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1951-10-25 第12回国会 参議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十五日(木曜日)    午前十時四十九分開会   —————————————   委員の異動 十月十五日委員大山郁夫君辞任につ き、その補欠として三浦辰雄君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            溝淵 春次君            山花 秀雄君    委員            郡  祐一君            松平 勇雄君            横尾  龍君            上條 愛一君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    宮内庁次長   宇佐美 毅君    皇室経済主管  近藤 直人君   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君    常任委員会專門    員       藤田 友作君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国憲法八條規定による議決  案(内閣送付) ○公聽会開会に関する件   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これから内閣委員会開会いたします。  日本国憲法八條規定による議決案予備審査を行います。政府より提案理由説明を求めます。
  3. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 日本国憲法八條規定による議決案提案理由を御説明いたします。  皇室経済法二條並びにそれを受けました同法施行法第三條及び第五條によりますと、皇室に属する同一のかたが一年内になされる賜與の総額は、天皇陛下及び内廷にある皇族におきましては、それらのかたがたを通じまして百二十万円、その他の皇族におきましては、十五万円に達した後は、その後の期間においてなされるものは、すべて国会の議決を要することになつております。  たまたま本年は貞明皇后の崩御によりまして、天皇陛下及び秩父、高松、三笠の各宮殿下が、貞明皇后から相続せられる御遺金を救らい事業の資に充てるために、御四方から賜與されますので、この際別に二百万円の御議決頂きたいと存ずるのであります。  なおこの二百万円は、御遺産中の現金有価証券の額から、御遺産にかかわります相続税等を差引きました百九十七万六千五百余円に、内廷より端数金額を補充いたしたものでございます。  何とぞよろしく御審議あらんことをお願いいたします。
  4. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この件につきまして御質疑がありますれば、この際御発言願います。
  5. 三好始

    三好始君 皇室賜與限度である百二十万円の賜與の実情と、今回この議決案によつて賜與せられることになる二百万円の救癩事業への賜與計画について一応お伺いしたいと思います。
  6. 宇佐美毅

    政府委員宇佐美毅君) 皇室賜與されます限度は、只今説明がございました通りに、天皇及び皇后、皇太后、皇太子、それから王子殿下肉親皇殿下、こういうかたがた、いわゆる内廷におられるかたを通じまして、年百二十万円というのが法律の制限でございます。それから各皇族は年額十五万円ということに決定に相成つておるのでございます。それでこの賜與内容はいわゆる祭祀或いは特に亡くなつたかたに祭祀料を給わるとか、神社に幣帛料を出されるとか、各種の賜與に出ておるのでございますが、なおここ数年、いわゆる大きな災害でございますとか、学術奬励でございますとか、その他毎年、殆んど定例的に出ますものがございまして、これを毎年特別議決を頂いておりますのが二百五十万円でございます。  これは年によりまして内容がいろいろ分れるのでございますが、今回の二百万円を含めますと、到底従来法律できまり、特に議決を頂きましたもののうちに入りません、到底賄い切れませんので、今回特にお願いを申上げた次第でございます。この御遺産関係は、只今の御説明にございました通りに、貞明皇后様の御遺産とせられておりまする現金有価証券、動産、これらにつきまして調べ上げました金額から、全体の相続税及び資産再評価税とか、その他の諸税を差引きまして、これは現金有価証券のほうから差引いたのでございます。その結果、百九十、二百万にちよつと足りない数字になりましたので、その端数を切上げたのでございますが、これはすでに財団法人癩予防協会にこれが賜與されるという予定になつておるのでございます。財団法人癩予防協会と申しますのは、昭和六年に、当時の内務大臣の許可がありましてできたものでございますが、これは昭和四、五年頃から内務大臣安達謙蔵氏、澁沢栄一子爵等七百二十一名の有志のかたがたが御相談になりまして、我が国の癩撲滅のために一つの協会を作るということに計画せられておつたところに、昭和五年十一月に、皇太后陛下が時に思召しを以て金十万円の御下賜がございました。爾来貞明皇太后様とこの協会とは非常に密接な関係で今日に至つたのであります。併し戰時を経まして戰後におきましては、非常に資金の点におきましても行き詰り、活発な活動をいたしておらなかつたのでございます。この会は厚生大臣が会長になつて、政府の、厚生省の外廓的な団体でございます。そういうような歴史を持つておりますので、特に貞明皇后様の思召しを基礎として、特におゆかりの深い団体に今回議決を得ましたならば賜與されるというふうな内定をいたしておるのでございますが、御案内の通りに、機構におきましても、現在の事業内容におきましても、相当改革を要する問題もございますが、これらは厚生省におかれて現在いろいろと御計画なつておるのでございまして、恐らくこの基金が実現いたしますれば、日本癩撲滅のために、政府計画と相待つて進んで参るのであろう、かように考えておる次第でございます。
  7. 三好始

    三好始君 癩の患者数日本で今どのくらいあるか、おわかりになりますか。
  8. 宇佐美毅

    政府委員宇佐美毅君) 專門でございませんが、厚生省に聞きますと、大体一万五千くらいという見込みを以て、国におかれても、厚生省におきましても、毎年千ベッドくらいのベッド増置計画をしておられるようでございます。現在一万二千くらい收容しておられるのじやないかというふうに考えております。
  9. 松平勇雄

    松平勇雄君 天皇陛下及び内廷雄皇族が百二十万円、その他の皇族におきましては十五万円ということになつておりますが、現在までに賜與された金額はどのくらいになつておりますでしようか。
  10. 宇佐美毅

    政府委員宇佐美毅君) まだ本年度の半ばでございまして、ここに数字は持つて参つておりませんが、過去の特別に議決を頂いております分を申上げますと、二四年度は二百五十万の議決に対して百二十三万二千円。二十五年度は二百七万六千円。二十六年度は十月までは百九十一万円でございますが、今回九州、中国、四国の災害に約四十五万円お出しになりましたので、すでに満の近くになつております。百二十万のほうはこまごましておりまして、今ちよつと数字を持つて参つておりませんので申上げかねます。
  11. 松平勇雄

    松平勇雄君 そうすると、もう限度一ぱいになつておるわけなのでありますか。
  12. 宇佐美毅

    政府委員宇佐美毅君) はあ、これは毎年災害の多寡によつて大分違うわけでございますが、今年は特に貞明皇后の御葬儀につきまして、当日社会事業のために五十万円お出しになりました等がございまして、今年は特に一ぱいになつて参つております。
  13. 松平勇雄

    松平勇雄君 この議決する二百万円というのは、天皇陛下及び秩父宮様、高松宮様、三笠宮様を合計して議決するのですか、各宮様別に金額を幾らというふうにして議決するのでありますか。
  14. 宇佐美毅

    政府委員宇佐美毅君) 議案は、皇室に属するというふうに表現されておりますが、この皇室というところに、いわゆる皇室とは天皇、それから内廷皇族及び皇族を含めた言葉でございまして、実際は天皇陛下、それから三直宮殿下のお名前を書くのが正確かと思いますが、一々個々のお名前を挙げるよりも、統括的な皇室という文字で挙げたので、お四方で二百万という意味でございます。
  15. 溝淵春次

    溝淵春次君 こういう適切な議案でありますから、質疑はもうございません。
  16. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 委員長の考えといたしましては、今日は予備審査でありますから、勿論議決はできませんが、できるだけ周到な周密な質疑応答を重ねておかれることを希望します。そうして次回には予備審査でなしに討論をし、議決をしたい、かように考えております。今日は質疑応答だけにとどめておくつもりであります。
  17. 三好始

    三好始君 この問題はそう特別に複雑な問題ではありませんから、本日のところは予備審査でもありますから、この程度にしておいたら如何かと思います。
  18. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君においてなお御質疑等がありますれば、この際願いますが、これでよろしければ……。
  19. 溝淵春次

    溝淵春次君 三好君の動議に賛成いたします。
  20. 河井彌八

    委員長河井彌八君) よろしければ、この程度にいたします。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは次回は衆議院において議決がありましたならば、早急に委員会を開くつもりであります。   —————————————
  22. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお諸君にお諮りいたします。近く提出せらるべき定員法の改正に関する審議をいたさなければなりませんが、これは非常に重大な問題でありまして、利害関係者或いは学識経験者という人々から意見を求める必要があると思います。即ち公聴会を開いてこの委員会審査の参考にするのが必要であると考えます。つきましては、その公聴会を開くということに御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 河井彌八

    委員長河井彌八君) では御異議ないと認めまして、さように決定いたします。なお公徳会の日時、それから公述人の数及び選定等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  それではその法律案に関する公聴会開会要求書議長に提出することにいたしますから、これは御了承を願つておきます。  それではこれを以て散会いたします。    午前十一時九分散会