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1951-11-05 第12回国会 参議院 内閣・外務連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月五日(月曜日)    午前十時三十一分開会   —————————————  委員氏名   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事      楠瀬 常猪君    理事      溝淵 春次君    理事      山花 秀雄君            郡  祐一君            松平 勇雄君            横尾  龍君            上條 愛一君            成瀬 幡治君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三好  始君            三浦 辰雄君   外務委員    委員長     大隈 信幸君    理事      徳川 頼貞君    理事      曾祢  益君            九鬼紋十郎君            杉原 荒太君            加藤シヅエ君            金子 洋文君            伊達源一郎君            野田 俊作君            西園寺公一君   —————————————  出席者は左の通り。   内閣委員    委員長     河井 彌八君    理事      楠瀬 常猪君    委員            郡  祐一君            成瀬 幡治君            上條 愛一君            楠見 義男君            竹下 豐次君            栗栖 赳夫君            三浦 辰雄君   外務委員    理事      徳川 頼貞君            曾祢  益君    委員            杉原 荒太君            金子 洋文君            野田 俊作君   政府委員    外務政務次官  草葉 隆圓君    外務大臣官房会    計課長     高野 藤吉君    外務省政務局長 島津 久大君   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君    常任委員会專門    員       藤田 友作君    常任委員会專門    員      久保田貫一郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○外務省設置法案内閣送付)   —————————————    〔河井彌八君委員長席に着く〕
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これから内閣委員会外務委員会連合委員会を開会いたします。  議題は外務省設置法案であります。
  3. 草葉隆圓

    政府委員草葉隆圓君) 外務省設置法案提案理由を御説明いたします。  すでに御承知通り、本年九月八日にサンフランシスコにおきまして、大多数の連合国我が国との間に平和條約が調印されましたが、これによりまして、我が国は、近い将来において、主権国家として国際社会に復帰いたすわけであります。従つて政府といたしましては、外交関係再開のため鋭意諸般の準備をいたしておる次第であります。加ろるに、平和條約によりましてわが国の義務とせられております諸問題、例えば賠償、漁業、連合国財産補償等のあるものにつきましては、すでに條約発効前の現段階におきましても、関係外国との下打合せが開始されて参る状態であります。  従いまして外務省事務内容が量と質とにおいて急激に変化して参りました関係上、従来の機構を以てはこれに対処することは非常に困難となりました。新事態に即した機構に改め、現在の事務遂行に遺憾なきを期しますると共に、近い将来の正式の外交再開に備えんとする次第であります。  以上がこの法律案を提案いたします理由であります。  何とぞ愼重御審議の上、御採択あらんことをお願いいたします。
  4. 島津久大

    政府委員島津久大君) 外務省設置法案内容について御説明申し上げます。  本法案は、現行外務省設置法改正して全面的に本法案を以てこれに代えようとするものでありまして、形式的には全文改正の形をとつておりますが、内容的には、改正主要点は、外務省機構に関するものでありまして、外務省任務権限等規定は、多少の技術的な修正を除いては、従前通りであります。  改正されました点は、第一に、局の編成変更、第二に、特別な職の設置、第三に地方連絡調整事務局の縮小、第四に、在外公館に関する規定及び第五に在外公館長に対する官邸の貸與の五点に帰するのでありまして、以下この五点について御説明申し上げます。  先ず改正の第一は、局の編成変更ようとすることであります。  従来、外務省内部部局は、大臣官房のほか、政務局国際経済局、條約局、調査局監理局及び連絡局の六局並びに情報部からなつておりましたが、今回は、官房のほかに、アジア局欧米局経済局、條約局、国際協力局及び情報文化局の六局を設けました。即ち、政務局調査局監理局及び連絡局が廃止されましてアジア局欧米局及び国際協力局が新たに設けられ、情報部及び国際経済的の名称をそれぞれ情報文化局及び経済局に改めるわけであります。  この改正は、先ず第一に、従来政務局で行なつておりました政務の処理、調査局で行なつておりました調査事務監理局で行なつておりました在外同胞保護等事務を、戰前のよう地域別に行なうことによつて有機的なものとするため、アジア局欧米局を設けましたこと、第八條及び第九條であります。次に第二に、従来條約局の一部で行なつておりました国際協力関係事務を一局に独立させまして、平和後の国際社会における国際協力の促進に十分な準備をいたすことといたしまして、これに当分の間、従来連絡局で行つておりました総司令部との連絡事務を行わせることといたしましたこと、第十二條であります。最後に第三に、従来政務局情報部で行なつておりました情報文化活動を一局で行わせることによりまして、平和回復後における情報活動、更には文化国家としての文化外交に備えまして今から準備をかため、遺憾なからしめようといたしましたこと、第十三條であります。  次に、改正の第二は、外務省に特別な職として、官房長次長顧問及び参與を置こうとすることであります。  この改正は、先ず第一に、前に申述べました通り政務局が廃止されることによりまして、従来政務局で行なつておりました外務省所管行政総合調整事務は、改正後は、大臣官房が行うこととなりますので、官房官房長を置いてその統括を行わしめることといたしましたこと、第六條第一項及び第二項であります。次に第二に、経済局次長を一人置きまして、ますます複雑に且つますます活発になつて参りました経済外交事務に人的にも万全の準備態勢を整えることといたしましたこと、第六條第三項及び第四項であります。最後に第三に、本省顧問及び参與を置きまして、戰後の空白時代を経過して新たに国際場裡に出て参ります我が国外交に各方面の意見を十分反映して、正しい平和外交遂行に努力することができるようにいたしましたこと、第六條第五項及び第六項であります。  改正の第三は、地方にあります連絡調整事務局を整理して行政簡素化趣旨に沿おうとするものであります。  この改正は、従来十一カ所に設置されておりました地方連絡調整事務局を六カ所に整理いたしまして、占領行政の縮減に呼応して、占領の完了までの間、連絡事務を能率的に行おうとするものであります。このため、関東東海北陸神戸中国及び四国の五つの事務局を廃止して、関東連絡調整事務局事務横浜連絡調整事務局に、東海北陸神戸中国及び四国の各連絡調整事務局事務大阪連絡調整事務局に統合いたしました。第十九條であります。  次に、改正の第四は、在外公館に関する規定を具体的に、且つ、詳細に規定ようとすることであります。  この改正は、従来、在外公館につきましては、第四章において従前法令の定めるところによるとしておりましたが、いよいよ在外公館設置も真近に迫つて参りましたので、第四章の規定を根本的に改めまして、在外公館設置についての法律的根拠を明確にするため、在外公館設置根拠、第二十二條第一項であります。種類第二十二條ニ項であります。所掌事務及び権限第二十三條、名称及び位置第二十四條、在外公館長第二十五條等を定めることといたしました。即ち、  第二十二條におきましては、その第一項におきまして、在外公館外務省機関であることを明確に定め、日本の国外に置かれます政府公館はすべて外務省機関としてその任務遂行することといたしました。又第ニ項におきまして、在外公館種類を掲げまして、これを、大使館公使館総領事館領事館総領事館分館領事館分館名誉総領事館及び名誉領事館の八種類といたしまして、現在在外公館として設置されております日本政府在外事務所につきましては、その性質上、臨時的なものでありますので、これを附則に譲りまして、第二十二條には、本来の意味での在外公館種類を掲げたのであります。  第二十三條におきましては、在外公館所掌事務及び権限を定めまして、その所掌事務は、本省所掌事務同一とし、ただそれらを外国において行うという点に特色があるわけであります。又権限につきましては、在外公館性質上、当然のことでありますが、ずべて條約、その他の国際法上の根拠に基いて與えられました権限を持つこととなるのでありまして、国際慣習法上の権限国内法において立法化されたものをも含めしめるため、第二十三條には、條約、確立された国際法規及び法律に基いて在外公館に属せしめられた権限を行使すると規定いたしたのであります。  第二十四條におきましては、在外公館設置法律によつて明らかにされていることが望ましいことでありますので、原則として、在外公館名称及び位置は、法律で定めることといたしまして、これを、将来在外公館設置の問題が具体化して参りましたときの法律に譲りまして、第一項にその旨を定めました。併しながら、在外公館設置が全く相手国政府との合意を前提としております関係上、いつどういう時に設置の必要が生ずるか予測できないことでありますので、国会閉会中であり、且つ、非常に急を要しますときには、予算の範囲内において、政令をもつて在外公館を増置し得るように、第ニ項規定いたしました。第三項におきましては、只今申上げました理由と同様、相手国政府との交渉如何によりまして、急に領事館公使館に、公使館大使館にというようにその種類変更しなければならない事態発生することが十分予想されますので、こういう場合において、国会閉会中であり、且つ、非常に急を要しますときには、政令を以て在外公館種類変更し得ることといたしました。この点は、現在日本政府在外事務所設置法において規定されているものと大体同一規定であります。  最後に、第二十五條におきましては、在外公館長について規定いたしました。これは、御承知通り在外公館が、外国におきましては、我が国を代表する政府機関でありまして、その長は、我が国を代表するにふさわしい資格を有していることが必要であります。従いまして、これを明らかに法律規定いたし、第一項におきましては、在外公館には必ず在外公館を代表する在外公館長を置くという根本原則規定しました。第ニ項におきましては、総領事館及び領事館分館を除くすべての他の在外公館の長の官名を示めしまして、大使館公使館総領事館領事館名誉総領事館及び名誉領事館の長は、それぞれ特命全権大使特命全権公使総領事領事名誉総領事名誉領事という官名を必ず特つていなければならないとしております。これは、国際慣習法上当然のこととも言えるわけであります。第三項におきましては、在外公館長任務規定いたしまして、在外公館長が、外務大臣の命を受けて、当該在外公館事務を統括する任務を有することを定め、第四項におきましては、在外公館長に事故があつたり、在外公館長が欠けた場合において、その職務を代理する者をあらかじめ定めておいて、在外公館長がいなくなつて在外公館事務が統括されないような失態の生ずることを未然に防止しているわけであります。  なお、現行法第二十一條に規定されております大、公使任免について天皇の認証を要するとの規定は、外交官領事官身分関係に関する法律に一括規定するのを適当と認めまして、本設置法案から削除いたしました。  以上が、在外公館につきまして規定いたしました第四章の大要でありますが、現在設置されております日本政府在外事務所につきましては、先ほど申上げました通り附則に譲りまして、当分の間、外務省機関である在外公館の一として日本政府在外事務所設置し得る旨をその第三項に定め、その法的根拠は、従来制定されております日本政府在外事務所設置法による旨を第四項に定めたのであります。  最後に、改正の第五としまして附則におきまして、在外公館長にも公邸を無料で貸與し得るように「国家公務員のための国設宿舎に関する法律」を改正いたしました。これは、在外公館長十分任地で執務できるよう生活條件を改善しようといたすものであります。
  5. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 本案につきまして御質疑がありますれば、この際御発言を願います。
  6. 曾禰益

    曾祢益君 若干御質問申上げたいのですが、先ず第一に、この設置法は大体御説明趣旨から言いまするならば、現状におきまして講和條約が調印され効力発生する前においても、外務省機能が非常に充実されなければならなくなつた、かような事情に鑑みましての外務省機構改革だと考えられるのでありますが、このことといよいよ効力発生いたしました後における、いわば本格的な外務省機構改革との関係は一体どうなるのか。即ち大体現状におきましては、只今行われんとする機構改革を以て効力発生後の本格的な事態に入つてもそれで大体十分であるという見通しでおられるのか、或いは今度の機構改革はいわば過渡的の暫定的な機構改革であり、効力発生後の事態に対処しては別途本格的な機構改正考えておられるかどうか、先ずこの点について御質問申上げたいと存じます。
  7. 島津久大

    政府委員島津久大君) 只今お話がございましたように、講和條約が調印になりまして、現在効力発生前ではございますが、先ほど御説明申上げましたように実際上各種の渉外、外交的な事務が出て参つたのであります。平和條約の効力発生も間近いことでございますので、この機会に成るたけ平和條効力発生後の事態にも適応するように今回の機構改正考えましたので、大体今回の改正が臨時的なものであつて将来本格的なものを別に考えるという趣旨ではございません。多少の変更は勿論あることと考えるのでございますが、できるだけこの態勢で将来もやつて見たいという考え方であります。勿論平和條約の効力発生いたしまして、それから各国との間に正常な外交関係が出て来るのであります。御承知ように例えば仮に来春というような時期に一齊に調印国の大多数との間に外交関係ができ上るものでもないのでありまして、だんだんと順次展開して参るのではないかと思つております。従いまして将来一定の期間を経過いたしました後においては、又或る程度の調整も必要かと考えております。趣旨といたしましては、できるだけこれで本格的な改正に持つて行くというつもりであります。
  8. 曾禰益

    曾祢益君 そういたしますると、大体現在の必要に応ずると共に、大体現状において考えるならば、この機構を以て本格的な活動に入つてもいいと、別にこの際二段がまえに考えておられないと、かように解釈してよろしうございますか。
  9. 島津久大

    政府委員島津久大君) その通りでございます。
  10. 曾禰益

    曾祢益君 細目の点は別といたしまして、第二に伺いたいのは、この第二十二條在外公館外務省との繋がりでありまするが、従来の設置法におきましては、「在外公館外務大臣管理に属し、外国において本省所掌事務を行い」云々となつてつたんですが、これが今度の改正法案によりまして、「外務省機関として在外公館を置く。」と、こういうふうに変つたことが非常に本質的な相違のように御説明があつたのですが、この点はまあ従来の「外務大臣管理」ということと、「外務省機関として在外公館を置く。」というのは、実質的に非常に違つておるのであるかどうか、これをもう一遍御説明願いたいと思います。
  11. 島津久大

    政府委員島津久大君) 現行設置法第二十二條、「外務大臣管理に属し」の管理の点でございますが、これは当然のことといたしまして削除いたしたのであります。今回御審議願います設置法のほうは、御指摘よう機関としての面を謳つたわけでございまして、管理というような、何と申しますか、運用と申しますか、そういう面は、先ほど御説明申上げました中にもちよつと触れておきましたが、身分的な関係外交官領事官の身分的な関係を別に又法律規定いたしたいと思つております。むしろ従来の「外務大臣管理に属し」というよう事柄は、そのほうに廻る事柄であろうと考えております。
  12. 曾禰益

    曾祢益君 私の質問の説明がまずかつたかと思うのですが、つまり今度特に改正法案説明の中に、一つ重点を置かれた所だと思うのです。この外務省機関としての在外公館を設ける、その必要は、つまり従来の在外公館においては、外務省機関でない機能を発揮したことがある、或いはそれが法令上不備であつたために外務大臣手下でない、俗に言う身分的にも或いは機構的にも手下でないようなものができて、そこに最も必要であるところの外交一元化、殊に対外国政一元化が乱れたというよう根拠があつたというようなことから、今度はその点がそういう疑義を残さないように、在外公館というものは外務省機関であるということを頭から謳つておる所が改正一つ重点ではないかと、かよう考えるので、その点をもう少し御説明を願いたいと、こう申上げておるわけなんです。
  13. 島津久大

    政府委員島津久大君) 只今意見通りでございまして、只今趣旨の点を設置法條文に書きますというとこういうような表現になるのであります。この点は先ほども御説明の中に申上げました通りでありまして、在外公館はすべて外務大臣の管下に立つという考えに基いております。
  14. 曾禰益

    曾祢益君 そこで過去においては然らばどういう国家的な在外機関ができて、外務省機関以外であり、且つ事実上か或いは法律上か外務大臣管理から外れるようなものがあつたか、どういう実例があつてどういう実害があつたかということの御説明を願いたいと思います。
  15. 島津久大

    政府委員島津久大君) これは曾祢委員のほうが御経験も豊冨でよく御承知だろうと思うのでありますが、只今詳細の資料を持ちませんのでございますが、陸海軍武官が御承知よう活動をしたこと、これはまあ別といたしまして、そのほかにも財務官事務所、或いは労働関係事務所、そのほか臨時的なこまごましたものが数々あつたようでございますが、この点はちよつと私頭にございませんので、正確なところは取調べましてお答え申上げたいと思いますが、これらの機関外務大臣を通さないで、それぞれ本省の各大臣に直結をしておつたような形になつておりまして、従いまして外政の一元化という点から見まして遺憾な点が少くなかつたのでありまして、詳細の点はいずれ取調べましてお答えいたします。
  16. 曾禰益

    曾祢益君 今政務局長が言われたように、大きく分けましたならば、いわゆる武官府と言いますか、陸海軍のアタツシエ、それから財務官、それから商務官についてはいろいろいきさつがあつて大体外務大臣も管轄しておつたようですが、貿易事務所とか、いろいいろな政府事務所があり、所によつては内務省の事務所もあり、或いは農務省事務所もあつて、雑然としておつたように思うのですが、そういうことは確かにいわゆる技術的に小さく考えて見ると如何にも必要性があるようではあるが、それが過去において非常に失敗のほうが多かつたというように私は考える。そこでこの際在外公館というものは外務大臣機関である、外務省機関であるということを明らかにすることは非常に結構だと思うのですが、ただ問題はこの書き方だけで在外公館外務省機関である、こういう書き方によつて今後各省、即ち政府機関が他の実際上の連絡事務所等を置かないということをはつきりさせるだけの積極的の効力があるかと、これだけで十分であるかどうかということがちよつと私は法律家ではないからわからないのですが、これで果して十分であるとお認めであるのか。
  17. 島津久大

    政府委員島津久大君) これは法務府の専門のほうの意見といたしまして、これで十分だということだそうでありまして、各省大臣権限というものが別に行政組織法できまつております。それらの関連からいたしまして、こういう書きようで先ほど来お話の目的を達するというので、こういう書き方をいたしたわけであります。
  18. 曾禰益

    曾祢益君 それでは在外公館外務省機関として設けるという書き方だけで、今後政府のいろいろな機関が、一時的に人間を派遣するということは別として、何と言いますか継続的に自分の所轄する公務員を海外に派遣して事務所を持たして事務をとらせるということは、この書き方でさせ得ないということははつきりしておると解釈してよろしうございますね。
  19. 島津久大

    政府委員島津久大君) その通りでございます。
  20. 曾禰益

    曾祢益君 もう一つ重要点について伺いたいのでありまするが、この法律にありまする最後の点でございまするが、第二十六條に、「外務省に置かれる職員任免、昇任、懲戒その他人事管埋に関する事項については、国家公務員法の定めるところによる。」、かようになつておるのでありまするが、外務省のお考えとして、外務省職員は、在外職員についても現在の国家公務員法規定そのままでやつてつて差支えないとお考えになつておるか。それとも特別の公務員法を制定するというようなお考えであるかどうか、この点を伺いたいと思います。
  21. 島津久大

    政府委員島津久大君) 只今指摘の点は、目下研究を重ねておる点でございまして、外務省在外職員はもとよりのこと、外務省職員全般につきまして、現行公務員法そのままを適用することが適当であるかどうかという点は相当問題があるわけでございます。いずれ在外公館が正式に開設されますまでの間に、それらの点を十分研究いたしまして、できるならば次の通常国会にでも或る形の法律を提出いたしたいという考え研究をいたしております。
  22. 曾禰益

    曾祢益君 只今の御答弁は大体了承いたします。これは私見でございまするが、少くとも在外職員については特別法の制定が必要ではないかというふうに考えておりますので、この点十分にお考え願いたいと存じます。それから続けて少し細目について質問申上げたいのですが、第一に、この局の編成でございますが、今度の編成によりますると政務局調査局に属しておりました一般政務とでも申しますことか、即ち通商関係、條約関係というようなものを除いた一般政務についてはこれをはつきりとニつの地域局に分けられ、アジア局欧米局と、かようになつておるのでありまするが、これは申すまでもなく、かようにニつの地域局政務を分断するためにいろいろな支障が起るのではないか、アジアとヨーロツパのこれは地理的な線の引き方であり、生きている国際政局現状から言うならば、両地域に跨つた大きな問題が当然に存在するわけでありまするが、かような問題、例えばこれを一つコミンフオルム諸国と、自由世界というふうな分け方もございましよう。かような点から言いましてもいろいろニつの地域局に分けてしまい、殊に政務を総括するような、或いは調査事務を総括するような局を置く点については、これは十分にお考えになつたと思うのでありまするが、その利害得失がどうであるかということと、現在の新らしい分け方によりまして、然らばそういつた地域では分け切れない一般政務調査はどこでどういうふうにしてやつて行かれる考えであるか、この点を伺いたいと思います。
  23. 島津久大

    政府委員島津久大君) 御意見の点は御尤もでありまして、政務関係の統合と申しますか、総合性を二つに分けることによつて害しはしないかという虞れも勿論あるわけであります。この点は従来、外務省機構を、過去を振返つて見ましても、かなり問題の点であつたと思うのであります。もともと政務関係一つになつておりまして、その下に地域別に分けるというよう考え方もして見たのであります。そうなりますというと、この現在の行政組織の建前からいたしまして、この局にははまり込まないような形にもなるわけであります。或いは又政務局地域局地域によつて二分乃至三分いたしますと、その間個々ばらばらになる虞れがあるという点からいたしまして、別に総務局的なものを置くというようなことも考えて見たのでございます。併しながら現実に責任を以て或る地域政務に專念しておりまして、その局のほかに併立した局が別にありまして、それが地域的な政務局を統合すると申しましても、これは考え方としては成り立ちますが、現実の問題といたしましてはなかなかそううまく運用ができないのでございまして、くだけて申しますと総務局が浮いてしまうというような形にもなりかねないのであります。いろいろそういう点を考えまして結局政務局の数の問題もあるわけであります。現在のところ二つに分けまして、そうしまして全体の各局間の調整というような仕事を官房の総務課で取扱う、そうして政策全体の統合は両局において、乃至は相互に調整をするという考え方に落ち付いたわけであります。どの行き方でなければ一〇〇%でないということは、なかなかこの機構の運営から申しましてむずかしいわけございまして、現在のところ私どもこの案が最良と考えておる次第でございます。
  24. 曾禰益

    曾祢益君 いろいろの考え方があるでありましようが、暫定的には二つの地域局に分けて見た、そうして足りないところは両方の連絡を十分にすることと、又一部においては官房機関を活用するとでも言いますか、その一課を以てある程度の相互調整をするということは、過渡的な考えとしてはわかるのでありますが、併し果してこれで足りるかということは相当私は疑問があると思います。従つて最初に私が御質問申上げた点も、かような点にも関連して来るのでありまして、一応これでスタートして見て、更に本格的な外交時代に入つたならば、必ずしも一般的な官庁機構といいますか、言葉が古いので恐縮でありますが、何という言葉を使つていらつしやるか知りませんが、行政官庁の一般的な構成に必ずしも捉われることなく、やはり総括するところの政務総局的なものでもやはり設けるほうがいいのではないか、かような点も一つ御考究おきを願いたいと存ずるのであります。意見でございますから御答弁は求めません。  次は国際協力局のことですが、当分の間従来連絡局でやつておられた総司令都との連絡事務を行わせることにされているのでありますが、実は御承知ように、これから講和條約並びに日米安全保障條約が実施されるであろう。この間の過渡期は非常に重要な時期であつて、これは外務省でもいろいろ陳情等をお聞きになつていると思うのですが、今や命令する司令部から、いわゆる日本を守るための友好的な軍隊に変らんとするこの過渡期におきまして、国民と外国軍隊との間にいろいろ厄介な問が題起つております。これは一般の大きな政治問題としての、結局行政協定に移行する間のスムースな両者の間の関係の規正の問題でございますが、それに関連いたしまして、従来連絡局でやつてつたよう事務以上に、もつと立入つてこの占領軍或いはアメリカ軍といいますか、と日本国民との間のいろいろな問題の調整に真に当つて行くよう機関が必要ではないか。果してその意味に応えるだけの内容と気魄と機能の充実を持つている国際協力局と、その地方機関であるか否か、これは非常に私は重大な問題ではないかと思うのです。非常に抽象的なことを申しましたが、極めて簡單に実例を申上げるならば、現に横須賀地区におきましても、すでに一旦民需に転換した旧兵器工廠に対しまして、再び兵站司令部からこれを接收したいという希望がある。これは一片の命令だけでやつてしまうという時代ではなくなつている。かような問題が現に起つております。更に又いわゆるPDというものが大体なくなりまして、特別調達庁から手を引かれて特需工場になつた。その特需を引受けている日本人の工場におきまして、その工場とアメリカ側とのいろいろな契約関係において、十分に日本人の業者の利益が守られているか。更には又これらの特需工場における日本人労働者が十分なる日本の労働法規の保護を受けているかどうか。現実においては往々にして受けておらない。これらの問題については、もとよりこれは外務省だけの問題だとは私は申上げませんが、これらの占領軍或いはアメリカ軍と日本国民との間の問題を現実にオーバー・オールの見地から見てやるところの機関が極めて必要である。果してそれに応える国際協力局及びその機関であるかどうか。この点についての外務省側のお考え準備はどうであるかということを承わりたいのです。
  25. 島津久大

    政府委員島津久大君) 只今意見の点は、結論的に申しますと、例えば安全保障條約の効力発生いたしまして占領軍が切替わる、その後どういうふうな措置をするかというふうな点、それらの点につきましては、今回のこの外務省機構改正では一応考慮から外してある次第です。先ほど初めに御質問にございましたこの態勢で将来動かずにずつと行くのかという御質問に対しまして、建前として暫定的なものじやなくて、できるだけこの態勢で将来も行きたいと申上げましたのですが、その例外として、只今の点は例外の一つだろうと思うのでありまして、これは只今お話がございましたように、国内の機関との関係もあるわけであります。それらとも見合つて決定すべき問題でございます。なおまた行政取極そのものもまだ固まつておらぬというような状況でございますので、いずれ又、仮に来春條約が効力発生するとしまして、勿論それに間に合うよう考えなければならんと思つておりますが、その点は今回の案では外して考えておるわけであります。それで連絡局関係はそのまま国際協力局で取扱う、そういう建前でございます。
  26. 曾禰益

    曾祢益君 今の御答えは、むしろ恒久的な機構としては私の必ずしも十分でないのではないかということに対する間接的のお答えではないかと思うのですが、この点は甚だ言い過ぎかも知れませんが、どうぞ内閣委員の同僚諸君にも十分にお考えを願いまして、必ずしも外務省だけの機構の問題ではないと思うのでありますが、行政協定の実施といいますか、この恒久的な問題について、どういう政府機関が残つてスムースにやつて行くかということは、私は非常に重要な問題であると思うので、外務省及び同僚の内閣委員諸君にお考えを願いたいと思うのです。  もう一つの問題は、これは政務局長においてもう少しはつきり御答弁を願いたいのですが、私の言わんとするところは、その恒久的な問題の外に、むしろ暫定的の、現在から行政協定ができるまで、効力発生するまでの間が最も重大な時期である。これは日米間のサイコロジカルな見地から言つて非常に重大な時期であるから、外務省が新らしい機構として国際協力局の名の下に、従来の司令部との連絡並びに地方連絡局機能を発揮されるに当つて、十分の心がまえと、現実に国民の利害に裸でぶつかつて行くようなやり方を是非お願いをしたい。それなくしては国際協力局と銘打つても、これは実際国際協力の最初にむしろ害するものがここから生れて来る事態ではないかと、かよう考えられる。それに対する明確なるあなたがたの心がまえを伺つておきたい。こういうことなんです。
  27. 島津久大

    政府委員島津久大君) 只今意見の点は誠に御尤もでありまして、国際協力局ができる以上は、只今指摘ような精神で処理をいたして行きたいと考えております。なおその外に、差当つて連合国との関係国際協力局の所管でございますが、なおその外の局におきましても外務省全体がこれに協力いたしまして職務の達成を期したいと思います。
  28. 杉原荒太

    杉原荒太君 三つ、四つ一緒にお尋ねいたしますから、かためて御答弁を願います。第一は、この案を見ますというと、官房に総合調整権限を與えておる。今まで外務省になかつた官房に新らしい性格を附與とするものと思うのですが、而もこれが政策問題についての総合調整まで含まれるわけなんですけれども、この総合調整事務というものは、実際にやつて見ると非常にこれはむずかしいものなんですが、これは一体どういうふうな方法でやるお考えであるか、それをお伺いしたいのです。それが第一点。それから第二は、この局の編成、これは当然に今後日本がとつて行く大体の大きな外交政策の体系というものを頭に入れられて、それに相応して考えておられることに違いないと思いますが、これには特別にアメリカ局というものはなくして欧米局になつておる、いろいろ考慮の結果に違いないのですが、このアメリカの関係というものを、これは実は私非常に今強く記憶に残つておるのですが、我々の大先輩の曾つて大臣として非常に苦労しておられたかたからしみじみと述懐を聞いたのでありまするが、外務省の局の編成の場合にはアメリカ局というのはどうしても必要なんだ。欧米のほうと一緒に、局の編成のレベルのところでこれを一緒になにするということは、これは実際上できるものじやないのです。どうしてもこれは必要なことだということを私は自分の多少の経験からしてもその感を非常に深くしておるのであります。然るに一方において国際協力局というもの、これは今は非常に多いわけで、或いは独立回復後も、例えばこの安全保障條約の実施事務のごときは或いはこういろ所にあるかも知れんが、そうでないとすれば、ここの権限は国際情勢、国際情勢というと観念的には非常に広いけれども、実務的に、実際に即して見るというと割にこれは少い、一局としてこういうものを置くというのに、一方アメリカ局というもの……、その辺のところはどういうふうなお考えであるかちよつとお聞きしたい。それからもう一つアジア局アジアと言つても、これは單なるアジアの地理的範囲、これは地理的じやなく、むしろ政策的に見てアジア局地域的範囲をきめなければならんと思うのですが、大体どういうふうにこの範囲を考えておられるか、その辺をお尋ねしたい。
  29. 島津久大

    政府委員島津久大君) 御質問の第一点の、どういうふうにして総合調整を行うか、具体的な方法ということでございますが、もとよりこれは先ほども問題になりましたように、外務省事務を総合調整して行く機関乃至は方法、非常にこれはむずかしい問題でございまして、いろいろこの点は考えたあげく結局まあこのよう改正になつた次第でございます。そこでこの官房長というものができましたのでございますが、一つには人事、会計、文書、電信その他、近頃できました、終戰後特に強調されております厚生関係の課、そういうような本来の官房的な課、そういうものの統合をいたしますと同時に、又各政務局乃至は経済、條約、そういうような局の仕事の調整官房の総務課でやるということでございまして、実際の運営はなかなかこれは手に余るような面もありはしないかと考えておるのでありますが、私どもといたしましては、この官房の総務課で他の各課の課長と十分緊密な連絡をとりまして、そこで課長レベルで調整を行う、又官房長が他の幹部と一緒になりまして、これはまあ御承知ように幹部会という会を組織をしております。そこで政策並びにこの運営の調整を図つて行くということにいたしまして、いわばこれは運用次第によると思いますが、できますならば官房長の所で成るたけ事務次官の事務の煩雑な面を軽減すると同時に、その輔佐をするという形で進みたいという考えでおります。  第ニの局課の編成のうちでアメリカ局の問題、これ又研究の段階で問題にした点でございまして、御承知ようにアメリカ局ができましたのは比較的近年の時代、戰前比較的近年にできたわけであります。ところで日米交渉というようなことになりますというと、アメリカ局だけでなくてほかの局、例えば当時は東亜局というような局で、その自主的な仕事をしてしまうというような事例もあつたわけであります。今日の段階になりますというと、アメリカの問題が非常に重要であつて外務省の仕事のあらゆる面でアメリカの関係が第一に出て来る。これはもう事実であります。條約の面でも、経済の面でも、アメリカをのけにしては勿論何にも考えられないほどです。世界の情勢が進んで参つているということはこれはまあ異論がないと思います。そこでアメリカ局というよう政府の一局を作りたいという考えも勿論持つているのであります。まあそういうふうにして地域局考えて参りますというと、だんだんと、この地域局の数も多くなつて参るというよう関係もございまして、途中の研究の経緯は別といたしまして、結論的には現在の段階では政府の局は二局として、一つアジア一つはアメリカとヨーロツパを含めたものということにいたしまして、そういたしましてアメリカ関係の仕事はこの欧米局のみに限らず、むしろ他のあらゆる局でも同時にこれを主眼を置いてやつて行く、そういうことで御意見の点の実際上の調整を図ろうという考ええで、地域ニ局という結論に落ちたのでございます。それからその次のアジア局編成でございますが、これは大体東南アジアの各国、そして今次の戰争以後独立いたしましたパキスタン、インド、ビルマ、タイ、インドネシア、フイリピン、そういうよう地域を主といたしまして、大体これらに包含される地域乃至直接只今中国本土とは関連がございませんが、これも含めましてアジア局の担当に向けてあるわけであります。
  30. 杉原荒太

    杉原荒太君 ちよつと、今の中東方面は含まないのですか、或いはエジプトぐらいは。
  31. 島津久大

    政府委員島津久大君) この点も考えた点でございますが、只今私ども心組みでは中東方面はアジア局の所管に入れない考えであります。
  32. 杉原荒太

    杉原荒太君 そういう考えですか。これで終ります。
  33. 楠瀬常猪

    楠瀬常猪君 このたびの平和條約、又日米安全保障條約、なかんずく平和條約の調印に当りまして、当初は政府等の意向も超党派外交というような意向がほの見えておつたように思うのであります。それが又方針が変りまして、自由党を主体としての政府から対外的に折衝に出られるということに相成つたわけでありますが、それが又三転いたしまして、アメリカ側の態勢等から見ましてもできるだけ各党から全権を網羅てアメリカに行かなければならんというようなことで非常に御苦心をなすつたわけであります。そこでサンフランシスコにはでき得る限り各党からの全権を網羅されておいでになつたわけでありますが、私はこの平和條約等の立場から見まして、そういつたような行き方をとるということは当然なことであつたろうと思うわけであります。ところが私思いますのに、條約が調印されまして、それからまあ紆余曲折を経ましようが、いよいよ効力発生するといつたようなことになりました後におきまして、又その前におきましても私は日本外交というのはやはりこの平和條約、日米安全保障條約の線に副つて行わるべきものであるということは当然であると思うわけであります。従いまして外務省のここの間に処しまする機構というようなことにつきましても、そういうことをお考えにお入れになつてつておられるものと思うのであります。そこで先ほど政務局長お話を伺つても、條約の発行前と後においてはこの外務省機構というものも余り変わらんといつたようなことであつたのでありまするが、ここでお尋ねをいたしたいのは、いわゆる超党派外交的な気持でやはり今後においてもなすつて行かれるものであるかどうか。又画然とそういつたような方針というようなことでなくともでき得る限り、内政はともかく、外政におきましては、外国に対しましては、平知條約等を中心といたしまして国内の総力を一つ集めて参りまする行き方というものが大事だといたしますれば、この外務省設置の上におきまして、私は外交審議会といつたようなものを今後において設けてやつて行かれる政府の御方針であるかどうか、そのお考えを聞きたいと思います。で、この審議会にもいろいろな考え方がありましようが、政党各派の主要な人を綱羅する、或いは民間方面の各財界、文化その他の有力者を綱羅するといつたような有力なる外交審議会といつたようなものを設けてやられるようなお考えがあるかどうか。勿論官制を見ますと、顧問でありますとか参與でありますとかいつたような制度はありますが、私は今度の外交を見ましても、勿論アメリカ、イギリス等の考えというものとは十分に協力、強調して行かなきやならんと思うのでありますが、殊にソ連との関係におきますとか、或いは中共との関係におきますいろいろ将来條約を締結しようといつたような話も、或いはなきにしもあらずというような時代が来るのではないか。更にはインド等のいわゆる第三勢力と目されます、こういつた方面とのいろいろ問題が起きて来やせんかということが考えられるわけでありますが、そういう場合におきましても、やはり国内の各方面の有力者を綱羅いたしまして、外務省活動いたして行かれます日本外交というものにつきまして、過りをなからしめる、或いはアドバイスをするといつたような意味の大きな一つ超党派外交的な機関というものを設けられるようなお考えがありますかどうか。若しあるとすればそういつたものを外務省設置法にどういうふうに現わして参るかといつたような、これは大きな問題だろうと思うのでありますが、その点をお聞きしたいと思います。
  34. 島津久大

    政府委員島津久大君) 只今の御意見ように、外交に関しましては、国内の総力を挙げて当る、誠にこれは御同感であります。ただ超党派外交云々ということになりますと、これは又何と申しますか、私ども事務当局の考えでもないかと考えるのでございます。まあその点は別といたしまして、何か超党派的なと申しますか、国内の各方面の知識、経験、識見、それを集めるよう機関が要るのではないかという御意見であります。これは戰前にも外交調査会と申しますか、そういつたよう機関もあつたように聞き及んでおります。今後も何らかそういう点で有効に活用できる機関ができれば勿論この上ないと考えるのでございます。今回の機構改正に当りましては、それらの点につきましては、一つの独立した大きな審議会というようなものは一応考えておらないのでございますが、只今も御指摘になりましたよう顧問参與というようなところで、そういうようところで極めて優秀なかたがたに外務大臣の諮問機関或いは補佐と申しますか、そういうよう機能を果して頂くという考えでございまして、審議会というようなものは別に只今のところは考えていないわけでございます。
  35. 楠見義男

    ○楠見義男君 連合委員会に続けておやりになりますか、おとりやめになつて内閣委員会としておやりになりますか。
  36. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 今外務委員会から両君がおいでになりまして質疑をされたのであります。両君はもう質疑が済んだと言つて帰えられたのですが、もう連合委員会の必要もないかと思うのですが、まあ併し外務委員会からの正式の申入れを受けたわけではありませんからまあこのままもう少し事実上晝頃まで続けて行つたらいいかと思いますが、如何でしようか。……さようにいたします。
  37. 楠見義男

    ○楠見義男君 それじや私極く細かい点でありますけれども、二、三の点についてお伺いしたいのですが、一つは、この法律を見ますと、実は私は外務省設置法が全面的に改正されて、我我の審議の対象になるときには、恐らく完全自治国における外務省としての機構が出て来ると予想しておつたのでありますが、併し結果的の関係もありまするからこの中にはそういうような意味の規定と同時に、占領治下における状態と二つの規定が入つておるのですが、こういうよう占領治下の経過的な規定附則等の規定に譲らずに、本文に、即ち恒久的な外務省設置法としてお書きになつたその理由と申しますか、逆にいえば、なぜ経過的な問題を附則にお書きになるような体裁をとられないか、この点を先ずお伺いしたいと思います。
  38. 島津久大

    政府委員島津久大君) その点は、私は先ほど来申しますように、この機構で将来も続けて行きたいという趣旨から申しますと、御意見ように、経過的なものは外すべきかと考えるのであります。併し、なお現状におきましては、正常な外務省活動以外に、平和條効力発生前の仕事もなお残つておりますので、それらの点を別に外すまでの段階には至つていない。従いまして、恐らくは次の通常国会、それでそれらの点の調整ができることと考えております。
  39. 楠見義男

    ○楠見義男君 次にお伺いしたいのは、先ほど曾祢君の質問にも関連するのでありますが、海外における政府機関は、先ほどの説明を拜見いたしましても、日本の国外における政府公館はすべて外務省機関として云々と、こういうふうになつておるのでありますが、対外関係においてこういうふうに統一されることは、これは先ほどの曾祢君の御意見にもありましたが、決して反対すべき事柄ではないと思うのでありまするが、これと関連して、これ又曾祢君のお話になつた点とも関連するのでありますが、実は外務省の役人は、大体従来で申しますと、外交官試験、こういうものを通つた人がおなりになる。従つて一般的には外交的な知識があつても専門的な知識に欠けておられる、率直に言つてこれは事実であります。そういうような意味から、特殊の調査事務等につきましては、それぞれ従来各省のほうから出ておつた、こういうことになつてつたわけなんであります。現在在外事務所におられるかたがたの具体的の名を拳げて能力を云々するわけではありませんが、やはりそういうような従来の欠陷はある。極端に言えば、メツセンジヤー・ボーイ式の能力しかないかたもあるように思うのであります。このことは、結局従来の在外公館が一本に統一された場合におけるその事務に従事する人の具体的の知識、経験という問題になり、それが外務省職員の任用資格の問題とも関連して来ると思うのでありますが、そこで、先ほどのお話では、そういう職員についての特別の立法のようなものを通常国会等において考えるというようなふうに伺つたのでありますが、その点もう一度改めてお伺いしておきたいと思います。
  40. 島津久大

    政府委員島津久大君) 今後正式の在外公館ができまする以上は、その公館の仕事の面で專門的な職員を要する個所が相当あると思います。そこで、只今も御指摘になりましたように、只今考慮されております法律においてもその点は十分に考慮いたしておるような次第でございます。本省乃至在外公館に專門的な知識、経験のある人を十分に活用して行きたいという考えでおります。
  41. 楠見義男

    ○楠見義男君 もう一つ、「この法律は、公布の日から施行する。」ということになつておるのでありますが、一方定員法のほうでは、連絡事務書の減少等に伴う減員だけが出て来ておるように思うのでありますが、そこで、この法律が施行された場合における定員の関係と、現在定員法に出ておる定員の関係とはどういうように我々理解すればいいのか。ということは、この法律が通つても、現在定員法に出ておる定員、あれで当分やつて行かれるのか、或いはこの国会に特別のこの法律施行に伴う新らしい定員法のようなものをお出しになるのか、その点を伺つておきたいと思います。
  42. 島津久大

    政府委員島津久大君) この今回の設置法に基く新らしい定員と申しますのは特別に考えていないのであります。今回の定員法の中にその点を考慮しまして織り込んだつもりでございます。それで賄つて行く。
  43. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、この法律ができても新らしく定員は増加しない、こういうよう考えようございますか。
  44. 島津久大

    政府委員島津久大君) その通りです。
  45. 竹下豐次

    竹下豐次君 先ほど曾祢委員の質問に対して、この二十二條に「外務省機関として、在外公館を置く。」この文句で、在外機関外務省機関として一本になるのだという結論だけお示しになりましたが、この解釈の根拠を少し詳しく承わりたいと思います。
  46. 島津久大

    政府委員島津久大君) 別に法律が仮にできまして、外国公館を置くというようなことになると、これではカバーできないことになるかと思うのであります。現在の建前としまして、海外にある公館外務省機関だけにこれでなるわけであります。その限りにおいて、ほかの外務省機関でない在外公館はない、それが現在のところであります。
  47. 竹下豐次

    竹下豐次君 曾祢委員の質問は、ほかでもできるかも知れないということを予想されて、そういう場合を仮定するというとこの條文では不完全ではないかという質問と私は聞いたのです。それに対するお答えであつたか、承わりたいのですが、今のお答えで見ますると、ちよつと違うように思うわけです。私の申しますのは、在外公館外務省機関とするという書き方ですね、この書き方とすると、大分意味が違いやしないか、こういう考えでございますが。
  48. 島津久大

    政府委員島津久大君) 先ほど曾祢委員の御質問、或いは私のお答えと多少食い違つてつたかとも思うのであります。併し、海外に外務省の所管でない機関を置いてはいかん、そういうようなことを法律的に謳い得るかどうか、この点私多少疑問ではないかと考えております。でありますから、こういうよう書き方をいたしまして、そうしてこの原則に外れないように、これは当然その方針で進められるものと私は考えておるのであります。この点は公務員法の中におきまして、政府全体の問題として外務省以外の機関を外に置かないということをはつきりと技術的に書くのは困難だと思います。
  49. 竹下豐次

    竹下豐次君 困難であるから書かないということになつたならば、ほかにも設置ができるという解釈に帰着するということになる。何か何らかの形でそれを現わさなければならん。そうすると統轄できないという結論に到達せざるを得ないということになる。
  50. 島津久大

    政府委員島津久大君) その何らかの形がこの二十二條書き方だと思つて書いてあるわけであります。
  51. 竹下豐次

    竹下豐次君 これは條文の解釈ですから……。
  52. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の竹下さんの御質問はこういうふうに私解釈しておるのですが、その点についてお伺いいたしますが、これは外務省機関としてという、こういうことになり、或いは又日本の国の外国における機関としてという、こういうような意味に解釈しても、それは第三條のこの外務省権限から生ずるところの、それから四條ですか、第三條及び第四條、外務省任務及び権限として規定されておる事柄について、国外に機関を置くときには、これは唯一の外務省機関としての事務所が、在外公館設置されると、それ以外の、この外務省任務及び権限外のことは当然各省は置いてもこれは差支えないのだと、こういうふうに理解しておるのですが、間違いかどうか。
  53. 島津久大

    政府委員島津久大君) 只今お話の第三條及び第四條のここに外務省任務が書いてあるのでございますが、こういう任務を外れた、而も日本政府の公的な機関外国にできるということは、私想像できないのでございます。なお又外務省以外の各省権限といたしまして、海外で仕事をするということも私ないようにも考えておるのですが、従いまして二十二條の「外務省機関として、在外公館を置く。」ということは、事実上、日本政府の出先の機関外務省機関であるということに帰着すると考えております。
  54. 楠見義男

    ○楠見義男君 それじや伺いますが、例えばタイとかビルマに米を買いに行く役人が向うに事務所を持つと、これは政府が輸入の管理をし、一手に買入れるので、現在は日本の海港で買つておりますけれども、これはまあ非常に不合理のあることは御承知通り従つてそういう地に事務所を設けて、そうして向うで買う米の実際の受渡しをやると、こういうような場合もやはり外務省機関と、こういう恰好になるのでしようか。
  55. 島津久大

    政府委員島津久大君) 只今お話よう機関が、恒久的に外に設けられまして、そうして日本政府機関として活動するということになりますと、やはりこの外務省設置法の第四條の十六でございますか「通商航海に関する利益を保護し、及び増進するために外国官憲との交渉、商取引のあつ旋」、そういうことでやはり外務省の出先の公館の仕事の中に包含されまして、将来正式の公館ができます際には、そういう機能があるといたしますならば、その公館のそのものの機能の一部になると考えております。一時的に出張の形で便宜、事務を処理するということは、これは又別問題でございます。恒久的な正式の機関ということになりますと、この第四條の十六、これに入ると考えます。
  56. 楠見義男

    ○楠見義男君 これはまあ非常に細かいことなんで恐縮なんですが、今の場合は、例えばタイならタイから本年は十万トンもらうとか、或いは二十万トン入れるとか、こういうような交渉ではなくて、そうして又この十六号に書いてあるような商取引の斡旋でもなくて、実際の事実行為をやるために、恒久的に向うに駐在すると、その恒久的という意味が一年か、或いは半年か、とにかく廃止するまではと、こういう場合を予想して御質問しておるのでありますが、ここの交渉或いは斡旋等にも当らぬと思うが、その点はどうなんでしようか。
  57. 島津久大

    政府委員島津久大君) この只今申しました十六の通商航海に関する利益を保護及び増進するというようなことは、只今お話になりました事実と、事実行為と申しますか、そういうようなことも一切私たちは含むと思つておるのでございまして、経済関係のあらゆる仕事、これは事実的な事実行為と申しますか、そういうこともありましようし、或いは一般的に官憲との交渉というような形で出て来る場合もありましよう。あらゆる関係或いは事務、そういうものが恒久的に、而も政府機関として行うものであればこれは当然在外公館事務に入る、そういう解釈をしております。
  58. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の利益を保護し及び増進するために外国官憲との交渉、こういうような交渉に繋がるように思うのですが、そうではないのですか。
  59. 島津久大

    政府委員島津久大君) 十六の利益の保護と増進というものの実態が、交渉或いは斡旋ということであるかどうかという点は、これは或いは私が申しましたのは申し過ぎかと思います。それだけでなくてこの所掌事務といたしまして、第三條のニ「通商航海に関する利益の保護及び増進」という項目全体がカバーするという解釈のほうが適当だと思います。
  60. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつとようわかりませんので、よく研究しまして……。
  61. 竹下豐次

    竹下豐次君 従来大使館とか行使館とか、領事館とか、総領事館とかいうよう公館外国にあつたと、つまり在外公館がいろいろあつた、そういう種類のものはもとより外務省機関としての在外公館である、これは誰でもそう思つてつたわけです。それから今楠見君から例を示された、この米の買付のために外国公館があつたと、それも、広い意味の在外公館なんですね。併しそれは外務省の直轄ではなくして、農林省の出先機関としてまあ認められておつたと、これは現在までの事実だろうと思うのです。併しそれでは困るから、今度は外務省で一本で取りまとめようというお考えである。そう仮定すれば、そこをよつぽどはつきり條文にも現わして置かなくちや、今までの法律條文はつきり記憶しておらないけれども、実際そういうふうに事実別々になつておる事実があるのですから、これははつきり行かないのだぞということを條文の上でも明示しないというと、あとで又ごたごたが起りわしないか、この懸念が私はあるのです。で、この書方では、局長からも御説明も先ほどありましたけれども、これでいいのだと言われて見たところで、それはあなたのドグマであつてちよつと法律的な頭で解釈して見るというと、私はそうは解釈できないじやないか、少くとも解釈しない人があるという、現に私もその一人ですが、そういう疑問を起す人は相当に多い。それとも従来と同じようなことを繰返されるんじやないか、こう思うのですが。
  62. 郡祐一

    ○郡祐一君 ちよつとそれに関連して。ここに日本を代表して、外国といろいろ交渉をするそういう機関一元化されておるほうが結構だと思いますし、それからそれを称して在外公館と言うのだということをここできちんとする、それも結構だと思います。それでこの戰争前日本が対等に付き合つてつた時分、やはり公式の名称では在外公館という、大使館以下一連の外交機関以外には在外公館という名称はなかつたのでございますが、その場合事実上いろいろ財務出張所みたいなものがありましたね、ああいうようなものは在外公館じやない、そういうことが、法律の上で在外公館というものはこういうものだということが戰前には慣熟していたのですか、そこを一つ説明して頂けばいいのです、私のは。
  63. 島津久大

    政府委員島津久大君) それは、只今指摘の点は、戰前におきましていろいろな外務省系統でない機関が出ておりまして、それが在外公館、いわゆる在外公館という範疇には私は入つていなかつたように思います。
  64. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうするとやはり私の先きに申しました疑問というものは残つていまして、従来と同じようなことが今後も繰返される。
  65. 郡祐一

    ○郡祐一君 それでは又関連して。私は戰争前からも在外公館といえば、いろいろ私どもの頭の中で、外国にいろいろな機関もあるけれども、在外公館という言葉が正式に法律の上にあつて法律の上にあるときはこれを称しているんだ、ほかのものはいわゆる在外公館に入らんということがはつきりしておれば、そこが又その肩書が付くんだと思います。在外公館という言葉は前にもあつたんでしようか。なくても、なくて困るというんじやありませんけれども、在外公館というものはこういうものだということはわかつてつたものなんでございますか。
  66. 島津久大

    政府委員島津久大君) 在外公館と申しますと、常識的にはやはり外交或いは領事館的な機関ということになると思います。そこで先ほど来のお話で、今後外務省以外の機関が出ないように、禁止的な規定はつきり、若し私どもが御説明しますよう趣旨なら、そういうふうに書くべきだという御意見でございます。どうもこの点は外務省以外の、外務省関係筋以外の政府機関を外に置いていけないということを外務省設置法の中に書くのは技術的に困難だと考えております。帰着するところはやはり政策の問題でございまして、政府の方針としてそういう方針があればその点私は心配ないと思います。それを外務省設置法の中で禁止する書き方ちよつとこれは困難じやないかと思います。
  67. 竹下豐次

    竹下豐次君 それは書き方、必ずしもできないことはないんじやないでしようか。置いてはいけないという書き方にしないでも、在外公館の仕事はこれこれだということについては、その仕事の中にそういう種類のことも包含するというよう書き方はできないものでしようか。余り細かくなりますから……。
  68. 楠見義男

    ○楠見義男君 それでは具体的に伺いますが、結局二十四條で、「在外公館名称及び位置は、別に法律で定める。」、この法律が現在まだありませんから、従つてまあ先ほど郡君のお話よう在外公館の定義の問題が出て来るわけなんでありますが、而も二十五條ニ項では、これこれの公館の長はこれこれの職名だ、こういうだけでそれ以外のことは書いてない。そこでいろいろ問題が出て来ておるんでありますが、具体的な意味の例でお伺いしますが、例えば昔あつたような農林省のロンドンの米の事務所、これは米をヨーロツパで売るために設けられておつた事務所であることは御承知通りなんです。そういう事務所とか、或いはニユーヨークの生糸市場を調査してこちらに報告するための、こういう在外生糸調査事務所、こういうものは、いわゆるここの在外公館とお考えになつているかどうか、この点を伺えばまあ具体的にはつきりするでしよう
  69. 島津久大

    政府委員島津久大君) 今お話がございましたよう機能は、これはここに書いてございます在外公館自体の仕事として所要の人員はその中に入つていたという考え方です。
  70. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私全然わからないんですけれども、先ほど曾祢君の質問で、これは生糸というのは私は外務省で一本化するということについて、一長一短のような気がして、よくわからないんです。そこで功罪相半ばするものについて、どういうものが置かれているかということを調査して後ほど報告するというように聞いたわけなんですね。そこでそれを一つ明日でも調査されたものをここで功罪相半ばするものの報告を是非お願いしたい、こう思うんです。それからもう一つお尋ねしたいことは、各省で、例えば農林省の何が出たんですが、そういうものなど十分あなたのほうは打合せされて、この第二十二條條文ができて、そうして只今あなたが解釈されているようなことが了解済みであるかどうか。
  71. 島津久大

    政府委員島津久大君) この点は外務省公館以外に作らないという方針は、これは政府の私方針として確立しているものと考えるのでございます。これは仕事のやりよう一元化を害する、害さないという問題も、これはまあ一番重要な問題でございまして、それ以外の経費と人員を極度に節約したいという只今のお考え方からいたしまして、その点も相当な理由になるわけでありまして、本省本省と申しませんが、外務省、通産省、農林省或いは運輸省、そういう省の出先が独立した事務所を持つということを想像いたしますと、事務の統一がないということ以外にも、この経費の節約という点からも面白くないことでありまして、この点は十分各省了解済みであります。
  72. 竹下豐次

    竹下豐次君 この二十三條に「在外公館は、外国において本省所掌事務を行い」、そう文句が使つてあるのですね。これを見ましても、この本省の所管事務というものの解釈を広く解釈して、先ほど楠見君が出されたような米の買付けというようなものも外務省の所管事務であるというふうに解釈するのが本当であるか、もうそこに私は疑問が起つて来るだろうと思うのです。従来の考え方から見ますというと、今のような事例は、これは農林省の所管事務であつて外務省の所管事務じやないのだから、二十三條の在外公館は、外国において本省の言う、いわゆる外務省の所管事務じやないというふうに解釈されそうに思われる、そうすると従来通りにやはり農林省の出先機関をそこに設けることができるのだ、それには外務省はタッチしないのだというような解釈をするのが、何だか無理のないような解釈のような気がするんです。そういう点もありますし、なおこの点は十分御考慮をお願いしておきたいと思つております。
  73. 島津久大

    政府委員島津久大君) 十分の例その他資料が不足のために十分御説明が行き届かない点は申訳ないと思います。只今指摘の「外国において本省所掌事務を行い」ということは、外務省だけの事務を出先の公館で処理するということには私はならないと思うのでございます。外交機関、或いは領事館として当然出先でやる仕事があるわけでありまして、それが各省から外務大臣を通じまして外に流れて行くという形を今後とりたいというのが政府の方針でございます。これは近来各国の行き方もそのようになつておるのでありまして、例えばロンドンにおけるアメリカの大使館というものは、本来の外務省職員というものも相当多数行つておりますが、それ以外に非常に厖大なスナッフを擁しておりまして、これが国務省の統轄の下に一元的に動いておるわけでありまして、今後ますます複雑になつて参ります外交領事、それらの仕事をできるだけ統一した形でやりたいというのが私たちの考えであります。まあ御解釈で、絶対に外務省以外の事務所が置けないということになつていないという点は、少しくこれは法律的に私の御説明が不備であつたかと思うのでございます。なおそれらの点はもう一応一つ研究いたしまして、明日でも御説明申上げたいと思います。
  74. 竹下豐次

    竹下豐次君 なおこの「法律に基いて在外公館に属させられた権限を行使する。」という言葉がありますが、この「法律に基いて在外公館に属させられた権限」というものの内容に、今の農林省関係ような米の買付というようなものも含むのだというよう法律ができれば、これはもう一本で行けると、こういうことがはつきりなるだろうと思いますが、そこまでが或いはちよつと形が整わないとどうも不十分のような気がいたします。
  75. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は個人的には統一されたほうがむしろいいのではないかという意見なんです。従つて先ほども申上げたように、そういう場合に、外交官になるわけなんですから、外務省の役人になるわけなんでありますから、任用資格をやかましく言われると、その点が非常に不円滑になる。従つて特別なそういう運用についての措置をお考えになる必要があるのではないかという意見を実は申上げたわけなんです。併しこの法案から見ますというと、大分忘れましたけれども、我々法律を学んだ人間から見ると、竹下さんの言われるような結論にならざるを得ないのです。併しそれはざつと見ただけですから、或いはどこか我々の見落しの点があるかと思いますから、この点は一つ御検討を頂いて、明らかにして頂きたいと思います。  それから新らしいこの機構に当てはめた人員の配置表がここにはないように思うのですが、作つて頂いて御配付を頂きたいと思います。
  76. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君に申上げます。外務委員長からもう連合審査はやめてよろしいということが参りましたから、さように決したいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後零時十五分散会