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1951-10-30 第12回国会 参議院 地方行政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月三十日(火曜日)    午前十一時三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     西郷吉之助君    理事            岩沢 忠恭君            中田 吉雄君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            岡本 愛祐君            鈴木 直人君   政府委員    地方財政委員会    委員長     野村 秀雄君    地方財政委員会    事務局長    荻田  保君   事務局側    常任委員会專門    員       福永與一郎君    常任委員会專門    員       武井 群嗣君   説明員    地方財政委員会    監理課長    細郷 道一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政の改革に関する調査の件  (平衡交付金に関する件)  (起債問題に関する件)   —————————————
  2. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) これから委員会を開会いたします。  本年度補正予算のうち地方財政に関する分について全般的に御説明を承わりたいと同時に、先月の二十二日附で以て意見書国会並びに政府に出しておりますので、その御説明を願いたいと思います。
  3. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 地方財政窮状打開のために地方財政委員会といたしましては、先般政府補正予算編成の際平衡交付金二百億、起債の枠の拡張百五十億を政府のほうに意見書提出いたしましたところ、政府においては平衡交付金百億、起債の枠の拡張百億を決定いたしまして今回の国会提出いたされたのであります。私どもが、この平衡交付金増額二百億、起債の枠百五十億の拡張を要求したゆえんのものは、地方財政需要総額は六千四十七億で、地方財政収入総額は五千六百九億であります。この地方財政収入総額内訳を申し上げたならば地方税収入は二千五百十億で、国庫から出している支出金平衡交付金千百億と、あと補助金であります。又雑収入は五百十二億、地方債交付金を除いて三百五億であります。結局不足額として四百三十八億あるのでありまして、この四百三十八億を補填するために、先ほど申上げた平衡交付金増額二百億、起債増額百五十億、そうして節約額を八十八億地方にいたさせて、そうしてこの補填をいたしたい。かように考え平衡交付金増額起債の枠の拡張政府のほうに要望いたしたのであります。然るところ前申したように今度の補正予算には百億の平衡交付金、百億の起債の枠の拡張、かように相成つたために、財政委員会といたしましては更に国会に対して意見書提出して、平衡交付金増額を私どもが前に政府に要望したと同じように二百億、起債の枠を百五十億拡張してもらいたいという意見書提出いたしたわけであります。なお私どもといたしましては、地方財政も困つておるけれども、今後国庫状態をもよく考え地方においても事業の繰延べ、或いは冗費の節約等、できるだけ整理節約に努めて、地方財政健全化を図るようによくこれを助言し、又指導して行くように努めて行く考えであります。以上が私ども政府に対する要望並びに国会に対する意見書提出の理由の大要であります。どうかよろしく御審議をお願いいたします。
  4. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) なお参考資料がたくさん出ておりますので、事務当局からそれについての説明を求めます。
  5. 荻田保

    政府委員荻田保君) 先ずこの意見書についておりまする数字でございますが、「二十六年度修正地方財政計画表」、これが今度意見書を出しました基礎になる数字でございます。既定財政規模、これは二十五年度計画基礎にいたしまして、これを既定財政規模と見ております。  それから次に二十六年度に新規にどれだけ殖えるかというものを足して、二十六年度に結局必要といたしまする地方財政規模算定したわけであります。で新らしく殖えます分は、給与改訂による増加でありますが、これが第一次と第二次と分れております。この(1)から(7)までが給与改訂に伴います増加であります。これにつきましては第一次と第二次という考えがございます。第一次は御承知のように本年一月から行いましたいわゆる千円のベースアツプ、第二次は今度十月から行いまするいわゆる千五百円のベースアツプ、これに伴いまする地方所要経費であります。これにつきまして第一次の分につきましては、すでに当初予算において或る程度見積りをしたのでありまするが、その後検討いたしますと、当時の数字相当の誤りがあつたわけであります。と申しますのは、いわゆる千円の引上げということで、一人当り千円の所要額を計上しておつたのでありまするが、実はその見積りをしましたあとで、給与改訂に関する法律案ができたわけでありまするが、その法律を適用いたしまして現実に給与改訂をいたしますると一人当り千円では到底及びませず、相当大きな開きがあつたのであります。それでここにはそれを修正しまして本当に全額要るものを書き上げたわけであります。次に第二次の引上げでありますが、これは今度提案になります政府給与改訂に則りまして地方も行うものとしての経費を計上しておるのでありまするが、この分につきましては、三枚目の最後に註を付けてございますので、ちよつとこれを御覽願いたいと思います。今度の改訂によりますと、大体現在の俸給の一八%程度引上がることになるのであります。ところがその後大蔵省のほうが給与実態につきまして地方職員について調査いたしますると、地方では国家公務員よりも少し多い、高過ぎるというところがあるということを調査いたしまして、これを根拠に今度の補正予算考えておるのであります。その額はここにございますように本俸につきまして見ますると、府県一般職員については四百六十二円、教育職員にありましては三百七十五円、市町村一般職員につきましては五百七十六円だけ国家公務員基準と比べて高過ぎるということが言われておるのであります。従いまして今度千五百円引上げます際に、この高過ぎる分は適正なところまで戻して、そうして給与改訂を行うというので、千五百円の引上げに対しまして、終りのほうに書いてありますように、道府県一般職員につきましては九百七円、教育職員にありましては千三百二円、市町村職員にありましては七百二十六円だけの財源しか見ていないのであります。従いましてこれによりまして実行して行く場合には、地方がこの通り高過ぎるものは引下げまして給与改訂を行いませんと、この数字だけを考えましても計算が合わない、財源が不足して来ることになるのでありまして、この点如何なる方法を講ずるかということはまだ研究中でございまするが、大体中央のほうからいわゆる適正な給与というのは大体こういうものであるということを示して、これによつて切替えを実施してもらいたいということを勧告するというような恰好になるのだろうと考えております。そのほかに石炭手当とか、寒冷地手当とか、或いは一般職員でない吏員特別幟員等経費もすべて見ておるわけであります。  次に給与以外の問題としましては政府施策に伴う経費増加、これはA系統と書いてありますのは、二十六年の平衡交付金に計上されております従来補助金で出しておりました経費B系統と言いますのは今後も国庫補助をいたして行います必要経費、こういうものにつきましての負担増加。次の(9)の兒童人口等増加に伴う歳出増、これはいわゆる歳出自然増であります。次の全日制高等学校教員増加、これは相当高等学校が新制度になりましてから増加しておりまするので、この教員相当殖えております。それから公債費は今年政府に対する貸付金の返還が終りますので或る程度減つております。地方選挙に要しまする経費、これはこの間ありました地方選挙経費。それから臨時事業費の増でありまするが、ここに内訳がございまするが、公共事業費失業対策事業費、これはすべて政府補助金のありまする地方負担金であります。單独公共事業費の増、地方独自で考えまする單独の公共事業。それから次の(14)の物価騰貴に困る一般物件費の増、これは相当大きな額を出しておりまするが、御承知のように二十五年に比べまして二十六年は相当物価が上つておるのでありまして、この物件費の増を大体年間四百億と見まして、本年度はその半分だけ二百億だけをここに計上してございます。それから(15)は自治体警察の廃止によりまする減十億円、これは今度町村自治体警察を廃止しました場合には非常な負担の減少になるわけでございます。それから次の富裕団体超過財源による通常規模を超過する財政需要の増、これはすべて平衡交付金算定基礎によりましてこういう数字を作ります関係上、総額を如何にきめましても税のほうで、平衡交付金基準財政需要をきめた以上のものが税としてとれると、その超過部分というものは他の団体財源補填には廻らないのであります。従いましてその分だけは、その団体に対しましていわゆる一般平衡交付金基準によるより以上の財源が与えられることになると思います。そういうところは、それによりまして平衡交付金計算上、基準財政需要考えておりまするもの以上の、財政経理を行うわけであります。その額をここに大体最近試算の結果によりまして百二十九億というものを挙げております。合計いたしまして六千四十億、これが財政規模になります。それに対しまして次に歳入がどれだけ見込めるかという問題でございまするが、先ず地方税におきまして二千五百十億というものを見ております。これは当初二千百億弱を見ておりましたが、その後四百億程度増加を見ておるのでありまして、これは主として法人関係の税、つまり事業税中の法人に対する分、市町村民税中の法人税額、この分が相当増額になりますので、この額を主として見たのであります。なおそのほか一般物価騰貴等によりましての増も見ております。これを四百億以上のものを更に自然増収として見たわけであります。次の国庫支出金、これは既定予算に計上されておるというものであります。それから地方債の三百五億円、これは本年度四百億の枠を以て今まで行つておりまするが、九十五億円というものは公営事業のほうへ廻つておりますので、一般会計のほうの対象になりますのは三百五億円。それから次は雑収入、これを総計いたしまして五千六百億という歳入がございまするので、これの差額四百三十八億三千七百万円というものが不足するわけであります。これに対しまして地方債増額を百五十億、地方財政平衡交付金増額を二百億、その残り八十八億三千七百万円は、これは事業の繰延べ或いは歳出節約等によつて地方団体等にも努力してもらいたいという程度のことを考えまして、結論といたしまして平衡交付金二百億、地方債百五十億の増額を要求いたしておる次第であります。  それから次の資料はこの厚いところの、「昭和二十六年十月又は十一月において各地方団体交付すべき昭和二十六年度分地方財政平衡交付金の額の特例に関する規則(案)」、でこの平衡交付金法律上の原則は八月中に本決定をしなければならんのでありまするが、本年度におきましては、まだ早々の間でありまして、基準財政需要計算とか、或いは基準財政収入計算等につきまして、相当研究を要するところが……十分の検討を盡したいというようなことが一つ、第二にその後税の自然増収相当ある。又歳出の面においては給与引上げ等がありまして、基準財政需要基準財政収入について変更の起る余地が相当ある。それから第三には、一応百億の補正予算提出がありますが、こういうものも含まれておる、こういうことがございますので、本年度法律によりまして、この規則によりまして特例をここに設けまして、本決定あとで行う。併しその間、現金交付ということを急ぎますので、現金交付に関しまする基準を作る。御承知のように、大体四回に分けて交付しておりまする現金を、初めの府県につきましては三回、市町村につきましては二回というのは、去年の額を基準にして分けておるのであります。本決定がありませんと、全部を分けることはできないのでありますが、今申しましたように、本決定あとに廻したほうが適当であろうと考えますが、併し現金交付を急ぐ、併しそうかといいまして今までのように去年の額をそのまま四分の一ずつ又交付するということでは本決定のときの過不足が大きくなるというようなことから、一応の仮の決定総額決定をいたしまして、既定交付額を差引いた残りを大体今後十月、十一月において交付する、こういう措置をとつたのでございます。で仮決定をいたしますことについてのこの單位費用補正係数、それから基準財政収入計算方法というものをこの規則に書いてあるのであります。でこれにつきましてはすでに二年目でございまするので、相当個々の費目に亘りまして根本的の検討を加えましてこの案を作つたのであります。従いまして去年のやり方とは相当に違つたところもあるわけでございます。でこれは大体最近きまりましたので、この額によりまして一応通知し、直ちに十月及び十一月早々現金交付を行いたいと考えたのであります。  それから次は警察費單位費用積算基礎市町村分、これはその中の先ほどこの規則案の中の自治体警察に関しまする單位費用をきめますのにつきまして、どういう基準行なつたかということを書いておるわけでございます。大体基準になりまする市町村を、まあ町村でございますが、人口一万五千乃至一万七千程度のところ、警察吏員が二十人というのを一応基準にいたしまして、これにつきまして單位費用計算したのでございます。でそれ以下はその内訳でございます。その結果この前の大きな表の六十一頁に出ております警察費單位費用が、警察吏員数測定單位にして十九万五千五百円ということになるわけであります。それから次はこの第一号補正係数の算出の基礎であります。これは道府県分につきまして書いたのであります。人口段階によりまする階級別単位費用を出しまして、補正係数を算出したのであります。つまりここに最後に八十万、百十万、百四十万、百七十万、二百万、二百五十万、三百五十万、この七段階に分けまして補正をしております。  それから次は二十六年度地方財政平衡交付金算定に用いる單位費用及び基準財政需要額等に関する調で、この規則によりまして單位費用及びその補正後の数字等から計算いたしまして、大体各項目別財政需要がどうなるかということをここに書いたのでございます。道府県分市町村分、裏が市町村分になつております。で裏は二十五年度分でございまして、二十六年度と二十五年度相当つておるわけでございます。変つておる額は裏の頁の一番終りの段にございます。市町村分も同様でございます。  それから次は府県市町村について行なつた財政調査対象及び方法、その結果、本年度いろいろ一般からも希望乃至は意見もございましたので、財政委員会としましては地方自治法規定によりまして、地方財政実態調査をいたしたいというので、先般の予算におきまして、職員増加等経費も見て頂きましたので、それによりまして、官房に調査課をおきまして、この仕事をしておるのであります。併し何分にも初年度でありますので、この経費も一年分でございませんので、漸く最近職員も全部揃つたという程度でございまして、まだ十分の活動はしておりませんが、併し今までにおきましても相当数のものを調査しておるのでございます。で、大体この対象としましては、赤字を生じておるというような所で、まあ財政が苦しいというような所を主として行なつたのでございます。県としましては岩手、宮城、鳥取、岡山、それから市といたしましては大阪、なお大阪に附随いたしまして、参考に神戸、京都、名古屋、横浜等の大都市もこれは簡單でありますが調べました。で、これによりまして我我考え方といたしましては飽くまでこの地方団体相談に乘るというような恰好で、何もこの惡いところをあばき出してどうするというような意味ではなくて、財政健全化して行くのにどういうことをしたほうがよいということをまあ相談する。法律の上で行きますれば、地方財政委員会設置法規定によりまして助言を行うという形によりまして措置しておるのであります。何分にもこの地方財政全体の枠は小さく、その点につきましては我々も小さいので殖やしてもらいたいということを政府及び国会に対して意見書を出しておりまするが、そのような枠で行います財政におきましては、如何に個々団体が努力せられましても、なかなか収支の合つておるということ、合うということはできにくいのでありまして、収支が合わないからといいまして、これをその団体やり方自体が惡いのだというふうには責められないと思うのでありますが、それにいたしましても個々やり方につきまして相当改善の要がある。惡いところのものを示しまして助言等行なつておるのであります。  それから次は昭和二十五、二十六年度起債承認状況一覧表でございます。これは今まで二十六年度分につきまして行いました結果を取りまとめてございます。  それから次は地方債制度改正について、この地方債許可につきまして、いろいろ地方団体等からも意見がございますので、この点につきましては、地方行政調査委員会議勧告趣旨等を尊重いたしまして、ここに書きましたようなことを改正すれば、こういう問題が比較的解消するのじやないかということを考えておるのであります。それから以下に付いておりますのは、本年度分地方債許可方針についてこれまで出しました通牒を載せております。  それから次の大きな表の第三号の補正係数であります。これは今度行いました第三号補正係数をきめるにつきましての根拠になります表でございます。簡單に申しますれば、人件費等につきましては、この人事院できめますいわゆる都市、市町村別のこの級によりまして、物件費につきましてはS・C・P・Sによります物価の比較によつてきめております。  それから次は教育費單位費用積算基礎、これは先ほど申上げました警察と同様に、教育費についての單位費用を如何にしてきめたかという内容でございます。以下全部その関係になつております。いずれ詳しいことは……。
  6. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 更に事務局長或いは監理課長から地方債制度改正について、これはもう少し詳しく説明をして頂きたい。
  7. 細郷道一

    説明員(細郷道一君) 今の説明を補足いたしまして、地方債制度改正について簡單に御説明いたします。  この改正はその下に書いてございますように、昭和二十六年二月二十日の閣議決定に基くものでございますが、この決定をいたしました趣旨は、その前文にもございますように、昨年の暮、地方行政調査委員会議地方財政制度について特に勧告をいたしました。その中の地方債制度部分についてこの閣議決定を見たものでございます。地方行政調査委員会議勧告は、御承知のように、地方債発行を自由にしろ、で、そういう根本の考えを持つておりますが、差当つてそういうものが困難な場合には、総枠を県ごとに粋として与えて、その内容については、各県なり市町村なりの、いわゆる自治体の自由にしろ、こういう趣旨並びに公募公債交付公債等について自由に枠外発行許可するようにせよ、まあこういつたような点を主に盛つたものでございまして、いずれも地方債制度本来の姿から見ますれば結構なものと考えておるものばかりでございますが、そのうち政府においていろいろ関係省相談をいたしました結果、ここにございますような制度改正閣議決定を見たものでございます。これは考え方といたしましては、現行の地方債制度年間発行総額決定されております関係上、各府県に割る場合に成るべく客観的な方法を以てやろうという意味から、公共事業費災害復旧事業費につきましては、それぞれ客観的に地方負担額が定りますれば、それによりまして配分をする。それからその他の一般單独事業につきましては、その事業の緊急度並びにその地方団体財政状態及び過去の実績等を勘案して決定をする、こういう内容のものが主となつております。そうして市町村分につきましては、府県に枠を与えて、その枠の範囲内において市町村状態を見て、府県知事において割当ててきめる。それから融資の問題につきましては、中央において府県に割る場合に、現在預金部を管轄しておる大蔵大臣と協議をいたしまして、その範囲内においては融資を速かに行う。それから最後公募公債及び交付公債を現在の起債枠外とすることは当分の間は困難である。そういう諸点をこの内容として盛つたものでございます。
  8. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは更に平衡交付金につきまして本年度どの程度配分しておるか。その方針起債についてもその説明をして頂きます。
  9. 荻田保

    政府委員荻田保君) 先ほど申し上げましたように、本年度予算に計上されております、すでに予算に計上されております千百億円につきましては、先ほど申しましたような趣旨で仮の算定行なつたわけでございます。千百億のうち一割は特別交付金でありますので、普通交付金としまして九百九十億のものを今回仮に配分してみたのであります。でありまするが、本決定でございますると、一応この基準財政需要から基準財政収入を引いた、いわゆる交付基準額によつて九百九十億円を全部按分することになりますが、今度の仮算定におきましては、一応基準財政需要基準財政収入との差額そのものを以て仮決定としておりますので、そこに総額九百九十億との間に或る程度開きが出て来ます。三十四億六千九百万円というものが過少に出ましたので、九百九十億全部が仮算定される、その額だけを引いたものが算定されたという結果になつておるのであります。で、この算定につきましては、先ほど申しましたように、従来の経緯にとらわれずに新らしく基準財政需要なり収入を合理的に、できる限り合理的に算定するという方針で行ないました結果、必ずしも去年の交付額と同一にはなりませんでしたので、減りましたところについて相当いろいろ意見が強く出ておりますが、なかんずく町村につきましては、去年に比べまして二割程度減つておりますので、相当問題があつたのでありますが、この点につきましては率直に直しまして、先ほど申しましたように、三十四億六千九百万円余つたというようなことで、初め立てておりました見込に違いがありましたので、こういう点は勿論今後の百億円の増額、或いは我々の希望しております二百億の増額なりができましたあと、それと一緒にしまして本決定の際に是正したいと考えておるのであります。
  10. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 御質問願います。
  11. 中田吉雄

    中田吉雄君 地方財政が非常に窮迫しておることは、大蔵省の或いは政府のこれに対しまする理解の乏しい点も非常に多いと思うのですが、平衡交付金配付基準決定によつて地方財政のアンバランスが十分平衡されないという点が、地方財政の困難を一層まあ大にしておる点があるのではないかというふうに考えるのです。仄聞するところによりますと、大蔵省みずから配付基準決定してですね、そうして各県別配付額決定したやに聞いておるのですが、その案はお示し願つて参考に供される御意思はないのですか。
  12. 荻田保

    政府委員荻田保君) その問題につきましては、百億円なりこの補正予算に伴いまする平衡交付金増額の問題の途中におきまして、極めてラフな我々のほうでも府県別見込というものを出しました。併しこれはもう全然問題にならないのでありまして、ただ参考に出した程度でありまして、全然これを公けにするとか、我々が今後の根拠にするというものではございません。大蔵省も何かそれによりまして、一応何かガリ版も作つてつたようでありまするが、これも取るに足らないようなものでありまして、別に我々は何ら考えておりません。
  13. 中田吉雄

    中田吉雄君 非常に細かい配付基準決定されてやられることは非常に科学的なようではありますが、往々その結果が大量観察を誤つて、却つてそういうことになるということは、統計学がよく教えるところなんですが、或いは案外大蔵省がラフなようではあるが、そういう大局的な面で一つのサゼツシヨンを与えているかとも思うのですが、一つ両者相比較して問題の所在を突きとめるという観点からして、勇断を以てお示しになつては如何ですか。
  14. 荻田保

    政府委員荻田保君) 先ほど申上げましたように、大蔵省自身もそう固く考え数字でも何でもないのでありまして、むしろそんなものを余り公けに議論しないほうかいいのじやないか、全然それを具体的な根拠にしていないのでありますから、むしろ我々としては全然歯牙にもかけておりません。
  15. 相馬助治

    ○相馬助治君 中田委員から再度に亘つてそれを尋ねても、局長は歯牙にもかけていないとおつしやるようですが、現実の問題として、地財委としては二百億の平衡交付金増額、それから起債の粋の増加、百五十億、それから節約その他で八十八億見込むとして、とにかく三百五十億のものを要求して、現実に通つたものは百億の平衡交付金増額起債百億の枠が広がつた、こういうことであつて、この二つの間にははつきりとした食い違いがあるはずであつて、それは地財委としては大蔵当局からどういう説明を聞いておるか、納得したか、しないかは別ですよ、どういう説明を聞いておるか。そうして又大蔵省がこういうふうな主張をされて、政府決定に至るまでの、大蔵省が示した計数的な根拠というものを具体的に我々はお聞きしなければ議論にならないし、それからその数字を計上するまでの経過、それから並びに大蔵省のそういう提出方法について地財委としては如何にお考えであるか、これらの点を、もともとこれは大蔵省を呼んで尋ねればいいようなことですけれども、我々としては別途大蔵省には尋ねますが、特に地財委の口から私どもは聞かなければこの問題は考えられないのであつて、結局中田委員が要求していることと内容的に同じことですが、やはり私は聞かせて頂きたいと思う。
  16. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 更に先ほど来、中田委員、相馬委員から今御質問がありましたが、委員長としても御説明を聞くのに付加えておきますが、今回本日地財委委員長が御説明なつ数字によりまして、地方債起債増額は百五十億、平衡交付金増額二百億、節約が八十八億というお話でありましたが、前回の国会までの数字では、国庫補助金の増額四十四億、地方債増加が二百五十五億、交付金増額が三百七十五億ということになつてつたのですが、今回の意見書によりますと、それが今申上げたような平衡交付金二百億、起債百五十億というふうに変つて来て、恐らくその結果は地方税等の更に増収を見込まれたと思うのですが、結局我々考えますと、そういうふうなことは、結局責任を地方公共団体に転嫁して、無理な自然増収等を考えておられるのではないか、そういうふうな疑問も起きますので、前回までの、今申上げたような数字が今回の意見書数字に変つたにつきましては、いろいろな重要な経緯があると思いますので、その説明を聞きませんと、どうも前回までの数字がどうしてこうなつたのかということが、委員諸君にも了解がし難いと思いますので、(「その通り」と呼ぶ者あり)その点につきまして委員長から何故に平衡交付金が二百億で足り、又起債が百五十億で足りるのか、その点について数字の変化、増減の経緯の御説明がないものですから、非常にわかりにくいのですが、その点について先ず最初に十分御説明を伺いたいと思います。
  17. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 政府補正予算を編成するに際しまして、私ども財政委員会といたしましては、先ほど西郷委員長からお話のあつた数字を以て大蔵省平衡交付金増加起債の粋の拡張を要求いたしたのであります。その後大蔵省地方財政委員会との間にいろいろ数字的の事務的の折衝をいたしました結果、収入において国税が殖えるために地方税も又増収になるということと、又この給与の問題等についてもいろいろ折衝をした結果、大蔵省、文部省、自治庁、財政委員会、こういう方面からいろいろ材料を提供いたしまして突き合せました結果、或る程度の妥結を見たのであります。もとより大蔵省の言つておるところの数字と、我々が考えておる数字とはその間になお了解できん点がありますけれども、とにかくこの予算編成において或る程度の妥協はして行かなければならんと思いまして、その点はさように相成つたのであります。そういうように事務的に数字的のいろいろ折衝を重ねた結果、それでもなお私どもとしては四百三十億の数字地方財政としては足りないのである。よつて今申し上げたように平衡交付金の二百億増額起債の枠の百五十億の拡張、更に地方をして八十数億の整理節約をいたさせる。こういうような結論に相成つたのであります。いきさつとしての大要は右の通りでありますが、地方税その他の収入がどうなつたか、或いは又給与問題がどうなつたかということは数字的に事務局長をして御説明いたさせますが、ただこの際皆さんに御了解を仰ぎたいことは、この地方財政規模について、大蔵省地方財政委員会との間に根本的と申しますか、どうしてもしつくり一致しないものがあります。これがこの平衡交付金の問題についても常にからまつて来て、容易に解決しないことを私ども非常に遺憾に思つております。具体的の数字については事務局長から詳しく御説明申上げたいと思います。
  18. 相馬助治

    ○相馬助治君 具体的な御説明を聞く前にですね、極めて重要な問題ですからお尋ねしておきたいことは、先ほど中田委員が尋ねた問題がはつきりして参りますれば、おのずからはつきりして来るのですが、私どもとしてこの際是非お伺いしておかなければならんことは、この夏頃参議院地方行政委員会では、一週間に亘つて酷暑の折から委員が熱心に勉強をいたしまして、大蔵省側並びに地財委側の出席を求めて、その意見を聽取したわけです。そのときに両者の意見が食い違つていることは、我々はよくわかつたのでありますが、地方財政が非常に逼迫しているというこの現実の上に立つて、地財委側が強硬にそれらを主張する理由もよくわかつたけれども、併しまあ国の政治という建前から政治的考慮もこれに加えねばならないし、国自身が貧しいのだというので政治的配慮も加えて、我我は先ず平衡交付金について二百億、起債の枠を増すこと百五十億、こういう数字を当時高橋小委員長の手許において作り、これを意見書として発表したのです。従つてこれは地財委においても、且つ又大蔵省においても、数字を主張していた両者満足し得ない数字であつたわけです。ところがその後、出た地財委の政府に対し、或いは国会に対する意見書では、我々の主張と同じく二百億と百五十億と、こうなつて来た。これは私どもは極めて結構ですなんという呑気なことを言つておるわけに行かないので、地財委がここまで折れて来たということの中には、当時大蔵省と政治的折衝をされて、この辺の要求ならば大体見合うところの財源が与えられるであろうというような一つの目途を以て、出されたのではないかというふうに我々は考えても見たのですが、それらの点について、経緯はどうなつているのであるか。いわゆる補正予算編成の経過において、地財委に事実は府県並びに市町村財政は当初考えたほどひどくないのだ、楽なのだというような楽観的な資料がお手許に集つたとは我々には信じられない。従つてこういう数字に折れて来たことについては、どのようなお考えであつたのかということを、この際委員長にお尋ねしておきたいと思います。
  19. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 私どもとしては、前出した数字を以て政府に要求いたしたのでありまするが、併し先ほど相馬委員からも仰せになつたように、或る程度やはり私どももいろいろの客観的の関係をも考慮いたして、できるだけ我々の要望に近いところで妥結いたしたいと、かような誠意を以て政府に折衝を重ねて来たのであります。たまたまその間に政府においても、最初は平衡交付金は一文も増額しないというような強い意見が出ておりましたけれども政府部内でもこの地方財政の現状を見て、どうしても平衡交付金増額はいたさなければならんというような気持から、政府部内にこれを裁定するために三名の閣僚が選ばれまして、この閣僚の努力によつて平衡交付金増額及び起債の枠の拡張ということに方針がきまりました。そうして具体的の数字をいろいろ検討いたされた結果、平衡交付金百億、起債百億の増額は止むを得んことであるということに決定したのであります。併しこの裁定閣僚のかような裁定があつたにもかかわらず、なお政府殊に大蔵省としては容易にこれを肯じなかつたのでありますが、地方団体の熱烈なる要望もあり、また私どもも及ばずながら地方の各団体の協力によつて、結局閣議においてもかように相成つたのであります。私どもとしては決してこれに満足しておるものではありません。従つて今回国会にこの意見書提出いたしたのでありますが、今申したようにその数字の変つたことは、これがいわゆる最低線である、この最低線はどうしても守つて行かなければ、地方財政は到底打開することができないのである、当参議院のこの委員会において二百億と百五十億の数字を示されたときに、私はこれでは実際においてやり切れんのであるけれども、併しこれを折角皆さんが夏の暑いにもかかわらず、いろいろお骨折り下すつたのだから、この最低線はどうしても守りますと、かように私は言明いたしまして、そうしてこの最低線を固守し、政府当局に当つてつたのであります。これが先ず私どもとしては最後の線であり、又これ以上は容易に望むことができんことであろう、これは地方においても我慢してもらわにやならんと、かように考えてこういう結論を出したわけであります。
  20. 相馬助治

    ○相馬助治君 只今の一点に関しては委員長説明よくわかりました。なおこの地財委と大蔵省との二十六年度財政需要意見の食い違いということについてお尋ねいたしたいのですが、今委員長から何か局長に御説明を求めているようですから、それを聞いた上で又お尋ねいたします。
  21. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) なお私から野村委員長にお尋ねいたしますが、本日の説明では短期融資のお話は全然ありませんでしたが、従来とても短期融資というのは行われて来たと思いますが、一部には今回不足分は交付金起債の不足分は短期融資を以て或いは五十億ですか或いは百億とかいうことを仄聞するのですが、短期融資の点はどうなつておるか、併せて御説明願いたい。
  22. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 短期融資は、自由党のほうでは百億ぐらい是非実現させたいということを御決定に相成つて、そうして政府のほうへも申出られたということを私どもこれを伺つておりますが、ただ具体的に百億であるか五十億であるか、私どもとしても短期融資の点は是非お願いするということは申しておりまするけれども、なおはつきりした数字政府のほうから未だ示されていないのであります。併し地方財政状態から見て、又起債事情から見て、どうしても短期融資をこの際是非相当額認めて頂かねばならんと、又必ずやそれは認めて頂けるものであろうということを期待いたしておるのであります。
  23. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私は第一にこの点をお伺いいたしたいと思うのであります。今度の平衡交付金算定当りまして、よく地方には非常に財源が余つておるとか、そういうような話があるのですが、これは要するに平衡交付金の場合において相対論、いわゆる相対論をやりまする場合において、或る特殊の町村なり或いは市なりに、そういう現象があるのでありますが、特に二万に近い町村につきましては、各種各様の財政状態であつて、而もこれは相互に融通し合うことのできない形態になつておるのでありまして、往々平衡交付金算定当りましては、特に府県の場合でございますれば比較的そういうズレの点の計算が楽でありますが、町村の場合におきましては相当これの算定なり或いは計算なりが困難だというようなことから、大量観察で、総体的に、大体この程度不足だというような算定がされがちなんでありますが、今回の、地方財政委員会において特に町村の場合におけるこのでこぼこと申しますか、そういう特に最近のような特需景気その他のような現象下におきましては、相当個別的に積み上げますればその間に相当のズレが出て来るのでありますが、平衡交付金算定の場合には町村についてどのような観察をせられたか、それに対する又対策をどうせられるのか、その辺を一つお伺いしたいと思います。
  24. 荻田保

    政府委員荻田保君) 府県も市も町村も同じでございますが、先ほど申上げましたように普通の基準財政需要以上を基準財政収入、つまり税だけで上廻るのが相当あるのでございまして、それは我々としましては総額を要求します場合は外枠として要求する。これは町村の分まで一応推算を立てて計算をしております。
  25. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) なおお尋ねしますが……。
  26. 相馬助治

    ○相馬助治君 あの木で鼻をくくつたような答弁でなくて、高橋さんの聞いていることはもつと複雑なことを聞いていると思うので、そうでなかつたら私はもう少しお聞きしたい。それは市町村財政規模を全国的に見るというと、成るほど競輪で儲けている都市もあれば、まあそういう特殊な財源なんかはない都市もあるが、それが一様になつているから、全部としては市町村相当財源を持つているように見えている、こういう特殊なものを今度の平衡交付金算定の場合にどう考えたかということを高橋さん聞いていると思うので、私もそれを聞きたいと思う。そうして昨年度平衡交付金市町村分はやり過ぎたと大蔵省が言う。だから今年は市町村には昨年度ほどその割合ではやる必要はないのだということを大蔵省が強調している。本年度に至るというと地財委もそれに同調して、そうして今度は二割減である。そういうことは市町村財政実態調査して知つている我々としては実に見逃がすことのできない問題である。従つてこういう基礎をどう考えたかということをもうちよつと具体的に話して下さい。
  27. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私も相馬委員と同じようにもう少し数学的に一つ詳細にお話を頂きたいと思うのです。
  28. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 この平衡交付金の問題は、平衡交付金総額が足らないという問題と、平衡交付金の配分が、府県と市と町村の間に二十五年度と二十六年度とでは非常に違つて来た、町村分が非常に少くなつて町村が非常に困つて来ているという問題だろうと思うのです。それでどのくらい二十五年度と二十六年度と比較して府県が殖えたか、市が殖えたか又減つたか、町村が二割減ですからどのくらい減つたのか、それを聞いて置きたいと思う。そうすればよくわかるだろうと思います。それを一つ数字を示してもらいたい。
  29. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) 今野村委員長に私からも添えますが、先般も町村長大会で、委員長もお聞きになつたと思いますが、今相馬委員から御質問のあつた点は全国の町村会の重大問題になつておりまして、本年は地財委が單位費用を変更したために、或る町村に至ると、私も陳情を受けました話ですが、昨年の六割減に平衡交付金なつた。そこの二十カ町村では平均一割五分の減少であるというような話も聞いておりますので、非常に重要な問題でありまするから、簡單説明でなく地財委としての嚴たる方針をはつきりここに御説明願いたいと思います。
  30. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 平衡交付金の配分の問題についていろいろの批評議論のあることは私どもよく承知いたして誠に遺憾に思つております。平衡交付金は御承知のように昨年初めてこれを実施したのでありますが、そのときの配分についてどうも合理的でない、実情に即せんといろいろの批判があつたのであります。私どもはこの声に耳を傾けなければならんと思います。その点を注意いたしまして、今年の配分については昨年の批評に或いは議論についてよく検討いたした結果、仮の基準を設けまして、過日仮概算報告をいたしたのであります。ただ先ほど仰せになつたように、大蔵省市町村が余つているので平衡交付金を減らしていいとか、府県が足りんのだからそれを府県に廻わしたらいいのじやないかと、かようなることを言つたのに対して、財政委員会も又これに同じでかような措置をとつたのではないかというようにお話がありましたけれども、私どもは決して大蔵省のその言い分に対して同意しておるものではありません。どこまでも市町村府県も現在の財政状態は困つている。もとより中には困つていないところもありますが、大蔵省の言うがごときことは私どもはどうしても承服できなかつたのであります。従つて平衡交付金増額を要求するに当つても、府県市町村を通じてこれだけの増額は必要であるという建前で要求したわけであります。又百億の増額が閣議で決定したときにも、私は政府方面に対して、この百億は要するに平衡交付金として増額せられたのであるのかどうかということを念を押したところが、もとより平衡交付金として無条件に紐の付かん増額であるということの言明を得て安心いたしたのでありますが、決して私どもはそこに政治的の考慮もなければ、又私意も挾んではおりません。どこまでも平衡交付金の性格からいたして府県市町村増額するものである、かように考えたのであります。ただこの間の仮決定と称するもの、つまり概算報告というものが非常に町村に薄いような結果を来たしたことは、その規則に十分なる我々が検討を加えたけれども、なお足りなかつたことを非常に遺憾に思います。今度の本決定に際しては、よくそういうような不都合のないように、どこまでも実情に即して、著しく各地方団体財政上における困惑を来たさんように努めて行きたいと考えております。誤まつたところはこれを正す、間違つたところはこれを正すということには決してやぶさかではないのであります。ただ私どもにはそこに何ら政治的の意味もなければ私意もなかつた。ただどうかして公正に又適切にこれが配分せられるようにいたしたいと思うていろいろ苦心した結果が却つてかようなる結果と相成つたことは誠に遺憾に思うのであります。この点どうか御了承を願います。
  31. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 野村委員長初め地方財政委員会の御苦慮の点はよくわかると思います。併しともかく町村を例に取つて申しますれば、町村のほうへは二十五年度と同じくらい二十六年度は来るのだということを予想するのが当然であります。それで予算を組んで予算の執行を運ぼうとして半年以上たつておるというときに、突如として、多いのは今委員長の言われたように六割も減るというようなことになると、町村財政の破綻であると言わざるを得ない。で、まあこの点は何とかして是正してもらいたいと思いますが、ともかく二十五年度、二十六年度一般平衡交付金の額は四十五億殖えておるのですから、二十六年度がどこにそれがたくさん行つたのか。そういうことを一つ二十五年度と二十六年度を比較して、府県と市と町村と額を挙げてちよつと説明して頂きたい。
  32. 相馬助治

    ○相馬助治君 その前に今の野村委員長の言明されたことは、極めて全国の市町村の理事者、現に予算を執行しておる人々にとつて大切なことがあるから、お尋ねして、責任ある御答弁を得たいと思いますことは、私意を持つておるなどとは私はさらさら思つておりません。もともと平衡交付金というものは、総額が足りないから、どんなにこれを地元に配分しても文句が出るということも我々はよく了承しておるのです。ところがですね、今度のこの平衡交付金増額については、全國の知事会議の代表者が坐り込み戰術に出るまでの強行をし、政治的圧力を以てこの平衡交付金増額したという印象を、これは知事にも町村長にも与えておるわけなんです。そうすると今度の平衡交付金は知事がこれはかち取つたものである。果せるかな、地財委が町村に薄く、知事の県のほうにこれは厚くしたということに相成りますると、全国の市町村長は、今度はもう町役場の仕事を助役にあずけて全国から大挙して上京して来て、今度はこの人たちがこれと同じことをやるということが当然私は予想されると思うのです。従つて私的な考えを持つてつたとは我々はさらさら思つていないので、この半年ももう町村では予算を執行して来て、甚だしくここで平衡交付金が減つたとあつてはこの予算執行が全然不可能になるところがあると思うのです。六割減つたというところは特殊な例だといたしましても、まあ総体的にも二割減つているというのですから、これは大問題であつて、これらについては委員長としては町村実態調査し、町村長等の声も聞いて、この仮配分を最後の本配分のときに何らか考慮される意思が当然あろうと存じまするが、それらについての一つ見解を承わつておきたいと思います。
  33. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 丁度惡いことにはいろいろの誤解やら疑惑やらが起つたことは、大蔵大臣を初め大蔵省側では、先ほども申したように市町村には余裕があるから平衛交付金市町村を減らして府県へ廻したらいい、こういうようなことを言われております。一方には又府県知事から熱烈なるいろいろの運動がありました。こういうようなことが今日あるところへ、たまたま私どもが公平に、合理的に、又実情に即するように公平に分配しようという我々のやり方が一緒になつたために、何か殊更に町村のほうを薄くして府県に厚くしたような誤解を受けたことは誠に私ども……。
  34. 相馬助治

    ○相馬助治君 その点は同情しております。
  35. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 遺憾に思つております。従つて先ほども申上げた通りに、今度本決定をいたすときにはあの概算交付をよく検討いたしまして、前の配分額にさほど著しき減額のないように……、もとより税収等において余裕ができた所は減るのは止むを得ません。又警察をやめたり、或いは生活保護法の改正によつて町村負担の軽くなる所は、これは減るのは止むを得ないことと思いまするけれども、配分の規則については改めて前より著しき減額のないようにいたしたいと考えております。私ども計算においては、先ほど局長から申したように、三十数億の交付未済額があり、更に百億の増額決定するか、或いは二百億の増額決定するか、いずれか存じませんけれども、とにかく今度は千百億の上に加わつた百億又二百億を以てすべて公平に、適正に配分いたしたいと、かように考えておりますし。過日も全国町村長会においてもこの点はよく御説明申上げて御了解を得ることに努めたのでありますが、私どもはどこまでもその方針で是正して行きたいと考えております。
  36. 相馬助治

    ○相馬助治君 よろしくお願いします。
  37. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) さつきの質問の数字を……。
  38. 荻田保

    政府委員荻田保君) 去年に比べまして今年は十五億しか殖えておりません。従いまして一般交付金では十三億五千万円殖えたわけであります。従いまして一千百億の、まあ九百九十億に対して十三億五千万円でありますから、極く僅かなものでありますから、去年に比べて減るところがあるのは、これは当然のことだと我々は考えております。それはそれとしまして、その結果を申上げますが、大体道府県では二十六億円程度殖えておる、市町村で四十八億円減つております。市町村のこの四十八億減るのに対しまして町村だけでは五十七億円減つておる、従つて市では九億殖えておるわけであります。で、これによりますと分けました額が九十七億六千万円でありまして……九百七十六億でございまして、九百九十億に対しまして三十四億程度の額が交付未済になつております。これは先ほど申しましたように、多少我々の推測が間違つたためにこういうようになつております。従いまして今度の補正予算が成立しまして、仮に百億通りますれば、そのうちの九十億というものと、この三十四億六千万円というものを足しました額を入れて、一般交付金の本決定をいたしたいと思います。従いましてその際におきましては、大体町村等におきましても去年の額程度は確保ができるかと考えております。
  39. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 今お話の二十五年度は千五十億、その九割が一般平衡交付金だから九百四十五億じやないのですか。
  40. 荻田保

    政府委員荻田保君) 千八十五億……。
  41. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 それからもう一つ、市が九億殖えて、町村がその結果五十七億減つたという、何故市が殖えるようになつたのか、それを説明して頂きたい。
  42. 荻田保

    政府委員荻田保君) 去年の額が千八十五億であります。町村が減つて市がなぜ殖えたかでございますが、これは初めから我々のやり方は、府県にこれだけ、町村にこれだけと……町村はこれだけ減らして、府県はこれだけ殖やすと、こういうことは考えていないのであります。一つ一つの基準財政需要なりを合理的にやりたいという考え方計算しております。従いましてその個々のいろいろな計算やり方において去年と差が出ましたために、こういうふうになりましたので、非常にこれはむしろ結果でありまして、初めからこれを減らしてかかろうという意味ではございません。
  43. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 こういうふうな結果が判明しまして、町村だけが五十七億も減つたということになるのですから、町村のほうで非常に困られるのは当然であります。これに対して委員長並びに事務局長から、とつてある三十四億の交付未済額、それからこれから補正される百億乃至二百億、これで十分町村のほうと懸隔のないように十分努力をするというお話を了承しました。併し百億、二百億殖えるということになれば、やはり町村も多少は殖やしてやらなければならないのではないか、こういうように考えるのですが、先ほどから何か町村計算が間違つたとか何とかいう話なんですが、それをもう少しはつきり、どういうところが間違つたのか、その辺の説明が足りないのですが、それを説明しておいて頂きたい。
  44. 荻田保

    政府委員荻田保君) これは個々の費用につきまして單位費用の額、それから補正係数或いは財政需要につきましては、どういうように税を見積るかという個々の問題につきまして、こちらで合理的と考えました基準作つたのであります。従いまして、それを実は町村に当てはめて見まして、全額を集計すると、初め見当をつけておつたのと違つて来るのでありまして、これはどうにも一遍やつて見ませんと、結果はわからないのであります。そういうことで、今申しましたように、交付未済額が三十四億出るように考えておりましたことが違つておりました。いろいろ違つておりますけれども、主として大きな差が出たというのは、別にそれがどうということはございません。
  45. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 こういうふうに平衡交付金の配分方法改訂とか何とかいうことは、府県市町村予算を組む前にやはりきめて、そうして来年はこれくらいしか行かない、又これくらい出し得るのだということを決定なさらんと、非常に障害が起ると思う。今後どうかそういうことを注意してもらいたい。
  46. 荻田保

    政府委員荻田保君) 全くその通りでございまして、実はこの交付金も去年できましたばかりで、去年のやり方が必ずしも正しいとは思わないのであります。いろいろ検討しました結果、今年はよりよきものを作りたいというので、余り自信がございませんから、先ほど申しましたように、初めから本決定をせずに、仮決定にして、あとで十分考慮する余地を残した。併しこういうやり方にして行きますと、どうしても予算編成後額がきまつて予算の執行に狂いを生ずるということは我々も考えております。それで御承知と思いますが、来年度からは單位費用等は法律できまることになつております。従つて地方では予算編成前に單位費用から算定して、基準財政需要がわかり、まあ大体の税収入見積りが出ると、その差額交付金として確保できるという数字が、それぞれの団体計算できるわけでありますから、そういうことによりましてこの制度に馴れて参りますれば、そのようなことは大体避けられると思います。
  47. 中田吉雄

    中田吉雄君 この町村が五十七億減じたのですが、只今頂いた配付基準は詳細に検討せんとちよつとわかりかねますが、こういうように一番大きな配付基準の変更された重点ですね、それはどこですか。或いは政府は国税において四百億減税ということをいつていますが、最近町村で固定資産の再評価をやつたりして、そのほうの増収を見込んで財政収入の殖えることによつてこういうようになるのですか。その点を一点お伺いしたいと思いますし、なお荻田局長にお願いしたい点は、大蔵省が地財委に内示しました平衡交付金の配分方法につきましてお尋ねいたしましたのは、我々といたしましては地財委にけちを付けようという考えではないわけであります。我々といたしましては今国会における両條約の済んだあとの山は、何といつて平衡交付金の問題、更に供出、それから人員整理等がまああとに残された国会の山だと思うわけであります。そこで我々といたしましては、地財委と大蔵省の両者の見解を十分聞きまして、特に大蔵省は甚だしく地方自治に対して理解がないから、あの頑迷な大蔵大臣の蒙を啓くためにも、十分理論的な武器を以て予算委員会その他で戰わんといけない。こういうような地財委を援護しようという、そうして地方自治を防衛しようという立場に立つてつておるわけでありますから、一つその点について若し御了解が付いたらお示し願いたいし、若しお示しが願えんということでありましたら、大蔵省が指摘したこの配付基準は、どこが地財委のと変つておるかというような点を一つ概括的でもいいですから、お伺いしたいと思います。
  48. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 委員長、それに関連して……、先ほどお示しになつ町村の五十七億の減の中にはいわゆる自警の廃止と、それから生活保護法の関係のものの数字が入つておるのかどうか。若し入つておるとすれば、この五十七億のうちその分はどれくらいの額か。それもここで伺いたい。
  49. 荻田保

    政府委員荻田保君) この町村が非常に減りましたことにつきまして、固定資産税の今評価しておりますことにつきましての増加、それはそうは見ておりません。むしろ……。
  50. 中田吉雄

    中田吉雄君 どれくらいですか。
  51. 荻田保

    政府委員荻田保君) これはもう初め大体農地につきましては、各県別にこちらで算定いたしました基準によりまして算定しておりまするので、それは前の、要するに九百倍なり、千四十倍について少し一割方上つた程度であります。  それからそのほかの宅地、家屋につきましては従前の九百倍そのものでありますから、仮に九百倍のところが千五百倍というような数字の出て来たところは、その五百倍だけは町村の余裕財源の中に入つております。交付金計算の中に入つておりません。併し一つ町村につきまして税のほうで考えておりますことは、市町村民税につきましていわゆる税額を基準にする第一の課税方法、いわゆるオプシヨン・ワンと称しております、これによります額よりも来年度見積りは多いのであります。つまり多いというのはいわゆるオプシヨン・ワンではなくてオプシヨン・ツーという所得額基準方法を或る程度行うことを期待しております。これは五十億ぐらいある。ところが基準財政収入計算によりまするとそれがちよつと計算できない。従つて飽くまでオプシヨン・ワンでやつておりますので、そこに五十億くらいはむしろ基準財政収入が下廻つております。それからむしろ減りましたのは、大きい影響を与えましたのは、基準財政需要のほうの計算であります。これは去年に比べて六十億程度減つておりますので、この点から一つ来たと思います。こちらのほうにつきましても今後先ほど申しましたような本決定の機会に直したいと考えております。  それから第二の大蔵省の出しております各県別数字というのは、実は私ももらつておらんのであります。何かどこかで極めて軽い意味で出したのが、新聞か何かに間違つて出たのでありまして、別にあれを我々に対して根拠があるものだと一言も言つたこともありませんし、極く軽く考えております。従つて我々は全然あれについてどうの、こうのという説明も聞きませんし、あれを根拠にしたことも聞きませんので、そういう意味で公けに取上げられるべき問題でもないだろうと我々考えております。若し御検討頂くとしましたら直接大蔵省に責任を持つて出せるかどうかということを委員会のほうから御要求願いたいと考えております。  それはそれといたしまして、大蔵省考えておりますことにつきましては、やはりこれは府県市町村と比べて、市町村のほうが余つておる、三百億から四百億も余つておる。従つて年度の千百億のうち、去年は大体三百七十五億というものが市町村平衡交付金として行つていますが、三百億程度に減らしてもまだ市町村は余るのだ、こういう大きなところでそういう我々と見解の差があります。  それからもう一つは個々団体別に考えますと、例えば府県で申しますれば、東京、大阪へ行かないのは当然であるが、そのほか兵庫、福岡、愛知、神奈川というような所はうんと減らしてもいいのだ、こういう結果になつております。その問題につきましては大体今度の仮配分によりましても、我々の計算で例えば愛知県は十億円去年より減るとか、神奈川、兵庫、福岡あたりは五、六億程度減つております。大体その程度で行つております。
  52. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 五十七億の問題…。
  53. 荻田保

    政府委員荻田保君) 大体警察費につきましては六億五千万円程度、生活保護法に九億程度、この額は当然町村財政需要が減つたわけでありまして、これは当然減らしてよいことになつております。
  54. 中田吉雄

    中田吉雄君 警察は幾らですか。
  55. 荻田保

    政府委員荻田保君) 六億五千万円……。
  56. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 今荻田君が説明された町村基準財政需要額の減少した点ですね、これはどういうところにあるのか。市のほうはその基準財政需要が減じないようになるのか、その点を説明しておいて頂きたい。
  57. 荻田保

    政府委員荻田保君) 大体この單位費用は両者を通じて行なつておりまするので、結局市町村が割合に減つたことは補正係数の問題であります。つまり人口数の少いところの補正が、逆補正でございますね、プラスする補正が十分じやなかつたことと、もう一つは団体別による補正、これが町村のほうに少かつたということであります。
  58. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 そうすると、これは二十五年度町村のほうに誤つて多過ぎた、それで今度少くした、こういうことになりますか。
  59. 荻田保

    政府委員荻田保君) 二十五年度がよかつたか、惡かつたかということと、それだからすぐこう直す。こういうふうには考えなかつたのでありまして、むしろ今年は全然白紙でこうあるべきが適当だというようなことを相当研究しましてきめたのでありますが、その結果去年と開いたのであります。従いましてそれから見ますると、去年のやり方が行き過ぎたのだということにもなりますけれども、併し今度出ました仮決定に用いました補正係数が絶対に合理的だとは考えておりません。この点も今後是正したいと思つております。
  60. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 町村側で割切れないのは、財政需要は殖えこそすれ減るというのはおかしいじやないかという点に一つあると思うのです。これは尤もなんで、又そのために今度の地方制度の改革というものができたので、今まで惠まれなかつた町村をもつと府県や何かのようによくしてやろうというのが目的の一つ、それが財政の需要を少く見れば平衡交付金が減つて来るのは当り前のことである。その点がどうも割り切れないのですが、どういうわけでそうしなければならなかつたのか。よ過ぎたからといえばわかりますが、よ過ぎたかどうかは問題として、そこらの係数のとり方はどうもわからない。その点もう一度説明して頂きたい。
  61. 荻田保

    政府委員荻田保君) 去年がよ過ぎたからということは考えないのでございまして、要するに今度平衡交付金を二百億増額しなければ、大体府県市町村を通じての地方財政がやつて行けない。然るに二百億に足りない千百億で分けるとなれば、全体として窮屈なところを、府県市町村を通じて合理的に皆分け合つてもらわなければならない。そういう建前でやつております。それからもう一つは去年の配分額というものは絶対に正しいとなりますれば、基準財政需要なり、計算なり、配分額なりが絶対に正しいとなりますれば、これは今年減るということはおかしいことであります。正直に申しまして、去年のものが絶対に正しい、これより減ることはおかしいのだ、こういうふうな考えでない。全くそういう二つの点から今年合理的にきめたのでありまするが、併しこの合理的と思つて我々がきめましたことが、これは必ずしも絶対に、今となりまして考えてみましても正しいとは思いません。こういう点は十分是正したいと思います。
  62. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 それで結論は、まだ一般平衡交付金において百二十四億残つている。それを今度配分するときに今のような補正係数で配分して見ると、その結果として町村側が二十五年度を下らざる額になる、百二十四億というものが更にあるから。そういう行き方で、さつき委員長から最後決定には大体において本年に下らざるところの交付金町村に行くようにするというようなお話がありましたが、その技術的なやり方が二つある。一つは今問題になつていた補正係数が少しやり方が間違つたからもう一度やり直すのだ、こういう考え方で、もう一度補正係数考え直してやつて行く場合と、もう一つは考え直さないでそのまま行く、そのまま行くが、百二十五億というものがあるものだから、結局それで割つて行くと、百二十五億多くなるから昨年よりも町村側は下らないというふうに落着くことができる。こういう見通しなのか、その二つの中のどちらで行かれるのか。
  63. 荻田保

    政府委員荻田保君) 大体両者とも考えております。今までの決定に用いましたこれは補正係数だけではなくて、單位費用なり何なり誤つているところは直す、これは全部直したいと思います。それからもう一つは今度税の自然増収も或る程度殖えましたから、そうしますと基準財政収入が殖えます。その殖える部分考える。それから先ほどの百二十五億というものを、平衡交付金が殖えます額も、これも計算に入れる。そういうことをやりまして、今度は真に適正なものを得たいと考えております。その結果は大体町村などにおきましても、今申しました当然減るようなものは別としまして、原則として去年の額ぐらいは確保できると考えております。
  64. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 結論的の見通しは、まあ町村側としては二十五年度を下らない程度の配分はもらえる。併しながら府県市町村との割合から総括的に見ると相当百何億程度のものは、府県側には昨年より多くなると、こういう見通しになりますね。
  65. 荻田保

    政府委員荻田保君) 大体そのように考えております。我々の意見書も四百三十億総体で不足でございますが、府県で三百三十億、市町村は百十億で、この我々の出している数字から見ましても、府県のほうが今年の財政の困り方はひどいというふうに考えております。
  66. 石村幸作

    ○石村幸作君 ずつと前の一番初めの御説明のところでしたが、ちよつとこれをお聞きしたいのだが、財政需要のほうの基礎にこれは関係すると思うのですが、国家公務員地方公務員との差があるというその中で、一般職員というようなものは市町村とそして県は国家公務員と比較して多い、多過ぎたというような見方はあるでしようが、町村国家公務員よりも給与が多いと、こういう見方はちよつと我々肯けないのですが、どうでしよう。
  67. 荻田保

    政府委員荻田保君) この数字大蔵省調査をそのままとつたのでありまして、実は我々自身も納得できないところもあるのであります。ただ極めて大ざつぱなことでございますが、市町村が五百七十六円高くなつておりますというのは、確かにおつしやいますように町村というように離して考えますと、これは町村は恐らくベースまでは行つていないだろうと思う。併しながらやはり一番目立つて高いのは市でございます。殊に五大都市とか大きな市は、これは相当高いと我々も考えております。高ければ高い理由もあるわけでしようが、一応高いことは事実であります。併しそれが強く働いておりますので、市町村と全体を含めますと、やはりこれくらい高くなるということになるのだろうと思います。併し勿論全体につきまして我々は最終的に納得はしておりません。
  68. 石村幸作

    ○石村幸作君 そういうお気特でおられるとは思うのですが、合計して総合的に見てやはり市町村が高いとこういう見方でそういう構想の下にこういう表ができ上るということになると、町村が可哀想じやないかと思う。事実問題としてどうでしよう。
  69. 荻田保

    政府委員荻田保君) それで一応これで以て総額かきまつたわけでありまするが、これを現実に平衡交付金として配分いたします際には、先ほどから申しておりますように、單位費用計算は適正な給与というものによつて基準を設けたいと考えております。仮にその町村が適正な給与或いは以下でありますればそれはそれでいいわけであります。それ以上のところが困ることになりますが、そこをやはり引下げなければ、この計画によりますればその団体財政がやつて行けないということになる。低ければ問題はないわけです。
  70. 石村幸作

    ○石村幸作君 これは一つよく御注意を願いたい。
  71. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 そういうことを申上げるのはどうかと思うのですが、今までの仮決定によると町村側は非常に少い、それは九百九十億よりももつと以下のもので割当てた結果、そうなつている。そこで今日新らしく今度配付されるべき百二十四億でそれを埋めて本年度程度に落着けると、こういうことになるのですが、そうしますと総括的に見ますと千二百億ですか、これを全部配分して初めて本年並の町村側の配分になつて来るわけです。それを又別の点から見ますと、従つて百十五億が殖えたわけですね、本年度は百十五億殖えたにもかかわらず町村側に対する配分は昨年程度であると、こういうことになるわけです。それを今度は又別の点から見ると知事側が取つたと称される百億というものは、町村側には一文も行かないという結論になるわけですね。だからして、それは平衡交付金というものは都道府県市町村、これは区別なく一つの法律基準によつて配分されるべきものであるということであるけれども、結論としては、この百億というものは殖えたけれども、それは町村に一文も行かないと、こういう結論になりはしないですか、その点はどういうことになりますか。
  72. 荻田保

    政府委員荻田保君) まあそういうふうには、結果はなるかも知れませんが、考えてやつておるのではないのでありまして、本決定の際に一つ一つもつと合理的な数字を出しまして算定し直す。その結果大体町村には去年の額程度は確保できると、今申しました特殊な事由によつて減るものは別でありますが、併し百億も殖えるのでありますから、恐らくそれ以上になると我々は考えております。
  73. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 それ以上になるならいいのです。
  74. 中田吉雄

    中田吉雄君 昨年は地方財政におきましては、府県の困窮度はまあ言語に絶するものであつたのですが、一般にはその反動が極めて逆になつたように言われるのですね。ところが最近町村の攻勢がきついので、またその残りでその府県が同じようなことのないように、この点は世論も十分大切ではありますが、よくお考え願いたい点で、我我参議院といたしましては、小会派と提携いたしまして、何とか起債の枠を更に増大し、或いはできましたら平衡交付金の問題も考慮して、その辺の呼吸を一つよくやつて、右から左に、左から右へ大きく揺れて、純技術的な見地から検討された問題が歪曲されないように、一つ特に御考慮願つておきたいのですが……、これは希望です。
  75. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 今中田委員の仰せになつたように、私どももそう思つております、なかなか現実の問題としてはむずかしいことでありますが、そういう気持でやつて行きたいと思つております。ただ先ほど市が殖えるというお話があつたのですが、これは私御議論があるかも知れませんが、戰災都市を何とか早く復興させたいという気持で、そのほうへは多少厚くなつておると思います。私幸いに戰災は受けなかつたのですけれども、戰災を受けた人が今なお苦しんでおるのを見てお気の毒に思つておりますが、各地方団体でも大体そういうような気持であられるのではないかと、これは同胞として当然のことと思います。戰災都市はその配分については比較的厚くしたほうがいいような考えを持つてつておりますために……、併し都市全体から言う時分には、歩合がよくなつておるように思つております。
  76. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 今の野村委員長の御説明、それだとまあわかるのであります。市が九億増したということもわかるのでありますが、戰災都市を果して一般平衡交付金から見たがいいかどうかという問題は残るでしようけれども、まあそういう気持でよくなつたんだというならばわかるのですが、同じ基準で、又補正係数單位費用というようなことで基準財政需要計算せられた結果が、市のほうだけが九億増すのだということは、どうも私どもわからなかつたのであります。なおこの仮決定に関する規則をよく拝見しまして御質問したいと思うのであります。
  77. 野村秀雄

    政府委員野村秀雄君) 都市のほうには、生活保護法や結核治療の問題なんか、そういうような点において当然殖えるものがあることも、御了承願いたいと思います。
  78. 中田吉雄

    中田吉雄君 委員長に希望いたしますが、只今たくさんの配付金その他に関する有益な資料を頂きましたので、十分検討をいたしたいと思いますし、適当なときにこの問題について、若し皆さんの了解が得られるなら、委員会を開いて頂きたいと思います。
  79. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) お諮りいたしますが、本日は大分時間が過ぎましたので、資料が今日配られましたし、行政簡素化本部のこともございますので、明日引続いて十時から開会したいと思いますが、如何でつございますか。本日は午後はやめまして、当分午前十時から開会して参りたいと思いますが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 異議はございませんが、明日は午前中重要法案がありますので、従つて午後一時からやつて頂いたほうがよいと思います。
  81. 西郷吉之助

    委員長西郷吉之助君) それでは明日は午後一時から開会いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後零後五十六分散会