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1951-10-30 第12回国会 参議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十月三十日(火曜日)    午前十時四十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事            田中  一君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            平井 太郎君            深水 六郎君            小林 亦治君            東   隆君   事務局側    常任委員会專門    員       菊池 璋三君   説明員    国土綜合開発審    議会会長    飯沼 一省君    国土総合開発審    議会事務処副主    幹       佐瀬 六郎君    建設省管理局企    画課長     落合 林吉君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○河川道路都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (国土総合開発に関する件)   —————————————
  2. 小林英三

    委員長小林英三君) それでは只今から建設委員会開会いたします。  本日は国土総合開発の問題につきまして国土総合開発審議会会長飯沼さんが見えております。そのほか事務処の副主幹佐瀬奥田両氏が見えております。建設省のほうから管理局企画課長落合君が見えております。本委員会におきましては、この問題について二月の通常国会の際にも調査をいたしたのでありますが、最近この問題について十九の特定地域指定について手続が進められておるようでありまするから、そういう問題につきましても、その後の推移につきましていろいろ調査いたしてみたいと思います。先ず建設審議会のほうから御説明を願いたいと思います。
  3. 飯沼一省

    説明員飯沼一省君) それでは国土総合開発審議会のその後の模様を申上げたいと思います。  先般来経済安定本部及び建設省におきまして特定地域調査をいたしておりますが、まとまりましたので総理大臣特定地域指定要請いたしました。その結果総理大臣から法律に基きまして国土総合開発審議会に十九の特定地域をきめるについて審議会意見を聞きたい、こういう諮問があつたわけでございます。今月の六日お手許関係書類を差上げてありますが今月六日に諮問がございました。審議会は早速会議を開きましてこれを決定するについての審議の方法その他を審議いたしまして、その結果特定地域分科会を開きましてその分科会で先ずこれを詳細検討しようということになりまして、只今その分科会において研究中でございます。その十九の地域はこれもお手許書類が差上げてございますが、北のほうから申上げますと、秋田県の阿仁田沢地域、山形県の最上地域、岩手、宮城両県に亘りますところの北上川の地域、福島、新潟両県にまたがつております只見川を中心にしました地域、栃木、郡馬、埼玉、茨城、東京等都府県に亘りますところの利根川中心といたしました地域、北陸のほうに参りまして石川県の能登地域、富山、岐阜両県に亘りますところの飛越地域、長野、愛知岐阜に亘りますところの木曾川の地域、それからちよつと、東へ戻りますが、静岡、愛知両県に亘ります天龍東側地域、奈良、和歌山、三重三県にまたがつておりますところの吉野、熊野地域四国に参りまして徳島の中川の地域、高知、愛媛両県に亘つておりますところの四国西南地域、中国に参りまして鳥取、島根、岡山三県に亘つております大山出雲地域、広島の芸北地域、山口県の錦川を中心としました地域九州に渡りまして北九州地域阿蘇の山の週辺、これは熊本、大分両県に耳つておりますが、阿蘇地域南九州、これは鹿児島県と宮崎県の両方に亘つておりますがこの地域、長崎県の対馬の地域、この十九でございます。だんだん分科会のほうの研究も結論に近ずいておりますので、近く本審議会を開きまして何分の審議会としての意見を決定いたしまして総理大臣のほうに答申をいたすつもりでございます。大体最近における審議会審議経過は以上の通りであります。  又お尋ねによりましてお答えを申上げまするし、又開発事務処のほうから副主幹以下参つております。又建設省のほうからも落合企画課長が見えておりますので、御質問によりましてお答えを申上げたいと存じます。
  4. 赤木正雄

    赤木正雄君 この特定地域につきまして経済安定本部建設省両方調査されているように見えますが、これはどういうふうに調査される範囲が変つておるのですか。或いは同じことを両省がやつているのか、両方関係でやつておりますか。それをはつきりして頂きたい。
  5. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) これは開発法特定地域に関します第十條に基きまして、総理大臣特定地域指定要請するに当りましては、建設省のほうにおきましては府県同意を得る。それから安定本部におきましては各省意見を聞くということになつて、その上で両方協議によつて要請をするというふうに手続なつております。そのほか地方調査に関しましては建設省が主としてやつております。で国としての調査はむしろ安定本部のほうでやるというふうに目下はなつております。
  6. 赤木正雄

    赤木正雄君 府県のほうに関する限りは建設省、国に関する限りは安定本部こういうふうにおつしやりますが、具体的の例においてもう少し詳細に御説明願いたいと思います。
  7. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 国土計画地方計画に関しまする事務は、官庁の設置法所掌事務が規定している以外にはあとは国土総合開発法によるものでございます。設置法によりますと、建設省地方計画或いは国土計画に関する事務を扱うというふうになつております。それから経済安定本部国土計画基本に関する事務というふうに規定されておりますと存じております。その面それから国土総合開発法におきましては只今申上げましたように、特定地域指定しますときの手続につきまして建設省地方の意向を、例えば特定地域要請しようとするときに地方同意を求めるとか、地方つながりのある事務をいたします。それから経済安定本部といたしましては、特定地域指定要請しようとします際には、関係行政機関の長の意見を取りまとめるというふうなことになつておりまするので、設置法に規定をしておることと大体同じような事務を扱うようになつております。
  8. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう少し掘下げて国土計画地方計画に関しましては、都市局はこれに対して関係していないのですか。
  9. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 特定地域指定に関した部分で例を申上げますると、特定地域に対しましては大体三つの要素になつておりますが、「資源開発が充分に行われていない地域、特に災害の防除を必要とする地域又は都市及びこれに隣接する地域で特別の建設若しくは整備を必要とするもの等について、特定地域を設定するというふうになつております。そのうちの都市及びこれに隣接する地域で、特別の建設若しくは整備を必要とする地域特定地域要請するというような場合には、当然都市局の所掌しておりまする都市計画事務が深く関係して参りまするので、この種問題につきましては、都市局事務相当つながりがございます。なおこれは特定地域に関してばかりではございませんのですが、国土総合開発をする、地方総合開発計画を作るというような場合には「関係行政機関の長は、その所掌する事項に関し、関係都府県に対して、都府県総合開発計画地方総合開発計画又は特定地域総合開発計画の作成上必要な助言をする」というふうに国土総合開発法で規定しておりますので、これは国土総合開発計画は各般の事項内容なつておりまするので、都市局ばかりでございませんで、河川局道路局或いはほかの省につきましても関係省がそれぞれ所掌する事項について関連をするわけでございます。
  10. 赤木正雄

    赤木正雄君 都市局に対しましても資源開発とか或いはその地方都市関係したところの各分野があります。従つて都市局にも関係するとおつしやいましたが、では都市局調査したものをあなたのほうで材料におとりになつておりますか。又は河川局道路局調査したものを材料におとりになつておりますか。或いは特にそれらの別途にあなたのほうで調査をしておられるか、これを伺いたい。
  11. 落合林吉

    説明員落合林吉君) この国土総合開発法で規定しにおりまする計画の立て方としましては、一応関係都府県が自主的に計画を立てることになつておりまして、この場合に計画を立てまするのには、各省で所管しておる内容が盛られることになつておりますので、それには相当調査資料が要りますし、それから更に進んで調査研究をしなければいかん面があるのでございます。これに関しましては都府県総合開発計画を立てます際に各省がそれぞれ助言をすることになつております。例えば河川中心にする利根川開発計画を一部五県で作ろうといたしますと、その中には直轄でやつておりまする河川工事或いは農業関係事業がございます。そういうものは当然各省調査研究しました資料或いは計画内容府県に示さなければ府県では計画が立案できません。それぞれの所掌事務に基きまして府県が合理的な計画を立てるのに必要な資料助言の形で府県に出されることになつております。
  12. 赤木正雄

    赤木正雄君 関係都府県計画するとおつしやいましたが、関係都府県にしてもやはり自分県内にある河川道路その他の資源開発或いは林業問題にしてもやはり隣接した県にあつても、とにかく自分県内のことはそれぞれありまするからして、その主管庁である或いは建設省道路とか或いは河川、或いは農林省森林関係、これと密接な関係があつて、私の聞きたいのはつまり同じようなことをあなたのほうでも調査し又その調査がすでに河川局道路局或いは林野庁にありはせんか、同じことを府県に命じておられはしないか。そうだとすると、誠に時間の空費、労力の空費、実にばかばかしいと思います。そういうことがあるか、ないか、先ず伺いたい。
  13. 落合林吉

    説明員落合林吉君) これは現在既存の資料があるのに新らしい資料を求める等のことはいたしておりません。各県で総合開発計画を立てます際に、先ず建設省の所属で申しますと河川局道路局都市局住宅局等で多年に亘つて蓄積しました資料は、府県のほうから計画立案関係部局資料の提出を求めます際に、遺憾なく資料を提供いたします。それから各農林省運輸省等についても同様でございまして、そういうふうな資料に基きましてそれを総合的によく咀嚼しまして無駄のない計画を作るだけでございまして、現在資料があるのに又重複して新らしい資料を別途に求めるというふうなことはいたしておりません。
  14. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういうふうならば或いは河川局でも道路局でも或いは林野庁のほうにありましようが、それぞれ立派な資料があるはずでありますからして、それ以上に重複してあなたのほうから資料を各府県にお求めになつていないと、こういうふうに断定してよろしうございますか。
  15. 落合林吉

    説明員落合林吉君) ちよつと布衍して御説明申上げますが、各道路河川都市等の方面で基本的な調査が全部済んでおるものもありますし、それから済んでないものもございます。例えば河川につきましても非常に基本的な調査が進んでおる河川とまだ十分進んでいない河川とがございます。それからその一つ地域につきましては河川道路農業も同じ程度制度を必要としますので、制度が不揃いな部分についても先に進んでおる調査内容に一致する程度まで更に進んでの調査を進めるという必要がございます。それはいずれそういうような調査も必要とするのですが、たまたま進んでいないという分についてはほかの調査と同じ程度になるまで調査を進めなければいかん場合がございます。  もう一つもつと具体的な例を申し上げますと、例えば利根川について申しますと、利根川洪水量を調整するために上流に幾つかのダムの地点を考えております。そのダムのうちの幾つかは河川費で持つておりまする公共事業調査費等ですでに調査が済んでおる点もございます。それは明年度着手する或いは明後年度着手するという部分については相当調査が進んでおります。併しその後において着手する部分についてはまだ費用等の点で十分調査が行われていない。併し総合開発を立てますのには大きな堰堤を作るとかいうようなことは基本的な問題になりまして、その堰堤ができる、できないということでほかのいろいろな計画関係して参りますので、まだ各所掌事務をやつている機関では調査が進んでいないが、それを大体の調査だけでも進めておきませんと、後のいろんな計画が成り立たんという場合にはよくそれを所掌しておる行政機関協議をしまして、追加して調査をするというようなことは出て参ります。
  16. 赤木正雄

    赤木正雄君 私まだ質問がありますが、ちよつと中座しますからほかの人にお願いします。
  17. 小川久義

    小川久義君 ちよつと開会中でありますが、速記をとめてお願いしておきたいのですが。
  18. 小林英三

    委員長小林英三君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  19. 小林英三

    委員長小林英三君) 速記を始めて下さい。
  20. 田中一

    田中一君 赤木さんから大分質問があつたようですが、私今お示しなつた十九の特定地域に対する事業の大体の具体的な計画というものを考えていらつしやるのかどうか伺いたいのですが。
  21. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) 特定地域に関しましては、開発法によりまして指定後正式に関係府県において計画を立案するということになつております。その計画建設大臣を通じまして、総理大臣に提出する。それを一応各省意見を述べまして審議会におきましてこれを調査審議の上行う計画なんで、現在指定要請に当りましてとりました県の計画と申しますのはこれは構想的な計画でございまして、一応府県が考えられる計画をすべて織込んで行くという性格なのです。大体事業費を概略当つてみますと、この十九地域府県が作りました計画事業費は約一兆円に産します。その中で公共事業費が五千億これは十カ年計画なつております。その五千億のうち既支出分が二百五十億ということになつております。そして公共事業費の第一期と申しますか二十六年度から二十八年度の三カ年分であります、この所要額が一千六百億円、今後この指定後正確に計画が立でられました場合には、この計画は更に重点的に調整されまして圧縮されるものというふうに考えております。
  22. 田中一

    田中一君 十九の地域のどつから始めるという順位でも考えていらつしやるのですか。どつから始めて行くという考え方ですね。今公共事業費でやつておる支出二百五十億、これはどこを現在やつておりますか、十九のうちの指定されたうちの。ちよつと質問が下手ですが、現在ですね、このうち直轄工事としてやつておるところがありますね、今二百五十億支出しておるというわけですが、これに対してどこどこがそれに該当するかお示しを願いたいのですがね。どの地域が現在公共事業費でやつてる、どの地域をやつているというように。
  23. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) 只今申上げました二百五十億と申しますのは、この十九地域全般にまたがつております事業費の総計でございまして、例えば北上地域につきましては今の井澤、それから猿島の堰堤工事といつた直轄工事、利根につきましては利根川河川改修工事、そういうもの全部に亘つて含まれております。
  24. 田中一

    田中一君 そうすると十九を指定しまして、やはり従来通り現在十九全体にかかつておるような、ぼちぼちやつて仕事をそのままの形で各府県ともやつて行くという考え方ですか。
  25. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) これは綜合開発法の趣旨が、各事業別に立割でばらばらにこの計画がなされるのでは非常に資金的にロスが生じますから、一定の地域については総合的に関連ある事業はその計画内容を調和させまして、総合計画として予算を将来付けて行くというふうに考えておるわけであります。
  26. 田中一

    田中一君 そうしますと一応順位をきめてどの地域からまとめて行こうという考え方になるのでしようか。従来手をつけておるところは抽出してやつて行くのか、それとも並行してやつて行くのか、予算というか資金の面についても、資材の面についても、一兆億円の工事をどういうようにやつて行くという計画が立たなければ、結局何年たつてもまとまらんということが招来するのじやないかと思いますが、建設省のほうにしてもあなたのほうにしても計画がありますか。
  27. 落合林吉

    説明員落合林吉君) この総合開発計画を作りまして、それに基いて仕事をやるというふうな国土総合開発法基本的な狙いについて申しますと、只今佐瀬主幹から申上げましたように、或る地域内の事業所掌行政別ばらばらにやるのでなく総合的にやつて、そうして効率を高めて行くということが第一番の狙いであると思います。これにつきましては、別に現在の公共事業或いはその他これに関連した公益事業、私企業の事業費にかかわりがありませんでも、無駄がなく合理的に仕事が進められるというだけで相当効果があると思います。それが一番の狙いと存じます。  それから第二点としましては、例えば水力発電工事を画期的にやるという施策が生れましたときには、水力電気の視野からばかりそれを遂行したほうがいいのか、それとも水力電気を重視しますか、関連した他の事業効果も合わせて考えてやる方式をとつたほうがいいかということを比較しますと、勿論後者のほうがいいのでありまして、そういうように積極的に事業をやるときにも効果がある、従来の程度事業費でやるときも総合事業でやるほうが効果があると考えております。
  28. 田中一

    田中一君 私はね、伺つてるのは、この十九の中のどれかに重点をおいてやつて行かなければ、これからのものはまとまつて行かないという場合に、審議会は或いは建設省としてもどれを一番目にやるか、どれを二番目にやるか、こういう点を伺つてるのです。その具体的な計画というものを御説明願いたい、こういうことを要求しておるのであります。
  29. 落合林吉

    説明員落合林吉君) これに対しましては、お手許にお配わしました各地域指定の理由の内容にもその地域開発の主目標というものが挙げてございます。これは特定地域指定します際に、いろいろな今の日本の状況から開発されるべき内容を豊富に持つておる地域を而もその事業を施行しますと効果が挙がることを期待されるような地域特定地域指定してございます。特定地域の例について申しますとその指定された特定地域では今後精密な計画を立てるのですが、立てます際には審議会等からその地域開発の主目標はこれこれである、或いはもつと細かく総合開発計画を立案する基準となるようなものをお示し頂けるものと思います。それに基きまして各地域も、ここに指定要請にもありますような目標に向つて計画が立案されたわけです。そうしますと、この主要な事業につきましては経済効果を判定する方式等もすでに研究済みでございますので、そういうような仕事経済効果というようなものも計画に合せて付けて申請して参りますから、それらを見ましてどの地域を先に取上げるかというよりも、いずれも相当事業ポテンシャルを持つておる地域でありますから、計画を立案された場合に、どの事業をやるほうが一番いいかという点について重点を置かれることになるかと思います。
  30. 田中一

    田中一君 この審議会は無論この地域が一番いいと順位をきめて答申なさるおつもりですか。
  31. 飯沼一省

    説明員飯沼一省君) 審議会といたしまして、この地域の間の緩急の順序というものにつきましてはまだ全然研究いたしておりません。これは各委員それぞれの頭の中にはいろいろ考えを持つておいでのことと思いますけれども、審議会としてどういう順位を付けて答申すべきか、或いはそういうものを付けないかというようなことにつきましても、分科会におきましてもまだ研究をいたしておらんようで、今後の問題になろうかと考えております。
  32. 赤木正雄

    赤木正雄君 私中座いたしましたから、中座中に田中委員のほうから御質問があつたか存じませんが、この十九の域を選定されていますか、これは先ほどのお話によると大体都府県の申請によつてこれを先ずききめる、こういうふうに考えて差支えありませんか。
  33. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) 都府県から特定地域候補地最初建設省を通じまして提出されまして、それが全国で五十一地域ございます。それから安定本部におきましては、関係各省のこれに関する意見をとりまして、農林、通産、建設公益事業委員会運輸省等から約十地域ほど、都府県が提出しない地域につきましても候補地がございます。この両者につきまして安定本部建設省と協力いたしましていろいろ資料検討をいたしまして、その結果、この十九地域を先ず優先的に指定要請をしたわけであります。
  34. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、この十九以外の五十幾つかの地を各地方から申請したとおつしやいますが、それらの地方については一応今十九をここに挙げておるのに比べましてすべての点において劣ると、或いはまあ十分調査がないと、こういうようなことでありますか。私の必配するのは十九の地域をこういうふうに上げられましたが、先ほど田中委員お話と同じように、こういうたくさんなものをよくあなたのほうでもうどれだけの手数を以てこれをなさるのかもしれませんが、一体どういう機構でこういう根本調査をなさるか、その機構の問題を聞きたいとし思います。
  35. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) この選定に関しましてどういう調査をして選定したかということにつきまして少しく御説明申上げます。安定本部におきましては従来各省がそれぞれ所管事項につきまして基本調査をしております資料を総合的に集めまして、先ず全国を百九十五の地区に区分いたしまして、これらの地区につきましてその地域に賦存しております資源ポテンシャルを先ず調査いたしました。それはそこにある未開発賦存出力、或いは土地改良を、要する面積、或いは未開発林道、それから将来の工業の発展度、それから現在起つております災害規模、こういつたものにつきまして、先ずそういう発展可能性というものにつきまして総合的に検討する。それからこれらの資源につきまして現在国家的にどういう開発要請度が強いかという点につきましてこれをA、B、Cの三つランクに分けまして検討いたします。Aランクといたしましては主食糧米麦エネルギーといたしまして水力発電、石炭、これは原料炭ガス発生用炭重点といたします、それから木材、こういつたものをAランクといたします。その他の食糧、水産、畜産、養蚕、火力発電、その他のエネルギー資源主要地下資源等Bランクというように考えまして、順位をつけております。  それからこの開発効果がどの程度挙るかということにつきまして、特にその効果早期、且つ効率発生という点に重点を置きまして検討する。更にこの計画実現性につきましては、現在府県が考えております計画開発規模というものを資金面、或いはその開発計画量というものにつきまして検討を加えまして、更にこれらの計画熟度基礎調査進行程度、或いは計画の樹立の態勢といつたようなものにつきましても検討する。これらの事項を総合的に検討しまして一応順位をつけております。これにつきまして更に各省のそれぞれの意見を求めましてこれを調整いたしまして建設省協議して決定しております。
  36. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、この十九の中でどこが又一の順序なんですか。
  37. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) 十九につきましてはいわゆる一番二番というような順位はついておりません。ただ事務のほうといたしましては、この開発規模或いはその計画の緊要度というようなものにつきましては一応AB程度ランクをつけて考える。これは併し現在の要請にあたりましては特にそういうランクをうけないで要請いたしております。
  38. 赤木正雄

    赤木正雄君 百九十五のものをA、B、Cにお分けになつて、而もそれには開発効果とか或いはその効率早期発生とか、そういうものを科学的、技術的になさるならば、この十九についても当然A、B、Cといいますか、或いは一、二、三の順序が付くべきだ、その順序を付けないで一般に総合開発とかそういうものはあろうはずがない。これは何といつても技術、科学に基きますから或いは一つの土地を開発する、それが非常に効果が多いがこれには多年の年限を要する、又莫大な工費を要する、この点から一位のものを二位にするとか、そういう一定のものがあるはずです。これはこれがなくてはできない。この観点から一から十九に対して必ずこれは順位があるべきだ、それがないならばこれは実に漠たるものと言わなければならん。これについてはつきり伺いたい。  なお重ねて申上げますが、これは單なる法案とは違いますから技術、科学に基くものでありますから、この技術、科学に基くものに順位がなかろうはずがないということを重ねて申上げます。
  39. 落合林吉

    説明員落合林吉君) この特定地域五十一の候補地、これは県から申請して参つた地域であります。このうちから十九地区を選んだのでありますが、選定の際には建設省は大体前に審議会できめられました特定地域の選定の基準と、それからもう一つ審議会でこれを決定しました国土総合開発計画の運営方針の第一項に基きまして、第一項と申しますのは、国内資源の高度開発と合理的利用による経済自立基盤の育成、治山、治水の恒久対策樹立による経済安定の基礎確立という二項でございます。これと特定地域指定の基準によりまして逐次選定作業を進めて参つたのであります。  そこで根本としましては資源開発を主にする地域災害の防除を主にする地域と大体二つに分けまして、総合開発計画でありますから、その他全般のものを網羅しますが、先ずニューディング・ファクターとして二つにわかれます。都市周辺の整備というのは只今申上げました国土総合開発計画運営方針に基きまして暫く時期を待つことにしまして、第一次としては資源開発を主にする地域災害の防除を主にする地域というふうにその重点を先ず置きます。それから二つに分類しまして、五十一地域を分けたのであります。それで資源地域というふうに分類しましたものはどういう内容かと申しますと、資源の賦存度が全国平均よりも面積が多い所を一応資源地域として分けるときにその部類に入れた。それから災害防除を必要とする地域というのは全国の平均の災害度合よりも強い所を一応災害度を主とする地域という工合に分ける。そうして緊要度のきついほどこの分類しました地域としましてはA、B、C、と分けますとA、Bに位する、つまり上位に位すると一応仮定します。そうして資源地域災害地域に分けます。  それから今度は資源地域につきましては、只今安定本部のほうから御説明申上げましたように、国土開発審議会のほうで資源の緊要度というようなものをかねてお作りになつたものがございます。その緊要度と申しますのは先ずエネルギー源、これは水力、石炭、これの開発を樹立する。食糧資源それから農産、水産、畜産、木材、それから地下資源特に鉄、銅、鉛、亜鉛硫化砿、硫黄というようなものを重視するというような定めがございますので、これに基きましてこのような内容があるかどうかということをこれは一応不完全ではありましたがカウンター・バランスの表を作りまして、これらを全部時価に換算しまして緊要度をそれに與えまして、そうしてその絶対量が多い順に一応これはランクが高いという工合に、作業の途中ではそういう工合にいたします。  それから今のは量でありますが、もう一つ質の面から検討しますと、特に水力につきましたは一キロワットの設備水力で年間の発生するキロワットアワーが多いほどよい、それから一キロワットの建設費が安いほどよいというようなことで、これを四階級に分けるというようなことにいたしました。石炭につきましてはこのカロリー別ともう一つ原料炭に使えるか使えないかというようなことでこれも四階級に分けたのであります。農業につきましてはその地域の耕地の利用率、一町歩当りの土地改良建設費、それから今度は生産率というようなものをこれも四階級に分けました。それから水産についても漁船の在籍数とか、その地方の一年当りの漁獲高というようなことから、資料のある限りのものでこれも四階級に分けたのであります。畜産、木材、地下資源についても同様の工合に一応四階級に分けました。そしてそれらのいろいろな指数を綜合しまして、これをA、B、Cというようなことに分けまして、更にこのA、B、CをA1、A2、B1、B2というふうな工合にしましてそして順次選定する枠を精密に圧縮して参りまして、そして選ばれたものが資源地域としては有望な地域であるという工合に判定いたします。災害につきましてもそこの住民一人当りの災害の度合、それから面積一平方キロ当りの災害の度合、その地域災害を防除すると仮にどういう影響を及ぼすかというようなこと、これもやはり只今資源と同じように科学的に考えられることを十分に考えました上で、A1、A2、B1、B2というようなことにいたしました。  それを今度は総合いたしまして資源災害、それからその他の要素というようなものを総合しまして、その上にこれは計画熟度というようなものを入れまして、ポテンシャルはあるのですが、まだ例えば水力電気が起るという可能性は非常にありますが、まだ実はダムの点地も十分に調査していないし、ほかの個所に比較しますと、その流量の調査も十分にしてないということは、これは計画熟度が落ちるものということで、これは減点するというような判定をいたします。でありますから只今経済安定本部のほうから御説明申上げましたと同じように私ども作業をやりました者としましては、一応のランクは持つております。併しこれらのものがあるということだけの判定でありまして、特定地域指定します委員と申しますと、これから今度は計画を立案する義務を法律的に負わされることになりまして、本格的な計画はこれから立案されるものでありますし、それに対しましては、主要事業については十分経済効果の分析等もいたしてもらうはずでございますから、それが全部出揃つた上でこれは事業を行う上に人員を地域的に付ける必要があるか、或いは地域的には付けないが、事業内容ランクを付けて扱つたほうがいいかは今後の問題と存じまして、不十分な資料で初めからランクを付け公表するということより、計画ができ上つてからのほうが適切ではないかと考えまして、現在のところは一応全部ランクを付けずにやつておるわけであります。  赤木正雄君 今までお話なつたことはやはり要点を我々はつかむことはできません。大きな網をお張りになつておるばかりでその網に魚がどこにかかつて来るか一向にわからない。今まで言われたことに、私は仮に阿仁田沢特定地域、これに対して資源がどうなつておるか、或いは治水問題、そういうものがあるはずですから、各こういう地域について今そこで御答弁なすつたその内容に基いて、各地域について今すぐとは言いませんからして私は書類でその全部が欲しいのです。そうしませんと内容がすつかりわかりませんのみならず、なお残つた百何ぼか百九十何ぼになるか知りませんが、その地域についてはやはり国会として検討しなけれげならん。そうして出る以上は十九以外の各地域についても全部知りたい、当然委員会として知つて置くべきだと思います。この内容を各地域について全然言われておりませんから、單に地域だけありますけれども、今言われた各項目について或いは水害がどうだとか、或いは石炭がどうとか、或いは発電がどうとか、そういうことを詳細に私は知りたい。それからそれができない以上は、あなたがたのほうに或いは恐らくこれの中に一、二という順はあると思いますが、はつきりなされませんが、我々は我々としてその一、二の順序検討しない以上は、我が国の財政として十九の個所を一度に仕事ができない。これははつきりしておりますからどうしても国会として検討してみたい。併しながら災害についてもさつき言われましたが、仮に吉野川のような大きな川の災害、或いは小さい川でもその災害が多くて、今度の災害でも九州方面、山口方面、そういう所の河川災害が大きいというようなものはこういう特定地域に入るんですか入らないんですか。どうですか。
  40. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 特定地域要請に対しましては一応府県同意を取ることになつておりまするので、府県が進んでこれを特定地域にして指定して欲しいという地域を尊重します。それで五十一地域の中から選定しましたので、その中から災害を主にする地域につきましては只今申上げましたようなことで選んだのであります。要請をしない地域河川災害が非常に大きい、或いは小さい川でも災害が大きいというような御説のようなものがあるかも知れませんが、これは総合開発でございませんので、災害だけで他に関連事業が比較的少いという所は府県からもそういう意味で申請して来なかつたんじやないかと思います。
  41. 赤木正雄

    赤木正雄君 私はこの内容についてかように地域をやかましく申しますというのは、どうも特定地域が実際問題といたしましても十九の個所が一時に仕事ができようはずがないのでありますから、最近は特定地域に編入してもらう、そのことが一つの何といいますか政治問題化しかけておるのです。或いはこれらのために弊害が起りかけております。あなたのほうで本当に国として先ず或いは利根川災害の面から開発せんならんとか、或いは水力電気のほうから先ず只見川をやらなければならん。これは一般国民の常識として考え得られるのです。それから十九のそれのみならずまだたくさんの個所がある。これらが国立公園にあれもこれも入れて欲しいというような大きな運動があると同じような傾向が今日あるのです。これをよく考えずやたらに裁定することは弊害の元になりますからかくくどくど言うのです。でありますから各選定された個所については、先ほど申した條項についてしつかりした書類を配付願いたいと思います。
  42. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) 事務所のほうといたしまして特定地域の選定に当りまして調査いたしましたこの要請地域に関する資料、並びに全国地域的に調査いたしました資料を後ほど配付申上げます。
  43. 田中一

    田中一君 建設省に伺いたいのですが、大体この十九の特定地を実際にいつからやるつもりで計画しておるか、承わりたいと思います。
  44. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 特定地域になりますと何か非常に積極的に行われる、例えば公社事業のごときは他の地域を排除してまでもそこへ集中されるというふうに解釈いたすかたがあるとしますと私どもはそれはこれからそういう趣旨のものでないという工合によく説明に努めて行きたいと存じます。特定地として要請いたしました地域にはいずれも開発すべき資源とか、それから災害を防除しなければならない内容を持つた地域でありまして、特定域になるならないにかかわらず、何らか国として或いは地方としては、将来対策を必要とするポテンシャルのあるところを特定地域要請したのであります。それからこれはポテンシャルのたくさんある所ですかち、これだけは地方も国も一層入念に計画が無駄がないように基本的な計画を作りまして、そうしてやがて行われる、これは特定地域になるならないは別として、事業の行われる可能性のある所ですから、計画を立案して行きまして、その基本的な計画に基いて無駄がない仕事が行われて行くようにいたしたいということが一番の狙いでありまして、その計画ができ上つてから内容によつてどれから先にやつて行くかということがきまつて行くということであります。
  45. 田中一

    田中一君 そうしますと、この特定地域をきめましても、これには何らかの予算的な措置はとらないと、従来通り公共事業各省に分配されている予算でもつてつて行くのだと、それをまとめて無駄がないような総合的な計画だけを立てるのだと、こういうようなお考えなのですか。
  46. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 取りあえずの措置としては計画、立案しますのに、先ほど赤木先生からも御指摘がございましたように、十分資料各省で、或いは河川調査などをかねてやつておりますので、相当地域でありますから、資料のある分は活用して重複しないように調査をしようということになりますが、先ほどから申上げましたように何しろ長期の計画でありますので、資料が不十分な所は相当調査を又しなければならない部分があると存じます。但しその調査をいたします際には、各省と連絡、協議をする機関国土総合開発事務を行う運営の機関として現在ございますから、そういう所でよく協議いたしまして、無駄のないまだどこにも資料を持ち合せないもの、これは開発計画を立てるにはこれがなければいかんというときにおいてはそれを調査するという方式相当の予備的な、補足的な調査が必要とは存じております。差当りといたしましては、指定になりました地域については、国の意向によつて詳細な開発計画を立てる義務を府県に課したのでございますから、国の事務としてそういうことをやるのでございますから、それに必要な調査にはどうしてもこれはそれに交付しなければならんと思いまして各府県の窓口の役目をする建設省としましては、二億円ほど調査費を要求しております。これは是非今年度において予算を御審議願いまして、それによりまして大体今まで調査の十分でない所を計画、立案に必要な資料をそれによつて得るようにしたいと思つております。  それからそのようにして特定地域総合開発計画が立てられまして、そうして審議会の議を経て計画が確定しました曉におきましては、現在私どもの希望としましては、その特定地域開発計画の中から審議会等の議を経て、これは非常に国家的な緊要度もあるし優先してやるべきであるというふうな事業が仮に指摘されたとしますと、その事業をやつて行くためには何か特別の措置をとるほうがいいのではないかという工合に考えております。現行法はそこまで規定しておりません。
  47. 田中一

    田中一君 今お話の中の調査費二億円というものが計上してあると、これの使い方は結局建設省から各省或いは各府県に分けるのですか。それとも審議会が無論できないでしようし、これをどこが調査するのですか、その方法は。
  48. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 只今予算は行政部費として要求しておりまして、そうして従来も行政部費で国土総合開発計画を立てますに必要な予算をこれは極めて少額で千万円程度ですが要求いたしました。これはいろいろな机上計画でやりますための国の補助費として上げたのでございまして府県に補助いたします。今回は特定地域総合開発計画を作ります際には現地の調査も若干いたしませんと立派な計画ができませんので、それで二億円ほど要求したのでざごいますが、それを府県に補助いたしまして、そうして補助いたします際には、どの地点のどういう所が各省でまだ調査資料を持ち合せてないから調査して欲しいということを、各省の間で管理会というのがございますからそこにかけた上で府県に交付したいと考えております。又府県としましてはこれを作りますときには特定地域ごとに、一県の中にあります特定地域県内だけで、二県にまたがります場合には二県で審議会を必ず作ることになつております。その審議会は、従来作られました審議会の例をとつて見ますと、今後審議会を作る場合にも各出先機関、或いは学識経験者が、その審議会のメンバーに入ります。そこで中央から示しました調査個所を更に検討しまして、そうしてこれは国の協力を得て府県がやつたほうがいい場合には府県がそのようにいたしまして、従来国でやつている調査と重複するようなことのないように行われることを期待しております。
  49. 田中一

    田中一君 期間が来年の三月までに完成するという見込ですか、それとも二億円の使途は計画は立つているのですか。
  50. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 只今の二億円は二十七年度の所要経費として要求しております。
  51. 田中一

    田中一君 二十七年度で以て完成するお見込ですか、調査は、一応十九特定地域については。
  52. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 二十七年度だけでは全部調査は完了いたさないと存じます。それでこの計画の立て方としましては、現在規定なれておりますのは長期計画は十カ年、短期としましては一応の経済自立をします期間が二十八年度になつておりますので、それに併せて短期計画は二十八年度になつております。それで二十八年度までに着手するというような工事についてだけの調査を先ずやりまして、それからその後の分は逐次毎年調査を継続して行くということになると思います。併し一応計画は大体二十七年度中には大綱がまとまるのではないかと考えます。
  53. 田中一

    田中一君 どうも私はさつき赤木君のおつしやるように十九のものに一億円の調査費を使つて調査をするというよりも、少くとも今日まで十九の地域におのずから順位があると思うのです。そういう所に集中的にやつたほうが経済的な面にも時間的な面にも早くできるのではないかと思うのです。ただ今の二十七年度の調査が一応終るという見込でいても、結局順位がおのずから生れて来ると思うのですが、そういう点を一応十九のものをもう一遍圧縮しまして、三つなら三つまでに圧縮して、それによつてつて行くというようなことのほうが非常に効果が多いのではないかと思うのです。こういう点について審議会はどういう考えを持つておるか伺いたいと思います。
  54. 飯沼一省

    説明員飯沼一省君) 審議会といたしましてはほ先ど申上げましたように、この十九の地域の間に順位をつけるということにつきましてまだ何ら研究いたしておらないのであります。各委員それぞれ議論を持つておられますことは勿論でありますが、又果してこの今回の答申の中にこの順位をつけるべきかどうか。この諮問の形などを見ましても果してそこまで行くのが適当であるかどうか。これはいろいろ議論があろうと思います。只今の御意見我我のほうといたしましても十分一つ研究をいたしまして、今後適当なこの国土総合開発の運営が遺憾なく行われるように十分研究をいたしてみたいと考えております。
  55. 赤木正雄

    赤木正雄君 二億円の調査費を各府県に補助としてやつてこれに調査させるというお話ですが、御参考に承わりたいのは、アメリカのTVAはどういうふうな機関調査しておるのでございましようか。
  56. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) TVAの場合はTVA公社自体が自分でそういう調査を担当しておるように承わつております。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 やはりこれはTVAのような形に将来は持つて行こうというような御方針はあるのですか、ないのですか。
  58. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) 只今安定本部におきましては総合開発実施促進法案というものを準備中でございます。その中に地域によつて総合開発公社を作ることができるという想定を一項入れてございます。ですから利益によつて地域といたしましてそういうとTVAというような構想で公社を作るという構想が成立すればこの二億によつて作ることが可能ではないかと考えております。
  59. 赤木正雄

    赤木正雄君 二億円で各府県に補助して調査するという場合に、今まで調査の不十分な点を調査させるというお話でありましたが、そういたしますとこの十九の地区もまだ完全に調査ができていない。こういうふうに考えて差支えないですか。
  60. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 十九の地域はそれぞれ重要な内容を持つておる地域ですからほかの地域よりもむしろ各事項別には調査は進んでおると存じております。併しその中には例えば具体的に申しますと、木曾川などにつきましては農業利水の面で相当基本的な調査が進んでおる部面もございますが、ところが農業利水工事に水を補給する堰堤の箇所の調査というようなものなどについては、この農業利水の末端の調査のほど精細に進んでいないという部分もございます。それらにつきましては同じ程度まで上げるために補足して調査する必要がある。これは利水の面も治水の面も両者で協議して一致した調査地点があるというような場合にはそこを調査し、ただ事項別にやらずに話合いで関係者とも協議した上にここはお互いの立場で調査を必要とする地域であるからやりたいと思うような所を調査する趣旨でございます。二億円という額は実際の調査しました実績から見まして決して大きい額ではございません。むしろ最小限度の額ですが取りあえず順を逐うて着手する。取り敢えず着手する所だけで不備な点をそれを準用してできるだけ調査して行くという考えでございます
  61. 赤木正雄

    赤木正雄君 同じ水を今の例で言いますと、治水ですと両方から調査できるとおつしやるが、それは長年に亘る行政機関の繩張りの点なんです。それができないのでうまくできるはずがない。それをどういうふうにしてやる御方針なんですか。
  62. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 例えば木曾川について申しますと、長野県と岐阜県と愛知県でそこの総合開発計画を立てるための調査をする、或いは審議をする審議会というふうなものをどうしても法律によつて作るということになります。それにはそれらの計画に必要な学識経験者もそれから出先機関も入ります。それらの計画を進めるためには中央の審議会でもそれらの計画を推進するために必要な、例えば部会とかいうふうなもので審議されるようになると思います。そうしますと、現在の総合開発法によりますと、各省で所掌しておる事項につきましても基本的な問題につきましては審議会意見を聞くということになつておりますし、それから審議会自体も必要がある場合には総理大臣を通じて行政機関の長に資料の提出を求めることができるようになつておりますから、それらの運営をよろしくやつて参りますれば従来解決する機会がなかつた問題、或いは解決できなかつた問題についてもお互いに解決しまして、総合開発計画が作り得るのではないかという工合に考えております。
  63. 赤木正雄

    赤木正雄君 戰争中におきましても総合開発というのは従来問題になつて、総合開発委員会もあつたのです。治水の部門、利水の部門もあつた。併しその結果は皆その道の経験学識のある人ばかりでやつたがそれがうまく行かない。あなたのおつしやることは非常に結構です。私はそれを待つておつたわけでありますが、ちよつと聞きますが、琵琶湖は金は余りかからないで発電能力が非常に大きいと聞いておりますが、この十九の地区の中に入れないのはどういうわけですか。
  64. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 建設省の立場を先に申上げますと、五十一の地域の中から選ぶ方針をとりました。それは地方の意思を尊重するという考え方から五十一の地域から選ぶことにする。その際に琵琶湖につきましては水力発電の地点の計画を出して頂かなかつたのであります。その地域要請が来なかつたのであります。それからその地域がないにしましても、これは各行政機関で必要と認めるものについては府県要請して来んでも同意を得て指定することができるのでありますが、一応建設省の立場としましては府県から出して来た分について選定いたします。
  65. 佐瀬六郎

    説明員佐瀬六郎君) 琵琶湖につきましては公益事業委員会建設省のほうから一応候補地として推薦がありました。併し府県のほうの出された地域がこの水力開発地点と違つた琵琶湖西岸について出して来ましたので、これは一応調査地域ということでまだ要請に至つておりません。
  66. 田中一

    田中一君 今の琵琶湖のことですが、甚だおかしなもので、建設省が結局地元で京都府と岐阜県との間で話合いがつかないとこは認められないと、こういうことに結論付けられると思いますが、これは落合課長も知つておられる通り、滋賀県と京都府とでダム建設地点として争つております。こういう点についてそういう府県の話合いが付かなければ全然できないとすると、建設省が自信を持つて推薦し得ないというような判断で入れないのか、伺いたいと思います。
  67. 落合林吉

    説明員落合林吉君) 国土総合開発計画に基きます建設省の立場に二つございまして、一つ国土計画地方計画事務をやりますが、一つ河川行政をやつておる立場と二つございます。そこで国土計画地方計画をやります立場は府県との撃がりの関係事務をとり、河川関係河川局河川に対する事務を所掌しておるのであります。河川関係を所掌しておるという立場からは、琵琶湖も特定地域にするほうがよろしいのでないかという意見を、経済安定本部のほうに申出ておるのでございます。それから私ども五十一地域を選定しますのは、河川行政の観点からばかりでなく、地方の意向によつて地方から提出した地域の中から選ぶ方針をとつていたします。
  68. 赤木正雄

    赤木正雄君 まだ質問はたくさんありますが、まだ続けてなさいますかどうか、委員長のお考えは。
  69. 小林英三

    委員長小林英三君) 今日はこの程度でどうですか、この次のスケジュールに更に何か……。
  70. 赤木正雄

    赤木正雄君 一応委員長のおきめなすつたスケジュールによつてつて又これに戻つて、とにかくまだ質問したいと思いますが、一応どうですかこの次で……。
  71. 田中一

    田中一君 結構です。
  72. 小林英三

    委員長小林英三君) それでは十一月の一日の木曜日にはかねて定めてあります日程通りによつて調査を進めたいと思います。本日はこれにて散会いたします。    午後零時一分散会