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1951-12-08 第12回国会 参議院 水産委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十二月八日(土曜日)    午前十時五十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事            松浦 清一君    委員            佐藤 尚武君            櫻内 義雄君            兼岩 傳一君   事務局側    常任委員会專門    員       岡  尊信君   説明員   水産庁漁政部長 松任谷健太郎君    水産庁漁政部漁    業調整第二課勤    務       小関 信章君   —————————————   本日の会議に付した事件小型機船底びき網漁業整理特別措置  法案内閣送付) ○真珠養殖事業法案内閣送付) ○水産物増産対策に関する調査の件  (石油値上げ問題に関する件)  (漁船拿捕事件に関する件)  (漁業協定に関する件)   —————————————
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  小型機船底びき網漁業整理特別措置法案議題に供します。これは継続審査になつておる法案であります。大体この法案については総括的の質問並びに逐條的の質疑応答が一通り済みましたが、なおこれに対しては各委員から相当質疑もしたいという御希望もありましたし、又この法の裏付であるべき補償金その他の点についてもいろいろ意見がありましたので、なおこの点を一つ十分御質問願いたいと思います。  ちよつと私からもう一点質問しますが、この整理する場合において築磯するものについては一トン当り三万円の補助金を出す。それが第一回の整理は四百隻である。それから他漁業転換するものに対しては一トン当り二万五千円の補助金を出す。それが第一回四百隻の整理をする。運搬船とするものについては一トン当り一万五千円の補助金を出す。そうして第一回の整理は八百五十八隻だというような内容の御説明がありましたが、九州その他で今度の台風において相当船が破壊された、その方面にこれを向けるというような御意思はありますかどうか。向ける場合においてやはりこれと同じような補助金を出されるかどうかということについて農林省のお考えを伺いたいと思います。
  3. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 只今委員長からお尋ねのございました小型機船底びき減船整理に関連いたしまして、今般のルース台風によりまして九州、中国、四国といつたところに台風による漁船被害のあつた一万三千隻以上に上つておる復旧対策といたしまして、何らか片方地方では小型底びきが整理される。片方では、被害地では漁船を建造復旧しなければいけないというような双方の事情を総合いたしまして、災害復旧対策として減船するような船を、そのまま被害地に持つて来るならば一石二鳥対策になろうということで一応案を作りまして、予算処置金融処置というようなことで関係当局のほうにも要望をしたのでございます。その結果閣議決定といたしましては、大体水産漁船復旧対策につきましては被害地に大体金融処置といたしまして五億程度、これは農林債券の発行を五億程度許しまして、その半額を預金部資金の引受によるというふうなことが決定されたのでございます。その目的としますところは、災害地漁船を滅失しました場合におきまして漁船復旧するという場合に、片方減船盤理の地域から減船さるべき船を買う、漁具なりエンジンを附けて買うという資金としてこれを認めたというようなことになつておるのであります。併しながら災害復旧の実態につきましては、小型底びき型の漁船を必要とする場合におきましても、築磯にするような古い老朽船では役に立ちませんし、勢い新らしくて使える船ということを注文することとなりますし、又小型底びき以外の船型でなければその地方復旧されないというようなところもありまして、まあ重点を小型底びき整理船の中から選ぶことにさせまして、そういう資金融通によりまして災害復旧を早めるというふうに処置したいと考えて、よりより金融機関、農林中央金庫のほうとも相談を重ねておるのでございます。それから又委員長お話のございましたように、片方その場合に、具体的に小型減船整理整理さるべき漁船災害地に出したと、売つたと、これは船体なり漁具エンジンを含めて売つたと仮定いたしましても、その売る値段によつて相当、取引の問題でありまするから船齢、その他の関係が基準になつておられるとは思うわけでございまするが、売つた漁業者が又何らかの形で漁業をしなければならんというような場合もございまするし、又漁業以外の関係転換するというようなこともございますし、こういつた転換資金相当するやはり補助金というものは計上すべきであろうというようなことで、丁度小型減船整理促進奨励金と申しまするか、補助金を出したと同じような意味でその場合にも出すべきであるということで、予算を要求したわけでございます。併しこの予算関係大蔵当局のほうでいろいろと審議をして頂いたわけでございまするが、融資で行くというような場合に補助金の計上ということがどうだろうかというようなことで、一応まあ見送るという形に現在のところなつておる次第であります。従いまして、この災害対策とこの減船整理とを関連さして、是非まあ一石二鳥措置をとつて参りたいということは考えてはおるわけでございますが、只今のところ災害地における金融処置というような手段を通じてそれをやつて参りたいということを考えておるのでございます。
  4. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 私の質問したいのは、補正予算で二億四百万円の補助費なるものが、減船補助なるものが通過しておる。だからしてその対象は大体八百五十八隻である。然らばこの八百五十八隻に対しては農林省が定めておる率によつて補助金を出すというふうに決定しておるようですが、その中でたまたま災害地において必要な船が見付かる。この見付かつた場合において売るというような場合においてもこの二億四百万円の補助金は全部出されるかどうかということを質問したいのです。
  5. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 水産庁といたしましては今のところそういう場合におきましても転換補助金というものを與えまして成るべくこの整理計画を促進して参るというふうに考えておるのでございます。
  6. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) もう一遍お伺いします。その場合に整理対象になつていない小型底びきがあつたとしたら、それが自分の希望で船を売るという場合もこの転換資金恩惠にあずかるかどうか、それを一つ。やはり整理対象になるべき船ではあるけれども、第一年度においては対象となつていないという船を本人が自発的に売るというような場合においてはこの転換資金はもらえるか、もらえんかどうかです。
  7. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 整理計画というものはやはり年次的に、計画的にやらなければいかんというようなことで、御承知通り初年度は十五トン以上の枠外船と、それから一部千馬力以上を超えるような小型底びきというものにこの少い予算を充当しまして、来年から整理計画そのものに基きました小型船減船をやるという計画になつておりますので、その計画は成るべく壊したくないというふうに考えておるわけでございます。従いまして計画の枠以外に予算余裕があれば委員長只今お尋ね点等につきましてもカバーして参るということができるとも思いまするが、現在の見通しではそういつた予算余裕もなさそうでございますので、本年度の予算の残りの中からそれを割いてやるということは、今のところ実は考えていないのでございます。
  8. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 各委員質問に、漁船の他産業に転換というのはなかなか困難だ。殊に今運搬船それ自身も整理段階にある。その場合において漁船運搬船転換するということは、これは非常にむずかしいという質問に対して、農林省もそれを認めておられたが、幸い、まあ幸いと言つたら何ですが、この台風によつてその方面にこのほうから需要があるということになれば、この整理も非常にスムースに行きやせんか、だからその方面に対しては適格船があれば、その点について十分一つ調査されて、できるだけ被害地に対する漁船の補充にこれを持つて行くように万全の措置をとられることを希望しておきます。
  9. 松浦清一

    松浦清一君 この問題が最初に提案されてこの委員会に総括的な御説明当局から承わりました際に、理解のどうしてもできなかつた点が幾つかあつたわけなんですが、その理解のできなかつた主な点が只今委員長がおつしやつておられたように、運搬船に転用するとか、ほかの漁業に転用するというような方法を考えておる。こういうような説明でありましたが、運搬船に転用するということは、到底高い修繕費を出して引合いのとれるような船ができようとは考えられないし、又どうせ機帆船のようなものにして、沿岸輸送をやるということになるでしようが、沿岸輸送をやつている機帆船自体が行き詰つておるという状態でありまするから、いわんや漁船に使つておるものを多額の修繕費を出して運搬船に変えてまでやろうという人は出て来ないことは当然である。そこでこの解決を、法案に対する結論を求めるためには、一体整理しようとする一万六千の船のうちで、どれだけルース台風による被害地に持つて行つて、これを利用することができるかという精密な科学的な調査を必要とする。もう一つ頭勘定で勘定するというと、四万八千の乘組員が一万六千の船を整理することによつて失業するということになる。若しルース台風被害地のほうにこれを売却して、それに使用するということになれば、一万六千隻のうちのどれくらいがその方面に持つて行つつて使えるか、こういうことはやはり極める必要がある。これは補助金のほうに非常に大きな予算と関連がありますから、これをやはり知りたい。それから例えば一万六千隻のうちで半分がその方面に使用されるということになれば、なお八千隻の船が、これは仮定でありますけれども減船しなければならん。そうすると四万八千人の船員のうちで二万四千というものが失業するということになる。これに対してどういう処置を講ずるかということの説明に対しては、失業する船員はおおむね家族船員であつて雇用関係が結ばれていないから、これらの諸君に対する手当というものが予算の中に含まれていないという説明であつた。ところがまあ家族乘つてつておる船もあるでしようけれども、やはり雇用関係の結ばれておる船というものも皆無ではないと思う。そういう場合に労使の間に失業手当なり退職手当紛争があるということを予測されるので、こういう問題についてはこのうちのどれくらいが家族船員であつて雇用関係結ぱれていないから退職手当失業手当を出さんでも済むという状況にある船であるか、又何隻の船が乘組員船主との間に雇用関係が生じていて成規手当をしなければならんか、こういう詳細な調べができないというと、鵜呑みにできないのですね。若しそれが水産庁で直ちにこの法案を通すまでに間に合わんということになれば、私はやはり業界の証人というか、参考人を呼んで聽聞会といいますか、そういうものを開いて、一体こういうことで整理をされて、これだけの補助金でまあ恐らくそれで結構だとは言わないと思うが、労使間にその手当が含まれておるといることで紛争が起るか起らんかというような点を、もう少し掘り下げて検討しないと、今まで承わつておる説明だけではまだ條文逐條審議に至る前の前提的な問題が私は解決されていないと思う。そういうことに対して水産庁が正確な調査を持つていて、そうして十分理解のできるような説明をして頂くことができれば、それはもう聽聞会を開いたり、これ以上の調査を求めませんけれども、どんなものでしようね。
  10. 松任谷健太郎

    説明員松任谷健太郎君) 只今お話のございましたルース台風による復旧対策としての適格船希望調査という問題につきましては、目下関係府県に実は照会をいたしまして、詳細な希望を取集めつつあるのでございます。この点はまだ全部来ておりませんので、表にして御説明する段階には至つておりませんが、間もなくその表もまとまつて来るのではないかと考えておるのでございます。それから乘組員関係世帶経営の場合と、それから雇用関係乘組員といつたような調査につきましては、実は詳細な資料はないのでございまして、概観いたしまして十トンぐらいの船で平均五、六人乘つておる、そのうち一人ぐらいが大体よそから雇い入れたものであるというふうに、現地でいろいろ部分的に調査しましたり、或いは聞きとつたりしました際の資料参考にして、計画を立てておるような次第でございまして、乘組員のそういつたような場合の失業対策と申しますものにつきましては、当初御承知通り予算を是非とも確保したいということで、船の国家買上げと一緒に失業者手当予算の要求をしたのでございまするが、予算の建て方が、申述べましたように整理転換促進奨励金といつたふうな性質のものに変つて参りましたので、そういう部分がカバーできない、国の予算としてはカバーできない。何らかカバーする措置といたしましては、協同組合を中心とする共助施設というものに対しまして県なり市町村が極力助成をし、面倒見て参るということでカバーさして参るという程度に現在のところ考えておるわけでございまして、御質問雇用関係その他の詳しい資料につきましては、水産庁といたしましてはまだできておらないのでございます。
  11. 松浦清一

    松浦清一君 それならば、この補助金の中に船員失業に対する手当は入つていないということの説明は聞きたくなかつたのだが、僕はそういうことを明確におつしやると、これは紛争のもとになると思うのであります。どうせこれは当然大きな企業家でないことはわかつておるのでありますから、やはり大した額でない補助金をもらつて役所のほうから補助金をもらつたときに、これに対する船員失業手当が入つていないということになれば、突つ放されるのは船員だけだ。船主つて減船されてつまらんことになる。その補助金をもらつても、満足できる額ではない。そうして出すまい、もらいたいという闘争が起つて、やはり労使関係がうまく行かない、そういうことになる。だからどうも家族船員というものも私の知つておる部分的な問題であるが、兵庫の淡路の由良なんか三十何隻ぐらいあるのでありますが、曾つて私はあそこの底びきと一本釣りの諸君が相対立した。町長が中へ入つても、誰が中へ入つても円満に解決つかんで、そのときに調べたところによると殆んど雇用関係のある船員、而も船員保險にも入つていない、その他の保險にも入つていない。失業したつて失業保險手当ももらえぬ雇用関係船員がある。ここだけしか知りませんが、ここだけで見た状況がそういう状況であるから、やつぱり全般的に相当雇用関係もあろうと思う。又そういう質問に対してこの間答弁されたのは、大体違反船が多いからというようなこともおつしやつた。こういうまずいおつしやり方というものは私はないと思う。違反船があればこれはもう法に照らして、峻嚴なる取締と嚴しい法律によつてつて行けばいいので、違反船もあるかも知れないけれども、そうでない船もあるので、惡いものだけを対象にしてものを考えるということはいけない。ものを整理するというときにはこれを善意に解釈して役所が生みつ放しにしたあとで、民間において紛争が起らないような状態において法律をきめる、それを整理して行くということが私は当然だと、こう思う。無論今からルース台風被害地に対して何隻くらい差向けられるかということについては、はつきり何百何十回隻ということははつきりわからないでしようが、それは県を通して調査をすれば大体の見当はつくわけですね。その中の大体一万六千の何%くらいがルース台風被害地に差向けられるという見当がつく、残つたものの中にどれだけの家族船がおつて、どれだけ雇用関係が結ばれておるかということの、船の大体の見当は、これは長い日にちを費すことは都合が惡いでしようから、早急に努力をすれば大体の見当がつくのじやないか。この委員会としても、そういう業者関係ができることかできないことか知りませんけれども、代表的にそれがわかり得る機関業界にないかも知れない。それがわからないかも知れないが、大体の見当聽聞会のごときものを開いて、そうしてやれば見当がつくのじやないですか。
  12. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ちよつと私から申上げますが、瀬戸内海も長いからして或る三ヵ所くらいの漁村をとつて代表地をとつて調べる。こういう場合に十ヵ組合くらいを調べたらそれを帰納して大体見当がつきやせんか。そういうことでもして早急に資料委員会にもらいたい。来国会において審議する場合の参考として、とにかく今のルース台風に廻すものは、今までのところで、水産庁のほうで資料をまとめて、まとまり次第その資料委員会に提出してもらいたいということを希望しておきます。
  13. 松浦清一

    松浦清一君 その二つの問題ですがね、大体精密というところまで行かんでも、大体公平に見当がつけば、それで公平な整理ができるかどうかということの基本的の法律はきまるわけですね、そうしたら法律條文の各條に従つていい惡いということを検討して行くという段階になりますけれども、まだこの法律を作るといラ基本的な内容の問題が科学的に検討されていない。
  14. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) この法律案に対してはなお引続いて詳細に質問があると思いますが、本日はこのくらいでやめます。   —————————————
  15. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 次に真珠養殖事業法案議題にいたします。これも大体逐條審議までいたしましたが、第四條、第五條あたりに対してはいろいろ委員会においても意見がありまして、このままでこの法律案を通過することは不賛成だというような意見もありまして、これに対して御意見がありましたら一つお述べを願います。御質問がありましようが、今日は提案者が見えておりませんけれども……。
  16. 松浦清一

    松浦清一君 私はこの法律案を簡單に通読をしただけなんですが、法律としてはでき上つているでしようがね、こういう法律を作つたら、一体日本真珠はどれだけ増産されてどれだけよくなるかというこれが基本的な問題なんで、まあ提案者が来ておらないから、今日は……。
  17. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 提案者に代つてその意見は述べられますか、水産庁のかた。
  18. 松浦清一

    松浦清一君 無理になさらんでもよいですよ、提案者に来てもらつて……。
  19. 小関信章

    説明員小関信章君) これにつきましては提案者である石原先生あたりお話によりますと、大体輸出の目標を現在は約十五億程度でございますが、これを五ヵ年のうちに大体百億まで持つて行ける、こういう見通しを持つておられるのであります。これはただ單に量的な増産ではなしに、価格それ自体を上げて行く問題が相当に含まれており、又それこそ本当に必要な問題だ、こういうように考えております。
  20. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) これの根本は、私がアメリカへ行つたときに、あちらで要求されましたが、この真珠養殖事業法作つて良い珠を高く売つてもらいたいというようなアメリカ真珠業者希望でありました。現在はたくさんの真珠業者がありまして、資金が乏しいために四年、五年置かなければならんのに、二年ぐらいで上げてしまつて殆んど未完成な小さい珠を廉売しておるというところに日本真珠の声価を非常に落しておるということは事実でありますが、この第五條に、農林大臣が助言又は勧告した場合においては資金を斡旋するものとするというような、非常に弱い言葉で以て現わしておる。こういうことでは私はいつまでたつて金融ができなくて、従つて未完成の惡い珠をどんどん売るということになるだろうと思う。根本資金融通を的確にやつて指定通り四年なり五年なり珠を十分に良いのを作り、そしてそれを更に検査をして輸出をするというところに日本真珠改良がなくちやならんと思う。ところがまあどういう関係か、そういう的確な文字を現わさずに、非常にあいまいな文字で以て書いてある。それで衆議院の意見では、到底これでは金融ができない、従つて真珠改良覚束ないという意見が非常に多かつた。私どももこういう真珠養殖事業法というような法律は一朝一夕にこれを通過すべきものではなくして、或いは関係者の発言を聞くために公聽会を開くとか何とかという必要があるのではないかと思いまするが、今日は提案者が見えておりませんから、これ以上の質問は困難かも知れません。併しこれに対する御意見がありましたらお述べを願いたいと思います。
  21. 松浦清一

    松浦清一君 第一、私はこれは私だけの希望かも知れんけれども、真珠養殖というものがどういう過程で、どういう方法において行われておるかという事実を私は知らないので、一遍やつぱり見たいですね。
  22. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 次の国会でこれが上程された時分に、委員会に諮りまして現地調査をすることにいたしましよう。恐らく委員の大多数は真珠養殖場或いは養殖事業のことをまだ見ていられないと思うので、さよう取計らいましよう。それでは真珠養殖事業法案はこの程度でやめます。   —————————————
  23. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 次に水産物増産対策として石油の問題を議題に供しますが、石油価格値上げになるということで、水産委員会においては強く反対意思を表明しましたが、その後の経過をお述べ願いたいと思います。告示が発表されたということですから、岡專門員から説明いたします。
  24. 岡尊信

    專門員岡尊信君) 十二月の一日に物価庁長官の名前で、石油精製業者及び元売り業者販売価格統制価格を指定するということで告示になつておるのであります。それによりますと、物価統制令第四條の規定によつて石油販売価格統制額を次のように指定し、昭和二十六年十二月一日から実施すると、こういうのがありまして、そうしてその価格は従来しばしばここで物価庁等説明をされておつた価格であります。それから、更に地区別水産用重油割当及び販売数量というようなものも、これは水産庁から出ておるのでありますが、この地区別運賃の値上というようなものもそれと同時に決定になつたのであります。これは細かい数字でありまするから、あとから資料を差上げて資料によつて御覧を願いたいと思いますが、大体においてこれの欠点と申しまするのは、北海道とか遠い方面へ運ぶものには幾分安くしてあるけれども、これは東北地区その他は油の行く量が少いのでありますから、少いものに対しては幾分か割引をしてあるけれども、京浜地区というような最もたくさん使う地方をむしろ運賃を上げて、まあプールしたと言いますか、そういうようになつておるのでありまして、この点などもしばしば本委員会物価庁に対して警告をした事項が十分容れられてないようであります。
  25. 松浦清一

    松浦清一君 その正確な値上げというものはあと資料をもらつて拜見をしますけれども、丁度委員長が不在中にこの問題につきまして委員会を開きまして、その際に物価庁関係の係官に来てもらつて最初値上げの方針を承わつたのであります。第一番には、これは値上げ反対だ、統制の撤廃をやつてもらいたいということの要請をして、どうしても値上げをしなければならんというようなことになれば、随分くだけた話をして、値上げをしなければならんということになれば、一つこの委員会相談をしてもらいたい、これは公式に何とか委員会というようなものを構成しなくても、相談をしてもらいたい。そうして十分に値上げ相談に応じるというのでなしに、どれだけ値上げをしないでやり得るものかということの検討に協力したい、こういうことを申入れをして、それを承知しておつたはずなんだが、そういう相談がなかつたようですが、どういうふうでございますかね。尤も物価庁統制価格をきめるのに、国会の承認を求めるとか、国会相談をしなきやならんという筋合いのものではないでしようけれども、徳義上、一旦そういう申入れをしてあるのだから、いきなりそういう告示を、この委員会であれだけ問題にして反対をしておるのに、相談もなしにぽつと告示を出すというのは随分なめた話だと思うのですがね。
  26. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 委員会においては、再々私どももその後においても、この問題は意見を表明しましたが、何らその後委員会に連絡なくて告示をしたようであります。
  27. 松浦清一

    松浦清一君 一遍呼んで経過を説明させようじやないですか。
  28. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 一遍呼んで嚴重に。
  29. 松浦清一

    松浦清一君 そういうことをやるなら、こちらもこちらで考えがある。何でも勝手にやれるものは勝手にやる、国会国会の権限で勝手にやれることでも、行政官庁の意見をやはりよく聞いて、そうしてそれを参考にして国会だけできめられることでも行政官庁の意思を無視してきめておらないはずなんです。
  30. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 嚴重に詰問しましよう。
  31. 松浦清一

    松浦清一君 告示が出ておつても、その内容説明を聞いて、その当時のいきさつを一遍聞いたらわかるから、ちやんと申入れしてあるのだから、そんな必要がないと向うが言明するなら、事物価庁に関する限りにおいては考えなければならん。
  32. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) その問題はさよういたしますことにして、次に最近に頻々と拿捕漁船が出ておりますが、その後の経過について水産庁から一応御説明を願います。皆さんに十一月三十日現在の拿捕状況の表が廻つておりまするが、これによりますと、相当数に達しておるようであります。大体この表の程度と思いますが、なおこの次の委員会で未帰還漁業者その他のものについても詳細に聞くことにいたしまして、今日は係官が来ておりませんから、この問題はこの程度にいたしたいと思います。  それから漁業條約は大体峠を越して、日本委員の主張を相当容れて、峠を越したということを承知しておりますが、この次の委員会水産庁長官に来てもらいまして、詳細に承わることにいたしましよう。  ほかに何かありませんでしようか。……なければ本日はこの程度委員会を散会いたします。    午前十一時三十九分散会