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1951-11-27 第12回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十七日(火曜 日)    午後二時五分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事            石原幹市郎君            古池 信三君            結城 安次君            三輪 貞治君            小川 久義君            佐々木良作君            須藤 五郎君    委員            岡田 信次君            小野 義夫君            中山 福藏君            加賀  操君            山川 良一君            清澤 俊英君            椿  繁夫君            水橋 藤作君   政府委員    公益事業委員会    経理長     中川 哲郎君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       渡辺 一郎君   法制局側    参     事    (第三部長)  岡田 武彦君    参     事    (第三部第一課    長)      村田 育二君   説明員    公益事業委員会    料金課長    高島 節男君    公益事業委員会    需給課長    竹田 達夫君    公益事業委員会    開発課長    市浦  繁君    資源庁長官官房    電気施設部長  吉岡 俊男君   参考人    全日本ネオン業    組合連合会事務    局長      坂上 達夫君    杉並連合商店街    代表、杉並区議    会議員    鎌田彦右衛門君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (調査報告書に関する件)  (継続調査要求の件)  (電源開発計画に関する件)  (水産資源保護法案に関する件)  (電産スト早期解決の要望に関する  件)  (ネオン・サインの点燈に関する  件) ○議員派遣要求の件 ○請願及び陳情に関する件 ○電力危機打開対策等に関する請願  (第七一六号) ○電力危機打開に関する請願(第七五  二号)(第一〇一一号)(第一〇一  二号)(第一〇一三号)(第一〇七  八号)(第一〇七九号)(第一〇八  ○号)(第一〇八九号)(第一〇九  ○号)(第一二七〇号) ○東北地方電力危機打開に関する請  願(第八五二号) ○九州地区電力危機打開に関する請  願(第八八五号) ○電気料金の設定に関する請願(第一  四一号)(第一四二号) ○電気料金引上げ反対に関する請願  (第二七三号) ○水火調整金制度廃止に関する請願  (第三四八号)(第五七五号) ○電源開発等促進に関する請願(第四  五号) ○渇水期電力使用制限に関する請願  (第一一六四号) ○只見川電源開発促進に関する請願  (第一〇七三号) ○奥只見川流域変更による電源開発反  対の請願(第一四三号) ○電源開発促進および離島、へき地の  電化助成に関する請願(第一一〇五  号) ○新潟県須原発電所電力増強工事施行  に関する請願(第七五三号) ○関川水系笹ヶ峰ダム建設に関する請  願(第一一六五号) ○宮崎県大淀川第一、第二両発電所復  元に関する請願(第四八八号) ○電気事業に係る公納金保証年限延長  等の請願(第五七九号) ○積算電力計に関する請願(第六一七  号) ○美容業者に対する電力制限許可制の  請願(第一一七六号) ○電力危機打開に関する陳情(第二五  号)(第九三号)(第一七一号) ○中国地区電力危機打開に関する陳  情(第一七二号) ○停電による損害補償等に関する陳情  (第九四号) ○只見川電源開発促進に関する陳情  (第二〇七号)   ―――――――――――――
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 委員会開会いたします。  この際お諮りをいたしますが、本委員会電力問題に関する調査は、対象広汎多岐な諸問題に亘つておりまするので、今期国会中におきましては、会期も短少のため未だ調査を終了するに至つておりません。開会中の調査報告書を提出いたさなければならないことになつておりますが、調査未了の旨の報告を從いまして提出いたしたいと存じます。御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではさように取計らいます。未了報告書の内容につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御異議ないと認めます。これから、委員長の提出いたしまする報告書にはあらかじめ多数意見者署名を附することになつておりまするので、順次御署名をお願い申上げます。   多数意見者署名     小川 久義  結城 安次     三輪 貞治  山川 良一     椿  繁夫  中山 福藏     佐々木良作  小野 義夫     古池 信三  岡田 信次     石原幹市郎  加賀  操     須藤 五郎  水橋 藤作   ―――――――――――――
  5. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に、皆さまに重ねてお諮りをいたしますが、御承知のよう從來より本委員会において行なつておりまする電力問題に関する調査は、需給調整電源開発等解決の問題も多々あり、未だ調査を終了するに至つておりませんが、会期も切迫しておりまするので、本院規則第五十三条によりまして本調査閉会中においても引続いて行うため、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御異議ないと認めます。それではさよう決定をいたします。  なお要求書案文等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではさように取計らいをいたします。   ―――――――――――――
  8. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に前回の委員会におきまして、閉会中に議員派遣を行いまして、最近竣工を予定せられておりまする水力発電所、或いはすでに極く最近に竣工いたしました発電所等につきまして、将來の電源開発に関する調査の助けといたしまするため、現地調査をいたしたいという提案がございまして、その方針については御決定を頂いていたわけであります。そこで事務当局をして具体的に立案をいたさしたのであります。只今事務当局からの案によりますると、東京電力箱島発電所がございます。出力二万三千キロワツト、うち一万七千キロワツトは十一月から操業を開始いたしております。残りの六千キロワツト來年三月完成予定でございます。次に関西電力成出発電所、これは出力三万五千キロワツトでございまして、本年十二月に完成予定であります。更に中部電力平岡発電所出力は四万一千キロであります。操業開始は十二月の二十日前後の予定でございます。いずれもダム式発電所でございます。從いまして皆様にお諮りを申上げまするのは、この三候補発電所に対しまして議員派遣の件につきまして御決定を頂きたいと思うのであります。今の三案につきまして、適宜委員長において取計らいをいたしますことでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ではさよう決定をいたします。   ―――――――――――――
  10. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 前委員会でやはり懸案のまま持ち越しておりまする電源開発に関する調査のうち、工事着手中のものでありまして、繰上げ完成に対して隘路打開調査をいたすことになつております。この件につきまして、関係当局説明を求めます。
  11. 市浦繁

    説明員市浦繁君) お手許にお配りいたしました昭和二十六年度着工計画会社別一覧表、七、八枚ばかりの資料がございますが、これに地点別水利使用許可関係補償関係、その他というふうに分けまして、現在わかつております問題を、地点別に書いてありますので、これを地点別に読み上げますか、それとも何か特に大事なものだけを取上げましてお話いたしましようか。
  12. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この前公益事業委員会へお願いしましたのは、現在工事中の発電所、或いは近く着工予定せられておる発電所におきまして、成るべく早く繰上げ完成が要望せられるのでありますが、そういうようなことができないいろいろな隘路がございましたならば、それを具体的に示されたい、こういうことであつたわけであります。
  13. 市浦繁

    説明員市浦繁君) 実は私の聞きましたのは、少しピントがズレておりまして、今後着工するものというふうに伺つたもので、このよう調査なつたのですけれども、それではこれない所につきまして、私の今記憶にある限りお話したいと思つております。北海道地区におきましては、今年度完成地点カ地点でございます。江卸久保内蘭越漁川、この四カ地点予定通り今年中に全部完成予定でありまして、江卸完成いたしました。久保内も今年中にでき上ります。又蘭越もでき上ります。漁川もでき上るというわけで、今年更にこれをスピード・アツプするという必要もなければ又余地もないと思います。それから東北につきましては沼沢沼、この地点も來月の上旬に通水試験をいたしますので、その関係工事の一部完成も、もう間もなくできますので、この地点につきましても問題はないと思われます。次の夏瀬地点、これは二十六年に実際の工事を始めましたばかりの地点で、完成予定は二十八年の九月になつております。これは資金その他の放出が順調に参りますれば、もう少し早くなるのじやないかと思われますが、特に隘路という点につきましては、今のところございません。今後の資金付きようによつては、まだ完成を繰上げることができる可能性があるというわけでございます。東京におきましては箱島地点、これはすでに一部完成しまして、運転を開始しております。中部平岡発電所、これもすでに検査が終りまして、すでに運転を開始しております。関西成出地点、これも最近完成いたしまして運転を開始いたしております。新圧、これは予定よりも二カ月ばかり早く、今年中に完成いたします。滝越、この地点も今年中にはできまして、最近実は報告をもらいましたけれども、検査終つて運転を開始したという通知を受けました。中国の新湯村地点、これも本月検査が終りまして、運転を開始いたしております。その次の森原地点、これは來年の九月頃に完成する予定になつておりますけれども、特に完成のための隘路、或いはそれをスピード・アツプするための努力はしておると思いますが、突貫工事その他によつて更に工事期間を短縮の見込があると思われます。特に隘路となるものはございません。四国の第五黒川、これにつきましてはすでに今年の六月に完成しまして、現在運転しております。九州地区では甲佐、津江の二カ地点、この地点もすでに八月、七月に完成しまして現在運転しております。最後の上椎葉の地点、この地点は昨年度から工事をしておりますけれども、非常にダムが大きいことと、最近ダムの設計を変更しまして、重力堰堤アーチダムに変えるという方針に変つたものですから、その間の研究をやつております。アーチダム我が国では初めて作るということで而も非常に高いものですから、いろいろな問題がありまして、外人の権威者その他のかたがたに……、いろいろ委員会を作つて技術的な問題を研究しておる、大体目鼻がつきまして、近く本格的に工事着工するという段階になつておりますけれども、この地点隘路と申しますれば、やはり資金の問題それから工事用の機械の問題、これは一部アメリカあたりから購入を予定されまして一部注文も出しております。そういうものが予定通り入るかどうかという問題があるのでございます。その他技術的な細かい問題も若干ありますけれども、大体現在特に大きい問題というものはございません。
  14. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御質問ございますか。……御質問もないようでございますから、引続きまして前委員会において中山委員から御質問になりました我が国の降雪、降雨量等に関する質問に対する御答弁を願います。
  15. 市浦繁

    説明員市浦繁君) お手許にお配りいたしました、参議院電力委員会資料という縦書資料がございます。これにabcdというふうな順番をつけまして、この前の御質問の御説明が書いてございますが、実はこの資料につきましては、最後のgというところに、年間の雨量最高最低という欄に書いてございます。これは委員会にあります資料は実はなかなか思うよう資料がございませんので、気象台に参りましてこの資料をもらつて來たのですけれども、とても期間関係で思うよう資料がなかつたのですが、大体の傾向その他をこれでおわかりと思いますので、本日持つて参りました。昭和十一年から二十五年までの十五カ年間における年雨量最高及び最低をここに書いてございます。北海道では札幌と旭川帯広と、この三カ所を選びまして大体電源地帯関係のあるところを選びまして挙げましたのですが、年雨量最高では旭川の千二百八十九が最高昭和十四年、最低帯広の六百八十六という数字が書いてございます。東北では秋田、山形、盛岡、仙台、福島、猪苗代という六カ所を選びまして記録を出しました。東北地区では最高のときが昭和二十二年の秋田の二千三百五十七ミリ、それから最低福島の七百九十六ミリ、昭和十七年でございます。関東地区では東京、前橋、甲府と三カ所をとりまして調べたのですが、昭和十三年の東京の二千二百二十九ミリが最高で、甲府の七百五ミリが最低昭和十五年となつております。信越地区は、松本飯田を調べましたところ、飯田の千九百九十五ミリ、昭和十三年が最高松本の六百七十三ミリ、昭和十五年が最低であります。次に中部地区では、名古屋、高山、尾鷲の三地点を調べましたところ、尾鷲の五千五百七十二ミリ、昭和十三年が最高であります。最低名古屋の千八十七ミリ、それから北陸地区では金沢福井金沢の三千二百六十二ミリが最高昭和二十年、それから福井の千八百五十九ミリが最低関西地区は京都、大阪、大台ケ原、この三カ所を調べましたところでは、大台ケ原の七千七百四十四ミリが最高であります、昭和十三年、それから八百十八ミリ、大阪昭和二十二年が最低であります。中国地区岡山、広島、浜田浜田山陰地区でございますが、この三カ所を調べましたところ、浜田の千九百三十四ミリ、昭和十六年が最高岡山の五百九十三ミリ、昭和十四年が最低であります。四国では高知、室戸を調べましたところ、室戸の三千五百七ミリ、昭和二十四年が最高、千八百七ミリが最低昭和二十二年であります。九州地区福岡、大分、熊本の三カ地点を調べまして、記録をとりました結果、熊本の二千三百六十五ミリが最高昭和二十四年、福岡の九百九十九ミリ、昭和十四年が最低であります。それから初めへ戻りまして、「雨はどのくらい貯水に利用できるか」という問題でございますが、これは普通雨河川の流水となるまでには、蒸発とか滲透、そういうもののために川の水にならない分がございます。大体今までの記録によりますと七〇%から八〇%ぐらいが川の水になる。これは在來の雨量記録によつて出した計数ですから、人によつてはもう少し少いのじやないかという意見もございますが、今までわかつております記録では大体このくらいの数字であります。この川の水を発電に利用するわけでございますが、水路式発電所の場合では大体放水から必要の使用水量を取りまして、約半分くらい、五〇%前後が利用できるわけでございます。ところが貯水池を利用いたしますところの利用率は遥かに殖えまして、貯水池容量によつて変りますけれども九〇%、或いは池はもつと大きくすれば一〇〇%まで利用できます。但しこの利用できます区域はその貯水池より上流の面積、下は、下流の部分はできませんが、その貯水池上流部分におきましては池の容量によつては一〇〇%まで利用できるというわけでございます。  それから次の「B、我が国電力は将來火力と水力の何れに重きを置くか」という問題でございます。これにつきましては、先ず我が国は資源的に貧弱な国でありますけれども、水力資源は比較的に豊富であるといわれております。包蔵水力は現在の調査した結果では二千万キロワツトでありますが、その中三分の一がすでに開発されているに過ぎない。從つてエネルギー資源の中、将來最も発展性のあるものが水力である、それが先ず言えるのであります。次に石炭資源につきましては、これはもう大体現在限界まで來ているのじやないか。将來五年後の石炭計画、これは安本で作りましたのを見ますと電力用炭として期待し得る数量は一千万トンが限度である。このうち電気事業用として予想されるものは七百万トン程度ではないかといわれております。その他重油の輸入等確信な見通しを持たない限りにおきましては電力用石炭としてはそう多くのものが期待できないのではないかということが言われると思います。三番目に、我が国自立経済達成のために現在の電力危機を急速に打開するのは論ずるまでもないのですが、将來できる限り豊富且つ低廉な電力を得て、これを基底として産業を発展させなければならないという意味におきまして、豊富な水力資源開発にベースをおかなければならないということが言えると思います。從つて将來の電源開発方針水主火從であつて火力計画は原則として補給用として使いまして、水力供給力の季節的な不足を補足するにとめまして、從つて重点水力開発におき、特に季節的調整能力を持つている大規模電源開発を骨幹として開発促進を図ることとしたいと考えております。  次の問題に参ります。「d、将來五カ年間の電力需用が必要とする供給力」、これはこの前差上げました資料の五カ年計画にも書いてございますが、一応この回答を読み上げますと、先ず最初に公益事業委員会において予想しております将來の電力需用は、電気事業電力開発五カ年計画(新会社計画)に示すごとく、昭和二十五年度需用実績をべースとし、各年約一〇%程度増加率をとり、昭和三十年度において四百四十三億キロワツト時であります。これに対し既設供給力昭和二十五年度末の既設設備で二百六十四億キロワツト程度でございます。これは平水面に換算してございます。且つ昭和二十九年度末までに達成しなければならない損失軽減量、これが二十三億キロワツト時をこれに加えます。そうしますとその不足差額供給力としてここに増加しなくちやならないものが百五十六億キロワツト時あるわけでございます。これを発電端に換算いたしますと二百二億キロワツト時になります。從つてこれだけの分が新たなる電源開発対象になるわけでございます。次に從つて、これがために必要な電源開発計画としましては、昭和二十九年度末までに少くとも四百七十万キロワツト開発を要すると考えるわけであります。公益事業委員会としましては、昭和三十年度以降の需要増加をも考えまして、前掲の五カ年計画におきましては、七百三十万キロワツト開発昭和三十年度末までに着工するものといたしまして、現在計画達成のために全力を傾注しているわけでございます。  最後にe、f、河川湖沼瀑布中全国で幾つ開発できるかという御質問と、これを利用して設備電力は幾ら発生するかという御質問を御一緒に御説明いたします。我が国の未開発水力逓信省の当時からいわゆる水力調査という仕事をやつております。現在も進めておりますけれども、結論の出ております第三次水力調査結論によりますると、昭知二十五年度末現在におきまする未開発水力は約一千七百地点ございます。最大出力が約一千三百四十七万四千キロワツトでございます。今年度から、委員会になりましてから、この水力調査を更に継続いたしまして、貯水池計画を中心として更に再調査を実施しております。從來調査では貯水池というものを余り重点に置いてなかつたわけでありますから、今後は貯水池というものを最も重点に置きました調査を今やつているわけであります。これはまだ結論が出ませんので、ここに数字は書いてありませんけれども、特に大規模貯水池をこれに更に加えますと、或いは在來の計画を変更して大きくするということをいたしますと、右の数字には若干の増加が考えられると思います。併しながら更にこれが大幅に倍になるとか、或いは三倍になるとか、そういうことはむずかしいのではないかというふうに考えております。
  16. 中山福藏

    中山福藏君 これは前回要求いたしました私の質問のうち、二つほど落ちておるように考えております。第一は、河川湖沼瀑布のうちにどのくらい現在開発されておるかということが第一なんです。だから私の希望としては、少くとも現在水力電気の根源として開発されておりまする瀑布湖沼河川の名前を知りたかつたのであります。これを知つて置くということは、落差の関係とか、いろいろな問題を一応勘案しまして、そうしてそれに対するところのいわゆる費用の捻出とか、或いは設備程度というようなものを考慮に入れて、結局金の面を考えなければならぬという建前からお尋ねをしたのでありますが、これがどうもはつきりこの御報告の書類のうちには現われていないように考えるのであります。それからもう一つ只今の御報告によりますというと、現在雨を、いわゆる貯水池の水を利用している程度は僅かに三分の一だということをはつきりお書きになつているのですが、私は現在河川瀑布湖沼のうちどれとどれとが着手されておつて、どれとどれとがこれからできるだけ早めに着手しようという、その見込のものを知りたかつたのでありますが、これもこの報告書には現われていないのでありますが、そういう点も追加して一つ次回にお知らせを願えれば大変結構だと思うのであります。  それからもう一つ付け加えてお願いしたいのは、これから外国資金の吸収という建前から観光事業というものをやはり堤防の、例えば例を挙げてわかりやすく申しますならば、琵琶湖周囲に大きな築堤を設けまして、そうしてその築堤の上を立派な観光道路にして、そうしてその周囲にいろいろな樹木、草花を植えて、そうして眼を楽しませるというような観光的に、厚生省関係のものとか、それから或いはこれから築堤をやりましたり或いは湖沼周囲の何と申しまするか、改造施設をやつたりいたしますというと、水産資源というものの、魚が卵を生みつけるというような所を埋蔵するという場合が起りますから、結局農林関係のほうともこれが関係して來て、そういうような面、例えばこの前私は琵琶湖築堤問題を衆議院に出しましたときに、滋賀県の人がどういうことを以て抗議をして來たかと申しますと、今から約十五年前に、琵琶湖周囲に繁茂しておりますところの葦の根本に、鯉とか鮒とかが卵を生みつける、それが一カ年に二、三百万円の損害をこうむるのだから絶対に琵琶湖周囲築堤をしてはいけないというのが滋賀県の漁民の人々の希望であります。そういうよう水産関係のほうともいろいろこういう面で連絡が生じて來ると思うのですが、厚生省とか農林省とかの、この面に関するところの問題も一応電力特別委員会におきまして考究して置く必要があるのではないかと思いますから、そういう面につきましては、私どもの参考になる資料がありましたら一つ次回に御提出を願いたい。これだけお願いして置きます。
  17. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 中山君にちよつと委員長から御了解を願つて置きたいと思いますが、只今更に追加要求をせられました中で、将來着手見込発電所名河川名を挙げろ、具体的に挙げろというようなお話がありましたが、これは本委員会が最も熱心にやつておつたことでございまして、すでに公益事業委員会経済安定本部、自由党或いは通産省、各方面の案が委員会に正式に配付せられております。從いましてそれを御覧頂きたい、こう思います。
  18. 中山福藏

    中山福藏君 私、新米でありますから、そういう点を一向存じませんでしたが、若し重複するようなものがありましたら撤回しますから、どうか御了承願います。
  19. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に先ほどに続きまして自家用電源の開発についていろいろ支障になつておる点等がありましたならば、一応通商産業省のほうから御説明を頂きたいと思います。
  20. 吉岡俊男

    説明員(吉岡俊男君) お手許に「自家用電源開発促進に関する件」という資源庁からの資料がございますので御覧頂きたいと思いますが、現在自家用水力発電所工事中のものは三カ所ぐらいでございまして、これは殆んど隘路と申すものがございませんが、自家用の水力発電所をやります場合に、これからやろうというものに対して、最も問題になる点を挙げてみたいと思います。お手許の表に、二枚目にあります表は、現在各自家用の施設者が着工希望し、早急に着工したいと言つて來ている地点でございまして、これを早急に完成することが現在最も必要なわけでございますが、これに対しまして第一の隘路となつておりますのは、水利使用の許可の問題でございます。水の利用に当りましていろいろ各種の利権と競合いたす関係上、県知事からの許可が遅れている実情がたくさんございます。この二枚目の表の日本鉱業の鮫川というのが福島県にございますが、これは東北電力とか、或いは日本水素等の競願関係がありましたし、最近又常磐炭鉱からも出願の意思があり、日本鉱業としましては、これを茨城県下において使います関係上、県外送電というような問題までからみまして、水の許可が遅れているわけでございます。それから昭和電工の青木という地点がございます。これは長野県にございまして、流域変更をして青木湖に水を落す計画でございますが、流域変更をする結果、下流の農業用水の補償問題で引掛つて遅れております。それから日窒鉱業の川又地点、これは埼玉県にございますが、地元の漁業権の問題で許可が遅れているようでございます。それからあと東北電気製鉄の石羽根地点、これは計画の変更がございましたので、許可の遅れているのは止むを得ないと思います。又同和鉱業の粕毛地点、太平鉱業の小又川地点、これはいずれも最初に出願いたしました地点が、いろいろ地元の総合利水計画等と一致しなかつたので、県の指示によつてそれをいろいろ変更いたしましたので、そういう手続の点で遅れたのでございます。それから電気化学の姫川第四という地点がございますが、これは上流中部電力が持つている姫川第三という地点がございまして、これと一緒に開発しないと開発が困難な地点でございます。それで中部電力に対して譲渡を要求しておりますが、これは中部電力としては譲渡を肯んじない共同開発の問題も出ておりますが、まだ解決を見ていないのでございます。それから住友共電の兎ノ山地点でございますが、これは倉敷レーヨンに対する工業用水の問題があつて若干遅れているようでございます。それから姫川電力の姫川第七、これは許可がありまして、後で申上げますが、資金問題で遅れております。それから新日本化学の木ノ本、これは三重県にございますが、流域変更をいたします関係上、下流の和歌山県のほうで相当意見がございまして遅れております。それから東北興業の胆沢第一、猿ケ石第一、これは水利権の問題、或いは資金の問題等で遅れているのでございます。第三枚目の地点は、大体水の問題としては問題ないと思います。  次はこの自家用電源開発を意図する場合に現実に阻害になつているという問題でございます。つまり自分のほうで自家用発電をやろうか、やるまいかという決意を下す場合において阻害になつていると思われる点でございますが、それは第二に書いてございます電力使用割当との関係でございます。で自家用発電完成いたしましても、それを從來もらつておつた割当電力から減されるようなことがあるまいかというようなことを心配して、開発計画が遅れているという関係でございます。  それから又第三番目には、工場と開発すべき地点との間が相当違い場合に、送電線を引くと金がかかる。從つてこれを既存の電力会社に委託してやれば非常に便利がいい場合に、それが円満なる解決を見ないということで遅れているものもございます。又こういうよう地点関係につきましては、現在関係方面といろいろ交渉しておりますので、何らかの打開策はつけられると思つております。  それからその他としまして自己資金調達の見通しが困難であるために遅れておる地点といたしましては、先ほど申上げました姫川電力の姫川第七、それから工場の拡充計画そのものがまだ政府においてその方針が十分きまつていないという関係で、それに伴つて行われる火力発電所の拡充が遅れるというものが川崎製鉄の千葉工場がございます。それから賠償解除を要するもの、これは特別のものではございますが、日亜製鋼が現在呉元海軍工廠の発電所を利用したいと考えておりますが、解除がきまりますればすぐに工事にかかれるというものでございます。以上で終ります。
  21. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御質問ございますか。……御質問もないようでございますから次に移ります。御承知のように当電力特別委員会に相当重大な関係を持ちまする法律案といたしまして、水産資源保護法案がございます。この法案は御案内の通りに、去る十一月二十二日に衆議院において議員提出法案として可決決定を見まして、引続き参議院に回付になり、参議院におきましては、去る十一月二十四日水産委員会において可決となつておるのであります。その後関連委員会でありまする建設委員会、通商産業委員会等におきましても、いろいろとこの件につきまして関係調査をされておるのでありますが、一応電力委員会といたしまして、今日までこの問題について事務的に関係委員会と折衝いたして参りましたことにつきまして、委員各位に御報告を申上げたいと存ずるのであります。渡辺専門員から報告を伺うことにいたします。
  22. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 今委員長から報告がありましたように、この法案は参議院の水産委員会で可決せられました。從つて会議に上程されるべきものでありましたのですけれども、現在までのところ内容についてほかの委員会から疑義が生じたので、まだ本会議に上程されるまでには至つておりません。その内容については御承知と思いますが、大体この法案は漁業法を土台にしておりますが、それ以外に水産資源保護のための新らしい規定が入つております。その主なものは保護水面というものを規定しております。その保護水面であることによつて工事に対する各種の制限が加わることになつております。そのほか遡魚について、川を遡る魚について国営の人口孵化放流をすると、それに伴つていろいろな問題も起るということになつておりまして、そういう点で河川を扱つておりますところの建設関係、それから電力を扱つておりまするところの当委員会、それから工業用水を取扱つております通産関係、その三つのところからこれについて意見が出ておりまして、これを本会議において修正すべきかどうかという点について目下折衝が行われておるというふうに聞いております。  大体以上、内容については又御質問があれば……。
  23. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 更に若干補足を委員長からいたしますが、昨日建設委員会のほうから一応調査をしたいので、電力委員会のほうからも來るようにというお話がございましたが、私は委員会の皆様方にお諮りをいたしませんので、出席を遠慮いたしまして渡辺専門員に傍聴をお願いしたわけであります。ところがその後建設委員会におきましては、電力委員会調査をいたしまするならば当然問題になるであろうというような点につきまして、修正案を用意せられまして、先ほど建設委員会において如何に取扱うべきかを御協議中であつたようであります。又一方通商産業委員会におきましては、通商産業に関係する第四条第一項第四号の問題につきまして修正をされたいというので修正案が提出され、これが委員会として可決決定をいたしておるのであります。ところがその後の情報によりますると、どういう工合でありまするか、建設委員会においては修正を一応いたさないで、そのまま本会議において可決をいたしまして、來たるべき通常国会において修正をしようというようなことに話が取進んでおるやに伺つておるのであります。從いましてこれにつきまして当委員会といたしましてはどういう工合に処置すべきものであるか、当委員会としての考えをまとめて置きたいと存ずるのであります。
  24. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今委員長並びに渡辺専門員から水産資源保護法案に対しまする問題について御報告がありましたが、私も実は建設委員をいたしておりまして、昨日の建設委員会でこのことをいろいろと研究をいたしておつたのであります。ところが本日の午前中の建設委員会にほかに用事がありまして出られなかつたんでありまするが、その午前中の委員会において、今委員長から御報告のありましたように、一応これをば通して置いて、近い将來に改正をするというようなことで、そういう方法で了承をする傾きになつて來たということを聞きまして、実はびつくりしておるわけであります。昨日水産庁関係からいろいろとこの法案を出されたいきさつについて伺いましたが、それによりますると、この法案の提出理由にも書いてありまするように、水産資源の保護培養を図り、我が国漁業の国際的信用を回復し、云々とあるのです。即ち現在行われております漁業協定の話合をうまくつけるために、一つの政治的なゼスチユアとしてこの機会に早くこの水産資源保護法を通過せしむるという意図であつたようであります。そこで政府提出にすれば建設省、水産庁その他いろいろと関係が深いので、なかなか簡單に行かないので、議員提出で押しまくつてしまおうというような意図で、非常に審議をば急ぎまして、実は土曜日に我々のほうにも法案がやつと箱の中に配られたようなことで、もう見たときは月曜日で、すでに土曜日に水産委員会は可決してしまつている。こういうようなことになつておつたわけであります。併しながら幸いにして昨日の本会議の上程前にこれに気付きまして、通産、建設、電力等でだんだん問題にし始めたわけでありますが、かようにこの河川の持つ多面的な性格からいたしまして、農林省で勝手に保護水面をきめて、それに対してこの法案によりまするといろいろな制限の省令規則を定めるようになつておりまするが、それをば公益事業委員会、或いは建設大臣、通産大臣等に協議することなしに、一方的にそういうことができるようになつている、或いは又第十八条等は本電力開発と非常に関係が深いと思いまするが、「保護水面の区域内において、埋立若しくは、しゆんせつの工事又は水路、河川の流量若しくは水位の変更をきたす工事をしようとする者は、政令の定めるところにより、当該保護水面を管理する都道府県知事又は農林大臣の許可を受けなければならない。」、こういうふうになつておる。或いは又第二十三条におきましては「水面の一定区域内における工作物の設置を制限し、又は禁止することができる。」、こういうふうになりますと発電用の施設等に対して非常な障害になるわけであります。こういうことが未然に発見されましたことは、多少遅きに失しましたけれども、非常に幸いなことであつて、この際こそ参議院の二院制としての特徴を活かしまして、参議院通過前に発見いたしましたこの法案の不備については、当然これは時間的に全く余裕がないというならば別として、まだ修正の余裕もあるわけでありますから、私は当然本会議において修正する以外に方法がないのでありますが、そういう方法によつて修正すべきであると、かよう意見を持つております。建設委員会において了解に達せられました、近い機会に修正をすると、改正をするというようなことは、これは徒らに朝令暮改の誹りを重ねるばかりであります。発見しておいてそれを先ずこの際は通しておく、近い機会に直す、こういうようなことでは私は参議院の二院制は活かされない、かような意味からもう大体修正点はきまつておることでありますから、ただ各委員会間の調整をとれば立派に成案ができるわけであります。時間的に可能でありますから修正の方向に一つつてつてもらいたい、かよう意見一つつております。
  25. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  26. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて。只今お諮りをいたしました水産資源保護法案に対する当委員会の態度といたしましては、将來の電源開発等に関しましても極めて重要な問題でありまするし、又今日までの審議の経過から申しましても、建設委員会或いは通商産業委員会等にもそれぞれ御意見があるようでありまするので、この際各委員会と調整をとりまして折角水産委員会の可決決定を見たものではございまするが、更に法律案の完璧を期しますために、当委員会において修正をされるよう委員長において努力をいたすことにいたしたいと思います。さよういたしましてよろうござしいますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) さよう決定いたします。  なお建設委員会におきましていろいろと御調査になりました結果、修正然るべきであるというので一応おまとめになりました案がございますので、これを御披露申上げたいと思います。   水産資源保護法案に対する修正案  第四条第七項の次に次の一項を加える。  8 農林大臣は、第一項第四号又は第五号に掲げる事項に関する省令又は規則であつて河川法(明治二十九年法律第七十一号)第一条に規定する河川(同法第五条の規定により同法が準用される水流、水面又は河川を含む。以下同じ。)又は砂防法(明治三十年法律第二十九号)第二条の規定により主務大臣が指定した土地に係るものを定め又は認可しようとするときは、あらかじめ、建設大臣に協議しなければならない。  第十五条第八項を第九項とし、第七項の次に次の一項を加える。  8 農林大臣は、第一項又は第四項の規定により保護水面の指定をしようとする場合において、当該保護水面の区域が河川法第一条に規定する河川又は砂防法第二条の規定により主務大臣が指定した土地に係るものであるときは、あらかじめ、当該保護水面の区域について、当該河川を管理し、又は当該土地の属する地域を管轄する地方行政庁(砂防法第四条第二項の規定により主務大臣が同条第一項の地方行政庁の職権を施行する場合においては主務大臣。第二十三条第三項及び第二十四条第二項において同じ。)に協議しなければならない。  第十八条の見出しを「(工事の制限等)」に改める。  第十八条第一項中「保護水面の区域内において」を「保護水面の区域(河川法第一条に規定する河川又は砂防法第二条の規定により主務大臣が指定した土地に係る部分を除く。)内において」に改め、第二項の次に次の一項を加える。  3 建設大臣又は地方行政庁は、河川法第一条に規定する河川又は砂防法第二条の規定により主務大臣が指定した土地に関する埋立若しくはしゆんせつの工事若しくは水路、河川の流量若しくは水位の変更を來す工事をしようとする場合又はこれらの工事について河川法第十七条から第十九条まで、若しくは砂防法第四条の規定による許可をしようとする場合において、当該工事が保護水面の区域内において施行されるものであるときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該保護水面を管理する都道府県知事又は農林大臣に協議しなければならない。  第二十条第五項を第六項とし、第四項の次に次の一項を加える。  5 農林大臣は、第二項の人工ふ化放流の計画を定めようとするときは、あらかじめ、建設大臣に通知しなければならない。  第二十三条第三項中「前項」を「第二項」に改め、同項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。  3 農林大臣は、第一項又は前項の処分をしようとする場合において、当該水面の区域が河川法第一条に規定する河川又は砂防法第二条の規定により主務大臣が指定した土地に係るものであるときは、あらかじめ、当該河川を管理し、又は当該土地の属する地域を管轄する地方行政庁に協議しなければならない。  第二十四条第八項を第九項とし、第七項中「第三項又は第四項」を、第四項又は第五項」に改め、同項を第八項とし、第六項中「第四項」を「第五項」に改め、同項を第七項とし、第三項から第五項までをそれぞれ一項ずつ繰下げ、第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。  2 農林大臣は、前項の処分をしようとする場合において、当該工作物が河川法第一条に規定する河川又は砂防法第二条の規定により主務大臣が指定した土地に設置されたものであるときは、あらかじめ、当該河川を管理し、又は当該土地の属する地域を管轄する地方行政庁に協議しなければならない。 第四十条第一号中「第三項」を「第四項」に改める。  こういうのであります。  それから通商産業委員会において行いました修正案はこういうのであります。  第四条中第七項を第八項とし、第六項の次に左の一項を加える。  7 農林大臣は、第一項の省令を定め、又は前項の認可をしようとする場合において、当該省令又は認可が第一項第四号に掲げる事項に係るものであるときは、あらかじめ通商産業大臣に協議しなければならない。  それでは只今の御決定に從いまして、参議院の各委員会と早速連絡をとりまして善処をいたしたいと存じます。  公益事業委員会にちよつと伺いますが、公益事業委員会のほうには、この水産資源保護法案に対して、事前に何か農林省から協議をせられておりますか。又この原案のままで差支えないとお考えになつておりますか。御意見がありましたならば伺つておきたいと思います。
  28. 市浦繁

    説明員市浦繁君) 実はこの水産資源保護法案につきましては、昨日こちらから御連絡がありました以外には何ら私のほうでは聞いておりません。そこで本日差上げましたこれに対する意見につきましても、まだ昨日この原案を見たようなわけで、十分な検討がなされておりませんので、そういう意味の意見であるということを御了承願いたいと思います。
  29. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) これは文書で公益事業委員会意見をお出しになつておりますが、いずれ他の委員会と連絡をとりまして、その過程において委員会として御相談を申上げる必要がありましたときには「逐次委員会を開催いたしたいと思いますので、さよう御了承頂きたいと思います。
  30. 小川久義

    小川久義君 最近電産ストが行われて、だんだん深刻化するようにも思われますので、電力危機に直面し、又このストのために国民全般が非常な不安を感じておると思うのでありまして、政府、公益事業委員会、中労委、その三者を招致いたしまして、早く解決する方向へ持つて行くように、当委員会においても取計らつたら如何かと思いますので、委員長からお諮りの上善処せられたいと思います。
  31. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今小川委員から電産争議につきまして、動議が提出になつております。御意見を伺いたいと思います。
  32. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 小川委員から電産争議のことについて中労委並びに公益事業委員会、その他関係方面に速かにこれが解決を図つて、国民の不安を除去するようにという申入れを行うという動議でありますので、全く当委員会としてそういうふうにおきめを願つて、善処されることに賛成いたします。
  33. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今小川委員の動議に対しまして、椿委員から御賛成の発言がございましたが、さよう決定いたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) その実行の方法につきまして何か御腹案がございましたならば、お伺いをいたしたいと思います。
  35. 小川久義

    小川久義君 それは先ほど申上げました政府の関係方面、それから公益事業委員会、中労委、三者を同時に招致いたしまして、善処方を要請したらいいかと思います。
  36. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 私は時間的に言つても、何か要望書といつたようなものを提出してその善処をば要望するというようなことのほうが、実際可能な方法ではないかと思われます。
  37. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止〕
  38. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて。只今の動議に関しましては、委員会決定といたしまして、電産争議の早期解決を政府、公益事業委員会、中央労働委員会電気事業経営者、並びに電産労働組合に申入をいたすことに決定をいたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) なおその方法につきましては委員長、理事に御一任を願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 さつきの水産資源保護法案についてですが、当委員会意見は、ただ委員長にそういうことを任しただけで、どういう点をどうするかということは尻切れとんぼで、きまつてないように思うのです。ただここに公益事業委員会の御意見が出ておるわけですが、この際法制局の村田課長が見えていますから、こういうような御意見を聞かれて、それでさつきの建設委員会でお作りになつているような法文の体裁を整えて、この程度資料で、又それは公益事業委員会に、もつと詳しい、先のような、建設委員会と同じよう程度資料が、どのくらいの時間があつたらできるか。それから又全部の会議の進行の状況から見て、法制局でそれをば時間的にどういうふうにおまとめになることができるか、そういう点についてもう少し聞いておかないと、どうも尻切れとんぼのような気がするのです。
  41. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 三輪君の動議がありましたが、法制局のほうから意見を聞くことでよろしうございますか。……御異議ないと認めまして、法制局の意見を求めます。
  42. 村田育二

    ○法制局参事(村田育二君) 三輪先生にお伺いいたしますが、仕事の運び方の時間的な関係ですか。
  43. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 こんな程度意見で法文の体裁をああいうふうに整えられるか……。
  44. 村田育二

    ○法制局参事(村田育二君) それが建設委員会、それから通商産業委員会、当委員会と、三委員会の要望をまとめられて一本の案で出す場合に、仮に建設委員会の御同調がない場合にその委員会が別々にお出しになる。場合によつて若干違いますが、公益事業委員会の案は私も今拝見したばかりなんですけれども、御承知のように司令部の御承認を得なければなりませんので、英文の調製等の時間もありまして、その期限が大体五時乃至六時までに英文を最後的に印刷等も調製して出さなければなりませんので、本日中に、只今すぐ方針が、具体的にきまりまして着手するといたしましても、本日中に司令部に英文を出すことは不可能だと思われます。
  45. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 法制局に対して委員長からお尋ねしますが、我々にまだ公益事業委員会が出されたこの意見について内容の調査をいたしておるわけではありませんが、一応この第四条から二十四条までの意見が正当である。電気事業電源開発のためにこれだけのことはいたして置かなければならんと決定されたとしまして、この五カ条の問題は先ほど読み上げました建設委員会の修正案の中で全部要望が満たされるかどうか、その点を先ず伺いたい。
  46. 村田育二

    ○法制局参事(村田育二君) 二十三条に関する部分は先ほどお読み上げになつた建設委員会の修正案に入つておらないように承わりました。
  47. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 第四条、第十五条、第十八条、第二十四条、第二十三条の中で二十三条だけが入つていない。そのほかは全部入つておりますか。
  48. 村田育二

    ○法制局参事(村田育二君) はい。但しあのままでは当委員会の御要望を織り込まれますといたしますと不十分でございまして、若干、勿論公益事業委員会意見を聞くとか、公益事業委員会に協議をするとかいう字句を加えなければならんと存じます。それから十八条の点につきましては、これは公共事業令の五十九条によりまして、直接には地方行政庁が水利権の許可の権限を持つておりまして、公益事業委員会は間接にその意見を求められたり、或いは協議、勧告をするというよう関係にありますので、先ず建設委員会の修正が前提になるわけであります。それとこれとは複合した関係になると思います。從つてその点についても若干調整を加えなければならんと思います。
  49. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 市浦開発課長にちよつとお尋ねしますが、公益事業委員会に協議するという工合に全部なつておりますけれども、水利権の主管大臣はやはり建設大臣なので、建設大臣と公益事業委員会とが協議をすると、こういうようなふうに一応筋が通つておれば、個々の問題について公益事業委員会と農林大臣とが協議するという必要はないじやないですか。この点は法制局の御意見もちよつと伺いたいと思います。
  50. 村田育二

    ○法制局参事(村田育二君) 大体今委員長がおつしやつたように考えます。
  51. 市浦繁

    説明員市浦繁君) 只今の問題でございますが、水利権の場合は、都道府県知事からの意見を求めて参るわけでありまして、建設省から委員会のほうに意見を求めるということになつておりません。委員会が建設省に協議するということになつておりますので、建設省だけの協議の条文では、自動的に委員会のほうに協議がないのではないかという心配があるのでございます。それからなおこの問題は水利権だけの問題以外に、施設の撤去なり、施設を作ることを禁止、或いは制限しておりますので、必ずしも水利権だけではないという気がするのであります。
  52. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 岡田第三部長は、河川法のこの前の問題のときにも御研究を願つたことでありますので、今のことを十分御理解願つておると思うのでありますが、どのような御意見でございましようか。
  53. 岡田武彦

    ○法制局参事(岡田武彦君) 私ちよつと聞き漏らしましたので……。
  54. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 結局河川の主管大臣である建設大臣が中心になりまして、地方行政庁、農林省、或いは公益事業委員会との調整に当られるのが大体建前になつておるのでございますが、從つて各細かいことについて一一農林大臣と公益事業委員会が協議をしなければならないということに、この公益事業委員会の御意見ように謳う必要はないではないか。こういう意見を述べたところが、実は建設大臣と公益事業委員会とが直接協議をするような工合にはなつていない。地方庁から公益事業委員会に協議することになつておるのであります。建設大臣と協議することになつていないので、從つてその点も併せて農林大臣との関係も明らかにされたいというような御希望もあるようでございますから、その調整をどういう工合にするかということです。
  55. 岡田武彦

    ○法制局参事(岡田武彦君) 公共事業令の第五十九条によりますと、先ず水利使用の申請がありましたときに、府県知事が意見書をつけまして、公益事業委員会に提出をする。その場合公益事業委員会意見を述べるわけでございますが、その際建設大臣に協議をすることになつておるわけでございます。そこでちよつとこれに関連いたしまして、本日午前中の建設委員会におきまするところの修正案は、先ほど村田課長から申上げたかと思いますが、十八条でございます。十八条は農林大臣いろいろ許可することになつておるのでございますが、「保護水面の区域内において」は、河川法によります河川、砂防法に基く指定土地だけは除きます。保護水面の区域、今の河川法と砂防法による指定土地を除くという修正案になつておるのでございます。從いまして、第十八条の規定は保護水面でありましても、河川法と砂防法による指定土地に関する限りは農林大臣の許可制度の適用を受けない。從いまして言葉を換えますと、河川法の一貫作業と申しますか、河川法のほうの一貫的な施行で行く。從いまして府県知事が水利使用なら水利使用というような場合には、公共事業令に帰つて参りまして、第五十九条によりまして意見を出し、建設大臣に協議するというので現状と変りはないのでございますから、この十八条の建設委員会の修正案が通りますならば、全然これで現状維持でございますから、公益事業委員会として異論がないのではないかということは考えております。
  56. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは結局結論としまして、建設委員会がお考えになつておる修正案が通れば、現状の通りであつて、問題はないということが明らかになりましたから、さよう一つ進めることにいたしたいと思います。
  57. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 その際、さつき開発課長から言われた水利権はそれでいいが、工作物の撤去とか、そういう場合は困るというちよつと御意見がありましたが、それはどの条文ですか。水利権の場合は建設大臣に協議がありさえすれば、公共事業令の五十九条で現状維持で差支えないが、その他の場合は困るというちよつと御意見があつたように思いますが。
  58. 市浦繁

    説明員市浦繁君) それは二十三条なんですが、二十三条を読み上げますと、「農林大臣は、さく河魚類の通路を害する虞れあると認めるときは、水面の一定医域内における工作物の設置を制限し、又は禁止することができる。」ということが、ここに書いてございます。
  59. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そういたしますると、二十三条の場合も法制局のさつきの御意見は、建設委員会の修正でそのまま現状維持で一向支障がないということになりますか。
  60. 岡田武彦

    ○法制局参事(岡田武彦君) お答えいたします。実は午前中の建設委員会におきます経過を御参考に申上げて見ますと、いろいろと修正意見が出たのでございます。併しながら現在の漁業法にある規定を移し換えたものとか、現在の資源枯渇防止法の規定をそのまま移し換えたもの、これはこの際会期も迫つておるのであるからして、新らしい見地に立つて修正すればいいのであるかも知れませんけれども、現在あります規定を移し換えたに過ぎないものならば、この際我慢をして新らしい規定について支障があることを直して行こうじやないかというような御意見がありまして、結局十五条と十八条の新らしい規定についての修正意見がまとまつた。二十三条、二十四条は現在の漁業法ではこういう規定でございまして、今新らしい見地に立つて考えれば成るほどお考えになる点もあるかも知れませんが、成るべくこの際時間切れでもありますので、極くほんの修正でまとまりますというと、まあ、二十三条、二十四条の関係は建設省のほうも我慢をしようということになつたわけです。御参考に申上げておきます。
  61. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それで大体明らかになりましたですね。
  62. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 これは意見ですけれども、勿論この水産資源保護法は、水産資源枯渇防止法、漁業法等のいろいろありましたものを調整をして、一つの法律に作つてあるわけでありますから、新たに加えられたもの以外は今まで問題にならなかつたんだから、いいわけですけれども、折角こういう修正を加える機会ですから、今までそれが不便である、こういう点があつたら、簡單なものであつたら、これは一括してやつてもそう大して技術的に困難な問題でもないのだし、修正を加えることがいいというものはやはり修正をしたほうがいいのじやないのですか。
  63. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 今の観点で行きますと、結局二十三条だけの問題になるわけでございますね。
  64. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうでございます。だから私はさつき二十三条も建設委員会……二十三条は建設委員会は修正意見はなかつたのですか。
  65. 岡田武彦

    ○法制局参事(岡田武彦君) やめましたのでございます。
  66. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 そうですが。
  67. 小川久義

    小川久義君 只今問題の二十三条なんですが、それも含めて通産委員会なり建設委員会等と御折衝のときに処置については委員長一任ということにお願いしたいと思います。
  68. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それじや小川委員の御発言の通りにいたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは法制局のほうに二十三条の問題をちよつと法文化をお願いいたしたいと思います。
  70. 岡田武彦

    ○法制局参事(岡田武彦君) 承知いたしました。   ―――――――――――――
  71. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に請願陳情に移りたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 実は電力制限の問題に関しまして、杉並連合商店街の代表の鎌田彦右衛門君と、全日本ネオン業組合連合会事務局長の坂上達夫君が陳情にお見えになつておりまするので、参考人として陳情の趣旨をお聞きしたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではさよう決定をいたしました。杉並連合商店街代表鎌田彦右衛門君、簡單に要点をお述べ願いたいと思います。
  74. 鎌田彦右衛門

    参考人鎌田彦右衛門君) 誠に貴重な時間を頂きまして恐縮でございます。全く私ども商人といたしましてここまでお願いに出るのは、もう直訴のつもりでお願いに上りました次第でございます。御承知のごとく、私は杉並の連合商店街の代表の鎌田でございまするが、私ども郊外といいまするかは、デパート及び日本橋とか、都のまん中の一流の商店街は日中でも相当の成績を挙げておりますが、一つ郊外に出ますると、全く夕方の五時から八時までが商店の大事なかき入れの時期なんでございます。その時期におきまして、私どもは現在の経済面において、何とかここを切抜けたいという精神から、商人は日掛をいたしまして、お客のためにネオン・サイン或いは広告塔を立てまして、いささかでも経済面に緩和を來たすように活動をやつて來ましたけれども、如何せん、電力不足のために、折角私どもが作りましたネオン・サイン、広告塔というものは禁止されました結果、全く用をたさないのでございます。殊にここに至りましては、年末、年始に至りまして、商店は年に二回の、中元と年末年始が一番の大切のかき入れ時期なんでございますが、この時期に來まして、何とかしてこの際せめて年末年始だけでもネオン・サイン広告塔の使用禁止をお解き願えれば、私どもは誠に喜ぶ次第なんでございます。これにもいろいろの事情もございましようが、せめて年末の売出し期間だけでも何とか一つこの点についてお許しを願えば私どもは誠に喜ぶ次第で、本日は厚かましくお願いに上つた次第でございます。
  75. 栗山良夫

  76. 坂上達夫

    参考人(坂上達夫君) 坂上でございます。特別に委員会に出席させて頂きまして有難う存じます。私ども業者が只今この席で申上げますことは、電力の危機の中にありまして、決して過分のことを申上げるのではありません。ただとしいながらも何かの御工夫を以ちまして、私ども業者が全く瀕死の状態、死命を制せられたこの禁止の措置を何とぞ緩和をして頂きたい、ただこの一つをお願いしたいのであります。たまたまこの制限が実施せられましてから、その告示の第一条に禁止の事業と指定されております、その禁止せられておりますところのネオン・サインは決して他に代替するところの品物が全くないということ、よつて死命を制せられたということを申上げたいのであります。只今も商店街の代表のかたが御陳情ありました歳末或いは年始を近くに控えまして、商店その他需用者のかたがたは必死の勢いで経営の挽回にお努めになり、或いは過去二カ月、三カ月に及ぶところの制限によるその営業の不振を挽回しようとしておられるのであります。私どもは公益事業委員会にこの点につきまして差別の除去をひたすらお願いいたしております。どうぞ議員の皆様方におかれましても、私どもの衷情を諒とせられて、せめてクリスマスのそれに、或いは正月のそれに、同じ国民として均等のお計らいを以て、たとえ寸時でもよろしい、御点火をお認め願えるように御尽力をひたすらお願いする次第であります。
  77. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今陳情につきまして、御深刻な要望でもありますので、公益事業委員会のほうのお考えを伺いたいと思います。
  78. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 電力の使用制限につきましては、本年は八月末から平年に比べましてはよほど早く相当深刻なる渇水に見舞われまして、たまたま石炭の貯炭につきましても十分な用意がございませんでしたので、相当ひどい電力制限を実施せざるを得ないような事情に相成つたわけでございます。從いまして非常にむずかしい電力制限に際しまして、当時の渇水程度がひどかつたことによりまして、工場等におきまして相当深刻なる問題を惹起いたしますると共に、東京におきましてはそれほどでもなかつたわけでございますが、関西中国東北、北陸等におきましては非常に深刻なる電力不足を招來いたしまして、電力融通の問題が深刻な問題となりまして、均衡を得ました制限を実施しなければいけないというような点からいたしまして、相当非産業用のものにつきましてはきつい制限をいたしたわけでございます。これは勿論恒久的なものとしてではございませんで、短期の制限の告示といたしまして発足をいたしたのでございますが、その後電力事情が好転いたしませんので、相当長引きまして、本月に入りましてやや好転をいたして参つているという状況でございますので、この際現在臨時的に制限をいたしております制限の仕方につきましてやや恒久的なる制限に切替えて参りたいというので、折角告示案の改正につきまして準備をいたしておるわけでございます。その際におきまして現在の制限の仕方が非常にまずいと申しまするのは、ネオン・サインを相当きつく制限をいたしております関係もありまして、商店内の照明が非常に明るい、これは明る過ぎるというような弊害も起つておるのではないか。これでは電力の節減という趣旨から申しますると非常にまずい方法でもございますので、店内の照明を節約願うという方法を考えますると同時に、行過ぎの点につきましては若干方法を改善して参れないかということを研究しておるわけでございます。從いまして、ネオン・サインの問題につきましては非常に技術的にむずかしい問題、一方におきまして精神的な問題もございますので、これを恒久的にいいという措置をとることにつきましては、現在のところまだ十分なる結論を得ていないのでございますが、現在公益事業委員会内におきまして研究をいたしまして、こういうところには何とか持つて行きたいというふうに、委員のかたの御意見も承わりまして、事務当局におきまして委員会の御決定を願いたいというふうに考えておりますのは、年末のクリスマスから正月の五日頃までは、ネオン電力事情が非常に惡化しない限りにおきましてはこの禁止を緩和するというような方法がとれないものかどうか、緩和するよう委員会の御決定を願いたいというふうなことで進んでおる次第でございます。非常に惡化しないと申しますると、何だかはつきりしないようでございますが、非常に惡化しないと申しまするのは、それはやはり今度の制限案につきましても段階制限というものが考えられておりますので、渇水期におきまして出水率が下ることは当然なのでございまして、異常な渇水期におきます更に異常なる渇水がない限りにおきましては、緩和するという方向に委員会のほうも御決定になるのではないかというふうに推察いたしておる次第でございますので、中間的にこの事情を申上げます。
  79. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと伺いますが、私はネオンの点燈を弛めます場合に、やはり屋内のネオンは大して必要ないと思うのです。例えばキヤバレーとか、ホテルとか、こういう屋内のネオンというのはやはり制限してもいいのじやないか。それからもう一つは、屋外のネオンでも用量によつて私は大体制限ができるのじやないか。非常に大きな一つの広告ですね。單一商人の広告用に使つているような大きなネオン等は制限され、少数の中小企業者が若干の金を出し合つて商店街の装飾に使つておるようないわゆる商店街の照明、これだけは是非共私は弛めるべきではないかと私自身も考えておるのですが、今のお話では事務当局だけのお考えが述べられて、委員会そのものの意見が聞かれないのは残念でありますが、これは今日は委員のかたはおいで願うわけには参りませんか。
  80. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 委員は本日関係方面の御折衝の準備その他で出席できかねるように聞いておりますが、只今の技術的にネオンを奢侈的なるものと、必要なるものとに区別するというような点につきましては、今後の制限は、キロワツトアワーの制限を、大口電燈、業務用電力等につきましては勿論、場合によりましては從量電燈につきましてもキロワツトアワーの制限をすることができるというふうな考え方で進んでおりますので、そういうような合理的な制限方法がとられるようになりますれば、その際に奢侈的でないネオンはつけられるという余裕が出て來る方向にはあるわけでございます。更に大口電燈と業務用電力につきましても、公共的なものと一般のものとにつきまして一応制限の段階差を考えるということに相成つておりますので、今委員長の御趣旨の方向には進んでおりますが、更にこれをはつきり区別できるかどうかというような技術的な問題につきましては、更に電気事業者のほうとも研究をしてみるようにという意味のお話もございますので、若干研究をしてみなければ、只今の段階ではそういう線をとることができるかどうかを申上げることは困難かと考えております。
  81. 中山福藏

    中山福藏君 ちよつと私それに関連してお尋ねしておきたい。近時夜間に犯罪防止という建前からだろうと思つておりますが、都会地に参りますと、街頭の電気は非常に明るく、殊に或る場合においては大変近い距離にたくさん使つておる所を見受けるのです。私どもは弁護士という建前から、犯罪の防止ということは朝野こぞつて相協力して、これを防止するということには異存はないのでありまするが、併しどうも距離的に無闇にたくさん点燈されている所が相当にあるように思うのです。御承知の通り近頃は税金で国民全体が苦しみ抜いておつて、更に多額の経費を払いまして、先ほど承わつたかき入れ時というような時を控えて、こういう距離的な関係を一応供給者のほうでは十分御調査になつて、そうして不要不急なものは一応節約して国民の声に、これも尤も十分御調査の上でなくちやいかんと思いますが、お答えになるということは必要じやないかと思うのです。御調査になれば不要な所にたくさん、何と申しますか、非常に強力な電燈がつけられておる。どうか一つそういう点を関心を持つて頂きまして、何とか国民全体に奉仕するというような精神を活かして欲しいということを私はお願いしておきたいと思います。
  82. 古池信三

    古池信三君 ちよつと私意見を述べたいのでありまするが、この秋以來の電力不足によつて我が国の産業界は非常な痛手をこうむつておるわけであります。又家庭生活におきましても随時緊急停電を行われますので、非常に困つておることは御承知の通りであると思うのであります。併しながらそうかと言いまして、ネオン・サインをそれじやどうするかという問題でありますが、これは一時非常にネオン・サインが急に増加いたしまして、むしろ現在の日本の状態としては行き過ぎではないかと思われるぐらい、一部においては華やかなものがあつたのであります。ああいう華やかなネオン・サインというものは、こういう現在のごとき電力事情においては如何かと思うのであります。併しそうかといつて、必ずしもネオン・サインは奢侈的な或いは贅沢な方面ばかりではなく、むしろ中小企業者等にとつては、非常に商売の上において大事な使命を持つておるとも思うのであります。殊に使用電力量においては割合消費量が少いのでありますから、そういう点も考慮に入れますならば、全然これを禁止してしまうということは、余りにも中小企業者に対して酷なやり方ではないか。かように存ずるのでありますから、その辺は電力の供給需要等とよく睨み合わせまして、或いは期間を切り、又時間を制限して、而も余りに賛沢な華やかなものは除外して、本当に商売上その他必要な程度においてネオン・サインの使用を許すということは、これは考えられてよかろう、かように思うのでありまして、ただ問題は、そういうふうに期間を区切るなり、又時間の制限をやるということになりますれば、実際におきましては相当むずかしいところがある。かように思うのであります。これは使用されるほうも十分に協力する態度をとり又電力の供給事業会社の側においても、むしろ好意的にその辺のことを考えて、相当面倒でも十分に世話をするというような意味合で供給されたらどうか、かように私は考えます。意見の一端を申述べます。
  83. 山川良一

    山川良一君 私はネオンというものがどのくらいの電力を食うかということを、皆わからずに、見た目が非常にいけないので、あんなものを放つておいて、電力を制限する余地があるかという少し誤まつた認識をして、精神的の攻撃が非常に影響しておると思うのです。ですから、皆さんが今お話になつような方向で、必要なものは、殊に年末のようなときに、これを何とかして上げるということは必要だと思いますが、公益委員会のほうで扱う時分に、こういう措置をとつたけれども、これはこれぐらいの電力量では、それくらいのことは一般の電力消費者が我慢してやつてもいいじやないかというような点を、一般が了解をするような発表の仕方をされたらよろしくはないか、大体電力のことがむずかしいものだからわからんのです。公益委員会で取上げられた措置も、いろいろ普及する必要があるのじやないか、そういうところに重点がありやしないかと思うので、新聞等で平易に発表されたほうがいいのではないかという意見を述べておきます。
  84. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 大体皆様がたの御意見は、陳情者の趣旨に御賛成の意見が多いようでありまして、私自身も、これは委員長ということを、抜きまして、個人的に全く同感であります。從いまして今日は公益委員がお見えになつていないので、事務当局の御意見はわかりましたけれども、公益委員は御案内の通り、なかなか信念の固い人ばかりでありまして、そう簡單に私は通らんと思う。從つて只今中小企業が年末を控えて金融難と税金攻勢に喘いで、これを切り抜けるために、やはり商売が繁昌しなければいかんと思う。そういう意味で、非常に焦眉の問題でありますから、早速公益委員会委員の出席を私今日求めて、はつきりと言質をとるというのではありませんけれども、善処をするということを確約させておきたいと思うのでありますが、御異議ございませんか。   「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ではさように取計らいます。公益事業委員会委員の出席を求めて下さい。   ―――――――――――――
  86. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に請願陳情が相当多数ございますが、とてもこれからやりましては相当時間がかかると思いますが、如何でございましようか。どういう工合にいたしましよう。これから少しやりまして、足りない分は明日続行いたすことにいたしますか。
  87. 小川久義

    小川久義君 大体この願意が殆んど似通つておるように思うので、簡便な方法で、本会議における委員長報告ような点で、同種類のものは同じく全部採択、都合の惡いもの並びに同種類のものは保留、こういうようにすぐ区別つきませんか。
  88. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 実はそういうこともあろうかと思いまして、専門員のほうにお願いをして、大体整理をして御理解を願えるようにしてあります。從いまして一応それでは専門員のほうから説明を聞くことにしてよろしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ではさようにいたします。
  90. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) お手許に配りました請願陳情件名表、これに從つて説明いたします。上のほうに付いておる通し番号一、二、三、とございますが、一、二、それから十一から十七まで、それから一番最後の三十五、これを一括いたしまして御説明いたします。大体この請願及び陳情の趣旨は、産業民生に対する打撃及び社会問題化しておる事実を述べて、次のような政策をとれということを要望しておるものが共通の要望であります。その内容は火力用の石炭や重油を確保しろ、電力ロスを軽減しろ、自家用火力を総動員しろ、或いは積極的に電源開発工事促進しろ、或いは地域間の電力融通を早くしろ、又は融通命令を発動しろ、現行割当制度を再検討せよ、或いは電力使用制限を均等化せよ、こういうものの全部或いは一部を内容に織込んでおります。なお抽象的に緊急に最善の対策を講じよというのもあります。以上が主たる内容でございまして、そのほかに例えば発電県からは負担ばかりが多くて、そうして電力の量及び料金において不平等だからそれを是正せよ、或いは石炭確保資金を融通するような措置をせよ、停電による不測の被害を考慮してくれ、或いは制限の規則に再検討を加えてくれというような内容でございます。
  91. 小川久義

    小川久義君 只今専門員から内容の説明がありましたので、一括されて議題になつた分全部、採択……。
  92. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今小川委員から一括採択の御動議がありましたが、その前に公益事業委員会或いは通商産業委員会、経済安定委員会等で本各件に関して御意見がありましたならば、御参考までに伺つておきたいと思います。何かございますか。……それでは採択することにいたしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 今は一、二、それから十一から十七まで、それから最後の三十五。次に抜かしました通し番号三から十までを一括いたしまして御説明いたします。全部同趣旨の請願でありまして、電力の不安を除くために、電源開発を国家資金で即時実施せよ、電力会社は公益事業として真のサービスを行い、分断による各社の不均衡是正のために、電力事業の一元的な運営を強化せよ、なおこのほかに電力不足に対する政府の責任を明らかにせよ、公益事業委員会を即時解散して民主的な機関にしろ、こういう内容でございます。
  94. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 今の公益事業委員会の民主化には何か具体的な方策が述べてありますか。
  95. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 入つておりません。
  96. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) よろしうございますか。    〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  97. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ではこれも決定をいたします。
  98. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次に通し番号の十八でございます。渇水期電力使用制限に関する請願、これは大同製鋼の社長からになつておりますが、中部地区の鉄鋼業者、大同製鋼、愛知製鋼、川崎製鉄及び矢作製鉄からの請願であります。九月六日に電力の法的制限が開始され、十月十一日にそれが強化され、それですでに困つている。……この請願者の請願の趣旨でありますが、十一月一日附で公益事業委員会事務総長から支局長、電力会社の社長宛に通牒が出ておる。その通牒は「渇水期における使用制限について」という通牒でありますが、この通牒を撤回せられたい。その理由は、使用実績が非常に少くて、そして使用実績の基準となる割当電力量は、受電電力容量を全く加味していないが、若しこういう制限方式が実施されれば前年度の最渇水期の半分以下の使用量となつて、生産及び企業の根底を破壊するという……。
  99. 小川久義

    小川久義君 これに対して公益事業委員会事務当局の御意見を伺いたいと思います。
  100. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) この考え方の問題につきましては、これは非常に問題があるのでございますが、渇水期と豊水期におきまして水の量が非常に変つて参ります。非常に豊水期と渇水期電力のベースが変つて参ります関係上、どういう業種によりましてこの調節をするかということにつきましては、契約の面におきまして、豊水期最大電力と、渇水期最大電力というものに差をつけているわけでございます。これは一般の動力につきましては、こういう差をつけますことが困難でありまするので、主といたしまして電解電炉のほうにこの差をつけて、電気事業者は契約を結んでおりまするし、委員会といたしましては受電の認可をいたしておるわけでございます。從いまして電力のアロケーシヨンにおきましても、そういうような考え方をとつておるわけでありますが、ただ現在その電力のアロケーシヨンが豊水期と渇水期におきまして、特にまあ豊水期におきまして十分の電力を供給しておるかどうかという問題になりますと、これは若干豊水期といえども電力が十分でございませんので、その形は若干ゆがめられておるということも言えるわけでございますので、この契約の日によりまして、四月から七月、これは最豊水期でございますが、最豊水期の実績を渇水期の最大電力の比で落しつ放しでは成るほど酷ではないか。それでこれにつきましては、止むを得ないものにつきましては、その差の四分の一まで緩和をして行くというふうな考え方で処置して参りたい。これを若し豊水期と渇水期の差を全然撤廃しろと、こういうお話になりますと、豊水期におきます電力消費の構成がそのまま渇水期に持ち込まれる形になるわけでございますので、非常にまあ渇水期におきまして電解電炉が相当動きます半面におきまして、工場のパワーに使われます電力が非常に圧縮される。從いまして休電日等がどんどん殖やされるというような形に相成りますので、その点におきましては、やはり電気を原料的に電解電炉にお使いになるところで我慢して頂きまして、工場のパワーに使われますものの最低限を確保して行くということが、この電力使用制限の趣旨に沿うのではないか、こういう考え方をとつておるわけでございます。この十一月から渇水期に入つたのでございまして、十一月以降は幸いにいたしまして出水状態も非常によろしいわけでございまして、この状態は必ずしも安定いたしました電力というわけではございませんけれども、まあ水が出まして、又下るかと思つておりますと又水が出るというような形に相成つておりますので、そういう際の緩和の優先順位を、ほかの調整が……やはり電解電炉におきましてほかの調整がきくわけでございますので、そういうほうに優先的に持つて行くように、緩和して行くようにという形におきまして、この請願の御趣旨に沿うように持つて行きたい。又現実に十一月におきましては、相当結果的には御趣旨に沿うような形に相成つておるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。考えの基本といたしましては、やはり豊水期と渇水期の差をつけるということは、日本の電力の状況から申しまして止むを得ないかと……、ただ我々といたしましては、ここで渇水期に相当電解電炉に我慢願うわけでございますので、相成るべくは、來年のことを申上げておかしいのでございますけれども、來年の豊水期にうんと御恩返しのできるようにアロケーシヨンをすべきではないかというような考え方で、研究を進めておるわけでございます。
  101. 小川久義

    小川久義君 採択。
  102. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 採択してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ではさよう決定をいたします。
  104. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は通し番号の十九から二十一までの三本でございます。これは受付けは最近でございますが、請願の日附が五月であつて、この電気料金請願は、この前決定せられました七割料金値上げ案に対する請願でございます。前例はこういうのを審議未了としております。    〔「保留」と呼ぶ者あり〕
  105. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 保留してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 保留いたします。
  107. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は通し番号二十二、二十三、水火調整金制度廃止に関する請願で、要望の内容は本制度を廃止して料金を適正化せられたい。特に発電県でございますから低廉に確保せられたい。理由は、独立採算制でありながら、水力賦課金と火力補給金との差額が料金に加算されて、非常に料金が高い。一方発電県でありながら県外に送電をする、而も水源涵養、河川改修等の費用を全部負担している、こういうことであります。(「採択」と呼ぶ者あり)
  108. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 これは簡單に採択されたのでは困るので、この電気事業の再編成をする場合にそういう地域的に水主火從になり、或いは火主水從になるところがいろいろあるわけで、料金にもいろいろな変動が來るのではないかということに対して、こういう制度がとられたのであつて、或る程度火力によらなければ電力の需給ができないところでだんだん水力発電開発いたしまして、そこで対全国的に同じ料金で以て需要供給ができるというような状態になるまでは調整金制度を続けて行くという建前で発足しているんですから、この際簡單に採択して水火調整金制度が廃止されるということは、これは電気事業再編成の根本を覆すものであつて私は反対であります。
  109. 小川久義

    小川久義君 三輪委員の言われることも一応御尤もですが、この発電県は今年のよう電力不足のときには水火の補償金は相当多額に出して、そうして他からもらつて來るやつは又火力の高い電気を押しつけられるということで二重の負担になつている。併し発電県は総体的に少い。送電は北陸から関西へ送る場合、北陸が五〇%のときに関西は六五%乃至七〇%ということになつている。これは発電県にとつてはこの考え方は当然起きて來る考え方である。この請願を採択したから直ちにその差額をなくするということじやないので、これは発電県の痛手をこうむる、又この切なる要望のある気持を酌んで僕は採択したいと思う。それで三輪さんの言われることもその実現に、こういう考え方が強くなればなるほど合理的な方向に向つて行くように、これは側面から促進するように、そういう気持から私は採択したいと思う。
  110. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 この際、公益事業委員会事務局の御意見を伺います。
  111. 高島節男

    説明員(高島節男君) どうもこの問題は非常に私どものほうも火力地帯と水力地帯と挾打ちに会いまして、実情を申上げますと、御承知のようにこの前の料金の改訂の際にはこの請願の趣旨までは行つておりませんが、とにかく從來の地域差よりは若干の地域差をつける、勿論一〇〇%地域差を裸にしてしまつたわけじやございませんけれども、或る程度のところまではやつたわけでございます。やりましたものに対して火力地帯は現在非常に非難攻撃いたしておりますし、又更に制度の理想といたしましては、だんだん石炭の値段が上つて來る傾向にあります現在、どうもその点の調整が十分に行かんということで公益委員会としてもまだ将來この制度をどうするかということは十分まだ考えておりません。ただ請願の御趣旨の中で、まあ水火調整金自体と離れまして、料金自体を電源県に特に安くしたらどうかというお話も一点ございまするが、この点につきましては、この前の料金の際に委員会でも議論に相成りましていろいろな角度からのお説も承わりましたが、併し今日の段階においてはとにかく一応再編成というものを九ブロツクでこしらえ上げまして、そこの中が一度まとまつた電気経済圏としてやつて行くんだ、こういう建前で発足した以上は現在のところまだ特別料金をおくのは時期尚早ではないか、こういう意見で大体現在の制定に至つております。
  112. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 この際、参考のために小川さんに申上げたいんですが、九州電力の経営の状況を私はここに資料をば今日は持つていませんから、詳細に申上げられませんが、一端を申上げますと、九州で電力が足らないために約二百五十万トンの石炭を買つているんです。これは一カ月にいたしますると二十万トン、即ち約九億円くらいの石炭料を払つているわけです。ところが一体電力料金はどれだけ集まるかというと、これがまあ大体石炭をやつと買えるくらいの数字なんであります。どうしてそれでは電力会社は経営しているかというと、この調整金によつて辛うじて経営の辻褄を会わしている、こういうような状態であります。そこでこの再編成のときに九州は大体南のほうは水力圏であつて発電をやつておりますし、北のほうが火力でありますから、水火調整金がないなら九州は二つに分けて、南のほうは水力だけで賄え、それから北のほうは火力でという意見さえもあつたのですが、まあまあと抑えて、今日再編成になつているんです。この調整金を今取られたらこれは小川さんのよく御承知の北陸あたりはいいでありましようけれども、九州あたりはもう途端にこれは電力会社は破産をしてしまうというようなことになるわけです。私も永久にこういう制度がいいとは思いません。併しながらこういう制度で今の再編成をカバーするということで発足したものをば、まだ一年もたたんうちに、もうこれを廃止しろというのは、ちよつと実情に副わないのじやないか。かように考えますから私は賛成しかねる。
  113. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 如何でございましようか。この問題は完全に意見が対立いたしまして……。
  114. 小川久義

    小川久義君 三輪委員の言われるように、保留でも結構なんですが、何もこれを採択したから直ちにそうなるというわけじやなくて、九州は九州で暮しておいでになるのだから、それはまだいいほうなんで、北陸のごときは発電量の大半を持つて行かれてしまつて、僅か一万キロほどしか受けない火力を、もう最高限度に利用して、それを使つている。他からのやつを融通してもらつた電力量というものは莫大なものだと聞いている。そういう不合理がいつまでも続くものじやない。水があつて電力が豊富に出るところは電気を豊富に使つて、安いものを使うのは当然なんです。あらゆる社会の実情がそうなんだから、早くその自然の状態に返すべきであるという僕は気持であつて、この請願は保留で結構ですが、そういうことも公益委員会で考えておらんといわれるけれども、そういうことさえ考えないならば、やはり公益委員会の不要論を僕は真向から急先鋒で主張したくなる。そういう不合理を押しつけておいて、あれは我々国会において審議した法律じやない、一方的に政令を以て來られた。それに附随して起きて來た問題なんで、国民の輿論があの法律になつたんじやない。そういう点ももつと実態に即したようにしてもらいたいという意味も、この請願に盛られていると思うので、僕はそれで採択したい。併し今三輪委員と喧嘩するというても同じ屋根の下におつてそれも……、これは留保で結構であります。
  115. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 小川委員の意のあるところは十分速記に留まりましたから、それでは留保を願います。留保に決定いたします。
  116. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は電源開発促進関係した請陳であります。二十四は豊富な水力資源を急速に開発して復興計画を実現されたい。なお国有鉄道の電化、輸送力の増強・石炭の節約、サービス改善、保健衛生の向上に役立たせられたいという内容でございます。(「採択」と呼ぶ者あり)
  117. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 採択でよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 採択いたします。
  119. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) ちよつと飛びまして、次に二十七は、電源開発は全国的に焦眉の急務であり、特に現在開発中の地点開発予定地点資金を導入して電源開発促進せよ。そのためには電源開発助成法の制定、電源開発金庫の設置等によつて資金を確保せよというのが第一、第二は電源開発と離島及び僻地の電化助成対策についての請願、未電化地域の文化向上のために自家発への融資、又長期起債の許可、無電燈部落の電化補助金制度の実現、小水力開発助成法の設定の措置をとられたいという内容でございます。(「採択」と呼ぶ者あり)
  120. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは決定いたします。
  122. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は通し番号二十五、二十六、二十八、いずれも只見川電源開発促進に関する請陳であります。二十五は只見川の電源を開発して、そうして電力危機の打開、経済自立を促進されたい、国家的見地で最高の基準で国土総合開発の一環として最も経済的になるように……、從つて最終的に決定せられた開発方式に協力いたしますということが書いてございますが、ちよつと説明いたしますと、只見川開発方式につきましては、現在本流開発方式或いは福島県案というのと、流域変更の方式、別名新潟県案と二つが現在対立いたしております。それからなお、こういう請願、あとの陳情にも関係いたしますが、こういう問題でいろいろ争いが起こつているのは、一つ電源開発調査会という公益委員会から開発調査の委嘱を受けている調査会の一メンバーが新聞に発表したのが流域変更の新潟県案を支持するような内容の発表をいたしたので、非常に問題を起しているわけでありますが、現在公益委員会開発計画はOCIが來ていて、それで來年の春頃最終的にこの開発方式を決定すれば、それに從うと、こういうことを言つておりますので、最後的に決定せられた開発方式に協力するということが、このOCIの決定に協力すると、こういう請願者の趣旨だと思います。次の二十六と二十八は、只見川電源開発促進するが、但し本流案を採択せられたい。その理由としては、最も発電出力が多く、且つ経済的、合理的だ、なお国土総合開発計画樹立との総合的な関連もあり、開発条件が流域変更案のように準備が一切不備だというようなものではないというのが、二十六であります。二十八のほうは、只見川開発について流域変更方式には反対だ、実地調査の上で本流案の計画を樹立せられたい。その理由としては、この請願者の言葉によると、公益事業委員会が支持した調査委員会の答申案は、流域変更案であるけれども、これは政治的な策謀で電力ブロツクの独占意欲によつてゆがめられておるものである、こういう内容であります。
  123. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 保留でよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 保留にいたします。
  125. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は二十九、破間川水系の須原発電所電力増強の工事を早急続けるよう取計らわれたいという内容であります。この発電所東北電力の経営で新潟県内にあるものでありますが、その請願の理由は、電力危機によつて雪の多い地帯であるここらでは非常に困難をしている。この須原発電所は古い施設で出力が僅か千六百キロしかないけれども、現在水を非常に余して流しているので、これを使えば簡單に六千キロまで増強ができる、地元では工事用の自動車道路まで開設した。これを至急に開発してもらうならば、住民の文化向上のため、或いは越後山脈の資源開発のため役立つ、こういう内容のものであります。
  126. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 採択してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) さよう決定いたします。
  128. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は三十、関川水系笹ケ峰ダム建設の実現要望の請願であります。これは上越地方にございます。その理由としては高田市を中心とする上越地方は、東北電力管内でただ一つの六〇サイクルの地帯であつて電力融通上極めて不利である。從つて電力危機が非常に大きな影響を及ぼすが、この建設によつて電力問題を解決したいという願意であります。なお笹ケ峰ダムについて若干説明いたしますと、曾つて日発当時準備命令が出ましたが、非常に建設費が高いというので懸案になつておつた地帯でございます。
  129. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 採択いたします。
  131. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は三十一、これは旧自家用発電所復元に関する件で、宮崎県の大淀川の第一発電所、第二発電所を電気化学に復元せられたいという請願であります。大淀川第一は大正十四年に作られて最大一万五千キロ、第二は昭和六年で最大三万キロ。その理由は電気化学の自家用として作られたのであるが、日発の設立に伴つて強制出資させられたものであります。なお、これは衆議院の委員会及び参議院の委員会でも曾つて採択せられたものであります。
  132. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 この問題は大淀川第一、第二の両発電所を建設した電気化学のほうからも再度請願されて両方採択されております。なお又、福岡県からも県議会議長の名で請願をされまして採択になつた案件だと思います。全く内容も同じでありますから採択されまして……、なお公益事業委員会に、この際、この種の復元の問題が随分多くこの委員会にも請願になつておるわけであります。未だにまだ公益事業委員会において結論を得ておられない。これは開発の進行と共に、早くこの復元の問題に対しても一つ結論をお出しになりますように要望いたしまして、この件には賛成いたします。
  133. 小川久義

    小川久義君 この問題は富山県民が血みどろの闘いをした問題なんですが、未だ解決されておらぬ。あの当時必ず返す、こういう元の自家発電用のものは返すという言明も政府当局ははつきりしておつたのです。そうして先ほど申上げました政令で來たものだから、それが頬被りになつたということなんで、返すということは政府みずから言明しておつた問題である。形が変つたから、前に言うたことは取消すということには僕はならぬと思うので、公益事業委員会ができたのですから、これは松永委員長代理もこれは返してやるぞ、そういうことを僕に何度も繰返して言われたのです。ところが、未だに未解決なんですから、早く結論を出して速かに返すということに取計らいを願いたい。
  134. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それじや採択することにいたします。
  135. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は三十二、電気事業にかかる公納金保証年限延長等の請願、公納金は公共団体が経営しております電気事業を統合いたしましたので、当時の事業収入と新らしい配当との差額を大体十年間保証いたしまして、その公納金に関する保証は十年という年限を延長せよ、なお物価変動に伴つての増額を考慮せよ、こういう内容でございます。その理由は配電統制令によつて強制的に秦野、足尾、谷村、春日部、伊香保の町の電気事業が強制的に統合されたが、終戰になつたから電気事業は返してもらえるだろう、こう考えて十年間保証の公納金を受けることにしたが、電気事業のこの懸案は早急に解決されないようである。そうしてこの公納金の額は当時は非常に莫大な比重を占めていたが、現在は一人を雇うこともむずかしいほどの小額だから、強制統合の経緯に鑑みて十年という保証年限を延長し、なお適当に増額せられたい、こういう内容であります。
  136. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 ちよつと質問します。これは公納金保証年限が十年にきまつた経緯は、十年たてば返えるだろうということで、そういう見通しで十年というものがきまつたわけですか。
  137. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 請願者の考えでは終戰となつたから返えされるだろうから、十年と見ておけばいいだろうと考えた、こういうことなんですが。
  138. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 決定いたします。
  140. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 次は三十三、積算電力計に関する請願、その理由とするところは、昭和二十二、三の両年に亘つて閣議決定電力危機突破対策要綱によつて積算電力計を取付けるために、配電会社へ融資をし、又積算電力計の製造会社に設備拡充資金を融資した、その意味は、メーターを取付けることによつて、盗電を防止し、電力の消費規正と需給の合理化を図るということであつた。その結果は電力計の年産額は非常に増大したが、一方電力会社の電力計購入は非常に僅かであつて将來不安である、現在まだ取付けていないものが七百九十万戸からある、毎年自然増は七十万戸もある。最近の電力料金の改訂によつて、定額料金の負担は從量よりも非常に割高になつたから、定額からも取付けの希望は非常に多い、盗電の防止に役立つことは、電力損失のうちで盗電損失が五、六%であるから、二百五十億円に相当する。從つて請願者は積算電力計購入資金として、電力会社へ見返資金の融資を実現せられたい。第二点、電力会社は長期の積算電力計取付け計画を立てて、計画的な発注をせられたい。第三は、需用家から取付け希望があるときは、取付けの措置を講ぜられたい。第四は、会社の取付け資金不足のときは、需用家から一時借用するというような方法で具体案を電力会社で考慮せられたい。こういう請願でございます。    〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  141. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 保留でございますか。
  142. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 これは積算電力計をたくさん作つたがどうも取付けない、これは何か理由があるのですか。公益事業委員会では調査せられていますか。
  143. 高島節男

    説明員(高島節男君) 積算電力計の問題は、大体今年の実情から申しますと、計画としては百十万戸程度取付け計画を立てておりましたが、結局資金上の問題が非常な隘路になつておりまして、丁度料金改訂が、この五月に新会社が発足しまして、八月にやつとでき上りまして、その内容も或る一定の限度のところで押えたものであつたというような点の事情でございますが、改訂前の経理状態が相当苦しかつた、それから価格改訂後非常に心配しておるのは、現在下期渇水で石炭をうんと使わなければならない。それと石炭全体の経理面において若干の減少が出て來るというような点もございまして、非常にこの点心配いたしておりますけれども、メーターの取付けということは再優先にやつて行かなければならない、こういう根本方針に從いまして大体上期でやつたのが、百十万戸のうち四十八万戸ぐらいと推定されております。その程度のところで成績のよくないことは事実であります。この前厳重な通牒を出しまして、メーターの取付けは最優先的に自己資金で賄つて行けという、こういう建前をとつております。一方今のお話によりますと、見返資金をこれに使つたらどうか、こういう点が出ておりますが、見返資金の問題は、これはやはり見返資金の性質として、それぞれ地点的に紐付きで今まで融資して來て参つておる性格の金であつて、こういうものはやはり会社の自己資金のほうの系統で賄つて行くべきで、見返資金をたくさん付けることによつて、建設の資金をできるだけそつちのほうに廻して、余つた分で自分でやつて行けという趣旨のことを通達いたしました。現在の成績の余り芳しくないことは申訳ないと思いますが、今後更に促進いたしたいと思います。    〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  144. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  145. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて。    〔「採択」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 採択いたします。
  147. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) では次に三十四、美容業者に対する電力制限許可制請願、この請願はちよつと内容が、言わんと欲しておるところがはつきりつかめないところがあるのでありますが、大体現在美容業者は、大部分が未亡人や婦人である。そうして家庭線から使用をして、恐らく言わんとするのは、家庭線であるために、昼間電燈の使用の禁止、或いは夕刻の電熱器の使用の禁止、そういうものに引つかかるために、営業ができなくて非常に困る、特に電力危機のために全く死活問題化しておるから、電力美容業者に対する使用の許可を実施せられたい、こういう内容だと考えます。
  148. 小川久義

    小川久義君 その実績はどうなつておりますか、御説明願いたいと思います。
  149. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) これは只今専門員からお話ございましたように、実情がよくわからないところもあるのでございますが、從來はパーマネントのほうにおきましては、電熱であるという名の下に、電力の苦しいときに押えたこともあるのでございますが、現在におきましては、そういう使つていけない禁止需用的な制限はかけていないわけでございます。從いましてただこれは夕刻時の動力、電熱の使用禁止時間がございまして、これは一般の家庭の電燈を確保するために、工場等におきましてもそういう措置をとつておりますのが、実際に夕刻時にパーマネントをかけたいという点で何とか許可して欲しい、こういう点があつたのじやないかという点と、更に一般電燈線でございますので、現在昼間には電燈を使つていけないということに相成つておりますので、電気事業者のほうでも、昼間に工場の電力を確保いたしますために、電燈が主として繋がつておる線を電力の需給上から遮断することがあるのでございます。その際にはパーマネントの営業ができないという事情が起つておるのじやないか、東京におきましては、大体現在普通週二日でございますが、最近は週一日の休電日をかけておりますので、昼間は週一日を除きましては大体送電をいたしておるわけでございます。ただ夕刻時には三十分くらいのいわゆる輪番停電というのをしておるときもございますし、それ以外におきましては性質上遠慮して頂きたいという制限が法的にかかつておるだけでありまして、他は電力が行くか行かないかという面に問題があるのでありますが、これにつきまして、然らばパーマネントの営業をして頂きますために、晝間に送電するようにということは、実際問題といたしまして困難ではないか。これは一般の家庭におきましても、ラジオのニユースのときには供給するようにというようないろいろの努力はしておりますけれども、実際問題としましてはちよつと困難ではないかというふうに考えられるわけでございます。    〔「採択」と呼ぶ者あり〕
  150. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 電力制限許可制というのはどういうことですか。
  151. 渡辺一郎

    ○専門員(渡辺一郎君) 恐らく電力使用許可制という意味じやないかと思うのでございますが、よくわからないのです。或いは電力制限について特に緩和の許可をして欲しいということかと思います。
  152. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) これはよくわからないのですが、從來電気の需給が非常に苦しかつた時がございまして、新増加受電というものを大いに抑えたことがあるのでございます。その際に電熱的な新増加の需要というものは抑制するということにいたしまして、当時、アイスキヤンデー等につきましても終戰直後に抑えました時に、引揚者のかたでパーマネントをやりたいというような問題が相当な件数になつたことはありますけれども、最近におきましては、統制もずつと緩めて参つておりますので、新増加につきまして障害はないと思うのでございます。むしろ乱立の傾向がございますので、そういう面から電力の新増加を抑えたらどうかという意見が一部にあろうかと思いますけれども、全体といたしましては電力の問題では特別に許可制というような問題はないはずでございます。
  153. 小川久義

    小川久義君 どうも営業に支障のないように電気がもらいたいというような願意のように思われますので、採択したらよいと思います。
  154. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 採択してよろしうございますか。……それでは採択にいたします。只今御審議を願いました請願陳情委員会で整理いたしました整理番号に從いますると、第十九、第二十、第二十一、第二十二、第二十三、及び第二十五、第二十六、及び第二十八号を除きまして、都合二十七件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものと決定いたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではさよう決定をいたします。  なお第十九、二十、二十一、二十二、二十三、及び二十五、二十六、二十八号につきましては、留保することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  156. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。   ―――――――――――――
  157. 小川久義

    小川久義君 もう時間も遅くなりましたので簡單に……。初夜停電と申しますか、日の暮れの停電ですね。農村へ行くと、田圃に出ておる。田圃から帰つて來て食事の準備をしようとすると電気が切れる。これは特に苦しめるためにやつておるのか。電気の不足を深く認識させるためにやつておるのか。殊更一番都合の惡い時に停電になつておる。それから東京都内でもそうなんですが、二時から五時半までとかちよこちよこと消すんですね。初夜停電もやつておる所がある。そういうことでなしに、もつと余り国民生活に支障のない時間を選んで十分の代りに二十分でもいいから停電するような方策をとれんものかどうか。殊更都合の惡い時に消す。その点を伺つておきたいと思う。
  158. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 只今のお話につきましては、これは夕刻時に停電いたしますのは、工場の終業の時間が、大体四時半、或いは五時、或いは五時半、六時というふうな時に工場のほうの終業に相成りまして、その際曇つておりますような日には四時或いは四時半からは一般の家庭の電燈が点されるという形になりますので、そこに非常にピークが持たない。交通機関、ガス等につきましてもその際ピークが出て参りますので、そこでこの初夜停電ということが不可避的に起るわけでございます。更に昼間東京で輪番制で二時前後頃から切つておるではないかというお話につきましては、昼間にこれは火力をフルに入れるわけでございますが、工場のほうに昼間の電力を相当廻しておりますために、工場の休電日を強化するよりも、私は昼間の電燈を、主として電燈を使つておられる所に輪番制で我慢して頂くのがまだいずれかと言えばいいのではないかと、こういうことで昼間の停電は工場のピークとかち合つているわけでございます。夕刻は工場と家庭とが重なり合いますので、停電の頻度が多くなる。東京におきまして然らばもう少し昼間の停電を少くし、或いは夕方の五時前後に三十分の停電をいたしておりますのを、何とかこれが防げないかという研究をいたしたわけでございますが、これは現在の段階でございますと、猪苗代の貯水池をフルに払い出すということにいたしますならば、夕刻の三十分の停電は或いはもつと緩和できるということもございますが、これはこの冬の需給状態を考えますと、現在の出水の状況におきまして貯水池を更に下げるということは、真冬に向いまして非常に危機的な状態を招來することがはつきりいたしておりますので、現在の程度の輪番制の停電ということによりまして、貯水池を食わない。できるならば水の状態のいい時にむしろ水面を上げて行きたいということにかかつておるわけでございます。   ―――――――――――――
  159. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 先ほど電産争議の早期解決に関する申入れを各方面にいたすことになりましたが、一応文案ができましたので……委員長にお任せを願つたのでありますが、あらかじめ御了承を得ておきたいのであります。文案を申上げます。   電産争議早期解決に対する申入書  現下の電力危機我が国の産業及び民生に重大なる影響を与え、国民は電力事情が一日も早く恢復するように渇望している。  この重大なる時機において電産争議の解決が遅延しておることは誠に遺憾である。  よつて委員会の決議により関係会社の経営者及び労働組合、政府及び公益事業委員会並びに中央労働委員会が争議の早期解決につき一層の努力を致されんことを強く要望する。   昭和二十六年十一月二十七日      参議院電力問題に関する特別委員長            栗山 良夫    内閣総理大臣    公益事業委員会委員長    中央労働委員会会長    関係各会社社長    関係労組委員長  これだけでございます。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  160. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御異議ないと認めます。それからちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  161. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて。  本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後四時五十九分散会