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1951-11-08 第12回国会 参議院 建設委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年十一月八日(木曜日) 午前十時三十四分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
小林
英三
君 理事
田中
一君 赤木 正雄君
委員
平井 太郎君 島津 忠彦君 深水 六郎君
小林
亦治君 東 隆君
国務大臣
建 設 大 臣
野田
卯一
君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
常任委員会専門
員 菊地 璋三君
説明員
建設省大臣官房
人事課長
町田 稔君
建設省大臣官房
文書課長
小林與三次
君
建設省河川局長
目黒
清雄
君
建設省住宅局長
大村巳代治
君
経済安定本部建
設交通局公共事
業課勤務
谷口
龍夫
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
河川
、
道路
、
都市
及び
建築等各種事
業並びに国土その他諸
計画
に関する
調査
の件 (
ルース台風
の
災害
に関する件) (
人員整理
に関する件)
—————————————
小林英三
1
○
委員長
(
小林英三
君) それでは
只今
から
建設委員会
を開会いたします。 本日は
ルース台風
の
災害
の
状況
につきまして、
建設大臣
がこの間御
視察
に
なつ
たわけでありますから、先ず一応その
状況
の御
説明
をお願いいたしたいと思います。
野田卯一
2
○
国務大臣
(
野田卯一
君)
ルース台風
の
被害
につきましては、先般私
中国
、
九州
及び
中部地方
に参りまして実地について
視察
をいたしたのであります。なお
鹿児島
及び
山口
におきましては、私初め
関係各省
の代表のもの、
現地
の
知事
その他のかたがたの打
合会
を開きまして、
災害
の
状況等
を詳しく
現地
からお聞きしたような次第であります。その他いろいろな
報告
をも取り混ぜて、大体
被害
の全体の様子を勘案いたしますと、今度の
被害
は
豪雨
によるもの、強風によるもの、
高潮
によるものに分れると思います。このうち
豪雨
によるものにつきましては、御
承知
のように
河川
が
氾濫
する、
山崩れ
を起す、それから
河川
に
沿つた
両岸の
土地
を荒し廻るというような、又橋梁が甚だしく
流失
する、こういうような現象を起しまして、それから風の強いために起
つた
災害
につきましては、
家屋
及びその他の
建設物
が非常な
被害
をこうむ
つて
おる。又
農作物
に対する
被害
もかなり甚大であるのであります。
高潮
によるものにつきましては
海岸堤防
がやられ、又
海岸
に
沿つた道路
或いは
家屋
というようなものも大きな
被害
を受け、又普通の港、
漁港
というようなものもこれも甚大な
被害
を受けております。又今回の
災害
の
一つ
の特徴をなす
漁船
並びに
漁網等
の
漁業
に対する、
漁業用施設
に対する
被害
が極めて大きいのであります。それで今回の
災害
は過去の
災害
に比べて見ますと、過去のいろいろな
台風災害
に比べて三つの点において今回の
災害
は断然過去の例をぬきんでておるのでありまして、第一点は
人的被害
でありますが、
人的被害
は行方不明、死者を
合せ
ますと、約千名近くに
なつ
ておるのでありまして、これは過去の
最大
の
被害
をもたらしました
アイオン台風
の場合における八百五十名、それからデラであるとか、
ジエーン
などの場合におきます四百から五百名
程度
の
被害
、それからヘスター、キテイ、ジユデイス、
キジア
、こういうような
台風
のときは百名を超えておらない、こういうのに比べましても今回の
台風
によりまして、如何に大きな
人的被害
を受けたかということがわかるのであります。 それから第二点は
住家
の
被害
でありまして、今回の
台風
によりまして
住家
が
全壊
いたしましたものが二万四千五百四十四戸、
流失
をいたしましたのは二千六百九十九日合計いたしますと、二万七千二百四十三戸、こういうようなものが
全壊流失
、要するに姿を消すというような、ぺしやんこにやられるか、姿を消すというふうに相成
つて
おるのでありまして、これ又過去のいずれの
災害
よりも大きいのでありまして、過去におきまして一番この
住家
に対する
被害
の多か
つたの
は
ジエーン台風
でありまして、大阪、各
近畿地方
を
中心
としたあの
ジエーン台風
の
被害
でありまして、当時におきましては
全壊
と
流失
と
合せ
て一万九千三百三戸ということに
なつ
ておりまして、これよりも今回の
災害
は更に一まわり大きいということがわかるのであります。その他の
台風
では
アイオン
におきましては七千七百八十二戸、その他の
台風
におきましては大抵二千戸以下、こういうような
状況
を示して、
住家
の
被害
が断然今までにない
記録
を示しておるというわけであります。 次に
船舶
でありますが、
船舶
の
被害
は沈没と
流失
を
合せ
まして、六千二百四十隻の
損失
に
なつ
ておるのでありまして、これを過去の
最大
の
被害
であ
つた
ジエーン台風
のときの一千七百六十五隻と比べますと、非常な懸隔があるということがわかるのであります。 以上、
人的被害
の点、
住家
に対する
被害
、
船舶
の
被害
、これらにおきましては最近のすべての
台風
の
被害
を絶している、こう申し得るのであります。 それから次に
公共土木施設
に対する
被害
でありますが、これを
府県
の
報告
によ
つて
見ますと、
河川
、
道路
、
海岸
、
堤防
、これが
合せ
まして二百八十億、それから
港湾
、
漁港
、普通の港と
漁業
の港、これを
両方
合せ
まして八十四億、内訳では普通の
港湾
が三十九億で、
漁港
が四十五億、合計八十四億ということに
なつ
ております。又、農地に対する
被害
は、二百十一億、この中には
農業用施設
も含んでおりますが、二百十一億、
山林関係
におきましては三十一億、それから
学校関係
におきまして、
学校
が倒れた、或いは破損したという
関係
の
被害
が四十六億、それから
住宅
の
全壊
と
流失
でありますが、これが八十六億、この
住宅被害
はそのほかいわゆる中破、小破というような、いろいろな破損があります。そういうもの全部
合せ
ると二百七十四億になるのであります。今八十六億というのは、
全壊
と
流失
だけを見ております。それからその他に、
都市関係
、水道、
都市
の
施設
、或いは病院とか、
開拓入植者
の
被害
、そういうものを
合せ
まして二十五億ぐらいでありまして、以上総計いたしますと七百六十七億ということに
なつ
ておるのでありまして、これが
政府
の
補助
の対象になるものであります。 それから次に、
農作物
に対する
被害
でありますが、これは御
承知
のように、風が非常に強か
つたの
でありますから、一番大きな
被害
を受けましたのが稲であります。陸稲も水稲も
両方
やられております。これは或いは粒が取れる、脱粒するとか、或いは芽が出る、発芽するとか、或いは枯れるとか、いろいろな
災害
を受けておるのでありますが、
金額
は或る
程度
わか
つて
おるのでありますが、ちよつと不正確でありますから、差控えたいと思います。
九州地方
の各県の
報告
をそのまま取りますと、百五十七億、これが
九州地方
であります。
中国
、
四国
の
報告
をそのまま取りますと、八十一億、そういうような
数字
に
なつ
ております。全国的な
数字
はわかりません。結局こういう
数字
に
なつ
ておりまして、これは正確を期しがたいので一応……。 それから
漁業関係
におきましては、先ほど申しましたが、
漁船
、
漁具
、或いは
共同施設
、
養殖施設
、こういうものが
相当
被害
を受けておるのでありまして、一応の推算によりますと、
漁船関係
が二十八億、
漁具
が十一億、
共同施設
が八億、
養殖関係
が三億、これはまあ一応の
数字
でございますから、又訂正されることになるかも知れません、申上げておきます。その他
交通
、
通信
のほうにもいろいろの
被害
が出て、
鉄道関係
では二十二億の
損失
があり、
電気通信省関係
では九億ぐらいの
損失
があ
つた
と言われておりますが、いろいろなものを合わせますと、全国ではどれだけになりますか、千億を超えることは勿論でありますが、千何百億の
被害総額
になるというような
状況
に
なつ
ておるのであります。 以上は全部を
合せ
ての話でありますが、これを各
県別
に見ますと、
九州
で一番
災害
がひどか
つたの
は
鹿児島
県でありまして、
鹿児島
県では、県の
報告
によりますと、県下の
損害総額
は三百三十億出ておると言われております。それから次には
宮崎
県でありまして、
宮崎
県は百三十八億の
損害
である。それから
大分
県は八十八億、
福岡
県のほうが三十八億、
熊本
県が三十二億、佐賀県が二十二億、長崎県が二十三億、こうい
つた
ように
九州地方
は
鹿児島
、
宮崎
、
大分といふう
に、いずれも
相当
大きな
損害
をこうむ
つて
おるのでありまして、
鹿児島
県の
被害
の大要は、この
土地
は割合に水害は少いのでありまして、大体は
海岸地方
における
高潮
の
損害
と風の
損害
が多い。非常に
鹿児島
では風が強か
つた
ために、丁度そのとき
満潮
で
台風
がや
つて
参りましたので、あの近海は
満潮
で風が猛烈に強か
つた
というために、
海岸地方
の
被害
が甚大でありまして、私も
海岸線
を廻
つて
歩きましたが、
海岸
はずたずたにやられており、
漁港
は無慙に壊されておる。又枕崎のごときは、
海岸線
に沿
つて
おる約二万坪の
土地
にいろいろな家が密集しておりました。その二万坪の
土地
がごつそりと取りさらわれて、
あと
は河原のように石ころだけに
なつ
ておるという
惨状
が見られるのでありまして、
海岸線
の
被害
はひどくやられておるのであります。それから
宮崎
のほうにおきましては、二色の
被害
があるのでありまして、一色は都城を
中心
とする
地域
で、風が猛烈に強か
つた
ため、
住家
、
農作物
に対する
被害
が非常に大きい。それからその他の
土地
におきましては、雨が
相当
ひどく降
つて
おりまして、五ヶ瀬川、一ッ瀬川の
流域
或いは大淀川の
支流
でありますが、そういうところでは雨が非常に降りましたので
河川
の
氾濫
が
相当
ひどい、こういうふうな
状況
であります。
大分
県につきましては、これは大体におきまして
海岸
の
災害
が多いのでありまして、
各地
の
海岸
がやられております。私は
大分
、それから別府、中津の近所の
海岸
を見て歩きましたが、この前の、昨年の
キジア台風
のときに比べますと、数倍の
被害
を受けております。私はこの前の
キジア台風
、昨年の九月十四日と記憶しておりますが、そのときの
キジア台風
のときには私丁度
九州
におりまして、
キジア台風
直後に、三日目に
大分
県の
海岸地方
を見て歩きましたが、それと今回と比べますと問題にならん非常な甚大な
被害
に驚いたのであります。なお
大分
県では単に
海岸
のみならず、いろいろな川が
相当
溢れておりまして、私駅舘川という川を見ましたが、非常な
堤防決壊
その他の大きな
災害
を受けておるのを見たのであります。それから次の
福岡
県のほうは、これは大体におきましてニヵ所あるのでありまして、一ヵ所は
福岡東部
の
瀬戸内海
に面した築上郡と京都郡という二郡がありますが、この
方面
におきまして、
河川
が猛烈に
氾濫
しておる。こういう所の
海岸
が
相当
やられておるという
状態
、もう
一つ
は筑後川に
沿つた地域
に
河川
の
災害
が起
つて
おるのであります。それから
熊本
県のほうにおきましては、
天草
の
方面
がいたくやられて、
天草北部海岸
の
地方
がひどく叩かれておるのでありまして、なおそのほかの問題といたしましては、球磨川の
上流
の
地方
が
相当
やられておる。こういうふうな
状況
に
なつ
ております。
中国地方
におきましては、
山口
県の
損害
が一番大きいのでありまして、県の
報告
によりますと三百二十一億円、
鹿児島
県と伯仲をしておるのでありますが、三百二十一億円と
なつ
ておるのであります。それから
広島
県が百一億、
島根
県が三十九億、その他の県は比較的いいのであります。
山口
県のことにつきましては
新聞紙上
に伝えられておりまして、
大変世間
にセンセイシヨンを起したのでありますが、
山口
県の
東部
に
岩国
からずつと流れております
錦川流域
が一番ひどいのであります。その他
徳山
の東のほうがひどくやられておる。これは風も強か
つたの
でありますが、風よりも雨が猛烈であ
つたの
でありまして、錦川の
流域
におきましては時間
雨量
九十八ミリという
曾つて
ないレコードを示しております。そういうふうに一時間の間に降
つた雨
の量は
曾つて記録
にないほど出しております。こういうことのために
河川
の水が急速に殖えて参りまして、両岸を洗う、又
山崩れ
を生ずる、こういう
惨憺
たる
状況
でありまして、
岩国
から錦川を上
つて
行く
道路
はすつかり決壊いたしまして、十日間くらい
奥地
へ入れなか
つたの
でありまして、これを警戒するために
岩国
のほうからは
消防隊
が二百名出動し、
徳山
のほうからは日本初めての例でありますが、
警察予備隊
三百人が出動いたしまして、
道路
の警戒に当
つた
と、こういう約十日くらいして漸く
奥地
で以て
両方
から来た者が握手をした、こういうような
状況
であ
つたの
であります。私も
道路
の警戒されたその日に
奥地
に入りまして
行つたの
でありますが、全く
惨憺
たる
惨状
に目を蔽わしめるものがあ
つたの
であります。
山口
県は川に
関係
したほうの
災害
が一番多い、
海岸地方
は勿論やられておりますし、又
徳山
その他の
工業地帯
も
相当
な
被害
を……
海岸
にも受けておる、こういうことであります。
広島
県は大体におきまして、
山口
県寄りの
部分
に
相当
な
被害
がありました。
山口
に入
つて
見たら
相当
被害
がありました。なお
工業地帯
と
海岸
が、或いは又
漁業
に対する
被害
が甚大でありました。
島根
県につきましては
山口
県と……
山口
県に近い
部分
、山のほうの
部分
には
山口
県とやや似た
被害
があるのであります。
四国
につきましては
愛媛
県が六十四億円に相成
つて
おります。それから
徳島
県が二十五億、こういうふうなことに
なつ
ております。この両県とも
海岸地帯
の
被害
が一番甚大でありまして、
愛媛
県あたりは
瀬戸内海
に面したところの
海岸
が
相当
の幅に亘
つて
やられておるのであります。
徳島
県におきましても
海岸
のほうを
相当
にやられておる、これは幾分
山嶽地帯
もあると思います。その他の
地方
といたしましては、
中部地方
におきまして愛知県、これが二十二億と言われておりますが、
被害
があるのであります。又三重県にも
相当
な
被害
があります。
近畿地方
では和歌山……、兵庫、こういうところがやられておる、こういうふうな
実情
に
なつ
ておるのであります。 なおこの
対策
につきましては
災害
を受けました直後、
中央
におきましては
建設省
、勿論
建設省直轄
の役所全部でありますが、それぞれ
係官
を派遣をする、或いは出先の
係官
に
現地
を調べさせるというようなことをいたしたのであります。緊急の
措置
をとりまして、各県も又難民の救済その他
緊急復旧等
に努力をきれたのでありますが、何と言いましても
現地
は
災害復旧
に追いまくられて、
知事
さんもなかなか、県民も大わらわに
なつ
ておるような
状態
でありますので、
中央
から私が、閣僚といたしまして私、それから
あと安本
、
通信
、農林、厚生、文部、電通の各政務次官その他の
関係
の
係官
が出まして、二十五日
鹿児島
、二十七日
山口
で
対策
を協議したのであります。その結果一番問題になりましたのは
補正予算
でありますが、
補正予算
につきましては
災害関係
の
補正予算
をどうしても出さなければならんというのでありますが、これにつきましては、
相当
の
調査
をいたしませんと
補正予算
の提出が困難でありますので、できれば
臨時国会
に間に
合せ
たいけれども、或いは
都合
によりましては、
準備
の
都合
によりましては、
通常国会
を待たなければならんかと思
つて
おります。でそれまでの問題といたしまして御
承知
の
繋ぎ資金
の問題があるのでありまして、これにつきましては我々もまだ
現地
に行
つて
おります十月二十五日、一応
繋ぎ資金
として十億円の……、十億二千五百万円が第一次として出されておるのであります。第二次以下の
繋ぎ資金
については、目下
安定本部
において
各省
の
数字
を取りまとめております。
数字
はほぼ固ま
つて参つて
、この次の
閣議
において決定をいたしたい。こういうふうに考えております。 それから
現地
に参りまして、各
方面
からの
要望
があ
つたの
でありますが、
各地
とも
災害
を頻繁に受けてお
つて財政力
が極めて弱化しておりますので、
政府
から
補助金
をもらう以外の
地方団体
の
負担分
については、起債を全額認めるようにしてくれという
要望
が熾烈でありまして、
地方財政
の現況と睨み
合せ
て何とかこの点を考慮して
措置
をする必要があるかと、こういうふうに考えております。又
財政措置
のほかに
金融
上の問題については
漁業関係
、
中小企業
の
関係
、或いは
営農資金
、いろいろなものについて
早急金融措置
を
要望
されておるのでありますから、この点についてはそれぞれ
安本
において目下
準備
をし、今一部
実行
に移しておると、こういうような
実情
でありまして、
住宅
の
対策
については、
災害救助法
に基く
仮設住宅
の問題、それから
公営住宅法
に基く第二種
公営住宅
の問題、及び
住宅金融公庫法
による
融資住宅
の問題、こういうような問題がありまして、
建設省
を
中心
として今回の
災害
の
一大特色
である
住宅被害
、これについて善処したいと……、こういう点についてはもう
実行
に移しつつある、こういう
状況
であります。 以上
災害視察
の概況を御
報告
いたしました。
小林英三
3
○
委員長
(
小林英三
君)
只今
、
大臣
の
ルース台風視察
の
報告
があ
つたの
でありますが、今
閣議
がありますので、
閣議
が終えたら間もなく帰
つて
来ることに
なつ
ておりますので……。
只今河川局長
が見えております。それから
住宅局長
も間もなく到着することに
なつ
ております。
経済安定本部
の
建設交通局
の
公共事業課
の
谷口龍夫
君が来ておりますので、その間
只今
の
災害
の
状況
の
報告
に対しまして、御質問をお願いいたしましようか。
田中一
4
○
田中一
君
今ルース台風
について、
災害
の
状況
について
大臣
から質問する余地のないほど一応伏線を
張つた
御
説明
を伺
つた
が、具体的にはまだ
繋ぎ資金
の十億というか、出ておるに過ぎない
程度
でありますが、大体こうした
被害
に対して今後公共事業なり、又
地方
に対する
補助金
の交付なりが、
災害復旧
に、
原形復旧
という形でのみ
方針
を立てておるか、或いは抜本的な無論
資金関係
の点において満足なものはできんとして、重点的に抜本的な政策をと
つて
行こうとするか、そういう点について、
安本
又は
建設省当事者
のお
考え方
を伺いたいと思います。
目黒清雄
5
○
説明員
(
目黒清雄
君)
災害
の
復旧方針
の問題でありますが、我々は
原形復旧
に囚われて再び
災害
を起したくないという気持でや
つて
おります。勿論改良的なものも認めて行きたいという
考え方
でありますが、この
災害
の法律につきましては、
原形復旧
が高率の
補助
であります、それからそれに対する
超過工事
は二分の一の
補助
に
なつ
ております。そこで二分の一の
補助
というようなことのために、非常に計算の
手数
がかかるというようなことで、そういう
手数
を厭わないところは構わんですが、厄介なものですから、
超過工事
を嫌う傾きが多分にあります。でありますが、我々は
現地
に
査定
に行きましても、
府県
が若し
超過工事
をやらんで
原形復旧
にこだわ
つて
おるというようなことで、それは非常な欠陥があると思われた場合には、
金額
を減らすというよりは、逆にこれを忠告してそれを訂正するという
査定方針
をと
つて
おりますので、必ずしも
原形復旧
にこだわ
つて
は考えておりません。ただここで問題になりますのは、更に重点的に改良をやる。例えば今度錦川が
氾濫
いたしました。この錦川の
氾濫
の
原因
は、非常に
雨量
が多か
つた
というのが
氾濫
の
原因
でありますが、ここは大
部分
が
渓谷
であります。
渓谷
の
中間部
に
道路
がありまして、その
道路
の沿線に多くの家があ
つた
。その
道路
は結局水に浸
つて家
が
流失
したわけでありますが、ただそれのみならば大した
被害
がなか
つたの
に、
本流
よりも裏から来ておりまする
支流
が非常に
氾濫
して
土砂
を流して来た。それで死人を出したとか
家屋
が埋ま
つた
というのが、この
本流
よりも
支流
の非常な渓流の
土砂
の流出によ
つたの
が多いのであります。そこで我々は抜本的にやるのならば、恐らくあの
花崗岩質
の山を、いわゆる
花崗岩
の風化されたマサの山を治めなければ、これは到底
災害
は防げないという感じを抱いたのであります。そうしますると、抜本的なものをやりますと、大々的に
砂防工事
をやらなければならんという結論になるわけであります。それからもう
一つ
は、
曾つて錦
川の
計画
といたしまして、
上流
に
堰堤
を
造つて洪水
を調節し
電気
を起すという問題がありました。ところがこれが多くの
家屋
の移転を要するというので、それが行き悩みに
なつ
て現在に及んでおります。
一つ
は
上流
にた
つた
一つ堰堤
ができまして、これが現在
徳山
の
工業用水
を補給しまして、
徳山
の発展に資しております。勿論電力もできておりますが、これは余りに小さいので錦川の
洪水調節
には役に立たんのであります。でありますから、それの第二期
工事
として下流に
堰堤
を造るということは非常にいいことであると思うのであります。こういうことを錦川について考えますということが根本的な問題だと思いまするが、これが
災害
としての
費用
の
範疇
に属するかどうか、
災害費
として急に考える
範疇
に属するかどうかということにつきましては、我々は主張をいたしたいのですが、なかなかこの問題は早急の解決は困難ではないか。そこで我々といたしては、
災害
の起きました場合には、それに対する
対策
を
一般
の
費用
から重点的に出してもらいたいと、そういう
計画
を推進するような
行き方
にしてもらいたいと、こういうことも主張しておるわけであります。そうでありませんと錦川の問題は解決しないのではないかというふうに考えております。そこでこの
原形復旧
の問題ですが、こういう問題が起ると思うのであります。それならば若し
上流
に
堰堤
を
造つて
、
洪水調節
ができ、水位の低下ができ、
砂防
が完全になるといたしますれば、そういう理想の下にそういう
計画
を立てるといたしますれば、現在
災害
で壊れておる個所をそう立派なものにしなくてもよいという問題が起るのであります。その兼ね
合せ
の問題が非常に厄介なのであります。地元としては一応
原形
に復旧してくれということでありまするが、恐らくこういう根本的な問題が解決すれば
原形
に復旧することも必要がないという問題が起きて来ると思うのであります。でありますから、
災害原形復旧費
は
最小限度
の線でありまするが、そういう理想的な姿に持
つて
行けば或いは必要のないものであるということも言えると思うのであります。その辺の兼ね
合せ
は非常に厄介な問題だろうと思います。
田中一
6
○
田中一
君 今の
局長
の
お話
を伺いますと、
局長
としては、こうした錦川の場合は
原形復旧
が最善の方策ではない、それ以上に
災害復旧
の面でなく、抜本的な、根本的な
災害
から守るという意味の
施策
が必要と考える、こういう御
意見
になるわけですね。
安本
の御
意見
はどうでしようか。
谷口龍夫
7
○
説明員
(
谷口龍夫
君)
只今河川局長
から
お話
がありましたように、
災害費
の
査定
に当りましては、
原形復旧
を
中心
とし、更に
超過工事
の分につきましても法規によ
つて
きめられた
程度
までは十分取
つて
おるわけであります。併し
予算
の立て方が
災害費
と
一般
とは別に立てられておりますので、
超過工事
以上逸脱した
程度
のものにおきましては、
一般
の
改修費
なり何なりによりまして、
予算
の編成時において
災害
を睨み
合せ
て更に検討を加えて計上するというしか方法がないのではないかと、こういうふうに考えております。
田中一
8
○
田中一
君 今
建設省
と
安本
の
考え方
の
食い違い
があるのです。その
食い違い
は、
予算措置
が
一緒
にできんというような
お話
になるのですが、これを
一緒
に
原形復旧
を含めた、或いは
原形復旧
を超えた抜本的な
施策
を立てる
意思
があるかないか。今の
予算措置
においてそれができないというならば、それを変える
意思
があるかないか。この
両方
から伺いたいと思います。
目黒清雄
9
○
説明員
(
目黒清雄
君) これは
安本
のお答えのほうがいいので、我々からお答えすることは適当でないかと思いますが、こういう問題だと思うのです。
災害
が起きますと、そういう
行き方
が一番正しいという案は立つわけです。それが現在では
一般費
から出るわけでございますが、そうするとその錦川なら錦川にダムを造り
砂防
をするということが非常によいと、抜本的な
考え方
だということが出ました場合に、それならば錦川と他の
災害
を受けない水系における
未然防止
の仕事とどちらに重点を置くかと、こういうバランスの問題が出て来るわけです。
災害
が起きたらそこのところだけを考えればよいのだということには、これは我々としても行かない問題があると思うのです。併し
一般費
に振込みますと、
一般
の枠内でこれを操作しなければならんという形に
なつ
て来るわけです。ですから、
災害
が起きたら、錦川なら錦川の
災害
を解決するのだという
方針
になりますと非常に結構でありまするが、そうなりますと、逆に言いますと、全国を見渡して、果してそれが根本的な
施策
のプライオリテイーの問題が妥当であ
つた
かどうかという非難を受けるかも知れんという心配があるわけです。そういう点で非常に悩みがあると、こういうことです。
田中一
10
○
田中一
君 悩みは結構ですが、
局長
自身として、どういう方法ならばあなたの希望するような
災害復旧
計画
というものを御
説明
願いたい。
小林英三
11
○
委員長
(
小林英三
君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
小林英三
12
○
委員長
(
小林英三
君) 速記を始めて。
田中一
13
○
田中一
君
河川
局長
に伺いますが、もう
安本
の御答弁では甚だ不満足です。併し
局長
自身がこうなればいいのだというような方法はお持ち
合せ
ないですか。
目黒清雄
14
○
説明員
(
目黒清雄
君) 私は今の姿では
災害
が起きましたときに、必ず抜本的な
施策
を一応考えをして、それを今の制度では
一般
の
費用
から重点的に出すという方法しかないと思います。そこで今のような錦川のような問題は、今までの
計画
、過去において錦川の総合開発
計画
がありますが、これを
実行
すべく努力して来たのでありますから、これは又半面から見れば
相当
有利な仕事でありまするので、これは
地方
長官あたりを説き伏せて熱心にこれの推進を図らせる、こういう手を尽すのが一番いいと考えておるのでありますが、まだ正直なところは機がそこまで熟しておりませんので、我々のほうは積極的には進んでおりませんが、そういうふうに持
つて
行くべきであるということを考えております、
田中一
15
○
田中一
君 今の錦川の例が出ましたが、
安本
では錦川の
災害
に対してどのくらいなものを出すような意向でおるのですか。
谷口龍夫
16
○
説明員
(
谷口龍夫
君)
災害
の
査定
に現在のところ、まだ各原局から要求書その他も出ておらない
状態
でございますので、近く要求書がまとま
つた
上で更に十分検討いたしまして考えることになるのじやないかと思
つて
おります。
田中一
17
○
田中一
君 先般
災害
……、防災課ですか、仮
査定
に行かれたというように聞いております。本
査定
にまで行
つて
いないようですが、その仮
査定
の
被害
額ですね。これは県から通達が、
報告
が来たものと大体同じでございますか。同じでないですか。
目黒清雄
18
○
説明員
(
目黒清雄
君) 実はその
災害
の当初におきましては、県の
報告
はまちまちでありまして、非常に大
災害
を受けたところはなかなか
報告
がまとまらん、こういう大
災害
のところにまあ督促という姿で
行つたの
で、
査定
というよりは、今のような
災害
の
原因
がどこにあるか、或いはこれに対する根本
施策
はどう考えるべきかというようなものを土台に考えまして、それに県の
報告
を早くまとめさせる督促、こういうものを兼ねて
行つたの
で、現在お手許に差上げました
報告
がその結果なのであります。
島津忠彦
19
○島津忠彦君 今度の
ルース台風
は今
お話
がありましたように、錦川とか何とか、
河川
の
被害
も
相当
大きか
つたの
でありまするが、それに負けずに
海岸線
の
被害
が
相当
大きか
つた
。私は
現地
を見まして痛切に感じたのでありますが、この
海岸堤防
の復旧がいろいろ、所管がいろいろに
なつ
ておりますのですが、その
関係
で非常に
工事
が、復旧
工事
が遅れるというようなことを
現地
で聞くのです。この点は
各省
でどういうふうにしておられるか。例えば運輸省だとか、農林省だとか、
建設省
あたりの所管がありますが、その調整をどういうふうにしておられるか。
目黒清雄
20
○
説明員
(
目黒清雄
君) この前の国会に
海岸堤防
法を出すべく
準備
をしたのでありまするが、これが
各省
の
意見
の調整ができないので、実はまだ議会に提出されていないという現状であります。そこでこの
各省
のあれから言いますと、はつきり
海岸堤防
は
河川
局内の仕事に
なつ
ておるのでありますが、実際問題といたしましては、なかなかまちまちである。
港湾
は、
港湾
区域内の
海岸堤防
は
港湾
だと言
つて
おりますし、農地の
海岸堤防
は農地局の仕事である。こういうふうに言
つて
おるのです。
あと
は
都市
の
海岸堤防
が残されたわけですが、そういうことで
海岸堤防
の一貫性は現在のところないわけであります。もともと
海岸堤防
は御
承知
の通りに個人が全部や
つて
おる、維持、補修も、建設も殆んどが個人であります。それが農地の改革と共に地主がなくなりまして、この補修ができなく
なつ
た。維持、補修ができなく
なつ
て、
海岸堤防
の問題が出て来たのでありまして、そういうふうな現状で、国がどうしても面倒を見て行かなければならないのが現状であります。そこでそれならば、現在の姿で
海岸堤防
の
災害復旧
は促進されない、遅れるというようなことの
お話
でありますが、これは逆に言うと、却
つて
促進されるのではないか、と言いますと、
各省
相争
つて
仕事をするような結果になりまして、トラブルこそは起きますが、
地方
長官として、或いは
地方
局として考えますると、非常に
各省
が争
つて
面倒を見てくれるという逆の結果ではないかということも言えるのでありますが、問題はその所管の問題よりも、今度行
つて
見た感じから言いますと、
海岸堤防
の構造上の問題が、技術上の問題が大きく取上げられなければならんと思います。
海岸堤防
は石垣で積んで、毎年のように破壊されているのが現状です。それを見ますると、どうも設計が悪いのか、或いは施工が悪いのか、非常にいい仕事とは言えないのであります。そこで我々のほうは昨年から
海岸堤防
の
災害
に対しては、
相当
丈夫なものをや
つて
おるのであります。今度の
災害
でもその一部が、これは一部だけしかまだや
つて
おりませんが、その一部か厳然として残
つて
おるという例を見て参りましたので、これならば大丈夫だという自信を持ちましたから、今年から
海岸堤防
の
査定
は、
原形復旧
と申しますか、これは非常にそれに囚われますと非常に困る問題ですが、再び壊れんような
海岸堤防
を造らなければならんということでや
つて
おります。
赤木正雄
21
○赤木正雄君
安本
のほうにちよつとお尋ねしますが、干拓で
災害
を受けた場合は、今これを復旧すると二分の一の
補助
であるが、三年放棄しておくと全額国の
補助
になる、こういうふうなことをちよつと聞きますが、実際ありますか。
谷口龍夫
22
○
説明員
(
谷口龍夫
君) ちよつと私この問題につきましては聞いておりませんので、お答えいたしかねます。
赤木正雄
23
○赤木正雄君 今の問題はこの次までおきます。私は主に
大臣
にお伺いしたいのですが、
大臣
が見えませんから
一つ
二つ
局長
にお尋ねいたします。先ほど
局長
の錦川の話に関してあそこに
災害復旧
、
原形復旧
をやる、又それを根本
施設
をせずして
上流
のダム、
砂防
ということをおつしやいましたが、併し
費用
の観点からは重点的に持
つて
行く。こういうことを言われましたが、仮に
河川
の
砂防
に千億の
費用
が公共事業費にあるとして、これは全国平均でその
府県
に応じて按分しておる、そういう場合に今の重点的というのは、千億の
費用
を、ほかの
費用
を薄くしても重点的なところへ持
つて
行こうという御趣旨でありますか。私はそれでなしに、やはり千億は千億として今まで通りやるが、千億以上にやはりこういう場合には、公共事業の多分の増額をして、そうして錦川のほうに持
つて
行こう、こういうふうに解釈すべきと思いますが、どうでしようか。
目黒清雄
24
○
説明員
(
目黒清雄
君) 我々としては
災害
の復旧費というそのものは決して枠に囚われないで、枠外にしてもらいたいというのが我々の希望であります。従
つて
これに伴うような
一般費
も例えば
砂防
の
災害
対策
費とか、或いは
河川
のいわゆる
災害
対策
費というようなものも枠外にすべきだということを我々は主張しておるのでありますが、そうなりますと、
一般
の枠からはみ出すということになりますので、
相当
重点的にできるというふうに考えておりますが、さて実際問題としては、
安本
あたりの
査定
の
考え方
、或いは大蔵省の
考え方
は
災害復旧
費さえも
一つ
の枠に入れたいがごとき
考え方
を持
つて
おるので、その辺は
予算
の折衝のときにいろいろトラブルが起きる問題であります。
赤木正雄
25
○赤木正雄君 私はまだはつきりしない点がありますので、もう一度お伺いしますが、
災害復旧
費は
災害復旧
費でこれはいいとして、その他の治水事業費、その治水事業費を各
府県
に必要度に応じてまあ今日や
つて
おる。併し錦川というふうに特別の
災害
が起きましたら、
災害
とは別に抜本的な意味において、そこにこの治水事業費のうち今まで各
府県
に分けていたものを、重点的に錦川のほうに持
つて
行こう、こういう御
意思
ですか。それをはつきりしておいて頂きたいと思います。
目黒清雄
26
○
説明員
(
目黒清雄
君) 我々の希望としては今までも過去のものは、過去のものと申しますか、一応の
計画
を立てておりますものは、これもやはり重要な仕事でありますので、
災害
で突発的に起きた新らしい問題として、それにプラスをして行くべきだという主張をしていたのでありますが、なかなかこれは往々にして通らんというのが現状であります。
赤木正雄
27
○赤木正雄君 今の
局長
の答弁はそうあるべきなのでありまして、仮に錦川の
方面
に重点的に持
つて
行
つた
結果として他の
府県
が手薄になりますならば、他の
府県
にやはり水害のある場合には、その
府県
が当然あの錦川の二の舞をすることは当然であります。つまり錦川のように水害が起らないように、各
府県
では
河川
の
砂防
をや
つて
おるのでありますから、錦川のために各
府県
の
河川
費、
砂防
費を減額することはあり得べからざることなのであります。これがためには当然
安定本部
はどうなさるかというお考えを私は聞きたいのです。つまり私は
安定本部
は仮に千億なら千億という公共事業費をどこに重点的に持
つて
行くかという、こういう確固たるお考えはない以上は御
承知
の通りに公共事業費として枠がきま
つて
おりますから、この際日本の国土再建のために、或いは毎年今
局長
のおつしや
つた
ような厖大な
災害
がある場合に、この何千億の
災害
を防ぐためにどういう仕事を第一にやらなければならないか、それに対して
安定本部
としては公共事業を処理なさる場合に当然お考えがあるべきはずと思いますが、その根本のお考えを私は承わりたい。
谷口龍夫
28
○
説明員
(
谷口龍夫
君)
災害費
は先ほど申上げましたように、今度の
災害
につきましては、
各省
からの
災害
の要求書もまだ出ておりませんので、
各省
の御
意見
その他についても、
安本
といたしましては、まだ十分に
承知
してないような
状態
になるわけであります。
各省
から出揃いました上は、更に
委員
会の御
意見
を拝聴いたしまして、善処して行きたいと思います。
赤木正雄
29
○赤木正雄君 私の尋ね方が下手なことでしよう。結局私の言い方がまずいので尽くせませんでしようが、
災害
のことを私はかれこれ言
つて
おるのではありません。それは
災害
が
九州地方
に起きようが、東北
地方
に起きようが、関東
地方
に起きようが、それは止むを得ない。併しこういうように
災害
が起きる国でありますから、これに対して公共事業費を、
災害
以外の公共事業費を、どういうふうに重点的に持
つて
行くべきか、それに対する御
意思
を承わりたい。……当弁がなければ
安定本部
から長官をここに御出席願いたい。又そういうことで答弁ができんというなら、今まで
安定本部
は公共事業費をどういうふうに処理されていたか、非常に疑問に思う。公共事業費の処理が或いは間違
つて
おるために、こういう
災害
が年々増発すると、こういうふうに解釈して差支えありませんか。
谷口龍夫
30
○
説明員
(
谷口龍夫
君)
災害
につきましては皆さん御存じのように、
予算
の限度がございますので、その限度におきまして、
安本
といたしましては
予算
の
実行
をいたしておるようなわけであります。
相当
大幅な
災害費
がございますならば、又別問題でございますが、現在の枠において
経済安定本部
といたしましては予定いたしておるような次第でありますから、その点御了承願いたいと思います。
赤木正雄
31
○赤木正雄君 どうもまだおわかりに
なつ
ておらん。私は
災害
のことを言
つて
おりません。
災害
が起りますから、こういうふうにその
災害
が起きるために、その
災害復旧
費をかれこれ言うのじやありません。毎年々々日本のように
災害
がないと思
つて
いたのに
災害
が起
つて
おる。つまり日本は
災害
が起きるそういう国柄でありますから、
災害
を防ぐ、
災害
が起らない、そういう根本
方針
のために、仮にあなたのほうに今まで公共事業費をお分けに
なつ
ておる場合に、どの
方面
に公共事業費を重点的に持
つて
行くべきか、これに対するお考えが私はあるべきはずだと思います。それでなしに公共事業費をお分けに
なつ
ておるとするならば、誠に今までの分け方が私どもには納得しがたいのです。で
災害
とは別に、先に
河川
局長
に伺
つた
ように、
災害
の根本
施策
をどうするか、
災害
が起らないようにどうするか、或いは農業
方面
に公共事業費をお用いのこともありましよう。或いは開拓事業のために、或いは林道のために、ほうぼうにお用いになりましようが、先ずこの日本の現在の
状況
としては、どこに公共事業費を重点的に持
つて
行くべきか、これがおわかりに
なつ
ているはずだと思います。まあそれによ
つて
、今までの公共事業費の按分をされているか知りませんが、それに対して私は非常に疑問があるのです。今まで公共事業費の按分の仕方が悪い。仮に千億の公共事業費がある場合に、治水に対する公共事業費、
河川
に対する公共事業費、
砂防
に対する公共事業費、その事業のアンバランスがあるために、こういうように
災害
が起るのじやないか。又
災害
がある場合には、もつとあなたのほうに何か
災害
を未然に防ぐために、こういうふうに公共事業費を分けておられるということがあるならば、我々は納得し得るのでありますので、それに対してのお考えを承わりたい。
谷口龍夫
32
○
説明員
(
谷口龍夫
君) それは皆さんも御存じかと思いますが、公共事業費がいつも言われておりますように、治山治水ということが重点に
なつ
ているということはここで申上げられると思います。
赤木正雄
33
○赤木正雄君 ではそういうふうなまあ来年に公共事業費がどういうふうになるか知りませんが、今の御趣旨に反しないように治山治水に重点的に
災害
が起らんようにしつかりお願いします。まだその案がお立てに
なつ
ていなければ今ここで確答なす
つた
ことが反古にならんように私たちは見守らております。
田中一
34
○
田中一
君
住宅局長
にお伺いいたしたいのですが、今度の
ルース台風
によるところの
住宅
の
被害
がさつき
大臣
からも公共事業費のうちで、公共事業や及びこの
政府
補助
の問題で、八十六億あるという話ですが、これについてはその後どういう工合に具体的にこの
住宅
問題を処理しているか伺いたいのですが、その後の進捗
状態
です。
大村巳代治
35
○
説明員
(
大村巳代治
君) 先般の
建設委員会
の際に御
報告
申上げましたときは、丁度
大臣
現地
へ御
視察
中だ
つた
わけであります。その後帰
つて
来られましでから早速御連絡申上げたわけでございますが、先般
住宅
局としての案を申上げた例の
資金
運用部
資金
を、修理用に
府県
単位で貸付けるという問題につきましては、非常に軽卒でございまして、本年から
資金
運用部
資金
法ですか、実施に
なつ
ておりまして、個人に
府県
単位で貸付ができんように
なつ
ているそうでございます。これは残念ながら放棄いたしました。
大臣
とされましては、非常に今度の
災害
で、これは抜本的の方法をとらなければいかんじやないかという御
意見
もございました。それから特に建築
関係
の
被害
が従来の
災害
に比べまして大きい点から、例えて見ますれば、建築基準法などの運用などにもう少し力を注ぐべきじやないか、その他
災害
の保険問題なども少し研究して見たらどうかというような御
意見
もございまして、目下内部で以て将来の
災害
のために
対策
を考究中でございます。で今回の
ルース台風
につきましての
対策
は、先ほど或いは
大臣
お話
にな
つたの
かとも思いますが、
公営住宅法
によります
災害
住宅
の建設につきまして、大体約六千戸を予定しております。それから、厚生省の
災害救助法
によります
住宅
の建設につきまして約四千戸余りを予定しております。それから農林省
関係
の開拓
住宅
の補修費を
計画
されております。そのほか
金融
公庫のほうも積極的に融資するように手配をいたしまして、
金融
公庫といたしましては約十億分につきまして
府県
に協会を作
つて
もらいまして、そこで賃貸
住宅
を
相当
数造るような予定にしております。
只今
きまりましたのは
山口
県におきまして百五十戸、
鹿児島
市におきまして四十戸ばかりの申請は実施することにきま
つて
おりますが、漸次各
府県
からその線によりまして申請が出て来るだろうと想像しております。
田中一
36
○
田中一
君 そうしますと、大
部分
先般
お話
に
なつ
たこの預金部の流用の問題は取上げたと、従
つて
災害
住宅
に対して個人のものも公営でや
つて
貸付けるというような形に持
つて
行くというわけですか。
大村巳代治
37
○
説明員
(
大村巳代治
君) そうです。
田中一
38
○
田中一
君 そうしますと、無論それは
災害
のあ
つた
ところに復旧するか再建するか、或いは他の
地域
に
土地
を求めるということになるのでしようけれども、その際やはり
公営住宅法
によるところのあらゆる法律を適用してやるか、或いは例外を認めるか、そういう点はどう
なつ
ております。
大村巳代治
39
○
説明員
(
大村巳代治
君)
只今
実はまだ詳しくどういう処置で各
府県
が
公営住宅
並びに国庫賃貸
住宅
を要求して参りますかはつきりしたところがわからないわけでございますが、大体
大臣
がお出掛けになる際に
大臣
が直接公庫とお打
合せ
になられまして各
府県
に公庫の融資の方法をお示しに
なつ
て来られております。それと噛み合います問題でございますので、私どもとしましては成るべく
公営住宅法
の枠で許せる範囲べ大きく見て上げたいと思
つて
おりますのですが、まだはつきりしたことを申上げかねます。
田中一
40
○
田中一
君 この
住宅
金融
公庫の
資金
を特定のこうしたところへ流用するのは、これは法律上どうです、間違いじやないですか。やはり我々に約束されたこととは違うように考えるのですが、どうです。
大村巳代治
41
○
説明員
(
大村巳代治
君)
公営住宅法
の内容につきまして、たしか賃貸
住宅
を三割の範囲まではできるように
なつ
ておると思いますが、ただその対象が
府県
の公共団体をバツクにした公益法人に
なつ
ておると思います。それで鉄筋コンクリート、不燃構造を主としておりますわけでございますが、
災害
の緊急
措置
として木造の分も認めたいということでございます。
小林英三
42
○
委員長
(
小林英三
君)
田中
君にお伺いしますが、定員法の御質問があるそうですが、
大臣
が今
閣議
が正午までかかるそうです。それで事務的の問題でしたら今
文書課長
参
つて
おります。
人事課長
も来ておりますが、それらの御質問をなさいますか、或いは他日に譲りますか。ちよつと速記をとめて……。 〔速記中止〕
小林英三
43
○
委員長
(
小林英三
君) 速記を始めて……。
田中一
44
○
田中一
君
住宅局長
にもう一点聞きたいのですが、
住宅
金融
公庫に対して先般、まだ廻
つて
おりませんけれども増資の法案が廻わるはずですね、今国会に……。その十億はそれに加えるという
考え方
は持
つて
いないのですか。ただ
一般
の
金融
公庫に今度増資される金のうちから十億を
災害
地に分けるという
考え方
ですか。それともそうでなく、この十億は一応応急
措置
として
住宅
金融
公庫の金を使
つて
おる。それを、
公営住宅法
によるところの
資金
を同じようにもう一遍充当する、返すというような
措置
をおとりになるのですか、どうですか。
大村巳代治
45
○
説明員
(
大村巳代治
君)
只今
補正予算
に提出されておる中から十億割くというふうに聞いております。
田中一
46
○
田中一
君 次の機会に譲ります。
赤木正雄
47
○赤木正雄君
河川
局長
にお伺いしたいのですが、最近は会計検査のほうが非常に変
つた
らしいので、
災害復旧
等で指定した場所について何らか厳重なことを又会計検査のほうから言
つて
来ておる。折角
建設省
で
査定
したものに対してこれは
超過工事
だと言
つて
いろいろの金を返すというのがあるらしいのですが、これは事実でしようか。
目黒清雄
48
○
説明員
(
目黒清雄
君) この法律ができましたのは今年ですから、今年の
査定
にはそういうことがないのですが、過去に
査定
しましたのはこの法律の適用時代じやないのですから県では
超過工事
を
相当
や
つて
おります。そこで今度はこれに対して今度の法律を適用するので、上げなくちやならんのですが、
超過工事
と
原形復旧
を……。ところが
府県
によりましては、これは
手数
が厄介なので、成るべく
府県
財政を豊かにするというわけで、或る
程度
府県
の考えで分けておるのがあります。そうしますと会計検査でやられておるというのが事実であります。我々が一応過去のやつを
査定
すればいいのですけれども、そういう時間がありませんので、
超過工事
は
府県
の自治的な
考え方
で分けていたのがたまたま会計検査に引つかか
つた
という事実であります。
赤木正雄
49
○赤木正雄君 私はこの間衆議院の行政監察
委員
会で傍聴しました。あのときに佐賀県の砂利問題、又石川県の天狗橋の問題、これが非常に手厳しく審議されていました。ああいうふうなことは恐らくはかにはなかろうと思いますが、あなたの手許にはあれに類したことが今上
つて
おりますでしようか、どうでしよう。
目黒清雄
50
○
説明員
(
目黒清雄
君) 天狗橋事件は非常に有名なので或いは御
承知
かと思いますが、実は、天狗橋事件は国の
補助
をいたしておらないのであります。でありまするから、恐らく国で取上げて国費を出したという問題は起らないと考えてお
つたの
ですが、たまたま取上げられてお
つた
という結果で、非常に何かその辺の誤解があるようであります。我々は天狗橋事件が発生しない前に
査定
に行きまして、これはどうもあやしいというので
査定
をはねた問題なのであります。でありますからまだ国費を投じない。ただそういう事件を県が考えたかどうかというところに、何と言いますか未遂の問題があるのでありますが、これは我々の関知するところではなく、今警察署でや
つて
おるという次第でございます。国費をそれに不当支出したという問題は起らないと思うのであります。佐賀県の問題はこれから進行、認定をいたしまするが、勿論そういう不当の支出をいたしましたものに対しては、精査の結果、国から
補助
を出すべきものとは考えておりません。これは細かくこれから調べようと思
つて
おりますが、
只今
のところでは、その種の問題は起きて来ておりません。
赤木正雄
51
○赤木正雄君 この前の前の国会だと思いますが、私やはり
建設省
当局に、この公共事業のいろいろと思わしくない事実が新聞等に上
つて
いますから、三回ほどこの
委員
会で質問いたしました。その結果いろいろとまだ審議中とか或いはまだこれからどうなるかわからんというような御答弁がありまして、その後の結果を聞いてませんからこの次の機会でも、いつの機会でもいいですから、この国会中に、私が質問していた、あのいろいろと不在事実についてはどう
なつ
ておるか、一応御答弁願いたいと思います。これはこの次でもいつでもよろしいですが、この国会中に……。
田中一
52
○
田中一
君 行政整理の問題について伺いたいのですが、
曾つて
より
建設省
が事業費を以ていわゆる労務者とは言いながら職員に準ずるものを採用して使
つて
おります。従来の、今日あるところの定員法によ
つて
なお且つ人員が足りないから一万数百名の事業費によるところの雇用人を使
つて
おるという現状は間違いないと思う。にかかわらず、今回
各省
が、頭から一応三割減二割減とかいう事業と全然遊離したところの整理案を以て
各省
にのしかか
つて
来ております。それに対して
建設省
としては約七百八名の、定員において七百八名を首切るということに
なつ
たそうでありますが、事業と遊離した整理案というものは、今あなたのお使いに
なつ
ておるところの、雇用しているところの公務員が能率が悪く、素質が悪いというその意味において首切るということか、さもなければ病気で長期欠勤しておる……、或いはただ単に行政整理という、
各省
並みの振合いにおいてやるのだというような
考え方
であるのかどうか。七百七名乃至八名の整理する者に対して、どういう立場から
建設省
は承認したのであるか。先ず第一に伺いたいと思います。
小林與三次
53
○
説明員
(
小林與三次
君)
只今
のお尋ねの問題でございますが、この、まあ七百七名でございますが、これは
建設省
にもいろいろ部局がありまして、直接事業をや
つて
おる地建の問題、それから本省、その他研究所の問題、いろいろありまして、まあそこを全部集計して、七百七名という
数字
が出たわけでございます。でありますから、事業プロパーの
方面
につきましては、それは事業の遂行に所要な人員との割振りというものを考えまして、整理する者につきましても一応それぞれバランスという段階がまああるのでございまして、
只今
お尋ねの問題は、主として地建の問題だろうと思うのです。この七百七名のうちで、本省
関係
が実は百四十四名、それからその他研究所等の附属機関が十六名、地建が五百四十七名こういう内訳に
なつ
ておるのでございます。問題は五百四十七名の地建の人員が、むしろ人員が足らんというのに、どういうことであるのかというお尋ねだろうと、こう考えます。地建のうちにも、管理
関係
の仕事をや
つて
おる者と、それから
工事
事務所以下の本当の現場の仕事をや
つて
おる者とに分れ、更にその中で、営繕
関係
の者と土木
関係
の者に分れる。こういうわけでありまして、地建
関係
の中でもいろいろ部門があるのであります。そこで、特に一番忙しいのは、営繕
関係
で、最近予備隊
関係
工事
その他で非常に過重な仕事をや
つて
おるということは我々もよく考えておるのでありまして、それでこの営繕
関係
は人員は減らさないという建前に
なつ
ております。土木
関係
が一部と、それから本局の
一般
管理事務は
予算
とか会計とか人事とか、そういう
一般
の役所並みの仕事を主としてや
つて
おりますので、これは全然整理ができないというわけには参らんだろうというので、理窟から言えば一割ぐらい、ちよつと出ますが、そういうものを整理するというふうに、それぞれ部門を考え、仕事を考えて我々としては事をきめて行く、こういう次第でございます。
田中一
54
○
田中一
君
補助
員につきましては、
補助
員と言いますか、事業費によ
つて
雇用しておるところの
補助
員については、一応この一万三千名のうちの六千名くらいを準公務員としていわゆる共済組合その他の厚生の枠……、何と言いますか、厚生
施設
の枠に入れようということを大蔵当局は承認したということを聞いておる。然らば少くともこの七百七名の人間を首切る前に、この臨時雇的な
補助
員を減らさして、現在の現状維持或いは現状より以上に増員しなければならんというような現況にあるほうが妥当なんじやないか。今
文書課長
がおつしやるように、ほかの役所並みに自分のほうもしなければならんのだという
考え方
であ
つて
はならないのじやないかと思います。それで
補助
員を一応準公務員として六千名を引上げるというならば、この七百七名の現在の公務員を救う途が先ず妥当じやないかと思うのです。片つ方は公務員法によるところの定員です。片つ方は事業費によるところの臨時雇なんです。この場合に無論
補助
員を必要に応じて臨時雇として雇
つて
おるのですから、我々この首切りも反対します。併しながら定員法によ
つて
定められたところの七百七名を雇用しておる、首切らないということが妥当と考えますが、どうでしようか。
小林與三次
55
○
説明員
(
小林與三次
君)
只今
のお尋ねの、準職員というものは
相当
数だから、本定員に手を着けるのはおかしいじやないか。これは極めて御尤もな御質問でありまして、我々としましてもその点は一番考えもし主張もして来た問題であります。今後も又そういうことになるだろうと思います。ただ問題は定員法上の定員と、いわゆる準職員というものを全然同様に考えてよいか、こういう問題が
一つ
あるだろうと思います。それで特に私たちのほうはそういう現業の役所でございますから、使
つて
おる人間はいろいろの、何と申しますか、質的、量的その他仕事の内容によ
つて
性質上違うものでございまして、準職員の下には更に日雇の人夫をたくさん使
つて
おるわけであります。そこがほかの役所と性質が違うところであります。それで公務員法上の公務員として定員の枠内に入
つて
おるのは、本当に公企業的な役所の機関の構成員として仕事をやる、いわば事業そのものに密接しておるというよりも、事業を管理執行して行くという立場におるものでありまして、事業費で雇われておるものは事業そのものと消長するいわゆる現業的な人夫が主体でございます。ただその人夫のうちで毎日日雇の形式をと
つて
おるものと、それから事業が続く限り永続的なものと、こういうふうにいろいろ段階が実はあることだと思うのであります。それでありますから、準職員でありますから、本定員とは全然別だという、こういうわけにも参らんのでありまして、そうなりますれば、準職員の枠と本定員というものは全然
一緒
に考えていいか悪いかと、こういう問題にもなるわけでありまして、そこはそれぞれ仕事の内容によ
つて
雇用
関係
の
状況
によ
つて
段階がある、こういうふうに考えておるのでございます。そこで本定員の枠内に入
つて
おる範囲内において、それなら一体整理の余地があるかどうか、こういう問題で事を考えて、それは或る
程度
や
つて
行く方法もあるのじやないかというので、併しその方法は
各省
並みというわけでは無論ありませんで、事務の執行能力等を考えて、この
程度
ならばやり得るという
程度
で一応一部を削
つた
。こういうことに
なつ
ております。ただすぐに振り替えれるかということになれば、今言う雇用の
状況
、勤務の
状況等
でできるものもあれば、必ずしもできないものもある、こういうのが本当の筋の通
つた
考え方
ではないかということを考えております。
田中一
56
○
田中一
君 七百七名の大まかな、或いは長期欠勤とか何とかいう内容をちよつと知らして下さい。
町田稔
57
○
説明員
(町田稔君) 七百七名と直接
関係
はございませんが、現在
建設省
の職員のうち……現在と申しますのは十月一日現在に
なつ
ておりますが、欠員が百四十一名でございます。それから長期欠勤者が、これは一ヵ月を超えて休んでおるものの数でございますが、全
建設省
職員のうち二百九十三名であります。それからなおこれは御質問にもございませんでしたが、大体昨年一ヵ年におきまして
建設省
から辞職をしたり、或いは他の官庁に出向いたりしたりしまして、
建設省
外に出ました数が昨年一ヵ年間で五百名余りでございます。
田中一
58
○
田中一
君 この長期欠勤者の理由は大まかにどういうふうに分類されますか。
町田稔
59
○
説明員
(町田稔君) これは殆んど全部が結核、呼吸器病
関係
でございます。
田中一
60
○
田中一
君 この結核患者に対しては首切れば
あと
の
措置
はどうなるのですか。
町田稔
61
○
説明員
(町田稔君) 従来は長期欠勤のものを休職にいたしました場合なんですが、これは休職者に対してはその間俸給を払わないことに
なつ
ておりますが、現在国会に提出されることに
なつ
たと思いますが、給与法案の中では休職者に対してもたしか俸給の何割か支払が可能になることに
なつ
ておると思います。そういたしますと、長期欠勤者は休職することにいたしましても、なお二ヵ年
程度
は安心して給与をもらいつつ休養ができるということになるのではないかと思います。なお休職にさせずに退職せしめた場合には、共済組合法によりまして、退職した後も、発病後三ヵ年間は療養の給付がございます。これによりまして療養費は全額国のほうが、国と申しますか、共済組合のほうで負担をするということになるわけでございます。
田中一
62
○
田中一
君 今のお考えでは長期欠勤の二百九十三名というものはどつちみち退職休職させるということに
なつ
ておりますか。
町田稔
63
○
説明員
(町田稔君) 二百九十三名の長期欠勤者がおりますが、このうちどの
程度
のものを休職させる必要があるかということは、その職場々々におきまして必要に応じてきめられるものだと思
つて
おります。それで長期欠勤者は一律にこれを休職にするとか、或いは退職にするとかというようなことは考えておりません。なお先刻ちよつと申し忘れたのでございますが、今国会で御審議に
なつ
ております定員法には休職者は定員外になるような
措置
ができることに
なつ
ておりますから、従来とその点が非常に違
つて
、必ずしも休職にいたしました場合には退職をさせる必要がないということに、定員を食いませんがら、退職させる必要がないということになると思います。
田中一
64
○
田中一
君 公共事業費その他の
補助
工事
などはこの七百七名の減少によ
つて
完全に今までの仕事が遂行できるという自信の下に立
つて
おるわけですね。
小林與三次
65
○
説明員
(
小林與三次
君) それはもとより
建設省
としてこの
数字
に同意をいたしましたのは、この
数字
で少くとも現在の段階の仕事ならば、来年又仕事が如何に変化して行くかは別として、これは来年の新らしい問題でありますが、現在のものならば何とかできる、馬力をかけてや
つて
行く、こういう考えであります。
田中一
66
○
田中一
君 大体全貌がわかりましたが、ただここで今行政整理、首切りをやろうというときに、六千名の準公務員を作
つて
実質的に定員増加という姿に
なつ
ておるのです。そうしてなお且つ七百七名を首切るというような形は、これは精神的に本非常にまずいやり方だと思うのです。営繕
関係
のほうの仕事は多いから、営繕費は殖えることになるでしようが、私らの調べたところにおいても非常に過労です。片方においで準公務員を作
つて
、定員を増加する形で以て、片方七百七名首切るということの矛盾ですね。これは一体、先ほど
文書課長
は何とかできると思うということを育
つた
が、本音は一体何ですか。本音は七百七名を首切らなければならんということは、
予算
を、経費を節減するためにやるんだということで、事業が減
つて
いるからやるんだという……本音はどうなんです。速記をとめても結構ですから、あなたも同じ公務員なんです。本音を聞かして頂きたい。
小林與三次
67
○
説明員
(
小林與三次
君) 七百七名の分は事業が減
つた
からというわけでは勿論承りません。事業は、来年の
予算
はどうなるか別として、これは今年の問題でございますから、事業は減るというわけでは勿論ありません。そこで我々は役人ですから、本音としては整理することは欲しないことは、これも又間違いのない事実でございます。できるだけ、定員が無駄にある必要はないですけれども、
相当
にあ
つて
、十分に働き得るようにしたいということはこれは又我々としては同じ考えです。ただ併し今度のように、いろいろ会計事務とか人事
関係
とかその他の管理事務というものの整理というものを一方で考えておりまして、その事務を具体的にまだ案がきま
つて
おりませんが、或る
程度
減らす、こういうことになれば、そうした事務のために非常に
手数
が殖えて、それに従事してお
つた
人間というものは一部浮いて来る。これは理窟ですけれども、この理窟は或る
程度
認めざるを得ない、こういうふうに考えております。そうした非常に煩瑣な仕事が戦後殖えて、その煩瑣な仕事を減らすに応じて或る
程度
のことは整理して、例えば七百七名の中でも例えば紹介事務をやめるとか、特殊物件の事務をやめるとか、資材割当の事務をやめるというような問題が実はある。そういうものをやめるのですから、その仕事は減らす。これは我々としては同意せざるを得ないのです。ただ県の現業
関係
では、これは現業の仕事は今の準職員が何千名というものを現に認めた、こういうのとそこに
食い違い
がありはしないか、こういうところに問題があるのでございますが、これは共済組合の定員という共済組合に加入している労務者ということでございますから、それがそのまま本先負と同一視すべきものかといえば、私はそこに少し疑問があるのではないかと思う。事業に従事するためにたくさんな労務者が直営でや
つて
いる
関係
上、これは要りますから、そうした直営に必要とする労務者の中で、或る
程度
継続的に使われているものは共済組合に加入させる、そうでなしに浮動的に使
つて
いるものはほんの日雇人夫にしよう、こういう段階がおるのでありまして、これは仮に請負にや
つて
おれば請負にある監督の事務をやるとか、契約の事務をやるとかというものが定員になる。それがまさしく本定員に該当すべきであると思うのです。そういうわけでございますから、そういう
方面
において或る
程度
事務の整理というものが行われるならば、それに対しては我々としても止むを得ず協力せざるを得ないのじやないか、こういうのが
実情
でございます。
田中一
68
○
田中一
君 今準公務員が労務者労務者とおつしやるけれども、これは皆大学を出た、専門の
学校
を出て恐らく優秀な技術者もおるのです。あなたは一概に労務者労務者とおつしやるけれども、労務者ではないのです。大学を出たり、特殊な技術を持
つて
、恐らく今いるかたがたよりももつと優秀なものも労務者として使われている。これは何をしているか、労務者をや
つて
おるのではない。やはり職員、或いは職員以上の、公務員以上の仕事をや
つて
いる。そういうものは当然転格されるようなことはあると思うのです、講和の批准に当
つて
通訳とか何とか偉くなる、これは自然に、定員法によらなくても当然あるもので、こういうことは理由にならんと思います。今の例えばこれはあなたがたの組合から出ている書類の参考ですが、今まで二十一年に、これは無論単価の価格で違うでしようが、一人の公務員の
工事
の消化率が二十一年度には五十五万二千円、二十二年四十五万六千円、二十三年度が六十九万九千円、二十六年が百四十五万円に
なつ
ている。これは物価の値上りもあ
つて
、どういう
査定
をしたか、詳しいことは存じませんが、少くとも今日我々が営繕
関係
の現場に行き、
河川
関係
の現場へ行
つて
も、土木建築
関係
へ行
つて
も、仕事は
相当
殖えておるのです。又消化率も殖えておると思う。こういう点について、殊に準公務員というものを作
つて
やらせるということになると思いますが、どうも仕事が
相当
殖えているのではないかという
考え方
は間違いなく持
つて
いるのです、終戦直後以来ですね。それにもかかわらずしなければならぬ。結局労働強化ということになるのではないかと思うのです、現在残
つた
ものはですね。それを
工事
費とか何とかで以て、労務者労務者とあなたは一概に言うけれども、皆
相当
な技術を持ち、
相当
な
学校
も出ているものを、労務者扱いにしてそういう仕事をさせるというような盲点があるのではないかと思うのです。これは
文書課長
まだ本音を吐いてないと思うのです。ほかの行政官庁と違うのです、現場の仕事は。ですから
大臣
が強く増員を要求していいと思うのです。それにかかわらず、
大臣
も就任以来日が浅いから他の仕事に圧迫されるのでしようけれども、ただ
建設省
関係
の公務員をやはり
各省
並みに減らすのだというような
考え方
は、これは結局煎じつめれば労働強化です。この点組合から出ている消化率、こんなものは正しいか正しくないかわからんです。
文書課長
はどうお考えになるか、こういう労働強化ということに対しては。
小林與三次
69
○
説明員
(
小林與三次
君) 今の組合の
数字
の根拠は別として、それは確かに事業費が殖えておることは事実です。それから一人当り物価の騰貴を補正いたしましても、恐らく一人当りの実質上の事業量は二十六年度あたりまで殖えておることは間違いない。これは我我も実際それを
承知
いたしておりまして、それであるからこそ、この整理の場合は勿論頑張るし、その他増員の要求も処理して行
つて
おることは事実でございます。ただそこで問題は
一般
官庁と違いますけれども、事業官庁というものは、
建設省
だけでなしに、ほかにも
港湾
なり、農林省にもあります。そういう現業
関係
と、むしろ権衡の問題だろうと思います。
一般
行政部門は初めから事が別ですから、別に考えるのは当り前であります。それと更に比較するということになれば、民間の企業における人員の雇用の
状況
とも又比較することになるだろうと思います。これは
各省
現業部門の間において、そうえらいちぐはぐがあ
つて
は困る。それが客観的に見て非常に無理だということになれば、これは又筋が通らぬだろうと思います。営繕なども明らかに一人当り五百万円ぐらいを超えておるのでありますから、これはどう考えた
つて
むしろ足らぬということになると思います。ですから特別に仕事のやり方でも変え、例えば現在設計を皆役所がや
つて
おりますが、設計の仕事を民間に委託するとか、そういう方式でも考えぬ以上は仕事はこれ以上断るよりほかに手がないということになるだろうと思います。ですからそうした点を我々実質的に考えて、ただ二十一年から殖えておるから一人も減らせぬ、こういう問題だけではやはり通らない。やはりずつと昔から、それでは内務省時代から一番忙しか
つた
ときの実質上の仕事の分量とどうか、こういう比較もありますし、又
各省
の現業の仕事の
状況
、それから今の民間の仕事の
状況
、そういうようないろいろのものと比較する、そうしてもう
一つ
は特に終戦後いろいろな雑務が殖えたために、非常に人手が要る、これが非常に人手が多く
なつ
た二番の
原因
だろうと思います。例えば人事
関係
の仕事とか、労務
関係
の仕事とか職業紹介所の
関係
とか、そういう雑務が殖えて、そうしてむしろ先ほど
お話
のような技術者が技術プロパーに打込めずに雑務に忙殺されておる。そこに我々としては一番大きな問題がある。本当の優秀な技術者は技術に専念して雑務から解放させなければならぬということが今度の整理の場合でも我々は一番主張したので、雑務さえ整理してくれれば、人は或る
程度
整理してもよいというので、我々としてこういう仕事と、こういう仕事、全部やめてもらいたいということを事務的にも強く主張しております。
大臣
あたりからも、整理というものを秤にかけてや
つて
もらわなければ困るということを実は申しておるわけであります。この間から赤木先生のおつしや
つた
行政監察委、あの問題でも、結局いろいろなそういう雑事があるということが人手の問題にみんなからんで来ておるのでありまして、我々といたしましては、そういう方向にできるだけ事を運んで頂きたい、皆様のお力によ
つて
でもそういうことを徹底的に整理して頂きたい、これが本音なのでございます。そうしてできるだけ本当に能力のある者がその能力を十分に本来の立場で振えるような立場に仕事のやり方というものを純化して行きたい、こういうふうに実は考えておるわけなのであります。それと皆こんがらげて考えるというと整理がどうこうという問題が起りますけれども、そういうふうに成るべく筋の通
つた
ように少しでも仕向けて行きたいというのが今度の整理に対する我々の
意見
でございます。併しもつと言えば、一人でも多いほうがいいわけでございまして、我々としてもそういう念願は常に持
つて
おるわけでありまして、来年度の
予算
の場合は、又
予算
の問題として
一つ
議論をしよう、こういうふうに考えておるわけであります。
小林英三
70
○
委員長
(
小林英三
君) なお御質問もあると思いますが、この次に譲りたいと思います。 それからこの次は請願陳情が七十件ばかり溜
つて
おりますから、先ずそれを片付けたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会