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1951-11-21 第12回国会 参議院 内閣委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十一日(水曜 日)    午前十時五十一分開会   —————————————   委員の異動 十一月二十一日委員上條愛一君辞任に つき、その補欠としてカニエ邦彦君を 議長において指名した。 十一月二十一日議長において館哲二君 を委員に指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            松平 勇雄君            溝淵 春次君            山花 秀雄君    委員            楠瀬 常猪君            郡  祐一君            横尾  龍君            楠見 義男君            竹下 豐次君            成瀬 幡治君            カニエ邦彦君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君            館  哲二君   委員外議員            矢嶋 三義君            松原 一彦君   国務大臣    厚 生 大 臣 橋本 龍伍君    農 林 大 臣 根本龍太郎君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    行政管理政務次    官       城  義臣君    行政官理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    厚生政務次官  平澤 長吉君    農林大臣官房長 塩見友之肋君    農林省農政局長 東畑 四郎君    食糧庁長官   安孫子藤吉君    林野庁長官   横川 信夫君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   説明員    文部省文化財保    護委員会事務局    長       森田  孝君    厚生省大臣官房    人事課長    大山  正君    厚生省医務局長 阿部 敏雄君    食糧庁総務部長 清井  正君   —————————————   本日の会議に付した事件行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○恩給法の一部を改正する法律案(内  閣送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。  先ず以て本日内閣委員に指名せられました館哲二君を御紹介申上げます。
  3. 館哲二

    館哲二君 館でございます。どうぞよろしく。(拍手)
  4. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 本日の審査の順序を申上げておきたいと思います。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案につきまして、文化財保護委員会厚生省農林省通商産業省等の順に従いまして審査を進めたいと考えます。  なお恩給法の一部を改正する法律案が付託せられたままになつておりまするから、午後一時に提案理由説明を聽取することにいたしたいと考えます。  それからもう一つ申上げておきたいのは、内閣委員以外の他の委員発言を求めらるる場合が今後もあると考えます。そういう諸君の御発言はできるならば、内閣委員発言した後に御発言を願うことにしたいと考えるのでありますが如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 楠見義男

    ○楠見義男君 数が多ければ別ですけれども、若し少ければ連合委員会申出を拒否してやつてもらうことになつたのですから、あととか先とかいうようなことをきめずに、できれば私は優先して上げたらいいと思うのですが、必ずしもきめずにやつて頂いたらどうかと思いますが。
  6. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは適当に加味して行きましよう。
  7. 楠見義男

    ○楠見義男君 どうぞお願いいたします。
  8. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それだけを申上げておきます。  それでは昨日に引続きまして文部省の部でありますが、文化財保護委員会についての説明を求めます。
  9. 森田孝

    説明員森田孝君) 文化財保護委員会関係行政整理の総数は二十八名でありまして、内訳を申上げますと事務局が十八名、国立博物館が九名、美術研究所が一名であります。ここで問題を申上げますと、事務局一般職員整理率が三〇%になつておりますが、これは文化財保護法が昨年の九月発足したばかりでありまして新しく非常な事務増加をしたのであります。たとえて申上げますと、今まで全然取上げておりませんでした芸能工芸技術等無形文化財、又は或いは埋蔵文化財その他の事務が非常な増加をいたしたにもかかわらず、文化財保護委員会発足いたしますに当りまして僅かに純増三十五名を数えたにとどまつたのであります。発足当時すでに行政整理の趣旨を織込んでいるということがむしろ申上げられはしないかと考えておるのでありますが、今日の情勢からいたしまして、一応先ほど申上げました行政整理を了承いたしたような次第でありますが、この法律実施上並びに新しく工事を起さなければならないものにつきましては、今後できるだけ定員の充足をお願いいたしまして、事務支障の来たさないように努力して参りたいと考えておるのであります。特に文化財保護法の一部を改正する法律案が今度の国会に提出いたされておりまして、これは参議院の文部委員会の各党派全会一致で発議されておる法案もありますが、これによりまして、附属機関の整備をいたさなければなならないようになつておりますし、又文化財保護委員会所管すべき国有財産が四百以上を数えておるような実情もありますが、現在におきましては、これについての定員は一人もないというような状態もあります。又直営工事といたしまして現在姫路城松本城修理工事を行なつておるのでありますが、この修理工事におきましても、現在におきましては松本城姫路城もそれぞれ三名の定員しかないのでありまして、これらを完全に遂行するには姫路城におきましては十二人乃至十五人を要しますし、松本城におきましては八人乃至十人を要する勘定でありまして非常に少数のもので能率を上げて、事務に粗漏のないように苛酷なむしろ仕事を背負わしておるような現状であります。来年度どうしても実施しなければならない直営工事福山城金澤城熊本城三つがあるのでありますが、これらの修理工事におきましても勿論定員は現在ありませんので来年度増員を認められない場合におきましては非常な困難を来たすのであります。承りますと行政整理定員法の閣議の了解事項といたしましては、行政整理後においての来年度の増員整理したのちの定員の中の融通によつて行うという了解があるということを漏れ聞いたのでありますが、そういう点を考えますと我々といたしましては、将来事務の遂行上相当支障が起りはしないかと考えておるような実情であります。  以上簡單に申上げましてなお御質問に応じてお答えいたしたいと思います。
  10. 竹下豐次

    竹下豐次君 ちよつとお尋ねいたしますが、只今の御説明によりますと来年度にたなたら早々から又増員しなければ工事は進まないのだ、併しこの際だけは止むを得ないから政府の方針に従つて減らすことを了承するというふうに聞えたのでありますが、そう理解してよるしうございますか。
  11. 森田孝

    説明員森田孝君) 只今竹下委員からの御質問通りであるのであります。我々といたしましては、今度の文化財保護法の一部改正によつて、京都の市立博物館が寄贈されまして、国立博物館を設置することにすでに補正予算において創立準備費は認められておりますし、又法案法律的な措置も今回の文化財保護法の一部改正によつて行われることになつておるのでありますし、又奈良において文化財研究所を新設するという点につきましても補正予算において創設準備金が認められ、又法律的な措置を講じられようとしておるのでありまして、少くともそういう点については若し定員の増を認められない場合には全然法律執行ができないというような状態になるのでありますし、又先ほど申しました国有財産修理工事我いは又四百に余る私どもの附属機関処理というような点におきましても増員を認められない場合には相当事務支障を来すと考えるのであります。
  12. 三好始

    三好始君 増員を認められなければ法律執行ができないというような実情にあることを承わつたのでありますが、行政管理庁のほうでは来年度の増員についてどういう計画を持つておられますか、一応承わりたいと思います。
  13. 中川融

    政府委員中川融君) 今回定員法に盛つております数は今回の行政整理ということでこれを減らしまして出ておるわけでございますが、来年度のそれでは新規増を必要とするものをどう考えるかということはこれはなかなかむずかしい問題でございますが、原則といたしまして行政整理をしたあげくに又すぐに人をふやすというようなことは首尾一貫しないわけでございまして、これは原則としてはできるだけ新規増は認めたくないという考えでございます。併しながらものによりまして例えば施設がふえますとか、或いはいつか例も出ましたが、船舶がふえる、こういうようなものがありますれば当然その事実に基きまして必要最小限度人間は増さなければならない事態が生じて来るわけでございます。さような場合につきましてはまだ具体的に個々の件につきまして各省からお話もありませんし検討はいたしておりませんが、原則論といたしましてさような新規事態に対しまして是非とも必要なものは又検討の上で予算範囲内では定員をふやさなければならんことが生じやしないかというふうに考えております。
  14. 三好始

    三好始君 只今文化財保護委員会の場合には大体増員を必要とする人数は予定せられておる。大体人数が確定できるのじやないかというような印象を受けたのですが、この点如何ですか。
  15. 森田孝

    説明員森田孝君) 只今申上げましたように、私のほうといたしましては、事務局において相当数増員をして頂くと同時に、附属機関が新設せられますのでこれらにつついてはそれぞれ必要な定員の増を要求いたしたいと思いまして、これが予算要求をいたしておるのでありますが、来年度行政整理したのちの定員内でこれをやるという場合には事務支障を来す、こういうことを申上げたのであります。
  16. 三好始

    三好始君 只今説明のような状況もありますと、来年度に入つて直ぐに増員しなければいけないのを今整理するというのはどうもおかしいような感じがするのでありますが、行政管理庁当局ではこの問題どういうふうにお考えなつておりますか。今減員して直ちに来年度に入つて増員するというよりは、只今からどうせこの整理につきましても来年度に入つて整理するというような結果にもなるわけでありますから、提案に当つて考慮せられるべきであつた考えるわけでありますが、その時についての意見を承りたいと思います。
  17. 中川融

    政府委員中川融君) 今の文化財保護委員会の問題もございますが、今定員法に盛つてあります数は現状基礎といたしましての整理案でございます。若し文化財保護委員で新らしく何らかの施設を作る、そのために又人が要るということでありますれば、これは全然新規の問題としてその施設をふやす必要があるかどうか。又それをふやしまして人間をくつ付ける必要があるかどうかということは新規の問題として検討いたさなければならない問題でございます。現実の問題といしましてはまだ文化財保護委員会からそのような新規施設増、それに伴う人員増につきまして我々のほうに問題が提起されておりません。従いまして現状基礎といたしまして今回の整理案を作つておるわけであります。
  18. 三好始

    三好始君 文化財保護委員会当局からは文化財保護法施行に必要な人員についての要求を出さなかつたような行政管理庁当局説明でありますが、そういうふうに了解していいのでありますか。
  19. 森田孝

    説明員森田孝君) 只今行政管理庁中川政府委員から御答弁があありましたように、我々のほうといたしましては来年度の新らしい施設につきましては、その当時補正予算及び法律改正が明確でなかつたの要求はいたしておりませんでしたが、行政整理をするに当りまして事務局のこういう文化財保護法施行するに必要な新らしいこういう定員が必要であるということは一応は説明はいたしてあります。
  20. 三好始

    三好始君 両者の説明を聞いておりますとどうも納得できない点が多いのでありますが、これ以上問答を繰返しても無意味であろうと思いますから、秋としてこの問題を考慮することにして質疑はこれで打切ります。
  21. 竹下豐次

    竹下豐次君 先ほど森川さんの御説明の中に定員が少いと法律施行にも困るのだというお話であります。ちよつと詳しいことは私聞き落しましたのでもう一遍お聞きしたい。
  22. 森田孝

    説明員森田孝君) 新しい法律によりまして文化財保護委員会におきましては史蹟名勝天然記念物国有なつているものにつきましては、各省大臣と協議の上も文化財保護委員会所管に移すという規定があるのでありますが、これを移す場合において対象となるものが四百以上あるわけであります。これは例えば皆さん御存じの湯島の聖堂は現在は文部大臣所管でありますが、外局である文化財保護委員会所管に当然移すべきものであるのでありますが、あれだけの施設定員は一人もないという現状であるので、私のほうといたしましてはまだ所管外つまり法律施行を差控えているという現状であるわけであります。例を申上げますと、さようなものでありまして、その他の事務につきましても、例えば今申上げました埋蔵文化財、これは御承知通りに各府県とも多いこところは数千もるのでありますが、これが処理についても非常な手薄を感じておるいうような現状で、殆んど放置の状態に今なつているのであります。
  23. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 文部委員矢嶋君から発言要求がありましたが、許可して御異議存ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。矢嶋君。
  25. 矢嶋三義

    委員外議員矢嶋三義君) 昨日も当委員会にお邪魔いたしまして、今日も発言を許して頂き有難うございます。実は昨日文化財保護委員会のこの行政整理について御質問申上げたのですが、当時事務局長おいでなつておられませんでしたので改めて参つた次第でございます。私参つたばかりでございまして、三好委員からの質問が展開されておつたのでありますが、或いはダブるかと思いますがダブつた点につきましてはさようにお答え願いたいと思います。  先ずお伺いいたしたい点は、今度の行政整理が、戦後膨脹した事務、それらを整理することによつて国民負担を軽くしようという立場から立たれているようでございますが、文化財保護委員会は終戰後発足した委員会であるし、特に文化財については曾つて軍国主義時代には非常にもう等閑視されて、特に戰争中十数年間というものは、殆んど保護管理というものが放置された事情であつただけに、事業分量というものは相当あるのじやないかと思いますので、先ず承りたい点は、曾つて国宝をこれを整理して重点的に文化財保護を図りたいという立場から、一応これを重要文化財指定し、更にこの中から国宝指定をするような仕事文化財保護委員会は続けておられますが、その仕事進捗状況ほどうであるか、その点先ず承わりたい。
  26. 森田孝

    説明員森田孝君) 実は旧国宝及び重要美術品基本台帳が終戰当時焼けましたので、只今その基本台帳の先ず整理からかかつておるような現状であります。それでその整理のついたものの中から順次新しい国宝及び重要文化財指定を行いつつありまして、すでに本年に入りまして百八十一件の新しい国宝指定いたしたのであります。なお史蹟名勝天然記念物につきましても目下現状調査台帳整理を行なつておりまして、近く史蹟名勝天然記念物整理並びに特別史蹟名勝天然記念物指定を行なつて参りたいと考えております。なおこれらの仕事は将来なお三年は要すると考えております。最少限度三年を要すると考えております。
  27. 矢嶋三義

    委員外議員矢嶋三義君) この調査、再指定に当つて三年を要するというお言葉でございますが私もこれは至難な仕事だと考えているわけです。実際に視察もせにやならんでしようし更に連絡もとらなければならない。こういうことを考えるとこの仕事は戰争中放置された仕事をここ二、三年の間に十何年分の仕事をするというような特異性があるかと考えられるわけです。そういう立場からこの文化財保護委員会整理二十八名というものは、私はそういう方面の仕事支障を来すのではないかと、こういうことを考えているわけなんですが、これに対する所見を承わる前に更にお伺いいたしたい点は、有形文化財のほうで非常に破損のひどいのを、これを保存する意味から、この修理当局は気をもんでいるようでございますが、現在文化財保護委員会の直轄の事業として国宝文化財修理をやつておるのはどのくらいあるのか、それに派遣される職員というものはどの程度か、更に来年、再来年までそれらの保存修理にどういう計画を持たれておるのか、概略でよろしいのですが人的な立場から御説明願いたい。
  28. 森田孝

    説明員森田孝君) 只今有形文化財の中で、宝物類につきましては全部博物館保存いたしておりまして、博物館職員及び文化財保護委員会事務局技術員がこれが修理並びに管理に当つておるのでありますが、建造物関係につきましては、先ほど矢嶋委員おいでになる前だつたと思いますが、目下直営工事で行なつておりますのが姫路城松本城でもあります。両方とも三人くらい、技官一人と事務官一人と雇一人という三人でこれを行なつておるのでありまして、姫路城のごとき厖大な仕事、或いは松本城は全部現在解体をいたしまして新しく建てるのでありますが、これらの仕事には先ほど申しました通り十人前後の人がどうしても要ると考えておるのであります。又来年どうしてもやらなければならんのは、国有財産といたしまして広島の福山城熊本城及び金沢城三つでありまして、これらについても松木、姫路と同様に或る程度定員がなければ事務を遂行することはできないと考えております。
  29. 矢嶋三義

    委員外議員矢嶋三義君) 一つ建造物考えても吹安くて三百万、高くて七、八百万円程度応急修理がなされると思うのでございますが、こういう程度工事をする場合僅かに二、三人くらいの人が出張して仕事をするということは、私は仕事も十分できないと同時にやはり過ちを犯すと思う。姫路城修理に当つても一応疑獄の問題が表面に出ましたけれども、これは、やはり私は指導監督する人員に質の面においても量の面においても適正を得ていないというところに私はああいう不詳事が起るのじやないかと思うのです。今後逐次建造物修理につきましても計画されているわけでございますが、私は現在以上にこの指導陣監督陣を強化してやるということがその工事を完成する意味からも、私は不詳事件を起さない意味においても大事ではないか。こういうふうに私は現場を見て感じておるわけでありますが、事務局長の見解は如何ですか。
  30. 森田孝

    説明員森田孝君) 只今一つ工事で三百万円乃至七八百万円と言われましたが、一つ單位が違いましてお城は最小限やはり三千万乃至一億ぐらいかかるのでありまして、姫路城は今度数カ年の継続工事なつております。ただ姫路城刑事事件につきましてはいろいろ原因がありまして、どこにどういう原因があるかということは、ちよつとここで、ここでと申しますかまだはつきり判決も下らない現在においてはよくわからないと思つておりますが、行政上におきましては、契約或いは支出或いは物品、金銭の管理というものを一人で行うというところには、確かに行政組織上の不備があるということを感じておるのであります。
  31. 矢嶋三義

    委員外議員矢嶋三義君) 次に無形文化財保護については、現在どの程度に進めておられますか。
  32. 森田孝

    説明員森田孝君) 無形文化財につきましては、工芸技術関係専門家が一人と、芸能関係専門家が一人というような状態でありまして、只今基本調査を進めておるというのと、差当り調査した結果で予算の許す範囲内において保存の処置を講じておるという程度であります。
  33. 矢嶋三義

    委員外議員矢嶋三義君) 長くなりますので事務局長に対する質問はこの程度で打切りたいと思いますが、私はここで事務局長にお伺いいたしたい点は、先ほど申上げましたように、文化財については戰争以来十数年間放置されて、そうして文化国家の建設という、こういう立場に立つて文化財保護という法律をこしらえてこの民族的遺産保護して行きたい、こういう立場から発足してそうしたあなたの仕事はまだ私は十分軌道乘つてもいたいし、又平常状況なつていない、十数年間の仕事を今ここ二、三年のうちに一応片付けて、それから平常事務をとつて行こうという段階ではないかと思う。こういう発足段階早々にこれだけの整理を敢行されて、十分その使命を果し得る自信があるのか、どうかあなたの率直な意見を私はここで承わりたいと思います。私の質問している理由は、今も申上げた以外にある、今あなたのほうで手を擴げなければならない未開拓の仕事さえ私はあると考える。この段階で果して文化財保護法立法精神を十分活かし得るかどうか、事務局長のざつくばらんな率直な意見を私は承わつておきたいと思うのです。
  34. 森田孝

    説明員森田孝君) 先ほど申上げますように、文化財保護法実施に必要な定員につきましては、将来その都度要求をして参りたいと考えておるのでありますが、現在の情勢におきましては、只今定員法改正提案せられております定員の減は一応承知をいたしまして、現在のその残つた人員ででき得る限りの能率を上げて、事務の進行に支障のないように行なつて参りたいというような考えでおるわけであります。
  35. 矢嶋三義

    委員外議員矢嶋三義君) これ最後にいたしたいと思うのでありますが、それは内閣委員皆様方に、私個人としてのまあお願いでございますが、この文化財保護ということにつきましては、まあ十分御理解を頂いておることとは存じますが、国民の生活安定とか或いは生活水準の向上というような立場からは、こういう文化財保護というものはペニシリン的な効果はないと思いますけれども、併し国家民族の百年の長い将来という、そういう立場から考えるときには、私はややもすればおろそかにされがちなこういう文化財保護というものは非常に重大なんではないかと、そういうところを基盤においてのこの生産増強というものが本当に地いついて、強力なる我が国の進展というものが期されるのではないか、こういうことを常々考えておるものでございまして、皆様方にこううことを申上げるのは釈迦に説法かと存じますが、そういう立場から先輩が文化財保護法という、こういう立法もして下さつたわけでございまして、是非ともこの立法精神を飽くまでも堅持して進んで行きたい。そのためには現在発足早々のこの文化財保護委員会には予算的な方面おいても考慮しなければなりませんけれども、先ずその仕事計画して実行するところの人というものは、質においても量においても適正を確保するということが最も大切だと考えておる次第でございます。そこで非常に貴重な時間を割かして頂きまして、ここに委員外発言をさして頂いたのでありますが、どうか当委員会におかれましても愼重に御審議下さいまして御善処あらんことを申上げておきます。
  36. 竹下豐次

    竹下豐次君 先ほどから森田局長からのお話を承わつておりますると、文部当局ではこの減員につきましては非常に不賛成の気持をお持ちになつておられるように窺えるのであります。又具体的にいろいろ承わりましても一応それは尤もだというふうに私は聞いたのでありますが、併し行政管理庁のほうにおきましては、又局長のほうではああ言われるけれども、こういう問題は多少延ばしでもいいのだ、或る種類のものは或いは定員を減らしてもやれないはずはないというようなお考えがあつて、極く端的に申しますならば文部省を押えられたのではないかと思うのですが、そういう点につきましてどなたからでも結構ですから御説明願いたいと思います。
  37. 城義臣

    政府委員城義臣君) 只今竹下委員から極めて適切な御質問があつたのでありますが、管理庁といたしましては、森田事務局長のいろいろなお話もありましたけれども、この文化財保護というようなことが極めて大切だということは、これは常識だと思うのでありますが、併しこの今回の整理事務整理ということに始まつておるのでありまして、即ちこの内部管理要員を、会計であるとか人事であるとかいうようなものは、当然各省とも人事院規則改正なり或いは会計法の改正をいたしますことによつて、当然私は相当の人が浮いて来るということは当面の問題として決して無理ではないと、こう考えますので、その程度人員整理というものは、保護委員会の運営に非常な支障を来たすというふうに私どもは考えていないのでございまして、審議をお願いした次第でございます。
  38. 三好始

    三好始君 私今問題になつておる文化財保護委員会の問題よりも、もつと重大なこれらの審議を進めて行く上の前提をなす重大な問題について、政府考え方に変化が起りつつあるのではなかろうかといることに非常に不安を感じますので、この点橋本長官の出席を求めて明らかにいたしたいのであります。我々はこの定員法を審議を始めて最近は殊に忙がしくて食事もろくにとる時間もない、新聞も十分に読めないという状態で審議を進めておるわけであります。たまたまこの委員会に着席してのち成瀬委員から耳打ちされて初めて知つたわけでありますが、今日の新聞によりますと二十七年度の予算編成方針に関連して自由党では行政の徹底的簡素化を断行する方針をきめて、その大綱はすでに政府との間に了解済みであるということで、トツプ記事にこの間の模様が報道されておるのでありますが、今審議しておる定員法に関係する分ですね、行政の徹底的簡素化の断行についてはこういうことが考えられておるようであります。即ち国及び地方団体を通じ、行政事務及び機構を徹底的に簡素化する、右に伴う人員整理を行う、こういうことになつております。我々は委員会で審議を今日まで進めて来た際に、事務整理、機構改革を先行せしめて、人員整理をその結論として出して行く、こういう行き方が正しい行き方であることを各委員殆んど口を揃えて指摘して参りました。ところが橋本長管その他政府当局は、人員整理事務整理に伴うものであつて、必ずしも機構改革を先行させる必要はないという態度をとり来つたのであります。そして私も数回繰返して橋本長官及び大蔵大臣に尋ねました。次の通常国会に提出を予定されておる機構改革には、人員整理が伴わないかどうかということを質したのであります。ところがそれに対して橋本長官は、明年度予定されておる機構改革には原則として人員整理は伴わない、こういうことでありました。なお大蔵大臣にこの点について質したときには、大蔵大臣は例を挙げてこう言いました。例えば財務局と国税局は機構改革で若し統合されるというような場合が起ると局長が一人減る、そういう程度人員の異動はあるかもわからないけれども、いわゆる行政整理はないということを大蔵大臣は申しました。ところが今朝報道されておる新聞等に表われておる内容では、今までの大臣の答弁と甚だしく食い違いがあることを感ぜざるを得ないのであります。これは新聞記事として黙殺するとのできない重大な問題であり、今後定員法の審議を続けて行く上の大事な前提をなす問題であると思いますので、橋本長官の出席を特に要求してこの点を確めてから審議を続けたいと思うのであります。
  39. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は資料の要求なんですが、文化財保護委員会の各附属機関の名称と、それに配置しておる人間と、それから先ほどお話があつた極めて近い将来に法律施行に伴つて増員を必要とする附属機関及びその増員の数、これに関する資料の御提出をお願いいたします。
  40. 森田孝

    説明員森田孝君) 近き将来といいますけれども、新らしく今法律で設定せられようとしているものにつきましては、
  41. 楠見義男

    ○楠見義男君 極めて簡潔なもので。
  42. 森田孝

    説明員森田孝君) 定員はきまつておらないのでありまして。
  43. 楠見義男

    ○楠見義男君 それについての最低所要人員ですね。
  44. 森田孝

    説明員森田孝君) ああそうでございますか。
  45. 河井彌八

    委員長河井彌八君) よろしいですか。
  46. 森田孝

    説明員森田孝君) 結構です。
  47. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 やはり資料なんですけれども、例えば今城等の修理が議題に上つたと思います。そういうものに対して私は予算関係との一応折衝了解のできた計画がございましたらそれを頂きたい、こう思うのです。
  48. 森田孝

    説明員森田孝君) 今、来年度の予算については御承知通りに全然まだ内定もいたしておりませんので、来年度の計画を申上げるということは困難だと思いますが。
  49. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 継続的にやつておいでになるのが一つあるのですね。それでしたら私は一応あなたのほうが要求されましてあなたのほうの計画一つ出して頂きたい。予算折衝で非常にむずかしいのですかね。
  50. 森田孝

    説明員森田孝君) 相当困難じやないかと実は思うのですが。
  51. 三好始

    三好始君 議事進行についてもう一点。各省庁の整理の内容について審議する際にただ事務当局だけ出たのでは不十分だと思うのであります。やはり当面の責任者としての大臣の出席を求めて大臣から責任ある答弁を伺わなければいけない問題が多いと思いますから、各省庁の具体的の審議に際してはそれぞれの大臣の出席を要求いたしたいと思うのです。
  52. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私もその資料要求に対して、予算折衝をする段階いあるのは提出が非常に困難である、こういうふうに思うのですが。
  53. 森田孝

    説明員森田孝君) こういうものをやらなければならんというような、そういう意味のものならこれは出せるのですが、幾らくらいのものでどのくらいの定員だということは、ちよつと現在のところそれは勘弁して頂けんかと思つておりますが。
  54. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 実は私が要求しておる気持のものは、確かに竹下委員からも発言がありましたように私は遅らしてもいいものがたくさんあると思うのです。併しのつぴきならないものがあると思うのです。そういつたようなものについて何か整理に関して参考にしたいと思いますから、そういう趣旨のもので結構です。
  55. 森田孝

    説明員森田孝君) そうでございますか。それじや一応考えてみましてできるだけ御趣旨に副うようにいたしたいと思つております。
  56. 楠見義男

    ○楠見義男君 先ほど三好君からの発言は実は私も本日の新聞を見て極めて重要な問題だと思うのです。折角我々こうやつて一生懸命やつてつて、それが又根底がすつかり変るようなことであれば我々のこういう審議が非常に徒労に帰することになりますので、是非その点はこれからの審議の上からいつても必要だと思いますので、橋本長官の出席を求めてこの間の事情を明らかにしてから審議に入りたいと思うのです。
  57. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 委員諸君に申上げます。委員長只今橋本長官の出席を求めております。近く出席されると考えております。  諸君に伺いますが、文化財保護委員会に関してはこの程度でよるしうございますか、まだ御質問ありますか。    〔「いいでしよう。」「もうよろしうございます」と呼ぶ者あり〕
  58. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから委員長にこれはお願いなんですが、資料を要求しますときに直ぐ出て来ないと審議の上に非常に困るので要求があつた資料はできるだけ早く我々の手に届くように一つ事務のほうを通じてお願いいたしたいと思います。
  59. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 承知いたしました。それはお申出にかかわらずすでにやつておることであります。
  60. 楠見義男

    ○楠見義男君 実は具体的の例を申しますと、一昨日の電波監理関係の資料はできれば昨日の午前中にでも頂きたいというふうに私がお願いをしておつたのですが、未だに手許に届きませんので督促をして頂きたい。
  61. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 改めて督促をいたします。  ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕   —————————————    〔委員長退席、理事溝淵春次君委員長席に着く〕
  62. 溝淵春次

    ○理事(溝淵春次君) 速記を始めて下さい。厚生省平澤政務次官の御説明を願います。
  63. 平澤長吉

    政府委員(平澤長吉君) 私から厚生省の関係のことを御説明申上げます。  行政機関職員定員法によりまする厚生省の現定員は本省が四万五千百六十六人であります。それから引場援護庁が二千三百五十九人、合計四万七千五百二十五人でございます。改正法案によります新定員は、本省が四万三千百八十八人、引湯援護庁が千七百七十九人、合計いたしまして四万四千九百六十七人でございます。従つて今回の人員整理によりまする減員は、本省が千九百七十八名、引揚援護庁が五百八十名、計二千五百五十八人でございます。この整理人員の内訳は次の通りでございまするが、本省内部の部局におきましては現定員二千三百八十九人のところ二百八十三人を整理いたしまして、新定員が二千百六人となつておるのでございます。これは人事、会計等内部管理事務の簡素化、一般の事務の簡素化、能率化を期することによりまして前述の人員整理を行うことといたしたのでございます。特に現在の情勢に応じまして渉外の事務は詳しく申上げますると、五〇%、指定生産資材関係事務は一〇〇%落すのでございます。医薬品の配給関係の事務は五〇%、それぞれその程度整理を行うのでございまするが、社会保険の現業事務、それから守衛、小使、運転手、交換手等については五%、低率の整理にとどめることにいたしたのでございます。又地方の部局におきましては六十五人を整理することといたしたのでございます。最初に医務出張所でございますが、医務出張所は全国八カ所もございまして定員百八十五人でございますが、そのうちの二〇%即ち三十七人を整理いたしまして新定員は百四十八人といたす予定であります。又これらの人々は人事会計等内部管理事務の簡素化に伴うものでありまして、その趣旨でかように減員いたしたいと思うのあります。又地区駐在防疫官の事務所でございまするが、現在全国七カ所定員三十一人となつておるのでございますが、そのうちの四割即ち十二人を整理いたしまして、新定員を十九人といたす予定でございます。この趣旨は最近におきまする衛生状態並びに交通事情の好転に鑑みまして事務所を廃止し本省に統合いたすのでありまするが、一部は九州にだけ駐在し得ることを考慮中でございますが、本省に統合いたしまして機動的に運営いたしたいと、かように考慮いたしたのでございます。又地方の麻薬取締職員は現在地区駐在麻薬取締官事務所が全国に八カ所定員四十四人でございます。都道府県の麻薬取締職員二百七十八人合計三百二十二人でございまするが、この五%十六人を整理いたしまして新定員を三百六人といたしたのでございます。麻薬取締は御承知通り国際條約上の義務でありますので、特に低率の整理をいたしたいとかうよに考えたのでございます。又附属機関におきましては合計千六百三十人を整理することにいたしたのでございますが、国立病院は現在九十九カ所そのうち四カ所分院もございまするが、定員一万七千四百四十人でございますが、今回六百八十六人を減じまして新定員を一万六千七百五十四人としたのでございます。この整理人員は医療機関の特殊性に鑑みまして、管理系統の職員一〇%、医師等を五%整理いたすことにとどめまして、看護婦は整理対象外とすることと考慮いたしたのであります。整理いたさないことにいたしたのでございます。又国立療養所は現在百八十カ所、分院十八ヵ所、定員二万二千八百七十四人でございますが、今回八百二十一人の減員を行いまして、新定員を二万二千五十三人といたしたのでございます。これは療養所のうち癩或いは精神病院附随の療養所、そういうところにつきましては特にその特殊性に鑑みまして整理を行わないことといたしたのであります。そういたしまして結核療養所についてのみ管理系統の職員一〇%、医師等については五%、看護婦に対しては何も落さない、零パーセントの率によりまして整理人員を決定いたしたのであります。右以外の附属機関は試験、或いは研究、検査、検定、検疫、衛生、教育、社会福祉、兒童福祉等に関しまする施設もありますが、これらについてはいずれも管理系統の職員については一〇%、その他については五%の減員を行うことといたしたのでございます。なお国立予防衛生研究所の施設でありまする原子爆彈影響研究所でございますが、これにつきましては三〇%の整理を行うことといたした次第であります。なお又外局でありますが、引揚援護庁は現在員二千三百五十九人のところ今回五百八十人の減員を行いまして、新定員を千七百七十九人といたしたのでございます。その事柄は引揚援護庁におきまする業務の簡素化、人員配置の合理化等を図ることによりまして、復員関係では約二〇%、その他で約五〇%の減員を行うことといたしたのであります。  以上をもちまして先ほど前段に申上げました総計四万七千五百二十五人を四万四千九百六十七人にいたすことといたしたのであります。
  64. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつと数字的な問題でお伺いしたいのですが、厚生省関係は特に病院等において旧陸海軍から引継がれた人が随分あると思うのですが、各機関別に旧陸海軍から移管された人数ちよつとお伺いしたいのです。
  65. 平澤長吉

    政府委員(平澤長吉君) 人事課長が来ておりますから、人事課長を以て御説明をすることをどうぞお許し願います。
  66. 大山正

    説明員(大山正君) 只今手許に詳細な資料を持つておりませんので、後ほど調べましてお答えいたします。
  67. 楠見義男

    ○楠見義男君 午後には間に合いませんか。
  68. 大山正

    説明員(大山正君) 御質問の趣旨は、現に引継いだ人間でございますか。それとも定員……。    〔理事溝淵春次君退席、委員長着席
  69. 楠見義男

    ○楠見義男君 人間です。
  70. 大山正

    説明員(大山正君) 人間でございますか、午後にでも調べまして。
  71. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 只今説明調査統計関係は一〇〇%落とすと、こうおつしやつたのですね、本省の内部事務のうちの。
  72. 大山正

    説明員(大山正君) 只今政務次官から御説明申上げました一〇〇%は指定生産資材の関係事務もございまして、調査統計につきましては触れておりません。
  73. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 何%ですか。
  74. 大山正

    説明員(大山正君) パーセントで明確に出ておりませんが、厚生省の統計調査部が九百七名中百十六名を減員することになつております。
  75. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 委員外の発言をお許し願いとうございます。
  76. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 委員諸君にお諮りいたします。厚生委員の松原君から発言要求がありますが、許可して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この際松原君の御発言を願います。
  78. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 大切な御審議の時間を頂いて恐縮でございますが、当局にも聞いて頂き且つ内閣委員のかたがたの御審議に御念をお入れ頂きたいと思いますので、政務次官に伺いますが、私は行政整理はすべきものだと思います。しなければならんものだと思いまして大きな期待をかけておるものでございますが、併しこれは「かんな」を一様に平等にかけるようなものではなくして、ただならしに何%減らすというようなものではないと私は初めから期待しておつたのであります。と申しますのは、厚生省所管事務のごときは民族の生命を管理しておる最も大切な條件のものでございますから、この民族の生命の管理に対して非常に重点的なものがあるし、又国内においても国外においても、学問の上から見ても統計調査等は非常化嚴密な科学性を持たなければならんのでありまして、且つそれが迅速に行われなければならないといつたようなこともあります。更に又私どもずつと厚生委員として当つておりますと相当重複しておるものがある。戰後においては徒らにデパートメントのような羅列式な行政の面ありまして、厚生省所管のうちでも水道、住宅等は建設省と共管になつておる部分が相当ダブつておりますし、又一面労働省の方面からは兒童局、婦人少年局等の重複もありますし、保健関係におきましては特に大蔵省の方面とその他いろいろ重複もいたしておりますので、こういうものがどういうふうに整理せられるかということを実は期待しておつたのでありますが、これは総括質問のときに皆さんからお尋ねのあつたことと思いますが、そういうことに触れないでの事務的などく平凡な整理のように現われておりますことを実は非常に遺憾に思うものでございます。特に厚生行政で以て最も力を入れておりますのは、結核、癩病等の国民病ともいうような非常に大きな疾患をなんとか一日も早く根絶したいというので努力いたしておる最中であります。御承知のように結核に対しましては、昨年度八十四億円といつたような大きな予算を以て、これが撲滅に一路邁進いたしておる最中であります。癩病は今回整理対象のほうには一応は載つておりませんが、これもすでにもう二千床も増加すれば完全ぼく收容ができて、日本の憂うべき、民族の疾患であるあの癩病が死んど一応処理がつくというところまで参つておりますので、この際非常な努力をここに重点的に集中しなければならないのだと思つて、私どもは今日まで当つてつておるのであります。従つて今度の整理表を見ますと、表面的には極めて軽微なように一応現われておりますが、これはただすべてを通して何%とかいつたものであつてはならない面が随分あるのであります。一つの例を申上げますと、癩病のほう等に触れておらないようでありますが、これはもつと積極性を持たねばならんのであります。是非お聞きを願つておきたいのは、例えば日本で一番大きな癩病の療養所といいますと、熊本にある菊池惠楓園でございますが、ベツド数が千七百、これは本年ずつと増加して非常に立派なものができ上つたのでありますが、ここにおける看護婦の数は僅かに三十四人であります、一人あたり五十人の看護に当つておるのであります。又療養所全体から見ましても、定員が二万三千八百七十四人中に今回八百二十一人の整理があることになつております。これは数から申しましても大したものではないように思われますが、一面に療養所等におきましてはすでに現在欠員が一千九百八十三名、二千人近い欠員があるのでありまして、どういうところからこういうような欠員が出ておりますかは厚生省のほうでは十二分にお調べのこととは思いますけれども、この欠員の生じておるというのには非常に理由があります。私もほうぼうを見て廻つたのでありますが、国立病院及び結核療養所といつたようなものは非常に医師が嫌うのであります。又結核療養所は時に僻遠の地、特に結核療養所といるものは都心から遠い所にあるのが随分たくさんございましてそこに行きます医師が乏しいのであります。そういうようなことからしてなかなか医師の数が得られない、定員数が満たされておらんのが現実であります。而もその給与などにおきましては、民間の医師の初任給はどこでも一万円乃至一万五千円出しておるにもかかわらず、結核療養所では僅か七千四百五十五円といつたような薄給でやつておる。国立病院に至つては更に薄給で七千三十五円というのが初任給でありまして、こういうようなことのために一応整理人員と欠員との間に出血はないようになつてはおりますものの、これは黙つて見逃しておられない重大な内容を持つておるのであります。私は最近にこの群馬県における長壽園という結核療養所のことを承知いたしておるのでありますが、ここでは百人の病人があるのに対しまして院長が一人に医員が一人であります。そうしてレントゲン等の技術者がおらないのであります。それで患者の中から非常な不平が起りましていろいろ問題出て、これは他の原因もありますけれども長い争議を続けて参つたというような現実もあります。辛うじて最近では院長の欠員は、勿論院長はいたのでありますがやめましてその欠員には、他の療養所の院長がこれを兼務し、そうして一人しかなかつた定員医師のほかに漸く今一人を充たし得たというようなことで随分苦労を重ねておつて、結核の撲滅といつたような対策に対しまして手が足りないという事実があるのであります。なお只今申しました菊池惠楓園の一例をとりましても、千七百床に対しまして職員数は百七十三人であります。医者の数は僅か十七人の定員に対しまして十二人しか現在はおらないのであります。千七百人の癩患者に対して十二人の医者ではどうすることもできません。幸いにして最近にはこのプロミン剤というような非常に有効なものが出まして、癩病患者は刻々にあの醜い姿から助かりつつある非常な医療の進歩を見せておるのでありますが、これをするためには毎日プロミン剤という薬をば日に二回ずつ病人に静脈注射をせねばならんのであります。この注射をしますためにはこれは当然医師法から申しましても医師がせねばならないのであります。看護婦は静脈注射はすることはできないのであります。これほどの多数の人間に毎日静脈注射を二回やるということになると十二名の医者でどうすることもできませんからずらりと患者を並べて看護婦がやつております、これは違法もあります。医者でなければできないことを看護婦にやらしておる。その結果先般福井県に起りますたように遂に二人の患者をば死なした、誤つて麻薬を注射して死なしたというような申訳けのないこともできておりますので、厚生省の医療方面、特に生命を管理しております方面の人員定員の減少等につきましては仔細なる御検討の上に、お当り頂かなければこれは大変なことになるという懸念を持つものであります。一つの例を挙げたのに過ぎませんけれどもが、これをずつと逐一に私も念を入れて見ておるのでありますがどうにも腑に落ちない点が随分少くないことを私は次官に申上げておきたいと思う。次官も御苦心の結果、殊に厚生大臣が行政管理庁長官を兼ねておいでになりますので、厚生省としては相当苦しい立場におありだろうと思う。一方には整理しなければならんし一方においては厚生省を守らねばならんという義務もおありであるので、下僚のかたがたも随分苦しい立場におありになるだろうと思うのでありますが、相当ここには秋は無理があるように思うのでありますが、如何でございましよう。  私に与えられた時間というものがそんなに多くあるとは思いませんので、これから少しずつ逐條お尋ねしていつてみたいと思いますから、どうかお答えを願いたいのであります。先刻申上げました統計調査のことでございますが、これが只今お話がありましたように九百七名中百十六名を減少せられるのでありますが、これは厚生省の統計調査は非常に重大であります。世界的に又学問的に、時間的にも少しも早く現われることを要求するものでありまして、計算機や統計機、分類機等を使つてつておいでになる。併しこれは聞きますと総司令部から借用中のものだと聞いておるのでありますがそういう高度の機械などを使つての統計をやつてつて、なお且つ今日私は統計の結果は手遅れがちだと思うのであります。これに対しまして百十六名の減員をしてやつて行けるお見込があるものかどうでしようか、この点につきまして先ずお伺いしたい。
  79. 大山正

    説明員(大山正君) 只今統計調査についての御質問でございますが、只今お話にありましたように厚生省の統計調査部におきましては米国側から借用いたしました機械を用いて種々複雑な統計をやつておるのでございますが、これの事務或いは業務の能率化、簡素化を極力考えました結果、大体百十六名の程度の減員でありますならば現在の機能を損うことなしにやつて行けるというように考えた次第でございます。
  80. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  81. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。
  82. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 総務課のほうでまだある石油統制事務の二名を御整理なさる根拠はどこにあるのでしようか。
  83. 大山正

    説明員(大山正君) 総務課の指定生産資材関係事務に携つております二名は一〇〇%整理するという案になつておりまするが、これは一般の方針としまして石油関係の統制が撤廃になるという前提でさような案になつておるとかように承知しております。
  84. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) どうもそういうような仮定の下の整理は今回大分現われているように思う。これは削られません。現に統制はあるのであります。又薬務局のほうにおきましても米の統制の関係があるものがあるのであります。これがやはり削られる対象となつておるのであります。米粉等が乳幼兒用の分配がありまして、その職員は絶対に要るのでありますが、そういう仮定の下に整理対象になつておるものがある。相当私は杜撰なものがあると思う。この点につきましてはどうぞ一つ内閣委員の諸君において御検討を煩わしたい。又渉外誠課におきましてはWHO(世界保健機構)の業務は相当重要であつてこの関係がある。然るに事務量の増加がないものと一体御観察になつておるのでありましようか、この点について伺いたい。
  85. 大山正

    説明員(大山正君) 現在渉外課におきまして渉外事務に担当しておりまする人数は十六名でございますが、御承知のような国際情勢の変化によりまして司令部との渉外関係事務というものは大体なくなるわけでありまするが、只今御指摘になりましたWHOの関係その他公衆衛生並びに社会福祉等に関しまする渉外事務が今後逐次殖えて参ると考えております。又現在でもかなりの仕事を持つておるのでございまして、大体現在の五割程度八名の人員がありまするならば何とかこれを処理して行けると、かように考えておるような次第でございます。
  86. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 何とか処理して行けるという確実なるお見込があればよろしうございまするが、客観的には相当これは過重なものになりそうに思われてならないのであります。公衆衛生局に関しまして定員数から申しまして百九十八名、このうち二十五名の整理なつておるのであります。併し公衆衛生は今日本では非常に重大な問題でございます。日本国内においてもこの面は擴がるばかりで縮まる気遣いはないのであります。特に世界の各国にはそれぞれ公衆衛生局に相当する部局があつて、この方面は文化の進むに従つてますます伸びて参つておるように思われますが、一体世界各国の特に英国、米国、フランス、イタリア等の公衆衛生局に相当する部局の人員はどのくらいでやつておられるのか、或いはこの外国の資料を一つ見せて頂きたいという希望を持ちます。これは御注文申上げておきます。  それから先刻申上げました医務局、特に結核病床が最近十九万床の増設が計画されておるのであります。結核にかかります患者の絶対数は今日増加する一方であります。お蔭を以てこれは厚生省等の非常な御努力の結果結核の死亡者数は激減いたしております。非常にこれは大きな効果を挙げておいでになるのでありますが、一方においては結核患者の絶対数の増加に伴つて病床の増設が要求せられておるのであります。然るに医務局におきましても今日二百十一人の人員の中から二十六人の整理を行なつておる。私はこれはもつともつと増加してそうしてかような結核撲滅等に対しましてはもつと力を入れなければならないのじやないかと思うのでありますが、内部的な事務が果してこんなに減少させられてやつて行けるお見込でありましようか。どうもしようか。
  87. 大山正

    説明員(大山正君) 医務局につきましては只今御指摘になりましたような今後の病床計画というようなものもあるのでございますが、特に病院、療養所等の統轄運営に関する事務等は人事、会計等の管理事務の簡素化に伴いまして或る程度縮減できるかと考えております。その他一般的な事務能率化を極力図ることによりまして二十六名程度の減員が可能であるとかように考えておるのであります。
  88. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 先ず各省別の審議をやる場合になお具体的に細かい資料があつたら審議をする上において非常に都合がいいから、だからそういうものを出して頂きたいという要求が前になされたと思う。今お聞きしておりますと、例えば公衆衛生局の中で結核対策を取扱つておる人が何人かということがさつぱりわからなくてお聞きしておるような状態である。若し資料があつた一つここでお出しになつて頂きたいとこう思います。
  89. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 成瀬君に申上げますが、一般的な資料の要求委員諸君からお申出があるごとに政府に取次いで速かに出すように言つてあります。この細かい資料につきましてはまだそこまで行つておりませんから、この際お申出があれば速かに出すように取次ごうと思います。
  90. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私がお願いしたのは、この前そういうような申込をしましたものに対して厚生省のほうで準備ができておつて資料をお持ちになつておるなら、これは審議して行く上において非常に都合がいいと思いますから出して頂きたいと、こう思うのであります。
  91. 大山正

    説明員(大山正君) 先般行政管理庁を通じまして提出いたしました資料、多分お手許に差上げてあることだと思いますが、それ以上の細かい資料は特に今日用意して参りません。
  92. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 重ねてお尋ねします。医務局関係につきましてはなおこれは巨細にお尋ねしなければならん点もあるのであります。国立病院、結核療養所の特殊性から考えましても年々増加するということを先刻申上げましたが、二十五年度に対して二十六年度の一日平均の患者数は入院はおいて三千九百五十七人が増加し、外来において三千九百四十五人が増加いたしておるのであります。然るにもかかわらず職員定員数は五百四十八人の減になつております。こういうことはどうしても辻褄の合わない話でありまして非常な職員の過重負担となるのであります。先刻例示いたしましたごとく、今回表面的には看護婦の定員は減つておりませんで、ゼロとなつておりますけれども、看護婦の定員は減りませずとも雑役その他において五%、一〇%の減員になりますると、今日は完全看護の建前上看護婦は患者以外の雑役、掃除等はできないことになつておりますが、それが皆看護婦のほうに重荷がかかつて参ります。看護婦の過重負担となるのであります。且つ看護婦の数は非常に少いのであります。どの病院に参りましても看護婦の定員は仮にあつてもその中の十数名、多いところは三十数名の看護婦が寝込んでおります。長期に休んでおります。こういう現実があるのでありまして、むしろ私は看護婦のごときはこの完全看護の原則から申しましても増加しなければならん。ただ定員を減らさないというだけでは解決の付かないものが現実面においてはおびただしくあると信じて、おるのであります。ここに私は御審議をお進めなさる上において十二分の御考慮を頂きたいということを内閣委員のかたがたに特にお願い申上げたいのでございます。  又薬務局関係における米、石油の統制事務に従事しておる者も今回はこれが削減せられておりまするが、この点についてはもはや前に申上げましたから伺いません。  社会局方面では二百六十億の巨額の資金の運用をいたしておるのであります。且つこの大きな資金の運用をいたしておるその方法と人員の配置とを見まするときに、これはなかなか大きな重荷であつて、現地業務の監査をば中央としてはどの程度実施しておるかにも疑いがあるのであります。私どもはこの点につきましても社会局のこの定員減に対しましては極く僅かではありますけれども納得しかねるものがございます。  又兒童局でございますが、労働省の婦人少年局は整理せられていないと聞いておりますが、この兒童局の僅かな人員整理の対象になつておるのであります。これはむしろ大きな機構の上から統合配置せられるといつたようなことならばわかるのでありますが、個個の面としてかような整理の出ますことはどういうことを意味しておるのであろうか、私にはわからんのでありますが、兒童局の整理理由はどういうことでございましようか、それを伺いたいのであります。社会局と合せてお答えを願いたい。
  93. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 国立病院、療養所関係についてお答え申上げます。国立病院がお話通りに最近非常に患者の殖えて参りましたことは事実でございます。併し現在の患者を以ていたしましても今度の改正定員、医師、看護婦につきましては医療法で定めました、即ち患者何人について医師幾ら、看護婦幾らというその医療法の定めよりはやや上廻つておる、医療法には牴触しておらないという状況でございます。それから併し看護婦が非常に足りないじやないか、現実に足りないというお話でございますが、これは実際そうでございまして、というのはまだ看護婦が実際足りないのであります。定員だけなかなか埋められないのでございまして、今各病院におきまして養成所を作つてそして専心養成に努めておりますから次第にこの定員は埋まつて来ると思います。そうなつて来れば看護婦も大体満足する点になるのじやないか、かように考えております。ただ長期欠勤者の問題でございますが、今度長期欠勤の看護婦は定員外に置けることになりましたから、採用資格者さえできればこれも埋めて行けるだろと、かように考えております。  それから癩療養所の問題につきまして、患者が非常に多いのに医者、看護婦の数が足りないのではないかというお話でございますが、この点につきましては一つは癩療養所に勤めることを希望する医者、看護婦が非常に足りない。いろいろと各方面から努力して次第に埋めつつはありますが、まだ定員に満たない所があるという問題でございます。それからその普通の病院に比べまして非常に定員が少いと申しますのは、癩療養所は、全部患者ではありますけれどもその大部分の人は日常働いておるのでございます。それで本当に重病人で普通の病院のように入院しておるのは癩療養所の中に収容されておる患者のほんの一部分しかございません。従つて医者、看護婦の手数を要するというのは外の病院とは比較にならない。そういう点から考えまして一応今の定員を使つて、そうして現在の段階におきましてはその定員を埋めることに今専心考えておる次第でございます。お話のようにプロミン等の注射薬が新らしく入りましたのでこの点につきましてはよほど手数がかかつて参ります。全入院患者の三割とか五割とか病院によつて違いますけれども、手数がかかつて参りますが、これも先般の不祥事件もございましたので、全部医者やることにいたしまして、ただ大量的に朝晩定期的にやるものでございますからして患者のほうも非常に馴れておりますし、こちらのほうとしても一人々々を注射するよりは非常に手数が省けるという段階で今やつておる状況でございます。
  94. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) ついでに今医務局長からの定員だけは満ちておるというお話でございますが、ちよつと私記憶しないのですが癩患者の医師の定員と看護婦の定員は何人でございますか。定員ではございません、法定数は。
  95. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 定員だけ満ちておると申しましたのは、病院につきまして今度の減員されました定員が、医療法に提げました定員よりは少し上なんでございます。実際の数はどうかと申しますとたしか少し欠員がありますので、現員はやや医療法で定めた数よりは減つておりますけれども大体において定員は医療法に定めた数よりは上であるし、実員もその数字に近いということを申上げたのでございます。それからその医療法る結核療養所とか癩療養所の定員というものは定めておりませんが、現在我々の考えておりますのは、先ほど説明しました理由によりまして、病院のような定員は必要ない、結核療養所におきましてもこれは軽症もおります、手のかからん者もおりますから従つて、大体において結核療養所の半分ぐらいで大体癩療養所の人数は一応やつて行けるのではないか、こういう標準を定めておるわけでございます。
  96. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 私も数字をはつきり記憶しませんのでお尋ねが非常に不完全ですが、私の記憶しておるところでは、結核に対しましては四人乃至六人に対する一人と心得ております。又それが仮に六人だとしましても、結核療養所のここに一例を挙げまずと、熊本の再春莊のごときは七百七十人の患者に対して百八人でございましてこれは足りません。又その半数は癩患者の看護婦であるとしましても、その隣にある菊池惠楓園は千七百のベツトに対して看護婦は三十四人であります。半数どころではございません。三分の一にも足りません。こういう事実があるのであります。単に紙上での数字を御覧なさつたばかりでは現実とはよほど違うのでございます。どんなに看病しましても三十四人の看護婦でもつて千七百床の看護に当れるはずはない。私も現に現地に参つて見ておりますが、看護婦が足らないために癲療養所におきましては比較的達者の者をば看護をさしております。一日十六、七円の手当を与えてやつておりますが非常な不平を訴えて来ておる。我々は不自由な体を以てこうして患者の看護に当らせられることはたまらないということを訴えております。私は必ず医務局長も現在で御満足にはなつておらんと思う。こういう点につきましても十分に御審査を願わなければ、現状のままも看護婦も足る、医師も足るというわけには参りません。殊に今回の整理人員の中に医療関係の技術者も入つたのもありますが、技術者が百床以下の所におきましては随分欠けておるのであります。ないのであります。長壽園で問題になりましたのはレントゲンの技術者がない。そこで患者が非常な不満を訴えておる。ところが隣の病院までは七里も八里もあるのであります。そこまで行つてレントゲンをとつてもらうことができないという特殊性に鑑みましてもこれは積極的なる方途を講じなければならないのでありますが、下手な大工が「かんな」をかけるように一様に削られるというようなことは性質上許されないことだと私は思いますので、精細なる御審議を煩わしたいという希望を重ねて申述べておきます。
  97. 大山正

    説明員(大山正君) 先ほど御質問にございました社会局、兒童局につきましてお答え申上げます。社会局、兒童局の事務につきましては、御指摘にありましたように、或いは現地の監査事務でありますとか、その他種々重要な事務がございまして、今後ともこの重要性は増しこそすれ減ることはないと考えるのでありますが、一般的に事務能率化、簡素化を図ることによりまして、その程度の縮減は可能である、かように考えておる次第であります。   —————————————
  98. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君に申上げます。上條君が内閣委員を辞任せられましてカニ工君が補欠として内閣委員となられました。このことを御紹介申しておきます。
  99. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 私長らく内閣委員会をやめておりましたが、このたび都合で内閣委員会に御厄介になることに相成りましたので、いろいろ委員の皆様がたにも我が侭を申しまして甚だ至らない者でございますが、今後一つよろしく御指導願いたいと思います。   —————————————
  100. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは行政管理庁に伺つたほうがいいと思うのですが、渉外関係の事務整理率厚生省は五〇%になつておる。それから労働省のほうもたしか五〇%になつておると思うのですが、ほかの官庁で例えば農林省で言いますと、国際農業機構に参加するとか、将来国際関係のものがあるのだけれども、そういうものはすべて外務省の国際協力局でやることを前提にして、この際渉外関係は全部整理率は一〇〇%にしておる。なぜ厚生省だけ、或いは労働省だけ一般のそういう方針に違つたやり方をしておるのか。実はその外務省設置法の審議も我々のほうで今やつているのですが、その関係からみてやらなければ同律に一〇〇%するか或いはそれでなければそういう特殊の国際関係のある省の整理率は原案の一〇〇%を修正するか、どちらかに統一したいと思うのでそういう意味ちよつとお伺いいたしたいのであります。
  101. 城義臣

    政府委員城義臣君) 御尤もな御意見でございまするが、先般来申上げております通り飽くまでもやはり事務整理を根幹として考えた建前上、一応渉外事務については一〇〇%と言いますかその事務分量の程度からいつて一〇〇%程度整理をしても差支えないのではないかという原則的の立場に立つたのでありまして、個々の省庁についてやはり渉外事務等の何と申しまするか残る部分については、ただ一律にこれを機械的にやることについては支障が多いであろう、実情に即して各省でそういうような点を勘案してなさつたのではないかと考えておるのであります。
  102. 楠見義男

    ○楠見義男君 実情に即してということになると、例えば厚生省にはWHOがあり農林省にはFAOがありそれぞれ各直において今後こうした国際関係のものがあるわけなんです。これはもうはつきりしておる事実なんです。それをどこまで統一するか或いは各省でそういう仕事があればそれを残存させるかということをきめることが行政管理庁の私は取まとめ役だと考えておるのですが、その点はどうなんでしようか。
  103. 城義臣

    政府委員城義臣君) 楠見先生のおつしやることと私どもとは違つていないと思います。というのは、原則的に一〇〇%と一応考えてみて、特殊の事情に応じてはそれは無理である、一〇〇%に持つて行くということは実際上事務支障を来すからそれではならない。こういうわけで事務当局で折衝いたした結果、そういうアンバランスと申しますか一律化ならなかつたということになつておると私は考えます。
  104. 楠見義男

    ○楠見義男君 その点は外務省のほうの審議の際に関係各省も恐らく、気付いておるところは厚生省とそれから労働省だけなんですが、その際に関係の所にも来て頂きまして同時に審議したいと思います。
  105. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 休憩中若し、審議する過程におきまして私細かい資料を頂いたほうが実はいいわけです。例えば兒童局と言われただけではわかりかねますし、医務局に関しましてもわからないのですが、休憩中に準備ができるものがありましたら一つ御提出願いたい。こう思いますが、如何でございましようか。
  106. 大山正

    説明員(大山正君) できるだけ取揃えて御要望の資料は持つて参りたいと思います。
  107. 竹下豐次

    竹下豐次君 今のに関連いたしまして、成瀬君の御希望はこういう意味じやないかと思います。資料は頂いておりますけれども大ざつぱであるから、厚生省のほうではもう少し細かい資料をお持ちになつておるだろうから、こちらからどれどれと具体的に要求しませんから審査の便宜になるような資料をもう少し細かいのを取まとめてたくさん出して頂きたい。こういう意味つたと思います。
  108. 大山正

    説明員(大山正君) 多少印刷してお配りできるかと思います。至急取揃えてお配りします。印刷の間に合わないものは御質問に応じてお答えいたします。
  109. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君に申上げます。一時半まで休憩いたしまして一時半に再開いたしまして厚生省の分を続行したいと思います。松原さんにもその際御出席を願います。これを以て休憩いたします。    午後零時三十五分休憩    —————・—————    午後二時二分開会
  110. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 休憩前に引続いて内閣委員会を開会いたします。松原厚生委員の御質疑を引続いてお許しする予定でありましたが、先刻三好委員からの御質疑は定員法改正に関して重要なものと認めまするから、この際松原委員の御発言は暫くお控えを願いまして三好委員の質疑に移りたいと思いますが御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  112. 三好始

    三好始君 今回の定員法改正に当りまして、橋本長官は総論的な質疑の段階において、私は、機構改革を来国会で提案する際に再び人員整理をやるのかどうかという質疑に対してやらないということを明言された、と記憶いたしておるのであります。ところが今朝の新聞によりますと、明年度の予算編成方針の打合せに関して行政の徹底的簡素化の断行が再び問題として取上げられておるようであります。それによりますと国及び地方団体を通じ行政事務及び機構を徹底的に簡素化する、これに伴う人員整理を行うと、こういうことが新聞に報道されております。これは勿論自由党の決定された方針でもつて政府そのものの決定した方針でないのかもわかりませんが、新聞ではこの大綱がすでに政府との間で了解ずみであるというふうな報道も行なつております。これはしばしば本委員会の審議に当りまして橋本長官或いは大蔵大臣が言明して来ました方針と矛盾するところでありますので一応この辺の事情につきまして長官の説明を求める次第であります。
  113. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 只今お話の点につきましては、私が毎々この委員会で御説明を申上げた通りでございます。この問題に関しましては、はつきり閣議におきましても又党との関係におきましても、私及び大蔵大臣等の御答弁申上げましたこと、つまり今度の臨時国会には八月の閣議決定においては事務人員も機構も一緒に変えるつもりでありましたけれども、その後都合があつて機構はなお検討することにして、行政事務整理に伴つて人員整理を行う。であとは機構の改革を行いますけれども、その際には原則といたしまして人員の彼此異動が起るだけであつて、これ以上の整理を行わない。で更に整理の起りまする分はむしろ局課の統廃合は伴いまする局長、課長でありまするとか、或いは行政委員会が仮に一つでも整理されるものがあつた場合にはその委員の数が減るといつたふうな筋の問題しか起らないということを申上げた通りもあります。で今朝新聞に予算編成方針というものが今頃出たのでありまして、実は私もこれは全然存じませんでので、一体どういう意味で今頃こんなものを出したのだという話を政務調査会長に聞きましたところこういう話であります。実はこの明年度予算の編成方針というものは、例年通りにこれもあら筋の問題は今年の七月に相談をいたしたものであります。例年予算編成方針は内閣の側も七月に決定をいたし党の側も七月に決定をいたします。昨年も七月上旬であつたと思います。今年におきましても丁度七月頃この大綱をきめまして政府側との間にも中間的な連続で了解をとつてつたものでありすして、それに従つてつまりここにありまする国及び地方団体を通じて行政事務機構、人員の簡素化、整理を行うという建前の問題で今日の定員法改正案が出ておりまするし、それから岡野国務大臣がやつております地方行政簡素化本部の仕事ができておるわけであります。でその当時もう大綱の部分は発表したのではないかと思いますが、或いはしないで終つたのかも知れません。いずれにいたのましても、二十七年度の予算に関しては講和に伴うところの非常に大きな変化が出て参るということで例年のような一応のあら筋をきめながら細かい、細かい問題と申しますよりも、つまり講和を織り込んでのそれ以上の具体化という問題がありまするので、党のほうでは一応七月に立てましたところの大綱に対して更にその後の肉付けを行つたものを昨日何か党のほうで相談をして要望事項として政府側に持つて来たようであります。併し政府側は誰が或いは何か聞いておつたのかどうか存じませんけれども、恐らく私は責任を持つて政府代表として聞いた人はいないのだろうと思います。いずれ政府側にも要望が出て参ると思いますが私も実は今朝新聞を見るまで知らなかつた状態でありまして、恐らくほかの閣僚も同じことだろうと思います。そういういきさつもございまして、今も政務調査会長に聞きましたところが、これは七月立てた二十七年度予算の編成方針に肉付けをしたわけであつて、今日やつておりますところの行政改革の問題、つまりこれと、それからもち一つは今やつておるところの地方の整理という問題を含むものだと、で何も改めてここでうも一遍やり直すという趣旨を謳つたものでないということでありまするので、どうも今頃こんなものを出されて誤解を生んで困るということを私今話して来たところもあります。
  114. 三好始

    三好始君 只今の御説明で大体了解できる点もあるのでありますが、併しながら発表の時間的な前後の関係から考えまして必ずしも完全に了解することはできないのであります。殊に政党内閣である以上、党の側からこうした意見が今日に出されるという状況の下においては、政府側としてもこれを無視してしまうということはできないと思うのでありまして、この点につきましては長管の只今の言明によりますと、党関係者とそう十分な話合いができておるようには思えないのでありまして、更にこの点についての打合せを十分にいたしまして重ねてはつきりした態度を承わりたいのであります。新聞によりますと「二十一日更に総務会に諮り、政府に対する自由党側の要望として池田蔵相に提示されるが、その大綱はすでに政府との間で了解済みである。」こういう報道がなされておるので、私はもう少しはつきりしたことを確かめたいと思うのであります。  なお附加えて算に申上げたいのでありますが、私は現自由党内閣の行政整理案を審議するのは目下審議中のもので三回目であります。行政整理というような非常手段はそう頻繁にやるべき性質のものではないと思うのでありまして、これが殆んど年中行事のように出て来ることによつて公務員は非常に事務を遂行して行く上に落着いて責任ある仕事をやつて行けないということになるだろうと思うのであります。行政事務能率化を強調されるその政府考え方は、そういう一面からも崩れ去つてしまうことを私は考えざるを得ないのでありまして、この点についてはもう少し党との連絡を十分にとり絶対に聞違いのない責任のある態度を承わつて、その点を確認してから具体的に目下審議中の定員法の審議を進めたいと私は考えるのであります。
  115. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 只今私では信用できんようなお言葉でありましたがこれは私甚だ遺憾であります。私も政府における行政改革の責任者でありまして、そうして党の政策については政務調査会長は責任者であります。私只今はつきり話をいたして参りまして私の申しましたことは全然間違いはございません。で要するに昭和二十七年度の予算については、この大綱は七月に書いたものでありまして二十六年度に臨時国会を目途として手をつけるけれども、併し予算的にこれが影響を及ぼして参るのは二十七年度以降でありまして、二十七年度の予算の編成問題の関係においては簡素化によるところの負担の軽減、これによるところの減税やベースアツプその他を維持する財源の捻出という問題は二十七年度から出て来るわけでありますが、二十七年度予算にはそれを織り込んで参るつもりで初めから立てておりました。これは当初七月に考えましたものに比べましてよほど簡素化の内容がまあ変つては参りましたがそのつもりもあつたのであります。それ以上のことは一つもございません。で今日も党のほうで何か変つた意見があるはずはないと思いますが、午前中そういう趣旨での御質問があつたという話でありますので政務調査会長とはつきり話をいたして参りました。要するに七月に立てた通り、今日私の所管いたしておりまするもの、岡野さんの所管いたしておりまする分がこの項目にいわゆる行政の徹底的簡素化の断行ということであつて、そうして順序がその後変つて参りました。この上の問題といたしましては機構の改革というものがあとで行われまするけれども、機構改革の際には今申しました、むしろ局、課の廃合その他から来る特定のポストのいろいろの変更は出て参ります。事務というものの基本に立つ以上、総合異動はあつてもその間更に人員整理をやるということは考えておりません。今三好委員お話のございましたように、人員整理といつたような非常手段というものはこれは行政の運営をごたごたさせる種でありまして、これを今日やりましてからあとで又ごたごたするということになると年中ごたごたするわけでありまして、それは私も全く考えておりませんし党の側でも考えておりません。
  116. 三好始

    三好始君 只今の御説明で大体了解できたのでありますが、新聞記事そのものは非常は誤解を招く虞れが多分にあると思うのであります。それで只今橋本長官の説明せられた内容は新聞記事に出ておる「国および地方団体を通じ行政鞘務および機構を徹底的に簡素化する、右にともなう人員整理を行う。」ここで表現されている人員整理というのは現在審議中の定員法案にすでに盛込まれておるものを意味するのであつて、来国会に提出を予定されておる機構改革にはいわゆる行政整理は全然伴わない、こういうことを了解してよろしいのですか。
  117. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) これはもう全くそれを御信頼頂きたいと思います。党の側から新たな要望が出るはずはないと思いますが、今日政務調査会長にもはつきり確めまして、すでに総務会は済んでおつたようでありますが、総務会においてもその問題は全く異論のないところもあるということをはつきり確かめました。
  118. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の三好君の発言でまあ新たな要求が常から出ないと、こういうことでありますが、出ないとは断言できないと思うので、そこで出て参りました場合においては政府としては断固今の方針通りで如何様な新たな要求があろうともこの方針を変えないということで、出て来たものをはね返して行くというような強い御決意があるのかどうか、この点を承りたい。
  119. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 新たな要求は出て参りません。それから参るはずがないと思いますから格別まあはね返す必要もないと思うのであります。今日の行政教中り過程におきましても、実は当初の基本方針は別として実際はむしろ緩和をしろという要望が党内からも出て私が困つておるくらいなんでして、今月も私はつきり従来の方針を確かめて参りましたが、今後出て参るはずがございません。
  120. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それから現在の定員法もさめられておるこれがまあお考えが一応終るといたしますると、この次にはいつ頃まで現在のこの方針で行かれるのか、もうこれも相当永久に変える必要がないというお見込なのか、或は又一年半もたてばやろうと考えておる、こういうようなことなのか、その点お聞きしておきたいと思います。
  121. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 大体仕事のしぶりの関係から言いましても大きな変化が出て参らないと思いますので、基本的なもう線としてはこれでずつと行くつもりであります。ただその間におきまして第一新規仕事がどうしても出て来る分は、これはやはり成るべくむやみに殖やさないようにしますけれどもやはり殖やして行かなければなりませんし、それから例えばこの時別調達庁の仕鞍のようなものがはつきりもう用のなくなる時期がはつきりするというようなときにはこれは落して行かなければなりませんし、そういつたふうな基礎條件がはつきり違つたことによるところの変化というものは、これは漸次累積されて行きましようけれども、いわゆる行政整理とか一般的能率化というようなことについてはこれ以上のことは考えておりません。
  122. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで我が国の現在の役人の数でありますが、これが政府としては最もどのくらいが我が国の現状並びに各国から引揚げて参りましたそれらを含めまして適正な数であるかということについては、すでにいろいろな角度から御検討なさつてつて、そうしてはつきりしたものをつかんでおられるもののように思うのですが、その点について伺つてみたいと思います。
  123. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 今日の状態におきましては、行政事務検討いたしました結果、今日提案いたしておりまする定員法がまあ今日の実情には一番いいと考え提案をしたわけでございます。ただいろいろ今後の問題といたしましても基礎的な條件をできるだけ変えていいように持つてつたほうがいいと思います。この間うちから内閣委員会においてもしばしばお話がございましたが、或いは自転車を整備するとか、電話を整備するとか、それからそのほか人事や会計法規については今度改革案を考えております。そういう面でも更に合理化ができるものはできるという基礎條件の変化というものはできるだけ考えて行かなければなりません。それに応じて或いは将来もつと少い人員でもつと能率的な運営ができるというふうになるかも知れませんし、内閣委員のかたがたからも、むしろそういつたふうに事務処理の物的な整備であるとかいうものを考え行政運営の能率化を図れというお話は御尤もでありますからそういう努力をいたします。併し今日まあ与えられた條件の下におきましては大体このままでやつて行かなければならん、その辺が適当であると考えております。併し繰返して申しまするが、行政管理庁といたしましても、まあ科学的な能率を上げ得る運営方法というものは今後とも研究をいたしまして参りたいと考えております。
  124. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 松原君に伺いますが、只今の件に関連してもですが、あなたの御質問は。
  125. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 私もその基本方針に関連してお伺いしたいことがあります。よろしうございますか委員外ですが。これはずつと厚生関係、丁度厚生大臣ですから続けられますがよろしうございますか。
  126. 楠見義男

    ○楠見義男君 議事進行について、厚生大臣は、予算委員会要求されておるそうですが、厚生大臣関係の分だけ先きに松原さんに切り上げて頂いたらどうですか。又今度御出席まで待つ煩を避けて。
  127. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 厚生省は大体人事課長が詳しく知つているんですが。
  128. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうは行かん。大臣の答弁を聞きたい分だけ簡單やつて頂いて。
  129. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 松原君それでは簡單に願います。
  130. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 私はかねて厚生大臣にも申上げた通りに、大いに行政整理をして頂きたい希望のものでございます。大局においては大いにやつて頂きたいのでありますが、それには定めし機構の改革が先に来てそうして非常に無駄を省くものが出て来るだろうと楽しんでおつたのですが、それが出て来ないでただ一律に同省の事務整理ということについては当面腑に落ちん点もありますがそのことは申上げませんが、厚生大臣として今御所管なつております厚生行政は、日本の民族の生命を管理なさつていられる重大なものであつて、一方に内容としての客観的情勢のほうかう病人が殖えている。結核患者の絶対数が増している、入院患者は刻々に増加している。かような場合においての定員というものをただ事務的に勝手に抑えてしまつて、明年度の運営の上に差支えがないというお考えしようか。明年度の運営が今抑えている定員そのままで行くとすると、その内容の今後増加する客観的な事実と、それからこの定員との間にいろいろな矛盾が来やしないかと思うんですが、この点について御所信を承りたい。
  131. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 一般的なお話ですけれども、どういう点を御指摘かわかりませんけれども、厚生省全般といたしましても、まず第一に外の官庁と同ずようにあらゆる部面において人事厚生事務といつたようなものを扱つている管理要員は相当ございますが、こういう面については事務の簡素化、能率化という点からいいましてこれはできるだけの人員整理をやるとか、その範囲内で仕事をやるのが当然であると考えております。その面に関しましては支障のないようにいたしまして、なお病院や療養所の関係につきましは実体的な内容を当りまして看護婦は全然手をつけておりません。医者の方面等については松原委員もよく御承知だと思いまするが、今日までの間陸海軍病院というものと一般の国立病院として一般患者を扱うという場合との條件が変つて参りましたので、辺鄙な場所にありますところの病院などについてはむしろ医者が非常にたくさん空定員なつていて埋まらないような状態を困つておりまして、大蔵省等からもあれほど厚生行でとにかくいろいろ医者を勧誘してみても年起えて埋まらないような定員をおいといてもしようがないじやないかということで、二十六年度予算の編成の際にも埋まらない空きを落せというので、併しまあそんなことはないので、埋める努力をするのだからおいといてくれということで参つてつたわけでありますが、いろいろな実情を勘案いたしまして、今日の厚生省関係の人員整理は部内でもいろいろ検討いたしました結果、今日の厚生行政を預つて行く上において方々支障がないということを確信をいたしております。
  132. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) もう一つ、いやその御苦心はよくわかりますが、私のお尋ねしたいということは、この絶対数はだんだん増加して行くんです。増加して行つた場合においてこの定員にとらわれずに、例えば結核患者の入院数が増加する、癩患者は増加する、熊本の惠楓園のごときは二千床からできている。それに対して一千三百何人しか入つておらない。これは空けてあつてぐんぐん入れないんです。こういうことに対して定員増加をお認めになりますか。これをお尋ねしているんです。
  133. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 今当面予想せられますところの入院患者の状態等を考えましてこういう提案をいたしております。定員法範囲で間に合うと考えております。勿論将来非常にたくさんの病院を増設するとか何とかいうふうな場合にはそれ相当人数が必要になりましようけれども、今日私の考えておりますところではこの定員法範囲内を以て支障なく行い得ると考えております。
  134. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) それでは非常に不満なんです。私から申しますと、もうさつきも例を引きましたから改めて申すのは煩瑣ですけれどもが、癩の療養所のごときは現在一千三百何人の患者がある中に看護婦は三十四人しかおらん。そうして一方に医者は十七名の定員に十二人しかおらんという実現があるのです。総数の上から見ますと、厚生省は出血しません。欠員のほうが多いのですが、出血しないからと言つて技術者の面までを落してしまうと、あとで運営面に非常に大きな支障が生じやしないか。現に百床以下の所においては技術者がなくて困つておる結核療養所がたくさんあるのです。レントゲン技術者がおらん。今度は医師と技術者を五%落すのですから、そうして落すということはあとの運営に大変お困りになりやしないだろうか。その辺もどうしてもこれは非常に増加して頂かなくてはならない面がある。現実に看護婦の数においてもこれではいかんのです。一人の看護婦が五十人の結核患者を扱つておるというようなことは許されないのであります。そういう面におきましても増加して項かなきやならん面があると思いますが、定数のままで大臣が御所管の面を十二分にやつておいでになるということになれば、これは承わつてはおきますけれどもが、私としては非常に将来お困りになりやせんかという懸念を持つのであります。
  135. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 看護婦は一人も減らしません。
  136. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 減らさないじやない、増加してもらいたい。
  137. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) それから医者等の面は関しましても今日若干の定員減を行うことになつておりますが、それでもなお埋まらない定員がございまして、私は欠員を埋めるために大いに努力をいたして当面の什事を是非間に合うようにいたしたいと考えております。
  138. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 ちよつとついでですが、今私は松原さんのように医者でないのでわからんのですが、厚生大臣、今看護婦を減らさない、これはまあわかるのですがね。大体看護婦一人で患者を幾人ぐらい持つことが適正なんですか。大体一人で今言われたように五十人ぐらいを持つことが適当な数なんですか、その点ちよつと伺つておきたいと思います。
  139. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) お答え申上げます。看護婦につきましては、一般病院は医療法で入院患者四名に一人、こういうことになつております。それから結核患者の厚生省といたしましての標準は、結核患者六名について一人、それから癩のほうは三十四名について一人、こういう標準になつております。
  140. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そうすると五十人に一人というと、三十四名に一人ではその差明らかに十何名というものが、一人の看護婦に負わされた量がオーバーをしているわけなんで、それに対してはやはり適正にこの三十四人に一人の割合に合せて増加の必要があろうかと我々思うのですが、それは増加される予定になつておるのですか。又なつておらなければ増加をするという意思があるのか、その点伺いたいと思います。
  141. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 看護婦につきましては、今度は減員されておりませんが、現在の定員を埋めれば大体この基準になることになつております。併し絶対の看護婦というもの足りませんので、先ほど申上げましたように各病院、療養所におきまして看護婦の養成所を作つて鋭意それを養成いたしまして、そうしてこの定員に満たしたいとかように考えております。
  142. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 厚生大臣に私は希望しておくのですが、今度看護婦に手を触れられておらないのは、これは当然至極のことでこれに手を触れるわけに行かんと思います。もつと積極的に増さなければならんのでありますが、一方に傭人のほうが一〇%の減になつております。この看護婦がどうしても充たされんために、傭人が雑仕婦という名を以て看護婦の代りをいたしております。若しこの傭人のほうを一〇%切るとすれば看護婦のほうに重荷がかつて来る。そうでなくても定員に満たないところの看護婦の中に多数休んでいる者があるのです。病気に感染して休んでおる者もありますし、そうでなくても足らない所に重荷がかかつて行くのであつて、私は整理というものは「かんな」をかけるように平等に落すのではなくて増すものがあつていいと思う。減す部分もあつてよし、増す部分もあつてよろしい、そういう意味から申しましてこの患者が刻々に増加しつつある現情勢の上から見て、もつと実質的な実務の上から見て御考慮が加えられて欲しかつたのでありますが、どうもその面が見えておりません。ただ減らさないでよろしい、出血がないからよろしいじやない、欠員があるが故に今度定員を減しても出血がないということは、欠員を満たさねばならない必要があるのです。のにもかかわらず満ちておらんのです。これは待隅が惡い、ところが非常に僻遠であり病人の看護という特殊の事情を嫌う者もあり、医師などにおいても御承知通りに到る所の病院が欠員だらけであります。それをいろいろな面おいて苦労をして、北海道その他の病院では職員の超過勤務手当等を医師に廻すようにして増員を図つておるけれどもなお且つ満ちないのであります。厚生行政の衝にお当りになつておる大臣としましては、どうか一つその「かんな」がけをおやりなさるようなお考えでなくて、生命管理の重大な責任の上からも、私は、整理ということが機械的なものでなく、その必要に応じては増す所があり、或いは減ずる所があり、それは大きい行政機構の面からやつて行くべきものであろうということを実はもつと論議いたしたいが、お急ぎのようですからして簡単に上げますけれどもが、例えばあなたの御所管のうちの水道のごときもあれは建設省と共管になつておつて、願い出る側からすると非常に迷惑をいたしておるのであります。又婦人少年局或いは兒童局等が相当にこの仕事のダブつておる面があり、これを数え上げればたくさんあるのであります。そういうところから整理して行けば私はもつともつと大きな重点的なものが出て来るであろうと実は楽しみにしておりましたけれどもが、その実のないことを非情に遺憾と思います。どうか一つ琴柱に膠するというようなことでなくて、必要に応じては増す、それから整理のできる限りはする、有能な者は長期勤続を奨励して能率の高い者の将来を図る、将来勤続性を長くするように努めるといつたようなものがあつて欲しいということを私は希望いたして参つたのでありますが、恐らくこれはまあ長官もお考え下さるだろうと思いますから質問はここにとどめておきます。あとは細微に亘りますから事務のほうに伺います。
  143. 楠見義男

    ○楠見義男君 厚生大臣に簡単なことで一つだけ伺いたいのですが、それは医師の欠員の問題なんですが、厚生大臣も欠員を埋めることにできるだけ努力したいというお話なんですが、実は午前中松原委員から事情を述べての御質問がありまして、例えば医師の初任給が一般の病院等において一万円乃至一万五千円であるにかかわらず、厚生省の医師は七千五百円或いは七千三百円、こういうことではなかなか医師が充当されない、こういう趣旨のお話があつたのであります。若しそれが事実だとすれば如何に厚生六日が欠員を埋めることに努力せられても、これは実際問題としては私は実現不可能じやないかと思うのです。そこでこの今回の整理についても欠員と睨み合せて実際に出血があるとかないとかつてことは別にして、現在の定員をできるだけ厚生大臣としては埋めたいということを考えておるとすれば、その待遇の問題について、或いは予算措置等において備考億になつておるかどうか。若し御考慮になつておらず徒らに欠員を擁するというふうはなれば、これは大蔵省の言うごとく一つできるだけ整理したほうがいいのですが、或いはそういうことじやなしに、定員がないので総額の綿与額の適当な按分によつてそういうことが講ぜられるのか、そこら辺の事情を一つお伺いいたしたいのです。
  144. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) これは先般内閣委員会において、詳しくどなたかの御質問に御答弁を申上げたと実は思つておるのでありますが、今日厚生省の医師に関しましては一般の給与に対して一級上げということが適用いたされております。で一級上げましても、何せ公務員の給与ベースのことでありまするし、お医者というような特殊の関係の人は今日大病院においてもむしろ無給で修業しておられる人はかなりたくさんおりますが、いやしくもそこで有給で働くということになれば相当の給与をもらうべきだということば楠見委員の仰せの通りでありまして、低いと思つております。でこの一級上げだけではなかなかむずかしいものでありますから、人事院でこの給与準則を設けまするときに、厚生省の医師等の分につきましては特別な準則を設けてもらうつもりで、前々から人事院の側と相談いたしておりますが、給与準則を立直します場合におきまして特別なものを設けてもらえるものと大体期待をいたしております。でその基礎的な話合は前々からいたしておるのであります。勿論そういたしましてもなおいろいろな問題はあろうと思いますけれども、併しそこのところの部分は国立病院というまあいろいろな面で一般病院に比して、仮にその上でもなお給与は低いかも知れませんけれども、国立病院は国立病院としての使命があつて、総合的に医者としてもなかなかやりがいのある部面もございまするので給与もできだけ沸いたいと思いますが、若干普通の大都市の中の繁昌しておる一般病院に比べて遜色はございまても、その上は人を採る上でよほどよくなるのではないかと期待いたしております。
  145. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 先ほどの三好委員発言は関連して一点橋本長官は質しておきたいと思うわけでございますが、「右にともなう人員整理を行う。」とこういうことですが、私はその数字のことで少しも念を抑しておきたいのですが、今度出されたこの八万人、約八万人の数字にこだわつてはお見えにならないということで、自由党からも要望があつたというようなことを私は先ほど長官から伺つたわけでございますが、そこで私は本委員会のいろいろな審議状態のいろいろなものを私が察知するのですが、修正が必須だというふうに考えております。従つて修正案が両院において可決されたならばその数を飽くまでも基準として、仮にこれが約八万人というのが約二万人に減つたといたしましても、私はこの次に行われるところの整理というものは、飽くまでも機構改革に伴うところの局長であるとか、或いは課長がやめるとこういうふうに了解をしたいのでございますが、それに対して異議はございますか。
  146. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) 八万人が二万人になるほどの大修正でなくてとどまることを私は希望いたしますけれども、併し原則は今お話がありました通り、変つて参るものは局長とか課長とかいう本当に機構改革のある限りにおいて、必然的に伴うものというものが変るだけと御了解つてよろしうございます。
  147. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 なぜ私がそういうことを申上げたかと申しますと、各省別に審議をして参つたのに対しまして実はこういうふうなことが大体明らかになつたと思うのであります。と申しますことは、非常勤職員を非常にたくさん使つておる、或いは賃金要員というものを非常にたくさん使つておるという点がはつきりいたして参りましたのですが、私は今後こういう方針を実は改めて頂きたいとこう思つておるのです。非常勤職員というようなわけのわからないものを使つておるということは非常に不明朗であり、或いは使われているほうの側から申しましても、同じ仕事を働いておつて片一方は非常勤職員で二カ月ごとに新規採用というような形をとられておるのは、非常に同じ働いてる人たちの気持になれば、私はこういうことはよくないことだと考えます。従つてこういつたようなものを修正して参れば、私はやはり二万人、これはしつかり当つたわけではございませんが、あなたはそういうことは要望されないとおつしやつても、私はそういうふうな結論になると思います。ですからそういう点をあなたはよく変るのですから、自由党はすぽつぽつと変えて来るからこの点を本当に私は確言をして頂きたい。  もう一点重ねてこの点を本当に二度とこういうことはやらないのだと、もう四回目のことはやらないのだという点を、私は長官のそういうことに対するところの責任ある御回答をお願いするのでございます。  ついでにからんでですね、それに続いてお尋ねしますが、そういつた場合の局長乃至課長の特別退職金に特別加算がございますね、そういつたものはやはり特別につけられるわけですね。
  148. 橋本龍伍

    ○国務大臣(橋本龍伍君) それはそうせねばならないので、それで今御指摘のありましたように、殊に局長とか課長とかいう特別の責任のあるポストにおる人たちは、自発的に仮に退職したい人がありましても、それは勝手に早くやめてもらいますわけに行きませんので、当然これは今回の退職金の法案の中にあります特別の必要のある人については、先々まで残つていてもらうが、三月末日を過ぎたあとでも八割増の適用ができるという筋の適用をいたすつもりであります。
  149. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは厚生省人員整理の問題に入りまして政府委員に御質疑を願います。
  150. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 保險局のことにつきまして伺いますが、保險局は新規加入者が百五十万人も増加いたしておるのであります。而もここに何ら事務の簡素化ができていないのに、事務職員整理をするということに対しましての自信がどこにおありになるだろうか。簡素化の事実がない、一方にはぐんぐんとその対象となつておるところの保險加入者の数は増加いたしておるのであり産す。この点につきまして厚生当局のほうではどういう御見通しを持つておいでになりますか。
  151. 大山正

    説明員(大山正君) 保險局の人員の関係につきましては、只今お話のありましたような事情も考慮いたしまして、特に現業職員等は非常に低い率にいたしまして、保險局三百人の定員中三十名の減員というようなことになつておりますが、その程度の減員であるならば事務の一般的な能率化によりまして支障なく賄えると、かように考えておる次第であります。
  152. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 私は保險局に参つてみますと、いつ行つてみても年間を通じて継続した業務をとつておるところの臨時職員というものはいつも入つておる。この数は相当の数になつておると思いますが、一体それはどうなつておるのでしようか。この年間を通じての臨時職員というものの実際の数はどのくらいあるでしようか。そうして一方においては定員を切り一方においては臨時職員は増して行く、そうするとこれは非常に矛盾するのであります。必ず今度は私は臨時職員というものが、増加するだろうと思うのでありますが、その関係はどうなつておりましようか。
  153. 大山正

    説明員(大山正君) 只今御指摘ありましたように、年間を通じまして若干の臨時要員を以ちまして仕事をやつておるのでございますが、その点につきましては別段増減がないつもりであります。
  154. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) どうも私はこの点については大きな矛盾があると思いますが、次を伺います。厚生省には研究機関というものがあるのでありますが、この附属機関のうちの人口問題研究所、公衆衛生院、栄養研究所、予防衛生研究所、衛生試験所等の重大な研究機関をお持ちになつておつて、この研究機関の全面的な活躍によつて日本の厚生行政基礎を見出しておるのであります。ところがここにも今回は大数ではありませんが、予防衛生研究所でも四十四名の削減を見ておるのであります。衛生試験所でも十五人の人々が整理の対象となつておるのでありますが、これに技術官等がありますとこれは由々しいことになると思うのであります。一体厚生省の研究機関の事業計画は予定通りに進行いたしておるのでありましようか。只今の業績を以て御満足になつておるでございましようか。これは私ども非常な疑いを持つのであります。
  155. 大山正

    説明員(大山正君) 厚生省関係の研究機関におきましては大体管理系統の職員につきましては一〇%、その他の職員につきましては五%というような率によりまして整理人員を算定いたしておるのでございますが、予防衛生研究所の四十四名は中に原子爆彈の影響研究所が含まれておるのでございまして、広島と長崎に原子爆彈の影響研究所が現在定員七十五名ございますが、これを三〇%二十二名を減員するように考えておりますので、合せまして予研の整理人員が四十四名というような数になつておるのでございます。なおこの事務系統以外の職員の五%の整理につきましてはでき得る限り補助職員と申しますか、そういう職員の若干整理し得る部面につきまして成るべく整理考えまして、全体の機能の運営については支障のないようにやつて行きたい、かように考えておる次第であります。
  156. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 今お尋ねしたのは予定計画に対しまして業績が御満足になつておるところまで参つておりますか。その業績をお尋ねしたのであります。これでよろしいと、又原爆はもうこれで以て調査は終つたのか。終らない証拠には若干名が残つておるのでありますが、これで以て一応の業績をお挙げになつたということでございますか。この点はどうでしようか。
  157. 大山正

    説明員(大山正君) 原子爆彈の影響研究所につきましては全部終つたわけではございませんので、なお今後とも続けて参らなければならないのでありますが三割程度の減員は可能である、かように考えております。なおその他の研究機関の業績につきましてはおおむね満足しておるような状態でございます。
  158. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) そのおおむね満足が非常に不安なのであります。例えばBCGの問題でもあれほど天下を騒がしておる。而もこれに対しては徹底的なまだ調査はできておらん。非常に杜撰なよそからの勧告と根拠のないようなものによつて騒がれておりますけれども、これに対するところの対応すべき理論、実験等についても私どもまだ満足とは思わないのであります。そういうような重大な日本民族の結核を予防すべき墓礎を研究する機関においてはまだまだ不足だということを私どもは常に痛感いたしておる。元を切らなくてはこの結核などは到底根を断ち切ることはできないのであります。例えば二十七万のベツドを作らなければならないのに今から十九万床を満たそうといつたようなこういうときに差迫つておるのであります。一人でも結核の発生を防ぐ計画が立たなくてはならん。それに対するのBCG研究などもまだまだ私は非常に手ぬるいように思つておるのでありますがこれは遺憾の意を表しておきます。従つてこういうふうな技術者などにつきましてほこの際なかなか新しい者を入れるというわけには行かないのでありますから、能率の高い技術者等については断然手をお付けにならないことを希望するのであります。これは希望でございます。  次に検疫所のことを伺うのでありますが、通商貿易の発展はこれからもう非常に大きくなるばかりであろうと思う。それに対しましても検疫所が今度整理せられましてそうして若干の定員減を見るのでありますが、船舶及び検疫人員等が今後増加するというお見込はないのでありましようか。それに対しまして九州は残すけれどもその他は適当に廃止するといつたようなことで済むものかどうか。これも不安があるのでありますが、御所見如何でしようか。
  159. 大山正

    説明員(大山正君) 検疫所につきましても事務系統の職員につきましては一〇%、その他の職員につきまして五%というように考えておるのでございますが、只今お話にありました九州のみ残しまして他は統合というのは駐在防疫官事務所でございまして、検疫所につきましてはお話にありましたように今後の国際貿易の推移に鑑みまして或いは事態の変化が起ることもあるかと思いまするが、今までの検疫所の化事につきましては只今申しました程度整理は可能であるとかように考えておるのでございます。なお接術官につきましては技術系統の職員五%となつておりますが、本官たる技術官につきましては成るべく減員を避けたい、かように考えておる次第もございます。
  160. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 次に麻薬取締についてお伺いいたしますが、この麻薬の取締は非常に世界的にやかましいので、なかなか日本だけでどうするということはできない嚴重な制約の下に置かれておるのであります。その麻薬取締の方面にもなお若干の減員を見ておるのでありますが、一方にこの麻薬に類似したる中毒患者がたくさん出て来ておる。殊に最近におきましては御承知のようにいろいろな患者がたくさん出て来て取締はますます増加いたすばかりでありますが、この点につきましての御所見如何でございましようか。
  161. 大山正

    説明員(大山正君) 麻薬取締につきましては全国に地区の取締官事務所とそれから都道府県の駐在の麻薬取締官と合せまして三百二十二名現在定員があるのでございますが、これにつきましては五%程度整理が可能であるとかよに考えまして五%の整理を行うということに考えておる次第でございまするが、取締の実態に即しました事務のやり方を工夫することによりましてこの程度整理は可能であろうとかように考えておるわけでございます。
  162. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 行政管理庁のかたおいでになりますか。
  163. 河井彌八

    委員長河井彌八君) おります。
  164. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 伺いますが、どうも厚生省所管事務というのは重大なる、重ねて申しますように、日本民族の生命に関する問題であり、最近の戰後の状況は結核が増加する、その他流行病が増加して参つておる、取締を重ねてもなお且つ追いつかない現状であるのにかかわらず、どうも厚生行政には積極性がない。かような積極性の足らないことでいいかどうか。大きな見地から見てこれは厚生行政などはもつともつと進んで積極的に増加すべきものでなくてはならない現状であるのであります。これをば一律に「かんな」がけするような整理の仕方は、私はどうしても不安に堪えません。国民立場から見ましても厚生行政に対しましては特別の考慮が加えられなければならんのでありますが、先刻も申上げましたように長官が大臣を兼ねておいでになる関係からか、厚生職員のほうでは非常にこれは苦しい立場に立つておると思うのであります。こういう点は御考慮になりましていずれ内閣委員のかたがたからいろいろ今後なお立入つての御要求もあると思つて、私は修正して頂かなければならん点がたくさんにあるのみならず、これは積極的に増加しなければならん面があるのであります。これは予算を伴います。今のような状態で病院や療養所をば消極的に扱つて行くことは国民としては、非常な不満であります。この点は十二分に御考慮願いたいということを申上げまして私の質問を終ります。
  165. 大山正

    説明員(大山正君) 午前中に楠見委員から御質問ございました軍病院を厚生省に引継いでおる人員はどうかという御質問でございましたが、昭和二十年の十二月に引継ぎました当時予算定員で約三万の定員を引継いでおります。その後軍医は大部分やめまして極く一部だけ残つております。その他の職員も若干残つておりますが、その当時から引継いだ人間が何人ぐらいになるかということは実は調べたものがございませんので、お答えいたしかねることをおわびします。
  166. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の三万名というのは陸海軍ですか。
  167. 大山正

    説明員(大山正君) 陸海軍もございます。
  168. 楠見義男

    ○楠見義男君 その三万名を引継いだ当時の陸海軍病院の中で、現在の国立病院に移管された場合のその残存人員がどのくらいあるか、ちよつと伺いたい。
  169. 大山正

    説明員(大山正君) その残存している人間を計算したのがございませんので履歴を全部当りませんとちよつと見当が付かんのであります。
  170. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると引継いだ病院の中で現在国立病院として維持経営しておる病院の比率ですね。
  171. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 陸海軍から引継ぎました病院は当初は全部国立病院として運営しておつたものです。ところが運営いたしてみますと結核療養所に転換したほうが都合がいいというものがありましてそれをぼつぼつと転換して参りまして、その数が約十五、六カ所になつております。
  172. 楠見義男

    ○楠見義男君 実は私の伺いたい趣旨は、陸海軍病院から国立病院なり或いは国立療養所に引継いで、そしてその当時のお医者さんとか看護婦とかの数と現在と比べて余り現在がひどいようであれば、これは常識的に考え整理の余地はないのじやないかというような観点から資料に資したいと思つてつておるのです。従つてそれに合うようなその事情の説明を頂けばいいのです。
  173. 阿部敏雄

    説明員(阿部敏雄君) 先ほどどうも簡單に申上げましたけれども、陸海軍から引継ぎまして、そうして現在に及んでおるのではありますが、現在残りました数のうち何名が陸海軍から来ておるかということは、先ほど申上げましたように履歴を当らなければわかりません。併し現在こういうこれから申上げるような基準を当てはめまして現在の定員が丁度適当になりておるのじやないかとこう思われるのでございます。それは医者につきましては一般病院は入院患者二十二名に一人の割で配当しております。それから外来につきましては外来が三十五名について医者一人、こういう基準で定員を割当ております。それから結核につきましては三十七ベッドに医者一人、それから外来につきましては五十名に医者一人、こういう基準で結核は配置しております。それから癩につきましては百十ベツドに医者一人、それから精神病のほうは患者三十名について医者一人、それから脊髄、足等の病気につきましては患者二十七名に医者一人、そして看護婦については先ほど申上げましたがこういうような基準で配当してみますと、丁度今回医者が五%整理されましたけれどもこの配当には支障ないということでございます。ただ先ほど申上げましたように看護婦だけはまだ定員はありましても少し足りませんので今鋭意養成して増員しつつあるのであります。
  174. 松原一彦

    委員外議員(松原一彦君) 厚生行政只今申しましたように私どもから見ますと非常に不安ばかりもございますが私は時間を余りとるわけにも行きませんから内閣委員のかたがたにお願いしますが、どうぞ一つ積極的なる御考慮を願いまして行政の目的の挙がるように御整理を願いたいと思います。発言をお許し下さいましたことをお礼を申上げます。
  175. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 この資料を頂きまして、厚生省の機構というもの、これと睨合せつついろいろとお尋ねしなければならないのですが、この公衆衛生局の中で二十五名の整理が出ておるようにあるわけですが、結核予防課というのが今問題になつておるようですが、ここで全体働いておる人が何人いるか、そして整理をされる人が何人かということをお知らせ願いたい。
  176. 大山正

    説明員(大山正君) 結核予防課は現在定員が二十三名になつております。なおこの公衆衛生局の整理人員二十五名をどの課に何人に整理をするかということにつきましてほなお検討中でございまして、公衆衛生全体といたしましてはこの程度整理は可能であるというように考えておるのでございますが、各課の配当につきましてはなお具体的に今後検討する考えでございます。
  177. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 まあこれもあなたに天引じやないかと言つて議論をしても私はそれは問題になりませんからやめますけれども、公衆衛生二十五名を割当られたと、若しこういうふうにやるなら、ここに出ておるところの整理人員はすべてこの機構で申しますと、大体官房へ何人、公衆衛生局に何人というふうに、こうずつと兒童局に何人というふうに割当てて、下の課にはどこも検討はしていない、こういうふうに了承していいわけですか。
  178. 大山正

    説明員(大山正君) 一応この人数を出しますにつきましては、勿論仕事の内容につきまして、只今お話がありましたような点を検討いたしたのでございますが、なお細目実施の場合には多少の融通は又つき得る、かように考えておる次第もございます。
  179. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 非常に私は異議があるわけです。まあ、あなたも私は被害者の立場で押付けられたのだから止むを得ず云々だとまあ思いまして了承をするわけですが、本来の建前で言うならば、今度我々は行政管理庁から承わつておる整理であるならば、飽くまでも事務能率化もあるとか、或いは簡素化であるということについて、私たちは下から積上げられたものと実は了承しておるわけであります。飽くまでも押付けられてそして省へ割当てて来た、それを内部局や外部局に幾らに割当てようというようなことをされたものでは実はないと、こういうふうに考えておるわけですけれども、私は実情がそうであるということはまあ諒といたしますが、割当がないということは非常に問題になると思いますが、結核予防課というようなものはこれは大体において切らん、非常に患者も殖えておるし、予算関係などから申しましても非常に多いから大体切らないのだというようなふうにお考えなつておるか、或いはそこまでまだ検討していないとこういうことでございましようか。
  180. 大山正

    説明員(大山正君) 結核予防の仕事は、公衆衛生局の中でも極めて重要な仕事でございますので、局の中としましては比較的少い整理人員で済ますことになろうとかように考えております。ただ仕事が車要でありましても、このやり方につきましてはなお検討の余地がありますならば若干の整理はあるのではないか、かように考えて考ります。
  181. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこでいろいろ伺つてつたのですが、どうもその抽象的で話がどうも私聞いておつてもわからないので、そこで何ですか厚生省に関する我々の質問に対しては、人事課長が一手にお答えになると、こういうことになつておるのですか。
  182. 大山正

    説明員(大山正君) 私当面の事務担当者といたしまして、できる限りの御答弁を申上げたいとかように考えておる次第でございますが、なお厚生省職員の非常に大きな部分を占めます医療関係につきまして医務局長も見えておりますので、その点につきましてはなお医務局長から御答弁申上げます。
  183. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それでは順序を追いまして内部部局、大臣官房、公衆衛生局という工合に、まあ順序になつておるのですが、大臣官房では百六十一名の整理人員ということになつておるのです。そこで大臣官房ではどういうような仕事が今までから今度は減りまして、どのどういう課がなくなつたか、或いは入その課の中のどういう係の仕事はやらなくてもよくなつた、だからこういう工合に百六十一人丁度計算すると減らすことになる、こういうように順序を追つて説明を願えれば、非常に私たちが百六十一人というものの政府原案が適当であるか適当でないか、そういうことを判断するに極めてよいと思うので、それをあなたの今まで言われたような抽象的じや全く困るので、具体的に大臣官房から始めて頂きたいところ思うので、先ず第一番に大臣官房部局におけるところの一千三百三十六人、その中から百六十一人を減ずると、こういうことに対して詳細に具体的に御説明を願いたいと思います。
  184. 大山正

    説明員(大山正君) 只今質問のございました点でございますが、大臣官房には人事課、庶務課、会計課、それから弘報渉外課、この四課と、統計調査部と国立公園部の二部があるのでございます。人事、会計その他庶務につきましては、人事事務整理が現在人事院を中心といたしまして簡素化の案が進行しておるのでございます。又会計事務につきましても会計法規の改正その他化よりまして、簡素化されるように承りておるのであります。又弘報渉外につきましては午前中の御質問で渉外関係のことを御説明したのでありますが、さような事務の簡素化、能率化によりまして人員整理が可能であるという可能な人員を算出したのでございます。なお国立公園部、統計調査部でございますが、国立公園部につきましては、六名、それから統計調査部につきましては、百十六名、大体整理可能の人員といたしまして考えておるのでございます。
  185. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで統計調査部とかそういうものは後にいたしまして、人事、会計、庶務から先ず触れますが、人事、会計庶務では人事院のほうでどういうような方針が立てられて簡素化がどういう工合になされておるのですか。一つ具体的にお教えを願いたいのですが、どういう工合にあなたのほうで簡素化されたのですか。
  186. 大山正

    説明員(大山正君) 私の聞いて承知いたしております範囲におきましては、只今まで任用制度その他につきましては、人事院の承認を受ける範囲等も非常に多かつたのでございます。これらの点につきまして人事院としては規則を改正いたしまして、各省大臣に委せるというような方途を講じておのでございまして、これによりまして、私どもの任用事務というような面が非常に簡素化されるのではないかというように考えております。或いは又給与の関係におきましても、従来高給な者の給与の例えば昇格等につきまして一々人事院の承認を求めるようなことがございますがこの点も簡素化する、或いは給与簿を一々作るのでございますが、かような書類の作成等につきましても簡素化をするということに相成つております。或いは又いろいろな報告の様式その他を簡素化し、或いは報告の部数が多かつたものを少くすると、或いは今後の新しい仕事として計画されておりました職階制でありまするとか、勤務評定につきましても逐次簡素化する、こういうようなふうに承つております。
  187. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこでそうした人事、会計、庶務では、そうするとそういうような事務の簡素化によつて何名少くなることになるのですか。人事では何名ですか。
  188. 大山正

    説明員(大山正君) 六名でございます。
  189. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それでは会計では。
  190. 大山正

    説明員(大山正君) 十八名でございます。
  191. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 庶務では。
  192. 大山正

    説明員(大山正君) 七名でございます。
  193. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで今伺つておりまして、これは現在すでにこういう制度になつているのか、それともこういう制度になるという見込の上で減らそうと、こういうのか、どちらなんですか。
  194. 大山正

    説明員(大山正君) 一部はすでに確実にさような運びになつておるものもございますが、その他につきましては大体そうなることが確実であるということに基いて考えられているのでございます。
  195. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういうようなことになる見込が確実だということで六名、十八名、七名を削るがすでに一部削つてもう事務がなくなつておる所もあるという説でありますが、そうすると人事、会計、庶務の三つに亘つてはなくたつた部分だけは人が浮いている勘定になつておるのですがね、今現実には。その点ほどうなんです。
  196. 大山正

    説明員(大山正君) まだ具体的に何人要らなくなるというほどの事務整理が今までに行われたという意味ではございません。或る程度事務が簡素化されつつある、こういうことでございます。
  197. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 簡素化されつつあるというので、先にこういう者を首を切るというのはどうもおかしいのですがね、その点はどうお考えなんです。やはりちやんと機構も変つてそうしてそこで事務量がどれだけ減つた、こういうことでその算定の墓礎の上に立つてそうしてなんぼ減らすということを我々のほうに持つて来られることが適当である、而もそれが極めて合理的であるというようにあなた自身はお考えになるのですか、ならないのですか。
  198. 大山正

    説明員(大山正君) この法案通りますれば一月一日から六月末日までの間に整理することと相成るのでございますので、その間に只今申しましたような人員整理可能な程度事務も又簡素化されるとかように考えておるのでございます。
  199. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それではその三つの次を今のように具体的に内容を示しつつ一つ説明を願いたい。
  200. 大山正

    説明員(大山正君) 公衆衛生局におきましては先ほど来申上げましたように、二十五名を整理することといたしておるのでございますが、公衆衛生行政につきましては、食品衛生行政等につきましては、若干今やつておりまする行政のやり方、例えば指導取締方法というようなものをもう少し合理化をする、或いは営業関係の行政も簡素化をしたい、かように考えているのでございまするが、なお全般的に事務能率化を極力図りまして、大体二十五名程度整理可能である、かように考えておるのでございます。  それから医務局につきましても…。
  201. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 一項目ずつ片付けて行きますから、一つずつに亘つて御答弁願つたらいいと思います。そこで今お話なつたこの食品関係のものは、今度統制がやはりこういう工合に続いて参ることになりますと、今までお考えなつておつたこととは違つてくると思うのですが、その点ではどういうことになるのか、幾らかその点では、そういう食品関係の統制関係によるものが実際仕寄り内容の上にあるのかないのか、どうかということと、それからそういうものがあり得るとするならば、この人員は確かに削つて来なければならないというのが理論的に正しいとこういうことになるのですが、その点についてもう少し詳しく仕事の内容から一つお聞かせ願いたいと思います。
  202. 大山正

    説明員(大山正君) 食品衛生行政につきましては、衛生上の指導取締或いは試験検査に従事しているような職員でございますので、特に統制経済の撤廃によりましてこれだけの人員が減るというようなことはないと承知いたしておるのでございますが、例えば料理屋その他飲食店等に秀、優、良、可というような採点制度等をやつておるようなことが従来あつたのでございますが、これはその後諸般の事情から廃止するというようなことにいたしておるのでございます。若干さような面の廃止を考え整理考えておる次第でございます。
  203. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そうしますとこの減員の二十五名は、具体的にはどの仕事の分野から二十五名減らすということになるのですか。
  204. 大山正

    説明員(大山正君) 先ほども申上げたのでございますが、公衆衛生局内の仕事を一応検討いたしまして二十五名というくらいは整理可能である、かように考えたのでございますが、なお具体的にどの仕事を何名ということは今後更にもう少し詳細に検討して参りたいとかように考えております。
  205. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そうするとこの二十五名は具体的に何ら調査することなくしてここに出されたということに了解してよいのですか。
  206. 三好始

    三好始君 議事進行。厚生省関係で提出されておる資料が何局について何名整理する、こういう非常に抽象的な資料になつておりますから、おのずからカニエ委員のような質疑せざるを得ない結果になると思うのであります。人事課長のほうから一つ一つ事務についての御説明がだんだんなされておるようでありますから、私は、局課別の整理人員を示した資料たけでなしに、例えば農林省関係で出ておる資料のように事務の具体的な内容に基いて、こういう事務をこれだけ整理するのだという資料が出されたら非常に議事の進行が早いと思うのであります。厚生当局のほうでそういう資料を出して頂けるかどうか、若し出して頂けるのだつたらそれを待つて審議を進めたら遥かに時間を短縮できると思いますので、その点お伺いいたす次第であります。
  207. 大山正

    説明員(大山正君) 只今説明申上げましたように具体的に何課のどの事務について何人というとこまでまだ資料ができておりませんことを御了承願います。
  208. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 併しそういう杜撰な話で人の首を切るいとうようなそんなお粗末なことでは怪しからんじやないかと私はこう思うのです。あなた自身がですよ、簡單に考えられておるようですが、いやしくも人一人といえどもその生活を奪うのですから、だからそこにはもつと明確に、どうしてもいわゆる国家の行政上これだけの人はどうしてもこれだけの仕事を減らすのだからこれは余るのですということを明確にしなければ、我々は審議せいと言つたつてできないじやないですか。もう少し我々が審議をするなら審議のでき得るような態勢も資料を整えてそうしてお出しにならんことにはこれはやれませんよ。
  209. 大山正

    説明員(大山正君) 厚生省といたしましてはいろいろ事務の内容を検討いたしました結果、只今お手許に差上げてあります局單位のところまでの数字を出して整理人員を算定しているような次第でございます。
  210. 竹下豐次

    竹下豐次君 カニエ君の先の質問に関連してちよつとお尋ねしたい。先ほど人事課長の御説明のうちに、大臣官房の減員のことに関しまして会計法の改正があるはずだ、それによつてその関係の事務が減つて行くから人も減らしていいというような御説明があつたように承わるのでありますが、これは非常に大事な私はいいことを聞いたと思つておるわけであります。終戰後会計の関係が非常に事務的に細かいことまで規定されまして、それがために非常にたくさんの人員を擁しておるということになつておるようでありますから私ども一々検討したわけでもありませんけれども、ほうぼうの話を聞いてそれを総合して考えますと成るほど会計法が少しうるさ過ぎる、もう少し簡明に改めていいのじやないか、そうしたら人の節約にも非常になるしそれから事務の進捗にも大変いいということも考えておるわけでありますが、その会計法り改正がいつ頃行われることになるのでありますか。これは直接あなたのお仕事じやないのでお尋ねするのが無理かとも思いますけれども、先ほどお話が出ましたので何かお聞き込みのことがあつてその見当がついておりますならば、この際御説明願いたい。
  211. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) これは大蔵省の所管でございますが、財政法及び会計法等につきまして一部を改正する法律案を今国会に出す予定になつておりますのですが、果してもう出ましたかどうかはつきりしませんが。
  212. 竹下豐次

    竹下豐次君 この国会にですか。
  213. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) この国会に出る予定になつております。
  214. 山花秀雄

    ○山花秀雄君 議事進行に関して。只今三好委員のほうから議事進行に関して厚生当局のほうで細別に亘る、この議事を審議するために参考資料を下されたらどうか。これはカニエ委員のように一問一答を続けて参りますと時間が非常に長くなるので、議事短縮の意味三好委員が提議されたと思うのであります。然るに厚生当局のほうでは局別しかまだわかつていないというような回答でありました。他の省では三好委員農林省の例を引かれましたが三人、二人、四人、五人というような小さなところまではつきりした数字を出しておるのであります。厚生当局人員整理をやるについて、この内閣委員会に審議の資料として只今のような局別しかわからんというような内容を示されますと、我々としては審議のしようがないと思うのであります。考えますならば、内閣委員会を馬鹿にした私は資料じやないかと思うのであります。この点もう一度厚生当局にはつきりした点をお伺いしたいのですが、現在に至つてもこの程度の資料しかできていないのかどうか。只今一問一答の間には詳細なお答えをやつておられたのでありますから、私はできておるのではないかと思うのでありますが、この点もう一度はつきり確あて我々内閣委員としては審議の方法を定めて行きたいと思うのであります。以上お答えを願いたいと思います。
  215. 大山正

    説明員(大山正君) 厚生省整理人員の算出に当りましては、今朝ほど御説明いたしました或いは渉外関係の事務でありますとか、或いは指定生産資材の関係でございますとか、医薬品の配給統制の関係でございますとか、さような面につきましては何人に対して何%という点もはつきりいたしておるのでございまするが、その他の一般的な事務の点につきまして、特に内部部局におきましては局、それから官房につきましては課別の計数ははつきりいたしておるのでございまするが、更にその局内につきましてどの課が何名ということまではまだはつきり決定になつておらないのでございます。
  216. 三好始

    三好始君 只今人事課長説明は、厚生省の内部部局に関する限り、今回の人員整理は天降り的な割当の整理だということを白状しておるように受取つたのであります。行政管理庁長官は今回の整理は飽くまで事務実情検討して整理人員を出した、こういう説明をされておるのでありまするがこの間には相当の矛盾を感ずるのであります。私は局なり課なりの整理人員しかわからないで、具体的にどの事務をどういうふうた簡素化してどれだけの整理人員を出した、こういうことでなければ了解はできない。まだ内閣委員会に提出する資料が作れないということは、整理人員を上から割当てたというほかに了解のしようがないのであります。この辺どういうふうになつておりますか、はつきり承わりたいりであります。
  217. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 厚生官の事務につきましても大臣が申上げましたように、個々の事務内容につきましていろいろ検討いたし折衝をいたしまして整理人員が出たわけでございますが、それをいろいろ一つ事務につきましてもいろいろわたるところもございますので、それを局課に分ける仕分けはまだできてないということじやないかと存じます。
  218. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 局課にわたる仕分けができてないというような行政管理庁次長の答弁は誠に私は困ると思うのです。およそその整理をするということであれば、今三好君が言つた通りこの整理は今回はその合理的な基礎の上に立つて整理案が出ておるというその前提の上に立つて我々は審議をしておるのであつて、而も今言われるように大体厚生省でこれだけだというようなことでなく、各課下から積上げて来て事務の事情において積上げたものであれば、係、課に至るまで明確なる資料がなければならんはずなんですからだからそれを言うのです。問題は前回の定員法のときにでもこれで問題になつたのですよ。我々は決して整理に反対するものではない、それが国家のために役立ちそらして合理的なるところの数であれば我々として飽くまで正しく調べて、それに対して最後の決定をするのでありますから、だからその決定をするのに際しまして、末端の事務実情なりそれらのこまかい資料が出ない限りにおいてはやれないということ、でそれが出ないということであれば、やはりこれは天降り天引行政で前回の大騒動をやつたあれと何ら変りがないということであります。この点を私は明確にせなければいかない、そういうことでなければやはり徹底的に資料を出して頂きたい。それで資料が出なければ、ここで時間がかかつてでもやはり一問一答式にこの係ほどうだ、この課はどうだ、こうやつて私がやるのでありますが、それでは進行上いかんからもつと何とかうまい方法がないかというので、ほかの議員からそういうような進行に関して動議が出ておるのであります。だからこの点を飽くまでもやはり明確にしておいて頂きたい。
  219. 楠見義男

    ○楠見義男君 議事進行について。こういう問答を繰返しておると徒らに時間がたつばかりなんですが、厚生省のかたも大体各委員の要望せられておる点はおわかりになつたと思いますから資料をお整えになつて、どうでしようか、明日の朝からでも厚生省をやることにして、一時厚生省を外してほかのほうをおやり頂いたらどうでしよう。
  220. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 楠見委員の御発議がありましたが、諸君において御同意であればさように決したいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  221. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ではさように決します。つきましてはこの際恩給法改正につきまして、提案理由を聞こうと思います。ちよつと十分ばかり休憩いたします。    午後三時四十一分休憩    —————・—————    午後四時一分開会
  222. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 内閣委員会を開会いたします。  恩給法の一部を改正する法律案、予備審査であります。これを議題といたしまして政府から提案理由説明を乞います。
  223. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) 只今議題となりました恩給法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由説明いたします。  今回この法律案によりまして恩給法改正を加えんといたしまする事項はつぎの三点であります。  第一点は、国家公務員の給与に関する改正法律案が、先に本国会に提案されたのでありますが、この改正法律適前用の俸給を基礎として計算されている恩給年額の増額改定に関するものであります。  現行恩給制度におきましては、恩給は、公務員の退職当時の俸給を基礎として計算されることになつておりまするので、公務員の俸給支給水準が引き上げられますると、その引き上げのときを画しまして、恩給支給水準に差異が生じるのであります。而して、先に本国会に提案になりました国家公務員の給与に関する改正法律案が制定公布になりますると、公務員の俸給支給水準が本年十月一日から引き上げられることになり、本年十月一日以後に退職する公務員の恩給の支給水準と、本年九月三十日以前に退職した公務員の恩給の支給水準との間に差異が生ずることになるのであります。よつて、本年九月三十日以前に退職した公務員の恩給につきまして、その恩給年額計算の基礎なつている俸給年額に対応する国家公務員の給与に関する改正法律に基く俸給を推定し、その推定された俸給に相当する金額を基礎として計算した場合の恩給年額に、これを改定し、本年十月分の恩給から増額改定された恩給を支給して、恩給支給水準を統一調整いたそうとするのであります。この法律案の附則第三項及び第四項の規定が、これに関する規定もあります。  第二点は、いわゆる多額所得者の普通恩給の一部停止に関する規定の改正であります。  現行恩給法によりますと、普通恩給年額五万円以上も、恩給外の所得年額二十五万円をこえる者につきまして、普通恩給年額と恩給外の所得年額との合算額に応じ、普通恩給の一部を停止することになつておるのでありますが、国家公務員の給与が増額改正されますと今後退職する公務員の普通恩給年額が増額され又この法律が制定されると、すでに退職した公務員の普通恩給の年額が、増額されることになりますことと、最近の諸般の情勢の推移に鑑みまして、右の普通恩給停止に関する基準金額の水準を引上げ、普通恩給年額六万五千円以上で、恩給外の所得年額三十三万円を超える者につきまして、現行法のような割合で、普通恩給の一部停止を行うことといたそうとするのであります。なお、この普通恩給の一部停止は、現行法では、毎年七月から翌年六月までの期間を一停止期間として停止することになつており、本年七月分から来年六月分までの恩給の停止額はすでに決定され、現在、この決定された額を停止しておりますので、この間の停止につきましては、すでに決定された従来通りの取扱いをいたそうとするのであります。この法律案の第五十八條ノ四の改正規定汲び附則第二項の規定がこれに関する規定であります。  第三点は、日本専売公社の役員又は職員で、本年一月一日から三月三十一日までに退職した者及びその遺族の恩給の計算に関するものであります。  国家公務員の給与は、本年一月一日から施行せられました給与に関する法令によりまして増額され、これが現行の俸給額となつておるのでありますが、日本専売公社の役員又は職員の俸給の増額は、国家公務員の場合より遅れ、本年四月一日から実施せられた給与に関する規定によつて増額され、本年一月一日から三月三十一日までの期間の給与につきましては、大体この期間の増俸額に相当する金額を一時に支給されたのであります。従いまして、日本専売公社の役員又は職員で、本年一月一日から三月三十一日までに退職した者及びその遺族の恩給額は、本年三月三十一日以前の俸給額即ち本年四月一日に増額される前の俸給額を基礎として計算されておりますので、本年四月一日以後に退職した者及びその遺族の恩給の額よりは、低い額となつており、両者の恩給の支給水準に差異が生じておるのであります。そこで恩給法り準用を受ける日本専売公社の役員又は職員で、本年一月一日から三月三十一日までの間に退職した者及びその遺族につきましては、本年四月一日に適用されていた日本専売公社の役員又は職員に関する規定が、その役員又は職員の退職前から適用されていたとした場合に、退職当時の俸給となるべき俸給の額を基礎として、その恩給の額を計算することとし、すでに、恩を受けた者につきましては、その恩給の額と右の改正規定によつて計算した恩給の額との差額を追給することとして又この法律案の附則第三項で恩給年額を増額改定いたします場合には、右の改正規定による退職当時の俸給を恩給年額計算の基礎たる俸給年額とすることとしまして、両者の恩給の支給水準を続一調整いたそうとするのであります。この法律案の附則第五項から第七項までの規定がこれに関する規定であります。  以上がこの法律案を提出するに至りました理由であります。何とぞ、御審議の上速やかに御賛成あらんことを願う次第であります。
  224. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は只今議題になつておりますこの恩給法の一部改正法律案とは関係はございませんが、かねて内閣委員会で問題となつておる事柄についてこの際官房長官に御所信を伺いたいのであります。  実は今回政府提案されたいわゆる定員法の一部を改正する法律案、大幅の行政整理の問題は自由党内閣が一枚看板にせられておると同時に、その整理の根本の理由行政経費の節約にあるということで進んでおると思うのでありますが、そこで先般この委員会で問題になりましたのは、綱紀の粛正にも関係した問題でございますが、今月の三日、四日に亘つた連休日における官庁自動車が温泉地、遊覧地に行つてつたということについて、橋本行政管理庁長官にお伺いしたのであります。その理由は、国家経費を節約する観点から一般の行政官庁職員に対して大幅の整理をする、ところが一方において金額はわりに少額であろうとも官庁自動車がそういうような不始末のことをしておるとすれば、現在行政整理におびえて極めて不安な焦燥の念にかられている一般行政官庁職員はどういう気持を持つであろうか。同時に又一般の国民行政整理については必ずしも反対ではありません。政府が言うがごとくこれによりて租税が軽くなるということを国民は期待をしておる。その一般国民もそういう状況を見せつけられるとすればこれ又非常に割切れない感情が残るのじやないか。そういう観点から一体三日、四日の連休日に官庁自動車がそういうようなことがあつたのかどうかということをお尋ねいたしましたところ、これは政府全体の問題であるから官房長官のところで調べて報告をするように取計らう、こういうことであつたのであります。経過的に新聞等で見ますと、官房長官は次官会議においても官紀の粛正についてそういうことを御発言なつたようであります。私はそれは当然なさるべきことだと存じておるのでありますが、官房長官から内閣委員長宛の公文で以て御回答になつた文章を見ますと、各省には該当車なし、こういうような御回答であります。実は私も御承知のように永年役人をやつてつた人間でありますが、併し若しそれが事実だとすれば、これは官庁の名誉毀損といいましようか、威信を損するといいましようか、その新聞紙の報道は実にけしからん報道だと思うのであります。そこで具体的にこれは官房長官も御覧になつたと思うのでありますが、本月の四日付の朝日新聞でありますが、その三面に非常にでかでかと書いてあります。温泉大にぎわい、そして大きな見出しで中に目立つ四万台の車、そしてサブタイトル式に、箱根、執海方面では四万台(官庁用)の車の往来が目立つていた。そして具体的に各地の状況を挙げておるのであります。その執海のところで、又自家用車の豪勢組に混つて官庁車が海岸通り相当幅をきかしていたと、こういうふうにはつきり断定的に記載をされておるのであります。私はこの点を実は問題にしたわけでありまして、そこでくどくどしいことは申しませんが、若し官房長官が内閣委員長宛に公式にお出しになつたように、各行政官庁における状況があの御回答通りのことであるとすれば、先ほど申上げましたように官庁の立場に立つ現在の人間、或いは我々官庁をやめましてからも官庁の威信というものについて極めて重大な深い関心を持つている者から見ますれば、ただこのままに政府がしておられるというのは私はどうしても腕に落ちないのであります。従つてそういう観点からして、官房長官は政府を代表してこの問題についてどういうふうに御処置なさる御所見であるか、この点をお伺いいたしておきます。
  225. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) この点はなかなかむずかしいのでございまして、楠見君も恐らく御経験があると思いますが、執海、箱根方面へ行つた自動車があるなら調べて報告せよ、こう言いますと、来た返事は、皆該当車なしというようなことなのであります。甚だ腕に落ちないとは思いますけれども、そういう返事が来るものでありますから、止むを得ずそのまま委員長宛に報告したのであります。尤もこれはまあよそのほうを悪口言うと甚だ恐縮になるのですが、実は四万台の自動車というのはいわゆる行政官庁だけではないのでありましてほかにも使われているのであります。つまり政府機関とすれば全部四万台の自動車になつておりますが、私どもが監督できるのは行政府だけであります。従つて四万台の車がほかのほうの官庁の車もあつた場合もないことはないと思いまするけれども、それにしても一合も執海に行つてないと言われる一方、新聞にはそういうふうに書いてあるので甚だどうも腑に落ちないのであります。そこで一昨日次官会議に行きまして、もう一遍責任を以て各次官で調べてくれないか、別にこれは人を罪に落すとか怒るとかいうのでなくして事実を確かめるので、こう何か通り一遍に該当車なしと返事しても、どうも自分は永年の役所の経験からいうと腑に落ちないと言つて、もう一遍今度実質的に調査してもらうように各次官に話したようなわけであります。私自身も楠見君とやや似たような感じも実は持つているのであります。又同時にこの際自動車に乗るような人というのは、官庁でも上のほうの人でありますから、そういう人たちが自粛するのは当然でありますので、まあそんなことはないと思いますが、ついでに東京都内等におきましても料理屋、高級な料理屋に四万台の自動車を見たことがあるのでありまして、その辺もついでに次官から各職員に対して十分自粛するようにと要望しておいたわけであります。又これは私は眞僞は知りませんが、新聞によりますと来年からは四万台というのをやめて、一般の自動車の番号に混ぜてしまうというようなことが新聞に出ておりましたので、事情はよく知らないけれどもこの際なにか四万台だと眼を着けられてうるさいから変えるというような感じを一般に持たれますので、むしろ四万台を置いておいたほうがいいじやないかというくらいに考えているようなわけでありまして、一方においては行政官庁がまじめに仕事をし国民の信頼を得るということが非常に必要であると同時に、この際下の方の職員の士気を鼓舞すると言つちや大げさでありますが、まじめに働けるようにするには上のほうの人が十分自粛自戒しなければならない。こう考えまして今さようなことをいろいろやつておるわけでありますので御承知願いたいと思います。なおこういう問題につきましてはたまたま外部、新聞その他委員会等で問題になるものでありまするからいろいろの措置がとられるのであつて、つい問題にならないとそのままになる虞れもありますので、今後ともこういう点を指摘されることは私としては大いに歓迎するところでありまして、この内閣委員会とも協力してまじめに官庁の仕事をやつて行きたいと、こう考えております。
  226. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今の官房長官の御答弁で大体了解いたしましたが、なお再調せられるということでありますから、その再調の結果を是非この委員会で明らかにして頂きたい。今のお話でも行政官庁以外に他の場所でも四万台の車を使つておる。恐らくそれは裁判所とか国会とか会計検査院とかそういうことをお指しになつておるのじやないかと思いますが、若し裁判所がそういうことをしておるとすれば、これは非常に大きな問題だと思いまするし、国会の自動車がそういうことをしておるとすれば、国会自身でも極めてこれは嚴粛に取扱わなければならん問題だと思う。会計検査院であればなお更のことであります。これはまあ余談でありますけれども参議院は私十分調べました。参議院は行つておりません。尤も我々は衆議院を調べるわけはに参りませんが、従つてこの問題はやはりとことんまで明らかにしてそうして先ほども申上げたように、どうしてもまさに整理されんとする人間や、或いは又国の一般大衆が割切れない気特でおる点はこれは将来のためにも是非明らかにしたいと思いますので、幸い再調せられるということでありますからどうか十分に再調せられてその結果をこの委員会に重ねて、御報告を煩わしたいと思いますが、お願いいたします。
  227. 竹下豐次

    竹下豐次君 官房長官からあの通知をお受けになりましたのは委員長いつですか。
  228. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 一昨晩もあります。昨日の委員会で私は委員諸君にあれを朗読して報告をいたしておきました。
  229. 竹下豐次

    竹下豐次君 次官会議を待つというのは、そうするとちよつと変ですね。今楠見君から質問がかなり出ましたからあとで又御報告願えますから間違いがなくてこつちは本当のことを聞けるだろうと思うのでありますけれども、今若し楠見君の御質問がなかつたら一人もなしという返事で我々は了承させられたというようなふうになるので、而もその前に次官会議があつたのに、はつきりしないのに一人もなしという回答を委員長にお出しになるのはどうかと思いますけれども、それはどういうふうに。
  230. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) これは各省から正式に言つて来たものでありまして、我々としてはこれを違つておると言つて戻す根拠はないのでありますから、そこで月曜の次官会議へ私が出まして、各省の回答はその通り該当車なしという回答だつた、併しこれは出さざるを得ないから出すけれども、甚だまだ腑に落ちないからもう一遍実質的に調べて自分から出す、こういうのでそのときにもう該当なしというのは知つておりまして、これは腑に落ちないけれどもとにかく出す。そうして無論今楠見君から言われましたけれども、私は再調査して又何か違つた回答があればこれで……。
  231. 竹下豐次

    竹下豐次君 私の申しますのは、再調査はこつちに返事下すつたあとでお気付きになつておやりになるならば筋道が通りますけれども、そのままに再調査しなければ本当のことが信じられないのだということをお考えになりながら、一人もないという通知をされるのは少し早過ぎやしないかと思う。確めたあとでやつて頂くことが本当じやないか。たまたま楠見君のお話が出たからそれでもう一遍私などは承わり得ることができますけれども、若し質問がなかつたら私のほうは一人もないというわけで済まされたかも知れないということになると、それじや内閣委員会に対する官房長官のその文書というものは何だか不親切なような気持がします。
  232. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) これはそういうふうにもとれますけれども、役所というものは再調査してもなかなかありましたという返事は私はないと思うのです。ないと思うのですけれどもまあとにかくもう一遍調査してみましようということで、これは私は見なかつたのですが、これは本当に私のほうに来たのは各省のは皆書いてあるので、皆各省とも該当車なし、該当車なしとたくさん来ておるのです。これが該当車あるはずだというので突き返すわけにも私どもでは行かない、回答としてはどうしてもこれを取りあえず出さなければいけない。若しあとでもつて間違つておればそこはここのところが間違つてつたと訂正するより仕方がないと思います。
  233. 竹下豐次

    竹下豐次君 訂正して又更にお出しになる御予定だつたのでございますか。
  234. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) それはそういうつもりで……。
  235. 竹下豐次

    竹下豐次君 了承しました。
  236. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは恩給法の一部改正案及び内閣官房長官に対する質疑は一応この程度にとどめて置きます。   —————————————
  237. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 農林省定員改正の分について審議を進めます。
  238. 楠見義男

    ○楠見義男君 それじや私若干の質問をいたしたいのですが、実はこの前の農林、内閣の連合委員会の際に、続けて農林大臣に御質問すれば非常に能率的によかつたのですが、時間の関係があつてその間相当中断いたしましたので、或いはそのときの問題に多少重複するかもわかりませんが二、三の問題を伺います。それは実は御承知のように、この委員会も又人員整理の問題をやつておるわけでありますが、例の供出割当会議が相当難航のうちに決定をみて、その直後の新聞の報道を見ますと、いろいろの條件を知事が了承してその結果割当会議がまとまつたと、こういうようになつておるのでありますが、その四つの事柄のうちの一つの事項として、食糧事務所等供出実務を行う地方出先機関職員人員整理、機構改革等による不安動揺を与えないよう万全の措置をとる、こういう点を確約したので、知事側がこれを了として政府割当案を受諾することを明らかにした、こういう記事を見たのであります。そこで若しこの通りだとすれば、即ち人員整理等による不安動揺を与えないような万全の措置をとるという、こういう通りだとすれば、現に動揺をしておるのは、我々が現在ここで審議をしておるこの整理案について実は不安動揺をしておるので、従つてその不安動揺を除くということを農林大臣も決心せられ、そして又それを知事側が了承せられたということであるとすれば、現在審議されておるこの原案が実は修正されることを予想されて、そういうようなことになつたのかとも思うのでありますが、先ずこの辺の事情について農林大臣の御説明を煩わしたいと思います。
  239. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 供出割当の知事会議における知事側の強い要請は実は七項目でございまして、それは本年の供出割当に当りましては明年の十月まで統制を続けるという前提である、それから麦、雑穀の代替供出を要求したこと、それから特別報奨金の問題、或いは集荷委託費、それから取締り強化等こういうような七項目でございます。それでなお今御指摘の点は知事側がこれを受諾するに当つては、実は第一線において供出に大きな力を注いでくれておるのが、現場の食糧事務所の職員の各位である、これらの諸君が今行政整理とからんで不安動揺をしております。これらについてもできるだけ不安動揺なからしめるように政府においても善処されたい、こういうことを安井都知事が知事会議を代表して言われたのであります。これに対しまして我々といたしましては、今日長年の間非常に困難な立場にありながら、供出に又食糧管理のために努力されたところの現場の職員諸君については、非常な敬意を表すると共に、今回政府の方針も止むなくこういうことになつたのは同情に堪えないが、併し我々もでき得る限り食糧事務職員の安定に努力すると、こう申上げたのでありますが、引続いて当時全国の食糧事務所の所長の各位も参つておりましたので、現場におけるいろいろの苦衷も報告を受けました。私もできるだけこれは善処いたしたいと恩つておるのでありますが、丁度その際例の政府定員の問題について与党側においても、統制撤廃の問題が今のような経過になつた際には、定員法についても修正すべきである、こういう意見が出て参りまして、御承知のように今まで検査の五%が二五%、管理事務が六〇%が三〇%というふうに相成りまして、この点はいろいろ議論があるところでありまするけれども、一応我々といたしましても政府与党の善処を要望いたしたのであります。このような意味において我々は今後更に就職の斡旋なりいろいろ方法を講じまして安定を図りたい、かように考えておるのであります。
  240. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今の農林大臣の御説明を伺うと、前段では、参議院で修正があつた場合には、勿論これは程度の問題もありましようがその修正態度については動揺するような口ぶりに聞きとれましたのでありますが、後段になつて、衆議院の修正案を以てこの人心不安の押えになつたように受取れたのでありますが、もう一度申しますが、人員整理による不安動揺を与えないようにするというのは、衆議院の修正案の二割五分り修正案で、人心の不安動揺がなくなつたと、こういうふうにお考えなつておるのか、この点をお伺いしたい。
  241. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) これはなかなかデリケートな問題でございまして、恐らく現場職員としては一人も整理なきことを望んでいるだろうと思います。併し従来のような非常に大巾なあれから若干修正されてまあ半分の整理率なつて現場における安定感を与えたということは私も信じております。この参議院においてどういう御修正になるか、それに対する私の意見はどうかということは、私は言うべき段階ではないと思います。この点は差控えたいと思います。
  242. 楠見義男

    ○楠見義男君 もう一度お伺いしますが、衆議院の二割五分の修正案で不安動揺は解消したと、こういうふうに農林大任はお考えなつていると了承していいですか。
  243. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) この点はおおむね安定したものと思います。
  244. 楠見義男

    ○楠見義男君 いろいろお伺いしたいことがありますから次に移りますが、今申上げた四つの項目のうちの一つとしてできるだけ速かに減額補正を実施し、その際は農林省調査部の調査だけでなく各府県農業委員会、食糧事務所の調査数字を十分尊重する、こういう項目があるのであります。勿論この実際の收穫高に即応した適正な減額補正は、これは当然やらなければならんことでありまするし、又やつて頂くことと思うのでありますが、ここに掲げておる農林統計調査事務所の調査以外に、これこれのかくかくの他の調査を尊重するという問題であります。従来御承知のように府県の調査が非常に政治的に取扱われる、或いは又食糧事務所の調査が、供出をさせるほうの自体の官庁の調査はどうしても正鵠を得ないというので、公正な第三者統計ということで現在の農林統計ができたことは御承知通りであります。現在はまあ過去二、三年における統計調査事務所の非常な努力によつて従来の弊害が除去されたと私は見ておるのでありますが、たまたま地方に参りましても農林統計調査事務所の惡口を言うものもあります。この惡口は結局本当のことを発表するから惡口を言われている。これが実際だと思いまするし、又農林大臣もよくその点は御承知だと思います。で我々が統計調査の問題を取上げているのは、従来のような全く腰だめ的な勘の数字ではいけないので、真実の数字を基礎にしてやつて行かなければ農林行政は従来の腰だめ的な行政の弊はいつまでたつても是正できない。こういう観点から農林統計を重要視し、又農林大臣も私は江田委員からひやかされましたが、知性ある大臣ということをこれはまあ取消しましたが、あなたに呈上したのも実はそういう意味であつたのであります。ところが又この段階に来て、政治的な不正確な数字として、従来これをなくすることにあれだけの努力をした、こういつた他の機関の調査を再びこの段階において取上げるという意味が実は私にはよくわからないので、農林大臣はその管下の農林統計についてそれほど確信を持つておられないのか、現在の農林統計についてそれほど確信を持つておられないのかどうか、この点を伺いたい。
  245. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 減額補正というお答えが出来ましたのですが、実はこれは御承知のように専門のあなたですから……。政令において実收高によつてこれを補正する、これを認めたのでございます。その際知事側から従来作報を中心としているけれども、知事側の意見も強くこれは主張されました、そこでこれに対しましては我々としましてはなぜその知事側だけ、或いは又農業委員会だけの御意見を取上げなかつたという理由については楠見さんが御説明通りと私は主張しております。従つて農林省といたしましては最も権威あるものとして我々は農林統計調査、国家機構によるこれは一番正しいものとして信じております。併しながら知事側その他において明確にこれは過ちであるということを指摘するに足る資料を以て訂正を望む場合においては、それは尊重する、こういうことであります。従いまして公正なる知事側の客観的な裏付のあるものについてはこれは十分に尊重し、機械的に農業統計調査に基く資料だけを押付けるという態度はいたしません。こういう回答をいたしたのであります。従いまして我々は御指摘の通り特にこの供出問題ということは非常に地方、或は個人の利害に関係いたしまするので、えてしてこういう統計は不確実になる、特に政治的な加工が加えられるからこそ我々は農林統計調査というサンプル・システム、こういう客観的なもので持つて行きたい。併しながらそれはいろいろ誤差の点も全然ないということを保証するわけにも行きません。或いは面積の点において或いはその他の点において明確に知事側の主張が公正妥当なりというものが出た場合には、これは十分尊重すべきだと考えます。
  246. 楠見義男

    ○楠見義男君 弘法にも筆の誤りがあるのもありますから、従つて新聞の報道としては先ほど私が申上げたような誤解を受けたのもありますが、只今飽くまで農林統計が唯一の根拠あるところの機関であるということについての御答弁でありますから、私はその点は了承いたします。  その次にお伺いいたしたいのは、今回の仕方でありますが、当初の政府考え方から行けば全体、例えば管理職員につついて六〇%、それから検査について五〇%、この総体の人間を一月から三月までに半分、それから六月までに半分、こういうような整理の方式であつたのであります。従つてその基礎は申すまでもなく主食の統制撤廃ということが、前提になつておつたわけであります。ところが今回の衆議院の修正案では公団の四月から六月までの分が復活されただけでありますが、苦し主食の統制撤廃が白紙に戻つたということであるとすれば、勿諭この統制撤廃の問題については大蔵大臣が兼農林大臣のような放言をあちらこちらでいたしておるし、関係閣僚の間の意見は必ずしも一致しておるとは思われません節があるのでありますが、それはそれといたしまして、主食の統制撤廃を前提としたその整理の方針の整理段階が公団が元へ戻つたというだけでございますから、従つて現在の二割五分はやはり主食の統制撤廃というものが前提になつてできておる数字だと思うのでありますが、農林大臣はどういうふうにお考えなつておるのか。
  247. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の通り政府の原案は四月一日から米の統制撤廃までもいたすという前提で作つたのでございます。然るところ今回政府声明で明かにしたように、この点についてはいささか方法については今少しく十分に検討を加え、更に関係方面との了承を得なければならん段階になりましたので、今回の知事会議において私が明確にいたし通りに明年の十月末日までは配給を続けるし、供出もその前提に立つて割当をしておる、こういうことになつたのであります。従つて政府としては二十七年度産米と申しますか二十七年度分ににいては基本の方針を堅持する、こういう態度をとつておるのであります。従つて御指摘のように今回衆議院で修正になりました分については麦の統制の撤廃の部分と、それから明年度の統制撤廃ということは依然として前提になつておるわけであります。その意味において与党修正がなされたのでございます。そのほかに一般的に事務の簡素化、更には行政能率の向上というものを併せて考えておる次第でございます。
  248. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますと、結局現在の二割五分の削減というものは麦の統制撤廃が前提になつておる、こう我我了解してよいわけですね。
  249. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 麦の統制撤廃等、来年度については先ほど言つたようなものが前提になつて与党修正をしたと、こう考えております。
  250. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますと麦の統制撤廃の問題と明年度の米の問題でありますが、今もお話にありましたように明年の十月三十一日までは米の統制を続ける。これは逆の言葉で言うと、十一月から米の統制を撤廃するということであり、そうして又麦については一月から統制撤廃するということなんでありますが、この麦なり、米の統制撤廃をする根拠ですね、政府が勝手にできるのか、法律を必要とするのか、この点について伺います。
  251. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。この点は本会議並びに農林委員会においてしばしば問題になり、その都度御説明申したのでありますが、現行の食管法に基く政令に委託されておる部分についてなし得る部分もあると思います。  それから我々ほただ單に統制を解除することだけが目的ではなくして、それに伴いまして農民、生産者の価格支持政策もとらなければ、食糧政策として万全を期するわけに参りません。又一面におきましては現下の情勢からいたしますれば、日本の需給並びに価格の大きな動因を持つているのはやはり外国食糧だと思います。この外国食糧についてはしばしば申したことくやはり政府管理しなければ非常に安定を欠く。更には又消費者に対する保護とう建前からいたしますれば、やはり立法措置に基くところの需給調整ということが必要だと存じます。従いまして立法措置によるべきものとそれから行政措置だけでできるものとニつあるのでありまして、この点は全面的に検討の上、成案を得た場合に御審議を願いたい、かように考えておる次第でございます。
  252. 楠見義男

    ○楠見義男君 これからの需給調整法とか、いろいろ政府がお考えなつておる法律の問題は、これは改めて国会に御提案なつたときに我々は十分検討しなきやならん問題だと思うのでありますが、その前に先ほどの質問の米なり麦の統廃が現行法即ち現在の食糧管理法でできるかどぅかという問題なんです。この点については、先般の農林委員会その連合委員会で、農林委員のかたがもう少しつつ込んでお聞きになるかと思つておりましたが、不幸にしてそろいぅよぅな御質問がありませんでしたので、私はこの際明らかにしておきたいと思うのでありますが、それはその際に農林大臣は、只今お話なつたように、かねて本会議なり或いは他の委員会で御答弁になつておるように、法律でなければやれない分と、命令でやつて行ける部分があるので、その部分について目下検討中であるという只今もお述べになつたような御答弁を繰返されたのであります。私は命令で政府がやれるといち権限内のものについて、具体的にそれを実行しようか、せずにおこうかという考慮ならこれは話がわかるのでありますが、初めから明らかに法律でなければやれないというものを命令でやれるか法律でやるかということについて考慮するということは、これはちよつと考えられない問題だと思うのであります。そこで私は具体的に法律でなければできないという考えを持つておりますので、その点についでお伺いするのでありますが、先ほど来農林大臣が命令でやれるということを言つておられるのに、これが入るかどうか。農林大臣は農学士で、法学士ではありませんけれども、文章を見ればすぐにわかることでありますから、これについて御回答を頂きたいのであります。それは食糧管理法の第三條でありますが、先ほど農林大臣が言われたこともこれに該当すると思うのでありますが、第三條には「米穀、大麦、裸麦、小麦又ハ雑穀ノ生産者ハ命令ノ定ムル所ニ依り其ノ生産シタル米麦等ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府ニ売渡スベシ」。これはいわゆる供出に当つてその内容及び方法を明らかにしておるのだと思います。先ほど農林大臣が言われた命令はこのこと指しておるのだと思うのでありますが、ところが第四條であります。第四條ではここには命令という言葉はないのでありますが、「政府ハ其ノ買入レタル米麦等、甘藷又ハ馬鈴薯ヲ、」これは今やめておりますが「食糧配給公団又ハ政府指定スル者ニ売渡スモノトス」とありまして、今いろいろクーポン・システムとかその他のことが書いてあるのであります。そこで農林大臣の命令でできるかできないかという問題は、例えば第八條の三にもありますように、「農林大臣ハ主要食糧ヲ自已ノ生活上若ハ業務上消費スル者(以下消費者ト称ス)又ハ販売業者ニ対スル主要食糧ノ配給割当ヲ証明スル購入切符又ハ購入通帳(以下購入券ト称ス)ヲ発給ス」これはまあ具体的な配給の仕方でありますが、こぅいつた配給統制まで、三條の命令でできるとお考えなつているのか、私はこれは法律解釈上、当然できないと思うのでありますが、若しそれができるとすれば、命令でこの食糧管理法を全く無効にすることができるような暴論に仮になるわけでありますが、農林大臣はそれができるとお考えなつているのか、明らかにして頂きたいのであります。
  253. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) これは第三條についてもその他の條項についても、全部を政令でこれを殺してしまうということは、立法の精神からして適当でないと私も考えます。但し無理な解釈をすれば、それは政府が全責任を負つてやるとすれば、法理論として解釈は可能であるということも、これは法制意見局その他を聞いてみると、非常な無理な解釈としてはそういうこともあり得るといぅことも言われておるのでありますが、これは非常に検討の問題だと思います。但しこの雑穀とか小麦を外す、これの一部のものを政令で外すということは、これは合法的であり何ら従来の解釈からしても差支えないものと、かように考えております。
  254. 楠見義男

    ○楠見義男君 先ほどの無理な解釈というのは実は解釈でなくて法律を無視するということなんで、法律を無視するというと、これはまあ憲法違反でも何でもできるのですから、そういう無視するということと無理な解釈ということとは、これは私は別だと思います。そこで具体的に先ほども申上げたように、麦の統制撤廃なり、これは統制ということ自体について、政府はいろいろ言葉の意味自体についてこれも又そういう無理な解釈をせられておるようでありますけれども一体麦の統制とか米の統制とかとい、供出と同時に配給のことを私は申上げるのでありますが、そういうことが法律を無視せずして、今申上げたように法律を無視ぜずしてできると、農林大臣はお考えなつているのか。
  255. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 法律を無視せずに政令で一部緩和するということは可能であるかどうか、こういうことの御質問の内容と思いますが、これは政令において委任せられたる事項はおのずから明確にされておりまするのでその限度においては……全部について、政令において一つずつ殺してしまう、法律全部を殺すということはこれはとるべきじやないと思います。併しながらその條項における一部分、例えば具体的に言うならば、雑穀なら雑穀というものは第三條に規定されておるけれども、それについては政令によつて政府は食糧事情の全般を勘案して、それまでやらなくてもよろしいというふうになつた場合には、第三條の條項は、政令を以てその一部を解除することは至当であると考えております。
  256. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今のお言葉の中にあつた政令の中に委任されていることは明瞭であるという、その明瞭である事項を、この際お伺いいたします。
  257. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 例えば第三條について申すならば、第三條の條項は「米穀、大麦、裸麦、小麦又は雑穀」こう書いておりますが、政令でこの米穀、大麦、裸麦、小麦、雑穀全部を、政令によつて政府に売渡さなくてもよろしいということは、文理解釈としては今のように、政府が命令しなければ売らなくてもいいという解釈、これは御指摘のように非常に無理な解釈だと思いますが、併しこのうちの裸麦、小麦というものを特に指定してこれについては政府に売渡すべしという命令を下さなければこの点については解釈ができる、かような解釈をとつております。
  258. 楠見義男

    ○楠見義男君 今農林大臣の言われた第三條の政令は、私の今質問している、又内容が明確になつているという政令とは関係ないことなんですね。これは御承知のように食糧危機の場合に、これは明らかにここに書いてあるように「雑穀其ノ他政令ヲ以テ定ムル」とあつて雑穀から前のいろいろの食糧のほかに例えば食糧危機の際に海藻類だとか、いろいろここに列記してある以外のものについてこれは考えたものなんですね。これは今私が質問している問題とは関係のないことなんです。私の質問しているのは農林大臣も或いは意識して避けられたのかも知れませんが、三條のここが問題点なんですね。この点についてあなたは先程確定しているものについてはこれは三條も外せる、三條以下も外せる、一部分については。こういうようなお話があつたのですが、その碓定しておるものについてお伺いいたしたいのです。
  259. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 私申上げたのは三條の例えば「米穀、大麦、裸麦、小麦又は雑穀」と、こう出ておりますのは、今まで御承知のよう政令で雜穀、いも類を外しております。そのうち小麦、大麦というものを政令で外すことができるという解釈を私はとつております。併しながら政令でこの三條全部を殺してしまうような、即ち政令で全部供出を解除することができるというような解釈は、文理上は、政府が命令を以て定めなければ売渡すことができないから死んでしまうという文理解釈はありますけれども、政治解釈としてはそれは非常に問題だ、かように考えております。
  260. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は政治的解釈というのではなくて極めて文理的な問題を取扱つておるのですから。そこで米を来年の十一月一日から統制を外す、供出もやめ又配給もやめる。それから麦も来年の一月から配給もやめ、供出は今始んどありませんが配給をやめる、これがこの食糧管理法のどこの條文でそういうことができるかといぅことを、ではお伺いします。これは農林大臣、法律はあまり詳しくなければ御無理かと思いますが事務当局からでも結構です。
  261. 清井正

    説明員(清井正君) 只今お話でございますが、御質問の御趣旨が私ちよつと理解できなかつたのですが。
  262. 楠見義男

    ○楠見義男君 それでは私今一遍言いましよう。私は米だとか麦だとかいう統制撤廃は自由党の言つておるような、或いは政府考えておるよぅな供出割当をやめる、或いは配給統制をやめるといぅことは、食糧管理法の改正でなければ私はできないという解釈をとつているのです。これは私の解釈だけでなしに参議院の法制局長もそういう意見を持つておられる。ところが政府なり自由党は如何に法律がわからんからといつても、先ほどのように無理な解釈じやなくて、法律を無視しようとせられておる。ところがなにか事務当局がそぅいぅようなことを言つておられるために法律のわからない農林大臣は事務当局意見を取入れられて、先ほど来のああいう答弁をされておるのだろうと、(笑声)これは邪推です。そこで事務当局はどういうふうにお考えなつて農林大臣にどういうふうに教育しているのか、(笑声)それを伺いたい。
  263. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) これは申すまでもなく食糧管理法の骨子は、統制解除の規定と、流通制限の規定と、配給に関する規定と三つにわけられるだろうと思います。それで特に政令でやり得るかどうかという問題は、流通制限の点については議論が主になると思うのです。この点につきましては従来いも及び雑穀について政令を以てこの流通制限を解除する措置をとつて参りました。同樣の考え方をいたしますれば、麦についても法律的にはやり得るというふうに私どもも考えております。ただ流通制限を政令でやりました場合に、結局配給の点が崩れて参ります。食管法に基く配給制度を実行いたそうといたしましても、流通制限を撤廃いたすことによつて配給が崩れる、延いては勿論供出制度も崩れるということで、流通制限に関する点を外しますことによつて、供出並びに配給に関する制度が直接的ではないけれども結果的には当然崩壊することになるだろうと思う。法律解釈といたしましても麦の段階までは、そういう結果にはなつても政令で以て流通制限を解くことは可能であると考えるわけであります。ただそれが今度米の場合にそういう措置ができるかという問題になりますると、米を政令によつて流通制限を解いた場合に供出並びに配給制度が少し崩れる。これは結局食糧管理法が全面的に崩壊と申しますと変でありますが、運用ができない状況に陷れることになるわけでありますから、この点においては私どもは疑問に思つておるわけであります。食管法の内容が、供出と流通制限と配給のこの三つがありまして、内容的にはいも、雑穀、麦、米この四種類が大体でございまして、それが現在までは雑穀の段階まで流通制限を解いて供出並びに配給面からも外して来た。それを形式的に申すならば、麦の段階においても法律的にはやればやり得るであろう。米に至りまするとそれは非常に疑義があると私どもは事務的には考えております。
  264. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の流通制限、供出、それから配給の問題でありますが、いも、雑穀について流通制限をやめた、それは何條の規定に基いて根拠はどこでやつたか、それをもう一度お伺いいたします。
  265. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 政令の六條と規則の三十七條。
  266. 楠見義男

    ○楠見義男君 私の聞いたのは法律です。
  267. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 九條です。法律ほ九條から来ております。「政府ハ主要食糧ノ公正且適正ナル配給ヲ確保シ其ノ他本法ノ目的ヲ遂行スル為特ニ必要アリト認ムルトキハ政令ノ定ムル所ニ依り主要食糧ノ配給、加工、製造、讓渡其ノ他ノ処分、使用、消費、保管及移動ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得政府ハ前項ノ規定ニ依リ命令ヲ定メタルトキハ其ノ理由ヲ公表スルコトヲ要ス」九條からやつております。
  268. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の九條は、主要食糧の配給、加工、製造、譲渡そり他の処分について制限をすることなんですね、外すとか、自由にしてもいいとか何とかいうことを規定しておるのじやないのですこの九條は。
  269. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) だからその必要がなくなれば政令で以てこの制限をしないということです。今までは必要があつたから制阯をしておつた。ところがそうじやなくて制限をする必要がないと考えて制限をしないということに政令でするということです。
  270. 楠見義男

    ○楠見義男君 私の聞いているのはいもの統制撤廃をやつたのは、この流通制限ということよりも、根本の二條とか三條とか四條とか法律の根拠があるのだろうと思つてつているのですよ。今の長官のお話は流通制限について九條の規定があり、その流通制限の必要がなくなつたから外したと言われるのは、流通制限の問題じやなくて、統制全般を外したとしても流通側限を仮りに外しても、供出だとか、或いは配給だとかいうものの統制は残るわけですね。
  271. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 九條で流通制限を外しまして、只今お話を発展的に推測いたしますれば、流通制限は外してもいもについて供出割当をし或いは配給を続けるという措置をとるべきじやないかと、まあこういう御議論もあるのじやないかと思います。これはまあ想像でありますけれども、私どもはそのはほ買入制度はこれは政府一つの権能的な規定であるというふうに考えておりまするので、流通制限を解いてこれを自由にしてもいいような状態のものについては三條ですか、食管法の買入に関する規則を適用して、そうして強制割当をして強権発動を以て望むべきような買入の対象とすることは妥当じやないという考え方の下に買入をしない、従つてこれを若し買う必要があるといたしまするならば、食管法に基く買入じやなく、新らしい立法措置によつてそれに相応したような買入制度というものを別途作つて行くべきであろうという考え方を持つておるわけであります。で買入れをいたしません結果おのずから配給という点もなくなつて行くということになるのでございます。
  272. 楠見義男

    ○楠見義男君 いもの問題につりいては只今長官は例えば三條、四條のようなものは政府の権限規定だと、こういうようなお話があつたのですが、私は政府管理をするということは、一方において権限だと考えると同時に、一方においてはかくかくの手続によつて消費者に的確にいもを渡すといぅ配給経過に関する一つの義務規定だと思つておるのです。と同時にいもの問題についてはこの法律の三條、四條以下から見ると、実は先ほど申上げたよぅに政府法律を実は無視していると私は考えているのです。一般もこれについては余りやかましく言わないのでありますが、そういうふうに私自身は、少くともこの食糧管理法を改正せずにやつていることについてはそういう意見を持つておるのです。これはまあ併し自分の意見でありますからその点はこの際固執はいたしませんが、まあそこで先ほど食糧長官のお話で行けば、特に米についてのお話がありましたが、米、麦については現在外すということについての食糧管理法が全体が駄目になるのじやないかというような御意見があつたのでありますが、その外す場合にどういう食糧管理法の規定の順序で外して行くのか、この現行法の規定に即した御説明をして頂きたいと思います。
  273. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 麦の問題を外す、外すという議論がありますが、外すという意味は結局いも、雑殼についてとりましたと同じようなことをやればやるということだと思います。要するに九條に基く流通制限を解く、外すということからいろいろ誤解が生ずるのでありますが、流通制限を解くという意味になるのであります。流通制限を解いた場合に然らば買入或いは配給をするかという問題が出て来るわけです。それは買入をするにも流通制限を解くようなものについて罰則が伴うような買入制度というものは実はおかしい。従つて流通制限を解いたものについてはそれに相応するような別途の買入竝びに売渡の万策を立てるべきであろうと思うのであります。そういう点については、従つて食管法による買入、売渡の規定にあらずして別途の新しい構想に基く買入、売渡いはゆる食糧需給調整の意味を以つてする売渡、買入の新らしい立法を私どもは必要とするのではないかというふうに思う。そういうことを考えているのであります。
  274. 三好始

    三好始君 議事進行について。只今論議せられている問題はどちらかといえば純法律技術的な問題でもありますので、この際参議院法制局長の御出席を求めて、一応その意見も聽くような手続をとつて頂きたいと思います。  なお先ほど来楠見委員から御意見が出ておりますが私も同感であります。今までいも類なり、或いは雑穀の統制撤廃を食糧管理法の改正によらずして、食糧管理法第九條に基く政令の手続を以て撤廃したことは違法だという解釈をもつています。若し雑穀の統制撤廃等が合法的だということなりますると、麦の場合も同じようなことが言えるかもわかりませんが、私は雑穀の場合にも法律解釈上非常に疑義があると思つております。幸か不幸か雑穀の統制を外したときには私も楠見委員もアメリカ滞在中で留守の間にやつたのであります。この問題には非常に疑問を持つております。定員法の前提に先ほど大臣から説明がありましたように、一月から麦の統制撤廃を行うことを前提にして法律案が出されております。その一月から統制撤廃をする方法を政府考え方では政令を以て今まで雑穀の統制を外したのと同じような手続でやろうとしている。その手続そのものが法律的に問題になつておるわけでありますから私は法制局長の出席を求めて意見を承わりたいと思うのであります。
  275. 栗栖赳夫

    ○栗栖赳夫君 私は今の解釈は多少私も法律的には心得があるが大きな問題なんです。一つ法制局長だけでなしに、それもおいでつて結構ですが、法務府の総裁に解明して何して頂かぬと後で又いろいろもつれるといかんから。これは非情な解針上大きな問題だと思う。
  276. 楠見義男

    ○楠見義男君 それでは今の問題は、三好さんからも、栗栖さんからもそういうようなお話がありましたから、法務総裁か法制意見局長官か、或いは参議院の法制局長がお見えになつて改めて質問いたすことにいたします。ただ私は食糧庁長官に申上げておきたいことは、九條の場合は例えば移動について「移動ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得」とこうあつて移動の制限に関する命令を出すのであつて、この命令をやめることは移動が自由だと、勝手にどこにでもここからここに出せとか、自由にやれという積極的な意味はちつとも含まれていないので、飽くまでこの命令は消極的な制限であり、そして又その態度は積極的な自由奔放を期待しているものでないということを申上げておきますが、それは。
  277. 安孫子藤吉

    政府委員安孫子藤吉君) 申上げるまでもないと思いますが、その点はいろいろ考え方も違うと思いますが、必要がある場合には制限ができるという規定になつておるのですね。必要があるかないかということですが、従来は必要があつたからそれは制限をしておつた。ところが必要がないという見方になればそれは解いてもいいということでこの法律違反にはならないのではないか。ただ必要があるかないかという点についての認定の仕方が適当かどうかという問題はそれは残ると思います。併し法律論としては必要がある場合には制限ができるという規則があつて、必要がないと認めた場合にはその制限を解くということ違法的な措置じやないという考え方を持つておるわけであります。尤も又麦については蛇足になりますけれども、国民食糧確保上相当重要性のある問題であるから、これはやはり立法措置のほうが妥当であるという政府の見解でこの前の国会にも御審議を願つたのでありますが、不幸それが不成立に終つた経過もあるわけであります。
  278. 栗栖赳夫

    ○栗栖赳夫君 今の点は立法論が少し入つておると思います。解釈論としては統制をするというなら必ず統制を外す規定が本当をいえばあるべきはずなんです。制限はこれは本当の手続規定であつて、そこまでの規定を以てこれが解釈できるかということは、私はやはりしつかりした有権的なことを聞かんと、定員法と関係しますから成るべく早く一つそういう意見をまとてめ頂いて話を聞くといいと思います。
  279. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君に申します。委員長只今それぞれの専門家をここに呼ぶことに手続をいたしております、
  280. 楠見義男

    ○楠見義男君 重ねて申上げますが、食糧長官の流通制限の問題は、ここにある個々の保管とか、消費とか、使用だとか、移動だとか個々の問題について制限命令であつて、本体の統制自体を左右する命令は含まれないと、こういうふうに私は思いますが、一応意見だけ申上げておきます。そこで主要食糧については先ほどから命令で行けるとか、行けないとかいう問題があるのですが、国営競馬の民営移管については、これは全く私は政令でやるなり命令でやるような余地はなくて、これは立法措置でなければできないと思うのですが、その点は農林大臣如何ですか。
  281. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 競馬民営の問題については、これはお説の通り私も考えております。
  282. 楠見義男

    ○楠見義男君 そこで先般も主要食糧の問題について、国会の審議権の尊重ということが決議されたことは御承知通りなんです。と同時に競馬については、過去四年間の参議院の競馬に関する考え方では、これを極めて愼重に取扱わなければならんということでやつて参つた態度についても、農林大臣はよく御承知と思うのです。極端な考え方からすれば、国営競馬を民営に移すくらいならばむしろ競馬はやめたほうがいい、こういうような意見を持つかたもむしろこれは有力なような状態なんです。事ほどさように競馬の民営問題については参議院としては従来もそうであつたし、今後も愼重にやつて行かなければならん。ときたまときたま主要食糧の問題に関連して国会尊重に関する決議案が出たと同時に、定員法に関しては実体法の確定を待たずして定員法施行することについてはこれは問題である、こういうことをかねて申上げておることは、御承知通りなんであります。そこでそういうことを万々御承知の上で、こういうような実体法に先行して定員法をお出しになつた、農林大臣の御心境を伺いたい。
  283. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) これは先般もお話いたしたし、又橋本君からも答弁した通り、最も理想的な場合においては予算定員、更に実体法、三者並べて行くべきでありますけれども、政府の方針の前提として予算並びに定員法がきまつて来るので、政府の方針がそういう状況にありまするので、それに従つて定員法もさように処理した、こういうわけであります。
  284. 楠見義男

    ○楠見義男君 私はその問題については予算の関係、或いは法律が少くとも先行とまで行かなくても、少くともこの人員整理の問題と同一国会に提案せらるべきものだと考えております。でなければこの定員法の審議のみが先行するということになれば、国営競馬を民営に移すことの可否について、これは農林委員のかたがたも極めて重大な関心を特つておられるでありましようし、我々もそれについては愼重に、先ほど申上げたような従来の審議の態度からいつてもこれだけでも私は一週間や十日はかかると思います。それをここでこの際やつておるということになれば、定員法自体がこの会期中に、延長された会期中にも私は結了しないのじやないかということを恐れるものであります。そこでこれは農林大臣の気特だけを伺つておきたいのですが、私どもは、というか、私は少くとも実体法の確定に先立つて定員法の問題をここで軽々にやるということになれば、定員法という問題で競馬のそういつた重要な問題を解決するようなことになるので、これは我々としては嚴に愼まなければならん問題であると思いますので、この関係のものは実は棚上げをして行きたいと思うのですが、それについて農林大臣はどういうふうにお考えなつておるか。
  285. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) それは国会における審議権については、我々は尊重いたします。
  286. 楠見義男

    ○楠見義男君 了承いたしました。あとは細かいことでありますからほかの人がやられてからやります。
  287. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私も農林省関係に勤めておる人が非常に不安であるから、そういうことのないように落着いてやれというような根本農林大臣のお話を新聞を通して知つたわけですが、実は不安を起したのは農林省関係の人たちでなく私はもつとたくさんあると思います。いわゆる米麦の統制がはずれるということで不安を持つた人が非常に多いと思う。そこで農林省関係の人に対して主管大臣として落着いてやつてくれということで一遍で終るかも知れないけれども、多くの人に与えたところの不安に対して、あなたはどういうような責任を感じてお見えになるのかどうか、その点を一つお伺いしたいと思います。
  288. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 米の統制撤廃に関する政府の方針が時期的に実現の時期がずれた、そのために動揺を与えたことについては私もその責任を感じ、心痛めておるのであります。これに対しましてはすでにとつた措置としましては、未だその実現の時期に至らないためにいつやめられるかわからない。生産者も消費者も非常に不安の状況にあるといぅので、私から政府を代表いたしまして、配給は来年の十月末まではこれは継続いたしますということで、一応安定感を得て頂くと共に、更に諸般の凖備を完了いたしまして、而してのち統制撤廃の具体的措置をきめましてこの点を天下に公表し、なお国会の審議をお願いいたしまして、事後における食糧不安をなからしめるということが最大の責任をとる意味であると考えておる次第であります。
  289. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 不安を与えたという点が時期的に云々とおつしやつたのですが、私が言ち不安はそうではなく、池田大蔵大臣が言うように、貧乏人は麦を食えという、いよいよ麦を食わなくちやならないというそういう不安を与えた。周東安本長官が言つたようにパンにいわしの味噌を何やら、そういうものを食わなくちやならんという不安を与えた、そういう点を私は指摘したいのです。あなたの不安とは非常に違うと思います。そういう点についてあなたは何にも不安を与えていないのだ、こういうふうに考えてお見えになるのか、その点を一つお尋ねしたいと思います。
  290. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) これは感じ方がいろいろ違うと思います。周東安本長官が味噌に何かといつたことは私まだ本人から聞いておりませんけれども、問題は私は従来御承知のように食糧は自由でありましたけれども、戰時中から絶対量の確保が非常に困難になつ参つた。そこで最低生活を維持するために必要なるやむを得ざるところの措置として全面的な供出並びに配給制度となつたことを思うのであります。食糧事情が漸次緩和されて参りますれば、やがて自然の流通過程に任すと、これも又一つ考え方だと考えておるのであります。我々は現在の食糧統制は一面において国民生活の安定を図るということは確かにありますけれども、他面において相当実は他の産業についても窮屈な思いをさせておる、漸次その点は正常なる経済交流によつてその経済の安定を図りたい。かように考えておるわけでありまするので、統制を続けなければすべてが不安になるというような考えは持つていない次第であります。
  291. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 まあ感じ方の問題だということで云々されたわけですが、私はやはり農林大臣の考えられておるのは非常に違つた感じだと思います。ここでいろいろ追及しても場所が違うと思いますけれども、少くとも政務次官は私は辞表を出されたやに聞いております。ということはやはりその時期の問題ではなくて、本当に米の食えない人が多く出る、そういう社会不安を防ぐからだろうと、私はこういうふうに想像しておるのです。それに対して責任の問題ですが、ただ今度早くそういう凖備体制を整えて、やりさえすればいいんだ、それで責任を全うしたというようなことは、私は責任のとり方ではないと思う。少くとも心臓にこけらの生えたような人があると思うのですが、根本農林大臣は非常に純情無垢だから責任を追及しないでいいんだ、それだから責任を追及することはしなくてもいいんだというふうには考えておりません。又あなたが純情無垢であると世に言われるから、私はあなたは非常に責任を感じておられるだろうと思うのです。それに対してどうされるのか、この責任を明らかにされるという点についてあなたの意見を聞くというのも如何かと思いますので、私は意見だけ言つてやめておきます。
  292. 楠見義男

    ○楠見義男君 私資料を要求するのですが、食糧庁の二割五分を整理されたその基礎数字ですね、どういうふうにして二割五分が出て来たか、具体的に整理される人間が出て来た基礎を、これは今でなくてもようございますから、明日にでも一つ出して頂きたいと思います。
  293. 三好始

    三好始君 只今成瀬委員から主食の統制撤廃をめぐる政府計画が実現しなかつたことに対する責任の問題が出されたのでありますが、私は曾つて自由党が政権樹立についての、憲政常道論を唱えたことを記憶しております。主食の統制撤廃をめぐる主問題は、国民生活に与える各方面の影響において極めて大きい問題であるはずであります。私はこうした問題が政府の志と違つて不首尾に終り、そのために各方面に大きな混乱を与えた事実は、吉田内閣退陣に値いする大問題だと考えておるのであります。こういう点についてのいわゆるルールでも確定し、憲政の常道論を唱えた自由党の進退をみずから明らかにしなければいけない。こういうふうに感じておるのです。農林大臣にこうした問題の解答を求めることは当らないかもわかりませんが、当面の責任者としての農林大臣の所見を伺いたいのであります。
  294. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 政党政治におきましては一番基本の問題は、公約したところの事項を実際の立法上、行政上の措置として実現するということだろうと思います。併しこれはいずれの政党におきましても、公約した事項を短時日のうちに一年なら一年を期してやらなければならんということでもないと思います。これは順を追うてやることが私は認められるべきだと思います。現内閣も又任期が我々相当長く続いておると思いますので、その期間において我々の公約実行を果したいと考ええております。
  295. 三好始

    三好始君 私は自由党が衆議院における絶対多数の力を頼んで政治的な良心が麻痺しておるのではないかということを疑わざるを得ないのであります。このことについて押し問答をしても始まりませんので、農林大臣に対してはこれ以上追及することはいたしませんが、農林省に関する細い問題はあとに廻しまして、一点だけこの際農林大臣から所見を伺つておきたい問題があるのであります。それは今回提案されておる定員法改正案、それは主食の統制撤廃を前提にした政府原案になつておるのでありますが、主食の統制を撤廃することによつて、食糧管理特別会計の人員が一万六千人ばかり整理される原案になつておつたわけであります。ところで統制撤廃によつて食糧庁の人員が減つたり或いはなくなる場合、少くとも特別会計に属する人員がなくなる場合、それは完全なる中間経費の節約ではないと思うのであります。食糧庁の人件費は統制撤廃後においては別な形の中間経費として再現して行くものだ、こういうふうに考えるのでありますが、先ずこの点についてのお答えを願いたいと思います。
  296. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 中間経費の問題につきましては、御指摘の通り、これは現在独立採算制の形をとつておりますので、全部が消費者その他に入つて行くわけでありますが、統制がなくなつた場合において然らば中間経費はどうなるかということでありますが、これは我々は需給調整法を考えたのでありますが、その場合における放出の価格に入るという合もあります。或る場合においては欠損となつてその点が消費者に転嫁しない場合もあると思います。従いまして、中間経費という概念でこれを取扱うべきかどうかは相当疑問があると存ずる次第であります。
  297. 三好始

    三好始君 今回の定員法改正によりまして、二十七年度百五十七億七千万円余り、平年度二百七億五千万円余りの経費の節約になるという説明がなされておるわけであります。私はこの中に食糧管理特別会計の人員整理から来る給与の節約額が加算されておると思うのでありますが、これは国民経済的な意味から考えての経費節約ではない、食糧管理特別会計の人員整理による給与費の節約は、国民経済的な立場から言えば、他の一般官庁の人員整理と同列にあるものではなくして、いわゆる経費の節約として加算するのは不当であると思うのでありますが、これについての農林大臣の意見を伺いたいと思ぅのであります。
  298. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の行政整理に基くところの国家財政負担は軽減されるけれども、併しながら一面におきましては、それが国民の実際の生活に及ぼすところの影響を考えるならば、これは決して妥当ではないというお考え方のようでありますが、これにもいろいろの考え方があると存じます。現在いろいろ論ぜられるごとくに、統制を続けておる過程において、実は農民の声としては、どうしてもパリテイ計算でやつて行く場合においては、自分たちの折角努力して生産されたものが、他の商品については国際価格にどんどん鞘寄せされ、或い又それ以上になつておる。然るにかかわらず統制の過程におきましては、どうしても国際価格以下になつておる現状においては非常に損である、こういうような意見もあるのであります。従いまして統制解除に基くところの国民生活に及ぼすところの影響は、この消費者と生産者との間においておのずからその差が出て来るのではないかと存ずるのであります。従いまして一面においては生産者に対しては得になるけれども、消費者については不利になつて来ると、こういう観点も出て来ると存じまするから、総合的に見まして、やはり管理の減少に伴うところの国家財政の負担が軽減するということは、同時にそれが国民の納税の形においては軽減される、こういうことが言われるだろうと存じます。
  299. 三好始

    三好始君 私は問題をはつきりさせるために形式的な、納税の節約、納脱の減少になるというような形で農林大臣がお答えになることをあらかじめ避けるために、殊更国民経済的な立場においてという言葉を使つてお尋ねしたのでありますが、これに対して的確なお答えがないのでありますから別な角度からこの問題を明らかにして行きたいと思います。  農林大臣は戰前の自由経済時代の米の生産者価格、消費者価格の間の中間経費と、現行の統制下における中間経費とどちらが多くかかつておるとお考えなつておりますか、その点を伺つておきたいと思います。
  300. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) この点は一律に申上げること、困難かと存じます。戰前における自由経済におきましては、儲けるつもりで実は損した、実は中間経費が間に合わなかつたということがあつたと存じます。現在は完全に統制いたしておるために、中間経費というものがはつきりと具体的に出て来るのであります。で見方によりましてほ、現在の中間経費は実はいわゆるマージンとして取られるものだけが中間経費と考える場合には、これは前よりは少くなると存じます。それから今のそのバツク・ペイとか或いは又その他の報奨金というものを、これが中間経費といぅふうに見る場合においては相当高くなつて来る、かように感じまするが、恐らく今、三好さんの指摘したのは、いわゆるこの中間経費といわれるうちのマージンだけをとつて見るならば、以前において卸売、小売業者、これらの手数料、まあ儲けというものを具体的に推算してみるならば、規在における卸売業者、並びに配給指定店に対して与えているマージンのほうが少くなつて来ることは事実であると思います。
  301. 三好始

    三好始君 マージンの点において、現在の統制下のほうが戰前の自由経済のマージンに比べて少いということをお述べになつたのでありますが、そういたしますと、先ほどの問題に帰りまして、形の上の極めて形式的な租税という角度からでなくて、実質的に国民経済的な観点から言いまして、食糧管理特別会計の人員整理されることほ、その給与額が完全に節約されるものというふうに考えるわけには行かないと、こういうことにならざるを得ないと思うのでありますが、この点念のために承わつておきたいのであります。
  302. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 今の御質問ちよつと離れたところからお答えするようになるかもわかりませんが、この統制撤廃に基くところの国民生活に及ぼす影響ということが一番重点としての御質問のように考えます。この統制撤廃によつて国民生活に著しく生活苦を増嵩させてそれがインフレの原因になるという場合においてはそれに対する施策をとらざるを得ないと存じます。そこで若干上昇いたしましても、国民生活に及ぼす影響はさほど大したことはない。そうして又一面におきましては生産者の生産意欲を増強せしめ、且つ又、限界生産値の限界がだんだん高くなつて行くために増産ができる。そうして又、一面におきまして消費者にはさしたる影響を及ぼさないという見当の下に、我々は現行の食管法に代る需給調整法に基く国民生活の発展と安定を期す、こういうことにいたしておる次第でございます。
  303. 三好始

    三好始君 どうも問題の核心を雑れたお答えをいたすようでありますが、現行の統冊下のマージンが戰前の場合よりも低いということを先ほどお認めになつたわけでありますが、そういたしますと統制をはずして食糧管理特別会計の人員が減らされても、それは国民経済的な立場から言えば、経費の節約といぅわけではない、これは理諭の当然の帰結だと思うのであります。これを確認して頂けるかどうか、こういうことを私お尋ねしておるのであります。そのことに対してのはつきりしたお答えだけを頂ければいいのであります。
  304. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) マージンの問題については先ほど言つた通りでありますので、従いまして、マージンだけを基礎にして考えるならば、若干の財政上の負担ほ軽減されるけれども、自由になつた場合におけるマージンの増嵩により国民生活はそれだけ現行よりは負担が重くなるということは当然だろうと存じます。
  305. 三好始

    三好始君 そういたしますと、どういう結果になるかと申しますと、政府は今度の行政整理一つの根拠としてこの整理案が実現いたしましたならば平年度二百億余りの経費の節約になる、こういうことを宣伝せられておるのであります。これはしばしば本会議でも委員会でも具体的な数字として示されたところであります。ところが先ほど来の質疑応答によつて明らかにせられたような事情が前提になつて計算をしなおしますというと、どういう結果になるかと言えば、人数で按分して申しますというと、経費節約額は二十七年度において政府が発表せられておる額よりは二十億八千万円、平年度において二十七億四千万円不当に加算した額を発表しております。これだけ水増ししておるということなのであります。私は橋本行政管理庁長官に総諭的な質疑をいたしました際に、数字は飽くまでも科学的であり正確でなければいけない、こういう言い出しでこの問題を質したのでありますが、橋本長官と私とは意見が対立したままになつてこの問題は保留されておつた問題なのであります。二百億節約と言われますけれどもその内容を分祈してみますというと、只今の問題のような実質上の水増しの額を発表されておる、二百億と百七十億、五十歩百歩ということになるかも知れませんが、私は政府が今回の行政整理についていろいろ宣伝せられておる数字にこういうミスがあるということだけをここに指摘しておくもりであります。
  306. 楠見義男

    ○楠見義男君 農林省の各部局に亘る内容についての質問を申上げる前に、総括的なことで、なおニ、三の問題を農林大臣に伺つておきたいのでありますが、これは農林大臣は試験研究調査というようなことについてどういうふうにお考えなつておるか、この点であります。これは私から申上げるまでもなく、農林大臣もよく御承知であり、その故に先ほども申上げましたが、農林総計のような科学的基礎を農林行政に注入しなければならん問題については、特に力を入れるというようなことをかねて仰せられておつたのであります。特に農林行政のように原始産業を対象にし、而もこの原始産業における試験研究部門或いは調査部門が非常に遅れておる。こういう状態の下において今回統計調査事務所は勿諭でありますが、各種の農林関係の試験研究機関も同樣に整理なつておるのであります。この点は先般の農林委員会との連合委員会でも、たしか片柳君でありましたか御発言があつたのでありますが、農林関係の試験研究機関は、一昨年でありましたか、司令部の極めて強い指示によつて、すでに統合が実現をしておることは御承知通りなのでございます。この委員会でも今回の定員整理をする場合は、常に機構改革が先行せられるべきではないか、その先行せられた機構改革に伴つて所要の人員を整えるということが常道ではないかということを各委員からもお話があつたことも御承知通りであります。そこで農林関係のそういつた試験研究機関については、今申上げたように司令部の強き指示に従つて大々的の機構改革が行われた。そり大々的の機構改革が行われた結果、その当時すでに一割に近い或いはそれ以上の整理が行われておるのであります。だからそういう意味から見ると、試験研究所、これはまあ農業関係、林業関係、畜産関係は勿諭でありまするし、更に甚だしい大きな機構改革は畜産関係で、従来の馬に重点を置かれておつた機構をすつかり改めて、これ又極めてラジカルな整理が行われた。そしてその場合もやはり一割以上の整理が行われておる。若し今回の定員整理に先行せずしてこの機会に若し整理をされておつたとすれば、恐らく先に行われた一割の整理ではなくて、一般の他の官庁の整理と同じように大体から見れば五%とかそういうようなところで整理されたと思います。それがたまたま先行して、而もそれに集中して行われたために、今申上げたように一割以上の整理が行われている。而もそのあとで今回更にもう一度前と同じような整理をやるということは、これは私は特に一般行政事務よりも農林行政については特に力を入れなけれぱならんこの試験研究調査部門において、苛酷ではないか、苛酷というよりむしろ農林大臣のこの農林行政上最も重要な試験研究調査部門を軽視しているというふうに断ぜざるを得ないのでありますが、農林大臣のこの点についての御所見を伺いたい。
  307. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように農林が原始産業である、従いまして非常にこれは工業試験と違いまして、場所的な、気候的な條件によつておのおのその研究対象を異にしなければならんということは御指摘の通りであります。その意味におきまして戰前におきましてほ地方立、或いは又国立というものが各種総合し又たくさん重複しておつたのであります。この点を日本の国家財政経済上の状況から勘案しまして、更にそれには御指摘のように特に畜産その他については軍事的な色彩を持つてつたということで、総司令部の勧告となつて一応の整理を見たわけであります。今回におきましては、御承知のように他の産業、他の機構よりは一番多くの試験研究機関を持つているのは農林省でございます。その点につきましては政府といたしましても、農林省としても試験研究機関に配点を置いているということを認め、頂けると思います。我々といたしましてはこうしたところの技術者というものはなかなか得られないのるあります。特に又以前のような大学とかそういう研究機関が弱体になつているので、できるだけ大事にしたいのでありますが、併し国家全体の財政上の観点をも考え併せまして今回の整理案は止むを得ないものとして我々も了承している次第であります。国家財政の復活と共にこれらのものは優先的にこれは充実して参りたいという考えを持つております。
  308. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の農林大臣の御答弁を伺うと、農林省関係の試験研究機関は特に優遇されたようなふうに受取られたのでありますがそれは全く違うのです。ほかの各省の試験研究機関も大体管理部門が一〇%、それからその他の部門が五%という比率であります。この天引的な整理がいいか惡いかは別でありますが、ほかの部門の試験機関は今申上げたような数字なんです。農林省の今回の試験研究機関も同様なんであります。そこで私は先ほど申上げたように、これ以上の整理……徹底的な機構改革が行われたときにすでに行われておるじやないか。だから農林省のこの問題だけほ理想通りに機構改革が先行し、それに即応した人員配置がすでに行われておるではないか。にもかかわらず今回お付き合い式にこういうような整理をすることについては、農林大臣の今お話なつたように、最も大事なといわれておる科学行政その他の部門が軽視されておる。農林大臣のこの点に対する努力が足りなかつたとか足りたとかいうことは別にして、農林大臣のこの問題に対する関心が、我々から見れば非常に遺憾ながら、浅いのではないかということを懸念して今御質問したわけなんです。
  309. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 私が只今申上げたことは、農業の特殊性に基きまして他の産業におけるところの試験研究機関よりは多く国家が今まで認めておる、それでたくさんあるということを申したのであります。我々としましては財政の許す限りこうしたところの究研機関は擴充強化いたしたいと存じておるのでありますけれども、講和後における又現在の日本の経済の状況から見まして国家経営をできるだけ減らすという大前提に立つならば、やはりこれは各省と同様に、いずれの省でもこれは必要でありますけれども、やはり一定の整理をして国家財政の健全化を図るということ止むなしと思いましてこれに我々も賛意を表したのであります。
  310. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは意見の相違になりますが、農林省の試験研究機関は決して無駄な機関があるわけではなし、又その事柄の性質上多過ぎるものはちつともない。むしろ最小限度だと私は考えておるのであります。今申上げたよぅに従来いろいろの機関を整理統合して機構改革をやつたわけなんであります。従つて今の農林大臣の御答弁はどぅも実態を御承知の上での御答弁でないように思いますから、これは意見の相違でありますからこの程度にいたしますが、今回の行政整理各省庁の立場から見れば大臣が抵抗力が強かつたとか弱かつたとか、或いは要領がよかつたとか惡かつたとかいうようなことをいろいろ非難されておる。私は農林大臣が純情であるけれども要領が惡かつたとかそういうことを言うのではありませんが、とにかく今の試験研究機関で表われたように、本来もう少し頑張つてもらいたかつた点が、実はこれは農林大臣の主観というか、我々から見れば遺憾な点でありますが、農林大臣のお考えでそういうふうになつたのかもわかりませんが、とにかく遺憾な点が随分多い。その一つの証拠は、先般も連合委員会の際に農淋大臣は、山林関係の司法警察は一般警察が整理をされたのだから、山林における司法警察の職務行う職員の五%の整理も一般警察にならつてつたのだ、こういうふうに御答弁があつたのです。ところが実際はそうじやない。一般警察のほうほ整理は全然ありません。整理をしたというのは、将来増員をするであろうと予想しておつたその増員数をあらかじめ頭に描いてそして整理をしたと言つておる。むしろ実際は殖えているのです。にもかかわらず農林大臣は、森林司法警察事務を取扱う職員については一般警察が整理をされたから併せて整理を受けたのだと、こういうふうに御答弁があつたのですが、今もやはり同じような御答弁をせられるかどうか、これを伺います。
  311. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように一般警察につきましてはすでに閣議においても更には予算的にも、これは増員を持つてつたのであります。従いまして実質上のこれは定員なつておるのでございます。それについて今回の行政整理に当つては、先の増員計画があるにもかかわらず減員をするという、こういうことでありますので、同一の基準に立つて我々は認めたのでございます。  なお森林警察につきましては警察事務のほかに実は管理事務相当やらしておりまして、これについては見解の相違になるかも知れませんが、現在盗伐とか或いは又山小事というものからすれば、これは又大いに増強しなければならん点も確かにございます。併しながらこの点については現在盗伐その他のことは以前よりは非常に少くなつて来たということは確かに挙げられると思うのでありまして、先ほど御指摘もありましたけれども一般警察につきましては増員をも現在の定員と認めてこれを政府整理する、こういうふうに我々は解釈するのでございます。
  312. 楠見義男

    ○楠見義男君 今もお話がありましたように、森林司法警察の職務を行う人間は同時に他の管理事務も行なつておるとすれば、これはむしろ削減の余地がないどころか増員をしなければならないという場合にかかわらず整理をされておることについて私は文句を申上げておるわけですが、同じようなことが公共事業についてもやはりあるのです。農林省の公共事業が、これは又自由党も常に新らしい政策を考える場合には、常に国内の食糧自給態勢の確立、そうして土地改良、こういうことを何とかの一つ覚えのごとく常に考えられておる。而も年々歳々の災害の増嵩の傾向から見れば、公共事業というものは殖えこそすれ減るということは殆んど予想されない。而も公共事業の中心である直轄国営事業は、例えば一人当りの事業分量を見ましても、建設省の百九十一万円に対して農林省は三百五十万とか或いは三百七十万とか、こういうふうに五割乃至八割も一人当りの事業分量が多いにもかかわらず、今申上げたように将来は事業分量増加することがあつても減ることはないというのに、これも一般並みに切られておるということも今のような警察と同じような関係があると思うのでありますが、その点についての御所見を伺いたいのです。
  313. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 農林関係の公共事業費が依然多くなつておるということは事実であります。直轄工事は実は建設省関係から見ればその数も量も少いのでありまして、大部分の農業関係の公共事業費は地方に実は委託といいますか、地方費によつて政府補助金をやつているのが相当あるのでございます。事業分量が一人当り相当高いということも事実でありまするが、これらは請負制度の改善、或いは直轄工事につきましては機械化に基くところの事務の簡素化、こういう点をも考えて最小限度においてその目的を達成したいと、かように考えておる次第であります。
  314. 楠見義男

    ○楠見義男君 事業相当部分が府県営で行われておることは、これはどなたもよく承知しておるのです。私の申上げたのは今農林大臣もお認めになつたように、一人当りの事業分量がどれだけかと、特に建設部門における事業分量と、それから農林省における直轄事業の分量との比較を申上げた、この点は今請負等に廻すようにするとかいうようなお話がありましたが、これはまあ意見になりますから簡單にいたしますが、いろいろ従来もそういう問題は常にあつたんです。併し工事のむずかしい又大規模なものほどうしても国が直轄事業でなければやつて行けないということからいたしまして、干拓事業であるとか或いは大規顕な開墾事業であるとか、こういうものができておるし、又今後もやつて行かなければならんのでありますから、この点は認識を改めて頂きたいと思うのであります。  それからもう一つ、この問題は私どもは全般的の問題として、今日の行政整理が行われるに当つて、経費の節約がされる点は大いに歓迎すべきである。併し事務能率が上がらないのに仕事自体は残つておる。人員が減る場合には困るのは国民である、こういう観点から、整理をしたあとで事務能率がどういうふうに上るか、こういうことをまあ具体的に伺つてつておるのであります。例えば、これは一般問題として行政管理庁長官にも私は質問をしたのでありますが、統計調査事務所については、人事院総裁から勧告で自転車すら整つておらない。或いはプラニメーターすら整つていないというようなことを盛んに示された勧告を受けている。ところがそういうものについての予算的な措置はこの補正予算においても何ら講じておらない。こういうようなことからいたしまして、一方的に政府行政整理をするのは結構でありますが、その結果国民に迷惑を及ぼすようなことがないように我々としては気をつけなければならない。その具体的の事例として生糸検査所がある、これは農林大臣、生糸検査所を御覧になつたかどうかわかりませんが、具体的に言つて生糸の最盛期における、又検査員が現在の三倍近くもおつた当時の、そのときの一人あたりの年間の検査数量というものは三百俵そこそこなのである。ところが現在は人員も減り而も一人あたりの検査数量というものは三百二十俵近くなつております。そのために随分苛酷な労働が強いられているわけでございますが、若しここで原案のように整理をするということになれば困るのは誰か、これは先ほど申上げたよぅに国民が困るのであります。製糸業者が困るのであります。検査がそれだけ澁滞すれば、その生糸は帝国蚕糸株式会社の倉庫に入つて金利倉敷を日にち一にち食つて行く、こういうようなことでは今私が申上げたように結局その惡い点が国民に迷惑となつて来る。そこでお伺いしたいのは、こういう場合に農林大臣はどういうふうにして生糸検査査について能率化を図ろうとしておられるのか、私はは日本の生糸検査というものが世界でも最も優れた検査をしている、又最も態率的な検査をしているので、甚だ寡聞ではありますが、生糸検査の合理化については私は承知いたしておらない。農林大臣はこの検査員について整理をせられる以上はその合理化に関するところの御確信があると思う。若しそれでなければ先ほど来いと縷々申上げたように国民が迷惑する。そこでこういう場合の合理化の具体的のお考えを伺いたい。
  315. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 非常に技術的な問題になりまして私正確にお答えはできないと思いますが、熟練とそれから勤勉の結果その成果を上げて頂く、こういう工合になります。
  316. 楠見義男

    ○楠見義男君 それじやこれは別の機会でようございますから、はつきりと納得の行く説明のできるかたを農淋大臣お探しになつて御答弁頂きたいと思います。
  317. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 農林大臣に伺いたいのですけれども、さつき楠見委員からのお話で森林警察の問題が出ましたが、これは一つの区域をあずかつてそこに一人しか現状においてはいない。こういう問題からいたしまして、これを五分切るというのは全く画一に過ぎるのじやないか、これは私は橋本長官に対してどうも今度の行政整理というものは何のかんのと理窟は言うけれども、結局天引的の姿というのは何としても隠しおおせないものががあるというような問題も尋ねたのでありますけれども、それはついては大した納得の行くいい答えはなかつたのであります。ところが先ほど肝腎の膝下である厚生省整理説明において、どうもこれは正に誰が聞いても天引であるということ以外には解決のつかないような説明であつたのは、皆さん御承知通りであります、私はこの営林署の森林警察の問題についても五%以下ということは全く理解が行かないという点が一点と、それからもう一つはこれは根本の問題でありますけれども、農林委員会等の一般質問の際に、大臣は国有事業は特別会計であるのに、他と違つた一割というようなものをあてはめているのは、それで一体やつて行けると思ちのかどうかという質問があつた際に、営林署は廃置分合を考えるのだ、又業務内容については、一部従来の伐つてその丸太を売つていたのをやめて立木で売るというようなことも考える、或いは或る所の仕事というものは請負にするのだといつたようなふうに取れる発言があつて、先ず先ず答弁をしたような恰好でございましたが、私は農林委員発言の途中にこれを質問するのもどうかと思いまして、今日の機会を待つてつたのであります。これらのことはいずれ林野庁の問題についての際に聞くのが当然かと思いますけれども、時間があつたようでありますからこの際持ち出したのでありますが、要は言いたいことは、私は今回の整理に当りまして、食管の問題、或いはしつつらに考えてそれに伴うとばかり思つているような考えかたにおける農林統計の問題、これが甚だしく問題になりましたから、それを何とか防ぎたい、事実農林大臣としてはあれだけやられたのでは到底しようがないと思うので、あの二つの部分を極力何とか防ぎたいというようなお気特からそのしわを各種、先ほど来楠見委員から指摘されておりますような点を非常に犠牲にしてそうしてなお戰い続けたこの結果が、せいぜいあんなような今日でも問題になつている線に来ているのだと思う。誠に私は私の気持から言えば非常な御心労、非常な苦境の立場に立つておられる農林大臣に対して誠に同情を申上げるわけでありますけれども、併し農林全体が今日ますますよくなるのではなくて、その反対に窮乏或いは困難に伺おうという際に私は何としてもそれらの不合理な点、ますます惡くなるのに拍車をかけるような整理、理解の到底できないような問題については何としても黙つているわけには行かないのであります。私は先ず森林警察に対す考え方の一点をお聞きしましたから、それとそれから遡るようであり、一般のようでありますけれども、そういう私は心境だとは言わないけれども、そういう解釈以外には理解がいかない、そういう前提で今度の農林省の案というものは理解ができないという見方に対する大臣の本当のお気持をお伺いしたい、こう思います。
  318. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように今回の行政整理が農林関係が非常に多かつたということは事実でございます。これは政策的に米の統制撤廃の問題とからんだ問題が一つであり、又一面におきましては農林職員が全体で八万幾らということで一番多いということで、政府全体としてできるだけ行政整理をする場合において農林省に着目されたことは事実でございます。併し私はこの問題は主観的に戰つたとか戰わなかつたということは、これは申上げる必要もないことでありますが、主として問願になりましたのは、林業関係におきましては、実はこれ又特別会計になつておりまして、相当の收益は挙げておりまするけれども、相当まだ合理化の余地がある、これが第一点でございます。地方の営林署におきまして、いろいろと山に入つておるために実は相当苦労しておりまするけれども、併しながら一面におきましては、事業範囲に対して個々に分析するとおのおの十分に働いているのでありますけれども、外見から見れば非常に人員が多過ぎる、こういう観点が特に行政管理庁あたりその他の意見相当強く出て来たことは事実であります。我々といたしましては、勿論事業営業を継続するために必要なる人員はできるだけ確保しなければ、これは行政整理の目的を達成することができないけれども、他面におきましては、やはり最少限度人間を以てその仕事をさせるということは政府当局としては当然なすべきことだと存じます。この林野庁の人員につきましては、これは政治的問題としてより実は事務的折衝に多くを委ねたのであります。そのことは御指摘になりました森林警察官の問題につきましても、理想から言えばもつともつと我々には多くいたしたいけれども、まあこの程度で我慢し得るという程度で五%にしたのであります。それから又営林署の統合という問題も現在までの営林署は相当古い時代にこれは配置したものでありまして、事業の遂行の過程からいたしますれば相当縮少してもいい場面もあり得る、それで林野長官にも研究を申入れまして、その点はできるだけ統合もいたそう、その代り北海道その他のように今後事業を擴充しなければならん所についこは更にこれは充実するといぅ措置を講じたのであります。今後更に財政の状況が充実されますれば、特に山林のうち伐採林、そういつた方面においては相当充実をしなければならないと存じまするし、又利用加工という面につきましても、先ほど御指摘のありました研究機関という問題も、漸次こうした問題も今後においては、充実しなければならない時代になるだろうと考えておる次第でございます。
  319. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 何か各論の中で言うべきことのように巾が狭まつたお答えしかないので、勢い林野庁関係のことを言わなければならんようになりましたが、いいでしようか。
  320. 河井彌八

    委員長河井彌八君) よろしうございます。
  321. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 只今大臣より一応のお話がございましたけれども、先ほど一般の警察官の問題につきましては、増員をすべきところを勘案して零にしたのだという話でありました。つまり増員を必要とするというようなことが事態が明らかになる場合においては、すでにこのことを頭に描いて今度の数を出した、或いは率を出したといつたようなことの御答弁がございました。国有林と申しますか、山林については国有林といわず、民有林といわず、今日非常な関心を持つてこの林野関係をよくしなければ本当の農山村の安定というものもなければ或いは都市におきます商工業の発展の期待も薄い、更にその副産物たる水の問題が世間にやかましく言われておるのは御承知通りでありますが、そういつた問題は暫く抜いたといたしまして、山林自身のことから言つても、森林法ができたのは御承知通り第十国会、その原因は林産物等の増産と一つは治山治水の国土の安定を狙つたのは言うまでもありませんが、そういたしますと林産物の需要供給が非常に困るということで、現内閣では八月の二十四日には木材の需給調整の件について閣議決定をされておる。その中で謳つておりまするのは、国有林の三百八十万、民有林の四百三十万でありましたか、これの奥地にあるところの林産資源には林道をつけて、そうして早急にこの需給のアンバランスにはせ参じさせて、そうしてこの際の急場しのぎにしなければならんということも大きな冒頭の三項目であつたのほ御承知通りであります。こういうふうにして奥地におきますところの開発というものは非常な問題になつて、又同じ十国会で通りました国有林野の整備臨時措置法というのでは、十九億の收入を一方に見立てて国有林の飛地のよぅなものを整理処分するという問題がございます。又牧野の開放をいたしましても、これに対するところの測量或は人間というものが足らないために、殊に東北方面では果して民有林については收野を開放し所有権を移したけれども、こういう点については一体いつ手続を済ましてくれるんだと言つて、非常な陳情があるのは大臣も何度も受けられたことだと思う。こういつた問題があり更に今度の補正におきましては、六十億のいわゆる予算を以て各般の国有林野の仕事をやろうとしております。殊にそのうち百八十万石の木材をこの際出して、そうして日米経済協力の実現のためにこれ又役に立たせたいと、こういうことで審議されておるのは御承知通りであります。こういうふうになすべきところの仕事というものは明らかに山積している。こういう事実。  又もう一つは公務員の給与法の改正、一部改正法案におきましては、従来非常に問題だつた国有林関係の公務員に対しましていよいよ印刷或いは造幣庁と同樣にその大部分、ほかにも問題がありまするが、まだ足りない問題がありまするが、大部分を挙げて現業並みの扱いに明らかに取扱つておる。そういうふうであるのにかかわらず、私は單に形式的なバランス、他も五%やつているのだから五%にしていいというのじやなしに、無諭私は仕事の分量、又近き将来を考えまするといちと、この減員というものは非常に、いささか目の前では多少の国費を節約したかに見えるのではあるけれども、事実は目に見えんところの林産物の増産の面において或いは成育を増長するその根本的な増産の面において、或いは見積りがたいかも知れませんが、国土保全の不備による損失におきまして、非常な私は国家の損害をむしろ招来することが明らかだと言つていいと思うのであります。こういつた点から、私はこの国有林の整理の問題については、是非大臣におかれまして再検討を願いたい。先ほど申上げましたように私は大臣に非常に気持は同情しているのであります。米、統計その他の、或いは土地改良の問題、或いは先ほど話が出ました技術研究の問題、調査の問題、これは一として立遅れておりまする農林行政の担当の大臣といたしましてはことごとくこれを推進して行かなければならない、そうしてそれを守り育てて農民のために、農山村のために、延いては国全体のために育てて行かなければならない立場をお持ちになつているのに、そこに非常な風当りがある。そこでとうとう困りに困り抜いたあげく他に無理をしていることが明らかである。これは答えは要りませんけれども、誰が見ても明らかだ。私はその中に立つ大臣ではあるけれども、又私情としては誠に忍びがたいところがあるのでありまするけれども、日本の本当の基礎的な問題として本当の復興の問題、或いは発展の問題からして是非これは頑張つて頂きたい。こういうように事分けて大臣に意見を求めるのでありますが、どういうふうに考えられますか。
  322. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように、農林大臣といたしましては、今後日本の自立経済確立の最高の基盤は農業生産の増強にあると、こういう信念の下に諸般の政策を立て、又予算要求いたしておるのでございますが、内閣におきましては実は各省大臣も皆おのおの所管事項についてはそのような見解を持つておるのでございます。本年の補正予算におきましても、この内輪話で甚だ何ですが、各省から出たのを総合すると、もう一千八百億以上の要求なつて来るのでありまして、併しながら因家財政の見地に立ちますれば、各省要求がそのままなかなか入れられない。特に講和後における諸般の新たなる支出を見た場合に、やはりおのずからそこに全体として均衡を持たなければならない。特に我が国のように敗戰の嚴粛なるきびしい事実に立つて見るときにはこれはやはり一時的には後退の止むなきに至ることもあるという点で、而も全体の国政の見地に立ち、今回の整理には私も賛意を表したのでありますが、私はこれが理想的なものなりと、こう感じてはいないのであります。潮次国力の回復に伴い最も優先的に農林関係の予算の復活、増強、更にそれに伴う必要な人員は増して行かなければならんと思いまするが、これは衝にある者といたしましてはいろいろ御批判はありまするけれども、現在政府といたしましては、全閣僚の共同責任においてこのような措置を講ずべきものなりと私は考えている次第でございます。御趣旨の点は十分私も胸に体しまして今後の施策においてこれの実現を図りたいと思います。今回内閣委員その他委員から強く鞭撻されておる点は私も深く感謝しておるのでありまするが、併しながらこれは私が大蔵大臣を兼務しているわけでもありませんので、なかなか……。
  323. 楠見義男

    ○楠見義男君 大蔵大臣は農林大臣を兼務しているよ。
  324. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) これは楠見さんの解釈でありまして自由でありますが、現在の情勢におきましては、御希望の点は一々御尤もでございまするけれども、これを端的にそのままに実現することもできない次第であります。
  325. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 私は、誠に苦しい立場を、立つたびに同情しなければならないのでございますが、(笑声)国政のためであればこそ、私はこの大臣にもつと頑張つて、当然自分のために頑張るなどと思う人はございません、是非この全く何と言つていいか、押付けられた、而も定員法を出すときの説明を何度読返しても、それにそぐわない整理について、何としても私は合理的な線まで持つて行かなければ日本の本当の復興のために私は情ないように思うのであります。その問題については重ねては申上げませんが、もう一つの問題として、先ほど申上げました営林署の廃置分合とか、或いはその仕事のやりロを変えて行くということをお述べになりましたが、私はあれは單なるそのときの何と申しますか思いつきであつて、今度の整理に当つてそのことを考えているのじやないのだ、将来その必要があるならば十分それらの廃置についても考えられることが当然ございましよう。又業務のやり方についても直すべきところは直すことが必要だと思うのでありますが、この点については如何でございますか。
  326. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) お答えいたします。常に政府といたしましては、能率の増進とそれから官庁の簡素化ということはいずれの内閣でもこれはなすべき当然の任務だと存じます。今度の定員法におきましては、その方針に基きまして、事業の繁閑、それから従来の研究の結果統合すべきものもあると信じておりますので、その方針に基いて林野庁長官検討を命じており、又今その研究を進めている次第でございます。
  327. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 検討を命じているということはそうかも知れませんが、それらが検討の結果それがどうしてもそういつた廃置分合ができない、少くとも思うようにはできないというような結果になつたらどうなんですか。恐らく私はいい結果と申しますか、誰もが納得できるような線では答が出ない、私はこういうふうに思つているのですが、どうですか。
  328. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) これは三浦さんは前林野庁長官でいらつしやるからそういう確信を持つているか知れませんが、又新たな見地でそういう結論もできるとも存じております。全然できないという場合は、これは勿論やりませんですけれども、我々やり得るものと考えております。
  329. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 若し今お話がありましたが、できないときには私はやりませんがというなら、できないときには仮に私はこんなようなお附合いのみならず、非常に残酷なまでになつ人員整理といぅものは恐らく実現しないだろうと思つておりますが、若しなつたときに、而も予想していたところの廃置分合ができないというお答が若し出ちやつたときには、又そのときに修正をなさるのですか、近き将来すぐ修正をなさるのでございますか。
  330. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 今私のほうではできないという仮定に立つておりませんので、できるという前提の下に検討しておるのでありまして、三浦さんの御指摘のように時期においてはそれは又改めて検討しなければならん場合もあるかと思いますが、今のところ我々としてはさよう考ええておる次第であります。
  331. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 この上続けてもしようがないのですが、結局そうすると一つの仮定の上に立つて、まあそこに突つ込んだ理由をそこに持ち込んだという單なることにしか解釈ができない。やはり私は問題が非常にあると思うのです。  それらかもう一つ、この際私は簡單なことじやない問題として業務の内容を変えるということについて念のために申上げておきます。これは今日妙な話なんでありますが、私が役所を担当をしておりました際にも、前の二十四年の定員法が修正されたようなこと等ともからみ合つてだそうでございますが、一つの業務のやり方を一つの企業体に持つて行きたい、或いは特殊会社のように或る部分を特つて行きたいがどうだという話があつたのであります。仕事の内容を変えるという考え方の中にそういうような問題があるかどうか。先ずこれをちよつと一つお聞きしたい。
  332. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 三浦さんの御指摘のことは恐らく林野特別会計を今の公社のようにしてやる考えがあるかどうかということであると思いますが、端的に申しますれば。現在さようなことは考えておりません。
  333. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 その点は明らかになりましたので結構ですが、立木処分を多くする、今日各地とも終戰後におきまする手つ取り早い仕事というものは製材工場だ、復興は木材が要るだろう、木材をやれば儲かるだろうということから非常に製材工揚が殖えて、さうして大臣御出身の製材王国であり、最も製材が発達し、そうして団結のよい秋田と言われている秋田自身が製材工場の能率が出て参りますと生産されるところの木材の約ニ倍半ほどの能力であるのであります。そこで各業者のものはその原料である丸太、立木を得ようとして誠に血の出る競争をして、あれでそろばんに合うのかと思うくらいにまでやつております。むしろこれは今日の事情からして多くの従業員を抱えている関係から、今暫く、今暫く、こう言つて歯を食いしばつた変態な営業が続けられているのは御承知通りであります。そういう際に私は立木である処分をしておるものもむしろ或る程度木材の需要と供給とがそぐわない今日から言つて、適切な最も高度な利用をさせる意味から言つても、手数ではあるけれども、その金は必ず物品代として返るのであるから、官行破伐をして適切な分配をしてさえこの場合をしのぐべきではないかと思うのでありますが、これとは反対に大まかに闇で立木で売つてしまう。こういうふうになりますと、当然その施設というものには相当の金が要りますから、かなり大口の処分をしなければならんということになる。そちすると大口の処分を受け得るところのものはおのずから限定されたごく少数の工場なり或いはごく少数の金廻りのよい需要者なりということになるのはきまつたことでございます。私はそういつたようなことを万一やることを考えるならば、私は今日の事情に全く副わない行き方であつて、それは所詮その收入の問題にいたしましても、結局国有財産を使つてそうして得るべきところの利益、或いはそれに基いて発生し、それに基いて国の行政を助けて行けるところの作用というものが全くなくなつてしまつて、唯單なる全くの資本主義的な行き方に終つてしまうという問題も今日必ず出て来ることは明らかだと思うのであります。私はこの点について簡單な考え方で業務の行き方というものを変えては非常な問題が起る、而も跡地は今日の世情でございます、あとは野となれ山となれ、山になつていてくれればいいのでありますけれども、同じ山でありましても非常な禿山になつてしまうことは明らかであります。私はこの点については十分に愼重な御研究を要望して私は一先ず質問を終ります。
  334. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の点は専門的な立場においていろいろ教えられました。我々も考えておりまするのは、すべてを立木処分するということではなく、現在パルプとかその他相当の需要がある、而もそれが御指摘のように実は杉だとか何とかというような、銘木といわるべきものと違つた相当集団したものを出さなければならんという場合もありますので、そういう場面においては立木処分といぅ部面も相当あると思います。  それから従来御承知のように国有林は多年の蓄積を、政府がこれは委託して預かつているのでありますが、財産を処分して赤字を出すというような傾向もあつたのでありまして、この点はもう少し事業執行において合理化の余地がある、こういう点も検討しておるのもあります。併しながら我々は御指摘のよぅに、これは單に收益を挙げるのが目的ではなく、木材の合理的な配分、又治山治水といぅ観点から見まして、その間おのずから勘案をいたしまして、一面においては事務の簡素化によつて行政能率を拳げると共に、他面におきましては公共的の目的を十分に達したい、かように考えております。
  335. 楠見義男

    ○楠見義男君 先ほどお話のありました法制局、法務府その他のかたはお見えになるのでしようか、どうなんでしようか。
  336. 河井彌八

    委員長河井彌八君) お答えいたします、委員長はそれぞれ要求をいたしたのであります。ところがすでに退庁をいたしましてまだお見えにならないというのが大部分であります。
  337. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますと、恐らくそれらのかたがたは明日にお見えになると思いますが、この際私は委員長を通じて資料を要求いたしますが、先ほど来政府は麦の統制撤廃は明年一月一日から、米については十一月一日からできるという解釈のようであります。そこで最近は速記録もなかなか急に間に合いませんので、文書で以て現行食糧管理法の第何條をどういうふうにして麦と米の統制撤廃ができるのかということを明日でも委員長を通じて出して頂くようにお願いいたします。
  338. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 承知いたしました。今農林臣初め政府委員がここにおられるのでありますから了承せられたことと認めます。さようにお取計らいを願います。
  339. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほどの栗栖さんからのお話もありまして、これは非常に重大な法の解釈の問題になりまするので、農林当局だけの解釈については或いは満足できない点があるだろうと存じます。そういう意味において、でき得るならばこれは法の解釈の問題につきましては、法務総裁並びに法制意見局長官の意見を求めて、そうして行くのがより正確た答えが出るのじやないか、若し必要とあらば我々のほうから法務総裁並びに意見局長官の意見を徴し、それによつて答えるということもあり得るのでありまするがその点は如何ですか。
  340. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は実に奇怪なことを農林大臣ともあろう者が言われるんだと思うのですが、それほど大きな問題を確たる信念の下にはつきり農林大臣は確めて一月一日から麦の統制撤廃ができる、それができるできないというので先ほど来長時間費やしたわけなんです。そこで私どもは法制局の意見なり、参議院の法制局の意見なり或いは法務府の意見は伺いますが、併し確たる確信を持つてこの人員整理をやられた基礎の農林大臣としては、確定的な法律上の解釈を以てこれは立法されたものと思うのです。これから法務府の意見を聞かなければできるんだかできないんだかわからない、こういういようなそういう馬鹿げた、又薄弱な根拠でやられたのではないと思います。そこで我々は我々の立場で法務府なり或いは法制局の意見は聞きますが、それとは別に、農林大臣ができるということを確信を持つてやられたその根拠を文書で出して頂きたい。昔のように速記録が明日の日に届けばそれは又いいのでありますが最近はそうも参りません。従つて文書で出して頂いてその検討は又その検討としていたしまするし、法務府なり法制局の意見意見として我々は又この委員会検討いたしますから是非そうして頂きたいと思います。
  341. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 只今私が申上げたのは、先ほどの栗栖さんの御意もありましたし、又再び我々の意見を申上げ更に今度法側意見長官、或いほ法銘総裁が出て、又つき合されるというような事務的な時間的なあれが出て来ると相当、審議の関係上私は一緒にやつたほうがいいんじやないかというだけのことでありまして、たつて私のほうから文書で出すようにと要請があればお出しいたします。
  342. 楠見義男

    ○楠見義男君 是非出して頂きたいと思います。  それからなお総括的な問題で伺いたいのですが、今回の減員とそれから将来の増員の問題についてこれも三浦委員から御質問があつたのでありますが、それと関連した問題について具体的の例を挙げて農林大臣の御意見を伺いたいのでありますが、それは現在農林委員会で繭糸価安定法を審議いたしております。ところがこれに要する職員はこの補正予算には計上されておらない。ところが法律は公布の日から施行するというようなことになつておりますが、一体こういうような新らしくできる法律施行に要する人員増加と、それから減員をする蚕糸局の状況と、これはまあ具体的の例を申上げましたが、一般的な考え方としてどういうふうにお考えなつているのか、と同時に具体的にこの繭糸価安定法の事務に従事すべき職員はどうなるのか、この点をまずお伺いいたします。
  343. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 繭糸価安定法の制定に基くところの人員の増は考えておりません。現在の職員を以てやるという方針であります。
  344. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますと現在の職員は、これは詳細後ほど説明を伺わねばわかりませんが、蚕糸局は相当二十何名か削られることになつているんですが、その削られた後の職員でやるのですか、削られるべき人間が当たるのですか、その点どうなんですか。
  345. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 減員された状況においてやるということになつております。
  346. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますと、これは後ほど農林省のそれぞれの内容を伺うときに担当の方お見えになつておりますからその際に伺いたいのですが、どういうような事柄が蚕糸局以外にもあるかどうか、御説明頂くときに前以て御説明頂きたい。実は私、承知しておつたのは、繭糸価安定法が今農林委員会にかかつておりまして、この施行人員はどうするのか、最低二十五名程度のものは必要だと、こういぅうふうに聞いておつたのですが、それは整理される人間整理として、大体それに見返るような人間が明年四月以降の新らしい予算に計上されるのだと、こういうふうに私聞いておつたのです。農林委員会でも恐らくそういう説明があつたと思いますが、そういうことであれは無駄な整理はやめたほうがいいのじやないか。今二十五人なら二十五人減らして、又四月から二十五人殖やすならそういう無駄はやめたほうがいいのじやないかというようなつもりであつたのです。ところが今の農林大臣のお話だとすると、その二十五人の人間は減員された残りの人間で賄う、こういうことになればこれは後ほど蚕糸局の説明を伺うときに伺いますが、具体的に現在の残された仕事についての人員の配置表を併せて資料として出して頂きたい。
  347. 三好始

    三好始君 只今楠見委員から出た問題と同種の問題であると思うので、ちよつと伺つておきたいのでありますが、今春私たちが農業使節団としてアメリカ滞在中FAOの本部を訪問して、事務局長に面会しました。その際にFAOの加入は国連加入を條件にしていないのだから日本も早く加入するような手続をとつたらどうか、このような慫慂を受けたのでありますで、FAOの加入の問題が月下どういう状況にあるか、一応伺つておきたいのであります。
  348. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) FAOの加入の状況でございますか。加入の状況というのはちよつと……。
  349. 三好始

    三好始君 農林省において加入の手続なり、手配を進められておるのかどうか、進められておるとすれば、それが目下どういう程度に進んでおるか、それを承わりたいのであります。
  350. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 今回のローマにおける国際農業機構会議に農林次官を派遣したのでありますが、政府といたしましては速かにこれに加入いたすべく諸般の凖備を整えておる次第であります。なおこの問題につきましては小麦協定に参加と同時に実はやりたかつたのでありますが、その手配ができないので、今向こうほうと折衝中でございます。
  351. 三好始

    三好始君 農林大臣の見込で大体まあできる時期がいつ損になるわけですか、見通しを聞きたいのであります。
  352. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) これはまだはつきり申上げられないのですが、恐らく山添農林次官が向うへ行つて国際農業機構のほうに関係して来ますが、そのときにこの話を進めるようにいたしておりますので、これが帰つて参りますれば見通しが付くのじやないかと思います。
  353. 三好始

    三好始君 この問題はドイツでありありましたか、イタリアでありましたか、日本と條件のよく似た国がすでに加入しておるような状況でもありますので、私はそう大した支障の起るような問題ではないと思うのであります。近い機会に実現するものと考えております。そういたしますと、この定員法に関係があるのでありますが、渉外事務現在員二十名を全部整理して零という案になつて提出されておるのでありますが、ところがFAOの加入が近い将来に予定されておる、今後の日本の農業を、外国の農業との関係の上にいろいろ考えて行かなければいけない際に、ひとりFAOだけではありません、いろいろな問題で国際的な関係が多くなつて来ると思うのでありますが、こういう際に渉外事務を全廃するということは私は了解できないのであります。現に厚生省の場合KはWHOにすでに如入しておる関係もあるかと思うのでありますが、渉外事務整理は五〇%、こういうことになつて半分は残ることになつております。私はこうした厚生省実情とも均衡を失するとこういう気持もいたすのでありますが、これについての農林大臣の渉外事務関係を零にした理由を承わりたいと思います。
  354. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) この渉外事務は主として御承知のように総司令部との関連において出ておるのであります。この意味において定員は減らしておるのであります。なお御指摘の小麦協定参加その他に関するところの事務は食糧庁でもやりよるし、又或る意味においては現状においてFAO或いは又行政局でやるということも考えられるのでありますが、併し我々といたしましてはそうしたところの新たな問題につきましては、必要とありまするならばこれは予算定員要求ということもいたすのでありますが、これは今暫く事態を見たいと思います。  それとなお先ほどの楠見さんの質問に対するお答えの中で一部訂正しておきたいと思います。現在この立法措置を講ずる場合におきましては、定員が現在の定員でやりよると、こういう方針で実は大蔵省と話はついておつたのでありますが、併し実務をやつた場合においてどうしてもそれができないとこういう事態になりますれば、予算要求をすることは当然でございます。従いましてこの問題については更に研究事項として大蔵省とペンデイングにいたしておる次第であります。
  355. 楠見義男

    ○楠見義男君 現在のという意味は、整理されたのちのという意味ですか、現在おる人間とこういう意味ですか。
  356. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) いや今のは整理された前提でやりよるのじやないかというような問題になつておりまして、この点については実質上やりよるか、やらんかということは我々の意見と若干意見を異にしておるのであります。従いまして今度の整理には政府提案した現状においてこの立法措置はしてあるのです。併し明年度予算については全般にいつてこれは予算定員において要求することは、我々は要求しておりまするが、併しこの定員法を作るときにおいてはその点は考えていたいということです。
  357. 楠見義男

    ○楠見義男君 その問題は、これは私希望になるのですが、これだけの大きな騒ぎをして、そうしてギリギリ恐らくはお切りになつただろうと思うのです。ところが現在の繭糸価安定法というものは、最小限に……、これは贅沢言えば四十人も五十人も要ります。併し最低限を見ても二十五人は必要だ、こういう場合に一方ではギリギリに整理をしておいて、そこへ二十五人をはめ込むなんかということは私は困難だと思います。而もその法律は通常国会に出る法律じやなくて、現にこの国会に出しておる法律で、この施行についてどれだけの人間が要るかということは、これはもう明らかになつておる問題だと思う。従つてそのような悠長なことでなくて、これほ希望になりますが、真劍にお考えにならないと、ここで蚕糸局を切つちやつた、それから予算のほうは又兼任大臣にぎゆつとやられることになつちやつたら、これは大変なことになると私は思う。(「失言々々」と呼ぶ者あり)これは是非一つ善処して頂きたいと思います。  それからもう一つ、今の三好君の御質問の趣旨は、実は私は渉外関係の仕事は、今おつしやるようにGHQの関係の仕事を今まで従来やつてつたので、従つて各省全部一〇〇%の整理はこれは止むを得んと思つてつた。ところがだんだんとやつておりますと、労働省と厚生省だけが整理率は五〇%だ。そこでどういうわけで一般の各省庁が一〇〇%であるにかかわらず、厚生省だけが或いは労働省だけがそういうふうな整理率なつておるか。これを聞くと厚生省はWHOの関係がある、又一般にそういうような問題は外務省で統轄してやるか、或いは残すのならば各省ともに残さなければその要領のいいところが残りうまくやるというのでは、我々としてはできるだけ各省庁との間に均衡のとれた、理窟の合つた整理をしたいと思つておるわけなんですが、そこで三好君のような質問が出て、我々としても若しそうであるとすれば、農林省が一〇〇%の整理であれば厚生省も労働省も更に原案よりも余計の整理をしてでも同率を希望したい、こういうような考え方なんです。従つてなおお調べ頂いて善処して頂きたいと思います。
  358. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 一つ揶揄として聞いておりますけれども、池田君の兼攝農林大臣はこれは撤回してもらいたいと思います。  今の労働省と厚生省における渉外事務が残つておる、而もほかのほうは全部切つたということについては行政管理庁のほうから説明して頂きます。
  359. 中川融

    政府委員中川融君) 今御質問になりました各省の渉外関係の人員整理の件でございますが、その点は御指摘もありました通り各省通ずる実は問題でありまして、私たちも原案を作る際に非常に苦心をしたのでございますますが、結局従来までのところは正しく総司令部との渉外折衝じ務に当つてつた職員でございます。従いまして、定員法が規実に実施されます六月末、七月一日ということを考えれば、これは全員削減して然るべきものと考えておるわけでございます。併しながら或る省におきましては、すでに国際行政機関との関係事務相当多くなつて来ております。又国際行政機関との事務でございますが、これ又非常に日本が現に加わりましたもの、或いは近い将来に加わるべきものが相当数が多くなつておりまして、殆んど各省に亘つておるのでございます。例えば法務府関係におきましても、いろいろの法律関係につきましての国際会議がございますし、建設省あたりにおきまして国際建設会議というようなものがございます。そのほか殆んどあらゆる省に亘つてこの種の会議がございますので、而も一方今後新しい外務省におきましては、これも御指摘のように外務省が大体かようなものはまとめて衝に当るべきものだとも考えておるのでごさいまかす。従つて原則といたしましては、各省に今度の新しい渉外事務のために特に職員を置くことはよろしくないと考えましたけれども、国内的に扱うほうの事務が非常に多くすでに相当多くなつており、且つ又近き将来と申しますか、非常に多くなるだろうと予測されるもの、これらにつきましてはやはり半数程度の人は残しておかなければいけないと考えたのでございます。これで残しましたものといたしましては、御指摘のありました厚生省のWHO関係、労働省のILO関係、そのほかに文部省のユネスコの関係の事務がございます。従いましてこの主義で行きますと、例えば農林省関係でFAOの関係をどうするか、建設省の国際建設会議をどうするか、いろいろ各省の関係が出て来るのでございますが、これらはどこで線を引くかという問題になりますが、一応FAO関係の事務、これは国内的にも事務がありましようが資料を集めて提供する、或いは定期的に行われる会議に委員が出るということで、これらの事務各省事務当局、各局におきまして本務として国内的な事務をしておりますものが同時にそれもやるということが却つて適当ではなかろうかと思いまして、これらについて特に渉外職員というものを残しておらないのでございます。
  360. 三好始

    三好始君 只今説明では厚生省農林省の渉外事務整理の取扱い方を異にする理由がはつきり了解できないのであります。何故只今のような御説明の上に立つて厚生省の場合には五〇%残し、農林省の場合には一〇〇%整理しなければいけなかつたか、只今説明では了解に苦しむのでありますが、区別する結果になつた根拠をもう少しはつきり説明して頂きたいと思います。
  361. 中川融

    政府委員中川融君) 今申上げました通り、或る省におきましては、全部整理され、或る省におきましては半分残つておる。その境をどこできめるかということでございますが、これは結局我々が今まで持つております情報と申しますか、仕事の現実における実態、それから近き将来においてどの程度殖えるだろうか、又その性質におきまして單に情報を收集して提供する。或いは国際会議に委員が定期的に列席するという程度のものであれば特にそのための人員と言いますか、渉外課というものを特に置く必要はない。むしろ却つてよろしくないのではないか。これらは各原局で取扱いまして、外国に対する折衝につきましては外務省でやるというのが適当ではなかろうかと、併しながら例えば国際労働機関との準備、これあたりは相当昔から事務がたくさんあるのでございます。これらについてはやはり国内的にも、或る一つの單位としての機関を持つておりまして、労働省がその分を専門に取扱うことが適当であろうと、これは一つの例でありますが、さようなところで一応線を引いたわけでございます。若しこの線を引きませんと結局あらゆる種類の国際会議に今後日本は参加することになりますが、それに対しまして各省で結局専門のスタツフを置き、専門の接能を持たなければならんということになりまして、これは又外務省におきましてもできるだけ国際関係の事務を集中してやるということに矛盾して来やしないかというように考えて、先ず大体今申しましたようなところで線を引いた次第でございます。
  362. 三好始

    三好始君 只今の御説明では農林省関係ほあたかも国際機関との関係が厚生省なんかと比べて非常に稀薄であるかのごとき印象を受けるのですが、これは見解の相違ということになるかもわかりませんからこれ以上質疑するのは無駄のように思いますから質疑はいたしませんが、私達は只今説明では十分に納得ができないということだけを申上げておきます。
  363. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の問題で中川さんにお伺いしますが、私はたびたび申上げるように、そういうことのためにこそ今度の外務省設置法を改正して、国際経済協力局というものを設けてやるということになつておるわけなんですね。そこでそれ以外の事柄は特に渉外事務というものでなくて、それぞれの各省の関係のある原局でそういうことをやるべきじやないか。例えば今のWHOの話も出ましたが、同時に今お話の出たユネコのようなものは、これは、文部省としては大きな仕事だろうと思うんですが、而も文部省の渉外事務は一〇〇%整理しておるということになりますると、三好委員からも申されたように、各省の間のその間の取扱方が極めて行き当りばつたりだというような感を深くするんですが、もう一度お伺いします。
  364. 中川融

    政府委員中川融君) 今御指摘のありました文部省の件でございますが、これはお手許に提出いたしました資料が或いは不備であつたかも知れませんが、現在文部省には渉外ユネスコ課という課がございまして、これの定員がたしか四十名でございます。そのうちの半数二十名を渉外事務として或いは掲げておるかも知れません。その渉外事務の分の半数を全部整理する恰好に或いはなつておるかも知れませんが、それ以外にもぅ半分が実はあるわけでございます。それはそのまま残しておく、結局労働省のILO関係、厚生省のWHO関係も同じようにこれは半数整理ということになつております。
  365. 楠見義男

    ○楠見義男君 もう一点農林大臣にお伺いしておきたいのですが、先ほども国会尊重のお話があつたのですが、こうやつて定員法を審議しておりまして、この結論を出すのは早いのですが恐らく修正になると思うんです。その場合に国会尊重の建前から農林大臣はそれに従つた定員を明年度予算に計上することに責任を持つて御努力せられると思うのですが、これはまあ聞かなくてもいいことかもわかりませんが、念のためにその点をお伺いしておきたいのです。
  366. 根本龍太郎

    ○国務大臣(根本龍太郎君) 今御指摘の点は、定員法が修正せられて決定したならば、それに基いて予算折衝をするかということでありますが、それは当然であります。
  367. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  368. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて下さい。  では本日はこれにて散会いたします。    午後七時十四分散会