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1951-10-16 第12回国会 参議院 電気通信委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月十六日(火曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————  委員氏名    委員長     寺尾  豊君    理事      村尾 重雄君    理事      新谷寅三郎君            大島 定吉君            鈴木 恭一君            山田 節男君            尾崎 行輝君           深川榮左エ門君            水橋 藤作君            平林 太一君   —————————————   委員長補欠 十月十日委員寺尾豊委員長辞任につ き、その補欠として鈴木恭一君を議長 において指名した。   委員の異動 十月十二日委員大島定吉辞任につ き、その補欠として黒川武雄君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     鈴木 恭一君    理事            村尾 重雄君    委員            尾崎 行輝君            水橋 藤作君            平林 太一君   政府委員    電波監理委員会    委員長     富安 謙次君    電波監理委員会    副委員長    岡咲 恕一君    電波監理長官  長谷 慎一君   事務局側    常任委員会専門    員       後藤 隆吉君    常任委員会専門    員       柏原 栄一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電波行政に関する調査の件   —————————————
  2. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) これより会議を開きます。電波行政に関する調査を議題といたします。  会議に先立ちまして、一言私から御挨拶を申上げます。不肖私、今般図らずも寺尾委員長のあとを受けまして、当電気通信委員会委員長に選任されました。私個人といたしまして光栄に存じておるのでございまするが、御覧通り浅学非才な者でございまして、この重責を全うし得まするか、内心忸怩たるものがございます。幸いにして、委員各位におかれまして前委員長に対して寄せられました以上の御協力によりまして、私といたしましては微力ながら最善を尽して、大過なきを期するほかに途はないのでございます。よろしくお願いいたしたいと存じます。なお、議事の進行等につきましては、私全く不慣れでございまして、いろいろ不行届の点も多いと存じますが、専門調査員或いは委員部のかたがたの御助力を得まして努力いたしたいと存じます。一言御挨拶申上げまして皆様の御協力をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  3. 村尾重雄

    村尾重雄君 今日は電波監理委員会から御出席なつておりますので、その電波監理委員会から何らかの今日の電波監理委員会仕事としての御報告があることだと思いますが、私から少しお尋ねしたい問題は、今日御承知のように問題となつているテレビの取扱の問題であります。聞くところによりますと、十月の二日に日本テレビ会社という名目でか、認可の申請をなされたということを新聞紙によつて承わるのであります。そのいきさつについて、即ち正力さんだとか、藤山愛一郎さんだとか、又小林一三さん等が御関係なつているということで、相当これは我々として、やはり真剣に考えなくてはならん問題だと、こう思うのであります。そこで若し申請があつたものかどうか、又この会社のまあ発起人でありますか、その人たち電波監理委員会との今までの交渉の内容及び電波監理委員会でこの問題についてどうお考えなつているかという点、この点をお伺いしたいのと、又いま一方長年このテレビの問題で相当研究を続けて来られ、而も実行の域に入つたと噂されておりますNHKと、電波監理委員会との関係であります。その点についても電波監理委員会で御承知なつている点についてお伺いしたいのです。その他こうした日本テレビ実現に対しての御用意実現に対しての電波監理委員会の今日進められつつあるところの研究なり、又実際の面についてのお話を、少しお伺いしたいと、こう思うのです。
  4. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 村尾委員にちよつと御了解を得たいと思いますが、御質問の点は御質問といたしまして後刻お願いすることにいたしまして、一先ず電波監理委員長一般説明の御用意があるそうでございますから、それを先にして頂きたいと思いますが、如何でしよう。
  5. 村尾重雄

    村尾重雄君 結構です。大体そういう趣旨でお伺いしたのです。
  6. 富安謙次

    政府委員富安謙次君) では電波監理委員会仕事の主なる事項につきまして、簡単に二三御説明をさせて頂きたいと存じます。  先ず本年八月十六日から三カ月の予定を以ちましてジュネーブで開催されておりまする臨時無線通信主管庁会議のことであります。これにつきましては、先に当委員会におきまして申上げたところでございまするが、この会議は、一九四七年の米国のアトランテイツク・シティにおける国際電気通信会議で定められました世界的電波分配表に従いまして、現在まで行われておりまする各種国際会議の結果を、総合的に検討いたしまして、具体的に個々の無線局に対しまする周波数の割合を決定して、その実施の期日を定め、無線科学の長足の進歩と激増した需要に即応しまする最も合理的な電波監理を図ろうとするものでありまして、これによりまして、各国で実際使用できる周波数が具体的に定められるのでありまして、従つて公衆通信放送専用通信等の今後の発達に至大な影響を与えることとなりまするので、この会議は、自然激しい各国電波獲得戦となるわけであります。  会議予定通り、八月の十六日から開催されまして、八月中には会議進め方決定を見まして、これに従いまして八つの委員会及びその分科会が設定されて、会議も軌道に乗つたのでありました。尤もこの間におきまして、ソヴイエト連邦及びその衛星国代表は、中共政府代表を以て中国政府代表と認めること、或いは又蒙古人民共和国を正式に招請すること、及び会議進め方周波数表作成方法などにつきまして、特別の提案をいたして、これについていろいろ論議されたのでありましたが、これらの提案は、いずれも圧倒的多数を以て否決をされたのでありました。  日本国代表は、電波監理委員会及び現地にある関係各国代表と緊密な連絡をとりながら、重要な委員会出席をいたして活躍中でありまして、委員会審議内容も相当進捗しておりまするが、現在までの審議過程から判断いたしまするというと、特に困難を予想されまする短波帯周波数表作成につきましては、今まで試みられました新らしい技術原則によることなく、現状に基礎を置きまして、これに若干の修正を加えるという方式が採択される可能性が多いように認められます。  これによりまするというと、我が国が現在まで国際機関に登録をいたしました周波数のうち、世界的な電波分配表に合致し、而も現に使用をしているというものが、最も優先的に取扱われることとなるわけでありまして、特に国際放送用周波数につきまして、この点が強調されておりまするので、目下この線に沿いまして、現に計画中の業務を速かに実施をして、すでに実施されておるという事実を基として主張をすることとして、以て周波数獲得を有利にするという考えを以て努力中であります。  次に、国際放送の問題につきまして、その後の経緯につきまして簡単に御説明申上げたいと存じます。国際放送につきましては、先に第十回国会におきまして、これが再開促進に関しまして両議院の決議がなされ、政府に対し必要な措置をとるように御要望もありましたので、電波監理委員会といたしましては、関係方面と鋭意折衝を行うと共に、これが再開可能の際は、直ちにその業務を運行できまするように準備を進めて参つた次第でありまするが、特に講和条約が調印され、各国の批准が行われる前におきまする対外政策重要性という点からも考えまして、これを早急に実現することが望ましく思われまするので、関係各省との間に国際放送の性格、その実施方法、その実施の時期、その所要経費等の基本的な問題につきまして、いろいろ協議を重ねておる次第でありまして、一日も早くその結論に到達いたしたいと存じておる現状であります。  それから一般放送及びテレビジヨン放送について簡単に申上げます。先ず一般放送のほうでありまするが、大阪の新日本放送が去る八月の十五日、又名古屋中部日本放送が八月二十八日にそれぞれ運用を開始いたしました。又福岡ラジオ九州に対しましては、工事が落成いたし、検査に合格いたしましたので、去る十月四日に免許を与えました。そのほかラジオ東京日本文化放送、朝日放送京都放送及び神戸放送の各局も、すでに会社の設立を終りまして、放送局建設等の諸準備を進めております、すでに運用を開始いたしました新日本放送中部日本放送運用状況につきまして、極く概略の状況を申しまするというと、新日本放送におきましては、午前の六時から午後の十一時まで毎日十七時間の放送を行なつております。で、一日平均四時間が各種広告主に売られておる模様であります。それから中部日本放送のほうは午前六時三十分から午後十時三十分まで毎日十六時間の放送を行なつておりまして、一日に平均二時間が広告主に売られておるという様子であります。  それから免許を与えるかどうかという決定を留保いたしておりました信濃放送姫路放送長崎平和放送及び大牟田放送の四つの局と、新たに申請のありました静岡放送につきましては、その後慎重に審査中でありまするが、これらのうち信濃放送につきましては、すでに審査を終了いたしまして、目下関係の向との間に手続を取進め中でございます。その他の局につきましては、申請書類の訂正の申越しがありまして、審査が若干遅れておりまするが、訂正書提出を待ちまして直ちに審査を行う所存でございます。  なお、テレビジヨン放送局申請状況につきましては、先般報告をいたした通りでありまして、これはお尋ねもありましたし、後に詳しく申上げたいと存じまするが、先般ここにて御報告申上げました後に、十月二日に日本テレビジヨン放送網株式会社発起人代表正力松太郎氏から申請書提出がありました。電波監理委員会といたしましては、日本におけるテレビジヨン開始の問題の重要性に鑑みまして、慎重に検討中でございます。  次に電波監理委員会規則の一部改正について簡単に申上げます。現行の電波監理委員会規則は、昨年十二月一日に全面的改正を行いまして、同日より施行せられたものでありまするが、その後各方面から、規則の一部改正意見提出がありましたので、これらつきまして調査検討をいたし、更に又近い将来におきまして予測される事項についても検討をいたしました結果、広く電波利用者及び無線従事者の利便を図るために電波法施行規則無線従事者国家試験及び免許規則及び無線局運用規則等の一部を改正いたしたいと考えております。併しながら、これらはいずれも電波法の規定によりまして聴聞を経てから制定すべきものでありますので、これらの改正案につきましては本日から聴聞を開始いたしておる次第でございます。それからなお、以上の諸規則改正に関連いたしまして、聴聞を要しない事項改正につきましても目下準備をいたしておる次第でございます。  それから行政機構改革及び人員整理の問題であります。行政機構改革につきましては、その具体的な内容とか時期等につきまして、内閣においてもなお検討中のようであります。機構改革と切離しまして、別に人員の整理につきましては去る五日の閣議決定といたしまして内閣から通知がありました。これによりますと五百三十名の整理と一応決定されております。その際の閣議決定に従いまして、庁務要員と申しますのは、自動車の運転手とか、守衛とか、小使とか、電話交換手とかいうものでありますが、この庁務要員整理の率につきまして若干の調整が加えられまして、その結果事本日午後の閣議かと承わつておりますが、四百九十名即ち総定員三千四百五十八名に対しまする比率といたしましては、一四・二%の減員決定される見込みと相成つております。かような減員につきましては御承知通り、当委員会業務はその殆んどが国際電気通信条約その他の国際条約によりまして義務付けられておるものでありまするが、更にその業務一般行政官庁と異なりまして、無線施設検査調査、或いは電波監視、観測又は標準電波発射業務等、いわゆる現業事務が極めて大きな部分を占めているのであります。而も、近くは国際放送の開始、テレビジヨン放送問題等、極めて多くの事務増加が予想されておるような現況であります。その際に、右のような大量の整理をされますることは、今後の業務の運営について、委員会といたしましては、甚だしく苦慮いたしておりますると共に、同時に整理をされなければならない者の措置につきましても非常に憂慮をいたしておる次第でございます。  最後に、昭和二十六年度補正予算概要について御説明を申上げます。今回の補正予算におきまする増額は、一億八百四万四千円ということでありまして、その内訳を申しますると、大体次のようなものであります。(1)、十月以降国家公務員給與ベースの改訂に伴う分といたしまして七千三百四十九万四千円、(2)、行政整理に伴います退職者に支給する退官退職手当といたしまして二千七百五十八万三千円、(3)、本年十一月一日より電気通信料金が改訂されるに伴いまして、専用電話料既定予算不足分といたしまして六百九十六万七千円であります。  なお、補正で減額されるものを申しますというと、その額は五千四百十二万九千円でありまして、その内訳を申しますると、(1)、行政整理に伴う既定人件費不要額といたしまして二百九十三万四千円、(2)、既定予算の中から旅費及び物件費については、大蔵省の指示によりまして、これが節約をいたします額として、一千百十九万五千円。それから(3)、なお、当委員会庁舎につきましては、本年度予算におきまして庁舎買収費が成立いたしておつたのでありまするが、いろいろの事由を以ちまして、年度内買収見込がなくなりましたため、極めて遺憾ながら四千万円減額されたのであります。  以上、補正増補正減を差引きいたしまするというと、五千三百九十一万五千円の増加ということに相成りまして、年度当初の成立額の十一億三千九百七十五万三千円と合せまするというと、十一億九千三百六十六万八千円ということになるわけであります。  以上、本年度補正予算につきましての概要を申上げましたが、これらの費目別にいたしました内訳は、お手許に差上げてあるかと存じまするが、調書について御覧を願いたいと存じます。簡単でありまするが、これを以ちまして私ども委員会関係事項についての御説明を終りたいと思います。  引続いて先ほどの……。
  7. 村尾重雄

    村尾重雄君 どうぞ、ほかに何があれば……。
  8. 尾崎行輝

    尾崎行輝君 それからついでに民間放送が始められた何の問題でございますね、この前もうすでに御説明終つたのでございましようか。なければこの際一つそれに対する御説明をお願い申したいと思います。
  9. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) 先ほどの村尾君の御質問に対する御答弁、まだ補足されるところがあると思いますので、この際御答弁願います。
  10. 富安謙次

    政府委員富安謙次君) テレビジヨンのことにつきまして、先ほどの御質疑に対しまして大体のところをお答えを申上げたいと存じます。テレビジヨン申請状況がどんなふうになつているかということと、それから又テレビジヨン放送実施に対して、この電波監理委員会は大体どういうような考え方をしているのかというようなことをお答え申上げたいと存ずるものであります。この申請内容の極く細かいことは、一々ここで申上げるの煩を避けまするけれども、極く大体輪郭のことを申上げさして頂き、細かいことにつきましては更にお尋ねを待つということにいたしたいと思うのでございます。申請状況がどんなふうになつているかと、こういうことであります。  先ずテレビジヨン放送局申請は、現在のところで申しまするというと、イ、ロ、ハと三件であります。それは本年一月の申請によりまする坂本弘道氏の株式会社日本テレビジヨン放送協会というのと、河端作兵衛氏の全日本放送株式会社というのと、それから本月になりまして、先ほどもちよつと申しました正力松太郎氏の日本テレビジヨン放送網株式会社というのと、この三件であります。これらの申請はいずれもテレビジヨン放送事業を商業的に経営しようとするものでありまして、その計画概要を簡単にここで御紹介いたしまするというと、先ず第一に株式会社日本テレビジヨン放送協会であります。これほ資本金二億円を以ちまして、映像用五キロワット、音声・サウンドニ・五キロワットの放送局東京都内に設置して、将来は全国的に放送局を設けようとする計画でありまして、東京には放送局を中心とする半径三十キロメーターの区域、即ち東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県をカバーすることになります。そういう区域を以ちまして、これを放送区域として、最初は劇場、公共団体、学校、商店、デパート、飲食店、プレイ・ガイドなどを対象として発足いたしまして、半年後になりますと、受信見込者の数が六千五十を見込んでおるのであります。毎日八時間の放送を行なつて、逐次テレビジヨン受像機普及するに従つて、家庭に向けて放送を行う、こういう計画のようであります。工事費は二億円で、経営広告放送料受信料と、その他で賄うという仕組でございます。それから第二の全日本放送株式会社であります。これは資本金二億円、借入金一億円であります。それで十五キロと二十キロの電力を以ちまして、放送局東京都内に一カ所、大阪市内に一カ所という計画であります。工事費といたしましては五億余りを予定をいたしております。二年目になりますと京都名古屋福岡に、三年目になりますと広島仙台札幌にそれぞれ設置しようと、こういう見込みなつております。それで東京放送局区内、それから大阪放送局区内から一日に延べで千人の入場者がある三百五十の映画館を選定いたしまして、映画と交互にテレビジヨンの放写を行いまして、入場者一名につきまして入場料として十円の観覧料を取るという仕組でございます。そのほかに広告放送料も含んでおるのであります。尤もこの申請につきましては、現に今日でありますが、相当部厚申請が袋のままにあるのを、私まだ見ませんでしたが、置いてあるのを出がけに見た次第でありまして、多分この申請内容補正するとか、改めるとかいうものが出て参つたのであろうと想像いたしたのでありますが、その内容をまだ拝見をいたす暇を待ちませんでした。どうせこういうような申請につきましては、いろいろと審議の最中におきまして、補足をする材料、資料というものがたくさん出て来なければならんものであろうと存じておる次第であります。それから日本テレビジヨン放送網株式会社、これは正力松太郎氏の申請によるものであります。この会社東京都内映像十キロワット、音声五キロワツトの放送局を設置いたしまして、京浜地区一円を放送区域といたし、一日に六時間の定時放送を行おうというものであります。工事費は総額約二億七千万円でありまして、この費用資本金二億五千万円と借入金約二千五百万円によつて賄うという計画なつておるようであります。事業経営商業放送の建前をとりまして、受信料を徴収しない、広告放送料によつて賄おうという計画でありました。なお、この会社東京中央放送局建設をされました後、大阪名古屋等、国内において十六カ都市に逐次中継放送所を設け、将来全国的に定時放送網を形成しよう、こういう計画内容なつておるのであります。この三つが、只今出ておりまする申請の極く大ざつぱな輪郭でありまするが、もう一つここに附け加えてNHKテレビに関する計画を持つておるようでありまして、そのことを附け加えて申上げて置きたいと存じます。これはまだ申請は出ておりませんです。併し計画は着々と進めておるようであります。NHKは、御承知通り十数年来もうテレビ放送に関しまして、実験研究をいたして参つたのでありまするが、この夏頃からこの実施につきましての検討を始めまして、近く申請書提出するというように聞いております。その計画内容につきましては、まだ申請が出ておりませんので、詳細なことは勿論わからないのでありまするが、大体その概要は次のようなものだということを聞いております。即ち先ずNHKではテレビジヨン放送についても周波放送の場合と同じように、あまねく日本全国普及させるということを目標といたしておるのであります。全国主要都市テレビジヨン放送局を設置する五カ年計画を持つておる模様でありまするが、その支局計画内容といたしましては、先ず初年度において東京大阪にそれぞれ十キロワット、それから名古屋に五キロワットの、この三局を設置いたしまして、テレビジヨン放送実施すると共に、これを連絡する番組中継回線建設する。それで次年度になりますと福岡に五キロ、仙台広島札幌にそれぞれ三キロということで、この支局を開設して、中継回線を編成するという計画、かようにいたしまして、三年四年と、逐次全国主要都市放送網を張りめぐらしまして、五カ年後になりますというと、十キロワットの放送局を二局、五キロワットの放送局を六局、三キロワットのものを十五局、一キロワットのものを九局、合計三十二局を設置すると共に、これらを結び付けまする中継回線をも完成いたしまして、これによつて全国世帯数の過半数をその放送網の中に包含するという計画のように聞いております。これらの建設に要しまする経費の総計は二十六億円を長期借入金を以て当てるという予定のようであります。テレビジヨン実施につきましては、やはり受信契約によることとしまして、この場合の受信料といたしましては一応月額二百円程度考えているようであります。併しこれは何分にもまだ正式に申請も出ておりませんしすることで、しかと、ここで申上げるには少し早いのではないかと存ずるのでありまするが、折角のお尋ねでありましたし、関連してどうしてもそれだけのことは申上げておいたほうがよろしいかと存じまして、付け加えた次第であります。  それからこのテレビジヨン放送実施に対しまする電波監理委員会の何と言いまするか、方針考えの向け方というようなことであります。これは極めて大きな問題でありまして、委員会といたしましても、今ここでその方針というようなものを具体的にしかと、はつきりとお答えを申上げる段階には実はまだ到達していないというのがありのままであると存ずるのであります。併しながら大体の方向であるとか、今の段階がどういう程度にあるのかというようなことを、多少ともお考え下さる御参考にしかならないかも知れませんが、そんな程度においてお聞き取り願いたいという意味において、若干のことを申上げたいと存ずるのであります。申すまでもなく、このテレビジヨンが社会に及ぼしまする影響は、諸外国の例に徹しましても、ラジオに比べると格段の重要性を持つているように考えられまするので、又高度の技術も必要といたしまするために、送信面におきましても、又受信面におきましても多額の費用、大きな技術上の体験を必要といたします。これはもう申上げるまでもないことでございますが、さようなわけでありまするので、我々がテレビジヨン実施考えまする場合におきましても、その前提といたしまして解決を必要とする幾多の問題が提起されるわけでございます。例えば受像機生産及び普及上の問題とか、標準方式の問題とか、送信側におきます運用要員、及び経営上の問題とか、或いは全国的なネット・ワークの問題であるとか、これらの点につきまして或る程度の見通しを立てなければならないと存ずるのであります。それで受像機生産普及上の問題といたしましては、日本工業界がいつ受像機生産について技術的な或いは経営上の準備ができるか、又生産可能となつた場合どの範囲まで価格を下げることができるか。国民の所得の現状、将来の予想などから見まして、テレビジヨン普及の見通しはどうかというような基本的な問題があるわけでありまして、これらの点につきまして、あらゆる資料を収集をいたしまして、正しき判断を得なければならないと存ずるのであります。又その標準方式につきましては、仮にテレビに移行する場合にどういう方式のほうがよいであろうか、どのほうがややむずかしいであろうかという難易の問題、それから我が国の特殊事情でありますが、御承知のように日本を東南と西南と分けますると、電力のサイクルが五十と六十とに違つております。そういうような特殊の事情等を考え合せなければならない。それと考え合せて、この方式決定を如何ようなところに落ち着けるのが日本として最もよろしいのであるかというような問題、そういうような重要な問題がありまするために、テレビジヨン実施の時期を考え合せましで、しつかりした見通しをこの際において立てなければならないものと存じているのであります。又運用要員、補修の要員につきましても、テレビジヨンが極く高い程度技術生産品であると考えまするというと、我が国の技術現状におきましては、相当の訓練の期間を必要とするのではないかということも推測をされるのでございます。更に又テレビジヨンが、標準放送に比べまして、送信受信両面におきまして数倍の費用を要するものと考えられまするので、国民経済の上から見たテレビジヨン実施の時期と併せて考えまして、我が国における経営方式経営形態というものが問題となつて参るわけであります。又この経営方式の問題は、全国的なネット・ワークという問題とも直接に関連をいたして参るわけでありまして、これらいろいろな重要な問題が錯綜をしまして、いよいよ複雑性を加えて、解決についても慎重な考慮を要するということになつて参るわけであります。私どもといたしましては、これらの諸問題につきまして、できるだけ速かに権威ある見通しを立てまして、実施の方策を決定いたしたいと考えまして、鋭意調査を進めているというのが現状であります。当委員会におかれましても、そういう点をお含み願いまして、私どものために何かといろいろと御注文を頂き、御指示を頂きまして、私どもの歩みまする道が正しきほうに参りまするように、何かと御援助を願いたい。又いろいろ御援助を仰ぐ機会もあることと存じている次第でございます。結局結論としてどういう考えを持つているかということを、端的率直に、具体的に申上げることができないというのが、ありのままの今日の現状でありまして、無論それがそういうような状態でいつまでもあつてはならないということは、万々承知をいたしておりまして、専らその解決に向つて、夜を日に継いで委員会全部がその点に集中、力を集めているという現状であります。そのことを御了承願いたいのであります。甚だお尋ねに対しましては御不満かとも存じますが、今日私がこの席において申上げることのできまする程度のことはその範囲、その程度なんでございます。御了承を願いたいと存じます。
  11. 水橋藤作

    水橋藤作君 先ほどの説明補正予算の中で、減額されるうちの中の三ですが、委員会庁舎を買うことになつておつたものが、諸般の事情によつてそれを買うことができなくなつた。それでその理由として四千万円減額されたということなんでありますが、この諸般の理由と申しますのはどういう理由であるか。又これに関連いたしまして、先だつて機構改革によりまして電波監理委員会を廃止するといつたような面がからんでいるか、又その問題がどうなつているかということ、それに関連いたしましてこの人員整理問題でありまするが、先ほどの説明では四千三百五十八人のうち自動車運転手或いは交換手、給仕をやめ、それを除いた者の四百九十名の整理が来た、それが一四・二に当る、この説明は先だつて説明とパーセンテージがどのくらい違つているかということ、それからこの比率がほかの官庁に比較して割合がどうであるかということ、それからこの一四・二の比率が変更される余裕があると見ておられるかどうか。又これに対して何らかの努力をして、そして事業の発展に寄与せねばならんという考えを持つておられるかどうか、これくらいの点についての簡単で結構ですから御説明願いたい。
  12. 富安謙次

    政府委員富安謙次君) 細かいことにつきましては、他の政府委員から御説明をさして頂きたいと存じますが、庁舎が予算にあつたにかかわらず諸般の事情によつて買えなかつたということと、委員会制度の存廃問題とは、そのことは関連ないのでございます。何分にも相当な多人数を包容しておりまする機構でありまするので、それを移すということになりまするというと、新らしい建物を獲得いたしますにつきましても、おいそれとはなかなか見付からんのであります。あれやこれやといろいろと考えてみたのでありますが、なかなか具体的にここへ移るというふうにきめて、その予算をすぐ使つて行くというようなふうに参らなかつたのでありまして、委員会の問題とは関係なかつたということだけは御了承願いたいと思います。なお、細かい点につきましては、他の政府委員からお答えを聞いて頂きたいと思います。
  13. 長谷慎一

    政府委員(長谷慎一君) 只今の御質問につきまして、二、三補足してお答え申上げたいと思います。この委員会庁舎についての補正予算において削減になりましたことについては、只今当委員会の、電波監理委員会委員長から御説明申上げましたが、当初電波監理委員会庁舎が現在のところは電通省の一部を借りて入つておるわけでありますが、電通省が電話局を開設する計画と睨み合わせまして、或る期限が来ましたならば、これを明け渡さなければいかんという問題がございます。その点から一応見通しをつけまして、今年度実は或る想定される建物がありましたものですから、大蔵当局と折衝の上で総額六千万円だけ予定に上げておつたのであります。ところがその建物が実際上民間の建物でありまして、話が価格の点等で折合が行かないうちに、六千万円のうち実は電波監理委員会の地方の局の庁舎関係に大蔵省と話の上で流用いたしまして、と申しますのは、本庁舎が差当り現状のところで今日、明日のうちに出て行つて欲しいというような状態になつていないものですから、又金額も六千万円では所要の大きさの建物を手に入れることができない状態になりつつありますので、大蔵省と話合の上で六千万円のうち地方の差当り必要な庁舎のほうに流用した残額四千万円はこの際減額という処置をとりまし、て将来の年度において合理的な予算の折衝をいたしまして、本庁舎実現を期して行きたい、こう考えて一応関係当局とも了承の上での処置でございます。  次に御質問のございました過般の行政整理人員整理の問題でございますが、お案内のように政令諮問委員会の答申は電波監理委員会の職員は約四〇%の整理という案が出ておつたのであります。その後当電波監理委員会委員長、各委員我々一同いろいろ仕事内容等を説明をし、折衝の結果、その後一時約三〇%という数字になつたこともございますが、結論的には先ほど御説明ございましたように、五百三十名ということで去る五日の閣議決定をみたわけであります。この中には交換手とか、或いは監視員とかいうような庁務要員も入つておりますので、その後各省共通に現業員並みにこれを換算し直すということになりまして、それも事務的に換算し直した結果が四百九十名になつておる次第であります。この五百三十名或いは四百九十名につきましても、先ほど委員長からの所管事項説明の中でも言及されておりますように、実際的には非常に困る点もございますので、できるだけいろいろ折衝したのでございますけれども、現状のところではこの線で定員法の改正をみる段階に来ておるのではないかと存じておる次第でございます。なお御質問によりまして附加えたいと思いますが、以上を以て一応終りたいと思います。
  14. 水橋藤作

    水橋藤作君 他官庁との比率がどんな工合になつておるか、お調べになつておられるかどうか。
  15. 長谷慎一

    政府委員(長谷慎一君) 只今の点で申上げたいと思います。各省各庁との間の仕事内容の点からいろいろ比較ということは困難な点がございますのですが、大体私どものほうのこの五百三十名或いは四百九十名となりました根拠的な数字から見ますというと、各省各庁より特にきつい整理を受けておるとは思えない状況と存じます。たとえて申しますと、電波監理委員会の職員のうちで現業的な仕事に従事しておる者は各省各庁に通じての五%という数字で算定されております。なお官房なり一般事務のいわゆる管理事務に従事しておる者は、事業官庁におきましては二五%という数字で算定されたようでありますが、当電波監理委員会はほかの一般の監督官庁と同じように三〇%という数字を根拠にして弾かれたようであります。ほかの官庁と比べまして、特に甚しい整理を受けたということは全然ないように存じております。
  16. 水橋藤作

    水橋藤作君 先ほどからの委員長説明のごとく、これから電波監理行政は全世界と比較いたしまして、又並行して運営する上においても相当の人の力及び金の力を必要とするのでありまするが、この行政整理をこのまま受入れるとした場合に事業に支障を来たすようなことはないかどうか。この点を見通しとして如何なる考えを持つておられるか、一つ質問いたします。
  17. 長谷慎一

    政府委員(長谷慎一君) 私からお答え申上げます。先ほど電波監理委員会委員長から所管事務事項のうちでも、この人員整理はいろいろ国際間の条約等で義務付けられている仕事も大分ある関係上、非常に苦慮しているところであるということを申上げられたわけでありますが、私どもも同感でございまして、この一四%の数字というものは決して我々にとつて容易なものではないと存じているのでございます。尤も今回の行政整理の根本的な政府方針とされておられますところの人事、会計等の一般管理事務の整理、これが徹底して行われますならば、我我の電波監理委員会におきましても、そういう事務が相当のパーセンテージを占めておることは事実でございますので、そういうことによつて或る程度仕事整理従つて人員整理というものが出て来るだろうということは否めないと存じます。一番私どもが今後苦慮し又対策を考えて行かなければなりませんのは、電波の監理、観測、或いは検定、検査というような仕事でございまして、これらの仕事はいずれも現業的な仕事でありまして、一応五%というような整理の算定根拠の基礎におかれたわけでございますが、これらはいずれも現実に日本にございます無線局の数、無線局の施設、或いは条約できめられました検査、検定の仕事内容に左右されますので、決して五%というものはそのパーセンテージだけからは云々できないのでございまするが、我々としましては、政府の大方針にも従わなければいけないという点も十分考えまして、今後事務のやり方、或いは検査、検定、観測というような仕事をやる手順等を考えまして、何とかこの際は切抜けてみたいというつもりでいるのでございますが、なお今後研究いたしまして、来年度の予算等におきましては、今後の仕事の増嵩もございますので、新らしい年度における定員等につきましては、関係各省とも協議の上で大なる支障の起るとこがないように努力したいと考えている次第でございます。
  18. 水橋藤作

    水橋藤作君 お説御尤もですが、この電波行政に対して日本に課せられたこの文化的、或いは経済的のあらゆる面に対しましての電波行政の任務は今更申上げるまでもないのでありまして、その発展過程にある矢先き、政府方針とは申しながらこの整理をやることと、又その事業が一時この僅かの整理のために混乱されるようなことがあつたとするならば、それを比較した場合に我々は断固としてこの整理には不満であると同時に、従業員のこの仕事の負担を残つた人に負担させるというような結果になるということ。それから又現業の従事員の率を少くすることによつて、非現業といわれるところの人員が、他官庁に比較してはたで見る以上に少いのでありまするから、これに対しての率がうんと多くなつて行くというようなこともありまするので、監理委員の皆さんも、政府方針とは申しながら事業の発展のために何らかの方法をとりまして、一つこれは止むを得ないのだという消極的でなく、事業の発展のためにこの人員整理に対しては何らかの善処方をお願いし、又形の上で各官庁の比率もあるから止むを得ないと仮に仮定いたしましたならば、直ちに新らしい今後の運営というか、或いは仕事が殖えた場合は勇敢に人を殖やして、整理されたのでそのほかに仕事が殖えた、その仕事が殖えて人は減つたというバランスを従業員の労力の犠牲によつて解決するというような行き方でなく、善処方ということを要望いたしまして私の質問を終ります。
  19. 村尾重雄

    村尾重雄君 質問がなければ、先ほどのテレビの問題で少し御意見を承わりたいと思いますが、先ほど委員長がお話になつたことはよくわかるのです。ただ私は、この我々は例えば技術面とか、専門的な知識もないし、このテレビ実現ということは欧米各国のいろいろなテレビ模様を最近頻りにお伺いいたしまして、日本においてこれの実現はまだまだ時期尚早の感じを実際持つておつたわけであります。それだけこの問題に対しての考え方というものはまとめていなかつたのですが、今日の情勢はその実現が非常に現実化するのではないかということが出ておるわけであります。そこでこの問題を相当考えますと、例えば専門的にこの規格がどうだとか、標準方式がどうだとか、やれ周波数がどうとか、そういうことはわからないにしても、テレヴイの持つ影響力というものを考えました場合に、現在の新聞、ラジオと同等、又それ以上の政治的の、或いは又国民を啓発するすべての影響力というものを持つものだ、こう考えて参りますと、これが実現に移すについて相当我々は重大関心を持たなければならんと、こう思うのです。そこで只今委員長から、こういうまあ電気の最近の問題等もあるとか、或いは又技術面についてどうとか、こういうような点をおつしやつたが、私はそういうことはいよいよ実現に際しての考え方であつて、それ以上に例えばこれを、今問題になつている出願されたそれぞれの商業放送といいまするか、民間企業に任すのか、なお今日その持つている施設が役に立つか立たないかは知りませんが、NHKという一つラジオの組織がある、この組織から長年に亘つてテレビの研究及び実行化に今日着々努力されておる、この組織というか、いわゆる民間構想で行かれるのか、NHKのような公共企業体方針で行かれるのか、こういうような点についての考え方というものは早急にこれはまとめてもらわなければならんのではないかと、こう思うのです。というのは私が聞く範囲内ですが、アメリカにおける状態、それからヨーロッパにおける英国、殊にフランス等のいろいろな話を伺うのですが、これは相当日本の国民負担の問題、それから電波技術の問題及び国家経済等の問題から考えて、例えばラジオと同じようにNHKの公共企業体方式をとらすと共に民間放送を許すというような二本立ての組織というものは今日ではないと思います。そういうようなことを考えた場合においてはなかなか実現がむずかしい。その点で実現困難な経済状態であつても、これは先ず着手しなければならんというのが今日のテレビの問題ではないかと思います。そこで私は先ずこの電波監理委員会が、先ほど委員長はあつさりとこういう考え方でまだまだ考慮しなければならん余地があるのだというお話でしたが、これは早急に結論が出される状態に迫られておるのではないかと思うのです。そこでこのテレビの問題は法的にどうなつておるか知りませんが、現在の電波監理委員会が今の言葉の中に国会の御協力をも仰ぎたいというお話でありましたが、もとより我々協力を惜しむものではないのですが、単なる協力それ以上に国家的な立場からこれの認許可については相当考慮を煩さなければならん問題があると我々は感ずるわけです。ここで何らの結論も我々は持つておりませんから、考え方をそこへ漸く持つて来たのだから、電波監理委員会としてはこういう諸条件の下に考えなければならんというよりも、これは例えば欧米の事情も御存じだと思うが、どういう方式で認可するように努むべきかどうかということのもう少し具体的な意見を聞きたいのですがね、そう遠い問題でなくして結論が下さるべきだと思うのですが、どうでしよう。
  20. 富安謙次

    政府委員富安謙次君) お答えいたします。先ほども申上げました通り、私の申上げることは如何にも肝腎なところに触れていないで、ただ研究中ということで不満足であつたと思召しになることも御尤もなんであります。そこで仰せのようにこの問題がただ考究中というようなことではなく、早急の解決を迫られる状態にあるということも私どもよく存じております。それから又お言葉のように技術のどうとかこうとかいうようなことを離れて、もつと根本的にどういう方向ということだけは早急にきめなければならんのじやないかということもそれも一応は肯けます。併しながら繰返して申すようでありますけれども、すべてのことに関連をするのでありまして、例えばこれを民間で行くのか、或いは公共企業体にするのかというようなことは、直ちに一体いつ頃にその実現日本として最も適当とするのかというような問題とすぐにこれは事実上関連して来ると思うのであります。馬鹿に早く、拙速というのは当らんかも知れませんけれども、一日でも早いほうがいいというような若し国として策を立てて確定したのだというようなことでありますれば、そのように又おのずから形態の問題にも触れて来ましようし、それから又いろいろこの形態のみならず方式等の点につきましても、そう早くするならばこの方法に限る、これでなくてはならんじやないかということにも触れて来ると思うのでありまして、すべてのことにやはり関連して参るのでありまして、一つ一つを先ず片付けて行くということが極めてできにくいような問題であると思うのであります。而もその関連しまして錯綜した事柄が、国家的に見まして将来に対して非常に大きい影響を持つ問題でありまするので、御不満でありましようけれども、それをもつぱら研究しているのだというようなことしか申上げられないような実情であります。併しそれもお言葉の中にあつたかと存じますけれども、国会の御協力も仰ぎます、それも御尤もでありますけれども、それのみでなく、これは私だけの考えでありまするけれども、こういうような大きい問題になりまするというと、国としての現在の国情、日本国としてどういうふうに対処して行くべきであるかという方向がなければならんのでありまして、独立期成委員会と申しましても、私どものとりまする方法が若し国全体について考えるような方法と背馳しているようなほうへ歩み出してでもいましては、これは歩みが進めば進むほど大変なことになりますので、何らか国全体としての意向はどこにあるか、国としてそういうようなことを私どもの職責を行います上におきまして、方法は一体国としてはどういうところにあるのかということを何らかの機関、何らかの方法によりましてきめまして、それと違わないような歩み方をきめるべきではないかということを私自身としては考えておるのでありまして、具体的に申しますれば、何らかの方法を以ちまして、例えば財政の有識者であるとか、事業のほうの有識者であるとか、或いは学界のほうの権威者であるとか、そういうようなほうのへの意見等もすべての人の意見は洩れなく伺うというような方法を講じまして、大体において国としてはこういう方向へ行くべきじやないかということを、それは自然時期にも触れましよう、形態にも触れましよう、そのほか方式にも触れましよう。そういうようなことにおいて大体の見当をそれを知りながら、私どもは私どもの職責に従つてできるだけ早く何らかの解決に到達をしなければならんのじやないか、こういうふうに私としては考えておりまするが、まだ具体的にどういう方法でどういうことをということも、その衆智を集める方法についてもここで申上げる程度には達していないのであります。併し結局はそういうような方法によらないというと、余り急いで国の大計を誤まるようなことになつては、これは責任が大きいことになる。さればといつて調査調査で日を送るようなことができない事情であるということも万々承知しております。申上げるまでもなく放送法、現在の法制を作りましたときにおきましては、無論テレビのこともその中に書いてはおりまする、予想しておらないとは申しませんけれども、当時電波監理委員会が新らしい法律を以て出発しましたときにおきましては、かように急速にテレビ実現というものが目の前に迫つて来ようとは少くも私は予想していなかつたのであります。内外諸情勢、国民の関心、いろんなことが一緒に重なりまして、こういうようなテレビ実現を促がすいろんな情勢がうん釀したのでありまして、そうなりまするというと、この法律におきまして余り予想しなかつたような情勢の変化が極く近く生じた、こういうことなのでありますから、自然その間におきまして、実現準備態勢が正直に申しますれば十分に整つていないのであります、態勢が手薄なのであります。それでそれを補いながらということでありますので、ここでこの古い法律で直ぐするのだというようなお答えができないようになることも又止むを得ないのであります。併しそれかといいまして、私どもはこれに対して最善の努力をいたしまして方向を誤まらないように、そうして輿望にも副い、国家の百年の大計を誤まらないようにすることにおいては私どもも最善を尽したいと存じておる次第であります。
  21. 村尾重雄

    村尾重雄君 只今の最後の結論として申された御意見に私どもは同感なのです。もとより国家としての方針決定を見なければならんと思いますし、又それと同時にやはり事業が始められるべきものだとこう思つているのです。  そこで私が少しお願いしておきたいと思いますことは、私は電波法そのものの内容を何も深く知りません。それから放送法について深く知りません。そこでこの認許可がこういう法的に、事務的に扱われる危険をもつばら憂えるのは、例えばこれが詳しい意見は後日にしまして、民間としてこれは三社が一つなつて出発するとかいうことがあり得た場合、ほかの諸条件は抜きにして、ただ資本という点を考えたときに、これが外資の導入をもたらされるということはこれは避け得られないと思う。そこでほかの事業と違つてテレビのようなものに対する外資のウエイトというものは相当今後も大きな問題になるのではないかとこう思うのです。それから又NHKというような公共企業体の施設についても、何かそこには又いろいろな至難な点も或いは起つて来る。又一つ考え方から行くと、国営というようなことまで考えても、我々は決してこれは無理な考え方ではないと思うのです。そこで先ほど申上げましたように、単に放送法なり電波法等において、単にこれらの処置なり認許可が行われるという事務的な行き方以外に、やはり国の基本的な方針が立てられるべきが正しいのではないかとおつしやつたように、丁度国会ともこれの出発についての関連について、単に国会の協力というようなことでなくして、相当国会との連絡というものは十分に持つて頂かなければならん、こう思うのであります。我々もこれに対しては衆、参共に協力して、この問題については相当結論を、考え方を相談して持ちたい、こう思つているのです。そういう私の今日お尋ねした希望だけを申上げておきます。
  22. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは本日の質疑はこの程度にして、散会いたすことにしてよろしうございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 鈴木恭一

    委員長鈴木恭一君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後二時五十二分散会