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証人(阿部勝馬君) 私は長らく薬理学を
専門として立
つておるものでありますので、その立場から私の
厚生大臣に提出いたしました上申書に判を捺したその
理由について、こちらからお問いにな
つている質問事項に逐次お答えをして行きたいと思います。
先ず
BCGの
効果であります。只今柳沢さんから縷縷御説明があ
つて、その
効果については私
ども疑
つておりません。これは当時塩田先生が、その
効果については疑うものでないということを言
つておりますが、ただ今も乾燥
BCGが行われております。
乾燥BCGワクチンは、柳沢さんは七〇%の陽性率を得たと言われておりますけれ
ども、事実私の大学では三〇%やれば、或いはときには五〇%くらい、又京都大学の小児科でも三〇%から三五%くらいの
データを出しているのであります。これはどこに起因するかと申しますと、私は後ほどそれについては
意見を述べて見たいと思うのでありますが、それは保存ということが今もやかましく柳沢さんからも言われたごとく、五度以下に保つこの保存ということが重大な問題にな
つているのじやないか、熊谷先生の調べたところでは、生菌が三〇%くらいしか生きていないと言われておりますが、若しそうだとすれば一〇〇%生きておれば一〇〇%の
効果が現れるものを、ほうぼうで三〇%くらいの
データが出て来るのは、これは三〇%くらいしか生きていないために生ずる結果であります。それでありますが、
効果はあるでありましようが、現在
一般に行われております、これは勿論柳沢さんあたりの場合には中央で完備した保存
方法を用いてやられているには違いないのでありますが、貧弱な電気冷蔵庫で五度以下に達することもできないような
日本の現状におきましては、まあ
効果の点は止むを得ないと思いますが、そういうことが結局は
効果が減ずるということは遺憾ながら認めなければならないのであります。なお私ここで皆さまの御注意を引きたいことが一つあるのであります。今まで
BCGによる
免疫獲得の判定は、アレルギー
反応であるところの
ツベルクリン反応のみに用いられて参
つております。この
ツベルクリン反応では、獲得されました
免疫性の強さや
免疫性の持続時間など判然としないばかりでなく、多くの病原菌に対する
免疫の場合に現われて参りますいわゆる陰性期抵抗力の減
つた時期、これのあるかないかが
ツベルクリン反応ではどうしても判定をすることができないのであります。若し私はそれで
BCGによ
つて陰性期が、今の抵抗にな
つている時期、即ち陰性期が現われるかどうか、又
免疫が獲得されれば、どの程度の強さの
免疫性が獲得されるのか。又それがどの程度に持続するのか、これは多くの人の
実験によりますと、必ずしもアレルギー
反応の
ツベルクリン反応と
免疫性と一致しないのである。このことはすでに九大の
戸田教授も先日お話にな
つておりましたし、又小児科の田村博士は
結核に罹
つてツベルクリン反応がだんだんと弱くな
つて、初めは出てお
つたのですがだんだん弱くな
つて二千倍では
ツベルクリン反応を起さない。但し千倍にすれば出てくるというようなことを言われた。そのようなことから考えますと、
免疫性がどのくらい持続するのかということにつきましては、
ツベルクリン反応だけではどうも問題が解決されない点があるように私には思われるのであります。そしてかような問題をはつきりさせるためには、一日も早く本当に
結核に対する
免疫性を判定することができるようなインデイケーターが設定されなければならないものだと思
つて、それからその
研究を私は
専門外でありまするがひそかに期待しておるものであります。その設定が行えますならば、
効果の判定は非常にたやすくな
つて参りまして、この
ツベルクリン反応によ
つてのみその
効果を判定するというような現状を打破することができると私は考えておるものであります。
次に
BCGの
副作用でありまするが、私は先ほど申しましたように薬理学、毒物学というようなものを専攻いたしておるものでありまするので、
副作用という言葉に対しては私の
専門としての立場の定義を持
つております。それはどういうことであるかと申しますと、
副作用とは、適用される薬物が適用される目的以外に作用を現わす場合にそれらの作用をすべて
副作用であるという定義を我々は不断守
つておるわけであります。そういう
意味からこの現行の
BCGのワクチンの
副作用を見ますると、
局所性の
副作用と遠達性の
副作用があるのではないかというふうに思われるのであります。この遠達性の
副作用、即ち全身性の
副作用のことにつきましては疑問があるのでありますが、私はそれをあとで論及することにいたします。先ず
局所性の
副作用から述べますと、先ほどから皆さんのお話に
局所性の
副作用としては、
潰瘍或いは
膿瘍等も
専門家のいわゆる
BCG研究家の
報告を見ますると非常に
副作用が少い。只今柳沢さんのお話を承わりましても非常に少い、非常に結構なことだと私は思います。ところがそれと
反対に又八〇%も大きな
潰瘍を作
つて後に大きなナルべを出しておる。これは私新聞で見ましたのですが、ここでも塩田先生が
報告されたようであります。六センチなり十センチなりにな
つたナルべがあるということを、私は山形県の飽海郡の松嶺町の松岡の製糸工場の女工さんが乾燥
BCGの
接種を受けてその八〇%がこういうナルべを持
つたということであります。これは
調査すればすぐわかる事実だと思います。私はこの話をそれを実際に見ました志賀先生が先般上京にな
つたときに承わ
つたのであります。そうして非常に面白いことには
BCGの
専門家に言わせますと、
局所性の
副作用が非常に少いと言われる。ところが地方に行くと、そういうふうに存外
潰瘍を作
つておるのです。そうして殊に女工さんなんかは現在腕まくりの服装をいたしますので、大きな斑痕が腕にあるというようなことは、非常に自分の文化生活をする上に忌み嫌うという現状であります。これが地方に多いということは、そこに何か
原因がなければならないと私は思うのであります。それはやはりワクチンの輸送、保存或いは
接種の
方法というようなことが何か
関係しておるのではないかと思いますので、これについては当然改善をしなければならないものと思
つております。
潰瘍を作らなくても
ツベルクリン反心は陽転するのであります。多くの人はそう認めておるのであります。
潰瘍ができるほうがいいというような議論はこれは
ツベルクリン反応以外の何物かを要求しておるのではないか。これが私の先ほど申しました真の
免疫これを要求しておるのだろうというような気持もあるのであります。この点から見ますならば、先ほど申しました真の
免疫を判定するインデイケーターを早く設定しなければならないのではないかというふうにますます考えられるのであります。
次に遠達性の
副作用であります。
副作用と申して今のところいいかどうかわかりませんが、時折り
BCGの
接種の後に淋巴線が腫れたり又肺
結核などが起
つて参ります。私の知
つておる三例のうち一例は前者、二例は後者に属するものであります。これについてはいろいろの見方があり得るわけであります。一方ではそれは
接種と同時にときを同じくして
結核に感染したためではなかろうか、そのためだ
つたら性質は違うものだという説が成立つ、いや
接種と共に誘発されたという説も立ちます。先ほど坂口先生は
注射後四、五日でそういうものが出て来るはずがないと申しましたが、私の知
つておるものは
BCGの
接種後約一カ月間にいずれも起
つておるのであります。これは五、六日で起
つたというものではありません。若しこれが単に同時感染或いはときを同じくして感染したというものでありますれば、これは
副作用でないということになります。ところがこれが続発性のものでありますならば、それは
BCGの
接種によ
つて稀に起る遠達性の
副作用とみなさなければならないのであります。それでそういう疾患が感染か誘発かということをきめることが必要にな
つて参りますが、それには誘発でないことが証明されるか誘発であることが証明されるか、どちらかが証明されなければならないのでありますが、これは非常にむずかしい話であります。けれ
どもそのむずかしい問題を解決しやすくするために、私は二つのことをここで御参考までに申上げたいと思います。その第一は先ほど来申しますように、
BCGを
接種してから後に
免疫が現われるまでに他の多くの
免疫の場合に現われるような陰性期がないかどうか。この問題は全く解決されずに残
つておるのでありますが、この問題を解決するためにも
ツベルクリン反応以外に、やはり
免疫性と本当に並行する、例えば凝集
反応みたいなものが確立されなければならないものだと私は考えております。私はここで断定的に申上げることはできませんが、私
どもの大学のレントゲンの春名教授が、
結核菌にレントゲンをかけることによ
つて非抗酸性の
結核菌を作ることができる、普通の抗酸性の
結核菌ならば液にいたしますと固ま
つて参ります。いわゆる凝集
反応がなかなかできない。これが今まで検査できなか
つた原因ではないかと思いますが、実はそういうふうにレントゲンをかけますと、生じます非抗酸性の
結核菌を均等に乳剤化することができるのであります。そうしますと凝集化が調べられる。そうして三十人ばかりの
BCG接種者について、血液の凝集化を調べて見ますと陰性期があるのであります。
BCGを一ミリや
つた場合と十ミリや
つた場合と、量が減ると陰性期が長く出て来るのであります。今のようにして非抗酸性の
結核菌を作るということについてはなお
研究する余地がありますから、まだ同教授の下で行われておる仕事は発表されておりませんがこういう事実が事実あるのであります。こういうふうにいたしまして、若し陰性期というものがありますならば、即ち体の抵抗力が減
つておる時期というものがありますならば、その場合
体内に潜伏して、発病しないでおる、或いは発病しておる菌がその猛威を逞ましくするというチヤンスがあり得るというので、必ずしも
BCGの菌がそこに参らなくても、体の抵抗性が弱ることによ
つて結核が現われるチヤンスがあると思われます。私はそういうことをちよつとここで、まだ公に発表していない事実をも発表いたしておるわけでありますが、そういうことから考えますと、ただ誘発する
原因があり得るのではないか、私が先ほど述べたのは誘発したとは言いませんが、誘発する
原因、毒物学的な
理由はあり得ると考えるのであります。又田村博士は昨年千葉の小児科の学界におきまして、実は
ツベルクリン反応について五カ年間
研究したものを一まとめにして
報告しております。その
成績によりますと、小児科方面では二千倍の
ツベルクリンでその
反応を調べ、その陰性のものについて精密な検査をやりますと
結核菌がある。それで更に
ツベルクリンを濃くいたしまして千倍にしてやりますと
反応が陽性にな
つて、そういうものが皆引つかか
つて出て来るという事実を認めます。そうしますと今一律に二千倍の
ツベルクリンを以て
ツベルクリン反応を、殊に小児科方面においてやるということはどうであろうか。小児科の
専門家に聞いて見ますと、実は赤ん坊は千倍の
BCGを
接種しても陽転しない、百倍でなければ陽転しないということを言
つております。又
戸田教授も盛んに百倍を使
つております。そういうようなワクチンを二千倍くらいにするという
理由はどこにもない。むしろ小児科方面では、或いはそれよりもつと嬰児等に下げて考えて参りますと、
ツベルクリンは二千倍でなくてもいいのではないかということが起
つて来るのであります。殊に
ツベルクリンのその効力が必ずしも一定してない製品が出ておるということから見まして、これはやはりそういうことも考えて、単に二千倍の
ツベルクリンでなく、或いは千倍、或いは五百倍或いは百倍というものまで実際には使うことが許されなければならないものだと私は考えております。そうしますと、二千倍の
ツベルクリンだけで
免疫性を、
ツベルクリン反応を見ますと、実際には
体内に
結核菌を持
つておるものが陰性に出る場合が相当にある。十何%かある。そのくらいの数があるということは、千倍であれば陽性になるべきはずのものに
BCGの
接種をやるという結果、アレルギー
反応が強く出るのであります。処女的な体であるものには非常に強いものでなければ
ツベルクリン反応に応じないという事実があるといたしますと、
ツベルクリン反応が陰性として
BCGの
接種をいたしました場合に、実は
体内に強い
反応が起
つて来る。それで又全身に作用が起ることがあり得るということは、これは薬理学或いは毒物学の原理から十分想定ができる。そういたしますならば、果して本当に遠達性の
副作用があ
つた場合、これは同時感染だと言
つて片付けるだけでは済まないのではないか。やはり他の二つのそういう
理由があり得るであろう。そのほうを考えなければならないと思うのであります。これは私はどちらとも判定することは……、薬理学上の原理からそれを申上げるのではなくてそういう可能性があり得るということをここで皆さんにお話申上げることができれば結構であると思います。
それからその次に三の
BCG接種の身体に及ぼす障害の有無について。この問題は遠達性の作用というものが感染か或いは誘発か、この問題が解決して初めて解決される問題であります。その前には別に答えを出す必要のないものだと思います。
その次の四番目の、
BCGの
強制接種に対する
意見でありますが、これは私
ども先ほど文字にして
厚生大臣に差上げた
通りの
意見でありまして、何ら他意あるものではありません。そういうふうにしていろいろな疑惑を持
つておりますので、殊に柳沢あたりの
報告されるような
陽転率のいいパーセンテージが得られませんので、もうすでに四月一日から
強制接種をや
つておられるので、この際こそ
調査すべき時期ではないか。又四月一日以降のことでありますから、それがいろいろな罹患性とか
死亡率ということは案外計算できないと思いますが、そういう
副作用については単に東京の真ん中におられる、或いは大都会の中心におられる、大学におられる、そういう
かたがたの綿密な
研究によるものでなくて、地方で行われておる
強制接種の
副作用がどうであるかということはもう
調査してもいい時期であろうというふうに私
どもには考えられるのであります。そういうわけで特に
調査をお願いして慎重に調べられて。行政上遺憾のないようにされたいということを申入れたわけであるのであります。
それから
BCGの
接種の改善についての
意見でありますが、これについてはいろいろここで述べて見たいと思うことがあります。先ず第一に
ツベルクリン反応以外に
結核免疫を判定するインデケーターが設定されなければいろいろな問題が解決されないと思います。又それを設定されればいろいろな問題が解決される。今の
免疫における陰性期というようなものもよく解決されて来るし、のみならず
免疫の強さをどのくらいの強さの
免疫を与えればいいかということも解決しますし、どのくらいの長さの
免疫を与えるものかということも解決がついて参るのであります。
従つてそれが
BCGの
接種の改善に役立つことは勿論であると私は思います。
それから又
ツベルクリンのことでありますが、先ほど申しましたような
理由によりまして現行の二千倍の
ツベルクリン液を、小児科方面では或いは千倍、ときには必要に応じては百倍にまで上げて用いないと目的を達せられないということも十分周知徹底させるような必要があるのじやないかと思われます。
又先ほど坂口先生のお話にもありましたが、
ツベルクリンの
皮内接種法の技術であります。これが存外徹底していない。実は皮内に
注射すべきものを
皮下に
注射しますと、
ツベルクリン反応は陰性にな
つて現われるのです。それが皮内に
注射すれば
ツベルクリン反応が陽性にな
つて出るべきものがそれが陰性に現われて来るというようなことがありはしないか。事実これは医者仲間の恥でありますけれ
ども、併し地方のほうに参りますとそういうことがないということは私は保証できません。
それから
ツベルクリンの力価を常に一定にして置いてもらいたい。これは普通の薬もその効能を一定にならしめるためには、その力価を一定にしなければそれを望むことはできないのであります。
次に
BCGに対する改善としましては、力価が不定であるということが、これは保存の
方法にもよりましようが、私は力価が不定である、成るべくこれを一定にして頂きたい。それから又乾ワクで現在三〇%とか三五%の液が含まれる、もつと六〇%も六五%も含まれる
方法はないのか。これをやはり
研究して頂ければ
ツベルクリン陽転は三〇%から六〇%、六五%というふうに上がるのじやないかということも考えます。
ここで大きな問題は、特に皆様の御注意を惹きたいことが一つありますが、これは
ツベルクリンと
BCGの保存の問題であります。先ほど柳沢さんから強く言われておりましたが、
BCGは五度以下に保たなければその
効果が減退して行くということを言われました。
BCG、
ツベルクリンも同じに維持して、而もレツテルには五度以下に保てということがちやんと書いてありますが、ところで我々のところには悲しいかな電気冷蔵庫を持たないのであります。ただ我々の持
つておる冷蔵庫は僅かに摂氏八度なり十度までしか下
つておりません。ビールを冷やして冷いと思
つても、存外それは十五度くらいでありましようか、五度以下に保つということは、我々全部
ツベルクリンを取扱う者は電気冷蔵庫を備えなければならんという事実があります。果して全国の保健所に電気冷蔵庫が行き渡
つておるのでありましようか。こういう問題こそ早く施設して、そうしてどこに送
つても必ず五度以下に保存されておる状態になければ、私は
BCGのいい結果を望むことはできません。力価がどんどん下
つておる品物を使
つてどうするのかという問題が一つあります。而もこれは多少皮肉になりますが、いろいろな医療法及びその施行規則の中に病院で備えなければならないものという中に冷蔵庫すら書いてありません。まして電気冷蔵庫においておやであります。このことは
ツベルクリン、或いは
BCGを
強制接種する以上、どうしても病院に電気冷蔵庫を備えなければならんということがなぜ医療法を制定する場合に気付かなか
つたのでありましようか。又
BCGを今年の四月に
強制接種することにきめましたならば、遡
つて前の医療法を改正しなければならないと思います。これなくして医者に保存を五度以下にしろということは、これは大変なこれこそ強制であります。医者は到底それを五度以下に保存することはできないのでありましよう。何かいい
方法がありましたならば、又あとでお願いいたしたいと思います。
今一つは甚だ残念なことでありまするが、全国の医者は同じレベルにありません。津々浦々にまで東京の真ん中に住んでおるようなお医者さんが行き渡
つておるわけではありません。
従つて先ほど申しました
ツベルクリンの問題、又
BCGの
副作用のない乱切法、或いは
ツベルクリンの必ず
皮内注射をやるというような技術が、悲しいかな全部の医者にはできないのであります。甚だ残念でありますが、
従つて医者に対する再教育を、私は保健所その他をも含めて十分なる再教育をしなければならない。この用意が国家にできておるのであろうかということを私
どもは疑う。私は電気冷蔵庫を備える、或いは医者にその趣意を完全に行わせるような
方法ができて初めて強制すべきものだというふうに私は考えます。たとえ
BCGそのものは製造所ではよくできましても、地方々々にまでそういうものがいいまま保存されて、そうしてそれが正当な、最も正しい趣旨によ
つて接種されてこそ、国家はその
法律を完全に遂行することができるでありましよう。その前には望んでもむしろ不可能ではないかというふうに私は考えます。そういたしますと折角
強制接種まで漕ぎつけたこの
法律の威信をどうするかという問題がここにからんで来ると思います。これも議員諸公には一つ是非ともお考えを頂きたいと思うことであるのであります。最後にその他
BCGについての
意見ということでありまするが、私はこの度
学術会議の第七部会の医学を
専門といたす者が、この医事行政に関する
法律にちよつと待
つたをや
つたということは甚だ慚愧に堪えないと思うのであります。併しこれを制定するに当
つて、
日本医学会を含んでおる
日本医師会になぜ諮問しなか
つたろうということを私は思
つておるのであります。若しも
日本医師会にこれを諮問されて、そうしてその道の
専門家、勿論法で示されておる
専門家がありますが、
日本医学会から見た
専門家は、或いは
結核病
学者あり、或いは内科医者、小児科医者がある、こういうものを網羅してそれぞれの
意見を取入れたならば、今度のような事件は起らなか
つたであろうと断言ができます。そういう
意味におきまして、どうか私の
意見としましては、これはお願いでありまするが、医事に関する法規を制定される場合には、
日本医学会を下に抱えておる
日本医師会に御諮問になることをこの際お願いしてやまないのであります。
以上で私の
証言を終ります。