施されることを非常に期待し、又本委員会も挙げてこの継続のためには努力して来た折柄でありますが、こういう最近官吏の汚職事件世間がごうごうとしている折柄学童給食の問題で又又こういう疑いのある事件を出したということについては、私としては非常に重大な関心を持つているのであります。過日久保田局長からこの問題について非公式に文部省側立場というものの御開陳があつたのでありますが、この際のお話の御様子では、私としては世間のこういう疑惑を一掃するに足るような趣旨でいろいろの弁明がございました。然るに今朝の毎日新聞で竪月元課長が召喚されたというような記事が出ており、而もそれがこの贈収賄の疑いが極めて濃厚で、すでに本日中には令状が執行されるというような極めて逼迫したことが報道されております。私は本日久保田さんにいろいろな点をお伺いするについては、すでにこの問題が司直の手に一部委ねられているような形でありますので、これをほじくるというような意味でになくして、世間疑惑を私文部委員としての立場でも明快に、皆さんの御質問があつた際には御答弁もでき、こういうようなことで給食計画の意欲がにぶつたりしてはならないという立場で、自分納得の行かないと思うような点を御質問申上げますので、私のそういう立場で御質問申上げるということを十分お酌み取り頂きまして、できる限りの正確な御答弁をお願いしたいと思うのであります。  一番先にお伺いしたいことは、今までも小麦粉、いわゆる援助物資学童給食用に廻されてずつと来ておつたのでありますが、この学童給食用物資が児募の手に渡るためにはいろいろの問題が起るのを防ぐために、文部省としてもこれに対する基本的な方針というものをかねがね立てておられたように承わつております。つまり学童給食処理方針というものが私どもにはつかめない点もあると思うので、この方針についてまあ概略を承わりたいと思います。
  4. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 新聞紙上を通じて、特にいろんなことで御心配をかけ、且つ給食仕事の一番大事な時期にああした事件が出ておりますことは、誠に遺憾でございまして、心からお詫び申上げます。ただ問題が高田委員から御指摘のように、司直関係にありますために、私の口からあれこれこのこと自体を申上げることは幾らか控えたほうがいいのじやないかという考え方を持つているので、その点はあらかじめ御宥恕を願いたいと思います。今御質問の要点であります学校給食物資の取扱についての基本的な態度といつたような点を説明せよということに伺つたのでありますが、私の考え方としては地方単位学校が自由にいろいろな仕事をなさる、殊に給食仕事についていろいろなものを買うとか、始末するというような問題をできるだけ単位のところの責任でやるということには、先生がた並びに関係者が迷惑をなさらないように、できるだけこうした問題は、私ども手許で私どもが全責任を負つて行くという形がよかろうという考え方で、単位学校は勿論のこと、単位の県にも余り迷惑をかけないように、できるだけ私ども手許で集約して責任を負つて行くということのほうが、問題も明瞭になるはずであるし、又責任関係もはつきりするものだという考え方で終始来ておつたのであります。今回の問題のごときも考え方によつては、単位なり、県なり、学校なりに一切任したほうが仕事としては或いは楽であつたかも知れませんが、私の今申上げますような考え方から申しますと、できるだけ焦点を明らかにしておいて、その部分で問題の責任なり、又その仕事の運び方なりということが明白になるようにしておこう、こういうふうに終始考えて来ております。
  5. 高田なほ子

    高田なほ子君 単位責任ということもあるけれども、集約した責任を一と所で責任を持つて行こう、こういうような御答弁であつたと思うのです。そういたしますと、例えば援助物資が入つたというような場合に、学童に渡るまでにはどういうような順序を経て渡つて行くのでしようか。
  6. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私どもが今直接扱います品物は、援助物資の線では脱脂粉乳原麦の場合と小麦粉とございまして、この完全給食沿つた品物だけでございます。これらのものはミルクと申しますと、或いは横浜或いは神戸に船で揚るわけでありますが、船で直接受取りまして、それから倉庫に入れる仕事、それから倉庫から出しまして府県に送り届ける仕事ということになつておりまして、それを私どものほうで県庁の所在地という点を基本にしましてそこまで送り届ける。それをプール計算で手配をするという線でございます。それから原麦パン粉小麦粉の問題のときには、私のほうは受取つたものを一旦食管のほうに売り渡すという形を取りまして、その代金府県のほうに届けて、そうして府県のほうではその代金で以て食管の出先であります食糧事務所から必要なパン粉を買取る。その買取つた先加工という問題になりますが、その加工関係府県責任でやつて頂く、こういう形になつております。
  7. 高田なほ子

    高田なほ子君 集約的な責任中央においておきたいというけれども、実際の操作に当つては、今おつしやつたようなルートがとられて来るわけでありますが、こういうルートがとられるということは取りもなおさず学童というものを主体にしたために、直接の責任をやはり各都道府県に任すというような行き方になつて来ておるように思うのです。先ほどあなたがおつしやつた集約的な責任ということも一応はわかりますけれども、直接の責任は一体そうすると学童を対象にした場合にはどこが負うことになるわけでしまう。
  8. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 御質問の点が二つになると思いますが、例えばパン屋選定といつたような場合の問題は、私どものほうで如何に頑張つてみても、それは地方地元の問題で、できませんし、それからプール計算の形で幾らの運賃を支払つてもらうとか、小麦粉を流すような場合には地元食糧事務所受取つてもらえばよいというようなところまでこちらでお世話をするというようなことで、できるならば私どものほうで集約的な責任を負つて、どうしてもそのほうでやつて行けない、又地元でやつたほうがより適当だというなら地元でやつてもらうという考え方に集約しております。
  9. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうすると今までの小麦粉……特に小麦粉などの場合は、やはり地元で以て責任をとつて来ておるように私は承知しておるので、結局この地元責任をとるということは、この給食実施方針というようなものもちよつと私はちらりと拝見したことがあるのですが、それぞれ子供たち嗜好に合うように、或いはこの給食費負担能力というものを十分考慮して円滑に運営するために、各都道府県に直接の責任が負わされているような形になつているということは、これは事実であるように思うのですが、その通りでしようか。
  10. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 只今の御指摘の点は、ちよつと私よくわからぬ部分があるのですが、例えばその嗜好に合わせるとか、今の小麦粉受取りの責任といつた、事実上のそういう責任は確かに負つて頂けると思います。ただそういう形で負つて頂きますようにしますそこまで持つて行くほうの責任は、そのほうの責任を私どもで負つているということを申上げているつもりでございます。
  11. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、あれですか、小麦粉のようなものは、これは当然加工しなければなりませんですね。そういつたような現物加工して学童に与えるというような場合には、一体その加工責任というものは、そういうものは直接にどこが負うのですか。
  12. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その点は明らかに地方委員会に負つて頂きます。地方委員会でそれを各学校にお任せになつて、各学校のPTAである場合もありましようし、校長さんである場合もありましよう。東京都のような場合には、区の関係者が相当強い責任を持つているのですが、そういう所で業者選定なり、事実上の責任も負つて頂いているように承知しております。
  13. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうしますと、加工責任を直接やはり各単位府県教育長が負うということは、学童給食というものをより円滑ならしめるためにそういう方法がとられているのだろうと思うのですが、その点はどうなのですか。
  14. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 只今のところではそれが一番妥当であり、一番正論でもあるし、便宜でもあろうかと思います。
  15. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうしますと、学童給食目的を完全に果すためには、各都道府県にその業務内容の非常に重要な部面を占める者に責任を負わせて行くというのが、これがまあ遺憾のないあり方であるということを今久保田さんも御証明になつたのですが、そこで第二番目にお伺いしたいことは、小麦の場合、やはり今おつしやつたような見解でやつて来たものか、それとも又中央で一カ所で全部やつて来たのであるか、ここのところの点をお伺いしたい。
  16. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) ちよつとはつきりいたしませんのですが、小麦の場合、脱脂ミルクの場合、こういう経営的な形で動いておりますものについては、只今申した通りに来ておりまして、できるだけ私ども責任を負う形をとる。併し成るたけ現場で負つたほうがよく、便宜でもあるし、妥当であろうという部分だけは止むを得ず地方で負つて頂いております。こういうことでございます。
  17. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、大豆の場合はこの間久保田さんの御説明を聞きますと、生大豆を各都道府県加工させないで、或る何と申しましたか、太平油脂でしたか、太平油脂一ヵ所に任せて加工したということは、非常にこのことは便宜的であり、而も妥当であるというお考えの下に選ばれたのでしようか。
  18. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これも基本的に考えております。地方に全部分散させて形だけ整えるということよりは、中央的に責任を背負つて行くことが、この際明確になろうという考え方と一致すると思いますが、これも太平一社だけに全部集中したわけではございませんが、大体小さくなつておりますが、四社くらいになつております。
  19. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、現実的には久保田さんが御契約になつたと言われるこの太平油脂一カ所のようにこの間御説明があつたのですが、それはいろいろあとで伺いたいと思いますが、結局中央責任を持つたほうが非常に便宜であり、妥当であるという考えの下に、そういうふうにしたのだ、こういうことは先ほどの御答弁から関連いたしますと、児童のためにそれが最もよい方法である、こういうふうにお考えになつたと思われるのでございますが、確かに私もそうだと思いますが、そう解釈してよろしいですか。役所の都合というのではなくて、児童のために最も便宜でいい、児童のために最も妥当である、そのために中央処理したほうがよいという確信の下におやりになつたのか、こういうふうに受取りたいのですが、それでよろしいですか。
  20. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 御指摘通りの点のほかにいま一点、これらの仕事関係します教育委員会なり学校関係者において、そうした人たちに余計に責任を負わせないという意味の点が加わつております。
  21. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうしますと、その他のかたに余計に責任を持たせないほうがいいという考え方は、これは文部当局者としての極めて御親切なお考えではあろうかと思いますけれども、やはりさつき申したように完全給食を実施するための正しい考え方というものから言つたときに、その点が私多少矛盾して来るように考えられる。つまり当局をして大体責任を負うということだけでなくて、実際に子供のためにということになれば、当然これは各都道府県が而も各都道府県教育長が、これが責任を負い、而も具体的には各地方給食委員会というようなものも設けられて、極めて受入れ態勢としては万全を期するように文部当局は今日まで指導されて来ておるのですけれども、そのことは取りも直さず児童のために各都道府県関係者十分責任を持たせて、この運営を円滑ならしめるというこの方針と、非常に矛盾をして来るように考えられます。この点は矛盾しないのでしようか。
  22. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 第一の主眼点学童のためにすべきであるということにおいては全く同感でありますが、それを私が第一の前提考えていることも事実であります。併しこれを貫徹します場合に、只今申しますように成るたけ地方関係者に迷惑をかけないようにという第二の前提、これは矛盾ということではありませんで、而もそういうように円滑にできるだけ行かせることが、第一の前提であります子供のためにということにもなるものというふうに理解しておるわけでございます。
  23. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、今度の場合の大豆を一社に頼んだというようなことは、児童のためにということのほかに地方に迷惑をかけない、こういうふうな考え方が非常に重い比重を占めているように考えられますが、これは見解の相違ということになるかも知れませんが、ここで少し私としては納得が行かないということは、各地方都道府県責任を持たせ、而もその責任を持たせるための指導をしておられながら、今になつて大豆の場合になつてだけ迷惑をかけたくないというような、このおつしやり方が私にどうしても納得が行かない、この点なんです。これを私が納得が行くように話して頂かない限りは、私も、文部省側のこういう問題については、どうこう言われても弁明立ちようがない。どうか私一人納得させるつもりで話してもらいたい。
  24. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 先ほど申上げるように、できるだけ経営的な部分については、非常にレギユラーな形をとりますだけに、そこに責任を負つて頂いても何の間違いが起る危険も感じませんが、ああいう臨時的なもの、特に一見大豆加工ということだけで非常に単純なように考えられる危険があると思いますが、この仕事内容というものは極めて厄介なものでありまして、規格の問題にしろ、又その大豆そのものが或る県にはまずいものが行つて、或る県には非常にいいのが行つたとか、案外私が自分で想像しましたよりも事実動かして見ますと大変複雑な手がかかつております。そういう厄介な仕事だということをその当時考えました以上に、今日ではなお恐しく厄介なことだということを痛感しておるわけでありますが、幸いにも地方にむしろ御迷惑をかけなかつたということでよかつたと、今でも思つておりますように、案外厄介な仕事なんであります。そこで非常に臨時的なものである上に、その当時專門家から教えて頂いたことを、私も批判して見て、成るたけ地方に迷惑をかけないほうがよろしいという判断に立つていたという私どものその当時の判断でありまして、今それをどんなふうに説明申したら一番納得して頂けるかよくわかりませんけれども、これ以上地方のかたに迷惑をかけまいということ、同時にこの仕事がかなり複雑な、而も私どもは始終あるときは油という点に焦点を置いておつたのでありますが、私どものその当時理解しました関係筋の推挙の上では、そのときは飽くまでその大豆の結論まで仕末しろというようなことでついて来まして、味噌醤油という線まで行つてしまいましたものですから、いよいよ複雑になつて、その当時私が承知しておりました数字を計算して見ますと、油は大体どの学校においても欲しがつている。味噌醤油になりますと成るたけ地方の、地方庁と申しますか、そういう関係なり値段の問題なり、消費する時期なり、例えば丁度そのとき夏に向つてつたわけでありますが、これを実際に学校に納め、学校で消費するという時期は成るたけ寒い時期、秋の時期といつたようなことを考えましたし、そういうような観点から考えますと、そのとき単純に地方にお任せするというのではなく、地方がどの程度御迷惑をするだろうかということを十分考えたつもりでございます。現に油のほうは相当順調に行つておりますが、味噌醤油のほうの関係は下請の関係どもございますし、又時期的な関係地方的の業者選定というようなことが相当複雑なことになつておりますので、まあよく醤油のほうは割合に順調に行つておりますが、味噌のほうはまだずつと遅れておるといつたような状態にありまして、今でもそのとき地方に迷惑をかけなかつたことはよかつたと信じております。
  25. 高田なほ子

    高田なほ子君 まだ納得が行かないのですが、あと岩間さんも非常に時間も急いでおられますので、あとで又時間があればこの点をお聞きします。  次にお伺いしたいことは児童のためにということになりますと、児童負担を幾らかでも軽減させるための努力は当然払われなければならないと思うのでありますが、その点については十分御考慮があつたと思うのですが、一体あれですね、現物加工する場合の加工費というものは誰が負担するのでしようか。
  26. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 学童負担ということを原則にいたしております。
  27. 高田なほ子

    高田なほ子君 それじやそれを運搬いたしますね、現物を運搬する、それからその現物が一度に運搬されないような場合には、倉敷料というようなものもとられるのでしよう。それから又地方に運ぶトラック代、それを積んだり揚げたりする人夫代、それから貨車に積んだり下したりする積込料、そういつたようなものはこれは誰が払うのですか。
  28. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) そうした種類のものも原則として学童負担になつております。これはこういう考え方から出発しておるのでございます。学童が直接放出物資受取るという建前になつておるのでございますが、めいめい一人々々の学童が、私ども契約するなり委任契約をするなりという形を整えて行くというのが一番正式な形だと思つておりますが、事実そういうことはできませんし、又不必要なことだと思つております。それで今までの行き方は学童代表という意味で、東京都の教育長が一切を受取つてその処理をします事務を私ども委任しておるという形に方式としては作つてございます。それにだんだんそういう擬制的なフィクシヨンでございますか、擬制的な考え方はむしろ不必要なことである。実際の実務はできるだけ簡明にして行くことがよろしいということで、私が全学童利益代表という意味で、殊にその関係のものを全部関係筋から委託されるという形で行なつております。従つてこれは学童がたまたま横浜なら横浜で、船で受取つた。それを学童たちが最も効率的な形で自分たちの用に供する。その間の経費は学童がその意味において負担する、その建前に立つておるのであります。
  29. 高田なほ子

    高田なほ子君 加工、それから運賃その他の費用はこれは児童負担する、こういうことがはつきりしたわけであります。その負担はやはり建前から言えば、できるだけ軽くさせるということ、加工賃にしてもそういう一見いわば無駄なものを軽くさせる、これが私ははつきりとした根本的な考え方だと思うのです。これはお認め頂いておられるようであります。それから今おつしやいましたが、これは直接学童受取一つ権利といつてはおかしいのですが、当然学童受取るけれども、いろいろなことがあるので形式的な形をここに明確にとつて委任の形で、本来ならば東京都の今おつしやつたような教育長受取るものなんです。現に東京都の教育長がおられるのに、あなたが受取られたというようなこの間の御説明であつたのです、久保田さんが……。なぜそういう機関を作り、なぜそういうむずかしい形式を踏み、なぜそういう順序を踏んで委任してあるものが、あなたがわざわざこのときに限つて受取らなければならなかつたのか、それを一つ聞きたい。
  30. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 只今申上げましたことは、この大豆限つてそうしたというのでは全然ございませんで、脱脂粉乳も、原麦も、いわゆる放出物資一切が、例えば罐詰なんかもございますが、そういう類型のものを一切今までは東京都の教育長ということで一つのそこに擬制を作つて来たわけでありますが、擬制も必要のないことで、事実それを東京都の教育長から私が委任を受けて一つの特殊な契約をするというような二重、三重の手続はむしろ不必要ではないかということで、この大豆に限りません、一切のこういう給食関係物資を取扱います仕事が私に切替えられておる。これは去年まで東京都の教育長名義使つた形になつておるわけでありますが、その後切替えてありまして、今度の大豆限つてそうしたのでは毛頭ございません。これは勿論一般原則そのままに動いておるのでございます。
  31. 高田なほ子

    高田なほ子君 去年から切替わつたから、あなたの名義名前受取つていると、直接の責任受取つているといいますか、大豆のほかにどのくらい、何回くらい久保田さんの名前受取られておるのですか。
  32. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 回数はちよつと記憶いたしませんが、およそ原麦関係にしろ、小麦粉関係にしろ、脱脂ミルク関係にしろ、今度の大豆にしろ、ああいう関係に置かれた種類のものはすべてそうなつておるわけであります。
  33. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうすると、今までのこういう順序というものは去年から全然空文になつてしまつているということだけははつきりいたしました。  その次にお伺いいたしたいことは、学童負担を軽減させるという目的の下に、こういう一つの会社が選ばれたと思うのですが、普通常識でいうと、あれなんじやないですか、こういうものが加工されるというような場合には、たくさんの競争相手があつたほうが非常に安くうまく行くということが常識だと思うのですし、又都道府県でも入札制度をとつているところが随分あると思うのです。この場合に一体入札制度がとられたのか、とられなかつたのですか、どちらなんですか。
  34. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 只今申しましたように非常に単純な業務の場合にはできるだけ競争入札ということで安く競争してもらうことが学童のためであるということは私もよく理解しております。ほかの物資扱い方についてはすべて原則で働いて来ております。たまたまこの大豆の問題のときにもそれが極めて単純に輸送するだけ、又油をとるだけというふうに区切つて問題を処理するほうがいいか。これも先ほど来申しております私の原則から、できるだけ明確な線を引くのがよろしいという観点に立つたことから、競争入札の形はとつておりませんが、この競争入札の形をとらない代りに、むしろ価格の点、又納期の点、企画の点等を非常に明確にして、そういう部分責任を集中しようというふうに考えております。それからそのために入札をなぜとらなかつたかどいう基本線は、その当時私が確認しました、私の頭では、明らかに関係筋の推挙があつて、その部分については、それでよかろう、但し只今申したようなことで、できるだけ責任の問題としての集約をそこに図つて、値段を安くするなり、品物に対する保証をさせるなり、そういうところでその点をカバーしよう。こういうことが、これは推挙の趣旨にも合うであろうし、又競争入札によつてただ形だけを整えるということよりは実質面をもつと厳重に見て行くべきであるという責任を私は感じたというわけであります。
  35. 高田なほ子

    高田なほ子君 こういう問題は、どこでも関係筋の推挙があるのがこれは普通常識であります。この関係筋の推挙ということ、官吏の汚職事件というのは大体こういう問題から発生しておることは、これは歴史が教えて来ておると思うのです。併しあなたが今おつしやつたように、関係筋の推挙があつて、こういうような、こうこういうことがあつて入札制をとらなかつたというお話でありますが、まあ入札制をとれなかつたという理由が関係筋の推挙ということになつておりますが、これもあとでお伺いいたします。ここが私の最も重要なお伺いしたい点であります。これは又あとでお伺いしたいと思います。  それからもう一つお伺いしたいことは、これは神戸に四千トンの大豆があつたわけですね。神戸から油を搾るために太平油脂、この太平油脂というのは一体場断は神戸にあるのですか、どこにあるのですか。
  36. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 会津若松でございます。
  37. 高田なほ子

    高田なほ子君 神戸に着いた……これは貨車にすると、まあ十四トン積ですから四百輌ぐらいになるでしよう、三百五十輌でしようか、貨車でそういう大量のものが神戸からわざわざ山の中の会津若松まで持つて行かれた。これはもう私は運賃や何かを安くする、すべてのものを安くするために便宜を図らなければならないというのと、これは大変に矛盾して来るのですが、これはまあいろいろ見解があるでしようが、会津若松にその油の何を頼んだ、そうすると味噌はあれですか、やはり太平油脂の会津若松で味噌も作られたのですか。
  38. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その関係が相当仕事として複雑だという点は、先ほど申しておりますことともう少しそこを合せて考えて頂くと、よくわかると思いますが、同時に油が搾られたり、同時に味噌ができたりするわけではございませんで、会津若松まで全部大豆を運んでおるわけじやございません。横浜にも置いてありますし、関西地域にも油を搾る会社を作つておりますから、そういうところにも或る程度の分散がございます。それからこれは全国のプール計算でこの仕事をいたしますので、味噌の場合におきましては……会津若松で油粕ができる。その油粕を全国に今度は振り分けて……、それから味噌を作るという仕事ではありませんで、形式は飽くまでもそれを委託した形式になりますが、実際にはそれぞれの土地々々にあります油粕を代替いたして仕事をして行くような仕組になるわけでありますが、その部分からの運賃というものは直接出て来ないわけでございます。むしろ油にしてからの配給の仕方、大豆を全国に少なく分けて運ぶということの運賃の差といつたような点がむしろ問題になると思います。これらの部分についても一応その当時計算しまして、全国プール計算ということで動かします形においては、金額的には特殊の差がそう出て来るものではないのでございまして、この点は只今口頭で申上げますよりは、いろいろな意味で数字を見て頂くほうが明確になろうかと思いますので、そのために同時に特殊の品物ができて、そういう品物があちこちに配給されるという形をお考え願うと、大変無駄なような線が一面に出て来るかと思いますが、その配給の仕方といつたようなことが同時でありませんということ、全国プール計算であるということ、それから又事実上大豆の場合においては動かさなければなりません。油の場合にも動かさなければなりません。味噌醤油の場合になりますと、必ずしもそれ自体が動かなくとも土地土地でそれを解決する点があります。
  39. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうすると、油を搾るためには太平油脂の会津若松まで大豆を持つて行く。味噌醤油プール計算地方々々でやつて行く。味噌醤油というのはやはり新聞で見ると、土屋さんという人が味噌醤油を一手に引受けてやつたようになつておりますが、そうすると東京一つの本家本元があるわけでしよう。
  40. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 先ほどちよつと申落しましたが、油の関係のところは油の関係、それからそこからできます味噌醤油の原料になります大豆粕を使つての委託加工関係というのが、土屋の醤油会社となつておりまして油の関係とは別になつております。
  41. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうしますとこういうことになりますね。大豆が神戸に着いた、それを会津若松まで引張つて行つて、そのできた油は又運賃を使つて全国に行つたということになつているのですから、神戸の子供たちは……、神戸に着いたものをすぐそのまま神戸あたりの油会社に頼めば、これは一文も運賃負担しなくても済むわけでしよう。それをあなた、東北の会津若松まで持つて行つて、又逆戻りして行くということは、神戸の子供を、本来から考えてみても随分お気の毒な目に合わせていると思います。
  42. 岩間正男

    岩間正男君 関連して、これは非常に重要な問題だと思う。併しながらこれは単に大豆だけ、油だけの問題でなくて、味噌の問題もそうですが、これはそれによつて児童がこうむつた損害があるはずである。つまり貨車が今のお話のように、具体的に言うと非常に貨車の廻り方が悪くて、そのために滞貨になつて倉敷料を払つている。それから今言つたように押貸が、一遍会津若松に行つて味噌とか油はどこ渡しにしたか、東京渡しにしたのか、会津若松渡しにしたのか、神戸渡しにしたかのか、はつきりしていると思うが、こういう調査は文部省が当然されていなければならない。それによつてこうむつたところの運賃、倉敷料保管料、それから又起つて来るところの荷揚げ料、そういうものは相当莫大な金になつているはずです。こういうものは細密に調査しなければならないはずである。そういうことによつて学童に全部被さつているから、当然それがコスト高になつている。さつきのお話だというと、子供のため、飽くまで学童のためだ、こういうことが言われたのでありますけれども、結果は逆に学童に対して過大な負担になつているだろうと思う。つまりこういうようないわゆる会津若松の会社というようなものに、競争入札でなくて全くの指名入札というような恰好で以て落したことによつてこうむつた負担、これははつきり文部省としてはつかまなければならないと思うのです。今後これを放置することはできない。こういうことによつてつたところの一つ負担増について一体明細な調べがあるのかどうか。もう一つお聞きしたいのは太平油脂、或いは醤油ですね、土屋の醤油会社、こういうところに一体どれだけの製造能力があつたか、製造能力の問題、これも当然資料として出してもらいたい。我々の聞いているところでは製造能力が十分でない。そういうことによつて今お話のように東京の会社あたりに下請をさせた。単なる下請というのは業者はやらないはずでありますから、当然そこにピンはねが起つている。これについても文部省は調査しないで、児童のためだという名前のために……そういうことはできないはずだと私は思う。従つて当然そういう賃はねが幾らあつたか。それから果して二社の製造能力はどうであつたか、そういう問題は私はこれは今言つた文部行政の中で非常に重要な問題だと思うので、是非こういう点について明細の資料が欲しいのです。それからまあそのほかにたくさんありますけれども、今言いました点ですね、高田君の質問に関連しまして、汽車賃、つまり今言つた汽車賃とか、倉敷料とか、荷揚料とか、そういうことによつて、往復何回もやつておる、そういうことによつてつたところの負担増というものを文部省ははつきりつかんでいるはずですから、そこでこれは是非出してもらいたい。それから土屋の製造能力の問題、これは是非出して頂きたい。それがどこに下請けさしたか、その下請けのときに一体どこへ頼んだ、値段は幾らであつたか、土屋に対して入札したところの値段は幾らであつたか、そこに差額が必ずあるはずだから、賃はねが行われたことは明らかな事実だ。この賃はねを少くとも文部省はつかんでいなければならないはずである。これをつかむことによつて我々はこれを検討する。ついでですから、私は時間の関係上、資料の提出を先にお願いしたいと思いますが、ついでにお願いしたいのは、完全実施方針というやつが、文部省から出されたと思うのですが、これはいつ何のために出されたか。そうしてその精神が、何故一体今言つたように踏みにじられて、そうしてまるで違つた方向に行つておるのであるか。こういう点についても、これは完全実施の方針というものを出してもらいたい、資料として……我々はこれを検討します。それが実際行われないというような形で以て、文部省方針として出しておるのに、それをまるで踏みにじつたような方法で以て文部省がやつているということについては我々は了解はできない。それから大豆の量、その量の中で油に幾ら使つた、そうしてそこにはいろいろなロスもあつたでしようが、そういうものを見込んで幾ら渡したか。更に幾らその中で油を作つたか、あと大豆はどうなつたか。或いは搾り粕はどれだけどういうふうに増したか、そうしてそのときの単価は幾らか、そういうような問題についても、これは明細の資料が欲しいと思うのであります。大体そういう点について、まあ私今ちよつと予算の理事会がありますので、そのほうに行つて来ましてから、もつと細かいことを伺いたいと思いますが、その点は資料として出して頂かなければ、これは我々は実態等の調査ができないのでありまして、何も糾弾とか何とか言うのではなく、文部行政の今非常に問題にされておるところの給食の問題であります。そうして学童のためであるという名前によつて行われておるところの文部行政そのものが、今問題になつているところの実に厖大な、未だ曾つて日本の歴史始つて以来ないような大きな腐敗と混乱の一環として、而も道義の中心であつて、一方から道義要領なんかを出そうとしている文部省の足元から出したことを、決して我々は簡単にこの問題を見逃すことができない。元の文部省から起つたということについて、文部省がこういうことを出したということは、徹底的に我々としてこの責任を明らかにしてもらわなければならない。大臣に対しても我々は明らかにしてもらわなければならない。そうでなければ、道徳なんということはこれは一片の空文だ。こういう形で行われたということは我々として本由々しい問題でありますから、こういうことは徹底的に調査をして今後の万全を期したいということによつて、我々に課せられた任を果さなければならないという点からお伺いしているのでありますから、何も文部省当局を傷めるという考えではございませんから資料をこれは出して頂きたい。
  43. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 資料の用意もいたしておりますものもございますし、或いはこれから用意しなければならんものもあるかと思いますが、資料を用意して提出することに決してやぶさかではありません。それでただ一点だけ誤解があるのではないかという点を資料と関係なく今日ここで皆さんにお耳に入れて置きたいと思いますが、先刻のプール計算でありますが、神戸の人が神戸で大豆を受ければそのまま運賃がかからないから、そうしますと神戸の関係の分が零になる。それだけ遠方の人が負担しなければならないということになります。脱脂ミルクについてもそうであります。横浜でありますが、それはプール計算の形で全部出て来るのでありまして、決して神戸の分を外のほうへ何したと、こういうような計算をしたのではない。従つて脱脂大豆を全部神戸でやります場合にはほかのものは困りませんが、会津のほうへ持つて行きましたものはそういう運賃がかかる。そういうプール計算の仕方というものが前提であるということを明白に御理解願わないと何でありますから、最も運賃の安い形のものではなく、一番遠距離の場合を言うのであります。この点は単純に聞きますと、神戸のほうは只であるはずだというふうにとつたのでは筋が混乱しますので、この点明白に御理解願つた上で資料を作りたいと思います。
  44. 岩間正男

    岩間正男君 それでその点我々は徹底的に伺つてやることにいたします。なぜプール計算なんかしたかという問題になるのであります。なぜやつたか、実施方針に違反して文部省の権限外のことを誰に命ぜられたか知りませんが、そんなことをやつたか、そういうことをやらなければやはり神戸は神戸でやれる。そこに問題があるのであります。そんなことは今帰つて来たらやります。詳しくやつて見ればすぐわかることであります。そういうことを弁解になさるのはいいけれども、弁解にならん。併し今向うで何して参りますから、私の質問は留保さして頂きましてすぐ戻りますから……。
  45. 高田なほ子

    高田なほ子君 私も資料を頂戴いたさないと御質問申上げてもちよつと宙に浮いて来ると思うしいたしますから、資料を頂戴いたしましてからあとで……、資料を持合せておりませんから困りますけれども一つここではつきりお伺いして置きたいことは、この太平油脂と、それからこの四万四千四百トンの生大豆処理というものの契約責任者はどなたになつておるので、しよう。
  46. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私でございます。
  47. 高田なほ子

    高田なほ子君 そういたしますと、久保田さんは今岩間さんが御指摘になつたようないろいろな数字的なものについても十分に御調査なされたと思うのですが、この際に一番久保田さんとして心配なされた点はどういう点を御心配なされたのですか。
  48. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 業者選定そのものが或る程度機械的にきまつておるという前提に立たなければなりませんので、その業者をして最も学童のためによりよい結果を出せるという方法は、値段を如何にしたら安くするか、品物を如何に誠実なものを届けさせるかと二点でございます。
  49. 高田なほ子

    高田なほ子君 その業者が一応なんですか、前からきまつていたような形になつてしまつていたのを、無論こういう言葉は当らないかも知れませんが、あなたの責任において学童のためによりよい結果を出させるためには随分な御苦労が要つたと思うのです。そういう御苦労を十分見通しながらなぜ関係筋の推挙にあなたが従わなければならなかつたのだろうか、私はそういうふうに受取れる、あなたがこれに従わなければ仕方なかつたような感じがしてならないのですが、そういう点はどういうふうなのか。そこらをもう少しあなたの事情が許す限り聞かせて欲しい。
  50. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 一番最初にお断りしなければなりませんのは、その当時の私の確認としては、これは動かないなというふうに感じたのでありますが、今丁度直接の関係者が、ちよつと一緒に話をしたり相談したりするわけに行きませんので、どういう関係においてそういうふうなことになつたかという点が、ちよつと率直に申上げかねる部分が残ります。その当時の私の確認としては間違いないのだ、従つてこれを動かさないで而も最もいい結果を出させる方法はどうかという点に苦心をしたと、こういうふうに御理解願うと共に、今のところちよつと申しかねる部分が残つていると思いますが、何しろ相手方の人が今おりませんので、この部分についてどうであつたかという点を確認しないと申しかねる部分があります。この点はこのくらいで御了承願いたいと思います。
  51. 高田なほ子

    高田なほ子君 簡単に、……私も局長の立場としてこの点も御同情申上げるのですが、指定の業者を推挙され、それに従わなければならないというような境地に追い込まれているような印象を非常に受けるので、ここらが私は問題の焦点であろうと思うのですが、この問題の焦点はまあ司直の手に委ねられておりますから、これは次に譲らしてもらうとしまして、この業者学童のためによりよい結果を出させるためには、当然その太平油脂並びにこれに伴う味噌醤油の製造というものについて委ねる会社の醸造能力ですか、製造能力、そういうようなものについてもこれは十分に御研究になつたのではないかと思いますけれども、その製造能力の調査については遺漏がなかつたのかどうか、それを伺いたいと思います。
  52. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 全く新らしく或る会社がそこへできて、この仕事だけを引受けるということであれば問題は非常に簡単だと思いますけれども、何しろ相当量の品物を特定の会社なり又は数多くの会社にこれを振分けましても、その当時私が取調べました程度では、例えばある一つの大きな会社に全然手をあけて仕事を待つておるという状態でありませんから、その上にプラス・アルフアとして加わつて行く仕事のこなせ方というふうに物事を見て行くより仕方がなかつたと思います。では大きな会社にこれだけのものを持つて行けば大きいものだから自由にそれだけのものはこなせるという一般的な常識論も成り立たんわけでもありませんけれども、一般的にその会社は、年間の割振りの量を一応持つておりますから、その量に付け加えてそれだけの量をこなせるか、こなせんかということは大小必ずしも差はない。これはどういうふうに割振りして行くかということは、相手方の説明なり相手方の私どもに対する心証なりで問題をきめて行つたというふうに御理解願うより途がないと思います。
  53. 高田なほ子

    高田なほ子君 大体ここらが大変に問題がある点だと思います。お伺いしませば、この際時期も納期も相当に期限を付けられたように承わつておるのですが、先ほどの御発言では今日なお以て味噌醤油の醸造というものが完成しておらない。大体四月から十一月まで七カ月もたつているのですが、これはどうなんですか、七カ月もたつても納められないということについて、すでに久保田さんとしてはここに疑義を持たれておるんじやないでしようか、又その納期の契約なんかについては幅のある御契約つたのですか。
  54. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その点については、油につきましてはもつと早く始末をしなければならんのが一番の順序であります。味噌醤油につきましては、その契約の当時できました期限がそれは手配してございますが、できるだけそれを先へ延ばそう、先ほど申しましたように夏休に品物が入るような恰好になつて来まして、丁度一番危険な時期でもあり、又品物品物だけに、残暑のうちに学校に配達されたり何かして、先生がたもお留守中、関係の人もおらんということになつたのでは処理が非常に厄介だし、又危険も伴います。それで九月以降、秋、涼しくなつてから味噌醤油を入れようということに切換えました。従つて油そのものにつきましてこの遅れておる問題については、金繰りの問題と、味噌醤油の遅れましたことに伴う相関関係から出て来ておるゆえんであります。それから味噌醤油関係は、その頃出た問題が一応問題として取上げられるような時期になつて来ましたので、そのために当事者が丁度いなくなつたとか、いろいろ問題がそこに出て来て遅れて来ておるのでありますが、これは最初の契約通り、さつさと学校に納まつておれば問題はなかつたかも知れませんが、そのため却つて学校の中の始末が悪かつたというような問題が逆に起つたのじやないかと思います。味噌醤油関係あとにしようということを言い出したのは私自身でありましたし、又そのほうが問題の危険を、又腐敗事件などに及ぼすようにしないようにしようという努力の結果遅延しておりますのと、当事者がいないということのために、代金操作なり、品物を動かせないということのために、今のところ事実上やれないような状態でございます。そのために遅延しておるのでありまして、納期の関係がどうか、製造能力の関係がどうかとかいうことから直接に起つておることではありません。
  55. 高田なほ子

    高田なほ子君 それで納期なんかについては業者に頼まれるときに、あなたも責任を感じて随分厳重な話合いをされたようですが、それで子供一人当り何グラムなんですか。
  56. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) ちよつと何グラムという数字は記憶しておりませんが、資料を見て申上げます。
  57. 高田なほ子

    高田なほ子君 大体どのくらいですか。
  58. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 資料はあるにはあるのでありますが、調べればわかります。
  59. 高田なほ子

    高田なほ子君 あとでそれを承わります。ちよつと私が承わるところによれば、油が学童に二グラムという非常に少量なもの、そういう少量の油が七カ月たつてなお且つできないということは、善意に解釈してもその会社の製造能力というものについては、これは常識的に考えても能力を持たなかつたのではないか。今あなたはいろいろと弁明をされておるけれども、現実には私はこの製造能力というものについても、相当の疑義が持たれるので、この点なんかも率直に言えば、世間疑惑を、まだまだ解消する弁明にはなつていない、こういうふうに考えるのであります。その次にもう一つ伺いたいのですけれども、製造能力のない会社の場合には、これは全国のプール計算をすると言われますけれども、普通は下請工場に頼まれるわけですね。そうすると下請工場に頼む場合には、やはり契約した会社と下請工場との間には相当の数字的な契約がされると思うのでありますが、こういうようなことは十分御調査になつておるのでありましようか。
  60. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 先ほどの数字は一食二グラムということで計算が出ておりますが、二グラムの計算で子供にやるという意味ではありません。全体の量は相当大きな量でございます。そうして油は、現在私の承知しておりますところでは、現物そのものはでき上つておるのであります。これを全国に輸送するには罐を作らなければならんとか、金繰りをしなければならんとかいう問題が、味噌醤油等の引つかかりになつて動かなくなつておるというために、停滞しておるということであります。それから能力がなかつたから停滞しておるという意味におとりのようでありますが、どうせ下請の関係というものは味噌醤油の点では初めから理解をしております。油については必ずしも下請というほどのこともありませんで、神戸から届く分量をこなせるというふうに私どもその当時理解したものであります。
  61. 高田なほ子

    高田なほ子君 いろいろ見解、理解の程度も違いますが、その次お伺いしたいことはちよつと数字に入るからお答え願えるかどうかわかりませんが、太平油脂に御契約になる際に、四千四百トンの大量の大豆の中にはやはり相当のロスが出るのです。送つたり、製造する過程のそういうロスというものは一体どのくらい、何%組んであるのでありますか。金額はそれはどのくらいになるのでありましようか。そういう契約はされておらないのでありますか。
  62. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 金額の点ははつきり記憶いたしませんが、輸送とそれから豆を選択するというか、篩らといいますか、そういう関係一切で五%だつたかと記憶いたしております。これをきめます時分には私直接やつたわけではありませんが、食糧庁なり物価庁なり、そういうようなところの資料を相当研究したと思つておりまするし、価格の点などをきめますと同様な手段で、そういう玄人筋の御協力を得たはずだと理解しております。
  63. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうしますと、これはいろいろ御研究になつたようですが、私ども常識的に考えて見ましても、一トン当り五万円、ロスが五%だとすると、私概算でちよつと計算して見ると、その只だけでも一千一百万円という厖大なロスになるのですね、金額にして見ると。そのほか醤油を作る場合にも又そこにもロスが見込まれて来るであろうし、その金額というものは私ども常識考えられないほどの厖大な金額になる。こういうような非常に厖大なものが更に又下請工場に行つた場合には、そこに先に言つたようなピンはねというものが常識的にこれは当然とられるので、こういうようなものの計算、それから加工賃、それから運送料というもの、実にこれはもう私は厖大な数字に上るもんだと思います。こういう厖大なものを取扱う場合に、えてして行われる問題は、これはあり勝ちな官吏の汚職事件で、今日の新聞に出ているこの数十万円の収賄というのは取りも直さずこういう厖大なロス並びにその間における厖大な利益のそれによつて非常に儲かる者が、儲けるがために関係筋から推挙が行われ、而も文部当局にある久保田さんもそういうような勢力に押されて、こういう犯罪を遂に作つて行つたということについて、私は非常に心から悲しむものです。いずれ私は細かい資料を先ほど岩間さんも御請求になつたようでありますが、どうか厖大な数字であればあるほど、私ども常識では到底考えられないような、一年間もたつても、一生かかつても到底これは私の財産として残し得ないような厖大なものが闇から闇に取引されて、而もそれが全部貧しい子供たちの、学童負担になつて来ているということ、これは何としても道義的にも私は許されない問題だと思います。これは文部省を責めるのではなくて、正しく私どもも理解し、正しい世の批判にも私たちが答えなければならないという意味で、先ほど岩間さんの御請求になつた資料をどうか早急に一つお出し願つて、この上ともお互いに協力して、この問題の善処に当りたいということを要望して質問を打切ります。
  64. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私はこのいわゆる大豆事件については、初めて委員会に出て久保田管理局長の答弁を今日途中から聞いたので、更に他の方面からの資料も持つておりませんし、新聞、ラジオで聞いたり見たりしている程度で、はつきりつかめないでいるんですが、その点今まで質疑された問題とダブるかも知れませんが、基本的なことをお伺いしたいと思うのであります。で、今度の事件について、この関係者で調査を受けた人は何人いるのですか。そのうち文部省では何人ですか。
  65. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 調査といいますか、警察的に調べられたかという意味だと思いますが、私どもの承知しておりますのは、うちの関係の中で、この契約がどういうふうになつておるか、その当時のいきさつはどういうふうであつたかという意味の調べを受けた者が、今のところ四人でございます。
  66. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 省内ですね。それでは外では。
  67. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 外では私の知つておりますのでは、三人だと承知しております。
  68. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 逮捕された人は……逮捕され、釈放され、又現在逮捕されておる人は……。
  69. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 現在逮捕されておる形の者は、うちのほうが一人、それから会社関係の人が二人か三人……そのうち一人は釈放になつたかというふうに聞いておりますが、二人現在残つて一人は釈放になつたと聞いております。
  70. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 現在省内で逮捕になつておるのは誰ですか。
  71. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 課長補佐の向井君でございます。
  72. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 局長は出頭を命ぜられて調べを受けましたか。
  73. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私はそういうことは事実ございません。
  74. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 課長補佐の向井氏があなたの部下としては最高の人ですか。
  75. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私もまだ事実を確かめていませんが、今朝の新聞によりますと竪月君が召喚されておるかに聞きましたが、事実を確かめておりません、現在は。
  76. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 検察当局で調査しておるようでありますが、先ほどから承わつていますというと、仕事内容は相当複雑なようでありますが、私ここでお伺いいたしたい点は、責任者としての局長としては今度の事件を随分と調査もし、考慮もせられておると思うのでありますが、ああいうふうにすればよかつたなと、今後やるときにはこういうふうにうまくやろうというような反省の点があつたら述べて頂きたいと思います。箇条的でもよろしいですから、かくかくの点に遺憾の点があつたとか、そういう点を述べて頂きたいと同時に、今後の問題の見通しについても局長の立場において述べて頂きたいと思います。
  77. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) この問題の焦点は、私が関係筋の推挙をどの程度に確認したか。その確認の仕方についてみずから疎漏がなかつたかという点に帰すると思つております。業者の確定したる後の仕事の運び方といつたようなことについては、むしろ普通の場合以上に注意もいたしたつもりでありますし、又関係者にも特にその点は督励しておつたつもりでありますが、私のその根本の確認のところに私としての疎漏があつたのじやないかという点を深く反省いたしております。個々の問題の一つ一つについて申せばいろいろあろうかと思いますが、要は最初のその確認に疎漏があつたのじやないかということに頻りと反省いたしております。
  78. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ではその確認が十分でなかつたために起つた遺憾な事項とすれば、遺憾な事項としてはどういう遺憾な事項が起つたとあなたは現在見られておるのですか。
  79. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その確認の仕方のところに疎漏がなければこの問題を関係筋に完全に押返上得ておつたということになるわけでございます。
  80. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 今は検察当局が調べておるのですが、遺憾な事項をいうのは、どの程度の遺憾な事項とあなたは見られておるかということです。
  81. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 只今申上げましたように、関係筋に押返し得ておつたろうと思いますから、こうした事実が全体として起つて来なかつたということになると思いますが、今、現在はもうすでに仕事の途中にもありますし、ほかの一般の予算の関係なり、来年の計画なりの全般に及ぼしております影響などを考えて、誠に申訳ないと思つておる次第であります。
  82. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私は今遺憾な事項が起つておる事実、それをどういうふうに確認されておるかということです。ですから検察庁で調べなければわからないならわからないでいいのですが。
  83. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) ちよつとその意味がわかりませんですが、私が確認するについて、どこかに疎漏がなかつたのかと申しておりますことは、もう少し検察当局側の一切の調査が済んで明白に示されるような時期に、合せて、成るほどこうだつたのかというようなことがはつきりするだろうと思つておるという意味でございます。
  84. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 関係筋の推挙というのは、これはGHQ関係ですか。
  85. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私の申しておりますのは、そういう意味でございます。
  86. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 今度の不正を起した中心的人物は土屋ですか。
  87. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) そういう部分になりますと、私の申しますことは、今日、反響があるかと思いますので、私からは差控えさせて頂きたいと思いますが、何しろごの事件の、事件と申しますよりも仕事の中心者が土屋でありますことは事実でございます。
  88. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 土屋はどの程度の不正をしたか、あなたとしては調査されていると思うのですが、検察当局見解は別に聞きますが、あなたの現在調査されたところでは、土屋はどの程度の不都合をしたと思われるのでありますか。
  89. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) まだ私はその点について、調査が行届かんというお叱りを受けるかも知れませんけれども、私ども関係においては、そういう点を明確にいたしておりません。
  90. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これは局長にして見れば呑舟の魚を追わずして雑魚を追つておるという感じを持つておられるかも知れませんと思うのです。最近の綱紀紊乱、汚職事件の頻発というものは目に余るものがある。さつき岩間君がちよつと触れたようですが、事文教の府にあるだけに如何なる雑魚といえどもこれははつきりと追及せざるを得ないと思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)従つて私はここで管理局長に伺つておきたいと思うのですが、私は管理局長は非常に御熱心なかたで、管理局において非常に尽力されておる点については、私は敬意も表しておるし感謝も申上げ、私は信頼しております。併し私はここで管理局長にはつきり伺つておきたい点は、さつき関係方面からの推挙、その確認が云々と言つておりましたが、それ以外に文部省としては、あなたを初め、あなたの部下に行政官としての過誤はなかつたというだけの自信を今述べ得るかどうかですね、その点だけを私は承わつておきたいと思います。
  91. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私としては、そういう点をはつきり申上げたい気持も一面ございますが、今関係筋の渦中にあるものと私も認識せざるを得ません部分を感じますので、今ここで私がどうこう申したといつたようなことを、今日の新聞あたりでも多少私の言いましたように読める記事もありますので、そうした部分を私がどうこう申したという点は控えさせて頂いたほうが穏当ではないかというように考えておりますので、そういう意味で些細な部分に及びますことは御宥恕願つたほうがよろしいかと思います。
  92. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 併しあなた個人についてだけは言えるんじやありませんか。
  93. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私個人について申すとすれば、私はその点について、行政的な意味責任というものは勿論別にあろうと思いますが、直接汚職という線にからむものは私は感じておりません。
  94. 岩間正男

    岩間正男君 先ほど非常に時間を急いだために概略申上げたんだが、資料を要求して明確にしたいと思います。先ず第一、これは何でしたら控えておいて頂きたい。それを正確にこれに適合するような資料を出して頂きたい。我々はこの事態を、文部行政の今後の運営のために、もう少し科学的な方向に乗せる必要がある、そういう点からお伺いしておりますが、先ず第一に伺いたいのは、完全給食実施方針というものが、これは何のためにいつ出されたか、この内容はどういうものであるか、その実施方針そのものを先ず出してもらいたい。これが一点であります。そのうちで今お聞きできれば、何のためにいつできましたか、この点だけお聞きしましよう。
  95. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その点は、資料そのものをここに持つておりませんので、日附とかいつた点ははつきりしませんが、完全給食を実施するについて、その効果を十分に挙げなければいかんということは、同時に又地方のそれに直接関係して下さる人々が成るだけ迷惑をしてもらわないようにという意味で、又それから出て来ますいろいろな業務面において間違いのないようにという点を明らかにしたものと覚えております。
  96. 岩間正男

    岩間正男君 その中で、やはり何ですね、原料を渡して行く順序、そういうものはちやんと明記されておるわけですか、つまり学童から学校長、府県教育長ですか、それから教育長代表、こういうようなことは明確になつておるわけですね。
  97. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その概略の線が明記してあつたはずだと記憶しております。
  98. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、これは文部省では、それを実施すべきであるというので、むしろこれを督励するような意味で各府県に流したのですね。
  99. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その通りでございます。
  100. 岩間正男

    岩間正男君 それをなぜ破つたか、それが破られておる、現実的には、その破られた理由はあるわけです。なぜ破つたのですか。自分で流しておつたそういう方針自分自身が破るのでは全く話にならんと私は思う。なぜ破られたか。
  101. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) この自体を私は破つたとは思つておらんのでありますが、結果から見て破つたかのように見えるという感じを岩間さんもおつしやるのであろうと思いますが、それ自体は原則的にこうであるという点を明記してあるはずであります。今度の場合もできるならば、原則の線に副いたいという気持において変つておりません。ただ競争入札という点が原則の総と違つておるという部分になると思いますが、結果はそういう形に作り上げようという努力においてそれを破つたというふうには理解しておりません。
  102. 岩間正男

    岩間正男君 この場合には委託を受けて管理局長がやるとする場合に、委任状が当然必要だと思うのですが、委任状を各府県庁から取つておりますか。教育長から取つておりますか。
  103. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) そういう部分仕事一切が、非常にむずかしい法律論になるのかと思つておりますが、先ほど高田委員の御質問にも答えたと思いますが、各個人の子供から全部取らなければこの事件は完結できないのであります。東京都の教育長を、たまたま全体の学童利益代表ということにしましたときも、事実上各一人々々の学童から取れませんから、それのいわば便宜的と申しますか、多少擬制的な形でそういうものを作つた同じ考え方に立つておりまして、これは大豆だけに限つておりません。全部のこういう放出物資関係一切に共通した考え方になつておりますし、手続もそういう形で行なつております。
  104. 岩間正男

    岩間正男君 技術的にはむずかしいところがあるだろうと思うけれども、非常にそれは都合のいい文部省の独断に過ぎないことですね。権限は児童にある、それなのに文部省は、これは子供のためだという形で委任状を取らないでやつてつた。これは文部省の独断的な解釈に過ぎないのであつて、これは我々は容認することはできないと思う。仮にこれは文部省から、子供一人一人から取れなくても方法があるだろう、各県の教育長なり、そういう筋で通知させて、了承を得て、そうして委任状を取れる方法は私はあり得ると思う。そういうところを今言つたような文部省の都合だけを考えるということは、私は了承できません。独断ではないかと思う。技術的にむずかしいだろうけれども、併しそれならなぜ一体完全給食実施方針などというのを流しておくか。実施しろということを一方で要請して流しておるのです。それと反するような方向を文部省がとるということは独断だ、こういうことは文部行政の中に、これは今までも例がいろいろあると思うのですが、これはけしからん一つのやり方だと思う。この点についてはやはり資料として、どうしてこうなつたかという点について明細に触れて頂きたい。第二の資料の要求点は……。
  105. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちよつとその前に一つ聞きたいのですが……。
  106. 岩間正男

    岩間正男君 どうぞ。
  107. 高田なほ子

    高田なほ子君 完全給食方針の中に、入札の問題はどういうふうになつておりますか。
  108. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これはパンを主体にした要領だつたと記憶しておりますが、業者選定とかいうような場合に、競争入札をやつてもらいたい、できない場合は止むを得ないけれども原則的にそうして欲しいということが書いてあるはずでございます。
  109. 高田なほ子

    高田なほ子君 加工原則的の問題は入札にすべきであるということが、実施方針で明確に書いてあるわけですね、そうですね。
  110. 岩間正男

    岩間正男君 そうしますと、こういう点ははつきり今度の処置としては、この実施方針、こういう面からも破られておるということを認められるわけですね。文部省としては、競争入札であつたのに、関係方面なるものの推挙による、それによつて指名入札をやつておる。これは完全に、そういう完全実施方針を蹂躪するものだ、これは文部省としては認められることだと思うのですが、その点どうですか。
  111. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 大豆に限らず全体の放出物資関係はその都度特別のメッセージ、メモといつたようなものが出ておるのでありまして、先ほどの学童個人々々には場合によつて教育長からの委任状をとらなければいかんということについての理由も、文部省責任においてこういうふうにやれ、この問題を文部省責任においてこういうふうにやるという原則をきめますまでに、只今岩間さんのおつしやつたように、各学童からとるか、各教育委員長からそういうものをとるかといつたような論議は十分尽しての結果として、そういう形ができ上つておるのでございます。今度の競争入札の問題についてもいきさつとしてはそういう経過を持つております。
  112. 岩間正男

    岩間正男君 それは論議したとか何とかいうことは問題じやないので、それはやはり私のお聞きしておるのは、そういう方針を流して置いたのに文部省が破つた、或いは又外部の力によつて、或るものによつて破られた。そういうことが問題なんです。原則が破られたということが……、そうすると、これは実に単なる文部行政だけの問題ではないと思うのです。そういうものを絶えずいろいろな形で以て統一された方針として出されておる日本のやはり教育行政に関連した一つ方針というものは、絶えずそういう背後の力によつて混乱させられたこと自体は確認されなければならん。この点についてはどんなに占領治下の国民だとしても我慢できない。
  113. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ちよつとそれに関連して……、どうしても私は納得できないのですが、何ですか、文部省内においてもそれから文部省以外の政府部内においても仕事をやらせる場合入札制というものはとつていないのでしようか。
  114. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 原則的に入札という制度を全部とつております。それをあえて必要とするかせんかという特定の場合は、国の会計の場合でも、こうした経理の場合でも原則的には変つておりません。
  115. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その入札指定……、一つ業者を指定するということは常識考えられんと思うのですね、無制限に入札させてまずければ、普通の民間でも官庁でも、仕事をするときはその能力も調査して各方面から推薦があつた五つか六つか、そのあたりの業者を選択して、そうしてその業者に入札させてきめるというのが最も公明正大なとるべき途じやないかと思う。文部省といえども私はそういうやり方で来ておるんだろうと思うのです。たとえ関係方面から如何なる推挙があろうとも、文部省としては、政府としてはこういう基本方針で来ておるということを主張して、私はこれを容れられないということはないと思うのですが、そういうことを主張しなかつたんじやないんでしようか。せずに向うが推挙して来たからOKと言つて、その特定の一人の業者に大した調査もせずにやるということから、こういう事態が起るということは火を見るよりも明らかだと思うのですね。そこの私は認識というものは久保田管理局長にしては、どうして私はそういうことをやられたかと思つて、一番納得できないところなんですが、一体文部省の仕来たりというものは一体どうなんですか。
  116. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 文部省の仕来たりとしてこういう事例は全然ないのでございまして、そこで私が一番最初にお答え申上げましたように、この推挙の形なり、確認に私は粗漏があつたんじやないか。その部分が、今当事者がおりませんのと、そうしたその当時の関係の書類など一切が今ございませんので、そういう部分をすでに確認のしようがないというふうに非常に困つておるということを申上げたつもりであります。そこで文部省の態度としては、従来、矢嶋さんのおつしやる態度で進んで来ております。
  117. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう一点、局長は何ですか、関係官との交渉のときにそういうことを主張なさつたんでしようか、なさらなかつたんでしようか。
  118. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 関係官と申しますのは内輪の中でございますか。
  119. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ええ。
  120. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 内輪の中ではその点は十分申しておるつもりでございます。
  121. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 相手方に対してもどうですか。
  122. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 相手方の関係部分については、疎漏があつたのじやないかということを申している部分の、一番の焦点でありまして、どの程度に私がそこを確認したのかといういきさつの関係が、その当時の書類なり、そうしたものから私は今記憶を辿りたいと思うのでございますが、どうもその点が明確を欠いております。
  123. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 文部省内でも最も鼻つぱしの強い、筋金の入つた局長だと思つてつた久保田局長は……、その局長がそういう、私はあなたとしては失策だと思うんですよ。そういうもう失策をして、こういう事態が起つたということは、まあ優秀な局長個人としては猿が木から落ちたというような気がするのでございますが、私はその点については遺憾の意を表しておきます。
  124. 岩間正男

    岩間正男君 このCIEの方針であつたかどうかは確かめられる努力はされておつたと思うのですが、努力はされたのですか。
  125. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その点が先ほど申しました焦点でありまして、或る程度部下を信用し過ぎたということがあるんじやなかろうかということに帰するのでありますが、先ずこの点は今少し明確な事実が出て参りませんと私としても申し切れないという部分で、先ほど来申しますように、その部分部分として御猶予願いたいと思います。
  126. 岩間正男

    岩間正男君 当時の担当官は何というんですか、CIEの……。
  127. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これはCIEでありませんでESSでありまして、その当時の関係者は今こちらにもう……。
  128. 岩間正男

    岩間正男君 帰つたそうですな。
  129. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) おられません。そうした関係どもつて……。
  130. 岩間正男

    岩間正男君 ふざけている。こういう方針でですね。絶えずやはり日本の管理、占領政策というものは基本的にきまつたものを……、アメリカが好意的に与えてくれた物は末端においてどう実施されたかということについては、我々は国民的関心を持たざるを得ない。それをどのように文部省が受入れたかということは非常にこれは重要な問題であります。日本の自主性を守る。そういう点から考えましても、殊に教育に関する、これは学童のそういう利益に関する問題なんであります。そうするとこのアメリカの好意ということは本当に貫徹していない。そうすると、そこに両者の責任問題が発生すると思うんです。そういうものがないということは今後のこの調査の中で明らかにしたいと我々は思うのでありますが、本当にこれは残念なことです。こういう点については必ず関連かあると思う。それでお伺いいたしますが、競争入札をやらなかつたのは今の何でわかりますが、土屋の製造能力はどのくらいに……入札をされるときには製造能力についてはこれは明らかにしなくちやなりませんが、これはどのように明らかにされておりますか。
  131. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その当時私が確認しました記憶では全体の半分程度のものは消化できるものというふうに理解しております。それから商品についてでありますが、それから味噌についてはこれは初めから或る程度大部分地方業者を利用する、こういう建前に立つております。
  132. 岩間正男

    岩間正男君 その製造能力に関連しまして、これはほかに委託したりしただろうと思いますが、先ほどそういう点については、これは調査がありますが、どれくらいの価格で委託して、そういう点についてはどうなんですか。文部省はこれはあずかり知らないところですか。
  133. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 下請の関係がどういうふうになつているかということは、その下請の契約が向うでできますと私どものほうに一通り報告をしてくれろということにしておりまして、そこに妙な、先ほどの岩間さんのおつしやるようなピンはね、そういうものが不当に起らないようにという意味の取極がしてございまして、そういう商品については或る程度報告が参つていると思いますが、味噌は、先ほど来申しましたように或る程度仕事をやめております関係から、明確な数字などは明白に私どものほうに入つておらんだろうというふうに理解しております。恐らく今のところではそういう計数的に下請との関係を御説明できる段階に余り入つておらないだろうというふうに理解しております。
  134. 岩間正男

    岩間正男君 どれほど差額でピンはねをとつたかということは、これは今後の調査で明らかになることと思うのでありますが、文部省は、製造能力が、今いつたように醤油については半分しかない、味噌については全然ない、こういうものに請負わせて当然このようなピンはねが起るだろう、こういうことは容認したわけでありますか。
  135. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その面だけをそういうふうにおつしやると如何にもそのように見えますが、どの会社に持つて行つてもこういう種類仕事は或る程度下請に行くはずのものであるという前提はこれは許されるべきだろうと思います。醤油については特にどの会社よりも一番いいという会社を選ぶべきだという単純な観点でなくて、できるだけ問題を集約しようという観点から、この程度ならば一応容認できるのじやないかという程度に立つより仕方がなかつたかと思います。味噌只今のお話では零というお話でございますが、零というふうに私理解はいたしておりません。或る程度の消化力と申しますかがあつたと計算しております。そこで全部を消化させるという考え方でなくて、できるだけ地方に分散させるが正しいという意味で、下請を使うという前提に立つたことは間違いありません。
  136. 岩間正男

    岩間正男君 だから私はさつきから問題にしておりますように、全部総括してそこに注文する、こういうやり方に問題があるや今の一つの例でもわかります。それだけの製造能力がない、そういう会社は現実にない。そうしたらそういうところに一括注文を発注することによつて当然今のような事態が起るのです。起ることを文部省は一体検討しなければならんはずだ。検討して、本当に学童のために考えるなら、当然そのようなピンはねというようなものについては、これは厳重に起らないように、各府県に例えば分散させる、各府県別に行けば一応それだけの製造能力を持つた会社は出て来るのだ。それを総括してやつたからそういうような一つの企業的なものが入つて来たのである。そういうような企業的なものをそこに介在させるということは、これは文部省のこういつたやり方、そこに大きな問題がある。なぜ一括したかということにそれは戻るわけでありますが、その点を我々は了承できない。見て見ぬ振りをした、こうも言えるのである。これは我々は非常に不満とするところであります。とにかく資料としてはピンはねが一体どのくらいあつたか、これは少くとも文部省のほうで調べられて報告する義務があると思う。我々は一千百万の学童に代つて要求する——こういうことを申上げます。その次に大豆は全体で四千四百トンと聞いておるのでありますが、これを渡すときにロスをどの程度認められているか。
  137. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 輸送と選択と申しますか、ふるいにかけるというふうな一切を含んで五%だつたと記憶しております。
  138. 岩間正男

    岩間正男君 これはこの業者なんかのその後の言い分は五%では多い、三%で済むのだという話を聞いておりますが、どうですか。
  139. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) それらのきめ方については玄人筋と相当相談をし、研究もしたかと私は承知しておりますが、これは必ずしも大豆そのものを見ないで、抽象的に五%が普通である、三%が普通であるといつた形できめるわけには行かんかと承知しておりまして、日本の国内産のような場合では非常に比率が低くてよろしいそうであります。ああした品物の場合には、或る程度そういうロス比率は高いのだというふうに承知しております。
  140. 岩間正男

    岩間正男君 時間もありませんからそれではこのトン当りの値段、それから処分の仕方ですね、脱脂大豆にはそのうち全部使つたのですか、そうしてそれによつて又ロスが起つているのだろうと思いますが、そういうロスはどう見たか、それから味噌に廻した分はこの脱脂大豆のうち幾らである、そのうち醤油は幾らである。そういう点について資料を是非頂きたいと思います。  その次の問題は、資料としてお願いしたいのは、加工費の問題であります。加工費を幾らで一体渡したのか、大豆は幾ら、味噌は幾ら、大豆油幾ら、それから醤油は幾ら、それを学童渡しの単価、これはどうなんですか。大豆油の製造量とそれから単価、醤油の製造量と単価、味噌の製造量と単価、これがどうなるか。  それからその次にお願いしたいのは運賃関係であります。それで運賃は先ほどから言いましたように、会津若松というようなところに注文したために、いろいろ往復運賃、或いは貨車の停滞によるところの倉庫料、それから又そういう頻繁に輸送されたために当然起つておるところの荷揚げ料、荷下し料、こういうものは当然要るはずでありますが、こういうものは全体のコストの中で何%を占めておるか。幾らの額になつて、それが何%を占めておるのであるか、そういうことをこれは是非当然これに対する文部省の監督の立場から資料があると思いますので、これを出して頂きたい。  それから第五は、やはり下請けによるピンはね、これをどの程度文部省として見ておられるか、そうして普通の業者のマージンというものはどのくらいで了承されるものであるか、そのマージンの線を突破しているのであるか、していないのであるか。若し苛酷なマージンが、児童の利益のためにという名前の下に許されるとすれば、これは文部省の態度に対して我々は同調することができない、そういう点。それから現実的に原料は本当にこれは神戸から受取つたものであるか、或いは食管あたり一時立替えをしてやつたのであるか、こういう点は如何ですか。
  141. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 全部神戸で受取つたものでございます。
  142. 岩間正男

    岩間正男君 それについても、これは一つそういう資料を頂きたい。それから発注してから、いつどこへどういうふうに渡つて行つたか、これは引渡したのはいつ頃、それから各府県別の加工された場合の比較というようなものを当然これは文部省では問題にされたと思うのでありますが、こういう一括発注と、それから各府県別に分散して渡した場合の生産コストというようなもの、こういうものについて一応文部省は検討されたと思いますから、そういう資料についてお出し願いたい。時間の関係から私はそういう資料を細かに頂いて、非常に細か過ぎるようでありますけれども、こういう問題は、我々は学童の本当の利益という点から考えまして、恐らくものを言うこともできない学童のために、声なき声を代表して、是非これを明らかにしたい、それが我々の任務だ。こういう点から要求申上げたのでありますから、文部省も今後の日本の学童の利益のために、又殊にそのうちで一番根本になるところの占領治下に置かれておる日本の学童、これに対して文部省はどういう立場をとらなくちやならないか、文部行政はどういう立場をとらなければならないか。そうして又我々文部委員としてはどのような責任と義務を一体これらの日本の愛する子供たちに持つておるか。こういう観点から是非これは明確にしたいという決意を持つておるのでありますから、委員長におきましても、今申上げましたような資料を是非これは再提出頂いて、この問題を文部委員会で徹底的に明らかにされることを切望いたしたい。
  143. 高田なほ子

    高田なほ子君 最後に一つ聞き渡した点がありますが、入札制によらないと、これは当然見積原価生産制によつているわけですね。その場合に文部省としては、いわゆる加工並びに運賃、四千四百トンに対する加工運賃児童の一体負担というものの総額、その総額だけ私はお聞きして終ります。どういうふうになつていますか。できれば区分けにしてもらいたい。大豆は幾ら、味噌はどのくらい、醤油はどのくらい、計幾らというふうに、これは当然計算されなければこれは契約できない問題ですから、これだけはおわかりだと思います。それを一つ調べて下さい。
  144. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) これは私の承知しておりますところでは、大豆油一罐千円だつたと思います。それから醤油、これが千円、これは数字は違つておるかも知れませんが、味噌が五百円、それであと大豆粕が相当残る計算になつておりますから、この相当残りますものを処分しまして、学童に渡りましたときの値段をそれだけずつ償却して行く、安くして行くという計算の立て方をとるつもりで、まだこの部分には未解決の部分が残つております。どれだけの大豆粕が残るかによつて………。
  145. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちよつと違うですよ。それじやなくて、つまり加工運賃というようなものは、全部これは学童負担になるわけでしよう。その場合にどれだけ総額として学童負担しなければならないか、当然これはあれでしよう、見積原価計算制なら学童負担費というものはあなたのほうで組んでおられるはずだ。それによつて契約がされると思う。私は学童負担する総額並びにその内訳についてであります。ですからその数字だけちよつと言つて頂ければいい。若しここでおわかりになれば学童は一体総額でどれだけ負担するということで一つきめられたか、それだけでいいのです。
  146. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) いろいろな資料と一緒にその点も明確にさして頂こうと思いますが、最後に大豆粕はこれは必ず残ります。これの処分によつて負担がはね返つて来ますから、一千円と計算しておりますが、そのはね返りによつてはこれを八百円に、七百円に下げる。こういうような形で文部省の計算としては出て来るわけでございます。契約そのものが、一つ一つ契約そのものとしましては運賃が幾ら、加工賃が幾らという操作部分契約面で明確な数字が出て来るわけでありますが、私どもの資料でそういう点は明確にしたほうがいいと思いますから、そういうふうに御理解頂きたいと思います。
  147. 高田なほ子

    高田なほ子君 前回はこの点についてのたしかあなたのお話は、学童に無償でこの味噌醤油をやるために、その油を搾つた粕をどのくらい払下げるかということについては御研究になつたような御答弁つたと思いますが、そういうことはすでにあなたのほうでは計算されておるはずなんです。あとになつてからでないとわからないようなお話ですけれども、すでに計算済みだと思うのですよ。
  148. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) いやいや、この前申したときに誤解があるかも知れません。これは一々地方からこれだけ欲しい、あれだけ欲しいという注文を受けて、或る時期までに整理しないとその点は出て来ないのでありまして、初めから少くとも千円とか八百円とか、そういう一応の線は出すことはできます。併しこれは事実上需要の線を抑えた後、いよいよどれだけ大豆粕が残つた、これをどういうふうに処分するということで正式の正しい数字が出て来る。理窟の上でそうなるのでありまして、一応千円なら大丈夫、そのところまでは抑えておける。こういう点で今引取つておると思います。従つて直接幾らになるということはあとにならないとできませんが、運賃加工賃、そうしたものが契約面でどれだけかかつて、それが児童にどれだけ負担になるかということは一応の数字は明白になつておるのであります。
  149. 高田なほ子

    高田なほ子君 それでいいでしようけれども、どうもやつてからでなくちやわからないという御答弁は腑に落ちないのです。大体油を搾るときに搾油率は大体どのくらいで、残るのは大体何%だ。その残つたもののうちどれだけを醤油味噌にしたらば、このあとの払下げたその金で操作した場合に、この味噌醤油が非常に安くできるかということはあなたが見積る。これは原価計算制だから、そんなことは計算されておるのだから、児童負担総額というものはあなたはそらんじておられるのじやないですか。児童負担総額というもの、そういうものを聞いているんです。そういうようなことを操作されて来て、然る後に子供負担する総額というものは、これは一応ついておるものだと思うのです。それを聞いておるのです。
  150. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 一応の数字はできておるはずです。その結果が一罐千円とか、味噌の場合の五百円とかという数字は出ておるわけでありますから、その部分は計数として出て来ておるはずでありますが、私がここに持つておらんというだけであります。ただこれが実際の数字として児童にいよいよかかるかどうなるかという部分は、最後に残ります大豆粕の処分によつて千円が八百円になり、五百円が四百円になるという線が出て来るわけでありますが、その部分がはつきりいたしておりませんということを申上げておるのであります。現在油の部分を千円というふうに抑えておけば間違いない、それだけ計数がはつきりしておらないというのでございます。
  151. 高田なほ子

    高田なほ子君 醤油味噌契約が済んでいるのですから、大豆粕の処分がまだわからんということは私は納得されない。ここで押し問答しても仕方がありません。そういうところにやつぱり疑義があるのですよ。わかり切つたことがわかり切れないように御答弁になつていらつしやるので、これ以上追及しませんが、児童負担分についてはやはり資料を私はお願いいたします。
  152. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) それは私はわかるように申上げておるのです。資料を見て頂けば十分おわかりになつて頂けると思いますが、大豆粕を償却することによつて金を児童にできるだけ還元しようという考え方をいたして偏りますから、その結果差して大豆の油の値段も下げなければなりません。味噌醤油の値段も下げなければなりません。そういう部分をどれだけ下げて行くということがまだきまつておらんのであります。
  153. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 皆さん御質問ございませんか。私からも、岩間君の資料を要求しましたことに関連して一つだけお願いしたいと思います。それは先ほどから各委員の質疑について久保田局長答弁が明瞭を欠いておるのでありまするが、四千四百トンのこの物資が神戸に陸揚げして、会津若松の太平油脂に全部それを輸送されたのかどうか。これは非常にけしからん問題だと思うのであります。運賃なおについて、一学童負担をかける点が非常に加重される。事実、全部、太平油脂に輸送されたのか、或いは一手に引受け五太平油脂の指示によつて神戸から各方面の工場に輸送されたのか、この点一つ今明確にできればして頂きたいと思います。或いは何トンは京都、何トンはどこそこというふうに詳しく一つ説明願いたい。  それからもう一つは、関係筋の推挙による太平油脂、これに対する調査が疎漏であつたように思うのでありますが、私は甚だ含みのあるような意見に聞くのでありますけれども、若しそれを拒否すればその物資文部省としては受入れることができなかつたのかどうか、そういう点も明らかにして頂きたいと思います。
  154. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 第一の点は私の今承知しておりますところでは、四カ所に、神戸地域に一つ、関西地域に一つちよつと資料を持つておりませんのでよくわかりませんが、それから神奈川地区に一つ、それから残りの部分の大部分が会津若松に運んであつたと思います。これはプール計算のやり方ということを御理解頂けると、或る一カ所に集中するということが、そう不合理なものでないことが御理解頂けると思います。これは資料で報告したほうが明確になろうと思いますが、それまで留保させて頂きます。  第二の関係筋の推挙のときの条件の強さの問題でありますが、その当時私が確認いたしました程度では、これが条件になつてつた。而もそのやり方については文部省に任すからという筋合いのことがあつたことを記憶しております。その点は私が部下を信用し過ぎた、関係者を信用し過ぎたとかいう点について疎漏があつたものと、自分では今考えているわけでありますが、その強さの部分についての程度は、これを油欲しさに、或いは大豆欲しさに私が動いて来た、動かされて来たということは、実は私は自認せざるを得んと思つております。
  155. 高良とみ

    高良とみ君 私も全貌はよく呑み込めないのでありますが、学童へ金を返すと言いますが、学童がその輸送費、加工費を払つたのは、幾らかずつ払つて集めたのですが、その生徒の中にはもう卒業していない人もあるというふうに考えますが、どんなふうに学童に還元する御意思があるのかどうか。学校施設に返されるのか、一体どういうふうになさるおつもりであるかわからないのですが……。
  156. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 只今この問題だけに限つて申上げますと、或いは夏前から只今にかけて経過している仕事でございますので、直接今、現在の学童給食費負担、その上に増減の形で返つて行くことになります。ああいう年度を越しましたような種類のものになりますと、直接に個々の学童を離れて、大部分給食会、地方単位給食会というものがありますが、或いはPTAといつたところで多少そこにからみが出て来ることがあり得ると思います。
  157. 高良とみ

    高良とみ君 これは先ほどから高田委員から御質問が出ておりますが、その大豆粕なんかの単価がわからない、価格がわからないということは、急速にやつて行けばもうわかる時期ではないかと思いますが、それがどうして今に至るまで検察当局の手に入つていながら、それを決算するという努力が払われていないということがわからない。
  158. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私どもは日夜その点に苦心しているのでありますが、何しろ直接の責任関係者が全部今拘束されておるような形にありますために、地方の下請業者の動きが全然とれないという事実上の問題がございまして、そのためにものが動かせられない、そういう部分から来る事情の不都合なために動かぬ部分がある。動かせる部分については毎日苦心して動かし棄ておりますので、だんだんはつきりして来ると思いますが、どれだけの大豆粕をこの際処分して、それをその部分の金を学童に返して行けるかという一番の基本線であります地方部分が動かない状態にあるというために動けないのであります。
  159. 高良とみ

    高良とみ君 大体の状況は御説明通り考えられるのでありますが、文部省が今後そういうことに対してなさるときは、教科書の配付でも何でも、すべて児童のことでは非常に零細なものが問題になるのでありまして、国のすることに対して児童が信用を置くかどうかということにかかつて来るのでありますから、そういう検察の手に入らないうちに、初めからわかつてつたと思われる点が非常に不明瞭であつたと思いますので、私もほかの委員の御要求の資料に添えまして、細かい初めの計画はこうであつて、条件はこうであつたという、何某に何の手紙が来て、誰にこういう事情であつたということの顛末ははつきりできるということを敏速に御報告願います。ここで調べておりますことは別に検察当局の調べるのとは違つて、要するに罪を誰に被せるとかというようなことよりも、事の明瞭……、又信用をおいて、今後文部省がそういうことをなし得るか否かの能力及び誠意というものを見たいと思うのでありますが、どうぞ御提出願いたいと思います。
  160. 岩間正男

    岩間正男君 一つお聞きしておきたいと思うのですが、十七日に翌月課長が辞職したというのは事実ですか。
  161. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 土曜日でしたから、十七日だつたかと思いますが、事実でございます。
  162. 岩間正男

    岩間正男君 どういうことですか、名目は。
  163. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 私の承知しておりますことは、大豆問題について私と同じような、只今申上げましたような確認といつたような線について責任を彼も痛感いたしております。今一つは、お説の通り給食仕事が、只今申しました仕事自身の処理もございますし、又その他、仕事が来年度の計画になりますが、いろいろ予算的な用意、そうした部面をこの際私どもとしては一生懸命にやらなければならぬ大変大事な時期にございます。そういうような部面に、そういう形態のままで仕事を進めて行くということは、その仕事自身を進めることも彼自身も大変だという状態になつたように自覚いたしておりますし、本人もそういう部分について責任を感じておりまして、この際いろいろな意味で、この上、文部省に迷惑をかけ、又児童に迷惑をかけることは忍びないので、どうか新らしい人にそういう部分仕事を一生懸命にやつて頂いて、むしろ自分はそういう関係から外して頂きたいという申出があつたわけでございます。かれこれ考えまして私もそれがよかろうというふうに考えた次第でございます。
  164. 岩間正男

    岩間正男君 責任を痛感してやめたのでございますね。
  165. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは皆さんにお諮りいたします。資料の問題もありますので、この問題は今日はこの程度にとめて、次回は二十七日火曜日午前十時、請願陳情の後、久保田局長、文部大臣の出席を求めて更に続行いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  167. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 速記を始めて……、それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時五十八分散会