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1951-10-26 第12回国会 参議院 農林委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十六日(金曜日)    午後一時五十九分開会   —————————————   委員の異動 十月二十五日委員瀧井治三郎君辞任に つき、その補欠として中川幸平君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            江田 三郎君            三橋八次郎君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            松浦 定義君   政府委員    農林大臣官房長 塩見友之助君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    大蔵省主計官  谷川  宏君    農林省蚕糸局長 青柳 確郎君    農林省農業協同    組合部長    打越顯太郎君    日本専売公社塩    脳局長     西川 三次君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (塩価是正の件)  (提出予定法律案に関する件)   —————————————
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれから委員会開きます。  来週の議事日程につきまして先ほど打合会で別紙でお手許にお配りした文書にあるように取りきめましたので御了承をお願いいたします。なおそのうち三十一日はここに掲げた議題のほか、米麦統制廃止に関する法制的な解釈の問題について同時に審議をいたしたいと思いますので御了承願います。  次に本日は塩の価格に関する件につきまして、去る八月二十一日当委員会から再度関係当局申入れてありますが、まだ所期するような解決に至つておりませんので、この問題を続いて審議いたしたいと思います。
  3. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 塩の価格の問題は、過般のこの農林委員会でも政府関係当局に私から意見を申上げ、又御質問をいたしたのでありますが、要するに昨年の十二月七日の当委員会決議で、食糧関係或いは農畜産業関係が深い意味で、工業塩とその他の塩の価格が非常にアンバランスであるということで、この塩価是正に関し農林委員会決議申入れをしたのでございまして、これに対しまして各関係当局から申入れ趣旨に副いまして善処をいたしたいと、かような誠意ある御返事を頂きまして、又実際的にも我々の希望する全面的な改正ではありませんでしたけれども、或る程度工業塩とその他の塩の価格の不均衡が是正されたことを喜んでおつたのでありますが、ところが意外という言葉を使つてよろしいと思うのでありますが、半歳を出ずして八月一日に又再び元に還つたよう改正をされたのでありまして、前回にも申上げましたように、一般用塩に限りましてトン当り二千円乃至三千円というような大巾の値上げが行われたのであります。これは前の御回答趣旨にも反しておると思いまするし、又我々農林委員会決議をむしろ無視しておるというふうに我々は感ずるわけでありまして、この趣旨はこの前の会議でも私から縷々申上げた通りであります。特にこの前御答弁を得まして、遺憾に存じましたのは、政府内部で殆んど連絡がなくしてかような措置がとられたということでありまして、これは実は私はこのことの結論の当否も甚だ遺憾でありまするが、かような政府部内の殆んど連絡なくしてやられたということは、私はやはりその点も非常に遺憾に存ずるわけであります。そこで速かに関係各省協議をされまして再検討をせられまして、その結果を成るべく早く当委員会一つ報告して頂きたいということをお願いをいたしたのでありまするし、当日御出席農林政務次官その他政府当局からも、それにつきましては成るべく早く善処をいたしたいという御返事があつたのでありますが、ところがその後二月以上になつておりまするが、全然まだ何らの御回答がないわけでありまして、そこで再びこの問題を取上げざるを得ないのでありますが、そこで二月以上経ちまするが未だ何ら報告がないのはどういう理由でありまするか、その辺の御事情従つて内容的には関係各省で当然これは協議がされておると思いまするが、どの程度協議がされておりまするか、今まで報告がないということと関連して今日までの経過を一つ報告頂きたいと思います。それから更に最後に、いつ頃正式の御返事が頂けますかどうか、その点につきまして、一つ誠意ある御答弁をお願いいたします。
  4. 西川三次

    説明員西川三次君) 只今の御質問に対しまして、これまでの経緯をお話し申上げたいと思います。  あれ以来関係省でありまするところの物価庁農林省、安本の民政局、通産省、公社関係で前後二回に亘りましてこの問題についていろいろ打合せ行なつたわけでありますが、只今までのところ大体議論も出尽しまして、大体関係各省としましてはほぼ了解の線に到達したと、かように申上げていいかと思います。
  5. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうしますると、いずれ正式に書面で御報告等があると思いまするが、大体の協議が整いました内容概略支障がありませんければ一つお示しを頂きたいと思います。それからその結果をいつ頃正式に御返事頂けますか、重ねてお願いいたします。
  6. 西川三次

    説明員西川三次君) 只今のところ具体的にその内容について申上げるところまでは至つておりませんのですが、実は今日午前中に最後打合せをやりまして、只今申しましたようにほぼ意見も出尽しまして了解に到達したと、こういうふうな状態でありますからして、なおあと成るべく早い機会にもう一回打合せをやりまして、その結果文書で以て御回答をいたしたいと、かように存じております。
  7. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 具体的には或いはお話はむずかしいかと思いまするが、我々の要求したラインに大体近付くものであるかどうか、そうでないと又再び我我はここで議論を蒸し返さざるを得ないわけでありまして、そういう方向でありますかどうか。大体のところはもうほぼ言えるのじやないかと思いますが、その点を一つお答え願います。
  8. 西川三次

    説明員西川三次君) それでは一応概略だけ申し上げておきますが、問題になりました点は、公社の塩の価格のきめ方に、現在のところでは収支バランスをとると、こういうふうな行き方をやつておるわけでありますが、この問題にも触れて来るわけでありまして、その点から申しますと、要するに収支バランスによりますから、支出面の点で、例えば建設費勘定とか予備費勘定、こういつたふうな費目を入れるかどうかと、こういつたふうな点について一応の議論が出ているわけでありますが、この点はひとり塩特別会計のみでなくて、食管のほうの関係もまあ同様な建前になつておるわけでありまして、そういう点については可否の諭がございますが、現在のところではそういつたふうな建前でやつておるわけで、この点が一つの問題になつておるわけであります。
  9. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 余り具体的でないので、反駁もできないのでありまするが、一つにはこういう感じがするのですが、その一般用塩負担工業塩を安くしておると、全体としてはそれで収支バランスがとれると思いまするが、そこで現在の政府補給金というものは大体やめて行くということでありまするが、それと同じような一般大衆なり農村の使う塩の価格をこれを高く売つて工業塩を安く売つておると、こういうことが我々としては非常に実は不満なわけでありまして、而も前回にも申上げておつたように、工業塩で生産されるものにつきまして公定価格がありますれば、それから逆算した価格というものが出ると思いまするが、この前久米さんからの御回答でもすでにそういうマル公はなくなつておりまするので、従つて工業塩はこれまでしか売れないという、逆算的に計算することもすでにできないという事態になつて来ておるのではないかということからもやはり相当無理があるという感じがするのですが、そこで塩の会計がまあ独立採算制といいまするか、収支バランスをとるということは、これは私はわかりますが、その中で如何にも一般用塩のほうが非常に高いということで、全体のバランスをとつておることが私ども不満であるのです。従つて要するにまあ細かいことはきまりませんから御回答はできないと思いまするが、方向としてはこのアンバランスを直すという方向でお考えを願つておると思いますが、重ねてそういうことになつておりまするかどうか。  それからもう一つは、これは私は全然知りませんので御質問するわけですが、今回の補正予算……一般予算なり或いは特別会計予算と無関係にこういうことができまするかどうか、これは実は研究が足りないのでそういう疑問を持つたわけですが、一般会計なり特別会計予算を補正しないでそういうことができまするかどうか、全体として収支バランスがとれておれば予算には関係なくできるということであるかどうか、これを一つ伺いたいと思います。
  10. 西川三次

    説明員西川三次君) 只今の御質問の第一点でありまするところの食用塩工業塩との開きの縮小と申しますか、その点につきましては食用塩は御承知のように国内塩で以て賄うと、こういうふうな方針になつておりますが、大体御承知のように食用塩は、需要が百万トンに対しまして供給面が約五十万トン余と、こういつたふうな状態でありまして、その点で国内塩で以て賄うということになつておりまするからして、収納価格の引上げが八月一日に行われましたが、これに連れて当然自動的に独立採算をとつておる以上上げざるを得ないと、こういう関係、それからいろいろ販売面の値上りもございますが、それ以外に只今申しましたような建設費予備費勘定の問題になるのでありますが、建設費勘定と申しますのは、塩の倉庫がございます。この塩の倉庫造つた場合に、この負担がどちらにかかるかという問題になるわけでありまするが、国内需給関係実状から申しまして、食用塩は全国的の操作をやる関係でどうしても一時塩の倉庫を利用せざるを得ないと、こういうような事情になつておりまして、工業塩はそれと反しまして輸入塩によつておるわけでありまするからして、入つて来れば直ぐメーカー倉庫に入れると、こういうような関係にありまして、倉庫を利用するという点から申しますれば大部分食用塩と、こういうふうな実状になつておりますものですから、この点の負担関係或いは予備費関係でありますが、予備費の大部分災害復旧のものなのでありまするが、御承知のように今回のルース台風によりましても全国の塩田で相当の被害がございまして、その関係でこれも国内塩関係のものというふうに考えられるわけでありますからして、そういつたふうな関係でどうしてもコスト自体が高くならざるを得ないと、こういう実状にございます。これに対しまして工業塩のほうは、只今申しましたように輸入塩でありまするからして、大体原価主義ということになつておる関係で、それでどうしても相当開きができるわけでありまするが、工業塩価格の建て方と食用塩価格の建て方が、只今つておりまする方針によりますれば、今申しましたようなふうな開きが出て来るわけであります。これをできるだけ差を縮める方法といたしましては、一例を申上げますれば販売経費を詰める、つまりこれは公社の効率的な運営ということになると思いまするが、そういう面で縮めるということと、それから収納価格なんかを引下げると、こういうことが考えられるわけでありますが、収納価格の引下げは経済事情全般からきまる問題でありますからして、今のところではそういつたふうな期待が持てないという事情にあります。併しまあ販売経費につきましては、公社として極力効率的な運営をやるという建前をとつておりますからして、今後としては多少その面で期待ができようかと思つております。  以上申しましたように現在の価格の建て方を基礎にしますれば、只今お話がありましたような工業塩食用塩とをできるだけ鞘を少くするというふうなことはちよつと困難ではなかろうかと、かように考えられるわけであります。  それから補正予算によつてそういつたふうな価格鞘寄せができないかというふうな御質問つたと思うのでありますが、この点につきましては只今申しましたような事情で、特に食用塩を引下げるということになりますれば、全体の諸特別会計独立採算制から申しましても困難がございますし、又只今申しましたように収納価格の建て方を根本的に変えますれば別でありまするが、現在の価格の建て方の下においては困難であると、かように申し上げられると思います。
  11. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 少し意見が入つておりまするが、今の御意見で行くと、やはり工業塩一般塩を飽くまで分けておのおの原価採算をやつて参る、こういう考え方であれば、これは私ども要求はいつまでも容れられないと思うのでありますが、専売公社があり或いは特別会計がある場合におきましては、それが一つの機関なり一つ会計でやつておれば、その内部でいろいろ操作することが私は専売公社を作つたなり、或いは塩の特別会計を運用する原則だと思うのでありますが、今の議論を徹底して行けば、むしろ工業塩と、一般用塩とを一緒専売制度を布くという意味は殆んどないのでありますが、この辺をやはり彼此調整してプールをするということが私は趣旨じやないか、こういうふうに私は見るわけであります。今の御意見で行けば、一つところでやつていても原価採算は飽くまで別にするということでは、我々の要求はどうしても容れられないのである。この辺に私は根本的な観念の相違がありやしないか、それを破つてもらわなければこの委員会決議は殆どこれは容認されないのです。あなたの議論で行けば自由経済と同じような考え方であると思います。例えば工業塩使つて製品を作つておるメーカーが、外貨をもらつて自分で入れる場合とひとしくなつてしまうのであります。それでは私は一般大衆なり農林水産業はやつて行けないと思います。一本でやつておるから、その内部で全体としての収支バランスが取れれば、それは飽くまで全体としての採算が取れればいいわけでありますから、それを分けてやることであれば我々の要求はこれは殆んど容認されない、こういうふうに思うのであつて、そこが私は問題ではないか。そうなつて来るとこの前関係当局から申入れ趣旨に副つて善処いたしたいということが、殆んどこれは嘘であるということになつてしまうから、工業塩一般用塩とをむしろ全体としてプールをする、これは独立採算制ということは私はこの際止むを得んと思いますが、その粋内で何も一般用塩工業塩との原価をそう区別する必要はないじやないか、それがあつたりでは依然として我々の要求は貫徹されないというふうに思うのであります。その辺を是非これは直してもらいたいというふうに考えまするが、如何でございましようか。
  12. 西川三次

    説明員西川三次君) 只今の御意見実は関係各省でいろいろフリー・トーキングしましたときにもそういつたような問題が出ております。そうしてまだそういう点が未解決といえば未解決なんでありますが、我々としましてはいろいろそういつたふうな点でもう少し掘下げてみる必要があると思いますが、本件につきましては、工業塩については御承知のように特に特別価格として規定されておるというような観点から申しましても、国民経済相当重要視しておるということは考えられるのであります。一方食用塩についても民生の安定の上からいつてもこれも軽視できないものであろうと思うのでありますが、そういつたふうな両者を如何に調整、バランスをとるか、こういつたような問題がございまして、ウエイトの問題、それから価格の面でどういうふうに跳ね返えるかというふうな問題、いろいろ問題が複雑だろうと思うのであります。こういつたような点すべてを総合いたしまして、そういう面でも1つ是非検討してみたいと、かように考えております。
  13. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 もう一つ、これは私素人でわからんのでありますが、輸入塩では一般用塩にはこれは全然向かないわけでありますか、或いは食用塩なり或いは農林水産業方面に使う場合においては輸入塩でも支障がないものであるかどうか、その辺を一つお伺いします。
  14. 西川三次

    説明員西川三次君) 全然向かないというわけではないのでありまして、食用塩は大体白塩ですけれども、精製するわけでありまするが、そういつたふうな精製加工の必要があるわけでありまして、全然向かない、食用塩に向けることが不可能だということではないのであります。
  15. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうしますると、コストの高い国内塩だけはこれは食用塩に廻して、コストの安い輸入塩が概して工業塩に廻る、こういうことにもなつてしまうわけでありまするが、そこでどうしても私どもは当委員会の全体の決議としては、これはこの前も申入れをいたしたわけでありまして、今私ども申上げましたことを一つ十分これは取入れて頂いて、成るべく早い機会一つ我々の満足の行くような結論をお出し頂きたいということを重ねて要望いたしまして私の質問を終ります。
  16. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 この問題が起きたのは西川塩脳局長専売局おいでにならんときであります。今のお話通り一体専売法といいますか、元きめた事柄が惡いと思うのであります。そこでそれを直してもらうものだと実は期待いたしておりました。そこで国内塩の高いものは食塩に使う、輸入の安い塩は工業塩に使うという建前そのものがいけないのであつて、それを直してもらうべく要請をいたしておりますが、なかなかそれを直すことに非常に問題があるようであります。私に言わせれば何らの問題はないと思う。ないということは、一方よくて一方惡いことをしたのではこれはいかんのでありまして、若し工業塩が内地産の食塩一緒にして採算が取れなくて成立たんということになりますれば、それはそれで方法を講じればいいのであつて、今西川局長お話のように、配給の手数だとかいろいろなことくらいで食用塩コストを下げても、これは幾らも下らんと思う。そこで戦争中にあつたと思いまするが、今片柳さんから、外塩は絶対に食用にならんかと、こういうお話がありましたが、家畜塩などは当然間に合います。漬物にも間に合います。私ども外塩紅がらを入れて赤くしておけば人間が食わんだろう、こういうことも専売局の私は考えであつたと思いますが、家畜塩に赤くした塩をたくさんもらいました。あれで結構漬物にもなりますし、食つて食えんわけはないのでありまするが、少し味が惡いのと、見る目が赤いから惡い、こういう程度のものでありますが、是非、我々の要望は現在の機構をそのままにしておいて、そうしてやつてくれといいましてもこれは当然無理なんです。ですから基礎そのものを直してもらう御意思があるかどうか。これは局長そのもの一人を責めてもいかんと思いまするが、局長見通しで直るという見通しがあるかないか、一応お聞きしたいと思います。
  17. 西川三次

    説明員西川三次君) 只今の御質問につきまして、ここで簡単に申し上げられないと思うのでありまするが、私の見通しとしましては、御承知のように先ほども申し上げましたが、工業塩については現在の工業塩輸入価格で以てしてもアメリカあたりに比べまして二倍半くらいになつております。こういうふうな現状で、ソーダ工業を放つておいてもいいということであれば別問題でありまするが、ソーダ工業というものは御承知のように産業的に見ても化学工業の基本的なものでありまして、極めて重要なものであります。而も今後日本自立経済を進めて行くという場合に、できるだけそういつたふうな基本産業の諸物価の国際的の鞘寄せということが絶対的の要請になつておると思います。そういう点から申しまして、現在の輸入価格を以てしてもなお且つアメリカあたりに比べて二倍半だというような場合に、これを更に食用塩と大体同じようにしてしまつて更に上げる、こういつたふうなことが一気にやれるかどうか、そこら辺に相当問題があると思いますから、この点はここでは簡単にお答えできないかと思います。併し我々のほうでは幾らかでも鞘寄せするようなふうな線で是非とも研究して見たいと関係各省そういうほうに、私も先ほど申しましたように、議題にも上つたわけでありますから、関係各省の間で十分打合せまして、一応の結論が出ますれば、これは相当大きな問題になりますから、最後的には農林委員会だけでなく、或いは通産委員会とか、そういつた関係も恐らく相当意見が出ることと思いますが、国全体としてどういつた政策をとるべきか、こういつたような線をはつきりきめて頂けば、その線で問題が解決がつくのではないか、かように存じます。
  18. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 最初のときには物価庁からも次官が来まして、馬鹿扱いをした何だということで、そのままそれつきりで……言つても切りがありませんが、問題は一般国民の民生安定に必要なる必要物資でありまするし、一方は是非必要なソーダ工業のことでありますが、これは大蔵省でないとわからんかも知れませんが、ソーダ工業そのもの採算、一体会社はどうなつておるか、これを食塩一緒価格にしてやつたら成立たんものか、私は現在の工業はそんな馬鹿なことをしておられない。ソーダ工業の実際を見たこともありませんし聞いたこともないから存じませんが、大蔵省なら恐らくソーダ工業経営実態をよくつかんでおると思いまするから、ソーダ工業がどうなつておるか、そのほかにも工業塩使つておりますが、その会社がどういう一体経営をしておるか、これは戦争中でどうして国の必要に応じてやらなきやならん工業なり或いは政策は、国民全体を犠牲にしてもこれは止むを得ません。やらなきやならんこともありまするし、やつたと思います。併しながらきよう日になつてはそんなものではないと思う。そこでソーダ工業なりその種の工業が成立ちさえすれば八千三百万の国民犠牲にしてもいいんだ、是非やらなければならんのだ、こういう工業なら止むを得ません。併しそれでも会社実態をつかんで見て利益があつて、これに高い塩を使わしても採算がとれるということになれば議論がないと思います。これは大蔵省でないとわからんと思いますが、大蔵省からおいでになつておるのでありますから、大蔵省からソーダ工業その他の外塩を使います会社実態をお聞きしたいと思います。
  19. 谷川宏

    説明員谷川宏君) 只今の御質問でございますが、大体におきまして終戦直後におきましてはその他の産業同様に非常にソーダ工業界そのものも企業的に余りいいものとは申せませんでしたが、その後だんだん回復いたしまして、最近におきましてはかなりの業績を挙げております。併しながら先ほど専売公社塩脳局長も申しましたように、ソーダ工業におきましてできますソーダ製品そのものが、輸出の点になりますと現在におきましてはまだ外国の製品と比べまして太刀打ちができないという現状でございます。従いましてこの点につきましては工業界のかたがたも長期の生産計画を立てまして、操業度の向上という点を図る。更に塩の問題につきましても、本年の四月一日以降殆んど輸入原価と申してもよろしい八千円という価格、更に最近におきましては荷渡しの場所を変えました関係上九千円近くの価格で引取つてもらつておる現状でありまして、この塩の価格の点につきましても将来は追い追い国内塩価格同様に引取り得るよううな態勢に生産工程その他におきまして相当研鑚を積んでおるので、そう遠くない将来におきまして只今委員の御要望が達せられるようなときが来るのではないかと考えております。
  20. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 詳しくはわかりませんが、大体のお話はわかりました。私は現在の日本現状では輸出をするものも相当つて採算が取れないということになると経営合理化をせよ、こういうことを盛んに政府は奨められておりまして、恐らくそのバランスが取れないから国民全体を犠牲にしてでもそれをやらせるということになるので、そこで問題は塩そのものにこの非常に少ないドルをそのために出して、そうしてやらすなんていうことは真つ平もう御免の時期なんです。それで役所のほうでできないならば、これは我々のほうの仕事なんだから、それでもいいと思いますが、現在北海道でソーダ工業を始めております。それも恐らく道がやつたのだから成り立たんつもりでやつたのかもわかりませんが、こういう時代であります以上は、どうしてもソーダ工業自体が十分に成り立つようにせなければならんと思います。併しながら八千三百万の国民犠牲にしてまでソーダ工業をやらなければならん問題であるかどうかという問題であります。これを一つお聞きしたい。
  21. 谷川宏

    説明員谷川宏君) ソーダ工業に対しましては従来、昨年まで補助金が相当の額出ていましたのを、昨年度一般の補助金政策に対する考え方同様に撤廃いたしまして、更に最近は、只今申しましたように、その主要原料である塩の価格も倍以上に引上げたような現状でございますので、合理化方法につきまして我々は少しも異存ないのでございますが、一挙に只今の御意見のように国内食用塩プールした価格でというところまでは行かないと思いますが、だんだんそういう方向に持つて行くべきだと考えております。
  22. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私も食用塩と同じ価格にまでしてほしいという意見は持つておりませんが、余りにもひどい差なもんですから言つておるわけですが、今の御意見を承わりますと、プールして同じ価格までは困難だろうが。できるだけ努力して下げて行きたいという誠意は十分わかりますから、まあ一つ是非その方針で御努力を願つて、あなたも同様我々と同じように塩の関係でありますから、その点を十分御考慮になつて専売局と、農林省も同様でありますが、力を合せてその実現の一日も早からんことをお願い申上げます。
  23. 谷川宏

    説明員谷川宏君) 最後にちよつとお断りしておかなければいけないことでございますが、この問題につきましては昨年度、この前の国会におきましても、殊に魚の塩蔵用の塩の価格につきまして、私どもといたしましては法律改正の運びにまで行きましたのですが、関係方面の了解を得ることがとうとうできませずそのままになりましたので、この塩の価格そのものにつきまして、私どもといたしましても大いに只今の御意見に副つて行きたいと思いますが、そういうような事情もあることをお含みの上、更に塩につきましては、私どもは専売益金全体におきまして、たばこにおきましては相当の益金を財政的に期待しておりますが、塩は御承知通り一銭の益金も予算的には計上しておりませんので、塩の特別会計といたしましては、特別会計採算が取れる限度におきまして価格をきめればよろしいという考に立つておりますので、併しその半面赤字になりますと財政的に非常に困りますので、赤字にならない限度において今後とも工業塩及び食用塩価格を適正にきめて行きたいと考えております。
  24. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 もう一つ。これは塩脳局長にも関係あると思いまするが、決してたばこと違つて塩は……、たばこはいやな人は喫まなければ結構だし、喫む人は勝手に喫めばいいと思うから、たばこはうんと上げてうんと税金を取る。一体直接に税金を取るより間接に取つたほうがいいという意見を持つております関係からそう申上げますが、塩は決して、生きている以上は動物はすべて塩を食わんと工合が惡いのですから、今のお話の酒や菓子の製造は高いならば高く売ればいい。そういうものとは別にお考えにならなければならないということと、それから専売局のほうで塩の関係は少々赤字になつても……これは話が通ると思う。たばこのほうの料金は高くしても結構でしようし、これはその赤字にならん程度にやつておるというのは無理ありません。併しながら少々赤字になつてもかまわん、安くしなければいかんという肚がないと、まあ赤字になる程度というような、そういう生温い考えでは、いつまで経つて一般食用塩といものは下らないと思う。だからものは考えようで、専売局のほうでは赤字は少々出ても、たばこの実績でカバーするという、カバーしなくてもそのくらいの考えでやつてもらわんと、いつまで経つて食用塩は下らんと思いますからそういうことも十分お考えになつて一つつてもらわんと困りますから、その点一つよろしくお願いいたします。
  25. 羽生三七

    委員長羽生三七君) この件に関しましてはすでに当委員会が全会一致の申入れをしたことでありますし、只今片柳、岡村両委員から御要望がありましたように、決して食用塩工業塩と同一の価格にせよということではないので、その差が余りに離れるので、でき得べくんばこれをプールして適正な価格に落付かせることを希望しておるわけであります。それから塩脳局長から近くこの案ができた場合に御相談するというお話がございましたが、まあ完全な、コトクリートになつてからはなかなかそれを変更することが困難でありますので、その提出される案そのものが今両議員御要望の線に成るべく副うように一段の御努力を希望しておきます。ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止〕
  26. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 速記を始めて下さい。それでは引続きまして今国会に提案予定の農林関係法律案につきまして関係当局から説明を求めたいと思います。それでは最初に青柳蚕糸局長から説明を求めます。
  27. 青柳確郎

    説明員(青柳確郎君) 蚕糸局といたしまして今国会に糸価安定法案というものを出したいと、こう思つております。実は生糸の価格の安定ということにつきましては、日本国内の蚕糸業者、関係業者のみならず、海外の人たちからも相当希望されている問題でございまして、今回幸いに予算の面におきまして、二十六年度の補正予算におきまして、糸価安定特別会計というものを国会に求めまして、その基金といたしまして約三十億の基金が認められまして、今回その予算が出ておるのでございます。一方法律案の面におきましてはまだ政府の態度がはつきりきまりませんので、その法律案の内容をこの席で詳細にお話いたしまする段階に現在はございません。併しその構想を簡単にお話申し上げてみようと思います。  この法律案の目的といたしましては、先ほどもお話いたしましたように、糸価の異状なる暴騰、暴落を防止いたしまして、生糸の輸出の増進を図り、国内の蚕糸業の経営の安定を図るというような考え方で私たちは案を練りたいと思うのでございます。それではそんな異状なる暴騰、暴落を如何なる方法によつて防止するのかというと、生糸の買入れ及び売渡しによつて暴騰、暴落を防いで参りたいと、こう考えるのでございます。最高価格及び最低価格をきめまして、最高価格になりました場合にこの特別会計が生糸を持つておりまするならばその保有生糸を売渡しまして、その蚕糸価格を維持し、最低価格になりました場合におきましては、市場の生糸を買上げるというような方法でこの暴騰、暴落を防ぐということでございます。それなら最高及び最低の価格を如何にしてきめるかということでございまするが、それは生糸の価格なり或いは又繭の生産価格、生糸の加工価格一般主要繊維の価格物価その他経済事情を斟酌して、最高価格、最低価格というものをきめたいと、こう考えております。そんならその価格はいつきめるのかということでございまするが、これは大体養蚕者の生産を始める前にきめて参りたいという考え方でおるのであります。従つて蚕の掃立前、毎年三月中に価格の決定をやりまして、その価格の適用期間はいわゆる生糸年と申しますか、その年の六月から翌年の五月三十一日までの期間その価格を適用して参りたいと、こう考えております。併しその一カ年の長い期間におきまして、経済事情が特に変動の激しい際におきましては、その価格の改訂ができるという方針をとつております。大体そういう形において生糸の売買による価格操作によつて価格の安定を図りたいと、こう思つておりまするが、一方繭の安定につきましては、更に現在この制度と関連いたしまして検討を現在加えておる次第でございます。大体の法律案の内容はそういう形になつておりまするが、一方又この法律の運用が適正に円滑に行くために繭糸価格安定審議会というものを設けまして、その中には蚕糸関係、特に蚕糸関係関係のあります学識経験者その他一般経済人という人たちを委員といたしまして審議会を作り、農林大臣はそれに諮問いたしまして、その審議を経て運用をして参りたい、こういうような大体の構想になつております。本日政府の案も決定いたそうと思いまするので、案が決定しましたら又更に詳細に皆さんにも御審議をお願いしたいと、こう考えておるような次第でございます。
  28. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 協同組合部長
  29. 打越顯太郎

    説明員打越顯太郎君) 農林漁業組合再建整備法の一部改正案をこの国会に提案をいたしたいと存じまして、現在準備を進めておりますわけであります。  改正案の進捗状況を申し上げまするというと、本日の閣議で決定をいたしましたところによりまして、関係方面の承認を受け次第国会のほうに提案をいたすつもりでございまして、来月の上旬に相成ろうかと思うのであります。改正案の趣旨はどういう点にございまするかと申しますると二点ございまして、その第一点は増資の奨励金の交付の時期を当該年度のみならず、その一部は次年度におきましても交付ができるようにいたしたいということであります。と申まするのは、増資の実積は年度の終りになりませんとはつきりわかりませんのでございまして、従つてその年度内にのみ交付することができない場合がございますので、一部はその実績によりましては次年度におきまして当該年度の増資奨励金が交付できるようにいたしたいという点であります。  もう一点は、再建整備をやります組合におきましては、欠損の補填を一日も速やかに容易ならしめることにいたしたい、これによつて再建整備の目的を早く達成するようにいたしたいという趣旨から改正をいたしたいと考えておるわけでございまして、その要点は、法人税法の欠損金の算入につきまして特例を設けたいということであります。その内容は昭和二十五年度におきまして生じました欠損、又昭和二十六年度におきまして新たに生じました欠損金、即ち昭和二十五年度より生じました繰越欠損金と二十六年度に起きました欠損金につきましては、本年の十二月末までに改めて青色申告を提出いたしまする場合におきましては、法人税法の算定上は、前年の剰余金の中からそれを欠損金として繰越控除ができるようにいたしたいということであります。と申しまするのは、これ再建整備の対象となつておりまする組合におきましては相当大きな欠損金を持つておるのでございます。その大きな部分は、昭和二十五年度の決算期におきましまして生じた欠損金と、昭和二十六年度に生じました、つまり本年度において生じまする欠損金が大きなものでございまして、先の再建整備によりまして本年の三月三十一日を再建整備の指定日にいたしておるのでありますが、その三十一日の指定日におきまして計算をいたしましたために新たに欠損金を出しました額もございまして、それを合せますると相当大きな金額になるのであります。これも青色申告をいたしておりませんというと欠損金として控除できない仕組になつておるのでございます。現在私のほうで調査いたしたところによりますというと、これが法人税法によつて欠損金として控除できるかどうかということによりまして約十六億という大きな金額になるのであります。従つてこの改正ができますれば、それによつて十六億の税の負担を軽減するということに相成るものでございまして、農協の再建整備を容易ならしむることにも相成るのであります。さような見地から今申上げました改正案をいたしたいということであります。  ついでに起ちました関係上、再建整備の現在の進行状態を一応簡単に御報告を申上げておきたいと思いまするが、再建整備法の第七国会におきまして成立いたしました後におきましては、施行令、施行規則その他の関係の法令の制定実施をいたしますと同時に、再建整備法自体も六月の十一日にその一部が改正いたされまして、林業組合及び林業組合連合会が再建整備法の適用を受けることに相成つておりますることも御承知通りであります。それで私どものほうにおきましては、再建整備の趣旨を協同組合に十分徹底いたしまするために県の部課長会議の開催その他によりまして、その趣旨の徹底を図つて参りました次第でありまして、今日再建整備の熱意は相当に燃えておりますることは誠に喜びに堪えないのであります。現在の再建整備をやりますることを希望しておりまする組合の数は約二千七百に達しているのであります。これによりまするというと、増資の奨励金におきましても、当初年度におきまして計上いたしました金額に対しまして、基準増資の分につきましても約九千万円ばかり不足することに相成つておるのでございまするが、これも大蔵省と折衝いたしまして、漸く九千万円が新たに計上されることに相成つておるのでございます。目下さような方針で基準増資の予算の増額も一応決定を見ました関係上、現在引続いてブロック会議開きまして趣旨の徹底を図つておりますような情勢下にあります。一応簡単でありまするが、改正案の趣旨と進捗状況の概況を御報告申上げました。
  30. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 本日はこの程度で散会いたします。    午後三時六分散会    —————・————— 十月二十日予備審査のため、本委員会 に左の事件を付託された。  一、山梨県下の降ひよう被害農家救   済等に関する請願(第三〇号)  一、愛知県に家畜衛生試験場東海支   場設置の請願(第三一号)  一、都市における農地調整法緩和の   請願(第三二号)   —————————————  第三〇号 昭和二十六年十月十日受  理 山梨県下の降ひよう被害農家救済等に 関する請願   請 願 者 山梨県議会議長 川         口荘二郎   紹介議員 小宮山常吉君 本年六月十二日および二十三日山梨県 下を襲つた降ひようは、本県農業史上 未だかつてない被害でり災地域は山岳 地帯を含む一市六郡、甲府市外五十箇町村にわたり、被害面積合計四千二百 四十町歩、推定被害金総額は二億六千 万円を算し、本県の経済的損失は極め てじん大である。降ひよう中心地東山 梨郡菱山村およびその附近一帯の農作 物は全滅し、被害農家の惨状は目に余 るものがあるから、すみやかにこれら 被害農家の救済と、農作物の復旧につ いて緊急の対策を樹立せられたいとの 請願。   —————————————  第三一号 昭和二十六年十月十日受  理 愛知県に家畜衛生試験場東海支場設置 の請願   請 願 者 名古屋市中区南外堀         町六ノ一ノ二〇愛知         県農業共済組合連合会         長 大見為次外三名   紹介議員 鬼丸 義齊君  家畜家きんの飼養増加に伴い必然的 に各種の疾病が激増し増殖上多大の支 障をきたすばかりでなく、これによつ て農家経済に及ぼす影響は極めて大で あるに鑑み、これが予防ならびに防圧 対策の一環として、東京に家畜衛生試 験場があり、東北、中国、九州に支場 が置かれているが、家畜の飼養密度が 全国でも上位にある東海地区に本機関 の設置がないのは遺憾であるから、家 畜衛生試験場東海支場をすみやかに設 置せられたいとの請願。   —————————————  第三二号 昭和二十六年十月十日受  理 都市における農地調整法緩和の請願   請 願 者 名古屋市議会議長横         井恒治郎   紹介議員 鬼丸 義齊君 都市において公共用施設および一般住 宅敷地を必要とする場合に、農地が介 在するときは農地調整法による制約を 受けるため、一般住宅の建設が阻害さ れ、あるいは、市の事業が引き延ばさ れ、または変更のやむなき状態に至り 都市計画を阻害し、都市の発展に惡影 響を与えているから、都市における農 地調整法の適用を緩和せられたいとの 請願。