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1951-10-26 第12回国会 参議院 通商産業委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月二十六日(金曜日)    午後一時五十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     竹中 七郎君    理事            古池 信三君            廣瀬與兵衞君            結城 安次君    委員            中川 以良君            片岡 文重君            小松 正雄君            境野 清雄君            西田 隆男君            油井賢太郎君   政府委員    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    資源庁炭政局長 中島 征帆君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    農林省農地局長 平川  守君    資源庁鉱山局長 松田 道夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○通商及び産業一般に関する調査の件  (一般鉱害対策に関する件)   —————————————
  2. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 只今より通産委員会を開きます。  本日は通商及び産業一般に関する調査の一環といたしまして、一般鉱害対策並びに石油天然ガス開発対策に関する調査を行いたいと存じます。一般鉱害対策に関しましては、当委員会といたしまして機会あるごとにこれを取上げ、促進に努めて参つたことは御承知通りであります。前回委員会におきましては、通産当局から法案制定準備進捗状況について事情を聴取したのでありますが、問題のポイントが予算計上の可否にあると思われます。そこで本日は通産省当局のほかに、農林安本大蔵各省担当局長の御出席を求め、各省における一般鉱害対策に関する準備、特に明昭和二十七年度の予算にこの問題を如何なる程度に反映させているかという点につきまして、責任ある説明を承わりたいと存ずる次第であります。先ず農林当局から御説明を承わりたいと思います。
  3. 平川守

    説明員平川守君) この一般鉱害に対する関係につきまして、通産省のほうで立案せられております法案趣旨につきましては、私どもといたしましては、大体において非常に賛成でありまして、要するにこの鉱害のために農地が非常な損害を受けておりますので、これに対しまして、現在では各鉱業者において毎年適当なる賠償をいたすというようなことになつておりまするが、相当面積のものがその状態のままに置かれておりまするので、これをできるだけ速かな機会において、収穫の完全にできる状態に回復いたしたいということが農民の非常な希望でございます。又農林省といたしましても、食糧増産の立場上、できるだけ速かにこれをいたしたいわけでございます。それがためにはやはり相当部分国の助成ということも行いまして、できるだけ速かにこれを復旧したいと、この趣旨に副いまして、本年度におきましても、国庫補助額を総額で約七億くらい安本を通じまして要求いたしておる次第でございます。但しまあこの法案の中味につきましては、いろいろな点について細かい意見はございます。大きな問題といたしましては、農民側我我希望といたしましては、完全に原状回復ができるということが飽くまでも建前でありまして、その原状回復建前といたしまして、仮にそれが完全にできない場合においては、それをできた程度において爾後の毎年の賠償を減らして行くという、つまり現実に残りました損害程度において賠償額を減らして行くということにするのがいいのじやないか。建前といたしましては、飽くまでも元の完全な生産を上げる状態復旧することを第一の希望と考えているわけでございます。そういう建前によつてやりたい。そういう点につきましては、多少現在通産省の考えておられまするところと違うところがあるようであります。これについては、なお事務的にいろいろ折衝いたしておる段階でございます。大体におきましては、こういう建前復旧をやつて参るということについては是非そうありたいと、こう考えております。
  4. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 大蔵関係から石原主計局次長が来ておられますが、石原次長からお願いいたします。
  5. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) この石炭一般鉱害復旧につきまして、私どものほうで関連をいたしまする点は二つあると思います。一つは、先般この当委員会において通産省資源庁のほうから御説明があつたかと思われます鉱害復旧仕組みであります。もう一つは、今農地局長のほうからもお話のございました公共事業費予算をどうするかという、両者勿論関連をいたしておるのであります。併せて来年度予算の問題に属するわけであります。その来年度予算をどういうふうに組んで参るかということにつきましては、御承知のように目下その仕事を始めているので、まだ十分に検討は終つていない。従いまして、これにつきましてどうだというようなお答えを申上げる時期になつていないわけであります。ただその前提となりまする復旧仕組みにつきまして、これも最近資源庁側から一応説明を聞きまして、まだ部内におきまする相談も十分いたしておりませんので、これ又極く初歩の検討しかいたしておりません。ただ一、二気の付いた点を申上げますれば、一つはこの法律によりまして、鉱業権者の持つておりまする鉱業権法上の義務とか、損失を補償いたしまする負担というものは、それを減らすというようなことに使われるべきでない、こういう点が一点。それから団という組織を考えておられるようでありまするが、これには利害得失いろいろあると思われますので、早急に結論を申上げがたいのでありまするが、これがプールになつているという反面におきまして、何らか第一に申上げました鉱業権者責任が、そのために緩かになるというようなことにでもなるような結果があれば非常に困るのではないか、いずれにいたしましても、その細かい仕組、現実の運用、そういう点につきましての論議を尽しておりませんので、取りあえず……。これはむしろ個人的意見と申上げるほうがよいかも知れません。内部におきましても十分議論を尽しておりませんので、事務的にそういうような点を中心検討いたしておる、そういうように御了承願つておいたらよろしいかと思います。
  6. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 安本から出て頂くようになつておりますが、ちよつと遅れておられますので質問に移りたいと思います。委員のかたがたに御質問題います。
  7. 西田隆男

    西田隆男君 今農林省大蔵省一般鉱害に関する御意見を聞いたのですが、先ず私は炭政局長にお伺いしたい。この前資源庁長官の当委員会における一般鉱害に対する御説明では十九億何千万円かの予算が二十七年度の予算の中に計上されるというような話を承わつておりまして、今聞きますと、農林省は七億くらい、あとの十数億の金はどこの予算にどういうふうな形で計上される話合になつているか、これを一つお伺いいたしたい。
  8. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 農地関係の七億を除きまして、土木事業関係の費用といたしまして、国庫補助金が一億一千五百万円、端数は省略いたします。それから水道関係で、上水道二億二百万円、下水道五千三百万円、それから公共事業関係、これは農地全部を推計いたしまして、九億七千三百万円になるわけであります。そのほかに鉄道学校がございまして、鉄道が四千万円、これは運輸省のほう、それから学校が六千七百万円、文部省のほう、かような関係になつております。
  9. 西田隆男

    西田隆男君 今の数字で行くと十九億にならんようですが、今局長説明された金額は建設省関係で出るのですか、厚生省二つですか。
  10. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 只今申上げました数学は、十九億の復旧事業費に対します国庫補助金関係だけを申上げたのであります。七億の農地関係農林省から出ております。それから最初に申上げました土木関係の一億一千五百万円は建設省も上下水道の二億五千六百万円が厚生省あと運輸省文部省、こういうふうになつております。
  11. 西田隆男

    西田隆男君 大蔵省石原次長にお伺いしたいのですが、あなたのお話を聞いておりますと、まだ基本的な考え方については関係各省との間に緊密な討議がなされてないというふうに私は聞いたのですが、大蔵省はこの昨年の閣議決定事項に基いての関係各省連絡会議ができたやつに、討議に何回くらい御出席になつて意見を発表されておるのですか。
  12. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) この委員会ができましてから最初の時期に幹事会がありまして、幹事会の時代におきまして、私どものほうの主務者が終始出席をいたしておつて原案を作り、その後におきまして、現地の施策をいたします際に、私どもと同時に主務者が参りまして、極く最近のところにおきまして、私今正確に記憶いたしておりませんが、最近におきまして、二、三回私どものほうの相当の主計官出席いたしておると記憶しております。ついでに申上げますが、それに伴いまして、事務報告を受けております。ただこの案をこういうような形で相談を受けましたのは比較的最近であります。今のような案の形において相談を受けましたのは、たしか一週間か十日前じやなかつたかと思います。
  13. 西田隆男

    西田隆男君 中島さんにお尋ねしますが、長官のこの前のお話では、もう一回委員会を開けば大体において結論が出そうだ。政務次官もそういうような答弁をしております。今の大蔵省お話を聞くと、この委員会で非公式に御説明を頂いた案に対しては、大蔵省側は一週間か十日前にしかまだ案をもらつてないというようなお話ですが、大体資源庁としては誰が責任を以て大蔵省のほうとこの問題について折衝をしておられるのか、ただ委員会を開いた場合に御出席なつたときのみ話をしておられるのか、それともそれ以外に誰か責任を以て大蔵省のほうに折衝をしておられるのか、その点を一つ説明願いたい。
  14. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 委員会幹事会を開きます前後には常に事務的にこちらから参りまして、大蔵省のほうとは交渉いたしておりまするが、そういう連絡は主として人的には鉱害課長が当つております。それからあと一回委員会を開けばまとまるような段階になつているというように申上げておりますが、これは従来こういうふうな折衝段階におきまして、当時の我々の感じ方として、大体根本的な考え方としては、それほど大きな食い違いはない、それぞれ歩み寄りまして、今暫らく折衝をすれば、近い機会委員会を開くまでには最終的な結諭が得られるだろう、こういうふうな見通しの下に申上げたのであります。
  15. 西田隆男

    西田隆男君 石原君にお尋ねしますが、あなたの御意見を聞いておりますと、鉱業法に規定されている鉱業権者損害賠償責任を軽減するものであつてはならないということが一つである。それから資源庁のほうで考えている復旧公団というような組織を作るか、作らんかというこの二つの点が、大蔵省としては今疑問として結諭が出てない、こういう御意見でございます。御尤もな御意見ですが、第一の鉱業権者負担を軽減するものであつてはならないということは、鉱業法自体が改正にならなければ、鉱業法自体のあれだけの損害負担は、当然これは鉱業権者義務を持つてせんならんことになりますので、これは疑念はないと思うのでありますが、第二点の組織の問題は、これこそ官庁方面でよく御協議願つたら、これもそうむずかしいものではないので、結論は早く出されると私どもには考えられておるが、従つて大蔵省として今疑念を持つておられる二つの問題は、この鉱害予算の問題にとつては大した問題ではないと思うのです。大蔵省熱意を持つておられると考えますので、我々はそれは最も近い臨時国会一般鉱害復旧法律案としての提案方希望しておつたのですが、時期が遅れまして、今度の国会提案されませんでしたが、二十七年度の予算を編成する際には大蔵省としては関係各省意見をよく聞かれて、どうでもこうでもそのときには予算措置をして法律案提案をしてもらいたいと思うのですが、大蔵省としても二十七年度予算話合いが付けば、一般鉱害予算を計上してやるという心組みがあるかどうかということをお聞きしたい。
  16. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 公共事業のほうは、先ほど申上げましたように、この問題が二つございまして、一つは今西田委員お尋ね仕組みの問題、もう一つ予算の問題などで、予算の問題といたしましては、先ほど炭政局長のほうから申されました予算の要求が目下安定本部に廻つておりまするが、二十七年度におきまする公共事業の査定がどういうふうになりますか、どういうふうな予算の盛り方をいたしまするか、今日予断をいたしがたいのです。これは前々回でありましたか、この審議会を作りまするときの委員会の席上でも申上げましたように、事柄は公共事業費のうちにおきますところの優先順位判断というものを中心として、判断をせられる問題かと思われますので、ほかのいろいろな農地関係におきましても、これと優先順位を争います事業、その他の一般公共事業においても同様な問題がございまして、それらの関連で決せられる問題でございますので、今これを入れるつもりがあるかというお尋ねでございますが、それにはちよつと直接にはお答えいたしかねると思います。
  17. 西田隆男

    西田隆男君 大分上手に逃げられて困るのですが、これは昨年度、十二月に主計局次長が言われたのですが、そうして私が質問をして、話合つて一つ出してやろうという熱意を持つてつたはずでありますから、その熱意を今後も続けて持つてもらうことが第一の条件だと思います。私は何故こんなに心配するかというと、講和条約が効力を発生いたしまして、いろいろな国の経費が増えて来る。従つて今のあなたのほうで言つておるように、八千四、五百億の範囲において二十七年度予算を上げようとすると、どこかにしわが寄る。そうすると、法律ができて先例のできているものに対してはそう大したしわは寄せられないと思いますが、新らしく立法して新らしく予算を計上するというものになりますと、得てしてそういう方両に大きなしわが寄せられがちなのです。で、予算に対して非常に心配をするわけであります。もつと早くできておれば、そういう心配はなかつたのですが、大蔵省のほうで予算編成方針が変えられれば別ですが、でない限りどうもしわが寄せられそうにあるんです。ここは一つ大蔵省のほうで、もう新らしい法律という考え方でなくて、前からやつてつたのだから、二十七年度の予算にはどうでもこうでもこれくらいのものは一つ計上したら認めてやろうという親心でこの問題を一つ考えて頂きたい。これは炭政局長にも一つ要求するのですが、今まであなたがたが考えられておつたような生ぬるい考え方では、言葉は過ぎるかも知れませんが、この予算はとれない。講和後の日本予算というものを念頭において、そうして大蔵省との話合をもつと真剣に、もつと度数を殖やして、資源庁としての本当の衷情を訴えるという建前をとつて行かれないというと、一般鉱害に悩む被害民は満足せられんと思う。若しこれが二十七年度の予算でも計上されないというがごときことがあつたならば、資源庁でお考えになつている石炭増産とか何とかいう問題に直接、間接関連をして来て、日本基礎生産である石炭の五千何百万トンという予定計画を持つておられるようですが、その計画の遂行に非常に重大な支障を来たすと私は考える。そこであなたは欧洲行つて調査をして来られたのでありますが、その調査をして来られた結果に基いて、もう少し積極的に活発に、あながち二十七年度の予算を計上するまで待つ必要はない。その前にでも成案を得るように専念して、この一般鉱害の問題にかかつて頂きたい。今の資源庁関係各省に対する交渉の仕方は、私の聞くところによれば、余りに緩漫過ぎる、自信がなさ過ぎると私には受けとれる。鉱害課長が今やつておるというお話、これは鉱害課長だけに任ぜずに資源庁が打つて一丸となつて関係各省に交渉して早急にまとめてもらいたい。これだけは資源庁の今考えておられる原案そのもの予算に計上されるように、農林省とも、安本とも、建設省とも、厚生省とも、大蔵省とも連絡をとつて、急速にやられんことを私は切に希望いたして、おきます。あなたは欧洲に行つてつて来られてから、あなた自身が大体大蔵省なり、農林省なり、安本なり、或いは厚生省なりに自身出かけて折衝されなくちやいかん鉱害課長に任せきりではどうしてもできません。決心を新たにして、各省連絡をやつてもらいたい。大蔵省にさつき私が申上げましたように、どうも予算しわ寄せがそういう方面に行くように思われる。そういう場合にはこれを避けて、是非一つ資源庁考え方を通して頂けるように御努力を願いたい、切に私は希望しておきます。
  18. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 只今甚だ手きびしい御意見で、実は私もそういう御意見には誠に賛成でありますと申上げざるを得ない事情を実際認めるものであります。まあ申訳をさせて頂ければ、丁度帰りました直後、電力用炭の問題が起きまして、殆んどそれに専念せざるを得なかつた。たまたま視察中の報告書をまとめて、その結論がこの新らしい制度に反映するようにというふうに考えまして、この二つ方面に対しまして、殆んど全力を注ぎました結果、鉱害問題についての個々の折衝に殆んど手を用い得なかつたということは、私自身甚だ遺憾とするものであります。もう現在におきましては、報告書もまとまつておりますし、又電力用炭の問題も、これも今後楽観を許しませんけれども、一応先般来の関西電力の問題は小康を得たというふうな恰好になつておりますし、今後はそういう方面につきまして、一層努力を傾注し得るのでありまして、さようにいたしたいと考えております。   —————————————
  19. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 次に石油天然ガス開発対策については、前回委員会首藤政務次官から新らしい法案提出の凖備があるとの説明がありましたが、これの詳細は法案提出の上で審査することといたしまして、本日は石油天然ガス開発対策につきまして、一つ政府のこれに対する根本方針と現行の石油資源開発庁を廃止して新法を制定せんとする理由、これら新法案の骨子、以上のような点につきまして概括的な説明を求めたいと存じます。
  20. 松田道夫

    説明員松田道夫君) 只今お話のございました日本天然石油、簡単に石油と呼ばして頂きますが、石油の問題についてどういう根本的な考え方があるかという点から述べさして頂きます。
  21. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 ちよつと委員長議事進行……。委員が殆んどいないから、今日でなしにしてもらつたらどうですか。相当重要な問題ですから、或いは議員をかり集めるとか、何とかしてもらつて……。
  22. 竹中七郎

    委員長竹中七郎君) 本日は委員出席率が惡いようでございますから、これは次回に保留いたしまして、本日はこの程度で散会いたしたいと思います。    午後二時十九分散会