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1951-10-24 第12回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十四日(水曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事            石原幹市郎君            結城 安次君            小川 久義君            佐々木良作君            須藤 五郎君    委員            石坂 豊一君            岡田 信次君            小野 義夫君            加藤 武徳君            加賀  操君            高木 正夫君            田村 文吉君            稻垣平太郎君            境野 清雄君            櫻内 義雄君            東   隆君            水橋 藤作君   国務大臣    通商産業大臣  高橋龍太郎君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    公益事業委員会    事務総長    松田 太郎君    資源庁長官   始関 伊平君   事務局側    常任委員会専門    員       渡邊 一郎君   説明員    公益事業委員会    委員     松永安左エ門君    公益事業委員会    技術長     平井寛一郎君    公益事業委員会    需給課長    竹田 達夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (電力危機打開に関する、要望の  件)  (嘱力需給状況並びにその見通しに  関する件) ○本委員会の運営に関する件   —————————————
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今から電力委員会を開会いたします。  本日はかねて皆様の御了解を得ておきました通りに、第一には去る十月九日本委員会の総意を以ちまして電力危機打開に関する要望書吉田内閣総理大臣宛に提出をいたしたのであります。その内容は、九月以来の真勢調査の結果、現下電力危機我が国産業経済は申すに及ばず、国民生活に対して徹底的圧迫を加えることが明らかとなつた。そしてこの打開には一局部の努力では応急措置すら至難の状況にあることを憂慮するものである。よつて委員会は、政府公益事業委員会責任を明確にすると共に、緊急に美の措置をとられることを要望する。  一、下期電力用炭を緊急に確保すること。二、電力全国的相互融通を徹底すること。三、電力危機に対処する生産総合計画を樹立すること。四、賃金不払による労働不安に対し格段の措置をとること、という内容でございました。  従いまして只今から、岡崎官房長官のこれに対して政府の取られましたる措置について説明を伺いたいと思うものであります。
  3. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) この委員会申入れを受けまして、丁度政府としても同じような考えから対策研究しておつたので彫ります。そこで我々のほうの考えとしまして、これに皆含まれておるのでありましようが、石炭入手及び石炭に代るべき油の入手、それから石炭と言いましても、国内産の石炭及び輸入炭という点で一つ研究を進める。それから電力相互融通の点は、これは無論公益事業委員会の主管されるところでありますが、公益事業委員会と綿密な連絡をとつて相互融通をでき得る限り徹底的にやる。それから電力危機に対処する総合計画という点も、これは経済安定本部が中心になりまして、ずつと研究を進めて来ておるのであります。又賃金払等による労働不安、この問題については労働省が主として研究して参つておるのでありまして、丁度政府として考えるべき問題と思い、取上げておつたところと、殆んどこの申入れの一、二、三、四とも趣旨は一致しておつたのであります。そこで実際上どういうことになつたかという点につきましては、私よりもここに通産大臣もおられまするし、公益事業委員会委員長代理松永さんもおられますので、詳しく御説明なさることと考えますが、石炭につきましては、大体本年度の出炭目標が四千五百万トンでありますので、これをできるだけ間違いなく推進すると共に、そのうちの下半期の分として二千三百四十五万トンということになつておりますので、これを先ず確保する措置を講ずるというので、今実際上、業者方面とも連絡してやつております。そのほかに中小炭鉱について、でき得れば四十万トンばかり増産を図りたいというので、これについては資金融通等金融関係で相談をいたしてやつております。  それから輸入炭としましてはインド、アメリカカナダ等からでき得る限り電力用に振向け得るものを促進したい、目標は四十万トンと考えておりますが、これを是非輸入したいというので、これも各方面に当たつております。それから重油につきましては、これはすでに輸入することに決定いたしまして、これを石炭の代りに使いますると約十八万トンばかりの電力用石炭の節約ができる。こういう勘定をいたしております。そこで今一番努力いたしておりますのは無論輸入炭のこともありまするけれども、電力用石炭を約三百十二万トンと考えまして、これを今後石炭業界等連絡して、できるだけほかの産業のほうも節約してもらつて、これを入手したい。なお、ほかの産業方面からも余つているというわけではありませんが、余裕の、融通のつく限りは石炭電力用に振向けてもらおうというので、只今関係省斡旋をしてもらつております。これがどの程度になりますか、目標としては八、九十万トンと考えておりますが、只今斡旋中でありますので、その正確  なことはまだ申上げられないと思います。  それから電力全国的な相互融通につきましてはすでに公益事業委員会でかなり強く考えておられまして、無論この間、今までの融通契約などには拘束されないで、できるだけ各地域の電力制限率が均等になるような電力融通考えて、その方面で強力に融通を進めてもらいたいと思つておりますが、幸いにして公益事業委員会のほうも殆んど同意見のように考えております。電力会社からはいずれも責任ある重役を東京に常駐してもらうことにしまして、給電の連絡会議を開くことにいたしております。それでこの連絡会議でそのときどきの事態に応じて即刻にも融通の問題をきめて行く、これは無論公益事業委員会が主依となるのでありますが、こういうふうにやつております。  それから第三の電力危機に対処する生産総合計画、これは只今のところは、水力発電が二〇%渇水する場合を予想しまして、この前提の下に下半期における鉱工業生産見通しを算定いたしまして、今いろいろ計画を練つておりますので、この電力の足りなくなつた関係上、昭和七年——十一年を基準としました鉱工業生産指数については、上半期実績見込に対してはどうしてもこれは減少せざるを得ないと考えております。そして先ず二〇%ぐらい実績が減少するのではないかという考えの下に、いろいろの計画を立てておりますが、できるだけこの石炭等に向ける電力を合せまして、石炭増産することも必要でありますると同時に、化学肥料生産とか或いは陸上運送、それから水道ガス等公共事業に対しては優先的に電力を振向けなきやならん関係もありますので、そのためにいろいろ混乱が起ることを避けようとして、いろいろ融通を今立てております。同時に発電設備の修理とか、それから新らしい電源開発工事等で、これはまあ突貫工事と称する非常に急いでやる、このほうでもできるだけ補いをつけようということで、今努力をいたして始終数字等を選んで、檢討しております。  なお最後に、賃金払等に基く労働不安、これにどういう措置をするかという、こういうことでありましたが、これは主として労働省のほうで研究しておりますが、成るべく従来の労働時間を継続する。こういうことをいたさなきやなりません。これによつて生産が減るということと、労働者賃金が減るということを防がなきやなりませんのでありますから、休日等を振替えて、就業時間の変更をいたすことなどを考えて、できるだけ労働基準法の範囲内で弾力的にこの休日の振替、就業時間の変更等を図りたい、又図つております。それから同時に、この電休電力のために工場を休まなければならんということになりますと、これは勤労者のほうから言えば給料をよこせというのは当然でありましようが、今度は経営者のほうから申しますと、收入がないのでありまするから、実際上給料が払えないという事態の起るのはやむを得ないことでありますが、使用者側に対してもできるだけ政府としては話合をいたしまして、可能な限り協力して、労働者生活を保障するようにいたしております。ただその資金が足りないために給料も払えないというようなものに対しては、使用者のほうでありますが、何かの形で一つ資金融通して、この急場を凌ごう。こういうことで融資の方法只今考慮しておるような次第でありまして、全体から言いまして甚だ抽象的のようでありまするが、これは各省で実際まじめに取上げておりまして、私はただ概括的に申上げたに過ぎませんが、その結果、例えば関西方面関西電力に対する石炭等も、一時よりはよほど殖えて参りまして、貯炭もだんだん殖えつつあるような状況だと聞いております。尤もこの間の台風の結果、船に支障がありまして、一時石炭の輸送が困難になつたことはありまするが、もうすでにだんだん回復しておると聞いております。大体以上のようなことが政府対策であります。
  4. 小川久義

    小川久義君 官房長官から努力をされておるような様子だけは伺いましたが、問題は各省統一が欠けておるということが重大な原因だと思うのであります。官房長官の、各省に委してあるんだから、その部門々々で一生懸命やつておるはずだということでは、決して僕はよくならんと思います。各省統一を図る、それと同時に公益事業委員会統一の線に持つて行かなければならん、これが責任者である総理大臣の僕はなすべき仕事だと思う。官房長官お答えでは我々は満足できない。各省がやつておるから、各省にやらしておつたことが電力危機を招来したのであつて、特に関西の例を引きましても百十万トン分の発電能力があるにもかかわらず、十六、七万トン分しか電気を起しておらん。どうして起さんか。石炭が手に入らんからだ。その石炭を取扱う役所があるはずなんだ。その石炭を取扱う役所が実際の能力の五分の一か八分の一ほどしか石炭を用意しないのが関西電力の特に不足を来たした原因だと思う。そこで石炭のほうへ任しておくと、これ又困つたことになると思う。電力用石炭、そら出せ、こう言うと、過去の得意を断つても出さなきやならん恰好になる。そうなると汽車が動かたくなる。又他の産業もとまつて行く。こういう実態が起るので、その責任者である総理大臣各省統一して総合的な対策を立てて頂きたい。これが我々の申入れ根本である。ところが官房長官は、各省へ任した、てんでにやつておるのだ。これでは決して我々満足することはできない。特に又別の例を申上げますと、食糧不足から肥料増産が叫ばれておる。肥料には電力をやるという割当はできてお石。割当ができておるが、富山県に存在する化学肥料工場実績からすると、四三%ほどしか電力が行つておらん。これでは肥料増産はできつこない。肥料増産ができなければ、食糧不足も解決しない。そういう点で統一的に、総合的に責任者である総理大臣対策をお立てを願いたい。これが眼目なんだ。特に今のお答えでは電力も余計にならんと思う。今二〇%ぐらいだとおつしやいましたが、富山県では四〇%の電力さえ漸く供給されておる形である。御承知早場米も出し得ない。脱穀調製にはこれ又電力を当てこうであるが、実際は行つておらん。一日置きに電気がとまつてしまつておる。従つて早場米も出ない。米が出ないことになると八千三百万の全国民に影響することである。それを各省に任しておいたり、公益事業委員会に任しておることがいかんから、統一的に具体的な方策を立てて電力不足を解消してもらいたい。これが我々の先般の申入れをした根本である。今のお答えでは満足できないので、今まあ、それだけの手しか打つておいでにならなければ、現在まではやむを得んが将来そうする、又総合的に、各省責任者である総理大臣の命によつて動かして、この問題を解決するだけの運びを御心配願えるか願えないのか、その点を伺いたいと思う。
  5. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは私の御説明が十分でなかつたかも知れませんが、新聞にも出ておりましたから、御承知かと思いますが、この申入れを受ける前からやつてつたのですが、申入れを受けましてからも、数回に亘つて総理も出席して閣僚懇談会を開き、その閣僚懇談会には公益事業委員会から松本委員長等おいで願つて、その結果石炭はどういう措置をとる、電力融通にはどういうことをやる、総合計画はどうする、労働問題はどうするということの案を検討しまして、而もそれは一回でなく、数回開いた上で検討して、そこで石炭の係の省は石炭をこうやれ、融通のほうは公益事業委員会でこういうふうにやつてもらうというふうに、今度実施各省にそれを依頼して、そうして今やつておるわけです。その結果を私は総合的に申上げたのです。若し各省に任して、それで適当にやつてくれというのでは、私もここで今御説明するような材料も自分ではわからないわけです。これは決してすぐ各省にただやらしたのではなくして、内閣で総合的に各種の計画を立てて、その実施関係部門割当てて、今実施をしておる、こういうことでありまするから、きよう御承知を願いたいと思います。
  6. 小川久義

    小川久義君 それでは、その施策をやられた後どういうふうに好転しておるか、その実相をお伺いいたしたいと思います。
  7. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは、こちらの松永さんとか高橋通産大臣とがおられますから、そのほうが御説明は的確かと思いますが、例えば一例を挙げれば、先ほど申上げたように、関西電力入手する石炭は、我々の懇談会を行なつたあとにおいては漸次殖えて参りまして、一日七千トン、或る場合には九千トンというふうに殖えつつある。その結果、貯炭も非常に良好というほどには行きますまいが、とにかく貯炭も殖えつつある。こういうような状況であります。又電力融通につきましては、ここに松永委員長代理もおられますが、必要の場合には公益事業委員会でも融通命令も出すことをあえて辞さないというお考えのように聞いております。それからいわゆる突貫工事の点も、これはどれだけといつても、今どれだけと言うことはできませんけれども、でき得る限り資金を廻しまして、この年末までにも工事を完成し得るものは三月、四月に予定してあつたものも繰上げて、年末までに工事を上げて、それで冬の渇水に備えようというので、今極力努力してやりつつあるわけであります。その結果は恐らくもう一、ニカ月のうちに判明するだろうと考えております。
  8. 小川久義

    小川久義君 この際、特にお願いしたいと思いますが、これはお願いするのは筋違いかも知れませんが、公益事業委員会では八日、九日の委員会において均等に送電する、全国を均等化するというお約束があつたのです。未だそれが実施されておらん。特に先ほど申しました通り、四三・三しか行つておらんところもある。又六%行つておるところもある。これは均等でない、こういうお約束があるにもかかわらず、まだその実現ができておらない、こういう点に対しまして、勿論始終その責任者である総理大臣がこれは強力な監督権を発動してもらわんと、うまく行かんのではないか。先ほど官房長官の御説明で、或る程度納得行きましたが、その御計画を立てて、各省に任せても又困る。その後の実態がどうなつておるか、これは間断なくその指導監督を強化してもらわなければならない、その点をお願いしておきたいと思います。
  9. 須藤五郎

    須藤五郎君 今、突貫工事の話が出ましたのでお伺いしますが、私たち日本電力不足は、新らしい施設をして行く以外に途はないと考えて、又公益委員会などは新らしい施設をするということを公約して、それによつて電力危機を解決できるというふうに話していらつしやる。私たちもそれに希望を持つていたのですが、たまたま昨日の本会議におきまして、池田蔵相がこういうことを発言していらつしやる。先ず電力の新らしい工事を起すのは、外資を導入しなければならないじやないか、それに外資は入つていないじやないかという意見が、木村君からかと思うのですが出たように思うのです。それに対しまして池田蔵相は、外資が入らんとか何とかおつしやるが、今外資が入つても、日本には工事をするセメントがないじやないか、外資が入つたつて工事ができないではないかという捨てぜりふをなさつたように思うのです。そうなると私たちは新らしい、新規工事をやれる、やることによつてこんな電力危機打開できるというふうに理解していたのが、外資が入つても、金があつてセメントがないから工事ができないという蔵相捨てぜりふならば、これはもう問題にならない。いつまでたつて電力危機が続くというふうに理解せざるを得ないのですが、その点事実上どうなのですか伺いたい。それからセメントの問題が出ましたから通産大臣に伺いたいのですが、今日日本国内におけるセメントの一年の生産高はどれだけあるのか、そして国内においてどれだけ消費されておるのか、この点を伺いたい。通産大臣及び官房長官、又公益委員のかたにこの点伺つておきたいと思うのです。
  10. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 池田大蔵大臣の言つたことの尻ぬぐいをする(笑声)私は適任じやないのですが、恐らく大蔵大臣も何と言いますか、その時のやりとりの関係言つた点もあるだろうと思うのでありますが、(「無責任だ」と呼ぶ者あり)新聞にも伝えられているように、大蔵大臣は大まじめに、何か公社でも作つて大いに電源開発をするために金を回わしたいというふうにさえ考えておるのでありまするから、決して電源開発ないがしろにしておるというようなことではないのであります。それはもう政府の一貫した方針です。ただ恐らくアメリカ・ドルを持つて来ても、それで買うセメントがなけりやできないじやないか、そこでむしろ国内セメントとかスチール、鋼材とかそういうものを先ず入手して来る。それで以つて進んで行く。そのお考えのほうに、電力開発のほうにセメント鋼材が要つて、その結果輸出のほうが少くなつて、外貨が足りない場合に外資が入つて来れば補いになるんだ、こういうような意味の説明じやなかつたかと思うのです。まあ、要するに結論としては、政府電源開発を決してないがしろにしておるのではなく、むしろこれを相当大きな政策として取上げて、今進みつつあるというだけは私ははつきり申上げられると思うのです。
  11. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 官房長官は衆議院のほうへ出席される都合上、時間が大変制約されておられるようでありますから、通産大臣並びに公益委員長代理のほうの質問は後ほどに讓つて頂きまして、主として岡崎官房長官への質問を完に終つて頂きたいと思います。
  12. 須藤五郎

    須藤五郎君 池田放言の尻ぬぐいを官房長官がなさつたような形になると思うのであり奏すが、私は昨日議席で附いて、あの答弁は穏当でないと思うのであります。ああいう言い方は、むしろそれならば国内におけるセメント生産高を増すという方法を考慮するのが、政府責任者の立場であつて、幾らしようと思つたつて外資が幾ら入つて日本にはセメントがないからああいう工事はできないじやないかという、ああいう態度は実にふてくされた、責任ある者の答弁とは考えられないのです。ああいうものの考え方で、今日政治がなされるならば今後といえども電力不足というものは一向に解決されない、又今日そういう無責任政治がなされているから電力危機が来ておるのではないか。私は昨日の池田蔵相言葉からそういうことを非常に強く感じたのです。ですからそういう点について政府として大いに責任を感じて頂きたい。そして電力危機打開するためにあらゆる知識を集結して、これを解決して頂きたい、そういうようにお願いしたい。
  13. 佐々木良作

    佐々木良作君 具体的な内容になりますと、恐らく安本長官、それから通産大臣等所管になるかも知れませんけれども、或いは又公益事業委員会所管になるかも知れませんが、おのおの一つずつ行きよると、責任がどこへ行くかわからんようになりますから、政府を代表する……そういうような基本的な考え方官房長官に一二だけお伺いして置きたいと思います。第一点は、御承知のようにこの冬の電力不足の問題についていろいろと対策考えられておることは承知しております。併しながら少し専門的に見るならば、大体これは冬の見当というものはついておるものだと思うのであります。電力生産についての冬の見当はついておらなければなりません。これに対して恐らく政府として一番頭の痛むものは、鉱工業生産一般公共事業及び農業を含めたいわゆる民生から御説明しなければ、今ここに正確用電力との調整の問題だと思います。そこで第一に鉱業工業生産指数から見て、今年の夏頃までと、それから冬頃になればどういうカーヴを画くだろうかということを、お考えになつておられるだろうか。恐らく見当付けておられるだろうと思いますがその場合に、冬の頃の電力原因になつてぐつと下つて来ると思います。そうすると電力原因になつて下つて行つたがために、その鉱工業生産指数伸びというものは、ご承知のように昨年からいろいろな恰好で言われておりますが、最近の言葉で言うと、日米経済協力という面が非常に大きくクローズ・アツプされて、それが鉱工業生産伸びになつて来たと思います。現在冬についての一番大きな問題は、鉱工業生産指数が下がつて来る。これは日米経済協力の初めから画かれておつた問題に相当大きなひびが入つて来つつあるということだろうと思います。これをどういうふうに考えておるか。その場合にそれであるならば現在冬について電力配給重点産業といいますか、日米経済協力に合するものといいますか、そういうふうな電力配給をされようという動き一つある。併しこの動きをすると、現在の日本民生のほうの中小企業農業一般民生関係のやつが非常に惡い状態になる、恐らく生きられない状態になつて来る。その辺の調整を基本的にはどう考えておるか、政府部内でいろいろ話されているだろうと思いますが、大体出ておる基本的な考え方だけお示し願いたい。
  14. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは詳細なことは今言われたように安本長官等からご説明しなければ、今ここに正確数字も持合せておりませんから、極く御注文のように抽象的になるかも知れませんが、大体私どもまだわかりませんけれども、鉱工業生産指数上半期に比べて二〇%くらいは落ちるであろうということを考えております。そこで物資によつては相当需給が逼迫するものもあるであろうという予想もいたしております。ただ日米経済協力と言われておりますものは、私の考えではまだ本格的には動いておらないと思つております。今までの朝鮮問題に関係する特需的なものが主たるものだと思つております。そこでこの方面につきまして一般鉱工業生産指数が二〇%に仮に下る、これは何%になるかわかりませんが、仮に下るとすればその割合において下ることは止むを得んことであると、こう思つております。その半面に電気だとかガス電気で動いておる鉄道ですね、そのほうの電気、つまり陸運のほうの電気、それからガスとか水道とか、こういうユーテイリテイ関係のほう、これは若し二〇%一般鉱工業が下つても、それと同程度に下げるわけには行かない。だから早く言えば優先的には公営、公共事業と言いますか、ユーテイリテイのほうに電力を向けることもこれは止むを得ない、こう考えております。そのあとはいろいろの生産がありますが、どれにプライオリテイを向けるかという問題になる、今のところはまだそう詳細なものはできておらんと思いますが、少くとも肥料に対してプライオリテイを與えるべきであるというふうに考えております。そしていわゆる日米経済協力と申しますか、或いは特需とか新特需とか言われておりますが、このほうは電力による生産減少が多少あつても、これはどうも止むる得ないだろう、こういうふうに一応考えておりますが、或いは私の考えは甚だ正確でないかも知れません。安本長官に問合せ、更に訂正することがあるかも知れません。一応はそういうふうに考えております。
  15. 佐々木良作

    佐々木良作君 まあ大体の考え方はわかつたようなわからないようなことですけれども、大体の考え方は或る程度感じられたわけですが、私の言いましたのは電気の問題が小さい電気の枠の中だけに入つておるものだから、現在のような問題も出て来たし、そしてその影響が余りにも広汎に今出て来つつある、従いまして今の鉱工業生産指数の問題を申上げましたのは、それは今別な意味で審議されつつあるところの例えば講和條約であるとか、或いは又安保條約であるとか、或る意味での裏付けにもなるような問題を含んでおると思うのです。今の日米経済協力が具体的には進んでおらないとまだ言われますけれども、それは新特需の形で来ようと、どういう形で来ようが、実際に出て来ておる形ははつきりしております。御承知のように今鉱工業生産指数伸びと言いますか、機械、金属、化学、これで殆んど占めておりますし、その辺から見ましても大体見当が付いておるのです。同時に又国内関係について見ますというと、中小企業を中心とするもの、農業を中心とするものに対する打撃は非常に大きな問題になつておる。それだのに電気を掌るほうは公益事業委員会が中心になりまして、料金の値上げにしましても、或いは電力配給にしましても殆んど政府といわば没交渉、最近におきまして懇談会くらいのものは開かれたと聞きますけれども、実際に夏以前においては没交渉であつて、外交問題にも、それから日本の経済自立の問題にも、或いは国内治安から国内民生、すべての問題に関連するものが非常に特別な形で以て、非常に間口狭く行われておるところに一つの大きな問題がある。ここまで出て来てしまつたことは仕方がないと言いましても、その影響が極めて大きいから、その辺を端的に政府ではつきりとその様相をタツチされまして、そうして政府が一本になつてこの問題に対処されるように、特に私は要望したかつたから今の問題を申上げたわけであります。鉱工業生産指数の問題も、それから中小企業等の問題も先ほどの委員長から言われましたところの、我々の委員会から要請しました四項目に具体化しておると思いますから、どうか余り時間もなさそうですからこの辺で打切りますが、政府が抱括的にこの電力問題を中心に扱われて、他のいろいろな関連する政策に大きな間違いのないように十分気をつけてもらいたいと思います。
  16. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 委員長からちよつと一点お伺いいたしたいのでありますが、先ほどの内閣でお取りになつておりまする電力対策のためのしばしばの閣僚懇談会というような程度のものでなくして、もう少し常設的な電力対策の然るべき総合機関を内閣に設けられまして、電力危機対策或いは電源開発対策等を直接おやりになる、こういうようなお考え只今のところおありでないでございましようか。
  17. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 委員長お答えする前に、只今のお話は一々御尤もで私略同感でございます。電力の問題はこういうふうになりますと、非常に大きな国内の各国民全部に対する問題でありますから、我々も決してここで一時逃れをして逃げて行くつもりはありません。まじめに研究してできるだけのことは、とても私どもは今完璧を期するとか何とか、石炭を確保するとか、そういう大きなことは言い得ないと思いますが、現状においてできるだけの、不足ながらもできるだけの手を打つということだけはいたすつもりでおります。  なお委員長の御質問でありますが、我々は只今の機構においてはこれはまあ将来の政策問題は別としまして、只今の機構におきましては、政令によりまして公益事業委員会というものができておりまして、公益事業委員会委員としては、総理大臣が最も信頼してこれならば大丈夫であるというかたがたをお願いしておるのであります。この公益事業委員会を表面に立てまして、そうしてこの公益事業委員会で必要とするならば各般の助力は政府各省においていたして、これで電力危機を乗り切れるか、乗り切れないかはわかりませんが、できるだけ努力をいたしてみよう、こういう考えでおるわけであります。そのために、先ほどは公益事業委員会は今までまるで政府と没交渉だと言われましたが、ここにおる松田事務総長等もしばしば次官会議にも出席されまして、いろいろ説明もされておるし、又我々のほうでもその前からいろいろ相談して、安本長官を通じて公益事業委員会のほうに連絡をいたしたこともしばしばありまして、公益事業委員会政府の他の部分とは非常に密接に連絡してやつておるのであります。只今公益事業委員会という機構がある限りにおきましては、我々は公益事業委員をできるだけ立てまして、この委員のかたがたの努力によつて物を解決して行きたい。そうして例えば電力について通産大臣のほうでやり得ることはできるだけやる。又労働問題のほうで労働省でやらなければならんことは、これはもうあらゆることをやるが、常に公益事業委員会連絡をとつて公益事業委員会としてはこの電力問題を専門にやつておられますが、今は国内の各般の問題にこれが連絡して来ておりますから、そこで政府も一体となりましてこの各般の実際の問題を片付けて、そうして公益事業委員会の仕事のやりいいように行こう、こういうつもりでおりまして、松永委員長代理もここにおられますが、松本委員長その他各委員とは密接に連絡してやつておるのであります。只今のところ別の機構を考えてもやはり屋上屋を架するようなことになつてしまいやしないか、こうも考えておるのであります。尤も将来どういうことでやつたらよろしいかという政策的の問題になりますると、これはいろいろ問題もあると思います。政府としてもいろいろ研究はいたしておりまするが、少なくとも只今公益事業委員会のある限りは、政府はこれにあらゆる力を加えて解決できるだけは解決して行く、こういう考えで進んでおるのであります。
  18. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この問題はまだほかの問題もありまするが、大変お忙しいようでありますから他日に譲ることにいたします。  政府への申入れ要望に関する件につきまして、通産大臣並びに公益事業委員長代理に対して御質問をお願いいたします。その前に須藤君のセメントに関する御質問、それから外資導入に対する公益委員会の御意見を伺います。
  19. 高橋龍太郎

    ○国務大臣(高橋龍太郎君) セメント生産計画は二十六年度は六百六十万トンになつております。国内消費を優先にして、おりますので輸出は相当ありますけれども、輸出は抑えております。それで国内需要はバランスがとれておるようであります。これは私の考えでは只見川とか何とかいう非常に大きな電力開発に対しては、これは相当セメントが要るわけであります。併しああいうものは着手いたしましても直ぐそのときからセメントが多量に要るということはないのでありますから、これは増産計画をしてタイ・アップして行く、又セメント増産には石炭も必要であるし、電力も必要でありますが相当の何はできると思います。それから例えば水源の開発にいたしましても、大きな只見川などの開発というようなことも将来のことを考えるならば必要でありますが、現状からいいますというと、もつと小さなもので直ぐ一年とか一年半で発電ができるようなものを着手することが非常に重要であると思うのであります。それらに対する資材は間に合つておると思います。
  20. 須藤五郎

    須藤五郎君 私が伺つておる点は、勿論小さいところもやる必要がありますし、それから大きいところもやつて行かなければならんと思いますが、小さいところをやつて行くセメントは十分確保してあるが、大きいところはまだそこまでセメントにおいて余裕がないという御意見ならば、幾ら金が来ても唯力事情というものは解決されないという結論が出て来ると思うのです。昨日の大蔵大臣の話ですと、外資が幾ら来てもそれに使うセメントがないじやないか、セメントがないから駄目だということになるのじやないかと思います。それでは、公益事業委員会の開発計画と非常に翻瀦を来たす。それならもう最初から電力問題というものは御破算にして考えて行かなければならんじやないか。それですから、今現在日本でどれだけセメントが使われておるか伺いますと、六百六十万トンというお話ですが、電力関係にどれだけ使われ、そして外国にどれだけセメントが輸出されておるか。若し国内で非常に重要な電気、すべての産業関係のある電気が足りないとき、それまでも、その発電所を起すセメントまでも外国に送らなければならないのかどうか。やはり私どもの考えでは、先ず日本の発電所を作るためにそのセメントを使わなければならんと思います。そうでなければ日本産業というものは線に乗つて来ないというふうに考えるのですが、そういうことまでもして外国に出さなければならんものかどうか。そういうことを伺つておるわけで、どれだけ外国に輸出されておるか。それから今後大きな発電所を作る見込みは全然立たないものかどうか、そういうことを私は伺いたいわけなんです。
  21. 高橋龍太郎

    ○国務大臣(高橋龍太郎君) セメント国内消費の区分は今私御答弁できませんが、無論只今幾らかの数量を輸出しておりますのは、国内の消費で余つて来るものを輸出しておるものです。国内需要が殖えればそういうものは無論やめます。そういう増産を図り、又現在この大きな只見川などの開発の計画なども私まだ細かなプランを承知しておりませんけれども、果して何年後にどれくらいそのためにセメントが必要であるかということは承知しておりませんが、これは今から増産計画を立てて行けば十分間に合わして行けるだろうと思います。今の外資の点についてはそれだけにしてお許しを願つて、池田君の尻ぬぐいはもう官房長官がやりましたので、私は御勘弁願います。
  22. 須藤五郎

    須藤五郎君 通産大臣に対する質問はこれで終りたいと思います。松永委員長代理にこれに対する公益委員会の立場から御意見を承わつておきたいと思います。
  23. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) 須藤君のお尋はセメントの問題でございますか。
  24. 須藤五郎

    須藤五郎君 いや、大蔵大臣が昨日外資が入つて来てもセメントがないから開発ができないではないか。外資が入らんということに対する質問に対して、外資がたとえ入つて来てもセメントがないからできないじやないか。外資の問題はやかましく言うなというような態度なんです。それに対して公益事業委員会では、外資が入つて来るという建前で開発ができるという建前を今日までとつて来られた、大蔵大臣はそういう答弁をしておられます。公益委員会はこれに対してどういうお考えを持つておるかということを伺いたい。
  25. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) 昨日のことはよくわからないのでありますけれども、セメントの問題についてちよつと感じを申上げますると、只今通産大臣からお話があつたのですが、今のところ大概普通の我々の会社でやつておるのでは間に合うつもりであります。それから同じく通産大臣のお話のように、これから素晴らしく大きなものをやるのにセメントがどうなるか、或いはその時分にセメント国内の他の需要の増加はどうなるか云々ということについて、電力側だけで申上げますれば、やはり私ども事業者をお世話しておる関係上、幾らかセメント見通しをつけてその設計に当りまして、成るべくセメントを少く使うような方法をとるとか何とかいうことをして、大きな只見川などは目下OCIあたりで研究してくれておりますので、着手時分に国内セメントが間に合わんということはないようにしたいものだと  それから次に外資導入についてこれも大蔵大臣がどうお話になつたか、そのことに関係なく公益委員会として外資導入はどう考えているかということにつきましては、未だ何ら見当はついておりません。私のほうの伊藤委員が、目下アメリカ公益事業委員会の運営について、アメリカでほうぼうを見学しておりまするが、又新らしい発電工事等も見て廻つております。その間外資についてもいろいろ話を聞いているようでありまするが、未だ講和條約の批准もない前に電力に大きな資本が入るということは少し困難である。併し必ずしも将来失望すべきものじやないと思う。今具体的にそのお話をする資格を持つて自分は向うに出向いていないし、又公益委員の出先の者などがさようなことを話すことは、その時期もよろしきを得ていないものと思うので、さようなことは手控えしているということを申して参つております。そんなことでありまして外資については大きな希望は持つておりまするけれども、只今いつ頃できるか、どのくらいできるかというふうなことまで申上げることはできない段階であります。
  26. 須藤五郎

    須藤五郎君 私たちが分割の当初から、伺つていることを常識的に判断して、もう外資は必ず入つてくるという前提の下に皆さんの計画が立てられていたように思うのです。私たちはその外資が必ず入つてくるという皆さんの計画に対して非常に危惧の念を持つて、恐らくそういうふうには外資はなかなか入つて来ないだろうという意見を持つておりましたが、今日の状態では皆さんも外資も必ず入つて来るという自身はなくしていらつしやつて、そういう御希望に過ぎないように承わるわけなんですが、そうしますと公益委員会計画というものが根本的に齟齬を来たしているというふうに断定していいのではないかと思うのです。なお通産大臣もおつしやつているように大きな発電所を起すのにはセメント不足だが、小さいところの需要だけは満たすことができるというご意見ですが、今日計画をしていらつしやる只見川の発電所などはこういう状態では事実不可能ではないだろうか、そういうふうな心配が起るわけです。そうしますと小さなところは五千や一万くらいのところがそこらに五つ、六つできたつて、これはもうしようがない、やはり大きいところができて、初めて日本電力事情というものは解決されると思うのですが、その大きいところはできる見通しはないというふうに私たちはもう皆さんの発言の中から理解せざるを得ないわけですが、そういうふうに理解して差支えないですかどうですか、通産大臣にも責任のあることを聞いておきたいのです。そうでないと、我々がこれから電力問題に対していろいろ論議する根拠というものがぐらついて来たのでは、どうにもならんというふうに思いますので、松永公益委員の御答弁通産大臣の御意見を、もう一遍はつきり伺つておきたい。
  27. 高橋龍太郎

    ○国務大臣(高橋龍太郎君) 今のセメントの何で、私の発言が或いは徹底しなかつたかと思われるのですが、今のお話を聞くと、この中では只見川のようなあるいは熊野川のような大きな企業をやるのである。これは設計によつてそのセメントの量も非常に違つて来るわけですけれども、これは必要があれば別にセメント工場をこしらえるのですから、事業ではですね、現在のことは、それによつて新しいセメント増産計画を立てるとか、それが相待つて勧めて行くことができると私は思う。そういう意味になるので、現在のところでは小さな何は間に合うけれども、大きなほうの何が果してどういう設計でどういう数量が、これも初年度から要るものではありません。十年とか十五年の間に要るわけなのですから、そういう計画を、設計を私承知しませんから、それに対してはどうするがいいかという意見はまだ私持つていないわけです。そういう意味であります。   —————————————
  28. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 政府への申入れ要望書に関する質疑はこの辺で打切りまして、次に電力需給の現状と今後の見通しにつきまして、公益委員会説明を求めたいと存じまするが、御異議、ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 説明を聞く前に、ちよつと委員会の意向をあらかじめお伝えを申上げておきます。電力の二十六年度の見通し需給見通しにつきましては、すでに年次計画で私どもは承知をいたしておるのであります。併し電力危機が今日のように逼迫して参りまして、而もその状態は来年の三月までは継続されるものと一応見ざるを得ないような状況にあるわけであります。そこですでに私どもが承知をしております年次計画においては、例えば川の出水量等は八カ年の平均水量がとられておる。又石炭は年計画六百五十万トンが予定をせられておるのであります。こういう前提になりました基礎数字が非常に崩れておりますと、又需要の増加も著しく計画と乱れて、計画を上廻つております等の事柄を考慮せられまして、実際に出水の本当の見通し石炭の実際の見通し等を基礎にいたしましたいわゆる年次計画の修正案のような形におきましての説明を求めたいのでありますから、あらかじめ御了承を願いたいと思います。
  30. 小川久義

    小川久義君 その先にお伺いしたいのですが、曾つての当委員会におきまして、佐々木委員の百質問に対してのお答えでは、松永さんは電力を均等化するということをお約束になつたはずであります。我々政府に対して申入れをした要項の中にも入つてつたはずであります。然るに今日頂きました資料を見ますと、一つも均等化されていない、十九日からという資料でありますが、週二日休んでおるところ、三日休んでおるところ、月に二日しか休まんところ、まちまちである。先日お約束全国電気を均等化するということがどうなつたのか、その点お伺いしたい。
  31. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) 委員長のお話を聞きまして、申上げたいと思うておりましたが、只今小川さんからの御質問はこの前から継続してお持ちのようであります。取りあえず小川さんの全国均等化云々についてお答えをいたしたいと思います。その問題につきましては申上げましたように、できるだけの方法をとり、処置をとつて参りました。その間例の台風が起りましたので、この非常時は一時緩和されました。その後種々の雨の降る地帶ができ、或いは相変らず降らない地帶がありますが、その頃申上げたような状態より相当大きな変化が台風によつてつて参りました。併し委員会考えまするところは、この台風の結果、猪苗代、或いは関西方面においては三浦の貯水池などが十分な貯水を蓄えることができなかつた事情に鑑みまして、再び非常時の状態に陷るということを考慮いたしましたのと、その後石炭入手状態に鑑みて非常時的のことは相当今後もあるものであるという想定の下に、各会社の均等化、即ち融通調整ということについて各社にそれぞれこちらから案を出しまして検討を続けてもらいました。事実どの社からどれだけのものが出せるものか、或いはどれだけの石炭を焚いてどこに賄うことができるものであるか、そこは石炭を焚く余裕があるのかないのか、石炭入手状態がどうなつておるか。石油を使う場合にそのバーナーの設備はいつ頃間に合うものであるか、それから貯水池にどのくらいの水が溜つた時分にはどうすべきであるかということについて、各社に命じ、公益委員会みずからも研究をいたしまして、取とあえずこれについて一定の案を得ましたので、四五日前にその案を各社に検討を命じました。その案に基いて非常措置をとるべく協議をしたのであります、で協議しました結果、お手許に差出しておりまする「非常事態における地帯間融通措置について」ということについて細かい御説明を申さずに、今小川さんのお話の要点に触れて申上げて見たいと思います。この均等化、調整というのは技術的に或る程度まではやれまするが、或る程度以上は或いは時間のズレが起り、或いは指令が行き違つたりすることが起りますると、單に申合せ或いは一片の命令だけではいわゆる均等化ということの目的を達することは困難でありまするがため、旧来日本の発送電が持つておりました中央令部、これは一会社でやつてつた仕事でありまするが、全国に亘つて毎日、昨日の状況によつて、あの方面石炭をやめてよろしい、この方面石炭を焚け、この方面は貯水池に水を溜めてよろしいということを、前日の結果によつて翌日指令しておりました組織がありましたので、それを只今つておりまする各社の連絡協議会という方面に中央事務局を置きまして、そうしてこれに絶大な権限を各社が委任して、そうしてその任命された委員長、事務長は、相当話合いの範囲において、昔の日発が一社の命令を下したごとき命令を下し得られるということをやつて見たい。併しこれは一面から言うと、非常な政府の強力な干渉となるようなことがあるから、どうぞ誤解のないように、決して干渉とかというものではなくて、地帯間の融通を円満ならしめるためには、技術的にも時間的にも強力な調整機関が要るのであるから、各自の任意の話合いによつてその司令部というものが権力化することを諸君が認めてやるならば、必ずしもこのことは行われぬことはないであろう。これよりほかに今思いつく手もないから、世間の要望というものは非常に地帯間融通調整について非常な要望が強いのであるから、曲げて同意をしてもらいたいというのでありまして、漸く一昨晩遅く各社の首脳部のお集りを願い、そうしてその中央連絡委員のおかたも一緒にお願いして、昨日を以て委員会と各社中央連絡協議会及び首脳部間の打合せが済みまして、本日から実行されておりますのは、その話合いに基く機関の活動が始まつたわけであります。これは長く雨が降り、或いは石炭も十分になつた場合にはどういたしますか。いつまでもかようなことを民間独自の立場でやつておられるものに向つて強制処分というものを長く続けて置くことの利害も考えにやなりませんので、暫らくこの状態が続く間は一カ月でもニカ月でもこの処置を続ける。それがうまく行かない、或いは故意に背反する会社があるならば、公共事業令によりまして相当処罰をするまでに決心をいたしておるような次第であります。これで一応できるだけのことをやつてみたいと思いますが、暫らく成績をお待ちを願いたい。
  32. 小川久義

    小川久義君 どうもなかなか実行されそうにないのであります。ただ簡単にわかり易く北陸の例をとつてみたいと思いますが、北陸は御承知通り初めから條件が一番悪い。一々やつてみて、石炭を焚けとか焚くなとか、あつちの電気をこつちへ送れということが実施されているとすれば、最初から一番悪い北陸を悪いままにして放つておくのが均等かということがわからない。これは如何にこの委員会の席上で委員長代理がおつしやつても本気でおやりでないというより仕方ないと思う。台風で大変化があつたと言われましたが、北陸へ台風が行つた時分は雨が殆んどなかつたのであります。北陸にはあの風が通つただけであつて、出水は依然として不足しておる。電力事情が極端に悪い。先ほど官房長官のとき申上げたように、化学肥料生産工場でさえ四三%しか行つておらん。こういうことを長期に亘つてつて置くことがどうして均等なのか。なぜ北陸だけをこういう継子扱いにされておるか。いつも第九位の、一番電力事情が悪い数字にいつでも出ておる。而も過去においては全国電力の一番豊富な県であつた。ああいう気候風土の悪い所へ工場ができたのは、電力が豊富であつたからできたのであつて、そのくらい、全国工場が集まつて来るほどに魅力が豊富であつた。それを我々の反対を押し切つて、政令なんかでこういう九分割、聞くところによると、委員長代理の案は元のこの案だつたという話もあるが、いずれにしてもそういう無理なことをやつて、そのために惡くなつた。それをそのまま何十日も何カ月間もうつちやつておいて、そうして電力の均等化をやる、融通をするから、もう暫らく我慢してくれ。どこに我慢する余地があるか。最初から一番悪い状態はわかり切つておる。特に小さい火力の発電所があるが、それは動いておらん。一つも動いておらん。そうして委員会の席上だけでは一生懸命均等化をやつたというが、納得が行かない。北陸の例をとりますが、この北陸の地帯だけはなぜこういう扱い方になつておるのか。電力はないとは言わせない。富山県の電気関西に行つておる、あるはずだ。これはなぜこういうふうになつておるのか。一日や二日でなしに、先ほど申上げたように最初から電力の事情が惡くなつてから以来、最下位にある。これはどうしてこうなつておるのか。将来どうされるお考えか、これを承わりたい。
  33. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) 北陸の事情については小川さんのお話の通りであります。その点につきましては、できるだけ北陸の会社は十分注意しておられたのでありまするが、大体においてもう四五年以来北陸の設備がお話の通りに多少少くなつておるということは、再編成当時にすでに明らかでありましたがために、又その当時すでに大阪に電力を送つた北陸で、さかさまに大阪の火力の補助を受けて電力を使つておられたというとも事実でありまするので、特に北陸の渇水そのほかの場合は、できるだけ大阪をして融通せしめるように、融通契約並びに融通契約の強化ということについて公益事業委員会においても十分盡力しておつたのでありますが、如何せん、関西石炭事情というものは意外に逼迫しました。殊に雨の状態が今回の台風にしても九州、四国、中国等は相当な雨量を見たのでありましたけれども、これ又小川君のお話の通りに北陸並びに関東の奥地、東北の奥地は雨量が少かつた、偏頗な状態になつておりまするので、相当その線のでこぼこが出ておりますけれども、今お話の通りに非常な不満足のことは誠に公益事業委員会としても申訳ないと思つておりますが、先刻申上げましたのは、その線について強く指導をいたしておるつもりでありまするが、殊に東北に送り得られる現状においては、大阪の石炭入手状態が近来余ほどよくなつて参りましたから、この融通命令が発動いたしますことが完全に行きますれば、東北の事情は改善されるものと思つておりまするから、暫らく御辛抱願いたいと思います。
  34. 小川久義

    小川久義君 暫らく暫らくと何カ月も放つておいて、又暫らくというのはどうも合点が行かない。特に出水量から見ても足らんことはわかり切つておる。で四五日前に実行に移された、案を立てて実行に移されたと先ほど言われましたが、その実行に移された昨日、今日はどういう状態になつておるか、お知らせ願いたいと思います。
  35. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) 私はこの提出しましたものは、四五日前にこの状態の強力化及び中央指令の状態を各社主脳部と協議しまして、漸く昨日委員会におきましても各社の協議がまとまつたこととして今日から実行されることになつておりますという事情を、再び繰返して申上げます。
  36. 小川久義

    小川久義君 明日早速、今日の実情をお知らせ願いたい。
  37. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 小川君の御意見はもう八月から強く述べられておるのですが、北陸がどうしてもポケツトになつておりまして、いつも電力割当量が少い。従つて今後北陸だけが不当に低い割当になるようなことは断然避けてもらつて、平均並みに是非とも保持せられる約束が願えるかどうかということを言つておられると思うのでありまして、その点を一つ委員長代理から明確に答えておいて頂きたい。
  38. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) そのことにつきまして応急措置のことは、取りあえず大阪の石炭手当が十分になりまして、そうしてこの中央指令が発動しますならば、これまでよりも均等化を強めるということを申上げて一つの御返事を終つておきます。第二の只今委員長から御述べになつておりました何だか東北だけが……、    〔小川久義君「北陸々々」と述ぶ〕  一つのポケットみたいになつてこれをいつまでも云々ということはないように感ずるが、これについてはどうかということにつきましては、東北電力責任者であります山田昌作君が、この問題についてはすでに再編成以来非常な強い熱意を持つて公益事業委員会の助力を求めた、資金面においても工事面においても、ともかく水力を早く発生せねばいかんというお話で、すでに一カ月前から工事の著手を奨励し、早くできるようにしてもらつております。最近は又、神通川上流におきまして、暇がいつてはいかんというので五万キロばかりの発電所、三万キロばかりの発電所、而もこれは貯水池の仕事を急速にやつてもらうように……恐らくは二年何カ月の間にはできる、而も一部分は一年余りで電力ができるような方法をとつて目下水力の方面で進んでおります。でありまするから、このポケツトはどこもありまするけれども、北陸に対する問題だけはさような手当を急いでおりまする点をどうぞ御了承願つて、山田北陸社長も非常に盡力いたしておりまするから、その点その誠意と盡力は私も認め且つ非常に援助いたしております。どうぞさように御了承願います。
  39. 小川久義

    小川久義君 どうも松永委員の話では、もう二年ほど待つておれというお話ですが、二年も三年も待たれやせぬ、一日も待たれぬと地元じや騒いでおるのです。先ほどの、今日から実施に移されております成績如何によつてもつと公平な取扱をしてもらいたい、これを特にお願いして置きたいと思います。これがずつと続くなら我々も覚悟せんければならん。まあこの間の話では送電線をぶち切つてしまうというような熱血漢もあるそうですが……、まあ電気がないわけではありませんから、あの電気は一方を切りさえすれば、一方さえ切つて一方へ流せば流れるのですから、監獄に行く覚悟で電線をぶち切ろうという勇敢な県民のあることを肝に銘じておいてもらつて、善処をお願いしたいと思います。
  40. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは公益委員会から電力需給の現状並びに今後の見通しにつきまして御説明を求めます。
  41. 佐々木良作

    佐々木良作君 説明に関してちよつと要望があるのですが、説明される場合にこういう点をちよつと注意して言つて頂きたいと思うのです。今北陸の事情の、融通したらうまく行くというので、ともかくやれという話の中で、松永委員長代理電気がたくさん殖え月から十一月ぐらいの計画を見ましても大体十五万四、五千から九千というふうな、こういう計画になつておるらしいのですが、今のような要望、つまり均等化の要望と、そいつがどれくらい今の下半期計画書では具体化して均等化しつつあるか。できんものはできんと、はつきりそいつを説明の中に加えながら言つて頂きたいと思います。要望だけです。
  42. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつとお諮りいたします。本日提出された資料は内容が非常に多岐に亘つておりますので、これを一括して説明を求めましてから、あとで質疑をいたすのでは問題を明瞭にさせ得な、点もできるのではないかと思いますので、一つずつ説明を求めまして、そしてお気付きのところをすぐ質問願う、こういう工合にいたしたいと思いますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それはこちらから説明を求める内容を申上げますから、それに従つて行われたいと思います。  電力の供給力につきまして説明を求めます。私は問題をかように分けたのでありまして、資料が必ずしもそういう工合になつておりませんから、それは適宜に御説明願います。電力の供給力に関係する資料がここに何枚もありますので、それを総合して御説明をお願いしたいと、こう申上げて置きます。
  44. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) これは如何でございましようか、上期の供給力と需給を先にやらして頂いて、それから下期の供給力と需給見通しというふうに上期、下期に分けて頂いたほうが資料の都合もいいのですが。
  45. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それじやそれで結構です。
  46. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 大分たくさん資料がございますが、先ずこういうふうな部厚い書類になつておるものがございます。一つは「昭和二十六年度上期発受電計画及び実績対照表」、もう一つは表紙は付いておりませんが、こういうふうに大きく拡げられるような折たたみになつておりますもので、やはり「昭和二十六年第一四半期無制限需用電力計画値と使用実績比較表」というのが出ておりますが、先ずこれにつきまして上半期計画実績との推移を御説明いたしたいと思います。私も只今出て来ましたもので、ちよつとまごつくかわりませんが、発受電計画実績との対照表は建前といたしましては、この註にございまするように、先ず第一はごこにありまする計画と申しまするのは、上期の毎月の実施計画数字をとつたのでございます。年初の当初計画よりは上半期におきましては電力量の割当量も殖やす等のいろいろな措置をいたしておりますので、発受電計画実施の線と、その実績と比較したほうが事実に近いと思いまして、計画数字実績とを比較いたしたものでございます。数字は毎月の数字が、丁度四月から九月までのものと、それから第一四半期及び第二四半期の締めが出ております。便宜上四月、五月の欄を省略しまして、六月の次に第一四半期計という欄がございますが、全国で申上げますると、その右の下のほうにございまするように発電端の供給力は計画といたしましてはこの第一四半期全体では九十七億五千二百万キロワット・アワーの計画でありましたのが、実績では百九億八百万キロワット・アワーで計画に対して一一二%の発電実績を示しておるということになつております。この内訳を御覧になりますると、水力が計画より九%上廻り、火力は二四%上廻つて、おる、受電のほうもおおむね二倍近くになつておる、こういうような状態であります。なお石炭の消費量も第一四半期通算いたしましたものが実施計画より更に三四%上廻つておるというふうな形になつております。同じくそれから三枚ほど飛ばしますと、四枚目でございます、第二四半期の計が出ておりまするが、この第二四半期は御承知のように八月から九月にかけましての渇水の状態に入つた期をも含んだ期の通算なんでありますが、月別の内訳は別といたしまして、発電端の供給力は計画に対して一〇五%になつております、これは特に七月において非常な豊水が続きましたことが大きく影響を及ぼしておるのでありますが、又火力のほうもやはり石炭事情の苦しい中で計画より一〇六%を焚いております。石炭の消費量においては二二%になつておりまするが、火力の発電量がその割に伸びておりませんのは、若干炭質の低下が現われた結果であると思われます。以上にいたしまして上半期を通算いたしまして最後の頁にございまするように、供給力は水力で計画より上半期通算で七%上廻り、火力は十三%上廻つておる、受電も六一%上廻つておる。それは委託発電その他を増加いたしました関係がここに出ておるのであります。けだし石炭の消費量においては一二七%、二割七分上廻つた消費量になつております。数字等説明は省略させて頂きます。  それからこの供給力に対すべき需用の内訳でございまするが、次にもう一つのほうの表紙の付いておりません、拡げる表になつておりますもので申上げます。これも四月、五月、六月と毎月ございますから、それを飛ばしまして四枚目の第一四半期の締めたところで御説明申上げますると、左のほうに需用部門別の内約が、例えば電灯、電力それぞれ細かく内訳が書いてございます、それから電灯、電力のそれぞれの計の欄、それから特別大口、合計、更に下に特殊電力というふうに分けまして、各種の需用部門に関しましての計画実績とを対比いたしております。この場合におきましても、この計画と申しまするのは年度初めの当初計画ではございませんので、毎月実際豊水地帶によつて割当量を増強いたしましたような事情もございまするので、その実際の割当をした上に、只今計画数字実績とを比較したわけなのであります。ずつと右のほうに全国の欄がございまするが、計画実績の比が電灯の、これはそれぞれの内訳はずつと見て頂くとわかるのでありますが、電灯の計の欄におきまして、第一四半期通算は計画より更に五%電灯の需用は伸びておるのであります。それから電力三千キロワット・アワー以下のところなのでありますが、電力の締めにおきましても九%計画より上廻つた成績が出ております。更にその一行飛ばしました下に特別大口三千キロワット・アワー以上の大口需用におきましても、計画より四%上廻つたという実績になつております。常時供給力全体で一〇六%であり、更に特殊を加えました総供給実績といたしまして、計画よりは一〇%上廻つたという形になつております。地区別の内訳で見ますと、第一四半期におきましてはいずれの地域も計画より上廻つた傾向を辿つておるのでありますが、その次に七月、八月の数字がございます。この次の頁に七月がございまするし、最後の頁に八月がございます。これらの一々の説明は省略いたしまするが、例えば相当渇水に入り始めました八月の、最後の頁の欄を御覧頂きましても、電灯はこの八月においても計画より三%上廻り、電力は八%上廻つておる。それから特別大口も七%上廻つておる、全体の平均は特殊電力まで入れましてやはり八房上廻つたというふうな形になつておりまして、地域別に見ますると、東北が若干計画より下廻つておる傾向が強く出ておるのでありまするが、その他の地域におきましては部門別には多少下つておるものもございまするが、大体の今の大きな締めにおきましては、おおむね計画よりも上廻つたような結果になつておるのであります。九月の数字はこういう資料の集計の事務の関係上、本日までに間に合いませんでしたので、ここには載せてございません。  それから下半期の予想の部分でありまするが……。
  47. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと上半期の分ですね、これについて御不審の点がありましたならば御質問を願います。
  48. 佐々木良作

    佐々木良作君 この計画というのは誰が立てた計画ですか。どこできめた計画ですか。
  49. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) ここに申しまする計画と申しまするのは、いわゆる全く野放しの需用という意味ではないのでございまして、年度初めから若干供給力の苦しさをも予想いたしておりましたので、供給力の限度において割当をして行くという、この割当をした場合には当然割当に対して若干の超過電力量も業種等によつては出るわけでありますから、そうした一応割当実施した上において現われるであろう需用を、ここには委員会において規定したものであります。
  50. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 技術長にちよつとお尋ねしますが、そうしますとこの実施計画は、青本の計画とはどういうことになりますか。
  51. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 青本の当初計画よりは若干上廻つております。と申しまするのは、青本の当初計画割当よりは、例えば四、五、六等の月におきましては追加割当をいたしております。割当を増加いたしております。そういう事情もありまして、その増加割当をした実際の割当数字の上に立つて予想される電力量を計画数字といたしたわけであります。
  52. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) もう一度重ねて伺いますが、追加割当を行いますと、実施計画が青本の計画よりも上廻ることができるということはですね、発電力というものは追加割当によつて調整が……ふくらましも可能であるということを意味するわけですか。
  53. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) そういう意味ではないのでございます。特に第四半期において追加割当を事実上いたしましたのは全く豊水地帯という上に立つての追加と申しますか、増加割当をしたわけであります。年初の割当から毎四半期のそうして最終割当をする、その最終割当の段階において豊水地帯という上から増加割当をしてみたわけでございます。そういう意味ではないのでございます。
  54. 佐々木良作

    佐々木良作君 この計画の今の技術的な構成はわかりましたが、一体この石炭計画、或いはつまり石炭官庁及び電力会社に対して、公益事業委員会がこういうふうな電気を出せと、つまり責任追及、或いは目標として出させられる数字とはどういう関係になるわけですか……。重ねて申上げますが、この計画通り数字が出ればいいということではないでしよう。上半期におきましても異常渇水であるとか何とかでとにかく電気が足らないということになつて来る。現に関西の会社なんか随分叱られた。石炭官庁に対して公益事業委員会からいろいろな話をされた。その際これは何が基準になつてどれだけの電力を出せばいいということでそういう話が出たのですか、それの計画はないでしようか。みんな計画より上廻つておるなら不足ということはないじやないですか。
  55. 結城安次

    ○結城安次君 ちよつとそれに関連して伺いたいのですが、この計画量というものは、それだけならば普通の料金で行く。若し、実際は殖えておるのですが、計画量と実際の量との差額は超過料金になりますか。
  56. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) この年初において計画を立てましたときには、石炭はこれだけ使つたらいいのだというふうな意味で立てたかという御質問であつたのだと思いまするが、そうではないのでありまして、水力の供給力につきましては、年初の場合には一応平水という前提で立てております。  それから火力におきましても、冬場に最大能力を発揮し得るように、豊水期間を通じての修繕計画を立てまして、その計画の上において毎月動員し得る火力発電力というものを考えまして、そしてそうした水、火力の併用によつて、火力の設備が大体引受けられるであろう火力の発電電力量というものを算出いたしまして、そうしてこれだけの供給力は先ず出るであろうと、そういう予想を立てたときの石炭の消費量をここで立てたものでありまして、実際には例えば豊水になれば火力は、若し需用が同じであれば、豊水であればそれだけ火力が減るし、豊水でなければそれだけむしろ火力の発電量は殖えるわけなんでありまするが、これはそういう意味で火力の発電量及び石炭量を算出しただけでありまして、実際に発電量が殖えれば……、これは電気事業者の努力によつてできるだけ、勿論火力を焚いてでも送らなければならない、これが一つの建前になつておるわけであります。
  57. 結城安次

    ○結城安次君 私の伺つたのはそうじやないのです。つまり計画量というものは、或る程度リザーブしてそれを全部ほうぼうへ割当てたのじやないのですか。そうすれば需用がそれより多い場合は、つまり使つた人はそれだけ超過料金を出すのだが、つまり計画量と実際の需用量との差額が超過料金になりますかということです。
  58. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 計画に上廻つたものにつきましては、常時需用が計画以上にかかつたものと、それから特殊或いはその他の臨時電力としてかかるものとが当然あるわけでありまして、豊水であります場合にはその相当の量はむしろ特殊な契約をしております需用面に流れて行くわけであります。それから常時電力電力量が殖えましたものは、おつしやるように予定以上にかかつたものはおおむね超過料金率によるものではないかと考えるのであります。併しこの場合でも電力量を使わない、一ぱいよう使わないような産業もやはりたくさんあるのでありまして、それらのものはやはり委員会の計算の中のときにはその実績をやはり取つておりますから、或る程度上廻つても、必ずしも超過料金を払わないで済むものもあるわけであります。
  59. 小川久義

    小川久義君 計画より上廻つたということは、どうも悲しむべきことだと僕は思う。初めの計画通りつて、水を貯めておけば、下半期電力不足は来なんだかも知れん。如何にもこれは無計画な使いようをしておるのじやないかと思いますのですが、上廻つただけ下半期に水が足りなくなつた下半期電力不足した、どうもこれは無謀のように思うのです。これはどうですか。
  60. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 御質問の点で、若し川の水を十分に貯溜しておいてそうして流すという建前であつたものが、計画以上に発電に動員せられたというならばおつしやる通りなんでありますが、大多数の発電施設は水路式或いは調整式でありまして、流れて来たものを機械的に貯めても、これを渇水に備えるために貯めておくというものは少いのであります。従いまして上半期四月、五月は確かに豊水であつた。六月はむしろ足らないくらいで、七月は又豊水になつたのでありますが、そうした豊水の時期においては予定以上に水力が出ましたから、それだけは供給力は確かに殖えたのであります。需用が思つたより以上に上つて来て、それは朝鮮事変等の影響が大きく響いておると思うのでありますが、思つた以上に各方面の需用が殖えて来たのがそういう意味で幸いに賄われたのであります。或いは石炭とかいろいろな面から見まして、もつと石炭を焚くのを抑えて、そうして水だけで賄つておいて、その石炭を積んでおけばよかつたのじやないかということは、それは言えるかと思うのでありますが、委員会といたしましては、設備が許す限りできるだけ供給を続けて行く、又それに必要なる石炭は是非共電力の面に確保して行かなければならないという線で、できるだけ供給の万全を期したいという線でおりますので、四、五、六の候において石炭の消費を抑えておいて下半期に備えるという手は確かに打たなかつたわけなんです。その証拠にあれだけ豊水でありましたのにもかかわりませず需用は更に上廻つておりますから、豊水ならば石炭は普通では減るわけです。豊水でありながら而も石炭の消費量は上半期を通じて四十万トン上廻つておる。そういうところにその結果が現われており、そうしてそれは八月頃からぼつぼつ始まり、全国的には九月に入つて拡がり山したのでありますが、あの長い間の渇水のために供給力の不足という現象が非常に深刻に現われたのでありますが、これも全然無計画で来たというわけでもないのでありまして、おおむね八、九月の頃には例年台風が数回訪れるのであります。そうしてこれらは六百ミリとか或いは千ミリ以上の雨を、年間の相当量の雨をこの二月の間に降らして行くはずなんでありますが、今年は実に数十年来の、長いこと台風が来なかつたのでありますが、辛うじて十月十五日に来ましたときに、その雨が風を持つて来て、西のほうに少し雨を降らしましたが、あとは普通の小雨程度にしか効果がなかつたような非常に苦しい状態でありましたために、普通ならば貯水池の春場の水を貯めて夏の渇水までにおおむね或る程度使つて、そうして秋口の台風でもう一遍それを一ぱい貯めてから冬に備える、これが一つの定石であつて、何十年来の来なかつた場合を予想して夏場の貯水の水を使わないというような安全第一主義でやつて行くことができなかつた、この需給状況下において普通の年度の通りのような貯水池の使い方をいたしましたのは、これは無計画というべきじやないのであります。もう降るかもう降るかという期待にもかかわらず、いつまでも降らないために、或る程度を起えて貯水池の水を結果的に使わざるを得なかつたという結果がこうさしたのでありまして、これは誠に天候のせいというか、人力を以てしては如何ともし得ないところまで本年度は大きく来たというところに誠にこういう苦しい結果が出たというふうに御了解頂きたいと思います。
  61. 佐々木良作

    佐々木良作君 技術長なら技術的に説明されるのが当り前かも知れませんけれども、そういう設備その他を技術的に動員可能な力一ぱいやつた。今ここの上半期の話を聞いているのは、実績計画とから睨み合して行つて、この冬場の冬期のための対策を立てるための材料として話を聞いているわけです。そこで今下期のことじやなくて、上期の、八月か九月におきましても電気が非常に足らなくて、それがためにいろいろな問題が起きておつたことは御承知通りなんです。その原因として説明されておつたのは、異常渇水であり石炭がうまく入らなかつたから電気かうまく行かなかつたのだということになつておる。そうしてこの計画実績とを比べてみますというと、両方とも皆計画を上廻つて水が出ておる、電気が出ておる。要するに水と石炭責任を帰せしめて、これらの問題を言つているのだが、一体八月、九月電気が足りなかつたというのは、何を基準にして言つているのか。あなたのところではいろいろのことをやられておつたと思うのでありまして、それで以てやれるだけのことをやつたというのならば別にどうということはない。計画以上にできているのだからなぜああいう不時の……而も一時的な臨時的な電力危機というふうに説明されておつたところの八月、九月の原因は何だ、それをお聞きしているのです。
  62. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今のところは重要なところでして、皆さんも御覧願いたいのですが、二十六年度上期発受電計画及び実績対照表というのです。それの六ページ、七ページを御覧願いますと、佐々木君が今指摘されましたように、八月におきましては水力の計画実績はB/Aが一〇三%に殖えているわけです。それから火力の炭のほうは一二八%焚いているわけであります。九月のほうは若干減つておりますけれども、それは水が減つた、我我が承知している程度の減り方ではない、九三%、それから炭のほうは一三〇%焚いております。而も佐々木君の発言を補足をいたしますならば、この計画というものは、先ほど技術長説明されたように青本の計画は、九カ年の平均水量を基にして出された計画でやるはずです。その計画に追加割当を含めた計画であるというのですから、九カ年の計画よりも更に大きい計画で、その計画よりもなお上廻つたり足りないのはほんの僅かだというのはどういうわけかという質問だと思いますから、さように一つ答弁を願います。
  63. 佐々木良作

    佐々木良作君 今の委員長説明でなお補足されたと思いますけれども、計画以上に電気が出ておつて足りなかつたら今一番どこに……、形式的責任を追及する意味じやないのだけれども、計画以上出して足らんという、どこに尻を持つて行けばいいのかという話を聞きたいのです。冬の計画を立てる場合に、計画以上に出ておつて、現実に石炭庁なり会社なり責任を追及されているのじやないですか。何を基準にどこの個所をつつけばいいのかということなんです。私はこれは技術的な説明じやないと思うのです。技術的というよりも、もつと本質的な話をしてもらいたい。
  64. 高木正夫

    ○高木正夫君 先ほどからいろいろ、お話を承わつておりますと、計画というものがどうもはつきりしないように思うのです。大体計画というのは、諸般の事情を勘案しまして、大体発電能力というものに基礎をおいて行われていると思うのであります。私どもの知りたいのは、需用に対する計画と、計画の中に需用というものを織込んだ考え方で進んでいるかどうか、そこが一番知りたいわけなんであります。実績と需用とのその数字の比較を知りたいと思うのであります。そこに触れてないからどうしても話がわからんように思うのであります。計画を立てるために一般の需用というものとの比較を一つわかりやすく表にして頂きたいと思うのであります。
  65. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) この年度初めに需用を想定いたしますときには、当然これは平年度における供給力より上廻つた需用をその当時すでに予想されたのであります。併しながらもう手放しにというわけに行かないものですから、供給を大体平年における供給力一ぱいに需用を一応想定して、そうして割当という形によつてこれを調節する行き方をとつたのであります。併し実際に出ましたのは、それにもかかわらず、それは結局標準料金と超過料金との組合せの調節によつてつたのでありますけれども、結果はぐんぐんと需用が伸びて行つた上半期のおおむね七月、八月頃までの間はかなり豊水の月が続いたので、そういう面で相当助かつたことと、石炭電気業者の努力によつて予想以上に焚いてもらつたのとで八月ぐらいまではおおむね賄つた、併し八月頃から九月にかけましては、川の水がぐんぐん減つてつた、それがためにそういうふうな需用の上廻つたものを賄い得ない段階に入つて来たのであります。例えば先ほど御質問がありましたが、九月の場合において水力の利用率が計画に対して九三%、普通の九月の渇水の予想とはどうも違うのじやないかという御質問があつたのでありまするが、こういうような点につきましても、この数字だけ見ると本当に違つているのであります。八割前後の出水であつたと予想されてあつた九月が九〇%からの程度にまで行つているのは何か、当然御質問になると思うのでありますが、この一部分は御承知のように水力発電所は冬場に全設備が動員せられるように、豊水期においてはおおむね水路その他発電所をとめて、修理する計画を持つているのであります。相当の計画を持つているのであります。今年度も昨年度の実績よりは少し下廻つた程度でありますけれども、その修理計画をそういう予想をしている、そうして供給力を弾いておつたわけであります。ところがロードは多い、それから水はどんどん減つて来るというので、そういつた停止計画の延ばし得るものはどんどん延ばして動員をする。それから深夜の負荷が重いものですから、自然深夜の無効放流分も予想以上に水が使えるような部分が出る。又ロードを深夜に移行することを奨励したものですから、そういう面で利用し得られるのじやないかと思つて電力の深夜利用できるようにいたした。そういうような形の水力の利用率の向上ということについて相当な成果を挙げたことがその大きな要素をなしておるわけであります。それから貯水池が水が少いものですから、現実には何とかして供給を繋いでおいて、九月になつたら台風が来るのじやないかというような気持もあつて、やはり多少無理をして貯水池を使い果したというのも、特に九月あたりの分については相当入つておるのであります。
  66. 佐々木良作

    佐々木良作君 一生懸命説明しておりますけれども、そんなことを聞いているのじやない。水の使い方を聞いているのじやなくて、実績計画との関係を聞いているのであります。今平井さんの言われたような技術的なことはよく知つているのであります。技術士のことを聞いているのじやなくて、実績計画との関係を聞いているのです。現に公益委員会で当初から、我々のところでは六百何十万トン石炭が必要だというのに石炭を出さなかつた、川の水が足らんから電気が出ないとか、来るべき台風が来ないから、雨が降らなくて電気が足らなかつたというふうな責任回避されているのじやないか。而も計画以上に電力は出ていることにたつている。一体そういう石炭はどこから出て来て、何を基準にしてそういうことになつておるのか。電力飢饉、電力不足のこの基準は一体どこにあるのか、何を基準にして電気が足らないのか、余るのかと言つているのか、その基準を出してくれというのです。それでなきや計画にならん。
  67. 松田太郎

    政府委員(松田太郎君) それでは私から一応お答えいたしますが、御満足な回答にならんかも知れませんが、只今のお話の、一応計画或いは実績というものが、需用に対してこの計画を立てておるのか。又需用との関係においてこの実績というものが上廻つておるのかどうかという点から申上げますというと、申上げるまでもなく率直に申上げまして、最近における需用増というものに対応しての供給力というものはできてないわけであります。これは電源開発関係、いろいろな点がございましようが、率直に申しまして今日の供給力に対して需用は非常に上廻つておる。然らばこの計画はどういう意味で立てたか。先ほどどなたかお話の通り需用というものを十分に考えてこの計画を立てたかと申しますと、それは勿論この需用も殖えておるが、供給力につきましても年を追つてだんだでとは殖えております。併し需要増の割合に供給の殖え方は殖えておりません。従つて結局委員会といたしましても、できるだけの供給力を殖やして行く、それにはどういう方法があるかという点については只今技術長から申上げましたようないろいろな技術的の面から見て、今年度はどの程度の供給力ができるか、又それを各四半期又は各月に分けて考えれば、どの程度の供給力ができるかということを考えて、そうしてこの計画というものを立てたわけであります。ところが実際問題としましては、先ほど申しますように需用が非常に多いのでありますから、従つてその供給力を立てましたうちにおきましても、いわゆるこの割当制度の問題もございます。それから又割当以上に使つた場合には火力料金の問題もある。従つて需要家の中には更に火力料金を十分使つても、欲しいだけの電力を取られたところもあると思いますし、それから又割当量だけで辛抱せられたところがあるのでありましようし、又火力料金を使つて自分たちのほうの需用を満たしたいけれども、火力料金を余り払つたのでは採算がつかんという意味で結局使わないところもあると思います。従つてこの実績は今申しましたような意味から計画よりは上廻つておりますけれども、本来の需用という点から見ればこれは下廻つているところが相当あると思う。そういう意味で先ほどお話のような八月とか何かの場合には、この数字から見ますというと、計画が上廻つているように見えますけれども、併し本来の需用というものは遥かに大きいのであつて、又この計画というものが今の需用にぴつたり合う意味での計画では、ございませんから、そういうことになつて来ると思うのであります。  それから先ほどお話の、然らばこの六百五十万トンという石炭はどういうことで要求しているのだという点も同じ結論に達するのでありまして、今技術長から申しましたような意味で年間の供給力というものをいろいろな意味でできるだけフルに働かす、又働かし得るというためには本年度どれだけの炭が要るかということで、六百五十万トンなら六百五十万トンという炭を計算した、こういう簡單に申上げますれば考え方であります。
  68. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 今の説明では私はわかりません。それは火力料金と標準料金とに関係のないことでありまして、わからない。それでもう一度直接の担当官である武田需給課長が見えておられますから、武田需給部長からこれは細かくご説明を願いたいと思います。  それでその場合に附加えておきますが、ここに挙げられておる計画というのは、所要電力量を何%制限することを前提にしてこの計画というものができておるか、そこを明らかにしてもらえれば、今のことはわかると思います。これが野放し送電の計画量であるのか、或いはもうこの計画というものがすでに何形かの制限を加味してできておる計画であるのか、その数字を明らかにして頂ければ、このB/Aという数字は私ども了解ができると思います。そこを明らかにして頂きたいと思います。
  69. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 公益委員会で出しております需給計画の性格に関することだと思うのでありますが、公益委員会で出しております需給計画は、最近の電力需用の実態並びに供給の実績、更にあらゆる統制が廃止されまして、電力のほうにおきましても成るべく統制を緩和して行くという、需給調整を料金の作用によりまして図るということが、一番最近の経済の進んでおります状況に即応しておるのではないか、こういうところから現在追加料金制度という制度がございまして、このノーマルな状態におきましては追加料金制度によりまして、いわゆる火力料金制度でございますが、火力料金制度によりまして電気事業者は火力を焚いて供給することは経理的に損にならない。更に需用家におかれましては、火力料金を払つて使うには非常に多くのものを使うわけには行かない。こういう点からいたしまして、結果的に需要の抑制が図られる。こういうところにこの火力料金制度というものが現在あるわけでございまして、この火力料金制度を前提といたしまして現実に料金割当というものがございますので、この料金の割当をどういうふうにするかという意味におきまして需給計画が策定されておるわけでございます。この需給計画におきましては、火力料金の負担分を成るべく少くいたしまして、標準料金分を成るべく多く欲しいというのが需用家の皆様方の御見解でありますし、電気事業といたしましては、これは成るべく標準料金のところで安定した供給を図るというふうにすることが建前ではございますけれども、何分にも出水状況によりまして供給力に変動があるわけでございます。片方需用のほうにも景気の変動によりまして需用のほうの変動があるわけでございますので、この間電気事業におきましては、最悪の場合におきましても経理的に傷手を受けないで供給できる数字を標準料金分といたしまして計上いたしまして、ノーマルな状態におきまして需用は火力料金でどの程度殖えるかという想定を過去の実績からいたしまして、この標準料金分と火力料金分の需用とを併せましたものが電気事業者の供給力のマキシマムになるような、予定調和を狙うというところにこの需給計画を立てました趣旨があるわけでございます。従いましてこの予定調和は需用の側の変動によりまして、火力料金の中に非常に変動があるわけでございますが、これは最悪の場合には別途法的に使つていけないという制限をかけられても結構だから、成るべく標準料金分のものを多くして欲しいというこういうふうな要望も相当容れまして需給計画を立てております。  この需給計画は需用に合つておると申しますよりも、供給力の最大限を最近におきましては出すことが、これが一番電気事業としての使命ではないか。更に供給力の最大限を出す際に、火力料金と標準料金の妙味によりまして、法的制限をしないような建前で行きたい、こういうところ炉ら需給計画考えてあるわけでございます。従いましてこれは供給力の最大限と申しますと、水力のほうは出水率を、貯水池によりましても、これは一応自然現象できまつて参りますので、他はこの火力をどういうふうに入れるかという、火力発電を年間におきましてフルに動かす、而もそのフルに動かすに当りまして、出水は冬期におきまして下るわけでございますので、渇水期におきまして火力発電をフルに入れるという考え方からいたしまして、火力の補修計画も絡み合わせたものを一応この公益委員会のほうで計画として立てたわけでございます。これを立てました際に、需用のほうが火力料金という高い料金にもかかわらず伸びて参りますと、この需給計画は破綻するであろうということは当初予定したわけでございます。併しこの火力料金制度によりましてオートマティックに需給調整できるということになりますと、火力料金の中が非常に大きくなりまして、電気料金の非常な値上げということにもなるわけでございますので、そこのところは成るべく火力料金の適用の中を小さくいたしまして、而もオートマテイックに需給調整ができるというような割当てをすべきではないか。この割当のためにはどういうふうな計画を策定したほうがよろしかろうかということからこの計画を立てたわけでございまして、これが最近における朝鮮動乱以降におきましては、非常にこの需用が伸びて参りまして、上半期におきましては只今お話がございましたように、火力料金その他によりますところのロードが非常に多くなつて参りましたので、結果的に電気事業者のほうにおきましては火力は多く出ました。その上更に石炭計画を六百三十万トンの年間計画よりも多く使つて霊地に立向つたわけでございます。これが計画に対する実績の差違でございます。現在は嚴格な意味におきますところの統制経済と申しまするか、計画経済はないわけでございまして、その火力料金によりますところの需用の伸びは、これは事業者のほうにおきまして先ず自家発電をいたしますし、更にそれで応じられませんときには自家発の委託発電をいたしまして、そうして経理的には電気事業は超過料金で需用が伸びて来ますことは差支えないわけでございますので、それでこの経済的な裏付けによりまして電気事業の出力を最大限に出させる、こういうような結果に相成つたわけでございます。  この需用はどういうふうにして然らば需用想定をしたかと申しますると、これは昨年の実績からいたしまして、昨年の実績伸びましたカーブによりまして大体本年も伸びるであろうという需用でございますので、これはいわゆる企業家のほうにおかれましてこれだけ欲しいのだ、こう言われた需用ではないわけでございます。こういうような需用を、一応使つていけないという法的制限はないわけでございますので、そういう意味の野放し需用と申しますか、実績から見ましてステツドルに伸びて行くであろう需用を一応野放し需用というふうに考えておるわけでございます。
  70. 佐々木良作

    佐々木良作君 今の竹田さんの説明によりますというと、今の電力不足に対処するに如何にして電力をうまく配給したらいいかということは、そうすると料金の調節でやる、而も料金調節はおのおのの会社の収支を最悪の状態にさせない範囲内で料金調節をやることによつて、今の電力問題をどうやらともかくうまく行くといつたような状態であるということが前提になつていますか。
  71. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) これはそれを理想といたしますけれども、需用の状況、更に出水率の状況によりまして一は、この理想といたします状態より外れて参りますので、その際には法的制限を別途せざるを得ない、こういう建前で需給調整規則では法的制限の條項しよう。こういうことが理想だのべつたくれだのいいますけれども、それを第一やれるかやれないか。それからもう一つ伺いますが、そういうことであるならば、なお更送られなくなつて来るのだ。一体今の電力不足、或いは八、九だけでもいいですが、上期の八、九の電力不足をこれまで何回聞いて見たところで、公益事業委員会から出るところの不足原因は、石炭と水とが足りないのだというところにすべてして行つておるはずです。計画よりもみんな出ておるじやないか、一体何に対して、何を標準にされて、石炭がないからこれは一時的現象だと言い得るのか、はつきり説明してもらおう。
  72. 小野義夫

    ○小野義夫君 関連して、不足々々といいますが、これはこういう表があるというと説明は非常に簡単に行くと思うのです。要するにこの計画電力というものはいろいろなことを加味して先ず合理的にできておるものと了解しますが、併し各社における、各電力会社の需用表というものが出てない。そこも加えられておるわけでございます。
  73. 佐々木良作

    佐々木良作君 この上半期、特に七、八、九、その辺から関西の問題が、そういう電力料金の問題どころのものでなくて、もつと本質的な問題から問題が出ておることはあなたはよく御承知のはずです。而もあの場合にあなたが恐らく中心になつて関西電力会社いじめをやつたはずであります。私は知つておる。その場合にずつと六、七、八と水がよく、火力も予定計画より余計焚いておるじやないか、このほうから会社は破綻することになるじやないですか。而もその間におきまして電力料金の調節で以て今の需給調整をから、需用表と実際に送つたものとの差がかくのごとく大きかつた、こういう数字を示せば、これは今の佐々木君の説明にもぴつたり来るので、その原因はどこにあるか。それは水がなかつた、或いは石炭がなかつたということに結論がなるかも知れないけれども、この表を以て我々の計画はもう完全に各社ともやつたということの説明にはなるかも知れませんけれども、実際問題として起つておるところの七月、八月、九月の状態をこの表で説明しようとすることは不可能のことであると思いますから、別途に表を作成されて、そうして実際のその原因の何たるを問わず、いわゆる各社に要求しておるところの需用と、そうして供給量のその表を一つ対照して見たらどうでしよう。
  74. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 現在の建前で申しますると、電力の供給力がフルに出されております際に、一方において制限をしなければならない、こういうことは遺憾ながら認めざるを得ない実情にあるわけでございます。八月の末から九月にかけまして出水が急角度に下つて参りまして、その際に火力発電がそのときにおきましてフルに運転が可能であるということになりますならば、これは需用家に納得して頂ける、こういうふうに考えるわけでございます。然らば電気事業者のほうにおきましては、そのフルに運転をいたします、換えて申しますると、公益委員会で出しました火力の計画以上に火力発電を出し得るかどうかという問題につきましては、火力料金制度の建前によりまして、炭代は一応調達できる建前になつておるわけでございます。従いまして八月末から九月にかけましての急角度の出水減の際におきまして、火力と貯水によりまして出し得る最大限を出し得た場合において法的なる制限を我々としては考えて行きたい。この法的制限と申しまするのは、使つていけないという法的制限でございますが、この制限を発動して行きたい。その場合に、法的制限を発動いたします場合には、これは成るほど石炭の獲得も容易でございませんので、石炭の獲得がむずかしいというところから、この火力発喧のキャパシティがフル運転しないことは何としても残念であると、こういうような考え方を今までとつてつたわけでございます。で、この考え方只今のお話にございましたように貯炭を食い込んだ、或いは所要の貯炭がその前に食われていたためにここに穴があいたということは、これはあつたわけでございますが、その際に石炭につきましてこれは厳格な意味の統制がとられておらないわけでございますので、電気事業者におかれては、一応火力料金制度によりまして石炭実費というものは料金の形において収入できる建前でございますので、その際に一応行けるところまで火力のフルキヤパシテイを出してもらう。更にこれのために必要である石炭につきましては、電気事業者の一段の努力をまあ期待すると、こういうような形で参つたのでございまして、それが実際にそれで行きましても、この需用に十分マッチする、いわゆる火力料金制度だけによりまして需給をバランスさせることができたかどうかという問題につきましては、遺憾ながら経済界の好況その他によりまして困難であつたかと思いまするけれども、そういう先ず第一段の努力をいたしまして、キヤパシテイ一ぱいの出力を出す。そのあとにおきまして法的制限を発動したいと、更にその際におきましても法的制限は非常にむずかしい問題でございますので、これはロードの側と供給力の関係とにおきましてむずかしいものでございますので、これを余り十分に安全度をとりまして法的制限をいたしますときは、供給力の出方並びにロードの調整におきまして非常な不合理も起らないとも限りませんので、緩かなる法的制限によりまして、或る意味の電気事業者と需用家の話合いによつてつて行きたいという段階で九月を過したわけでございます。
  75. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) どうですか。只今の問題、佐々木君に相談いたしますがね、これは聞いてもわからんので、もう少し完全に了解のできる資料を次の委員会までに正確作つて出してもらいたい。それは私どものこの委員会には、相当むずかしい資料かも知れませんけれども、理解し得る能力を私どもこの委員会は持つていると思いますから、それを是非とも一つ出して頂きたい。そういうことで以て一つこの辺で打切りたいと思いますが、如何ですか。
  76. 佐々木良作

    佐々木良作君 問題はあとの資料を出されて検討するということになりますが、僕は竹田需給課長一つだけ聞いておきたい。一体今の八月、九月に限定してもいいのですが、電力不足というのは何が原因ですか。
  77. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) これは根本的には需用の増加でございます。それに加えまして……。(「それでわからない」と呼ぶ者あり)
  78. 佐々木良作

    佐々木良作君 要するにこれで以てすると、需用がよく伸び過ぎたということが今の八、九月の電力不足の最大の原因だということですね。それならば聞いておきたいのは、公益事業委員会としてはこの需用の伸びを全然想定されていなかつたのか、考えられていなかつたのか、どの程度までの需用の伸びを大体考えておつたのか。それによつて今のこの電力不足が非常に一時的なものなのか、そうでなくて相当の恒久的なものなのかによつて分れて来る。それによつて対策が違つて来る。責任の回避じやなくて、はつきり言つてもらいたい。
  79. 小野義夫

    ○小野義夫君 ちよつと……、質問がよくおわかりになつていないようだから……。
  80. 佐々木良作

    佐々木良作君 要するに、今の担当官としてはつきりして頂きたいのです。今度の電力不足原因を直ぐに水だとか石炭だとばつかり言われますが、それも一応の原因でしよう。併しながらずつと聞けば聞くほど、一番大きな原因になつているのは需用の非常な伸びだということを今肯定されておる。需用の大きな伸びだとすれば、この需用の伸びということを、電力計画考えられる場合に公益事業委員会として対策なしにこれに入られたか。それであるならばここで私は本当ならば責任追及に行くわけですが打切りますけれども、そこが中心ならば余り県やほかの官庁に責任をなすりつけて行くと、本格的な電力対策ができない。今一時的な、ただ雨が降らなかつたというならば、これは来年になれば解消する。そうでなくて本格的な問題であるならば、本質的の方策を考えなければならん。そこに問題があるからはつきりしておかなければならん。今のいろいろの質問で私ははつきりしましたから、私はほかのかたに譲ります。
  81. 田村文吉

    ○田村文吉君 同じようなことですが、今の上半期か二百六億九千万キロワット・アワーとあつたのですが、これは実際の需用に対してどのくらいのパーセンテージになつているかという亡とをお認めになつておりますか。公益事業委員会のほうの幹部のかたの御答弁をお聞きしたいと思います。
  82. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと田村君に、表を示して頂きます。
  83. 田村文吉

    ○田村文吉君 いや、今年の上申期に約二百六億ばかりの電気実績において使われているのですが、一体これは実績の必要な需用量に対してどのくらいになつているか、パーセンテージはどのくらいになつているか。つまり幾ら足らないのかということを上半期に対してお考えになつているのか。これは今後電力問題を解決する上において非常に重要なことである。  もう一つ私がお伺いしたいことは、何かさつき毎年殖えるカーブによつて今年のあれを或る程度想定したとあるが、一体今年となつて何%殖えるかという見当をつけられたか。それを一つ伺いたい。両方を……。
  84. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 安本の計画いたしましたものは、昨年に対しまして約七形の増加をこれは供給力のほうから押えております。それから大体年初の予想では、アロケーシヨンの操作によつて先ほど需給課長が申しましたような、そういう数字の上に立つておおむねこの程度の需用で……、まあアロケーシヨンの操作によつてこの程度で行くのではないかということを思つてつたのですが、現実にはどんどん需用が伸びて行つたのです。そうしてこの点については当委員会の席上でもいろいろの資料を差出しておると思いますが、大体年初計画によるものよりは実際の需用は七%前後を上廻つております。六、七%の程度の上廻りを示しております。月によつてつておりますが、その変動はやはり水が多かつたとか少かつたとかいうことによつてつております。ただ上半期は豊水であつた石炭も予期以上に焚きました。いろいろな点で供給という面において大きな穴をあかさずに、八月頃まではおおむねの地域においてはあの通りに過ぎたのであります。従いまして、さてそれでは今後の需用の予想をいたします際には、根本的にはこういう現実の需用の内容というものは、年初の計画当時よりは相当上廻つた数字を以て予想しなければならないというのははりきりした現在の事実であります。先ほど来の佐々木委員からの御質問通り根本的には需用が大きく伸びたということです。それから当面の事態としては、渇水之石炭事情というものがそれに拍車をかけたものだと、こういうように御了解を願います。
  85. 田村文吉

    ○田村文吉君 そういたしますと、今の御答弁では、昨年よりは七%殖えるということで大体計画には盛つてある。なおその上に実際の需用からいつたらば七%ぐらいは不定している。こういうふうに承わつてよろしいのでありますか。
  86. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 現状においての判断はさようであります。
  87. 田村文吉

    ○田村文吉君 現状においてではなしに、そういうふうに承わつてよろしうございますか。
  88. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) そうでございます。
  89. 田村文吉

    ○田村文吉君 なお関連しますけれども、今の情勢は引続いて行くだろうと思いますが、下半期もそういうふうに見てよろしいですか、御予定はどうですか。
  90. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 下半期につきましては後ほど資料で御説明するつもりでおつたのでありますが、年初計画よりは約六、七%上廻つた数字を以て予想しておるのであります。
  91. 田村文吉

    ○田村文吉君 表は結構ですが、何%殖えると予定していられるのですか。
  92. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) ちよつと通算した数字を持つておりませんが、資料といたしましては昭和二十六年度下期月別会社別需給対照表というのが、こういう表がございますが、これに最近の需用の想定が組んであります。
  93. 田村文吉

    ○田村文吉君 よろしうございます。
  94. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 松永委員長代理に、私は竹田需給課長答弁の中から重要な点がありますので一点質問いたします。竹田需給課長は、八月、九月のあの渇水期において火力発電所を相当多量に、計画以上に各社が運転をいたしましたけれども、それはすべて火力料金によつて十分に回収されておるので、電気事業の経理にはさしたる影響がない措置であるということが言われたのでありますが、そういうことでありますると、最近各社が非常に経理の内容の苦しさを訴えておりまするが、その点はどういう関係にあるか。果して竹田需給課長の言われる通り電気会社の経理というものは、今度の異常渇水によつて石炭をたくさん焚きましたけれども、それは経営の面から参りまするならば、経理にはさしたる影響がない、こういう工合に松永委員長代理もお考えになつておるかどうか、この点伺いたい。
  95. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 私が火力料金制度によりま化て電気事業者の経理には特別に負担をかけない組織になつておると申しましたのは、出水は平水であるという前提でございまして、出水が大きく見まして平水という頭で参りますならば、刻々の豊、渇水というものを除外いたしまするならば、火力料金制度の建前は、石炭を余計に買つて焚くならば、需用はそれだけ火力料金も伸びて来るのでありますから、特別に負担はないという建前でできておると申上げたのでございまして、これは出水が減りますならば、平水より出水が減りますならば、これは電気事業のほうの負担になるわけでございます。これは料金の前提が平水を前提にしておりますので、その点はやはり水の代りに石炭を焚いたものはそれだけ電気事業者の負担になるということをお断りしておきます。
  96. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますとこの表では、少くとも四月から九月までの間は一〇〇%を超えるか或いは一〇〇%に近い水力発電量を持つておりますから、二十六年上期においては竹田需給課長の言われることは正当であると、こういう工合にお考えになるかどうか。この点を明らかにして頂きたい。
  97. 竹田達夫

    説明員(竹田達夫君) 上期におきましては、会社の個々によりますると多少需用の伸び方もございますが、一応料金、前提におきます火力料金と、そうしまして実際に收入いたしましたところの火力料金とが、当初計画石炭量と実際に使いました超過石炭量との関係では、電気事業者に特別な負担をかけておる結果にはなつていないと思います。
  98. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 上期の分は。
  99. 結城安次

    ○結城安次君 ちよつと今までの電力不足問題は、どうも聞きますと非常な急激な需用増加ということになつておるようでございますが、このままどんどん電力会社に、不足もかまわず、需用の得意先を取られてはこれはたまらんと思うのです。そこで一応こういう表をお願いしたいと思います。電力の契約量ですね、これを各九社別に、ポ政令で再編成を命令された日の各九配電会社の契約電力量、それから五月一日の九会社発足の日の契約量、それから十月一日、或いは九月でもかまいません、この表、家庭の増加、これはもう契約はなくてもよろしうございます、それから公共事業のもの、それから農業用のもの、それから工業用のものは百キロ未満、五百キロ未満と五百キロ以上と、この三つに分けてお願いしたいと思います。同時にその時期の供給力の増加、これだけの表をこの次までにお願いしたい。
  100. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと結城さんの御質問に関連するのですが、この前の委員会で新規需用の抑制措置につきまして松永委員長代理に質しまして、近く具体化してこの委員会にその内容説明するというお話でありましたが、未だに説明がございませんし、資料の提出もございませんが、これは如何なつておりますか、御答弁を願いたいと思います。
  101. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) 需用の抑制と申しまするか、ともかく……。
  102. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 新規需要です。
  103. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) ともかく新規に増すものをむやみに引受けるということは、力のないトラックにたくさん荷物を載つけて歩くようなもので、結局前の需用者に対しても不都合になり、後の需用者に対しても更に不都合を来すわけでありますので、特にその点は殆んど値上問題の当初、七月頃から注意している点でありまして、その後大分抑制は各社努めておるようでありますけれども、特別の需用或いはそのほかのことでやはり追われがちになつておるようでありまして、委員長委員として前回御要求がありましたため各社に命じておりますが、まだまとまつておりませんが、只今結城委員の御質問にも関連していると思いますから、その点事務局より各社に至急通達しまして、案をまとめてお手許に出すと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  104. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この上期の分はこれで質問打切つてよろしうございますか。
  105. 佐々木良作

    佐々木良作君 資料のことでちよつと……。
  106. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) まあ資料の点は先ほどお話申上げましたが、もう一度念のために申上げて置きます。竹田需給課長一つ聞いて頂きたい。いろいろ総合的な或いは抽象的な説明資料でなくてもよろしうございまするから、本日提出されました上期分の、八月分、九月分、この二ヶ月だけで私は結構だと思いますから、この計画実績について、この委員会で疑問が持たれました点について、明瞭に私どもが理解できるような資料の御提出を願いたい。更に内訳を申上げますなら、計画電力というものはどういう性格のものであるかということを明らかにして頂きたい。そうして標準料金分、火力料金分のことが言及されましたから、この八月分、九月分についての内訳を一つ含めて明らかになるようにして頂きたいと思います。それから実績のほうにおきましてもその内容を明らかにして頂きたい。それから特に附加えておきますが、この八月、九月においても水力に関する限りにおいては計画実績は一〇三%、九三%でありまして、これは水のことでありまして、実績が物語つているわけであるから、極めて説明は簡単だろうと思いますが、この点もよくわかるように一つ説明して頂きたい。以上申添えておきます。  それでは下期に関する見通しにつきまして御説明を求めます。
  107. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) お手許にいろいろ資料がございますようでありますが、昭和二十六年度下期月別、会社別需給対照表というものを御覧願いたいと思います。そのほかになお別に年度初に立てました下期の需給計画があるのでありますが、そのほうは一応省略いたします。
  108. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと平井技術長に前以てお尋ねいたしますが、私は二十六年度下期の表をちよつと拝見いたしますと、水力は前提條件といたしまして第一ページの、表紙の裏に書いてあるところを見ますと、「九カ年平均可能出力に当初計画の利用率を乗じて算出した」ということが書いてあります。それから火力は「石炭輸入懇請資料によつて」と書いてあります。受電は「年度計画通りとした」と書いてあります。そうするとこれは私どもが電力危機に対応するところの需給計画調査する資料として要求をいたしましたものとは些か踊りがあるように考えるのでありまして、その点が若しもさようでありますならば訂正をされまして、来年の三月までに出るところの水を想定せられて、過日あなたは来年の三月までは平均水量の七〇%を割ることはなかろうというふうに私の質問に対して答えられたことがありますが、そういうような現実に即した見通しの下に立てられた計画で御説明を願いたいと思うのであります。
  109. 松永安左エ門

    説明員松永安左エ門君) 下期の詳細な説明もございましようが、只今委員長の御注意で申上げておきたいと思いますのは、下期の需用の想定そのほかは、大体竹田需給課長が申したようなことが原則的になつておりますが、石炭の手当というものは、この水力の出かた、或いは石炭関西、名古屋等における入手の結果によりまして、種種見通しに変化がありまするので、その点今日松本委員長おいでになりますまでに一通り資料をまとめて差上げ種見通しに変化がありまするので、ようと思つて昨日やつたものがございます。今日は委員長おいでになりませんから、私がその考えを以て伺つておりまするから、一応下期の説明に先立つて大あらましのところを申上げておきたいと思います。  下期につきまして需用の状態の想定は大体において相当増加するものと見ましても、大体の見当をつけまして、主に石炭手当については、現在火力発電を最大限度に運転しますためには、下期において約四百七十万トンの石炭を必要とするように存じております。従つてこれの確保を図るため公益委員会におきましては、電力会社を督励いたしますと共に経済安定本部、通産省その他石炭業界にも協力を要請しておりますが、石炭需給も極度に不足しておりますので、第三四半期分としましては最小限度約二百二十五万トンを受入れるように努力しております。これに対して最近までの電力会社石炭業者との受入状態の見込は、百六十万トンはきまつてつたのでありまするが、これでは相当ギヤツプがありまするので心配しておりましたが、昨日も午後に入りました各社の情報をまとめますると、二百十四万トンだけは手当ができましたということを申して参りました。これはよほどの進歩でありまして、些か愁眉を聞いている次第であります。併しそれではなお且つ先刻申上げた数字には相当心配がありまするので、インド炭の輸入或いはアメリカ炭の輸入等をも考えて、関係官庁にもそのことをお願いしている次第であります。何とか二百十四万トンの手当ができますればこの第三四半期分としては一応見当がついたようにも考えております。  なお一月後の第四四半期分としては約二百三十五万トン必要であるということになつておりまするが、これもそれぞれ手当をいたしておるのであります。これも申上げたように一月頃までに多少外国炭等を輸入しなければ、内地炭のみに片寄ることはどうも不安に思つておりまするので、関係官庁の御協力を得、及び業者を督励して手当をやつて行く次第でございます。  なおそれにつきまして補足申上げて置きたいと思いまするのは、まだこの下半期の表に織込んで出力を計算することができずにおりまするものについて一言申上げ、且つこれを適当のときに更に表に追加して申上げたいと思うておりまするが、何しろ火力発電所を透りましても、現在多少の余裕を持つておるのでありまするが、いわば石炭が手に入らざる限り、その発電地点に到着せない限りは、やはりそこに電力の甚だしく不足することに鑑みまして、五月以来水力電気の完成に全力を注ぎまして、できるだけ水力がこの渇水まで間に合うようにいたしたのでありまするが、これも昨日までに調べ上げましたことを一応申上げて、比較的水力を多く本年は確保することができたのでありますから、この水力が十一月、十二月、一月、二月、三月という両四半期に跨つて少しそれぞれキロワットで増加することと思うております。一言にして申上げますれば、でき上りました水力は、只今のところ四万五千九百十キロ、一月頃までに必ず水を通じて電力を運び得られると思いますもの十七万一千七百八十キロあります。これを合計いたしますると二十一万七千六百九十キロであります。で、昨年まだこの新会社の関係なく、日発当時の二月頃までに出ました出力は二万二千二百六十キロありましたから、それに比較いたしますると約十倍近い水力発生を各業者で急いでおり、私どもも又できるだけ奨励して、この危機をできるだけ緩和するよつに取計つております。尤も多少水力量は多いのでありますから、キロワツトアワーはどのくらい出まするか、目下調べておりまするが、或いは後刻資料がまとまつてお手許に届けることができるだろうと思います。来ておりますればその表を差上げますが、その分だけは少なくとも石炭危機というものの、この表のうちから幾らか救うことができる。或いは需用の増加ができる。制限を緩めてよろしいという結果になると思うておりまするから、その点九会社の人たちも十分骨を折つたということはお認め願いたい。いろいろ資金面そのほかでなかなか苦しんでいるようでありますけれども、なおよろしく御援助を願いたい。只今表を差上げまするが、その分はこの計画より多少供給面で伸びるものということは御承知を願いたい。ただでき上りの工事でありますから、十二月の末にできるものもあり三月にできるものもあり、非常に急いでおりますけれども、的確に四半期を通じて何キロ、石炭に換算すると幾らということはまだはつきりできん次第であります。
  110. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) それでは二十六年度の下半期需給対照表につきまして御説明いたしたいと思います。  この需給対照表におきまして、特に表紙の裏のところに一体の亡の前提條件が書いてございまするので、それを中心としてお話して行きたいと思います。先ず水力は、これは九カ年平均の出力によつて、そして利用率は当初計画の利用率を乗じて出しております。それから貯水池式は、現在大分水位が下つておりますので、それを考慮いたしまして、別々の発電所を考慮いたしております。石炭につきましては、今回の輸入懇請資料に基きまする下半期四百七十万トンの決定数を、膨れた数字を以て出しております。受電は、これは年度初めの計画通りであるのであります。これはどうしても現段階におきましては制限量が殖えておりますので、この程度が穏当と認めたわけであります。需用につきましても、年初の計画よりも結果的に約七%膨れましたことになつているのでありまして、扱い方といたしましては、第一四半期の実績が丁度伸びが七%ありまするので、その伸びだけ膨らしたのであります。特別大口につきましては、割当に対して第一四半期中の最も火力料金率を余計使つた月の率をとつて計算いたしております。それから送電損失は、これは年度計画通り数字ができております。この表の一番下の欄に差引不足量及び不足率という欄がありまするが、ここにマイナスとありますのが過剰でありまして、プラスが不足のことを示しているわけであります。ただこの過不足は、地帶間には融通契約があるのでありますが、その会社間の融通契約を差引いたすという意味でなくて、生の地帯間においてのその地域自体の供給力と発電力から見た過不足量を出しておるのでありまして、これらが融通計画その他の操作によつて運用されるわけであります。で、御要求は、一体具体的の実際のこの下半期見通しは、出水率を幾らと見ればいいのか、或いは石炭は幾ら入るという見通しを立てたらよいかという確実な予想を組んで出せというふうなお話があつたのでありまするが、この下半期なら下半期を通じての毎月の出水の予想が、例年に比べましてどういうふうになるかということの予想、見通しということにつきましては、まあいろいろと仮定は設けます石ものの、なかなかこれは予測しがたいのであります。一月前には非常に渇水であつても、翌月はうんと豊水になることもあるのであります。下中期を通じて毎月の予想ということを今日において予断することについては非常に我々としましても危険を感じまするので、一応判断の基礎資料としましては、九ヵ年の平均の出水の場合における需給のバランスを出しておいて、そうしてこれが渇水によつてどの程度影響するかというのを渇水率の割合によつてこれを修正して見て行く、物差を以て行くという判断で、そのときの状態に即した措置をとるより方法がないのであります。そのいう意味におきまして、一応この調書としましては毎月平水、九カ年平均の出水があるという想定で水力の供給力を弾いております。  それから火力につきましては、輸入懇請その他によりまして通産省、安定本部のほうでもいろいろとこの線において努力をして参つておりまするのて、一応その数字が入つたものとして計算をいたしております。今後実際には輸入炭或いは国内炭の振向けにしましても、いろいろな事情によりましてその数字がどの程度に達成されるかということは、今後のいろいろな推移を見なければ結論的にははつきりいたしませんので、これも一応四百七十万トンとして揮いておいて、そうしてその場合の炭の入りが惡かつた場合に、どの程度来たならばどれくらいの影響があるかという判断で以てそれぞれの月の対策を立てて行かざるを得ないのであります。この石炭四百七十万トンを下期に見ましたのは、上半期の実際の結果が、計画しましたよりはおおむね月十万トン程度の発電増加を火力において出し得た、そうした事情から見まして、下中期におきましてもこの程度の炭は焚くるものと考えておるのであります。で、これが実際には設備の現状においてこれ以上焚くということは少し無理じやないかと思うのであります。  そこでこの表は、一々の説明を省略いたしまするが、毎月の数字が出ております。同時に四半期別及び下半期通算の数字が出ておるのでありまするが、上のほうに横に会社別を書き、そうして上のほうに供給力、下のほうに需用を弾きまして、そうしてその地帶自身の、地帶間融通をやる前の裸の姿における過不足を出し、同じく過不足の率を出しておるのでありまするが、平水の場合には、この設備も一ぱいに、こういうふうに火力も皆一ぱいに動員し得たとしますと、全国の平均について見まするならば、十月については二・五%の不足である。十一月が四一、十二月が三・七%、大体第三四半期を通算しで約三鬼の不足となり、そうして一、二、三におきましても、数字がそこにありますように、大体この下半期を通じ三%弱程度不足で済むというところまで数字の上においてバランスが出るのであります。一方において需用を七%大きく見ましたにかかわりませず、石炭をうんと使い得るという仮定を設けましたことと、出水を九カ年平均によつて弾きました関係上、こういうふうなバランスが一応予想されるのでありまするが、例年の川の水というものが毎月その平均通りに出ることはないのでありまして、どうしても出入りが激しいのであります。そうしてその月々の平均にしましても、或いは渇水となり或いは豊水となるのでありまするが、ここでそれでは出水率が一割下つたり二割下るという場合には、一体どれくらい不足の割合が出るかということを、これは時間がありませんで印刷しておりませんので、口頭で申上げまするので、メモでお取りを願いたいと思うのでありまするが、これは下期を通算して見ました数字について申上げます。横に出水率としまして一〇〇%、九〇%、八〇%、三つほどお書きを願います。あとで印刷して差上げることにいたします。石炭が四百七十万トン計画通りに入つたとして、渇水だけの影響を見ますと、一〇〇%の場合には、下半期の通算は不足率が二・七形でありまするが、九〇%の場合には八・八%の不足になります。八〇%の出水率の場合にはこれが一五・四%となるのであります。過去の記録簿をいろいろ見ますると、下期を通じての総平均ではまあ一割渇水程度の場合がせいぜいの記録であつて、二割というほどのところへは余り行つておらないのでありますが、月々の数字で見まするというと、やはり二割、三割というような渇水の月はしばしば出るのであります。それから今度はそれぞれの欄の下にもう三つばかり欄を書いて頂くのでありますが、石炭が仮に五十万トン計画より下廻つてしか入らなかつたとした場合を申上げます。横に一〇〇%の出水の場合には、マイナス五十万トンのときは六・四%、出水率一〇〇%の欄の下には六・四%であります。それから出水率が九〇%となりますと一二・五%、八〇%の場合には一九・一%になるのであります。更にもう一つ下の欄に、今度は百万トンだけ不足した、石炭が四百七十に対して百万トンだけ少く入つた、少くしか取れなかつたという場合を仮に計算をいたしますると、一〇〇%の場合で一〇一・九〇%の場合で一六・二%、八〇%の場合に二二・八、もう一つ百五十万トンという数字もあるのでありまするが、大体一応私どもとしましてはこういうふうな出水率と石炭の獲得し得る数量との両方を今申上げましたようないろいろな場合が予想されるのであります。細かくはこれは当然別々に数字を出して、そうして作業をしておるわけなのでありまするが、これを以て下期通算の見通しもいろいろ立て、いろいろな仮定の上に判断をし、又その当月を予想する場合においても、その直前における貯炭状態或いは貯水状態、或いは石炭のそのときにおける入る見通しというようなものを見ながら先の見通しを立てて行かなければならんのでありまして、いずれを見ましても、少くとも第三四半期の現状におきましては、昨日現在で出水率が全国平均が約八〇%で、本州中央部は七〇%程度であつたのでございますが、本日は晦日の雨で以てちよつと盛り返しまして、本州中央部の平均が九九%まで上つております。特に北陸とか東北方面が相当潤つた報告を得ておるのであります。これで二、三日はちよつと息ができるかと思うのであります。  お手許に差上げました需給バランスのほうは、只今申上げましたような物差をあてながら御覧を頂きたいと思う次第であります。それからなお只今お手許に差上げました一枚の表は、今年の十月現在までの今年度の完成発電所、それから今年度の、丁度来月の三月までの間に運転開始を予定されます水力発電所、火力発電所が地点別に書いてございますし、大体水力におきましては、最大出力が全部で二十三万九千九百キロワット本年度中に増加するのでありまして、その電力量で年間においては約十億四千四百五十万キロワット・アワーの増となるのであります。ただ今年度といたしましては、期の途中においてこれらが順次完成いたします関係上、この約三分の一の三億四千四百万キロワット・アワーが供給力として期待し得るわけであります。火力のほうにおきましても同じような数字が出ておるのでありまして、火力全体で十八万キロワット・アワーが今年度に完成することになつております。
  111. 佐々木良作

    佐々木良作君 お手許に若し数字がありましたら、ちよつとヒントだけおつしやつて頂きたいのですが、今の説明の中に出て来ると同じ意味での需用が、上期を見まして、全国平均で、二十六年度下期の計となつておる全国不足率が二・七%となつていますね。この需用と供給との関係が、これに相応する上期の分は大体どのくらいだと考えられますか。
  112. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 実績でございますか。
  113. 佐々木良作

    佐々木良作君 実績、丁度これと相応す為需用と考えた場合に……。
  114. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) それは……。
  115. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうしたら質問を変えますが、これで行きますと、この需用というのは年初計画に七%プラスしてある。だからこれは余りその需用家のほうから見れば不足のない需用ですね。
  116. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 不足になるか、満足になるのか、私もはつきり申上げかねるのでありますが、一応上半期実績の線で伸びるというふうな程度考えるのが穏当ではないかと思つて、そういうふうに扱つたわけであります。
  117. 佐々木良作

    佐々木良作君 実際にこの需用、今の不足率というのを大体制限率とみなしていい感じですか。
  118. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) この表にあります不足率でございますね、それと同時に、その見方は先ほど申上げましたように物差を当てて見なければならないのでありまして、二・七%だけで安心だと決して私どもは考えておりませんで、やはり出水の見通し或いは出水とか渇水の程度とか、或いは石炭の現実に入る予想で、先ほど申上げましたように、予想によつて或いは二割、三割程度の制限も、不足率が出るということも考えられるわけであります。それを防ぐべく最善の努力をしなくちやならぬのでありますが、先ほど申上げましたように、物差から推してわかるように、石炭百万トンの減少による影響のほうよりも、渇水による影響のほうが巾が広いということだけは、この点から御判断を願いたいのであります。
  119. 佐々木良作

    佐々木良作君 まあ表の成立の説明はいいのですが、一般の需用家から見まして、先ほど言いましたように、計画実績との関係を見た場合に、先ほど言いましたような意味でわけがわからんわけでありますが、それと同じ意味で今度の需用を、この計画を大体素人が見て、これだけ足らんというふうに見てよいのかということです。
  120. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 大体そう考えて結構です。ただ條件をつけておきますが、特別の大口の、例えば肥料とか何とかという産業は、若し標準電力量の割当をもつと殖やせば恐らくもつと食い得ると思うのであります。そういう意見においての野放しの事情という意味からだともつと大きな需用が予想されるのであります。で私どものこの数字は、大体この青本に計画いたしました程度のアロケーシヨンをやつておいた、その上において実際かかるであろう需用というものを現在の判断でやると、この程度まで膨れると、こう見ております。
  121. 佐々木良作

    佐々木良作君 なお供給力のほうの計画は、上期の、先ほど検討した計画とまあ似たぐらいな実現可能の供給と見てよいわけですか。上期のずつと計画というものが先にありましたね。これと同じぐらいな感じで見ていいということですか。
  122. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) おつしやる意味は、例えば三%とか七%ぐらい上廻つた実績のように予想していいかということですか。
  123. 佐々木良作

    佐々木良作君 いや、上期の説明の場合に、大体計画に対してむしろ実績が殖えておるように見える。つまりここに上期の説明のときに出て来ておつた計画は、大体供給と見合いになつて出ておつたのです。非常に実現可能性の強い数字があつたのですが、そういう意味の計画と見てよいのですか。
  124. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 結構でございます。ただ火力におきましては、石炭が手に入るという前提の下であることをお含み置き願います。
  125. 佐々木良作

    佐々木良作君 大体今松永さんのお話によりますと、大体三・四半期は二百三十万トンに対して二百十四万トンの見通しがついた、手当がついたわけなんですね。これは大かた予定通り入ることになるだろうと思いま女。そうしてこの計画が、十月以降のを見ますというと、一番最初に目に映るのは東京、それから中部、この辺は非常に不足することになつていますね。ところが関西、北陸、つまり現在非常に不足して問題が起つているところは、大体その余つたことにずつと出て来ることになる。大体見込はこれくらいで間違いないですか。
  126. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) この各地帶間における過不足数字は、裸のその地帶における供給力と需用との差を黙つて出したのであります。実際には各社の間には下中期に対する融通契約を目下協議しておりまして、近く決定をするのでございます。例えば関西の場合は、上年期の例で申しますと、相当他の地区への送り出しのような契約になつております。関東はむしろもらうような恰好になつております。そういうような融通契約によつてこの辺は地均しをされるものとお考え願いたいのであります。ただ地均しはされておつても、渇水は全国一律に来ませんし、火力と水力の組合せの差がありますから、当然その日その日においても地帶間の過不足は出るのでありまして、これは緊急融通措置というものの運用によつて、できるだけ過不足を調節して行きたい、こういう考えを持つておるということをお考え願いたい。
  127. 佐々木良作

    佐々木良作君 私はちよつと勘違いしておりましたのですが、この供給力というものは、この地帶のあれですか、つまり融通は全然抜きにした供給力なのですか。
  128. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 融通による調整でなしに、関東が持つている発電所のキロワット・アワーを彈いておるわけであります。
  129. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうすると上期の場合のときは、そういうのでいつたら、北陸だの関西だのというのは電気が足りなくなつて、逆に今度関東あたり、中部からもらわんならんというのが供給の一番中心になつてつたというのですが、逆ですね。そうするとこれまで関西や北陸は、関東や東北も入れて、ほかにやつてつたから電気が少くなつてつたということですか。
  130. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 例で申します。例えば東北と関東の間においての当月の予想される融通契約ではもらいになつておるわけであります。東京が東北からもらう形になつておるのでありますが、八、九月以来渇水の段階においては逆に東京から送り出しております。恐らく十月の契約が本当にきまる場合は、東京は東北から若干もらうという形になるのじやないかと思います。現に本日東北が昨晩水が出ましたので、あれだけ東北に送つておりましたのが、今日は逆にこちらへ五万何千キロか来ておる状況でございます。
  131. 田村文吉

    ○田村文吉君 ちよつと伺いますが、九カ年の平均流量というのは下半期における平均流量ですか。
  132. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) さようでございます。下半期の過去九カ年間の、例えば十月なら十月の九カ年の分の平均であり、その十月の月の総平均であり、十二月はそれぞれ十二月と、こういう意味でございます。
  133. 田村文吉

    ○田村文吉君 もう一つついでに伺いますが、今度の計画から行きますと、東北が非常に電気不足して一一%ですか、無論その融通はなさいますでしようが、一一%の不足になつておりますね。そこで今度発電所のできるのは、東北のほうには相当カバーするものがあるわけですが、沼沢沼とかそのほかにまだありますですか。
  134. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 御覧になりましたのは下期の計で御覧になつたのでありますか、一一%ですね。
  135. 田村文吉

    ○田村文吉君 下期の計です。
  136. 平井寛一郎

    説明員平井寛一郎君) 東北の場合はマイナスとなつておりますので、むしろ東北から送り出すという状態になつております。併し今年末までにできます発電所は、先ほどの表にもございますように東北には沼沢沼、それから今日までできましたものは新郷の四号です。それから立石の三号、これらでございます。
  137. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 資源庁の長官にちよつと伺いますが、先ほど岡崎官房長官は、下期の電力用炭は三百十一万トンが計画中であると言われたのであります。先ほど松永委員長代理は四百七十万トンを要する、そして只今のところ第三四半期に三百三十万トン、第四四半期に二百三十五万トン、計四百六十五万トンですか、この程度融通に努めておると、こういう工合に言われたのでありますが、どつちが正確なんでございますか。
  138. 始関伊平

    政府委員始関伊平君) 先ほど官房長官の申されたのは、四百七十万トンのうちで、国内の炭鉱からこちらへ廻すのが、つまり大手筋の炭鉱であるとか中小炭鉱、それから商社、それが三百十二万トン、こういう意味であつて、そのほかに自由転換の分、インド炭、アメリカ炭、カナダ炭の輸入の分、他の産業から電力の市面に振り向けるもの、こういうものを全部合せると大体四百七十万トン、こういう計算になるわけであります。L
  139. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) お諮りいたしますが、これで委員会を閉じたいと思いますが、その前にちよつと御相談申上げまするのは、この次の委員会は二十九、三十日には、九電力会社の首脳部を招致いたしまして、そこで各社の電力事情につきまして説明を求めることになつておりますので、御出席をお願いたしたいと思います。調査事項の内容を申上げますると、今後の電力危機に対する具体的方策。二番が電力相互融通に関する意見。三番が火力用燃料の入手状況及びその見通し。四番が電源開発の現状と今後の年次計画並びにこれに関する方策。五番が電気事業経営上の諸問題。この五点につきまして説明を聽取することになつておりますので、御出席を成るべくお願いいたします。  それからその次の委員会の案件の計画をいたしたいと思いまするが、本日の電力事情の調査に引続きまして、只今国内におきまして数カ所において将来の電源開発に対する計画がそれぞれ私的に或いは公的に発表されておるようでありますが、如何なる基準によつて如何なる開発をしようとするのか、又その資金を如何にして得ようとするのか、私どもといたしましてはそれぞれの案を更につぶさに検討いたしたいと考えまするので、二十九日、三十日の委員会の次の委員会におきましては、只今申上げました電源の開発に関する国内の各立案者の案を一応説明を聽取したいと存じまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ではさように取計いをいたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後五時六分散会