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1951-11-09 第12回国会 参議院 内閣・人事連合委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月九日(金曜日)    午後一時二十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事            楠瀬 常猪君            溝淵 春次君            山花 秀雄君    委員            松平 勇雄君            横尾  龍君            上條 愛一君            成瀬 幡治君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君   人事委員    理事            杉山 昌作君            千葉  信君    委員            加藤 武徳君            木下 源吾君            森崎  隆君            小野  哲君            紅露 みつ君   国務大臣    厚 生 大 臣 橋本 龍伍君    労 働 大 臣 保利  茂君   政府委員    行政管理政務次    官       城  義臣君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    法制意見長官  佐藤 達夫君   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君    常任委員会專門    員       藤田 友作君    常任委員会專門    員       川島 孝彦君    常任委員会專門    員       熊埜御堂定君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣送付)   ―――――――――――――
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣人事委員会連合委員会開会いたします。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、これの予備審査であります。  なおちよつと諸君に申上げておきますが、人事院総裁出席を要求しておきましたところ、本日も都合がありまして、三時頃にこちらに出席するということでありました。そのことだけお含み願つておきます。
  3. 森崎隆

    森崎隆君 行政機関職員定員法の一部を改正するところの予備審査が今日から始まりました。いろいろ御質問したいことがたくさんございまするが、最終的には内閣委員会のほうで慎重に審議されるだろうと思います。特に私たちお願いいたしまして、こうした審査の機会を得ましたことを心から感謝申上げます。私本日は主に政府から提案されましたこの法案提案理由説明書につきまして、幸い橋本長官が来られておりますから、御質問申上げたいと思います。この本法案提案理由説明書を一応見ますると、定員法改正、いわゆる今回の首切り法案理由といたしまして、いろいろなことが掲げられておりまするのですが、絞つて見ますると、第一には行政事務簡素化ということが第一に挙げられているように私思います。次には戰前官吏数比較いたしまして、現在の公務員数が非常に増大しておる。これをまあ戰前並みに急減せしめるといつたような理由もあるやに私は承知いたしております。第三には、経済上の自立達成関係から行政費節約等を中心にしたこの問題が理由に掲げられております。第四には、行政事務能率化、これ又簡素化と一連の関係があると思いまするが、特に私は分けまして、第四の理由というようなつもりでいろいろ、ほかにもござましようし、こういう分け方は或いは不完全であろうとは考えますけれども、こういう観点に立ちましてお尋ね申上げたいと思います。  第一の行政事務簡素化の問題でございますが、この問題は、これはやはり敗戰国日本といたしましては、当然であり、必要なことだと私も感ずるのでございます。今回の定員法改正人員が大幅に削減されます理由として、この問題が掲げられております建前から考えますと、当然先ず第一になさなければいけない問題は、行政機構の研究をいたしまして、そこから簡素化合理化というこの仕事が先ず最初になさなければならんと私は思います。これをやらないで、單に一片の文章だけで簡素化理由といたしまして、定員法改正するということでは、どうも私たちはこれで果して国民に対する奉仕者としての完全な業務運営の完遂が期待し得られるかどうか非常に疑問に思つております。特に我々は敗戰国といえども、平和を標榜し、文化を標榜し、道義を標榜して、近代国家の大切な要素である科学性を持つた民主政治を打立てなければならない現在におきましては、やはりこの順序というものを考えて頂きたい。この行政機構簡素化という趣旨でも結構であります。合理化でも結構ですが、機構改革というものを十分研究され、この結論各省機関いろいろ意見を徴し、又は国民全般代表者意見等を徴しまして、これを先ず完了いたしまして、そこから必然的に定員の問題が生じて来るのは当然のことと私は考えるわけであります。この場合行政機構のたとえ簡素化がなされましても、業務内容の量の問題その他の関係から、特に政府においては平和條約の締結を期待しておるようでございますが、そういう関係から考えましても、その結果は必ずしも、或るところにおきましては勿論定員削減ということは招来いたしましようけれども、他の部面において必然的に増大しなければならないようなことも、私は当然来るものであると考えるわけであります。そういう観点から、或る部局には何人増して、或る部局から何人減らすといつた至つて合理的な簡素化がなされ、それに従いまして、どうにもこれは納得しなければいけないと国民全体が一応承服するといつた定員法改正というものが、その次に生れなければならないと私は考えるわけでございます。その第一の問題で、実は私の取越苦労かも知れませんが、この政令諮問委員会答申書を見ましても、私はやはりそう感ずる。順序は誠に行政機構簡素化というものを先に掲げまして、結論としまして最後に人員整理の問題が掲げられてあります。私は端的に申上げますならば、今度のこの定員法改正が、かく急がれました政府の腹のうち、いろいろな説明なり、御答弁では立派なことを申されるかも知れませんが、結局この行政機構改革という根本的の問題が完了されていないときに、定員法を逸早く出すということに非常に私は不安を感ずるわけであります。これは先月の十日の開会劈頭議院運営委員会におきましても、官房長官に私質しましたところ、岡崎さんのほうでは行政機構改革を断固としてやるのだが、それに伴つて定員法改正をやらなければならんのだが、いろいろ複雑な問題もあつて、この際機構改革を後廻しにして定員法だけ先に出すと、誠に私どもとして考えますれば暴論と思えるような、そういう発言がなされておるわけであります。これを私たち裏から考えますと、私どもも今回の政府のやり方はとにかく日米安全保障條関係にまつわりまして、必然的に起るところの軍事的な性格を持つた予算確保ということが必要になつて来る、予算確保のためには米麦の統制撤廃の問題もしなければならない、その他の首切もしなければならん、ともかくまあ一円でも一銭でもこれを減額しなければならんという建前から、この首切のことを手段として考えられる、この首切というか、定員法改正というものを断行するために、これを正当付けるための一つの理論といたしまして、行政機構改革とか、さつき申しましたように、主食の統制撤廃計画やらを後から作られたのではないかといつたように私は思うわけなんです。これは繰返すようでございますが、政令諮問委員会答申順序よくは書いてありますが、どうも狙いが先にあつて、それに後から説明付ける、理論付けるといつたような、非常に私たちとしては納得行きがたい実は問題が含まれておる。今一つ定員法削減される人員の問題は別にいたしまして、こういう大幅の定員法改正に当りましては、政令諮問委員会答申書の中にある通り、半年や一年でばたばたと大きな刀で大勢の首をなで斬る、こんなことはやるべきではいと思う。一応機構改革ができ上つた後に、やはり三年計画なり、四年計画なりいたしまして、自然に計画に従いまして、そこに支障の起らないように定員法改正を徐々にして行くことが、これが私たちは具体的な国家政治のあり方ではないかと実は考えるわけです。こういう私たちは心配を持つております。どうもそういうふうに実は私たちは信じたいのでございますが、非常にこのことは私は悲しいことだと思います。この問題を御質問申上げますと、勿論機構改革が先だとか、何とか申されましようが、現実の問題は定員法だけが先に出ておる。これと行政機構改革との問題との関連性をどのように政府は考えておられるか、これを第一点としましてお尋ね申上げたいと思います。
  4. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 今御質問がございましたが、私は政令諮問委員会答申案基礎にしてこの案を作る頃から人員整理については、基本になるものは何と言つて事務整理の問題だと私は考えております。今行政機構改革お話がございましたけれども機構改革も別途進めておりまして、事実お願いをするつもりでございますが、これがきまらなければ人員整理ができないということを私は考えておりません。むしろ人員整理というものは飽くまでも行政事務整理が大事でありまして、そうしてその行政事務をどういう省なり、局なり、庁なりにさせるかというのは、まあ機構の問題であります。従いまして所定の人員があちこちに移るということは、これはございましようし、そういつた意味において形式的な政府定員法改正というものは、これは機構改革に伴つて起り得べきものでありますから、事務整理がきまつて、そこで人員がきまつて行くと考えておるのであります。今回事務整理基本にいたしまして、この定員法修正案を作つたわけであります。機構改革が起りました場合に、そのほうに移動が生じましても、整理というものはこれ以上は確実に行う必要はないというふうに考えておるのであります。私は今日の状態から考えてみますと、むしろ初めのときには機構改革人員整理一緒にやろうと思いましたけれども、むしろこうやつて機構改革を若干あとに廻すのがいいんじやないかと思つておりますのは、つまり事務整理基本にいたしまして、それにつまり国としてやるべき事務人員とをはつきりきめてしまつて、そうしてそれを現在の機構の上においてずつと整理をして、そうしてはつきりきまつた事務人員とを新機構に配分をいたし、そうして新機構はもう初めから動搖なしに仕事を始めるほうがいいと思つております。森崎委員の御趣旨では、これはまあ三年くらいになしくずしでやつたらどうかというお話でしたが、そうしますと、これはいつまでも不安定の状態が続くのでありまして、やはりいろいろな手当をいたしながら人員整理というものは、今回考えましたように、実質的にはこの十月五日以後、来年六月末までのこの間に整理をいたすということがまあ実情に即した行き方だと考えておるわけなんであります。
  5. 森崎隆

    森崎隆君 今の御答弁を頂きまして、それに関連して申上げたいと思います。定員法改正前提として事務整理をする、それと行政機構改革の問題がやはり関連しているこの問題は、一応私どもわかるのでございまするが、それでは今度の各省定員減の問題につきましては、例えば総理府におきましては、人事事務整理をどの程度やる、これは人事院整理するわけではありませんが、事務がどれだけあつて、それはいろいろ計算調査をした結果、これだけの人員で賄えるというはつきりした結論に基いてこの定員法が出ておるのでございましようか、それをお伺いいたしたいと思います。
  6. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 全くさようでございます。それで各省庁と相談して、私が主になりました行政簡素化本部事務当局で練りまして、その上閣僚懇談会でその案を練りまして、そうして各省庁でどの部分をどういうふうにするといつてきめましたのが定員法改正資料としてお配りしてあるものでありまして、それに対して総体の締めくくりをいたしたのであります。
  7. 森崎隆

    森崎隆君 念のためにお聞きいたしますが、その方針各省責任者かたがたが皆はつきりと確認されておることでございましようか。
  8. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 各省大臣は全部それを確認いたしております。
  9. 森崎隆

    森崎隆君 ところが折角そういうような御答弁がありまするけれども、私ここに頂いた改正資料の中を見ますると、ここに定員、新定員の又減員の表が出ておりますが、説明のところに、いろいろ管理事務簡素化のためとか、いろいろ理由も出ておるわけなんでございますが、そういう部局等によりますと、殆んどその理由は出ていないものがあります。それはまあほかの理由と同じだと言えばそれまででありますけれども、例えばこれは総理府の外局でございまして、「政府人員縮減政策方針従つて云々と書いてあるわけなんです。私はこういう理由が果してこれで理由になり得るかどうか、私はわからないんです。「人員縮減政策方針従つて」と書いてあるんです。これは私はどうもこれじや首切りのための方針政府が立てられたから、止むを得ずこの際この方針従つて五%なり、十%切るというような、そういうようなことに聞えて仕方がないんです。又私の頭が悪いのかも知れませんけれども、こういう点は説明はこれでいいんですか、お伺いいたしたいと思います。
  10. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) それは統計委員会から出されたもので、私はこの各省説明内容を全部載せておりますが、これは統計委員会が書いておりまして、要するに能率化簡素化を図る、能率化簡素化を図る動機として、今回の行政整理を機縁にして改正するのだということで書いたんだろうと思います。趣旨に関しては、これはまあ官房長官重々話合の上で作つたものであります。
  11. 森崎隆

    森崎隆君 例えばこの資料の中の国家消防庁というところでございますが、これの中に、ここは整理人員が十名になつておりまして、「政府行政整理方針に従い、消防事務能率化を図るため技術管理要員十人を整理するものとする。」、その言葉をそのままとりますと、技術管理要員を十名首切ることによつて国家消防庁のほうは非常に能率が上がるということになるわけです。それをもつと換言いたしますと、十名が誰かわかりませんが、いたことによつて能率が非常に今日まで削減されて来たというようなことも逆に私は考えられる。そういう人員は今まで捨てておいた、これは誰が採用したという問題になり得るので、私この理由そのものはつきりしないんですが、もつと簡素化というその面につきまして、もつと詳しく御説明が願えるならば、この際お聞きしたいと思います。若し願えなければ次の問題に移りたいと思います。
  12. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 国家消防庁の分は技術管理でないので、技術要員、これが二名、管理要員が八名であります。計十名を整理するということでございますが、なお私は終始各省最高責任者会つて話をしておつて、部内の締めくくりはそれぞれの省庁長官がやつているわけでありますが、まあ差上げました資料は、これは誰がどういうふうにして作つたか存じませんが、私が閣僚懇談会等におきまして、それぞれの省庁責任者に話しておりますその事務整理趣旨を十分体してのものと考えます。
  13. 森崎隆

    森崎隆君 この資料はどこで作つたかおわかりにならないという、これは行政管理庁のこの中に一緒に配付されたものでございまして、一応これを信頼して申上げるわけなんでありますが、この資料が若し誤まつたものであるとしますれば、これは別の観点から申上げなければならんと思いますが、今国家消防庁の問題は偶然私が開けたところにございましたので、一例として申上げますので、十名の減員、これは合理的に正しければ仕方がございませんが、その前提として、例えば国家消防庁火災その他の業務に従事しておつて、これだけの者がいたわけなんですが、それが十名減すのが正しいということになりますれば、火災統計資料その他いろいろな面から、これだけ減しても大丈夫だと、又東京都なら東京都内で鉄筋の建物が最近何%殖えたといつたような、もつと科学性の富んだ、我々の納得行くようなな資料を頂きまして、こういう観点から十名削減をいたしましても、例えば東京都なら東京都に関しますところの消防庁の任務は十分に遂行できるというような結論の下に十名というものが合理的な計算基礎から算定されまして、これがまあ定員法改正になるというなら私はわかるのです。そのことを何も書かんで、單にこういうような通り一遍の政府首切り政策方針従つて十名を切るというのでは、どうも私には納得行きかねるのでございますね。で、まあこの問題は、ほかのかたがたの御質問のお邪魔をしてもいけませんからこれでおきます。第二はさつき申上げました、戰前比較して非常に公務員の数が膨脹しているというこの問題でございまするが、これにつきまして、この資料も大体信頼できるかどうかわかりませんが、これもやはり中に入つていたわけでございますから、一応この資料に基きまして申上げたい。この資料を見ますると、昭和七年の官吏の数、それから昭和二十六年の官吏の数を比較しまして、特別会計公共企業体とも全部入れまして、昭和七年が九十五万千七百八十七名になつております。二十六年のほうが百五十一万九千五百四十八名となりております。ところがこの中を見て私は特にお尋ねいたしたいのですが、これがまあ正しい資料かどうか私知りませんが、少くともこの内容の中にはいろいろな疑念があるのではないかと私考えております。例えば裁判所職員のところは、これは千二百十名となつておるわけであります。その内容総計と同じように裁判官のみで千二百十名となつております。言換えますと、これで行きますと、日本裁判所裁判官だけで運営できておるようにこれは書かれておる。事務官も要らない、宿直小使も要らない……。
  14. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 表題は何というやつでございますか。
  15. 森崎隆

    森崎隆君 表題は、昭和七年と昭和二十六年の公務員比較表というのが私の手許には来ておるのですが、どこかから紛れ込んだのかも知れませんが、とにかくこの袋の中から出したつもりでありますが、この資料政府責任を持たんと言えばそれまでですが、若し長官のほうで、これはまあ責任を持たれなくても、一応一つ参考資料として私考えても結構だと思いますから、これで続行いたしたいと思います。そういうようになりますと、ここにどうもおかしい面がある。それから検察庁の職員関係も、やはり検察官が六百十八名で、総計六百十八名になつておる。ここにやはり小使いも給仕も全然要らないということになつておる。警察職にいたしましても、やはりこれはゼロになつておる。ゼロでは果して昭和七年頃に警察事務関係が全部動き得たかどうか私はわからないわけです。これはまあ参考資料として一応考えたのでございますが、全般として私実はこういうようなことを申上げて、この問題について果してそれほど公務員の数が激増して、激増することによつて国民に御迷惑をかけておるかどうかということの観点につきまして、御意見を承わりたいのです。新聞にも随分いろいろ報道はされております。国民七人につき一人の公務員がある、これでは大変だといつたようなこと、これはまあ政府のほうからそういうことを言われたのかどうかわかりませんし、まあ賢明なる政府の重要な職責にあるかたがたが、そういうような愚論を吐こうとは私考えませんが、案外各地方に行きますと、これが圧倒的な輿論になつているのですね。まるで総理大臣がこれを言つたように、大蔵大臣言つたように、政府方針だということになつておる。又或る政党の人々もやはりいろいろな場合にこれを使つておる。国民七人について一人の公務員がおるのは以てのほかだ、アメリカは何とかいうような話で随分やつておる。まあこれはわかりませんから皆肯くのです。こういうような危險な資料、これは間違いでありますれば、はつきりと政府のほうで反撃してもらわなければならない。こういうものを出されますと非常に公務員として不利なんです。私がちよつと調べたところを申上げたいと思いますが、これはまあ專門員室のほうにもお願いいたしまして調べて頂いたのでありまするが、それから昨日でしたか公聽会のときにもお話がありまして、大体十九人に一人だというような意見もあるようでございますが、ここに申上げまするところの問題は、これはたしか地方自治庁調べだと思いますのですが、日本では二十五年十月現在で人口が八千三百十九万九千六百三十七名と書いてあります。公務員の数がこれに対しまして二・六四%ということになつております。それからアメリカがえらい少いというようなことを申されておりますのですが、これは二十六年四月調べになつておるようでございますが、米国のほうは、これは一億四千八百九十万二千名程度になつておりますが、公務員の数がやはりパーセンテージで三%五九一となつております。而もこの両方の公務員数とその性格を考えますると、日本で当然まあ公営又特別会計等公共企業体でやつておりますものも、アメリカでは民営のものが非常に多いわけでございますね。そういう観点から考えましても、これはそういうフアクターを入れますと、日本公務員の数は非常に私は少いのではないかと、そういうような結論も実は言い得ると考えるわけであります。少くともこの資料正確度の問題は別にしまして、政府はすでに五十九万の数字を発表しております。この五十九万というのは、私は換算いたしますれば、やはりこの表で総計九十五万一千七百八十七名から陸軍、海軍の武官、文官合計三十五万六千を引きますと、大体六十万少し切れると、これをまあ言つておるように私は考える。この五十九万ということは、はつきりと政府責任者かたがたが何回か発表しておられるわけです。そうしますと、やはり政府では有利な意味使つたのではないかと思う。そういうように政府はつきりとこの五十九万というものを打出すためには、さつき私が指摘いたしましたように、こういう間違つておることを知らないはずがないと思う。そういう不正確なところを知りながら、こういう数字を出しまして、現在の百五十一万云々、この中にあらゆるものが全部含まれておりまするが、これとの比較で非常に厖大しておるということを理由ずけようとしておる。私にとりましては、これは非常に不満な政府の表現の仕方、宣伝の仕方ではないかと私は考えるわけです。この問題につきまして、私は更に申上げたいのは、例えば今回突如として定員法のこういう削減の問題が起りましたが、本当にこういう気持を以て国民に対する奉仕機関を成るべく節減して能率を上げてやろうというこの趣旨は、今になつて政府がこういう気持を持たれるということは非常に心外です。試みに申上げますると、第十国会でございますか、あの末期に、あと五日間か、六日間しか期間のないというあの五月の末に、突如として北海道開発法の一部改正法案なる怪案を持出されたのですね。こういうものは今の時代でありますれば、政府が本当にその定員法を出すという熱意をまじめな意味国民奉仕責任者として持たれておりますならば、あの当時にもこういうことをする必要はないと私は思う。それをあのときに無理押しにやりまして、而も国会が通らなくて二回も会期を延長しておる。その結果、これは現在定員がどうなつておるか、三千名を突破しておる。定員が殖えておる。これは確かに政府無理押しにやつておる。それほどこの法案改正が必要であつたかどうか、非常に私は反省して頂きたいと思う。一方におきましては、これは私は党利党略による考え方ではないかと、おこがましい言い分でありますが、そう疑われても仕方がないようなことにも立ち至るわけです。一方では僅か半歳以前にこういうことをしておきまして、今になつてこの定員法を、大幅に人員削減定員法改正を持ち出される、この矛盾撞着を一体どういうふうに御説明なさるのか、そういう点につきまして、私の結論といたしましては、決して戦前の官吏の数に比較しまして、現在の公務員の数は決してそう厖大に膨脹したものではない。勿論その中には敗戰によりまして、終戦処理その他のいろいろな問題で、止むに止まれぬ特別の機関もありますることは、これは事実であります。そういう関係でプラス・アルフアーの特別増加は、これはいたし方がないと思いまするが、そういう面も考え合せまして、そう膨脹しておるといつたような定員法改正理由としまして、定員の膨脹というようなことは、そう大きく私は取上げてもらつては、これは我々公務員として、いや我々じやない、公務員自身が非常に迷惑を感ずるのじやないかと実は考える次第であります。これにつきまして長官の御意見を伺いたいと思います。
  16. 橋本龍伍

    国務大臣橋本龍伍君) 先ほどお話のありました資料は、行政管理庁が出した資料でないそうでありまするが、大体中味は先ほど申上げましたように、私のほうで有しております資料と元は同じのように見られるのでありますが、政府が今までよく昭和五、六年当時五十八、九万だつたのが、今日百五十万というものは、御指摘のありました通り国鉄、專売を含め、そうして陸海軍、武官を引いた数でありまして、これをこのまま比較することは、御指摘にありましたように不正確であろうと思います。それで今日では公務員法でいやしくも国家仕事をする者は何でも国家公務員だという建前でおりまするので、昔の雇用人でありましたか、つまり官吏の身分でなかつた、官制定員に出て来ないで、予算定員で採用いたしておつた部分が表へ出ておらないのであります。で、その後の数では不正確でありまして、衆議院からも御要求がありまして、雇用員を入れた数字等を比較いたしておるのであります。ただ今日それを勘定に入れ、そのほかいろいろな面をかれこれ勘案いたしましても、今日の事態におきまして、公務員の数というものは非常に殖えておると思います。勿論その殖えておりますることの基本としては、これは御指摘にありましたように、仕事自身が殖えておるところもたくさんありまして、その仕事自身も国の総体的ないろいろな観点から、できるだけ真に必要なものにとどめて整理をいたして参りたいと思います。仕事整理もし、それから且つ又人員能率も上げて参りたいと思つておるのであります。仕事の殖えたのと、それともう一ついろいろな諸点から言いまして、この計算の細かい仕方については、なおよく研究を要しまするが、数的に見まして、今日非常に公務員の数というものが殖えておるということは、私は確かにそう考えております。
  17. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと委員諸君に申上げますが、衆議院の内閣委員会橋本長官出席を希望して、開会にまだ至らなくて困つておるそうであります。それで長官は衆議院に参りまして、できるだけ早く用務を済ましてこちらに帰つて来るということであります。従いまして政務次官もおりまするから、政務次官から答弁してはどうかと、かように考えます。それだけ申上げておきます。
  18. 森崎隆

    森崎隆君 今の委員長お話は一応はよくわかりますが、この定員法の問題は非常に私は重要に考えておりますので、やはり最高責任者にいろいろ御質問申上げたいと思います。若し長官がたつてあちらにお出でになれば、岡野大臣でも結構ですから来て頂きまして、それまでは私ここで待たして頂く……。
  19. 河井彌八

    委員長河井彌八君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止〕
  20. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて……。では暫らく休憩いたします。    午後二時十三分休憩    ―――――・―――――    午後三時五分開会
  21. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 休憩前に引続きまして連合委員会開会いたします。  諸君に申上げておきますが、行政管理庁長官は衆議院の内閣委員会出席いたしまして、本日のところは急速にこの委員会に出て来ることができないであろうという通知を受けたのであります。そうして只今労働大臣が出席せられましたので、この定員法改正案につきまして、労働大臣の最も深い関係を持つておられます事項がありまするから、それにつきまして御質疑等がありますれば、甚だ好都合と考えます。
  22. 三好始

    ○三好始君 今回の定員法改正案によつて整理されます人に対する失業対策について、どういう具体的な案ができておりますか、それを承わりたいと思います。
  23. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 今回の行政改革を目指しております、それの必然の結果生ずると思われます人員整理は、政府が提案いたしております原案から割出しますと、長期欠勤及び欠員の関係もございまして、実際整理の実人員といたしましては、私は大体六万内外になるのではないかというふうに予測をいたしております。これらのかたがたをどうするかということは、今度の行政改革政府として方針を決定いたします際に、その前提として退職者に対する措置をどうするかということを先ず決定した上に、これに手を付けるべきであるという基本的な考え方に基きまして、先ず昨年の事変以来何ほどかの失業と申しまするか、労務状況が改善せられて来ておるとは申しましても、日本の実情からいたしまして、又置かれておりますいろいろの悪條件の下におきまして、失業問題それ自体は依然として深刻なものがございますので、この深刻な失業状態の中に相当多数の退職者を出すという結果になりますし、従いまして退職者の生活問題をどうするかということにつきましては、政府といたしましても最も心配いたしましたところで、先ず離職後相当期間の生活に不安なからしめるように、まあ財政力の状態にもかかつて参りますけれども一つ思い切つて退職金を大幅に支給するようにいたしたい。そのことが結局前回の行政整理当時に比べまして、来年三月までに退職せられるかたについては八割、四月以降六月までに退職せられるかたについては四割増の退職金を支給する。併しながらこの退職金が今日の税制の上からいたしますと、退職金それ自体に又過重の、相当重い税金が課せられるという実情になつておりますから、無論一般税制の問題と関連してのことではございますけれども、特にこの点にも留意をいたしまして、今回国会に御審議を願つておりまする税制の改正の中に、退職金に対する課税の大幅の緩和をいたしまして、手取り退職金が従来よりも著しく改善せられるような処置をとつておりますのも、ここに由来をいたしておるわけでございます。そういうことをいたしますと同時に、できるだけまあ退職金をそういうふうにいたすことによりまして、希望退職者によつて、まあできれば退職を希望せられるかたによつて、これが達成できれば非常に幸いであるわけなんであります。それを期待いたしておりまするけれども、実情はそうは必ずしも行かない。その場合においては先ずそれぞれの実施官庁におきまして、十分の斡旋民間転出への斡旋をいたす。それについてはこの公務員の職業上のいろいろの制限が相当邪魔になる。従いまして、この職業制限を緩和いたしまして、先ず第一着手としては実施官庁において極力斡旋をいたす。併し相当地域も広汎に亘り、人員も多数になることでございますから、それでも無論足りないことに対しましては、今日の労務状況ではございますけれども、職業安定所に御奮発を願つて、そうして一人でも多くのかたに再就職の機会を作るようにいたさなければならんというような考えを、方針を決定いたしたのでございますが、併し望ましいことは今日の状態からいたしまして、できるだけ産業戰線に立たれることが今日の日本の実際からいたしまして有意義であり、且つ又退職者それ自体のかたが将来生活の安定を期せられる上におきましても、最も望ましいことだと考えておるわけであります。従来各府県庁の協力を得て実施いたしておりますいわゆる職業補導と申しますか、この実績を見まするのに、労働市場の状况に応じまして補導種目を選んで、そうして半年乃至一カ年間の短期で以て簡易な技術修得の機会を與え、そうして再就職戰線へ送り出しておるわけでございますが、この実績を見ますると、殆んどまあ希望補導を受けられた人で就職を希望せられるかたは一〇〇%といつていいくらい就職ができておるわけであります。今日の失業問題の全体を通観いたしましても、比較技術を持つておられるかたの就職は今日の非常に深刻な中におきましても比較的容易であるわけであります。でございますから、決してこれもまあ政府でそれをどうするこうするということはございませんけれども、そういう希望で以て技術を身に付けて、そうして将来の生活の基礎を固めようという希望を抱かれるかたにつきましては、そういう機会をできるだけ簡易に與える方法を講じなければならない、そういう上からこの今回の退職者を対象として、二十七年度限り臨時の応急補導施設と申しますかをいたすことになりました。そうして、今回御審議を願つております補正予算の中におきまして、それに要します準備費と申しますか、いろいろ機械購入その他の施設費として所要の予算を計上いたしまして、来年の三月までにそういう手配準備をいたし、四月から希望に応じて直ちに活動を開始するというふうに方針を決定をして只今準備を進めておるわけであります。かくのごとくいたしまして、今回の実際整理を受けられるかたが、まあ政府原案によりますれば、私は六万内外と見ておりますが、そのうちで再び就職を希望せられるかたがどのくらいあるだろうか、従来のいろいろの例から見ますると、まあ大体六、七割ぐらいが再就職の希望を持たれるかたになつておるのではないかと思つておりますが、以上のような措置を講じますことによりまして、大体今回の退職者に対する、離職者に対する対策は完全とは決して申しませんが、ともかくも凌いで或る程度の、或る程度ではない、大体の措置はできるであろうと、かようにまあ考えておる次第であります。
  24. 三好始

    ○三好始君 只今の御説明によりますと、今回整理される予定の人員の失業対策として、職業補導施設なり或いは特に職業安定所の活用によつて民間産業への吸收を図つて行きたい、こういうような予定のようでありますが、活躍を政府が期待しておる職業安定所自身が今回やはり相当人員整理されることになつておる。これは甚だ矛盾したような感じを受けるのでありまするが、これについては労働大臣としてどういうお考えでありますか。
  25. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 御指摘の通りでございますけれども、併し職業安定所の整理人員は、全体に比較いたしまして、非常に少いのでございます。実際の安定行政を実施して参ります上におきまして、これで支障を生ずる憂いは私はないと考えております。今日まででも相当の、この職業安定所の職員が、最近は所によつては下火ではございますけれども、一頃猛烈な日雇いの関係が悪化しておりました節の安定所の職員の活動状況というものは実に涙ぐましいものがあつたわけで、今回大きな行政改革の線に沿つて多少数の上では僅かと申しましても多少とも減員をいたすということは、相当又過重の御苦労をかけるということにつきましては、私も考えざるを得ないわけでございまするけれども、併しこれによつて安定行政それ自体が大きな阻害を受けるというようには考えておりませんし、又職員もそのつもりでやつて頂きたいと思います。
  26. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君に申上げますが、衆議院から又労働大臣の出席を、再三委員長まで要求して参りましたから、労働大臣は御退席も止むを得ないと考えます。つきましては他の政府委員において満足が行くならば委員会を続行いたしますが、如何でございますか。
  27. 楠見義男

    ○楠見義男君 実は今私も労働大臣に二、三お伺いしたいことがあつたのですが、そういうふうに大臣がお見えになつてちよつと腰かけた程度で又行かれるようでは、我々も実は落着いて審議ができないのです。従つて本日はこの程度で散会して頂きたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  28. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後三時二十四分散会