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1951-10-31 第12回国会 参議院 厚生委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月三十一日(水曜日)    午後一時三十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     梅津 錦一君    理事            長島 銀藏君            井上なつゑ君            有馬 英二君    委員            大谷 瑩潤君            中山 壽彦君            藤森 眞治君            谷口弥三郎君            松原 一彦君   衆議院議員    大石 武一君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君   説明員    厚生省医務局次    長       久下 勝次君   —————————————   本日の会議に付した事件診療所における同一患者収容時間  の制限に関する医療法特例に関す  る法律案衆議院送付)   —————————————
  2. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) これより厚生委員会を開きます。  本日は議題なつております診療所における同一患者收容時間の制限に関する医療法特例に関する法律案議題といたします。提案者理由説明をお願いいたします。
  3. 大石武一

    衆議院議員大石武一君) 只今議題になりました診療所における同一患者収容時間の制限に関する医療法特例に関する法律案について提案理由を御説明申上げます。  今から三年余り前の第二国会において医療法が新らしく国会を通過したわけでございます。御承知のように、この医療法におきましては、重要な部面といたしまして、病院診療所というものの基準をはつきりと規定いたしたわけでございます。即ち入院患者二十名以上を収容することができるものが病院であり、それ以下のものは診療所として同一患者を四十八時間を超えて収容することができないということになつておるわけであります。これは医療体系の一つの姿でございます。併しながら、当時の経済状況或いは医療制度実体等より勘案いたしまして、それを直ちに実施することは国民医療上に非常な支障を来たすという見解の下に、これが三年延期されまして、その当時までにすでに開業しておつた診療所は四十八時間を超えても同一患者収容することができ得るようなことになつておつたわけでございます。この三年間におきまして、各医療機関は、殊に診療所は鋭意その基凖向上に努力いたしまして、この理想の姿に副うべくいろいろと設備を敢善して参つたのでございます。ところが御承知のように、この診療所向上改善につきましては、現在まで政府より何らの融資斡旋或いは資材斡旋ということがございません。更に御承知のような日本経済状况であり、更に社会保障制度的な思想が日本で非常に進んで参りまして、三年間に診療所病院になり得るような、向上させるような余裕を持つことが非常に困難であつたのでございますので、この三年後の現在におきましても、やはりこの理想医療体系に副うことが不可能な実情になつたわけでございます。更にこのほかに、この医療法が第二国会を通過しましてから、現在まで三年余りの間に新らしく診療所を開設されましたかたは、この法律によつて同一患者を四十八時間を超えて収容することができないような現状でありまして、このためにも相当医療支障国民の間に残しておる次第であります。従つてこの際このような矛盾、不合理というものを一掃いたし、できるだけ早く国民の便宜な医療体系ができ上るようにという考えの下に、この昭和二十三年法律第二百五号の医療法の第十三条の規定を更にもう三年間適用することを延期いたしまして、この間に十分に政府その他の方面の融資或いは資材斡旋等を得まして、診療所基準向上させるようにし、更に新らしく診療所を開設されました人にも十分に患者診療し得るような途を講ずるという目的のために、この法律案を提出いたしたわけでございます。ここに三年と区切りましたのは、できるだけ早い機会において日本理想的な医療体系が完成いたしまするようにというので、三年という年数を入れたわけでございます。  これが提案理由でございまして、是非とも一日も早くこれが国会を通過いたしまして、国民医療が完成されますようになりますことを希望いたす次第でございます。
  4. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 提案理由の御説明がありましたが、それに対しまして質疑に入りたいと思います。
  5. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 二、三御質問をしたいと思います。先ず第一番に、「診療上やむを得ない事情がある場合」、これはよほど含みのあるように書いておられるのですが、「事情のある場合」というのは、例えばどういうような場合でございましようか、御説明願いたいと思います。
  6. 大石武一

    衆議院議員大石武一君) 只今のお言葉のように、誠に含みのある言葉でございまして、まあ実例を申上げますると、非常に土地が不便なところであつて、その患者が簡単によそに動かせないような場合であるとか、或いは殊に患者が重症であるとか、これが直ちに輸送できない場合、或いは患者が特にその医師診療を希望して、それが最も適当であると考えられるような場合、そのような場合を指すわけでございます。
  7. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今のでよほどわかりましたが、なお患者が希望します以外に、やはり是非その医師をと言うて、家族の者も是非希望しておるような場合がかなりあると思います。殊に小児科などにおきましては、是非このお医者さんにというのは家族の者がよく言うのでありますが、こういう場合も無論含んでおりまするか、どうか。
  8. 大石武一

    衆議院議員大石武一君) お説の通りでございます。
  9. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 今度の特例を拝見いたしまするというと、これは罰則はないように思われるのですが、別に罰則はないのでございましようか。
  10. 大石武一

    衆議院議員大石武一君) さようでございます。この法律施行の日から三年間は罰則を適用しないことになつております。但しこの法律施行の日の以前の犯罪はこれは構成することになつております。
  11. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 よほどよくわかりました。そういたしますと、この法律附則のところに、「この法律は、公布の日から施行する。」というようなふうになつておりますが、これは例えば昭和二十六年十月二十七日より施行するというようになりますと、前との連絡が付いてよくはないかと思いますが、これでそのほうは心配は要りませんか。
  12. 大石武一

    衆議院議員大石武一君) 今の御質問でございますが、これはやはり十月二十六日で期間が切れたのでございますから、二十七日に適用すれば最もよかつたのでありますが、不幸にして諸般の事情提案が遅れましたことは誠に申訳ないような次第であります。ただこれは二十七日から施行すれば一番いいようでございますが、この法律文体として、ここに最後の文章に、「同一患者を四十八時間をこえて収容しないようにつとめなければならない。」とございますので、こういうのを更に先に遡るとしますと、何か法律上の文体が整わないということになりますので、一応こうしたわけであります。
  13. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 さようでございましたら、例えばこの規定の第七十四条のところに、罰則規定に「第八条から第十三条」ということを書いてあるのでございますが、あれを第八条から十二条に改正するとかいうようにして頂ければ何ら心配ないように思われますし、そういう必要はありませんでしようか。これをお伺いします。
  14. 大石武一

    衆議院議員大石武一君) 必要はございません。
  15. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 只今の問題につきまして、厚生省側関係者といたしまして、御説明申上げます。今提案者から説明がありました通り法律形式といたしましては、形式と言いますか、法律の性質上遡つて適用することは私どもできないと思うのであります。従つて問題は十月二十七日以降、この法律が公布せられますまでの間のことについての御懸念のお尋ねだと思います。実は私どものほうの行政的な取扱いといたしましては、この法律の制定と言いますか、少くとも医療法十三条の施行のことに関連いたしまして、本国会の始まりますと間もなくから、さような御意見がありましたことを私どもとして承知いたしておりました。実は行政上の取扱いといたしましては、そうした空気に対応いたしますために、各都道府県に内訓を出しまして、そういうような空気にあるからということを通知いたしてございます。従いまして具体的にはこの法律が出ますまでの現行法の建前から申しますと、都道府県知事医療法附則、第七十九条の第四項の但書に基きまして、不許可処分をいたしませんければ本則が動いて来ないということになるわけでございます。行政只今までのところ、この法律の出ますまでは具体的に不許可処分をどこの県でもいたしておらないわけでございますから、従つて具体的に今までと、二十六年までと同様な状態であるというふうに御了承頂けば、この間の問題はないと存ずるのであります。従つて罰則の問題につきましても、お尋ねがございましたけれども、さような関係から特段に取上げて行く必要はないのじやないか、こういうふうに考えております。
  16. 松原一彦

    松原一彦君 久下次長にお聞きしますが、この種類の診療所一体数はわかつておりましようか。
  17. 久下勝次

    説明員久下勝次君) わかつております。
  18. 松原一彦

    松原一彦君 どのくらいでございましようか、ベッド数と共に……。
  19. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 私どものほうの調査によりますると、ベッドを持つておりまする診療所の数は、箇所数にいたしまして合計一万一千二百八十五ヵ所、その病床数は六万七千五百九十二床でございます。
  20. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 御質疑ございませんか……。本日は予備審査でありますので、この程度にとどめおきたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後一時四十九分散会    —————————— 十月三十日予備審査のため、本委員会に左の事件を付託された。  一、診療所における同一患者収容時間の制限に関する医療法特例に関する法律案(衆)