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1951-11-15 第12回国会 参議院 内閣・農林・水産連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十五日(木曜日)    午前十時二十九分開会   —————————————    委員氏名   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事      松平 勇雄君    理事      溝淵 春次君    理事      山花 秀雄君            楠瀬 常猪君            郡  祐一君            横尾  龍君            上條 愛一君            成瀬 幡治君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君   農林委員    委員長     羽生 三七君    理事      西山 龜七君    理事      片柳 眞吉君    理事      山崎  恒君    理事      岡村文四郎君           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            北村 一男君            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            鈴木 強平君            松浦 定義君   水産委員    委員長     木下 辰雄君    理事      松浦 清一君    理事      千田  正君            青山 正一君            秋山俊一郎君            植竹 春彦君            玉柳  實君            佐藤 尚武君            櫻内 義雄君            兼岩 傳一君   —————————————  出席者は左の通り。  内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事            松平 勇雄君            溝淵 春次君            山花 秀雄君    委員            横尾  龍君            成瀬 幡治君            上條 愛一君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君  農林委員    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            山崎  恒君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            北村 一男君            瀧井治三郎君            江田 三郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            松浦 定義君  水産委員    委員長     木下 辰雄君    理事            松浦 清一君    委員            秋山俊一郎君            櫻内 義雄君   国務大臣    大 蔵 大 臣 池田 勇人君    厚 生 大 臣 橋本 龍伍君    農 林 大 臣 根本龍太郎君   政府委員    行政管理政務次    官       城  義臣君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    大蔵省主計局長 河野 一之君   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君    常任委員会專門    員       藤田 友作君    常任委員会專門    員       安樂城敏男君    常任委員会專門    員       岡  尊信君    常任委員会專門    員       林  達磨君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————    〔河井彌八君委員長席に着く〕
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣農林水産委員会連合委員会を開会いたします。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案が議題であります。
  3. 木下辰雄

    木下辰雄君 私先ず橋本行政管理庁長官にお尋ねしたいと思います。行政整理というのは不要官庁を減らして、そうして有要官庁はこれを増すというようなことが行政整理目的で、それと同じで人員整理法も不要の人員があればこれを減らす、必要な人員があればこれを増すというのが、人員整理だというふうに考えますが、一体今回の定員法によりますと、各省の機構亘つて一割とか二割とか或いは五割とかと減員をせられるようでありますが、一体どういう方針で以てこの定員法を出されたか。それを先ずお伺いしたい。
  4. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これも内閣委員会において繰返しお話を申上げたことでございますが、今日の日本独立後の状態から見まして、できるだけ簡素、能率化を図らなければならないという観点からいたしまして、各事務に亘りましてできるだけ少い人員運営をして行くということを検討いたした結果、この案を作成いたしたのでございます。で中には一部廃止をいたしまする部分もございまするし、或いは又簡素化を図る部分もございます。今お話のありましたのは、一般的なものについてであると存じますが、極く一般的な部分といたしましては、特殊の事務について簡素化を図りまするために、庶務、会計、人事といつたような方面にはその手続的な仕事の、事務簡略化を図るし、そのほか全般に亘りまして事務能率を今までよりもできるだけ増進して行くという、気持を引締めて行くということも勘案いたしまして、そうしてこれをきめたわけであります。で、やりまする仕事の仕方といたしましては、政令諮問委員会におきまして約二カ月に亘つて検討いたしました結果、内閣総理大臣の答申を得ましたので、それを参考にして行政簡素化本部事務当局間といろいろ検討をして話をして、そうして事務当局間のきまらないことについては数度関係当局会議を開いて決定をいたしたものであります。
  5. 木下辰雄

    木下辰雄君 只今の御説明では納得が行きません。私ども行政整理或いは人員整理ということについては必ずしも反対ではございません。併し無定見に何ら実情に則しないような整理ということは将来事務に澁滯を来たして、それは整理に反するようなことになりはしないかということを私は非常に憂うるのであります。その意味において、私具体的に農林大臣にお伺いしたいのでありますが、只今日本カナダ並びにアメリカの代表を招じまして、日米加漁業協定会議が今開かれております。若しこの会議において三国間の漁業協定ができました場合において、いろいろとその事務或いは調査研究という項目もございますが、それに対して人員が一体ここに含まれておるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
  6. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 今回の人員整理の問題につきましては、当然講和独立後における情勢をも勘案してできておるのであります。特に水産関係について御指摘がありましたが、今後日本独立し、公海における漁業の権益が回復するということになりまするというと、その面における事務は殖えるのでありますが、最小限度人員を以て、そうして能率増進によりましてその目的を果す、かような観点で今回の人員整理案ができておる次第であります。
  7. 木下辰雄

    木下辰雄君 只今農林大臣のほうから事務簡素化してその事務遂行に当ると言われましたが、私は不幸にしてどの部面にもこの漁業協定の結果による人員の配置は見当りません。それからもう一つは、水産委員会において農林大臣講和後におけるマツカーサー・ラインを撤廃した場合においては、漁撈の安全のため日本監視船その他を殖やし、そうしてこれを監視するのだと言われましたが、この表を見ますと、現在は遠洋漁業の取締には約百三十二人、これを更に十名減すとこうなつておるけれども、これでは監視を嚴重にしてそうして監視船を殖やしてその万全を期するということにならんと思いますが、これに対する農林大臣の御答弁を承わりたい。
  8. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 監視人員設備の問題がありまして、その設備と相関連いたしましてその能率を高めたいと思つております。事務的に申しますならば、できるだけ多くの人間を配置いたしたほうが事務上はいいのでありますが、国家全体の経済と、それから行政規模等の関連を考えまして、この程度を以て能率増進によつてその目的を達したい、かように考えております。
  9. 木下辰雄

    木下辰雄君 私は今の農林大臣お答えに対しては甚だ不満でありますが、いずれ又意見として申上げたいと思います。  次に昨年この前の国会におきまして有明海漁業調整委員会ができまして、その事務局が設置されておるのでありますが、然るに今日まで事務局開店休業状態であります。この予算にも何ら見当りません。折角漁業の紛争を未然に防ぎ、そして熊本県、福岡県、佐賀県、長崎県の入会漁区を極く合理的に最も能率的に運用する、その事務局運営の費用がない、又人員もないのでありますが、これを如何にするつもりでありますか。
  10. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 有明海事務局の問題につきましては、是非これは設置したいと考えておりますが、この準備の点にまだ十全でない点があるので、これが調整に今検討中でございます。
  11. 木下辰雄

    木下辰雄君 前々国会以来漁船法漁港法並水産業協同組合検査に関する法律が制定され、水産物の今後の検査ということは最も重要であります。又漁船法による漁船に関する検査も非常に多い。漁港法ができまして漁港に対する管理、その他は非常に大切であります。現在でさえ非常に不足しておる人員であるにもかかわらず、漁船関係で十九名、それから公共事業に対して五名、協同組合検査員は僅か三名でありますが、これを減してありますが、これを以て万全を期し得るかどうか。それに対する農林大臣の御答弁を承わりたい。
  12. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) お答えいたします。先ほど申しましたように最小限度人員を以て能率増進によつてその目的を達したいと考えております。個々の問題については、転換期には若干の困難があると存じますが、漸次能率増進によつてその目的を達成し得るものと考えております。
  13. 木下辰雄

    木下辰雄君 それから司令部の指示によりまして日本には八カ所の水産研究所ができまして、現在その事務をやつておりますが、それが不徹底で、折角できた研究所が、その研究能率が挙らんということは、これは研究所を置く必要かないという結果にもなりますので、農林当局としても今日までその完備を期せられ、又司令部もそれを非常に進めて来ておるのに、これを多大の人員を減じておりますが、水産研究所は三十一名の人員を減じております。これで果して研究能率が挙るかどうか。農林大臣は恐らく人員整理して、そうして最小限度人員を以て能率を挙げる、こう言われるかも知れませんが、現在の研究所は非常に手不足であります。更にそれを減らして果して研究所研究目的が達すかどうか、これに対してお答えを願います。
  14. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 研究施設重要性については痛感しておりますが、これは人員予算と相伴わなければこの実現が困難でございまして、我我人員もさることながら、やはり研究費の増加も非常に大事だと思います。二十七年度予算においては、この少い人員を以て成果を挙げるべく予算的裏付けを目下大蔵省と折衝中でございます。
  15. 木下辰雄

    木下辰雄君 それから水産庁関係ではありませんけれども農林統計調査部水産統計課というのがあります。これは日本水産統計は非常に不完全でございまして、殆んど実際面から検討いたしますと、五割或いは七割も違つておる、こういうふうな結果を来たしておるのであります。それで前農林大臣は、水産統計は今後十分充実をして真に近い統計を作りたい、そのためには万全を期するということを明言せられておりましたが、これに対しても現在僅かに本省において四十九名しかおりませんが、これを更に二十七名にするというような案でございます。実際において非常に人を減らすというのでありますが、果してこれで以て水産統計の万全を期し得るかどうか、私ども心配をいたしておりますが、これに対する農林大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  16. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 統計調査制度の問題については、私も非常にこれを重視いたしまして、農業政策推進一つ羅針盤としてこの制度の存置を強く主張して参つたのでありまするが、この問題は後ほど各方面から御審議を願えると思いますが、特に御指摘水産統計につきましても、これは従来御指摘のように、殆んど各魚市場における報告を聞いただけでありまして、非常に不完備であります。先般農業統計調査事務国家事務として、これを取上げて整備したのでありますが、これによつて事務関係も慣れて参りましたし、又一面においては我々としては、できるだけ各漁港に一人ぐらい置きたいという気持ちでございますけれども国家全体の経済力等におきまして、最小限度の人を以て農業政策を樹立するに足る程度限度において満足しなければならぬ止むなき立場に至りまして、この程度を以て万全を期したいと考えておる次第であります。
  17. 木下辰雄

    木下辰雄君 私どもは、水産行政は非常に貧弱でありまして、これは自由党政策でも水産行政機構拡大強化ということを政策に謳つておられる。それでそういう面において私ども水産省を設置してまでも、この国際的重要産業改良発達を図りたいというので、現在水産省設置法案を提出している次第であります。これは自由党も、社会党も、民主党も過半大多数が賛成せられて提出せられておるのであります。現在の水産庁の今度の整理するというところの数字を見ましても、食糧庁には一万五千余人、林野庁は二万一千四百人余、而も水産庁には僅かに千二百五十九人、こういう将来最も発達すべき水産業であり、国際的の産業である水産業に対して、現在僅かに千四百十人しかおりませんのを、更に減してこの水産行政を全うし得るか。それについては私ども非常に杞憂し、且つ遺憾に思つておる次第であります。只今農林大臣の御説明によりますと、人員を減して、最小限度人員を以て何とかやつて行きたいと言われておりますし、橋本大臣は、講和後における日本財政と睨み合せて、できるだけ人員を縮小して行くというような御決心のようでありますが、只今の私の質問に対して、例えば漁業協定後における人員とか、或いは有明湾漁業調整事務局における人員とか、そういうものは一つも計上してありません。そういうことを私ども考えますと、今後の水産行政が甚しく衰頽を来すであろうと存じまして、私どもこれに対しては修正の案をこの委員会にお願いいたしたいということを保留いたしまして、質問を終ります。
  18. 松浦清一

    松浦清一君 議事進行について…。今伺つたのですが、何か委員長だけの質問に限定するというような打合せで連合委員会を開かれたということになつておりますが、そういうことになつておりますか。
  19. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 委員長からお答えいたします。本日は農林水産内閣委員会連合委員会であつて、それで議事を都合よく進行するために水産委員長と、それから農林委員長と打合せまして、そうしてどういうふうに発言するかということをきめたのであります。その際に木下水産委員長水産委員会を代表して委員長一人で御質問なさるということで、それを私も了承いたしまして、このことを農林委員長にも申上げておるので、従いまして水産委員会としては一応これで水産委員会の質疑が済んだものと、かように考えておるわけであります。そういう経緯でありますから御了承を願います。
  20. 松浦清一

    松浦清一君 それでは大体意味がわかりましたから各委員長が発言をされたあとで、時間的な関係等を考慮して、あと意見を申述べたいと思います。
  21. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それは承知いたしました。
  22. 羽生三七

    羽生三七君 私のほうの農林委員会は、私が別に代表して質問するというわけではございませんので、各委員の御質問があつたあと、必要があれば私も発言さして頂きます。
  23. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 羽生君に申上げます。只今私が発言いたしました通り農林委員長農林委員会を代表して御発言なさるというだけに限つた言葉を申したのではありませんから、その御心配は要りません。
  24. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 政府意図する行政整理には、又人員整理には賛成するものであります。殊にこの立案に当つての御苦心、努力に対しては少からず敬意を表するものであります。併しなから生産に携る観点から見まして、若しその生産支障を来し、不安を招くようなことがありとしたならば、大いに考えなければならないと信ずるものであります。殊に農林省関係について見ますれば、相当量整理が行われるように提案されております。目下の食糧事情から見まして、これらの不安を取除くことができる確信があるかということを先ず前提としてお尋ねいたします。  申すまでもなく戰後の日本の人口は一千三百万以上も増加し、飜つて台湾朝鮮失つた今日に至つては、これらの地方から米の輸入は到底望まれないということも御承知の通りであります。内地の農家の協力によつて供出をみると同時に、外国からの輸入に依存をいたしまして、今日の国民生活の安定を図らなければならないことは、これ又論を待たないところでありますが、然るに今年の秋落ち、悪天候、電力不足等あらゆる惡條件を控えましたこの際において人員を多数整理いたしまして、これらの不安の中において果して二千五百五十万石の供出完納ができますかどうか、この確信がありますかどうかということを先ず以て行政管理庁長官並びに農林大臣にお尋ねいたします。私をして率直に申しますならば、角を矯めて牛を殺すというような惡結果を招くように虞れるのでありまして、これに対する先ず明快なる答弁をお願いいたします。
  25. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 御指摘通り今回の行政整理に当りまして農林関係、特に食糧庁並びに統計調査関係職員整理が非常に多いことは御指摘通りであります。而もこれが今回の供出と相からみまして相当に困難を感じていることは事実でございます。併し幸いに出先機関におきましても非常に自重して頂きまして、今このために大きな支障を来たしてはいないのでございます。昨日も全国の食糧事務所長が会同しておりまして、よく事情も聞き、政府立場説明いたしましたところ、非常に暗い気持は持つておるけれども現在職務には邁進しておるという状況を聞きました。今後更に万全の施策を講じまして本年の供出には万遺憾なからしむるつもりでおります。(「八百長じや駄目だ、本気でやらなきや駄目だ」と呼ぶ者あり、笑声)
  26. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 現政府方針として農業近代化を図り、自給度を高めて国内一割増産に力を入れつつあります際において、何といたしましても的確なる調査、確実なる統計によつてこそ初めてその基礎ができ上ると信ずる。然るにこの人員整理して日本農村におけるところの計画生産目標が達成自立できるところの確信があるかどうか。又私をして言わしむれば、折角日本農業におけるところの町村まで的確なるところの調査が進められる際において、この少い人員を以ちまして現在の一割増産目標はなかなか達成できないというようなふうに考えられますが、農林大臣及び長官においてはこれが確信が持てるかどうか、この点を一つ先ずお尋ねいたします。  次に日本農業も戰後着々としていわゆる平和農業になりつつある際に、統計調査農産物の品質の向上を図るには、検査制度の確立、改善によつて初めてこれが達成できる。農相は、只今地方出先機関においても、着々政府意図協力をして進められるから、必ず目的を達することができるというお答えがあつたが、人員整理ほど地方関係職員に対して不安を与えるものはない。日常の不安であれば、その仕事に対しての責任と、又実務遂行に当つて熱意が欠けて来る。熱意が欠けて来るときに、加うるにあらゆる惡條件があるという点から見まして、食糧供出の確保に先ず以て支障を来し、日本農業計画生産支障を来すということは、ひとしく農民を不安の中に陷らしめつつある。この際においてもつと我々に納得のできる数字的説明、又適切なるところの今後の農村経営に対する方針をこの際明示されたいと答弁を求むるものであります。
  27. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 統計調査農業政策樹立羅針盤であると共に、地方における産業計画の基本になつておる。然るに今回の整理案によりますれば、国としての一応の羅針盤を確立する程度のものはあるようだけれども町村別におけるところの統計正確度が殆んど落ちてしまう。従いまして計画生産並びに地方産業計画樹立面において如何なるものであろう、こういう御指摘でございました。我々も財政上余力がございますれば、さようにいたしたいと考えておるのでありますが、一面におきまして地方自治制度が漸次確立いたしておりまして、この地方庁或いは町村におきましても、漸次統計事務について研鑽を進められつつある次第でございます。従いまして政府機関としての統計調査関係方面において、この町村統計事務について御指導並びに御協力をいたしまして、地方みずからが自分の行政をするために必要なる業務に御指導申上げることによつて、その目的を達成することができるのではないか。なお又統計調査事務の正確を期するならば、実に厖大なる人員を要するのでありますが、又一面におきまして漸次これはその仕事が進むことによりまして、年々の誤差がなくなるのであります。従いまして調査基礎が確立して来ますというと、少数人間で合理的な運営ができるという部面もありまするので、諸般の事情を勘案いたしまして、政府案で現在の政府意図するところの政策樹立には遺憾なきものと考えておる次第でございます。
  28. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 行政管理庁長官は先ほどこの整理に対して予算裏付事務の内容を十分に検討して整理を行なつておるという答弁がありましたが、仮にこれを農林省関係にとるといたしますならば、米のみの一割増産ができれば六千万石といたしましても六百万石の増産ができる。六百万石の増産とすれば、四百億の現金がそこに生み出される。いわゆるこれを外国からの輸入食糧を六百万石減ずるということになれば、それだけ四百億以上の支払をせずに済む、こんなことは一目瞭然わかつているのでありまして、従つて国内農産物増産に当りまして、国内生産の増強を図るこそ、国民生活の安定であり、農村経営堅実化である。この意図に基いてすべての方針をお進めあると思いましたが、事実はこれに反するような結果が現われて来ておる。又農林大臣統計調査がすでにでき上つて、それぞれの計画ができて、少数人員において調査報告をすればそれで足りる段階に入つた、そういう御答弁がありましたが、統計調査は僅かに入つて二、三年で、まだ個々調査というようなこともできなければ、国土計画に基きまして、その地方地方におけるところの特産とその地方におけるところの耕土のあらゆる点からいつて、今後土地改良或いは灌漑或いは客土、あらゆる農村方面におけるところの今後の調査こそ日本農業をして堅実化するところの基礎となるものである。その段階に入つて漸く、物にたとえて言えば、坂に車を押上げかけて、そうしてもうこの程度で上つたから人員を減らしてしまう、而も残つたものが不十分であればこの車は逆に下つて来るということをいわざるを得ないのであります。今日の農林方面に対するところの行政整理は、こういうふうに言わざるを得ないのでありまして、この点に対しては十分に心得なければならんと私は思います。従つて長官にしても、農相にしても、いま一段、研究の要があると思うが、この不安を必ず取除ける確信があるというならば、確信があるというところの明快なる答弁を願いたいと思うのであります。
  29. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 御指摘増産によつて外貨並びに日本財政上の基礎を固めることができるというのは賛成でございます。その意味におきまして、諸般の施策を増産に集中すべきであるということについても従つて同感でございます。ところで先ほどの私のお答え申上げましたことにつきまして、統計調査事務は開始しましてから三年程度である。従つてまだ基礎が完全に確立したとはいえない。然るにもかかわらず、今この折角できかけた機構を縮小するという点について遺憾の意が示されたのでありますが、財政上の余裕がございますれば、私も更にこの統計調査仕事は漸次拡大したいと存じまするが、当面におきまして、実はこの統計調査機構国家の直属の機関としてできた理由のものは、戰後国内の政治情勢が混乱をいたしまして、従来地方庁においていろいろ作られておつたところの統計資料が非常に不確実になつている。而も供米制度と相からみまして、この統計数字地方的に非常に政治的な加工をされたために政策樹立基礎にならない。かような点からこれが関係方面の強い要請もありまして作つたのであります。然るところ漸次地方自治体も確立し、又この統計調査仕事も大体面積調査におきましては相当程度の確度を持つて参る。又雑穀、藷類その他のものを供出から除外したということによりまして、その方面における事務も大部分軽減して参つたのであります。勿論この統計調査仕事供出だけのためにできたのではございませんけれども、又こうした供出に関連したところの事務相当量がございますので、これらのものは国家で直接やらなくても、地方自治体において相当之れが把握できる、その程度でまだ満足すべき段階ではないが、かような観点からして今回の整理になつたのであります。理想から申せばもつと人員を殖やしまして、そうして万般の用に期したいということは理想としては私どもも同感でございます。
  30. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 只今農林大臣から検査事務について御答弁はなく、統計事務に対しての答弁がありましたが、供出から雑穀を外す、その他すべての枠を外すか、外さないかは政府が愼重に考えているのでございますが、日本農業の実情から申しまして、将来農産物の品質の向上と増産を図る上から申しまして、今年農産物検査方の動員を計画し、政府みずから施行されている。この関係から申しまして、検査の確実、堅実化をしなければならない段階にある。今統制事務にも地方自治が相当強化されて自主性を持たれましたから、これらに移しても差支えないというような御意図があるように承わりましたが、むしろ検査などは、地方が仮に種々なるところの政治事情を移せば、そこに検査の適確を失う。従つて検査は国営検査でなければならん。検査員を増員して将来の農産物増産向上を図る上において国営検査を断行しなければならん。又地方自治は、公共事業費、その他起債の枠を増額要求されておりますところの現段階において、検査とか、調査事務とかいうような煩雑な事務を担当するだけの財政的余裕かない。なんといつても、国家がこれを賄わなければならない段階はここ数年は継続しなければならない。理想としては、農林管は統計調査をますます強化しなければならない。又国営検査も強力に断行しなければならないが、事情止むを得ないというが、事情止むを得ないところを乘切つてこそ、そこに農村の安定化と、国民生活の安定化が生れることになるのでありまして、勇気を持つて、又全国民のために非常な熱意を持つてこれを断行しなければならん、私はかように確信するものである。よつて検査事務に対しても、国営検査を断行するの決意ありや否やということを明確に答弁されたい。
  31. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 只今池田さんの御質問は、統計調査でありましたので、統計調査について申上げたのであります。検査についてはまだ申上げておりません。統計調査につきましても、これは全部を地方に委讓するという考えは全然持つておりません。ただ国家機関として補助すべき仕事と、地方自治体が地方行政のために必要なものとがおのずからありまするので、従来はその方面における地方自治体の力がなかつたのであるが、実はこの統計調査がすべて地方自治体を使つておるという関係があつたのでありまして、地方自治体の充実に伴い、地方自治体自身の使うところの統計をみずからの手によつてこれが確立され、又確立させて頂きたい、かように思つておることを申上げただけであります。検査事務につきましては、御指摘通り一部にはこれは戰前のように県営検査にすべきであるという意見もあるのでありますが、私は池田さん御指摘のように、これは国営検査で貫くべきものである、かように信じております。而してこの人員整理は非常に大幅なのでありまして、私もこの点については更に検討を加え、苦慮をいたしたのでありますが、諸般の情勢を考えまして、特に統制を撤廃するという御意見の下に……、これには異論のあるところでございます。恐らく統制を撤廃いたしましても、検査事務には全然変りのないという御意見も有力でございます。現在検査員検査事務だけでなく、実は供出の督励或いは供出支払金との関連におきまして、相当量事務係を持つておりますので、そういう点をも勘案いたしまして、今回の整理案になつた次第でございます。
  32. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 合同委員会のために多数の質疑者があることと思いますので、なるたけ端的にお伺いいたしたいと思いますが、先ず行政管理庁長官にお尋ねをしたいのであります。今度の行政整理に対しまして、農林省関係は非常は重い減員の率をお出しになつておるが、これはどういうわけでそういうことをするのか。即ちほかの各省の数字を見ますと、農林省が一番重い荷であります。そこで食糧統制を撤廃をするということになりまして、その案をお進めになつておりましたが、当分延期のためにそれに対する人員は最初整理しようと思つておりましても復活するのが当然でありますが、そのほかに他に減員を計画いたしておりますが、どういうわけで農林省のみにそういうことをされたか、一応お聞きしたい。
  33. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 御覧になつて頂けばわかりますように、農林省のみにやつておるのではございません。総理府から申しましても、或いは経済調査庁のごとき農林省よりも高い率でもございますし、統制関係の問題といたしましては経済調査庁、通産省、農林省といつたようなところはずつと一連の関係がございまするが、減員に対する率から申しまするとたしか通産省のほうなどは農林省に比べて高く相成つてつたと思います。たまたま今回の行政整理政令諮問委員会の答申案を参考といたしまして、その精神に従つて国の各般の事務を仕分けをいたしまして、その事務整理簡素化に伴つて整理をするということに相成つたわけであります。たまたま主食の統制撤廃は政府の組閣以来いろいろ検討いたして参つた問題でございます。主食の統制撤廃をやるという建前で、これはいろいろな関係で今日定員法を起案いたしました頃と様子の変つておりますることは御承知の通りでございまするが、そういつたふうな仕事関係からして、事務関係からして人をどうこうするというふうに相成つたわけでございまして、單に農林省だけを重くするということはございません。
  34. 三好始

    三好始君 ちよつと議事進行について……。定員法の一部を改正する法律案は衆議院で修正されてこちらへ参つておりますが、修正は農林省に関するものが大部分のように了解いたしております。その内容をまだ御説明承わつておりませんので、審議を進めるに当りましてどの部分がどういうふうに修正されたか、一応政府提出資料について御説明を承わつてから質疑を続行して頂きたいと思うのであります。
  35. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今管理長官農林省だから別に重くしておらんというこういうお話でありますが、一つの例を申上げます。統計事務農林省だけではありません。農林省、労働、通産、厚生、大蔵、総理府統計とありますが、いずれを見ましても一〇%か一六、一番多くて大蔵省の二八台、それにもかかわらず農林省が四三・六というのは一体どういうわけですか。これを指して私は言うております。これは決して……、ほかの省と違いまして農林省だけこういう四三・六五、こういうことをしなければならなかつたかということを主にしてお伺いしております。
  36. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 衆議院の修正の内容は次長のほうから数字的に御説明申上げることにいたします。統計関係の問題につきましては、これも先ほどから毎々申上げましたように、機械的に全体をなんぼどうするというふうなことでなしに、仕事の内容に応じてやつたわけであります。これは御意見はいろいろおありであろうと思いまするが、農林省の統計調査事務所は、御承知のように戰後供出を正確にさせまするために府県の統計といつたものは信用ができない、直轄の統計調査員がなければならないというので、いわゆる作報を中心にして機構が拡大されたことは御承知の通りのことでございます。勿論今日財政的にも多々ますます弁ずで、幾ら金を出しても差支えないという時代でありまするならば、統計とか調査とかいうものほどこの省の統計調査といえども、これはもう物的設備においてもそれを動かす人的配置においても多いほうがいいにきまつたことでありまするが、仕事の内容を見ますると、農林大臣ともしばしば今まで相談をしたことでありまするが、統計調査事務の問題については何かこれを更に簡素化することができないか。で供出を二十七年度に入つてから取りやめるということでありまするならば、勿論食糧に関する統計も必要ではございまするが、供出制度をとつておりますときのように個人別の非常な正確さ、又町村別の正確さというものは、これは若干従来ほど重く見ないで、総体をつかみ得る方策に切替えることができないか。こういう観点からいたしまして供出の問題とからみまして農林省の統計調査事務人員整理を考えたわけであります。ほかの例えば厚生省でやつております人口衛生統計の問題でありまするとか、或いは労働省の労働統計の問題といつたようなものについては、そういつたような基礎になりまする事務の変化ということは一つもございませんので、これは一般的な能率の向上と、それからそれにかかつております庶務的な管理用員の整理、こういう面からだけ整理をいたしたのであります。
  37. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと待つて下さい。大野木行政管理庁次長
  38. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 先般衆議院で修正されました定員法の一部を改正する法律案の中で、農林省関係部分を申上げますと、第二條第一項の農林省の項のうち、一万五千二百四十二人とありますのを、二万三千二百三人に、つまり食糧庁の分でございます。合計、農林省の計五万八千五百十四人を六万六千四百七十五人に改めるということになります。それから附則の第三項を削るということになります。以上の通りでございます。
  39. 三好始

    三好始君 只今修正の数字の御説明だけ伺つたのでありますが、その趣旨の御説明をお聞きいたしたいと思います。
  40. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 私から御説明を申上げます。先般衆議院のほうに提出をいたしました原案に関しましては、これもしばしば御説明申し上げたところでございまするが、主食の統制撤廃に関する問題がまだ経済科学局のほうと完全に話がまとまつておりませんでした。定員法の提案を審議する関係経済科学局と話がまとまつておりませんでした部分、即ち米の統制撤廃が来年の四月一日以前に行われなかつた場合には、七千九百六十一名食管の定員を殖やすことができるという規定をつけて提案をいたしたのでありまするが、その後関係方面との交渉過程におきまして、定員法を出すときに懸案になつておりましたこの問題については、四月一日以降も米についての統制を続ける、米の配給を続けるということに相成りましたので、この附則の第三項というのは、早くはつきりきまりましたので、本文のほうに入れて、米穀の配給に関する人員として予定された七千九百六十一人を本文のほうに入れたのでございます。  それからこれは実はその当時定員法関係方面と折衝いたしまして、この附則の第三項をつけましたときに、どうせこれはそのうち早くきめるということで一応この食管一般定員だけを書きましたのです。附則にはこれは四月一日以降米の配給が続くということに相成りますると、この食管の関係の定員のほかに、運輸省におきまする船用米の配給事務及び労働省におきまする労務加配米の配給の仕事が残りまするので、この労働、運輸両省の加配米、船用米の仕事に従事しておりまする職員のうちで一般的な能率の改善をいたしまするもの、それからそういつたような部分整理をいたしまして、大体これは百%落すつもりであつたわけでありますが、七割五分ばかりを復活して運輸省及び労働省の本来の定員の分に加えたものであります。
  41. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 統計調査の例を申上げましたところがそれに御説明がありましたが、これは一つの例を申上げておりまするが、統計調査農林大臣行政管理庁長官も非常に軽くお考えになつている。それから農林大臣にお聞きいたしまするが、一体日本農林統計というものは、何もこれというものがないために非常にさ迷つた形で参りましたので、これではならんというので、何かの方法で農林統計をやらなければならんというので、最初のその調査員の名のつけ方が非常に妥当でなかつたがために、食糧統制によつて生れたような形になつておりますが、政府そのものもそう考えておられる。統計調査が始まつた時分の田畑耕地の総面積と今日の総面積は殆んど九州がそつくりなくなつたというような形になるようなことになつておりますが、これでは大事な日本農林行政は絶対に不可能であります。今までそういつたような農林行政を軽く見たものですから、かような結果になつたのでありまして、私は先般の休会中の農林委員会で、農林大臣が食糧の統制撤廃をやりたいというお話がありましたから、おやめなさい、なぜそういうことをするのかと言つておりましたが、その通りであります。だからそういうふうに軽く農業を見ておるからかような結果になつたのだ。この行政管理庁長官がお示しになりましたその案を、農林大臣は勿論このまま呑んでおるが、こんなことを呑むような弱いところがあるから、すべて農林行政か弱いのだ。現在今の政府のやり方は余りに思い上り過ぎておる。野党攻勢が弱いからだ。始終行詰りを生じておる、今の醜態はどうです。人員整理にしろ主食統制の撤廃にしろ、これは野党攻勢が弱いからだ。併しながら農業そのものに対しては我々は自分のことでありますから、ここで決して農林大臣をやかましく言いたくはない。併し言わなければわからない。こんなことを押付けられて、そうでございますかと……。そこで先ほど池田さんに対する御答弁を聞きますと、さも、例えば統計調査などは止むを得ずこうあるべきだ、予算に余裕があればやりたいのですと言う。折角できかけたのであるから、今打切りますと、県の段階でできたものを集計するに過ぎない。こんなことならいつでもできます。それでは安心ができんと思います。若し県の段階でやることが承知するならば、私は米の割当で二日も三日ももむ必要はないと思う。併しそうじやないのですよ。それがためにとやかく言つておりますが、これではいかん。農林大臣は断然職場を切つてでも農業のために、農民のために、国のために、八千三百万の国民のために、農林行政はかくあるべきだと職場を切つてやる意思がないから、こんなことになつてしまつたのだ。殊に大事な検査事務のごときは五〇%、何を一体するのですか。現在の人員では若し食糧が撤廃になれば増員しなければならない現状です。そこで五〇%切つて何で検査ができますか。それでもこの表を出して平気で出席しておる。どうしてこんなことを考えるのですか。こんな弱いことをなぜ引受けたのか一応聞きたいと思います。
  42. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 統計調査の問題についてのお答えは、先ほど池田さんにお答えした通りです、なお行政管理庁において作られた原案をなぜそのまま呑んだかということでありますが、これは考え方が実は多少行政管理庁と私は違つておりました。最初は五百名残しまして、あと地方自治体における統計を中央において修正するというのが行政管理庁の案であります。先ほど申上げましたように、私どもといたしましては統計調査農業政策羅針盤であり、従つて指摘のように地方調査を集計するだけでは万全ではない。従いましてサンプル・システムに基くところの統計調査方式は堅持すべきである。併しながら他面におきまして先ほど申しましたごとく、作報事務が実は供出制度と密接に関連しておりましたので、この点の合理化並に縮少してやり得る、こういう前提で今回の四三・六三%の減員となつたのでございます。なお検査事務につきましては御指摘のように非常に大事な仕事でございます。これにつきましてもいろいろ意見がありまして、地方に委讓してもいいのではないか、戰前における制度にいたしていいではないかという御議論がありましたけれども農林省の立場として私は国営検査を実施すべきである。かような観点に立ちましたが、併しなから先ほど池田さんの御質問に対してお答えしたような理由によりまして、最少限度人間を持つて政府の必要とする行政事務についてなし得る限度というものを考えたわけであります。なお、検査事務につきましては、定員を作るに当りましていろいろの前提條件があると存じます。供出の最盛期における條件を完全に具備するという場合におきましては、現定員のような人員が必要でありますが、年間を通じまするというと、これは相当繁閑の差があるのであります。一番少いときの條件をとつたのではこれは到底仕事はできません。中庸の点をとりまして、而も最盛期におきましては臨時傭員を用いることによりまして、予算措置によつてこれは相当カバーできる。こういう点をも考慮いたしまして今回の政府案となつた次第でございます。
  43. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 早くやめたいのでありますが、どうも答弁が甚だ腑に落ちんもんですからやめられませんが、統計調査事務は、供出に非常に関連があつたというお話であります。私は今食糧の統制を撤廃いたしませんでも、自由党政府の続く限り、早い機会に又そういうことを出すと思います。そこで割当をして供出をし、若し出さなければ法律によつて供出させるような制度のうちは統計調査も多少古くても事が足りるかと思います。これが自由になつて日本国内生産したもので、食糧が足りるなればそれはそれでよろしいのでありまするが、他からありもせん金で輸入をいたしまするのには、需給調整を考えなければならん。それは統計数字によつて需給調整を考えなければならん事態が来ると思います。そのときに、何やらわからんような県段階に集つた数字を基にしても、日本のドルのない国で食糧輸入目標は立ちません。若し立つたとしても、数字の点でいろいろな騒ぎが起きて困ると思いますが、この統計調査をうんと進めて、そうして需給をしつかり握つて供出こそしないが。必ず生産はできておるという確信を持つのには、この統計調査がなければなりません。これが即ち日本の食糧の需給の羅針盤にならなければならんと思います。それを用いることもなく、県段階に任せてよろしうございますというような、そんな弱いことで八千三百万の国民を安心させて行こうとするところに今の政府のごまかしがある。そんなことはいけません。敢然としてこれを払拭して、今まで以上に先ず四、五年のうちは調査をして、完全になればその人員は減す場合もありましようが、先ず暫くそういうお考えはやめて、食糧が需給の度合が十分にわかりますような手足を持つてつてこそ、統制撤廃をしても、先ずどうにかやれるかと思いますが、若しこれがこのままで参りますると、絶対に食糧の需給調整を図る羅針盤はなくなると思います。それでもいい、そういうことを言うことは甚だいかんのでありますから、これは絶対になくしてもらうことを主張します。  それから検査員のことでありますが、今のお話は私実は出身地が北海道であります。北海道の実情を見ますると、今、国会議員になつてからこれほど陳情、請願の来たことはありません。実に厄介で困つておる。それほど地方から言うて来ております。その検査員の問題は非常な大きな問題になつております。今大臣のおつしやいますような閑散時期があるからこの数字でもつてよろしい、あとは臨時の雇いでもよろしい。こうおつしやつておりますが、統制をして政府が買上げまする時分には、多少等級がにぶくても強くてもそれで通つております。今度は自由になりまして、銘柄等級によつて売買をいたします買う人は、その銘柄等級によつて売買をするため今までより以上、そんな臨時雇のわけもわからんものではいかんのであります。今おりまする検査員はいろいろな方法によつて質の向上を図り、立派な検査員にして初めてその検査を行う、国の検査をするということが言えるのでありまして、今のお話のようなことは全く違うのであります。これも断然そういう段階をやめてもらいまして、立派ないい筋の検査員を置くことにしておく。私どもこれに努めて参りまするから、そのおつもりでおつてもらいたいと思います。  私ばかり質問してもいけませんからこれでやめます。どうぞ大臣も長官もそのおつもりで、農林省に対しまする甚だしい減員は絶対まかりなりませんのでそのおつもりでお考えを願います。
  44. 松浦清一

    松浦清一君 議事進行についてですが、先ほど私が質問を保留しておつたのは、大体水産農林の各委員長が総括的な質問をされて、そうしてそのあとで各委員が補足的な質問をされる、こういうふうに議事を進行すれば非常にいい、こういうふうに考えて、農林委員長質問されるならば、その余の時間で質問さして頂きたい、こういうことで保留しておつたのです。委員長外のかたが質問されるならば、水産関係の私も一人ですから簡單にそう妨害にならないように質問いたしますからお許しを願いたいと思います。
  45. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 松浦君に申上げます。先刻木下水産委員長と相談しました結果は、木下委員長だけ質問するということで農林委員会との連絡がついたのであります。そうして農林委員長は自分は質問するかも知れないが、する場合があるが、併し議員諸君から先ず質疑があるだろうということを言うて……。
  46. 松浦清一

    松浦清一君 そう言つている間に済む質問なんですよ。
  47. 河井彌八

    委員長河井彌八君) そういう関係ですから、今のことに関連したことが、水産が特にここに入るというなら又今日ずつとありますからそのあとにお願いします。そういうことをさつき決定して申上げたのでありますが、これで御了承願いたいと思います。
  48. 江田三郎

    江田三郎君 一人ですから許したらどうですか。
  49. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは農林委員の諸君がよろしければそういたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 松浦清一

    松浦清一君 よろしうございますか。
  51. 河井彌八

    委員長河井彌八君) よろしうございます。
  52. 松浦清一

    松浦清一君 水産よりその他の農林関係のかたがいろいろ量が多いのですから、余り邪魔にならんようにささやかにやります。水産庁関係で大体木下委員長が総括的な質問をされたのですが、数は誠に細かい。現在定員は千四百十名の中で、百五十一名を減員されるというのですからささやかなことなんですが、ただ問題は日本の将来の水産業についての政府の見解と若干私の見解を異にしておるんです。具体的な問題について若干の質問をいたしたいと思います。お答え橋本国務大臣でも根本農林大臣でもどちらでも結構ですが、御都合のいいかたが御答弁を願いたいと思います。  先ず第一番に遠洋沖合漁業取締関係で現在の百三十名の定員を十名減員するということなんですが、現在御承知の通り日本とアメリカ、カナダで漁業協定の交渉が行われておる最中であります。この問題についての日本政府の考え方について私は過般本会議に緊急質問をいたしたのでありますが、その際に総理大臣の御答弁になつたのは、将来の世界の水産業というものはやはり資源の枯渇しない方法を考えながら最大の漁獲をする必要があるので、今度の協定は公海自由の操業を基本線として話は進められているのであるけれども、やはり資源の保護という問題を中心にして、具体的には日本が余り外国の侵略漁業をやらない、小さい魚を獲らない、水産資源の枯渇しないような方法においてこの協定が結ばれるんだ、こういう御答弁を伺つたわけなんです。そういうことになりますと、一方又飜つて講和條約が発効いたしますというと、マツカーサー・ラインというものは解消されて、日本の遠洋沖合漁業というものはまずまず拡張して行くものと想像しなければなりません。将来この今の漁業協定がどういう形において成立するか知りませんけれども、それが成立をして、マツカーサー・ラインが解消されるということになれば、これは必然的に日本漁業というものは広く海洋に拡大して行くわけなんです。だんだんと拡大して行くということが目前に予想され、又目前に約束されようとしているときに、遠洋沖合漁業の取締の人員を減員するという理由が私にはわからんわけです。  もう一つは、東支那海或いは黄海方面において、しきりに以西底曳の漁船が拿捕され、中共、それからその他の国々に拿捕されておる。こういうものを一体どうして保護するんだ。現在できている日米安全保障條約の中で、行政協定等行う場合に、これを保護する方策というものが行政協定の中に含まれて行われるということをお考えになつているか。こういうような点について農林大臣に御質問申上げたところが、それは目下のところ考えておりませんので、具体的になつておらないが、取締船を殖やす等の関係において、十分に日本の拿捕されて行く漁船を保護して行きたい、守つて行きたい、こういうことを御答弁になつておるわけです。ところがそういう御答弁のあつたにかかわらず、漁船の取締関係の船に乘つておりまする船員が、百八十二名が十九名、十九名と言えば五、六百トンの取締船一隻に乘込んでおる総人員である。一方において拡大をして行かなければならん、増強して行かなければならんということをお考えになつておりながら、これらの船員、乘組員を減員する。又本庁関係においては拡大されて行く漁場に対する取締り、或いは保護等をしなければならんということが明らかになつておるのに、これらの関係で減員をされようという御趣旨が納得行きませんので、先ず一点御答弁を願いたい。
  53. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 講和條約発効後、遠洋沖合漁業が発展して行くということは、当然私もそうあるべきだと思います。これに従いまして監視人員が殖えなければならない。然るにそれが減つておるということについて御質疑がありましたが、これは先ほど答弁申上げた通りに物的施設と、更には人員の配置の合理化によつてその目的を達成したいと考えておるわけです。  なお東支那海における拿捕の問題と関連しまして取締りの強化ということも必要でありまするが、これは主として海上保安庁におけるところの仕事と相合体してやりたいと存じておるのであります。この方面におきましては、相当施設も人員も強化されておりますので、監視船というよりもむしろ保護の点が重点であろうと思いまするので、その点については海上保安庁における物的並びに人的強化によつてその目的を達成するように努力したい、かように思います。
  54. 松浦清一

    松浦清一君 東支那海方面における漁船の保護については、海上保安庁のほうの保護船といいますか、監視船というものをそれを増強することによつていいと、こういうことなのですが、それでは先に農林大臣が御答弁になつた農林管の立場からもやはり監視船、保護船等を増強して行くつもりである、こういうふうにお答えになつたと私は了承しておるのですが、そこに食い違いはございませんか。それからもう一点、遠洋沖合漁業の支那海方面のことは別問題として、やはり今度の漁業協定が成立すれば、日本漁業というものは拡大されて行くことは必然的なことである。それに対する取締りの関係人員が減少されるということは、足れりというわけでしようか。
  55. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先般答弁したことと私は食い違つてないと存じます。監視船の増強につきましては、今度の補正予算におきましても、五ポイント政策の一環といたしまして、従来は殆んどこの新造がなかつたのでありまするか、二、三隻の新造を予算的にも、これは計上しておるのみならず、更に傭船によりまして監視船を増強しているわけでございます。なお今後漁業協定の後、若し日本遠洋漁業が漸次増強するようになりますれば、それに伴いまする措置は当然これはなさなければならんと思いまするが、目下のところは大体現在の定員を合理的に配置することによつて、おおむねその目的を達成することができると考えておりまするが、漸次この問題が進展して参りまして、必要があればこれ又我々は増員を要求するつもりでございます。
  56. 松浦清一

    松浦清一君 その点はわかりました。まあ三隻の監視船を新造する予定であると、こういうことなんですが、若し三隻の監視船を新建造すれば、これに対する乘組員、五十数名というものがすぐ要るわけです。この定員法が制定されましても、それができれば増員するという御用意があるわけですね。
  57. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは現在の人員を合理的配置によつていたしまして、それでもなお足りない場合に増員措置をとりたいと思つております。
  58. 松浦清一

    松浦清一君 細かいことでくどいようですが、あなたは船というものを御存じない。一隻の乘組員以上には乘つていない。これは船が殖えればそれだけの乘組員を増員しなければ、船というものは動かない。十八人乘つて船を動かしておるということは、十六人で運航ができるのを二人余計乘せているということではない。十八人乘つているのは十八人が要るのです。三隻船が殖えれば三倍の五十四人要るのですよ。それを一方で計画しておりながら帳面の上だけで減員して行くという行政整理のやり方、減員のやり方、こればかりでないでしようが、一律に帳面の上で何%人を減すのだという考え方が機械的であつていけない。これは議論になりますからやめますが、船を殖やせば人が殖えることは当然なんですから、漁業制度の改革の問題についても八十七名の定員のところ十六名減員されようとしている。漁業制度の改革というものは、これはあなたに申上げることは釈迦に説法ですから理由を申上げませんが、漁業制度の改革というものは完了していないわけです。本年度下半期から実施されて現在漸くその準備が完了しただけなのです。この実際に漁業制度を本当に改革して、農地制度のようにきつぱりと改革して、それが現に改革された漁業というものが、その方針通り行われておるのかどうかということをこれはやはり監視、指導監督をする必要があるわけです。これは逆にますます人員を増強する必要があるにかかわらずここでも十六名の減員をしようとしている。簡素化して能率を上げようと言われるが、ますます人が増大して行かなければならんところへ、それを簡素化する、能率化するということはどういうふうにすればいいわけですか。労働基準法その他の法令があつて、夜通しやらせるというわけには行かないのですが、どういうふうに能率化するのかその点。
  59. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは能率増進するということでありまするが、具体的に個々の問題について申上げる私は今資料を持つておりませんので、全体につきましていずれの官庁におきましても能率増進ということはできるのであります。それはおのおのの状況によつて違うことと存じまするけれども、一体この職員の数というものの見方でございますが、あらゆる場合において事務的な満足だけを考えて見ますれば非常に多くの人員がいるだろうと思います。併しこれはやはり国家全体の財政上の立場をも考慮して、そうしておのずからそこに事務的な要求と同時に、又国家的な要求との総合したところの定員というものがきまると存じますので、これはいろいろの意見の相違は出て来ると存じますけれども、全体といたしまして戰前に比べますと、日本の国土並びに経済規模が小さくなつているにもかかわらず二倍、三倍というようなこの人員では到底今後の日本の自立経済確立のためには適当ではない、こういう観点から能率増進簡素化によつて最小限度人員を以て国家行政事務運営するのが、これは当然のことであると我々は考えております。
  60. 松浦清一

    松浦清一君 その考え方については、これは基本的な問題になるのであつて、今まで結局役人は遊んでおつた、そういうことになるので、やはり国家財政と国費を以て支払うべき振合いというものを考えて行かなければならないということは誰でもわかつている。これは討論になりますから討論の際に言うべきであつて質問しませんが、考え方、それが根本的に違うわけです。もう一つ水産業協同組合法というものを改正して、全国に四千五百もある組合の業務及び会計状況というものを毎年一回ずつ省令として検査しなければならん、こういうふうに今までの法律が改正されて、四千五百もある協同組合の会計や事業、業務の状態というものを検査しなければならんということに、一方においてしておいて、そうしてここに二十一人しかいない者を三人減して十八人、これは非常に多い。これは又どういうわけですか。(笑声)
  61. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは中央における定員は、御承知のように企画並びに立案ということが主たる事務でございます。監督の面もございます。で実際の仕事地方庁においてこれを実施いたしておりまするので、対象はたくさんございまするけれども行政事務簡素化によつてその程度のことはやり得ると、かように考えております。(「実にでたらめだ」と呼ぶ者あり)
  62. 松浦清一

    松浦清一君 余り水産のことを言うと、農林委員におこられるからやめますけれども、ともかくもこの水産関係は、水産省設置をしなければならんと考えるほど重要な問題であることは、これはもう両大臣ともお認めであろうと思います。水産省設置法というものができて、参議院全体を通つたわけではないが、水産委員会を通つて、また継続審議中にあるわけなんです。それほど必要だということは、ただ役所を殖やすということだけでなしに、日本の将来の食糧関係、或いは経済自立化関係、蛋白資源の給源をあらゆる海域に求めて行かなければ、日本の自立はできないという観点から、水産省設置というものを我々要望しておつたわけなんです。それが逆に今度は大量の、総体数から言えば大量の減員をされるという政府意図に対しては了解しかねる点があるので、只今答弁を承わりましたけれども、成るほどと感心のできるような答弁ではございません。だから意見は保留しておきます。まだ質問したい点もございます。併しながら農林関係の世帶の大きいほうに一つお讓りをして、今日はこれくらいでやめておきます。
  63. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 今回の行政整理は、特に基礎産業であります農林関係に過重であるということは、誠に遺憾に存ずる次第でございます。二、三御質問申上げたいと存じますが、先ず第一に統計事務関係でございますが、これは米麦の統制撤廃を前提として整理を立案されたということでございますが、それは如何でございますか。
  64. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) その通りであります。
  65. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 然らば統制撤廃が廃止になりましても、何らそれを勘案することなく、当初の目的通りに進むつもりでございますか。
  66. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先ほど衆議院において修正されたということは、政府もこれを了承しておりますので、これは附則が変わつただけでございまするが、附則におきましては、四月一日から統制を撤廃するという前提でなつたのでありますが、今回は諸般の事情によつてこれが四月一日から実行できなくなりましたので、その点が修正されたのでございまして、それは我々もすでに了解しておるところでございます。
  67. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 そこであれほど大騒ぎをしました米の統制撤廃も遂に中止にになつたのですが、今度若しも政府が予定しております来年になりましてから、統制撤廃ができないという事情に立至りました場合に、その方面統計がなくて的確な割当供出というものはできるお見込みでございますか、如何でございますか。
  68. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 統計調査仕事につきましては、先ほど御説明した通りでございますが、統制撤廃ができないという場合においても、現在の定員においてこれをなし得るかということの御質問のようでありますが、その際には若干考慮しなければならん点も出て来ると思いますが、これは先ほども説明申上げましたように、町村單位、個人別は若干確度が落ちますが、県單位並びに郡單位についてはこれはなし得るのでございます。従いまして、若干の確度の差は出て来ると思いますけれども、この定員においてなし得ないというような考えは持つておりません。
  69. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 只今農林大臣お答えでございますが、この割当の調査なんというものは、そのときになりましてからは早速にできるものではないのでありまして、以前から状況を調査し、的確なる資料に基きまして割当をするということに妥当性があるわけでございまして、若し予定の期日に統制撤廃ができないという場合に、非常に混乱を来たすのではなかろうかと思うのでございます。そういう意味におきましては、やはりそういうことを予想されまして、この統計調査のほうの充実を図るということが非常に必要ではないかと思うのでございますが、その点はどうお考えでございますか。
  70. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは先ほどもお答えいたしましたように、供出の問題とは関連しておりますけれども農業統計調査は、供出のためだけの問題ではないのでございます。その意味におきまして、只今説明申上げましたように、個人別の調査は確度が落ちて来ますけれども供出の実際の末端割当は府県知事がこれを実施いたしておるのでございます。  そういう観点からいたしまして、従来は農業統計調査報告だけを基礎にしたというので、いろいろ議論がありまするので、今後は農業統計調査資料だけにとどめず、府県の統計調査をも勘案するということになりまするので、その点においては支障はないものと考えております。
  71. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 勿論、統計調査仕事は、ただ單に供出問題ばかりではないということは同感でございまして、水産、或いは養蚕、林産、畜産、農家統治或いはアウトルツクというような基本的の調査をやらなければならんのでありまして、全く日本農業計画の基盤をなすものだと思うのでございます。今までの日本農業というものもやはりこうした的確な統計の上に立つて計画されたのならば、また非常な進歩をしておるのだろうと思うのでございますが、今後、戰後における農業の基盤をなしておりまする、いわゆる指針をなしまするこういう統計調査につきましては、特に充実を期する必要があると思うのでございます。なお国際統計、サンフランシスコの宣言の調印によりまして、あの方面に更に国際間におきまして、非を受けるような統計を出さないように、この方面の更に拡充が必要だと思うのでございます。この統計調査のほうにつきましては、更に一段と御考慮をお願いしたいと思うのでございます。  次に農業方面の試験研究機関の問題でございますが、農業のこの試験の研究機関は、昭和二十五年におきまして、農事、園芸、茶業、試験場、畜産等のその筋によりましての総合整備が行われ、地域にはおのおの地域農業試験場というものができておるのでございますけれども、実際におきましてはただ名目的に総合されたというだけで、まだ本当の内容の拡充もできておりません。加うるにこの試験、研究機関におります技術者というものは、それぞれ特技を持つておるのでございまして、その人がおらなければ、その試験研究ができないというような場合が非常に多いのでございますが、それらも一律に今度整理をするというような案が立てられておるようでございますが、日本農業近代化も、又政府で常に口に言われておりますように、日本農業は今後は科学化しなければならん、合理化しなければならん、どこまでも科学に基礎を置かなければならんというようなことを再々言われておるようでございますが、そういうような見地から考慮いたしましても、やはりこの試験研究機関の整理ということにつきましては、一応特にお考えを願いたいと思うのでございますが、その点農林大臣はどういうように考えておられるか。
  72. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 御趣旨には全く賛成でございます。併しながらこれは総括的に申上げましたように、各方面における研究機関の充実は日本にとつて大事なことでございまするが、国費との関係から見て、講和後におきましては、援助資金も漸次減つて参りますし、或いは賠償問題は未だ明確にはなつておりませんけれども、いずれ賠償いたすといたしましても、その方面の経費もかかる、或いは治安関係の費用もかかる、而も一面においては、国民の税金の負担はこれ以上増額することはできないという観点に立ちますれば、総合的な国家経営の面からすれば、そのような過渡期におきましては、財政規模の縮小ということも又止むを得ないと思います。それと相勘案いたしまして、必要ではありまするけれども、これを整理をしなければならんという状況にも相成ると思います。国力の回復次第速かにこれらの充実を図りたいと存じておる次第であります。
  73. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私は先ず最初にこの定員法改正の手続の順序の点で御意見を拜聽したいわけでありますが、どうも今回の定員法の改正の手続から見て参りますると、本末が顛倒しておるという感じを持つておるのであります。それは二つの点から私は指摘できると思うのでありますが、要するに、旧憲法におきましては、官制だけで、刺令だけで各省の定員が制定できたわけでありますが、現在では定員法という法律で各省の定員をきめて行くことになつておるわけでありますが、そういう点から見て参りますると、先ず定員法の審議を先にやりまして、その決定するところに従つて予算を組むということでないと、どうも順序が逆ではないだろうか、予算がきまつてしまつてそのあと定員法を審議してもこれは順序が逆だという感じがするわけであります。これが第一点であります。  それからもう一つの点は、例えば或る法令の改廃を前提として、それが未定のままで、きまつたものとしてそれを定員法に組むということも又私は前後が逆である。具体的に言いますれば、問題の主食の統制撤廃の法案があとに出る、にもかかわらずそれがきまつたものとして食糧庁の定員を減らす、或いは石油の統制撤廃をする前提で人を切る、又競馬を民営に移すという前提で畜産局の定員を切る、こういうことはどうも順序が逆だという気がするわけであります。そういう二点から、私は先ず本件のほうをきめて行つてからあと定員法の審議をすべきだと思うのでありますが、その点につきまして橋本長官の御意見を拜聽いたしたい。
  74. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 今片柳委員からお話がございましたが、実は前々から何遍も御説明申上げたことでありまするが、一つ仕事事務の実体法とそれから定員法及び予算に三面の関係を持つわけであります。政府といたしましては、方針をきめて、それによつて定員は定員、実体は実体、予算予算で進めて参つておるわけであります。今回の行政整理に当りましても、政令諮問委員会の答申案を参考にいたしまして、あれは事務整理を基本にして人員整理を考えて行くということでありまして、そのラインでこの定員法の立案をいたしたわけであります。従来からでも、国会に提出をいたしまするときに、関連のものが一緒に並行して出る乃至は必ずしも揃わないで相前後して出る、これは止むを得ないことでありますが、特に今日なお占領下にありまするためにその手続が複雑になつているのは、御承知の通りであります。勿論これは事務の実体に基いて整理をいたすわけでありまするが、私は必ずしも先ず先に実体法をきめてそれが上つて、それから定員法を立案してそれが上つて、そうしてそれからあと予算を組むといえば、恐らく国会を異にするようなことになろうかと思います。私は並行して行つてもちつとも差支えないと思います。ただ勿論昨日も競馬法等についてお話がございましたけれども、実体関係の問題についてこの定員法国会で御了承願うということは、おのずからその中に例えば競馬につきましても、民営の具体案というものがどうなるか別として、民営にするということは了承するのだということでなければ定員法に総体的に御了承は得られないのは、これは止むを得ないことだと思います。ただ手続的な問題として必ずしも今片柳委員からお話のありましたような順序で一つ一つ決定をしてから次のものをきめて行くという必要はないと考えております。
  75. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうしますと、具体的なことで更にお伺いしたいと思いまするが、定員法が或いは否決をされた、或いは否決をされませんでも大幅な修正をされた、こうなりますると、その場合に予算との関係はどういうようなことになりまするか。
  76. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 予算との関係につきましては所管の大蔵大臣のほうから御答弁を申上げることにいたしたいと思います。
  77. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それでは次に移つて参りまするが今回の農林省の整理状態を見ますると、私も多年農林省におつた者でありまするが、併し公正に見て、どうしてもやはり非常な無理があるという実は感じを持つのであります。そこで私は今回の整理をする場合にこういう点を考えられましたかどうかお伺いしたいのでありまするが、第一には今日までの数次の行政整理で随分無理な整理を今日までやつて来ておりまするが、その今日までの過去の整理の沿革を今回の場合に相当見ておられるかどうか、これが第一点であります。  それから、それと関連いたしまして、只今三橋さんからもお話がありましたが、農林省の機構につきましては、関係方面の強い指示で、相当実は行政機構整理といいまするか、従つて人員整理も今日までやつておると思うのであります。その最もテイピカルなものは、三橋さんのおつしやられた農事試験場系統は、これは司令部の強い指示で実は中央地方を通じましての非常な体系を立てた整理をやつたわけであります。言いますれば国の試験場と府県の試験場とが同じ県内にあつてダブつた調査をやつておるというようなこともありますので、その意味で中央の試験場を廃止したところもありまするし、或いは府県の調査機関を整理したところもありまするが、ともかく中央地方を通じてダブツた調査がないように、又上から下まで体系がある調査ができるようなラインで中央の農業試験場、それからブロツクの試験場、その下に府県の試験場があるわけでありまして、重複を避けた非常に大きな整理をやつたわけであります。にもかかわらず、今回の整理で、更にこれを整理しておりますることは、これは私は過去のそういう事実を余り認識をしておらないのではないだろうかというふうに実は考えるのであります。更にもう一つの例は、畜産局の種畜牧場でありまして、これ又司令部の非常に強い実は指示の下に多数の牧場を整理をしてしまつたわけであります。にもかかわらず、更に今度天引の整理にかかるということは、随分無理をやつたのを理由なく更に切るというようなことになると思うのでありますが、こういう点につきまして、農林大臣はどういうふうなお考えを持つておられますか。
  78. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 農業関係のうち、特に試験場関係の数次に亘る機構の改革とも申すべき、それに伴うところの人員整理をしたことは承知いたしております。従来日本の畜産行政が、主として統合国家的な観念が非常に強いという観点からして、いわゆる馬を中心とするもの、或いは又そうしたところの軍事的な影響が残つておるということが一つの原因であるわけであります。又もう一つは、御指摘のように、日本の試験研究機関が雑然としておつた。体系的なものがなかつたということで整理したことは事実でございます。この点も勘案いたしましたが、更に先ほど総体的に申上げましたように、国家財政規模とも勘案いたしまして、政府としてはできるだけ簡素な姿で最少の人員を以てその能率を上げて行く、こういう観点でいたしましたものであります。従来の整理の経過をも考えてはおりまするが、このような定員を作つた次第でございます。
  79. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 その次に食糧庁の問題でありまするが、これも当初の案が、一般の管理関係の人が六割、それから検査のほうが五割というような非常に高率であつたわけでありますが、その場合に、管理業務のほうは、統制撤廃ということがありますれば、或いはこれは成立をするかも知れませんが、検査のほうが五〇%というのは、これは私はどうしても理解ができないのでありまして、勿論、お話のように、一般の検査員が併せて若干の管理業務をやつておることは承知しておりまするけれども、併し本質は飽くまで検査員であるのでありまして、ところが、他の局なり、他の省の同種の検査関係は桁が違つておるわけでありまして、五%の比率であるのに対して、食糧検査が五〇%という比率は、これは如何にしても不均衡だという感じを持つのであります。特に国営検査法律を審議いたしました際にも、農産物が限定をされておりまするが、あの農産物だけでは困る。もつと検査の幅を拡げて欲しいということがあの当時にも審議をされておつたのでありまして、例えば澱粉だとか蕎麦なんかの検査がされないわけでありまするが、これは是非とも近い機会にさようなものも検査をするということを條件として我々はこれを通過をさしたのでありまするが、そういう点からも、仕事の幅は農産物の品目からも殖えて行きましようし、又同じ品目についても、逐次統制経済から自由経済へ移行して参りますれば、もつと精密な検査を必要とすることはこれは申すまでもないのであります。どうも桁が全く違うということが、これはどう説明をされても私は理解できないのであつて、ですから管理業務のほうは一応統制がなくなれば相当つてもよろしいということはわかりまするけれども検査のほうが桁違いの、まるがついて五〇%というのは、これはどうしても私は理解ができないのであります。そこでどうして五〇%にいたしましたか。その辺の事情と、それからもう一つは、管理業務についても、統制は撤廃しまするけれども政府の考え方は單なる手放しの撤廃ではないのだ、農家の希望があれば無制限にこれを買入れるということを言つておるわけでありまするが、無制限ということがどの程度かわかりませんけれども、従つて仮に現在の統制方式は改正されましても、現在の政府の考え方のように、希望があればいつでも一俵の米でもこれは買わざるを得ないわけでありますが、そういうことを考えて六割という率が出たのでありまするか。その二点につきまして御説明を頂きたいと思います。
  80. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 検査人員の大幅の整理については、しばしば問題になりまして、又私もしばしばお答えした通りでありまして、これは見方の違いでございますので、根拠についてはいろいろと立場において違うと存じます。先ほど御説明申上げました通り、これにつきましては、片柳議員みずからもお話しになつたように、実は検査事務のほかに、本来の事務の外にいろいろな業務をやつてつた。特に現実におきましては、その業務というよりも、供出督励自身が非常に大きい具体的な事務になつておるのでありまするが、これがなくなりますと、大体一カ町村に一・四、五名程度でやり得るというような見解がその根拠でございます。なおそのほかに事業費におきまして、臨時人員を増加することによつて最盛期におけるところの困難を除去して行きたい、これが我々の考えの一つでございます。  なお管理事務につきましては、御指摘通り、我々は輸入食糧は全部管理するのみならず、価格支持政策をとりまして、それに基くところの業務はこれはいたすつもりであります。その場合に一々政府が直接買うということをしなくてもできると思います。農協あたりに委託して買入れして、それを総括して行く、又配給事務がなくなるということになりますれば、一々末端の業務までやるということではなく、これは或る程度まとまつたものを放出する、こういう観点からいたしますれば、この定員で間に合うことができる、かように考えております。
  81. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そこで先ほど来財政上の理由というようなこともいろいろおつしやられておりましたがそういう点から見て参りますると、恐らく検査の場合には相当の手数料を取ることと思いまするが、そうなつて来れば、大体手数料収入で国営検査の費用は大体支弁できると思うのでありますが、そうなつて来ると、財政上の理由からもこれを五割に切るという理由はないと思うのであります。いずれにしても、その本来の検査業務に、或る程度ほかの仕事はあるとは思いまするけれども、これで桁が違うのが、五%が六%ぐらいならわかりますけれども、五%が五〇%という理由は私はどうしても首肯しがたいわけでありまするが、併し時間もありませんから、更に他に移りたいと思いまするが、その次は統計調査関係でありまして、これはもう他の委員から御発言がありましたように、供出の有無にかかわらず、この制度はむしろ拡充をすべきものと私は考えておりまするが、併し政府のほうの御答弁によりますれば、或る程度やはり主食の統制撤廃とやはり関連しているとお考えになつておることは、先ほど来の御答弁で明らかであるのであります。そうなつて参りますと、先ほど三橋さんの御質問にもあつたようでありまするが、食糧庁のほうは統制撤廃がまあ延期といいまするか、棚上げになつたので、或る程度復活をしておるわけでありますが、ところが統計調査のほうは全然これは復活がないということは、私は首尾一貫しないのではないかと思うのでありまして、で食糧関係食糧庁はもとより、ほかの労働省なり、運輸省の労務加配米なり、船員用米関係の人も当然これは復活をすると思われるのでありますが、そうなれば何名かわかりませんけれども、理論的には統計調査部の定員の或る程度は当然これは復活をしませんと、理論的には首尾一貫しないと思いますが、その辺はどんなような事情でございましようか。
  82. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 先ほど御説明申上げましたように、これは供出とは若干関係があります。併しながら我々といたしましては、統計調査供出だけの問題ではないということは先ほど申上げました通りであります。なおこの整理によつて若干の個人割、その他に対するところの確度が落ちるということは御指摘通りであります。そこで従来この統計調査、いわゆる作報の報告地方自治体との間に非常に食い違いがあるのでありまして、供出の際いつでもこの問題が論争されまして、今回もこの問題が論争されたのであります。この面におきましてはこの地方自治体も漸次地方自治本来の任務を達成するために、税収、或いは生産計画等の関係から、相当程度地方自治体においても統計調査に関する機構並びに人員の重点的な配置などをやつておるようでございます。その点ともからみ合せまして、現行の供出を若し続けるといたしましても、供出については差支えはない、かような考えを持つておるわけであります。
  83. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 定員法を作るときには、供出関係があるということを言つてつて、今度復活する際にはあまり縁がないようなことで、どうも理論的には理解しがたいのでありますが、切るときには相当因縁を強くつけて、復活する際には殆んど縁がないような、どうもその辺は理解ができませんが、これはこの程度にいたしますが、もう一つ関連的にお伺いしたいのは、現在の政府意図するようなやがて時期と方法が熟すれば統制を外して行きたい、こういうような方針でありまするが、そうなつて来ると従来、昔自由経済当時やつてつたような米なり麦の消費高、府県別の消費高調査とか或いは今月新潟県に米がどのくらいあるかという意味の現在高調査或いは府県間に米麦がどの程度移動したかというような、こういう調査がなければ、私は政府が考えておるような需給調整ということもできないのでありますが、これに私は相当の人を配置しなければ食糧政策の根本になる調査でありますが、こういう調査はどこでこれはおやりになる方針でありまするか、お聞かせを願いたいと思います。
  84. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) これは統計調査事務所を以てそれをやります。
  85. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうなつて参りますと、統計調査部の整理はやはり無理があるという点が、その点からも私は指摘ができると思います。  もう一つ、先ほど来の農林大臣の御答弁で私が気になるのは、府県單位の調査は、現在の統計調査事務所でやるのだ。その県内の分なり町村別のものは町村のそういう業務を指導なり、協力をしてやつて行くというようなお話がありましたが、そこのところがどうも非常に気になるのであつて、府県別の調査というものは、やはりこれはできれば、できるだけ同じ機関が下までやつて参りませんと、府県の全体の生産高は農林省がやつて、それから各町村別調査町村がやるということになると、結局それは木に竹を繋ぐような形になるので、県全体の生産高は町村の集計になることは当然でありますが、そこのところが常に食い違つて来る。依然として昔米の供出当時にやつたと同じ手数をかけるのじやないか。従つてやるならば、同じ機関がずつとやらないと、やはり違つた調査が出て来る。今度は県全体の統計と各町村別統計が齟齬を来たすことになると思うのであります。ですから、やはりこれは理論的にも実際的にも、下まで、郡別なり、町村別調査をやる必要があるといたしますれば、それは同じ機構でずつとやつて行かないと、却つて無駄が起きやせんか。先ほど申しました町村を指導し、協力をするということでは私はいかんのではないかと思いますが、それはどうなんですか。
  86. 根本龍太郎

    国務大臣根本龍太郎君) 過渡的にはそういうことは当然起つて来ると思います。そこで町村における統計調査政府がやつておるところのシステムに漸次適合するように指導して、その万全を期したいと、かように考えております。
  87. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 いろいろ意見がありますので、保留いたしますが、要するに先ほどから岡村さんが言われたような、どうもほかとの均衡が如何にしてもこれはひどいという感じを持つのでありまして、何も形式上の均衡を言うのじやないが、何度お聞きしても合理的な説明がないのを遺憾といたしますが、そこで農林省が、人が多過ぎる、何か非常に素朴的な考え方で見ておるのではないかと考えておりますが、この農林行政には相当やはり人が要るのだということは、これは府県庁の仕事を御覧になれば、決して中央官庁だけが人が多いのではないのであつて、府県の経済部の仕事を見て参りましても、農林以外の仕事は極めて少ないのであつて経済部を二つに分けても、農林課のほうは相当仕事があるが、残つたものは商工課と、もう一つどういう課を置こうかというぐらいに苦心しなければ課が置けないというような実態であります。これは日本農業なり、農林行政の上からやはり或る程度必要だから人が多いのであつて、どうもほかの省と比べて人が多いのだという素朴な考えでやられたのでは非常に困るのでありまして、私も長年官界にもおりましたし、又農林省以外にも勤務したこともあり、表面だけを見ると、何だか人が多過ぎるというような、極めて形式的な現象を捉えて、五割、六割やられたのでは、これは非常に困るわけでありますので、このことは更に農林委員会でも意見を申上げますが、その点を申上げて私の質問を終ります。
  88. 三好始

    三好始君 今回の定員法の改正案は農林省関係で一番問題が多いわけでありますから、質疑はまだたくさんあると思いますが、時間も来ておりますので、この程度で休憩せられんことの動議を提出したいと思います。なおこの改正案には前提をなす実体法の改正の法律案が出ておりません。これは橋本長官お話のように、必ずしも実体法を優先させるということができないという場合も私了解できるのでありますけれども、本国会に実体法が出ないという状態の下で、この委員会定員法を審議するわけでありますから、委員会としては実体法を一応明らかにして定員法の結論を出さなければいけません。それだけの審議をする責任が内閣委員会にあると思うのであります。單なる人数の問題だけじやなくて、その前提をなしている実体法の或る程度の審議も必要でありますから、むしろ我我内閣委員として、例えば主食の統制撤廃の問題であるとか、競馬の民営移管の問題であるとか、こういう実体関係についても或る程度、むしろこちらから農林委員連合委員会を求めて、審議の責任を盡したいという気持もあるわけであります。勿論今回で連合委員会を打切るのでなくして、適当に更に機会を作つて頂きたいと思うのであります。
  89. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 三好委員に申上げます。農林委員諸君の御発言の機会はまだ相当たくさん差上げなければならんと考えております。そこで本日は時間が来ましたから、これを以て休憩いたします。そうして一時半から再開いたします。    午後零時三十二分休憩    —————・—————    午後三時十四分開会
  90. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これから連合委員会を続行いたします。羽生農林委員長
  91. 羽生三七

    羽生三七君 定員法の問題に関する個々の問題につきましては他の委員の皆様から御発言もありましたし、又今後も続けて行われると思いますのでその問題は別といたしまして、取りあえず大蔵大臣にお伺いいたしたいことは、この定員法案の修正によつて、例えば現に衆議院におきましては、食糧統制撤廃案が実行されないことになつたので、この関係職員は元に復するように修正されたわけでありますが、それに伴つて昭和二十六年度補正予算を以てしては職員基本給その他必要な経費の不足を生ずることになると思いますが、これに対してはどういう措置をおとりになりますか。大臣にこの点を最初にお伺いいたしたい。
  92. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 既定の予算で不足を生じません。退職なさらないかたにつきましては退職手当を支払わなくていいようになりますので、俸給を十分支払うようにしても二十六年度の予算からいうと少し余るのではないかと思つております。
  93. 羽生三七

    羽生三七君 先の農林委員会において、その問題について会計課長から承わつてつた点も今大蔵大臣のお答え通りでありましたが、その場合には昭和二十六年度補正予算中において退職金として計上されたものを他の基本給に流用することが可能であると、そういう解釈でよろしいのですか。
  94. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 予算書にございますように、項までは退職金と一緒にしております。目で分けておるのでございます。目の部分は他に流用できません。
  95. 羽生三七

    羽生三七君 先ほど片柳委員その他の委員のかたからお話があつた中に、定員法という法律に先行して予算措置が行われることについての御疑念が問題として指摘されたわけでありますが、その議論は別といたしまして、取りあえず今回若しこの定員法がこの参議院におきまして修正せられたような場合、定員法は大体或る程度元に復しましても、昭和二十七年度予算においてその実行が不可能になるようなことが懸念される場合もないとは言えないのであります。現に今回の場合におきましても定員法に先行して補正予算において今問題になつたことと同じようなことが昭和二十七年度予算において起つた場合は、我々としては非常に憂うべきことになるのでありますが、その場合、定員法の修正、或いは修正如何にかかわらず、昭和二十七年度予算において、そういうことを強行なさるというようなことはお考えになつていないと思いますが、この点を明らかにしておいて頂きたいと思います。
  96. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 御質問の趣旨がはつきりいたしませんが、御審議願つております定員法につきまして修正があつた場合に、二十六年度の予算において支障があるかという御質問か、そうでないとすれば、二十七年度の予算につきましては今審議中でございまして、政府方針によりまして編成いたします。そのときまでには勿論定員法の改正も通過していると私は考えておるのであります。
  97. 羽生三七

    羽生三七君 問題の点をもう一度はつきりさせたいと思います。二十六年度補正予算についてではないのであります。問題は只今審議されておる定員法が修正になつてコンクリートなものになつた場合、この場合に二十七年度予算において、通常国会において何ら定員法が修正せられない、新たに修正せられた場合は別でありますか、修正されないのに予算面でこれを落すというようなことは別にないのでありますか。そういうことはあり得ざることと思いますが、念のために……。
  98. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 昭和二十七年度の予算案ができていないのでお答えの仕様がございません。
  99. 羽生三七

    羽生三七君 予算案ができていないから御答弁ができないということであります。それはわかると言えばわからんことはありませんが、併し予算の編成の基本的な観点から言つても、当委員会で午前中にも審議されたこれは問題で、定員法の修正の結果減員になつて予算で落されるということはわかりますが、只今この内閣委員会にかかつておる定員法が修正になつた場合には、それに基いた定員によつて二十七年度の予算が組まれるということはこれはわかりますが、それに基かない特殊の予算的な立場において別個の考慮が払われるというようなことがないかどうかということを伺つておるのです。これは恐らく大蔵大臣としてもお答えし得られることではないかと私は思います。
  100. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) その意味ならお答えができます。本国会におきまして定員法が改正になりましたら、一応その定員法によつて予算を組みます。併しその後の施策によりまして昭和二十七年度はどういう予算で、どういう定員で行くということは別個の問題でございまして、だからこの本国会できまります例えば特別調達庁のような問題につきまして、或いはどういうような機構で行くか。定員が変りましたその事態によつては、その変つた姿での予算と定員にしなければなりませんから、一応の定員は今回の予算で組みますが、併し又機構の改革その他をやりまして、そうして昭和二十七年度の定員がどうなるかということは予算と一緒に考うるべき問題だと、私はそう思つておるのであります。
  101. 羽生三七

    羽生三七君 大体問題はわかりましたが、講和後のいろいろな諸機構の改革によつて新たに問題が提起された場合は別個として、現在、今ここで審議されている定員法については、その修正に基いて二十七年度予算が編成されると考えてよろしうございますか。
  102. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 国会が違いますし、予算を組むときの事情が違いますし、その時の事情によつて適当な予算、定員を組むより仕方がございません。
  103. 三好始

    三好始君 只今大蔵大臣は明年度機構問題が新たに出て来ればそれに応じて定員が新たに考えられるような意味の御発言があつたと思いますが、これを確めておきたいのであります。大蔵大臣にもう一度この点についての考え方をお答え頂きたいと思います。
  104. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 仮定の事実と申しまするか、いろんな施策が予算に上り、予算を通じて定員も変つて参ります。又仕事の面から定員に影響し、それから予算にも影響する問題であるのであります。従いまして今ここで来年度の定員はどうなるか、予算はどうなるかということははつきり申上げかねるのでございます。若し何でございましたら、具体的の問題でお聞き下すつたお答えがしやすいと思います。
  105. 三好始

    三好始君 私は先ほどの大蔵大臣の御答弁の中に機構改革という言葉が出て来ましたので、機構改革が行われたら、定員が現在の改正案とは又違つたものが考えられるように了解されておるのかどうか、それをお伺いしておるのであります。
  106. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) これは程度の問題と思います。原則は今の定員で大体行けると思いまするが、例えば只今私の所で申しましようか。財務局を或る程度国税局と一緒にするということになりますると、その財務局長というものは要らなくなるのであります。併し今の人員は大体事務的には残るようにも思いまするが、例外的にそういう場合も起りましよう。だからそれは個々の場合でないと話がしにくいと思います。
  107. 羽生三七

    羽生三七君 続いてお伺いしますが、どうしてもわからない点があるんですが、それは個々の具体的な問題についてでなければよく答えられないというお説はわからんこともありません。併し二十七年度の予算の編成はもう間近だと思います。国会は恐らく来月通常国会が召集されまして、遅くも一月には予算案というものは具体的に議会に提出されると思う。それほど間近に迫つておるわけです。従いまして行政機構等の改革が今提出されている定員法とは別個に新たな問題として起つて、その結果各省に亘つて全般の検討が加えられるというような場合は、それは議論がありますが、これは別個の問題といたしまして、現在の我々が今目下検討しているこの定員法が最後のコンクリートなものとしてなつた場合には、それに基いて二十七年度予算というものが編成されなければならないと思います。それより前に、例えば臨時国会中に、第十二臨時国会中に行政機構等の改革が起り、或いは第十三回通常国会の劈頭に行政機構の改革等が起つて、その結果何か新たなる問題が提起されるというならわかりますが、行政機構等の改革は恐らく新たなる問題として起つても、ここ二十日、一カ月内に起るとは我々は予想いたしておりません。我々が現に審議し、検討しておるのは、現在提出されておる定員法でありまするので、これが何らかの形で当院においてコンクリートとなり、或いは若し修正になつた場合、両院協議会等でこれが共通した意見としてまとまつた場合には、それに基いて二十七年度予算が編成されないとしたならば、これは極めて私不審に考えるので、それより後において新たに全般的な機構改革において予算等の修正、変更がある場合は別問題でありますが、この点を重ねてお伺いいたしたい。
  108. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) それはその通りでございます。問題はないと思います。この国会で御審議になつたのが一応の基準になつて来まして、そうしてその後に来年度の状況を見て今年度の分に加除して行く。こういうことになる。いつもと何ら変りはございません。問題になさる基本がどうも私にはよくわからんのでございますが、こういう問題のときはどうするか、こうお尋ね下さればはつきりお答えができます。今までの質疑応答は原則を言つておるので、私はあなたのそういう原則には何にも異存はありません。
  109. 羽生三七

    羽生三七君 それは原則だけでは困りますので、例えば具体的な例を挙げて見ますが、例えば我々としては農林関係定員法のうち、農林関係の問題を検討しておるわけでありますが、例えば食糧庁関係にしても、食糧事務所の関係にしても、定員法が修正された場合、修正されて参議院においてコンクリートな意見として固まつた場合には、すぐ開かれる通常国会の劈頭に出される予算というものは、当然これに基いたものとして組まれるということはこれは常識的に考えてそれでよろしいと思いますが、それでよろしうございますか。
  110. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 時間的の問題も或る程度あるかも知れませんが、政策的な問題がございますので、今御審議になつて、そうして我々が出そうと予定している二十七年度予算は一月の二十日過ぎと私は考えております。その間に一カ月しかない、或いは二カ月しかないから、この定員法予算を組まなければならんということを政府は義務付けられるものではございません。
  111. 羽生三七

    羽生三七君 義務付けられないかも知れないが、極めて遺憾な御答弁であります。いやしくもこの国会がこれだけの多数の委員会がそれぞれに関心を持ちまして重大な検討を加えておるこの定員法というものが審議され、コンクリートになつた場合、それが一カ月或いは二カ月の間に修正され、或いは変更されても何らの掣肘を加えられるものではないというこの答弁は、私は国会議員の一人として了解しかねます。これはこれ以上かれこれ申しても仕方ありませんが、我々としてはこれについては重大な関心を持つておりますので、後刻又改めて新たな角度から御質問することがあるかも知れません。
  112. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 念のためにお答え申しておきまするが、政府は今の定員法で縛られて、農林関係でいろんな仕事をしようとしているときに、定員法はこうだから仕事をやめろということには行きますまい。或いは又その後の状況によりましてこういう仕事を来年度においては簡素化できるというときに、あなたがたに御相談して二十七年度の予算定員法を変えるということはできると思います。或いはそのときの状況によりましたら、二十七年度の予算案を作るときには、二十七年度における新たなる施策を加味して、或いは定員法として御審議を願い、予算案として御審議を願うのが私は国会を尊重するゆえんだと思います。
  113. 羽生三七

    羽生三七君 私は質問ではないが、最後に一言申上げますが、先ほども申上げましたように、三カ月か、五カ月先に通常国会が開かれるというのなら、これは若干客観情勢の変化によつて問題が新たに提起されるということはないとは言えません。併し通常国会は今や一カ月未満のうちに開かれようとしておるのであります。恐らく予算編成までのいろいろな技術的な時間等を考慮しても、それは二ヵ月くらいを見て、その間に政府の根本的な政策の変化があるとするならば、若干のことは別でありますが、根本的な変化があるとすれば、我々は何を好んで今日これだけの議論に時間を費す必要があるかと実は疑いたくなる。そうであるならば私たちは政府が根本的な変革があるというならこの際にむしろお示し願いたい。根本的な検討をこの定員法に加えたい。恐らくそういうことはあり得ざることと常識的に私は了解しておりますが、まあこの程度にしておきます。
  114. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 三好君に伺いますが、先刻の御発言の続きですか……。
  115. 三好始

    三好始君 先ほど大蔵大臣は次の国会に提出を予定されておる機構改革に関連して新たな定員法の改正案が考えられておるかのような印象を受けるお言葉がありましたので、その点を確めたのでありますが、例を挙げまして財務、国税両局が統合されたら二人の局長が一人に減る、こういう意味の例を挙げてのお話がありました。この程度でありましたら当然なこととして問題がないわけでありますが、只今申された定員に関係する点が單にこの程度のものであると了解していいのだつたら、私これ以上申しません。それを越えて、例えば財務国税面局が統合されたために、局長以外に更に定員に変動があるというような意味でありましたらこれは橋本長官の先日の御答弁と食い違いがありますので、私は議事進行上確めておきたいと思つて発言を求めた次第であります。
  116. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 私はこと細かにはつきり申上げるために言つておるのであります。原則といたしましては機構その他のあれも或る程度頭に入れて事務整理を先ずやつて、そうしてその事務遂行に必要な人を御審議願つておるのであります。原則といたしましてそう大きい変更は勿論考えておりません。ただ私が申上げたように、御質問の点がわからないので、小理窟を言えば私のようなことになる。併し大きい意味において、それは農林委員長のおつしやるようなことはいつもの例でございまして、定員法というものに大体基準を置いて予算を組むというのが通常のやり方であります。そんならこの定員法はもう動かさずに行くのかということになると、例外的にそういう場合も起り得ますと、こういうのでございます。
  117. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 午前中の質問でお聞きしたわけでございますが、二十六年度に関する限りは大蔵大臣の御答弁で、定員法を如何に修正しても、基本給以外の退職金の繰替えがございますので、問題のないことはわかりましたが、ただ本年は年度も非常に迫つておりまするし、それから退職金の率も或る程度はよろしいかと考えます。そういうことが言えると思うのでありますが、そこで今後の問題を見て行きますると、午前中にも私の意見を申上げたのでありますが、予算が先へきまつてしまつてそれから定員法が出るということになりますると、いつでもこの二十六年度と同じように繰替える財源があるというわけには、行かんと思うのであります。そうなると予算はきまつてしまつておる。ところが定員法政府の提案通り行かないという場合におきましては、或いはその修正なりをいたしましても繰替えの財源がないということは予想し得ると思うのでありますが、そういう見地から私は定員法の審議を先ず先にやつて、それに従つて予算を組むことが原則としては正しいのじやないだろうかということを申上げたのでありますが、これに対しまして大蔵大臣のお考えを伺いたい。
  118. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 今回は一月から整理をするのでそういうことがあつても賄い得るのであります。来年度になりますとお話のような問題があります。そこで私は今のようにお話下さるとわかる。定員法がどういうように改正になつた政府の予期しておる以外になつたときにも一応予算はそれによつて組む、そうして新たなる施策は定員法として考える。それで予算定員法はマツチしなければならん問題であります。従いまして来年度の審議におきましては私は若し定員法に重大な変更がありとすれば、万が一ありとすればこれは同時に審議してもらうようにすることが国会尊重の立場として政府のとるべき策だと考えております。
  119. 小林孝平

    小林孝平君 この附則の三で統制が廃止されるに至らなかつた場合においては七千九百六十一名を限度として政令の定めるところによつて食糧庁職員の定員を増加することができるとこういうふうに書いてあるのでありまするが、これから見ますと政府のお考えは、食糧庁の定員は食糧管理に直接関係がある。併し統計調査職員は食糧統制とは関係がないというふうに解釈できると思うのでありまするけれども橋本長官のお考えをお尋ねいたします。
  120. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 前々から申上げたところでありまするが、政府といたしましては来年度新たなる供出は起らないようにしたいと考えておるのであります。そこで統計調査関係の問題は供出の面についてはこれは関係がございまするが、食糧の配給という面については関係がございません。そこでこの附則に書いてありまするように関係方面との話合いの間に四月一日以降更に本年産米の配給が続くかどうかということで、配給が続けば、食糧管理人員は復活して行かなければならん。併し統計調査関係の問題については、来年度にやはり米麦の供出をやればこれは前提が違いますから考え直さなければなりませんけれども、配給関係の問題だけが関係方面との話合いでなお四月一日以降続くというだけの問題ならば統計調査部の人員に関してはいじる必要がないと考えておるのであります。
  121. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと小林君並びに委員諸君に申上げます。大蔵大臣は四時になりますると差支えがあるということでありますから、この際大蔵大臣に対する御質疑を願いたいと思います。四時以後ならば他の大臣に向つて御質疑を願う。小林君如何ですか。
  122. 小林孝平

    小林孝平君 よろしうございます。
  123. 河井彌八

    委員長河井彌八君) どなたか大蔵大臣に御質疑があれば……。それでは大蔵大臣退席されます。橋本長官に主として御質疑を願います。
  124. 小林孝平

    小林孝平君 今橋本長官が御説明になりましたけれども、どうもさつぱり要領を得ないのでありまして、午前中農林大臣の御説明でも或るときは統計調査職員供出関係あるがごとく、或るときは余りないがごとく、さつぱり要領を得ないので、私は特に改めてお尋ねいたしたいのであります。この附則を読みますれば、はつきりと食糧管理食糧庁関係職員は統制に関係あるから統制撤廃をしなければこれを元に戻す。統計調査のほうは関係がないから元に戻すということが書いてないと、こういうふうに解釈いたしまして、これ常識上この項をはつきり読めばそういうふうに解釈できるのでありまするけれども、重ねて明確にお答えを願いたいと思うのであります。
  125. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) もうその附則は一部削除されておりますが、その附則のできました経緯は毎々申しましたが、関係方面と話をいたしました場合に、それは米の統制撤廃というのは、米の統制を完全に撤廃するという意味で、配給まで終るという趣旨でございまして、関係方面とその定員法の提案を話しましたときに、経済科学局との間に話のきまつておりませんでしたのは、麦の問題については先般の国会に麦の統制撤廃の法律をオーケーしたくらいですから、総司令部として問題がないのであります。それから来年度新規に米の供出をやめるということも余り問題がありません。で本年産米について四月一日から直ちに配給統制をやめて米の統制撤廃を完全に行うかどうかという点についてまだ意見がございましたので、その規定を置いたのであります。従いましてその部分、本年産米の配船統制を来年四月一日以降続けるということに相成りますれば、食糧庁のその関係人員は本文のほうに取入れて行かなければなりません。統計調査事務所のほうの仕事は、本来米の配給統制と関係ないことでありますので、それと並んで統計調査人員をいじくるということはいたすべきでないと思うのであります。
  126. 小林孝平

    小林孝平君 私は司令部との御関係はどういうふうになつておるか知りませんけれども政府が責任を持つてこの法案を出されるに際しまして、ここに書いてあることを私どもは審議いたします際に、どうしても今長官がおつしやつたことは納得が行かない。特に長官は七千九百六十何名は配給関係職員とこういうふうに、関係のある職員とこういうふうに御説明になつておるけれども、これもそうではなくて、これは必ずしも全部配給関係職員ということではないと思うのであります。従つて私はどうしても明確にこの際統計関係職員と食糧統制の問題は関係があるかないかということをはつきりと御説明を願いたいと思うのです。特にこの附則は衆議院において修正をされ削除されたのでありますけれども、その削除の際にも、この削除されまして食糧関係職員相当復活しておるにもかかわらず、統計調査職員については復活修正されておらない。こういう点から考えましても、この條文と合せてどうしても統計調査職員供出関係がないというふうに政府も与党もお考えになつておると思うのでありますか。重ねてお尋ねいたします。
  127. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) いや統計調査人員供出関係があると考えておるのであります。要するにそこの附則に書いてございまするのは、今お話申上げました通り、これは法律としては誠に不体裁な法律であることは、これはもう総司令部との話合いの沿革から出ましたので、これも正直に申上げておるのでありますが、その部分は本年産米の配給統制が来年四月一日以降続くか続かないかという問題についてできましたので、従いまして統計調査のほうは供出には関係があると考えておりますか、配給統制には関係がありませんので、配給統制に関する食糧庁人員の復活だけをしたのであります。
  128. 小林孝平

    小林孝平君 長官はこの七千数百名が配給関係職員とおつしやつておりますけれども、私はこの大部分検査関係の、末端の食糧検査に関する職員であると思うのでありまして、長官の御説明は誤りであると思うのであります。その点を明確にして頂かないと、この七千数百名が全部配給関係職員であるというようなことは、この整理の一覽表を見れば直ちにわかることであつて、どういうことでそういうふうに御説明になるか、その根拠をお示し願いたいと思います。
  129. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは私の説明で御満足ができなければ農林大臣にもお尋ねを頂きたいのですが、同じことでございますが、勿論食糧庁に働いておる人は米で何人、麦で何人というふうに仕分けをしておるわけではございますまい。実際の働きにおいては……。併し一応といたしましてその人数を計算いたしまする際に、そこの法律に書いてございまするように、米の統制が完全に撤廃に至らない場合には七千九百六十一名を復活する。で趣旨は米の配給が四月一日までに配給統制を廃止できなかつたら復活するという趣旨で人数の計算をいたしたのであります。
  130. 小林孝平

    小林孝平君 実にはつきりしないで困るのですが、食糧管理のための定員は全部で六千八百八十二名、検査の現在定員は二万三千五百三十四名、こういうふうになつておりまして、政府整理原案は食糧管理の面については二千七百五十三名、検査のほうには一万一千七百六十七名、こういうふうになつておるのでありまして、配給関係職員が七千九百六十数名であるというような御説明は全く問題にならない説明でありまして、而もその御説明の際に、これは司令部との折衝でこういうふうになつたというようなことを御説明されるのでありまするけれども、こういうふうに何千名という人を整理するのにそういういい加減の御説明で以て首を切るというようなことは私は非常に不謹愼ではないかとこういうふうに考えておるのでありまして、もう少し愼重に内容を検討して本当に必要のないものならば、私たちもその整理も止むを得ないと思うのでありまするけれども、どういう筆の運び工合で数千名一度に首を切られるか、その理由はよくわからない。これは大部分検査職員であるにもかかわらず、配給を続けるから配給関係職員である。而もそれは何か司令部との折衝の結果こういうふうになつた、こういうふうのお話では非常に私たちは困ると思うのでありまして、まあ農林大臣に聞けということであるけれども、私は農林大臣に聞いて見てもさつぱり農林大臣も無力のようでございますので、特に長官に聞いておるのであります。もつと明確に御答弁願いたいと思います。
  131. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) それはそこに書いてございまする通り、私が今まで繰返し申上げました通り、総体の整理人員の中で米の配給統制が撤廃に至らなかつた場合には七千九百六十一名残すという趣旨で規定をしたものであります。
  132. 江田三郎

    江田三郎君 議事進行上……。もう一遍はつきりしておきたいのですが、長官お答えは七千九百六十一名は配給に関係があるということ、その点間違いないのかどうか。そうなると、我我も審議をするのに考え直さなければならない問題が出て来ますから、はつきりして頂きたい。
  133. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 七千九百六十一名は米の配給に関係あるという考え方であります。
  134. 江田三郎

    江田三郎君 具体的にはそれはどういう業務をしている人々を言つているのですか。
  135. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは食管の仕事の中身につきましては、これは所管大臣のほうからお答え願いたいと思います。
  136. 江田三郎

    江田三郎君 食糧管理の定員は六千八百八十二名です、現在。それが配給関係仕事をやつておるわけです。七千九百といつたらこれを全部入れましても足らんのであります。何ぼそれは主管が農林大臣だと言つたつて七千九百からの大きな数字を扱うのにとんでもないことを言われたのでは、これはちよつとほかの点についても長官はそのような杜撰なことばかりお考えになつているのじやないかという印象を受けるのでありますから、これは念のためにはつきりして頂かなければ困る。若し農林大臣がおいでにならなければ、その点がはつきりできないというのであれば、一応休憩にでもしたらいいと思う。
  137. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 江田君に申上げます。ほかの点について、折角委員会をやつておりますからお聞きを願います。このためにすぐ休憩ということはちよつと考えにくいのであります。
  138. 江田三郎

    江田三郎君 これは私はこういう問題について根本的に認識を間違つておるような長官であるなら、他の点についても同じような間違いを繰返されるのじやないかと思いますから、やつたところで無駄じやないかと思つてつているわけです。
  139. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 詳しいことにつきましては、責任の大臣から聞いて頂きたいと思います。私繰返して申上げますが、その七千九百六十一名というのは、そこに書いてございまするように、要するに四月一日までに米の統制が撤廃に至らなかつたら復活をするということであります。総体の整理人員の中で、これはもう仕事としては米の統制の撤廃、それから麦の統制の撤廃、それからなおそのほかに一般的な能率増進ということを含めて、一万幾らかの人員整理農林大臣のほうと話をきめて閣議で決定をいたしたのであります。その際におきまして、一万数千名をきめまする際に、米の分が幾ら、麦の分が幾ら、一般の能率増進が幾らという仕分けをいたしたわけではございません。これはほかでもそう申上げたのであります。ただこれが中間におきまする仕事の進め方の上で、米の統制撤廃の問題がペンデイングになつて参りましたので、米の統制撤廃が四月一日までにできなければ七千九百六十一名を復活するということを規定したわけであります。そういつたふうな仕訳の仕方において、その切替えるときにおける仕事の按配はどうなるかということは、これはまあ所管の農林大臣に聞いて頂きたいと申上げた次第であります。
  140. 江田三郎

    江田三郎君 これは例えば農地局なら農地局の一つの具体的な仕事について十人か二十人の人がやつておる。こういうような仕事の内容なら、これは農林大臣に聞かなければ無理だと思うのです。併しこれは七千九百という一塊りの、大きな塊なんです。これが一体何の仕事をしておるかわからん、訳のわからんようなことでは、今の説明では答えになつておらないのであつて、これは一体何をやつておる人かということ、それは農林大臣に聞かなければわからないというのは、七千九百という者が何をやつておるかわからんというようなそんなことで、こういう案を審議するということは、これはできないわけです。橋本長官のほうでそういう理窟は何もないのだ、要するにただ天引で何ぼかやるのだというのなら別問題ですけれども、少くとも今まで我々橋本さんを考えておつたのは、橋本さんという人は非常に理性的な、非常に理智的な人だと思つてつたのですけれども、その人の答弁としては訳のわからんようになつたので、そんなことなら、休憩してゆつくり農林大臣と打合せて再出発されたらいいのじやないか、こう言つておるのです。
  141. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私又ちよつと別の疑問が起きて来たわけですが、四月までに米についての統制が廃止されない。されないことには配給が続くから七千九百六十一人を復活するということ、ここにも疑問がありますけれども、それは統制が廃止されないということは、單に配給が続くだけではないのですね。供出も続くわけであるのですよ。そうなつて来ると、配給が続きますから七千九百六十一名を復活するということはやはり供出もずつと続いておるわけであつて、その場合もちよつと別の疑問が起きて来ておるのです。その点も併せて一つ答弁頂きたい。    〔「混乱するだけですよ、やつたら」と呼ぶ者あり〕
  142. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 私もそれは前にも申上げておるのですが、江田委員から、七千九百六十一名は配給に関係あるのかと言うから、配給に関係あると私申上げたのです。至大の関係があると考えております。今片柳委員からお話がございましたが、これは米の統制撤廃に至らない場合には、これは配給問題もございましようし、又供出も大部分は三月までに済みましようし、そういつたものがあることを十分考慮に入れまして、そこで米の統制撤廃が三月までに終らなかつたら、七千九百六十一名を復活するということにいたしたわけであります。
  143. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうするとまたちよつと問題が出て来たような感じがするのですが、来年の大体三月までに大部分の米の供出が終るという御説明があつたのですが、そうすると来年の米はもう考えておらないというような印象を受けるのですが、来年の米の供出は殆んどもう頭に置いておられないという実は印象を受けるわけなんです。そうなると先ほどの大蔵大臣の御答弁と関連して考えますと、やはり十一月頃からは又やるのだというような、実は印象を受けるのであります。我々は、ですから、今年の米の供出は四月以後に続きます、それからやはり現在においては、来年の米の供出も続くという意味において相当の人数が必要である、実はこういうつもりで申上げておるのですが、特に今年の米は三月で大体終るということになりますと、何か伏線がそこに出て来るというような感じがするのですが、その辺はどうなんですか。
  144. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 実体的な関係の問題でありますから、私お話を申上げていいと思いますけれども、これは参議院の農林委員会としてこういう実体関係としての御質問は初めてのものであります。これは所管の農林大臣の御出席を待つてお答えを申上げたほうがいいと思います。
  145. 江田三郎

    江田三郎君 あと議事録を調べて見て頂きたいのですが、橋本長官は重大な発言をしておられるのです。来年度の米の供出はしないということをさつきも言われておられるのです。そこでいろいろ米の統制問題について基本的なことを話しておられるので、これは一体どこまで責任を持つてそういう話をしておられるかどうかということなんです。尤もそういうことについても農林大臣が来られて改めて相談してそれから答弁するというなら休憩したほうがいい。
  146. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 私は自分の発言につきましては責任を持つております。個人的な私見を申上げておるわけではないので、政府としての見解をお話申上げておるわけでありますが、私の申上げましたのは、なお御質問についていろいろのお話もございましようし、農林大臣からも真つ向からの実体行政の問題についてお話するのが筋だと思いました。
  147. 羽生三七

    羽生三七君 私、先ほど大蔵大臣にお尋ねした点は、純粋に予算の点に限定してお尋ねしたのでありますが、今の質疑応答を承わつておりますと、どうも我々の臆測かも知れませんが、来年十月以降の食糧統制撤廃というようなことが、何か批准後にはやらんとも限らんというような含みが、どうも何かあつて、そこのところに、何かもやもやしたものが若干ありとするという気がするのですが、これは橋本長官にお尋ねしたいのですが、先ほどの大蔵大臣に対する質問と若干関連して来るのでありますが、今定員法を我々が審議しておるわけですけれども、それが一応最終的結論が参議院で出た場合に、近い将来に更にこれとは又別個に、何か行政機構改革というようなことを、或いは今の食糧統制等の問題に関連して、大幅な、何か第三次整理といいますか、そういうものをお考えになつておるのでありますか。今そんなことは言えないと言われればそれまでですが、併しいやしくもこれだけの大量の人を整理するという重大な法律を審議しておる際に、今日ここでお話になつておることと、全く食い違うようなことが近い将来すぐ現われて来るということは、政治的責任としても我々としては考えたくないので、多分そんなことはないだろうと思いますけれども、この点について長官に一言尋ねておきたいと思います。
  148. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 先ほど大蔵大臣からお答えを申上げたところと全く同意見でございます。
  149. 小林孝平

    小林孝平君 細かいことは農林大臣一つ聞けということでございまするけれども、朝の質問では、農林大臣は、自分はこれでは不満足だ、とは言われませんけれども、大体不満足だけれども、まあ止むを得ない諸般の情勢上こういうふうになつた。こういうような御説明があつたから、これは農林大臣に聞いても駄目だというので、今度はあなたにお聞きしたところが、細かいことは農林大臣に聞け、こういうことになつて一体誰に聞いたらわかるか。こういうことでは甚だ困るのでありますが、特に私がお尋ねいたしましているこの附則の三項は、これからやろうと思つているのでありますが、統計調査職員のこの六千数百名の整理に直接関係する問題でありますので、これははつきり政府のお考えを聞かなければ、さつぱりこれは質問しようと思つても要領を得ないということになりますから、一つやつぱり休憩してもらつて……。
  150. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 午前中に発言をしたので、午後は御遠慮申上げたいと思つてつたのでありますが、聞けば聞くほど誠にけしからんような問題が出て来るので默つておれんのです。で、行政管理庁長官にお伺いいたしますが、この整理の案が各省から、例えば農林省の問題で論議いたしておりますが、農林管の整理案は、農林大臣そのものがこういうふうに整理したいというものを出して来て、行政管理庁のほうではおやりになつたのかどうか、それを聞きたい。
  151. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) これは私率直にお答え申上げますが、私も実は行政管理庁長官のほかに厚生大臣をいたしておりますので、自分の省で抱えております職員のうちで、これだけは整理できるといつたような原案を、その省内で作るということはなかなかむずかしいところであります。で、今回の案の作成に当りましては、これもしばしばお答えを申上げたところでございますが、政令諮問委員会におきまして、約二カ月を要して一案を作つて総理大臣に答申をされました。それを参考にいたしまして、これでどうだろうという話合いをいたしたのであります。で、その場合に、それを参考にして各省からの案をまとめました。なろうことならそういう形でやるほうがいいと思います。私、率直に申上げまして各省のほうで行政整理案というものは、なかなかはかばかしく出て参りません。で、その政令諮問委員会の答申案を参考にいたしまして、そうして私が、行政簡素化本部において、この項目についてはどうだろう、あの項目についてはどうだろうと言つて、相談をして作り上げたものが、この定員法でございます。
  152. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私がそういうお尋ねをいたしましたのは、小林委員江田委員質問をせられて、さつぱり長官お答えがない。これはわからんから農林大臣に聞け、こういうお話でありますが、そこで誰が一体出したかということを聞きたい。あなたがおやりになつたことになつておれば、これは重大な問題です。人の首を切るというのは並みたいていな、普通では切れんので、あなたも非常に御迷惑だつたと思うのですが、我々が質問をしても、各委員質問をしてもこれはわからん、所管大臣に聞け。そういうことでは長官として実に甚だ我々は残念です。そんなことで多数の職員の首を切ろうということは以てのほかだと思う。若しそんなことでおやりになるのなら大変ですよ。当の責任者が全部腹に入れて、而も答弁は我々の納得行くようにして行くべきだと思う。それを所管大臣に聞けというので、農林大臣がこういうふうな首切り案を出したのかとお聞きしたわけです。そこでここにあります食糧庁のははつきりしている。そこで六千八百八十二人が食糧管理職員だ、それに今度増員もあるようなふうに聞いているが、どこに使うかと聞いてもさつぱりわからない。それでは審議しても全く審議する我々として残念です。こんなことでどうしてこういう首を切つた職員に対して国会議員として責任を持つたお話ができますか。そんな軽々しいことで首切るなんということはできない。みんな人間です。同胞です。どうもそれを首を切ろうというのは、こんなわけのわからんようなことをして、そうして答弁のできないことでどうなりますか。こういうことは、普通の法律と違いますよ。こういう法案をやるには、しつかりした肚で、本当に公平にやらなければならんということになれば、説明くらいは克明にするくらいの度量と思慮を持つてもらいたい。そうでないと我々はお尋ねをし、審議をして、結局の責任は同じことです。それにもかかわらずろくに答弁もできないようなことでどうなります。今に農林大臣も来ましようが、このくらいの肚を持つてもらわんと、所管大臣に任して、所管大臣に聞けというお話は実に心外です。ほかのことと違います。どういうふうにお考えになつておりますか。
  153. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 私が申上げておりますのは、こういう意味になるのであります。今回の整理に当りまして、私はいささか今心外なお言葉でありまして、私も行政整理でこういつたようなことを、国の行政に応じて必要であると思つてつてはおりますけれども、本当に整理をするということは、一人の問題としても、これは大変な問題だということは私もつくづく痛感をいたしております。従いまして、今回の整理に当りましても、退職金その他の処遇関係がきまるまでは、私は手をつけない決心をしてそれから始たわけでありますけれども仕事の内容に関しまして、これは私が整理をするとか、或いは誰が整理をするとかということではなしに、閣内で何遍も練つて、そうして政府意見として、これを決定いたしたわけであります。で只今お話に関しましては、私はこれはもう私が言うまでもなく、ここに御列席の皆様方がよく御存じだと思いますが、農林省関係の、殊に食糧統制撤廃にからみますこの問題は、いろいろと将来の農業政策的な考慮を含んでいる問題でありますから、私はこの問題に関しての答弁は、責任の主管の農林大臣からしてもらうということを申上げておるのでありまして、農林大臣が一貫した形で恐らくはこの配置された人数の仕事の仕振り、それから先々の政策、で、この人数の基礎になつた食糧統制のあり方というようなものと、これは必ずからみ合つて来る問題であるので、これは是非一つ主管大臣の出席を求めて、主管大臣から答弁して頂きたい。そういうふうに考えております。
  154. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この際諸君に申します。大蔵大臣も退席いたしましたし、農林大臣は出席することができません。只今橋本長官との質疑応答に照しましても、本日は審議を進めて行くことは困難であると考えますから、本日はこの程度で散会をいたします。そうして改めて農林委員との連合会を開会するつもりであります。さように御承知を願います。    午後四時十二分散会