○
秋山俊一郎君 私ども
統制撤廃になるものと思
つて実は安心をしてお
つたわけでありますが、最近の情勢ではそれがストツプされた。併しながら来春四月頃には早晩
撤廃になるという期待は持
つておるし、又その
可能性もあると想像しております。そうしますと今後の三月
一ぱいまでの油についての問題になることは、今同僚
委員から頻りに話があ
つた通りでありまして、その間何とか
値上げをせずにつなぐことができないか、そうすればここに強いて無理も行かないと思いますが、仮に運輸
業者にしましたところで、値段の上ることを喜ぶはずはないと思います。ただ油が少くなるということによ
つて困るのであ
つて、
値上げはしてもらいたくないと
考えておられるに違いはない。併し現在
輸入製品と
国内精製油との歩合が転倒しまして四対六の形にな
つたということでありますが、そうすると仮に四〇%の精油でありましても、非常にコストが安くつくという話です。そうしますと一方では
引上げる。現在でも
日本で
精製しておる
石油業者は非常に儲けておるのです。これはお調べにな
つておると思われますが、大きな配当をしてなお含みが多分にある
状態に現在あるのです。そうすると一方では現在マル公でも非常に儲か
つておる。
従つてこれを割
つて、マル公を割
つて現在入手できるような
状態にあるが、一方では逆にこれを上げて行くということになると、非常におかしな
価格がそこに出て来なければならん。ここの表にもございましたが、この値上りによるところの
精製業者の収入は、潤滑油等の機械油の値下りによ
つて相殺するということを言
つておりますが、この機械油の値下りといわれても、値下りで結構間に合
つておるのじやないか。値は下
つておるけれども、それで引合
つておるのじやないか。それを何もカバーする必要はないので、それはそれで、ここにあります通りグリースなんかにしましても、一〇〇%の
需給率がちやんと合
つておる。
不足もしてなければ、むしろ過剰にな
つておるのじやないかと思います。そうなるのが当然の値段であ
つて、そこに
値上げをしただけのものは更に大きな儲けになり、一部の
業者は非常に利をすることになると私は思います。そうして一般
消費者は誰しも好まない
方面に追い込まれて行く。これが而も三月
一ぱいまでのものとするならば、この
統制を
撤廃するまでの間において、何とか
価格を上げないで操作できないか。今日
価格のプールをする公団等の機関がなくなりましたので、
輸入品或いは
製品とのプールはできないかも知れないが、今
松浦氏も言われました通り、必ずしも
CIFの
価格が上
つたから上げなければ入らないというのでもないのじやないか。殊に又この八万八千トン或いは二百三十一キロというものは確保できるかどうかというのでありますが、大体油を売ると大きな出目が出るのです。これは必ず出目が出るのです。泡を売るのです。この出目というものは何%くらいお見込みでございましようか。これは私どもも曾
つて油の販売をや
つた経験がありますので、相当の出目が出る。ここに仮に五%出ますと十何万キロというものが出て来るのです。その出目をどのくらいにお見込みであるか。これは出目というものは結局
消費者に持
つて行くのです。そうすると今言
つたように一〇〇%なくても足りるのだということになる。現在十トン買
つておると思
つても、実際
消費者は十トン買
つてないのです。ざあつと入れると、サービス・ステーシヨンへ
行つて買
つてもそうなんですが
一ぱいは来ないのです。そこに油を売
つておる
業者は非常に儲か
つて来るのですよ。現実に、それは否定できないのです。そうしますとここに僅か八万八千トンくらいのものが結構出目で出て来ておる。もつと以上のものが出て来やしないか。そうすれば帳面の上では足りないが、実際には余
つておるから、それが現在闇に安く出て来るということになるのです。そういう点から
考えると、お役所のほうできつちりペーパーの上で
計算したときとは実態が非常に
違つて来ておる。そこに私は
輸入業者の強い力があ
つて、ただ遮二無二上げなければ
いかんという圧力がかか
つておるのじやないかと思います。お役所のほうに……。それは圧力がかか
つておるとはおつしやらないであろうが、何かそういう面がありはしないか。これがまだまだ先へ、
統制撤廃の見通しがつかないということであれば別ですが、三月
一ぱいまでなら何とか
価格を上げないで操作できないか。これはいつも申すことでありますが、運輸
業者その他は原料が上る、或いは諸掛りが上れば、
運賃が上げられるのですけれども、水産に関しては決してそれができないのです。そこで
水産業者は常にこういうことには鋭敏であり非常に困るのです。そこで我々はあえて下げてくれとは言いませんが、ここで非常に
価格のおかしな、一方には非常に儲
つて、現在でも儲
つているのにまだ儲けをやらなければ
いかん、又一方では油がマル公を割
つて供給されているという実情、そうして更に実際面から言うと私は相当の出目、その他によ
つて現在は賄い得ておるものと思う。そういうことから
考え合せますと、これは非常に抽象的な論議になりますけれども、これは油
業者にお聞きにな
つて、本当に心を割
つたら、必ずこのくらい出る、何パーセントくらい出ているということは必ずわかるのです。私も曾
つては油を売
つたこともあるのです。そうしてこの出目というものが相当あるので、油
業者から買
つてはたまらん、それでみづから油を卸で買うて売
つていたところ、たくさん出目が出て、出たやつを又横に流しちや
つて罪を受けた連中もあ
つたのです。そこで実際やると相当出るものなのです。そういうことから
考えると、ここに二百三十万というような大きな
数字になりますと相当の量がどこかに溜
つているのです。実際
需給の面においてはそんなに窮屈にならないで、
数字の上から言うとそうなりますが、私はそういうふうに
考えるのです。そうしますと何とかここに
価格を上げないで三月まで
現状を持続するという方法がないものか。