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1951-11-14 第12回国会 参議院 電気通信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十四日(水曜日)    午前十一時六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            村尾 重雄君            尾崎 行輝君    委員            黒川 武雄君            平林 太一君            寺尾  豊君            山田 節男君            新谷寅三郎君           深川榮左エ門君            水橋 藤作君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  佐藤 榮作君   政府委員    電波監理委員会    委員長     富安 謙次君    電波監理長官  長谷 愼一君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 榮一君   説明員    電波監理委員会    放送課長    松田 英一君    電気通信事務次    官       靱   勉君    電気通信省施設    局長      吉田 五郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電波行政に関する調査の件  (テレビジヨンに関する件)   —————————————
  2. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) これより会議を開きます。  昨日に引続きましてテレビジヨンに関する件を議題といたすのでありまするが、濠洲カナダテレビジヨン実施状況について長谷電波監理長官の御説明をお願いいたします。
  3. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今お話の件につきまして概略報告申上げたいと思います。  昨日ヨーロツパのテレビジヨンの事情につきまして概略報告申上げましたときに引用いたしましたイギリスにおける放送テレビジヨンを含めて、調査のために設けられましたいわゆるべバリツジ委員会におきましても濠洲放送テレビジヨンを含めましてどうあるべきかというような問題、或いはカナダにおける問題等につきましても言及しておるのでございますけれども只今委員会等におきまして問題とされておりますような具体的な事項は同委員会報告の中には現われておりませんで、一般的な問題だけにとどまつておるようでございますので、ほかの資料によりまして大体私どもの知り得た範囲で御報告申上げたいと思います。  先ず濠洲の問題でございますが、濠洲におけるテレビジヨン事業につきましては一九四九年の六月に連邦議会におきまして決議がなされておりまして、テレビジヨン政府サービスとして始めるように、諸準備をなすようにというような決議がなされておつたのであります。ところがその後現内閣に変りましてからこの考えなり計画というものが改められまして、新たな構想の下においていろいろ準備が進められておるようであります。一方濠洲連邦議会におきましてテレビジヨン公共企業体にやらすか、或いは商業放送の形でやらすか、或いは両建で行くかということにつきまして未だ議論されておるようでありまして、その後どういう工合に決定されましたか私ども今のところ承知いたしておりませんが、御案内のように濠洲におきましては公共企業体商業企業体とが放送におきましても両建の形で共存いたしておりますので、このテレビジヨンにつきましての考え方がいろいろ議論されておるように伺つております。併し一方現実にいわゆるモデルといたしまして、シドニーの近くに五キロワットの電力のテレビジヨン放送局を設置する計画がございまして、これは郵政庁が責任を以て計画をし設置をするというようなことで諸般の準備を進められておるようでありまして、さだかでありませんが聞くところによりますと、来年の半ばにはこの局ができ上るということでございます。なお濠洲におきますこれらの現実計画されておりますところのテレビジヨン放送局の採用しております方式はこれまで御報告申上げましたが、国際電気通信連合無線通信諮問委員会の中でいわゆるスタデイ・グループ、専門委員会がございますが、その専門委員会が提案いたしました走査線の数が六百二十五本、毎秒の像の、画の数が二十五、周波数帯が七メガサイクルというような方式を採用するということで進んでおるようでございます。濠洲の問題につきましては大体その程度で済まさせて頂きまして、カナダにおける現状につきまして電波監理総局松田放送課長が先般親しくカナダ状況を視察して参りましたので、お許しを得まして松田放送課長から御報告をさして頂きたいと思います。で、なおこの際昨日御報告申上げましたベバリツジ委員会報告書の拔萃と申しますか、関係のところの資料はできるだけ早く御要求もございましたので差上げるように準備いたしておりますが、特にこの際誤解を及ぼすといけませんので申上げたいことは、ベバリツジ委員会ではテレビジヨンは昨日も申上げましたように非常に金のかかる仕事であつて、その十カ年計画においても約一般の音の放送聽取料の二〇%くらいはテレビジヨンのほうに廻わさなければならんというように、BBC計画によるとなつておる、従つて聽取料というものも再検討しなければならんが、一方受信機が相当高価であつて一般の家庭にそう早く普及するということも望み得ないし、一般大衆に対していわゆる公開用パブリツク・サービス用として何らかのテレビジヨン企業ということも考えるべきではないかという観点から、若しも周波数等に余裕ができるならば、民間と申しますか、商業企業体基礎を置いた一つBBCと別個の企業体というものを考えて見て、映画館等を通じてテレビジヨン一般大衆受像機を持ち得ないような人々が需めに応じて見えるような考え方一つ研究して行くようにということを郵政庁に提案いたしております。先ほど申上げました報告書内容を別途提出いたしますが、それを御覧下さいますとその点も明らかになると思いますが、附加えてこの際申上げておきたいと思います。お許しを得て松田放送課長に代りたいと思います。
  4. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 松田放送課長にお願いしてよろしうございますか。
  5. 山田節男

    山田節男君 その前に電波監理委員会から標準方式試案を発表されると、これは我々の委員会として非常に結構なことで、やがてその案を聞きたいのですが、その前に、一体こういう電波、殊にいろいろ割当という問題につきまして将卒航空、それから海運、陸上の交通機関、それから通信、こういうようなものがどんどん講和條約批准後には自由な立場になればますますこれは拡張され発達するだろうといことを予想しておるわけですが、電波監理委員会として一体電波周波番数といいますか、スペクトラムといいますか、この割当を大体どういうように割当をするという基本的なプランができておるのかとうか。これはここで御説明願わなくてもよろしうございますが、そういう一つ資料委員会に提出して頂きたい、これをお願いしておきます。
  6. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今山田委員からお話周波数割当て、電波各種の業務に対する割当の案は電波監管委員会として過般国際條約その他国内の実情等を勘案されまして根本方針がきまり、具体的な周波数分配表と申しますしようか、そういうものが決定されまして、これは公表されております。これが法律の三十六條によりまして、周波数現状、或いは今後割当てることが可能である周波数というものを公開することになつておりますから、その法文に基きまして公表いたしております。
  7. 山田節男

    山田節男君 それは私まだ見ないのですが、日本で持つ、或いは日本で殊に電波監理委員会でこういう割当をする場合に、例えば将来警察予備隊とか、或いは海上保安庁、それから運輸省、それから各種船会社、又はその他いろいろな方面電波と言いますか、周波帶数のいろいろ問題が起きて、現にそういうこともあるだろうと思いますけれども、将来そういうものが非常に複雑多数になつて来るのじやないか、そういう場合にあらかじめ他の一つバウンドをどういう比率で分けるのか、例えば政府で使うものはこれだけだ、運輸はこれで使う、或いは通信事業はこれで使うというようなそういうアロケーシヨンはやはり作つてあるのだろうと私は了解するのですが、今長谷長官の言われることにはそれがあるやに伺うのですが、それを一つ各位資料として示して頂きたい。
  8. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今御趣旨の点よく了承いたしましたので、早速お手許資料を差上げたいと思います。
  9. 山田節男

    山田節男君 なおこれは私は蛇足かも知れませんけれども、過般アメリカ行つてどもが実際FCC電波通信連邦通信委員会当局に聞きますと、この電波行政アメリカでは單一に統制されておらない、政府のもの、それから軍関係のもの、これはもう連邦通信委員会管轄外にある、それがために例えばアイラックと称しましてインター・ガヴアメント・レデイオ・アドミニストレイテイヴ・カウンシル、アイラックというのがあつて政府間の連絡協議会を持つておりますが、実際その運用状態を見てもFCC電波の統制がうまく行つていないので非常に困つておるので、よくその原因を見ますと、この周波帶数バウンドに対する割当について常に権限争議が起つておるということを我々実際見て来たのです。ですから、将来日本電波事業がますます拡張されて来るに従つてアロケーシヨンの問題が非常に複雑多様になつて来るということは当然予期しなくちやならないことである、でありますから電波監理委員会としては、その将来の情勢をもう推測されて万全の準備をされておるとは思いますが、このFCCの今日の悩みを日本が再び繰返さないためには、それだけの用意を電波監理委員としてされておられるのかどうか、又しておられるならばその割当をどういうようにしてあつて、どういうように将来されるつもりかということを、これはやはりテレビジヨン周波帶数割当ということについても同じことが言える、その意味で私は申上げておるのですから、一つそれに副うような資料をお示し願いたい。
  10. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは松田放送課長カナダ状況の御説明を願います。
  11. 松田英一

    説明員松田英一君) それではカナダテレビジヨン状況についてお話申上げます。カナダでは現在モントリオールトロントの両地に五キロ・ワットのテレビジヨン送信所建設中でございまして、その両地区の間はマイクロ・ウエーヴで連絡するという計画で現在進んでおります。当初の考えは今年の夏頃には完成、秋には放送開始をしたいような意向でありましたけれども、工事がすつと遅れておりまして、私の行つたときの話では多分来年の初めか春頃に放送が始められるだろうというふうな話でごさいました。カナダがここまで参りますにつきましては、やはりいろいろな変遷と言いますか、いろいろな過程を経て来ておるのでありまして、当初の動きと申しますか、いろいろテレビジヨン問題についてカナダでどうやるべきかということがいろいろ議論になりました結果、一九四八年に二回、カナダ放送協会管理委員会といいますか、カナダ放送協会の、日本で言えば経営委員会に当るボード・オブ・ガヴアナーというのがありますが、それの声明がありまして、そこでカナダ放送協会意向を明らかにしたわけでございます。それによりますと、テレビジヨンというものがとにかく非常にマス・コミユニケーシヨンとして重要なものであつて将来はこれが最も重要な放送の一形式になるだろうということを認めまして、同時にテレビジヨンというものが非常に経費がかかる、又技術的にはいろいろ問題がある、といいますのは、現在日本でも問題になつておりますように、標準方式の問題がやはりいろいろあるということ、更に後になればカラー・テレビジヨンとの関係アメリカと近接しているだけにいろいろカナダでも論議になつてつたようであります。そういつた技術的な問題が非常にあるということ、それから更にカナダといたしましては、テレビジヨンについてアメリカ放送番組というものが非常に進出して来る虞れがあるというふうな点などが、いろいろ問題として考えられまして、結論としてはカナダにおいてはやはりラジオ放送について確立されている方策と同じ政策によつて処すべきであるということをカナダ放送協会意見としては出しております。ラジオ放送についての方策と申しますのは、御承知のようにカナダでは公共放電公共企業体といいますか、カナダ放送協会とそれから民間放送が両立しているわけでありまして、我が国と幾らか似ておりますが、若干違つておりますのは、カナダ放電協会といいますものは、一つにはそれが半ば政府的色彩を持つておる。カナダでは政府機関運輸省扱つておりますが、ここでは單に本当に技術的なことだけを扱つて、例えば放送局を免許するにしても、民間放送局を免許するにしても、その番組内容関係とか、或いは経済的能力の問題とかいうふうなときにはそれはカナダ放送協会意見を附けて、それの勧告によつて政府はきめるというふうな恰好になつておりますので、事実上は殆んどそういう方面行政権限に近いものはカナダ放送協会が持つておるという点と、それから放送協会運営自体としましてみずから広告放送をやつておる。広告放送のパーセンテージは大体時間にいたしますとほぼ二〇%足らず、一八%ちよつとですか、経費収入の面で見ますと、経費といいますか、収入の面で見ますと、大体全体の収入の二八・七%がコンマーシャルのほうの収入になつております。そういうわけで同時に、みずから広告放送をやりながら民間放送と並立しておるという点が違つておりますが、それと同じような方策でやつていいのじやないかということをこのときにカナダ改選協会意見を発表したわけであります。そしてとにかく非常に経費がかかるということと、それからいろいろ未解決な技術的問題があるから、要するに愼重に検討して行かねばならない、殊にテレビジヨンというものを一旦踏み出した以上は、成るべく早く全国的に拡げる必要があるし、カナダでは非常に広い地域人口が稀薄なわけでありますから、それにネツトワークを張るについてはいろいろむずかしい問題が考えられる。そこでやる以上は早くやらなければならないから、やるまでに十分愼重計画を必要とするというふうなことを言つてつたのであります。ところが一方アメリカにおいてのテレビジヨン実情が非常にどんどん進展して参りまして、カナダのほうでも大体アメリカ側に接触した地域の人は直接アメリカ放送を受ける。大体がカナダ人口は殆んどアメリカ側国境線沿つてずつと百マイルぐらいの地域の間に非常にたくさんの人がおつて、そのほかはばらばらになつておるわけですが、それがだんだんとアメリカ放送を直接聞いてそれに影響されて来るというふうな点から、何とかカナダでも早くテレビジヨン放送を実施しなければならないという意見が強まつて来たように思われるのでありますが、そこで一九四九年の三月にカナダ政府カナダテレビジヨン組織計画的な発達についての暫定的な政策というものをきめて発表しております。それは後に国会からも認められまして、現在のカナダ政策になつておるようですが、それによりますと、テレビジヨン放送については一般的にこれをコントロールする任務というものはカナダ放送協会管理委員会に委ねる、従つてカナダ放送協会管理委員会放送協会のみずからやつて行くテレビジヨン放送と、それからカナダ放送法で免許されるいわゆる民間放送局によつて行うテレビジヨン放送というものと両方について準備を進めて行かなければならない。それから差向き全国的な番組製作全国的番組を作り出す中心、それからテレビジヨンを実際に送り出す送信中心としてモントリオールトロント両方中心地を速かに作る。それから民間テレビジヨンについては経済的能力番組、そのほか放送サービスについて適当だと認められるときには各都市に一つだけ許可がされる。それからカナダ放送協会が実際仕事を進め、建設を進め、運用を最初開始するために必要な金として四百万ドルの借入金を政府から認めるというふうなことを発表しております。それに基いて先ほど申上げました計画が進められているのでありますが、大体の計画の概要は金額で申しますと、私は実はモントリオールのだけを詳細に伺いまして、トロントも大体似たようなものだということでありますからそのほうの詳細な資料は持つていないのですが、建設費は二百五十七万二千ドル、それから運営費につきましては二つの計画がございましてまだどちらで行きますかはつきりしていないようですが、短かいほうで行きますと、一週間に十七時間半運用するということで年経費が九十万ドル、その場合に人としては管理関係で六人、番組関係で三十九人、技術関係で三十九人というふうなことの基礎に立つております。一週間に二十五時間三十分運用するとなると年経費が百十二万五千ドル、人間は管理関係でやはり六人、番組関係五十三人、技術関係四十七人というふうなことで計算しているようであります。それからもう一つカナダにつきましては今の政府のそういうふうな政策を決定しておりますと同時にカナダに、單にこれは放送だけではないんでありますが、ロイアル・コミツシヨン・オン・ナシヨナルデイヴエロプメント・イン・ザ・アート・レターズ・アンド・サイエンシスというカナダ王立国民文芸科学委員会とでも訳しますか、そういうものができましてこれはラジオテレビジヨン或いはそれ以外の一般的な文芸科学についてのいろいろのカナダ政策というものを検討して報告している委員会でありますが、それが大体いろいろ検討しました結果今年の初めに報告書を出しまして、その中でやはりテレビジヨンについて次に申上げるような勧告をやつておるわけであります。それによりますと大体現在のカナダ政府方策というものを支持いたしまして、先ず管理の原則についてはカナダにおけるテレビジヨン放送の指導と管理は従来通りカナダ放送協会に委ねられる、そしてカナダ放送協会はフランス語と英語のテレビジヨン放送番組製作計画と、それから録音といいますか、キネスコープだと言つておりますが、録画、録音両方されるそのフイルムの記録或いはそのほかの方法で以て成るべく早く全国にカバーするような番組を送り出す根拠を固めなければならない。それから民間放送の問題につきましては、その全国的番組というものがカナダ放送協会テレビジヨン局で確立されるまでは民間放送局は免許しないようにというふうなことをきめております。又民間放送局が認められた場合にはそれは当然このカナダの国民的な番組というものをそのテレビジヨンから放送しなければならないということもきめております。それから経理につきましては全国テレビ放送網についての設備資金国会の承認を経て国庫から出す、それからカナダ放送、これは勿論カナダ放送協会についてでございますが、カナダ放送協会ラジオテレビジヨン経費は別に分けて経理しなければならない。それからその運用費についてはやはり現在のラジオと同じように受信機特許料といいますか、いわゆる聽取料に当るものですが、それと広告放送を行う商業収入と、若し場合によつて必要なら法律できめた補助金によつて運用費は賄わるべきである。それから番組につきましてはカナダ放送協会は過度の商業主義というものを排除して、カナダ的な内容カナダ芸能人の使用というものを奨励するようにカナダ民間放送を含めての全テレビジヨンに対して厳重なコントロールを及ぼさなければならないということを言つております。そして最後にカナダにおいてのテレビジヨン問題についてはテレビジヨンサービスが始まつてから三年以内に独立の研究調査体というものを設けて、ここで再検討されなければならないという結論を持つております。更に又勧告には入つておりませんが、映画との関係を十分考慮しなければならない。そうしてカナダ映画テレビジヨンが円満に発達して行かなければならないというふうなことを希望しておるわけであります。なおこの聽取料につきましては大体カナダ放送協会のほうで十ドルぐらいという提案が出ているようでありますが、十ドルではとても賄い切れないだろう。従つてその場合に国から補助金が出るか、或いは十ドルよりもつと上らなければならんかということについては実はまだきまつておらないということ、これは私が会つたカナダ放送協会の人がそういう話をしておりましたので、公式にはその点につきましてはまだ何も発表されてはおりません。大体まあ大ざつぱなところ、カナダテレビジヨン状況はそういうところであります。
  12. 尾崎行輝

    尾崎行輝君 今の聽取料の十ドルというのは年額でございますか。
  13. 松田英一

    説明員松田英一君) 年額でございます。
  14. 尾崎行輝

    尾崎行輝君 そうするとそれは今のカナダ放送協会だけが取つておるわけですか。
  15. 松田英一

    説明員松田英一君) そうです。結局政府が徴収いたしまして、収入としてはカナダ放送協会収入として入るわけであります。現在はラジオにつきましては二ドル五十セント取つております。
  16. 山田節男

    山田節男君 カナダは今説明にもあつたように非常にこの領域が広くて人口が稀薄だ、これで全国放送網をやるということになると、これはもうとても今お話もありましたが、私が聞いたのでもカナダの東から西までの全国放送網を作るということになると、どうしても五千万ドルぐらいかかるだろう。そうするとそういうネットワークを作る場合にカナダテレビジヨン当局者としては電信電話会社の何と言いますか、コアクスイアル・ケーブルとか、マイクロ・ウエーヴレデイオ・リレー・システム、こういうようなものを使つてやるのか、或いは新規にレデイオ・リレー・システムを作つてやるのか、或いは現在のラジオ全国放送網を或る程度それに、テレビジヨンにマッチするように改造してやるのか、その辺の状況はどういうようになつておりますか。
  17. 松田英一

    説明員松田英一君) それは勿論現在の線ではとても賄いかねるようであります。それで政策としては先ほど申上げました王立委員会が、やはりそういうことを言つているのですが、電話会社建設をして、そうしてそれをカナダ放送協会が借りるのがいいということを言つております。それでこれはカナダでは民間放送がそうなつておるからその通りのことを考えておるようですが、民間放送会社というものはネットワークを持たない。現在のラジオのほうでもつまりプロビンスといいますか、州の中の程度ネットワークは認めるけれども全国的なネットワークCBCが独占するということを言つておりますので、従つてテレビジヨンについてはネットワークということについてはCBCネットワークだけで、そのネットワーク電話会社建設さして電話会社からCBCが借りるということを考えておるようです。
  18. 山田節男

    山田節男君 あなたが見られた範囲電話会社が、このヴイデオ、即ちテレビジヨンに対してそういう回路線、サーキットをそのまま使えるようなものを持つておるかどうか、これをお伺いいたしたい。
  19. 松田英一

    説明員松田英一君) 現在は持つていないように思います。
  20. 山田節男

    山田節男君 そういうことは何ですか、電話会社の協力を得ることになれば電信電話会社が新らしくこのテレビジヨンのために設け、そういうレデイオ・リレー・システムか、コアクスイアル・ケーブルを作る、こういうことになつておるのですか。
  21. 松田英一

    説明員松田英一君) そうでございます。現在のモントリオールトロントとの間のこれはマイクロ・ウエーヴでやると言つておりますが、それもやはり電話会社が作つて貸す、こういうことのようでございます。
  22. 尾崎行輝

    尾崎行輝君 このオーストラリアとカナダと、特に我々の参考になろうと思いますので、よく資料を要約したものを作りまして全委員に配つて頂きたいと思います。
  23. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今説明申上げたようなものを資料にまとめましてできるだけ早くお手許に差上げることにいたします。
  24. 平林太一

    平林太一君 只今濠洲カナダ現状に対して説明を聽取したわけでありますが、すでに英米仏等のテレビジヨン放送に対するこの先進国の実情も先日来会私しばしばの機会においてこれをば承わつたのでありまするが、我が国の現状といたしましてテレビジヨン放送の実施は今日むしろ遅きに失するというような考えが非常にあるのでありまして、私は先日来このことが当委員会の重大なる審議懸案となつておりますにつきましても電波監理委員長たる富安君に対しましては非常に重大の決意を以てこれに臨まれることを要望いたしておつたのでありますが、深くここに考えるところあつたわけでありまして、だんだん審議が進捗して参るにつきまして電波監理委員会がこれに対する態度に対しましてはこの際今後講和後における我が国のテレビ放送が政治、経済、教育、文化、又これが国際的にも非常な重要な関連を持つて来るということを考えなければならないのであります。むしろこれは今日想像するよりも、実施後に至りまして遥かにこれに対しまして大きなるものがあるのでありますから、この実施に対しまする取扱に対しまして一つ公正無私な態度を以ちまして一意我が国のこれが健全なる進展に寄與することを主眼といたしましていたさなければ相成らないということを特に私は富安君に申上げておきたいと思います。同様の意味におきましてこれが監督の任に当りまする電通大臣たる佐藤君に対してもより大きな私はこれに対する御期待を申上げる次第であります。只今報告等を聽取いたしますにつきましても結論としてここに到達いたしますことは、要はテレビジヨン放送の実施を如何なる形態によつてこれを処理すべきかということがその結論になるのでありますが、その具体的なものとして私はこの際富安君に伺いたいのでありますが、もはや同君といたしましてはそれぞれこれに対しまする研究に対する、又取扱に対する蘊蓄というものは、相当に脳中に計画を画かれておることと思いますが、第一にお尋ねいたしたいことは、我が国現下の現状に即応して、この実施を公共企業体によつてすべきか、非公共企業体たるいわゆる民間の独自な自由の立場における商業放送等によつてやるべきか、又公共企業体には公共企業体としてとるべき非常ないい面がありますことを深く考慮せなければならない、併し民間における自由な立場において実施をいたすということに対しましての、我が国の今日の民主国家としての健全な発達をして行く上に、又考えなければならないことである、これに対しまして私は富安君に対する総括した一つ考えをこの際承わりたいと思います。
  25. 富安謙次

    政府委員(富安謙次君) お答えを申上げます。私ちよつと今中座をいたしておりましたので、御質問の点につきまして伺い漏らした点があるかとも存じまするが、若しさようでありましたならば、その点につきましてなおお尋ねをいたしたいと存じまするが、大体私の伺い得ました点につきましてお答えを申上げたいと存じます。テレビの問題はこれが文化、経済その他国民生活の各方面に及ぼす影響の極めて重大であることを深く認識しておりまするので、このテレビを日本に如何に植えつけるかということにつきましては、私どもといたしまして十分の調査をいたし、将来の大計を誤らないようにいたしたいと存じております。大体の方向といたしましてはまだこれをどのように、どう指導、導いて行くかということにつきまして具体的にどうこうということを今ここでお答え申上ぐる段階に達していないというのがありのままでありまするけれども、同時に又この高い文化を日本に早く実現をしたいということは十分に考えておりまするので、両方の点から考えまして、私の今考えておりまする行き方、心のかまえといたしましては、問題の重要性に鑑みまして私どもが私どもの職権を行いまする上におきまして、万遺憾なきように日本全体としての各方面の権威あるかたがたの意見を十分に伺う方法を、何らかの形において講じたい、そうして十分に代表的な意見を伺う機会を持ちまして、それを考慮にとくと入れながら私どもの職権を行うことにいたしたい、こういう行き方、考え方を持つてその具体的の方法について考慮しておるというのが今の実情でございます。お尋ねのありました、例えばこの経営の形態を日本においてはどうするのが一番実情に適しているものであるか、或いは又その実施の時期等につきましてもどういうふうに、どういうときにこれを実現するのが、日本に最も合うのであるかというような、そのほか問題の根本的な重要な事柄につきまして私どもが私どもだけの考えを持つて進まずに今申上げましたような方法によりまして、あらゆる方面の知識を與えて頂くという方法をとりまして進みたいというのが私どもの心のかまえ、考え方でございます。さように御了承をお願いします。
  26. 平林太一

    平林太一君 只今富安君から、大体お考えになつておることを承わつたのでありますが、併しいずれにいたしましても、この実施に対しましては、荏苒として、ただ各方面のこれらの権威者の意見を聞くということだけで、一日一日を引延ばして行くというような段階は、すでに今日は相当に突き進んでおるということが、現状であると私は考えるのでありますが、然らばそれらの点を聞いて、折角慎重を期しておるということの御態度は、さようであるべきことであることは、私も同感の意を表しますが、やはりこの際は、それならばそういう意見をどのくらいの、今後期間を継続すべきか、そしてこれに対する徹底した決意はおよそいつ頃いたすべきであるかということは、同君といたしましては、私はこれを整備して行く上において、およそそれに対する目標を定められておることと思う、それはいつ頃に相成るかということを、これはまあ具体的に期日をいついつかというようなことは、甚だ私どものほうから空で申上げることは当然これは考えておりませんが、およそその時期に対しまして、只今考えを持つておられるかどうか、それを伺いたいと思います。
  27. 富安謙次

    政府委員(富安謙次君) お答えを申上げます。大体いつ頃に実現をさせようという考えであるか、というお尋ねの御趣旨と拝聽いたしたのであります。そのお尋ねの、一体時期をいつ頃実現させるかという問題などは、本件の根本的な考究を要する点の最も重要な一つだと考えまするので、その時期をいつ頃にするかということは、自然それが日本の現在の国情、あらゆる方面から見た国情と関連することが最も深いのでありまして、従いましてその時期、準備、研究等にどれぐらいの時期をおいて、然る後にこれを実現するか、というその時期の問題は、最も大切な問題の一つではないかと考えまするので、その点なども只今申上げましたような方法によりまして、各方面と、日本の代表的な意見を十分に伺いました上で、私どもは決定をいたしたい、職責を行いたい、こういうのが私の考え方でありまして一大体でもいつ頃にということを、只今の段階におきましては、私どもはまだ申上げるところまで至つていないのであります。ただ申添えておきますることは、この問題が、日本の現在の実情から考えまして、決して荏苒日を送つてよろしいことであるとは毛頭考えておりません。日本の各方面からの、この高き文化の輸入と申しまするか、に対する熱望というものは、十分尊重をいたしておるのでありまして、これが国利民福にかなうように、方法を誤つてはならんということは、十分に考えておりまするので、能う限り、でき得る限り、早くこれを実現いたしたいということは考えております。国会の御要望等も特に考慮に入れつつやつておるのであります。ただ、できるだけ早くということか何分にも、事柄の性質から考えまして、莫大の金を要することでありまするし、又一旦出発を誤りますれば将来の大計を誤るようなことにもなり重大なことでもありまするので、そのために愼重にするということたけでありまして、いわゆる調査で日を送つたなどということがあつてはならないということはとくと私ども考えておりまするので、その点も申添えておきまして愼重にする。併しながらこのことが急ぐべきであるということも決して忘れてはいないのである。という両方面の考慮を常に払つているということを御了承願いたいと思います。
  28. 平林太一

    平林太一君 その点は只今の御答弁によりましてこの程度に本日はいたしておきたいと思いますが、併しながらこのことは今お話になりましたような内容の中には、極めて漠然たるものが、非常に解しかねる点が多々あるのであります。主管大臣の指示を受けるなり又意見を求めましてこの一定の時期ということはおよそ方針をきめて、そうしてそれまでに只今お話になりましたような愼重を期するということに対しまして遺憾のない取計らいをするという方向に出られるようにこの際希望いたしておきます。又只今経営者の意見を專ら求めておるというお話でございまするが、極めて大切なことであります。併しながらそれと同様の意味におきまして、いわゆるテレビの利用対象でありまするところの全国民のつまり意思、全国民がテレビジヨンに持つておりまするところの考えなり意思が那辺にあるかということはこの際電波監理委員会といたしましてはこれを実施いたす上におきましての、決定をいたす上におきまして非常にこれは軽々しくこれを取扱つては相成りません、いわゆる国民の持つておりまする意思をこの際十分に一つこれを指示を受け、或いは聽取するということの態度に出られんことを極めて私は適切と考えるのであります。従いましてこれが実施に当りましては、経営者の意見を求めると同時に、いわゆる公聽会を開いて更に多数民間意見を求めるということは必要であると思いますが、この公聽会を開いて意見を求めるということに対しまする御用意があるかどうか、これを一つ承わつておきたいと思います。
  29. 富安謙次

    政府委員(富安謙次君) お答えを申上げます。只今公聽会の点に触れてお尋ねがあつたのでありまするが、公聽会は御案内の通り法律の規定によりましてかくかくの事柄については公聽会を開くべしと定められたる事項もありまするし、又一般的に重要だと思う事柄については公聽会を開けというような書き方の條項もあるのであります。申すまでもなくそういうような法律の規定なり、又法律の作られたる趣旨なりを尊重することにおいては決して私どもはやぶさかでないのであります。只今申上げました一般的に国民の利福について権威ある意見を持つておられるかたがたの意向を伺うということとは別途に、公聽会という方法も十分にこれを活用するということにつきましては、仰せの通りに私どもは万遺憾なきように覚悟を持つておるのでありまして、要するにあらゆる方法によりまして私どもは職権を行う上において過ちがないことを期したい、こういうように考えておる次第でございます。公聽会もいろいろな公聽会をたびたび開かなければならないのではないかと私どもは予期いたしておる次第でございます。
  30. 平林太一

    平林太一君 只今の御答弁の結論は公聽会はこれを開くということをお話なつたということに、こちらはそのように判断して差支えありませんか。
  31. 富安謙次

    政府委員(富安謙次君) ちよつとお尋ねの趣旨がどういうことなのですか……。
  32. 平林太一

    平林太一君 只今お話内容では公聽会に対しまする何か取扱が、いわゆる定められたる法律によつて開くべき場合もあり、開くべからざる場合もあるということを織交せてお話になつたようでありますが、私の質さんといたしておりますことは、この際この実施に当つての決定に当つて、いわゆる標準方式決定に当つては公聽会を開くべきものである、こういうことをこちらから要望いたしておるのでありますが、これに対しまして開くことにする、或いは然らずということを明瞭にして頂きたいと思います。
  33. 富安謙次

    政府委員(富安謙次君) 私のお話、或いはお尋ねの聞きとり方が不十分でありましたがために多少誤解をなすつたかと存じますけれども、問題が標準方式について公聽会を開くつもりであるかないかという、そのことでありますならば、これは問題なく私どもは公聽会を開くことに進めておるのでありまして、成るたけ早い機会におきまして案を作りまして、その案を規定し従つて官報に告示し公聽会を開きたい、それも成るたけ早くいたしたいというのか、私どもの現段階であります。
  34. 平林太一

    平林太一君 この点十分に一つ大いに民主的な立場において、いわゆる民意を大いにこの際顯現発揚せしめて、これが実施に当つて遺憾なき措置をこの際重ねて要望いたしておきます。
  35. 山田節男

    山田節男君 大臣がお見えになつておるので、電気通信大臣に質問をして見たいと思います。
  36. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) よろしうございます。
  37. 山田節男

    山田節男君 大臣時間おありになりますか。
  38. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) よろしうございます。
  39. 山田節男

    山田節男君 実は私どもは過去八月中旬から二ヵ月ほど留守をしておりまして帰りまして実は驚くほどテレビジヨンの問題が当面の課題として各方面で論議されております。この点について関連する問題について電通大臣の所信をはつきりして頂きたいと思うのであります。その第一点は御承知のようにテレビジヨンがいよいよ実現されるということになりますと、その放送網の問題ですが、これに関しましてはいろいろ要素が要るのでありますが、特にこのテレビジヨン放送全国的にこれを放送せしめる、こういうことになりますれば、勢い中継の問題が起きて来るのであります。中継には御存じのようにコアクスイアル・ケーブルを使うか、マイクロ・ウエーヴレデイオ・リレー・システムを用いるか、この二つしかないわけであります。御承知のようにテレビジヨンを開設し、これを而も全国放送網に拡げるということになれば、莫大な金が要るのであります。もとより今日の非常に疲弊困憊した日本の経済下で三年や五年でこれはできるものではないということは、これは常識であります。そこでこのテレビジヨンの開設並びに全国普及ということに関しまして、電通大臣にお伺い申したいことは全国放送に必要なマイクロ・ウエーヴレデイオ・リレー・システムでも、或いはコアクスイアル・ケーブルというものは、これは電信電話の事業と離るべからざる関係にある、今日文明国におきましては電信電話の増進を図り、能率を増進するためにコアクスイアル・ケーブルを使い、又マイクロ・ウエーヴレデイオ・リレー・システムということを用いるのがこれが常識になつておる。そこで日本の電話の現状を見ましても、もう電話の能率が上らないということにつきましては、これは国民一般のこれは実に不満の極度に達しておると思うのであります。電通大臣としましては、電話の能率の向上ということについては日夜努力されておることも十分存じておるのでありますが、このテレビジヨンがいよいよ早晩、でき得べくんば早い機会において実現したいということを仮定いたしますならば、これに附随して放送の中継に関しまして、電通事業として最も電話電信に関連深いこの中継に対するマイクロウエーヴのレデイオ・リレー・システム、或いはコアクスイアル・ケーブルを、今後電通大臣としてどういうふうにされるつもりか、これは電信電話を主体といたしまして、又それに附随いたしまして今のフアクシミリ電送写真であるとか、或いはテレタイプであるとか、こういうようなものがあるのでありますが、更にこの、ヴイデオ、テレビジヨンTVというものをこれに附随せしめる、こういうような点からいたしまして、大臣はどういう所信でおられるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  40. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 私は技術のことは余り詳しくわかりませんので、でありまするが只今あずかつております電気通信省の仕事の面で、かねてから委員会等で申上げて参つたのでありますが、現在なかなか電話の開設が容易でないとか、或いは通話が円滑でないということで、その面に特に力を注いで参つておるわけであります。従いまして基礎的な……、交換所の整備であるとか、或いはケーブル線の増設であるとか、或いは中継施設の整備であるとかいうようなことに特に力を注いでおるわけであります。現在あずかつております電信電話、これを円滑に隔地通信をいたします面から見ましても、只今お尋ねのような点については、特に力をいたさなければならない問題だと、かように考えております。殊に昨年来問題になりました民間放送なり、又本年新らしく非常な問題になつておりますテレビの開設等を考えて見ますると、御指摘になりました点は、今後電気通信省としても特に力を注がなければならない問題ではないかと、かように思つております。
  41. 山田節男

    山田節男君 それは急がなくてはならんということは勿論わかるのでありますが、このテレビジヨンを開設することになつて、これを若し、これはまあ公共企業体でやるか、成いは民間でやるかということは今後の解決問題でありますが、そういう目途でテレビジヨンを始めるということになる場合には、必ずこれはもう中継ということが問題になる、それをこの貧弱な日本テレビジヨン放送にはそういうものを使う、今日は国営でやつておる電信電話というものをそれによつてそれを利用するとか、或いは政府が又別個のものを並行して作るとか、こういうことになれば非常に不経済だと思うのですが、早くやらなくちやいかんということをおつしやいますが、テレビジヨンが若しこれを早急に実現するということになれば、そういう問題が起きた場合に電通省としてはどういう対策をとられるのですか、これをお伺いしたいと思います。
  42. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来申上げておりますように、今日の電話なり電信を円滑に遂行する上から見ましても、もうすでにマイクロ・ウエーヴの問題を取上げて、二年前から実用化を図つておりまするが、殊にこの市外回線網の整備その他の面から見ましても、当然只今のところのものを整備して行くという方針には実は変りはないわけであります。で、まあテレビの問題を只今強く出しておりまするが、テレビの問題は先ほど来電波監理委員長なり或いは電波監理庁なりで、それの対策を只今考究中やに伺うわけであります、これらと十分連繋を緊密にいたして参る以外には、只今考えておることはないわけであります。
  43. 山田節男

    山田節男君 今この電波監理委員会のほうへテレビジヨン放送についての申請が二、三出ているという話であります。私らの手許に配られたその申請書の写しなんか見ましても、或る会社のごときは全国網にマイクロ・ウエーヴレデイオ・リレー・システムを使つてそうしてこのテレビジヨン放送をやると同時に、この電送写真、テレタイプ、こういうものもやるという、これは明らかに電気通信省の所管事業であります。そういうようなことも……それでは若しそういういろいろなことを考えておられるうちに、テレビジヨン放送を急ぐということになると、そうして開設は当然附随して起る……、この放送の中継、そういうものに対して今のような電送写真とか、テレタイプというような電気通信省の所管事業民間の会社に許せるものかどうか、この点を一つ伺いたいと思います。
  44. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 只今のところ施設自身を民間が持つて悪いという、法律上禁止しておるものはないわけであります。法律上から電通省といたしましては、テレビだけの中継施設を持ちたいと、新たにやりたいという場合にこれに干渉する権限はありません。併し今お話になりましたような施設をテレビ以外の電信とか、電話にその施設者が使用するということは、今日の電信法上は認められない状況になつております。この点はすでに十分御承知のことだと思います。
  45. 山田節男

    山田節男君 これは非常に大きな問題でありますから、まだ考究中ということを言われるだろうと思いますが、併し、テレビジヨンが、これはとにかくまあ一年先か、二年先か、或いはそれより早くなるか、これは今のところわかりませんけれどもテレビジヨンがそういつたような性格を持ち、そういう一つ機能をどうしても備えなくては全国放送網も整わない、特に電通省の電信電話事業と重複することになる、その権限というものはこれは電通省の所管大臣としてどうするかという、このことをお考えにならなければならない。先ほど申上けたように、その腹をきめるにつきましても、電話の今の不能率な点、それから電信の能率を上げるという点から見ましても、今国民が非常に不満を持つておる電信電話については、これは早くテレビジヨンにも使う、マイクロ・ウエーヴの中継組織、或いはコアクスイアル・ケーブルというものを完成しなければならない。いろいろ経済的な制約があるということは、勿論私どもは十分承知しておりますが、電話の能率増進という点から見ましても必要であるのみならず、今日の国際的福祉というものを見ると……日本は今日国営であつて、殊にアメリカのように民間と競争されて、而も電子学の発達に伴いまして日々と進歩しておる、国内の通信といえどもこの国際通信のこの進歩に応じた能率を上げるということをするのは電通省として当然のことである。でありますから、今大臣として非常に言いがたい点もあると思いますが、現実にこのテレビジヨンの、我々がここで論議するに当りまして、この中継の問題をやはり電通大臣として腹をはつきりきめてもらわんと論議の進めようがないと思う。大臣の立場としてはよくわかるけれどもこの根本問題をどう切り抜けるか、或いは政府でやるかということであるが……、これは私はそれでは大臣にお伺いしますが、この前に大臣が、電話事業は将来これはまあ公共企業体で、政府の直営ではいけない、こういうことをお漏らしになつたことは、私は新聞で見ているわけであります。さようなことが決定しなければ大臣の腹はきまらないのであるかどうか、この点一つお伺いしたいと思います。
  46. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 今まあテレビの問題を中心にしてのお話でありまするが、電気通信を運営する基本的方針といたしましては、過去の委員会等におきましてもたびたび方針を明示しておるのでありますので、この点は誤解がないかと思いますが、重ねて申上げて見ますれば、只今の電信電話、更に民間放送等をも含めまして十分な活動ができるように整備することは、これは私どもの責任だと思います。併し国がやつております電気通信省といたしましては、そのときそのときの予算等によりましていろいろ拘束を受ける場合もあるわけでありますので、これは国の予算で縛られて国内の発達上に支障を来たすようなことがあつてはこれは申訳がないと、かように考えまして、かねてから申しております通り民間の積極的協力を求めるという考え方を持つておるわけであります。この点については基本的或いは原則的な方針といたしまして何ら変りがないのであります。従いましてもう少し打明けて申しますれば、この現在の電信電話等におきましても民間の協力等によりまして施設の整備は可能な状況になつておる。その点は、今後新らしい事態が起りましても、基本的にその点において変更を加える何ものもないように思います。ただ問題は、具体的な問題につきましていろいろお尋ねがあるのではないかと思うのでありまするが、具体的な問題自身は先ほど来由しましたように、只今電波監理委員会等におきまして、基本的にまだ決定をしておらない状況でありますので、その点に合してお考えになりますことは少し結論を急がれるのではないか、かように思うわけであります。私どもといたしましては、かねてからの方針、民間との協力を考えておることについては何らの変りはありません。
  47. 山田節男

    山田節男君 電話の能率を増進するのにはどうしたらいいかということは、これはまあ別の委員会で申上げたいと思つておりましたが、この機会にちよつとその一端だけ申上げて大臣の御意見を伺いたいのですが、それは私は前の電通委員会でも大臣に直接申上げたと思うのでありますが、今日の電通省のやつておる電信、殊に電話事業は、これはもう明らかに一つのマンネリズムに陥つております。これは国営から来る一つのマンネリズム、或いは今日の官僚の何と申しますか、性格と申しますか、そういうものから来て一つの悪循環に陷つておると私は申上げたい。この悪循環のリングを一つ切らなければ、電話の能率というものは根本的によくならないと、これは私だけの意見かも知れませんが、私はそういうふうに考えておるのであります。そこで私はこの悪循環の一つのリングを切るということについて電通大臣に非常な期待を持つておる。これが電話の能率を刷新せしめる根本原因であると私は思うのであります。そのことはいろいろな制約があると思うのです。殊に私が佐藤大臣に期待する点は、電話が増設されるということは勿論必要でありまするけれども、能率の悪い電話をたくさん増設するよりも、現状のものをもつとよい、聞きよい、又サービスの早いものを作るということが、これは一つ政府としてとるべき方針ではないか。それにはどうするか、スイッチ・ボードの問題になるでしよう。或いはコアクスイアル・ケーブルとか、或いはマイクロ・ウエーヴのリレー・システム、殊に私たち向うに行つてびつくりしましたことは、この無線電話に使うマイクロ・ウエーヴレデイオ・リレー・システムは、六チャンネルのものが、すでにロンドン、ニューヨークでは九チャンネルも使つておる。ベル・システムの、東から西にずつとマイクロ・ウエーヴのパワーを完成せしめまして、百七つのパワーを完成せしめまして、もうすでにこの十月の現在を以ちまして、そのマイクロ。ウエーヴのステーシヨンにおきまして、約三十万ワイヤー・マイルスの効力を発しておる、年末までには五十万ワイヤー・マイルスの能力を発揮すると言うておるのであります。こういうような点を電通省は……、これは金の問題ではないのです。国民が心から叫んでおる電話の刷新のためには、大臣がそこに一つの悪循環を切つて頂く糸口があるのではないか、かように私は考えるのであります。でありますから、更にこのテレビジヨンが我々国民としても早く実現されることを要望しておるのでありますならば、電通大臣として、電話事業を改善し、而もテレビジヨンにも使わせると、或いは電送写真、或いはテレタイプという方面にも能率を上げる、日本の電気通信というものをここに革命的に刷新して頂く一つのチヤンスではないか。そこで私は大臣として、一大決心をして腹をきめてもらうという重大時期に直面しておると思いまするから、私はそういう質問を申上げておる。それに対して何らどうもはつきりしたことは言えん。先ほど富安委員長から、平林委員からの質問に対してのお答えがありました。これは電波監理委員会は困ると言うのです。この問題が電通省の腹がきまらないからには電波監理委員会として軽々に結論が出ないのです。そこで私はあえてそういう大臣のお言葉ならば、これ以上の質問を重ねても無駄であるからいたしませんけれども、そういう主体條件を一つ十分考えて頂きたい。一つ早く腹をきめて、我々に発表されんことを希望します。  それから次には、電気通信法が第十三国会には提出されるやに私は聞いておるのでありますが、私どもが向うに行つて聞きましたことは、放送事業はこれは公衆通信ではない、アメリカ通信法によりますると、いわゆるコンモン・キャリアーではない。従つて向うの連邦通信委員会は、放送事業に関しましては、放送者が……、何と言いますか、エアー・タイムと言いまして、放送の時間の切売りをして広告主に金を払わせるというのですが、このエアー・タイムにチャージする料金の監督権、従いまして、それに附随しておるところの日々のプログラムの監督、それからその経営に関するもの、或いはこれに従事し或いは出演するところの芸術家、或いはそういう人員に対する監督権もないという実情であります。これは要するに、放送事業がいわゆるコンモン・キャリアー、公衆通信でないということが謳われておるために、アメリカ連邦通信委員会は非常に困つておるのであります。そこで今度政府が提出される電気通信法におきましては、この放送事業は、放送オペレーシヨンは、これは公衆通信である、コンモン・キャリアーであるということをはつきり定められるのか、そうでないのか、この一点を一つお伺いしたいと思います。
  48. 靱勉

    説明員(靱勉君) 現在の電信法におきましては、相当疑問の点もございますので、新たに有線電気通信法及び公衆電気通信営業法を定めまして、公衆通信の観念というものをはつきりさせたいという考えでおります。特に無線につきましては、すでに電波法におきまして規定されておるのでございますが、例えば放送を中継するという場合に有線の電話線を使つておると、これをどういうふうに考えるかという問題でございますが、現在におきましては、やはり電話といたしまして有線の面におきましては考えておるのでございまして、併しこれは絶対に私設ができないかどうかと申しますと、現在の私設電信規則におきましても、そういうものを本当に専用する場合におきましては私設できると、これは勿論許可を要しますが、そういう形になつておるのであります。それでまあ放送というものは、これは公衆通信かということにつきましては、在来の観念としましては勿論公衆通信でないと、ただ私ども先般電信法の改正におきまして、公衆通信というものをどういうふうな観点で規律するかという問題をいろいろ検討いたしたのでございますが、その案におきましては、他人のために電信電話を電送すると、通信するというようなものを公衆通信として考えて行くと、そうなりますと、これは或る私設の会社ができまして、放送の専用線を持つておると、これを他のものにも電話として電送するのだということになりますと、この規定にかかつて来る。これはまあ勿論有線電気通信法の制定の際、国会の御審議をお願いするわけでございますが、大体そういうような案で考えておつたので、放送自体を私設通信と見るかどうかという問題は、その見方と言いますか、私設の放送を利用する態様によつてつて来るのじやないかと、こういうふうに只今のところは考えておる次第であります。
  49. 山田節男

    山田節男君 今私の質問申上げたのは、いわゆる放送事業というよりか、いわゆるブロード・キヤステイング・オペレーシヨンです。その点は一つはつきり私は呑込んで頂きたいと思うのですが、今の靱次官の回答に対して電波監理委員会はブロード・キヤステイグ・オペレーシヨンというものをどう考えておるか、やはり公衆通信考えておるかどうか、今までの法規的研究の結論と、それから電波監理委員会のブロード・キヤステイング・オペレーシヨンに対してこれをコンモン・キリアーと見ない、或いは見る、これを一つお伺いしたい。
  50. 富安謙次

    政府委員(富安謙次君) お答えいたします。電波監理委員会といたしましても、お尋ねの問題につきましては只今電気通信次官の答えられたような同じ見解を持ちまして行政をいたしておる次第であります。政府部内といたしまして、両機関の間において同じ解釈の下に行政をいたしておる次第であります。非常に細かい法理的、或いは理論的なことになりますると、私極めて不得手でありますけれども、行政の大体私のとつておりまする立場といたしましては、電気通信省の只今の御答弁と同じことと解して行政いたしておる次第であります。
  51. 山田節男

    山田節男君 今靱次官の言われたことの解釈によると、やはりこれはアメリカ通信法と同じように放送のオペレーシヨンはコンモン・キャリアーでない、そうすると将来の電波行政から考えて、ただ周波帶数割当、そういうものだけで満足せられるものかどうか。それをお伺いしたい。
  52. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 昨年の六月国会におきまして御審議の上で制定されました電波法によりますと、その第四條に明らかに公衆通信業務について規定してございまして、「公衆通信業務を行うことを目的とする無線局は、国でなければ、開設することができない。」ということになつております。従つてこれを逆に考えますというと、放送協会なり、或いは民間放送といたしましても、或いは外の一般の私人なり公人なりが無線局を電波法に基いて許可の申請をし、許可を得るためには、公衆通信業務は行わないということになるわけであります。従つて、私ども放送業務のようなものは公衆通信業務の範疇には入らないものということで許可なり審査なりをいたしておる次第でございます。
  53. 山田節男

    山田節男君 そうすると、大臣にお伺いしますが、電波監理委員会が、例えばヴイデオ一般の、そういう放送に対しては、ただ周波帶数割当とか、或いは技師のライセンス、免許に関するここだけの監理をやるのであつたならば、その後の、例えば当然起つて来る放送会社、或いはそういう企業体が広告料、或いは聽取料を取る、こういう場合には、そうなると電波監理委員会というものは全然関係はないと私は解せざるを得ないのですが、そういうときには、電通大臣のほうできめるということになるのですか。
  54. 靱勉

    説明員(靱勉君) これは電気通信大臣といたしましては、現在のところ公衆電信電話業務を管理いたしております。これは一つ企業体として経営して行かなければならん。もう一つ電気通信大臣の権限といたしましては、現在電信法におきまして、有線電気通信施設の監督をいたしておる、先ほど申しました、いわゆる私設の電信電話……無線につきましては、御承知の通り電波法その他の法律によりまして、これは電波監理委員会の権限になる、こういう形になつておるのでありまして、例えば放送事業会社の監督ということは電気通信大臣の権限ではない。ただその場合に、有線の私設電信電話等を利用される場合におきましては、その範疇に入つて参りますが、事業自体の監督というものは電気通信大臣にはないのであります。
  55. 山田節男

    山田節男君 そうすると、例えば放送会社、これは若し民間商業のテレビジヨン放送会社が始まつたといたしますと、十五分、三十分、一時間というような、いわゆるエアー・タイムを広告主に切売りする、そういう場合に、例えば午後の七時から八時の料金は三十万円であるというような値段を、そういうチャージをつけた場合に、電通大臣も電波監理委員会もそれに対する何ら管理権がないということになれば、そうすれば物価庁か何かでなければきめられないということになる、そういうことが果して電通当局としては、或いは電波監理委員会としても放置し得るかどうか、電波管理委員会にないとすれば、電気通信に関して起る……、電気通信一つの一産業ですから、この点から言うと非常に妙な話だと思うのですが、そうすると、今の靱次官の見解によると、そういう料金の設定に関する権限は電波監理委員会にもなく、電気通信省にもない、これは物価庁か何かでやる、こういう見解になるのですか。
  56. 靱勉

    説明員(靱勉君) 電気通信大臣の権限の幅におきましては、明らかにそういうものの料金をどうするという権限は全くございません。電波法、放送法におきまして、料金の設定等について全然民間放送等について管掌がないとするならば、全くないということで、無法律だと言わざるを得ないじやないかと思いますか、これは電波監理委員会のほうからお答え願いたいと思います。
  57. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今の問題につきましてお答え申上げたいと思います。御案内のように、放送法におきましては、日本放送協会の業務の監督につきましては、相当詳細に規定されておりまするけれども民間放送、いわゆ一般放送業務を行う、俗に申しますところの民間放送につきましては、番組のことについてだけ、いわゆるラジオ法、広く申しますとそういう規定があるだけでございまして、国といえども番組の編成には関與しない、言論の自由というような観点から、内容にタッチしないというようなことになつておるわけであります。なお民間放送のことについて、放送法におきましても、余り詳細に規定されていないということは、当時放送法が制定されました時分に、民間放送はこれからでき上るものである、これがどんな工合に今後発展して行くかもわからないので、取りあえず言論の点から、或いは社会の風紀なり、或いは治安の維持の上から必要の最小限度の番組の編成上の規定だけを置いて、今後の発展の如何によつてお話のような点が必要であるならば再考しようということではないかと私ども承知いたしております。
  58. 山田節男

    山田節男君 今電波監理委員会並びに電通省の大臣なり次官からいろいろ御意見を伺つたのですが、私はどうもまだそれだけでは了承し得ない点もありますけれども、時間も進んでおりますから、又次の機会において違つた角度から又大臣なり電波監理委員会の方針をお聞きしたいと思います。私はこれで打切ります。
  59. 新谷寅三郎

    新谷寅三郎君 只今山田委員との間にコンモン・キャリアーの問題について質疑応答があつたようですが、これは私から申上げるまでもなく、コンモン・キヤリアーという観念は勿論イギリス法独特の観念でありまして、アメリカのほうでは今通信事業もコンモン・キヤリアーの中に入つております。併し、本来これは鉄道或いは海運とかいつたものがコンモン・キャリアーとして扱われておつたのでありまして、従つて電波監理委員会なり、電通省の言われておるところは、こういう意味じやないかと私思うのですが、間違つておつたら訂正して頂きたい。つまりイギリスにおきましても、例えば必要のある場合には、鉄道の運賃でも、或いは船の運賃でも、これは規制をしておつたのであります。本来コンモン・キャリアーであればそういつた法制を作つてはいけないということはどこにもないのでありまして、従つて法律の趣旨から言つて、或いはそのときの政治、経済、社会状態から言つて、そういう監督規定を置く必要があればこれはいつでも置かなければならん、そういうものだろうと私は思うのであります。従つて、この放送或いはテレビに関する料金その他の問題も、日本の場合にして考えれば、現在アメリカの建前は、法制上そういつた監督はしないことになつておるけれども日本としては、日本の政治経済、社会状態から見て、そういう必要が起れば、これは放送法等においてそういう監督規定を置いておかなければならん、こういう意味のことを言つておられるのじやないかと思うのですが、その点は如何ですか。
  60. 靱勉

    説明員(靱勉君) 私の先ほどお答えいたしましたのは、現行法上の解釈と昨年来有線通信法並びに営業法を作るときに問題になつた点を申上げたのでございます。
  61. 長谷愼一

    政府委員長谷愼一君) 只今新谷委員からの御質問に対しまして、電波監理委員会の者といたしまして考えておることをお答え申上げたいと思います。お話の御趣旨の点は、我々非常に御尤もと存じておりますので、現在、先ほど申上げましたように、放送法或いは電波法に基きましては、一般放送業者の料金とか番組の料金でございますが、そういうものを規制する法律的な規定が何らございませんので、現在は行つておりません。おりませんガ、将来これらの仕事の発展の如何によりまして、そういう規定を制定することが必要になつた場合には、やはり考慮して頂かなければならんのじやないかと存じておりますが、先ほど申上げましたように、目下誕生し、或いは発展の途上にございますので、まだその実態がどういうところに行くかわからない現状にございますので、放送法はその問題は将来に残されておるのじやないかと承知いたしておる次第でございます。
  62. 尾崎行輝

    尾崎行輝君 電通大臣にどうか率直な御意見を承わりたいと思いますが、テレビジヨンを今度やることにつきまして、やはり今まで通り日本現状のようにNHKといわゆる民間放送と同じようにやりますのか、或いは全然独占的にNHKならNHKにさせるのか、或いはアメリカ式に全然自由にやらせるのか。どれが一番適当と思われるかということについて何かお考えがありましたらお伺いいたしたいと思います。
  63. 佐藤榮作

    ○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど電波監理委員長なり或いは電波庁長官からお話がありましたように、実は電気通信省の所管でありませんので、私のほうからお答えするわけには参りません。
  64. 平林太一

    平林太一君 先刻来山田委員及び政府との質疑応答を伺つておりましても非常に思われることでありますが、実施に当つての結局具体的なこととしていわゆる技術的に非常にこれが重要になつて来るわけでありますが、例えば、マイクロ・ウエーブのごときものが非常に重要な存在乃至使命に相成つて来ることが想察されますが、このマイクロ・ウエーヴは国内産と無論外国産とあることと思いますが、国内でこれは完全なものができるものであるかどうか、これは一つ次官にお尋ねいたしたいと思います。
  65. 靱勉

    説明員(靱勉君) 電気通信省といたしましては、一昨年来マイクロ・ウエーヴの実用化ということで、通信研究所が中心になりまして検討いたしておるわけでありますが、すでに東京横須賀間におきまして、これの実用化試験をやつております。大体近い機会に実用に供されるという状態になつておりますが、これはまあ非常に回線を余計取れるのではないのでありまして、先ほど来問題になつておりますのは、更に別の方式と申しますか、これは又施設局長から御説明申上げますが、それを検討いたしておるのであります。勿論通信研究所としても、相当の自信を持ちまして、現在早くこれを実用化するように研究を進めておるような次第でありまして、相当アメリカにおける最高技術と同じようなものを実用化に移して行きたいという考えでおる次第であります。
  66. 平林太一

    平林太一君 そうすると、この実施に当つては、外国製のものと、内地製のものと、どちらをとるべきか、又この取扱については、これは参考までに私から今日伺つておくわけでありますが、これは実施に当つて、完全な実施をする上において、どちらが妥当かということを一つ承わりたい。
  67. 靱勉

    説明員(靱勉君) これは施設局長からお答えさして頂きたいのですが、私どもといたしましては、勿論国内産業の立場ということも考えておりますが、一方外国の進んだ技術を導入するということについては常に積極的に行きたいという考えを持つております。そこで、現在非常に進んだ技術を持つておるのは明らかにアメリカでありまして、それの技術を我々のほうへ得たいという考えはありますが、これはやはり若干それぞれの祕密という問題もありますし、各国それぞれいろいろな資料によつて通信技術の研究を進めておるような次第でありますから、單に通電省といたしましては、通信研究所だけではなく、国内の民間通信技術の関係のもの、或いは外国のものというものに対しまして、常に積極的な観念で協力するという点において考えておるのでありますが、なお只今の御質問に対して施設局長から答えさせて頂きたいと思います。
  68. 吉田五郎

    説明員(吉田五郎君) 技術的な立場から補足させて頂きます。  只今次官からお話申上げました通りでございますが、いわゆるマイクロ・ウエーヴ通信方式と申します中には、テレタイプのような電信だけをマイクロ・ウエーヴでやつておりますもの、或いは私どもが現在東京横須賀間において実用化試験中の二十四通話、或いは三十三通話のような程度の電話をやる方式、更にアメリカのベル・システムがやつておりますような約五百通話とテレビジヨンと、いずれにも使える最高級のマイクロ・ウェーヴ方式、大体この三種類に世界中が分れております。それで私どもが将来の日本の長距離電話網の拡充に対しまして考えておりますのは、丁度ベル・システムかやつているようなものを対象に考えておるわけでありまして、目下電気通信研究所におきまして、国内の民間の製造工業の研究陣容と一緒になつて国産化を考えておる次第でありますが、只今次官からお話しましたように、例えばベル・システムのやつておりますような優秀なるマイクロ・ウエーヴ方式は私どもにとりまして非常に技術的な参考になりますので、十分私どもに対するサンプルといたしましては、非常に貴重なものだろうと考えておりまして、機会がありますれば是非導入したいとも考えております。併し国産が可能か、不可能かという点につきましては、実はまだ明白なることを申上げる段階にないわけでありまして、長期の実用化試験をやりませんとその安定度が問題になりますので、目下研究所を中心にして、関係者を総動員して勉強いたしておるところでございまして、その実現の時期を明確に今ここで申上げることはちよつと不可能でございます。そのつもりで勉強中でございます。
  69. 山田節男

    山田節男君 これは前に新谷委員からもちよつとお話があつたように私は思うのですが、記憶するのですが、アメリカのベル・システム、RCA、それからケロッグ・スウヰツチ・ボードアンド・サプライ・カンパニー、オートマテイツク・エレクトリック・カンパニー、こういうようなメーカーがこの日本の電気通信、殊に電波関係通信機、或いは放送の機械のいろいろなパテントを持つており、非常に進歩している。日本はもう或る程度技術が進んでおるのであるからして、ちよつとそれを使えばすぐ立派なものができる。そこでたしか私はRCAだつたと記憶しますが、このRCAは日本政府の電気通信省に対して、そういつたようなRCAの持つているパテント、或いは優れた技術の点を、これを自由に、例えば日本の電気通信省でこのメーカーならいいというようなメーカーに作らして見る、或いは電通省の研究所で研究して見て、よければこいつを使うというようなこと、そういうようなことをオーソライズしているというようなことを私ども報告を受けたのですが、果してそういう事実があるのかどうか、それからあるならば電気通信省がメーカーに対してもそういうような技術を一日も早く発達するような、進歩するような手段をとつておられるのかどうか、この点を一つ具体的な例を以て御説明願いたい。
  70. 吉田五郎

    説明員(吉田五郎君) 例えばRCAの問題等具体的に申上げますと、昨日電気通信委員会に対しまして対米通信に使います四重の電話方式でありますが、これにつきましては電気通信省に対して、国内においてそのようなものが更に製造できるようなパテント・ライセンスその他の各種の條件を目下首脳部において考究しているから、いずれ近いうち日本政府に対してその條件を示すというのを昨日手紙で参りました。具体的な点はそれ以上まだ触れておりませんが、実はRCAの四重の対米回線を構成します通信方式は、すでに電気通信省としてこれを第一台目はアメリカから直接輸入しましてやることになつておりますので、第二台目からのものに対しまして今後如何にするかということを目下折衝中でございます。その他RCAに関しまして製造技術一般並びに通信方式に関します特許権の問題及び製造の技術的資料につきましては、現在日本におきましては東京芝浦電気株式会社、神戸工業株式会社等がそれぞれ技術提携の交渉をしておりますので、電気通信省としては直接その問題に対する関係をしておりません。併し真空管、部品、材料その他各種のものがそのような技術の導入によりまして従来のものよりも画期的に改善されますならば日本通信工業全体として非常なプラスであるというふうに考えております。なおほかの会社につきましてもそれぞれ目下交渉を進めているのもございますし、すでに日本電気及び住友電気工業のごとく、或いは古河電気工業のごとく、アメリカのそれぞれの会社と提携の済んだところもございまして、その進行状況は全部連絡を頂いております。
  71. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) お諮りいたしますが、本日はこの程度にいたしまして、だんだん会期も切迫しておりますので、十六日には請願の審議をお願いいたしたいと思います。なお十七日に時間がございますれば本件の調査を続行いたしたいと思います。特に当委員会から要求しておりまする標準方式の試案もここに提出してございまするので、その辺の説明を次回におきましては電波監理委員会から承わりたい、かように考えております。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十四分散会