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1951-11-14 第12回国会 参議院 地方行政委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月十四日(水曜日)    午前十一時十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            岩沢 忠恭君            岩木 哲夫君    委員            高橋進太郎君           小笠原二三男君            鈴木 直人君            林屋亀次郎君            石川 清一君   政府委員    国家地方警察総    務部長     加藤 陽三君    地方財政委員会    委員      木村 清司君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君    常任委員会専門    員       武井 群嗣君   説明員    地方財政委員会    監理課長    細郷 道一君   参考人    東京消防庁総務    部長      篠田 信夫君    日本消防協会総    務部長     白石錦太郎君    警視庁総務部長 小金井健男君   —————————————   本日の会議に付した事件地方行政の改革に関する調査の件  (地方起債に関する件)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 本日の会議を開きます。  本日は一般起債の問題のうち、特に警察消防関係の問題を取上げたいと思います。本日は国警自警並びに消防関係政府委員等が見えておりますから、御質疑をお願いしたいと思います。では最初自警連会長代理として警視庁総務部長が来ておりますから御説明を聴取したいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西郷吉之助

  4. 小金井健男

    参考人小金井健男君) 御紹介を頂きました小金井でございます。総監が親しく御説明を申上げなければなりませんところでございますが、不在のため代つて簡単に御説明申上げます。  自治体警察起債のことに関しましては、かねてからこの委員会においていろいろと御高配を賜つておりまして、先般来も私ども主要都市自治体警察代表者西郷先生に直々御引率を頂いて、関係方面に陳情いたしましたような経過もあつた次第でございまするが、その後実現いたしましたところは甚だ少額でございまして、到底自治体警察の当面要求いたしておりまする諸般の施設をかなえることが不可能でございまするので、実は先般この委員会で一度お話を申上げたような次第もあつたのでございまするが、重ねてくどいようでございますが、お願いを申上げる次第でございます。自治体警察が御承知のような不如意な地方財政の下において、非常に困難な日常を送つておりますることは、おおむね御承知のところと存ずる次第でございます。特に自治体警察にかかわりまする諸経費は、事柄が殆んど国家的な事件につきましても、国と公共団体の相互の利善関係しますような事件につきましても、全額をそれぞれ所属の公共団体負担なつておりまする関係から、逐年経費は膨脹する傾向にある次第でございます。そういう状況の中におりまして、どういたしましても警察の当面の施設を実施いたしまするのには、起債を頂きます以外には、各自治体警察ともそれぞれの理事者、それぞれの地方議会折衝をいたしましても、実際問題としては主として俸給にかかわりまする経費を頂きまするほかは、殆んどこれというような大きなまとまつた経費は頂けないというような実状にもございまして、例えば庁舎建設いたしますにいたしましても、この庁舎自治体警察が分離いたしましたときに、国家警察優先を以て、それぞれ旧来庁舎国警に明け渡しておりまする関係から、なお建設を要するものが相当ございましたり、これと関連いたしまして、庁舎に附属いたしまする留置場その他の施設の甚だ不完全なものも多うございまするし、同時に最近の治安情勢に鑑みまして、どうしても必要と認められまする警察機動力の充実をいたしまするための経費、こういう経費でございまするとか、それから無線自動車無線機の採用が認められまして、以後無線機購入いたしましたり、これを搭載いたしまする車両を購入いたしまする関係、そういう新らしい分野における通信の諸経費、それとまあ旧来有線通信の各施設で腐朽いたしましたものを交替いたしまする経費でございまするとか、次には待機寮経費でございます。待機寮は御承知通り一定場所警察力を確保いたしますために、警察官をそこに寝起きさせる場所でございまするが、これらの施設が、戦災のため各都市とも甚だ不完全でございまして、実情を御覧になりますると、到底放任ができないというふうにお感じを頂けると私どもは存じておるのでございまするが、これらの施設もなかなかこういう状態の下におきましては、改善されないということが実は当面の一つの大きな問題に相成つておるような次第でございます。警察待機寮につきましては、すでに御承知のことと存じまするが、他の勤務と異なりまして、特にこの都市の特殊な事情からいたしまして遠距離にこれらの者が居住いたしておりますということが、警察の必要といたしまする非常警備計画を実施するのに非常に不都合がございます。都市におきましては緊急なる手配を殆んど毎日要する次第でございまするが、これらの者が二時間も三時間も離れた遠隔の地に居住いたしまするということでは、到底所要の目的を達することができませんというような関係もございまするし、なお又最近実施いたしておりまするパトロール制勤務と関連いたしまして、これらの者が夜間十時乃至十二時に交代いたします関係から、交通機関を利用するということが非常に困難な場合もたびたびございまするし、夜間おおむね十時から午前八時、十二時から午前八時というような勤務をいたしました警察官が、我が国の現在の住宅事情を以ていたしましては、到底この昼間において睡眠をとることができない、健康を極端に害するというような傾向もございますので、まあそれらの点を考えまして、各都市とも待機寮を充実いたしますことを、真剣に考えておるような次第でございます。大体そういう内容を持ちました事業でございますが、これらのものはそれぞれの都市の大きさに応じまして、額は異なりまするけれども、いずれもその当該公共団体といたしましては相当大きな額に上りますものですから、これらの経費起債が認められた場合に限つて大体認められておる実情でございます。而もその起債の額が相当ございますときに小額をそれぞれの団体からこれに附加えまして目的を達するというような状況なのでございます。本年の状況などを見ますと、十九億円の要求に対しまして五千五百万円に過ぎない承認額でございます。これに対しましてここに消防のかたもおいでになりますが、消防承認されました額は二億九千九百六十万という額に相成つておりまするし、前年度におきまして自治体警察として要求いたしました二十五億に対しましては二億八千五百七十万承認されておるのでございまするが、この場合、消防を引合いに出して甚だ恐縮でございまするが、消防においては四億三百五十万という額が認められておるのでございます。ひとり消防に限りませず、学校などにおきましても、要求いたしました起債額に対しましては、いずれも自治体警察のごとき比率でなしに相当高率な比率を以て承認されておるという実情なのでございまするが、ひとり自治体警察につきましては冷遇されておるという実情が今以て解決されておらんのでございます。この点に関連いたしましては地方財政法の三十三条の法文の解釈とも関係があると存ずるのでございます。それによりますと起債につきまして、自治体警察につきましては、当分の間に限り自治体警察創設に伴う施設建築費についてはこれを認める、かように相成つておるのでございます。この「当分の間」という文字に拘泥せられますると、自治体警察が二十三年の三月七日発足しました以後、一年でございますとか二年でございまするとか、いろいろな解釈が成立つと思うのでございます。この点につきまして関係当局ではこの文字がある以上は、来年度以降は自治体警察起債は打切るということを言明せられたという事情もあるのでございます。かようにいたしますると、先ほど来申上げましたところの地方財政の下に喘いでおりまする自治体警察といたしましては、ややまとまつた施設をするということが今後殆んど不可能な状態になりまして、この点について是非とも格段の御高配を頂き、法の解釈なり、或いは法の改正なり適宜の措置をおとり頂きまして、自治体警察を救済頂けまするように切にお願い申上げる次第でございます。大体申上げることは以上でございます。
  5. 西郷吉之助

  6. 篠田信夫

    参考人篠田信夫君) 東京消防庁総務部長でございます。全国都市消防庁連絡協議会代表しまして実情を申上げたいと存じます。消防昭和二十三年に漸く独立して発足したばかりでございまして、いわばまだ搖籃期にあるのでございまして、従いまして人員の割に、装備に相当主なる部分予算を要するのでございまするが、これが各都市とも極めて不十分でございまして、各都市の現在の財政状況からしまして、到底これを経営費を以てポンプを買い、或いは庁舎を建て、或いは貯水池を作るというようなことはできませんので、一に起債に仰ぐ次第でございまするが、昨年と比較しまして、本年度の額は先ほど警視庁総務部長説明いたしましたが、二十五年度と比較いたしますると、二十五年に四億三百五十万円を決定頂きましたに対しまして二十六年は二億九千九百六十万円という数字なつておりまして、非常に僅かな数でございます。そのうち特に六大都市等最初は全然これを認められないというような趨勢にございまして、極めて寒心すべき状况でございましたが、その後僅かながらも頂いてはおりまするが、当初の要求計画に対しましては誠に微々たるものでございまして、現在の状況では到底現在の消防力を維持して行く上において困難を来たすものと存ずるのでございます。一例を東京に取つて申上げますと、東京要求は二十六年に七億八千九十万五千円というのでございます。その内容は御参考に申上げますると、東京消防庁は独立以来庁舎を持つておりませんで、警視庁の一部分に間借りをしまして、そのほか足りませんので、三田のほうに分室を持ち、更に日比谷公園の中でありますとか、或いは代々木のほうでありますとか、そういうところに分散しまして、誠に連絡がとれておらないのでございまして、そういうような庁舎建築費でありますとか、或いは消防所庁舎が腐朽しまして、これの改築をするには、どうしても倉庫を作ります関係上鉄筋で作らなければならないのでございまするが、その鉄筋コンクリート改築に要する予算、或いはポンプ自動車購入費、これは現在四百台ほどございまするが、殆んど戦争中に造つたポンプ車でございまして、常識ではポンプ車は十年しか寿命がないと言われておりますが、特に戦争中に作りましたものは寿命が短かいのでございまして、今後数年にして東京消防ポンプ車が危機に頻するようなグラフを画いておるのでございます。その補充のためにどうしても五十台くらいは必要なのでございます。そのポンプ自動車補充それから消防艇購入でございまするが、現在あれだけの港湾を控えておりまして、腐朽した僅か五トンか六トンの消防艇が九隻しかございません。それに対しまして大型消防艇が三隻くらいありませんと、碇泊中の船の火事に備えられないのでございます。大型と申しましても僅か三十トン程度のものでございまするが、それが一隻も現在は東京は持つておらないという状況でございます。それから水利の施設でございまするが、御承知通り水道は殆んど夜間消防の用をなしませんので、これらの用をなすために増水手配をして、三十分以上もしなければ水が廻つて来ないというような状況でございます、それらを補うために主要な箇所約数千カ所を要しますうち、差当り五百カ所ぐらいのものを緊急作る必要に迫られておるのでございます。その貯水池建設費、それから火災報知機でございます。これは外国のどこの都市に行きましても火災報知機のない所はないのでございますが、東京には僅かに一般公衆用として二百五、六十機しかできておらないのでございます。これを全市に及ぼすには六千機の火災報知機を必要とするのでございます。無論一度に設置するわけではございませんが、年次計画にしましても相当数火災報知機を作らなければ文明都市としての火災消防の用をなさないのでございます。それから移動無線機購入でございます、これは現在十二台を持つて火災の際に非常に有効に出動しまして現場の状況を本部に入れましてポンプ増強手配であるとか、救急車出動手配でありますとか、そういうような有用なる任務を持つた無線機でございます、この無線機並びに無線自動車がなお二十数台を必要とするのでございますが、そういうような費用も合せまして七億八千九十万円ほどを要求したわけでございます。これに対しまして数度の折衝の結果漸く二千万円という割当を頂いてございまするが、これは主としてポンプ自動車購入に充てる予定でございまするが、誠にこの状況を以ては東京消防としても寒心に堪えませんし、同時に他の都市におきましてもおおむね同様でございまして、小都市におきましては、こういうような費目のうち特に必要なものはポンプ自動車購入と、それから貯水池の設置、これが主なる部分をなすのでございまするが、頂きました割当は誠に、先ほど申上げました通り微々たるものでございます。それから先ほど警察消防との比較のお話が出たようでございますが、消防は御承知通り、まあいわば機械化部隊のようなものでございまして、消防部隊十四名を以て一台のポンプを必要とします。約三百万円を要するポンプでございまして、それに附属品を設置し、更に貯水池を作り、水道を作るというようなことになりますと、非常に起債方面の額が上るのは、これは当然の話でございまして、而も消防発足当時、何ら当初の発足に必要なる予算というものを国からも頂いておりません。警察は、当時私は警察におりましたが、発足当時、昭和二十三年当時におきまして、国から十六億円という、当初、施設費をもらつてあるはずでございまするが、それに相当するものは消防一つもございませんわけであります。そういう点も深く御了承を願いまして、消防が余計にもらつておるというようなことは決して当らないのでございます。それを御了承願います。
  7. 西郷吉之助

  8. 白石錦太郎

    参考人白石錦太郎君) 財団法人日本消防協会総務部長でございます。当協会消防団を対象といたします互助機関でございます。先般来起債の枠の拡大と、それが額の増額につきまして、数次こちらさまへお願いをいたしてございます。今回も又、先日書面を以てお願いをいたしましたので、書面の要旨を朗読いたしまして若干敷衍を、いたしたいと存じます。  「各種消防施設に対する起債増額に関する件。消防起債の現況を見るに、その起積許可額が誠に僅少であるのみならず、而も大都市偏重の感がある。よつて中小郡市並びに町村財政は極めて貧困のため、各種消防施設の強化、改善を熱願してもなかなか早急には実現できない状態である。ここにおいてか、中小都市並びに町村起積はこれを優先し、且つその起積額を更に一層増額せられ、又起債認可事務的手続等もでき得る限り簡易化するよう配意せられたい。」以上でございまして、本件につきましては、協会会議においてしばしば強硬に主張せられておるところでございまして、その実績を数年間に亘つてみましても、やや都市に偏重しておるような感が確かにあるのでありまして、又大蔵当局におかれまして査定をされ総額を決定されまして、それが府県知事さんのほうに御指示になりまして、それによつて知事さんの査定があるそうでありますが、ややもしますと消防団のほうにはその率が摘めて僅少になつて行くらしいのでありまして、大蔵当局におかれましてもこれらの点につきまして、でき得れば消防団に配当すべきこの率をあらかじめ査定の際に、都市消防団にはこのくらいやれというようなことを付けたして御指示を願えるならば、これが運営の上に大変都合よく行くのではないか、かようなことを念願いたしておりますので、是非とも今回は皆様がたのお力によりまして、この起債増額ということに御尽力頂きたいと存じます。なおこの起債手続につきまして事務的に非常に煩瑣な点があるという話でございますので、この点につきましても是非とも簡易化しますよう、併せて御配慮を頂きたいと存じます。以上でございます。
  9. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今の参考人のかたがたの御意見に対して重ねて御意見を伺う前に、地方財政委員会から出ておる資料の説明を一、二願いたいと思うのですが、よろしうございますか。
  10. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 差支えありません。どうぞ。
  11. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ではお尋ねいたしますが、この配付になつております昭和二十六年十一月十四日の調べによる警察費並びに消防費に関する起債統計について、二三御説明を願いたいのであります。第一は、両方共五大市並びに市町村に分けまして、申請の何%が承認されたものであるか、そのパーセントをお知らせ願いたい。それから第二には、この警察消防共にでございますが、申請されたものの施設内容を類別します場合に、どういう結果が出ておつて……、そのうちどういう結果が出ておるのか、その施設内容について御説明を願いたい。  第三には承認になりました施設は、主としてどういう部面を重点的に扱つて承認されたものであるかという点をお伺いしたいのであります。特にこの消防のほうの関係でありますが、消防のほうで承認を与えた施設というものは、何かやはり本年度はこの点だけを重点的にやろうというふうな御方針があつたのじやないかと思うので、この方針等もおありでしたら御説明願いたい。  それから、只今参考人の公述にありました町村消防団常設消防起債の区分がこの統計ではわからんのでありますが、この「市町村」とある分の承認額のうち、消防団に対するものと、市の常設消防に対するものとの割合はどういうことになつておりますか。この点お尋ねしたいと思います。
  12. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) お答えいたします。第一のパーセンテージの問題は、実は先般当委員会からお求めを受けたのでございましたが、二十六年度についてみますと、ここに申請額承認額両方挙つております。警察につきましては、二十億の申請に対して承認が約五千万、それから消防のほうは三十七億の申請に対しまして、約三億、大体そういう割合なつております。昨年以前につきましては、今ちよつと細かい数字を持つておりませんが、警察についても消防についても、大体が一割以下であつたと記憶しております。警察消防団を含めましてのいろいろな単独事業全体につきましても、ここ二三年のところはいつも申請額に対して一〇%以下ということに相成つております。  それから二番目のは内容でございますか。
  13. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうです。
  14. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 申請内容内訳、これは今ちよつと手許に持つておりませんが、調査をすればわかる問題でございますが、大体において多いのは、警察においては当初はともあれ最近は自動車とか通信、それから場所によりましては警察職員宿舎関係、これも警備上必要な宿舎関係、そういつたものが多いのであります。消防に関しましては、これは殆んどいつのときも多いのは消防ポンプとそれから通信施設、そういうものが主に出ております。  それから本年度承認なつたものは主にどんなものかという御質問でございますが、警察につきましては御承知のように、地方財政法自治体警察創設に伴う経費ということが謳われております関係上、又当初二十三年度国庫補助金がそれに対して出ましたのとも振合つておりまして、大体において警察庁舎、それからそれに伴います留置場、或いはそれに伴う通常施設、そういうものに重点が置かれて常に承認がなされて参つたのでありますが、昨年、今年等におきましては警察庁舎関係も一応の整備を見たのではないか、特に自治体警察返上も議論されておるような状態でもございますので、本年あたりは二、三の庁舎と、あとは止むを得ざる通信施設という程度にとどまつております。それから消防のほうは、本年承認になりましたのは、これは過去においても殆んどすべてが自動車に重きを置いておりますが、これは前に消防庁その他からも御説明があつたと思いますが、例の人口基準にいたしまして基準台数の著しく不足しておるところについて、これを承認するという方針をとつております。それから消防についてこの内容が、常設消防団と分けてどうかということについては、ちよつと私のほうでも今のところわかりかねております。そういうことになつております。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 木村さんがおいでですから、一般的に警察消防に対する二十六年度起債許可方針について御説明を願いたい。
  16. 木村清司

    政府委員木村清司君) 多少私見に亘るかも知れませんけれども、恐らく警察消防等についての設備はでき得れば一般通常財源で賄つて補充して行く、或いは買換えて行くというのが理想であるのじやなかろうかと思つております。これは普通の土木とか、学校の新築、設備買換えのようなものは、通常普通の一般財源で賄つて行きたいというように考えておるのでありますが、併しながら今の一般財源必ずしも十分でもありませんから、例外的に警察消防等につきましても或る程度起債を認めることも止むを得ないのじやないかと思つておりますが、でき得れば一般財源を拡充して小規模な町村等においてポンプを買うというような異例の場合は除きまして、通常の場合においてはポンプ買換えとか補充というようなものは全部通常歳入財財源で、一般財源で賄いたい、或いは通常改善施設等は賄いたい、こういうふうに理想論としては考えております。一般財源が窮屈でありますから、或る程度起債で賄う部分があるということも止むを得ないと思います。併しながら起債部分も非常に枠が狭いのでありますから、従いまして財政力の及ばないところ、或いは異常的な施設というものの必要な場合に限らるべきじやなかろうかというように考えられるのであります。十分に、成るべくならば一般財源をそのほうに振向けて行きたいというように考えておる次第であります。
  17. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで具体的には、それなら本年度は総体の起債の枠のうち警察消防にはこれだけとか、或いはその他の個々の事業に対してはこれだけというふうに、一応の枠を地財として考えて、その枠の範囲で実際の申請と睨み合せて取捨選択したのかどうか、その決定までの手続について伺いたい。
  18. 木村清司

    政府委員木村清司君) 大体、本来起債というものは、各団体財政力緊要度、及び他の事業も併せて、例えばその団体において異常に土木事業をやつておる、或いは学校建設が多いとか、或いは又極端にいいますというと、水道やその他の事業においても非常に起債事業が多いというようなこともあります。これは特別会計の、公企業のほうは多少間接的になりますけれども一般会計負担する事業につきましては、無論政府の施行する公共企業負担分と、当該地方団体分と、それから当該地方団体財政力と勘案し、かねてその地方団体の企図する単独事業というものを勘案してきめて行くのが本筋だろうと思つております。従いまして警察等をどうするとか、或いは消防をどうするというようなことを前提に、団体財政力関係なく考えるということは余り正しくないのではないかというように私は考えております。今年度も大体そういう見地からみまして、あらかじめ特別に大きな枠をとつておるということは考えておりません。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 では監理課長に伺いますが、監理課長のところに各市町村から直接起債について有利な取扱をして欲しいという陳情があつて、連日のように廊下にあり余る人が屯ろしておるようですが、この頃はまあ落着いたようですけれども監理課長としてそれらのことを要求を聞いて、これを査定して行くために、財政委員会の決定という枠はどういうものがあつて、それで課長として運営して来たのか、この点の経緯について御説明を願いたい。具体的にこういう取極をして来るまでの段取りについて……。
  20. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 今年度の地方債の承認につきましては、先般当委員会で資料を差上げました本年度の二月の閣議決定で、地方債の取扱についてという閣議決定によつてなつたわけでありますが、あの閣議決定がこの前御説明いたしましたように、大体地方行政調査委員会議の中間の勧告に基きまして、できるだけ地方債の承認制度について自由裁量の余地を減らして、成るべく客観的な基準に基いてこれを置くようにということが、その一つの精神になつておつたわけであります。これによりまして本年度は、あの閣議決定に謳つてあります通り、地方債の充当する事業を公共事業、災害復旧事業及び単独事業、それに公営企業というふうに分けまして、それぞれの範囲においていろいろの基準をとつて、大体の枠を予想したわけであります。でその場合、この警察消防については、単独事業のうちに含まれるわけでありますが、単独事業につきましては、過去の実績と事業緊要度、それからその当該団体財政力と、こういう三つの観点から枠をきめることにいたしたわけであります。で府県の分は、直接中央においてそれぞれの裁量に基いて大体の見当をつけて、その範囲内で府県の言い分を聞いて、成るべくその趣旨に沿うような承認をやつたのでありますが、市町村につきましては、何分にも一万以上の団体でございますので、私のほうとして全部が全部これを調査するということは事実上できなかつたのであります。大体においては各府県においてその内容を取りまとめてもらいまして、査定に先立ちまして一覧表を出してもらいました。それに基いて我々の考えております詮議の方針に合致するものを一応拾い上げて、大体の府県の枠を考えたわけでございます。その枠の中で府県の意見等を聞きまして、その際、その当該市町村財政状態も、昨年来の平衡交付金その他によつて把握された範囲においてこれを勘案いたしまして、それぞれの団体起債承認すると、こういう段取りでございました。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでこの警察消防関係は、大かたは市町村関係でありますが、今の御説明のうちの五大市だけは、これは別になつておるわけであろうかと思うのですが、他の市町村関係において県が中に入つてやる場合に、今の御説明ではですね、生の、県下の町村申請要求を出さして、そのうち必要ありと認めた部分を監理課のほうでは一応ピツク・アツプして、総体の枠に合せて各府県の割付をする。それを具体的には、府県では、ピツク・アツプしたものをその通り渡そうとも或いは県自体として又考慮を払つて分け合おうとも、それは県のほうの査定に任して置くと、こういうやり方でやつておるように、まあ聞き取れたわけですが、そう了解してよろしいですか。
  22. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 若干言い足らなかつたところがあるかも知れませんが、大体当初一覧表を出してもらつて、県から聞く場合に、県としてもこちらの詮議の方針を呑み込んでおりますので、その範囲で推薦が来ておるわけであります。いろいろ順位その他も付けて参つております。そういうことを十分考えて枠を承認いたしましたし、又その中の積算の基礎というものも或る程度明示をいたしたのであります。県のその後の結果を見ますと、県がその通りにやつたところもありますし、或いは若干の変更をしたところもありますが、大体においては当初の県からの説明その他に基いてきまつたものが行われておると、こう考えてよろしいと思います。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 次にお伺いしたいことは、そういう場合にも、同じ施設、例えば庁舎でもよろしいし、通信関係でもよろしいですが、一千万円という起債要求申請があつたというのは、五百万円にして起債を許した、三百万円のものを同じ施設で二百万円にしてやつたとか、そういうふうなことはございませんか。
  24. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 若干細かくなりますが、査定内容は、御承知のように一応査定基準というものを例年持つておりまして、例えば警察庁舎でございますと、警察の職員は一人当り何坪、三坪でしたか、ちよつと数字を覚えませんが、そういうものを掛けまして、認められている建築単価を掛けて計算を出しております。又消防自動車につきましては、大型であるとか或いは中型であるとかによりまして、これはそれぞれの所管の消防庁あたりの御意見も伺いまして、大体一台二百万円であるとか或いは二百五十万円であるとか、大きさによつて判定をして承認査定をしております。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一応そちらに聞きたいことはわかつたのですが、最後にどうもわからぬのは、警察消防関係起債或いはその他の起債関係でも、承認を与えて行く手続をとる前提として地財委自体で或る程度の内訳を考えておるだろうと思うのですが、どうもその点はつきりしないので、もう一度お伺いしますが、警察消防関係は、単独事業起債枠のうちどれだけのものを一応目安として考えられたか、もう一度御答弁願いたいと思います。
  26. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 単独事業の内訳につきましては、昨年までは内訳を作りました。併し本年度は、先ほど御説明しましたように、起債の取扱制度の改正によりまして、内訳は全然作つておりません。
  27. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、単独事業の各種の要求を先ほどの緊要度なり、一応その当該団体財政状況等を睨み合せて、個々に見てやつたというふうなことになるわけでしようか。
  28. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 小さな町村でございますと、例えば消防だけをやるというようなこともあるかも知れませんが、中位以上になりますと、いろいろ起債事業としてやりたいものがあるわけであります。従いまして我々のほうとしては、それぞれの町村の中でもその最もやりたいというものの順位をやはり聞くわけであります。それに基いてやつております。
  29. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それではくどいようですが、重ねてお尋ねしますが、そうすると市町村団体で各種の起債要求があるのに対して、大体その町村財政と見合つて町村に与える起債の枠をきめて行くというようなことにウエートがあつた、そういうふうに了解していいわけですか。具体的には水道になるとか消防になるとか、それはあるでしようけれども
  30. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 大体そういうふうに御了解になつてよろしいと思います。
  31. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 参考人警察消防のほうのそれぞれにお伺いしますが、只今御説明にあつたように起債を許可する一つ査定基準についてポンプならポンプは幾ら、庁舎なら職員数一人当りの坪数幾らというふうに、大体それがあるというのに何故殊更にこういう大きなポンプなり或いは庁舎なりにおいて単価の高い起債要求が認めめられないこともわかつているものを、要求して来るのか、この点お伺いしたい。
  32. 小金井健男

    参考人小金井健男君) 警察について申上げますと、特に警視庁の場合について申上げますと、只今御説明を伺つたのでございますが、それぞれの事業につきまして、私どもといたしましては決して過大な見積りなどをいたした覚えはございません。警視庁の本年の要求いたしました事業は、建物関係におきまして約二億五千万、車輌におきまして一億五千万、通信関係におきまして三億でございます。これらの内容を御検討頂きますれば一目瞭然でございますが、それぞれ当面急を要しまする事業にして、而も単価はおおむね最低単価を以て計算いたしたものでございます。結局全体の事業についてどういう御査定を頂けたかということの問題であろうと存じまするが、事情自治体警察の全体につきまして、算出の基礎については同様であると存じております。
  33. 篠田信夫

    参考人篠田信夫君) 要求額と査定額に非常な開きができておりますが、これは単価の問題ではございませんので、数量が非常に一部を認められ、なお種目も全然認められないものがあるために、そういう結果になつておる次第でございまして、単価は最小限度のものを計上してございます。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 問題はこの庁舎なり通信施設なりで申しまして、例を言うならば、時価と見合つて一千万円なければ完成しないという考えで、一千万円の要求をするという場合に、地財委のほうはそれを或る種の、地財委の全体の起債の枠から見てこなすために、八百万円なり七百万円なりに査定してやるということになれば、全体のその施設は完成しないというような欠陥が出て来るのじやないかと思うのですが、それを現実的にものが成り立つように、重点的な起債をしているのか、総花的に切るところを切つて起債を許可しているのかというところが、一つ問題になるのじやないかと思うので、今の御説明では最低の要求だと言い、地財委のほうは少し大きいのだと言う。この間の事情がどうも私ははつきりしない。自動車で言うと、数量五十台の要求をしたのに、三十台分を認めたというなら、これは事実上仕事が成り立つからいいわけですが、そうではなくて、最低の一台三百万円の要求をしたのに、これは高いと、二百五十万円で我漫しておけというので、台数も要求通り認めたというようなことになれば、これは初めから目的とする施設を持てないということになると思うので、その間の食違いと申しますか、私の耳で聞く誤解でありますか、監理課長さんのほうでもう一度御説明願いたい。
  35. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 単価の問題は、例えば庁舎で申しますれば、大体国が予算編成の際に認めております程度の単価を使つておるわけであります。例えて申しますと、庁舎を立てる場合に、国がそれに類似した六三制の学校、そういつたようなものについては、仮に一万六千円ぐらいで見ておるといたしますれば、我々のほうも同様に木造の場合は、その程度というような見方をしております。それから非常に差ができますのは、庁舎なんかについて申しますと、私のほうで職員一人当り、ちよつとさつき申上げました三坪と仮にいたしますと、その三坪ということが或いは窮屈なんじやないかと思うのであります。併し御承知のような起債の総枠の問題もございますし、我々としてもまあ細かい計算をいたしまして、最小限度の程度を坪数として出しておるのでありまして、あたかも六三制において一人〇・七坪という計算をしておるのよりは、若干よい条件を加味しておるものと考えておるのであります。で、ただ地方から申請のございます場合に、一つ事業を行う際に必ずしもこれが全額を起債に求めるということなくして、或いは一部を負担金であるとか或いは一部を一般財源であるとかそういつた問題もございますので、そういう点は計算上出た数字から差引きをして承認をいたしますので、若干同じものにつきましても、団体によつて違つた額が出て来るということはあり得ると思います。
  36. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 木村さんにお伺いしますが、これは、この間から警察消防起債の問題は再三我々要求されておるところなんであります。ところが木村さんの先ほどの話だと、平常の場合は、地方の一般財源を以てこういうようなものはまあやるべきものだと考えるが、警察創設の云々というようなことを言うからまあぎりぎりのところだけは一部起債を認めておるのだというふうに、非常に何か聞きようによつては、警察消防については、消極的なお考えのように聞きとれるのであります。けれどもそれは木村さんとして、やはり地方財政委員会として今の市町村における財政状態が、こういう警察なり消防施設に重点的に金を出し得るような状態にあるというふうな把握をなされておらない限りは、簡単にそういうことが言えない点があるのじやないかと思う。少くとも地方では私たちの考えでは、先ず年間の、地方団体の何と申しますか運営をやつて行く、それだけでも手一ぱいの財源しかない。そして又、施設としてやろうとするならば、この戦災復旧のための道路とか、或いはまあ全体に毎日影響を与えるところの水道とか、こういうことを重点的に取上げておる面が多いのじやないか。警察とか消防とかというほうに真に地域の住民が関心を持つて、そのほうに金を相当出して行くというのには、相当何と申しますか、地方の財政負担が足りないのじやないか。そういうふうに我々は見る。特にこの六三制の学校建築で困る、それが済んだにしたところで市町村関係は一体に教育費関係がぎりぎりの場合でも相当大幅な経費としてとられる場合、なおそういう問題が起つて来るのではないかと思うのであります。さつきから見まするというと、各市町村、各府県においてそれぞれ相当額の起債要求があるので、成るほどこれは全体を受入れることはできないとしましても、警察消防に対する考え方、特に警察で申しますならば独立後の事態に即応する治安の維特強化の問題として、そういう観点からもこの問題は考えなくちやならんのではないかと思われるのであります。先ほど国警側に聞いたのですが、一例を挙げると、国警側のほうは治安の強化というふうなことでどんどん仕事がはかどつて行く、而も国警側の警察官の給与におきましても、今回の第二次の給与改定においてもそれに伴う経費として十一億二千万円かが補正予算にはつきり出ておる。然るに地方財政委員会のほうは、この地方公務員であるほうのそれは普通の経費も計上しない。而もそれが財政的に不当であるかのごとく……。これはあとで別な問題でやりますけれども、そういうふうなことで一つ御自分のほうだけは尻を拭つてきちんと辻褄を合わしておいて、地方は困る、その中には警察官も入つておるわけだ。大体国の全体の治安という問題に協力する建前にある警察関係で、国警にははつきり国家予算経費が見積られ、自警のほうはそれが見積られない。又年間の一人の警察官の所要額としましても、国警自治体警察とでは地方財政委員会の配分基凖で申しましても相当の開きがある。こういう状態において、さて機動力を発揮しようとする方面の起債のほうはこれも又極めて冷淡とは申しませんが、まあ適当にお考えになつておられないというところが、当事者である警察消防から言うと、非常に地方財政委員会に対して文句のあるところだろうと、私はこれは推量するわけです。まあ推量するわけですが、警察消防のほうで意見を出すと地財委のほうが文句を言われて困るわけなんです。こういうことについて地方財政委員会としては今の段階でどう考えておられるのか。又今度五十億の起債の枠が拡大したということを前提とした場合には、こういう不平不満、或いは当面の警察の問題等についてどういうお考えを持つておるか。消防も無論同じことである。消防施設のために金を注ぐ前に、一切の火事等による損害を統計的に見ると、どれほどな損害になつているかわからない、どれほどの国の財産を消滅しているかわからん。こういう状態から考えて、もう少し起債の枠が拡大せられるという、今日において、地財委としては要望を充たして行くことに努力せられていいのではないかというふうに考えるわけですが、まあ今日においての地財委としての考え方をこの際お伺いしたい。
  37. 木村清司

    政府委員木村清司君) 先ほど申上げたように、筋としては例えば大都市におけるポンプ要求のごときものは経常的な支出のような性質を多分に持つているのではないかと思いますから、私自身としては、つまり台数と耐用年数との関連性から考えまして、毎年或る程度考慮して行くべき筋のものではないか。そういう筋から申しまして、経営経費から賄うべきものではないか。それが不足するのは経営財源の量、或いは平衡交付金というものが不足しているというところから生ずるのではないかと思いますから、異常的な……、例えば十年に一遍買えば済むというような小規模な町村において、小規模な団体においてポンプを買うという場合と、大都市ポンプを買う場合とはおのずから性質が或る程度違うのではないかと思うのであります。これは併し、まあ筋だけの話でありまして、必ずしも現在の経営財源が十分であるというようには思いませんから、できる限りそういう方面につきましても、つまり起債の枠の許す限りその方面に充当することもやむを得ないと、こう考えております。又或る程度は当然であろうとも思うのであります。従いまして若し枠の拡大等がありますならば、そういう方面に充当されるかと思いますが、併しそれは飽くまでも当該団体の自治に委すべきものじやなかろうかと思います。例えば起債の枠が拡大されたといたしまして、その場合に、例えば五大都市東京都も含めて起債の枠が拡張できるということに相成りました場合におきまして、先ずその団体の官長が、或いは団体の議会が何を最優先に考えるかということを尊重することが我々の役目ではないかと思います。無論それは財政法に違反するような要求があつてはいけませんけれども財政法の許す範囲におきましては、当該団体の自主的な意思というものを先ず第一に尊重して、それに従つて我々は善処して行きたいと、こう考えておる次第であります。
  38. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあこれ以上お尋ねするつもりはありませんが、例えば消防等におきまして、或いは警察等におきまして、突発的な大火災或いは騒擾が起つた。こういう場合に、そこの当該地域の消防警察が相当の起債要求して、ポンプ或いは警察通信施設というものを要求しておつた。然るにそれがなされないうちにこういう事態が起つて、思わざる事態がそこに出て来たというような場合になれば、今の木村さんのような答弁では間に合わなくなるだろうと思う。やはり責任は追求せらるべき方面が出て来るであろうと思う。ただこの頃火事も起らぬし、騒擾もその辺にないようですから、まあ御説を承わつておく次第ですけれども、一旦何か起つたらこれは相当大きなやはり問題を醸して来るのではないかと思う。又そういうことが予想せられるから、消防の強化なり、或いは警察のほうの強化なりということに当事者が日々真剣に取組んでおられるものと考える。従つて私は五十億の起債が今回承認せられるということになりますならば、この方面についても十分地方財政委員会として考究して頂くことを希望しておく次第であります。  それから丁度国警側が出ておるようでありすますから、警察関係でお伺いしますが、警察の定員増は国警も五千人というのが二千六百人となるというふうで困る、それをカバーするために通信或いはその他の施設等によつてこれを補つて行くということで予算上にも明らかにそういうことが載つて警察力の強化ということを図つておる。それと見合つて自治体警察、特に東京都或いは大阪市というような大都市における警察は完全に自治体警察なわけですが、併しながら国警と共にこれは国全体の治安確保のための重要なウエートを持つた私は警察であると思う、こういう部面について国警側と同一歩調を以て設備その他も充実して機動力を発揮できるような態勢に持つて行かなかつたら、国警だけが強化されたからといつて、国全体のそれが完璧であるとは言えないのではないかと思う。そういう場合に、国警本部が国警だけのことをやつておることは当然のことでありますが、法律案その他においては国警側が委嘱せられて、その立案過程に参画せられてもおることは間違いのない事実なんです。従つてそれらと見合つて考えるならば、こういう重要都市における自治体警察の強化のための起債なりというようなことで、国が面倒を見ることができる部面についてだけでも、国警側においてももう少し何か斟酌せられ、或いは斡旋せらるるというようなことがあつてもいいのではないかという、これは気持だけですから、気持を持つものですが、国警側として今のようなこういう必要に迫られた起債要求しているが、それが果せないという状況について、どういうふうな御見解を持つておられるか、この際承わつておきたい。
  39. 加藤陽三

    政府委員(加藤陽三君) お答えいたします。只今私もこの席上におきまして自治体警察のほうの起債の困難の事情について承知したわけでございまして、果してどういうふうな内容で、どういうふうな御要求があるのかというようなことについて詳細は存じておらないのであります。警察といたしましてはお互いに協力をして参らなければならないことは申すまでもないことでありまして、殊に国警といたしましては警察法の改正で御承認願いました通りに、自治体警察のほうに対してあらゆるサービスを提供するということになつておるのであります。私どもこの責任を十分に自覚いたしまして装備その他につきましてはますます自警側のほうの要求にも十分に応じ得るように実は考えて行つておるのであります。ただ問題は法制的に申しますると、先ほど小笠原さんも御指摘になつ通り国警といたしましては自治体警察の事柄について容喙することはできないのでありまして、精神的な助力なり、いろいろな事柄についての打合、協力というふうな点につきましては自治体警察の主だつたかたとも絶えず連絡を取つておりますので、御要求に対しては如何ようにも私どもといたしましては御助力はいたしたいと思つておりますけれども、只今のところでは起債の話は今日初めて承知したような事情でありますので、今後はもう少し緊密な連絡を取りまして何とか日本の国の治安の維持に当る警察が十分に力を発揮できるようにいたしたい、かように考えております。
  40. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 警察とか消防というものの近代化というか、科学化或いは機械化というか、そういうものが非常に必要だと思うのです。例えば私は警察についてはアメリカにおいても余り研究しない、警察の担当者が研究して来られたと思うから……十分その方面において承知だと思いますが、仮にサンフランシスコあたりのタクシーだけを見ましても、タクシーに乗つて見ますというと、運転手の脇に無線電話が付いておる、そうしてタクシー会社の本部としよつちゆう話をしておる、今これからあそこへ一人乗せてどこまで行くというようなことをしやべる。そうすると向うのほうでその返事をする、又本部のほうから何番の自動車どこにおるかと聞くと、今ここを走つておる、そこでそれでは今帰つて来いとか、すぐどこそこへ行けというようなことで、常に走りながら本部と運転手の間において無線電話で話しつつタクシーが運転されている。従いまして警察のごときは自動車のパトロールをやつておりましても常に走りながら警察の本部と話し合つて、その機能を十分に発揮して行つておるというような状態にあるわけであります。警視庁においても最近十一台そういうのができたということでありますが、そういうような科学化、要するに自動車のパトロールをしていながら常に本部と連絡をして、そうしてあそこに泥棒がおつたと、それではそこに行けというので速急に何台もそこに馳せ付けるというようなやり方が必要だと思うのです。消防においてもまあ同様でありますが、従いましてそういうような計画というものは、先ほど木村さんが言われたように経常的な経費であるという観点のみから見て考えるべきであるか、こういう状態なつて独立した後において治安を保たなければならんというような場合には、犯罪よりも先に警察の機能というものは進んで行つていなければならない、犯罪者が犯罪をなしつつある間に、すでに警察の機能が作業されて、そうして犯罪中にも速かに現場に馳せ参じて逮捕することができるという有力な機能があつて初めて犯罪も防止することができるのであります。現在のようにもう泥棒が悠々やつて、そうしてどこへ行つたかわからないというようなことになつてから、後からのそのそ出掛けて追掛ける、刑事訴訟法があつてなかなかつかまらないというようなやり方では、到底これは今後の治安の確保はできないと思います。そういうような計画警察が立てられまして、そうして何台かのそういうような自動車を必要とするというような場合には、やはり一定の計画の下にそういう起債というようなものを経営費からでなく認めて行く、そうして拡充して行くというような計画的なやはり起債の認められる方針というものも必要ではないかというふうに考える。警察なり消防は、単なる一般の収入のうちから経常的に賄われて維持して行くということは、それは人件費とか旅費とかいうものはそうでありましようが、これを近代化して、消防なり警察なりが機能を発揮して行くというような場合にですね、やはり一つのそれと同じような気持に地方財政委員会等においてもなつて、そうしてそれを助けて行くというようなことが或る程度必要ではないだろうかというふうに考えるのであります。無論自治体から見ますというと、即急のことにまあ考えがちでありますから、自治体から見ると、これとこれとこれのほうを先にして下さい、こういうような考え方もあり得るのであつて、そのままにしておくというと、そういうような近代化しようとするところの計画が或いは後廻しにされる場合があるかも知れない。それをそのまま起債を許可する方面においてそれを容認して行くということになりますると、その方面に本当に企画性のある考え方というものは認められなくなつて来はしないか、こういうふうに考える。まあ国警のごときはこれは自発的にいろいろなことを考えるでありましようが、併しながら国家警察は大都市にはないのであります。無論いざという場合に出動するというようないわゆる国警の予備隊というようなものもあるでありましようけれども、併しながら経常的には、やはり大都市におけるこの自治体警察が治安の体制を受持つものでありまするから、そういう計画の場合に、消防におきましても、或いは警察におきましてもその企画と起債をするものとが同じような考え方で以て、そうしてその起債を与えてやるというようなことがやはり全体的な治安確保という点から見て必要ではないかということを感じておるわけでありますが、そこでちよつと警視庁にお聞きしたいのでありますけれども、いわゆる科学的な警察を作つて行くというようなことで、そういうふうなプランを立てた場合に、或いは立てたことがあるかどうか。そしてその場合に金がないためにやれなかつたという事実があるか。そうしてそれを起債要求した事実があるか。そうしてそれがどんなふうな結論になつたのか。又その十一台自動車があるということでありますが、それでどのくらいの金がかかつたか。それは起債によつてやつたのか、経営費でやつたのか、それをちよつとお聞きしたい。
  41. 小金井健男

    参考人小金井健男君) 只今の御質問にお答え申上げます。警視庁の現状につきましては、御承知の点も多々おありのことと存じまするが、御指摘頂きました警察の近代化、科学化という点につきましては実にお話にならない事情でございまして、私どもといたしましては、どうしても人の突き進んだ犯罪を追つて刑事訴訟法の下で実績を拳げますのには、この面に金をかけなければならないということを日夜念願して参つたような次第でございます。今日まで特別に申上げるほどのことはございませんけれども。先ほどお話頂きましたラジオ自動車、この点につきましては前年度一般の財源を以ちまして車輛二十台、無線機二十一台それぞれ承認せられまして、現在該当いたしまする台数が東京都内に走つて警戒に当つておるような次第でございます。これを警視庁五階の司令室から自動車連絡をとりまして、都内のどういう場所事件が起りましても指令を受けました瞬間に数台の車が現場に急行いたしまして、おおむね三分以内に現場に到着して事態を解決いたしまするために、どういたしましても更に三十数台の無線機自動車を必要といたすのでございます。このために起債として本年再三お願いを申上げて今日に至つたのでございまするが、都におきましては起債が不可能ならば一般財源では、先ほど小笠原委員お話になりましたように当面の運営をいたしますることが何と言つても急で、まとまつたそういう金をそういう事業に出すことは到底一般財源では考えられないことであるという見解なのでございます。そういう次第を以ちまして、この継続事業として欲を申しますれば、百三十台ばかり都内にこれが欲しいところなんでございますけれども差当り講和前後の首都の治安維特上どうしても四十数台は確保しなければならない。こういう観点から実は三十数台の車輛を今年の計画としてやつて参つたのでございまするが、実は一般財源におきましても起債におきましても、その一台すらも認められないで今日に至りへ而してこれらの機械は一年使いますると、三交代二十四時間駆使しておりますので、無線機も車輛も一年で大体寿命が大半終るという危険があるのでございまするが、その補充すらも全然できないという状況でございます。なおいま一つはやはりお話のございました点と関連いたしますが、パトロールをやつておりまする警察官が街頭に一万三千数百名、これが三交代で二十四時間それぞれ与えられました受持区域を巡回しておるのでございますが、これらの者が受持の区域から一時間ごとに区域内の事件の発生の有無を報告連絡をすることになつておりまして、これらのために街頭に電話を敷設するということは制度上絶対に必要なのでございます。これが只今の計算で少くとも六百五十個必要なんでございまするが、昨年度四百五十個頂きましたので残りの二百個本年是非これも起債お願いするところでございまするが、願つておるのでございまするが、一部地域に街頭電話が設置されたほかは、パトロール実施の後廻しになりました警察署の管内には実はこの街頭電話が全然ないのでございます。これは治安維持上、又管下一斉にパトロール制度を実施いたしますという上から非常なる不都合であり、都民に対しましても非常に不公平な取扱をいたしておるということで、私ども非常に心苦しく存じておるような次第でございます。それから車輛でございますが、車輛の関係自治体警察になりまして以後今日までおおむね二百車輛大小合せまして増強をいたして参つております。併しながら御承知のような国内生産の事情でもございまするし、必ずしも警察に適しまする車輛を全部調達できたというわけでもございませず、乗用車輛のごときは警察では緊急な連絡用といたしまして不可欠なものなんでございまするが、これらのものにつきましても三十二年三年というような老朽車が圧倒的な数を占めておりまして、これらを更改することも是非とも一つ必要でございまするが、なお御承知通り東京都内で最近でこそ事件も少いのでございまするが、殆んど連日予備部隊を私のところで四千、三千五百名ほど確保いたしておりまするが、これらのものを縦横に都内に輸送いたしますということは、絶対に治安維持上必要であると考えておるのでございまするが、これすらも、この車輛すらも、今までこれらの人間を乗せまするのに、三分の一程度を輸送する車輛ほかそれらの部隊は持つておらない実情でございます。合計いたしまして二万五千に近い警察官を持つておりまして、これらの者は必要によつていつでも出動の態勢を取り、輸送されなければならないのですが、昨年、一昨年前後の状況から見ますると、事がありますと組合から自動車の断りを受け、出かけて行こうと思つても、急に警察では車が手に入らないというような実情でございまして、非常に困難をいたしたのでございまするが、その後各警察署七十三につきましては、払下げのジープが、約十人ばかり乗れまするジープが一台ありますほかには一台のトラックも持ち合しておりませんものですから、急な場合にはそれぞれ民間から借り上げてやつているというような状態でございまして、機動力を整備いたします関係から、全部とは申しませんでも、予備隊三千五百名程度のものがすぐに送れる車でも是非整備してもらわなければならないと、かように考えておる次第でございます。  先ほど申上げました通信と関連いたしまして、只今有線電話が従来からあるのでございまするが、これらにいたしましても非常に交換機の線が老朽でございまして、なかなかうまく聞えないことは皆さんも御承知通りだと存じます。これらのものも本年度起債を以ちまして三十数カ所取換える計画でございますが、これらも一つも無論認められないのでございます。それから科学化の点につきまして、新らしい刑事訴訟法の下において、犯罪鑑識の設備でございまするが、これは一応六千万程度計画を持つておりますが、この分につきましては、起債として格別まだお願いを申上げておりません。なお、先ほどもちよつと申上げたのでございまするが、これは科学化ではございませんが、先ほど来お話もございましたが、待機寮の問題でございますが、私どものところで、現在戦争中からまだ二時間以上の距離において通勤いたしております者、或いは明け渡しを要求されて、追立てを食らつておりまする者というような、非常な緊急事態におります警察官が五千四百二十名現在おります。これらの人たちを最寄りの所に居住せしめますということは、警備力を用います場合に、絶対の要件でございます。これを計画いたしまして、本年相当巨額なものでございまするが、五カ年計画として二億七千万ばかり起債お願いしておりまするが、その一戸すらも認められておらないという実情でございます。非常に戦後でございまするから、今まで多少は起債も認めて頂き、戦災の庁舎を復旧いたしましたり、改築をいたしましたり或いは待機寮も或る程度は建てては頂いておりますけれども実情は未だ惨澹たるものでございまして、一度御覧を頂きましたならば、大抵御覧になつたかたは驚いてお帰りになるようなみじめな境涯に、環境の下に……、寮といたしましても農林省の倉庫を借りますとか、町の公民館の壊れたのを借りますとか或いは警察後援会の三十年も使つた倒壊するような待機寮を借りておりまするとかというような実情でございます。これらの点を整備いたしますことは、どういたしましても都民が安んじて警察を信頼されるのに絶対な条件だと考えまして、お願いして参つたような次第でございます。御質問に十分副わないかと思いますが、一応……。
  42. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 時間がないから一点だけ申上げますが、地方財政委員会にお伺いしたいのですが、そういう只今警視庁から説明されたような、例えば起債方針がある、ところがその東京都において一括される場合に、東京都はただ警察消防だけでなく、あらゆる方面におけるところの起債要求が輻湊しておる、併しながら起債の枠が限られておる。こういう場合に、じやどれを先にやるかという場合に、順序をつけて、これをやつてもらいたい、これをやつてもらいたいということが査定のときにあると思うのです。そうしますと先ほど財政委員会お話のように、自治体自身のやはり要求というものを含める必要があるのである、こういうのが運営の中心なんである、こういうお話でありましたが、今の要求のようなものを具体的にしておるという話ですが、やはり東京都といたしましては、あなたがたといろいろな折衝をされる場合に、警察ばかりがだんだん人員が少くなつてしまつても、それは止むを得ないというような段階にあるものでしようか。その実情ちよつとお聞きしたい。折衝中における当局の考え方ですね。
  43. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 先ほど申上げましたように、本年度は枠で各府県に渡しております。それで五大市も、御承知のように地方債の面においては、取扱上府県と同等に扱つておりますので、東京都に一定の枠を示しまして、それに基いて都で、都自身の判断によつて現在のような充当費目になつておるわけであります。
  44. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 或いは重複するかと思いますが、ただ一点起債についてお聞きしたいのですが、今年の追加になります百億に対しまして起債の配分はいつおきまりになるのでしようか、その点伺います。
  45. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) もう暫くしたらきまると思つております。
  46. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 それでそれに関連して岡野国務大臣はこの間、短期債のことについて考えたいと言つておられるのですが、これはあれでしようか、短期債についても若干配分等について考えられるわけでしようか。その点はどうなんでしようか。
  47. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 現在のところ短期債とは切り離して考えておるつもりでおります。
  48. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 そうしますと、この間岡野国務大臣の話にもありましたが、今回も短期債というものを起債の不十分なものに対して考えようというので、従来の短期債とは若干本質的に性質が違うと思うのです。そこで従来短期債というものは殆んど地方財政委員会には関係ない、財務局がこれを主管して、まあ極端な言葉を以て言えば、勝手に配分をしておるというような状態でありましたが、今回はやはり先般きまつた四百億、今日の百億の起債等、いわゆる起債の一貫性、言い換えれば地方財政全体との関係において、この短期債というものは考えられるものと思いますので、従つて短期債につきましても十分地方財政委員会においてこれを把握せられて、各地方団体の或いは需要なり或いは財政状況なりに応じてこれに関与せられることが至当と思いますが、これについて木村委員の御答弁を願います。
  49. 木村清司

    政府委員木村清司君) いわゆる一財政資金としてその年度における確実な財源を目当にして出すというようなものでないのであるならば、つまり長期債の明年度以降の起債の一時的な措置、そういう意味に解釈するならば、その枠は当然明年度起債をあらかじめ許可したと、予約したというような形で見るべきものであるから、一定の枠を大蔵省と協議の上、地方財政委員会で善処するほうが筋道だろうと考えておりますから、その点は政府当局ともそういう方針がきまりますれば……、又、若し他の方法がなければそのほうによることがべターだと思いますから、そういうことにいたしたいと存じておる次第でございまして、これは何分にも大蔵省が実質的にも形式的にも握つておるのであるから、どの程度になるか、これは保証の限りではありませんけれども、私どもといたしましては、そういう方面に努力したいと、こう考えております。
  50. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 只今木村委員からお話がありましたが、それは大蔵省の所管だといつておりますけれども、これは今回の短期債と性質上全く違うのでありまして、従いましてこれは強く御折衝を願いたいと存じます。なお、それに関連して先ほどからいろいろ警察、或いは特に自治体警察の装備、その他消防等の問題もございしまたが、こういうのに対して先ほど木村委員の話では地方自治体の長官の判断によつてこれは決すべきものだと、こういうようなお話がありまするが、先ほどから各委員お話もありました通り、特にこの地方自治警察の装備等につきましては、一方に国家警察或いは予備隊が強力にその人員の不足を早急に協議によつて補うという今日でありますので、丁度公共事業というような工合に、何か特定の起債全体として枠をおきめになつて、そうしてそれを各地方団体に配分して、それでこれらの目的を達せられる御意思はないのかどうか、その点についてちよつとお伺いしたい。
  51. 木村清司

    政府委員木村清司君) 只今のところその考えはありません。一般会計については、政府の定める一般公共事業単独事業、或いは災害復旧というような多少法定的な義務負担に関するもの、それから特別会計、本来税でないもの、つまり一般会計というものは税と平衡交付金とが背景となつたものでありますから税と関連性がある。これが水道、電車というものは普通株式会社であるならば税に当るものがないのであるから、それは全部起債で認めてやる、こういう性質のものでありますから、両者おのずから性質が全然違うのであつて一般会計の枠を認めるということは地方自治の上から見て如何かと思うのであります。
  52. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 最後に一点だけ申上げますが、今そういうお話でありますけれども、将来やはり起債につきましては、国の基本的な、例えば公共事業であるとか、六三制の支出であるとか、そういつたような国の政策と相併行するような問題につきましては、我我はまあ自治体警察の装備等も同じであると思つているのですが、やはりこれは一つ起債の一定の枠を設けまして、そうしてそういう国の重点施策については併行して自治体にもやらせる、こういうふうにお考えを頂きたいことをお願いいたしまして、私の質問は打切ります。
  53. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 時間がありませんが、先日来この問題は、問題として討議されましたが、平衡交付金のほうは給与改善費等について大きな基礎的な考え方が分れるところによつて、配分の方法等についても参議院の当委員会として地方財政委員会に申入れして、国会の意思を尊重してもらわなければ困ると思いますし、それと同様に、この起債についても国の政策と見合つて、やはり起債の枠の許可等については国会の意思というものを地方財政委員会に申入れることが必要であろうと願うのです。この間、決議案が上げてあつて、総枠については決定しておりますけれども、その配分等については十分国会の意思を尊重するということは、従来、野村委員長を初めとしておつしやつておられるのです。地方財政委員会政府に牽制せられるものでもないし、自主的な配分なり、或いは起債の決定をすることは当然でありますが、然らばどういうところの意見を聞いて、それを尊重してやるかといえば、これはやはり国会に対して意見書を出している限り、国会の意思が尊重せられなければならんと思うのです。先ほどのような木村さんの御意見であると、どうもこれは我々の意向が十分伝わらない虞れがありますから、委員会としては補正予算の通過と見合つて委員会独自で今後内容の検討をすることになつておりますから、平衡交付金の配分並びに起債の許可等については、特段な希望をしておきたいと、こういうふうに考える次第で、委員長においてもそういう心組で取扱つて頂きたいと思うのです。而もこの警察消防については枠をきめること自体が、地方自治の本旨に背くかのような話でありまするが、これは教育或いは治安、こういう基本的な問題は国の政策と見合つて地方が行なつている仕事であろうかと思うのですが、教育に関しては六三制の建築の補助金に見合う起債の枠としては、今回の五百億になつた場合においても四十億くらい出ておるわけなんです。或いは六三の今年度における計画からいえば、補助金から見合つて行けば六五%も起債が出ておる。然るに警察消防のほうは一割にも足りない、四十分の一或いは三十三分の一だというようなことでは、これは余りに均衡がとれないように思うので、まあ今後において、慎重に委員会が、今年度における単独事業の全体の起債要求申請額というものと見合つて、どの程度が、五百億のうち残つておる起債部分から出せるかということを検討する必要がありますけれども、先ず以て直感的にも間違いのないところを、警察消防起債の枠は教育等の起債の枠から見ると均衡がとれない。この点については十分地方財政委員会としても再検討を加えられて、国会の意思を尊重して、この方面についても十分考慮するというふうにして頂くことを、委員長から今日の段階においては地方財政委員会に要望しておいて頂きたいと思うのです。他は平衡交付金の配分、内容とからんで、予算の通過と見合つて委員会で検討して行くというふうにして頂きたい。
  54. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) お諮りいたしますが、本日午前中は時間が経過いたしましたが、昨日、大蔵省に重ねて要求した事件のことですが、簡単でありまするが、出て参りましたのですが、午後はそれを取扱いますか、午後はどういたしますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは休憩いたして、本日午後再開します。午後から給与の問題につきまして審議をいたします。午後は二時に再開いたします。    午後零時五十九分休憩    〔休憩後開会に至らず〕