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1951-11-12 第12回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十二日(月曜日)    午後一時五十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事            石原幹市郎君            三輪 貞治君            結城 安次君            須藤 五郎君    委員            岡田 信次君            小野 義夫君            椿  繁夫君            若木 勝藏君            加賀  操君            山川 良一君            境野 清雄君            櫻内 義雄君            油井賢太郎君            水橋 藤作君   政府委員    公益事業委員会    委員      宮原  清君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    通商産業大臣官    房長      永山 時夫君    経済安定本部産    業局長     近藤 止文君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       渡辺 一郎君   説明員    公益事業委員会    需給課長    竹田 達夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電気需給調整に関する件)  (電力用石炭状況に関する件)   —————————————
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 委員会を開会いたします。  本日の電力問題の調査をいたしまする案件電気需給調整に関する問題並びに火力燃料入手見通しにつきまして最近の状況につき調査をいたしたいと存じます。その他若干の問題がございますが、これは議事進行状況を見合せて処理をいたしたいと思います。  電気需給調整の問題は、すでに明らかになつておりまするように公益事業委員会においてその規則を制定せられておりますが、近く第十五条の規定に基きまして電気使用制限に関する告示をせられるやに承わつております。併しこの告示は今冬の電力危機を控えまして非常に重要な部面を包蔵いたしておりまして、特に重要産業等に関しましてもいろいろと御意見もあるようでございますので本日は公益事業委員会のほかに通商産業省並びに経済安定本部からも説明を聽取すべく用意をいたしております。私どもが今まで承わつておりまする告示の案によりますると、制限段階が設けられておるのでありますが、そのほかに魔力の消費種別を第一種需用、第二種需用、第三種需用三つに分けて一応処理せられるように計画中と承わつておりまするので、かようにせられました趣旨等につきましてもよくその結論を得られました過程につきまして御説明を願いたいと存じます。それでは先ず電力需給調整に関する問題につきまして公益事業委員会説明を求めたいと存じます。
  3. 宮原清

    政府委員宮原清君) 電気の不足に対処することについての案件については、かねてから慎重にいろいろ検討をいたしておりまして、なおこの使用業種に関する順位を定める、若しくはそれについての適用に関する機構を定めようというような点につきましては、この前の国会のとき、この前と申しまするのは第十一回でありましたが、国会からもそういう御慫慂もあつたほどのことでありまして、国の産業方針と合せて適当に按配しなければならないことだということも一つであります。主としてそういう問題は産業全体に関する安本通産省等の御意向を元としての決定をしたいというので、事務当局の間においては相当長い間いろいろ打合せたのであります。従つてその間についてのことは恐らく主として安本通産省のほうから御説明を頂くことと思いますが、この制限に関する第十五条によります規定を出しますにつきましては、一応お手許に差上げてありますものは事務局の案でございまして、まだ正確なる議も経ておりませんのと、又それについての当局方面のお打合せも完了いたしておりません。従つてそのお含み御覧を頂きたいと思いますが、この内容等についての詳細の御説明は、私よりはもつと正確につかんでおります事務局のほうからさして頂きたいと思います。その点の御了承を得たいと思います。
  4. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 宮原委員に承わりたいのは、この告示をいつ頃公けにせられるのかという見通しの点、それから関係各省十分打合済みであると言われましたが、それについては飽くまでも案でありまするので、国会の意思によつて修正せられる要求がありました場合にはこれを十分に付度し得る余地を持つておられるかどうか。この点を併せてお聞きいたして置きたいと思います。
  5. 宮原清

    政府委員宮原清君) 只今の御質問に対してお答えを申上げますが、これを公布いたします時期につきましては、最も近い機会にしたいという心組みでございまするが、技術的にいろいろお打合わせの残つておる点もございますので、今はつきり申上げられません。  なお第二の問題として、その内容に関することにつきましての国会等の御意向がどういうように反映し得るかという御質問に対しては、恐らく十分に皆さんの御意見のあるところを取入れる余地はまだあると信じております。併しその点につきましても、要するに問題の性質等に関して結局の意見必らずしも一致するとは考えられませんので、大体においてそういう心組でこのことに当りたいと思つております。
  6. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 只今宮原委員から申上げましたように、現在告示で或る種の制限をいたしておりますが、最近の水の状況或いは石炭状況等から考え、更に本格的渇水期に入りまず十二月、一月、二月等の状況考えまして、更に検討を加えた電気使用制限措置を講じて置く必要があるのじやないかというので、関係各省のほうともいろいろお打合せをしつつ事務局において検討をいたしておりまする案が、只今手許にお配りした資料であります。従つてこの中にもこれから申上げますが、委員会としてもまだはつきり決定をしておらぬような点もございます。その点お含みの上でお聞き取り願いたいと思います。先ず第一に従来の告示と今回の告示との間においての第一の違いは、先ほど委員長のほうからお話になりましたように、今度は水の状況或いは石炭入手状況、そういつたような点を考慮して、あらかじめ四段階でありますとか或いは五段階でありますとかいうような制限段階をきめて置きまして、今申しましたように具体的の事情によつてここ一週間であるとか或いはここ当分は何段階をどの地域においては実行して行きたいとか、こういうことをその都度更に告示つて国民の各位に周知して参る。と申しますのは相当長期に亘りまして制限をいたしますと思いまするりで、その都度々々いろいろな状況で目まぐるしく変りますことは、各産業界のほうに与えます影響も如何かと考えますので、従つて規正については大体こういうような種類規正方法をやつて参るということをあらかじめ産業界なり国民全般のかたがたにお知らせして置くほうがいいのじやないかというので、あらかじめ段階規正方法をきめて周知をして行こうという点が第一点であります。それからなお長期に亘りますので、各産業に対してできるだけ公平な均衡の取れた制限をして参るべきであると思いますけれども、又同時に日本の輸出産業或いは国内的に見ましても特に重点を置いて、その生産に対してはできる溶け減少しないように措置をしなければならん産業もあるかと思います。そういう点につきましては、先ほどもお話のように経済安定本部なり或いは通商産業省その他とお打合せをいたしまして、そのほうの御見解も十分承わる、こういうことで御連絡をとり、その御回答も我々といたしましてはできるだけ誠意を以て採択して参るというようにいたしまして、第一種事業、第二種事業、第三種事業という工合に分けたのであります。第一種事業内容はどういうものであるか、第二種事業内容はどういうものであるかということは、お配りいたしました告示案最後の所にございますので、一応それで御承知願いたいと思います。  それから第二は、今申上げました制限を行います上におきまして、今日の告示では大体今年の七月の使用実績基準にいたしまして、その何%ということをいたしておるのであります。併しながら業種によりましてはいろいろな意味で七月の使用実績というものが本来の産業の姿から見ると非常に少かつたというような特殊な事情も少からずおありのようでありまして、この七月の使用実績を今後も継続して行くということにつきましては各方面から御異論もございますので、そういう点を考慮いたしまして、一応今年の四月から七月までの使用実績というものを基準にして何割の制限をして行くというように改めた点が一つ改正点でございます。それから第三の点といたしましては、各産業に対してこういうような制限を加えて参ります場合に、これに対して家庭の電燈でありますとか同じような意味商店街照明でありますとか、そういうようないわゆる非産業用電力使用に対して殆んど制限をしていない。言い換えればいわゆる昼間の使用は禁止しておりますけれども夜間等使用し得る期間にお営ましては何ら制限を加えでいない。こういうことは徒らに産業方面にのみ強力な圧迫を加えて、国全体としてのバランスがとれていない、そういうことでは産業界としても協力したくても協力できないというような強い御要求産業団体を中心として各産業界のほうから御意見がございますので、従つて今回はいわゆる従量電燈或い大口電燈、或いは業務用電力というような方面に対しまとても或る種の制限を加えて参りたい。又それに関連しましていわゆるこの照明限度につきましても、特に繁華街照明等限度につきましても制限を加えて参りたいというのが第三点であります。特に第三点につきましては、実際問題として理論的にはまさにその通でありますけれども、然らば多くの人々がよく理解の下に実際にどういう方法制限を加えるかということが大事なことでありまして、幾ら告示の上にむずかしいことを書きましても、結局国民全体として守り得ないというような方法では本来の制限趣旨にも反きますので、そういう意味でここには一応制限方法は謳つてございますが、それについては更に委員会といたしましても皆様の御意見を承わりまして、何らか最もよい方法を今後も引続き検討して参りたい、かように考えておるのであります。大体そういう線で主だつた点は今回の改正をいたしたい、かように考えておりますが、なお詳細の点につきましては御質問に応じ或いは更に敷衍して御説明をする必要があれば、需給課長が参つていますので御説明を申してもよろしうございますが、要するに改正点の主だつた点はそういう点にございます。
  7. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に通商産業省並びに経済安定本部説明を求めます。今公益事業委員会から説明がありましたように、この告示案に関しましては通商産業省並びに経済安定本部意見を十分に取入れて立案されておるとのことであります。従いましてこの告示案全般に対する御意見並びに特にその骨子となつておりまする制限段階、或いは需用につきまして三つ種別を設けられました点等につきましてそれぞれ御意見を附加されたいと思います。先ず通商産業省意見を求めます。
  8. 永山時夫

    政府委員永山時夫君) 只今公益委員会のほうから説明のございました電力制限の問題につきまして私のほうの立場を申上げますと、無論根本的には甚だこういう事態は好ましくない、できるだけ避けるということでこれは別途考えることになるようでございますが、石炭関係につきましても極力努力いたしておるのでございますが、不幸にしてこの緊急停電を行わざるを得ないという場合に立ち至つた際にはこういうようにしてほしいということで、我々のほうも数項目意見を提出をいたしたのでございます。で大体公益委員会のほうでもそれを考慮を願いまして、ほぼ我々のほうの希望は大体のところまあ採用されて来ておるという状況でございます。それで特に問題になります緊急停電の場合の第一種、第二種、第三種という区別でございますが、これは大体これで御覧願つて御判断を恐らく願えるかと思いますが、第一種需用につきましては、我々のほうといたしましては、特にこうした緊急停電を行わざるを得ない事態でございますので、従つていろいろの産業一つとして大事でないものはないのでございますが、その際に特に電力増強の上で是非欠くことのできないというようなものを第一次的に取上げようということで、ここに出ておりますように石炭の採掘或いは石油の採油、そういうようなものを第一次に出したのでございますが、更に別個の要請から化学肥料でありますが、これは肥料需給関係が現在相当つて来ておる、国内的な需給関係相当つて来ておるというような状況であります上に、諸般の国際的な関係からいたしまして肥料輸出の問題も相当海外から緊急な要請が出て来ておるのでございまして、これも無論極力国内の需給関係の現状からいたしまして、我々のほうではできるだけお断りをするという方針はとつてはおりますが、諸般関係かちどうしても止むを得ないものにつきましてはこれも考えなければならないというような問題がございますので、従つて肥料関係につきましても或る種のものは特別に考える。これはただ電気を非常に食う設備がありますので、従つてそういう電気を余計に食う電解法のようなものはこれは電力状況からいたしまして当然あと廻しにせざるを得ない。肥料も大事ではあるけれども電力を非常に食うという立場からこの際全般のために遠慮してもらうという意味電解法は除いた、その他の比較的電気の量が少くして増産の効果が達成し得るというようなものは第一種需用にする。それから鉱山保安、これは山の関係鉱山保安を維持するという、むしろこれは最後の、絶対的な必要のものでありまするので、従つてそういう鉱山保安に必要な電力は、これはやはり最優先的に確保せざるを得ないということで、大体御覧のようにほぼ三種類のものを我々のほうでは第一種需用に掲げた次第であります。又委員会のほうでもそれに賛成するということになつておるのでございます。  それから第二種需用でございますが、これも大体今申上げたような趣旨で、ただ若干この第一種よりも実情からいたしまして遠慮をさして然るべきだというように考えられるのを第二種需用に取上げたのでございまして、趣旨は第一種需用優先特掲をした同じ意味で第二種需用にも優先特掲をいたしたわけでございまして、我々のほうの関係では石油精製、それから硫化鉱、これは今申上げたような一連の関係に立つものでございます。それからその他のものでございますが、これはこの中には無論非常に大事な産業がたくさんあるのでございます。この尤なるものは鉄鋼であるとか或いは非鉄金属関係、或いはアルミニウム、いろいろ大事な、通産省でも非常に重点を置いている産業があるのでございますが、これらのものは電気緊急停電をせざるを得ないという状況電気料関係から、止むを得ず第三種で我慢をせざるを得ないというのが大体の我々のほうの結論であるのでございます。なお、第三種需用に落ちましたものにつきましても極力許される範囲内においてできるだけ具体的に、個々の非常に困難な事態に対しましてできるだけ具体的な事情において、その都度具体的な考慮を払つて行くというようにして頂くというのが我々のほうの考えでございます。以上でございます。
  9. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に経済安定本部説明を求めます。
  10. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 経済安定本部といたしましても電力制限た問題に関しましては従来から公益事業委員会通商産業省等と緊密な連絡をとりまして最も適切な制限の行われるように希望いたして参つて来ておりまして、現在の段階におきましては先ほど事務総長からお話がございましたように、公益事業委員会経済安定本部通商産業省の間におきましてほぼ意見の一致を見ておるわけでございます。経済安定本部といたしましては極力電力量の増加をすることに努めまして、或いは火力用石炭増強でありますとか或いは火力用石炭に代るべき重油の輸入でありますとか、或いは有家発増強、又は発電工事の繰上げ等によりまして、極力強度制限がかかりませんように努力をいたしておるのでございますが、同時に第一の問題といたしまして成る程度制限をせざるを得ないような場合におきましては、極力全国的に平均した制限が行われるように、言い換えますれば、融通の問題につきましても、これを従来と異りまして、できるだけ徹底的に行いまして、地区ごとに或いは電力消費量の大小によりまして、或いは産業業種によりましてその差が著るしくならないというように極力融通の問題を第一にやつて頂きたいということを公益事業委員会にも申上げておりまして、この点は公益事業委員会におきましても極力その融通に努めまして、全国的に或る程度平均化された電力消費ということになるように努力するというお話でございます。  それから次に制限をいたします場合に一体どういう程度制限をするかという問題でございますが、一つ産業用と非産業用との間におきまして、従来しばしば非難がございましたように、産業用相当制限をされておるにかかわらず、一般従量電燈等におきましては殆んど制限がないというような状態がございますので、これらにつきましては産業用と同じように一般従量電燈もできるだけ制限する、勿論方法といたしましては非常に困難な点が多いのでございますが、これらの点につきましては極力努めまして、まあ現在の公益事業委員会の案におきましても、かなり具体的な問題になつておりまして実行がむずかしいかと思われますが、非産業用産業用と同じようにできるだけ厳格に制限をいたすということにすることが第一と、次に産業用につきまして、これが或る産業にとりましては全く操業ができないというような極端に制限を置き、又或る産業につきましてはこれが平時と変らんような操業ができるというようなことではいけませんので、これらの点も極力緩和いたしまして、或る程度の平均化されたところで電気が供給され、又業種間につきましてもそういつた問題があると思うのでございまして、制限をいたします場合におきましてはいずれの産業でもこれは不用な産業ということはございませんので、それに或る業種につきまして極端な制限をするというわけにも参らない、ただ一面只今通産省官房長から申上げましたように、或る程度制限をいたします場合に、その間におきまして、すべてを一律に行うことが適当であるかどうかという問題になつて参るわけであります。この場合に経済安定本部といたしましては、或る程度需用に差をつけますけれども、大体原則としていわゆる第三種需用というところに公益事業委員会におきましてはなつておりますが、その需用原則でございまして、それに対しまして特に国家的要請関係、或いは先ほど例が出ましたように例えば石炭生産確保或いは増産というような、今日これが増産されますことが同時に電気供給量の増になるというようなものにつきまして、極く限定されました範囲内におきましてこれを取上げまして、その限定されましたものにつきましても又一種、二種と二つの段階に分けまして、最も重要なものにつきましてはこれを第一種に挙げ、その次に参りますものにつきましてはこれを第二種需用ということにいたしまして、三段の需用区別をいたしました。それに対して公益事業委員会の案にございますような、それぞれの段階によりましてそれぞれの割当てる率を加減する、こういつたような案で参りますことがこの際といたしましては止むを得ないところではないか、こういうふうに考えまして、先般経済安定本部といたしましても公益事業委員会に対しまして只今申上げましたような趣旨の申入れをいたした次第でございます。
  11. 椿繁夫

    椿繁夫君 この三段階に分けて起案されつつあるようでありますが、これまで大抵関係方面との了承ができてしまつてからあとで報告を聞いたり説明を伺つたりしておりますが、今度は前以てこうお示し頂いてこの委員会意向も聞いて頂くという措置をとられましたことについてお礼を申上げ敬意を表します。  この第一種需用のうちに化学肥料、これはまあ非常に私結構かと思うのですが、例えば北陸のように全体の産業の振り合いから見て化学肥料が非常に大きな部面を占めている、こういうような所では他の地区からの融通ということが強化されなければ、他の産業が非常に圧迫を受ける結果になりはしないかということを私は恐れるのですが、例えばああいう北陸のような化学肥料工場相当大きな需用がある、そういう所においてこれが一種に扱われるということになると、他の産業がこれだけで見ますと非常に圧迫を受けることになりやせんかという感じがいたします。そういう場合、委員会としては地帯間融通というものを強力にやつて、他の産業化学肥料が第一種需用であることのために圧迫することのないような措置をお考えになつているでしようか。
  12. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 只今の点につきましては、私どものほうとしてはこの電力使用制限が不幸にしてだんだんと強度措置を講じなければならなくなるということになれば、そういうことになればなるほど各地域間の電力需給バランスを取つて行かなければならんと考ております。現在におきましても一応告示の上では御承知のごとく、東京、中部或いは九州といつた方面は四割制限にいたしまして、特に、五百キロワツト未満、或いは小口電力等につきましては週二日の休電日を設け、それに対して北陸でありますとか東北でありますとか、或いは関西でありますとか或いは中国でありますとかいう方面につきましては五割の制限にいたしまして、而も五百キロワツト未満或いは小口電力というほうに対しては週三日の休電日ということになつているのでありますが、併し幸いにして最近の水の状況でありますとか或いは石炭入手等につきましても相当な成果を得ておりますので、今日におきましては全部全国一律に三割の制限にいたしまして、而も休電日もすべて週二日ということにいたしているのであります。その措置も一応今日で切れますので、先ほど委員会に諮りまして、更にあと一週間従来通り今申上げました緩和措置を継続して行くということにまあいたしたのであります。かように今後におきましにもあらゆる状況を判断いたしまして、できるだけそういうふうに緩和して参りたいと思つております。それから不幸にして渇水程度が非常に悪くなるとか、又万が一石炭入手等について何らかの支障があるというようなことで、地域間に相当の開きが出て来るというような事態に、いわゆる非常事態に対処するという意味で、只今承知のように、従来のようないわゆる日発にございました中央給電指令所というものはございませんけれども、それに代る機構といたしまして各社からなります中央配電連絡会議というものを作つてもらつてございまして、そこに対していわゆる貯水量をどの程度は使うべきである、或いは石炭のほうも、貯炭も大事であるが、この程度はどうしても焚かしてもらわなければいかんというようないろいろ各社間に利害関係の深い点につきましては委員会が一定の指示をいたしまして、そうしてそれに自然流量というものを掛け合わせましたものを供給量と見て、できるだけ各地域間の需給が不必要なアンバランスにならんように、その調整措置各社間の自発的な方法によつてつてもらうという形を整えてございます。併しながら万が一不幸にしてそういう措置では足りんというような場合には、公共事業令に基きましていわゆる融通命令というものも出さざるを得ないようなこともあるかと思つておりますが、できるだけそういうような措置を講じないでも、十分各電力会社間において今申しましたような委員会の線と申しますか、要するに国民全体の要望せられておりますような線に沿つて自発的にその間の融通について遺憾のないようにしてもらえるように、必要な点につきましては私のほうから具体的に指示をいたしてその線でやつてもらうというように考えております。今後も肥料増産のためどうということだけのことではないと思いますが、要するに各地域間全体の供給力について地域的に特別な開きが来ないような措置だけは十分考えて参りたい、かように考えております。
  13. 椿繁夫

    椿繁夫君 永山官房長からの、一種、二種の中には入つていないけれども、非常に重要なものがまだ残つておるのだという御説明でありましたが、私もそう思います。ここに羅列されておりますこの業種、いずれもこれは重要なものばかりでございまするが、特に我が国としては産業の原材料を七割までも外国の輸入に待たなければならん、又食糧にいたしましても三百六十万トンですか、どうしても外国の供給に待たなければならん、然るに船舶の八割までが外国船にそれを依存しなきやならん。これを何とか打開しなければ日本経済の自立の基礎というものは崩れてしまうような気がいたします。従つて私はここにいろいろございまする中で、一番肝腎な造船、造船がこの一種の中にも二種の中にも見出すことができない。私は船の建造計画というものが大きな国策として取上げられなければならん段階にあると思うのですが、造船がこの中に加えられなかつたのは、重要ではあるが、ここに羅列されておるほど重要とは考えられないという通産省なり安本のお考えなんでしようか。
  14. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 只今造船につきましてこれが一種、二種の中に入つておりませんので、一種、二種に掲げられた産業よりも造船のほうが重要でないというような意味でこれに挙げなかつたかというようなお話でございますが、造船につきましても決して重要でないという考え方ではございませんので、ただ先ほど申上げましたように第三種と申しますると、如何にも重要でないものがそこに並べられてあるようにお考えになるかと思いますが、実はそういうことでございませんので、三種にございます需用におきましても国家的に見まして極めて重要なものが多いのでございます。ただ問題は電力供給量の問題に関連いたしますので、この一種、二種に取上げましたのは、いわゆる動力源に該当いたしまするようなもの、緊急にどうしても作らなければならんというものにつきまして、業種として取上げ得るものにつきましてここに挙げたような形になつたわけでございます。造船につきましても第三種需用ということでありますけれども、決してこれを重要な産業でないというわけでなしに、造船につきまして、或いは個々の事情から考えまして、この渇水期におきましてどうしても成る程度電力をそれに対して操作しなければならんというような場合におきましては、個々の例にとりましてその措置考えて参りたい、かように考えておるわけでございまして、産業の重要性の問題で一種、二種、三種という区別になつておるわけではないのであります。
  15. 椿繁夫

    椿繁夫君 私はここへずつと羅列してある産業と同様に造船計画及びその原材料である鉄鋼というふうなものが重視されなければならんと、こう考えましたので伺つたのですが、これは公益事業委員会に、これを最終案でないからと言われればそれまででありますが、いろいろ並べられた最後に、その値委員会の指定する事業ということがあるのですが、委員会はどういうものを指定されるつもりでしようか、きまつていないからこう書いてあるのだと言われればそれまででありますが、その他委員会の指定する事業というものは、これはどういうものを指定して行かれるおつもりなんでありましようか。
  16. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) この第一種需用並びに第二種需用におきまして今お話のような字句が入れてございますのでありますが、要するにここに挙つております点については、只今経済安定本部のほうからもお話のありましたような線できまつておるわけであります。それで将来先ほど申上げましたような融通状況でありますとか、或いは石炭状況でありますとか、そういうような点で或いは地域的に相当緩和し得る所もあると思います。それから又融通措置を講ずることによつて或る程度措置を更に考え得るという点もあると思つておりまするので、従つて、成るべくならばここに挙つておりまする範囲を第一種需用並びに二種需用として、よほどその業種について明瞭な特別な事情のない限りは更に指定を加えて行くという形でなしに、むしろこの十三条に挙つてございますように支局長に或る程度の緩和の権限を大幅に認めております。従いまして先ほどお話の造船の問題でありますとか或いはその原料としての鉄鋼の問題でございますとか、そういう点につきましては、同じく造船と申しましてもこれはいろいろぴんからきりまでございますけれども従つてそういう点については今申しましたような事情に応じて経済安定本部なり或いは関係各省のほうとも御連絡をとつて事情の許す限り必要な緩和措置は当駅講じて行かなければならないでしよう、又講じて参りたい、かように考えておるのでありまして、ここに一つ一つ挙げて参りますというと、先ほど来お話のように、例えば造船を入れるなり車輌も入れてもらいたいというように、いろいろ御意見も私は起つて参ると思います。現に又そういうお話もあつたくらいであります。従つてここには今申しましたような趣旨に副つて、最小限度のものを考え、どうしても必要止むを得ないような場合につきましてはできるだけこの緩和措置で実情に即した、その都度々々の具体的な方法によつて処理して参りたい、かように委員会としては考えております。
  17. 椿繁夫

    椿繁夫君 成るほどこの御説明のように、十三条ですか、この造船とか鉄鋼とかいうことは支局長の権限で入れることができるようになつておるようでありますけれども、如何でしよう、それほど重要にお考えになつておるのであれば、安定本部としては公益事業委員会のほうに、この造船のごときは私は最も今日国として大きな力を注いで行かなければならん事業だと思うのですが、この中に、第二種なら第二種、第一種なら第一種とある中に、私は港湾なり鉄道なりを一種の需用に含まれると同様に、造船等のごときは重視さるべきだと考えるものでありますが、まだ幸いこれは最終案でないようでありますから、政府のほうでもう一度御相談を頂きまして、司令部のほうに最後の折衝をして頂くというお気持はございませんか。
  18. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 造船が重要な産業であるということは十分認識いたしておるのでありますが、造船と申しましたら、すべてをこれを二種の需用に上げるというような取扱いをするかどうかということにつきまして、実は経済安定本部内部におきましても相当議論をいたしたのでございます。これは造船に限りません。鉄鋼、非鉄金属或いは車輌、その他のものにつきましても、造船と同じ程度の重要性もございまするものが相当ございまして、又電力使用量、いずれも相当多量に電力を消費いたします産業でございます。そこでそういつた重要な産業につきましていろいろ検討をいたしました結果、そういつた重要産業ということで二種或いは一種ということの需用に掲上いたしますと、実は全体の事業が一種或いは二種に全部包含してしまうというようなことになりまして、制限段階から申しますれば、上げることによつて一段強い制限を加えるというような結果にもなりますし、又造船、鉄鋼、車輌その他のものにつきましてこれを一律に個々に上げるということにつきましては、なお相当検討余地があるように考えられますので、経済安定本部といたしましては、先ほど公益事業委員会事務総長からお話がございましたように、造船につきましても、場合によりましては特別にその取扱いを異にする場合もございますけれども需用といたしましてはこれを第三種の需用の中に入れることが適当であろうということで、公益事業委員会のほうにそういつた申入れをしておるわけであります。なお御意見もございますから十分検討は重ねて参るつもりでおりますが、只今のところでは電力の供給数量から考えて見ましてちよつとこれを、造船を二種のところに引上げますことは甚だ困難だと考えております。
  19. 椿繁夫

    椿繁夫君 今の御説明の中でも殆んど了承できるのですが、この造船或いは鉄綱と言うてもぴんからきりまである。だからそれぞれの地域において最も重要だと考えられるこれらの個々の事業について増量のできるような方法をとつて行きたいというふうなお考えの上で委員会のこの案に賛成をされておるというふうに了解してよろしうございますか。
  20. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 実は公益事業委員会でこの案をおきめになりましたのは、経済安定本部或いは通商産業省意見を参酌されまして案ができておるのでございまして、あらかじめ公益事業委員会のほうからこの案を見せられまして安定本部なり通産省がどうだということではございません、むしろ三者合作の形でこの案ができておるものでございます。従いましてこの案を作ります場合に経済安定本部も十分参画いたしておりまして、造船の場合におきましても特にどうしても緊急に電力を心配しなければならないというようなケースがございますれば、それは十分その方面におきまして考えるということで、第三種需用という中に造船を入れておるというような次第であります。
  21. 結城安次

    ○結城安次君 只今の椿委員質問に関連してちよつと解釈を松田事務総長にお伺いしたいのですが、十三条で、只今の椿委員お話では、特殊の場合は支局長の権限でこの第一種、第二種に追加することができる、例えば造船のごときも場合によつては支局長の権限でやれるというふうなお話でありますが、そういうふうに了解してよろしうございますか。
  22. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) そう申したのではないのでありまして、勿論一種或いは二種に仮に何かを追加しなければならないというような場合には、これは委員会におきましても安定本部、通産省、その他関係方面打合せをして頂かなければならんわけでありまして、第十三条の問題は、ここにございますように、又先ほど私が申しましたように、特に当該地域需給状況どいうような点が最も大事なことでありまして、単に産業政策の観点のみから見てこういうものを緩和するとかいうのみでなく、その地域電力需給状況が、そういうのを認めても先ず差支えないであろうというような場合には、勿論委員会から方針は指示いたしますが、その委員会方針従つて支局長が、実際問題としては支局長の権限として緩和することができる、こういうのであります。第一種需用、第二種需用を支局長が勝手に動かし、又動かし得るというものではございません。
  23. 結城安次

    ○結城安次君 私は十三条の場合は、一種、二種に追加するか或いは一時的に二種或いは一種に加えるかというようなことかと思いますが、ここには一時的に加えるものと、或いはずつと相当長い期間加えるものと二種類あると思う。ここの条文で見ると、支障がないと委員会の認めるときは、「委員会の指示するところに従い」と、この相当長期間に亘るものは委員会に御相談なさるもよろしいのでございますが、一時的なもの、ここ一週間或いは十日ぐらいあればいいという仕事がここにあつて、而もその所に存在する他の産業需用関係から見て、やつても差支えないというようなことならば、むしろこの委員会の指示するという所を削つてしまう、それを支局長の権限に置くほうが却つて非常にいいのではないか、ややもすると今までのやり方が、例えば日発時代にもありましたが、非常に雨が降つた、雨が降つたからここで追加しようという場合に、その支局から東京に廻つて来る、東京でごたごたして又帰つて来るという頃にはもう水がなくなつてしまうというようなケースは今まで多々あるのですから、むしろ相当委員会はあれだから、そう無茶なことはないと思いますから、十三条から「委員会の指示するところに従い」という字を削る御意向はございませんか。
  24. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) こういう大事な使用制限の問題でございますから、一般的に申しまして、支局長限りで勝手なことはできないように、やはり根本方針委員会として指定、指示して置く必要があると思います。これを削ることは委員会としては考えを持つておりません。ただ只今お話のように折角水が出た。又その水もいつ渇れてしまうかも知れないというようなときに、支局長が一々委員会のほうに相談して、それに対する回答が遅れたりして、回答が来たときにはもう水が渇れておつたというようなことがあつてはいけませんので、実は先般のルース台風の参りました前後等の措置といたしましても、そういう点については或る期間を限つて必要な方面に対する電力の緩和をすることはよろしいというようなことが委員会といたしまして指示しております。従つて今後もそういうような緊急な場合に、折角水が出たというようなときには支局といたしましても、それぞれの支局のございます所には通商産業省の出先機関であります通商産業局もございますので、そのほうの首脳者のほうとも十分打合せをして、そうしてそういう事態に処し得るようにはあらかじめ委員会のほうから指示と申しますか、内示はしておきます。今後又規則を新たにいたします場合にもそういう点を十分考慮して行きたい、かように考えております。
  25. 結城安次

    ○結城安次君 大体お話はわからないわけではありませんが、私ども地方を歩いて見ますと、この支局長ですか、これがなかなか東京をこわがつているのです。それであなたが大体の方針を示すと申しますが、方針はつきりここに出ていると思う。公安・公共の安全、若くは衛生その他止むを得ない必要があると認めたとき、又は当該地域需給状況により支障がない、これ以上の方針指示は私はないと思う。これを書いておいて、更にその都度或いは或る機関を通じて指示するというのは、余りにも自分を小さく見過ぎているか或いは縛り過ぎているというので、むしろ今までの役所の弊害はここにあるのですから、この委員会の指示云々というものを私は削つて決して害はないと思う。又勝手という言葉をあなたお使いになりましたが、地方では勝手どころか、もう反対に全く震えながら仕事をしているのだから、勝手ということは私はないと思うので、こういうふうなやりかた、むしろこの字句は削つたほうが将来東京、地方共に非常に工合がいいのではないかと思うので、ちよつともう一遍御意見をお伺いいたします。
  26. 宮原清

    政府委員宮原清君) 只今結城委員お話は、事務の簡捷、敏速に行われないことはかような規定に原因しているのではないかというお気付だと思つて、誠に或る面においては御尤もだと思います。ただ併し私も非常にこういう法制上といいますか、規則をきめる上についての根本的な考え方というものについては明らかでありませんけれども、この欠陷を補正する方法をいうものが、恐らくこういう規定は置かないといけないという場合を相当規則全体として感じてそういうふうに作られているのだろうと思う。併し実際の上において運用については只今の御説のようなことは誠に御尤もでありますし、殊に豊水期に属するようなときにそういう事例もありまして、私は東北に関することを今年の四、五月頃に承わつたことがあります。要するに仕事が手取り早く行つておらんという非難であつたように思いますが、今事務総長からお返事をいたしましたようにできるだけ簡捷に処理するということを根本の方針として、むしろ委員会が重大に銘記しておくべきであるという、この程度で御了承頂いて、これを変えますことにつきましては、なおさよう考慮もいたさなければならぬかも知れませんが、取りあえずこの際この規定を残しておいて頂きまして、支障のないようにする大きな義務を委員会が負うほうが当然かと思います。一応私の考えを申上げました。
  27. 結城安次

    ○結城安次君 もう一応宮原委員に申上げておきますが、これはあつて差支ないもので、これは普通の会社なら一向差支ないのですけれども、実際になると、そのときにその運用よろしきを得ないために迷惑するのは需用家なんです。それで支局長は別に迷惑ではない、支局長はこの規則通りあらゆるものを東京の委員会のほうに指示を受けてやれば一向差支えない。そのときに絶対に弊害ないとは申しますまいが、百に一つや二つ、或いは十の弊害よりも九つのかたが便宜を得るほうがいいのではないか。今までも我々常に規則でこうだからといつて私困つたことも再々需用家としてあるのですが、これはなくても決して差支えないじやないか、運用上支障を来たさぬだろう。こういう字句があるために杓子定規でやられると迷惑するのは需用家なんだから、思い切つてこれを消して、それで支局長に十分な常識を活用させるという必要があると思うので、重ねてもう一遍委員会のほうで御相談を願つて、若し削られるならば削られたほうがいいと思います。
  28. 宮原清

    政府委員宮原清君) 只今のお申出を十分傾聽いたしまして、次の機会にそういうことも委員会として考えて見ることにいたしましようが、ただ支局長自身から申しますと、まるでないことにして、自由にし得るかどうかという実際問題です。従つてこういうものがあつてもすぐできるような、私自身の感じでは、官庁がすぐに電話を使わないという事実が多いようであります。これは予算関係でありますかどうか知りませんが、かような突然に起きたこと、今のような話は電話一本ですぐ埒があくような制度を若し委員会のほうがとりますれば、このままこれがあつても事実上はよいことになります。今お話のごとくんばこれを取り除けてしまつてもそういう無茶をする者はないというでありましようが、やはり責任のことについては、非常にお役所というものはテイミツドでありまして、それが外れたときに非常な自分自身の問題を生ずるかのようなところからこういうことがむしろ当然できておるように私は思つております。御注意のことは誠に御尤もでありまして、行政改革とか何とか申しましても、こういうことが変えられなければいけないのではないかと思います。改めて又よく相談することをお約束しておきます。
  29. 結城安次

    ○結城安次君 只今宮原委員お話はむしろ私が言いたいどころなので、その責任問題です。これが困る。こういう字句があるために責任問題が起きて来るので、これがなくなればもう東京に対する責任はなくなつて、むしろ大きな責任を自分が背負うということになるのですから、これはどうぞもう一遍委員会でお考えおき願いたいと思います。
  30. 宮原清

    政府委員宮原清君) 只今のことについて、それは両様に考えられますので、つまり責任が、こういうことのあるためにというお気付も御尤もでありますけれども、この辺につきましてはお役所の制度についての長い間の慣習もあると思いますから、今いろいろお話のことはよく承わりましたから、又次の機会に御返事を申上げます。
  31. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 第一種需用のうちに化学肥料が入つておるわけですが、この化学肥料のうちで同じく硫安を生産いたしまする工場にガス法と電解法がありますけれども、このガス法は第一種需用に入つて電解法が落されておるわけであります。これは少い電力を成るだけ有効にというお考え方からいたしますると、こういう考え方も成立つと思いますが、電解法を採用しておる工場は大体コストにおいても二割くらいの電力量になつておるようでありますが、ガス法のほうは五%ぐらいになるかと思いますが、それだけに電解法を採用しておる工場は、ただそれだけの理由で大体において電源地方に主として設立をされておりまして、過去において豊水期の余剰電力等が出て参りました場合には、夜間にその電気を使う作業を貯蔵的な意味において行いまして、昼間それ以外の作業をするということによつて、非常に電力使用を合理的にすることによりまして、電力会社にとつては実にお得意である場合もあるわけであります。それをかような制限のときにのみ今度はガス法と別個な扱いをされるということは、同じ産業に従事しておる側から言いますと非常なこれは矛盾ではないかという気もするわけであります。この点どういうふうにお考えになつておりますか。
  32. 永山時夫

    政府委員永山時夫君) 只今質問にお答えいたしますが、化学肥料の中で区別をいたしましたのは、先ほど申上げましたように肥料増産の必要性の面が非常に強いものでございますが、同時に電気需給の面からいたしますと、非常に電気を食う産業でありますので、これを無条件に優先扱いにするということが許されないのでありまして、お話の中にありましたように、電気をできるだけ有効に使うという要請考慮いたしまして、電気使用量の比較的少くて済むガス法だけを優先いたしまして、電解法につきましては一般原則に従つたということになるのであります。これは先ほど安本の産業局長から説明がありましたように、第三種という言葉が言葉としては非常に劣後順位を思わせるのでありますが、むしろ第三種が原則でありまして第一種、第二種は、これは例外的にこういう措置をとるということで、従つて化学肥料の電解工場を第一種なり第二種なりに入れることは、電気需給の面から行きましてその事情が許されないということと同時に、やはり同じように大事なものがなお拾いたくて拾えないものがほかにもたくさんあるわけでございます。従つてそういうような諸般考慮からいたしましてこういう取扱いになつたわけであります。
  33. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 永山官房長がちよつとお急ぎのようですから、私から一、二点お尋ねをしたいと思います。先ず第一に、これは安定本部とRB或いは通産省にも聞きたいのでありますが、只今ここへ御配付になりましたものでは第一種、第二種、第三種の需用別に五段階に大口などは分れておりますが、各段階別に。十三条等によりまして若干操作をせられる御意思もあるようでありますが、そういうことになりますと、やはり計画としては操作用の枠が別途に計画としてなければならないと思います。そういうものがどの程度に用意されておりますか、これを先ず伺いたい。
  34. 永山時夫

    政府委員永山時夫君) 私のほうからはこれを必ずしも、一応原則はこういうことにきめることは止むを得ないが、同時に又その運用におきましては弾力性を持たし、必要に応じて考慮して欲しいという希望は出しておりますし、又委員会のほうでも現にそれに考慮を払つて頂いておるのであります。ただ電気の面からしてどの程度の量の範囲内においてそれができるかということは、私のほうでは直接電気を所管しておりませんので、むしろ委員会のほうから御答弁願つたほうが結構だろうと思います。
  35. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) この使用制限をいたしますような事態におきましては、あらかじめ調整用としてどれだけの枠を支局長に別途持たしておるというような運びには至りません。従いまして仮に第三段階の規正をいたしましても、その前提となる水の量が幸いにして一時殖えた、或いは石炭等が思わず余計入つて余計焚けるというような情勢が、機会が来たが、併しながら全般的にそれを第二段階にまで上げるということはまだ危険であるというような場合に、そういう第三段階を前提としておいて、或る程度業種によりその他必要度に応じて緩和措置を図つて行けるという方法考えておるのでございます。
  36. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 私のお聞きしたのは、段階別のことではないのでございまして、又支局長に枠があるかという質問でもないのであります。例えば第三種の中には非常に国家として重要な産業があるということは先ほどお認めになつたわけであります。而もそういう産業に対して、先ほど永山官房長も、第三種でもものによつては具体的な考慮を払いたい。そうして而も具体的な考慮を払いますのはこの告示の第十三条で行くのであるということを明らかにせられたのでありますから、従つてそういうことになるならば当然経済安定本部産業計画或いはRBの需給計画等と睨み合せまして、第三種に対しては一応調整用の電力というものは用意されなければならんと思うのです。そういうものが用意されてありまするかどうかという質問をしておるわけです。
  37. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) なお足りませんところは経済安定本部のほうからお答えを願えばよいと思いますが、実はそういう用意はいたしておりません。おりませんが、先ほど申しましたように全般的に仮に何段階ということをしておりましても、それがそのときどきの情勢によつて緩和し得るような発電量がありますような場合には、或いは第四需用について考える或いは第三需用について考えるというようなことについては、経済安定本部なり或いは通産省なりとよくお打合せをして、そうした方針従つて支局長のほうが適当な緩和の措置を講じ得るように、その際、その都度々々やつてもらう以外に止むを得ない。あらかじめそれだけの調整用というものを第三需用のために設けておくということは、事情がこういう逼迫しておりますようなときにはできない、かように考えておるのであります。
  38. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 私の伺つておることをちよつと御理解願つていないのですが、こういうことなんです。結局実際の日々の需給操作の面に入れば、今松田事務総長のおつしやつた通りになりますけれども、一応各業種につきましてはそれぞれ個別の割当というものが行われるわけです。四月——七月の実績を基準にしての個別割当が行われるわけです。その個別割当に対してこういうような制限段階が実施をされているわけです。従つて個別割当の絶対値に対して、事の適否について問題が必ず起きて来る。いわゆる第十三条によつてそれを殖やされたいとか減らされたくない、こういう問題が起きて来る。これが先ず当然に第三種から、実際上は第三種になつておるけれども、第二種に扱いをするような恰好になる。或いは第一種の扱いをするような恰好になる。こういうことになると思う。従つてそういうような操作の枠がないとおつしやるけれども、なければ第十三条は全く空文と同じである。従つて私はその辺のところをもう少し明らかにしておかれる必要があるのではないかと思うのです。
  39. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 只今この第十三条によりまして、止むを得ないという事由の申請のありましたものに対しましては、その都度供給力の増強、なかんづく石炭、貯水池等からいたしまして、それだけの無理を供給の面からなし得るかどうかということと見合いまして第十三条は発動して参りたい。なお一般制限段階の発動におきましても、電力におきましては発生率で、これは勿論告示使用禁止になつておりますが、これに若干の発生率というものが電気のほうにおきましては出て参りますので、それらの関連を見まして、第十三条では優先順位の高いものから取上げて参りたい、こういう状況でございます。
  40. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 重ねて伺いますが、そういたしますと、この需給調整規則並びに今この告示で運用される電力のいわゆる制限下における割当てというものは、この規則通り一〇〇%実行するのであつて、それを超えての調整操作というものは絶対にあり得ない。そういう工合に一応理解していいわけですか。
  41. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) これは制限段階の発動に当りましては、一定の需給計画を見通し制限段階の発動をいたすわけでございます。その制限段階の発動の前提であります需給計画に、火力でありますとか貯水池等におきましてここ一週間は相当な無理が更にかけられるかどうかという点等を見合いまして、十三条は重要なものから取上げて参るそういう意味におきましてやや成る程度需給の極力性と申しまするか、そういう面におきまして運営して参る予定でございます。
  42. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それだから私伺つておるのは、十三条というものは毎日々々の需給状況を勘案しながら調整されるものであつて、基本的には各業種別、各特定の工場別に指定をされておる割当量というものについては、もう第一種、第二種、第三種の限界によつて行われるわけでありますが、これは基本的に変更の余地はない、こういう工合に大体理解してよろしいかということを伺つておるのです。
  43. 宮原清

    政府委員宮原清君) 只今お話は、どうも十分に御趣意が徹底しないために、御返事が適当でないように思いますが、私の感じたことを申上げますというと、結局十三条できめた規定の目標というものは、いわゆる臨時特別な場合の、そのときどきに応じてやる処置は支局長においてその必要度を勘案したならば処理できる。こういうことを言うておるので、その場合に起る事柄は、若し順位が違つたものが同時に若し出たときにどうするかということは、只今竹田課長がお答えしたようなことでありましようが、併し単一に来たというような場合には、そこに電気余地があるかないかということが先決問題でございまするから、只今質問意味は結局運用でするべきことであるけれども、あらかじめその枠を持たないでできるか、こういう御質問だと思いますのですが、これは勿論ないという場合にはできないのでありますが、余地があればそれに個々の場合に応じた処置をすれば十三条の規定が活きて来る、こういうことで御返事になりませんでしようか。
  44. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 重ねてもう一遍伺います。この告示に上りますと、第六条、第七条等にいわゆる使用電力量の計算の基礎が明らかにせられております。ところがこれによつて計算されたのでは、第三種の或る業種の作業は到底操業いたしかねる。従つてこれについて実際は第三種でありまするけれども、第二種程度の修正を願いたい、こういうような仮に意見があつたといたします。その場合に永山官房長は、先ほど第三種といえども具体的に考慮余地があるようにおつしやられた、従つて第十三条はちよつとこれは運用上少し違うようでありますことはわかりましたから、従いましてその他の法文を通してでもよろしいので、そういう方法が残されておるかどうか、いわゆるそうするためには需給計画上やはり調整上の枠というものは用意されなければできないのではないか。この二点について伺つておるわけであります。従つて第六条、第七条はもう厳格に実行されるのであつて、第一種、第二種、第三種と指定されたのがもう運命の尽きであつて、それ以上の調整はいささかも許されない、こういう工合に理解するものか、そこのところを一番重要なところでありますから一つ明瞭に伺つておきたいわけです。
  45. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 只今お話は、つまり制限下における電力事情の場合におきましては、実はほかの産業を削りまして或る一つ産業を引上げるということは、相当厳重な制限のございます場合にはそういうことにする以外にいたしかたがないわけでございます。ただ問題は地区別なり或いはそのときどきの電力事情によりまして臨時応急的に拾い上げるというものは、十三条でも事情によりまして拾い上げることができる。但し今お話のように第三種のものを第二種と同じように上げるというような問題になりますと、実は他の産業需用相当切りましてそれを引上げるということにいたさなければならん、こう思うのであります。
  46. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) わかりました。最初枠はない……。
  47. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) あらかじめはきめておらないというわけでございます。
  48. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) はつきりしました。  重ねて次にお伺いいたしますが、この制限段階が実際はどうなつておるかということがよくわかりませんので、素人の質問のようになりますけれども、現在の送電状況はこの別表第三のどの段階に一体当つておるのか、これを先ず伺いたいと思います。従いましてそれから類推してその他の段階というのは、現在の出水率が大体わかれば見当が付きますから、どの程度の出水率になつたときにはこの段階になるんだという点を一つ明らかにして頂きたいと思います。
  49. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 現在におきましては御承知のように相当水の量も従来に比べましてはよろしくなつておりますので、比較的いい状況でございますが、特に御参考になるという意味で、ルース台風の状況ぐらいのところの状況お話をしたらいいかと思いますが、大体その当時の状況は、まあ需用の見方がこの前も議論いたしたようにいろいろの見方があると思いますが、大体従来の下期等の需用の殖え方も勘案いたしました上で下期の需用、それに対して供給力がどの程度になつておつたかということを大体検討いたしますと、需用に対して供給が二割ぐらいの減になつております。それで地区によりましては四割の制限とか或いは地区によつては五割制限というようなことになつたのでありますが、あの当時の大体出水率は平均いたしまして七〇%を切つておつたような状況でございます。特にあの頃は中国あたりは二十五、六%まで行つたような状況でありまして、大体平均いたしまして六十五、六%程度のところを行つておつたと思います。従いまして今後の出水率がどの程度になるかということが、まあいろいろ問題の種になりますが、仮に出水率が過去の九カ年の平均に対して一割減であつて、そうして石炭四百七十万トンというものを相当堅く踏みまして、四百五十万トンくらいの石炭が年度内に間に合うように完全に入つたと、これはいずれも堅く見ておりますが、そういうような見方にいたしますというと、大体需用に対しまして十三、四%くらいの供給力不足と、こうなるような見当になつております。それが仮に出水率が二〇%減であるというようなことになりまして、而も石炭が四百五十万トンくらいでございますというと、やはり二割近くの需用に対して供給が減るというような見当になるかと思つております。従いまして若しも今申しましたような出水率が一割減であり、それから石炭のほうが四百二十万トン程度のものが年度内に確保せられるといたしますというと、従来よりは、いわゆるルース台風前の状況よりは相当よくなつておる状況で、まあこの段階で参りますならば、大体地区によつて違いますが、第三段階程度のところになるのではないかと、かように考えております。
  50. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 出水率が一〇%減で、石炭が四百二十万トン確保されたときに第三段階ですか。
  51. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) その程度、これは地域によつて違いますけれども、大体その辺の見当じやないかと、こう思つております。
  52. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 地域はもうこの前たびたび松永委員長代理も来られまして、そういう段階になれば全国的な相互融通を徹底いたしまして、地域における需給の差等はないようにするということが前提になつておりまするから、それはまあ問題にするところまで行かないと思うわけであります。そうすると現在の段階はどの程度にお考えになりますか。
  53. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 現在の制限は五百キロワット以上に対しましては、告示では中部と東京、九州は四割制限でございます。他の地域は五割制限ということに一応なつておりますが、最近の出水状況に鑑みまして、ルース台風以後一週々々の制限緩和をいたしておりまして現在は三割の制限でございます。休電日は週二日であり、大体これで参りますと三段程度のところに入つているかと思います。
  54. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 第三段階ですか。現在の状況が第三段階ですか。
  55. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) はあ、大体そうです。現在の制限は七月の実績べースでやつております。
  56. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) いや、そういうことでなくて、この告示に示された第一段階から第五段階までございますね。この段階の中で、今日現在の状況などでは第何段階くらいの制限相当しておりますか、これを申上げておるわけであります。
  57. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) ちよつとお断わりしますが、これで参りますと大体三段よりちよつと強いところに……。
  58. 結城安次

    ○結城安次君 強いというのは上のほう……。
  59. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 上になつております。
  60. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 四段に近いか第二段の上に近いかというのです。
  61. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 楽な三段ということに。
  62. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと松田事務総長からは大体一〇%出水率減のときの状態、四百二十万トンで第三段階だと言われました。そこでルース台風前の状態になりますとどれくらいの段階になりますか。
  63. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) ルース台風前の状況、或いは恐らく第四段階から第五段階の間ぐらいのところと思うのでありますが、今日でも先ほど申しましたように出水率は約一〇〇%程度になつているのでありますが、石炭状況その他を見合いまして、今後の負担等の点もいろいろ考えまして、一応三割という制限をいたしているのであります。従つて若しもこれが来月ぐらいに豊水期になつて来る月であるというようなときにめぐり合しておれば、もつと緩和をしてもいいのじやないかという時期なのでございまして、ただ不幸にしてこれからいよいよ渇水期に入つて来るというような点から考えまして、三割制限というところを考えているのであります。従つて先ほど申しましたように仮に出水の状況が例年に比べて一〇%程度渇水であり、石炭につきましても或る程度の差がどうしてもつくというような場合を考えますというと、大体現状から推しましても第三段階ぐらいのところが適当なところじやないかと考えております。
  64. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そこで一番重要な問題になるわけであります。即ち今日ぐらいの状況、割合に水がよく出まして楽であるという状況において第三段階のちよつと楽なところであるということを言われたのでありますが、そういたしますれば、これから来年の三月までの制限段階というものは、先ずこれより楽になるとは考えられない。いわゆる四段階、悪く言えば五段階に行くということを覚悟しなければならない。そうしますと先ほど言われた第三種の需用の中で非常に重要な鉄鋼、セメント等の日本の経済産業を維持する基礎になるような産業が非常な大きな打撃を私は受けるのではないかと思います。私が只今手許に持つております資料によりましても、例えば中部地区の大同製鋼を初めとする六社でありますが、六社の十一月の使用制限電力量は七月の使用実績千五百六十八万キロワツト・アワーに対しまして僅かに六百六十一万キロワツト・アワー、まさに三分の一であります。而もこれらの六工場は殆んど電気炉工場、特殊鋼を作る電気炉工場であります。こういうような工場に対しまして三分の一の電力の割当より与えることができないということは、恐らくこういう工場の作業を不能に陥れるような事態も招来するのではないかと考えるわけであります。従つてそういうような非常に重要なものが私は他地区にもあろうと思います。又鉄鋼だけでなくてほかにもあろうと思いますが、そういうものについていささかも御心配になつていないのかどうか。これは何か適当な手を打たなければならんとお考えにならないのか。そういう点をこれは一つ経済安定本部通産省と、公益事業委員会、それぞれの立場での御所見を伺つておきたいと思います。
  65. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 只今御指摘の中部地区における電炉工場に対する割当の問題、これは実は中部地区だけではございませんで、むしろ中部地区のほかに北陸及び東北地区におきまして同じように電気炉の工場が多いのであります。鉄鍋が相当ございますが、勿論そのほかに先ほども話が出ました肥料工場にも電力需用がございます。或いは化学工業の、面にもそういうものがあるのでございます。こういつた電気生産の主たる手段にいたしておりまするようなものに対しまして実は一つ問題があるのでございます。それは御承知のようにこれらの工場につきましては渇水期における電力の供給契約と豊水期における供給契約の量が非常に違うのでございまして、これは勿論電炉工場におきましてもそれぞれの工場におきましていわゆる期間常時を持つておりまする割合が全部違つております。必ずしも一律ではございませんが、とにかく相当量の期間常時の電力契約を持つておるわけであります。このいわゆる豊水期電力と申しますのは十一月以降におきましてはいわゆる渇水期の電力契約になるわけでございまして、本来これらの工場は電源地帯におきまして豊水時に相当多量に、時に深夜等も大いに活用いたしまして生産をいたし、その代り渇水期におきましては操業を極度に詰めまして、そして来たるべき豊水期に具える、こういう性質のものであるわけでございます。従つて形式上から申しますれば、いわゆる渇水期に入りました今日におきましては、その渇水期の非常に少ない電力でやつて行かなければならんということになるわけでございますが、ただ問題は電力の契約の内容といたしまして、いわゆる期間常時、或いは常時というようなものがございますが、これが今日のこういつた電気制限相当食わなければならん場合の実情等と合つておるかどうかという問題、及び電気日発以来、特に九分割になりまして以来、いわゆる電源地帯というものの恩典が電源の帰属の関係から、どつちかと申しますと電源地帯に不利になつておると言つていいか、まあとにかく電源地帯に最初予想されたような電力がないという問題と睨み合せてみますと、こういつたものにつきまして期間常時契約というものがなくなつたから渇水期の少ない契約電力というのが一つ基準になりまして、これに対して機械的な割当をして行くということが適当であるかどうかということは相当問題になろうかと思うのであります。これは実は私どものほうも公益事業委員会のほうからこの制限告示を出します場合に、どういうように考えるかという御相談もございまして、いろいろ相談をいたしておつたのでございますが、或る程度そういつた場合におきましてこれらの事業に対する電力の割当量について考慮をするということにつきましては、公益事業委員会も恐らく同じようなお考えをされておると思いますけれども、ただ問題はそれをどの程度考えるかという具体的な問題に入つて来るのじやないかというようにも思われるわけでございます。この点につきましては目下公益事業委員会通商産業省と相談をいたしておる最中でございまして、どういう結論になりますかわかりませんが、とにかく機械的に一律にやるということは非常に困難な実態じやないかというように考えておる次第でございます。
  66. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと大体非常にこういうような工場、例えば硫安の電炉のほうの工場、或いは只今挙げられた電炉の鉄鋼業、こういうようなもの、まだそのほかにたくさんあろうと思いますが、そういうもの悟ついては一律の計算式で出せば非常に大きなダメージを与えるので、実情に副うような善処の余地が用意されておると、こういう工合に理解してよろしうございますか。
  67. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 実はこの告示の案で御覧願いますと、第八条でございますか、第八条の二項にこの規定がございまして、これによりまして一体どの程度必要な事項を参酌して変えるかというような問題になろうかと思うのであります。実はこれは鉄鋼の電炉の場合、肥料の電解炉の場合、或いはアルミの電解の場合いずれも同じようなケースに該当するのでありまして、これを機械的に期間常時と常時との差額につきましてその比率で落して一定の制限をかけるということにいたしますことは非常に酷であるということははつきりしておりますので、それに対して何らかの考慮をしようということには実はなつておるわけであります。その考慮の度合を今相談中なのであります。
  68. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) わかりました。それからもう一点、これは近藤業局長にお伺いをいたしたいのでありまして、できれば経済安定本部の長官に私はお聞きしたいと思つたのでありますが……。そのことは先ず第一に前提条件が要りますが、先ほど必要な、重要な産業を第三種に落してあるということを言われたのでありますけれども、落す落さないは別といたしまして、少くとも我が国の産業計画というものがこの電力の危機的な制限下にあつて電力によつて殆んど支配をせられてしまう、そういう実態であるということは御肯定になりましようか。
  69. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 今のお話のように若し電力相当渇水も非常な割合になる、例えば二〇%或いはそれ以上の渇水になる。そして石炭の問題につきましても相当思い切つた措置をいたしまして、火力の発電のほうに注ぎ込むことができないということになりますれば、日本の重要な産業にとりましては非常に重大な時期が参るかと思つております。
  70. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そういう工合に今お認めになりました場合に、この告示というものは実に一片の告示では済まないのでありまして、実に日本の産業計画の心臓に対してメスを入れるような重要性を私は持つておると思うのであります。従いましてこういう重要な告示は或る意味においては戦争中の物動計画を性格付けるようなものでもあると私は言えると思うのであります。そこでこういうような告示を出されまするときには、これは少くとも私は閣議にかけられるような重要性を持つておると思うのでありますが、そういうことはお考えにならなかつたかどうか。閣議決定を以てこのような重要なことは御決定になるのが筋合ではないかと思いますが、そういうことを経済安定本部としてはいささかもお考えにならなかつたかどうか。又公益事業委員会といたしましては聽聞会を開いて公共事業令の第五十九条でありますか、間違つておれば訂正をいたしますが、五十九条の発動になるわけでありまするけれども、それには聽聞会の議を経なければならない、聽聞会の議を経て電力需給調整規則ができ上つております。従つてそれの第五十九条の発動であるので、さようなことはいささかも違法でない、こういう工合にお考えになりましようが、併し今申しましたような日本の産業計画、非常に大きな問題を起すものでありますので、只今私が申上げました程度に慎重にこれは運ぶべきものであろうというようなお考えをお持ちにならないかどうか、その点を一つつておきたいと思います。
  71. 近藤止文

    政府委員近藤止文君) 経済安定本部といたしましては、実はこの冬場における電力の非常に不足するという実情につきましてはいろいろ状況を調べまして、どのくらいの影響になるかという場合を想定をいたしまして、それが重要産業に対する影響等につきましても各方面から調査をいたしまして、資料を作成いたしまして、この電力の危機を切り抜けるためにこの下期の電力確保緊急対策というものを作成いたしまして、それによりまして極力電力不足を避ける方策をとるということで、先ほどちよつと申上げましたが、火力発電用の石炭の確保の問題、これは輸入石炭もございますし、重油の問題もございますし、或いは自家発の総動員の問題もございますし、或いは現在の発電工事の繰上げ発電というのもございまして、極力深刻な電力不足の危機を回避するために全力を挙げましてその方策を実施いたしました。そしてできるだけ軽い制限によりましてこの危機を切抜けたい、こういうことで閣議にこの下期電力確保緊急対策というものをかけまして、若しこれらの措置が十分行かない場合にはこういう深刻な影響があるということも十分各閣僚の間にも経済安定本部長官から御説明を申上げまして、極力そういつたことを回避する意味におきまして強力な施策をいたすということにいたしておるわけであります。只今のところでは従いましてできるだけ最悪の事態を避けまして、幾らかでも電力を増加しまして、そうして日本の産業に深刻な影響を与えないで済ますようにということで私たちは努力いたしておる次第でございます。
  72. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 従来需給調整規則をいわゆる告示としてやりました場合にも、委員会といたしましては一応次官会議のほうに諮つております。そして次官会議決定を得まして、そしてその趣旨を閣議のほうにはお話になつておるように私どもは伺つておりますが、いずれにいたしましても委員会としてはこういう改正をいたします場合にも次官会議のほうには十分連絡をいたしたい、かように考えております。  それから第二の、聽聞会との関係における委員会規則としてこれを公表すべきものではないか、制定すべきものではないかというお話の点につきましては、私は誠に御尤もな点だと思つておるのでありますが、実は当初はこの制度を十一月の初め頃から実行して参りたいという考えで、その際にはできるだけ速かに案を決定いたしまして、聽聞会にかけて規則としてやつて参りたい、こういう実は委員会としても考えを持つておつたのあります。ところがいろいろな点につきまして各方面意見も聞かなければなりませんし、そのうちに現在の告示がすでに先ほどから話もございましたような、三段階乃至は先般来は四段階前後のようなきつい制限になつてつておりまして、従つてその際にもすべていろいろの点について一律な方策を講じておりましたが、今後やはり長期については相当いろいろな点について考えなければなりませんが、そういう点について先ほど申上げましたように、各産業界のほうのいろいろな御意向も我々のほうとしては承わつて、できるだけそういうことを汲上みげて行きたい。それから又、経済安定本部なり通商産業省のほうの御意向もできるだけ汲みまして、この案をきめて行きたいという状態になつておりますので、従つて時期的にも聽聞会を開きますということになりますというと、どうしても案が決定いたしましてから聽聞会を開きますまでの間に二十日間の期間を置かければなりませんし、そうなつて行きますというと、時間的に申しまして相当遅れて参る。それが新らしくこういう制度を考えます場合には別といたしまして、すでにこの案の中でも相当きつい段階に該当するような告示を現にいたしておりますので、それに対する改正とかいうような点については、先ほど申しましたように、各方面の御意向も承わつてこの是正をして参りたいと、かような趣旨検討いたしておりますので、又先ほど委員長からお話のように、法律的に申しましても現在の需給調整規則の第十五条に基きまして従来もやつておりまするし、又この告示を改めて参るということもできないのではございませんので、そういう意味で現状とも睨合せ、それから又時期的の問題も考え合せまして、各方面の御意向もできるだけ盛込む建前でこの告示改正したいと考えておりますので、只今のところの案は大体先ほど申しましたようにまだ未了の点がいろいろございますが、そういう点を検討いたしましたり、できれば先ほど宮原委員からお答えいたしましたように速かに、遅くも十二月ぐらいからは早くこういう段階をあらかじめ各方面にお知らせしておく必要があるのではないか、かように考えて進んでおります。
  73. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この問題についてもう御質問ございませんか。どうぞ御質疑お願いいたします。
  74. 小野義夫

    ○小野義夫君 第一点は三つほどありますが、逐次に御質問申します。第一点は新らしい、すでに電力の割当を受けておる者に対してはこの制限率が行くのでありますが、新らしく事業する者は当然第三種の段階に自由に入り得るようにも見えるのでありますが、果してそうでありますというと、この折角の制限がもう堪えられないようなところまで行つておるのにかかわらず、既契約者が非常に大きな制限を受けるのに、何らの困難な手続もなく、当然一片の、何と申しますか、要求というか、机上の申入れ等によつて制限にこの制期間中にやるようなことがありますというと、非常に他が迷惑するということに相成るのでありまして、この点の告示がこの中にありますかどうか、先ずそれを一つ承わりたいと思います。
  75. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) お話の点は新規にそういう設備を持つて或る産業を起して参りたいという場合にどうなるかと、こういう御質問と承わつて……。
  76. 小野義夫

    ○小野義夫君 そうです。その点の制限に対する告示といいますか、方針がどういうふうに示されておりますか。
  77. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) その点につきましては、更にこの告示にその点を明らかにする必要があるのじやないかということは、今我々としてもよりより相談いたしておりますが、大体同じ地域における同じ業種電力需用というものを比較検討いたしまして、そして成るべくそういう線に沿つた電力措置ができるようにいたしたいと思つておりますが……。失礼いたしました。第八条でございます。第一項にその点が謳つてございます。今申上げましたような特別大口電力とか或いは大口電燈、業務用電燈、或いは定額電燈従量電燈とかいうものを含めまして、第八条に、「前三条の従量電燈制限基準月、制限基準月又は制限基準期間以降に新たに電気使用を開始した電気使用者の使用電力量限度は、他の同一業種又は類似電気使用者の電気使用状況を勘案して支局長が定めるものとする。」こういう方針できめて行きたい、かように考えております。
  78. 小野義夫

    ○小野義夫君 それは許さないという厳然たる方針でなく、つまりいろいろ運動と申しますか、情実と申しますか、かようのことでいろいろと、折角もうビルディングを作つたとか或いは折角工事を成立したのだからというような事情の陳弁によつてこれを中へ入れてやるということになつておるのではないかと思うのですが、それでは非常に紊される。新しく例えば電源の開発によつて年末までに幾らでき上る、そのでき上るものの何割ぐらいは新しく割付けるとかいうようなことにしませんと、どこまで行つて電力制限をこうむるのでありまして、古き事業であつてすでに多くの投資をしているものが二重投資、三重投資のために禍をこうむるということになりますと、国家経済の観点から見ましてもこれは由々しき問題だと思うのでありますが、これに対しまして何らかの規則の上に、かかる種類のものは絶対に許さん、かかる種類のものであつて国内需用を紊さないとか、或いは貿易上止むを得ないとかいうものに限つて講ずるというような明確且つ精細な規定を設くべきではないかと思うのですが、その点は如何でしようか。
  79. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) 只今申上げましたこの第八条の第一項と申しますのはいわゆる制限基準月以降に受電契約ができましたものについてのお話でございまして、今小野さんからのお話を承わりますというと、いわゆる今後起る問題として、すでに設備もでき上つて、そうして受電の認可を申請して来た者が相当あるのじやないか、それに対して委員会としてはどういう基準と申しますか、方針の下にこの受電認可をするのかしないのか、その問題について考えがあればと、こういう御質問と存じますが、この点につきましては先般も栗山委員長からもお尋ねが再々ございます点でございまして私どものほうとしましては、今般需給調整規則を改正いたしまして、いわゆる申請がありましてから三カ月以内に何らかの処分をしないというとすべて認可があつたものとみなす。それから又従来から申請せられておりましたものにつきましても、九月十五日に新しい需給調整規則が出ましたものですから、その九月十五日以降三カ月以内に処分しなければやはり認可いたしたものとみなすという規則の改正をいたしたのであります。そういう意味で私どもとしては、従来そういう御申請に対して長期に処分がきまらないことをできるだけ速かにイエスかノーかをきめて参りたいという趣旨で、背水の陣をとつてそういう規定を設けたのでありますが、今日従来からの申請を加えまして七、八十件ぐらい申請がございます。これにつきましてはいろいろな理由がおありのようであります。近く委員会におきましてはこれらに対して今できれば一定の基準というものを設けて、こちらもこの基準を作ります場合には経済安定本部でありますとか通商産業省のほうともいろいろ御相談をしなくちやならないのでありますが、一つのやはり基準的なものを作つて許可すべきか許可すべからざるものかというこをきめる必要があると思うのでございますが、問題の点は、一番委員会としても困ります点は、御承知のように今日建造物の制限とか或いは資金調整とかいうような、いわゆる統制規則も何もないもので、自由にどんどんそういう設備を作られて、そうしてあと電気の面だけが解決すればそれでいいというような恰好で最後に受電の認可申請をせられるのであります。そういうためにこれを全然蹴つてしまうということが非常にやりにくい点がございますので、従つて近くそういうような点について全部洗いざらい委員会において最後決定をしてもらうことにしておりますが、大体その重要度なり何なりから考えまして最小限度の認可をするとか、或いは仮に認可をいたしますといたしましても、現在のような渇水期においてはそれをすぐ動かしてもらつては困る、言い換えれば豊水期になるまでは条件附にそれをとめておいてもらわんと困るというような措置考えなければならんと思つておりますが、いずれにいたしましても私どもといたしましては一番困りますのは、今のような元のほうがフリーになつておりますものですから、それを最後に受電の認可のところで抑えるということが非常にむずかしい。そこで今申しましたような何らかの基準というものを作つて、そうして経済安定本部は勿論のこと、各省におかれましてもいわゆる内面的指導をして頂きます場合に、こういうような、特に先ほどからいろいろお話になつておりますような限界或いは限度とかいうように、非常に電力を余計食うものについてはできるだけそういう設備は殖やさないように、他の方法によつて目的を達してもらうように、あらかじめそういう大体の方針の下にそれぞれの官庁において指導して頂かんというと、何分にも先ほど申しましたような事態になつておりますから、そういう点を私どもとしては十分検討いたしまして、今後は処置して参らなければならんと思つておりますが、実情はそういうような実情になつております。近く委員会に全部を図りまして、方針をきめてもらつて、今申しました新しく出て来るものについてはできるだけこれの抑制をしてもらいたい。勿論従来におきましても、今日においてもそうでありますが、この申請をして来られます場合には、必ずそれぞれ電力会社の同意を得てからでないと申請ができない。従来は電力会社のほうにおいでもできるだけそういうような実情を承わつて同意をし勝ちな状況でございましたが、今日のこういう事態に直面いたしております、又今後における電力需給状況等から考えて、相当電力会社においても同意をせられることを非常に渋つておると申しますか、制限をしておりますようでありますが、それをいたしましても、今申しましたように同意を得て参つておりますのが七、八十件に達しておるというような状況でございます。今小野委員からお話の点の引上げは、委員会としてもその趣旨を体して、同時にまあ需用家のほうにも余りきつい御迷惑はかけないようにしなければならないと思つておりますが、併しそうしたからといつて新らしく不必要ということはないと思いますが、どしどしと受電の新或いは増というような申請に対しては、極力業界全体として今の電力事情をお考え頂いて、その点に対する自粛的なこともして頂かなければならないし、又各官庁におかれましてもそういう意味での内面指導を是非して頂きたい、かように考えておるわけであります。
  80. 小野義夫

    ○小野義夫君 御趣旨のある所はよくわかりましたが、例えば第一種、二種、三種とこうあるのですが、三種においてはとにかく極端なる制限を受けるというわけでありますから、企業家においてもかかる制限の下に新らしく事業が成り立つか成り立たないかを自分自身がそろばんを置いて見ればわかるような情勢にあると思いますが、例えば第一種と称し或いは第二種と称するもの、それは非常な絶対的に国家が必要であると要請しておるものでありますが、かようなものが一つ仕事を、そのほうを増産したいから是非一つ承認してくれというように交渉を受けた際に、何らかこれに対して的確なる基準がなければ、第一種という以上は国家の要請から言うと非常絶対的なものとして認めておるわけでありますが、それでありますからこれはよほど、ひとり公益事業委員だけではあるまいが、通産省においても安本においてもこの電気を中心をしての新企業に対する対策というものをこれは早晩発表して国民に示さないと、大変産業界は新旧の混乱が起るということが想像せられるものでありまして、殊に石炭鉱業のごとき非常に多々ますますなければ困るというような需要を前途に控えておるのでありますが、これらの問題は一切、第一種としてどしどし石炭のための電力ならば止むを得んとして許すべきであるか、或いは火力製電つまり発電を伴わないようなそういう石炭業者は許されないとするのか、そういうところに問題点があると思うのでありまして、今日はただ私の希望条件を述べまして、今後の御善処方をお願い申上げたいと存じます。  それから第二点は、今のところで第一種、第二種、一種と二種は殆んど五%の違いですからまあ殆んど同じですが、一種、二種、三種との間の使用量の比例はどんなことになつておりますか、ちよつと参考のために……。
  81. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) その点につきましてはまだ詳細な使用量の比較というものは、ございませんでありますが、只今手許に昭和二十六住十二月乃筆昭和二十七年二月において各月各地区とも二・〇%渇水した場合の電力需給対照表、それからもう一つ一枚刷りで昭和二十六年四月乃至七月における特別大口電力の平均消費実績という資料がございますので、この資料に基きまして需給課長のほうから、御満足が頂けるかどうかと思いますが、或る程度の御説明をさせて頂きたいと思います。
  82. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) お手許に配付してございます電力需給対照表でございますが、これは告示規定してございます第一種、特に石炭とガス法硫安の問題におきまして使用電力が何分にも多いのでございますので、それの他の部門にどういうような影響を持つかということにつきまして概算試算をいたしたものでございます。  でちよつと簡単に御説明申上げますと、供給力の数でございますが、供給力のほうは九カ年平均に対しまして二〇%の渇水を前提としてございます。貯水式は最近の実績によりまして年度当初計画を若干修正してございます。次に問題の火力発電でございますが、これは現在二〇%の渇水をいたしますときは、当然そうでなくとも四百七十万トンの計画を組んでございますので、その火力を前提にいたしております。受電につきましては年度当初計画でございます。融通につきましては東北、本州中央部、中国までを融通可能といたしまして試算をしてございます。需用のほうにつきましては、制限告示によりますとそれぞれ前年の同月、或いは産業用につきましては本年の四月から七月の実績をべースにいたしております。実績につきましては豊水期の期間常時と渇水期の常時という修正を若干いたした数字でございますが、それによりまして、この表の初めの欄が基準量でございますが、この基準量をベースにいたしまして制限をかけて参るわけでございますので、一応キロワツト・アワーの制限の特別にございませんものは使用量をとつておりまずし、制限べースを実績にとりておりますものは実績を入れまし先ものが基準量として出ておるのでざいます。そこで二割の渇水のときにどういうふうな制限を発動いたしますか、何回ぐらい発動をいたしますかということは、いろいろな組合せがあるのでございますが、ここでは一応進駐軍は相当低い実績を押えてスタートしておりますので、そのままの数字を取入れてございまして、従量電燈、定額電燈は五%の制限でございます。次に大口電燈業務用電力以下の所には括弧して四十と書いてございますが、これは四〇%の制限をした数字を一応入れてございます。大体二割渇水の場合にはこういうような制限段階の発動をせざるを得ないという考え方を一応とつたわけであります。  次に石炭でございますが、石炭の欄におきましては下の欄がこれは使用量を一応緩和して確保するという考え方をとるものでございまして、上のほうが実績でございまして、基準量でございます。それに対しまして一応一〇%の制限をかけますと括弧にある数字になるわけでありますが、一応石炭を第一種、或いは緩和等の措置を講じますると、その次に使用量の大体必要とするという制限後の需用を書いてございます。以下そのような形で参りまして、公共事業、これは(C)でございますから、小口の五百キロワツト未満のものでございまして、三千キロワット以下でございます……。失礼いたしました。大口電力(丙)と書いてございますのが三千キロワツト以上の数字でございまして、公共事業、ガス法硫安、石炭、それらが特別扱のものの数字で、制限率を割に軽いものをかけますと、一般のものの使用量に対しては約四割の制限させざるを得ないというふうな恰好に相成るわけでございます。そういたしますと供給力とのプラス、マイナスをいたしますと、余力というのが下にAマイナスFという形で出て参るわけでございます。その前に、これは本州中央部と中国を含めまして、本州中央部、九州の間を融通するという考え方からいたしまして、最初のページの十二月におきましては、本州中央部から九州に千九百十万を送るというような措置を必要といたしますると、東北、中国計の最後の所に三千六百万の一応の余力が出ると、こういうような形になるわけでございます。その余力は若干多く余力をとりますか、或いは少や余力をとりますかという問題が、本日も告示十三条の問題に関連して問題が起つたわけでございますが、ここには余り多くの余力をとらないような建前をいたしますけれども段階が一応ございますので、ここに若干の余力を残すということでございます。  次にこの告示で参りまして、石炭、ガス法硫安等につきましては第一種であり、更に最低使用量を確保するということになりますれば、一応更にこういうような緩和をいたさなければならないという恰好になるわなでございます。十二月におきましては大体そういうような形で参るのでございますが、二枚目の一月の北海道におきますと、相当この特別大口電力(丙)ございますが、丙のところの一般という所が七〇%という制限率になるわけで、ございまして、これは北海道におきまして石炭とガス法硫安とのウエイトが非常に大きいために非常に一般産業のほうへの影響が大きくなるという数字が一応出て参りますので、特に北海道と九州におきましては一応告示で第一種にはなりまするけれども、第一種かち更に必要量を確保し得るかどうかというような点で若干無理があるのではないかということがこの表から汲み取れるわけでございます。全般的に申しますると、第一種の特別扱いをいたしますことによりまして、一般のところの制限率は二割の渇水におきまして四割の制限を下廻ることがない。北海道におきましては七割までも一般制限されなければならないということになりますので、現在第一種扱いをしておりますものにつきましても相当他のほうに皺寄せが参るということがこの表から読み取れるわけでございます。  次にこの一枚刷りの表でございますが、これは四——七月におきます特別大口電力の主なるものを、実績そのままを取上げましたものと、若干期間常時の修正を一応考えておりましたので、その修正を加味いたしました場合に、その修正前のものと修正後との比率と、更に全体の特別大口の産業のうちにどういう産業がどの程度占めているかという構成比を一応ここに出してございますので、どういうものをどういうふうに扱いますとどういう数字的な結果が生ずるかということは、全国台においてはこの表におきまして一応御推察願えるかと思うのでございます。この特別大口の数字がここに四——七月の平均でして十億八千一首くらいという数字が出ておりますが、これが渇水期の一応計画におきましては八億前後という数字に渇水期によつてはなるわけでございますので、大体におきましては二割程度は特別大口の数字が渇水期におきまして下ることは止むを得ないということも或いは言えるのではないかと思います。そこらにおきまして期間常時の扱いをどういうふうにするかということに苦慮いたしておるわけでございます。鉄綱におきましては修正前の実績は、構成比は一六・四%でございます。修正後におきましては一五・九%ということになりますが、これが化学肥料の欄を見て頂きますと、二八・九%が修正後におきまして二五・七%に下るわけでございまして、その化学肥料の特に電解法のウエイトというものは非常なものでございますので、ここに期間常時の扱いにつきまして一律な扱いをいたしますると、若干電解電炉的な工場のウエイトが重く現われまして、メカニウル・パワーに使われます、いわゆる動力に使われますほうに相当多くの無理がかかつて参るのではないかということがこの表から一応読み取れるわけでございます。
  83. 小野義夫

    ○小野義夫君 この表でどういうふうに組立てて行くというような材料としてのやり方は一応わかりますけれども、今私がお願い申上げました表は全く観点を異にしておるのでありまして、ここに第一種、第二種、第三種と、その業別は第一種の業別、第二種の業別、それを合計いたしまして、そうして各地区事情が非常に変るのです。つまり東北のような所と或いは東京みたいに殆んど鉱山なんというものが極めて少い、常磐の炭はあるというような所と、いろいろと地区的に違いますから、第一種、第二種等の制限を行わんとするときにおける状態をもう少し何パーセントくらい、これは全体のパーセンテージは出ておりますけれども一般第三種との間の割振りがわからないから、一つこの次まででよろしうございますから、制限を中心としての一種、二種、三種の割合を各地区別一つお調べを願つて表を頂きたいと、こう思うのです。
  84. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 只今の第二種、第二種でございますが、大きいものにつきましてはそういう数字を何とか出して見たいと思いますけれども、何分にも二種には小さいものがありまして、特に三千以上でございますとよろしいのでありますが、三千から五百のものに下りますに従いまして、更に五百以下になりますとちよつと大ずかみで計算する以外に方法はなかろうかと思います。
  85. 小野義夫

    ○小野義夫君 結構です。   —————————————
  86. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは時間が遅くなりますが、火力用燃料の問題につきましてしばしば見通しを伺つておるわけでありますが、その後問題も進展しておると思いますので、近況を重ねて御説明願いたいと思います。
  87. 松田太郎

    政府委員松田太郎君) その御説明をいたします前にちよつとお断りしておきたいと思います。お手許に十一月の電力用炭状況という表が差上げてございますが、多少数字の上に間違つております点がございますそうでございますので、それを改めて修正いたしましたものを後刻差上げたいと思います。その点を御了承願いたいと思います。  石炭入手状況等につきましては、先般も申上げましたように六体本年度の下期内に四百七十万トンの石炭を確保したい。又そういう意味経済安定本部におかれましても中心になられまして、先ほど近藤局長からお話したように、閣議の決定でございますか、了解でございますか、閣議にもお諮り頂いて、大体の方針はきまつておるのであります。四百七十万トンに対して約二百三十五万トンと申しますか、その半々を第三四半期と第四四半期に分けて入手をする、そういう状況でございます。それからこのうち全部を各炭鉱のほうから生産されましたものを電力会社のほうに入手するということは、全体の石炭需給バランスから申しましても相当困難でもございますので、その中には例えば外国炭を入れるとか或いは石炭に代えて重油を使うとか、それから又他の産業に振向けられるようなことになつておりますものについて、特別に電力会社のほうにそれを切替えて頂くというような措置も講ぜられておるのであります。大体そういう意味で、いわゆるこの重油に転換をいたします点から申しますと、これはこの下期を通じてのお話でございますが、約九万キロリットル程度の重油を本年度内に入れてもらう、それによりましてこれをカロリーの点から石炭に換算いたしますと、約倍になりますので、十八万トン程度の数字になります。それから又外国炭につきましてはインド炭・米炭、カナダ炭というようなものを合せまして三十五万トン程度石炭を下期に入れる。それから又価の産業から電力会社のほうに切替えてもらいますのについて約百万トンという数字を考えておりまして、それらのものを全部含めまして下期に四百七十万トンの石炭を確保して参ろう。こういう線で計画ができておるのであります。現在或いは重油の問題でありますとか、特に外国炭におきましてはインド炭等の問題につきましては大体計画の線に沿つて具体的に輸入し得るという形になつておりますし、又他の米炭、カナダ炭等につきましても只今為替機関の手続をそれぞれ関係電力会社のほうで申請もし、その手順を踏んでおるというような状況になつております。大体の線はそういう線でございますが、然らば十月の大体炭の入り方はどうであつたかと申しますと、十月は七十五万トンの石炭を入手する予定でございましたが、それに対しまして入りましたものが大十三万トン、約十六%の開きはございますが、従来から比べますと相当著しい確保の途が進められておる、こうお考え頂いて結構と思うのであります。それから十一月の分につきましては、御要求におきましては七日以降の貯炭状況及び入手状況をということでございましたが、地区によりましてはまだ私どものほうにいろいろな事情で届いておりませんのもございますので、わかりましたものだけを御覧に入れたのでありますが、この表の後にわかりましたものをちよつと附加えて全国的なことを申しますというと、九日現在で貯炭量は全国において三十一万八千トン余りになつております。それから特に問題でございました関西におきましては十日現在で七万四千五百二十六トン、こういう数字になつております。これを一応本年の九月末の非常に問題化されました当時の貯炭に比べます。と、例えば全国では当時十九万トン程度の貯炭でございました。それが今申しましたように三十一万八千トン程度に殖えております七それから又関西について申しまするならば、当時たしか一万七、八千トン程度の炭でありましたが、それが今日におきましては七万四千五百トン程度に殖えております。それからこの入手状況につきましてここに挙つておりますが、特に関西の例をとりますと、一日から七日までの一週間におきましては三万五千七百トンばかりになつておりますから、約一日平均五千トンというものが入つておるのであります。併しながらこれは日によつて大分違いまして、例えばルース台風なんかの直後あたりは二千トン或いは二千五百トンというような日もあつたようでございますが、その前後等におきましては七千トンから八千トン近く入つております日も十月からずつと調べて見ますとございます。特にこの八日、九日、十日あたりでは五千六百トン、或いは四千三百トン、四千六百トン、五千トン前後入つておる状況でございますが、これには一部石炭のスト関係等も影響しておるのではないかと思つておりますが、大体その方面も解決され、又近く解決される向もあるようになつておりますので、今後は又昔に戻りまして七千トンから八千トン程度の入手が期待されるのではないかと考えておりますが、いずれにいたしましても最近の情勢は一時に比べますれば相当著しく改良されておると申上げて過言ではないかと考えております。
  88. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 本日の委員会はこの程度で散会したいと思います。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 散会の前に言だけ私重ねて通産省それから安定本部並びに公益事業委員会に要望いたしておきたいと思います。それは今度の告示内容で、あなたがたの御説明で明らかになりましたように、非常に千差万別の業態を持つております。この電気需用三つ段階に大分けにするということは、恐らく不可能に近いことも明らかになつておるわけであります。特に第三種の需用の中には経済産業政策上どうしても守らなければならないような軍要企業もたくさんに入つておることも明らかになりましたので、従つてそういうようなものが電力の不足の状態とは言いながら、それが直接の原因になりまして企業整備或いは工場閉鎖というようなところまで及ぶようなことになりますれば、これは由々しいことでありますから、従つてさようなことが起きないような善処が必要なわけでありまして、本日のお話によりますれば、さようなことについては万々善処する余地のあることが明らかになりましたので、いずれ具体的な問題については私たちも関心を寄せて参りたいと考えております。どうぞ公益事業委員会通商産業省並びに経済安定本部、共にこの問題については我々が非常に心配し、又解決のために非常な熱意を持つておりますことを御理解頂きまして、そうして善処せられんことを強く要望申上げておきます。それでは本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後四時二十九分散会