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政府委員(
宇佐美毅君)
皇室が
賜與されます
限度は、
只今御
説明がございました
通りに、
天皇及び皇后、
皇太后、皇太子、それから
王子殿下、
肉親皇殿下、こういう
かたがた、いわゆる
内廷におられるかたを通じまして、年百二十万円というのが
法律の制限でございます。それから各
皇族は年額十五万円ということに決定に相成つておるのでございます。それでこの
賜與の
内容はいわゆる
祭祀或いは特に亡く
なつたかたに
祭祀料を給わるとか、神社に
幣帛料を出されるとか、各種の
賜與に出ておるのでございますが、なおここ数年、いわゆる大きな
災害でございますとか、
学術奬励でございますとか、その他毎年、殆んど定例的に出ますものがございまして、これを毎年
特別議決を頂いておりますのが二百五十万円でございます。
これは年によりまして
内容がいろいろ分れるのでございますが、今回の二百万円を含めますと、到底従来
法律できまり、特に
議決を頂きましたもののうちに入りません、到底賄い切れませんので、今回特にお願いを申上げた次第でございます。この御
遺産の
関係は、
只今の御
説明にございました
通りに、
貞明皇后様の御
遺産とせられておりまする
現金、
有価証券、動産、これらにつきまして調べ上げました
金額から、全体の
相続税及び資産再
評価税とか、その他の諸税を差引きまして、これは
現金、
有価証券のほうから差引いたのでございます。その結果、百九十、二百万に
ちよつと足りない
数字になりましたので、その
端数を切上げたのでございますが、これはすでに
財団法人癩予防協会にこれが
賜與されるという予定に
なつておるのでございます。
財団法人癩予防協会と申しますのは、
昭和六年に、当時の
内務大臣の許可がありましてできたものでございますが、これは
昭和四、五年頃から
内務大臣安達謙蔵氏、澁沢栄一
子爵等七百二十一名の有志の
かたがたが御相談になりまして、我が国の
癩撲滅のために一つの
協会を作るということに
計画せられておつたところに、
昭和五年十一月に、
皇太后陛下が時に思召しを以て金十万円の御下賜がございました。爾来
貞明皇太后様とこの
協会とは非常に密接な
関係で今日に
至つたのであります。併し戰時を経まして戰後におきましては、非常に資金の点におきましても行き詰り、活発な活動をいたしておらなかつたのでございます。この会は
厚生大臣が会長に
なつて、
政府の、
厚生省の外廓的な
団体でございます。そういうような歴史を持つておりますので、特に
貞明皇后様の思召しを基礎として、特におゆかりの深い
団体に今回
議決を得ましたならば
賜與されるというふうな内定をいたしておるのでございますが、御案内の
通りに、機構におきましても、現在の
事業内容におきましても、相当改革を要する問題もございますが、これらは
厚生省におかれて現在いろいろと御
計画に
なつておるのでございまして、恐らくこの基金が実現いたしますれば、
日本の
癩撲滅のために、
政府の
計画と相待つて進んで参るのであろう、かように考えておる次第でございます。