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1951-11-26 第12回国会 参議院 農林委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十六日(月躍 日)    午後一時三十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            片柳 眞吉君            山崎  恒君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            北村 一男君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            松浦 定義君   委員外議員            野溝  勝君   国務大臣    農 林 大 臣 根本龍太郎君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    農林省蚕糸局長 青柳 確郎君    食糧庁長官   安孫子藤吉君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   説明員    通商産業省通商    化学局化学肥料    部長      柿手 操六君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○蚕糸対策に関する農林大臣への申入  れの件 ○繭糸価格安定法案内閣提出、衆議  院送付) ○農林政策に関する調査の件  (肥料に関する件)  (米麦の統制に関する件)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。  去る二十二日の農林委員会の決議によつて蚕糸対策に関して政府申入れ、更に糸価安定特別会計法案に関し大蔵委員長申入れを行なつたのであります。その申入れ専門員から朗読させることにいたします。    〔安樂城専門員朗読〕   昭和二十六年十一月二十二日         参議院農林委員会  内  閣  総理大臣 吉田  茂殿  大蔵大臣 池田 勇人殿  農林大臣 根本龍太郎殿     蚕糸対策に関する申入れ   今国会に政府から提出せられている「繭糸価格安定法案」は目下当委員会において審議中であるが、本法律案は題名が「繭糸価格安定法案」となつておるにかかわらず繭価格の安定については單に第十條一ケ條を設けたのみで、しかもその内容は極めて空漠抽象的なものであつて繭価の安定は糸価の安定によつて間接的安定を期待しておるに過ぎず何等実質的積極的措置規定せられていない。かくては蚕糸対策の基礎をなす養蚕対策の、しかもその基本である繭価の安定については意が用いられていないのではないかと疑われ、繭価の安定に関する政府方針如何が本法律案成否の鍵となつている。   繭価安定のためには繭価低落に備えて生産費を保障する価格を以て政府生産者の申出によつて無制限に買上げる価格支持政策の確立が先決であるが、財政上等関係から今直ちにこれを実施することが困難であるとすれば能う限り近い機会にかかる施設実施することとなし、差当つては、本法律案第十條の規定による繭価低落を防止する措置として、政府において糸価決定するに当つて必ずその中に占める繭価を明示すると共に適正な繭価を支持し得るよう、繭の市価がこの適正価格を下廻る場合には、政府乾繭保管その他繭価支持のために必要な資金を確実充分に融通し、且つその利子及びかかる措置を採ることに伴つて必要な諸経費補助等最善の方途を講ずると共に、繭価の安定と表裏の関係にある、養蚕業振興及び養蚕農家の保護のため、繭生産の増強及び生産費の引下げ、乾繭及びこれが保管設備の拡充。組合制糸の育成その他繭取引合理化竝びに生糸需要増進等について政府の思い切つた施策を必要とするにかんがみ、これ等の事項実施に関する政府方針とその決意を当委員会において満足できるように表明せられたい。   なお右に関連し糸価安定特別会計法案八條による差益金右蚕糸対策に支出するよう充分に考慮せられたい。   右は「繭糸価格安定法案審議の都合があるから、速かに取運ばれ、且つ閣議にはかり政府の責任を明かにされたい。  参農院一二第一二号   昭和二十六年十一月二十二日       参議院農林委員会        委員長 羽生 三七  参議院大蔵委員会   委員長 平沼彌太郎殿     糸価安定特別会計法案に関し依頼の件  糸価安定特別会計法案については当委員会としては次のような取扱を希望しておりますから格別の御配慮を煩したく  右御願い致します      記  一、第四條の歳出中に「繭糸価格安定法案」(原案)第十條の「繭の価格の異常なる低落防止のため行う必要な措置」の目的を達成するための経費を追加すること  二、第八條の「利益金による積立金」は損失補てんのみならず繭糸価格安定法運用に必要な一般事業資金にも充当し得ることとすること
  3. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 続いて先ほどの蚕糸対策に関する申入れについて農林大臣からこの委員会宛回答がありましたので、これを朗読いたさせます。    〔安樂城専門員朗読〕  二六蚕第一五三五号   昭和二十六年十一月二十六日       農林大臣 根本龍太郎  参議院農林委員会殿     「蚕糸対策に関する申入」についての回答  「繭糸価格安定法案」の審議に関連し、昭和二十六年十一月二十二日付をもつて、貴委員会より「蚕糸対策に関する申入」に接したが、政府はもとより繭価の安定に関して深い関心を抱き且つこれが実現について最大の努力を傾注する意図を有するものであるが、なお、御申入の諸点については左記の通り措置致す所存であるので御了知せられたい。      記  一、糸価の中に占める繭価の明示については、当事者の希望に応じ妥当な方法を考え審議会にも諮問した上で善処したい。  二、乾繭保管その他繭価支持のための必要な資金の融通については御趣旨に添うように努力致したい。  三、利子その他の諸経費補助については、今直ちには困難と思われるが、将來情勢を見て必要に応じ善処致したい。  四、養蚕業振興等の問題については本年五月策定した「養蚕業振興緊急対策」に基いて着々実施中であるが、なお一層これらに関する施設の強化を図つて参りたい。  五、特別会計利益金の使途については、繭糸価格安定制度目的に添い蚕糸業振興を図り得る様に考慮して参りたい。  なお、本件については大蔵省と協議済みである。
  4. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこの件について農林大臣から発言せられます。
  5. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先般申入れ頂きました蚕糸対策に関する申入れにつきましては、只今朗読して頂いたような諸項目について政府は善処いたして委員会申入れの点を実現いたしたいと存じます。何とぞ今後につきましてもこの繭糸価格安定に関する法案について、慎重御審議の上、御賛成のほどを特にお願いする次第でございます。
  6. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  7. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて。それでは繭糸価格安定法案議題にいたします。質疑は先日終了いたしたものと了解いたしておりますので、質疑を終了して討論に入ることに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶあり〕
  8. 羽生三七

    委員長羽生三七君) これではさようにいたします。御意見のおありのかたがたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたら修正案文及びその修正理由討論中にお述べを願います。
  9. 小林孝平

    小林孝平君 私は只今議題になつております繭糸価格安定法案について修正案提出いたしたいと思います。最初修正案を朗読いたします。     繭糸価格安定法案に対する修正案   繭糸価格安定法案の一部を次のように修正する。   第三條第一項中「生糸価格、繭の生産費生糸製造及び販売に要する費用主要繊維価格並びに物価その他の経済事情を参しやくして」を「繭の生産費の額に生糸製造及び販売に要する費用の額を加えて得た額を基準とし、主要繊維価格及び物価その他の経済事情を参しやくして」に改める。   第九條中「生糸輸出」を「生糸生糸加工品を含む。)の輸出」に、「生糸輸出」を「生糸(その生糸加工品を含む。)を輸出」に改める。   第十七條中「前條」を「前二條」に、「同條」を「各本條」に改め、同條を第十九條とする。   第十六條第一号中「第十二條第一項」を「第十三條第一項」に、同條第二号中「第十三條第一項」を「第十四條第一項」に改め、同條を第十八條とし、同條の前の見出しの次に次の一條を加える。  第十七條 第十條第一項の規定に基く政令規定に違反して契約し、又は対価を支払い、若しくは受領した者は、一年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれらを併科する。  2 前項の政令改正廃止又は失効の時までにした行為に対する同項の規定の適用については、なおその改正廃止又は失効前の例による。   第十五條第二項中「関係行政庁職員及び」を「養蚕業者制糸業者その他」に改め、同條を第十六條とする。   第十條を第十一條とし、以下第十四條までを順次一條ずつ繰り下げ、第九條の次に次の一條を加える。   (禁止価格をこえる契約等禁止)  第十條 政府は、不当な利益目的とする買占その他の行為により生糸価格が異常に騰貴し、又はそのおそれが著しい場合においてこれを防止するため必要があると認めるときは、第七條規定する生糸売買取引につき、政令で、一定の価格(以下「禁止価格」という。)をこえる価格による契約又は対価の支払若しくは受領を禁止することができる。  2 禁止価格は、標準生糸についてはその最高価格を下らない額とし、その他の生糸については標準生糸禁止価格政令で定める額を加減して得た金額とする。  以上が修正案内容であります。これにつきまして若干の御説明をいたしたいと思います。  最初に第三條の修正でありますが、第三條は最高価格最低価格決定する規定でありまして、極めて重要なる事項であります。原案はその表現があいまいでありまして、本來ならば最高価格如何ように、又最低価格如何ようにきめると分けて書くべきであろうと考えるのであります。又「政令で定めるところにより、生糸価格、繭の生産費生糸製造及び販売に要する費用主要繊維価格並びに物価その他の経済事情を参しやくして」と書いてありますが、これは單に項目を羅列したにとどまりまして、具体的ではなく極めて表現が不明確であります。このような書き方をしたのは、恐らくいろいろの関係から、できるだけ幅広く解釈できるようにしたいとの意図に出たものであろうけれども、この規定重要性から考えまして、もう少し価格決定の基本的の方法をはつきりとわかるように書かなければならんと考えるのであります。併しできるだけ修正を小部分にとどめたいと考えますので、今申した前段の最高価格最低価格を分けて書くということはこの際触れませんが、後段の点については、この法律目的一つ蚕糸案の安定を図る、この点から見ても当然価格決定の基本的な考え方としては、繭の生産費を償い得るようなきめ方でなくてはならないのであります。從つてこの部分修正いたしまして、「繭の生産費の額に生糸製造及び販売に要する費用の額を加えて得た額を基準とし、主要繊維価格及び物価その他の経済事情を参しやくして」と具体的に書くべきものだと考えまして、このように修正したものであります。なお念のために申上げておきたいのは、主要繊維等のうちには生糸を含むことは勿論であります。  次は第九條中の「生糸輸出」というのを、その(生糸加工品を含む)というように修正したのでありまするけれども、これは生糸加工品である織物輸出が相当量ありまして、又生糸として輸出するより織物として輸出したほうが有利でありますので、この原案修正いたしましてこのように改めたわけであります。  それから次に多少前後いたしまするけれども、第九條の次に新たに第十條として一條加えました。(禁止価格をこえる契約等禁止)の條文であります。この説明を申上げます。只今生糸需給関係から見ますと、三十億円の特別会計では価格変動を抑えるのに十分でないと考えられるのであります。若し政府手持ち生糸の少いとき、又はこの法律発効早々であつてまだ政府生糸の買上げを行わず手持ちが全然ないときにおいて、投機を目的として価格の吊上げが行われるような場合には、本法案ではこれを抑えることができないので、この禁止価格規定を設け、これを防止することにしたいと考えまして、この一條を加えることにしたのであります。この條文につきましては新たに十七條一條加えまして罰則を設けたわけであります。  それから次は原案の第十五條審議会規定でありますが、これを修正することにいたしたのであります。この審議会規定は、原案では「委員は、関係行政庁職員及び蚕糸業に関し学識経験のある者のうちから農林大臣が任命する。」ことになつておりまするけれども、関係行政庁職員をこの際削除いたすべきであると考えておるのであります。その理由は、実際問題として、関係行政庁職員審議会に対しまして資料の提供、或いは参考原案提出等を行うものであります。その説明等を通じ十分に意見開陳機会もあるのでありまするから、特に委員として加わる必要はないと考えるのであります。このような審議会設置理由からいたしましても、委員民間人を以てしてその意見を十分尊重するという建前をとるべきものと考えましたので、この行政庁職員委員にすることを削除したわけであります。又原案は單に「蚕糸業に関し学識経験のある者」とありますが、これは当然養蚕業者製糸業者の代表を加えるべきものでありますので、この点を修正したわけであります。  その他は以上申上げた修正伴つて條文を整理したのであります。  以上修正案説明を終ります。
  10. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 私は本法案並びに修正案賛成をいたしたいと思います。それに対しまして順次意見を申述べたいと思います。  今度の法案内外共に待望の法案でありまして、これを実施いたしましたならば、必ず内外共に非常な蚕糸業一つの転機を与えて好感を以て迎えられることと存ずるのであります。なおこの修正案そのものに対しては賛成をするものでありますが、ただこれの運用に対しては非常な注意を要するものであると私は存ずるのであります。  第一番に三條の修正であります。これはコストを先ず出して、そうしてこれは繊維価格並びに経済情勢を睨み合せて適当なる価格をきめるということなので、頗る適当であると考えるのでありますけれども、ただ問題はこれは運用面において非常に重大な問題である。なぜならば、生糸そのもの国内だけでの商品でなしに世界的な商品でありまして、若しこの運用を誤りますと、輸出を阻害するだけでなしに、蚕糸業を著しくこれは萎縮せしめるような結果を生ずるからであります。なぜならば生産費価格でいわゆる正札付のようなことでは、海外に生糸というものを思うように輸出を増進させるということは非常に困難であります。それでありますから、こういうふうに修正されましても、これを運用する上においては飽くまで生産費を尊重して、そうしてそれに生糸自主性というものを無視しないように、無論生産者生産費というものを飽く事で尊重することは当然でありますけれども、それかと言うて非常にこういう奢侈的な品物を高い価格で、ともかく引合えばいいというような行き方にしますと、これは自主性に副わないことになつて、結局蚕糸業が萎縮する、又輸出は極めて減つて來るというような結果を生ずることが非常に心配でありますから、いわゆる繭の生産費並びに生糸生産費を飽くまで尊重すると同時に、生糸自主性をよく把握して価格決定をして行くことが非常に必要である、こういうふうに私は考えるのであります。それから今度新らしく修正案として十條を加えられたことに対しましても、これも非常に運用ということが大事な問題でありますから、飽くまでこれは伝家宝刀的性質を以て運用されないと、いわゆる業者売買契約を徒らに阻害をしたり、或いはこれを禁じたりするようなことになるのでありますから、飽くまでこれは伝家の宝刀的な考えを以て、よく自主性であるかないか、或いは人為的相場で一部の業者の暴利を貪らんがためになす相場であるかないかということを十分見極めてこれを実施するようなふうにしてもらいたい。そういう点で私はこの修正案は非常に適当であるけれども、運用面に対してそれらの点を希望を附けまして、そうして本案賛成したいと思うのであります。
  11. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私も数点の希望意見を附けまして只今小林委員修正案賛成し、修正個所以外は政府原案賛成をいたすものであります。  希望意見の第一は、この法案繭糸価格安定法となつておりまするが、委員会審議でしばしば御意見が出ましたように、繭の価格安定につきましては具体的な方策が法案には規定されておらないのでありまして、そういう意味で当委員会から申入れをいたしました蚕糸対策に関す申入れにつきまして、政府が誠意を以て且つ可及的速かにこの申入れ事項実現してもらいたいということを強く要望いたしたいのであります。特に來年度予算の編成時期も始まつておるのでありまして、これに乘り遅れませんように、來年度からできるだけこの申入れ事項が具体化するように、特にこれは希望をいたすものであります。  それからその次の希望意見といたしましては、審議の際に質問もいたしたのでありまするが、蚕糸業対策食糧の増産なり、広くは農業生産との関連が未だ必ずしも消化されておらない感じがあるのでありまして、やはり食糧増産との関係をよく考えられまして、合理的な蚕糸対策或いは価格安定の対策をとつて頂きたいという点が第二点であります。  それから第三点は、只今白波瀬委員からも御意見がありましたが、繭の生産費につきましては、これは私やはり生産費を完全に見てもらいたいということを希望いたしまするが、併しこれはやはり外国へ対する輸出関係もございますので、繭の生産費合理化、或いは製糸関係コスト合理化には、今後一段の努力をして頂きたいということと、もう一つ米価審議会で、最近米価小委員会で非常に精密な米の生産費調査方式を検討いたしたわけでありますが、これが米価審議会でああいうような合理的な方式生産費を計算するという方針がきまりました場合におきましては、繭の生産費算定におきましても大体これに準じて生産費算定をとつて頂きたい。これは同じ農産物でありますから、米麦と繭と生産費算定方式が違うということは、これは非常に不合理でありますから、米価算定方式に準じて繭の生産費算定万式もやつて頂きたいということを第三点に希望いたすのであります。  それから最後には、この差益金蚕糸業に使うということは、先ほど大臣からもお話になりましたが、三十億の資本につきましても、これは今後の生糸価格の上昇なり、或いは我々が言つておりますところの生産費をカバーするというような観点からしますると、三十億ではやや足りないというような感じがいたすのであります。そういう意味で、來年度予算におきましても、三十億という金額に固定せずして、この安定施設が完全に運用できまする程度に一般会計からの繰入れを是非実現をして頂きたい。  以上四点の希望をしまして賛成するものであります。
  12. 山崎恒

    山崎恒君 私も本法案只今小林委員から修正されました点を賛成いたしまして、その他政府提案に対しまして賛成の意を表するものでありますが、その他白波瀬委員、或いは片柳委員から説明されました希望意見に全く同意であります。  この際ただ一つ意見を申上げておきたい問題は、この法律がおよそその題目と養蚕農家の繭の価格というものとマツチしなかつた点が論議の的になつておるのでありますが、修正個所によりまして、いささか繭の生産費の額を基準にするというような字句の修正によつて、幾らか養蚕農家に不満足ながら同意して頂くというような線が出て來たのでありますが、只今申されたように、三十億の金によつて養蚕農家の満足する価格の操作ができるかどうかということが誠に疑問であります。よつてこの三十億の問題に対しましては、当初から委員会において論議されたように、なお相当額の要求を政府において措置するようなことを希望條件といたしまして賛成するものであります。
  13. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 他に御発言はございませんか。御発言がなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは討論は終局したものと認めて繭糸価格安定法案について採決をいたします。先ず討論中にありました小林君の修正案議題にいたします。小林提出修正案賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  15. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 全会一致でございます。よつて小林提出修正案は可決されました。  次に只今採決されました小林君の修正にかかわる部分を除いて内閣提出にかかわる繭糸価格安定法案全部を問題にいたします。修正部分を除いた原案賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立
  16. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 全会一致でございます。從つて本案全会一致を以て修正議決決定いたしました。  なお本会議における委員長口頭報告内容等は、いつもの慣例によることを御了承お願いいたします。  なお多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     小林 孝平  岡村文四郎     門田 定藏  飯島連次郎     三橋八次郎  松浦 定義     北村 一男  山崎  恒     片柳 眞吉  溝口 三郎     瀧井治三郎  白波瀬米吉     宮本 邦彦  赤澤 與仁     加賀  操  江田 三郎    池田宇右衞門
  17. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後二時九分速記中止    ——————————    午後三時八分速記開始
  18. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは速記を始めて。この際野溝議員が、一つは請願の件につき、一つ肥料の問題について委員外発言を求められておりますが、御了承をお願いいたします。
  19. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) 本委員会の多忙の際に委員外質問を申込みまして御了承を得ましたので、この席をお借りいたしまして一、二の点を御質問いたしたいと思います。  先ず第一点は肥料問題に関してでございますが、聞くところによると、肥料の二十六年八月から二十七年七月までの間における需給計画政府は一応発表されておるのでありますが、この際にその需給計画既定方針通りであるかないかという点について一応お聞きして見たいと思います。
  20. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 今年の八月から來年の七月までの二十六肥料年度肥料需給計画でございまするが、当初、今年のこれは四月でありますが、電力の一カ年間の割当計画をいたしました当時における肥料需給計画は、先ず窒素肥料のほうから申しますると、硫安石灰窒素を合せまして、硫安に換算して二百十四万四千トン、過燐酸が百六十トンという生産計画になつておるのであります。そこで大体その当時から見通しますと、今年の七月未には相当のストツクが今年の八月以降に持越される見込でありましたので、窒素肥料で二百十四万四千トン、過燐酸で百六十万トンの生産を計画いたしますれば、国内のほうは勿論、東南アジア友邦諸国からの切実な要請に対しましても或る程度応じて行けるという見込を以て計画したのでありますが、今年の六、七月の頃におきまして予想以上に農村と申しますか、一般の商人と申しますか、需要がありまして、七月末の在庫は当初考えておりましたものより相当減つて参つたのであります。一方におきまして台湾、フイリピン、朝鮮、沖繩等非常に肥料不足で以て輸出の要請が高まつて來たのであります。そこで九月になりまして窒素肥料二百十四万四千トンに更に十五万トンの増産計画を立てまして、そうして十五万トンの窒素肥料のうち十万トンを東南アジア諸国の友邦に対して出そうという方針をきめ、燐酸肥料につきましても百六十万トンを十万トンほど余分に作るという計画に改訂いたしました。その十万トンを友邦諸国に出そうという方針をきめたのであります。それに必要な窒素肥料につきましては電力の追加割当、燐酸肥料につきましては売価の増額を計画いたしまして燐鉱の輸入計画も立てたのであります。さようにいたしまして八月以降のその計画に基く生産の状況でありますが、九月の末から十月の初め、ルース台風のあります頃までの約半月ばかりというものは、非常な最近では稀な濁水がありまして相当の減産をいたしたのでありまするが、幸いにルース台風をきつかけといたしまして、その後雨が多うございまして電力事情も漸次改善をされまして、実績で申上げますというと、窒素肥料は八月、九月におきましては計画より約一万一千トンの増産をいたしました。十月は計画に対しまして約二万三千トンの減産をいたしたのであります。從つて八、九、十、三月間を通算いたしまして二万二千トンの減ということであります。この二万二千トンの三月間の減産は、当初の二百十四万四千トンの計画に十五万トンを足しました二百二十九万四千トンに対する二万二千トンの減産でありますから、今後はどうなるかということによつて、この計画がどうなるかということになるのでありますが、十一月は二十日頃までの模様から申しますと、大体計画通り生産が行われそうであります。十一月以降、一番心配なのは來年の二月頃までなのでありますが、この間におりましても肥料国内需要ということは勿論のこと、この東南アジア諸邦に対しましても約束の数量は何とかいたしまして出したいということも強いのでありまして、電力制限をやります場合においても、肥料については制限をまあ殆んどしないというような取扱をやることに公益事業委員会とも話をいたしておりまして、大体その方向で進むものと思うものでありまして、非常な天災的な渇水がない限りにおきましては、国内需要及び海外に対しまして大体約束をいたしております肥料輸出にも事を欠かさずに行くんではないかというふうに考えております。燐酸のほうは、これは一番問題の電力の消費が非常に少いのでありまして、問題は燐鉱さえあればできるというのであります。このほうは極めて順調に優先的に外貨を割当てまして入つておりますので、これは万々問題はないと思います。現に八、九、十の実績におきましても、計画に対しまして約六千トンの増産をいたしておるというような実情であります。
  21. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) 只今肥料部長の答弁でございますが、大体今需給計画から見るというと思つたよりもまあ増産が存分に行かんというふうに私は聞いております。電力事情その他で需要見込が東南アジア方面から多くなつて、いわばその生産需要との計画が初期計画とは一致しないというようように私は聞いております。私自身の調査によりましても、さように思います。そこであなたの御答弁の中で九月、十月のルース台風によつて二万二千トンくらいの減産、併し十一月は大体の予定通り行くのじやないかというあなたの御指摘ですが、事実ですか。
  22. 柿手操六

    説明員柿手操六君) これは十月三十日を過ぎて見ないとこれははつきりはお答えできないのでありますが、二十日頃までの各社の報告を総合して見ますと、推定は大体そう大したひどい減産がなくて済むのじやないかと、かように推定をいたしております。
  23. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) 丁度農林政務次官も來ておられますので、この際政務次官にも御質問をいたしたいと思いますから、さよう御了承願いたいと思います。そこで私はお聞きをするのでありますが、今のような、大体当初予想とは完全に生産が行かないというときに、依然として海外の輸出に対しましては既定の方針通りをどうしても輸出しなければならんという御意思でありますか、或いは内地の需給関係と睨み合せまして、從來の計画だつた輸出に対しましては加減しようという御意思なのですか、その点を一つ肥料部長からいま一度お聞きしておきたいと思います。
  24. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 肥料輸出に関する事柄につきましては、現在のところは多少時期は遅れましても既定の方針によつて国内の需給上差支えないという見方を持つております。
  25. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) 農林省のほうはメーカーでないからそのくらいの答弁しか仕方がないだろうと思うのですが、メーカーを指導している通産省当局の意見ですが、先ほどそのほうの話を聞きますと、私はどうも不安が伴うわけなんです。今後とも電力関係がそう存分に行くとは思いません。そうしてほかの軍拡の工業などに相当電力も取られますので、存分に行かんと私は思つておるのです。さような点から見ると、あなたがたが最初計画した九十三万トンを輸出に充てようというこの計画が、かような情勢になつてもそれを輸出しようというのか、さような場合には国内需要量だけを優先的にして、これを抑えようとするのか、この点をはつきりしておきたいと、こういうのが私の質問の要旨なのです。
  26. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 勿論国内需要量というものを優先的に考えなければならんと存じまして、それでは輸出の要請に応えられないというような当初の計画でありましたので、十五万トンの増産計画を立てまして、十五万トン増産計画の全部でなく、そのうちの十万トンを輸出するという計画にいたしたのであります。かようにいたしまして、その十万トン輸出の枠につきましても、輸出する時期につきましては、これは二万トンはすでに台湾、フイリピンの確実な所はきめましたけれども、そのほか八万トンについては全然いつ輸出するということは決定いたしておらないのでありまして、御指摘のように、電力事情その他と睨み合せて、国内に支障のない時期に出す、増産と睨み合せて出すというふうにいたしたいと考えておるのであります。
  27. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) そこで政府当局にお伺いするのですが、政府といたしましては、この割当計画というのをそれぞれ明確にしたわけだと思いますが、この点は間違いありませんか。
  28. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 電力の割当が四半期ごとになつておりますので、來年の七月までの割当計画は私どもの手許にありますが、今現実にメー力ーに対しまして、電力とこれに伴う生産の責任量というものは、第三四半期の十、十一、十二月の三月は行つておりますが、第四四半期の電力計画をする場合に、やはり一、二、三の三月の電力の割当及び肥料生産の責任量を指示いたしたい、かように考えております。
  29. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) そうすると、二十六年の八月から、本年の生産予定計画ですが、二百十四万トン、そのうち東北肥料はどのくらいの割当をいたしておりますか、ちよつとお伺いいたします。
  30. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 只今ここに工場別の割当の数字を持つて参りませんでしたが、大体東北肥料は月五千トン程度だと記憶いたしております。
  31. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) そこで私は更に政府にお伺いするのですが、東北肥料の五千トンは、これは月産高……。
  32. 柿手操六

    説明員柿手操六君) そうです。
  33. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) 割当をしておきながら、東北肥料がまだ一カ月に亘つて争議を続行しておるわけです。私昨日帰つたばかりでございますが、この東北肥料の月産五千トンの生産割当を受けて生産をしなければならん、この重要な時期に当りましてですよ、ストライキをもう一カ月やつておる。それであなたのほうの割当計画が一体実行されますか。私は肥料部長を何も追及したいとか何とか、そんなことは思つておりません。これは私は重要な段階にあると思う。というのは、この電力をですね、今東北肥料が現在廻しておる、青森にある会社に廻しておる、こういうようなことをして果してあなた今農民の大事な肥料需給計画が、春肥の割当を急いでおる際に、一体かようなことで政府の計画通りに乘るか、乘らないかということは私は非常に不安を持つておる。そこでこの問題の経緯について私は調査をいたしました。で、労働組合のほうは何とかして早く生産を上げたいというわけで、これは賃金問題からストに入つておるのでありますが、今日は細かいことは申しません。数字的の細かいことは申しません。労働組合の要求がどう、会社の利益がどうという細かいことは申しませんが、一応私はそれらの需給関係から見てゆるがせにすべからざる重大な問題でありまするが故に、この委員会のお忙しいところを煩わして委員外質問を許してもらつたのですが、これは一つ当局において考えてもらわんことには、全農村に大きな影響をもたらしますし、更には言うまでもなく、生産上にも大きな支障を來たす虞れもございますから、こういう点について当局は何か事情を聴取しておりますか。聴取しておるとしたならば、それに対しまして何か手を打ちましたか、この間の事情について一つお答えを願いたいと思います。
  34. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 肥料生産確保が非常に重要な際に、東北肥料が先月の二十九日の朝から争議に入りまして工場を全体いたしましたことは、誠に遺憾なことであります。我々どもといたしましても、非常に今心配をいたしておるのであります。これにつきましては、労資の賃上げ要求に対する意見が相当に食い違つておりまして、なかなか妥結に入らないのでありますが、私どもとしては何とか一日も早く妥結することを望んでおりまするので、いろいろ調査はいたしておるのでありますけれども、我々が直接干与いたしまして、解決するということに乘出すのには、なかなか困難な模様がありまするので、一方工場は全休いたしまして、生産計画の確保に支障があるということでは困りまするので、御指摘のように、電力の制限段階におきましては、一般には或る工場が電気を使わない場合に、他の工場にその持ち分を渡すということは、制限段階では権利の譲渡というようなことになるので、一般の取扱としてはむつかしいのでありまするが、肥料生産確保の重要性から、特に公益委員会、電力会社等とも話をしまして、東北地区における硫安製造会社たる日東化学の青森工場にその電気を讓りまして、そうして全体として生産ができるだけ確保されるようにという措置を講じて参つておる次第であります。
  35. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) もう二、三点お聞きしたい。そこで先ほど言われたごとき、一体十一月の生産は予定通りに行くという見通しだと言いますが、その事実だけを見ましても、私は一つとして予定通り行かんのじやないか。特にこの問題の内容などはあなたもお聞き取りになつておると思うのですが、どうです。労働組合では一万五千円べースにしてくれ、一万一千円のやつを四千円殖やして一万五千円にしてくれという要求なんです。べースの問題は、これは別といたしまして、肥料の資本家に対して団体交渉で今日まで十回以上も要求しておる。これに対して恬としてこれを受付けない。これはここの委員会とは別の問題でございますが、一応質問に関連を持つておりますが故に私は申上げるのですが、そこでかようなことで農民の迷惑になるということを真実に考えているかどうか、更に肥料生産家としての任務なり、正確なりをどういうふうに考えているか、こういう点に対して私はメーカーは実に無責任だと思う。農林省の次官もおりますが、農林省の次官も、かようなことはあなたも情報を得ておると思うのですが、若しかようなことが長く続いて春肥に影響して生産上に支障を來たすという、こういうことに対して、農林当局は通産当局との間にこの問題について何とか折衝しておるのですか、これを一つお聞きしたい。
  36. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 農政局において通産省と常に協議を進めております。
  37. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) そういうね事務的な答弁でなく、あなたの耳に入つておらんと思う。農政局がやつてると思うが、若し耳に入つていなければ入つていない、だから本日初めて聞いたのだから、直ちに農政局に注意して、いずれ後日報告してくれるなり、答弁してくれるということを聞いておきたいと思います。
  38. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) その通りいたします。(笑声)
  39. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) そこで最後に通産省当局にお伺いするのでございますが、勿論かような措置に対しましては通産省当局としてはべース問題に介在するわけには行きませんでしようが、以上のように事情をおわかりになればですよ、十回も交捗して一度もちんともしやんともこれに対するお答えがないということは、これは如何にしても、私は生産機関として不まじめだと思うのです。こういう点について今後需給計画に支障を來たさないということが通産当局から言明を得るならば、私はこれで質問を打切ります。併しかようなことが全国的な需給計画の枠の中にあることであるから、生産がとまるようなことをしては困るから、何とかしなければならんというならば、厳重に会社に通告する用意があるかどうか、この点を一つお聞きして質問を打切りたいと思います。
  40. 柿手操六

    説明員柿手操六君) 今度の争議の原因及びその後の長引いておる原因がどちらにあるかというようなことにつきましては、私どもも判断はつきかねるのでございますが、只今野溝さんのおつしやつたことは、私の承知いたしておりますることとは多少違つているようでありますが、これは私も参考にいたしまして、一日も早く解決いたしますように、それぞれ適当な措置をいたしたい、かように考えております。
  41. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) 御親切な行政当局の御答弁をお伺いいたしましたので、これを以て質問を打切ることにいたします。どうも有難うございました。   —————————————
  42. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  43. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて。
  44. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 米麦の統制撤廃が一応棚上げになりましたけれども、実はその間の善後措置につきまして数点事務当局に御質問いたしたいと思うのであります。麦なり米をいつ外すかという問題は、これは大きな政治上の問題でありましようから、本日はこれは避けまして、それ以下の概して事務当局で大体御答弁のでき得る観点から御質問いたしたいと思いますが、第一点は今日の本会議でも門田議員から御質問がありまして、農林大臣から御答弁がありましたが、併し必ずしも内容が実ははつきりしておらないので、重ねて長官にお聞きをしたいと思いまするが、この間の知事会議で相当の報奨金を出して欲しいという要望がありましたし、或いは集荷委託費も出して欲しいという要求に対して、善処をいたしたいというような答弁があつたようでございますが、その後どういうような進行状況になつておりまするか。特にかような報奨金等を出す財源は大体どういうところを引当とされておりまするか、先ずこの点をお聞きしたいと思います。
  45. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 出す形式については集荷委託費か、或いは完遂奨励金かというような考え方があるわけであります。恐らくいろいろな点から考えると、完遂奨励金という形ではこれは予算がとりにくいだろうと思うのです。特に関係筋との関係において、超過供出奨励金ならば考えられる筋もありますけれども、割当数量を完遂するについての完遂奨励金という形において新らしい予算をとるということはなかなか困難であろう。そういたしますと、やはり集荷委託費の増額という形において処理をするということになろうかと思うのであります。ただそれで相当多額の金が認められた場合に、それをどういうふうに使うかということについては、内部的にこれを処理できる問題であるというふうに思つております。それで関係筋との折衝はまだ始めておりません。適当な機会を見て申込むというふうになつております。
  46. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それはその程度にいたしまして、次に実は今並行して審議をしておりまする補正予算との関係があるわけでありますが、來年の一月以降の麦のクーポンの予算です、クーポン制の予算とそれから委託加工の予算が落ちておるというふうに聞いておりますが、その真偽と、そういうことから推察をしますると、來年度の一月から麦の配給を自由にすることとこれは裏はらになると思うのですが、その辺につきましてそういう方針が依然として堅持をされておりますか。もう時期も迫つておりますので、又食糧全体の需給関係もあるので、これを或る程度延期をするという方針になつておりますか。実はこれは業界としても非常に昏迷をしておるのであります。もうすぐ十二月にも入るわけであります。その辺につきまして一つはつきりした方針を伺つておきたい。
  47. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) ざつくばらんに申上げますが、この委託加工の問題とそれからクーポンの問題は必ずしもこれは表裏一体をなさないで考えていい問題だと思つております。政策的に或いは一致されたほうが便宜な場合もあるかと思いますが、一応切離して私ども考えておりますが、委託加工の点は、これは前々からそのうちに打切るということを業界には通知をいたしておるわけなんです。業界としてはその際に委託加工を廃止されることは困るということを再三陳情を受けております。併しながら端的に申上げますと、現段階において麦類の委託加工方式を採用する状況には私はないのじやないかというふうに思つておるわけであります。御承知のように昭和二十一年か二十二年に委託加工方式とつたのですが、当時は委託加工方式をとることについて、業界は全面的に反対しつつ買取り加工を主張した。そのときと情勢は違いますけれども、この段階に参りますと、委託加工方式を主張することはあたかも食糧統制の本質であるかのごとく言われる向きもありますけれども、私どもはそういうふうには考えておりません。それでもう三、四カ月前から委託加工方式は近いうちやめろということを言つておるわけです。当初予算では十月まで委託加工方式をとることにしておつたのです。併しながら最後でもありますので、これは大蔵省と話をして年内一ぱいだけはとにかく委託加工方式を続けようということで、二月間の委託加工費というものをとりましてそれでやつて來ておるわけなのです。大体私は一月以降買取り加工方式に切替えていいのじやないかというふうに只今のところ考えております。  それからクーポンの問題でございますけれども、これは一番すつきりした形から申しますと、委託加工方式をやめた際にクーポンも外してしまつたほうが、非常に形としてはきれいになりますけれども、場合によればクーポンは若干ずれて存続をして、買取り加工方式と並行した形においてやつて見るのも一つ方法ではなかろうかということを実は考えておるわけであります。と申しますのは、全然クーポンをやめますと、いろいろな加工業者が金融を受けるについてもクーポン制を布いておいたほうが若干金融を受けやすいというような事情もあるということも聞いておるわけであります。買取り加工方式にいたします際に、原則としては代金延納制度は認めないつもりでおりますので、金融の問題につきましては、日銀なり或いは政策委員会といろいろ交渉を進めておりますけれども、或いはその辺の暫定措置といたしまして切替時において若干クーポン制をもう暫らく続けたほうが或いはいいのではないかというようなことも考えております。この点はもう少し研究をして見たいと思います。大体の考えはそんなところでございます。
  48. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 長官から委託加工をするべき時期ではないという御意見でありましたが、私はややこれに対して反対のデータを提供せざるを得ないわけでありますが、これは一つの間違えないように私の意見に対してお答えを願いたいと思いますが、今年の麦を政府が農家の売れるものを全部買取つておりますれば、これは私は事情が許せば委託加工から買取り加工に変えることも止むを得ぬと思うのでありますが、どうも実態を調べて見ますると、政府に対する供出も相当出ておるようでありますけれども、他面政府以外に売られておる麦も相当あるわけであります。而も当初は政府の買入価格よりも相当安い価格で、そういう闇の業者が買つておる。その後多少上つて來てはおりますけれども、併しなお政府からもらうよりも、安い原料を持つておる、こういうことが一つと、それから最近でありますか、農林省は飼料関係の麩の勧告価格でありますが、法令による価格ではないのでありますが、つまり勧告価格として相当安い価格を、加工業者にこれ以上売つてはならぬという強い行政措置をとつておりますが、併しこの勧告価格を守つているのは極めてまじめな業者だけであつて、大部分業者は殆んどこれを守つておらない。特に闇のルートで原料を獲得したような業者のかたは、これは先ず大部分がそういう勧告価格從つておらないのであります。又從わなくても原料は自分で持つているわけでありますから、政府の言うことを聞かないでもこれはいいわけであります。そうすると安い原料を相当持つている、而も麩は非常に有利に売れるという関係で、こういう政府から正規のルートで原料をもらつておらない業者のほうが、実は非常にいい製品を安く売り得るという状況にあるのであります。こういう安い原料を持つてつて、而も麩が高く売れて非常に儲かる業者が相当あるわけです。これは厳然たる事実であります。そういうときに買取り加工をして自分の計算において製粉なり精麦するといいましても、これはそういう高いものを買う人はないのであつて從つて私はこの時期に而もお話のように代金延納制というような措置も講じないで、買取り加工にしましても、これは麦は売れないで業者はやめてしまう。現に食糧庁それ自身においても、これは麩を或る程度作らざるを得ない関係で、私の聞いたところではすでに來年の二、三月頃までの粉ができているのであります。粉は糞詰りになつておりますが、麩は或る程度作らざるを得ない事情から、先が詰つていることを見越しておりながら、或る程度の製粉等をやつているわけであります。政府自身も相当の手持があるわけであります。政府も相当の滯貨といいまするか、手持を持つている。それから闇の業者といいまするか、正規以外のルートから原料を買つた業者の人は、これはコスト上非常に安い、而もいいものを作つて売り得る、こういう両面がありながら、買取りにするということは、私は非常に業者に負担を強いることになりはしないか。ですから換言すれば、そういう闇の業者が現在手持ちの原料を大体消化してしまう時期、又食糧庁としても現在の手持ちが大体捌き得る時期にこの切替えをしませんと、私は不当にまじめな業者に犠牲を強いる、これは買取る者もむしろないのではないかと思うのでありますが、その辺はどんなものでありましようか。これは私は実態がそうだと思うのでありますが、その点をお聞かせ頂きたい。
  49. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) いろいろ見方によることと思いますが、今お話のように大体当初十一月、十二月の加工を、一月末までの需要を見みまして、その程度で以て加工をさしておつた麩の事情が惡いのでございまして、若干数量を殖やしまして、二月の所要量を或る程度見込んだ数量を確保させることにいたしました。麩の価格について牽制をいたしたわけであります。それはそういうことになつております。それからそういうような状況において委託加工をやめるのはおかしいし、適当な時期じやないというお話でありますが、その議論は、これは私だけの考えでございますけれども、詰めて参りますると、結局闇のものがよくつて安くなつて政府委託加工のものが高くなつて、ものが惡いというような形が端的に流通過程において出て來ておるような段階になつて参りますと、委託加工方式によるか、買取り方式によるかというような問題じやなくて、実は麦の配給統制自体をどうすればいいかというところの問題を包蔵して來る問題ではなかろうか、そういう状況であるが故に、委託加工方式を続けるべきだということにはならないので、そういう状況が非常に顕著でありますれば、麦についての配給統制というものを考え直すべき段階に出ているのではないかというふうに私ども理解すべきじやなかろうかと考えておるわけでありますが、一応その辺で……。
  50. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 ただ政府からまじめに原料を受けてものを作つたのでは競争でき得ないような事態は、これは私は政府の責任だと思います。要するに農家の売るものは全部政府が買うという態勢で今日まで來ておりますれば、これは私はそれでいいと思うのですが、政府から原料をもらつては到底競争のでき得ない、安く原料を買つて、而も麩は勝手に売つておる、こういう業者の存在を、強力な競争相手を片つぽに作りながら、競争できない状態において買取り加工で危険を転嫁することは、これは私は政府としては責任があるのではないか。ですからそういう競争相手が能力を失い、大体今の手持原料を大体捌いてしまつて、今度は多少高くても政府から原料をもらつて加工したもの以外には製品がないという時期になりますれば、これはそのときには止むを得んと思いますが、いろいろな競争相手を作つておいて、それと並行して、みじめな業者にこれでやりなさいと、而も延納は認めないということでは、到底私は太刀打ちはできないと思うのです。根本的に麦の統制を外すというよりも、そういう競争態勢においては無理があるのではないか、こういう実は極めて現実的なことを申上げておるのですが、いいのですか。
  51. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) ちよつと食い違いになると思いますけれども、一部の、これは全体の業者というわけでもなかろうと思いますが、一方闇、闇と言つても安い闇でございますけれども、闇のものを扱つて非常に儲けておる。ところが委託加工方式でやつておるのではとてもたまらない、尤もたまらないと言いましても、製品は政府が買取るわけでありますから、今のところは業者が直接損をするという形にはならんと思います。政府、言い換えれば特別会計がその損失の負担をするような形になるのですから、そういう形において危険な負担から逃がれたいという意向を持つている業者もあるだろうと思います。又一面先の問題を考えますと、この際やはり買取り加工にしてもらつて、やはりいろいろ中小企業の問題もありますけれども、闇のものと対抗し、業界自体の合理化と申しますか、経営の健全化と申しますか、そういうようなものを積極的に図つてつて行くべきである。そういう意味から早く買取り加工方式に切替えてもらいたいという意向も一部であるのであります。そこはいろいろ考え方になると思うのであります。まあ委託加工方式をとつておりますれば、これは業者といたしましては、実に安全この上もない経営の仕方だろうと思います。全部この危険負担は政府特別会計において消化する。どういう製品を作りましても、どれだけの数量がありましても、全部これは政府がかぶつて参るのであります。業者といたしましては安全この上もないやり方だろうと思います。併しながら今後の議論はともかくといたしまして、麦の統制廃止の問題も、米と若干ニユアンスの違つた意味において考えなければならないという状況になつておると私ども一応理解をいたしますならば、そうした状況に麦の加工業者等も頭を切替えて今からそういう態勢に持つて参りますことが、今後の業界の健全な発展の上においてむしろいいんではなかろうかというような、從來麦につきましていろいろ食糧の窮迫した時代に緊急加工等をやらせまして、いろいろ努力を願つて來た業界に対して、甚だ私どもといたしましては、言いにくいことでありますけれども、随分この問題については、今までに延ばしに延ばして來ておるのでありまして、これはきりのないことでありますから、大体三、四カ月前からこの事態についてははつきりお話をいたしておりますので、この辺で以てやはり踏み切つてもらうことが適当じやなかろうかというような考え方をいたしておるわけであります。只今のお話の点については、そういう意味もありましようし、又そうでない部分も私どもとしては実は聞いておるのでありまして、この辺は又よくお話をお聞きいたしまして、検討すべき必要があるものについては、検討いたして見たいと思つております。
  52. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 まあこれはよく研究をしてもらいたいと思うのですが、而も無限に委託加工を主張するわけでも何でもないわけでありまして、要するにさつき言つたような強力なライヴアルを、政府がこれの発生を放任しながらその競争能力がまだ存続しておる間に、買取り加工に切替えるのは、この辺に無理があるのではなかろうかということ、それらこれは恐らく部長、課長の意見も私は相当この辺に或る種の拘泥があるのではないかという感じを持ちますので、その辺の事情をよく検討して頂きたいと思います。それから買取りにした場合には延納は認めない、それから政府買取制にしても金融の関係もあるからまあクーポン制は或る程度続ける、從つて広義の配給制は続けることになろと思いますが、本來のクーポン制の建前を決定いたしますると、要するに消費者なり、需要者が選択する所にクーポンがたくさん集つて來る。まあ製品の惡い、或いは値段の高い所はおのずからクーポンが集らぬということになりますが、果して今日までのようなクーポンの還流状況から見て参りまして、クーポンが回收されなければそこに割当ができないと思うのですが、果してそのクーポンが完全に環流されるという見込がありますかどうか。還流するとすれば、製粉等は非常に大きな製粉工場から非常に小さな所まであるわけでありますが、概して大きな所にクーポンが集中して、中小工場は殆んど買取り加工をしても、裏付けのクーポンが來ないという非常な不均衡が急激に起きて來るのではないか、こういうふうに考えますが、その辺はどんなふうにお考えになつておりましようか。
  53. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) クーポンの回收の現状からいたしますると、クーポンの回收だけでこの割当を決定いたすということも危険であるかと思います。まあクーポンの還流状況も主として考えなければならんと思いますけれども、今のお話のような中小企業に関する措置等も加味いたしまして、割当をして行くということが経過的には必要ではないかというふうに存じております。
  54. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 延納制は全然認めないのですか。
  55. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 延納制は原則として認めたくないと考えております。実はこの点非常に私どもとしては苦しいのでありますけれども、クーポン制がない場合に、配給制度がなくなつた場合に、金融機関は加工業者に金融をつけるかというと、これは非常につけにくいと思うのであります。今のように配給制度がありますと、配給制度の裏付けにおいて、金融機関が加工業者に、買取り加工に対しましては相当金融をつける自信を持ち得ますけれども、これが自由になつた場合には、銀行としては相当資金融通については危険を感ずるだろうと思います。その事情は同時に食管特別会計にも適用されることなんであります。銀行が非常に神経質になるのは、特別会計がそのままで、会計の健全性から申しますと、これを無條件に延納という形において特別会計が引受けるということは、会計の運用から申しますとこれはできない、適当でないというふうに思つておるわけでございます。特別会計を預つておる立場から申しますと、ここはどうしても延納は認めたくないところなんでございます。ほかの例をとつて私相済まんと思いますけれども、薪炭需給調節特別会計がいろいろ問題を起したその発端は、やはり卸に対する売却問題が、統制が崩れます際の実情からいたしまして大きな問題であつたことは片柳さん御承知だと思います。これはそうした先例もありまするので、延納につきましては、私はよほど慎重に扱つて行く必要がある。できるだけこれは金融機関において賄うべきだろうと思う。ただ金融機関にいたしましても、只今申しましたように、相当配給制度がなくなりますれば危険を感じまして資金融通については渋るだろうと思うのであります。そうしますとそこに相当急激な事業界、加工業界の淘汰が行われる。そうむざんに急激な淘汰が行われますることは、中小企業の維持の上から申しまして、又業界の今後における健全な発展の上から申しましても望ましいことではありませんので、その辺は何らか是非調整をとらなければならんというふうには考えておりまするけれども、一途に言われまするように延納制度によつてこの問題を解決するということは非常に、業界から申しますれば一番いい方法でありますけれども、全般の市場から申しまするならば、必ずしもとるべき策ではないじやないかというふうに考えております。
  56. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それからもう一度、政府が相当の麩の関係で來年の二月、三月頃までの製品を持つておるわけでありますが、食糧庁がそういう製品を持つておりますと売捌きには相当苦労が要ると思うのであります。この前に申上げましたように、やはり食管特別会計の赤字なり、資金関係が響いて來ると思いますが、食糧庁は仮に來年三月まで、一月から買取り加工をやると食糧庁の手持はこれはなかなか売捌けないという関係資金ぐりが更に困難になるのではないか。ですから私が言つたのは、闇の業者とも競争できないし、食糧管理特別会計の赤字を防ぐという点からも、一月からにわかに買取りに移すことは食糧庁の手持を捌くという点からも一つの矛盾なり、或いは変な競争、買取り加工をした業者食糧庁の手持の製品の売捌き競争というものが起きて困るのではないかと、こういうふうに思いますが、その辺はどんなふうにお考えになりますか。
  57. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 闇のものがどれくらい出るかという問題が第一の問題になるかと思いますが、自由時代におきまする麦類の商品化率等から考えますると、一千万石を若干越えるくらいのものが恐らく流通過程には上つておるものだろうと思います。それが政府で買つておりますのは八百万石弱、七百五十万石、ざつと三百万くらい流通すると一応前提に置きまして、何月になればいわゆる対抗力というものがなくなるか、漸次新麦の時期に近付くにつれまして、その点は少くなるだろうと思いますけれども、そのうちに又新麦が出て來るということになれば、新らしい又問題が起きて來る。完全に闇のものの対抗力がなくなつた時期をつかまえてというお話でございますけれども、その時期のつかまえ方は、例えば一月よりは二月、二月よりは三月、三月よりは四月というふうに遅れれば遅れるほどいいことはわかりますけれども、そういうふうに一月、二月、三月と遅らしたからと申しましても、その問題が完全に解決するという性質のものではありませんし、それから食管特別会計で製品を相当手持をいたして、それの今後における処分問題がいろいろ困難をするだろうという非常に御同情のある御指摘でございますが、その点も私どもとしては考えておりますが、これはやはりいろいろ今後食糧事情によりましては、或いは随意契約で以て行かなければならん場合もあるでありましようし、又格安に処置をして消費者の利便を図るべき問題場合によれば出て來るであろうと思いますし、一、二カ月でこの品物を急速に処分をしようということであればいろいろ問題があろうかと思いますけれども、新麦の出廻り期までこの製品を順次なし崩しに処分をして行くということであれば、社会的にそう大きな問題を起さないでその程度のものの処分は私どもとしてはできるのじやないかという見通しの上に立つて、大体一月時分が適当じやなかろうかという判断をいたしております。その点は先ほど申しましたように、もう少し闇のものの実態、或いは闇を扱つておりまする一部加工業者等の状況等の資料をも、なお一月余り時間もあるわけでございますから、十分調査をいたしまして、できるだけ早くその時期について方針をきめたいと思います。
  58. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 時間もありませんから余りくどくは申上げませんが、要するに、ややそういう実態の認識が、御調査が是非欲しいと思います。やや粗雑の感があるという実は私は印象を受けるのであります。本当によく実態を調べてやつてもらわんと、食糧庁それ自身の問題でもありますし、食糧庁それ自身というよりも特別会計に相当の赤字をもたらすという問題に私は考えておるのでありますが、これは一つ是非再検討して頂きたいと思うのであります。どうも今までの御説明では、私の質問に対しては納得が行かないのでありまして、その辺を一つ更に根本的な検討をして時期なり方法をきめてもらいたいと思います。特にこの金融問題等は政府が完全な金融措置を講じてくれますれば、これは延納制の必要はないわけでありますけれども、恐らくこれはむずかしいと思うのであります。米屋さんなり、或いは個々の加工業者について延納制を認めて、製粉とか製麦に延納制がないということは、これは完全な金融の裏付けを政府がやつてくれれば問題ないと思いますが、その辺は多分に危険性があるわけでありますから、そういう点も併せて考えて、実施の時期なり、方法につきましては更に再検討を強く要望したいわけであります。  最後に只今飼料が非常に上つておりまするから、飼料の価格を抑えるということもこれは私は一つ方法だと思いまするけれども、どうも実態を見ると、メーカーは勧告価格で出しながら、実は中間の業者がこれをむしろ惡用しておるのであつて、最未端へ行けば殆んど勧告価格を強いてもこれは殆んど行わない、こういう実態のようでありまするが、この前廣川さんに私申上げたのですが、麦の統制を外すと言いながら、麦の副産物である麩だとか麦糠を、これを実際上統制に等しい措置を講ずることは本來顛倒ではないかということをこの前にも申上げたのでありまするが、どうもまじめな業者はこれを守つてつて、不まじめな業者はほとんどこれを守つておらない。これでもう製粉のコストなり、或いは精麦のコストは非常なその間に開きが出て來るのでありますが、これを依然として継続される意思がありまするかどうか。その辺を一つ御答弁を得たいと思います。
  59. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) これは問題は飼料でありますけれども、非常に大きな問題だと思つておりますが、麩についてはお話のようにメーカーについては或る程度勧告価格等によつて抑えることができますけれども、メーカーの手を離れましたその後における中間業者においてどういう価格でどう処分をされて行くかということについては、何らの権限なり、或いはこれを抑える措置もできないのでありまするから、最末端においては割に割高な価格で買わされる。メーカーのほうは、まあ正直なメーカーはその勧告価格で渡しておるにもかかわらず、最未端において相当高い値段で買わざるを得ない。中間業者利益が相当大きいという事情にあることも事実であります。これは從つて單に勧告価格でこれをやることがいいかどうかというような問題ではなくて、そういうふうな物資についてどういう経済的政策を以て臨むかという根本の問題に関連して來るのでありまして、これは一麩だけでなく、その他のいろいろな物資についてもそういう問題があり得るのだろうと思います。現状におきましては、自由という建前の下に來ておりますので、その間におけるいろいろな矛盾なり、経過措置としてのうまく行かない点を行政的に処置をしておる、行政的の処置をしようとすればこの程度のことしかできないのだということで御了承願うよりほかなかろうと思つております。
  60. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 お尋ねをしたいと思いますが、ガリオア資金で輸入をした大豆が六万トンばかり手持があるようでありますが、これを最近競売に付して売りたいと、こういう御意向があるようですが、事実かどうか。
  61. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 大体そういうような考え方をいたしております。
  62. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今初めてそういうお話をするのではなくて、前々からもそういうことをお願いしたいことがあると思うのですが、今国産大豆の出廻期に当面をして、今までに売つておいて当分控えてもらうことは結構だが、今出されると、非常に国産大豆の価格に影響をしやせんかと、こういう心配をしておりますが、相当高い価格であるからそう心配はないのじやないかという話もあるようでありますが、高くて売れない価格で出すということになりましようが、今出しても国内産に影響がないと思つておられるか、又六万二千トンを全部お売りになるということに考えておられるかどうか。
  63. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 大体十二月時分から來年の夏ぐらいまでの間に逐次なしくずしにやつて参りたいというふうに思つておるわけであります。この三月まではそのうち一万五千か二万トンぐらいのものを状況によつて処分して行く、市況に対して余り大きな変化を与えないように、その点は十分頭に入れて措置をして参りたいというふうに考えております。
  64. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 これは係の人の話によるのでして、実は長官にお聞きに行つたのですけれども、なかなか近頃部屋にいることが少くて、今お聞きするわけでありますが、相当高い価格になつておるようで、買入価格は六十キロに直すと三千百円ぐらいらしいようでありますが、六月からこつちの倉敷を掛けると相当なものになるのでありますが、何ぼなら一体お売りになるか、計画を立てておられるかお聞きしたい。
  65. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 幾らかということはちよつと申しかねますけれども、まあフロア・プライスはきめようかと思つております、一つ基準価格というか。このフロア・プライスは公開はしませんけれども、大体外国の大豆の時価というものを基準にしてきめて行こうかという考であります。
  66. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 外国の価格の時価というお話でありますが、我々の考えは、大豆が一番作つて価格が堅くて心配がない、こういうので作らしておりますが、その考え方は輸入大豆よりも高くない価格で売つて行くのなれば大体いつも売れるだろう、こういうので実はやつておりまして、ところが係りの人の話では、三千百円になつておるから、倉敷を掛けると、想像してわかるが、まあ相当高いものだ、こういうことを聞いておりますが、実は価格によらんものがたくさん出ますと、どうも相場が落ちて非常に困るわけです。そこで万遍にとりますとそういうわけでありませんが、そうでなくて、例えば現在の相場が東京の相場より神戸、大阪が高い、ところが買う買い方は実に少くて、五トンとか八トンとかいうので、どうも余りうまくない、こういうので地方には出ておりませんが、値段が若し高くても今売出されることは一般市場にいい影響はないのじやないか。私のほうでは余り下りさえしなければ、相当な価格で売れれば、そう心配いたしておりませんが、その価格を考えないで政府が売出す、こういうことが一般市場に非常に影響するというので心配いたしておりまするから、その点を十分お考えになつてつてもらいたいことをお願い申上げたい。  それから次に輸入いたします時分には、食糧に関するものは食糧庁も十分に意見を入れて、そうして輸入されるかと思えば、何だかそうでないような感じがするわけです。通産省と安本で計画して入れられる。そうして食糧庁はこれをこうせいというふうにやるような気がしますが、入れる時分から全然御相談がないものかどうか、それをお聞きしたい。
  67. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 政府で、特別会計で買取るものにつきましては、完全なる打合せの上やつておりますけれども、そうでない單なる外貨割当だけでしておる自動許可制ですね、あれでやつている分につきましては、外貨の枠をきめまして、その枠について品目はこれとこれだということをきめまして、その外貨の枠内においてどれを入れようとこれは業者の腕次第という形になつておりまするので、私どものほうで発言するチヤンスというものも比較的少いのは事実でございます。その例が大豆なんかについて、先高見越で相当一—三月たくさん入れまして、その結果が大豆の価格に非常に惡い影響を与え、又産業界にも惡い影響を与えておる、又金融界にもいろいろ問題を起しておるという点からいたしますと、この自動許可制というものが今までのような形において運用されることは適当じやないというふうに考えられるわけであります。そこはもう少し踏み込んで処置をするような方針で行くべきであろうということを私どもといたしましても提案をいたしまして、今その方法につきましては安本、通産との相談を重ねておるようなところでございます。是非そういうことにいたしたいと思います。
  68. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 ポンド資金が大分余裕があるというので、ビルマの白豆、天津の小豆を輸入しようという計画があるというのですが、これもどうも食糧庁でおやりにならんことでおわかりにならんとおつしやるかも知れませんが、こういう話を聞いておるかどうか。わかりませんか。
  69. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 私は聞いておりませんが、よく調べて見ます。
  70. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 実はこれも今入れてもらいたくないという交渉をするには、通産省か安本にしなければ、食糧庁へ話をしても無駄ということなんでしようか。
  71. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 結局やはり外貨割当の際の輸入する品目から削除をすれば、それは外貨割当がなくなるわけでありますから、やはり安本等にお話願うのが一番適当じやないかと思います。
  72. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 これは長官がざつくばらんに話をしてもらいたいと思うのですが、実は閉会中の臨時の委員会だと存じまするが、お伺いしたことがあるのでございますが、豆類を売払つた益金を雑穀にバツク・ぺイのような形で返すことはどうだというような話をしたときに、それは返してもいいのだこういう話をされましたが、そのときに長官が法律を作らなければ駄目だとこういう話をされたのですが、これはその後に知つたのでありますが、実はその金額が非常に少いようで、法律を出してまで要求するような金額ではないのじやないかと思つておりました。そこで益金があるのは事実なんですが、どういうふうにお考えになつておりますか。これはざつくばらんに一つ聞きたいと思うのです。
  73. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 北海道では、殊に手なしの豆類について相当統制を撤廃した関係で、政府があわてておるというので、返せという話が再三強いのであります。併しながら雑穀全般について考えますと、例えばとうもろこしとか、そのほかいろいろなものがございまして、全部眺めますとそう大きな利益がない実情にあります。それからざつくばらんのお話を申上げますと、今年の八月に消費者価格をきめます際に、米価をきめます際に、これは五%の特別加算に落付きまして、一五%が五%に落ちたということについて非常に御不満が生産者側にあるのでありますが、併し五%を付けるにいたしましてもできるだけ食管特別会計から財源を出して、そして五%に維持した実情にあります。一時は特別加算は全然認められんというような、五%だとか何かを付けさせた一つの根拠といたしましては、食管特別会計における若干の差益金、雜穀等についても差益金もある、それもはき出すから米価については一つ是非特別加算を考えてくれと交渉した経過もございますので、北海道側から申しますと、北海道のものについて得た差益金を全般の農民に分与するような形において処置されることは甚だ不当だという御議論もあろうかと思いまするけれども、特別会計といたしましては、若干の差益金はあるといたしましても、それを本年の米価決定する際に、できるだけ高くしたいということで織込みずみにいたしまして処置をいたしておるという実情もございまするので、端的に申上げまつすると、雑穀についての差益金生産者に返すということは困難だと思つております。
  74. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 法律を作つてまで返されるということになると、これはなかなか大蔵省もうんと言うまいし、私も最初からそれは何というか考えております。最近衆議院でも大臣が返すのだと、こういうお話をされたということでありますし、私のほうの参議院の人までが今北海道から來ておる人と一緒に食糧庁へ行つていろいろお話を申上げたようで、返してもらうことにきまつておる、こういうような気持で、私はもともとあれば返すということは聞いておるが、なかなかそれが簡單に行かんことだと思うがという話をいたしておりますが、実は北海道でこの早い頃、夏頃の時分には七、八億あるからあれを返してもらうのだという話がどこからか出まして、私帰つてから大分聞かれました。これはどうかわからん、わからんにしても、わかるにしてもなかなかそれは簡單に参るものじやない、まあ全然返されないとは言わないが簡單には行かないと、こういうことを言つておりますが、その片一方で返してくれるのだ、返るのだ、払つてくれるのだと、こういうことを言われましたものですから。だんだん話が妙になつて参りまして、私の言うことは何だか邪魔をしておりはせんかというようにとられる、そうじやなくて、いつかも長官にお聞きしたように、返してくれと、それはあれば返すと、併しながら法律が要ると、ここまで聞いておるのですから、七、八億でありますと法律を作つても甲斐がありますが、どうもよく聞いて見ると七、八億あればいいが一億も切れるという話らしい。法律を作る用もないし、そうかといつて、そうでない返し方は、食糧庁が好意的に科目を設けてそれによつて返すという以外に方法はない。そうなるとなかなか簡單に行かないので、何とかそう長くせんうちに返されるか返されんかということをはつきりしてやつてもらわんと……、まだ全然やつておらんようで、全部売上げなければいろいろの損益がわからないという話をしておりますが、どうも今度確実になつたということの報道で実は困つております。私は実はそれが確実になつたことによつて腹を立てて文句を受けまして、その文句は私のほうで引受けなければ、金が出ない、その金の出ないことは、岡村がそれを引受けなかつたから出ないのだと、こういうことを言われることを心配しておるので、実は聞きに参りましたが、第一部長は、そういうことを聞いておつて、あれば返すのだ、方法は面倒だという話をしております。併しながらそういう話ばかりじや困るのでして、本当に返してくれるなら、そういう方法をうまく講じてもらう肚があり返してもらうつもりでおつしやつてもらわんとあたりが迷惑して困るものですから、これは僅かな金でも、私にして見ればとても重大なのです。私が邪魔をしておるように思われております、そのつもりでお考えを願いたいと思います。
  75. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) そういういろいろなトラブルがあつてはいけないと思いますから、大体雑穀の処分も済んだわけでありますから、道庁に來てもらいまして、はつきりその趣旨は私のほうでお話をいたします。
  76. 松浦定義

    松浦定義君 ちよつと長官に伺いますが、勿論関連して申上げるのです。私ここで岡村先生にちよつと御相談申上げたのだが、恐らくこの委員会で申上げるまでもないだろう、大体肚がきまつておるのだという御意見もあつたのですが、どうかと思つておりましたが、今長官に聞いておりますと、非常に面倒なような話を申されましたので、私も責任がありますから一言お尋ねしたいと思いますが、これはすでに長官には申上げなくても十分御承知のことだと思いますので、簡單に要点を申上げようと思うのです。それで当時、これは今年の一月からこの問題が起りまして、三月一日附で統制撤廃になつた、而も雑穀に関しましては価格を設定する当時からこの問題がありまして、すでに二十五年度の価格をきめるときには、恐らく雑穀に対しては主要食糧としての価値は今すでになくなる時期に直面しているのだという意味合いから、品種別に価格をきめる場合には、消費者が遠慮するようなものに、ついては上げられない、こういうようなことがいろいろありまして、いろいろな意見があつたと思います。そうしてその場合に若しこれが途中で統制を撤廃されるような場合には、自由に売つた場合には、これは差額は返すのだということははつきり長官も弁明されておつたと思うのであります。ところが三月一日にこれが統制撤廃になりまして、生産者のほうでは一〇〇%供出しなければならんということで、一月からそういう意向がありながらも半強制的な供出をしたわけで、これが統制撤廃になりましたときに、当時としてすでに手持としては殆んどなかつたわけです。特に又、これが相当生産者にしましてはいろいろの重大な問題から供出を渋つたようなわけはありましたけれども、道庁がその間に入りまして、そのときには話を附言いたしまして、若しそういう場合には、その際には返つて來るんだということで、道庁としましても責任上その供出の推進に当つておりまして一〇〇%の完了をした、その結果、只今のような現状でなかなかそれが返されないというので今日まで長い間問題になつておりますが、経過的に結論を申しますると、農林大臣は、すでに再三こうした問題に当りましたときには返さなければならんのだということを確認しておるわけです。まあ最も大きな問題といたしましては、九月に北海道へ参りましたときに、生産者の代表者の団体の交渉の結果、これは返すんだということをはつきりこれは録音しておるわけです。これは録音にしてありまして北海道の全部の農民が聞いて確認をしておりますし、更に山添次官は、これは当然すでに雑穀に対する清算事務だという意味から、これは返すべきだというお話をしておりますし、先ほどから岡村先生がおつしやいましたように、衆議院の農林委員会で高倉代議士の質問に対しましては、追加払と同時に差益金に対しては支払うのだというようなことを言明しております。さような意味から、事務的にもいろいろむずかしい問題だということは当然わかつておりますが、こうした問題は私は農林省、特に食糧庁が中心になつて解決をして頂くというのでなければいけないと、こういうふうに考えておりますし、この問題は先ほど申されましたように、消費者価格を設定をする場合、或いは米麦の追加払いを決定する場合に、その資金に提供されたということは私も聞いております。從つてそういうような面につきまして、やはりそれだけの問題があります関係から、いずれの形においてもこれは農林省とし、或いは食糧庁としましても責任を持つてこれを解決して頂かなければならん問題だと思う。農林省が大蔵省のほうへ当然交渉されていろいろな面についての要求をされるべきではなかろうかというふうに私は考えております。それからこれはまあいずれ問題になると思いますので申上げておきまするが、本年の米の供出につきましても、これはすでに今から問題がありまして、供出が完了すると同時に、それがなくなるまで恐らく政府は自由販売を待つようなことはないだろうというようなことから、中間において自由販売がされるような場合には当然これと同じような問題が起つてくる。そういうことにつきまして、過日の十一月十一日に官房長官が放送討論会でお話があつたということを私は承知いたしておりまするが、そういう場合には生産者に返すのだということをはつきり言つておられる。現在におきましては、極く僅かな雑穀類だけでありますから、これで問題はありませんが、若しこれが麦に始まり或いは又米に適用されるということになりますと、若し今日まで辿つて來た経過から見ますと、私は農林大臣初め次官も部長も責任問題だと、こういうふうに考えるのです。そういう意味から考えまして、当然この大きな問題がすでに目の前にある今日におきましては、この問題は私は一日も早く解決さるべき問題ではなかろうかと、こういうふうに考えておるわけであります。額につきましても現在経理課のほうから出しております精算金から見ますと、大体に全国で利益を得たものにつきましては一億六千五百万円です。北海道の分がその中で一億四千万円でありますが、その中で先ほど申しましたようにとうきび、或いは燕麦、らい麦というようなもので相当欠損をしておる。それでそれは欠損をしておる部分につきましては、一般食糧会計から補填されておりますが、ときたまこういうものに対してそれを引くということは、ちよつと疑義があるというように考えておりますが、これは当てにならん話でありますから申上げませんが、とにかく利益を得たものにつきましては、かような数字が出ておるわけであります。かような意味合いから、例えばこの利益の中から所要の経費を引くといたしましても、今岡村さんが申上げましたように、まあ八千万か九千万ぐらいのものは完全に純利益として農民に返さるべき性格のものが残る、こういうふうに承知しておるわけでありますので、この際一つ、以上申上げましたような諸点から、政府といたしましても相当これは今後米の問題に関連いたしまして大きな重要性を持つ問題だと思いまするから、岡崎官房長官もそうしたことをはつきり申されておることから考えまして、更に又大臣或いは次官等もこの問題は解決しなければならんというふうに承知されておりますので、当面の責任者でありまする長官におきましても、只今言明されておりますように、むずかしいのだというようなことをここではつきりお残しなさらないで、これはやはり当然解決すべきものだという意味合いから、一日も早く善処するような一つ好意的な御回答を重ねてお願いしたい、かように考える次第であります。
  77. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 簡單に申上げますと、結局それは大臣、次官がそう言われたことは最近あつて、而も生産者価格をきめる際の織込みも帳消ししてなお且つ利益がある場合を言つておるのだと承知いたします。從つて私が先ほど申上げましたのは、純益がそこで七、八千万円あるといたしましても、それは生産者価格決定の際にその利益というものは織込みずみであつて、これは全部消えてしまう、それ以上の利益というものはないだろう、ないという見通しがはつきりして來た、從つて北海道の雑穀についての価格差益を返す措置は、利益の上からもできない実情にあるということを申上げたのでありまして、これはまあ矛盾はいたしてないだろうと思います。從つてそれを又少し色気を見せまして、いや又返すのだということを言つておりますと、私はこの問題は、ざつくばらんに言うと、いつまでも引掛りができまして、収拾がつかないので、その辺は大体事が私ははつきりして來いと思いますので、この雑穀の価格差益につきましては、使途も全部きまつてそれ以上の差益というものはない実情であるから、これは大体返さないという方針を確定すべき段階に來たのじやないかというふうに考えております。
  78. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  79. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて。それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後四時三十六分散会